(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】環境情報を提供するためにコンピュータで実行される方法、当該方法をコンピュータに実行させるプログラム、および、情報提供装置
(51)【国際特許分類】
F24F 11/52 20180101AFI20220404BHJP
F24F 11/56 20180101ALI20220404BHJP
G06Q 50/16 20120101ALI20220404BHJP
【FI】
F24F11/52
F24F11/56
G06Q50/16
(21)【出願番号】P 2018091783
(22)【出願日】2018-05-10
【審査請求日】2018-08-23
【審判番号】
【審判請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100118876
【氏名又は名称】鈴木 順生
(72)【発明者】
【氏名】久坂 祐介
(72)【発明者】
【氏名】藤田 拓
【合議体】
【審判長】林 茂樹
【審判官】山崎 勝司
【審判官】槙原 進
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-133175(JP,A)
【文献】特開2013-218511(JP,A)
【文献】特開2012-155698(JP,A)
【文献】特開2014-203375(JP,A)
【文献】特開2013-37513(JP,A)
【文献】特開2016-201050(JP,A)
【文献】特開2012-256172(JP,A)
【文献】特開2003-303233(JP,A)
【文献】特開2011-187031(JP,A)
【文献】特開2010-255900(JP,A)
【文献】特開2011-196683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/52-11/56
G06Q 10/00
G06F 17/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境情報を提供するためにコンピュータで実行される方法であって、
作業空間の環境の状態を検出するために前記作業空間に設けられた環境センサから検出値を受信するステップと、
前記検出値をデータベースに格納するステップと、
前記コンピュータに接続されている端末から、前記作業空間における座席レイアウトの要求を受信するステップと、
前記要求に応答して、前記座席レイアウトを表示するためのデータと、前記検出値を表示するためのデータとを関連付けて前記端末に送信
して、前記端末に前記座席レイアウトと前記検出値とを関連付けて表示させ、前記端末に表示される前記座席レイアウトには前記座席レイアウトの座席に割り当てられたユーザの名前が含まれないステップと、
ピンチアウトの操作に基づいて、前記座席レイアウトの一部を拡大して表示させるステップと、
前記拡大された座席レイアウトの座席に割り当てられたユーザの名前を表示させるステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザが存在し得る場所の環境に関する環境情報の提供に関し、より特定的には、座席のレイアウトに関連付けて環境情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
環境情報に関し、例えば、特開2014-202417号公報(特許文献1)は、「大空間における床面近くの居住域を複数の領域に分け、領域ごとの人の存在を検出して、人が存在する領域にのみ調和空気を供給し、必要箇所での空気調和を確保しつつ、全体での省エネルギー化を図れる空気調和システム」を開示している([要約]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オフィスその他の居住域における環境状態は、人の数あるいは時間帯によって変わり得る。したがって、人の数あるいは時間帯によって環境状態を把握できる技術が必要とされている。
【0005】
本開示は上述のような問題点を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、人の数あるいは時間帯に応じて環境情報が提示される技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある実施の形態に従うと、環境情報を提供するためにコンピュータで実行される方法が提供される。この方法は、作業空間の環境の状態を検出するために作業空間に設けられた環境センサから検出値を受信するステップと、検出値をデータベースに格納するステップと、コンピュータに接続されている端末から、作業空間における座席レイアウトの要求を受信するステップと、要求に応答して、座席レイアウトを表示するためのデータと、検出値を表示するためのデータとを関連付けて端末に送信するステップとを含む。
【0007】
ある局面において、人の数あるいは時間帯に応じて環境情報が提示され得る。
【0008】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】システム100の構成の一態様を表わす図である。
【
図2】システム100によって実現される機能の構成を概念的に表す図である。
【
図3】ある局面に従うコンピュータ300のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【
図4】情報管理サーバ110におけるデータの格納脳一態様を表わす図である。
【
図5】サードパーティサービス管理サーバ130におけるデータの格納の一態様を概念的に表す図である。
【
図6】情報管理サーバ110におけるデータの格納の一態様を表わす図である。
【
図7】ある局面に従って情報管理サーバ110が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
【
図8】情報管理サーバ110として機能するコンピュータが備えるハードディスク5におけるデータの格納の一態様を概念的に表す図である。
【
図9】ポータルサーバ120として機能するコンピュータが備えるハードディスク5におけるデータの格納の一態様を概念的に表す図である。
【
図10】ユーザ端末160のモニタ8に表示される画面の一態様を表わす図である。
【
図11】モニタ8の一画面に複数のフロアの配置図が示される一態様を表わす図である。
【
図12】
図11に示される配置図のうちの一つを拡大して表わす図である。
【
図13】情報管理サーバ110におけるCO
2センサに関するデータの格納の一態様を概念的に表す図である。
【
図14】情報管理サーバ110が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
【
図15】ポータルサーバ120のCPU1が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
【
図16】CPU1が実行する処理の一部をそれぞれ表わすフローチャートである。
【
図17】環境情報の表示処理の詳細を表わすフローチャートである。
【
図18】モニタ8に表示される画面を拡大し、または縮小するために実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
【
図19】リストを表示するためにCPU1が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
【
図20】ユーザ端末160が実行する処理の一部をそれぞれ表わすフローチャートである。
【
図21】モニタ8が表示する座席レイアウトの初期画面の一例を表わす図である。
【
図22】レイアウト画像2000に環境情報が関連付けられた状態を表わす図(その1)である。
【
図23】レイアウト画像2000に環境情報が関連付けられた状態を表わす図(その2)である。
【
図24】座席レイアウトが拡大表示(ズーム)された状態を表わす図(その1)である。
【
図25】座席レイアウトが拡大表示(ズーム)された状態を表わす図(その2)である。
【
図26】画面をさらに拡大した状態を表わす図(その1)である
【
図27】画面をさらに拡大した状態を表わす図(その2)である。
【
図28】座席に関する情報が表示された状態を表わす図である。
【
図29】
図28に示されていた画像のうち拡大された場所に関連付けられる画像が拡大された状態を表わす図である。
【
図30】
図29の画面をさらに拡大表示した状態を表わす図である。
【
図31】モニタ8に表示されるリストの一態様を表わす図である。
【
図32】
図31に示されたリスト3100のうち特定のブロックの詳細を表わした状態を示す図である。
【
図33】
図32に示されたリスト3200を表示している状態でさらに詳細なリストを表示する一態様を表わす図である。
【
図34】ある局面に従うモニタ8にグラフが表示されている状態を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
図1を参照して、システム100について説明する。
図1は、システム100の構成の一態様を表わす図である。システム100は、ネットワーク190に接続された複数の情報処理装置を備える。ある局面において、システム100は、情報管理サーバ110と、ポータルサーバ120と、サードパーティサービス管理サーバ130と、CO
2センサ140-1,140-N(総称するときはCO
2センサ140と表わす)と、無線基地局150-1・・・150-M(総称するときは無線基地局150と表わす)と、ユーザ端末160-1・・・160-n(総称するときは、ユーザ端末160と表わす)と、管理者端末170と、携帯通信端末180とを備える。
【0012】
情報管理サーバ110は、システム100を使用する組織(例えば、企業、官公庁など)に関係する人の情報を管理する。当該関係する人は、正規社員、契約社員、アルバイト、派遣職員等を含む。情報管理サーバ110は、当該組織あるいは他の管理会社等によって運営または管理される。
【0013】
ポータルサーバ120は、各職員が使用する端末から利用できるポータルサイトを提供する。ポータルサイトは、各職員が存在し得る場所のレイアウト情報を提示する。本実施の形態において、場所とは、自社ビル、テナントビル、外部施設、SOHO(Small Office Home Office)として使用される自宅等を含む。
【0014】
サードパーティサービス管理サーバ130は、外部の企業により有償または無償で提供されるサービスである。当該サービスは、ユーザのスケジュールを含むカレンダ情報提供サービス、電子メールその他のインターネットサービスを含む。
【0015】
CO2センサ140は、各職員が存在し得る場所に配置されている。CO2センサ140によって検出される二酸化炭素の濃度は、ポータルサーバ120その他のサーバに送られる。
【0016】
