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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】飛行体管理装置及び飛行体管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/18 20090101AFI20220404BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20220404BHJP
【FI】
H04W16/18
H04W84/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018023667
(22)【出願日】2018-02-14
(65)【公開番号】P2019140588
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-03-06
【審判番号】
【審判請求日】2021-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】野下 渡志継
【合議体】
【審判長】廣川 浩
【審判官】本郷 彰
【審判官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-527176(JP,A)
【文献】特開2017-184504(JP,A)
【文献】特開2015-95191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信不能となった基地局が通信可能であったエリアを特定するエリア特定部と、
基地局と通信を行う通信部を有し、前記通信不能となった基地局と通信を行った端末を識別する端末識別情報と、現在の時刻から所定時間前までの間に前記基地局が当該端末と通信した時刻とを関連付けた通信履歴情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記通信履歴情報に基づいて、特定された前記エリアに存在し、前記基地局と通信を行前記端末の数である端末数を推定する推定部と、
基地局として動作する飛行体が通信可能な端末数と、前記エリアにおいて推定された端末数とに基づいて、前記エリアに飛行させて基地局として動作させる前記飛行体の数を算出する算出部と、
を備える飛行体管理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記通信不能となった基地局と通信を行った前記端末の前記端末識別情報と、前記基地局が当該端末と通信した時刻と、前記基地局が当該端末と通信したときの当該端末の位置を示す位置情報とを関連付けた通信履歴情報を取得し、
前記取得部が取得した前記通信履歴情報に含まれる前記位置情報に基づいて、前記エリアにおける前記飛行体の飛行予定位置を特定する飛行位置特定部をさらに備える、
請求項1に記載の飛行体管理装置。
【請求項3】
前記飛行位置特定部は、前記算出部が算出した前記飛行体の数が待機中の前記飛行体の数よりも多い場合に、前記エリアに災害場所が含まれているとき、前記エリアに含まれる当該災害場所に対応する位置を、待機中の前記飛行体が飛行する位置として優先的に割り当てる、
請求項2に記載の飛行体管理装置。
【請求項4】
前記飛行体の待機位置と前記エリアの位置とに基づいて、待機中の一以上の前記飛行体のうち、前記エリアを飛行させる飛行体を特定する飛行体特定部をさらに備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の飛行体管理装置。
【請求項5】
前記エリアを飛行させる飛行体が搭載している蓄電池の蓄電量を特定し、前記エリアを飛行させる飛行体の待機位置と、前記エリアの位置と、特定した蓄電量とに基づいて、前記飛行体を前記エリアに滞在させ前記基地局として動作させる時間を算出する動作時間算出部をさらに備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の飛行体管理装置。
【請求項6】
前記エリア特定部は、通信不能となった複数の基地局のそれぞれが通信可能であった複数のエリアを特定し、
前記複数のエリアに対応して前記算出部が算出した前記飛行体の数が待機中の前記飛行体の数よりも多い場合、前記複数のエリアのそれぞれにおける通信不能時間を算出し、算出した通信不能時間が相対的に長いエリアを飛行させる飛行体を優先的に特定する飛行体特定部をさらに備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の飛行体管理装置。
【請求項7】
前記エリアにおける前記飛行体の飛行予定位置を特定する飛行位置特定部と、
特定された前記飛行予定位置に基づいて前記飛行体の飛行を制御する飛行制御情報を前記飛行体に送信する飛行体制御部とをさらに備える、
請求項1から6のいずれか1項に記載の飛行体管理装置。
【請求項8】
前記飛行体制御部は、飛行中の前記飛行体から前記飛行体が搭載している蓄電池の蓄電量を示す蓄電量情報を受信し、前記蓄電量情報に基づく前記飛行制御情報を前記飛行体に送信する、
