(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】表示装置及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3233 20160101AFI20220404BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220404BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220404BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220404BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220404BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 624B
G09G3/20 642J
G09G3/20 621M
G09G3/20 621A
G09G3/20 680H
H05B33/14 A
H01L27/32
G09F9/30 365
G09F9/302 C
(21)【出願番号】P 2018098106
(22)【出願日】2018-05-22
【審査請求日】2021-03-30
(31)【優先権主張番号】10-2017-0134035
(32)【優先日】2017-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】朴 亨 ▲ジュン▼
(72)【発明者】
【氏名】金 陽 完
(72)【発明者】
【氏名】金 炳 善
(72)【発明者】
【氏名】李 受 珍
(72)【発明者】
【氏名】李 在 容
【審査官】斎藤 厚志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0169764(US,A1)
【文献】国際公開第2012/157575(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/3233
G09G 3/20
H01L 51/50
H01L 27/32
G09F 9/30
G09F 9/302
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1初期化電圧を提供する第1初期化電圧源と、
前記第1初期化電圧より小さい第2初期化電圧を提供する第2初期化電圧源と、
第1有機発光ダイオードを含む第1画素回路と、
前記第1有機発光ダイオードとはバンドギャップ(band gap)が異なる有機物を含む第2有機発光ダイオードを含む第2画素回路と、を含み、
前記第1画素回路は、前記第1初期化電圧源及び前記第2初期化電圧源と接続され、
前記第2画素回路は、単一(single)の初期化電圧源と接続されることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第2有機発光ダイオードは、前記第1有機発光ダイオードより単位面積当たりのキャパシタンスが大きいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2有機発光ダイオードは、前記第1有機発光ダイオードより発光面の面積が小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記単一の初期化電圧源は、第1初期化電圧源であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1画素回路は、発光期間にて、一端が前記第1有機発光ダイオードのアノードと電気的に接続される第1駆動トランジスタをさらに含み、
前記第2画素回路は、発光期間にて、一端が前記第2有機発光ダイオードのアノードと電気的に接続される第2駆動トランジスタをさらに含み、
前記第1初期化電圧源は、第1初期化期間にて、前記第1駆動トランジスタのゲート端子及び前記第2駆動トランジスタのゲート端子に電気的に接続されることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2初期化電圧源は、第2初期化期間にて、前記第1有機発光ダイオードのアノードに電気的に接続され、
前記第1初期化電圧源は、前記第2初期化期間にて、前記第2有機発光ダイオードのアノードに電気的に接続されることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記単一の初期化電圧源は、第2初期化電圧源であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2初期化電圧源は、第2初期化期間にて、前記第1有機発光ダイオードのアノード及び前記第2有機発光ダイオードのアノードに電気的に接続されることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1画素回路は、発光期間にて、一端が前記第1有機発光ダイオードのアノードと電気的に接続される第1駆動トランジスタをさらに含み、
前記第2画素回路は、発光期間にて、一端が前記第2有機発光ダイオードのアノードと電気的に接続される第2駆動トランジスタをさらに含み、
前記第1初期化電圧源は、第1初期化期間にて、前記第1駆動トランジスタのゲート端子に電気的に接続され、
前記第2初期化電圧源は、前記第1初期化期間にて、前記第2駆動トランジスタのゲート端子に電気的に接続されることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1初期化期間は、前記第2初期化期間より先行することを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1初期化電圧及び前記第2初期化電圧と異なる電圧値を有する、第3初期化電圧を提供する第3初期化電圧源をさらに含み、
前記単一初期化電圧源は、前記第3初期化電圧源であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第3初期化電圧は、前記第1初期化電圧と前記第2初期化電圧との間の値を有することを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第2初期化電圧源は、第2初期化期間にて、前記第1有機発光ダイオードのアノードに電気的に接続され、
前記第3初期化電圧源は、前記第2初期化期間にて、前記第2有機発光ダイオードのアノードに電気的に接続されることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1画素回路は、発光期間にて、一端が前記第1有機発光ダイオードのアノードと電気的に接続される第1駆動トランジスタをさらに含み、
前記第2画素回路は、発光期間にて、一端が前記第2有機発光ダイオードのアノードと電気的に接続される第2駆動トランジスタをさらに含み、
前記第1初期化電圧源は、第1初期化期間にて、前記第1駆動トランジスタのゲート端子に電気的に接続され、
前記第3初期化電圧源は、前記第1初期化期間にて、前記第2駆動トランジスタのゲート端子に電気的に接続されることを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1初期化電圧源及び前記第2初期化電圧源と接続されるとともに、前記第1有機発光ダイオード及び前記第2有機発光ダイオードとはバンドギャップが異なる有機物を含む、第3有機発光ダイオードを含む第3画素回路と、
