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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
A63F5/04 653
A63F5/04 651
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018094110
(22)【出願日】2018-05-15
(65)【公開番号】P2019198440
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-04-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100134599
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100166442
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋雅
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】平田 征也
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-233543(JP,A)
【文献】特開2013-034631(JP,A)
【文献】特開2015-213614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであって、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、
特典を付与するか否かを決定する特典付与決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果であることに基づいて示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段と、
前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるゲームよりも後のゲームにおいて前記特典を付与するか否かを報知する報知演出を実行可能な報知演出実行手段とを備え、
前記特定決定結果は、第1特定決定結果と第2特定決定結果とを含み、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1特定決定結果である場合において前記特典を付与する決定がなされている割合のほうが前記事前決定手段の決定結果が前記第2特定決定結果である場合において前記特典を付与する決定がなされている割合よりも高く、
前記示唆演出は、第1示唆演出と第2示唆演出とを含み、
前記第1示唆演出を実行した場合において前記事前決定手段の決定結果が前記第1特定決定結果である割合のほうが前記第2示唆演出を実行した場合において前記事前決定手段の決定結果が前記第1特定決定結果である割合よりも高く、
前記事前決定手段の決定結果が前記第2特定決定結果である一方で前記特典を付与しない決定がなされた場合に所定割合で後のゲームにおいて前記報知演出を実行しないことにより、前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果である場合において前記特典を付与する決定がなされている割合よりも前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であり且つ前記報知演出を実行した場合において前記特典を付与する決定がなされている割合のほうが高く、
前記第1示唆演出は、前記事前決定手段の決定結果が前記第2特定決定結果である一方で前記特典を付与しない決定がなされている場合、後のゲームにおいて前記報知演出を実行するときのほうが前記報知演出を実行しないときよりも高い割合で実行される、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれたリールを有する可変表示部を備えており、規定の賭数が設定された状態でスタートスイッチが操作されることによりリールが回転開始し、ストップスイッチが操作されてリールの回転が停止したときに入賞ライン上に予め定められた図柄組合せ(例えば、7-7-7、以下、図柄組合せを表示結果の組合せ、もしくは役とも称する)が導出されることにより入賞が発生する。
【0003】
役の種類としては、小役、特別役、再遊技役といった種類がある。ここで、小役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、小役の種類ごとに定められた数のメダルが払い出される。特別役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、レギュラーボーナスやビッグボーナスといった遊技者にとって有利な有利状態に遊技状態が移行可能となる。再遊技役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、賭数の設定に新たなメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。
【0004】
このようなスロットマシンの一例として、レア小役の一例としてのチェリーに当選したことに応じて予告演出を実行し、次のゲーム以降に連続演出を実行してチェリー当選時にボーナスにも同時当選していたか否かを報知するものが開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、予告演出の種類が当選役に応じて選択されているとともに、連続演出のシナリオがボーナスに当選しているか否かによって選択されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-189961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術では、予告演出の種類と連続演出のシナリオとがそれぞれ独立して選択されているため、連続演出で期待度が高い演出が実行されても予告演出で期待度が低い演出が実行されていれば遊技者が期待感を維持できない虞がある。例えば、チェリー等のレア小役に当選したことを示す予告演出が実行された後に連続演出が実行されると遊技者が期待感を持続できる一方、ベル等の小役に当選したことを示す予告演出が実行された後に連続演出が実行されても終了前に遊技者がボーナスに当選していない旨が報知される可能性が高いことを推測できてしまう虞がある。よって、遊技者が予告演出の種類でボーナスに同時当選しているか否かを推測できるようになると、その後の連続演出でボーナスに当選しているか否かを煽る意味が薄れてしまい、連続演出に関する興趣が低下して連続演出が実行されるまで遊技者が期待感を維持できない虞がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、遊技者の期待感を好適に維持できるスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(例えば、スロットマシン1)であって、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(例えば、メイン制御部41が実行する内部抽選処理)と、
特典(例えば、ボーナス当選、AT当選、CZ当選、プレミア演出の実行)を付与するか否かを決定する特典付与決定手段(例えば、メイン制御部41が抽選処理によってボーナス当選、AT当選、CZ当選を決定する処理、サブ制御部91がプレミア演出の実行を決定する処理)と、
前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果(例えば、レア役の内部当選)であることに基づいて示唆演出(例えば、予告演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップSa1~Sa6の処理)と、
前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるゲームよりも後のゲームにおいて前記特典を付与するか否かを報知する報知演出(例えば、連続演出、バトル演出)を実行可能な報知演出実行手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップSa1、Sa2、Sa7の処理)とを備え、
前記特定決定結果は、第1特定決定結果(例えば、ボーナス期待度が高いレア役、「チェリー+1枚役」を含む抽選対象役としての強チェリー、「スイカ+1枚役」を含む抽選対象役としての強スイカ)と第2特定決定結果(例えば、ボーナス期待度が低いレア役、「チェリー」を含む抽選対象役としての弱チェリー、「スイカ」を含む抽選対象役としての弱スイカ)とを含み、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1特定決定結果である場合において前記特典を付与する決定がなされている割合のほうが前記事前決定手段の決定結果が前記第2特定決定結果である場合において前記特典を付与する決定がなされている割合よりも高く(例えば、ボーナス期待度が高いレア役(強チェリー、強スイカ)の当選時にボーナスに同時当選している割合のほうがボーナス期待度が低いレア役(弱チェリー、弱スイカ)の当選時にボーナスに同時当選している割合が高く、弱チェリーに当選した際のボーナス期待度が約7%程度である一方で強チェリーに当選した際のボーナス期待度が20%であり)、
前記示唆演出は、第1示唆演出(例えば、強予告演出)と第2示唆演出(例えば、弱予告演出)とを含み、
前記第1示唆演出を実行した場合において前記事前決定手段の決定結果が前記第1特定決定結果である割合のほうが前記第2示唆演出を実行した場合において前記事前決定手段の決定結果が前記第1特定決定結果である割合よりも高く(例えば、サブ制御部91がチェリー当選時に強予告演出を実行したときの強チェリー当選率が約53%である一方、チェリー当選時に弱予告演出を実行したときの強チェリー当選率が約22%であり)、
前記事前決定手段の決定結果が前記第2特定決定結果である一方で前記特典を付与しない決定がなされた場合に所定割合で後のゲームにおいて前記報知演出を実行しないことにより、前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果である場合において前記特典を付与する決定がなされている割合よりも前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であり且つ前記報知演出を実行した場合において前記特典を付与する決定がなされている割合のほうが高く(例えば、サブ制御部91が弱チェリー当選時にボーナスに同時当選していないときには75.2%の割合で連続演出を実行しないことにより、連続演出のトータル期待度(約32%)のほうがボーナス期待度(約10%)よりも高くなり)、
前記第1示唆演出は、前記事前決定手段の決定結果が前記第2特定決定結果である一方で前記特典を付与しない決定がなされている場合、後のゲームにおいて前記報知演出を実行するときのほうが前記報知演出を実行しないときよりも高い割合で実行される(例えば、サブ制御部91が弱チェリー当選時にボーナスに同時当選していない場合において後のゲームにおいて連続演出を実行するときには53.1%の割合で強予告演出を実行する一方で連続演出を実行しないときには必ず弱予告演出を実行して強予告演出を実行しない)。
【0009】
このような構成によれば、事前決定手段の決定結果が第2特定決定結果である一方で特典を付与しない決定がなされた場合に後のゲームにおいて報知演出を実行するときに第1示唆演出を実行する割合が後のゲームにおいて報知演出を実行しないときに第1示唆演出を実行する割合よりも高くないスロットマシンよりも第1示唆演出が実行され易くなるとともに第1示唆演出が実行された後に報知演出が実行され易くなり、第1示唆演出が実行された後に報知演出が実行されることに遊技者が注目し易くなる。この結果、報知演出が実行されてからも遊技者の期待感を好適に維持できる。
【0010】
(2)上記(1)のスロットマシンにおいて、
示唆演出実行手段は、前記報知演出の実行中に前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であることに基づいて特定示唆演出(例えば、特定予告演出)を実行可能であり(例えば、サブ制御部91がステップSa1、Sa2、Sa8、Sa9の処理を実行し)、
前記特定示唆演出は、前記事前決定手段の決定結果が前記第1特定決定結果であるか前記第2特定決定結果であるか否かに関わらず共通の演出態様で実行されてもよい(例えば、サブ制御部91がバトル演出の実行中にチェリーに当選すると強チェリーに当選しているか弱チェリーに当選しているかに関わらず特定予告演出としてチェリー示唆演出531を実行してもよい)。