請求項7に記載の飛行体管理装置。
【請求項9】
前記飛行体制御部は、飛行中の前記飛行体から前記飛行体が通信中の前記端末の数を示す端末数情報を受信し、
前記算出部は、前記飛行体が通信可能な端末数と、受信した端末数情報が示す端末数とに基づいて、前記エリアに飛行させて基地局として動作させる前記飛行体の数を算出する、
請求項7又は8に記載の飛行体管理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する、
通信不能となった基地局が通信可能であったエリアを特定するステップと、
基地局と通信を行う通信部を有し、前記通信不能となった基地局と通信を行った端末を識別する端末識別情報と、現在の時刻から所定時間前までの間に前記基地局が当該端末と通信した時刻とを関連付けた通信履歴情報を取得するステップと、
取得された前記通信履歴情報に基づいて、特定された前記エリアに存在し、前記基地局と通信を行前記端末の数である端末数を推定するステップと、
基地局として動作する飛行体が通信可能な端末数と、前記エリアにおいて推定された端末数とに基づいて、前記エリアに飛行させて基地局として動作させる前記飛行体の数を算出するステップと、
を備える飛行体管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行体管理装置及び飛行体管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、災害等の緊急事態が発生することにより基地局が機能せず、通信が不可能なエリアが発生すると、当該エリアに基地局として動作する飛行体を飛行させ、当該エリアにおける通信を可能にするシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-195493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飛行体の台数は限られていることから、通信が不可能なエリアを飛行させる飛行体の数を適切な数に調整することが求められている。しかしながら、特許文献1に示されるシステムでは、通信が不可能なエリアを飛行させる飛行体の数を求めることについては示されていない。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、通信が不可能なエリアを飛行させて基地局として機能させる飛行体の数を適切な数に調整することができる飛行体管理装置及び飛行体管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る飛行体管理装置は、通信不能となった基地局が通信可能であったエリアを特定するエリア特定部と、特定された前記エリアに存在し、前記基地局と通信を行う通信部を有する端末の数である端末数を推定する推定部と、基地局として動作する飛行体が通信可能な端末数と、前記エリアにおいて推定された端末数とに基づいて、前記エリアに飛行させて基地局として動作させる前記飛行体の数を算出する算出部と、を備える。
【0007】
前記飛行体管理装置は、前記通信不能となった基地局と通信を行った前記端末を識別する端末識別情報と、前記基地局が当該端末と通信した時刻とを関連付けた通信履歴情報を取得する取得部をさらに備え、前記推定部は、前記取得部が取得した前記通信履歴情報に基づいて前記端末数を推定してもよい。
【0008】
前記取得部は、前記通信不能となった基地局と通信を行った前記端末の前記端末識別情報と、前記基地局が当該端末と通信した時刻と、前記基地局が当該端末と通信したときの当該端末の位置を示す位置情報とを関連付けた通信履歴情報を取得し、前記飛行体管理装置は、前記取得部が取得した前記通信履歴情報に含まれる前記位置情報に基づいて、前記エリアにおける前記飛行体の飛行予定位置を特定する飛行位置特定部をさらに備えてもよい。
【0009】
前記飛行位置特定部は、前記算出部が算出した前記飛行体の数が待機中の前記飛行体の数よりも多い場合に、前記エリアに災害場所が含まれているとき、前記エリアに含まれる当該災害場所に対応する位置を、待機中の前記飛行体が飛行する位置として優先的に割り当ててもよい。
【0010】
前記飛行体管理装置は、前記飛行体の待機位置と前記エリアの位置とに基づいて、待機中の一以上の前記飛行体のうち、前記エリアを飛行させる飛行体を特定する飛行体特定部をさらに備えてもよい。
【0011】
前記飛行体管理装置は、前記エリアを飛行させる飛行体が搭載している蓄電池の蓄電量を特定し、前記エリアを飛行させる飛行体の待機位置と、前記エリアの位置と、特定した蓄電量とに基づいて、前記飛行体を前記エリアに滞在させ前記基地局として動作させる時間を算出する動作時間算出部をさらに備えてもよい。
【0012】
前記エリア特定部は、通信不能となった複数の基地局のそれぞれが通信可能であった複数のエリアを特定し、前記飛行体管理装置は、前記複数のエリアに対応して前記算出部が算出した前記飛行体の数が待機中の前記飛行体の数よりも多い場合、前記複数のエリアのそれぞれにおける通信不能時間を算出し、算出した通信不能時間が相対的に長いエリアを飛行させる飛行体を優先的に特定する飛行体特定部をさらに備えてもよい。