第1データ線と、
前記第1データ線と異なる第2データ線をさらに含み、
前記第1画素回路及び前記第3画素回路は、前記第1データ線に接続され、
前記第2画素回路は、前記第2データ線に接続されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1有機発光ダイオードは赤色の有機発光ダイオードであり、
前記第2有機発光ダイオードは緑色の有機発光ダイオードであり、
前記第3有機発光ダイオードは青色の有機発光ダイオードであることを特徴とする請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1有機発光ダイオードは赤色の有機発光ダイオードであり、
前記第2有機発光ダイオードは青色の有機発光ダイオードであり、
前記第3有機発光ダイオードは緑色の有機発光ダイオードであることを特徴とする請求項15に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第1有機発光ダイオードは青色の有機発光ダイオードであり、
前記第2有機発光ダイオードは赤色の有機発光ダイオードであり、
前記第3有機発光ダイオードは緑色の有機発光ダイオードであることを特徴とする請求項15に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第3画素回路は、発光期間にて、一端が前記第3有機発光ダイオードのアノードと電気的に接続される第3駆動トランジスタをさらに含み、
前記第1初期化電圧源は、第1初期化期間にて、前記第3駆動トランジスタのゲート端子に電気的に接続され、
前記第2初期化電圧源は、第2初期化期間にて、前記第3有機発光ダイオードのアノードに電気的に接続されることを特徴とする請求項15に記載の表示装置。
【請求項20】
第1初期化期間にて、第1初期化電圧を第1画素回路の第1駆動トランジスタのゲート端子に印加し、単一初期化電圧を第2画素回路の第2駆動トランジスタのゲート端子に印加する段階と、
第2初期化期間にて、前記第1初期化電圧より小さい第2初期化電圧を、前記第1画素回路の第1有機発光ダイオードのアノードに印加し、前記単一初期化電圧を、前記第2画素回路の前記第1有機発光ダイオードとはバンドギャップが異なる有機物を含む、第2有機発光ダイオードのアノードに印加する段階と、
発光期間にて、前記第1有機発光ダイオード及び前記第2有機発光ダイオードを発光させる段階と、を含むことを特徴とする表示装置の駆動方法。
【請求項21】
前記単一初期化電圧は、前記第1初期化電圧と等しいことを特徴とする請求項20に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項22】
前記単一の初期化電圧は、前記第2初期化電圧と等しいことを特徴とする請求項20に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項23】
前記単一の初期化電圧は、前記第1初期化電圧及び前記第2初期化電圧とは異なる値を有することを特徴とする請求項20に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項24】
前記単一の初期化電圧は、前記第1初期化電圧と前記第2初期化電圧との間の値を有することを特徴とする請求項23に記載の表示装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化技術が発達するにつれて、ユーザと情報機器との間の連結媒体である表示装置の重要性が浮かび上がっている。これに応じて、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device)、有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Display Device)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel)などの表示装置の使用が増加している。
【0003】
表示装置のうち有機電界発光表示装置は、電子と正孔の再結合によって光を発生する有機発光ダイオードを利用して映像を表示するものであり、これは速い応答速度を有するとともに、低い消費電力で駆動されるという利点がある。
【0004】
有機電界発光表示装置は、各画素に目的とする階調を表現することができるデータ電圧を入力し、データ電圧に応じて複数の有機発光ダイオードを発光させることで、目的とする画像をユーザに表示する。
【0005】
通常、複数の有機発光ダイオードは、赤色、青色、緑色の有機発光ダイオードからなっており、各有機発光ダイオードの有機物は、互いに異なるバンドギャップ(band gap)を有するため、互いに異なる波長で発光するようになる。
【0006】
一般的に、緑色の有機発光ダイオードは、消費エネルギーに対する発光輝度の効率が高くて、他の色の有機発光ダイオードよりも面積の小さい発光面を有するように構成されてもよい。また、緑色の有機発光ダイオードに流れる駆動電流は、他の色の有機発光ダイオードに流れる駆動電流よりも、その大きさが小さくなるように設定されてもよい。
【0007】
しかし、駆動電流が非常に小さい低輝度の条件で、緑色の有機発光ダイオードのキャパシタンスを充電するのに長い時間がかかり、他の色の有機発光ダイオードより遅く発光するようになる色滲み(色にじみ、color blur)の現象が発生するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国特許出願登録第10-0840116号明細書
【文献】韓国特許出願公開第10-2015-0064543号明細書
【文献】韓国特許出願公開第10-2014-0134046号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする技術的課題は、色滲み現象を解消することができる構造の画素回路を含む表示装置及びその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例による表示装置は、第1初期化電圧を提供する第1初期化電圧源と、上記第1初期化電圧より小さい第2初期化電圧を提供する第2初期化電圧源と、第1有機発光ダイオードを含む第1画素回路と、上記第1有機発光ダイオードとはバンドギャップ(band gap)が異なる有機物を含む第2有機発光ダイオードを含む第2画素回路と、を含み、上記第1画素回路は、上記第1初期化電圧源及び上記第2初期化電圧源と接続され、上記第2画素回路は、単一(single;画素回路ごとに、一つのみ)の初期化電圧源と接続される。
【0011】
上記第2有機発光ダイオードは、上記第1有機発光ダイオードより単位面積当たりのキャパシタンスが大きくてもよい。
【0012】
上記第2有機発光ダイオードは、上記第1有機発光ダイオードより発光面の面積が小さくてもよい。
【0013】
上記単一初期化電圧源は、第1初期化電圧源であってもよい。
【0014】
上記第1画素回路は、発光期間にて、一端が上記第1有機発光ダイオードのアノードと電気的に接続される、第1駆動トランジスタをさらに含み、上記第2画素回路は、発光期間にて、一端が上記第2有機発光ダイオードのアノードと電気的に接続される、第2駆動トランジスタをさらに含み、上記第1初期化電圧源は、第1初期化期間にて、上記第1駆動トランジスタのゲート端子及び上記第2駆動トランジスタのゲート端子に電気的に接続されてもよい。
【0015】
