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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
A63F5/04 605A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018120016
(22)【出願日】2018-06-25
(65)【公開番号】P2020000303
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】中村 祐太
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-20197(JP,A)
【文献】特開2018-15634(JP,A)
【文献】特開2017-80635(JP,A)
【文献】特開2016-32499(JP,A)
【文献】特開2015-157045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技媒体が投入される投入口と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検知する検知手段と、
前記投入口から投入された遊技媒体にもとづいて賭数の設定に使用可能な遊技用価値を記憶する遊技用価値記憶手段と、
次のゲームが開始可能となるように賭数を設定する賭数設定手段とを備え、
前記賭数設定手段は、
再遊技表示結果が導出されなかった場合に、前記投入口から投入された遊技媒体または遊技用価値を用いて賭数を設定する第1賭数設定処理を行う第1賭数設定手段と、
再遊技表示結果が導出された場合に、遊技用価値を消費することなく次のゲームが開始可能となるように自動で賭数を設定する第2賭数設定処理を行う第2賭数設定手段とを含み、
前記第2賭数設定手段は、
再遊技表示結果が導出されてから自動で賭数を設定するまでの間に前記検知手段によって遊技媒体が検知されなかった場合に前記第2賭数設定処理を行い、
再遊技表示結果が導出されてから自動で賭数を設定するまでの間に前記検知手段によって遊技媒体が検知された場合に前記第2賭数設定処理を行うことなく、当該遊技媒体が検知されてからの所定期間中に前記検知手段により再度の遊技媒体の検知がされていないことを条件に前記第2賭数設定処理を行う、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれたリールを有する可変表示部を備えており、規定の賭数が設定された状態でスタートスイッチが操作されることによりリールが回転開始し、ストップスイッチが操作されてリールの回転が停止したときに入賞ライン上に予め定められた図柄組合せ(たとえば、7-7-7、以下、図柄組合せを表示結果の組合せ、もしくは役とも称する)が導出されることにより入賞が発生する。
【0003】
役の種類としては、小役、ボーナス役、再遊技役といった種類がある。ここで、小役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止された場合には、小役の種類ごとに定められた数のメダルが払い出されるという利益を遊技者が得ることができる。ボーナス役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止された場合には、次のゲームからレギュラーボーナスやビッグボーナスといった遊技者にとって有利な遊技状態へ移行されるという利益を遊技者が得ることができる。再遊技役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止(以下、「再遊技役が発生」などともいう)された場合には、賭数の設定に新たなメダルを消費することなく次のゲームを行うことができるという利益を得ることができる。
【0004】
このようなスロットマシンにおいて、リプレイ入賞が発生してからそのリプレイゲームが開始するまでの間に投入されたメダルであっても、リプレイ入賞による賭数設定がされて次のリプレイゲームが開始可能な状態となってから後に検出されたメダルについては、クレジットに加算されるものがあった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-210097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、リプレイ入賞が発生してからそのリプレイゲームが開始されるまでの間にメダルが投入された場合に、設定された賭数が、メダルを投入したことにより設定された賭数であるのか、あるいは、リプレイ入賞により設定された賭数であるのかがわかりにくくなる虞がある。
【0007】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、設定された賭数がどのように設定された賭数であるのかが分かり易いスロットマシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技媒体が投入される投入口と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検知する検知手段と、
前記投入口から投入された遊技媒体にもとづいて賭数の設定に使用可能な遊技用価値を記憶する遊技用価値記憶手段と、
次のゲームが開始可能となるように賭数を設定する賭数設定手段とを備え、
前記賭数設定手段は、
再遊技表示結果が導出されなかった場合に、前記投入口から投入された遊技媒体または遊技用価値を用いて賭数を設定する第1賭数設定処理を行う第1賭数設定手段と、
再遊技表示結果が導出された場合に、遊技用価値を消費することなく次のゲームが開始可能となるように自動で賭数を設定する第2賭数設定処理を行う第2賭数設定手段とを含み、
前記第2賭数設定手段は、
再遊技表示結果が導出されてから自動で賭数を設定するまでの間に前記検知手段によって遊技媒体が検知されなかった場合に前記第2賭数設定処理を行い、
再遊技表示結果が導出されてから自動で賭数を設定するまでの間に前記検知手段によって遊技媒体が検知された場合に前記第2賭数設定処理を行うことなく、当該遊技媒体が検知されてからの所定期間中に前記検知手段により再度の遊技媒体の検知がされていないことを条件に前記第2賭数設定処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】スロットマシンの正面図であり、(b)は、スロットマシンの主な内部構成の一例を示す図である。
図2】スロットマシンの内部構造を示す斜視図である。
図3】メダルセレクタを示す斜視図である。
図4】メダルセレクタを示す正面図である。
図5】(a)は、メダルセレクタの断面図であり、(b)は、(a)のA-A断面図である。
図6】(a)は、メダルセレクタの断面図であり、(b)は、(a)のA-A断面図である。
図7】(a)および(b)は、リプレイ入賞時の停止出目の一例を示す図であり、(c)および(d)は、小役入賞時の停止出目の一例を示す図である。
図8】ゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
図9】BET処理の制御内容を示すフローチャートである。
図10】BET処理の制御内容を示すフローチャートである。
図11】BET処理の制御内容を示すフローチャートである。
図12】タイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
図13】入賞処理の制御内容を示すフローチャートである。
図14】払出処理の制御内容を示すフローチャートである。
図15】リプレイ入賞時の制御について説明するための図である。
図16】リプレイ入賞時の制御について説明するための図である。
図17】小役入賞時の制御について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について説明する。
[スロットマシンの構成例]
図1(a)は、スロットマシン1の正面図であり、(b)は、スロットマシン1の主な内部構成の一例を示す図である。図2は、スロットマシン1の内部構造を示す斜視図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
【0011】
筐体の内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列された表示帯である左リール2L、中リール2C、右リール2R(以下、総じてリール2またはリール2L,2C,2Rとも称する)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が透視窓3から見えるように配置されている。
【0012】
リール2L、2C、2Rの外周部各々には、たとえば、「白7」、「白BAR」、「黒BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で21個ずつ描かれている(図示略)。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。上記の複数種類の図柄は、各々、他の図柄と外形が異なる図柄である。
【0013】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L,32C,32Rによって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示(変動表示)されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。すべてのリール2L,2C,2Rが停止すると、複数の表示結果が導出されて透視窓3に複数の表示結果の組合わせである表示結果組合せが導出表示される。以下、透視窓3に導出表示される表示結果組合せおよび表示結果を各々停止出目とも称する。
【0014】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ(図示略)と、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED(図示略)と、が設けられている。また、リールLEDは、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)が設けられている。
【0015】
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(賭数の設定に使用可能な遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0016】
また、前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。クレジット表示器11および遊技補助表示器12は7セグ形式の表示器であって、2桁まで表示することができる。なお、本実施の形態においては、スロットマシン1がクレジットとして記憶することができる上限値が50であるため、2桁まで表示することができるとしたが、クレジット表示器11および遊技補助表示器12が表示可能な数字の桁数は、3桁以上であってもよく、また1桁であってもよい。
【0017】