【0013】
前記飛行体管理装置は、前記エリアにおける前記飛行体の飛行予定位置を特定する飛行位置特定部と、特定された前記飛行予定位置に基づいて前記飛行体の飛行を制御する飛行制御情報を前記飛行体に送信する飛行体制御部とをさらに備えてもよい。
【0014】
前記飛行体制御部は、飛行中の前記飛行体から前記飛行体が搭載している蓄電池の蓄電量を示す蓄電量情報を受信し、前記蓄電量情報に基づく前記飛行制御情報を前記飛行体に送信してもよい。
【0015】
前記飛行体制御部は、飛行中の前記飛行体から前記飛行体が通信中の前記端末の数を示す端末数情報を受信し、前記算出部は、前記飛行体が通信可能な端末数と、受信した端末数情報が示す端末数とに基づいて、前記エリアに飛行させて基地局として動作させる前記飛行体の数を算出してもよい。
【0016】
本発明の第2の態様に係る飛行体管理装置は、通信不能となった基地局が通信可能であったエリアである通信不能エリアを特定するエリア特定部と、前記通信不能エリアの範囲と、基地局として動作する飛行体が通信可能なエリアの範囲とに基づいて、前記通信不能エリアに飛行させて基地局として動作させる前記飛行体の数を算出する算出部と、を備える。
【0017】
本発明の第3の態様に係る飛行体管理方法は、コンピュータが実行する、通信不能となった基地局が通信可能であったエリアを特定するステップと、特定された前記エリアに存在し、前記基地局と通信を行う通信部を有する端末の数である端末数を推定するステップと、基地局として動作する飛行体が通信可能な端末数と、前記エリアにおいて推定された端末数とに基づいて、前記エリアに飛行させて基地局として動作させる前記飛行体の数を算出するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、通信が不可能なエリアを飛行させて基地局として機能させる飛行体の数を適切な数に調整することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係る飛行体管理装置の概要を示す図である。
図2】第1実施形態に係る飛行体管理装置の構成を示す図である。
図3】第1実施形態に係る飛行体管理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図4】第2実施形態に係る飛行体管理装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1実施形態>
[飛行体管理装置1の概要]
図1は、第1実施形態に係る飛行体管理装置1の概要を示す図である。飛行体管理装置1は、飛行体2の飛行を管理するコンピュータである。
【0021】
飛行体2は、例えば基地局として動作可能なドローンである。本実施形態において、飛行体2は複数存在しており、図1では、飛行体2A、2B及び2Cが示される。複数の飛行体2のそれぞれは、複数の待機場所のいずれかに、飛行可能な状態で配置されている。
【0022】
飛行体管理装置1は、通信管理システム3と、専用回線等の通信ネットワークを介して接続されている。通信管理システム3は、複数の基地局4の通信状況を管理する。通信管理システム3は、複数の基地局4の少なくともいずれかが通信不能になると、通信不能になった基地局4が発生したことを飛行体管理装置1に通知する。
【0023】
飛行体管理装置1は、通信管理システム3から通信不能になった基地局4が発生したことを通知されると、当該基地局4が通信可能であったエリアを通信不能エリアとして特定する。そして、飛行体管理装置1は、特定した通信不能エリアに存在し、基地局4と通信を行う通信部を有する端末5の数である端末数を推定する。
【0024】
飛行体管理装置1は、基地局として動作する飛行体2が通信可能な端末数(以下、収容数ともいう。)と、通信不能エリアにおいて推定された端末数とに基づいて、当該通信不能エリアに飛行させて基地局として動作させる飛行体2の数を算出する。このようにすることで、飛行体管理装置1は、通信不能エリアを飛行させる飛行体2の数を適切な数に調整することができる。
【0025】
飛行体管理装置1は、算出した数の飛行体2に、飛行を制御する飛行制御情報を送信することにより、当該飛行体2に、通信不能エリアを飛行させる。これにより、飛行体管理装置1は、通信不能エリアを、飛行体2を用いて通信可能な状態に仮復旧することができる。
【0026】
[飛行体管理装置1の構成例]
続いて、飛行体管理装置1の構成について説明する。図2は、第1実施形態に係る飛行体管理装置1の構成を示す図である。
飛行体管理装置1は、記憶部11と、制御部12とを備える。
【0027】
記憶部11は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等である。記憶部11は、飛行体管理装置1を機能させるための各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部11は、飛行体管理装置1の制御部12を、後述するエリア特定部121、取得部122、推定部123、算出部124、飛行体特定部125、動作時間算出部126、飛行位置特定部127、飛行体制御部128及び現地情報取得部129として機能させる飛行管理プログラムを記憶する。