【0011】
このような構成によれば、特定示唆演出が事前決定手段の決定結果が第1特定決定結果であるか第2特定決定結果であるかによって異なる演出態様で実行されるスロットマシンよりも遊技者の注目が報知演出から特定示唆演出に逸れないようにすることができる。
【0012】
(3)上記(1)または(2)のスロットマシンにおいて、
前記第1示唆演出が実行されたときには後のゲームにおいて前記報知演出が実行されてもよい(例えば、サブ制御部91が強予告演出を実行したときには後のゲームにおいて必ず連続演出を実行してもよい)。
【0013】
このような構成によれば、第1示唆演出が実行されても後のゲームにおいて報知演出が実行されない可能性があるスロットマシンよりも第1示唆演出が実行されることに対する遊技者の注目を高めることができる。
【0014】
(4)上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(例えば、スロットマシン1)であって、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(例えば、メイン制御部41が実行する内部抽選処理)と、
特典(例えば、ボーナス当選、AT当選、CZ当選、プレミア演出の実行)を付与するか否かを決定する特典付与決定手段(例えば、メイン制御部41が抽選処理によってボーナス当選、AT当選、CZ当選を決定する処理、サブ制御部91がプレミア演出の実行を決定する処理)と、
前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果(例えば、レア役の内部当選)であることに基づいて示唆演出(例えば、予告演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップSa1~Sa3、Sa13、Sa5、Sa6の処理)と、
前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるゲームよりも後のゲームにおいて、演出を実行する割合が該ゲームまでとは異なる特定状態(例えば、特定状態)に制御可能な特定状態制御手段(例えば、サブ制御部91が演出状態を特定状態に制御する処理)とを備え、
前記特定決定結果は、第1特定決定結果(例えば、ボーナス期待度が高いレア役、「チェリー+1枚役」を含む抽選対象役としての強チェリー、「スイカ+1枚役」を含む抽選対象役としての強スイカ)と第2特定決定結果(例えば、ボーナス期待度が低いレア役、「チェリー」を含む抽選対象役としての弱チェリー、「スイカ」を含む抽選対象役としての弱スイカ)とを含み、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1特定決定結果である場合において前記特典を付与する決定がなされている割合のほうが前記事前決定手段の決定結果が前記第2特定決定結果である場合において前記特典を付与する決定がなされている割合よりも高く(例えば、ボーナス期待度が高いレア役(強チェリー、強スイカ)の当選時にボーナスに同時当選している割合のほうがボーナス期待度が低いレア役(弱チェリー、弱スイカ)の当選時にボーナスに同時当選している割合が高く、弱チェリーに当選した際のボーナス期待度が約7%程度である一方で強チェリーに当選した際のボーナス期待度が20%であり)、
前記示唆演出は、第1示唆演出(例えば、強予告演出)と第2示唆演出(例えば、弱予告演出)とを含み、
前記第1示唆演出を実行した場合において前記事前決定手段の決定結果が前記第1特定決定結果である割合のほうが前記第2示唆演出を実行した場合において前記事前決定手段の決定結果が前記第1特定決定結果である割合よりも高く(例えば、サブ制御部91がチェリー当選時に強予告演出を実行したときの強チェリー当選率が約53%である一方、チェリー当選時に弱予告演出を実行したときの強チェリー当選率が約22%であり)、
前記事前決定手段の決定結果が前記第2特定決定結果である一方で前記特典を付与しない決定がなされた場合に所定割合で後のゲームにおいて前記特定状態に制御しないことにより、前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果である場合において前記特典を付与する決定がなされている割合よりも前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であり且つ前記特定状態に制御した場合において前記特典を付与する決定がなされている割合のほうが高く(例えば、サブ制御部91が弱チェリー当選時にボーナスに同時当選していないときには75.2%の割合で特定状態に制御しないことにより、特定状態制御時のボーナス期待度(約32%)のほうがチェリー当選時のボーナス期待度(約10%)よりも高くなり)、
前記第1示唆演出は、前記事前決定手段の決定結果が前記第2特定決定結果である一方で前記特典を付与しない決定がなされている場合、後のゲームにおいて前記特定状態に制御するときのほうが前記特定状態に制御しないときよりも高い割合で実行される(例えば、サブ制御部91が弱チェリー当選時にボーナスに同時当選していない場合において後のゲームにおいて特定状態に制御するときには53.1%の割合で強予告演出を実行する一方で特定状態に制御しないときには必ず弱予告演出を実行して強予告演出を実行しない)。
【0015】
このような構成によれば、事前決定手段の決定結果が第2特定決定結果である一方で特典を付与しない決定がなされた場合に後のゲームにおいて特定状態に制御するときに第1示唆演出を実行する割合が後のゲームにおいて特定状態に制御しないときに第1示唆演出を実行する割合よりも高くないスロットマシンよりも第1示唆演出が実行され易くなるとともに第1示唆演出が実行された後に特定状態に制御され易くなり、第1示唆演出が実行された後に特定状態に制御されることに遊技者が注目し易くなる。この結果、特定状態に制御されてからも遊技者の期待感を好適に維持できる。
【0016】
(5)上記(4)のスロットマシンにおいて、
前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるゲームよりも後のゲームにおいて前記特典を付与するか否かを報知する報知演出(例えば、連続演出、バトル演出)を実行可能な報知演出実行手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップSa1、Sa2、Sa7の処理)を更に備え、
前記特定状態は、前記特定状態とは異なる状態よりも高い割合で特定演出を実行する状態であり(例えば、特定状態が100%の割合で特定演出を実行する演出状態であり)、
前記特定演出は、特定態様の演出(例えば、煽り開始演出521)を実行した後に前記報知演出を実行する旨以外の報知(例えば、発展示唆演出524)を行う第1特定演出(例えば、第1特定演出)と、該特定態様の演出を実行した後に前記報知演出を実行する旨の報知(例えば、発展確定演出525)を行う第2特定演出(例えば、第2特定演出)とを含んでもよい。
【0017】
このような構成によれば、特定状態の制御中に高い割合で実行される特定演出が第1特定演出と第2特定演出とを含まないスロットマシンよりも特定演出においてどのような報知が行われるかに対する遊技者の注目を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態1に係るスロットマシンの正面図である。
図2】スロットマシンの内部構造図である。
図3】リールの図柄配列を示す図である。
図4】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
図5】入賞ラインを示す図である。
図6】中段チェリーと角チェリーについて説明するための図である。
図7】遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明するための図である。
図8】ボーナス期待度について説明するための図である。
図9】実施形態1に係るサブ制御部が実行する演出実行処理の制御内容を示すフローチャートである。
図10】実施形態1に係る演出の一例を示す図である。
図11】(A)実施形態1に係る連続演出選択テーブルの一例を示す図、(B)実施形態1に係るチェリー当選時の予告演出選択テーブルの一例を示す図である。
図12】実施形態1に係る演出の実行例を示す図である。
図13】実施形態1に係る演出の実行例を示す図である。
図14】(A)従来のチェリー当選時の予告演出選択テーブルの一例を示す図、(B)従来の連続演出選択テーブルの一例を示す図である。
図15】(A)従来の演出パターンを説明するための図、(B)実施形態1に係る演出パターンを説明するための図である。
図16】実施形態1に係るチェリー当選時の予告演出選択テーブルの変更例を示す図である。
図17】実施形態2に係るサブ制御部が実行する演出実行処理の制御内容を示すフローチャートである。
図18】実施形態2に係る特定演出の一例を示す図である。
図19】(A)実施形態2に係る特定状態抽選テーブルの一例を示す図、(B)実施形態2に係るチェリー当選時の予告演出選択テーブルの一例を示す図である。
図20】実施形態2に係る演出の実行例を示す図である。
図21】実施形態2に係る演出の実行例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態1]
本発明が適用されたスロットマシンの実施形態1について、図面を用いて説明すると、本実施形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1a(図2参照)と、筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール、可変表示部)が水平方向に並設されており、図1図3に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄(所定の順序でそれぞれ21個ずつ描かれている互いに識別可能な複数種類の図柄のうちの3つの図柄)が前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3からそれぞれ見えるように配置されている。
【0020】
前面扉1bには、上部の液晶表示器51、スロットマシン1のタイトル(機種名)や配当表等が印刷された下部パネル1d、下部のスピーカ53、54が設けられている。また、前面扉1bには、メダル投入部4、メダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて最大の賭数(3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0021】
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数や、エラー発生時の内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1、2、3とそれぞれ設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作(スタート操作)が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回ゲーム開始から一定期間経過せずリール回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中(再遊技中)である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0022】
また、スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。遊技制御基板40には、メイン制御部41、乱数発生回路42、サンプリング回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載され、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、演出用スイッチ56等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0023】