前面扉1bの裏面側には、図2に示すように、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述するメダルホッパー34のホッパータンク34a側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30(図1(b)参照)と、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31a~c(図4参照)を有するメダルセレクタ29とが設けられている。
【0018】
筐体1a内部には、図2に示すように、リール2L、2C、2R、リールモータ32L,32C,32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサからなるリールユニット60、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34aと、該ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ(図示略)及びホッパーモータの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ(図示略)を備えるメダルホッパー34、ホッパータンク34aからオーバーフローしたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35、電源ボックス100が設けられている。
【0019】
図1(b)に示すように、スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御する(遊技を制御するともいえる)とともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力するメイン制御部41が設けられている。メイン制御部41は、各種処理を実行するメインCPU41aと、各種データを記憶するRAM41cなどを備える。
【0020】
メイン制御部41は1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8、投入メダルセンサ31a~cを含む各種センサ、またはその他のスイッチから情報を受け取る。メイン制御部41は、リールモータ32L,32C,32Rを制御することで、リール2L,2C,2Rの各々の回転および停止を制御する。
【0021】
また、メイン制御部41は、賭数の設定に使用可能な遊技用価値(クレジット)や、設定されている賭数などをRAM41cに記憶する。
【0022】
スロットマシン1の内部には、メイン制御部41からのコマンドに応じて演出を制御するサブ制御部91が設けられている。サブ制御部91は、各種処理を実行するメインCPU91aと、各種データを記憶するRAM91cなどを備える。サブ制御部91は、液晶表示器51の画像表示、スピーカ53の音出力を制御する。
【0023】
なお、図1(b)は、あくまで一例であり、スロットマシン1の内部にはその他の構成も設けられており、メイン制御部41およびサブ制御部91はこれらの各種構成を制御する。
【0024】
[メダルセレクタについて]
次いで、メダルセレクタ29の構造を、図3図6を参照して説明する。図3は、メダルセレクタ29を示す斜視図である。図4は、メダルセレクタ29を示す正面図である。図5(a)は、メダルセレクタの断面図であり、図5(b)は、図5(a)のA-A断面図である。図6(a)は、メダルセレクタの断面図であり、図6(b)は、図6(a)のA-A断面図である。なお、以下の説明において、前面扉1bの裏面側からメダルセレクタ29を見た状態を、メダルセレクタ29の前面側として説明する。
【0025】
メダルセレクタ29は、図5および図6に示すように直方体形状に構成されており、その本体部の内部には、正面視略L字状のメダル流下通路133(図4中斜線領域)が形成されている。本体部の上面には、メダル流下通路133の上流側に連通するとともに、上方に配置される投入メダルガイド部材140に形成された投入口140a(図4中拡大図参照)から落下されたメダルが流入される流入口141が形成され、また、本体部の側面には、メダル流下通路133の下流側に連通するとともに、メダルを流出させるための流出口142が形成されている。
【0026】
詳しくは、図4に示すように、メダル流下通路133は、本体内部に略L字状に凹設される凹溝(図示略)と、該本体部の正面側に、軸部材143を中心に揺動自在に設けられるとともに、バネ144により本体部方向に付勢される揺動板145との間に形成されている。揺動板145は、前面扉1bに設けられるメダル詰まり解除ボタン(図示略)により押圧されることでメダル流下通路133を開放するようになっている。これによりメダル流下通路133内に詰まったメダルを本体部下方に排出することができるようになっている。すなわち、揺動板145及び前記凹溝が形成された本体部にて、メダル流下通路133の側面を形成する流下側壁が形成されている。
【0027】
また、流入口141は、横長長方形状をなし、本体部上面に左右方向に向けて形成され(図3参照)、流出口142は、縦長長方形状をなし、本体部側面に上下方向に向けて形成されている(図示略)。つまり、メダル流下通路133の前後の流下側壁は、流入口141から流出口142まで鉛直方向を向いており、図4に示すように、メダル投入部4を構成する投入メダルガイド部材140の投入口140aから起立姿勢で投入され、流入口141から流入したメダルが、その起立姿勢を維持したまま通路内を流下して流出口142から右側方に流出されるように構成されている。メダルセレクタ29には、流出口142から流出されたメダルをホッパータンク34a内に誘導するメダルシュート160が付設されている。
【0028】
メダル流下通路133の下方には、本体部の前面側に設けられる流路切替ソレノイド30(図1参照)の励磁に連係して、メダル流下通路133を流下するメダルがメダル流下通路133の下流側に設けられる投入メダルセンサ31a~cに検出される直前にてメダル流下通路133から下方に向けて強制的に落下させる流路切替板147が揺動自在に設けられている。
【0029】
流路切替板147は、流路切替ソレノイド30が励磁されていない状態(off状態)において、図5(a)(b)に示すように、その上端面がメダルセレクタ本体に設けられた凹部内に収容された状態とされ、メダル流下通路133の下方側が開放した状態となるため、流入口141から流入してメダル流下通路133を流下するメダルは返却部137よりメダルセレクタ29の下方に落下してメダル払出口9より排出される。
【0030】
流路切替板147は、流路切替ソレノイド30が励磁されると(on状態)、すなわちメダルを受付が許可された状態において、図6(a)(b)に示すように、流路切替板147の上部が図中左方向(矢印方向)に揺動することで、流路切替板147の上端面が突出してメダル流下通路133の底面を構成する状態となるため、流入口141から流入してメダル流下通路133を流下するメダルは流路切替板147の上端面に沿って流下し、流出口142から流出されて、ホッパータンク34a内に流入する。
【0031】
すなわち、流路切替板147および流路切替ソレノイド30は協同して、投入口140aから投入されたメダルの流下経路を外部に排出する排出側経路または内部に取り込む取込側経路に切り替える経路切替手段として機能する。
【0032】
また、メダル流下通路133の流路切替板147よりも上流側には、投入口140aから投入されたメダルの通過を検出する投入口センサ26が設けられている。図4に示すように、投入口センサ26は投入口140aと流路切替板147との間のメダル流下通路133に設けられているため、投入口センサ26によって検知されたメダルは、スロットマシン1の内部に取込まれるか、或いは、スロットマシン1の外部に排出されるか否かに関わらず、投入口140aから投入されたメダルである。
【0033】
メダル流下通路133の流路切替板147よりも下流側には、メダル流下通路133を流下するメダルの通過を検出する投入メダルセンサ31a~cが設けられている。つまり、投入メダルセンサ31a~cは、流出口142に排出されるメダルの通過を検出するものであって、スロットマシン1の内部に取込まれるメダルを検出するものである。
【0034】
投入口センサ26および投入メダルセンサ31a~cは、たとえば、投光部と受光部の間をメダルが通過することにより受光部が投光部からの光の遮断を検知することでメダルの通過を検出するフォトセンサや、投光部と受光部を通路の一端側に配置し、受光部がメダルに反射した投光部の光を検知することでメダルの通過を検出する反射型センサを用いても良く、また、メダルの通過に連動して動作する可動片の動作を検知することでメダルの通過を検出する物理センサを用いることができる。
【0035】
[スロットマシンにおけるゲームの概要]
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、或いはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として3枚が定められている。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0036】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが特定の図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された1種類の入賞ラインLNが定められている。なお、入賞ラインは複数定められていてもよい。
【0037】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0038】
本実施形態ではリール2L,2C,2Rを回転させるためにスタートスイッチ7を操作することをレバーオンともいう。また、スタートスイッチ7の操作によってリール2L,2C,2Rが回転している場合において、ストップスイッチ8L,8C,8Rのうち、第1の操作(最初の操作)によって第1のリールを停止させることを第1停止操作、第2の操作(2番目の操作)によって第2のリールを停止させることを第2停止操作、第3の操作(最後の操作)によって第3のリールを停止させることを第3停止操作あるいは最終停止操作ともいう。
【0039】
最終停止操作がされ、全てのリール2L、2C、2Rが停止されたときにおいて、有効化された入賞ラインLN上に役と呼ばれる予め定められた図柄の組合せが揃うと入賞となる。入賞が発生したときには、メイン制御部41は、入賞に応じた処理を実行する。入賞に応じた処理には、たとえば、特典を付与する処理が含まれる。ここで、遊技機であるスロットマシン1においては、1ゲームを実行するために規定数の賭数を設定する必要があるため、1ゲーム行う度に遊技用価値であるメダルが消費される。特典には、遊技用価値の付与、遊技用価値を消費することなくゲームを実行するための権利、有利区間やボーナス状態などの有利な状態に制御するための権利などが含まれる。
【0040】