【0028】
制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部12は、記憶部11に記憶されている各種プログラムを実行することにより、飛行体管理装置1に係る機能を制御する。制御部12は、飛行管理プログラムを実行することにより、エリア特定部121、取得部122、推定部123、算出部124、飛行体特定部125、動作時間算出部126、飛行位置特定部127、飛行体制御部128及び現地情報取得部129として機能する。
【0029】
エリア特定部121は、通信不能となった基地局4が通信可能であったエリアである通信不能エリアを特定する。例えば、記憶部11には、複数の基地局4のそれぞれの識別情報である基地局IDと、当該基地局4の位置を示す位置情報と、当該基地局4が通信可能な距離と、基地局4が出力する電波の周波数とを関連付けた基地局情報が記憶されている。
【0030】
エリア特定部121は、通信管理システム3から通信不能になった基地局4が発生したことを示す通知情報を取得する。通知情報には、例えば、通信不能になった基地局4の基地局ID、通信不能となった日時、通信不能となった理由、飛行体2の手配の要否を示す情報が含まれている。通信不能となった理由には、例えば、メンテナンスのため、又は障害発生のため、といった各理由を示す情報が含まれていてもよい。エリア特定部121は、通知情報を取得すると、記憶部11に記憶されている基地局情報を参照し、通知情報に含まれている基地局IDに関連付けられている位置情報及び通信可能な距離に基づいて、通信不能エリアを特定する。
【0031】
ここで、エリア特定部121は、通信管理システム3から、通信不能になった複数の基地局4のそれぞれに対応する基地局IDを含む通知情報を取得してもよい。そして、エリア特定部121は、当該通知情報に含まれる基地局IDに基づいて、通信不能となった複数の基地局4のそれぞれが通信可能であった複数の通信不能エリアを特定してもよい。
【0032】
取得部122は、通信管理システム3から、通信不能となった基地局4と通信を行った端末5を識別する端末識別情報としての端末IDと、当該基地局4が当該端末5と通信した時刻と、当該基地局が当該端末と通信したときの当該端末5の位置を示す位置情報とを関連付けた通信履歴情報を取得する。取得部122は、現在の時刻から所定時間前(例えば24時間前)までの通信履歴情報を取得する。
【0033】
推定部123は、取得部122が取得した通信履歴情報に基づいて、エリア特定部121が特定した通信不能エリアに存在し、通信不能となった基地局4と通信を行う通信部を有する端末5の端末数を推定する。推定部123は、エリア特定部121が複数の通信不能エリアを特定した場合、それぞれの通信不能エリアに対応する基地局4の通信履歴情報に基づいて、複数の通信不能エリアのそれぞれに対応する端末5の端末数を推定する。ここで、推定部123は、通信履歴情報に基づいて、現在の時間帯と同一の過去の時間帯の通信履歴情報に基づいて端末5の端末数を推定したり、過去の所定期間において接続されている端末5の端末数の平均値に基づいて端末5の端末数を推定したりしてもよい。また、推定部123は、通信管理システム3から取得した通知情報に含まれる、飛行体2の手配の要否が「要」である基地局4に対応する通信不能エリアに限定して、端末5の端末数を推定してもよい。
【0034】
なお、推定部123は、取得部122が取得した通信履歴情報に基づいて、通信不能となった基地局4と通信を行う通信部を有する端末5の端末数を推定したが、これに限らない。取得部122は、通信管理システム3から、HSS(Home Subscriber Server)等の端末5の位置を示す位置登録情報を所定時間おきに取得し、当該情報に基づいて、通信不能となった基地局4と通信を行う端末5の端末数を推定してもよい。
【0035】
算出部124は、飛行体2の収容数と、通信不能エリアにおいて推定された端末数とに基づいて、通信不能エリアに飛行させて基地局として動作させる飛行体2の数を算出する。算出部124は、通信不能エリアが複数存在する場合、複数の通信エリアのそれぞれについて、通信不能エリアに飛行させて基地局として動作させる飛行体2の数を算出する。
【0036】
ここで、複数の飛行体2のそれぞれの収容数は、同じ数であるものとする。算出部124は、通信不能エリアにおいて推定された端末数を所定数で除算することにより、通信不能エリアに飛行させて基地局として動作させる飛行体2の数を算出する。
【0037】
なお、算出部124は、飛行体2の収容数と、通信不能エリアにおいて推定された端末数とに基づいて、基地局として動作させる飛行体2の数を算出したが、これに限らない。算出部124は、通信不能エリアの範囲と、基地局として動作する飛行体2が通信可能なエリアの範囲とに基づいて、通信不能エリアに飛行させて基地局として動作させる飛行体2の数を算出してもよい。例えば、算出部124は、基地局として動作する複数の飛行体2が通信可能なエリアの範囲が通信不能エリアの範囲を包含するとともに、当該飛行体2の数が最小となる飛行体2の数を算出する。このようにすることで、算出部124は、通信不能エリアを飛行させる飛行体2の数を必要最小限とすることができる。