上記第2初期化電圧源は、第2初期化期間にて、上記第1有機発光ダイオードのアノードに電気的に接続され、上記第1初期化電圧源は、上記第2初期化期間にて、上記第2有機発光ダイオードのアノードに電気的に接続されてもよい。
【0016】
上記単一初期化電圧源は、第2初期化電圧源であってもよい。
【0017】
上記第2初期化電圧源は、第2初期化期間にて、上記第1有機発光ダイオードのアノード及び上記第2有機発光ダイオードのアノードに電気的に接続されてもよい。
【0018】
上記第1画素回路は、発光期間にて、一端が上記第1有機発光ダイオードのアノードと電気的に接続される、第1駆動トランジスタをさらに含み、上記第2画素回路は、発光期間にて、一端が上記第2有機発光ダイオードのアノードと電気的に接続される、第2駆動トランジスタをさらに含み、上記第1初期化電圧源は、第1初期化期間にて、上記第1駆動トランジスタのゲート端子に電気的に接続され、上記第2初期化電圧源は、上記第1初期化期間にて、上記第2駆動トランジスタのゲート端子に電気的に接続されされてもよい。
【0019】
上記第1初期化期間は、上記第2初期化期間より先行してもよい。
【0020】
上記第1初期化電圧及び上記第2初期化電圧とは異なる電圧値を有する第3初期化電圧を提供する第3初期化電圧源をさらに含み、上記単一初期化電圧源は、上記第3初期化電圧源であってもよい。
【0021】
上記第3初期化電圧は、上記第1初期化電圧と上記第2初期化電圧との間の値であってもよい。
【0022】
上記第2初期化電圧源は、第2初期化期間にて、上記第1有機発光ダイオードのアノードに電気的に接続され、上記第3初期化電圧源は、上記第2初期化期間にて、上記第2有機発光ダイオードのアノードに電気的に接続されてもよい。
【0023】
上記第1画素回路は、発光期間にて、一端が上記第1有機発光ダイオードのアノードと電気的に接続される第1駆動トランジスタをさらに含み、上記第2画素回路は、発光期間にて、一端が上記第2有機発光ダイオードのアノードと電気的に接続される第2駆動トランジスタをさらに含み、上記第1初期化電圧源は、第1初期化期間にて、上記第1駆動トランジスタのゲート端子に電気的に接続され、上記第3初期化電圧源は、上記第1初期化期間にて、上記第2駆動トランジスタのゲート端子に電気的に接続されてもよい。
【0024】
上記第1初期化電圧源及び上記第2初期化電圧源と接続されるとともに、上記第1有機発光ダイオード及び上記第2有機発光ダイオードとはバンドギャップが異なる有機物を含む第3有機発光ダイオードを含む第3画素回路と、第1データ線と、上記第1データ線と異なる第2データ線と、をさらに含み、上記第1画素回路及び上記第3画素回路は、上記第1データ線に接続され、上記第2画素回路は、上記第2データ線に接続されてもよい。
【0025】
上記第1有機発光ダイオードは赤色の有機発光ダイオードで、上記第2有機発光ダイオードは緑色の有機発光ダイオードで、上記第3有機発光ダイオードは青色の有機発光ダイオードであってもよい。
【0026】
上記第1有機発光ダイオードは赤色の有機発光ダイオードで、上記第2有機発光ダイオードは青色の有機発光ダイオードで、上記第3有機発光ダイオードは緑色の有機発光ダイオードであってもよい。
【0027】
上記第1有機発光ダイオードは青色の有機発光ダイオードで、上記第2有機発光ダイオードは赤色の有機発光ダイオードで、上記第3有機発光ダイオードは緑色の有機発光ダイオードであってもよい。
【0028】
上記第3画素回路は、発光期間にて、一端が上記第3有機発光ダイオードのアノードと電気的に接続される第3駆動トランジスタをさらに含み、上記第1初期化電圧源は、第1初期化期間にて、上記第3駆動トランジスタのゲート端子に接続され、上記第2初期化電圧源は、第2初期化期間に上記第3有機発光ダイオードのアノードに電気的に接続されてもよい。
【0029】
本発明の一実施例による表示装置の駆動方法は、第1初期化期間にて、第1初期化電圧を第1画素回路の第1駆動トランジスタのゲート端子に印加し、単一初期化電圧を第2画素回路の第2駆動トランジスタのゲート端子に印加する段階と、第2初期化期間にて、上記第1初期化電圧より小さい第2初期化電圧を上記第1画素回路の第1有機発光ダイオードのアノードに印加し、上記単一初期化電圧を上記第2画素回路の上記第1有機発光ダイオードとはバンドギャップが異なる有機物を含む、第2有機発光ダイオードのアノードに印加する段階と、発光期間にて、上記第1有機発光ダイオード及び上記第2有機発光ダイオードを発光させる段階と、を含む。
【0030】
上記単一初期化電圧は、上記第1初期化電圧と等しくてもよい。
【0031】
上記単一初期化電圧は、上記第2初期化電圧と等しくてもよい。
【0032】
上記単一初期化電圧は、上記第1初期化電圧及び上記第2初期化電圧と異なる値を有してもよい。
【0033】
上記単一初期化電圧は、上記第1初期化電圧と上記第2初期化電圧との間の値を有してもよい。
【発明の効果】
【0034】
本発明による表示装置及びその駆動方法は、色滲み現象を解消することができる構造の画素回路を含む。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の一実施例による表示装置を説明するための図である。
【
図2】本発明の一実施例による画素部を説明するための図である。
【
図3】本発明の他の実施例による画素部を説明するための図である。
【
図4】各画素別の発光時点の差を説明するための図である。
【
図5】本発明の一実施例による画素回路を説明するための図である。
【
図6】
図5の画素回路の駆動方法を説明するための図である。
【
図7】
図5の画素回路において初期化電圧源の接続構成を異ならせた場合を説明するための図である。
【
図8】
図7の構成による電流増加の効果を説明するための図である。
【
図9】本発明の他の実施例による表示装置を説明するための図である。
【
図10】本発明の他の実施例による初期化電圧源が接続された画素回路を説明するための図である。
【
図11】
図5の実施例を他の画素回路に適用した場合を説明するための図である。
【
図12】
図7の実施例を他の画素回路に適用した場合を説明するための図である。
【
図13】
図10の実施例を他の画素回路に適用した場合を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下では、添付した図面を参照して、本発明の様々な実施例を本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は様々な異なる形態で実現されてもよく、ここで説明する実施例に限定されない。
【0037】
本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書の全体において同一または類似する構成要素については、同じ参照符号を付する。従って、同じ参照符号は、他の図面上においても使用できる。
【0038】
また、図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために、任意に示したものであるため、本発明は必ずしも図示されたものに限定されない。図面において、複数の層及び領域を明確に表現するために、厚さを誇張して示すことができる。
【0039】
図1は、本発明の一実施例による表示装置を説明するための図である。
【0040】
図1を参照すると、本発明の一実施例による表示装置9は、タイミング制御部40、走査駆動部10、データ駆動部20、発光制御駆動部30、及び画素部50を含む。