遊技用価値が付与される場合、入賞した役に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与(クレジット加算、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合にはメダル払出口9(図1参照)からメダルが払い出されて、1ゲームが終了する。また、遊技用価値を消費することなくゲームを実行するための権利が付与された場合、賭数を自動で設定する処理が行なわれるようになっている。
【0041】
[入賞役]
入賞が発生可能な役(「入賞役」ともいう)としては、特別役、小役、および再遊技役が設けられている。特別役に入賞することによって、小役に当選する確率が非ボーナス状態よりも高まるボーナス状態に遊技状態が制御される、ボーナス状態への以降を伴う役である。小役に入賞することによって、メダル(遊技用価値)が付与される。再遊技役(リプレイ)に入賞することによって、遊技者所有のメダル(遊技用価値)を消費することなく次の遊技を実行するための権利が付与される。ここで、役に入賞するとは、リール2L,2C,2Rが停止して、役に応じて予め定められた図柄の組合わせが入賞ラインLN上に揃う表示結果が導出されることである。
【0042】
なお、役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。図7(a)および図7(b)は、リプレイ入賞時の停止出目の一例を示す図であり、図7(c)および図7(d)は、小役入賞時の停止出目の一例を示す図である。停止出目とは、最終停止操作がされて導出された表示結果である。
【0043】
図7(a)および(b)に示すように、入賞ラインLN上にリプレイ図柄が揃ったとき、または、入賞ラインLN上に「ベル-ベル-白7」の組合わせが揃ったときにリプレイに入賞する。図7(b)に示す表示結果は、入賞ラインLNおよび無効ラインLM1~LM4(図1参照)のいずれにもリプレイ図柄が揃わない。
【0044】
図7(c)および(d)に示すように、入賞ラインLN上にベル図柄が揃ったとき、または、入賞ラインLN上に「白BAR-黒BAR-プラム」の組合わせが揃ったときに小役に入賞する。図7(d)に示す表示結果は、入賞ラインLNおよび無効ラインLM1~LM4(図1参照)のいずれにもベル図柄が揃わない。
【0045】
入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがメイン制御部41のRAMに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0046】
[ゲーム処理]
メイン制御部41のCPU41aは、ゲーム処理を行って1回のゲームを制御する。図8はゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。ゲーム処理では、BET処理(S1)、内部抽選処理(S2)、リール回転処理(S3)、入賞判定処理(S4)、払出処理(S5)、ゲーム終了時処理(S6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
【0047】
S1におけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
【0048】
S2における内部抽選処理では、S1におけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた数値データに基づいて役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、メイン制御部41のRAMに当選フラグが設定される。すなわち、メイン制御部41は、内部抽選処理を行うことで、各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。
【0049】
S3におけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
【0050】
S4における入賞判定処理では、S3において全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
【0051】
S5における払出処理では、S4において入賞の発生が判定された場合に、その入賞が小役の場合には当該小役の種類に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払い出し等の処理や、リプレイの場合にはリプレイゲームフラグをRAMに設定してリプレイゲームを付与可能にする処理、ボーナスの場合には対応するボーナスに制御するための処理などを行う。
【0052】
S6におけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
【0053】
また、メイン制御部41は、ゲーム処理とは別に、一定時間間隔(本実施の形態では、役0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。タイマ割込処理(メイン)では、時間を管理するためのカウンタ更新処理と、ゲームの進行状況に応じて生成されるコマンドをサブ制御部91に対して送信するコマンド送信処理とが行なわれる。
【0054】
[BET処理]
図9図11は、メイン制御部41がS1において実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。BET処理では、まず、メイン制御部41のRAMの所定領域において賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(S10)、遊技状態に応じた規定数(本実施の形態では上限数(3)と同じ。)をメイン制御部41のRAMに設定する(S11)。メイン制御部41のRAMにリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであるか否かを判定する(S12)。
【0055】
S12において次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであると判定された場合には、タイマ割込待ち処理を実行する(S13)。タイマ割込待ち処理においては、タイマ割込処理(メイン)が実行されるまで待機される処理が行なわれる。
【0056】
具体的に、図12を参照してタイマ割込処理(メイン)について説明する。図12は、タイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。なお、図12においては、タイマ割込処理(メイン)に含まれる処理のうち、カウンタ更新処理の制御内容のみ示す。カウンタ更新処理は、投入口センサ26がメダルを検知してから所定期間(T3)の経過を計測するための処理である。より具体的には、カウンタ更新処理は、一定間隔毎に実行され、投入口センサ26がメダルを検知する度RAM41cに形成されるタイマに所定期間(T)に相当する値をセットし、1回実行される度にタイマの値を予め定められた値減算する。そのため、タイマの値が0となったタイミングで、タイマにセットされた値に相当する所定期間(T)が経過したこととなる。
【0057】
メイン制御部91は、投入口センサ26がメダルを検知したか否かを判定する(S700)。すなわち、投入口140aからメダルが投入されたか否かを判定する。メイン制御部91は、投入口センサ26がメダルを検知していないと判断すると(S700でN)、S760においてRAM41cに形成されているタイマの値が0であるか否かを判断し、タイマの値が0であれば(S760でY)、処理を終了する。一方、タイマの値が0でなければ(S760でN)、タイマの値を減算して(S780)、処理を終了する。
【0058】
メイン制御部91は、投入口センサ26がメダルを検知していると判断すると(S700でY)、リプレイゲームであるか否かを判断する(S720)。具体的には、S720において、メイン制御部41は、リプレイゲームフラグがRAM41cの所定領域に記憶されているか否かを判断する。メイン制御部91は、リプレイゲームではないと判断すると(S720でN)、処理を終了する。
【0059】
メイン制御部91は、リプレイゲームであると判断すると(S720でY)、タイマに所定期間(T3)に相当する数値をセットし(S740)、タイマの値を減算して(S780)、処理を終了する。
【0060】
すなわち、タイマの値は、タイマ割込処理(メイン)において、投入口センサ26がメダルを検出した後、再度メダルが投入されなければ減算し続け、最終的に0となる。一方、投入口センサ26がメダルを検出した後、タイマが0となる前に再度メダルが投入されると、タイマに所定期間(T)に相当する数値がセットされる。ここで、所定期間(T)は、投入口センサ26が検知したメダルが、投入口センサ26に検知されてから流路切替板147を通過しきるまでに要する時間である。
【0061】
また、リプレイゲームフラグは、入賞判定処理においてストップスイッチへの操作が完了した後(S410でY)、リプレイに入賞したと判断されると設定される(図13参照)。設定された後のリプレイゲームフラグは、入賞判定処理の後、次のゲームのゲーム処理が行なわれ、スタートスイッチ7が有効に操作されてゲーム開始時の設定が行なわれたときにクリアされる(図10のS49)。そのため、投入口センサ26がメダルを検知したことに基づくタイマへの所定期間(T)に相当する数値のセットは、ストップスイッチへの操作が完了した以降にしか行われない。
【0062】
図9に戻り、リプレイゲームであると判断されたときのBET処理について説明する。S14において、メイン制御部41は、タイマが0ではないと判断すると、S13に戻り再度タイマ割込待ち処理を行った後、S14においてタイマが0であるか否かを判断する。すなわち、タイマが0になるまで処理を待機する。S14において、タイマが0になったと判定すると、賭数が3(リプレイ当選可能な状態は3枚賭けであるため)加算される旨を示すBETコマンドが生成され(S15)、RAM41cの特別ワークに設けられた通常コマンド用送信バッファに一時格納され、タイマ割込処理(メイン)において送信される。
【0063】
S16では、BETカウンタの値を1加算し、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16をBETカウンタの値に応じて点灯させ(S17)、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数(ここでは3)であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し(S18)、BETカウンタの値が規定数でなければS16に戻る。S16~S18をBETカウンタの値が規定数になるまで繰り返すことで、遊技用価値を消費することなく次のゲームが開始可能となるように自動で賭数が設定される(自動BET処理)。また、S16~S18を繰り返すことで、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16が順番に点灯することとなる。なお、1BETLED14~3BETLED16は、BETカウンタの値が規定数となった後に、順番に点灯されてもよい。
【0064】
また、メイン制御部41は、リプレイ入賞後における賭数の設定が完了した後に、リプレイ中LED20、および、スタート有効LED18(ウェイト中はウェイト中LED19)を点灯させる処理を実行する。