無線基地局150は、WiFi(Wireless Fidelity)アクセスポイント等を含む。無線基地局150は、各職員が存在し得るスペース(例えば、オフィスフロアや会議室の天井等)に配置される。配置される無線基地局150の数は、スペースあるいは職員の数に応じて決定される。無線基地局150の数は、ユーザ端末160が配置されるフロアのレイアウトに応じて変更可能である。
【0017】
ユーザ端末160は、各ユーザが使用するコンピュータ端末である。ユーザ端末160は、デスクトップ、ラップトップ、タブレット端末等、少なくとも、表示機能と通信機能とを備える情報処理装置であればよい。
【0018】
ある局面において、あるユーザが、自身が使用するユーザ端末160にログインして、ポータルサーバ120によって提供されるポータルサイトのURL(Uniform Resource Locator)にアクセスすると、当該ユーザが属するフロアの画面が表示される。
【0019】
携帯通信端末180は、ユーザが携帯可能な通信端末であって、少なくとも、通信機能と、演算処理機能とを備える。ある局面において携帯通信端末180は、スマートフォン、スマートウォッチその他のウェアラブル端末として実現される。携帯通信端末180の構成の詳細は後述する。
【0020】
図2を参照して、システム100の構成についてさらに説明する。
図2は、システム100によって実現される機能の構成を概念的に表す図である。システム100は、サービス情報取得モジュール210と、ユーザ登録モジュール220と、環境情報検出モジュール230と、ユーザ検出モジュール240と、情報集約モジュール250と、描画データ生成モジュール260と、ユーザ情報表示モジュール270とを備える。
【0021】
サービス情報取得モジュール210は、サービス情報を取得する。例えば、サービス情報取得モジュール210は、サードパーティサービス管理サーバ130その他の外部サービスにアクセスして、当該外部サービスによって管理されている各ユーザに関するサービス情報(スケジュールその他のカレンダ情報、電子メールあるいはチャットメッセージその他の通信情報など)を取得する。ある局面において、サービス情報取得モジュール210は、ポータルサーバ120として機能するコンピュータのプロセッサによって実現され得る。
【0022】
ユーザ登録モジュール220は、システム100のユーザ登録を受け付けて、ユーザ登録のために入力される情報を管理する。当該情報は、ユーザ名、組織における所属部門、電子メールアドレス、携帯電話の番号その他当該ユーザのアカウント情報として使用される項目を含む。ある局目において、ユーザ登録モジュール220は、情報管理サーバ110によって実現される。例えば、ユーザが、ユーザ端末160あるいは管理者端末においてが当該ユーザのアカウント情報を入力すると、アカウント情報は、情報管理サーバ110に送信される。情報管理サーバ110は、受信したアカウント情報を格納する。格納の詳細は後述する(
図4)。
【0023】
環境情報検出モジュール230は、ユーザが存在し得る場所(例えば、執務エリア、会議室、休憩室、トイレ等)における環境情報を検出する。環境情報は、例えば、温度、湿度、二酸化炭素の濃度、照度、気圧等を含む。環境情報検出モジュール230は、例えば、温度センサ、湿度センサ、CO2センサ、照度センサ、気圧センサその他の環境センサによって実現される。
【0024】
ユーザ検出モジュール240は、ユーザの存在を検出する。ある局面において、ユーザ検出モジュール240は、WiFiアクセススポットに対して無線接続が行なわれたことに基づいて、ユーザの存在を検出し得る。別の局面において、ユーザ検出モジュール240は、ユーザ端末160または管理者端末170その他の端末装置に対するログイン操作の検知に基づいて、当該ユーザがその端末装置の近傍にいることを検出する。
【0025】
情報集約モジュール250は、各サービス、各サーバに保存されているデータを集約する。例えば、情報集約モジュール250は、システム100に登録されているユーザ毎の情報を集めて、集めた各情報を関連付ける。集められる情報は、ユーザのアカウント情報、スケジュール情報、行動の履歴情報、WiFiの使用履歴、会議室の使用履歴などを含む。情報集約モジュール250は、例えば、ポータルサーバ120を構成するプロセッサによって実現される。
【0026】
描画データ生成モジュール260は、各ユーザ端末に画面を表示させるためのデータを生成する。当該データは、表示対象となる各情報、各情報が配置されるレイアウト等を含む。描画データ生成モジュール260は、ポータルサーバ120あるいはユーザ端末160を構成するプロセッサによって実現される。
【0027】
ユーザ情報表示モジュール270は、描画データ生成モジュール260によって生成されるユーザ情報を表示する。ユーザ情報表示モジュール270は、ユーザ端末160のプロセッサによって実現される。
【0028】
[コンピュータ300のハードウェア構成]
【0029】
図3を参照して、コンピュータ300の構成について説明する。
図3は、ある局面に従うコンピュータ300のハードウェア構成を表わすブロック図である。情報管理サーバ110、ポータルサーバ120、サードパーティサービス管理サーバ130、ユーザ端末160および管理者端末170は、コンピュータ300と同様の構成を備えるコンピュータ装置によって実現される。
【0030】
コンピュータ300は、主たる構成要素として、複数の命令を有するプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)1と、コンピュータ300のユーザによる指示の入力を受けるマウス2およびキーボード3と、CPU1によるプログラムの実行により生成されたデータ、又はマウス2若しくはキーボード3を介して入力されたデータを揮発的に格納するRAM4と、データを不揮発的に格納するハードディスク5と、光ディスク駆動装置6と、モニタ8と、通信インターフェイス7とを備える。各構成要素は、相互にバスによって接続されている。光ディスク駆動装置6には、CD-ROM9その他の光ディスクが装着される。通信インターフェイス7は、USB(Universal Serial Bus)インターフェイス、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、Bluetooth(登録商標)インターフェイス等を含むが、これらに限られない。
【0031】
コンピュータ300における処理は、各ハードウェアおよびCPU1により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、ハードディスク5に予め格納されている場合がある。また、ソフトウェアは、CD-ROM9その他のコンピュータ読み取り可能な不揮発性のデータ記録媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、当該ソフトウェアは、インターネットその他のネットワークに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。このようなソフトウェアは、光ディスク駆動装置6その他のデータ読取装置によってデータ記録媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス7を介してダウンロードされた後、ハードディスク5に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU1によってハードディスク5から読み出され、RAM4に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU1は、そのプログラムを実行する。
【0032】
図3に示されるコンピュータ300を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本実施の形態に係る最も本質的な部分は、コンピュータ300に格納されたプログラムであるともいえる。コンピュータ300の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0033】
なお、データ記録媒体としては、CD-ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する不揮発性のデータ記録媒体でもよい。
【0034】
ここでいうプログラムとは、CPU1により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含み得る。
【0035】
[データ構造]
【0036】
図4を参照して、情報管理サーバ110のデータ構造について説明する。
図4は、情報管理サーバ110におけるデータの格納の一態様を表わす図である。情報管理サーバ110は、テーブル410と、テーブル420と、テーブル430と、テーブル440とを含む。
【0037】
テーブル410は、ユーザのマスタデータを管理する。ある局目において、テーブル410の各レコードは、ユーザID411と、ユーザ名412と、属性413と、アドレス414と、所属415と、スマホID416とを含む。
【0038】
ユーザID411は、システム100のユーザを識別する。ユーザは、すなわち、システム100によって提供されるサービスを利用する企業、団体その他の組織に属する職員である。別の局面において、ユーザは、当該組織に関連する外部スタッフを含んでもよい。
【0039】
ユーザ名412は、ユーザID411の名前を特定する。属性413は、当該ユーザの属性を表わす。属性は、社員、契約社員、派遣職員その他、組織を構成するスタッフが分類される属性を含む。
【0040】
アドレス414は、当該ユーザのメールアドレスを表わす。アドレス414は、インターネット用のメールアドレス、イントラネット用のメールアドレスのいずれであってもよい。所属415は、当該ユーザが所属する部署を表わす。スマホID416は、当該ユーザが携帯する端末を識別する。例えば、ユーザが携帯する端末がWifiアクセスポイントに接続する際に、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)認証を行うこととし、この際にユーザのIDおよびパスワードをWifiアクセスポイントへ送信するとする。このときのユーザのIDを、ユーザが携帯する端末を識別する情報として用いることとしてもよい。ユーザが端末をWiFiアクセスポイントに接続すると、そのWiFiアクセスポイントの位置情報が、当該ユーザの位置情報として記録され得る。例えば、ユーザが端末をWifiアクセスポイントに接続した場合に、LDAP認証等により送信されるユーザの識別情報、または、ユーザが所有する端末を識別する情報(MACアドレス、または、ユーザの端末の名称、端末のOS、端末に登録されるユーザIDなど)と、当該Wifiアクセスポイントを特定する情報とを情報管理サーバ110において蓄積することとする。予めWifiアクセスポイントを特定する情報と、Wifiアクセスポイントを設置する場所とが管理者に管理されているとすると、ユーザが端末をWifiアクセスポイントに接続することにより、Wifiアクセスポイントへの接続の履歴を、ユーザが移動した履歴を示す情報として管理することができ得る。