【0041】
タイミング制御部40は、外部から供給される制御信号及び映像信号R、G、Bを表示装置9の仕様(specification)に合わせて変換して、走査駆動部10に制御信号CONT1を、発光制御駆動部30に制御信号CONT3を、データ駆動部20に制御信号CONT2及び映像信号R’、G’、B’を供給する。タイミング制御部40が受信する制御信号は、水平同期信号Hsync及び垂直同期信号Vsyncを含んでもよい。
【0042】
走査駆動部10は、制御信号CONT1を受信して複数の走査線S1、S2、...、Snに供給する走査信号を生成する。一実施例によると、走査駆動部10は、複数の走査線S1、S2、...、Snを介して順に走査信号を供給することができる。例えば、制御信号CONT1は、ゲートスタートパルス(gate start pulse、GSP)及び複数のゲートクロック信号を含んでもよく、走査駆動部10は、シフトレジスタ(shift register)の形態で構成されて、ゲートスタートパルスをクロック信号の制御に応じて順に次のステージ回路に伝達する方式で走査信号を生成してもよい。
【0043】
データ駆動部20は、制御信号CONT2及び映像信号R’、G’、B’を受信して複数のデータ線D1、D2、...、Dmに供給するデータ電圧を生成する。画素行の単位で生成されたデータ電圧は、制御信号CONT2に含まれた出力制御信号に応じて、同時に複数のデータ線D1、D2、...、Dmに印加されてもよい。
【0044】
画素部50は、複数の画素回路PX11、PX12、...、PX1m、PX21、PX22、...、PX2m、...、PXn1、PXn2、...、PXnmを含んでもよい。各画素は、対応するデータ線と走査線に接続されてもよく、走査信号に応じてデータ電圧の入力を受けてもよい。各画素回路は、入力されたデータ電圧に応じて有機発光ダイオードを発光させる。
【0045】
発光制御駆動部30は、複数の画素回路PX11、PX12、...、PX1m、PX21、PX22、...、PX2m、...、PXn1、PXn2、...、PXnmの発光期間を決める発光制御信号を発光制御線E1、E2、...、Enを介して供給してもよい。例えば、各画素は発光制御トランジスタを含み、発光制御トランジスタのオンオフに応じて有機発光ダイオードへの電流の流れの有無が決定されることにより、発光制御されてもよい。
【0046】
表示装置9は、複数の電圧源ELVDD、ELVSS、VINT1、VINT2を含んでもよい。
図1の実施例では、複数の電圧源ELVDD、ELVSS、VINT1、VINT2が、画素部50の下段に位置するものが図示されているが、他の実施例では、複数の電圧源ELVDD、ELVSS、VINT1、VINT2は画素部50の上段、即ち、データ駆動部20に隣接して位置してもよい。
【0047】
電圧源ELVDDは各有機発光ダイオードのアノードに電気的に接続され、電圧源ELVSSは各有機発光ダイオードのカソードに電気的に接続されて、発光に必要な駆動電流を提供することができる。電圧源ELVDDの電圧は、電圧源ELVSSの電圧より大きくてもよい。
【0048】
第1初期化電圧源VINT1は、第1初期化電圧を提供する。第2初期化電圧源VINT2は、第1初期化電圧より小さい第2初期化電圧を提供する。本発明の実施例による第1画素回路と第2画素回路は、このような初期化電圧源VINT1、VINT2と接続される構成が異なってもよい。これに対する詳細な実施例は、
図4以下を参照して後述する。
【0049】
図2は、本発明の一実施例による画素部を説明するための図である。
【0050】
図2を参照すると、本発明の一実施例による画素部50は、第1画素回路A、第2画素回路B、及び第3画素回路Cを含んでもよい。
【0051】
第1画素回路Aは、第1駆動トランジスタ及び第1有機発光ダイオードを含む画素回路であってもよい。第2画素回路Bは、第2駆動トランジスタ及び第2有機発光ダイオードを含む画素回路であってもよい。第3画素回路Cは、第3駆動トランジスタ及び第3有機発光ダイオードを含む画素回路であってもよい。
【0052】
本発明の実施例では、第2有機発光ダイオードは消費エネルギーに対する発光輝度が高い、即ち、発光効率の高い有機物を含むと仮定する。従って、第2有機発光ダイオードは、第1有機発光ダイオードまたは第3有機発光ダイオードより発光面の面積が小さくてもよい。従って、
図2では、第2画素回路Bの面積が第1画素回路A及び第3画素回路Cより小さく示されている。
【0053】
通常、緑色の有機発光ダイオードが、消費エネルギーに対する発光輝度が最も高いのでありうる。従って、例えば、第2有機発光ダイオードは、緑色の有機発光ダイオードであってもよい。このとき、第1有機発光ダイオード及び第3有機発光ダイオードは、それぞれ赤色及び青色の有機発光ダイオードであってもよい。また、第1有機発光ダイオード及び第3有機発光ダイオードは、それぞれ青色及び赤色の有機発光ダイオードであってもよい。
【0054】
しかし、本発明の実施例は、必ずしもこれに限定されない。発光効率の良い新しい有機物が開発される可能性もあり、その場合、例えば、第2有機発光ダイオードは、青色の有機発光ダイオードであってもよい。このとき、第1有機発光ダイオード及び第3有機発光ダイオードは、それぞれ赤色及び緑色の有機発光ダイオードであってもよい。また、第1有機発光ダイオード及び第3有機発光ダイオードは、それぞれ緑色及び赤色の有機発光ダイオードであってもよい。
【0055】
同様に、例えば、第2有機発光ダイオードは、赤色の有機発光ダイオードであってもよい。このとき、第1有機発光ダイオード及び第3有機発光ダイオードは、それぞれ青色及び緑色の有機発光ダイオードであってもよい。また、第1有機発光ダイオード及び第3有機発光ダイオードは、それぞれ緑色及び青色の有機発光ダイオードであってもよい。
【0056】
しかし、第2有機発光ダイオードは必ずしも発光効率に応じて決まるものではない。
図2を参照すると、第1画素回路Aの数と第3画素回路Cの数との和は、第2画素回路Bの数と、実質的に同一である。従って、それぞれの有機物の発光効率が類似するのであれば、それぞれの色の発光面積を合わせるために、
図2のように発光面の面積が決定されてもよい。
【0057】
本発明の一実施例によると、表示装置9は複数のデータ線を含み、複数のデータ線は第1データ線Dj、D(j+2)、...及び第2データ線D(j+1)、D(j+3)、...を含むように構成されてもよい。第1データ線Dj、D(j+2)、...と第2データ線D(j+1)、D(j+3)、...は、互いに異なるデータ線であって、交互に配置されてもよい。例えば、第1データ線Dj、D(j+2)、...は奇数番目のデータ線で、第2データ線D(j+1)、D(j+3)、...は偶数番目のデータ線であってもよい。
【0058】
第1画素回路A及び第3画素回路Cは、第1データ線Dj、D(j+2)、...に接続されてもよい。
【0059】
第2画素回路Bは、第2データ線D(j+1)、D(j+3)、...に接続されてもよい。
【0060】
図2の画素部50は、前段(previous stage)の走査線が現在段(current stage)の各画素回路に入力されるように図示されている。例えば、前段の走査線S(i-1)が現在段の走査線S(i)に接続された各画素回路A、B、Cに接続されている。
【0061】
本発明の実施例では、前段の走査線に印加される信号が、現在段の画素回路に対する第1初期化信号として使用されてもよい。これに対する具体的な接続関係は、
