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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】ボルト支持具
(51)【国際特許分類】
   F16B 37/04 20060101AFI20220404BHJP
   E04B 9/00 20060101ALI20220404BHJP
   F16B 1/00 20060101ALI20220404BHJP
   F16B 21/06 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
F16B37/04 L
E04B9/00 Z
F16B1/00 A
F16B21/06 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018135436
(22)【出願日】2018-07-19
(65)【公開番号】P2020012520
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083655
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 哲寛
(72)【発明者】
【氏名】川端 誠規
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-340038(JP,A)
【文献】実開平07-001122(JP,U)
【文献】特開2016-136056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 23/00-43/02
E04B 9/00
F16B 1/00-1/04
F16B 21/00-21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物にボルトを固定支持するためのボルト支持具であって、
内部に挿入配置空間を形成する筒状の周壁を有し、前記構造物に固定されるベース部材と、前記ボルトが螺合されるナット部を有して、前記ベース部材の挿入配置空間に挿入されることで、前記ベース部材に組み付けられる組付け部材と、から成ることを特徴とするボルト支持具。
【請求項2】
構造物にボルトを固定支持するためのボルト支持具であって、
前記構造物に固定されるベース部材と、前記ボルトが螺合されるナット部を有して、前記ベース部材に組み付けられる組付け部材と、から成り、
前記組付け部材のナット部における螺溝終端側には、当該ナット部に螺合途中の前記ボルトの軸方向先端部が到達したことを感知させる感知部を有することを特徴とするボルト支持具。
【請求項3】
前記感知部は、前記ナット部の螺溝に入り込んで形成された突起であって、前記ボルトの強制螺進により破壊されて、当該ボルトは、当該感知部の形成位置を超えて螺進可能であることを特徴とする請求項に記載のボルト支持具。
【請求項4】
前記組付け部材は、当該組付け部材を前記ベース部材に対してボルトの軸方向に押圧することで、当該ベース部材に組み付けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のボルト支持具。
【請求項5】
前記組付け部材には、互いに接近離間可能な複数の弾性片が対向して設けられ、当該組付け部材は、当該各弾性片に形成された組付け爪により、前記ベース部材に組み付けられることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のボルト支持具。
【請求項6】
前記構造物は、建物の天井壁であって、前記ボルトは、当該天井壁に吊下げ支持される吊ボルトであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のボルト支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物にボルトを固定支持するためのボルト支持具、特に、建物のコンクリート天井壁に吊ボルトを吊下げ支持するためのボルト支持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の天井面に吊ボルトを吊下げ支持するための吊下げ固定具として、特許文献1に開示のものが知られている。この吊下げ固定具は、固定具本体の内部に二分割構造の一対の半割ナット体が挿入配置され、当該一対の半割ナット体の拡開状態で、吊ボルトの先端部を差し込んで、当該吊ボルトの雄ねじ部と、前記一対の半割ナット体の雌ねじ部とを係止させた状態で、当該吊ボルトを引っ張ると、前記一対の半割ナット体が、前記本体に形成された逆円錐面に案内されて下動して、接近移動することで、当該一対の半割ナット体に対して吊ボルトは、多数回転させることなく螺合される構造である。しかし、吊下げ固定具に対する吊ボルトの一回の係止操作のみでは、当該吊ボルトの雄ねじ部と、一対の半割ナット体の雌ねじ部との各ねじ山が係止しないこともあり、更に、吊ボルトの上下動操作を速くすると、前記係止が実現されないこともある。
