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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】換気システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/70 20180101AFI20220404BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
F24F11/70
F24F7/007 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018031563
(22)【出願日】2018-02-26
(65)【公開番号】P2019148344
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2021-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】517234022
【氏名又は名称】ドイティンガー クリスティアン
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】ドイティンガー クリスティアン
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-145673(JP,A)
【文献】特開2014-085102(JP,A)
【文献】特開2007-240125(JP,A)
【文献】特開2013-139905(JP,A)
【文献】特開2017-072346(JP,A)
【文献】特開2004-077065(JP,A)
【文献】特開2012-167830(JP,A)
【文献】国際公開第94/018507(WO,A1)
【文献】特開昭60-259848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00-13/32
B01D 53/26-53/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の外壁に設置され、換気ファンと、空気が流通する多数の孔が形成された蓄熱エレメントと、を有する換気ユニットと、
前記換気ファンの動作を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、湿度を取得する湿度取得部と、取得した湿度に応じて前記換気ファンの回転方向を切り換えるファン制御部と、前記建物内の暖冷房状態を判定するための予め設定された判定用情報に基づいて前記建物内が暖房時か冷房時かといった暖冷房状態を判定する暖冷房判定部と、を備え、
前記ファン制御部は、前記換気ファンの回転方向を一定の時間間隔で反転させると共に、判定した前記建物内の暖冷房状態と取得した湿度とに応じて前記換気ファンの回転方向を反転させる時間間隔を変更する、
換気システム。
【請求項2】
建物の外壁に設置され、換気ファンと、空気が流通する多数の孔が形成された蓄熱エレメントと、を有する換気ユニットと、
前記換気ファンの動作を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、湿度を取得する湿度取得部と、取得した湿度に応じて前記換気ファンの回転方向を切り換えるファン制御部と、を備え、
前記ファン制御部は、前記換気ファンの回転方向を一定の時間間隔で反転させると共に、取得した湿度に応じて前記換気ファンの回転方向を反転させる時間間隔を変更し、
さらに、前記制御装置は、前記ファン制御部にて前記換気ファンの回転方向を反転させる時間間隔を変更した後に取得した前記建物内の湿度に応じて、前記建物内に設置された暖冷房装置を除湿運転させるよう制御する、
換気システム。
【請求項3】
請求項2に記載の換気システムであって、
前記制御装置は、前記建物内の暖冷房状態を判定するための予め設定された判定用情報に基づいて、前記建物内が暖房時か冷房時かといった暖冷房状態を判定する暖冷房判定部をさらに備え、
前記ファン制御部は、判定した前記建物内の暖冷房状態と取得した湿度とに応じて、前記換気ファンの回転方向を反転させる時間間隔を変更する、
換気システム。
【請求項4】
請求項1又は3に記載の換気システムであって、
前記ファン制御部は、前記建物内が暖房時である場合に、取得した前記建物内の湿度が低いほど、前記換気ファンの回転方向を反転させる時間間隔が短くなるよう変更する、
換気システム。
【請求項5】
請求項に記載の換気システムであって、
前記ファン制御部は、前記建物内が暖房時である場合に、取得した前記建物内の湿度が基準値より高いほど前記時間間隔が長くなるよう変更し、取得した前記建物内の湿度が基準値より低いほど前記時間間隔が短くなるよう変更する、
換気システム。
【請求項6】
請求項1,3,4又は5に記載の換気システムであって、