図4以下を参照して後述する。
【0062】
但し、第1初期化信号として使用されるのは、前前段の走査線に印加される信号であってもよい。また、走査線と関係なく専用の初期化線が別途にあってもよい。従って、本発明の実施例は、前段の走査線が現在段の各画素回路に必ず入力されるというふうに限定されるのでない。
【0063】
図2のような画素部50の構造をペンタイル(pentile)構造と名付けてもよい。
【0064】
図3は、本発明の他の実施例による画素部を説明するための図である。
【0065】
図3の画素部50’は、
図2の画素部50と電気的な接続関係及び画素回路の構成面で同一であるため、重複した説明は省略する。
【0066】
図3の画素部50’は、
図2の画素部50とは異なり、各画素の発光面がダイヤモンド型または菱型からなってもよい。
図3の画素部50’の構造をダイヤモンドペンタイル(diamond pentile)構造と名付けてもよい。
【0067】
図4は、各画素別の発光時点の差を説明するための図である。
【0068】
図4には、本発明の実施例が適用されない場合の各画素別の発光時点の差が図示されている。
【0069】
例えば、灰色(gray)を表現するためには、第1画素回路Aの第1有機発光ダイオード、第2画素回路Bの第2有機発光ダイオード、及び第3画素回路Cの有機発光ダイオードのそれぞれの輝度が一定レベルで組み合わせられなければならない。
【0070】
しかし、
図2及び3のような画素部50、50’の構造では、第2画素回路Bの第2有機発光ダイオードの単位面積当たりのキャパシタンスが大きく、流れる駆動電流が小さいのでありうる。このため、
図4に示すように、第2有機発光ダイオードの発光時点が最も遅れるのでありうる。
【0071】
そのため、初期には第1画素回路Aの第1有機発光ダイオード及び第3画素回路Cの第3有機発光ダイオードだけが発光しうる。若し、第1有機発光ダイオードが赤色の有機発光ダイオードで、第3有機発光ダイオードが青色の有機発光ダイオードである場合、ユーザが視認する色は紫色(purple)であろう。これにより、灰色の画面をスクロールする時、ユーザが紫色を先に視認する色滲み現象を生じるという問題がある。
【0072】
図5は、本発明の一実施例による画素回路を説明するための図である。
【0073】
以下では、P型トランジスタからなる回路を例に挙げて説明する。しかし、当業者であれば、ゲート端子に印加される電圧の極性を変えて、N型トランジスタからなる回路を設計することができるだろう。同様に、当業者であれば、P型トランジスタ及びN型トランジスタの組み合わせからなる回路を設計することができるだろう。P型トランジスタは、ゲート端子とソース端子間の電圧差が負の方向に増加するとき導通される電流量が増加するトランジスタの総称である。N型トランジスタは、ゲート端子とソース端子間の電圧差が正の方向に増加するとき導通される電流量が増加するトランジスタの総称である。トランジスタは、TFT(thin film transistor)、FET(field effect transistor)、BJT(bipolar junction transistor)などの様々な形態からなってもよい。
【0074】
図5を参照すると、本発明の一実施例による第1画素回路PXijは、複数のトランジスタM1、M2、M3、M4、M5、M6、M7と、ストレージキャパシタCst1と、第1有機発光ダイオードOLED1と、を含んでもよい。第1画素回路PXijは、
図2及び3の第1画素回路Aに対応することができる。
【0075】
第1画素回路PXijは、第1初期化電圧源VINT1及び第2初期化電圧源VINT2と接続されてもよい。上述したように、第1初期化電圧源VINT1の第1初期化電圧は、第2初期化電圧源VINT2の第2初期化電圧より大きい。例えば、第1初期化電圧が-2Vである場合、第2初期化電圧は-5Vであってもよい。
【0076】
図5を参照すると、本発明の一実施例による第2画素回路PXi(j+1)は、複数のトランジスタM1’、M2’、M3’、M4’、M5’、M6’、M7’と、ストレージキャパシタCst1’と、第2有機発光ダイオードOLED2と、を含んでもよい。第2画素回路PXi(j+1)は、
図2及び3の第2画素回路Bに対応するのでありうる。
【0077】
第2画素回路PXi(j+1)は、単一(single;画素回路ごとに、一つだけ)の初期化電圧源と接続されてもよい。
図5では、単一初期化電圧源が第1初期化電圧源である場合について図示されている。後述する
図7及び
図10の実施例では、単一初期化電圧源が、それぞれ、第2初期化電圧源である場合、及び、第3初期化電圧源である場合について説明する。
【0078】
まず、第1画素回路PXijの構造について説明する。
【0079】
トランジスタM1は、一端がトランジスタM6の他端に接続され、他端がトランジスタM5の一端に接続され、ゲート端子がストレージキャパシタCst1の一端に接続されてもよい。トランジスタM1を第1駆動トランジスタと名付けてもよい。
【0080】
トランジスタM2は、一端が第1データ線Djに接続され、他端がトランジスタM1の他端に接続され、ゲート端子が現在段の走査線Siに接続されてもよい。
【0081】
トランジスタM3は、一端がトランジスタM1のゲート端子に接続され、他端がトランジスタM1の一端に接続され、ゲート端子が現在段の走査線Siに接続されてもよい。
【0082】
トランジスタM4は、一端が第1初期化電圧源VINT1に接続され、他端が駆動トランジスタM1のゲート端子に接続され、ゲート端子が前段の走査線S(i-1)に接続されてもよい。
【0083】
トランジスタM5は、一端がトランジスタM1の他端に接続され、他端が電圧源ELVDDに接続され、ゲート端子が発光制御線Eiに接続されてもよい。トランジスタM5を発光制御トランジスタと名付けてもよい。
【0084】
トランジスタM6は、一端が第1有機発光ダイオードOLED1のアノードに接続され、他端がトランジスタM1の一端に接続され、ゲート端子が発光制御線Eiに接続されてもよい。トランジスタM6を発光制御トランジスタと名付けてもよい。
【0085】
トランジスタM7は、一端が第2初期化電圧源VINT2に接続され、他端が第1有機発光ダイオードOLED1のアノードに接続され、ゲート端子が現在段の走査線Siに接続されてもよい。
【0086】
ストレージキャパシタCst1は、一端がトランジスタM1のゲート端子に接続され、他端が電圧源ELVDDに接続されてもよい。
【0087】
第1有機発光ダイオードOLED1は、アノードがトランジスタM7の他端に接続され、カソードが電圧源ELVSSに接続されてもよい。第1有機発光ダイオードOLED1は、キャパシタンスCo1を有することができ、キャパシタンスCo1の大きさと駆動電流の大きさに応じて発光時点が決定されてもよい。
【0088】
第2画素回路PXi(j+1)における複数のトランジスタM1’、M2’、M3’、M4’、M5’、M6’、M7’、ストレージキャパシタCst1’、及び第2有機発光ダイオードOLED2の接続構造は、それぞれ第1画素回路PXijにおける複数のトランジスタM1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、ストレージキャパシタCst1、及び第1有機発光ダイオードOLED1の接続構造と対応することができる。以下では、重複した説明を省略し、相違点について重点的に記載する。トランジスタM1’は、第2駆動トランジスタと名付けてもよい。第2有機発光ダイオードOLED2は、第1有機発光ダイオードOLED1と異なるバンドギャップを有する有機物を含んでもよい。