【0038】
飛行体特定部125は、飛行体2の待機位置と、通信不能エリアの位置とに基づいて、待機中の一以上の飛行体2のうち、通信不能エリアを飛行させる飛行体2を特定する。例えば、記憶部11には、飛行体2を識別する飛行体IDと、当該飛行体2の待機位置を示す待機位置情報とが関連付けられて記憶されている。飛行体特定部125は、通信不能になった基地局4の位置と、待機位置情報に含まれる飛行体2の待機位置とに基づいて、待機位置が、通信不能になった基地局4の位置に相対的に近い飛行体2の飛行体IDを特定する。これにより、飛行体特定部125は、特定した飛行体IDの飛行体2を、通信不能エリアを飛行させる飛行体2に特定する。以下の説明において、通信不能エリアを飛行させる飛行体2を、飛行対象の飛行体2ともいう。
【0039】
ここで、飛行体特定部125は、所定の基準を満たす飛行体2を、通信不能エリアを飛行させる飛行体2に特定してもよい。所定の基準は、例えば、飛行体2が飛行可能な状態として待機していること、蓄電池の現在の蓄電量が所定割合以上であること、通信不能エリア(飛行体2の滞在位置)までの距離が所定距離以内であること、通信不能となった基地局4が出力する電波と同じ周波数帯の電波を出力可能であることである。
【0040】
また、飛行体特定部125は、複数の通信不能エリアのそれぞれに対応して算出部124が算出した飛行体2の数の合計が、待機中の全ての飛行体2の数よりも多い場合、複数の通信不能エリアのそれぞれにおける通信不能時間を算出してもよい。例えば、飛行体特定部125は、通信管理システム3から取得した通知情報に含まれている、複数の基地局4のそれぞれに対応する通信不能となった日時から現在時刻までの経過時間を、複数の通信不能エリアのそれぞれにおける通信不能時間と算出する。飛行体特定部125は、通信管理システム3から通信不能になった複数の基地局4のそれぞれに対応する通知情報を取得した時間から、現在時刻までの経過時間を、複数の通信不能エリアのそれぞれにおける通信不能時間と算出してもよい。そして、飛行体特定部125は、待機中の一以上の飛行体2の中から、算出した通信不能エリアが相対的に長い通信不能エリアを飛行させる飛行体2を優先的に特定する。
【0041】
また、飛行体特定部125は、通信管理システム3から取得した通知情報に含まれている通信不能となった理由に基づいて、飛行体2を優先的に特定する通信不能エリアを特定してもよい。例えば、飛行体特定部125は、通信不能となった理由が障害発生である基地局4に対応する通信不能エリアを、飛行体2を優先的に特定する通信不能エリアと特定してもよい。
【0042】
動作時間算出部126は、飛行対象の飛行体2を通信不能エリアに滞在させ、基地局として動作させる時間を算出する。まず、動作時間算出部126は、通信不能エリアを飛行させる飛行体2が搭載している蓄電池の現在の蓄電量を特定する。例えば、動作時間算出部126は、飛行体2と通信を行い、飛行体2が搭載している蓄電池の蓄電量を示す蓄電量情報を飛行体2から受信することにより、当該蓄電量を特定する。
【0043】
続いて、動作時間算出部126は、飛行対象の飛行体2の待機位置と、通信不能エリアにおける滞在位置(ホバリング位置)と、通信不能エリアの位置と、飛行体2の単位距離当たりの電力消費量と、特定した蓄電量とに基づいて、飛行体2を通信不能エリアにおける滞在位置に滞在させ、基地局として動作させる時間を算出する。
【0044】
動作時間算出部126は、飛行対象の飛行体2がホバリング位置に到着するまでの移動時間と、飛行体2がホバリング位置から待機位置に戻るまでの移動時間とを算出する。動作時間算出部126は、特定した蓄電量に基づく飛行可能時間から、算出した移動時間を減算することにより、基地局として動作させる時間を算出する。ここで、動作時間算出部126は、飛行体2を基地局として動作させる場合における電力消費量に基づいて、ホバリング位置において基地局として動作させる時間を調整してもよい。
【0045】
なお、飛行体特定部125は、ホバリング位置において基地局として動作させる時間が所定時間(例えば、10分)未満である場合に、飛行体2が割り当てられなかった通信不能エリアがある場合には、当該ホバリング位置を飛行体2の飛行位置から除外してもよい。そして、飛行体特定部125は、飛行体2が割り当てられなかった通信不能エリアのうち、優先順位が相対的に高い通信不能エリアに含まれる位置を、当該飛行体2のホバリング位置として選択してもよい。
【0046】
飛行位置特定部127は、取得部122が取得した通信履歴情報に含まれる複数の端末5の位置情報に基づいて、通信不能エリアにおける飛行体2の飛行予定位置を特定する。具体的には、飛行位置特定部127は、算出部124が算出した数の飛行体2を、通信不能エリアの全体をカバーするように配置する。ここで、飛行位置特定部127は、算出部124が算出した数の飛行体2を、通信不能エリアに均等に配置してもよい。続いて、飛行位置特定部127は、複数の飛行体2のそれぞれについて、飛行体2が所定高度で滞在した場合における通信可能な範囲を、通信不能エリアに当てはめる。飛行位置特定部127は、複数の飛行体2のそれぞれにおける通信可能な範囲が所定割合以上重複している場合には、これらの飛行体2を滞在させる高度を所定高度よりも低くし、これらの飛行体2の通信可能な範囲を縮小させる。