【0041】
テーブル420は、各フロアにおける座席の配置に関するデータを管理する。ある局面において、テーブル420の各レコードは、座席ID421と、座席位置422と、ユーザID423と、属性424とを含む。
【0042】
座席ID421は、各ユーザが使用するために予め割り当てられた場所を識別する。当該場所は、オフィスに配置される座席を含む。別の局面において、当該場所は、フリーランスの契約社員あるいはSOHOとしての個人事業者もしくはレンタルオフィスの利用登録者のような組織の構成員以外のメンバーが使用する場所を含んでもよい。
【0043】
座席位置422は、当該場所の位置を特定する。当該位置は、例えば、フロアごとの二次元の座標値として特定されることとしてもよい。例えば、ユーザ端末160がポータルサーバ120にブラウザ等によりアクセスした場合に、ブラウザでスクリプト(JavaScript(登録商標)など)を動作させることで、各フロアのマップをブラウザ等で表示することができる。例えば、座標(x1,y1,z1)において、「x1」と「y1」とで表される二次元の座標値を、あるフロアの二次元の座標値とし、「z1」をフロアの識別情報としてもよい。このとき、オフィス全体を示すマップの画像とともに、座席の二次元の座標値に応じて、座席位置に応じたアイコンを表示する。これにより、オフィスレイアウトをブラウザ等により表示することができる。この他にも、座席の位置は、地理的座標値、各スペースごとに規定されたアドレスその他場所を一意に特定できる情報により特定されることとしてもよい。
【0044】
ユーザID423は、当該座席に割り当てられているユーザを識別する。属性424は、当該ユーザの属性を表わす。属性は、例えば、社員、契約社員その他雇用形態を表わす属性と、マネージャー、一般その他階層を表わす属性等を含むが、その他の属性が含まれてもよい。
【0045】
テーブル430は、WiFiアクセスポイントに関するデータを管理する。ある局面において、テーブル430の各レコードは、WiFiID431と、設置場所432と、場所名433とを含む。WiFiID431は、各フロアに設置されたWiFiアクセスポイントを識別する。設置場所432は、当該WiFiアクセスポイントが配置されている場所を表わす。当該場所は、座席位置と同様に、各フロアの二次元の座標値としてあらわされることとしてもよい。また、Wifiアクセスポイントの場所は、緯度経度高度または住所として表される。場所名433は、当該WiFiアクセスポイントが設置されている場所の名称を表わす。例えば、場所名433は、各フロアの凡その場所(例えば、南、西などの位置の概要を表わす情報)、各フロアに割り当てられた区画、ビルの階数等で表される。
【0046】
テーブル440は、会議室の場所を管理する。ある局面において、テーブル440は、会議室ID441と、場所442と、場所名443とを含む。会議室ID441は、会議室を特定する。場所442は、会議室が設けられている場所を特定する。場所名443は、当該場所を表わす。
【0047】
図5を参照して、サードパーティサービス管理サーバ130のデータ構造について説明する。
図5は、サードパーティサービス管理サーバ130におけるデータの格納の一態様を概念的に表す図である。サードパーティサービス管理サーバ130は、テーブル510とテーブル520とを有する。
【0048】
テーブル510は、各ユーザのスケジュールデータを管理する。ある局面において、テーブル510は、スケジュールID511と、年月日512と、時間513と、内容514と、場所515とを含む。スケジュールID511は、ユーザ毎のスケジュールを識別する。年月日512は、当該ユーザの行動が予定されている年月日を表わす。時間513は、当該行動が予定されている時間を表わす。内容514は、当該行動の内容を表わす。場所515は、当該行動が予定されている場所を表わす。
【0049】
各ユーザは、ユーザ端末160からサードパーティサービスにログインしてスケジュールの入力画面にアクセスすると、新たなスケジュールを入力できる。ユーザ端末160において入力されたデータは、サードパーティサービス管理サーバ130に送られ、新たなレコードが、テーブル510に作成される。なお、スケジュールの新規入力、変更または削除等の操作は、ユーザ端末160のみならず、サードパーティサービスにアクセス可能な情報処理端末で行なうことができる。また、テーブル510において、各ユーザのスケジュールに、当該スケジュールに参加する他のユーザの情報を保持する項目を含めることとしてもよい。
【0050】
テーブル520は、各会議室のデータを管理する。ある局面において、テーブル520は、会議室ID521と、予約年月日522と、時間523と、予約ユーザID524と、参加ユーザID525とを含む。会議室ID521は、会議室を識別する。予約年月日522は、当該会議室の使用が予定されている年月日を表わす。時間523は、当該会議室の使用が予定されている時間を表わす。予約ユーザID524は、当該会議室の予約を入力したユーザを識別する。参加ユーザID525は、当該会議室を使用するミーティングに参加するユーザを識別する。予約に参加するユーザは、予約を入力したユーザを含み得る。テーブル520は、各会議室について入力された予約情報を含む。したがって、予約情報が入っていない日時は、当該会議室が空いていることになる。これにより、テーブル520は、会議室の使用状況と空き状況とを提供できる。
【0051】
各ユーザは、ユーザ端末160からサードパーティサービスにログインして会議室予約の入力画面にアクセスすると、新たな予約を入力できる。ユーザ端末160において入力されたデータは、サードパーティサービス管理サーバ130に送られ、新たなレコードが、テーブル520に作成される。なお、会議室の予約の新規入力、変更または削除等の操作も、ユーザ端末160のみならず、サードパーティサービスにアクセス可能な情報処理端末で行なうことができる。また、ユーザがスケジュールを入力する際に、場所515において会議室のIDを特定することで、当該会議室の予約が行われてテーブル520が更新されることとしてもよい。また、テーブル510において、各ユーザのスケジュールに、当該スケジュールに参加する他のユーザの情報を保持する項目を含めることとしてもよい。
【0052】
図6を参照して、情報管理サーバ110のデータ構造について説明する。
図6は、情報管理サーバ110におけるデータの格納の一態様を表わす図である。情報管理サーバ110は、テーブル610と、テーブル710とを含む。
【0053】
テーブル610は、WiFiアクセスポイントに対するアクセスのログを管理する。ある局面において、テーブル610は、ログID611と、WiFiID612と、アクセス日時613と、端末ID614と、アクセス者615とを含む。
【0054】
ログID611は、ログの各レコードを識別する。WiFiID612は、端末によってアクセスされたWiFiアクセスポイントを識別する。アクセス日時613は、アクセスが行なわれた時刻を表わす。端末ID614は、アクセスを行なった端末(例えば、ノートブックコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等)を識別する。アクセス者615は、アクセスを行なったユーザを識別する。アクセス者615は、例えば、WiFiアクセスポイントへのアクセスに使用された端末のユーザとして登録されているユーザ名である。なお、ユーザの端末からWifiアクセスポイントへアクセスする際に、LDAP認証などの認証を行う。
【0055】
テーブル620は、CO2センサによるCO2の検出濃度のログを管理する。ある局面において、テーブル620は、ログID621と、センサID622と、検出日時623と、検出値624とを含む。ログID621は、ログの各レコードを識別する。センサID622は、フロアに配置された各CO2センサを識別する。検出日時623は、CO2の検出値が記録された時刻を表わす。
【0056】
[制御構造]
【0057】
図7を参照して、情報管理サーバ110の制御構造について説明する。
図7は、ある局面に従って情報管理サーバ110が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
【0058】
ステップS710にて、情報管理サーバ110は、各WiFiアクセスポイントから当該WiFiアクセスポイントへのアクセス情報を受信する。アクセス情報は、WiFiアクセスポイントの識別データ、WiFiアクセスポイントにアクセスした携帯通信端末の識別データおよびユーザ情報、アクセスが開始された時刻、およびアクセスが解除された時刻を含む。
【0059】
ステップS720にて、情報管理サーバ110は、アクセス情報をテーブル610のようにハードディスクに構成されるデータベースに蓄積する。ステップS730にて、情報管理サーバ110は、テーブル420として予め登録されている座席データをハードディスク5から読み出す。
【0060】
ステップS740にて、情報管理サーバ110は、アクセス情報に含まれるユーザ情報とWifiアクセスポイントの識別情報とに基づいて、ユーザが自席に在席しているか否かを確認する。例えば、後述する
図8に示すWifiアクセスポイントごとに、近隣にある座席の情報(テーブル420の座席ID421)が関連付けられている。また座席ごとにユーザが関連付けられている(テーブル420のユーザID423)。CPU1は、アクセス情報に含まれるユーザ情報(ユーザID)が、Wifiアクセスポイントに関連付けられている1または複数の座席と関連付けられたユーザIDに一致するか否かを判断する。これらのユーザIDが一致する場合、CPU1は、当該ユーザが着席していると判定する。そうでない場合、CPU1は、当該ユーザが離席しており不在であると判定する。
【0061】
ステップS750にて、情報管理サーバ110は、確認の結果をマップデータに反映する。ステップS760にて、情報管理サーバ110は、ポータルサーバ120からマップデータの要求の受信を検知する。例えば、ユーザ端末160-2のユーザBが、ポータルサイトにログインしてマップデータを要求すると、その要求は、ユーザ端末160-2からポータルサーバ120に送信される。ポータルサーバ120は、その要求を受信すると、情報管理サーバ110に対して最新のマップデータの送信を要求する。
【0062】
ステップS770にて、情報管理サーバ110は、当該要求に応答して、マップデータをポータルサーバ120に送信する。ポータルサーバ120は、マップデータをユーザ端末160-2に送信する。ユーザ端末160-2のモニタ8は、その受信したマップデータに基づきマップを表示するので、他のユーザ(例えばユーザA)の最新の在席状況を確認することができる。