前記ファン制御部は、前記建物内が冷房時である場合に、取得した前記建物内の湿度が高いほど、記換気ファンの回転方向を反転させる時間間隔が短くなるよう変更する、
換気システム。
【請求項7】
請求項に記載の換気システムであって、
前記ファン制御部は、前記建物内が冷房時である場合に、取得した前記建物内の湿度が基準値より高いほど前記時間間隔が短くなるよう変更し、取得した前記建物内の湿度が基準値より低いほど前記時間間隔が長くなるよう変更する、
換気システム。
【請求項8】
請求項に記載の換気システムであって、
前記ファン制御部は、前記建物内が暖房時である場合に、取得した前記建物内の湿度が基準値より高いほど前記時間間隔が長くなるよう変更すると共に、その後に取得した前記建物内の湿度に応じて、建物内に設置された暖冷房装置を除湿運転させるよう制御する、
換気システム。
【請求項9】
請求項1又は8に記載の換気システムであって、
前記ファン制御部は、前記建物内が冷房時である場合に、取得した前記建物内の湿度が基準値より高いほど前記時間間隔が短くなるよう変更すると共に、その後に取得した前記建物内の湿度に応じて、建物内に設置された暖冷房装置を除湿運転させるよう制御する、
換気システム。
【請求項10】
建物の外壁に設置され、換気ファンと、空気が流通する多数の孔が形成された蓄熱エレメントと、を有する換気ユニットと、
前記換気ファンの動作を制御する制御装置と、
を備えた換気システムによる換気方法であって、
前記制御装置が、湿度を取得すると共に、前記建物内の暖冷房状態を判定するための予め設定された判定用情報に基づいて前記建物内が暖房時か冷房時かといった暖冷房状態を判定し、さらに、前記換気ファンの回転方向を一定の時間間隔で反転させるよう切り替えると共に、判定した前記建物内の暖冷房状態と取得した湿度とに応じて前記換気ファンの回転方向を反転させる時間間隔を変更する、
換気方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気システムにかかり、特に、建物の外壁に設置される換気ユニットを備えた換気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅などの建物内部の空気を換気するシステムとして、建物内部の環境を調整する空調機能を備えたものがある。例えば、特許文献1に開示の換気システムは、まず、建物の外壁に換気ユニットを設置し、当該換気ユニットは、建物の内部側に換気ファンと、建物の外部側に蓄熱エレメントと、を備えている。また、換気システムは、換気ファンを回転させるよう制御する指令を伝送するコントローラを備えている。そして、コントローラにて換気ファンを回転させることで、当該換気ファンが一定の時間間隔で回転方向を切り替えるよう動作し、当該換気ファンにおける建物内部に対する吸気と排気とを切り替えている。
【0003】
上述したように換気ファンが一定の時間間隔で回転方向を切り換えるよう動作することで、例えば冬の季節では、排気の際には、室内の温かい空気の熱が蓄熱エレメントに蓄積され、吸気の際には蓄熱エレメントに蓄積された熱が室内に導入される。また、例えば夏の季節では、排気の際には、室内の冷たい空気の熱が蓄熱エレメントに蓄積され、吸気の際には蓄熱エレメントに蓄積された冷たい熱が室内に導入される。このようにして、建物内部を換気しつつ、熱が外部に漏れることを抑制しており、建物内部の気温を一定に保っている。
【0004】
また、蓄熱エレメントは、内部に湿気も蓄積される。具体的には、湿度の高い空気が蓄熱エレメントを通過すると、空気に含まれた湿気が蓄熱エレメントの内表面に吸着されて蓄積される。このため、蓄熱エレメントを備えた換気システムでは、建物内部の湿気も一定に保つ機能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-160408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した換気システムの蓄熱エレメントには、内表面に空気に含まれた水分が吸着されて蓄積されるが、かかる蓄熱エレメントへの水分の吸着が継続すると、水分の吸着能力が低下する。このため、蓄熱エレメントによる水分の蓄積を確実に行うことができず、室内の湿度を保つ機能が低下する、という問題が生じる。例えば冬の季節では、排気の際には、室内の湿気が蓄熱エレメントに蓄積されるが、当該室内の湿気が高すぎる場合には、吸着しきれない湿気が外部に漏れてしまい、室内の湿度を保つことができない。また、例えば夏の季節では、外部の湿気が高すぎる場合には、吸着しきれない湿気が室内に導入されてしまい、室内の湿度を保つことができない。
【0007】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、建物内部の湿度を適切に保つことができる換気システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態である換気システムは、