【0065】
すなわち、投入口センサ26がメダルを検出する度にタイマに所定期間(T)が設定され、タイマが0になるまで自動BET処理は行われない。たとえば、投入口140aに複数枚のメダルが連続して投入された場合、投入口センサ26がメダルを検出する度にタイマに所定期間(T)が設定されるため、最後に投入されたメダルを投入口センサ26が検知してから所定期間(T)が経過するまで自動BET処理は行われない。
【0066】
メイン制御部41のRAMの所定領域において格納されるクレジットの値であるクレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定する(S19)。
【0067】
S19において上限値であると判定されたときには、メダルの投入不可を示す投入不可フラグをメイン制御部41のRAM41cに設定し(S20)、S22に進む。S19において上限値でないと判定されたとき、つまりクレジット投入が可能であると判定されたときには、S21に進む。なお、S12においてリプレイゲームでないと判定された場合にはそのままS21に進む。S21においては、投入待ち前の設定を行ってS22に進む。投入待ち前の設定では、メイン制御部41のRAMに設定されている投入不可フラグをクリアし、メダルの投入が可能な状態とする。このため、リプレイ入賞後においては、賭数の設定が完了する前であって投入待ち前の設定が未だ行われていないときに投入されたメダルを受付けず、賭数の設定が完了して投入待ち前の設定が行われてから投入されたメダルを有効に受付けてクレジット加算されることになる。メイン制御部41は、S21において投入待ち前の設定が行われて投入不可フラグをクリアされた後に、投入要求LED17を点灯させ、賭数を設定することが可能な場合にはBETスイッチ有効LED21を点灯させる処理を実行する。
【0068】
S22では、メイン制御部41のRAMに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する。S22においてメダルの投入が可能な状態であると判定された場合には、流路切替ソレノイド30をonの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側の経路としてメダルの投入が可能な状態とし(S23)、S25に進み、メダルの投入が可能な状態でないと判定された場合には、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(S24)、S25に進む。
【0069】
S25においては、設定キースイッチ37がonの状態か否かを判定し、設定キースイッチ37がonであれば、BETカウンタの値が0か否かを判定する(S26)。S26においてBETカウンタの値が0であれば、確認開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(S27)、設定確認処理(S28)、すなわち設定確認状態に移行する。S27で設定された確認開始コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。また、S28における設定確認処理が終了した後は、S22に戻る。S25において設定キースイッチ37がonではない場合またはS26においてBETカウンタの値が0ではない場合には、S30に進む。
【0070】
S30では、投入メダルセンサ31により投入メダルの通過が検出されたか否か、すなわち投入メダルの通過が検出された旨を示す投入メダルフラグの有無を判定する。S30において投入メダルの通過が検出されていなければ、S45に進み、投入メダルの通過が検出されていれば、投入メダルフラグをクリアし(S31)、メイン制御部41のRAMに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定し(S32)、メダルの投入が可能な状態でなければS45に進む。
【0071】
S32においてメダルの投入が可能な状態であれば、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定し(S33)、BETカウンタの値が規定数でなければ、賭数が1加算される旨を示すBETコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(S34)、BETカウンタの値を1加算する(S35)。S36において1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を投入されたメダルの枚数に応じて点灯させる処理を実行し、S22に戻る。S34で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
【0072】
S33においてBETカウンタの値が規定数であれば、S40において、現在のクレジットカウンタの値を示すクレジットコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し、S41においてメイン制御部41のRAMにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算する。S40で設定されたクレジットコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
【0073】
S42においては、クレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かが判定される。クレジットカウンタの値が50でなければ、S22に戻り、クレジットカウンタの値が50であれば、S43において投入不可フラグをメイン制御部41のRAMに設定しS22に戻る。
【0074】
S45では、スタートスイッチ7の操作が検出されているか否か、すなわちスタートスイッチ7の立上りを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。さらに立上りエッジは、いずれかのスイッチがONに変化し、かつ全てのスイッチがOFFである場合にのみ設定されるので、S45では、いずれかのスイッチがONに変化したか否かに加えて他のスイッチがOFFであるかどうかについても判定されることとなる。
【0075】
S45においてスタートスイッチ7の操作が検出されていないと判定された場合、またはスタートスイッチ7が操作されたものの他のスイッチも操作されている場合には、S50に進み、スタートスイッチ7の操作が有効に検出されていれば、S46に進み、立上りエッジをクリアする。また、S47では、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定する。
【0076】
S47においてBETカウンタの値が規定数でなければ、S22に戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、S48において、投入不可フラグをメイン制御部41のRAMに設定するとともに、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し、S49において、ゲーム開始時の設定を行う。これにより、ゲームが開始されてから当該ゲームが終了して、次のゲーム以降のBET処理におけるS21において投入待ち前の設定が行われるまではメダルを投入しても受付けられず、メダル払出口9から排出されることになる。また、S49において、遊技補助表示器12の表示がリセットされる。そして、S49の後、BET処理を終了して図8のS2に進む。
【0077】
S50においては、1枚BETスイッチ5の操作が検出されているか否か、すなわち1枚BETスイッチ5の立上りを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。S50において1枚BETスイッチ5の操作が検出されていなければ、S51に進み、1枚BETスイッチ5の操作が検出されていれば、図11のS65に進み、立上りエッジをクリアする。
【0078】
S66においては、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する。S66においてBETカウンタの値が規定数であればS22に戻り、BETカウンタの値が規定数でなければ、S67においてクレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する。S67においてクレジットカウンタの値が0であればS22に戻る。S67においてクレジットカウンタの値が0でなければ、S68において、賭数が1加算される旨を示すBETコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定する。また、S69においては、クレジットカウンタの値を1減算し、S70においては、BETカウンタの値を1加算し、S71においては、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を投入されたメダルの枚数に応じて点灯させる処理を実行してS22に戻る。S68で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
【0079】
S51においては、MAXBETスイッチ6の操作が検出されているか否か、すなわちMAXBETスイッチ6の立上り示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。S51においてMAXBETスイッチ6の操作が検出されていなければ、S52に進み、MAXBETスイッチ6の操作が検出されていれば、図11のS75に進み、立上りエッジをクリアする。
【0080】
S76においては、メイン制御部41のRAMに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する。S76においてBETカウンタの値が規定数であれば、S80に進み、BETカウンタの値が規定数でなければ、S77においてクレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する。S77においてクレジットカウンタの値が0であれば、S80に進む。S77においてクレジットカウンタの値が0でなければ、S78において、クレジットカウンタの値を1減算し、S79において、BETカウンタの値を1加算して、S76に戻る。
【0081】
S80では、BETカウンタが加算されたか否かを判定し、BETカウンタが加算されていなければS22に戻る。一方、BETカウンタが加算されていれば、S81において加算された数分賭数が加算された旨を示すBETコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し、S82において、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を投入されたメダルの枚数に応じて点灯させる処理を実行して、S22に進む。S81で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
【0082】