【0063】
[データ構造]
【0064】
図8を参照して、情報管理サーバ110のデータ構造について説明する。
図8は、情報管理サーバ110として機能するコンピュータが備えるハードディスク5におけるデータの格納の一態様を概念的に表す図である。ハードディスク5は、テーブル800を保持している。テーブル800は、WiFi ID810と、設置場所820と、場所名830と、ユーザID840,850,860,870とを含む。
【0065】
WiFi ID810は、各オフィススペース等に設置されているWiFiアクセスポイントを識別する。設置場所820は、当該WiFiアクセスポイントが設けられている場所を識別する。当該場所は、例えば、フロアに配置される座標と同様に、二次元の座標値として特定されることとしてもよい。場所名830は、当該WiFiアクセスポイントが設けられている場所の名前を表わす。ユーザID840,850,860,870は、当該WiFiアクセスポイントの近傍に座席が割り当てられた各ユーザを識別する。
【0066】
ある局面において、1つ以上のWiFiアクセスポイントは、情報管理サーバ110を所有または利用するユーザ企業その他の組織が使用する空間の天井あるいは壁面に配置される。別の局面において、WiFiアクセスポイントは、外部のスペース、例えば、レンタルオフィスや貸会議室、SOHO(Small Office Home Office)やフリーランス契約者の自宅等に設けられてもよい。例えば、WiFi IDが900であるWiFiアクセスポイントは、ユーザID「0003」の所有するマンションXに設けられている。WiFiアクセスポイントは、情報管理サーバ110の管理者に申請することで登録され、あるいは、削除され得る。
【0067】
図9を参照して、ポータルサーバ120のデータ構造について説明する。
図9は、ポータルサーバ120として機能するコンピュータが備えるハードディスク5におけるデータの格納の一態様を概念的に表す図である。ある局面において、ハードディスク5は、テーブル900を保持している。テーブル900は、ログID910と、ユーザID920と、ユーザ名930と、接続WiFiID940と、最終接続時刻950と、接続状態960と、判定結果970とを含む。
【0068】
ログID910は、ログを識別する。ユーザID920は、WiFiアクセスポイントに接続したユーザを識別する。接続WiFiID940は、ユーザの端末による接続を受け付けたWiFiアクセスポイントを識別する。最終接続時刻950は、当該端末が接続していた時間を表わす。仮に、端末とWiFiアクセスポイントとの接続が一時的に遮断された場合には、その遮断された時間の長さに応じて、再度、ログIDが付与されて、新たな接続として記録され得る。一時的な遮断の時間が予め設定された時間よりも短い場合には、当該一時的な遮断の時間を含む前後の接続は、1つの接続として記録されてもよい。
【0069】
[画面の表示態様]
【0070】
図10~
図12を参照して、本実施の形態に係るユーザ端末160における画面の表示態様について説明する。
図10は、ユーザ端末160のモニタ8に表示される画面の一態様を表わす図である。ある局面において、モニタ8は、マップを表示するポータルサイトへのログイン画面を表示する。ユーザがユーザIDおよびパスワードを入力して認証を受けると、ポータルサイトの画面が表示される。
【0071】
図11は、モニタ8の一画面に複数のフロアの配置図が示される一態様を表わす図である。
図11に示されるように、より具体的には、ユーザ端末160-1のモニタ8は、マップ画像1110,1120,1130を表示する。マップ画像1110は、ある企業の9階のレイアウトを表わす。マップ画像1120は、当該企業の10階のレイアウトを表わす。マップ画像1130は、当該企業の11階のレイアウトを表わす。各マップ画像は、各ユーザの座席のレイアウトを模式的に表す画像を示している。
図11に示されるように、初期画面として各フロアの概要が表示されると、ユーザは、現在のレイアウトの概要も併せて知ることができる。別の局面において、初期画面として、検索対象となるユーザが存在するフロアのマップのみが表示されてもよい。
【0072】
マップ画像1120は、座席のレイアウトにおいて、他の座席のアイコンとは異なるアイコン1121を表示している。アイコン1121は、検索対象として特定されたユーザB(鈴木さん)の座席を表わす。このとき、ユーザBが自席(アイコン1121)にいない場合、実際に存在するフロアのマップが、表示され得る。表示の態様は、自席と現在の所在地をそれぞれを表わす各フロアのマップを表示する態様、および、現在の所在地を表わすフロアのマップのみが表示される態様のいずれであってもよい。
【0073】
図11においては、3フロア分の座席のレイアウトが一画面に表示されているが、一画面に表示されるレイアウトの数は、これに限られない。さらに多くのフロアのレイアウト図が縮小された状態で表示されてもよい。
図11に示されるレイアウト図において、ユーザ端末160-1のユーザAが、いずれかのフロアを選択する操作(カーソルを置くこと、タッチすること等)を行ない、さらに、拡大する操作(例えば、マウス操作、ピンチアウト等)を行なうと、その選択されたフロアのレイアウト図が拡大されて表示される。例えば、ユーザ端末160-1でポータルサイトにブラウザでアクセスするものとし、ブラウザでJavaScript(登録商標)などのスクリプトを実行することでフロアマップを描画するものとする。ブラウザでスクリプトを実行するときに、マップの画像を表示する倍率を管理するための倍率パラメータを参照することとし、ユーザがマップを拡大する操作(例えば、ピンチアウト)、縮小する操作(例えば、ピンチイン)を検出すると、倍率パラメータを変動させる。
【0074】
図12は、
図11に示される配置図のうちの一つを拡大して表わす図である。
図12において、カーソルその他によって指定されたユーザ(例えば、社員その他職員)のスケジュールを表示することとしてもよい。例えば、
図12に示されるように、ユーザ端末160-1のモニタ8は、ユーザAによって画面が選択されて、当該画面を拡大するための操作が行われたことに応答して、画面1200を表示する。画面1200は、1つのフロアに配置されているユーザが識別される程度に拡大されて表示される。画面1200は、各ユーザの配置を表わすアイコン(例えばアイコン1210)と、WiFiアクセスポイントの配置を表わすアイコン(例えばアイコン1230,1240)と、会議室の配置を表わすアイコン(例えば、会議室アイコン1250)とを表示する。
【0075】
アイコン1210は、ユーザAの検索対象として入力されたユーザB(鈴木さん)の座席を表わす。仮に、複数のユーザの苗字が同じである場合には、複数の座席の各々を表わすアイコンが、アイコン1210と同様の態様で表示されてもよい。その場合、苗字に加えて名前が表示され得る。これにより、ユーザAは、知りたがっているユーザBの座席あるいは所在を確実に知ることができる。
【0076】
ユーザAが、アイコン1210の近傍にカーソルを置くと、あるいは、モニタ8がタッチパネル式である場合にアイコン1210をタッチすると、モニタ8は、ポップアップ画面を表示することとしてもよい。ポップアップ画面は、ユーザBのスケジュールを表示する。モニタ8が、ポップアップ画面を表示することにより、ユーザ端末160-1のユーザは、他ユーザ(例えば、鈴木さん)の座席およびスケジュールを容易に確認することができる。
【0077】
[技術思想]
【0078】
本開示に係る技術思想について説明する。ある局面において、当該技術思想は、オフィスのフロアに適用され得る。オフィスのフロアには、CO2濃度を検出可能なCO2センサ等が配置されている。CO2濃度は、人口密度と大いに関係する。また、CO2濃度が1000ppmを超えると、人は眠気を感じ、生産性が低下する可能性があることが知られている。そこで、座席表のマップ上で、CO2濃度が一目で見られるようにする。
【0079】
例えば、オフィスのフロアで区画ごとにCO2センサが配置され得る。区画の単位は、例えば、借りられる最小区画等であるが、特に限定されない。
【0080】
各センサの検出値は、情報管理サーバ110その他の管理用サーバ(マップ用サーバ)に蓄積される。情報管理サーバ110は、直近の検出結果を保持している。より具体的には、検出値は、例えば、Google社によって提供されるBigQueryに保存され得る。
【0081】
ユーザ端末160がポータルサーバ120にアクセスすると、ポータルサーバ120は、ユーザ端末160のブラウザに画面を表示させるためのデータを生成する。ユーザ端末160は、ポータルサーバ120からの応答結果を受信して、ブラウザ上で、座席のレイアウトと検出値とを表示できる。
【0082】
ユーザ端末160のブラウザは、Java(登録商標)スクリプトにより、座席のレイアウトを表示している。これにより、ユーザ端末160の入力装置(例えば、タッチパッド)上での操作で、レイアウトを拡大してまたは縮小して表示できる。このとき、レイアウトをユーザ端末160に表示するためのデータは、ズーム率というパラメータを保持している。そこで、ユーザ端末160のCPU1は、ズーム率に応じて描画内容を変更することができる。
【0083】
ユーザ端末160は、上記検出値として、CO2濃度を表示することができる。この表示に使用されるデータは、ポータルサーバ120によって情報管理サーバ110から取得される。このデータは、直前に情報管理サーバ110によって取得されたものである。したがって、ユーザ端末160は、最新のCO2濃度を表示することができる。なお、情報管理サーバ110が最新のCO2濃度を取得すると、その最新値は、ポータルサーバ120を介してユーザ端末160に送られる。その結果、ユーザ端末160は、最新のCO2濃度を表示できる。
【0084】
ユーザ端末160がCO2濃度を表示する場合において、座席のレイアウト全体(マップ全体)を見渡せる程度に当該レイアウトを縮小して表示をしているときは、ユーザ端末160は、座席のレイアウト全体の情報と、大きな区画の情報とを表示し得る。一方、ユーザ端末160がマップを拡大して表示した場合、ユーザは、座席が割り当てられている各ユーザがどの座席にいるかを確認できるようにするため、CO2濃度の表示部分(レイアウト図に重ねて表示され得る画像)の透過率を上げる。これにより、ユーザがモニタ8を見た場合、レイアウトに関連付けて表示されるユーザ名と、CO2濃度とを視認することができる。
【0085】
[構成の概要]
【0086】
(1) ある局面において、情報管理サーバ110またはポータルサーバ120のCPU1は、作業空間の環境の状態を検出するために作業空間に設けられた環境センサ(CO2センサ140、温度センサ175等)から検出値を受信し、検出値をデータベースに格納する。CPU1は、コンピュータに接続されているユーザ端末160から、作業空間における座席レイアウトの要求を受信し、当該要求に応答して、座席レイアウトを表示するためのデータと、検出値を表示するためのデータとを関連付けてユーザ端末160に送信する。