遊技者がスロットマシン1でゲームを開始する場合、メダル投入部4に所定の枚数のメダルを投入し、又はMAXBETスイッチ6を操作して所定の賭数を設定する。賭数が設定されると、スタートスイッチ7が有効になり、スロットマシン1はゲームを開始可能な状態になる。ゲーム開始可能な状態で遊技者がスタートスイッチ7を操作すると、各リール(左リール2L、中リール2C、右リール2R)が回転を開始する。この状態で遊技者がいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作して各リールの回転を停止させることで、透視窓3を介して表示結果が導出表示される。各リールの回転が停止することでゲームが終了し、予め決められた役に応じた図柄の組み合わせが表示結果として導出されている(揃っている)場合、その役に対応した入賞が発生する。入賞に応じたメダルの払い出しが枚数を記憶すると、記憶できるメダル枚数の最大値(50枚)以上となる場合、メダル払出口9から最大値を超えた分のメダルが払い出される。遊技状態の移行を伴う役の入賞が発生した場合、その役に応じて遊技状態が移行する。いずれの役の入賞も発生しなかった場合、遊技者は再度MAXBETスイッチ6を操作し、又は再度メダル投入部4にメダルを投入し、次のゲームを開始する。なお、遊技者が遊技を終了する際に記憶されているメダル数が残っている場合、遊技者が精算スイッチ10を操作することで、記憶されているメダル数がメダル払出口9から払い出される。
【0024】
各リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、「黒7」、「網7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「オレンジ」、「スイカ」、「チェリー」といった互いに識別可能な複数種類の図柄がそれぞれ所定の順序で合計21個ずつ描かれている。
【0025】
各リール2L、2C、2Rは、それぞれ対応して配置されたリールモータ32L、32C、32Rによって反時計回り(図1では図面上部から下部に向かう方向)に回転し、これにより透視窓3を介して複数種類の図柄が連続的に表示されることとなる。本実施形態では、各リール2L、2C、2Rは、対応して配置されたストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されてから最大190ms遅延して回転を停止する。リールが停止するまでの遅延時間はこれに限られず、ゲーム性を向上するために190ms以上遅延して回転を停止しても良い。
【0026】
なお、各リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄数)=1680コマ分の図柄を変動させる。このため、各リール2L、2C、2Rは、190msの間で最大で4コマの図柄を引き込むことができる。すなわち、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作された際に停止する図柄は、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作された際に表示されていた図柄から4コマ先にある図柄(合計5コマ分の図柄)のうちのいずれかである。例えば、図3に示す左リール2Lの10番の「黒7」が透視窓3の下段に表示された際にストップスイッチ8Lが操作された場合、左リール2Lの下段には、左リール2Lの10番の「黒7」から14番の「オレンジ」までのいずれかの図柄が停止することとなる。なお、透視窓3には、10番から12番までの「黒7・リプレイ・ベル」、11番から13番までの「リプレイ・ベル・スイカ」、12番から14番までの「ベル・スイカ・オレンジ」、13番から15番までの「スイカ・オレンジ・リプレイ」、14番から16番までの「オレンジ・リプレイ・ベル」のいずれかが表示結果として導出される。このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作された際に、対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とすると、停止するリールは、基準の図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができる。よって、リール2L、2C、2Rは、それぞれストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作された際、そのストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ラインに表示させることができる。
【0027】
ここで、入賞ラインとは、透視窓3を介して表示される3×3コマのうち、図柄の組み合わせが揃った際に入賞が発生するラインを意味する。本実施形態では、入賞ラインは、図5に示すように、透視窓3を介して表示される各リール2L、2C、2Rの各コマを、左リール上段2Lt、左リール中段2Lm、左リール下段2Lb、中リール上段2Ct、中リール中段2Cm、中リール下段2Cb、右リール上段2Rt、右リール中段2Rm、右リール下段2Rb、とすると、左リール上段2Lt、中リール中段2Cm、右リール下段2Rb、を通る斜めのラインである入賞ラインL1と、各リールの上段(2Lt、2Ct、2Rt)を結ぶ平行なラインである入賞ラインL2と、各リールの中段(2Lm、2Cm、2Rm)を結ぶ平行なラインである入賞ラインL3と、各リールを斜め右上(2Lb、2Cm、2Rt)に結ぶ斜めのラインである入賞ラインL4と、からなる。上述のようにストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されて各リール2L、2C、2Rが全て停止し、有効な入賞ラインL1~L4のうちいずれかで役に応じた図柄の組み合わせ揃うと入賞が発生する。
【0028】
本実施形態では、入賞ラインが4ライン有効である場合について説明するが、これに限られず、例えば、左リール上段2Lt、中リール中段2Cm、右リール上段2Rt、を変則的に結ぶラインを有効にしても良く、入賞ラインL3のみの1ライン構成にしても良い。また、役に応じて入賞ラインに揃う図柄の組み合わせは、任意に設定することが可能であり、同一図柄の組み合わせであっても良く、異なる図柄の組み合わせであっても良い。入賞が発生する役は、大きく分けてメダルの払い出しを伴う役(以下、小役とする)、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始することができる役(以下、再遊技役とする)、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う役(特別表示結果、以下、特別役とする)、に区分される。なお、以下の説明では、小役と再遊技役を総じて一般役とも称する。
【0029】
[特別役について]
本実施形態では、有利遊技状態であるBB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)への移行を伴う特別役は、「白7」、「白7」、「白7」が入賞ラインに揃うことで入賞が発生するBB、「黒7」、「黒7」、「網7」又は「網7」、「網7」、「黒7」が入賞ラインに揃うことで入賞が発生するRBの2種類からなる。なお、ボーナスの種類にCB(チャレンジボーナス)を加えても良い。この場合、CB図柄が入賞ラインに揃うことで入賞が発生すると、CT(チャレンジタイム)状態に移行する。CT状態においては、いずれかの役の入賞の発生を許容するか否かを決定する通常の内部抽選処理において小役が内部当選(本願においては単に「当選」と記載することがある)していなくても、リール制御の制限によって小役に入賞することが許容される。具体的には、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作してから所定の時間(75ms(通常は190ms))内にリール2L、2C、2Rが停止する制御が行われる。CB状態は、このようなCT状態に終了条件が成立するまで(メダルの払い出し枚数が254枚以上となるまで)繰り返し移行されることで実現される。
【0030】
特別役は、内部抽選処理において当選し、いずれかの入賞ラインで図柄が揃うことで入賞が発生し、特別役の入賞が発生すると遊技状態はボーナス状態(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)へと移行する。ボーナス状態は、所定の条件で終了する。本実施形態では、BBは、メダルの払い出しが361枚以上になった時点で終了するものとし、RBは、いずれかの小役の入賞が4回発生するか、又はボーナス状態で12ゲーム消化した時点で終了するものとする。終了条件は上述の条件に限らず、メダル払出率等の設計に従って任意に変更しても良いが、BBは最高でも466枚以上の払い出しを終了条件とすることが好ましい。
【0031】
[一般役について]
次に一般役について説明する。本実施形態では、一般役は、再遊技役として、例えば、通常リプレイ、昇格リプレイ、突入リプレイ、転落リプレイ、複数種類の制御リプレイ(制御リプレイ1~5)を含み、メダルの払い出しを伴う小役として複数種類のベル、スイカ、チェリー、1枚役、を含む。図3に示すように、リプレイ及びベル図柄については、全てのリールにおいて5コマ以内に配置されており、リプレイやベルが当選した場合、遊技者は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらず(昇格リプレイ等は押し順を正解したり不正解したりした場合、)、これらの小役を入賞させることができる。
【0032】
一方で、スイカ、1枚役については、それぞれの図柄が全てのリールにおいて5コマ以内に配置されているわけではない。従って、スイカ、1枚役、が当選した場合、遊技者は、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正に操作しなければ、これらの小役を入賞させることができない。チェリーについても、図3に示すように、左リール2L上のチェリー図柄は1箇所にしか配置されていないため、遊技者はストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ左リール2L上にチェリー図柄を停止させることができない。一方で、中リール2C上の白7、黒7、網7、スイカ図柄と、右リール2Rのリプレイ図柄はそれぞれ5コマ以内に配置されている。従って、遊技者は左リール2L上にチェリー図柄を停止させれば、ストップスイッチ8Cの操作タイミングに依らず、チェリーを入賞させることができる。
【0033】
なお、入賞ラインを中段のL3のみの1ライン構成にする場合、無効ラインで上述の図柄の組み合わせが揃うような一般役の構成にしても良い。このような構成において、例えば、左リール2Lの8番のベル、中リール2Cの7番のベル、右リール2Rの8番のベル、が無効ラインL2で揃った場合、実際に入賞ラインL3で揃う図柄は、左リール2Lの7番のリプレイ、中リール2Cの6番のチェリー、右リール2Rの7番のスイカ、であるため、入賞ラインL3に「リプレイ・チェリー・スイカ」の図柄が揃った場合には一定の払い出し(例えば9枚)を付与することで、無効ラインでベルが揃った場合でも、入賞が発生することとなる。
【0034】
[単独役及び同時当選役について]
また、一般役は、メイン制御部41の抽選において当選する際、複数の一般役を含む複合役の一部として当選する場合がある。このような複合役は、複数の一般役から構成されているものの、メイン制御部41の抽選において当選すると、1つの当選フラグとして設定される。本実施形態では、抽選の対象となる役(抽選対象役)は複合役を含み、図7に示すように、例えば「BB+スイカ」等、特別役と少なくとも一つ以上の一般役が同時に当選する役(以下、同時当選役とする)と、例えば「チェリー+1枚役」等、複数の一般役が同時に当選する複合役と、例えば「RB」や「チェリー」等、特別役又は一般役が単独で当選する役(以下、単独役とする)と、を含むものとする。抽選対象役のうち一般役は、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「スイカ+1枚役」、「チェリー」、「チェリー+1枚役」、「1枚役」、である。
【0035】
「リプレイ」は、リプレイが単独で当選する場合の再遊技役であり、「ベル」は、ベルが単独で当選する場合の小役である。「スイカ」は、スイカが単独で当選する場合の小役であり、「スイカ+1枚役」は、スイカと1枚役が複合して当選する複合役である。「スイカ」が当選すると、斜めの入賞ライン(L1、L4)でスイカが揃う表示結果(以下、斜めスイカとする)の導出が許容され、「スイカ+1枚役」が当選すると、平行な入賞ライン(L2、L3)でスイカが揃う表示結果(以下、平行スイカとする)の導出が許容される。
【0036】
「チェリー」は、チェリーが単独で当選する場合の小役であり、「チェリー+1枚役」は、チェリーと1枚役が複合して当選する複合役である。「チェリー」が当選すると、図6に示すように、優先して左リール2Lの上段または下段にチェリーが停止して揃う表示結果(以下、角チェリーとする)の導出が許容され、「チェリー+1枚役」が当選すると、優先して左リール2Lの中段にチェリーが停止して揃う表示結果(以下、中段チェリーとする)の導出が許容される。また、1枚役は、1枚役が単独で当選する場合の小役である。
【0037】