ここで、前のゲームでリプレイに入賞し、リプレイフラグが設定されている場合(S12でY)、S16~S18を繰り返し、自動で賭数が規定数まで設定される。そのため、1枚BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6が操作された場合であっても、BETカウンタが規定数に達しているため(S66でY,S76でY)、賭数は設定されない。また、メダルが投入口140aから投入された場合であっても、BETカウンタが規定数に達しているため(S33でY)、賭数は設定されずに、クレジットカウンタに1加算される。
【0083】
すなわち、前のゲームでリプレイに入賞していない場合に、RAM41cに記憶されている遊技用価値を用いた賭数の設定処理や、投入口140aから投入された遊技者所有のメダルを用いた賭数の設定処理が行なわれる。
【0084】
S52においては、精算スイッチ10の操作が検出されているか否か、すなわち精算スイッチ10の立上りを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。S52において精算スイッチ10の操作が検出されていなければS22に戻り、精算スイッチ10の操作が検出されていれば、S53に進み、立上りエッジをクリアする。S54においては、メイン制御部41のRAMにリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次のゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する。
【0085】
S54においてリプレイゲームであると判定されなかったときには、S56においてBETカウンタの値が0か否かを判定し、BETカウンタの値が0でなければS57に進み、ホッパーモータを駆動してBETカウンタに格納された値分のメダルを遊技者の手元に返却する制御(すなわち賭数の設定に用いられたメダルを返却するとともにBETカウンタの値を0にする制御)が行われるとともに、メダルの返却開始および賭数精算を通知する返却開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定するための賭数精算処理を行う。S57における賭数精算処理の後、S58において、メイン制御部41のRAMに設定されている投入不可フラグをクリアしてS22に戻る。これにより、リプレイ入賞後ではなく賭数が設定されている状態で精算スイッチ10の操作により賭数精算が行われる際には、サブ制御部91側において、賭数精算中である旨が表示されるとともに、賭数精算に対応する音が出力される。
【0086】
これに対し、S54においてリプレイゲームであると判定されたときや、S56においてBETカウンタの値が0であると判定されたときには、S59において、ホッパーモータを駆動してクレジットカウンタに格納された値分のメダルを遊技者の手元に返却する制御(すなわちクレジットとして記憶されているメダルを返却するとともにクレジットカウンタの値を0にする制御)が行われるとともに、メダルの返却開始を通知するとともに、リプレイゲームにおけるクレジット精算であるか賭数が設定されていないときにおけるクレジット精算であるかを通知する返却開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定するための賭数精算処理を行う。S57における賭数精算処理の後、S58において、メイン制御部41のRAMに設定されている投入不可フラグをクリアしてS22に戻る。これにより、リプレイ入賞において精算スイッチ10の操作により精算が行われる際には、賭数精算が行われることなくクレジット精算のみが行われ、かつ、サブ制御部91側においては、リプレイ入賞後におけるクレジット精算中である旨が表示されるとともに、リプレイ入賞後におけるクレジット精算に対応する音が出力される。また、BETカウンタの値が0であるときにおける精算スイッチ10の操作により精算が行われる際には、サブ制御部91側において、BETカウンタの値が0であるときのクレジット精算中である旨が表示されるとともに、BETカウンタの値が0であるときのクレジット精算に対応する音が出力される。
【0087】
[入賞判定処理]
図13は、入賞判定処理の制御内容を示すフローチャートである。まず、メイン制御部41は、最後に押されたストップスイッチが離されたか否かを判定する(S410)。最後に押されたストップスイッチが離されたか否かは、リール回転処理において最後に操作されたストップスイッチの状態がon状態からoff状態に切り替わったか否かに基づいて判断される。このとき、onからoffに切替わったか否かは、offからonに切替わったことを検出した後、続けてonであることを検出したか否かに基づいて判断される。なお、一度onからoffに切替わった後、再度offからonに切替わった場合については、最後に押されたストップスイッチは離されたと判断されるものとする。メイン制御部41は、最後に押されたストップスイッチがまだ離されていないと判断した場合は、最後に押されたストップスイッチが離されるまで待機する。
【0088】
最後に押されたストップスイッチが離されたと判断されると、メイン制御部41は、S412において、小役に入賞しているか否かを判定する。具体的には、入賞ラインLN上に小役に対応する図柄の組合わせが導出されているか否かに基づいて判定する。
【0089】
小役に入賞している場合(S412においてY)、付与カウンタに入賞に応じたメダルの払出枚数を設定し(S414)、入賞に応じたメダルの払い出しが発生する旨を示す払出コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(S416)、処理を終了する。S416において設定された払出コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に対して送信される。
【0090】
小役に入賞していない場合(S412においてN)、リプレイに入賞しているか否かを判定する(S420)。リプレイに入賞している場合(S420においてY)、リプレイゲームフラグをメイン制御部41のRAM41cに設定し(S422)、リプレイゲームが付与された旨を示すリプレイコマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(S424)、処理を終了する。S424において設定されたリプレイコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に対して送信される。また、リプレイに入賞していない場合(S420においてN)、処理を終了する。
【0091】
[払出処理]
図14は、払出処理の制御内容を示すフローチャートである。メイン制御部41は、付与カウンタが0であるか否かを判定し(S510)、付与カウンタの値が0になるまで、S512~S520の処理を繰り返し、付与カウンタの値が0となったら、つまり、入賞の発生により付与される遊技用価値がクレジットに加算されるか、あるいは、払い出されたら、図8に示すS6のゲーム終了時処理に移行する。
【0092】
S512においては、クレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かが判定される。クレジットカウンタの値が50でなければ、クレジットカウンタに1加算され(S514)、付与カウンタが1減算され(S518)、遊技補助表示器12の表示が更新される(S520)。クレジットカウンタの値が50であれば、メダル払出口9からメダルを1枚払い出す1枚払出処理(S516)が行なわれ、付与カウンタが1減算され(S518)、遊技補助表示器12の表示が更新される(S520)。遊技補助表示器12の表示は付与カウンタが1減算されるごとに1加算されるように表示が更新される。
【0093】
[付与演出]
入賞判定処理においては、最終停止操作が離された後、払出コマンドが設定される。設定された払出コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に送られる。サブ制御部91は、メイン制御部41から送られる払出コマンドに基づいて、遊技用価値が付与されることを示唆する付与演出を実行する。たとえば、サブ制御部91は、液晶表示器51に「GET」という付与画像51aを表示することで(図17参照)、遊技用価値が付与されることを遊技者に示唆する。
【0094】
なお、付与演出は、液晶表示器51に付与画像51aを表示する演出に限らず、スピーカ53から「GET」という音を出力したり、リールLEDを点灯させたり、また、透視窓3が透過型の液晶表示器から構成されているような場合には当該液晶表示器に画像を表示したりしてもよい。
【0095】
[リプレイ入賞時の制御]
図15および図16は、リプレイ入賞時の制御について説明するための図である。図15においては、リプレイに入賞した後、投入口140aからメダルが投入されることなく自動BET処理が行なわれたものとする。一方、図16においては、リプレイに入賞して自動で賭数が設定されるまでの間に投入口140aからメダルが投入されたものとする。また、図9~11に示したBET処理をメイン制御部41が実行することで図15および図16に示すタイミングで遊技が進行する。
【0096】
(メダルの投入がされなかった場合)
図15を参照して、リプレイに入賞した後、投入口140aからメダルが投入されることなく自動BET処理が行なわれたときについて説明する。タイミングtで最終停止操作がされて全てのリール2L,2C,2Rが停止したものとする。その後、タイミングtで遊技者が最終停止操作において操作したストップスイッチ(図15においてはストップスイッチ8R)を離したものとする。その後、投入口140aからメダルが投入されなかった場合(投入口センサ26がONとならなかった場合)、最終停止操作において操作したストップスイッチが離されたタイミングtから期間Tが経過したタイミングtで自動BET処理が実行されて、BETカウンタの値が規定数(本実施の形態においては3)になるまで加算される(タイミングt,t図9のS16~S18)。このとき、1BETLED~3BETLEDが、BETカウンタの値が加算される毎に順番に点灯する。BETLEDが点灯した後のタイミングtで流路切替ソレノイド30がONとなり(図9のS23)、メダルを投入してクレジット加算ができるようになる。なお、図15においては、クレジットカウンタが上限値(50)に達していないものとする。
【0097】
(メダルの投入がされた場合)
図16を参照して、リプレイに入賞して自動で賭数が設定されるまでの間に投入口140aからメダルが投入された場合について説明する。なお、図16中のタイミングt~tは、図15中のタイミングt~tと同じ時間であるとする。すなわち、図16中のタイミングtは、メダルが投入口140aから投入されていなければ、本来自動BET処理が開始されているタイミングに相当する。
【0098】