【0047】
ここで、飛行体2が出力する電波の電波強度が弱い場合には、実際の通信可能な範囲が、推定した所定高度における通信可能な範囲よりも狭い場合がある。したがって、飛行位置特定部127は、飛行体2が出力する電波の電波強度等の飛行体2の性能に基づいて、実際の通信可能な範囲が、通信不能エリアに当てはめた通信可能な範囲に比べて狭いか否かを判定してもよい。そして、飛行位置特定部127は、実際の通信可能な範囲が通信不能エリアに当てはめた通信可能な範囲に比べて狭い飛行体2については、飛行体2が滞在する高度を所定高度よりも低くてもよい。この場合において、飛行位置特定部127は、高度を低くした飛行体2に隣接する飛行体2が滞在する高度を、所定高度よりも高くしたり、電波強度を強めたりしたりしてもよい。このようにすることで、飛行体管理装置1は、飛行体2の性能に基づいて、飛行体2の高さを適切な高さに調整したり、電波強度を適切な強度に調整したりすることができる。
【0048】
なお、飛行位置特定部127は、他の手法により通信不能エリアにおける飛行体2の飛行予定位置を特定してもよい。例えば、飛行位置特定部127は、通信履歴情報に含まれる複数の端末5の位置情報が示す端末5の位置を、飛行体2の収容数ずつグルーピングすることにより、収容数分の端末5の位置を含むグループを複数生成する。ここで、飛行位置特定部127は、飛行体2が通信可能な範囲に含まれるように端末5の位置をグルーピングする。そして、飛行位置特定部127は、生成した複数のグループのそれぞれについて、グループに含まれる複数の端末5の位置の中心を、飛行体2の飛行予定位置と特定する。
【0049】
ここで、飛行位置特定部127が、飛行体2が通信可能な範囲に含まれるように端末5の位置をグルーピングした結果、生成されるグループの数が、算出部124が算出した飛行体2の数よりも多くなることがある。この場合、算出部124は、通信不能エリアを飛行させる飛行体2の数を、生成されたグループの数に増加させてもよい。
【0050】
また、飛行位置特定部127は、通信ネットワークを介して、サーバ等の外部装置から、通信不能エリアにおける災害場所を示す災害位置情報を取得してもよい。そして、飛行位置特定部127は、算出部124が算出した飛行体2の数が、待機中の飛行体2の数よりも多い場合に、災害位置情報に基づいて、通信不能エリアに災害場所が含まれているか否かを判定してもよい。
【0051】
そして、飛行位置特定部127は、通信不能エリアに災害場所が含まれている場合において、通信履歴情報に含まれる複数の端末5のいずれかの位置情報が示す位置が、当該災害場所を示す位置から所定範囲内にあるとき、当該災害場所に対応する位置を、待機中の飛行体2が飛行する位置として優先的に割り当ててもよい。このようにすることで、飛行体管理装置1は、災害場所を優先して通信可能な状態に仮復旧させることができる。
【0052】
なお、飛行位置特定部127は、災害場所に対応する位置を、待機中の飛行体2が飛行する位置として優先的に割り当てたが、これに限らず、端末数が相対的に多い位置を待機中の飛行体2が飛行する位置として優先的に割り当ててもよい。また、飛行位置特定部127は、通信不能エリアに対応する情報が掲載されている所定のウェブページ(例えば、役所のウェブページ)等を参照し、当該通信不能エリアに含まれている災害避難場所を特定してもよい。そして、飛行位置特定部127は、災害避難場所に対応する位置を、待機中の飛行体2が飛行する位置として優先的に割り当ててもよい。
【0053】
飛行体制御部128は、飛行位置特定部127が特定した飛行予定位置に基づいて、飛行対象の飛行体2の飛行を制御する飛行制御情報を生成する。飛行体制御部128は、飛行制御情報を飛行対象の飛行体2に送信することにより、当該飛行体2の飛行を制御する。
【0054】
飛行体制御部128は、飛行中の飛行体2から、当該飛行体2が搭載している蓄電池の蓄電量を示す蓄電量情報を受信する。飛行体制御部128は、受信した蓄電量情報に基づいて飛行制御情報を生成し、当該飛行制御情報を飛行体2に送信する。このようにすることで、飛行体制御部128は、飛行中の飛行体2における電力消費状況に基づいて、飛行体2の飛行を調整することができる。
【0055】
また、飛行体制御部128は、飛行中の一以上の飛行体2から、飛行体2が通信中の端末の数を示す端末数情報を受信する。
算出部124は、飛行体2が通信可能な端末数と、受信した端末数情報が示す端末数とに基づいて、通信不能エリアに飛行させて基地局として動作させる飛行体2の数を算出する。
【0056】
具体的には、算出部124は、通信不能エリアを飛行している一以上の飛行体2が通信可能な端末数の合計に対する、受信した一以上の端末数情報が示す端末数の合計の割合を算出し、当該割合に基づいて、飛行体2における端末数を算出する。例えば、算出部124は、算出した割合が第1の閾値(例えば、0.9)以上である場合には、飛行対象の飛行体2の数が不足していると判定し、現時点における飛行対象の飛行体2の数よりも多い数を算出する。また、算出部124は、算出した割合が第1の閾値よりも低い第2の閾値(例えば、0.5)未満である場合には、飛行対象の飛行体2の数が余剰であると判定し、受信した一以上の端末数情報が示す端末数の合計に基づいて、現時点における飛行対象の飛行体2の数よりも少ない数を算出する。