建物の外壁に設置され、換気ファンと、空気が流通する多数の孔が形成された蓄熱エレメントと、を有する換気ユニットと、
前記換気ファンの動作を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、湿度を取得する湿度取得部と、取得した湿度に応じて前記換気ファンの回転方向を切り換えるファン制御部と、を備えた、
という構成をとる。
【0009】
また、上記換気システムでは、
前記ファン制御部は、前記換気ファンの回転方向を一定の時間間隔で反転させると共に、取得した湿度に応じて前記換気ファンの回転方向を反転させる時間間隔を変更する、
という構成をとる。
【0010】
また、上記換気システムでは、
前記湿度取得部は、前記建物内の温度を取得し、
前記ファン制御部は、取得した前記建物内の温度に応じて、前記換気ファンの回転方向を反転させる時間間隔を変更する、
という構成をとる。
【0011】
また、上記換気システムでは、
前記制御装置は、前記建物内の暖冷房状態を判定するための予め設定された判定用情報に基づいて、前記建物内が暖房時か冷房時かといった暖冷房状態を判定する暖冷房判定部をさらに備え、
前記ファン制御部は、判定した前記建物内の暖冷房状態と取得した湿度とに応じて、前記換気ファンの回転方向を反転させる時間間隔を変更する、
という構成をとる。
【0012】
また、上記換気システムでは、
前記ファン制御部は、前記建物内が暖房時である場合に、取得した前記建物内の湿度が低いほど、前記換気ファンの回転方向を反転させる時間間隔が短くなるよう変更する、
という構成をとる。
【0013】
また、上記換気システムでは、
前記ファン制御部は、前記建物内が暖房時である場合に、取得した前記建物内の湿度が基準値より高いほど前記時間間隔が長くなるよう変更し、取得した前記建物内の湿度が基準値より低いほど前記時間間隔が短くなるよう変更する、
という構成をとる。
【0014】
また、上記換気システムでは、
前記ファン制御部は、前記建物内が冷房時である場合に、取得した前記建物内の湿度が高いほど、記換気ファンの回転方向を反転させる時間間隔が短くなるよう変更する、
という構成をとる。
【0015】
また、上記換気システムでは、
前記ファン制御部は、前記建物内が冷房時である場合に、取得した前記建物内の湿度が基準値より高いほど前記時間間隔が短くなるよう変更し、取得した前記建物内の湿度が基準値より低いほど前記時間間隔が長くなるよう変更する、
という構成をとる。
【0016】
また、上記換気システムでは、
前記制御装置は、前記ファン制御部にて前記換気ファンの回転方向を反転させる時間間隔を変更した後に取得した前記建物内の湿度に応じて、建物内に設置された暖冷房装置を除湿運転させるよう制御する、
という構成をとる。
【0017】
また、上記換気システムでは、
前記ファン制御部は、前記建物内が暖房時である場合に、取得した前記建物内の湿度が基準値より高いほど前記時間間隔が長くなるよう変更すると共に、その後に取得した前記建物内の湿度に応じて、建物内に設置された暖冷房装置を除湿運転させるよう制御する、
という構成をとる。
【0018】
また、上記換気システムでは、
前記ファン制御部は、前記建物内が冷房時である場合に、取得した前記建物内の湿度が基準値より高いほど前記時間間隔が短くなるよう変更すると共に、その後に取得した前記建物内の湿度に応じて、建物内に設置された暖冷房装置を除湿運転させるよう制御する、
という構成をとる。
【0019】
また、本発明の他の形態である換気方法では、
建物の外壁に設置され、換気ファンと、空気が流通する多数の孔が形成された蓄熱エレメントと、を有する換気ユニットと、
前記換気ファンの動作を制御する制御装置と、
を備えた換気システムによる換気方法であって、
前記制御装置が、湿度を取得し、取得した湿度に応じて前記換気ファンの回転方向を切り換える、
という構成をとる。
【0020】
また、上記換気方法では、
前記制御装置が、前記換気ファンの回転方向を一定の時間間隔で反転させると共に、取得した湿度に応じて前記換気ファンの回転方向を反転させる時間間隔を変更する、
という構成をとる。
【0021】
また、上記換気方法では、
前記制御装置が、
前記建物内の暖冷房状態を判定するための予め設定された判定用情報に基づいて、前記建物内が暖房時か冷房時かといった暖冷房状態を判定し、
判定した前記建物内の暖冷房状態と取得した湿度とに応じて、前記換気ファンの回転方向を反転させる時間間隔を変更する、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、以上のように構成されることにより、建物内部の湿度を適切に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態1における換気システムの設置状況を示す概略図である。
図2図1に開示した換気ユニットの構成を示す図である。
図3図2に開示した蓄熱エレメントの構成を示す図である。