【0003】
また、特許文献2には、吊ボルトの先端部を螺合させるために、ナット部を有していて、天井を構成するコンクリート壁に埋設されたインサートが開示されている。このインサートは、ナット部の入口部に対して吊ボルトが一定角度を超えて傾斜していると、ナット部に対して吊ボルトを螺合できず、特許文献2の図15に示されるように、当該ナット部に対して吊ボルトの軸心を一致させる筒段部(垂直案内部)を設けても、両者の軸直角方向のクリアランスの存在により、スムーズに螺合できない場合がある。
【0004】
上記のような、建物の天井面に固定された吊下げ固定具等に対する吊ボルトの螺合は、作業者が脚立に昇って行う作業となり、当該吊下げ固定具等に対して吊ボルトをスムーズに螺合させるには、可能な限り、吊下げ固定具等の直下に吊ボルトが位置するように、当該脚立を配置し、しかも脚立に対してできるだけ高く昇ることが必要となる。しかし、脚立は重いために、その移動、及び脚立に対して高く昇るための昇り降りは、いずれも大変であるため、吊ボルトの螺合作業は労力を有するという作業事情がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-129238号公報
【文献】特開2008-75396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、構造物、特に、建物の天井面に取付けられたボルト支持具に対する吊ボルトの螺合操作を容易にすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、構造物にボルトを固定支持するためのボルト支持具であって、
内部に挿入配置空間を形成する筒状の周壁を有し、前記構造物に固定されるベース部材と、前記ボルトが螺合されるナット部を有して、前記ベース部材の挿入配置空間に挿入されることで、前記ベース部材に組み付けられる組付け部材と、から成ることを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明に係るボルト支持具は、内部に挿入配置空間を形成する筒状の周壁を有し、前記構造物に固定されるベース部材と、前記ボルトが螺合されるナット部を有して、前記ベース部材の挿入配置空間に挿入されることで、前記ベース部材に組み付けられる組付け部材とに分割されており、当該組付け部材のナット部にボルトの先端部を螺合させた後に、当該ボルトを持った状態で、当該ボルトの先端部に螺合された組付け部材を、構造物に固定されているベース部材に対して組み付けることで、構造物にボルトが固定支持される。このように、構造物に固定されたボルト支持具に対してボルトを回転させる螺合操作を行う必要がなくなるため、構造物に対するボルトの固定支持の操作が容易となる。
【0009】
よって、建物の天井壁に対して吊ボルトを吊下げ支持する場合には、組付け部材に対する吊ボルトの先端部の螺合は、作業者の手元で行うことが可能となり、吊ボルトの先端部に螺合された組付け部材を、予め天井壁に固定されているベース部材に対して組み付けるには、当該吊ボルトの基端部を持って行えるので、ベース部材に対する組付け部材の組付け作業に関しても、脚立の高い部分まで昇る必要がなくなると共に、ベース部材に対して吊ボルトが多少傾斜していても、当該ベース部材に対する組付け部材の組み付けは、可能であることが多いので、結果的に、天井壁に対して吊ボルトを吊下げ支持する操作が容易となる。
また、請求項1の発明に係るボルト支持具は、構造物を構成する部材に対して組付け部材を組み付ける構成ではなくて、当該構造物に固定されるベース部材に対して組付け部材を組み付ける構成であるので、当該構造物の任意の位置にボルトを固定支持することが可能となる。ベース部材の筒状の周壁内に形成された挿入配置空間内に組付け部材が挿入されて組み付けられるので、当該組付け部材のナット部に螺合されることで、構造物に対して固定支持されるボルトは、全方向に移動しない。
【0010】
請求項2の発明は、構造物にボルトを固定支持するためのボルト支持具であって、
前記構造物に固定されるベース部材と、前記ボルトが螺合されるナット部を有して、前記ベース部材に組み付けられる組付け部材と、から成り、
前記組付け部材のナット部における螺溝終端側には、当該ナット部に螺合途中の前記ボルトの軸方向先端部が到達したことを感知させる感知部を有することを特徴としている。
【0011】