【0087】
(2) ある局面において、CPU1は、検出値を受信した後に新たな検出値を受信し、新たな検出値をデータベースに格納する。CPU1は、当該新たな検出値が格納されたことに基づいて当該新たな検出値を表示するためのデータをユーザ端末160に送信する。
【0088】
(3) ある局面において、検出値を表示するためのデータは、上記環境センサに関連付けられる座席に割り当てられているユーザの数を含む。例えば、一つの環境センサは、4人分あるいは8人分の座席に割り当てられている。この割り当ては、座席レイアウトが最初に定義される際に、座席レイアウトの作成者によって作成され得る。
【0089】
(4) ある局面において、座席レイアウトは、複数のエリアに分けられている。環境センサは、複数のエリアの各々に設けられている。CPU1は、座席レイアウトを表示するためのデータと、各検出値を表示するためのデータとをユーザ端末160に送信する。
【0090】
(5) ある局面において、CPU1は、拡大指示に基づいて、座席レイアウトの一部を拡大してユーザ端末160に表示させる。CPU1は、さらに、拡大された座席レイアウトの座席に割り当てられたユーザの名前をユーザ端末160に表示させる。
【0091】
(6) ある局面において、CPU1は、検出値が基準値を超えたことに基づいて、空調機器を作動させる信号を当該空調機器の制御装置に送信する。当該信号は、例えば、CO2センサの識別番号と、空調機器の識別番号と、空調機器を作動させるための制御コードとを含み得る。空調機器のコントローラは、このような信号を受信すると、換気その他空調のための動作を開始する。
【0092】
(7) ある局面において、CPU1は、検出値が基準値を超えたことに基づいて、空調機器を作動させる信号を当該空調機器の制御装置に送信するか否かを問い合わせるメッセージをユーザ端末160に表示させる。例えば、CPU1は、当該メッセージを表示するためのデータをユーザ端末160に送信する。ユーザ端末160は、そのデータを受信すると、ポップアップ画面のようにメッセージを表示して、ユーザあるいは管理者の注意を促し得る。
【0093】
(8) ある局面において、座席レイアウトは、複数のエリアを含み得る。CPU1は、複数のエリアの各々について、当該エリアを表示するためのデータと、各検出値とを送信する。ユーザが画面を拡大する操作を行なった場合、限られたエリアの環境情報が表示され得る。例えば、カーソルが置かれた部分を中心として拡大表示され得る。
【0094】
(9) ある局面において、CPU1は、検出値を当該エリアの近傍に表示するためのデータをユーザ端末160に送信する。例えば、CPU1は、座席のレイアウトを表示するためのデータと、検出値を含む画像を表示するためのデータとを関連付けて、ユーザ端末160にこれらのデータを送信する。
【0095】
[データ構造]
【0096】
図13を参照して、本実施の形態に係る情報管理サーバ110のデータ構造についてさらに説明する。
図13は、情報管理サーバ110におけるCO
2センサに関するデータの格納の一態様を概念的に表す図である。ある局面において、情報管理サーバ110は、テーブル1310,1320を含み得る。
【0097】
テーブル1310は、各CO2センサの設置場所と、各CO2センサに関連付けられているユーザとを管理する。具体的には、テーブル1310は、CO2センサID1311と、設置場所1312と、場所名1313と、対象ユーザID1314とを含む。CO2センサID1311は、フロアに設置される各CO2センサを識別する。設置場所1312は、当該CO2センサが配置されている場所を特定する。場所は、例えば、地理的座標値によって、あるいは、各フロアについて予め定められた点を基準とする座標値によって表される。CO2センサの場所は、座席の位置と同様に、例えば、フロアごとの二次元の座標値として特定されることとしてもよい。例えば、座標(x1,y1,z1)において、「x1」と「y1」とで表される二次元の座標値を、あるフロアの二次元の座標値とし、「z1」をフロアの識別情報としてもよい。場所名1313は、当該場所の名前を表わす。対象ユーザID1314は、当該CO2センサの近傍に座席を有するユーザとして、管理者によって登録されたユーザを識別する。
【0098】
例えば、IDが001であるCO2センサは、座標値(X1,Y1,Z1)で規定される11階南に配置されており、特定のユーザが関連付けられていない。このようなCO2センサは、例えば、共用スペースに設けられている。IDが002であるCO2センサは、座標値(X2,Y1,Z1)で規定される11階中南に配置されており、IDが101~105まで、5名のユーザに関連付けられている。このようなCO2センサは、例えば、これらのユーザの座席が配置されているエリア付近に設けられている。
【0099】
テーブル1320は、各CO2センサによる検出値を格納する。具体的には、テーブル1320は、CO2センサID1321と、検出値1322と、検出時刻1323とを含む。CO2センサID1321は、CO2センサを特定する。検出値1322は、当該CO2センサによる検出値(CO2の濃度(ppm))を表わす。検出時刻1323は、当該検出値が検出された時刻あるいは記録された時刻を表わす。ある局面において、CO2センサは、当該スペースが使用され得る時間帯(例えば、平日の朝8時~24時まで)で、CO2を検出する。検出が行なわれる期間は、管理者の設定によって変更可能である。
【0100】
[情報管理サーバ110の制御構造]
【0101】
図14を参照して、本実施の形態に係るシステムの動作の概要について説明する。
図14は、情報管理サーバ110が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
【0102】
ステップS1410にて、情報管理サーバ110のCPU1は、各CO2センサからCO2の検出値をそれぞれ受信して、受信したデータをデータベースに格納する。検出値の受信のタイミングおよび格納のタイミングは、特に限定されない。各CO2センサがCO2を検出する度に検出値を送信する場合、あるいは、各CO2センサが設定されたタイミングで検出値を送信する場合には、情報管理サーバ110は、検出値を受信するごとに、受信時刻と検出値とをデータベースに格納し得る。別の局面において、情報管理サーバ110は、管理者によって設定されたタイミングごとに検出値を受信し、あるいは格納するように構成され得る。
【0103】
ステップS1420にて、CPU1は、各温度センサから室内の温度の計測値をそれぞれ受信して、受信した計測値をデータベースに格納する。計測値の受信のタイミングおよび格納のタイミングは、上記の検出値の場合と同様である。
【0104】
ステップS1430にて、CPU1は、ポータルサーバ120から座席レイアウトのデータの要求を受信する。この要求は、ユーザ端末160がポータルサーバ120にログインした場合、ポータルサーバ120がユーザ端末160から当該要求を受信した場合、あるいは、ポータルサーバ120が再起動した場合に、ポータルサーバ120から情報管理サーバ110に送られる。
【0105】
ステップS1440にて、CPU1は、ポータルサーバ120から要求を受信したことに応答して、座席レイアウトのデータを読み出して、その読み出したデータをポータルサーバ120に送信する。ポータルサーバ120は、そのデータを受信すると、ユーザ端末160に送信し、ユーザ端末160は、そのデータを受信すると、最新の座席レイアウトをモニタ8に表示し得る。
【0106】
ステップS1450にて、CPU1は、ポータルサーバ120から受信した信号に基づいて、環境情報の要求を検知する。ある局面において、環境情報は、CO2濃度、温度、湿度等であるが、これらに限られず、人が存在し得る場所における状態を示す情報であればよい。当該要求は、ユーザ端末160がポータルサーバ120にログインした場合、ユーザ端末160のユーザが環境情報を要求した場合、あるいは、ポータルサーバ120が再起動した場合に、ポータルサーバ120から情報管理サーバ110に送信され得る。
【0107】
ステップS1460にて、CPU1は、最新の環境情報を所定の基準と比較する。ある局面において、最新の環境情報とは、所定の基準との比較が行なわれる時点で受信している環境情報をいう。所定の基準とは、その場所に応じて管理者等によって設定された基準をいう。例えば、職場環境において環境情報がCO2濃度で表される場合、CO2濃度は1000ppm以下であることが望ましく、特に、450ppm~750ppmが理想的な換気レベルとされる(厚生労働省 建築物環境衛生管理基準参照)。この場合、管理者は、上限の閾値として、例えば750ppmといった基準を設定し得る。
【0108】
ステップS1470にて、CPU1は、環境情報と比較の結果とをポータルサーバ120に送信する。なお、最新の環境情報と所定の基準との比較は、ポータルサーバ120、管理者端末170あるいはユーザ端末160において行なわれてもよい。
【0109】
図14に示される処理は、情報管理サーバ110以外に、例えば、ポータルサーバ120が実行してもよい。
【0110】
[ポータルサーバ120の制御構造]
【0111】
図15を参照して、本実施の形態に係るポータルサーバ120の制御構造について説明する。
図15は、ポータルサーバ120のCPU1が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。なお、各処理ステップが実行される順序は、以下に示される順序に限られず、適宜、前後が入れ替えられてもよい。
【0112】
ステップS1510にて、CPU1は、環境情報の表示要求をユーザ端末160から受信する。当該表示要求は、例えば、ユーザ端末160が所定のポータルサイトにログインした時、ユーザ端末160のユーザが表示要求の送信を指示した時、予め定められた時刻が到来した時、あるいは、予め定められた時間毎に、ユーザ端末160によって送信される。
【0113】
ステップS1515にて、CPU1は、表示要求に基づき、環境情報および座席レイアウトを情報管理サーバ110に要求する。ある局面において、ポータルサーバ120は、ユーザ端末160の識別番号と、環境情報および座席レイアウトの要求とを、情報管理サーバ110に送信する。
【0114】
ステップS1520にて、CPU1は、情報管理サーバ110から、座席レイアウトのデータを受信する。ステップS1525にて、CPU1は、情報管理サーバ110から、環境情報、および、所定の基準との比較の結果を受信する。
【0115】
ステップS1530にて、CPU1は、環境情報および比較の結果と、座席レイアウトデータとを関連付けて、ユーザ端末160に送信する。ユーザ端末160は、これらのデータを受信すると、座席レイアウトに環境情報を対応付けて表示し得る。例えば、環境情報は、座席レイアウトにおけるCO2センサの配置場所に表示され得る。