【0057】
現地情報取得部129は、飛行体2から、通信不能エリアにおける情報を取得する。
まず、通信不能エリアにおける情報を飛行体管理装置1が取得するための飛行体2の構成を説明する。飛行体2は、撮像部と、飛行体2の位置を特定する位置特定部とを備えている。
【0058】
飛行体2の撮像部は、例えば赤外線カメラである。飛行体2の撮像部は、災害場所の上空から災害場所を撮像し、撮像画像を生成する。飛行体2の位置特定部は、飛行体2が撮像画像を生成したときの飛行体2の位置を特定する。飛行体2は、生成した撮像画像と、飛行体2の位置を示す位置情報とを飛行体管理装置1に送信する。ここで、飛行体2は、撮像画像を解析し、撮像画像に所定温度以上の物体が映っているか否かを判定し、当該物体が映っている場合に、当該撮像画像と、位置情報とを飛行体管理装置1に送信してもよい。ここで、飛行体2と、飛行体管理装置1とを通信可能にするバックホール回線には、衛星通信回線が用いられたり、複数の飛行体2を数珠繋ぎとした通信ネットワークが用いられたりしてもよい。
【0059】
現地情報取得部129は、通信不能エリアを飛行中の飛行体2から、撮像画像と、当該撮像画像が生成されたときの飛行体2の位置を示す位置情報とを取得する。現地情報取得部129は、撮像画像と、位置情報とを、飛行体管理装置1と通信可能な管理端末(不図示)等のディスプレイに表示させるようにしてもよい。このようにすることで、管理端末のユーザ等は、通信不能エリアの状況や、通信不能エリアに存在する人を確認することができる。
【0060】
[飛行体管理装置1における処理の流れ]
続いて、飛行体管理装置1における処理の流れについて説明する。図3は、第1本施形態に係る飛行体管理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【0061】
まず、エリア特定部121は、通信不能となった基地局4が通信可能であったエリアである通信不能エリアを特定する(S1)。
続いて、取得部122は、通信管理システム3から、通信不能となった基地局4に対応する通信履歴情報を取得する(S2)。
【0062】
続いて、推定部123は、S2において取得された通信履歴情報に基づいて、通信不能エリアに存在する端末5の端末数を推定する(S3)。
続いて、算出部124は、飛行体2の収容数と、S3において推定された端末数とに基づいて、通信不能エリアに飛行させて基地局として動作させる飛行体2の数を算出する(S4)。
【0063】
続いて、飛行体特定部125は、飛行体2の待機位置と、通信不能エリアの位置とに基づいて、待機中の一以上の飛行体2のうち、通信不能エリアを飛行させる飛行体2を特定する(S5)。
続いて、動作時間算出部126は、飛行対象の飛行体2を通信不能エリアに滞在させ、基地局として動作させる時間を算出する(S6)。
【0064】
続いて、飛行位置特定部127は、取得部122が取得した通信履歴情報に含まれる複数の端末5の位置情報に基づいて、通信不能エリアにおける飛行体2の飛行予定位置を特定する(S7)。
続いて、飛行体制御部128は、特定された飛行予定位置に基づいて、飛行対象の飛行体2の飛行を制御する飛行制御情報を生成し、当該飛行制御情報を飛行対象の飛行体2に送信することにより、当該飛行体2の飛行制御を実施する(S8)。
【0065】
[第1実施形態における効果]
以上の通り、第1実施形態に係る飛行体管理装置1は、通信不能となった基地局が通信可能であったエリアである通信不能エリアを特定し、当該通信不能エリアに存在する端末5の端末数を推定し、基地局として動作する飛行体2が通信可能な端末数と、通信不能エリアにおいて推定された端末数とに基づいて、通信不能エリアに飛行させて基地局として動作させる飛行体2の数を算出する。このようにすることで、飛行体管理装置1は、通信不能エリアにおける端末数に基づいて、通信不能エリアを飛行させる飛行体2の数を適切な数に調整することができる。
【0066】
<第2実施形態>
[飛行体2の性能に基づいて通信不能エリアを飛行させる飛行体2を特定する]
続いて、第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る飛行体管理装置1は、飛行体2の性能に基づいて通信不能エリアを飛行させる飛行体2を特定する点で第1実施形態と異なる。以下に、第2実施形態に係る飛行体管理装置1について説明する。なお、第1実施形態と同じ部分については適宜説明を省略する。
【0067】
図4は、第2実施形態に係る飛行体管理装置1の構成を示す図である。図4に示すように、第2実施形態に係る飛行体管理装置1は、第1実施形態に係る算出部124を備えていない点で第1実施形態と異なる。
【0068】
また、記憶部11には、複数の飛行体2のそれぞれの飛行体ID、端末5の収容数、蓄電容量、通信可能なエリアの範囲、及び待機位置を示す情報が関連付けて飛行体性能情報として記憶されている。