請求項2の発明によれば、組付け部材のナット部にボルトを螺合させる際に、当該ナット部における螺溝終端側に設けられた感知部に、螺合途中のボルトの先端部が当たる抵抗によって、ナット部に対してボルトが所定長だけ螺合されたことを確認できる。これにより、ナット部の螺溝終端側から螺合されたボルトが大きく突出して、当該ボルトの突出部が障害となって、ベース部材に対して組付け部材が組み付けられない事態を予め防止できる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記感知部は、前記ナット部の螺溝に入り込んで形成された突起であって、前記ボルトの強制螺進により破壊されて、当該ボルトは、当該感知部の形成位置を超えて螺進可能であることを特徴としている。
【0013】
請求項の発明によれば、ベース部材に対して組付け部材を組み付ける前は、当該組付け部材のナット部に対してボルトの先端部が感知部に当たるまで、当該ナット部に対してボルトを螺合しておいて、ベース部材に対して組付け部材の組付け後において、ナット部に対してボルトを増し締めすると、前記感知部が破壊されて、当該ボルトは、その先端部がナット部から突出して、最大の増締め位置まで到達する。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記組付け部材は、当該組付け部材を前記ベース部材に対してボルトの軸方向に押圧することで、当該ベース部材に組み付けられることを特徴としている。
【0015】
請求項の発明によれば、ベース部材に対して組付け部材をボルトの軸方向に押圧することで、両者は組み付けられるので、当該組付け作業が容易となる。このように、構造物に対してボルトを固定支持するのに、当該ボルトを直接に回転させて螺合させるのではなくて、ボルトの先端部に予め螺合されている組付け部材を、予め構造物に固定されているベース部材に対して当該ボルトの軸方向に押圧させる操作のみで行えるので、構造物に対するボルトを固定支持する作業が容易となる。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記組付け部材には、互いに接近離間可能な複数の弾性片が対向して設けられ、当該組付け部材は、当該各弾性片に形成された組付け爪により、前記ベース部材に組み付けられることを特徴としている。
【0017】
請求項の発明によれば、ベース部材に対して組付け部材を組み付ける際に、当該組付け部材のボルトの軸方向に沿った移動と連動させて、当該組付け部材に設けられた複数の弾性片を接近離間可能な構成にできるので、ベース部材に対する組付け部材の組付け操作が一層に容易になるのに加えて、ベース部材に対する組付け部材の組付けは、複数の弾性片に形成された各組付け爪により実現されるので、組付け状態も安定する。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記構造物は、建物の天井壁であって、前記ボルトは、当該天井壁に吊下げ支持される吊ボルトであることを特徴としている。
【0019】
請求項6の発明によれば、請求項1の発明において、建物の天井壁に対して吊ボルトを吊下げ支持する場合に関する記載の作用効果が奏される。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るボルト支持具は、前記構造物に固定されるベース部材と、前記ボルトが螺合されるナット部を有して、前記ベース部材に組み付けられる組付け部材とに分割されており、作業者の手元で、当該組付け部材のナット部にボルトの先端部を螺合させた後に、当該ボルトを持った状態で、当該ボルトの先端部に螺合された組付け部材を、構造物に固定されているベース部材に対して組み付けることで、構造物にボルトが固定支持されるので、構造物に固定されたボルト支持具に対してボルトを回転させる螺合操作を行う必要がなくなるため、構造物に対するボルトの固定支持の操作が容易となる。
また、請求項1の発明に係るボルト支持具は、構造物を構成する部材に対して組付け部材を組み付ける構成ではなくて、当該構造物に固定されるベース部材に対して組付け部材を組み付ける構成であるので、当該構造物の任意の位置にボルトを固定支持することが可能となる。ベース部材の筒状の周壁内に形成された挿入配置空間内に組付け部材が挿入されて組み付けられるので、当該組付け部材のナット部に螺合されることで、構造物に対して固定支持されるボルトは、全方向に移動しない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】(a),(b)は、それぞれ本発明の実施例1のボルト支持具S1 を構成するベース部材V1 を異なる方向からみた斜視図である。
図2】(a),(b)は、それぞれ図1(a)のX1 -X1 線、及びX2 -X2 線の断面図である。
図3】(a),(b)は、それぞれ本発明の実施例1のボルト支持具S1 を構成する組付け部材Aを異なる方向からみた斜視図である。
図4】(a),(b)は、それぞれ図3(a)のY1 -Y1 線、及びY2 -Y2 線の断面図である。
図5】ガス燃焼式釘打機Mにより、ベース部材V1 を1本の釘N1 を用いてコンクリート天井壁Wに固定している状態の斜視図である。
図6】吊ボルトBの上端部に組付け部材Aを取付ける状態を示す斜視図である。