すなわち、遊技者は、平行スイカが導出されると当選フラグが「スイカ+1枚役」を含むものであったこと、斜めスイカが導出されると当選フラグが「スイカ」を含むものであったこと、角チェリーが導出されると当選フラグが「チェリー」を含むものであったこと、中段チェリーが導出されると当選フラグが「チェリー+1枚役」を含むものであったこと、を判断することができる。
【0038】
[ボーナス期待度について]
図7に示すように、「スイカ」、「スイカ+1枚役」、「チェリー」、「チェリー+1枚役」、「1枚役」は、同時当選役として当選し得る役である。このため、遊技者は、上述の小役が入賞すると、特別役に当選している期待度(ボーナス期待度)を持つことができる。
【0039】
「チェリー」と「チェリー+1枚役」を例に取ると、図8に示すように、「チェリー」が単独役として当選する判定値は444であり、同時当選役として当選する判定値は31である。従って、「チェリー」を含む抽選対象役に当選した際のボーナス期待度は、31/(31+444)≒0.0653、すなわち、約7%程度である。一方、「チェリー+1枚役」が単独役として当選する判定値は156であり、同時当選役として当選する判定値は39である。従って、「チェリー+1枚役」を含む抽選対象役に当選した際のボーナス期待度は、39/(39+156)=0.2、すなわち、20%である。
【0040】
通常遊技状態またはRT状態では、「チェリー」が当選したことに対応して角チェリーが導出可能となり、「チェリー+1枚役」が当選したことに対応して中段チェリーが導出可能となる。よって、遊技者は、通常遊技状態またはRT状態時に「チェリー」を含む当選フラグに対応する角チェリーが導出されると、ボーナス期待度を約7%程度持つことができ、「チェリー+1枚役」を含む当選フラグに対応する中段チェリーが導出されると、約20%のボーナス期待度を持つことができる。換言すれば、角チェリー導出時は約7%(約14回に1回)で特別役と同時当選していることとなり、中段チェリー導出時は20%(5回に1回)で特別役と同時当選していることとなる。
【0041】
よって、チェリー役に入賞したときには、中段チェリー導出時には角チェリー導出時よりもボーナス期待度が高いことになる。また、スイカ役に入賞したときもチェリー役に入賞したときと同様に、平行スイカ導出時には斜めスイカ導出時よりもボーナス期待度が高いことになる(図7図8参照)。
このため、本実施形態では、平行スイカが導出される「スイカ+1枚役」を含む抽選対象役を「強スイカ」、斜めスイカが導出される「スイカ」を含む抽選対象役を「弱スイカ」、中段チェリーが導出される「チェリー+1枚役」を含む抽選対象役を「強チェリー」、角チェリーが導出される「チェリー」を含む抽選対象役を「弱チェリー」とそれぞれ称することがある。
【0042】
なお、本実施形態では、「スイカ+1枚役」を含む抽選対象役を「強スイカ」、「スイカ」を含む抽選対象役を「弱スイカ」としたが、「強スイカ」や「弱スイカ」とする抽選対象役(複合役、単独役)についてはこれらに限定されず、ボーナス期待度が高い任意のスイカ役を「強スイカ」としボーナス期待度が低いスイカ役を「弱スイカ」としてもよい。また、本実施形態では、「チェリー+1枚役」を含む抽選対象役を「強チェリー」、「チェリー」を含む抽選対象役を「弱チェリー」としたが、「強チェリー」や「弱チェリー」とする抽選対象役(複合役、単独役)についてはこれらに限定されず、ボーナス期待度が高い任意のチェリー役を「強チェリー」としボーナス期待度が低いチェリー役を「弱チェリー」としてもよい。
【0043】
[ゲーム制御処理について]
次に、メイン制御部41が実行する処理について説明する。メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われ、賭数設定後、スタート操作が行われると乱数抽選により入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選処理が行われる。内部抽選後、リール回転処理が行われ、前回ゲームのリール回転開始から規定期間(4.1秒)経過していることを条件に、リール回転開始してから定速回転になった後にストップスイッチ8L~8Rの操作(停止操作)を有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる。リール回転処理終了後、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞等が発生したか否かを判定する入賞判定処理が行われる。入賞判定処理終了後、払出処理が行われ、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算が行われるとともに、入賞ライン上の図柄組合せに応じて遊技状態が移行される。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
【0044】
[演出実行処理について]
次に、サブ制御部91が実行する処理について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41から受信した各種コマンドに基づいて、遊技状態に応じた各演出(例えば、予告演出、内部当選の示唆演出、連続演出、ボーナス確定演出、ボーナス中演出等)やデモ演出を実行することが可能となっている。
【0045】
本実施形態では、サブ制御部91は、図9に示す演出実行処理を実行する。先ず、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信した内部当選コマンド等に基づいて、遊技者によってスタートスイッチ7の操作(スタート操作)、所謂レバーオンが行われたか否かを判定する(ステップSa1)。サブ制御部91は、レバーオンが行われていない場合(ステップSa1;N)、レバーオンが行われるまでステップSa1の処理を繰り返し、レバーオンが行われた場合(ステップSa1;Y)、後述する連続演出を実行するゲーム(連続演出開始ゲーム、連続演出中ゲーム、連続演出終了ゲーム)であるか否かを判定する(ステップSa2)。なお、このように制御するために、サブ制御部91は、レバーオンが行われてゲームが開始する前に連続演出を実行するか否かを選択している必要がある。
【0046】
ここで、連続演出とは、レア役(スイカ、チェリー)に内部当選したゲーム(スイカ当選ゲーム、チェリー当選ゲーム)よりも後のゲームにおいてボーナスに同時当選していたか否かを報知する報知演出の一例である。本実施形態では、複数ゲームに亘って特別役に同時当選していたか否かを煽る連続演出として、例えば、図10(A)~図10(D)に示すバトル演出を実行する。バトル演出は、図10(A)に示すバトル開始演出511、図10(B)に示すバトル中演出512、図10(C)に示すバトル勝利演出513、図10(D)に示すバトル敗北演出514を含む。
【0047】
バトル開始演出511は、バトル演出の実行開始時に実行される演出であり、例えば、図10(A)に示す味方キャラと敵キャラとが向かい合う画像と「バトル開始!」との文字画像とを液晶表示器51に表示する演出である。また、バトル中演出512は、バトル演出の実行中に実行される演出であり、例えば、図10(B)に示す味方キャラが敵キャラに攻撃する画像を液晶表示器51に表示したり、敵キャラが味方キャラに攻撃する画像を液晶表示器51に表示したりする演出である。
【0048】
また、バトル勝利演出513は、ボーナスに同時当選していたことを報知するためにバトル演出の実行終了時に実行される演出であり、例えば、図10(C)に示す味方キャラが敵キャラに必殺技で攻撃する画像と「勝利!!」との文字画像とを液晶表示器51に表示する演出である。また、バトル敗北演出514は、ボーナスに同時当選していないことを報知するためにバトル演出の実行終了時に実行される演出であり、例えば、図10(D)に示す敵キャラが味方キャラに攻撃する画像と「敗北…」との文字画像とを液晶表示器51に表示する演出である。
なお、本実施形態では、連続演出の一例としてバトル演出を例示したが、連続演出については複数ゲームに亘って実行される限りにおいてバトル演出に限定されず、例えば、宝探し演出等のその他の演出であってもよい。
【0049】
図9に戻り、サブ制御部91は、連続演出を実行するゲームでない場合(ステップSa2;N)、メイン制御部41から受信した内部当選コマンドに基づいて、レア役に当選したか否かを判定する(ステップSa3)。サブ制御部91は、レア役に当選した場合(ステップSa3;Y)、連続演出選択テーブルを用いて連続演出を実行するか否かを選択し(ステップSa4)、予告演出選択テーブルを用いて実行する予告演出の種類を選択し(ステップSa5)、選択した種類の予告演出を実行し(ステップSa6)、処理を終了する。
【0050】
ここで、連続演出選択テーブルとは、レア役に内部当選したゲームよりも後のゲームにおいて連続演出を実行するか否かを選択するためのテーブルである。本実施形態の連続演出選択テーブルは、図11(A)に示すように、ボーナスに当選したか否かに基づく選択率が設定されている。具体的には、ボーナスに当選したときには100%の割合で連続演出を実行する(必ず連続演出を実行する)一方、ボーナスに当選しなかったときには24.8%の割合で連続演出を実行して75.2%の割合で連続演出を実行しないように選択率が予め設定されている。すなわち、本実施形態では、サブ制御部91は、ボーナス同時当選時に連続演出を必ず実行するように選択率が予め設定されている。なお、本実施形態では、連続演出を開始するゲーム(連続演出開始ゲーム)は、レア役に内部当選したゲームから所定ゲーム(例えば、2ゲーム)後となるように予め設計されている。
【0051】
また、予告演出とは、レア役に内部当選したことを示唆する示唆演出の一例であり、本実施形態の予告演出には、強予告演出(第1示唆演出)と弱予告演出(第2示唆演出)との2種類の予告演出が含まれる。チェリー役(強チェリー、弱チェリー)を例にとると、強予告演出は、図10(G)に示すように、「!!!」の文字画像を液晶表示器51に表示する煽り開始演出521を実行してから複数のチェリー図柄画像を液晶表示器51に表示する強チェリー示唆演出522を実行する演出である。また、弱予告演出は、図10(H)に示すように、煽り開始演出521を実行してから1個のチェリー図柄画像を液晶表示器51に表示する弱チェリー示唆演出523を実行する演出である。なお、図示は省略するが、スイカ役(強スイカ、弱スイカ)についてもチェリー役と同様に、強予告演出は、煽り開始演出521を実行してから複数のスイカ画像を液晶表示器51に表示する強スイカ示唆演出を実行する演出であり、弱予告演出は、煽り開始演出521を実行してから1個のスイカ図柄画像を液晶表示器51に表示する弱スイカ示唆演出を実行する演出である。
【0052】
また、予告演出選択テーブルとは、レア役に内部当選したゲームにおいて実行する予告演出の種類を選択するためのテーブルである。本実施形態の予告演出選択テーブルは、当選したレア役の種類・ボーナスに同時当選したか否か・連続演出を実行するか否かに基づく選択率が設定されている。チェリー役(強チェリー、弱チェリー)を例にとると、チェリー当選時の予告演出選択テーブルは、図11(B)に示すように、当選したチェリー役の種類(強チェリー当選、弱チェリー当選)と、ボーナスに同時当選したか否かと、連続演出を実行するか否かと、に基づく選択率が設定されている。
【0053】
具体的には、強チェリー当選且つボーナス同時当選(且つ連続演出実行)のとき、すなわち、当選フラグが「BB+チェリー+1枚役」または「RB+チェリー+1枚役」であったとき、または、強チェリー当選且つボーナス非当選且つ連続演出実行のとき、すなわち、当選フラグが「チェリー+1枚役」で後のゲームにおいて連続演出を実行するときには、100%の割合で強予告演出を選択する(弱予告演出を選択しない)ように選択率が予め設定されている。また、弱チェリー当選且つボーナス同時当選(且つ連続演出実行)のとき、すなわち、当選フラグが「BB+チェリー」または「RB+チェリー」であったときには、36.7%の割合で強予告演出を選択して63.3%の割合で弱予告演出を選択するように選択率が予め設定されている。
【0054】
また、弱チェリー当選且つボーナス非当選且つ連続演出実行のとき、すなわち、当選フラグが「チェリー」で後のゲームにおいて連続演出を実行するときには、53.1%の割合で強予告演出を選択して46.9%の割合で弱予告演出を選択するように選択率が予め設定されている。また、強チェリー当選且つボーナス非当選且つ連続演出実行なしのとき、すなわち、当選フラグが「チェリー+1枚役」で後のゲームにおいて連続演出を実行しないとき、または、弱チェリー当選且つボーナス非当選且つ連続演出実行なしのとき、すなわち、当選フラグが「チェリー」で後のゲームにおいて連続演出を実行しないときには、100%の割合で弱予告演出を選択する(強予告演出を選択しない)ように選択率が予め設定されている。