【0069】
第2実施形態に係る飛行体特定部125は、飛行体性能情報に基づいて、待機中の一以上の飛行体2のうち、通信不能エリアを飛行させる飛行体2を特定する。例えば、飛行体特定部125は、飛行体性能情報に含まれる収容数を優先して、通信不能エリアを飛行させる飛行体2を特定する。
【0070】
なお、飛行体特定部125は、飛行体性能情報に含まれる通信可能なエリアの範囲を優先して、通信不能エリアを飛行させる飛行体2を特定してもよい。また、飛行体特定部125は、飛行体2のそれぞれの蓄電容量、待機位置、及び通信不能エリアの位置に基づいて、飛行体2のそれぞれを通信不能エリアに滞在させて、基地局として動作させる動作可能時間を算出してもよい。そして、動作可能時間を優先して、通信不能エリアを飛行させる飛行体2を特定してもよい。
【0071】
また、飛行体特定部125は、飛行体管理装置1と通信可能な管理端末等から、収容数、通信可能なエリアの範囲、動作可能時間のうち、優先させる要素の選択を受け付けてもよい。そして、飛行体特定部125は、選択された要素を優先して、通信不能エリアを飛行させる飛行体2を特定してもよい。
【0072】
例えば、飛行体特定部125は、通信不能エリアが所定の広さよりも狭い場合、又は、基地局4の復旧が遅れること等により通信不能時間が長期になることが予想される場合、飛行体2の動作可能時間を優先して、通信不能エリアを飛行させる飛行体2を特定してもよい。
【0073】
飛行体特定部125は、動作可能時間を優先して通信不能エリアを飛行させる飛行体2を特定する場合、飛行体管理装置1と通信可能な管理端末等を介して、運用担当者から、飛行体2の飛行条件として、動作可能時間の入力を受け付ける。飛行体特定部125は、当該飛行条件を満たす飛行体2を、通信不能エリアを飛行させる飛行体2と特定する。
【0074】
例えば、飛行体特定部125は、複数の飛行体2のそれぞれに対応する蓄電容量、待機位置、及び通信不能エリアの位置に基づいて、飛行体2が基地局として動作可能な動作可能時間を予め算出する。飛行体特定部125は、運用担当者から、動作可能時間として、「3時間」の入力を受け付けると、算出した動作可能時間が3時間を超える飛行体2の数を特定する。続いて、飛行体特定部125は、通信不能エリアの全てをカバー可能な飛行体2の最小数を特定する。
【0075】
飛行体制御部128は、通信不能エリアの全てをカバー可能な飛行体2の最小数に比べて、特定した飛行体2の数が多い場合、通信不能エリアに、当該最小数の飛行体2を交互に飛行させることにより、当該通信不能エリアにおいて、飛行体2による通信可能時間を維持させる。
【0076】
例えば、動作可能時間が3時間を超える飛行体2の数が12機と特定され、通信不能エリアの全てをカバー可能な飛行体2の最小数が4機であったとする。この場合、飛行体制御部128は、4機の飛行体2のグループを3つ作成し、4機の飛行体2を交互に飛行させる。飛行体制御部128は、4機の飛行体2が飛行して基地局として動作している場合、これらの飛行体2の蓄電池の現在の蓄電量を特定する。飛行体制御部128は、飛行中の4機の飛行体2の現在の蓄電量が所定割合以下となると、当該飛行体2を帰還させ、待機中の4機の飛行体2を通信不能エリアに飛行させて基地局として動作させる。
【0077】
このようにすることで、基地局として動作中の4機の飛行体2の蓄電量が所定割合以下となり帰還しても、新たに4機の飛行体2を飛行させることで、通信可能状態を維持することができる。さらに、帰還した4機の飛行体2は、他の4機の飛行体2が基地局として動作している最中に充電できるので、3つのグループの飛行体2を順番に飛行させることで、通信不能状態に陥ることを回避することができる。なお、飛行体制御部128は、特定した数の飛行体2により通信不能エリアを十分にカバーできない場合、これらの飛行体2が連携して、所定時間(例えば30分)おきに、通信不能エリアを移動し、通信不能エリア全体をカバーできるようにしてもよい。
【0078】
[第2実施形態における効果]
以上説明したように、第2実施形態に係る飛行体管理装置1は、複数の飛行体2のそれぞれの飛行体ID、端末5の収容数、蓄電容量、通信可能なエリアの範囲、及び待機位置を示す情報が関連付けて飛行体性能情報に基づいて、待機中の一以上の飛行体2のうち、通信不能エリアを飛行させる飛行体2を特定する。このようにすることで、第2実施形態に係る飛行体管理装置1は、複数の飛行体2の性能を考慮して、通信不能エリアを飛行させる飛行体2を特定することができる。
【0079】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0080】
1・・・飛行体管理装置、11・・・記憶部、12・・・制御部、121・・・エリア特定部、122・・・取得部、123・・・推定部、124・・・算出部、125・・・飛行体特定部、126・・・動作時間算出部、127・・・飛行位置特定部、128・・・飛行体制御部、129・・・現地情報取得部、2・・・飛行体、3・・・通信管理システム、4・・・基地局、5・・・端末
図1
図2
図3
図4