図7】(a)は、組付け部材Aのナット部23の部分断面図であり、(b)は、組付け部材Aと吊ボルトBとの相対回転時において、当該吊ボルトBが組付け部材Aのナット部23の螺溝終端に達して感知突起32に当接した状態の断面図であり、(c)は、吊ボルトBの更なる回転により感知突起32が破壊された状態を示す断面図である。
図8】(a)は、コンクリート天井壁Wに固定されたベース部材V1 に対して、吊ボルトBの先端部に取付けられた組付け部材Aを組付ける状態を示す斜視図であり、(b)は、(a)の部分拡大図である。
図9】(a),(b)は、ベース部材V1 に対する組付け部材Aの組付け前後の断面図である。
図10】ベース部材V1 に対して組付け部材Aが組付けられた状態の異なる位置の断面図である。
図11】コンクリート天井壁Wから吊ボルトBを介してパイプPが吊り下げられた状態の斜視図である。
図12】(a),(b)は、それぞれ本発明の実施例2のボルト支持具S2 を構成するベース部材V2 を異なる方向からみた斜視図である。
図13】(a),(b)は、それぞれ図12(a)のZ1 -Z1 線、及びZ2 -Z2 線の断面図である。
図14】(a),(b)は、それぞれ型枠Fの上面にベース部材V2 を釘N2 により固定して、コンクリートを打設した状態、及びコンクリートの硬化後に型枠Fを取り外した状態の断面図である。
図15】(a),(b)は、それぞれコンクリート天井壁Wに埋設されたベース部材V2 に対して組付け部材Aを組み付ける前後の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、複数の実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
本発明の実施例1のボルト支持具S1 は、図1図11に示されるように、コンクリート天井壁Wに固定されるベース部材V1 と、吊ボルトBの先端部が螺合されるナット部23が内部に形成されて、前記ベース部材V1 に対して一体に組み付けられる組付け部材Aとから成る。ベース部材V1 及び組付け部材Aは、いずれも樹脂の射出成形により形成される。
【0024】
ベース部材V1 は、図1及び図2に示されるように、組付け部材Aを挿入する組付け部材挿入開口1の側が当接板部2の側に比較して僅かに外径が小さくなるようなテーパー円筒状の外周壁部3を備え、当該外周壁部3の外周面における対向部には、前記組付け部材Aの組付け爪31が挿入されて係止する被係止板部4を形成するための平壁状の外壁部5が、当該外周壁部3よりも傾斜角度が大きく、しかも前記外周壁部3から外方に突出して、当該外周壁部3の全高に亘って形成されている。当該外壁部5の内側には、肉盗み空間部6を介して同じく平壁状の内壁部7aが形成され、外壁部5と内壁部7aとは、その幅方向(前記外周壁部3の周方向)の両端部で連結壁部8により連結されている。よって、対向配置された各内壁部7aは、後述の釘挿通孔15の軸心C1 と平行に配置されている。各内壁部7aの前記組付け部材挿入開口1の側の端部は、欠落されて、前記組付け部材Aの組付け爪31を、前記肉盗み空間部6に挿入するための組付け爪挿入開口11となっている。当該組付け爪挿入開口11は、前記肉盗み空間部6の下端部に連通している。
【0025】
前記外周壁部3の内側における前記各内壁部7aを除く部分には、円筒状の内周壁部7bが肉盗み空間部12を介して設けられている。内周壁部7bは、前記当接板部2から前記外周壁部3の高さ方向の中間部までの間のみに形成され、当該内周壁部7bの内側端部と前記外周壁部3の内周面とは、段差壁部13を介して直交して接続された形態となっている。ベース部材V1 の内壁部7a及び内周壁部7bと、当該内周壁部7bに接続している外周壁部3とで形成される空間は、組付け部材Aの挿入配置空間14となっている。
【0026】
前記当接板部2における円筒状をした前記内周壁部7bの軸心位置には、釘挿通孔15が貫通して形成され、当該当接板部2の裏面には、ガス燃焼式釘打機Mにより、前記ベース部材V1 を1本の釘N1 を用いて固定する際に、当該釘N1 が挿通されるスリーブ16が、前記釘挿通孔15と同心に形成されている。当該スリーブ16の外周には、周方向に沿って複数のリブ片17が全高に亘って形成され、前記当接板部2の裏面における各リブ片17の外側には、規制壁18が設けられ、前記釘N1 をガス燃焼式釘打機Mによりコンクリート天井壁Wに打ち込む際に、前記スリーブ16及び各リブ片17は、押し潰されて前記規制壁18の内部に収容される。なお、図1及び図2において、19は、ベース部材V1 を釘N1 によりコンクリート天井壁Wに固定する前に、コンクリート天井壁Wに対して当該ベース部材V1 を横ずれしないように保持するために、当接板部2の上面から突出して形成された複数本のずれ止め突起を示す。
【0027】