図4図1に開示したコントロールパネル及び制御装置の構成を示す図である。
図5図4に開示した制御装置によるファンの制御の様子を示す図である。
図6図4に開示した制御装置の動作を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態2における換気システムの設置状況を示す概略図である。
図8図7に開示した換気ユニットの構成を示す図である。
図9図7に開示した換気システムに搭載される制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図6を参照して説明する。図1乃至図4は、主に換気システムの構成を説明するための図であり、図5乃至図6は、主に換気システムの動作を説明するための図である。
【0025】
まず、本発明における換気システムの構成の概略を説明する。換気システムは、住宅などの建物に設置され、建物の内部の空気を換気するものである。例えば、換気システムは、図1に示すように、住宅100の外壁110に設置された換気ユニット10と、換気ユニット10の動作を制御するために操作するコントロールパネル60と、換気ユニット10とコントロールパネル60とを接続する配線50と、を備えて構成されている。また、図1には図示していないが、コントロールパネル60は、温度センサ62と湿度センサ63とを備えているが、換気ユニット10や室内の他の箇所、さらには、室外に、温度センサ62と湿度センサ63とを設置してもよい。
【0026】
ここで、図1に示す例では、換気ユニット10は一対(2つ)装備されており、矢印で示すように、一方が建物の外部から内部に吸気するよう動作し、他方が建物の内部から外部に排気するよう動作する。ただし、1つの建物に装備される換気ユニット10の数は、図1に示す数に限定されず、1台だけ装備されていてもよく、あるいは、3台以上が装備されていてもよい。また、図1の例では、換気ユニット10は住宅100の外壁のうち側壁に設置されているが、天井などいかなる場所に設置されていてもよい。
【0027】
続いて、換気ユニット10の構成について詳述する。図2に示すように、換気ユニット10は、一端側が住宅100の内部側(室内側)に、他端側が住宅100の外部側(屋外側)に位置するよう、外壁110を貫通して設置されている。そして、換気ユニット10は、住宅100の内部側に配置されるファン20(換気ファン)と、住宅100の外部側に配置される蓄熱エレメント30と、ファン20と蓄熱エレメント30とを連通させる筒状部材43と、を備えている。また、換気ユニット10は、ファン20のさらに住宅内部側に、防塵フィルター42と室内側フード41とを備えており、蓄熱エレメント30のさらに外部側に、屋外側フード44を備えている。
【0028】
上記ファン20は、図2に示すように、回転羽根と、当該回転羽根の中心に設置された当該回転羽根を回転駆動する回転駆動部と、を備えている。回転駆動部は、図示しない制御部を備えており、かかる制御部は、後述する制御装置70からの指令に応じて、回転羽根を時計回り、あるいは、反時計回りに回転させるよう制御している。特に、回転駆動部は、制御装置70にて設定された時間間隔にて、回転羽根の回転方向を反転するよう制御する。これにより、住宅100の内部空間の空気を室外に排気したり、住宅100の内部空間に対して室外から空気を吸気することができる。なお、回転駆動部は、図1に示す信号線を含む配線50によって制御装置70と接続されている。
【0029】
上記蓄熱エレメント30は、図3(a)に示すように、所定の長さの円筒状の部材である。具体的に、蓄熱エレメント30は、一端と他端とが多数の孔31で連通した多孔質部材にて構成されている。つまり、蓄熱エレメント30は、多数の細長い管状部材が束ねられた構造となっている。このように構成されることで、蓄熱エレメント30の内部には、一端から他端にかけて形成された多数の孔31を流通した空気の熱が蓄積されたり、逆に、蓄積された熱を吸収して空気が流通することとなる。なお、蓄熱エレメント30に形成された孔31の形状はいかなる形状であってもよい。例えば、蓄熱エレメント30の孔31の形状は、円形や四角形といった形状であってもよく、六角形のハニカム構造であってもよい。
【0030】
また、蓄熱エレメント30の内部には、図3(b)に示すように、孔31を流通した空気の湿気である水分Wも蓄積される。つまり、蓄熱エレメント30の孔31の内部を通過する空気の湿度が高い場合には、孔31の内壁に水分Wが吸着し、流通する空気の湿度が低い場合には、孔31の内壁に吸着された水分Wを空気が吸収することで当該内壁から水分が取り除かれる。
【0031】
次に、コントロールパネル60について説明する。コントロールパネル60は、住宅100の内部の壁面に設置され、操作パネル61と制御装置70とを備えており、上述したファン20と配線50で接続されている。なお、制御装置70は、コントロールパネル60とは分離して別の場所に設置されていてもよい。
【0032】