【0055】
なお、図示は省略するが、スイカ役(強スイカ、弱スイカ)についてもチェリー役と同様に、スイカ当選時の予告演出選択テーブルが設けられており、当選したスイカ役の種類(強スイカ当選、弱スイカ当選)と、ボーナスに同時当選したか否かと、連続演出を実行するか否かと、に基づく選択率が設定されている。
【0056】
図9に戻り、一方、サブ制御部91は、連続演出を実行するゲームである場合(ステップSa2;Y)、連続演出開始ゲームからのゲーム数に応じた連続演出を実行し(ステップSa7)、レア役に当選したか否かを判定する(ステップSa8)。サブ制御部91は、レア役に当選していない場合(ステップSa8;N)、処理を終了し、レア役に当選した場合(ステップSa8;Y)、特定予告演出を実行し(ステップSa9)、処理を終了する。
【0057】
ここで、特定予告演出とは、連続演出の実行中にレア役に内部当選したことを示唆する特定示唆演出の一例である。チェリー役(強チェリー、弱チェリー)を例にとると、特定予告演出は、図10(I)に示すように、液晶表示器51のバトル演出(例えば、バトル中演出512)の画像非表示領域にチェリー図柄画像を表示するチェリー示唆演出531を実行する演出である。
【0058】
なお、本実施形態では、特定示唆演出としてレア役の図柄画像を表示する演出(チェリー示唆演出531、スイカ示唆演出)を実行したが、特定示唆演出についてはレア役の当選を示唆して遊技者がレア役の入賞を取りこぼさないように努めるようになる演出であればよい。例えば、レバーオン後に当選したレア役に応じた色(例えば、チェリーならば赤色、スイカならば緑色」等の音声)で液晶表示器51の表示領域の縁部分が発光している発光画像を表示する演出であってもよい。また、レバーオン後に当選したレア役に応じた色で演出効果LED52等が点灯したり点滅したりする演出であってもよい。また、レバーオン後にレア役の当選を示唆する音声(例えば、「チェリーを狙え!」や「スイカを狙え!」等の音声)を出力する演出であってもよい。
【0059】
図9に戻り、一方、サブ制御部91は、連続演出を実行するゲームではなくレア役に当選していない場合(ステップSa3;N)、連続演出や予告演出とは異なるその他の演出を選択して実行し(ステップSa10)、処理を終了する。
なお、本実施形態では、その他の演出として、例えば、図10(E)に示すボーナス確定演出515や図10(F)に示すベル当選演出516を実行する。ボーナス確定演出515は、連続演出を実行してから特別役に入賞するまでボーナス当選を報知する演出であり、例えば、「ボーナス確定!!」との文字画像とを液晶表示器51に表示する演出である。また、ベル当選演出516は、ベル当選を報知する演出であり、例えば、ベル図柄画像を液晶表示器51に表示する演出である。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、メイン制御部41は、内部抽選処理を実行して当選役を決定することが可能であり、当選役として特典の一例としてのボーナス状態に制御可能な特別役の当選を決定することが可能である。また、サブ制御部91は、特別決定結果の一例としてレア役に当選したことに基づく予告演出や特別役に当選したか否かを報知する連続演出を実行可能である。ここで、レア役には、ボーナス期待度が高いレア役(強チェリー、強スイカ)と、ボーナス期待度が低いレア役(弱チェリー、弱スイカ)とが含まれ、予告演出には、強予告演出と弱予告演出とが含まれる。
【0061】
また、サブ制御部91は、強予告演出を実行したときのほうが弱予告演出を実行したときよりもボーナス期待度が高いレア役に当選している割合が高くなっている。チェリー役を例にとると、サブ制御部91が強予告演出を実行したときの強チェリー当選率が約53%((39+156×0.248)/(39+31×0.367+156×0.248+444×0.248×0.531)≒0.527)である一方、弱予告演出を実行したときの強チェリー当選率が約22%((156×0.752)/(31×0.633+444×0.248×0.469+156×0.752+444×0.752)≒0.02245)である。
このようにすることで、レア役に内部当選して予告演出が実行されるときに弱予告演出よりも強予告演出が実行されることを遊技者が期待するようになる。
【0062】
また、サブ制御部91は、ボーナス期待度が低いレア役の当選時にボーナスに同時当選していないときには、所定割合でレア役に内部当選したゲームよりも後のゲームにおいて連続演出を実行しない。チェリー役を例にとると、サブ制御部91は、ボーナスに同時当選していないときには弱チェリー当選時だけでなく強チェリー当選時であっても75.2%の割合で連続演出を実行しない。レア役に内部当選した場合においてボーナスに同時当選していないときに連続演出を実行しないことがあるため、連続演出を実行したときにボーナス当選を報知する割合(バトル演出実行時におけるバトル勝利演出513の実行率、連続演出のトータル期待度)が当該レア役当選時のボーナス期待度よりも高くなる。
【0063】
チェリー役を例にとると、チェリー役全体としてのボーナス期待度が約10%((39+31)/(39+31+156+444)≒0.104)である一方、チェリー役当選後にバトル演出が実行されたときのバトル勝利演出513の実行率、すなわち、連続演出のトータル期待度が約32%((39+31)/{(39+31)×1+(156+444)×0.248}≒0.3199)である。よって、連続演出のトータル期待度のほうがボーナス期待度よりも高くなる。
このようにすることで、連続演出が実行されることを遊技者が期待するようになる。
【0064】
しかしながら、連続演出が実行されたとしてもレア役に内部当選したゲームにおいて実行された予告演出の種類によって連続演出でボーナスに当選したか否かを煽る意味が薄れる可能性がある。チェリー役を例にとると、強チェリーに当選した場合には、チェリー当選ゲームにおいて強予告演出が実行された後、その後のゲームにおいて必ず連続演出が実行される。例えば、サブ制御部91は、図12(A)、図12(B)に示すように、チェリー当選ゲームのレバーオン時に煽り開始演出521を実行した後、強チェリー示唆演出522を実行する。よって、強チェリー示唆演出522を確認した遊技者は、ストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作すれば左リール2L上にチェリー図柄を停止させることが可能となり、図12(B)に示すように、チェリー役に入賞させることが可能となる。このとき、中段チェリーが入賞すると、遊技者は、強チェリーに当選していたことを認識することが可能となり、ボーナス期待度が高いことを認識可能となる。
【0065】
また、チェリー当選ゲーム後に所定ゲームが経過して連続演出開始ゲームになると、サブ制御部91は、図12(C)、図12(D)に示すように、レバーオン時にバトル開始演出511を実行した後、バトル中演出512を実行する。そして、連続演出中ゲームを消化すると連続演出終了ゲームになり、サブ制御部91は、チェリー当選ゲームにおいてボーナスに同時当選していれば、図12(E)、図12(F)に示すように、連続演出終了ゲームのレバーオン時にバトル中演出512を実行した後、遊技者による第3停止操作後にバトル勝利演出513を実行する。この場合、遊技者は、チェリー当選ゲームにおいて強予告演出が実行されているため、強チェリーに当選してボーナス期待度が高いことを認識しているか否かに関わらずバトル演出の実行期間に亘ってボーナス当選の期待感を維持することができる。
【0066】
一方、弱チェリーに当選した場合には、チェリー当選ゲームにおいて弱予告演出が実行される可能性があり、その後のゲームにおいて連続演出が実行されない可能性もある。仮に、連続演出が実行されたとしてもチェリー当選ゲームにおいて弱予告演出が実行されていると遊技者がボーナス当選の期待感を維持できない虞がある。例えば、サブ制御部91は、図13(A)、図13(B)に示すように、チェリー当選ゲームのレバーオン時に煽り開始演出521を実行した後、弱チェリー示唆演出523を実行する。よって、弱チェリー示唆演出523を確認した遊技者がストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作して角チェリーが入賞すると、遊技者は、弱チェリーに当選していたことを認識することが可能となり、ボーナス期待度が低いことを認識可能となる。
【0067】
また、連続演出を実行する場合、連続演出開始ゲームになると、サブ制御部91は、図13(C)、図13(D)に示すように、レバーオン時にバトル開始演出511を実行した後、バトル中演出512を実行する。そして、連続演出終了ゲームになると、サブ制御部91は、チェリー当選ゲームにおいてボーナスに同時当選していなければ、図13(E)、図13(F)に示すように、レバーオン時にバトル中演出512を実行した後、遊技者による第3停止操作後にバトル敗北演出514を実行する。この場合、遊技者は、チェリー当選ゲームにおいて弱予告演出が実行されているため、弱チェリーに当選してボーナス期待度が低いことを認識しているか否かに関わらずバトル演出が実行されたとしてもバトル敗北演出514が実行されるまでボーナス当選の期待感を維持することができない虞がある。
【0068】
特に、従来のように実行する予告演出の種類の選択と連続演出を実行するか否かの選択とを別々に行い、実行する予告演出の種類を選択してから連続演出を実行するか否かの選択を行う場合、強チェリーに当選したときやボーナスに同時当選しているときには、強予告演出や連続演出が実行され易くなるように設計すると考えられる。
例えば、従来の予告演出選択テーブルは、当選したレア役の種類・ボーナスに同時当選したか否かに基づく選択率が設定されている。チェリー役を例にとると、従来のチェリー当選時の予告演出選択テーブルは、図14(A)に示すように、当選したチェリー役の種類(強チェリー当選、弱チェリー当選)と、ボーナスに同時当選したか否かと、に基づく選択率が設定されると考えられる。
【0069】
具体的には、強チェリー当選且つボーナス同時当選のとき、または、強チェリー当選且つボーナス非当選且つ連続演出実行のとき、すなわち、当選フラグが「BB+チェリー+1枚役」、「RB+チェリー+1枚役」または「チェリー+1枚役」であるときには、100%の割合で強予告演出を選択する(弱予告演出を選択しない)ように選択率が予め設定される。また、弱チェリー当選且つボーナス同時当選のとき、すなわち、当選フラグが「BB+チェリー」または「RB+チェリー」であったときには、36.7%の割合で強予告演出を選択して63.3%の割合で弱予告演出を選択するように選択率が予め設定される。また、弱チェリー当選且つボーナス非当選のとき、すなわち、当選フラグが「チェリー」であるときには、7.5%の割合で強予告演出を選択して92.5%の割合で弱予告演出を選択するように選択率が予め設定される。
【0070】
この場合、強チェリー当選時において強予告演出が実行される割合が100%となる一方、弱チェリー当選時において強予告演出が実行される割合が約9%((31×0.367+444×0.075)/(31+444)≒0.094)となる。よって、強チェリー当選時のほうが弱チェリー当選時よりも強予告演出が実行され易くなっている。
また、ボーナス同時当選時において強予告演出が実行される割合が約72%((39×1+31×0.367)/(39+31)≒0.7196)となり、ボーナス同時当選時のほうがボーナス非当選時よりも強予告演出が実行され易くなっている。
【0071】
また、図14(B)に示すように、従来の連続演出選択テーブルが図11(A)に示す本実施形態の連続演出選択テーブルと同一のテーブルであり、連続演出のトータル期待度が約32%で変化しないものとする。この場合、強チェリー当選時において連続演出が実行される割合が約40%((39+156×0.248)/(39+156)≒0.3984)となる一方、弱チェリー当選時において連続演出が実行される割合が約30%((31×1+444×0.248)/(31+444)≒0.297)となる。よって、強チェリー当選時のほうが弱チェリー当選時よりも連続演出が実行され易くなっている。
また、ボーナス同時当選時において連続演出が実行される割合が100%となり、ボーナス同時当選時のほうがボーナス非当選時(24.8%)よりも連続演出が実行され易くなっている。
【0072】
また、この場合、図15(A)に示すように、弱予告演出が実行されたときには、連続演出なし且つボーナス非当選となる割合(演出パターンの選択率)が約46%((444×0.925×0.752)/(39+31+156+444)≒0.4609)、連続演出有り且つボーナス非当選となる割合が約15%((444×0.925×0.248)/(39+31+156+444)≒0.152)、連続演出有り且つボーナス同時当選となる割合が約3%((31×0.633×1)/(39+31+156+444)≒0.0292)となる。よって、弱予告演出が実行されたときの連続演出の期待度が約16%(0.0292/0.152+0.0292)≒0.1615)となる。