【0116】
ステップS1535にて、CPU1は、ユーザ端末160から、データの更新要求を受信する。ある局面において、更新要求は、最新の環境情報の送信要求を含む。更新要求は、ユーザ端末160のユーザが更新を指示した場合に、座席レイアウトの最新情報がユーザ端末160によって要求された場合に、あるいは、ユーザ端末160において設定されたタイミングが到来した場合等に、ユーザ端末160からポータルサーバ120に送信され得る。
【0117】
ステップS1540にて、CPU1は、当該更新要求の受信に応答して、情報管理サーバ110に、最新の環境情報の要求を送信する。情報管理サーバ110は、当該要求に応答して環境情報をデータベースから読み出して、当該環境情報をポータルサーバ120に送信する。ステップS1545にて、CPU1は、最新の環境情報および比較の結果を受信する。ステップS1550にて、CPU1は、ユーザ端末160に、最新の環境情報を送信する。ユーザ端末160は、最新の環境情報を受信すると、モニタ8に当該環境情報を表示し得る。
【0118】
ステップS1555にて、CPU1は、ユーザ端末160から、環境情報などを一覧表示するためのリストの要求を受信する。当該要求は、例えば、ユーザ端末160のユーザがリストを要求するメニュー項目を選択した場合等にユーザ端末160によって発せられる。ステップS1560にて、CPU1は、情報管理サーバ110に、リストの要求を送信する。情報管理サーバ110は、当該要求の受信に応答して、リストを構成する各種データをデータベースから読み出す。
【0119】
ステップS1565にて、CPU1は、情報管理サーバ110から、リストのデータを受信する。ステップS1570にて、CPU1は、ユーザ端末160に、リストのデータを送信する。ユーザ端末160は、当該データを受信すると、リストをモニタ8に表示し得る。
【0120】
ステップS1575にて、CPU1は、ユーザ端末160から、統計データの要求を受信する。当該要求は、例えば、ユーザ端末160のユーザが統計データを要求するメニュー項目を選択した場合に、ユーザ端末160によって発せられる。当該要求は、統計データに含まれる情報の種類(例えば、CO2濃度、温度その他環境情報のいずれか)、表示の態様(例えば、当該環境情報の時系列的な変化)、対象とするエリア(例えば、オフィスのエリア、階等)を含み得る。
【0121】
ステップS1580にて、CPU1は、情報管理サーバ110に、統計データの要求を送信する。情報管理サーバ110は、当該要求を受信すると、データベースから環境情報と当該環境情報のタイムスタンプとを、ポータルサーバ120に送信する。
【0122】
ステップS1585にて、CPU1は、情報管理サーバ110から、統計データを受信する。ステップS1590にて、CPU1は、ユーザ端末160に、統計データを送信する。ユーザ端末160は、統計データを受信すると、モニタ8に時系列のグラフその他の統計情報を表示し得る。
【0123】
図16~
図20を参照して、ある実施の形態に従うユーザ端末160の制御構造について説明する。
図16~
図20は、ユーザ端末160が実行する処理の一部をそれぞれ表わすフローチャートである。なお、当該処理の実行は、ユーザ端末160に限られず、管理者端末170のようにポータルサーバ120と通信可能な情報処理装置であれば、以下の処理を実行することができる。
【0124】
図16を参照して、ステップS1610にて、CPU1は、ユーザ端末160のユーザによって入力されるユーザIDおよびパスワードをポータルサーバ120に送信し、ログイン認証する。ポータルサーバ120におけるログイン認証が成功すると、CPU1は、ポータルサーバ120からポータル画面を表示するためのデータを受信し、ステップS1620に処理を切り替える。ログイン認証が失敗すると、CPU1は、その旨をモニタ8に表示し、ユーザIDおよびパスワードの入力を再度促す。ステップS1620にて、CPU1は、ポータルサーバ120から受信したデータに基づいて、メインのポータル画面を表示する。
【0125】
ステップS1630にて、CPU1は、後述する環境情報の表示処理を実行する。この処理が実行されると、ユーザ端末160のモニタ8は、CO2濃度、室温その他の環境情報を表示し得る。
【0126】
ステップS1640にて、CPU1は、後述する拡大縮小処理を実行する。この処理が実行されると、ユーザ端末160のモニタは、画面を拡大し、または縮小して表示し得る。
【0127】
ステップS1650にて、CPU1は、後述するリスト表示処理を実行する。この処理が実行されると、各センサが配置されたエリアごとの環境情報が表示され得る。
【0128】
ステップS1660にて、CPU1は、後述する統計データ表示処理を実行する。この処理が実行されると、ユーザ端末160は、グラフその他の統計をモニタ8に表示し得る。
【0129】
ステップS1670にて、CPU1は、表示を終了する指示を検出したか否かを判断する。CPU1は、当該指示を検出したと判断すると(ステップS1670にてYES)、処理を終了する。そうでない場合には(ステップS1670にてNO)、CPU1は、制御をステップS1630に戻す。
【0130】
[環境情報の表示]
【0131】
図17は、環境情報の表示処理の詳細を表わすフローチャートである。
【0132】
ステップS1631にて、CPU1は、ユーザ端末160に対する操作に基づいて、環境情報の表示要求の入力を検知する。ステップS1632にて、CPU1は、表示要求をポータルサーバ120に送信する。ポータルサーバ120は、この要求を受信すると、最新の環境情報および座席レイアウトデータを情報管理サーバ110から取得し得る。ポータルサーバ120は、最新の環境情報および座席レイアウトデータを取得すると、ユーザ端末160に送信し得る。
【0133】
ステップS1633にて、CPU1は、ポータルサーバ120から、関連付けられた環境情報と座席レイアウトデータとを受信する。ステップS1634にて、CPU1は、受信した環境情報と座席レイアウトデータとに基づき環境マップを表示する。ある局面において、環境マップは、当該ユーザ端末160が配置されているフロアの座席レイアウトと、各エリアの情報を表示するための画像とを含み得る。当該画像は、当該フロアに配置されている環境情報検出モジュールによる検出値(例、CO2濃度)と、当該環境情報検出モジュールに関連付けられているユーザの数とを含み得る。
【0134】
ステップS1635にて、CPU1は、データの更新要求の入力を検知したか否かを判断する。例えば、ユーザ端末160のユーザが画面のリフレッシュ操作を実行すると、更新要求がCPU1に入力されるので、CPU1は、更新要求が入力されたことを検知し得る。CPU1は更新要求の入力を検知すると(ステップS1635にてYES)、制御をステップS1636に切り替える。そうでない場合には(ステップS1635にてNO)、CPU1は制御を終了し、メイン処理に復帰する。
【0135】
ステップS1636にて、CPU1は、ポータルサーバ120に、最新の環境情報の要求を送信する。より詳しくは、CPU1は、ユーザ端末160の識別情報と、最新の環境情報の要求を示す制御コードとを、ポータルサーバ120に送信する。ポータルサーバ120は、識別情報と制御コードとを受信すると、情報管理サーバ110に最新の環境情報の送信を要求する。情報管理サーバ110は、その要求を受信した時点で最新の環境情報を読み出して、読み出した環境情報をポータルサーバ120に送信する。ポータルサーバ120は、情報管理サーバ110から最新の環境情報を受信すると、ユーザ端末160にその情報を送信する。
【0136】
ステップS1637にて、CPU1は、ポータルサーバ120から、最新の環境情報を受信する。モニタ8は、最新の環境情報を表示し得る。その後、処理はメイン処理に戻される。
【0137】
[拡大縮小処理]
【0138】
図18は、モニタ8に表示される画面を拡大し、または縮小するために実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
【0139】
ステップS1641にて、CPU1は、入力装置からの信号に基づいて、拡大または縮小する指示の入力を検知する。例えば、ある局面において、ユーザがモニタ8に表示されている拡大(または縮小)を指示するアイコンを押下すると、拡大(または縮小)の指示がCPU1に入力される。別の局面において、ユーザがタッチパネル上でピンチアウト(またはピンチイン)の操作を行なうと、拡大(または縮小)の指示がCPU1に入力される。さらに別の局面において、ユーザがモニタ8のある一点を長押しした場合、CPU1は、その長押しを拡大の指示として受け付けてもよい。
【0140】
ステップS1642にて、CPU1は、指示に応じて、予め設定された拡大率または縮小率に基づいて、画面を拡大または縮小する。別の局面において、拡大率または縮小率は、予め設定されていなくてもよい。例えば、拡大率または縮小率は、拡大または縮小を選択するために指定されたキーの押下と、サイズを変更するために規定されたキーの長押しの時間とに応じて変更されてもよい。
【0141】
ステップS1643にて、CPU1は、拡大または縮小に応じて環境情報の表示態様を変更する。ある局面において、ユーザがユーザ端末160に拡大指示を与えた場合、CPU1は、拡大後の画面には詳細な情報を提示する。例えば、初期画面として、座席レイアウトの全体が提示されている場合、モニタ8は、CO2センサを表わすアイコンを各配置場所に提示する。その後、拡大指示が与えられた場合、モニタ8は、当該拡大指示に基づく拡大率で座席レイアウト図を表示し得る。この場合、ある局面において、モニタ8は、最新の環境情報の一例として、各CO2センサによる最新のCO2濃度、室温および近傍に存在するユーザの座席数を表示し得る。さらに別の局面において、モニタ8は、ユーザの座席数に代えて、実際に在席しているユーザの数を表示してもよい。ユーザが在席しているか否かは、例えば、ユーザに割り当てられたユーザ端末160に対する入力が検出されたか否かに基づいて、あるいは、各ユーザが使用する端末(例えば、スマートフォン)が自席の近傍に配置されたWiFiアクセスポイントに接続したか否かに基づいて、判断され得る。
【0142】
ステップS1644にて、CPU1は、変更後の表示態様で環境マップを表示する。例えば、ユーザは、環境マップとして、拡大された座席レイアウトおよびCO2濃度その他を含む画像を視認することができる。
【0143】
[リスト表示処理]
【0144】
図19は、リストを表示するためにCPU1が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
【0145】
ステップS1651にて、CPU1は、ユーザ端末160に対する操作に基づいて、リストの要求の入力を検知する。例えば、ユーザがリストの作成を表わすアイコンを選択すると、当該要求がCPU1に入力される。
【0146】