上記操作パネル61は、換気システムつまりファン20の稼働をオン/オフするスイッチ、風量制御機能や湿度制御機能などの各種機能をオン/オフするスイッチ、を備えており、利用者から操作入力を受け付ける。そして、利用者からの入力内容は、制御装置70に送信される。
【0033】
上記制御装置70は、装備された演算装置にプログラムが組み込まれることで構築された、検出部71、冷暖房判定部72、湿度制御部73、を備えている。これら各部71,72,73は、主に、操作パネル61にて湿度制御機能がオンに設定された場合に作動する機能である。なお、図示しないが、制御装置70は、風量を制御する機能など、他の機能を備えていてもよい。
【0034】
上記検出部71は、本実施形態では、コントロールパネル60に設置された温度センサ62と湿度センサ63とによる検出値を取得して、室内の温度と湿度を検出する(湿度取得部)(図6のステップS1)。そして、検出部71は、検出した温度や湿度を冷暖房判定部72に通知し、検出した湿度を湿度制御部73に通知する。なお、検出部71は、室外に温度センサや湿度センサが設置されている場合には、かかる室外のセンサから、室外の温度や湿度を検出してもよい。
【0035】
上記暖冷房判定部72は、住宅100内の暖冷房状態を判定するための予め設定された判定用情報を取得し、当該取得したに基づいて、住宅100内が暖房時か冷房時かといった暖冷房状態を判定する(図6のステップS2)。ここで、暖冷房状態を判定する判定用情報は、例えば、現在の日時情報や、室内の温度、室外の温度、などである。一例として、暖冷房判定部72は、現在の日情報として、制御装置70の日時設定から取得したり、住宅100内の情報処理装置やインターネット上のウェブサーバといった他の装置から取得する。そして、暖冷房判定部72は、現在の日が夏の季節である場合には、冷房時(冷房時期)であると判定し、現在の日が冬の季節である場合には、暖房時(暖房時期)であると判定する。また、冷暖房判定部72は、現在の日による季節に加え、現在の時刻に応じて、冷房時か暖房時かを判定してもよい。
【0036】
また、冷暖房状態を判定する他の例として、暖冷房判定部72は、温度センサ62から取得した室内の温度の値や、室内の温度の時間の経過に伴う変化に基づいて、暖房時か冷房時かを判定してもよい。例えば、室内の温度が閾値(例えば、24度)以上である場合には冷房時であると判定し、閾値未満である場合には暖房時であると判定する。また例えば、室内の温度や湿度を日時情報と共に記録しておき、日々の温度と湿度の変化に基づき、温度と湿度が徐々に下がった後であって閾値以下である場合には暖房時と判定し、温度と湿度が徐々に上がった後であって閾値以上である場合には冷房時と判定する。また、冷暖房判定部72は、室外に設置した温度センサや、インターネット上のウェブサーバなどから、室外の温度を取得して、かかる室外の温度に基づいて、暖房時か冷房時かを判定してもよい。なお、冷暖房判定部72は、インターネット上のウェブサーバなどから天気情報を取得して、建物の位置における天気の状況から、暖冷房状態を判定してもよい。
【0037】
さらに冷暖房状態を判定する他の例として、暖冷房判定部72は、住宅100内に設置された冷暖房装置の運転状況を表す情報を取得して、かかる情報に基づいて、住宅100内が暖房時か冷房時かを判定してもよい。なお、上述した暖冷房判定部72による暖冷房状態の判定は一例であり、いかなる判定用情報を用いて、室内が暖房時か冷房時かを判定してもよい。
【0038】
上記湿度制御部73(ファン制御部)は、取得した室内の湿度に応じて、ファン20の回転方向を制御する。具体的には、本実施形態においては、まず予め快適と判断される室内の湿度が設定されており、例えば、図5に示すように、40%から60%の間が快適ゾーンと設定されていることとする。そして、湿度制御部73は、室内の湿度が快適ゾーンの範囲内である場合には、基準値として設定された一定の時間間隔である70秒間隔で、ファン20の回転方向を反転させるよう切り換える。例えば、図1のように、建物に2つの換気ユニット10が設置されている場合には、図1の矢印に示すように、まず70秒ほど、一方の換気ユニット10においては外部から住宅100の内部空間の空気が流入するようファン20を回転制御し、他方の換気ユニット10においては住宅100の内部空間の空気が外部に流出するようファン20を回転制御する。そして、基準値である70秒が経過すると、各換気ユニット10のファン20の回転方向をそれぞれ反転させて、70秒ほど、図1の矢印とは反対方向に空気が流通するようファン20を回転制御する。その後は、上述同様に、70秒毎に、ファン20の回転方向を反転させる。
【0039】
そして、湿度制御部73は、上述したファン20の回転方向を反転させる時間間隔の基準値である70秒間隔という値を、取得した室内の湿度の値に応じて変更する。このとき、室内の暖冷房状態によって、ファン20の回転方向を反転させる時間間隔の変更基準が異なる。
【0040】