【0073】
一方、強予告演出が実行されたときには、連続演出なし且つボーナス非当選となる割合が約21%((156×1×0.752+444×0.075×0.752)/(39+31+156+444)≒0.21246)、連続演出有り且つボーナス非当選となる割合が約7%((156×1×0.248+444×0.075×0.248)/(39+31+156+444)≒0.07)、連続演出有り且つボーナス同時当選となる割合が約7.5%((39×1×1+31×0.367)/(39+31+156+444)≒0.0752)となる。よって、強予告演出が実行されたときの連続演出の期待度が約52%(0.0752/0.07+0.0752)≒0.5179)となる。
【0074】
よって、連続演出のトータル期待度が32%となるように設計した場合、強予告演出が実行されたときの連続演出の期待度が約52%もある一方、弱予告演出が実行されたときの連続演出の期待度が約16%しかないことになる。この結果、従来のスロットマシンでは、弱予告演出が実行されたときには連続演出が実行されても強予告演出が実行されたときに比べて連続演出においてボーナスに当選している旨が報知される割合が低く(連続演出のトータル期待度の半分程度の割合しかなく)、遊技者がボーナス当選の期待感を維持できない可能性が高くなる。
【0075】
これに対して、本実施形態では、サブ制御部91は、ボーナス期待度が低いレア役の当選時にボーナスに同時当選していない場合、レア役に内部当選したゲームよりも後のゲームにおいて連続演出を実行するときには実行しないときよりも強予告演出を実行し易くなっている。チェリー役を例にとると、サブ制御部91は、弱チェリー当選時にボーナスに同時当選していない場合において、チェリー当選ゲームよりも後のゲームにおいて連続演出を実行するときには53.1%の割合で強予告演出を実行する一方、連続演出を実行しないときには必ず弱予告演出を実行して強予告演出を実行しない。
【0076】
このようにすることで、ボーナス期待度が低いレア役の当選時にボーナスに同時当選していないときにレア役に内部当選したゲームよりも後のゲームにおいて連続演出を実行するときには実行しないときよりも強予告演出を実行し難いスロットマシンよりも強予告演出が実行され易くなるとともに強予告演出が実行された後に連続演出が実行され易くなり、強予告演出が実行された後に連続演出が実行されることに遊技者が注目し易くなる。この結果、連続演出が実行されてからも遊技者の期待感を好適に維持できる。
【0077】
また、この場合、図15(B)に示すように、弱予告演出が実行されたときには、連続演出なし且つボーナス非当選となる割合が約67%((156×1×0.752+444×1×0.752)/(39+31+156+444)≒0.6734)、連続演出有り且つボーナス非当選となる割合が約8%((444×0.469×0.248)/(39+31+156+444)≒0.0771)、連続演出有り且つボーナス同時当選となる割合が約3%((31×0.633×1)/(39+31+156+444)≒0.0292)となる。よって、弱予告演出が実行されたときの連続演出の期待度が約27%(0.0292/0.0771+0.0292)≒0.2746)となる。
【0078】
一方、強予告演出が実行されたときには、連続演出有り且つボーナス非当選となる割合が約15%((156×1×0.248+444×0.531×0.248)/(39+31+156+444)≒0.145)、連続演出有り且つボーナス同時当選となる割合が約7.5%((39×1×1+31×0.367)/(39+31+156+444)≒0.0752)となる。よって、強予告演出が実行されたときの連続演出の期待度が約34%(0.0752/0.145+0.0752)≒0.34149)となる。
【0079】
よって、連続演出のトータル期待度が約32%となるように設計した場合、強予告演出が実行されたときの連続演出の期待度が約34%となる一方、弱予告演出が実行されたときの連続演出の期待度が約27%となる。この結果、本実施形態に係るスロットマシンでは、弱予告演出が実行されたときであっても連続演出が実行されれば強予告演出が実行されたときよりも連続演出においてボーナスに当選している旨が報知される割合が低くなるものの、連続演出のトータル期待度との差が小さくなるので、遊技者がボーナス当選の期待感を維持できる可能性が高くなる。
【0080】
また、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、連続演出の実行中のゲームにおいてレア役に内部当選したときには特定示唆演出を実行可能であり、特定示唆演出は、当選したレア役のボーナス期待度に関わらず共通の演出態様で実行される。チェリー役を例にとると、サブ制御部91は、バトル中演出512の実行中のゲームにおいてチェリー役に当選したときには強チェリーに当選したか弱チェリーに当選したかに関わらずチェリー示唆演出531を実行する。
【0081】
このようにすることで、特定示唆演出が当選したレア役のボーナス期待度によって異なる演出態様で実行されるスロットマシンよりも遊技者の注目が連続演出から特定示唆演出に逸れないようにすることができる。例えば、遊技者は、チェリー示唆演出531を確認することでチェリー入賞を取りこぼさないように努めるようになるが、強チェリー当選であるか弱チェリー当選であるかに関わらずチェリー示唆演出531しか実行されないため、必要以上にバトル中演出からチェリー示唆演出531に注目が移らないようにすることができる。なお、本実施形態のように、特定示唆演出は、当選したレア役のボーナス期待度に関わらず共通の演出態様で実行されることが好ましいが、当選したレア役のボーナス期待度によって異なる演出態様で実行されてもよい。
【0082】
また、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、レア役の当選時に強予告演出を実行したときのほうが弱予告演出を実行したときよりもボーナスに同時当選している割合(ボーナス期待度)が高くなっている。チェリー役を例にとると、強予告演出を実行したときのボーナス期待度が約34%((39+31×0.367)/(39+31×0.367+156×0.248+444×0.248×0.531)≒0.341)となる一方、弱予告演出を実行したときのボーナス期待度が約4%((31×0.633)/(31×0.633+444×0.248×0.469+156×0.752+444×0.752)≒0.0375)となる。
このようにすることで、レア役に内部当選して予告演出が実行されるときに弱予告演出よりも強予告演出が実行されることを遊技者が期待するようになる。
【0083】
また、サブ制御部91は、レア役の当選時においてボーナスに同時当選していないときには、所定割合でレア役に内部当選したゲームよりも後のゲームにおいて連続演出を実行しない。チェリー役を例にとると、サブ制御部91は、チェリー当選時にボーナスに同時当選していないときには75.2%の割合で連続演出を実行しない。レア役に内部当選した場合においてボーナスに同時当選していないときに連続演出を実行しないことがあるため、連続演出を実行したときにボーナス当選を報知する割合(具体的にはバトル演出実行時におけるバトル勝利演出513の実行率、連続演出のトータル期待度)が当該レア役当選時のボーナス期待度よりも高くなる。チェリー役を例にとると、ボーナス期待度が約10%である一方、連続演出のトータル期待度が約32%であり、連続演出のトータル期待度のほうがボーナス期待度よりも高くなる。
このようにすることで、連続演出が実行されることを遊技者が期待するようになる。
【0084】
さらに、サブ制御部91は、レア役の当選時においてボーナスに同時当選していない場合、レア役に内部当選したゲームよりも後のゲームにおいて連続演出を実行するときには実行しないときよりも強予告演出を実行し易くなっている。チェリー役を例にとると、サブ制御部91は、強チェリー当選時にボーナスに同時当選していない場合において、チェリー当選ゲームよりも後のゲームにおいて連続演出を実行するときには100%の割合で強予告演出を実行する一方、連続演出を実行しないときには必ず弱予告演出を実行して強予告演出を実行しない。また、サブ制御部91は、弱チェリー当選時にボーナスに同時当選していない場合において、後のゲームにおいて連続演出を実行するときには53.1%の割合で強予告演出を実行する一方、連続演出を実行しないときには必ず弱予告演出を実行して強予告演出を実行しない。このため、サブ制御部91は、チェリー当選時にボーナスに同時当選していない場合において、後のゲームにおいて連続演出を実行するときには約58%((156×1+444×0.531)/(39+31+156+444)≒0.5847)の割合で強予告演出を実行する。
【0085】
このようにすることで、レア役の当選時にボーナスに同時当選していないときにレア役に内部当選したゲームよりも後のゲームにおいて連続演出を実行するときには実行しないときよりも強予告演出を実行し難いスロットマシンよりも強予告演出が実行され易くなるとともに強予告演出が実行された後に連続演出が実行され易くなり、強予告演出が実行された後に連続演出が実行されることに遊技者が注目し易くなる。この結果、連続演出が実行されてからも遊技者の期待感を好適に維持できる。
【0086】
また、この場合、図15(B)に示すように、連続演出のトータル期待度が約32%となるように設計した場合、強予告演出が実行されたときの連続演出の期待度が約34%となる一方、弱予告演出が実行されたときの連続演出の期待度が約27%となる。この結果、本実施形態に係るスロットマシンでは、弱予告演出が実行されたときであっても連続演出が実行されれば強予告演出が実行されたときよりも連続演出においてボーナスに当選している旨が報知される割合が低くなるものの、連続演出のトータル期待度との差が小さくなるので、遊技者がボーナス当選の期待感を維持できる可能性が高くなる。
【0087】
また、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、ボーナスに同時当選していないときに連続演出を実行する場合、連続演出の実行中のゲームにおいてレア役に内部当選したときには特定示唆演出を実行可能であり、特定示唆演出は、ボーナスに同時当選しているか否かに関わらず共通の演出態様で実行される。チェリー役を例にとると、サブ制御部91は、バトル中演出512の実行中のゲームにおいてチェリー役に当選したときにはボーナスに同時当選しているか否かに関わらずチェリー示唆演出531を実行する。
【0088】
このようにすることで、特定示唆演出がボーナスに同時当選したか否かによって異なる演出態様で実行されるスロットマシンよりも遊技者の注目が連続演出から特定示唆演出に逸れないようにすることができる。例えば、遊技者は、チェリー示唆演出531を確認することでチェリー入賞を取りこぼさないように努めるようになるが、ボーナスに同時当選したか否かに関わらずチェリー示唆演出531しか実行されないため、必要以上にバトル中演出からチェリー示唆演出531に注目が移らないようにすることができる。なお、本実施形態のように、特定示唆演出は、ボーナスに同時当選しているか否かに関わらず共通の演出態様で実行されることが好ましいが、ボーナスに同時当選しているか否かによって異なる演出態様で実行されてもよい。
【0089】
また、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、連続演出を実行しない選択をした場合には予告演出として必ず弱予告演出を選択しており、レア役に内部当選したゲームにおいて強予告演出を実行したときには後のゲームにおいて連続演出を必ず実行している。チェリー役を例にとると、サブ制御部91は、チェリー当選ゲームにおいて強予告演出を実行したときには後のゲームにおいて連続演出を必ず実行している。
このようにすることで、強予告演出が実行されても後のゲームにおいて連続演出が実行されない可能性があるスロットマシンよりも強予告演出が実行されることに対する遊技者の注目を高めることができる。なお、本実施形態のように、レア役に内部当選したゲームにおいて強予告演出を実行したときには後のゲームにおいて連続演出を必ず実行するようにすることが好ましいが、レア役に内部当選したゲームにおいて強予告演出を実行したときに後のゲームにおいて連続演出を実行しない可能性があってもよい。
【0090】