【0089】
トランジスタM2’の一端は、第2データ線D(j+1)に接続される。従って、トランジスタM2’は、トランジスタM2と同じ走査信号によってターンオンされても、トランジスタM2と異なるデータ電圧の供給を受けることができる。
【0090】
トランジスタM7’は、一端が第1初期化電圧源VINT1と接続されてもよい。上述したように、第1初期化電圧源VINT1の第1初期化電圧は、第2初期化電圧源VINT2の第2初期化電圧よりその値が大きい。また、電圧源ELVSSの電圧値は、第1及び第2初期化電圧より小さくてもよい。後述する第2初期化期間の間、第1有機発光ダイオードOLED1のキャパシタンスCo1は、第2初期化電圧源VINT2と電圧源ELVSSとの差に相当する電圧値に初期化される。一方、第2初期化期間の間、第2有機発光ダイオードOLED2のキャパシタンスCo2は、第1初期化電圧源VINT1と電圧源ELVSSとの差に相当する電圧値に初期化される。従って、第2有機発光ダイオードOLED2のキャパシタンスCo2は、キャパシタンスCo1より高い電圧値にプレチャージ(precharge)されるため、第2初期化期間後の発光期間において、第2有機発光ダイオードOLED2の発光時点をさらに早めることができるという長所がある。
【0091】
参考までに、
図5の実施例では、第1初期化期間に各駆動トランジスタM1、M1’のゲート端子に印加される電圧源が第1初期化電圧源VINT1と同一であるため、駆動トランジスタM1、M1’による効果の変化はない。
【0092】
図5には、第1画素回路PXij及び第2画素回路PXi(j+1)のみが図示されているが、第3画素回路は、第3有機発光ダイオードを有することを除き、第1画素回路PXijとその構造が実質的に同一であってもよい。例えば、第1有機発光ダイオードOLED1が赤色の有機発光ダイオードである場合、第3有機発光ダイオードは青色の有機発光ダイオードであってもよい。一方、第1有機発光ダイオードOLED1が青色の有機発光ダイオードである場合、第3有機発光ダイオードは赤色の有機発光ダイオードであってもよい。
【0093】
第3画素回路は、第1初期化電圧源VINT1及び第2初期化電圧源VINT2と接続され、第1有機発光ダイオードOLED1及び第2有機発光ダイオードOLED2とバンドギャップが異なる有機物を含む第3有機発光ダイオードを含んでもよい。第3画素回路は、第1データ線Djに接続されてもよい。また、第3画素回路は、発光期間に一端が第3有機発光ダイオードのアノードと接続される第3駆動トランジスタを含んでもよい。第1初期化電圧源は第1初期化期間に第3駆動トランジスタのゲート端子に接続され、第2初期化電圧源は第2初期化期間に第3有機発光ダイオードのアノードに接続されてもよい。
【0094】
図6は、
図5の画素回路の駆動方法を説明するための図である。
【0095】
まず、時点t1にて、第1データ線Djを介して前段のデータ電圧DATA(i-1)jが供給され、第2データ線D(j+1)を介して前段のデータ電圧DATA(i-1)(j+1)が供給される。この際、前段の走査線S(i-1)にローレベルの前段の走査信号が印加され、トランジスタM4、M4’がターンオンされる。
【0096】
従って、第1駆動トランジスタM1のゲート端子と、第2駆動トランジスタM1’のゲート端子とに第1初期化電圧源VINT1が接続され、各駆動トランジスタM1、M1’のゲート電圧が初期化される。このような時点t1と時点t2との間の期間を、第1初期化期間と名付けうる。
【0097】
第1初期化期間の間、トランジスタM4、M4’を除いた他のトランジスタはターンオフ状態であってもよい。
【0098】
次いで、時点t2にて、前段の走査線S(i-1)にハイレベルの前段の走査信号が印加され、トランジスタM4、M4’がターンオフ状態になる。初期化された各駆動トランジスタM1、M1’のゲート電圧値は、各ストレージキャパシタCst1、Cst1’が保持する。
【0099】
次いで、時点t3にて、第1データ線Djを介して現在段のデータ電圧DATAijが供給され、第2データ線D(j+1)を介して現在段のデータ電圧DATAi(j+1)が供給される。この際、現在段の走査線Siにローレベルの現在段の走査信号が印加され、トランジスタM2、M3、M7、M2’、M3’M7’がターンオンされる。
【0100】
トランジスタM3、M3’がターンオンされて、それぞれの駆動トランジスタM1、M1’をダイオード接続させる。現在段のデータ電圧DATAijに対応する電圧が、トランジスタM2、M1、M3を介して、第1駆動トランジスタM1のゲート端子に入力される。また、現在段のデータ電圧DATAi(j+1)に対応する電圧が、トランジスタM2’、M1’、M3’を介して、第2駆動トランジスタM1’のゲート端子に入力される。
【0101】
トランジスタM7がターンオンされて、第2初期化電圧源VINT2が、第1有機発光ダイオードOLED1のアノードに接続される。また、トランジスタM7’がターンオンされて、第1初期化電圧源VINT1が、第2有機発光ダイオードOLED2のアノードに接続される。上述したように、第2有機発光ダイオードOLED2のキャパシタンスCo2は、キャパシタンスCo1より高い電圧値にプレチャージされる。
【0102】
このような、時点t3と時点t4との間の期間を、データ書き込み期間及び第2初期化期間と名付けうる。当該期間の間、トランジスタM6、M6’はターンオフされているため、データ書き込みに必要な電圧と初期化に必要な電圧は分離されて、互いに影響を与えない。
【0103】
但し、本実施例では、第2初期化期間を、データ書き込み期間と同一の期間としたが、トランジスタM7、M7’に前段の走査線S(i-1)が接続されるなど、第2初期化期間は多様に設定されてもよい。
【0104】
次いで、時点t4にて、トランジスタM2、M3、M7、M2’、M3’M7’がターンオフされる。各ストレージキャパシタCst1は、各駆動トランジスタM1、M1’のゲート端子に印加された電圧を保持する。
【0105】
次いで、時点t5にて、発光制御線Eiにローレベルの電圧が印加されてトランジスタM5、M6、M5’、M6’がターンオンされる。従って、電圧源ELVDDから電圧源ELVSSに電流経路が形成されて導通され、各駆動トランジスタM1、M1’のゲート電圧とソース電圧との差に応じて、駆動電流の大きさが決定される。
【0106】
有機発光ダイオードOLED1、OLED2の発光時点は、各駆動電流の大きさと各キャパシタンスCo1、Co2の大きさによって決定されうるが、上述したように、第2有機発光ダイオードOLED2のキャパシタンスCo2は、キャパシタンスCo1より高い電圧値にプレチャージされているため、第2有機発光ダイオードOLED2の発光時点をより早めることができるという長所がある。従って、
図3で説明した色滲み現象を解消することができる。
【0107】
時点t5から、発光制御線Eiにハイレベルの電圧が印加されるまでを、発光期間と名付けてもよい。
【0108】
図7は、
図5の画素回路において初期化電圧源の接続構成を異ならせた場合を説明するためのものであり、
図8は、
図7の構成による電流増加の効果を説明するためのものである。
【0109】
図7と
図5を比較すると、第1画素回路PXijは、その構成が同一である。しかし、第2画素回路PXi(j+1)の単一初期化電圧が、第2初期化電圧VINT2になっている点で、構成上の差がある。
【0110】
このとき、