ステップS1652にて、CPU1は、ポータルサーバ120に、リストの要求を送信する。ある局面において、リストの要求は、ユーザ端末160の識別情報と、要求される項目名とを含み得る。ポータルサーバ120は、要求を受信すると、情報管理サーバ110にアクセスして、最新の環境情報から要求される項目のデータを取得する。ポータルサーバ120は、取得したデータをユーザ端末160に送信する。
【0147】
ステップS1653にて、CPU1は、ポータルサーバ120から、リストのデータを受信する。ステップS1654にて、CPU1は、受信したデータを用いてリストをモニタ8に表示する。ユーザ端末160のユーザは、リストを視認すると、各場所におけるCO2濃度の最新値を容易に把握できる。また、ユーザあるいはCPU1は、濃度が基準値を超えているエリアを見つけると、換気、空調設備の作動、あるいはユーザの移動等、検出値の水準を適切なレベルに下げるために必要な措置を講じることができる。CPU1の場合、検出値に応じて空調設備あるいは換気を作動させるための信号を空調設備あるいは換気設備のコントローラに送信し得る。
【0148】
[統計データ表示処理]
【0149】
図20は、統計データを表示するためにCPU1が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
【0150】
ステップS1661にて、CPU1は、ユーザ端末160の操作に基づいて、統計データの要求の入力を検知する。例えば、ユーザが、ユーザ端末160に表示された統計データの表示を表わすアイコンを押下すると、当該要求がCPU1に入力される。
【0151】
ステップS1662にて、CPU1は、ポータルサーバ120に、統計データの要求を送信する。ポータルサーバ120は、その要求を受信すると、情報管理サーバ110にアクセスして、統計データを取得する。ポータルサーバ120は、統計データを受信すると、当該統計データをユーザ端末160に送信する。
【0152】
ステップS1663にて、CPU1は、ポータルサーバ120から、統計データを受信する。ステップS1664にて、CPU1は、受信したデータに基づく統計をモニタ8に表示する。ユーザは、モニタ8に表示される画面を見て、環境情報に関する統計を視認することができる。
【0153】
[画面の表示態様]
【0154】
図21~
図34を参照して、本実施の形態に係る画面の表示態様について説明する。
図21は、モニタ8が表示する座席レイアウトの初期画面の一例を表わす図である。
図21は、11階における座席レイアウトを表示している。
【0155】
ある局面において、モニタ8は画面2100を表示し得る。画面2100は、レイアウト画像2000と、アイコン2040,2050,2060とを表示し得る。アイコン2040は、環境情報の表示要求を受け付ける。アイコン2050は、統計データの表示要求を受け付ける。アイコン2060は、画面の更新要求の入力を受け付ける。レイアウト画像2000は、座席のグループを表わすアイコン2010,2020,2030を含み得る。
【0156】
図22および
図23は、レイアウト画像2000に環境情報が関連付けられた状態を表わす図である。
図22に示されるように、モニタ8は、アイコン2040の選択に基づいて、画面2200を表示し得る。より詳しくは、画面2200は、レイアウト画像2000に加えて、画像2110,2120,2130,2140を表示し得る。画像2110は、アイコン2010で表される座席のグループの近傍に配置されたCO
2センサ140と温度センサ175とによる検出値(CO
2濃度および室温)と、当該グループに座席が割り当てられているユーザの数とを表示し得る。画像2120,2130も同様に、CO
2濃度および室温と、ユーザの数とを表示し得る。
【0157】
さらに、ある局面において、画面2200は、画像2140を表示し得る。画像2140は、当該座席レイアウトが表示されている特定のフロア(例、11階)全体の平均的なCO2濃度および室温と、当該フロアに座席を有するユーザの数とを表示し得る。
【0158】
なお、別の局面において、ユーザの数は、座席を有するユーザの数に限られず、実際にその場にいる(着席している)ユーザの数であってもよい。その場合、ユーザの数は、各ユーザに割り当てられたユーザ端末160に対するキー操作の有無に応じて、あるいは、ユーザ端末160がWebカメラを備えている場合には、Webカメラによって当該ユーザが撮影されているか否かに基づいて、特定され得る。また、上述したように、
図8に示すようにWifiアクセスポイントごとに、近隣にある座席の情報が関連付けられているとする。座席ごとに、ユーザが関連付けられている(テーブル420のユーザID423)。環境情報を表示するため、座席のグループに対応するWifiアクセスポイントを予め特定しておく。Wifiアクセスポイントへの各端末のアクセスの履歴を参照し(
図6)、Wifiアクセスポイントにアクセスしているユーザであって、Wifiアクセスポイントに関連付けられている座席の情報が関連付けられているユーザの数を、Wifiアクセスポイントのある場に実際にいる(着席している)ユーザの数であるとしてもよい。
【0159】
ある局面において、環境情報として、取得された時点のデータが、管理者端末170に表示され得る。例えば、管理者が管理者端末170に表示されるアイコン2060を押下すると、管理者端末170は最新の環境情報をポータルサーバ120に要求する(ステップS1536)。管理者端末170が最新の環境情報をポータルサーバ120から受信すると(ステップS1537)、
図23に示されるように、最新の情報が表示され得る。
【0160】
[拡大表示]
【0161】
図24および
図25は、座席レイアウトが拡大表示(ズーム)された状態を表わす図である。
図24に示されるように、管理者が管理者端末170に対して(または、ユーザがユーザ端末160に対して)拡大操作を行なうと、モニタ8は、画面2400を表示する。画面2400は、拡大された座席レイアウトを含む。座席レイアウトは、拡大された座席のグループを含む。このとき、モニタ8は、座席レイアウトに加えて、画像2310,2320,2330,2340,2350を表示し得る。画像2310,2320,2330,2340,2350は、それぞれ、環境情報検出モジュールとしてのCO
2センサ140および温度センサ175によってそれぞれ検出された値と、近傍に在席する(あるいは在席し得る)ユーザの数とを表示し得る。拡大前の表示態様である
図22および
図23と、拡大操作後の表示態様である
図24および
図25に示すように、拡大後に表示している各座席グループの環境情報について、縮小表示(
図22および
図23)をする際に、いくつかの座席グループを包括して表示することとしてもよい。例えば、縮小表示時は、レイアウトのあるブロック(複数の座席グループを含む)の環境情報を包括的に表示しつつ、拡大表示した際に、各ブロックに含まれる複数のサブブロック(それぞれの座席グループ)の環境情報を表示するというように、拡大縮小表示に応じて環境情報を段階的に詳細に表示することとしてもよい。
【0162】
なお、別の局面において、ズームにより各画像が大きくなったことに基づいて、各画像内に表示される項目が増えてもよい。例えば、明るさ(ルクス)あるいはノイズの程度(デシベル)が、画像2310,2320,2330,2340に表示されてもよい。これにより、より多くの情報が、管理者その他のユーザに提供されるので、環境の状態をより正確に把握でき、必要な対策を講じやすくなる。
【0163】
図25は、環境情報以外の付加情報がモニタ8に表示されることを表わす図である。画像2340において示されるCO
2の検出値(例、850ppm)が基準値を上回る場合、画像2340は、他の画像2310,2320,2330,2350の表示態様とは異なる態様で表示されてもよい。異なる態様とは、例えば、初期値よりも大きなフォントによる表示、画像を強調する表示等を含み得る。
【0164】
ある局面において、あるエリアの環境状態が望ましくない場合には(例えば、検出値が基準値あるいは管理者による設定値等を上回る場合には)、当該検出値を表示する画像は、注意を喚起するために、赤色あるいは強調された輪郭を有する画像として表示され得る。逆に、当該環境状態が良好である場合には(例えば、検出値が基準値を下回る場合には)、当該検出値を表示する画像は、上記色とは異なる色(例えば、緑色)で表示され、あるいは、画像全体の透明度が他の画像の透明度よりも高く表示されてもよい。このような表示態様によれば、異常値のように注意が必要なエリアの画像が他のエリアの画像よりも視認しやすくなるので、管理者による誤解や勘違いが防止され得る。
【0165】
さらに別の局面において、検出値が基準値を上回った場合には、CPU1は、換気装置その他の装置を駆動するか否かを問い合わせるメッセージを表示を、モニタ8に表示してもよい。管理者が、そのようなメッセージに対して「はい」を選択すると、CPU1は、当該装置のコントローラに当該装置の作動を指示する信号を送信し得る。
【0166】
図26および
図27は、画面をさらに拡大した状態を表わす図である。
図26に示されるように、ある局面において、管理者が画面をさらに拡大表示すると、モニタ8は、画面2600を表示する。画面2600は、座席レイアウトに加えて、画像2610を表示する。画像2610は、画像2030に関連付けられている。画面が拡大されると、画像2030に示されるように、各座席が割り当てられているユーザの名前が表示される。この場合、画像2610は、画像2030が透過して表示される程度に透明であってもよい。これにより、画像2610の背面に位置するユーザの名前も視認され得る。このように、ユーザの拡大縮小表示に応じてズーム率を変更するとともに、ズーム率に応じて、画像2610等の透過度を変更することとしてもよい。
【0167】
図26のように画面が表示されている状態で、管理者が画面をさらに拡大すると、モニタ8は、
図27に示されるような画面2700を表示し得る。画面2700は、画像2710を含む。画像2710は、その領域の大きさに鑑み、CO
2濃度、温度および人数に加えて、他の情報を含んでいてもよい。たとえば、座席に表示されるユーザの部分にカーソルが当てられた時に、当該ユーザのスケジュールその他の関連情報が画像2710の中あるいは近傍に表示されてもよい。
【0168】
[座席関連情報]
【0169】
図28~
図30を参照して、さらに他の局面について説明する。
図28は、座席に関する情報が表示された状態を表わす図である。
図29は、
図28の画面を拡大表示(ズーム)した状態を表わす図である。
図30は、
図29の画面をさらに拡大表示した状態を表わす図である。
【0170】