なお、本実施形態では、ボーナス期待度の高いレア役(強チェリー、強スイカ)であるか、ボーナス期待度の低いレア役(弱チェリー、弱スイカ)であるかによって予告演出選択テーブルの選択率が異なるようにしたが、当選したレア役のボーナス期待度の高さによって予告演出選択テーブルの選択率が異ならないようにしてもよい。チェリー役を例にとると、チェリー当選時の予告演出選択テーブルは、図16に示すように、当選したチェリー役の種類(強チェリー当選、弱チェリー当選)に関わらず、ボーナスに同時当選したか否かと、連続演出を実行するか否かと、に基づく選択率が設定されてもよい。
【0091】
具体的には、ボーナス同時当選(且つ連続演出実行)のとき、すなわち、当選フラグが「BB+チェリー+1枚役」または「RB+チェリー+1枚役」であったとき、72%の割合で強予告演出を選択して28%の割合で弱予告演出を選択するように選択率が予め設定されてもよい。ボーナス非当選且つ連続演出実行のとき、すなわち、当選フラグが「チェリー+1枚役」または「チェリー」で後のゲームにおいて連続演出を実行するときには、65.3%の割合で強予告演出を選択し、34.7%の割合で弱予告演出を選択するように選択率が予め設定されてもよい。また、ボーナス非当選且つ連続演出実行なしのとき、すなわち、当選フラグが「チェリー+1枚役」または「チェリー」で後のゲームにおいて連続演出を実行しないときには、100%の割合で弱予告演出を選択する(強予告演出を選択しない)ように選択率が予め設定されてもよい。
【0092】
この場合であっても、サブ制御部91は、レア役の当選時においてボーナスに同時当選していないときには、レア役に内部当選したゲームよりも後のゲームにおいて連続演出を実行するときには実行しないときよりも強予告演出を実行し易くなっている。チェリー役を例にとると、サブ制御部91は、チェリー当選時にボーナスに同時当選していない場合において、後のゲームにおいて連続演出を実行するときには約58%((156+444×0.653)/(39+31+156+444)≒0.5847)の割合で強予告演出を実行する。
【0093】
このようにすることで、レア役の当選時にボーナスに同時当選していないときにレア役に内部当選したゲームよりも後のゲームにおいて連続演出を実行するときには実行しないときよりも強予告演出を実行し難いスロットマシンよりも強予告演出が実行され易くなるとともに強予告演出が実行された後に連続演出が実行され易くなり、強予告演出が実行された後に連続演出が実行されることに遊技者が注目し易くなる。この結果、連続演出が実行されてからも遊技者の期待感を好適に維持できる。
【0094】
また、この場合、図示は省略するが、連続演出のトータル期待度が約32%となるように設計した場合、強予告演出が実行されたときの連続演出の期待度が約34%となる一方、弱予告演出が実行されたときの連続演出の期待度が約27%となる。この結果、本実施形態に係るスロットマシンでは、弱予告演出が実行されたときであっても連続演出が実行されれば強予告演出が実行されたときよりも連続演出においてボーナスに当選している旨が報知される割合が低くなるものの、連続演出のトータル期待度との差が小さくなるので、遊技者がボーナス当選の期待感を維持できる可能性が高くなる。
【0095】
なお、本実施形態では、レア役がチェリー役であるかスイカ役であるかによって予告演出選択テーブルの選択率が異なるようにしたが、当選したレア役の種類に関わらず予告演出選択テーブルの選択率が同一であってもよい。例えば、サブ制御部91は、当選したレア役の種類に関わらず、図16に示す予告演出選択テーブルを用いて実行する予告演出の種類を選択してもよい。
【0096】
[実施形態2]
上記実施形態1では、レア役の内部当選したゲームにおいて予告演出を実行した後のゲームにおいて連続演出を実行可能としたが、予告演出と連続演出との間のゲームにおいても演出を実行してもよい。以下、予告演出と連続演出との間のゲームにおいて特定演出を実行可能な実施形態2について説明する。
なお、本実施形態では、実施形態1と同様の構成及び処理となる部分についてはその詳細な説明を省略し、主として上記実施形態1とは異なる部分について説明する。
【0097】
[特定状態および特定演出について]
本実施形態では、サブ制御部91は、レア役の内部当選したゲームにおいて予告演出を実行した後のゲームにおいて特定状態に制御可能である。特定状態とは、演出を実行する割合が該ゲームまでとは異なる演出状態である。本実施形態の特定状態は、異なる演出状態よりも高い割合で特定演出を実行する演出状態であり、具体的には、100%の割合で特定演出を実行する演出状態である。
【0098】
なお、本実施形態では、特定状態を必ず特定演出を実行する演出状態としたが、これに限定されず、通常の演出状態よりも演出が実行され易い状態であってもよい。本実施形態では、通常状態のゲームにおいて特別役または一般役が当選する割合が1/4程度であるため(図7参照)、仮に特別役または一般役が当選したときに何らかの演出を必ず実行するならば、通常状態のゲームにおいて演出が実行される割合も1/4程度(4ゲームに1回程度)となる。このため、2ゲーム連続して演出が実行される割合が1/16程度(16ゲームに1回程度)となり、3ゲーム連続して演出が実行される割合が1/64程度(64ゲームに1回程度)となる。
【0099】
よって、例えば、特定状態の各ゲームにおいて何らかの演出が実行される割合が3/4程度(4ゲームに3回程度)となるようにしてもよい。この場合、2ゲーム連続して演出が実行される割合が9/16程度(16ゲームに9回程度)となり、3ゲーム連続して演出が実行される割合が27/64程度(64ゲームに27回程度)となるため、遊技者は、連続して演出が実行され易くなっていることを認識し易く、特定状態に制御されていることを認識できるようになる。なお、この場合において、何らかの演出ではなく特定の演出(例えば、煽り開始演出521等)が実行される割合が3/4程度となるようにしてもよい。
【0100】
また、特定演出とは、特定状態においてボーナス当選を煽る演出である。本実施形態の特定演出は、第1特定演出と、第2特定演出とを含む。第1特定演出とは、連続演出を実行する旨以外の報知を行う演出であり、例えば、図18(A)に示すように、煽り開始演出521を実行してから「チャンス!」の文字画像を液晶表示器51に表示する発展示唆演出524を実行する演出である。また、第2特定演出とは、連続演出を実行する旨の報知を行う演出であり、例えば、図18(B)に示すように、煽り開始演出521を実行してから「発展!」の文字画像を液晶表示器51に表示する発展確定演出525を実行する演出である。
【0101】
なお、特定演出については、煽り開始演出521を実行する構成に限定されず、例えば、発展示唆演出524や発展確定演出525を含む複数種類の演出を同時に表示した上で、何れかの演出を選択して実行するかを決定するルーレット演出を実行してもよい。この場合、複数種類の演出には「残念…」の文字画像を液晶表示器51に表示する発展失敗演出等が含まれてもよく、例えば、ボーナスに当選していない状況において、発展失敗演出が選択されて実行された場合には、その後のゲームにおいて連続演出が実行されなくてもよい。
【0102】
[演出実行処理について]
本実施形態では、サブ制御部91は、図17に示す演出実行処理を実行する。先ず、サブ制御部91は、ステップSa1の処理を実行し、レバーオンが行われた場合(ステップSa1;Y)、演出状態を特定状態に制御するゲームであるか否かを判定する(ステップSa11)。サブ制御部91は、特定状態に制御するゲームである場合(ステップSa11;Y)、特定演出を実行し(ステップSa12)、ステップSa8の処理に進む。一方、サブ制御部91は、特定状態に制御するゲームでない場合(ステップSa11;N)、第2特定演出が実行された次のゲームであるか否かを判定することにより、連続演出を実行するゲームであるか否かを判定する(ステップSa2)。サブ制御部91は、連続演出を実行するゲームでない場合(ステップSa2;N)、レア役に当選したか否かを判定する(ステップSa3)。サブ制御部91は、レア役に当選した場合(ステップSa3;Y)、特定状態抽選テーブルを用いて特定状態に制御するか否かを選択し(ステップSa13)、ステップSa5、Sa6の処理を実行し、処理を終了する。
【0103】
ここで、特定状態抽選テーブルとは、レア役に内部当選したゲームよりも後のゲームにおいて特定状態に制御するか否かを抽選するためのテーブルである。本実施形態の特定状態抽選テーブルは、図19(A)に示すように、ボーナスに当選したか否かに基づく当選率が設定されている。なお、本実施形態の特定状態抽選テーブルの当選率は、図19(B)に示すように、図11(A)に示す実施形態1の連続演出選択テーブルの選択率と同一の割合が設定されているため、詳細な説明を省略する。すなわち、本実施形態では、サブ制御部91は、ボーナス同時当選時に特定状態に必ず制御するように当選率が予め設定されている。なお、本実施形態では、特定状態の制御を開始するゲーム(特定状態開始ゲーム)は、レア役に内部当選したゲームの次のゲームとなるように予め設計されている。
【0104】
また、本実施形態の予告演出選択テーブルは、当選したレア役の種類・ボーナスに同時当選したか否か・特定状態に制御するか否かに基づく選択率が設定されている。なお、本実施形態の予告演出選択テーブルは、図19(B)に示すように、「連続演出実行」を「特定状態制御」とし、「連続演出を実行」を「特定状態に制御」とするだけで、図11(B)に示す実施形態1の予告演出選択テーブルの選択率と同様の説明となるため、詳細な説明を省略する。
【0105】
図17に戻り、一方、サブ制御部91は、連続演出を実行するゲームである場合(ステップSa2;Y)、ステップSa7~Sa9の処理を実行し、処理を終了する。一方、サブ制御部91は、特定状態に制御するゲームでも連続演出を実行するゲームでもなくレア役に当選していない場合(ステップSa3;N)、ステップSa10の処理を実行し、処理を終了する。
【0106】
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、レア役に内部当選したゲームよりも後のゲームにおいて特別役に当選したか否かを煽る特定状態に制御可能である。また、サブ制御部91は、ボーナス期待度が低いレア役の当選時にボーナスに同時当選していないときには、所定割合でレア役に内部当選したゲームよりも後のゲームにおいて特定状態に制御しない。チェリー役を例にとると、サブ制御部91は、ボーナスに同時当選していないときには弱チェリー当選時だけでなく強チェリー当選時であっても75.2%の割合で特定状態に制御しない。レア役に内部当選した場合においてボーナスに同時当選していないときに特定状態に制御しないことがあるため、特定状態制御時のボーナス期待度が当該レア役当選時のボーナス期待度よりも高くなる。チェリー役を例にとると、チェリー役全体としてのボーナス期待度が約10%である一方、チェリー役当選後に特定状態に制御されたときのボーナス期待度が約32%であり、特定状態制御時のボーナス期待度のほうがチェリー役全体のボーナス期待度よりも高くなる。
このようにすることで、特定状態に制御されることを遊技者が期待するようになる。
【0107】
しかしながら、特定状態に制御されて特定演出が実行されたとしてもレア役に内部当選したゲームにおいて実行された予告演出の種類によっては特定演出や連続演出でボーナスに当選したか否かを煽る意味が薄れる可能性がある。チェリー役を例にとると、強チェリーに当選した場合には、チェリー当選ゲームにおいて強予告演出が実行された後、その後のゲームにおいて必ず特定状態に制御されて特定演出が実行される。例えば、サブ制御部91は、図20(A)、図20(B)に示すように、チェリー当選ゲームのレバーオン時に煽り開始演出521を実行した後、強チェリー示唆演出522を実行する。よって、強チェリー示唆演出522を確認した遊技者が適正なタイミングで操作して中段チェリーが入賞すると、強チェリーに当選していたことを認識することが可能となり、ボーナス期待度が高いことを認識可能となる。
【0108】
また、次のゲーム(特定状態開始ゲーム、特定状態1ゲーム目)になると、サブ制御部91は、例えば、図20(C)、図20(D)に示すように、レバーオン時に煽り開始演出521を実行した後、発展示唆演出524を実行する。この場合、遊技者は、チェリー当選ゲームにおいて強予告演出が実行されているため、強チェリーに当選してボーナス期待度が高いことを認識しているか否かに関わらず通常では連続して実行され難い煽り開始演出521の実行割合が高くなっていることを認識していれば、特定状態の制御期間に亘ってボーナス当選の期待感を維持することができる。また、この場合、遊技者は、発展示唆演出524が実行されると連続演出が実行される(連続演出に発展する)割合が高くなっていることを認識していれば、特定状態の制御期間に亘って連続演出が実行されることを期待するようになる。
【0109】