図5の場合とは異なり、第2有機発光ダイオードOLED2のキャパシタンスCo2は、キャパシタンスCo1と同じ電圧値にプレチャージされるため、プレチャージ電圧値による有用な効果は得られない。
【0111】
但し、本実施例では、第1初期化期間に、第2画素回路PXi(j+1)の第2駆動トランジスタM1’のゲート端子に、第2初期化電圧源VINT2が接続される点において特徴がある。
【0112】
上述したように、第2初期化電圧源VINT2の第2初期化電圧は、第1初期化電圧源VINT1の第1初期化電圧より小さい。また、電圧源ELVDDの電圧値は、第1及び第2初期化電圧より大きくてもよい。
【0113】
従って、第1初期化期間に設定される第2駆動トランジスタM1’のゲート電圧とソース電圧との差は、第1駆動トランジスタM1のゲート電圧とソース電圧との差より大きくなる。即ち、第2駆動トランジスタM1’のオンバイアス電圧(on-bias voltage)が、第1駆動トランジスタM1のオンバイアス電圧より大きくなる。
【0114】
本実施例の発明者は、オンバイアス電圧が増加した場合、発光時間の経過に伴って駆動電流が上昇する効果があることを発見した。
【0115】
図8を参照すると、
図6の時点t5、即ち、発光期間の開始時点における第2駆動トランジスタM1’の特性曲線CC1が図示されている。トランジスタの特性曲線は、広く知られているように、ゲート電圧とソース電圧の差V
GS(V)による、駆動電流値の大きさI
D(A)を表す。
【0116】
任意の階調値に対応する電圧PT1が、第2駆動トランジスタM1’に印加されるときに流れる駆動電流のレベルCL1が、直線で示されている。
【0117】
発光期間の時間が経つほど特性曲線が右側に移動し、右側に移動する程度はオンバイアス電圧の増加量に比例しうる。
【0118】
図8では、発光期間から16msが経過した後の特性曲線CC2が例示的に図示されている。ストレージキャパシタCst1’の保持電荷量の減少により、電圧PT2の絶対値は多少減少したが、特性曲線CC2は特性曲線CC1に比べて右側に移動したため、16ms以降の駆動電流のレベルCL2は前のレベルCL1より上昇したことを確認することができる。
【0119】
従って、
図7の実施例によると、第2画素回路PXi(j+1)の発光期間における駆動電流量の増加によって、第2有機発光ダイオードOLED2の発光開始時点を早めたり、発光輝度を向上させたりすることができる。
【0120】
即ち、
図7の実施例による場合も、
図4で説明した色滲み現象を解消することができる。
【0121】
図9は、本発明の他の実施例による表示装置を説明するための図であり、
図10は、本発明の他の実施例による初期化電圧源が接続された画素回路を説明するための図である。
【0122】
図9の表示装置9’は、
図1の表示装置9と比較して、第3初期化電圧源VINT3をさらに含み、第2画素回路PXi(j+1)に単一の初期化電圧源として第3初期化電圧源VINT3が接続されるという点で、差がある。表示装置9’の他の構成は、表示装置9と同一であるため、重複した説明は省略する。
【0123】
図10を参照すると、第2画素回路PXi(j+1)において、第3初期化電圧源VINT3が、トランジスタM7’を介して第2有機発光ダイオードOLED2のアノードに接続され、トランジスタM4’を介して第2駆動トランジスタM1’のゲート端子に接続される。
【0124】
本実施例の第3初期化電圧源VINT3の第3初期化電圧は、第1及び第2初期化電圧とは異なる。一実施例において、第3初期化電圧は、第1初期化電圧と第2初期化電圧との間の値であってもよい。例えば、第1初期化電圧が-2Vで、第2初期化電圧が-5Vであれば、第3初期化電圧は-4Vであってもよい。
【0125】
本実施例によると、第1初期化電圧源VINT1及び第2初期化電圧源VINT2と異なる追加の電圧源が必要となるという点が短所であるが、
図5の実施例の長所と
図7の実施例の長所の両方を有することができるという点にメリットがある。
【0126】
即ち、第2有機発光ダイオードOLED2のキャパシタンスCo2が、キャパシタンスCo1より高い電圧値にプレチャージされるため、第2有機発光ダイオードOLED2の発光開始時点を早めることができる。
【0127】
また、第2駆動トランジスタM1’のゲート電圧とソース電圧との差が、第1駆動トランジスタM1のゲート電圧とソース電圧との差より大きくなるため、オンバイアス電圧値が高くなることで、発光期間中、時間の経過に伴って駆動電流が増加し、第2有機発光ダイオードOLED2の発光開始時点を早めたり、発光輝度を向上させたりすることができる。
【0128】
図11は、
図5の実施例を他の画素回路に適用した場合を説明するための図である。
【0129】
図11を参照すると、第1画素回路PXij’は、複数のトランジスタM8、M9、M10、M11、M12と、ストレージキャパシタCst2と、第1有機発光ダイオードOLE11とを含む。また、第2画素回路PXi(j+1)’は、複数のトランジスタM8’、M9’、M10’、M11’、M12’と、ストレージキャパシタCst2’と、第2有機発光ダイオードOLE12とを含む。第2画素回路PXi(j+1)’の構造は、第1画素回路PXij’の構造と、データ線、初期化電圧源、及び有機発光ダイオードを除いて実質的に同一であるため、以下では、第1画素回路PXij’についてのみ説明する。
【0130】
トランジスタM8は、一端がトランジスタM10の他端に接続され、他端が電圧源ELVDDに接続され、ゲート端子がトランジスタM9の他端に接続される。トランジスタM8は、第1駆動トランジスタと命名されてもよい。
【0131】
トランジスタM9は、一端が第1データ線Djに接続され、他端がトランジスタM9のゲート端子に接続され、ゲート端子が現在段の走査線Siに接続される。
【0132】
トランジスタM10は、一端が第1有機発光ダイオードOLED11に接続され、他端がトランジスタM8の一端に接続され、ゲート端子が発光制御線Eiに接続されてもよい。トランジスタM10は、発光制御トランジスタと名付けられてもよい。
【0133】
トランジスタM11は、一端が第1初期化電圧VINT1に接続され、他端がストレージキャパシタCst2の一端に接続され、ゲート端子が前段の走査線S(i-1)に接続されてもよい。
【0134】
トランジスタM12は、一端が第2初期化電圧VINT2に接続され、他端が第1有機発光ダイオードOLED11に接続され、ゲート端子が現在段の走査線Siと接続されてもよい。
【0135】
ストレージキャパシタCst2は、一端がトランジスタM8のゲート端子に接続され、他端が電圧源ELVDDに接続されてもよい。
【0136】
第1有機発光ダイオードOLED11は、アノードがトランジスタM12の他端に接続され、カソードが電圧源ELVSSに接続されてもよい。
【0137】
図11の画素回路PXij’、PXi(j+1)’の制御信号は、
図5の画素回路PXij、PXi(j+1)の制御信号と同一であるため、詳細な駆動過程に対する説明は省略する。
【0138】
図11の実施例も
図5の実施例と同様に、単一初期化電圧源が第1初期化電圧源VINT1の場合であって、第2有機発光ダイオードOLED12のキャパシタンスは、第1有機発光ダイオードOLED11のキャパシタンスよりも高い電圧値にプレチャージされるため、第2初期化期間後の発光期間において第2有機発光ダイオードOLED12の発光開始時間を早めることができるという長所がある。
【0139】
図12は、
図7の実施例を他の画素回路に適用した場合について説明するための図である。