図28に示されるように、ある局面において、モニタ8は、画面2800を表示し得る。画面2800は、レイアウト画像2000を含む。レイアウト画像2000は、画像2810,2820,2830,2840を含み得る。画像2810,2820,2830は、当該フロア(例、11階)全体を3つのグループに分けた場合における一人あたりの広さ、座席の使用率、割当数を表わす。一例として、画像2810は、91座席に対して50人に座席が割り当てられており、使用率が55%であること、一人当たりの広さは1.56坪であることを表わす。画像2840は、当該フロア全体について、1人当たりの広さ、座席の使用率、および割当数/総数、を表わす。このような表示によれば、管理者あるいはユーザは、座席の使用状況を容易に把握することができ、座席の変更あるいは新しいスタッフに対する座席の割当等において考慮しつつ、適切な割り当てを行なうことができる。
【0171】
図29は、
図28に示されていた画像のうち拡大された場所に関連付けられる画像が拡大された状態を表わす図である。
図28に表示される画面に対してユーザが拡大操作を実行すると、
図29に示されるように、
図28に示されていた一部の場所に関連付けられる画像が拡大され、当該場所のブロックごとの情報が表示され得る。
【0172】
より詳しくは、画面2800に対する拡大操作が行われると、モニタ8は画面2900を表示する。画面2900は、画像2020に加えて、画像2910,2920を表示する。画像2910,2920は、画像2820が関連付けられた場所が二つのブロックに分けられた場合の各ブロックにおける1人当たりの広さ、座席の使用率、および割当数/総数、を表わす。画面に表示される座席レイアウトの大きさに応じて、座席に関する情報(1人当たりの広さ、座席の使用率、および割当数/総数)の表示対象が切り替えられるので、管理者またはユーザは、座席に割り当てられるユーザの数あるいは名前を確認しつつ割当状況を知ることができる。
【0173】
図30は、
図29に示される画面をさらに拡大して表示した状態を表わす図である。ユーザが
図29に示される画面を拡大する操作を実行すると、モニタ8は、画面3000を表示する。画面3000は、画像3010,3020を含む。画像3010,3020は、
図29に示される画像2910に示される情報を二つのブロックに分けて表わす図である。このような表示によれば、さらに、詳細な情報が提示されるので、管理者またはユーザは、各ブロックの環境状態を詳細に確認することができる。
【0174】
図29または
図30に示される詳細なブロックを表示する場合、座席レイアウトにおいて、一人以上のユーザは、最小単位のブロックに割り当てられている。ブロックの階層構造は、特に限られないが、例えば、最小単位のブロックを構成するユーザ数が4人、あるいは、8人のように、規定されてもよい。最小単位のブロックを包含するブロックは、2つあるいは3つの最小単位のブロックを含むように規定されてもよい。
【0175】
[リスト表示]
【0176】
図31~
図33を参照して、本実施の形態に係るリストの表示について説明する。
図31は、モニタ8に表示されるリストの一態様を表わす図である。
【0177】
ある局面において、モニタ8は、管理者またはユーザの操作に応答して、リスト3100を表示する。リスト3100は、ブロック3110と、CO2濃度3120と、1席当たりの坪数3130と、使用座席数/座席総数3140と、座席使用率3150とを含む。
【0178】
ブロック3110は、環境情報の表示の単位を構成する。ある局面において、最大のブロックは、各フロアとなり得る。各フロアは、詳細のブロックに分けられ得る。CO2濃度3120は、当該ブロックにおいて検出されたCO2濃度を表わす。CO2センサが複数の場合、CO2濃度は、各検出値のうち最大値あるいは平均値を表示し得る。1席当たりの坪数3130は、各ユーザ毎の広さを表わす。使用座席数/座席総数3140は、座席総数に対して実際に使用されている(割り当てられている)座席の数を表わす。座席使用率3150は、使用座席数/座席総数3140の値となる。管理者またはユーザは、リスト3100を参照することにより、各ブロックの現状を容易に把握することができる。
【0179】
図32は、
図31に示されたリスト3100のうち特定のブロックの詳細を表わした状態を示す図である。モニタ8がリスト3100を表示している状態で、13階の詳細を知るために、ブロック3110のうち13Fを選択すると、モニタ8は、詳細リスト3210を表示し得る。詳細リスト3210は、13階を3つのブロックに分けた場合における各ブロック(ブロックD,E,F)におけるCO
2濃度3120と、1席当たりの坪数3130と、使用座席数/座席総数3140と、座席使用率3150とを表示し得る。このような構成によれば、ユーザは、各ブロックの詳細を把握することができる。
【0180】
図33は、
図32に示されたリスト3200を表示している状態でさらに詳細なリストを表示する一態様を表わす図である。管理者またはユーザが13階のブロックDの詳細を知るために、「D」を選択すると、モニタ8は、詳細リスト3310を表示し得る。詳細リスト3310は、13階のブロックDを2つのサブブロックD1,D2に分けた場合における各サブブロックにおけるCO
2濃度3120と、1席当たりの坪数3130と、使用座席数/座席総数3140と、座席使用率3150とを表示し得る。このような構成によれば、ユーザは、各サブブロックの詳細を把握することができる。
【0181】
[グラフ]
【0182】
図34を参照して、モニタ8における表示態様についてさらに説明する。
図34は、ある局面に従うモニタ8にグラフが表示されている状態を表わす図である。モニタ8は、グラフ3410を表示している。管理者またはユーザが、グラフの表示を指示すると、管理者端末170またはユーザ端末160のCPU1は、ポータルサーバ120から受信しているデータに基づいてグラフ3410を描画し得る。ある局面において、CPU1は、グラフ3410を描画する前に、ポータルサーバ120に対して最新の環境情報を要求してもよい。CPU1は、その日の時系列データに基づいてグラフ3410を描画し得る。グラフ3410は、各ブロックごと(例えば、フロアごと、同一フロアにおける各エリアごと)に、表示され得る。グラフ3410が表示される際、環境情報の望ましい範囲を示す閾値(th(1),th(2))が表示されてもよい。
【0183】
上記開示された技術的特徴は、以下のように要約され得る。
【0184】
(構成1) ある実施の形態に従うと、環境情報(例えば、CO2濃度、室温、明るさ、ノイズレベル等)を提供するためにコンピュータ300で実行される方法が提供される。この方法は、作業空間(例えば、オフィスのフロア、会議室等)の環境の状態を検出するために上記作業空間に設けられた環境センサ(例えば、CO2センサ、温度センサ、照明センサ、音響計測器等)から検出値を受信するステップと、上記検出値をデータベースに格納するステップと、上記コンピュータに接続されている端末(例えば、ユーザ端末160、管理者端末170等)から、上記作業空間における座席レイアウトの要求を受信するステップと、上記要求に応答して、上記座席レイアウトを表示するためのデータと、上記検出値を表示するためのデータとを関連付けて上記端末に送信するステップとを含む。
【0185】
(構成2) ある局面において、上記受信するステップは、上記検出値を受信した後に新たな検出値を受信することを含む。上記格納するステップは、上記新たな検出値を上記データベースに格納することを含む。上記送信するステップは、上記新たな検出値が格納されたことに基づいて当該新たな検出値を表示するためのデータを送信することを含む。係る構成によれば、最新の情報が表示され得る。
【0186】
(構成3) ある局面において、上記検出値を表示するためのデータは、上記環境センサに関連付けられる座席に割り当てられているユーザの数を含む。これにより、管理者は検出値に基づく配慮の対象となるユーザの数を把握することができる。
【0187】
(構成4) ある局面において、上記座席レイアウトは、複数のエリア(例えば、4つ、8つ等の複数の座席から成るグループ等)に分けられている。上記環境センサは、上記複数のエリアの各々に設けられている。例えば、各グループの天井に割り当てられている。上記送信するステップは、上記座席レイアウトを表示するためのデータと、各上記検出値を表示するためのデータとを送信することを含む。これにより、各エリアごとに詳細情報が表示されるので管理者は詳細を確認しやすくなる。
【0188】
(構成5) ある局面において、上記方法は、拡大指示に基づいて、上記座席レイアウトの一部を拡大して表示させるステップと、上記拡大された座席レイアウトの座席に割り当てられたユーザの名前を表示させるステップとをさらに含む。これにより、各エリアごとに詳細情報が表示されるので管理者は詳細を確認しやすくなる。
【0189】
(構成6) ある局面において、上記方法は、上記検出値が基準値を超えたことに基づいて、空調機器(エアコンディショナ、換気装置、空気清浄器等)を作動させる信号を当該空調機器の制御装置に送信するステップをさらに含む。これにより、職場環境が良好に維持され得る。
【0190】
(構成7) ある局面において、上記方法は、上記検出値が基準値を超えたことに基づいて、空調機器を作動させる信号を当該空調機器の制御装置に送信するか否かを問い合わせるメッセージ(例、「空調機器を作動しますか?」)をモニタ8に表示するステップをさらに含む。メッセージが表示されるので、管理者は確認しやすくなる。
【0191】
(構成8) ある局面において、上記座席レイアウトは、複数のエリアを含む。上記送信するステップは、上記複数のエリアの各々について、当該エリアを表示するためのデータと、各上記検出値とを送信することを含む。座席レイアウトが拡大表示された場合に、エリアごとの画面を表示し得る。
【0192】
(構成9) ある局面において、上記送信するステップは、上記検出値を当該エリアの近傍に表示するためのデータを送信することを含む。例えば、座席レイアウトの前面に画像が重ねて表示されるので、ユーザはどの座席における環境情報が表示されているかを容易に確認できる。
【0193】
(構成10) ある局面において、上記のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【0194】
(構成11) ある局面において、上記のプログラムを格納したメモリと、上記プログラムを実行するためのプロセッサとを備える情報提供装置が提供される。
【0195】
[まとめ]
【0196】
以上のようにして、本実施の形態によれば、座席のレイアウトが端末に表示される際、CO2濃度その他の環境情報もレイアウトに関連付けて表示される。これにより、環境情報の検出値が所定の基準値を超えた場合等において、必要な措置を速やかにとることができる。
【0197】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0198】
9 CD-ROM、100 システム、190 ネットワーク、410,420,430,440,510,520,610,620 テーブル、3100,3200 リスト、3210,3310 詳細リスト。