また、次のゲーム(特定状態2ゲーム目)になると、サブ制御部91は、例えば、図20(E)、図20(F)に示すように、レバーオン時に煽り開始演出521を実行した後、発展確定演出525を実行する。この場合、遊技者は、発展確定演出525の実行によって連続演出が実行されることを認識していれば、次のゲームからのバトル演出の実行期間に亘ってボーナス当選の期待感も維持することができる。なお、この場合、次のゲーム以降、チェリー当選ゲームにおいてボーナスに同時当選していれば、サブ制御部91は、図20(G)~図20(J)に示すように、バトル開始演出511、バトル中演出512、バトル勝利演出513を実行する。
【0110】
一方、弱チェリーに当選した場合には、チェリー当選ゲームにおいて弱予告演出が実行される可能性があり、その後のゲームにおいて特定状態に制御されず特定演出が実行されない可能性もある。仮に、特定演出が実行されたとしてもチェリー当選ゲームにおいて弱予告演出が実行されていると遊技者がボーナス当選の期待感を維持できない虞がある。例えば、サブ制御部91は、図21(A)、図21(B)に示すように、チェリー当選ゲームのレバーオン時に煽り開始演出521を実行した後、弱チェリー示唆演出523を実行する。よって、弱チェリー示唆演出523を確認した遊技者がストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作して角チェリーが入賞すると、遊技者は、弱チェリーに当選していたことを認識することが可能となり、ボーナス期待度が低いことを認識可能となる。
【0111】
また、特定状態に制御する場合、次のゲーム(特定状態1ゲーム目)になると、サブ制御部91は、例えば、図21(C)、図21(D)に示すように、レバーオン時に煽り開始演出521を実行した後、発展示唆演出524を実行する。また、次のゲーム(特定状態2ゲーム目)になると、サブ制御部91は、例えば、図21(E)、図21(F)に示すように、レバーオン時に煽り開始演出521を実行した後、発展確定演出525を実行する。この場合、遊技者は、チェリー当選ゲームにおいて弱予告演出が実行されているため、弱チェリーに当選してボーナス期待度が低いことを認識しているか否かに関わらず煽り開始演出521が連続して実行されたり、発展確定演出525が実行されたりしても特定状態の制御期間やバトル演出の実行期間に亘ってボーナス当選の期待感を維持することができない虞がある。
【0112】
これに対して、本実施形態では、サブ制御部91は、ボーナス期待度が低いレア役の当選時にボーナスに同時当選していない場合、次のゲームにおいて特定状態に制御するときには制御しないときよりも強予告演出を実行し易くなっている。チェリー役を例にとると、サブ制御部91は、弱チェリー当選時にボーナスに同時当選していない場合において、チェリー当選ゲームよりも後のゲームにおいて特定状態に制御するときには53.1%の割合で強予告演出を実行する一方、特定状態に制御しないときには必ず弱予告演出を実行して強予告演出を実行しない。
【0113】
このようにすることで、ボーナス期待度が低いレア役の当選時にボーナスに同時当選していないときに次のゲームにおいて特定状態に制御するときには制御しないときよりも強予告演出を実行し難いスロットマシンよりも強予告演出が実行され易くなるとともに強予告演出が実行された後に特定状態に制御されて特定演出が実行され易くなり、強予告演出が実行された後に特定演出が実行されることに遊技者が注目し易くなる。この結果、特定演出が実行されてからも遊技者の期待感を好適に維持できる。
【0114】
また、この場合、図示は省略するが、弱予告演出が実行されたときには、特定状態なし且つボーナス非当選となる割合が約67%、特定状態有り且つボーナス非当選となる割合が約8%、特定状態有り且つボーナス同時当選となる割合が約3%となる。よって、弱予告演出実行後の特定状態制御時のボーナス期待度が約27%となる。一方、強予告演出が実行されたときには、特定状態有り且つボーナス非当選となる割合が約15%、特定状態有り且つボーナス同時当選となる割合が約7.5%となり、強予告演出実行後の特定状態制御時のボーナス期待度が約34%となる。よって、チェリー役当選後の特定状態制御時のボーナス期待度が約32%となるように設計した場合、強予告演出実行後の特定状態制御時のボーナス期待度が約34%となる一方、弱予告演出実行後の特定状態制御時のボーナス期待度が約27%となる。この結果、本実施形態に係るスロットマシンでは、弱予告演出が実行されたときであっても特定状態に制御されて特定演出が実行されれば強予告演出が実行されたときよりも特定状態制御時のボーナス期待度が低くなるものの、チェリー役当選後の特定状態制御時のボーナス期待度(約32%)との差が小さくなるので、遊技者がボーナス当選の期待感を維持できる可能性が高くなる。
【0115】
また、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、レア役の当選時においてボーナスに同時当選していないときには、所定割合で次のゲームにおいて特定状態に制御しない。チェリー役を例にとると、サブ制御部91は、チェリー当選時にボーナスに同時当選していないときには75.2%の割合で特定状態に制御しない。レア役に内部当選した場合においてボーナスに同時当選していないときに特定状態に制御しないことがあるため、特定状態制御時のボーナス期待度が当該レア役当選時のボーナス期待度よりも高くなる。チェリー役を例にとると、チェリー役全体としてのボーナス期待度が約10%である一方、特定状態制御時のボーナス期待度が約32%であり、特定状態制御時のボーナス期待度のほうがチェリー役全体としてのボーナス期待度よりも高くなる。
このようにすることで、連続演出が実行されることを遊技者が期待するようになる。
【0116】
さらに、サブ制御部91は、レア役の当選時においてボーナスに同時当選していない場合、次のゲームにおいて特定状態に制御するときには制御しないときよりも強予告演出を実行し易くなっている。チェリー役を例にとると、サブ制御部91は、強チェリー当選時にボーナスに同時当選していない場合において、次のゲームにおいて特定状態に制御するときには100%の割合で強予告演出を実行する一方、特定状態に制御しないときには必ず弱予告演出を実行して強予告演出を実行しない。また、サブ制御部91は、弱チェリー当選時にボーナスに同時当選していないときには、次のゲームにおいて特定状態に制御するときには53.1%の割合で強予告演出を実行する一方、特定状態に制御しないときには必ず弱予告演出を実行して強予告演出を実行しない。
【0117】
このようにすることで、レア役の当選時にボーナスに同時当選していないときにレア役に内部当選したゲームよりも後のゲームにおいて特定状態に制御するときには制御しないときよりも強予告演出を実行し難いスロットマシンよりも強予告演出が実行され易くなるとともに強予告演出が実行された後に特定状態に制御されて特定演出が実行され易くなり、強予告演出が実行された後に特定演出が実行されることに遊技者が注目し易くなる。この結果、特定演出が実行されてからも遊技者の期待感を好適に維持できる。
【0118】
また、この場合、図示は省略するが、チェリー役当選後の特定状態制御時のボーナス期待度が約32%となるように設計した場合、強予告演出実行後の特定状態制御時のボーナス期待度が約34%となる一方、弱予告演出実行後の特定状態制御時のボーナス期待度が約27%となる。この結果、本実施形態に係るスロットマシンでは、弱予告演出が実行されたときであっても特定状態に制御されて特定演出が実行されれば強予告演出が実行されたときよりも特定状態制御時のボーナス期待度が低くなるものの、チェリー役当選後の特定状態制御時のボーナス期待度(約32%)との差が小さくなるので、遊技者がボーナス当選の期待感を維持できる可能性が高くなる。
【0119】
また、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、特定演出には、「!!!」の文字画像を表示する煽り開始演出521を実行した後に「チャンス!」の文字画像を表示する発展示唆演出524を実行する第1示唆演出と煽り開始演出521を実行した後に「発展!」の文字画像を表示する発展確定演出525を実行する第2示唆演出とを含んでいる。
このようにすることで、特定状態の制御中に実行される特定演出が第1特定演出と第2特定演出とを含まないスロットマシンよりも特定演出においてどのような報知が行われるかに対する遊技者の注目を高めることができる。なお、本実施形態のように、特定演出には第1特定演出と第2特定演出とが含まれることが好ましいが、特定演出に第1特定演出と第2特定演出とが含まれなくてもよい。例えば、特定演出に第1特定演出が含まれて第2特定演出が含まれなくてもよく、逆に特定演出に第2特定演出が含まれて第1特定演出が含まれなくてもよい。
【0120】
なお、上記実施形態では、特典の一例としてボーナス当選(ボーナス状態への移行)を例示したが、特典についてはこれに限定されず、AT(アシストタイム)やCZ(チャンスゾーン)への移行であってもよく、プレミア演出の実行であってもよい。すなわち、特典の付与については、メイン制御部41が実行する内部抽選処理によってレア役と同時当選する特別役の当選に限定されず、当選フラグがレア役であったことに基づいてメイン制御部41が実行するAT抽選処理やCZ抽選処理に基づくAT当選やCZ当選であってもよく、当選フラグがレア役であったことに基づいてサブ制御部91が実行するプレミア演出抽選処理に基づくプレミア演出当選であってもよい。
【0121】
なお、上記実施形態では、予告演出や連続演出や特定演出等の演出をレバーオン後に実行しているが、これに限定されず、レバーオンからリール2L、2C、2Rの第3停止までの任意のタイミングにおいて演出を実行してもよい。例えば、予告演出や特定予告演出についてはレア役を取りこぼさないようにレバーオン後に速やかに実行することが好ましいが、連続演出や特定演出やその他の演出については遊技者による第1停止操作以降のタイミング(例えば、第3停止操作後)であってもよい。
【0122】
なお、上記実施形態において、予告演出や連続演出や特定演出等の演出については、演出用スイッチ56等の操作を要求する操作要求演出であってもよい。例えば、予告演出や特定予告演出についてはレア役を取りこぼさないようにレバーオン後に演出用スイッチ56等の操作を要求せずに速やかに実行することが好ましいが、連続演出や特定演出やその他の演出については操作要求演出として実行し、遊技者による演出用スイッチ56等の操作を要求してもよい。
【0123】
なお、上記実施形態では、遊技制御基板40がメイン制御部41を備え、演出制御基板90がサブ制御部91を備える構成について説明したが、これに限られず、同一基板がメイン制御部41とサブ制御部91とを備えていても良い。この構成を採用することで、メイン制御部41とサブ制御部91との通信が容易になり、また、筐体1aの体積を軽減することができる。
【0124】
なお、上記実施形態におけるスロットマシン1では、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものとして説明したが、本願請求項に係る発明のスロットマシンはこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
【0125】
なお、本発明のスロットマシンは、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンも、本発明のスロットマシンに含まれるものである。
【0126】
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、スロットマシン1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採用して良い。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採用しても良い。
【0127】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0128】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更は勿論可能である。
【符号の説明】
【0129】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、8L,8C,8R ストップスイッチ、41 メイン制御部、51 液晶表示器、91 サブ制御部、511 バトル開始演出、512 バトル中演出、513 バトル勝利演出、514 バトル敗北演出、515 ボーナス確定演出、516 ベル当選演出、521 煽り開始演出、522 強チェリー示唆演出、523 弱チェリー示唆演出、524 発展示唆演出、525 発展確定演出、531 チェリー示唆演出
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