【0140】
図12の実施例では、単一初期化電圧源が第2初期化電圧源VINT2である点において、
図11の実施例と差がある。他の構成は
図11と同一であるため、重複した説明は省略する。
【0141】
図12の実施例も、
図7の実施例と同様に、単一初期化電圧源が第2初期化電圧源VINT2の場合であって、第2画素回路PXi(j+1)’の発光期間における駆動電流量の増加によって、第2有機発光ダイオードOLED12の発光開始時点を早めたり、発光輝度を向上させたりすることができる。
【0142】
図13は、
図10の実施例を他の画素回路に適用した場合を説明するための図である。
【0143】
図13の実施例では、単一初期化電圧源が第3初期化電圧源VINT3である点において、
図11の実施例と差がある。他の構成は
図11と同一であるため、重複した説明は省略する。
【0144】
図13の実施例も、
図10の実施例と同様に、単一初期化電圧源が第3初期化電圧源VINT3の場合であって、第1初期化電圧源VINT1及び第2初期化電圧源VINT2と異なる追加の電圧源が必要となるという点が短所であるが、
図11の実施例の長所と、
図12の実施例の長所との両方を有することができる点にメリットがある。
【0145】
即ち、第2有機発光ダイオードOLED12のキャパシタンスが、第1有機発光ダイオードOLED11のキャパシタンスより高い電圧値にプレチャージされるため、第2有機発光ダイオードOLED12の発光開始時点を早めることができる。
【0146】
また、第2駆動トランジスタM8’のゲート電圧とソース電圧との差が、第1駆動トランジスタM8のゲート電圧とソース電圧との差より大きくなるため、オンバイアス電圧値が高くなることで、発光期間中、時間経過に伴って駆動電流が増加し、第2有機発光ダイオードOLED12の発光開始時点を早めたり、発光輝度を向上させたりすることができる。
【0147】
今まで参照した図面と記載された発明の詳細な説明は、単なる本発明の例示であって、単に本発明を説明するための目的として用いられており、意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために用いられたものではない。よって、本技術分野の通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点が理解できるであろう。従って、本発明の技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
【0148】
本願において、「接続される」、「電気的に接続される」などの語は、直接に、または別途の導線や導体を通じて接続される場合だけでなく、適宜に、中途の経路中に存在するトランジスタなどのスイッチング素子がオンとなって、電気的に導通されるような場合を含む。また、例えば「(a)~であって、(b)~であって、(c)~であってもよい」というふうに文が接続されている場合に、「(a)~」、「(b)~」及び「(c)~」は、それぞれ独立に成立しうることを意味する。すなわち、例えば、「(a)~」も「(c)~」も成立せず、「(b)~」のみが成立する場合などを含む。
【0149】
好ましい、いくつかの実施形態によると、解決すべき課題、及び、具体的な解決手段は、下記のとおりである。
【0150】
画素が配列されて、画像を表示可能であって、各画素は、いずれかの原色の有機発光ダイオードから構成された表示装置において、緑色の有機発光ダイオードは、発光効率が高いので、発光面積を小さくし、また、駆動電流も低いレベルに設定される。
【0151】
緑色の有機発光ダイオードOLED2では、駆動電流のレベルが低いため、キャパシタンスCo2を充電するのに要する時間が、赤や青などの他の色の有機発光ダイオードOLED1に比べて、長くなってしまう。そのため、発光開始のタイミングが、他の色の有機発光ダイオードOLED1よりも、遅くなってしまう。この結果、画面をスクロールするときなどに、表示面に、色にじみ(color blur)が表れることがある。
【0152】
そこで、下記のA及びBの少なくとも一方とする。
【0153】
A 駆動電流を各有機発光ダイオードOLED1~2に供給し続ける発光期間(
図6のt5以降)の直前の、データ書き込み期間(
図6のt3~t4)に、各有機発光ダイオードのキャパシタンスCo1~Co2にプレチャージを行うにあたり、
緑色の有機発光ダイオードOLED2のキャパシタンスCo2には、他の色の有機発光ダイオードOLED1のキャパシタンスCoよりも、高い電圧値にプレチャージされるようにする。
【0154】
これにより、発光開始時間をさらに早めることができる。
【0155】
B
図8のように、駆動トランジスタM1’のオンバイアス電圧(on-bias voltage)について、緑色の有機発光ダイオードOLED2のためのものを、他の色の有機発光ダイオードOLED1のためのものよりも高くする。
【0156】
これにより、緑色の有機発光ダイオードOLED2の発光開始時点を早めたり、発光輝度を向上させたりすることができる。
【0157】
具体的には、下記Cを前提として、下記D~Fのいずれかとする。
【0158】
C
図5、7及び11~13の各実施形態にて、
他の色の有機発光ダイオードOLED1を含む画素回路路PXijには、
トランジスタM4を通じて、前段の走査線からのゲートパルスに応じてストレージキャパシタCSt1を初期化するための第1初期化電圧源VINT1(例えば-2V)と、
トランジスタM7を通じて、現在段の走査線からのゲートパルスに応じて、有機発光ダイオードのキャパシタンスCo1にプレチャージを行うための第2初期化電圧源VINT2(例えば-5V)とが、備えられる。
【0159】
D 上記Aを実現すべく、
図5及び11のように、
緑色の有機発光ダイオードOLED1を含む画素回路路PXi(j+1)には、第1初期化電圧源VINT1(例えば-2V)のみが、初期化電圧源(単一の初期化電圧源)として備えられ、この第1初期化電圧源VINT1(例えば-2V)からの、より高い電圧により、データ書き込み期間(
図6のt3~t4)にて、キャパシタンスCo2にプレチャージを行う。
【0160】
E 上記Bを実現すべく、
図7及び12のように、
緑色の有機発光ダイオードOLED1を含む画素回路路PXi(j+1)には、第2初期化電圧源VINT2(例えば-5V)のみが、初期化電圧源(単一の初期化電圧源)として備えられる。
【0161】
これにより、データ書き込み期間(
図6のt3~t4)より前の、第1初期化期間(
図6のt1~t2)にて、駆動トランジスタM1’のゲート端子には、第1初期化電圧源VINT1(例えば-2V)よりも電位差が大きい、第2初期化電圧(例えば-5V)が印加される。すなわち、このようにして、駆動トランジスタM1’のオンバイアス電圧を大きくする。
【0162】
F 上記A及びBを実現すべく、
図10及び13のように、
緑色の有機発光ダイオードOLED1を含む画素回路路PXi(j+1)には、第3初期化電圧源VINT3(例えば-4V)のみが、初期化電圧源(単一の初期化電圧源)として備えられる。第3初期化電圧は、第1初期化電圧と、第2初期化電圧との間の値である。
【0163】
追加の電圧源(電源線)が必要となるが、上記A及びBの両方の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0164】
9 表示装置
10 走査駆動部
20 データ駆動部
30 発光制御駆動部
40 タイミング制御部
50 画素部