図16においては、本来自動BET処理が開始されているタイミングtより前のタイミングt21において、投入口140aからメダルが3枚連続して投入されたものとする。3枚連続して投入し終わったタイミングt22においては、図16(a)に示すように、メダルセレクタ29内にメダルがまだ滞留している。投入口センサ26が最後にメダルを検知したタイミングt22から所定期間(T)経過したタイミングt23において、タイマは0となる。このとき、最後に投入されたメダルは、図16(b)に示すように、メダルセレクタ29の流路切替板147を通過しきっている。その後、投入口センサ26が最後にメダルを検知したタイミングt22から所定期間(T)経過したタイミングt23において、自動BET処理が行なわれ、BETカウンタの値が規定数(本実施の形態においては3)になるまで加算されるとともに、1BETLED14~3BETLED16が順に点灯する(タイミングt24,t25図9のS16~S18)。BETLEDが点灯した後のタイミングt26で流路切替ソレノイド30がONとなり(図9のS23)、メダルを投入してクレジット加算ができるようになる。
【0099】
なお、図15および図16においては、リプレイに対応する表示結果が導出されたタイミングt以降であり最後に操作されたストップスイッチへの操作が離されたタイミングtからメダルの投入が検知されなければ自動BET処理が行なわれるタイミングtまでの期間を期間Tとした。期間Tは、リプレイに対応する表示結果が導出されてからメダルが投入されなければ本来自動BET処理が開始しているまでの期間であればよく、期間Tは、リプレイに入賞した全てのゲームで共通した時間ではなく、入賞判定処理が行なわれてからBET処理が行なわれるまでの間の処理内容や、全リール2L,2C,2Rが停止したタイミングによって変動する期間である。
【0100】
[小役入賞時の制御]
図17は、小役入賞時の制御について説明するための図である。図17においては、スタートスイッチ7が操作されて行なわれた内部抽選処理において、9枚のメダルの払い出しが発生する小役に当選したものとする。図17(a)に示すように、第3停止操作が行われ、全リール2L,2C,2Rが停止すると小役に対応する表示結果が導出されたものとする。図17(a)に示すタイミングでは、遊技者は最後に操作したストップスイッチ8Rをまだ押下している(表示結果を導出するための最終停止操作をまだ完了していない)ものとする。また、表示結果を導出するための最終停止操作が完了していない段階では、入賞判定処理が進まないため(図13参照)、払出コマンドはサブ制御部91にまだ送られていない。また、払出処理もおこなわれていないため、遊技補助表示器12の表示は更新されない。なお、遊技補助表示器12の表示は、スタートスイッチ7が操作されてゲーム開始時の設定が行なわれたときに(図10のS49)クリアされる。
【0101】
図17(b)に示すように、遊技者は最後に操作したストップスイッチ8Rを離し(表示結果を導出するための最終停止操作を完了する)、入賞判定処理が進んだ後、払出コマンドが送信されると、図17(c)に示すように、サブ制御部91は付与演出を実行して液晶表示器51に付与画像51aを表示する。また、払出コマンドが設定された後、払出処理が行なわれると1枚ずつメダルの払い出しがされ、遊技補助表示器12の表示が更新される。具体的には、図17(c)に示すように遊技補助表示器12に1枚の払い出しが行なわれたことを示す「1」が表示される。また、図示していないものの、クレジット表示器11についても、クレジットカウンタが加算される度に(図14のS514)、その表示が更新される。
【0102】
図17においては9枚の払い出しが発生するため、「1」→「2」→・・・「9」という順で遊技補助表示器12の表示が更新され、図17(d)に示すように、払出処理が完了すると遊技補助表示器12に9枚の払い出しが行なわれたことを示す「9」が表示される。
【0103】
なお、メダルの払い出しが完了した後に、クレジット表示器11および遊技補助表示器12の表示を更新する構成であってもよく、この場合に1ずつ加算して途中経過を表示するように更新せずに、更新前の表示から一括で最終的な更新結果が表示されるように更新してもよい。
【0104】
また、図13および図14に示すように、入賞判定処理および払出処理は投入口140aからのメダルが投入されたか否かに関わらず(投入口センサ26がメダルの通過を検知したか否かに関わらず)、進む処理である。そのため、図17に示すように、遊技補助表示器12に表示される付与されたメダルの枚数は、メダルが投入されたか否かに関わらず更新される。
【0105】
[変形例]
(小役入賞時の制御)
本実施の形態において、小役入賞時の制御として、メダルが投入されたか否か(投入口センサ26がメダルの通過を検知したか否か)に関わらず入賞判定処理および払出処理が行なわれるものとした。なお、メイン制御部41は、払出処理が行なわれる前に投入口センサ26がメダルの投入を検知した場合に、払出処理を所定期間(T)待機するようにしてもよい。すなわち、投入口センサ26が検知される度にタイマに所定期間(T)がセットされ、タイマが0となっていることを条件に、メイン制御部41は、払出処理を行うようにしてもよい。
【0106】
なお、複数枚の払い出しが発生する場合に、タイマが0となっていることを条件に1枚の払い出しを行い、1枚払い出す度にタイマが0になるまでその払い出しを待機するようにしてもよい。また、払い出しが開始されてからは、メダルが投入されたか否か(投入口センサ26がメダルの通過を検知したか否か)に関わらず払い出しを継続するようにしてもよい。
【0107】
すなわち、小役に対応する表示結果が導出されてからメダルの投入を検知されなければメダルが払い出されるまでの期間に、投入口センサ26がメダルの投入を検知しなければ所定期間(T)を待つことなく払出処理が行なわれる。一方、小役に対応する表示結果が導出されてからメダルの投入を検知されなければメダルが払い出されるまでの期間に、投入口センサ26がメダルの投入を検知すると、投入口センサ26がメダルの投入を検知してから所定期間(T)経過するまでの間に再度メダルの投入が検知されないことを条件に払出処理が行なわれる。
【0108】
なお、小役に対応する表示結果が導出されてからメダルの投入を検知されなければメダルが払い出されるまでの期間は、払い出しが発生する表示結果が導出された全てのゲームで共通する期間ではなく、最終停止操作を完了したタイミング(ストップスイッチを離したタイミング)や、ゲームごとに行われる演出などによって変動する期間である。
【0109】
(所定期間)
本実施の形態において、所定期間(T)は、投入口センサ26が検知したメダルが、投入口センサ26に検知されてから流路切替板147を通過しきるまでに要する時間である。なお、所定期間(T)は、投入口センサ26に検知されてから流路切替板147を通過しきるまでに要する時間よりも長いことが好ましいものの、流路切替板147を通過しきるまでに要する時間よりも短い時間であってもよい。また、所定期間は予め定められた期間としたが、たとえば、メダル流下通路133からメダル払出口9に向かう通路にメダルの通過を検出する排出センサを設け、メダルが投入口センサ26により検出されてから、そのメダルが排出センサにより検出されるまでの期間を所定期間としてもよい。
【0110】
(自動BET処理中にメダルが投入された場合)
本実施の形態において、自動BET処理が開始すると、自動BET処理中(S16~S18の繰り返し中)にメダルの投入を投入口センサ26が検知しても自動BET処理は継続する。なお、自動BET処理中にメダルの投入を投入口センサ26が検知した場合に、BETカウンタの加算を所定期間(T)待機するようにしてもよい。すなわち、「自動で賭数を設定する」とは、1枚設定することと、規定枚数設定することとを含む概念である。
【0111】
(自動BET処理前から自動BET処理が完了するまでに投入されたメダル)
本実施の形態において、リプレイに対応する表示結果が導出してから自動BET処理が終わるまでに投入されたメダルはメダル払出口9から排出されるものとした。なお、投入したメダルをクレジットに加算するようにしてもよい。すなわち、リプレイに対応する表示結果が導出してから自動BET処理が終わるまでに投入されたメダルをスロットマシン1の外部に排出するのではなく、内部に貯留させるようにしてもよい。
【0112】
この場合に、所定期間(T)を投入口センサ26がメダルを検知してから、投入メダルセンサ31がメダルを検知するまでに要する時間としてもよい。
【0113】
(各処理について)
図9図14に示した各種処理は、本願発明を実現するための一例であって、処理の順番や、処理方法はこれに限られない。
【0114】
(設定された賭数を報知する手段)
本実施の形態において、設定された賭数を報知する手段の一例として、メイン制御部41に制御される1~3BETLED14~16を例に挙げたが、サブ制御部91に制御される各種LEDや、液晶表示器51によって設定された賭数を報知するような構成であってもよい。
【0115】
[まとめ]
上記の実施の形態および変形例は以下のような開示を含む。
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(たとえば、リール2L,2C,2R)を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技媒体が投入される投入口(たとえば、投入口140a)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検知する検知手段(たとえば、投入口センサ26)と、
前記投入口から投入された遊技媒体にもとづいて賭数の設定に使用可能な遊技用価値を記憶する遊技用価値記憶手段(たとえば、クレジットカウンタが格納されたRAM41c)と、
次のゲームが開始可能となるように賭数を設定する賭数設定手段(たとえば、BET処理を行うメイン制御部41)とを備え、
前記賭数設定手段は、
再遊技表示結果(たとえば、図7(a)、(b)に示すリプレイに対応する表示結果)が導出されなかった場合に、前記投入口から投入された遊技媒体または遊技用価値を用いて賭数を設定する第1賭数設定処理を行う第1賭数設定手段(たとえば、図10のS33~S34,図11のS65~S70,S75~S79を実行するメイン制御部41)と、
再遊技表示結果が導出された場合に、遊技用価値を消費することなく次のゲームが開始可能となるように自動で賭数を設定する第2賭数設定処理を行う第2賭数設定手段(たとえば、図9のS16~S18)とを含み、
前記第2賭数設定手段は、
再遊技表示結果が導出されてから自動で賭数を設定するまでの間(たとえば、図15に示す期間T)に前記検知手段によって遊技媒体が検知されなかった場合に前記第2賭数設定処理を行い(たとえば、図15に示すように、期間Tで投入口センサ26がONとならなければ、タイミングtで自動BET処理が行なわれる)、
再遊技表示結果が導出されてから自動で賭数を設定するまでの間に前記検知手段によって遊技媒体が検知された場合に前記第2賭数設定処理を行うことなく、当該遊技媒体が検知されてからの所定期間(たとえば、T)中に前記検知手段により再度の遊技媒体の検知がされていないことを条件に(たとえば、タイマが0になったときに自動BET処理が行なわれる(図9のS14でY))前記第2賭数設定処理を行う(たとえば、図16に示すように、期間Tで投入口センサ26がONとなった場合、最後にメダルが検知されてからT後のタイミングt23で自動BET処理が行なわれる)。
【0116】