例えば、上述したように、暖冷房判定部72にて室内の暖冷房状態を判定し(図6のステップS2)、室内が暖房時である場合には(図6のステップS3で「暖房」)、室内の湿度に応じて(図6のステップS4)、以下のように反転時間を設定する。このとき、室内の湿度が図5に示した「快適ゾーン」よりも高い場合には(図6のステップS4で「高湿度」)、基準値である70秒よりも長い時間の時間間隔を設定する(図6のステップS5)。特に、取得した室内の湿度の値が、「快適ゾーン」の上限値(60%)より高くなるほど、ファン20を反転する時間間隔が長くなるよう変更する。例えば、図5に示すように、暖房時に湿度が80%以上となった場合には、ファン20を判定する時間間隔を140秒とするが、かかる湿度80%と快適ゾーンの上限値である60%との間の湿度である場合には、70秒と140秒との間の値に設定する。つまり、湿度が高くなるにつれて、段階的に時間間隔が長くなるよう変更する。
【0041】
一方、室内が暖房時である場合に(図6のステップS3で「暖房」)、室内の湿度が図5に示した「快適ゾーン」よりも低い場合には(図6のステップS4で「低湿度」)、基準値である70秒よりも短い時間の時間間隔を設定する(図6のステップS6)。このとき、取得した室内の湿度の値が、「快適ゾーン」の下限値(40%)より低くなるほど、ファン20を反転する時間間隔が短くなるよう変更する。例えば、図5に示すように、暖房時に湿度が20%以下となった場合には、ファン20を判定する時間間隔を15秒とするが、かかる湿度20%と快適ゾーンの下限値である40%との間の湿度である場合には、70秒と15秒との間の値に設定する。つまり、湿度が低くなるにつれて、段階的に時間間隔が短くなるよう変更する。
【0042】
なお、室内が暖房時である場合に(図6のステップS3で「暖房」)、室内の湿度が図5に示した「快適ゾーン」の範囲内にある場合には(図6のステップS4で「快適」)、基準値である70秒のまま時間間隔は変更しない。
【0043】
以上のように、本実施形態では、室内が暖房時である場合には、取得した室内の湿度の値が低いほど、ファン20の回転方向を反転させる時間間隔を短くしているが、これは以下の理由による。まず、上述した蓄熱エレメント30の内部では、孔31の内壁の表面積が限られているため、当該内壁に吸着する水分Wの量が限られてしまう。そして、室内の暖房時には、通常、室内の湿度が高く、室外の湿度が低い、という状態となる。すると、室内から室外に空気が流出する際には、かかる状態が長く続くと、蓄積エレメント30の内部に上限まで水分Wが吸着され、吸着しきれない湿気が室外に放出されることとなり、室内の湿度が低下することとなる。一方で、室内に室外から空気が流入する際には、かかる状態が長く続くと、室外の乾いた空気が室内に流入することとなり、室内の湿度が低下することとなる。
【0044】
このため、本実施形態では、暖房時で室内の湿気が低い場合には、ファン20の回転方向を反転させる時間間隔を短くすることで、室内の湿気が室外に放出されることを抑制し、かつ、室外の乾いた空気が室内に流入されることを抑制している。これにより、室内の湿度がさらに低下することを抑制し、湿度の値が快適ゾーンまで上昇することを期待できる。また、本実施形態では、暖房時で室内の湿気が高い場合には、ファン20の回転方向を反転させる時間間隔を長くすることで、室内の湿気を室外に放出させ、かつ、室外の乾いた空気を室内に流入させている。これにより、室内の湿度の低下を促し、湿度の値が快適ゾーンまで下がることを期待できる。
【0045】
次に、暖冷房判定部72にて室内の暖冷房状態を判定し(図6のステップS2)、室内が冷房時である場合(図6のステップS3で「冷房」)を説明する。冷房時に、室内の湿度が図5に示した「快適ゾーン」よりも高い場合には(図6のステップS7で「高湿度」)、基準値である70秒よりも短い時間の時間間隔を設定する(図6のステップS8)。このとき、取得した室内の湿度の値が、「快適ゾーン」の下限値(40%)より高くなるほど、ファン20を反転する時間間隔が短くなるよう変更する。例えば、図5に示すように、冷房時に湿度が80%以上となった場合には、ファン20を判定する時間間隔を15秒とするが、かかる湿度80%と快適ゾーンの上限値である60%との間の湿度である場合には、70秒と15秒との間の値に設定する。つまり、湿度が高くなるにつれて段階的に時間間隔が短くなるよう変更する。
【0046】
一方、室内が冷房時である場合に(図6のステップS3で「冷房」)、室内の湿度が図5に示した「快適ゾーン」よりも低い場合には(図6のステップS7で「低湿度」)、基準値である70秒よりも長い時間の時間間隔を設定する(図6のステップS9)。このとき、取得した室内の湿度の値が、「快適ゾーン」の下限値(40%)より低くなるほど、ファン20を反転する時間間隔が長くなるよう変更する。例えば、図5に示すように、冷房時に湿度が20%以下となった場合には、ファン20を判定する時間間隔を140秒とするが、かかる湿度20%と快適ゾーンの下限値である40%との間の湿度である場合には、70秒と140秒との間の値に設定する。つまり、湿度が低くなるにつれて段階的に時間間隔が長くなるよう変更する。
【0047】
なお、室内が冷房時である場合に(図6のステップS3で「冷房」)、室内の湿度が図5に示した「快適ゾーン」の範囲内にある場合には(図6のステップS7で「快適」)、基準値である70秒のまま時間間隔は変更しない。
【0048】
以上のように、本実施形態では、室内が冷房時である場合には、取得した室内の湿度の値が高いほど、ファン20の回転方向を反転させる時間間隔を短くしているが、これは以下の理由による。まず、室内の冷房時には、通常、室内の湿度が低く、室外の湿度が高い、という状態となる。すると、室内に室外から空気が流入する際には、かかる状態が長く続くと、室外の湿った空気が室内に流入することとなり、蓄積エレメント30の内部に上限まで水分Wが吸着され、吸着しきれない湿気が室内に流入してしまい、室内の湿度が上昇することとなる。
【0049】
このため、本実施形態では、冷房時で室内の湿気が高い場合には、ファン20の回転方向を反転させる時間間隔を短くすることで、室外の湿った湿気が室内に流入することを抑制し、かつ、室内の乾いた空気が室外に放出されることを抑制している。これにより、室内の湿度の低下を促し、湿度の値が快適ゾーンまで低下することを期待できる。また、本実施形態では、冷房時で室内の湿気が低い場合には、ファン20の回転方向を反転させる時間間隔を長くすることで、室内の乾いた空気を室外に放出させ、かつ、室外の湿った空気を室内に流入させている。これにより、室内の湿度を上昇させ、湿度の値が快適ゾーンまで上昇することを期待できる。
【0050】
以上のように、本発明の換気システムによると、室内の暖冷房状態や湿度に応じて、ファン20の回転方向を反転させる時間間隔を変更することで、室内の湿度を適切な値に保つことができる。その結果、室内の環境が適切となり、利用者が生活しやすくなる。
【0051】
なお、上記では、室内が暖房時か冷房時かによって、湿度の値に基づくファン20の回転方向を反転させる時間間隔の変更基準を変えているが、本発明では、単に室内の湿度に応じてファン20の回転方向を反転させる時間間隔を変更してもよい。また、本発明では、室内の湿度と室外の湿度との値に応じて、ファン20の回転方向を反転させる時間間隔を変更してもよい。例えば、室内の湿度が快適ゾーンよりも高く、室外の湿度がそれよりも低い場合には、時間間隔を基準値よりも長くし、室外の湿度も高い場合には時間間隔を短くするか変更しない、というような変更を行ってもよい。
【0052】
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施形態を、図7乃至図8を参照して説明する。本実施形態における換気システムは、実施形態1とほぼ同様の構成であるが、主に実施形態1で開示したコントロールパネル60を備えていない点で異なる。以下、実施形態1と異なる構成について詳細に説明する。
【0053】
本実施形態おける換気システムは、図7に示すように、実施形態1と同様に住宅100の外壁110に設置された換気ユニット10を備えている。そして、本実施形態では、実施形態1で説明した制御装置70の代わりに、換気ユニット10の動作を制御する制御装置80が、換気ユニット10に搭載されている。例えば、制御装置80は、図8に示すように、換気ユニット10を構成する防塵フィルター42を搭載するカバー内に搭載される。併せて、換気ユニット10のカバー内には、赤外線通信装置81が搭載される。また、図示していないが、温度センサ62と湿度センサ63も、制御装置80に搭載される。但し、上記制御装置80、赤外線通信装置81、温度センサ62、湿度センサ63は、換気ユニット10の他の場所に設置されてもよく、また、換気ユニット10外のいかなる場所に設置されてもよい。また、赤外線通信装置81は、他の無線通信方式で無線通信を行う無線通信装置であってもよい。
【0054】
上記制御装置80は、実施形態1で説明した制御装置70とほぼ同様の構成を有する。つまり、制御装置80は、図4に示すように、検出部71、暖冷房判定部72、湿度制御部73を備えている。これにより、制御装置80は、実施形態1と同様に、温度と湿度を検出し、暖冷房状態を判定し、室内の湿度を制御するようファン20の回転方向を反転させる時間間隔を変更するよう制御する。このため、制御装置80は、装備されている換気ユニット10のファン20に装備された回転駆動部と配線によって接続しており、ファンの回転を制御することができる。
【0055】