具体的には、図15に示すように、リプレイに対応する表示結果が導出された以降のタイミングtから自動BET処理が行なわれるタイミングtまでの期間Tにおいて投入口センサ26がメダルの投入を検知しなければ、所定期間(T)を待たずに自動BET処理が行なわれる。一方、図16に示すように、リプレイに対応する表示結果が導出された以降のタイミングtから、メダルの投入が検知されなければ自動BET処理が行なわれるタイミングtまでの期間Tにおいて投入口センサ26がメダルの投入を検知すると、投入口センサ26がメダルの投入を検知してから所定期間(T)経過するまでの間に再度メダルの投入が検知されないことを条件に自動BET処理が行なわれる。
【0117】
すなわち、リプレイに対応する表示結果である再遊技表示結果が導出されてから、メダルを投入口140aから投入した場合に、メダルを最後に投入してから所定期間(T)経過してから自動BET処理が行なわれる。そのため、自動で賭数が設定される前にメダルを投入した場合に、その後に自動で設定された賭数が遊技者自身で投入したメダルによるものであると誤認されてしまうことを防止することができる。つまり、設定された賭数がどのように設定された賭数であるのかが分かり易い。
【0118】
特に、再遊技表示結果が、図7(b)に示すように、入賞ラインLNおよび無効ラインLM1~LM4(図1参照)のいずれにもリプレイ図柄が揃わないような表示結果である場合、遊技者は、リプレイに入賞しているのか否かを導出された表示結果から認識することが困難である。るまり、再遊技表示結果が、リールに跨るいずれのラインにも同一または類似の図柄が導出されない表示結果である場合は、設定された賭数が自動で設定されたものなのか、或いは、遊技者が自分でメダルを投入して設定したものなのか、より判別しにくくなる。リプレイに入賞していることを表示結果から判別しにくいような場合に、本願発明のように、メダルを最後に投入してから所定期間(T)経過してから自動BET処理が行なわれることで、誤認が生じやすい中で、その誤認を生じにくくすることができる。
【0119】
ここで、「再遊技表示結果が導出されてから」とは、全リール2L,2C,2Rが停止したことを条件に起算されるものでもよく、また、再遊技表示結果を導出するための操作が完了したこと(具体的には、最後に操作したストップスイッチを離してから)を条件に起算されるものでもよく、また、2つのことが完了したこと(リールの停止と操作の完了)を条件に起算されるものでもよい。
【0120】
(2) (1)に記載のスロットマシンにおいて、
前記投入口から投入された遊技媒体の流下経路を外部に排出する排出側経路または内部に取り込む取込側経路に切り替える経路切替手段(たとえば、流路切替板147、流路切替ソレノイド30)をさらに備え、
前記検知手段は、前記投入口と前記経路切替手段との間の経路に設けられている。
【0121】
具体的には、図4に示すように、投入口センサ26は投入口140aと流路切替板147との間のメダル流下通路133に設けられている。
【0122】
つまり、自動BET処理が行なわれる前に投入口140aから投入されたメダルの流下経路をスロットマシン1の外部に排出する側の経路と、内部に取込む経路とに切り替えることができ、メダルの排出と取込とを好適に行うことができる。
【0123】
(3) (2)に記載のスロットマシンにおいて、
前記経路切替手段は、前記第2賭数設定手段が自動で賭数を設定してから、遊技媒体の流下経路を前記排出側経路から前記取込側経路に切り替え(たとえば、図9のS16~S18の自動BET処理後にS21において投入不可フラグがクリアされて、ステップS23において流路切替ソレノイドがon状態となる)、
前記所定期間は、前記投入口から投入された遊技媒体が前記検知手段により検知されてから(たとえば、図16のタイミングt22)、当該遊技媒体が前記経路切替手段を超えて前記排出側経路に導かれるまで(たとえば、図16のタイミングt23)に要する期間である。
【0124】
具体的には、図16に示すように、所定期間(T)は、投入口センサ26がメダルを検知したタイミングt22から、最後のメダルが流路切替板147を超えた(図16(b)参照)タイミングt23までの期間である。また、図9のS21まで流路切替ソレノイドはoff状態になっており、S21で投入不可フラグがクリアされて、S23で流路切替ソレノイドがon状態に切り替わる。すなわち、自動BET処理が終わるまでは、メダルの流下経路はメダル払出口9に向かう経路であり、自動BET処理が終わった後にメダルの流下経路がホッパータンク34aに向かう経路に切り替わる。
【0125】
つまり、メダルが流路切替板147を完全に超えて、メダル流下通路133内にメダルが滞留していない状態で自動BET処理が行なわれ、その後に自動BET中はoff状態の流路切替ソレノイド30がon状態に切り替わり、メダルの流下経路が切り替わる。その結果、メダルの流下経路が切り替わるタイミングにおいて、メダルが流路切替板147近傍に位置している虞がなく、それにより、メダルが流路切替板147に挟まれて、メダルがメダルセレクタ内で詰まってしまうことを防止することができる。
【0126】
(4) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部たとえば、リール2L,2C,2R)を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技媒体が投入される投入口(たとえば、投入口140a)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検知する検知手段(たとえば、投入口センサ26)と、
前記投入口から投入された遊技媒体にもとづいて賭数の設定に使用可能な遊技用価値を記憶する遊技用価値記憶手段(たとえば、クレジットカウンタが格納されたRAM41c)と、
次のゲームが開始可能となるように賭数を設定する賭数設定手段(たとえば、BET処理を行うメイン制御部41)と、
前記賭数設定手段が設定した賭数を報知する報知手段(たとえば、1~3BETLED14~16)とを備え、
前記報知手段は、
第1値の賭数が設定されていることを報知する第1報知手段(たとえば、1BETLED14)と、
前記第1値よりも大きな第2値の賭数が設定されていることを報知する第2報知手段(たとえば、2BETLED15)と、
前記第2値よりも大きな第3値の賭数が設定されていることを報知する第3報知手段(たとえば、3BETLED16)とを含み、
前記第2賭数設定手段が賭数を設定した場合に、前記第1報知手段、前記第2報知手段、前記第3報知手段の順で報知を開始し(たとえば、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16の順で点灯させる)、
前記賭数設定手段は、
再遊技表示結果(たとえば、図7(a)、(b)に示すリプレイに対応する表示結果)が導出されなかった場合に、前記投入口から投入された遊技媒体または遊技用価値を用いて賭数を設定する第1賭数設定処理を行う第1賭数設定手段(たとえば、図10のS33~S34,図11のS65~S70,S75~S79を実行するメイン制御部41)と、
再遊技表示結果が導出された場合に、遊技用価値を消費することなく次のゲームが開始可能となるように自動で賭数を設定する第2賭数設定処理を行う第2賭数設定手段(たとえば、図9のS16~S18)とを含み、
前記第2賭数設定手段は、
再遊技表示結果が導出されてから前記第1報知手段による賭数の報知が開始するまでの間(たとえば、図15のタイミングt~タイミングtの間)に前記検知手段によって遊技媒体が検知されなかった場合に前記第2賭数設定処理を行い(たとえば、図15に示すように、タイミングt~タイミングtに含まれる期間Tで投入口センサ26がONとならなければ、タイミングtで自動BET処理が行なわれる)、
再遊技表示結果が導出されてから前記第1報知手段による賭数の報知が開始するまでの間に前記検知手段によって遊技媒体が検知された場合に前記第2賭数設定処理を行うことなく、当該遊技媒体が検知されてからの所定期間(たとえば、T)中に前記検知手段により再度の遊技媒体の検知がされていないことを条件に(たとえば、タイマが0になったときに自動BET処理が行なわれる(図9のS14でY))前記第2賭数設定処理を行う(たとえば、図16に示すように、タイミングt~タイミングtに含まれる期間Tで投入口センサ26がONとなった場合、最後にメダルが検知されてから所定期間T経過後のタイミングt23で自動BET処理が行なわれる)。
【0127】
具体的には、図9に示すように、1~3BETLED14~16は、BETカウンタが自動で加算される度に順次点灯する。また、自動BET処理は、リプレイに対応する表示結果が導出されてから自動で賭数が設定されるまでの間に投入口センサ26がメダルの投入を検知すると、投入口センサ26がメダルの投入を検知してから所定期間(T)経過するまでの間に再度メダルの投入が検知されないことを条件に賭数が自動で設定されるとともに、1~3BETLED14~16が点灯する。
【0128】
自動BET処理は、メイン制御部41が実行する処理であって、その処理の結果、設定された賭数が1~3BETLED14~16の点灯により報知される。すなわち、遊技者は、1~3BETLED14~16の点灯により自動BET処理が行なわれたことを認識することができる。
【0129】
すなわち、リプレイに対応する表示結果が導出されてから自動で賭数が設定されるまでの期間を遊技者の目線で表現すると、図15に示すように、リプレイに対応する表示結果が導出されたタイミングtから1BETLED14が点灯するまでの間に投入口センサ26がメダルの投入を検知しなければ、所定期間(T)を待たずに自動BET処理が行なわれる。
【0130】
一方、図16に示すように、リプレイに対応する表示結果が導出されたタイミングtから1BETLED14が点灯するまでの間に投入口センサ26がメダルの投入を検知すると、投入口センサ26がメダルの投入を検知してから所定期間(T)経過するまでの間に再度メダルの投入が検知されないことを条件に自動BET処理が行なわれる。
【0131】
そのため、自動で賭数が設定される前にメダルを投入した場合に、その後に自動で設定された賭数が遊技者自身で投入したメダルによるものであると誤認されてしまうことを防止することができる。
【0132】
(5) (1)~(4)のうちのいずれかに記載のスロットマシンにおいて、
再遊技表示結果が導出されてから前記第2賭数設定手段による賭数の設定が終了するまでの間に前記検知手段によって検知された遊技媒体は、外部に排出される(たとえば、図16に示すように、自動BET処理が終了した以降のタイミングt26までは流路切替ソレノイドがoff状態であり、投入口140aから投入されたメダルはメダル払出口9から外部に排出される)。
【0133】
具体的には、図10のS48において、投入不可フラグをメイン制御部41のRAMに設定するとともに、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し、S49において、ゲーム開始時の設定を行う。その後、次のゲーム以降のBET処理におけるS21(図9参照)において投入待ち前の設定が行われるまではメダルを投入しても受付けられず、メダル払出口9から排出されることになる。また、図9に示すように、S21における投入待ち前の設定は、自動BET処理が行なわれた以降に行われる。すなわち、リプレイに対応する表示結果が導出されてから自動BET処理が完了するまでの間に投入口140aから投入されたメダルは受付けられず、メダル払出口9から排出されることになる。