また、制御装置80は、赤外線通信装置81と接続しており、かかる赤外線通信装置81を介して他の装置と赤外線通信を行うことができる。例えば、制御装置80は、図7に示すように、ユーザUが操作するスマートフォンなどの携帯端末Pから赤外線通信T1により、換気システムの設定や稼働を制御する信号を受信する。これにより、制御装置80は、ファン20の稼働のオン/オフを行う。また、制御装置80は、赤外線通信T2により、他の換気ユニット10に搭載されている他の制御装置(図示せず)と、ファンの回転の制御信号を送受信する。これにより、図7に示すように、複数の換気ユニット10を搭載している場合には、1つの換気ユニット10の制御装置80がメインとなって上述したように携帯端末Pからオン/オフ信号を受信したり、ファンの回転方向を反転させる時間間隔を設定し、これに基づく制御信号を他の換気ユニット10の他の制御装置に送信することができ、全ての換気ユニット10を適切に制御することができる。
【0056】
さらに、制御装置80は、図7に示すように、赤外線通信T3により、室内に設置された暖冷房装置90に制御信号を送信し、暖冷房装置90を除湿運転させるよう制御する機能も有する。なお、これに応じて、暖冷房装置90は、赤外線受信装置(図示せず)を備えている。
【0057】
具体的に、制御装置80は、図9に示すように、まず暖房時に(ステップS3で「暖房」)、室内の湿度が高い場合には(ステップS4で「高湿度」)、基準値よりも長い時間の時間間隔を設定するが(ステップS5)、その後、さらに室内の湿度の値を計測し、湿度の変化が少ない、あるいは、湿度が所定値(例えば80%)を超えると、暖冷房装置90を除湿運転させる。また、制御装置80は、図9に示すように、冷房時に(ステップS3で「冷房」)、室内の湿度が高い場合には(ステップS7で「高湿度」)、基準値よりも短い時間の時間間隔を設定するが(ステップS8)、その後、さらに室内の湿度の値を計測し、湿度の変化が少ない、あるいは、湿度が所定値以上(例えば80%以上)である場合には、暖冷房装置90を除湿運転させる。
【0058】
このようにすることで、より室内の湿度を快適に保つことができ、利用者が生活しやすくなる。また、上記構成では、コントロールパネル60を設けていないため、配線を省略でき、設備コストの削減を図ることができる。
【0059】
但し、本実施形態においては、実施形態1で説明したコントロールパネル60を設けてもよい。この場合、コントロールパネル60では、換気ユニット10の基本設定やオン/オフなどの基本操作を受け付けて、当該換気ユニット10の基本動作を制御し、その他の制御つまり上述したようなファンの反転時間の制御などは、換気ユニット10に搭載された制御装置80から無線通信で行われてもよい。また、上述した暖冷房装置90を除湿運転させる制御は、必ずしも換気ユニット10に搭載された制御装置80で行うことに限定されず、実施形態1で説明したコントロールパネル60に装備された制御装置70によって行われてもよい。この場合、制御装置70と暖冷房装置90が配線で接続されていてもよい。
【0060】
なお、上記では、制御装置80が赤外線通信を行うことを例示したが、他の無線通信方式で無線通信を行う無線通信装置を備えてもよい。例えば、制御装置80は、上述した携帯端末PとWiFiやBlutuoothといった無線通信方式で無線通信T1を行い、他の換気ユニット10の他の制御装置とは、WiFiやSubGigaHertz(920MHz ISM電波帯)といった無線通信方式で無線通信T2を行い、暖冷房装置90とは上述したように赤外線通信T3を行ってもよい。これにより、それぞれの装置に適した通信を行うことができ、既存の通信装置を利用することもできる。
【0061】
また、上述した実施形態1,2では、換気ユニット10の制御は、コントロールパネル60や換気ユニット10に搭載された制御装置70,80で行われることを例示したが、ネットワーク上の他のサーバ装置(図示せず)にて行われてもよい。この場合、換気ユニット10は、上述したように計測した湿度や温度をネットワーク上のサーバ装置に送信し、サーバ装置は、制御装置70,80と同様に、取得した情報や判定した冷暖房状態に基づいて、該当する換気ユニット10の作動状態(例えば、換気方向やファンの反転時間など)を算出し、当該換気ユニット10に制御信号を送信する。このとき、1つの建物において複数の装置(例えば、複数の換気ユニット10)がサーバ装置と通信を行うこととなるが、建物に設置された通信装置のIPアドレスといった識別情報を用いることで、サーバ装置は、1つの建物に搭載されている複数の装置を特定することができ、1つの建物内の複数の装置に対して統一した制御を行うことができる。
【0062】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0063】
10 換気ユニット
20 ファン
30 蓄熱エレメント
31 孔
41 室内側フード
42 防塵フィルター
43 筒状部材
44 屋外側フード
50 配線
60 コントロールパネル
61 操作パネル
62 温度センサ
63 湿度センサ
70 制御装置
71 検出部
72 暖冷房判定部
73 湿度制御部
80 制御装置
81 赤外線通信装置
90 暖冷房装置
100 住宅
110 外壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9