【0134】
そのため、自動で賭数が設定されたときに、その前に投入したメダルはメダル払出口9から排出されているため、そのメダルにより賭数が設定されたと誤認されてしまうことを防止することができる。
【0135】
(6) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(たとえば、リール2L,2C,2R)を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技媒体が投入される投入口(たとえば、投入口140a)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検知する検知手段(たとえば、投入口センサ26)と、
前記投入口から投入された遊技媒体にもとづいて賭数の設定に使用可能な遊技用価値を記憶する遊技用価値記憶手段(たとえば、クレジットカウンタが格納されたRAM41c)と、
次のゲームが開始可能となるように賭数を設定する賭数設定手段(たとえば、BET処理を行うメイン制御部41)と、
付与表示結果(たとえば、図7(c)、(d)に示す小役に対応する表示結果)が導出された場合に、遊技用価値を付与する付与処理を行う付与手段(たとえば、払出処理を実行するメイン制御部41)とを備え、
前記賭数設定手段は、
再遊技表示結果(たとえば、図7(a)、(b)に示すリプレイに対応する表示結果)が導出されなかった場合に、前記投入口から投入された遊技媒体または遊技用価値を用いて賭数を設定する第1賭数設定処理を行う第1賭数設定手段(たとえば、図10のS33~S34,図11のS65~S70,S75~S79を実行するメイン制御部41)と、
再遊技表示結果が導出された場合に、遊技用価値を消費することなく次のゲームが開始可能となるように自動で賭数を設定する第2賭数設定処理を行う第2賭数設定手段(図9のS16~S18)とを含み、
前記第2賭数設定手段は、
再遊技表示結果が導出されてから自動で賭数を設定するまでの間(たとえば、図15に示す期間T)に前記検知手段によって遊技媒体が検知されなかった場合に前記第2賭数設定処理を行い(たとえば、図15に示すように、期間Tで投入口センサ26がONとならなければ、タイミングtで自動BET処理が行なわれる)、
再遊技表示結果が導出されてから自動で賭数を設定するまでの間に前記検知手段によって遊技媒体が検知された場合に前記第2賭数設定処理を行うことなく、当該遊技媒体が検知されてからの所定期間(たとえば、T)中に前記検知手段により再度の遊技媒体の検知がされていないことを条件に(たとえば、タイマが0になったときに自動BET処理が行なわれる(図9のS14でY))前記第2賭数設定処理を行い(たとえば、図16に示すように、期間Tで投入口センサ26がONとなった場合、最後にメダルが検知されてからT後のタイミングt23で自動BET処理が行なわれる)、
前記付与手段は、
前記付与表示結果が導出されてから遊技用価値を付与するまでの間に前記検知手段によって遊技媒体が検知されなかった場合に前記付与処理を行い、
前記付与表示結果が導出されてから遊技用価値を付与するまでの間に前記検知手段によって遊技媒体が検知された場合に前記付与処理を行うことなく、当該遊技媒体が検知されてからの所定期間中に前記検知手段により再度の遊技媒体の検知がされていないことを条件に前記付与処理を行う(たとえば、[変形例]の(小役入賞時の制御)欄参照)。
【0136】
具体的には、[変形例]の(小役入賞時の制御)欄に記載のように、メイン制御部41は、払出処理が行なわれる前に投入口センサ26がメダルの投入を検知した場合に、払出処理を所定期間(T)待機する。すなわち、投入口センサ26が検知される度にタイマに所定期間(T)がセットされ、タイマが0となっていることを条件に、メイン制御部41は、払出処理を行う。
【0137】
そのため、メダルの払い出しと、メダルの投入とが重ならない。その結果、クレジット表示器11の更新に用いられたメダル、或いは、払い出し口から払い出されたメダルが、遊技者自身が投入したメダルによるものなのか、或いは、払出処理により付与されたメダル(遊技用価値)によるものなのかを誤認させてしまうことを防止することができる。
【0138】
なお、払出処理においても、自動BET処理においても、投入口センサ26がメダルを検知したときに処理を待機する時間を同じTとしたが、異なるような構成であってもよい。たとえば、払出処理においては、投入口センサ26がメダルを検知してから、メダル払出口9からメダルが払い出されるまでを待機する所定期間としてもよい。
【0139】
(7) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(たとえば、リール2L,2C,2R)を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8R)と、
遊技の制御を行う遊技制御手段(たとえば、メイン制御部41)と、
遊技制御手段から送信された情報に基づいて演出を行う演出制御手段(たとえば、サブ制御部91)と、
遊技媒体が投入される投入口(たとえば、投入口140a)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検知する検知手段(たとえば、投入口センサ26)と、
前記演出制御手段によって制御され、遊技用価値の付与を示唆する示唆手段(たとえば、液晶表示器51)とを備え、
前記遊技制御手段は、
前記投入口から投入された遊技媒体にもとづいて賭数の設定に使用可能な遊技用価値を記憶する遊技用価値記憶手段(たとえば、クレジットカウンタが格納されたRAM41c)と、
次のゲームが開始可能となるように賭数を設定する賭数設定手段(たとえば、BET処理を行うメイン制御部41)と、
付与表示結果(たとえば、図7(c)、(d)に示す小役に対応する表示結果)が導出された場合に、遊技用価値を付与する付与処理を行う付与手段(たとえば、図14に示す払出処理を実行するメイン制御部41)と、
遊技用価値が付与に関する付与情報(たとえば、払出コマンド)を送信し付与情報送信手段(たとえば、タイマ割込処理(メイン)において、通常コマンド送信用バッファに設定されたコマンドをサブ制御部91に送信するメイン制御部41)とを含み、
前記賭数設定手段は、
再遊技表示結果が導出されなかった場合に、前記投入口から投入された遊技媒体または遊技用価値を用いて賭数を設定する第1賭数設定処理を行う第1賭数設定手段(たとえば、図10のS33~S34,図11のS65~S70,S75~S79を実行するメイン制御部41)と、
再遊技表示結果が導出された場合に、遊技用価値を消費することなく次のゲームが開始可能となるように自動で賭数を設定する第2賭数設定処理を行う第2賭数設定手段(図9のS16~S18)とを含み、
前記付与情報送信手段は、表示結果を導出するためにされた前記導出操作手段への操作が完了したこと(たとえば、最後に押されたストップスイッチが離されたこと)を条件に前記付与情報を送信し(たとえば、小役に入賞しているときは、図13のS410でYとなったことを条件にS416で払出コマンドが設定された後に設定された払出コマンドが送信される)、
前記演出制御手段は、前記付与情報を受信したことに基づいて前記示唆手段により遊技用価値の付与を示唆し(たとえば、図17(c)に示す、液晶表示器51に付与画像51aを表示する付与演出を実行する)、
前記付与手段は、表示結果を導出するためにされた前記導出操作手段への操作が完了した以降は、前記検知手段により遊技媒体の投入が検知されたか否かに関わらず遊技用価値を付与し(たとえば、図17(c)、(d)に示すように、ストップスイッチ8Rへの操作が離された以降は、メダルが投入口140aから投入されたか否かに関わらず、払出処理が行なわれて遊技補助表示器12の表示が更新される)、
前記第2賭数設定手段は、
再遊技表示結果が導出されてから自動で賭数を設定するまでの間(たとえば、図15に示す期間T)に前記検知手段によって遊技媒体が検知されなかった場合に前記第2賭数設定処理を行い(たとえば、図15に示すように、期間Tで投入口センサ26がONとならなければ、タイミングtで自動BET処理が行なわれる)、
再遊技表示結果が導出されてから自動で賭数を設定するまでの間に前記検知手段によって遊技媒体が検知された場合に前記第2賭数設定処理を行うことなく、当該遊技媒体が検知されてからの所定期間(たとえば、T)中に前記検知手段により再度の遊技媒体の検知がされていないことを条件に(たとえば、タイマが0になったときに自動BET処理が行なわれる(図9のS14でY))前記第2賭数設定処理を行う(たとえば、図16に示すように、期間Tで投入口センサ26がONとなった場合、最後にメダルが検知されてからT後のタイミングt23で自動BET処理が行なわれる)。
【0140】
具体的には、リプレイに入賞した場合は、図16に示すように、自動で賭数が設定されるまでに投入口センサ26がメダルを検知したときは、所定期間(T)経過した後に自動で賭数が設定される。一方、小役に入賞した場合は、図17に示すように、ストップスイッチ8Rへの操作が離された以降は、メダルが投入口140aから投入されたか否かに関わらず、払出処理が行なわれて遊技補助表示器12の表示が更新される。また、ストップスイッチ8Rへの操作が離されると、払出コマンドがサブ制御部91に送信され、サブ制御部91は、受信した払出コマンドに基づいて付与演出を実行する。
【0141】
払出コマンドを受けてサブ制御部91が付与演出を実行する場合に、リプレイに入賞したときのように投入口センサ26がメダルを検知したときに払出処理を所定期間の経過を待って行うようにすると、付与演出が実行されるタイミングと、払出処理が実行されて遊技補助表示器12の表示が更新されたり、クレジット表示器11が更新されたり、或いは、メダルの払い出しが発生したりするタイミングとがズレてしまう虞がある。
【0142】
小役入賞時においては、リプレイ入賞時とは異なり、メダルが投入口140aから投入されたか否かに関わらず、小役の入賞により発生する処理が進むため、上記のようなズレが生じてしまう虞を防止することができる。その結果、ズレの発生により生じる、サブ制御部91側のメダルの払い出しに関する演出と、メイン制御部41側のメダルの払い出しに関する演出(クレジット表示器11の更新、遊技補助表示器12の表示の更新、メダルの払い出し)との間の演出の違和感を解消することができる。
【0143】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0144】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、6 MAXBETスイッチ、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、41 メイン制御部、91 サブ制御部。
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