図2(a)に示されるように、ガス燃焼式釘打機Mの発射筒51の先端部は、スリーブ16の外側に設けられた複数のリブ片17の外側に嵌め込まれることで、当該発射筒51とスリーブ16との同心が確保される。当該発射筒51に一方ずつ供給された釘N1 は、前記スリーブ16内に挿入され、この状態で、当該発射筒51の内部に摺動可能に嵌め込まれた衝撃ロッド52の衝撃力により、前記スリーブ16及び各リブ片17は、一体となって押し潰されて、前記釘N1 は、コンクリート天井壁Wに打ち込まれる。ここで、当接板部2の裏面側にスリーブ16を一体に設けたのは、ガスの燃焼圧力により発生する衝撃ロッド52の衝撃力により、当該スリーブ16及びその外側の各リブ片17を押し潰して衝撃力を吸収することで、当該スリーブ16のない状態で、前記当接板部2に衝撃力が直接に加わった場合に、当該当接板部2が破損されたり、ひびが発生して、ベース部材V1 の製品価値がなくなるのを防止するためである。
【0028】
前記外周壁部3の外周面における当接板部2の側の端部には、対向配置された一対の外壁部5の部分で分断された一対の鍔部10が外方に突出して形成され、その両端部は、前記連結壁部8に接続されている。外壁部5及び各連結壁部8の各上端面は、当接板部2及び一対の鍔部10の上面と同一平面上に配置されて、ベース部材V1 をコンクリート天井壁Wに固定する際に、当該コンクリート天井壁Wの壁面に対して密着される。
【0029】
また、図2(a)に示されるように、ベース部材V1 の挿入配置空間14に組付け部材Aを挿入配置可能なように、各内壁部7aの内面は、組付け部材Aの弾性片22のナット部23の軸心C2 に対する傾斜に対応した傾斜面7a1に形成されている。また、前記被係止板部4の内端面は、ベース部材V1 の挿入配置空間14に組付け部材Aを挿入して組み付ける際に、当該組付け部材Aの弾性片22の外側に形成された組付け爪31が弾接して、前記弾性片22を弾性変形させるために、前記傾斜面7a1と同一の方向に傾斜した傾斜内端面4aとなっている。
【0030】
また、ベース部材V1 の一対の被係止板部4は、組付け部材Aの組付け爪31と係止され、当該一対の被係止板部4は、ベース部材V1 の外周部に外周壁部3から外方に大きく突出した状態で対向配置された一対の外壁部5の下端部に配置されているため、外部から認識し易い外壁部5は、被係止板部4の位置の認識指標となる。このため、図8に示されるように、コンクリート天井壁Wに固定されたベース部材V1 に対して吊ボルトBの先端部に螺合された組付け部材Aを、当該ベース部材V1 の直下から押圧して組み付ける際に、ベース部材V1 の外周壁部3に対して外方に大きく突出した各外壁部5の位置により、被係止板部4の位置を認識できるので、コンクリート天井壁Wに固定されたベース部材V1 に対して組付け部材Aを回動させて、周方向の係止位置を探し出すことなく、ベース部材V1 に対する組付け部材Aの組付けを容易に行える。
【0031】
一方、組付け部材Aは、図3及び図4に示されるように、小径周壁部21aと大径周壁部21bとが軸心方向にずれて一体化された周壁部21の外周面における対向部に、弾性変形可能な一対の厚板状の弾性片22が、外方に突出してそれぞれ一体に形成され、前記周壁部21の内部に、当該周壁部21と同心となって筒状のナット部23が、当該周壁部21と一体となって形成され、前記組付け部材Aは、前記小径周壁部21aの側から前記ベース部材V1 の挿入配置空間14に挿入される構成となっている。弾性片22の平面状の外面は、ベース部材V1 の内壁部7aの内面の傾斜面7a1に対応して、同一角度だけ傾斜した傾斜面22aとなっている。前記ナット部23を組付け部材Aの挿入方向に沿って二分した挿入側の半分は、周方向に沿って一対の弾性片22が対向配置された部分において連結板部24を介して小径周壁部21aに連結され、当該ナット部23の反挿入側の端部は、その外側に肉盗み空間部25が形成されることで、前記大径周壁部21bに連結されている。ナット部23における組付け部材Aの挿入側の端面は、周壁部21の一方の端面と同一の位置に配置されているが、ナット部23における組付け部材Aの反挿入側の端部は、周壁部21の他方の端面に対して内部に大きく入り込んでいて、当該ナット部23に螺合される吊ボルトBの先端部をガイドする中空逆円錐台状のガイド面26が形成されている。なお、図4において、27は、前記大径周壁部21bにおける径方向に沿って小径周壁部21aの配置位置に対応する部分に形成された肉盗み空間部である。
【0032】
前記大径周壁部21bにおける一対の弾性片22が配置される部分は、前記ナット部23の軸心C2 に対して平行となるように平面状に大きく切り欠かれることで、切欠き面28が形成され、当該各切欠き面28と、各弾性片22との間の空間は、当該弾性片22の弾性変形を可能とする弾性変形空間部29となっている。厚板状の各弾性片22の外面には、係止爪として機能する組付け爪31が、当該弾性片22の幅方向(小径周壁部21aの接線方向)に沿って形成されている。
【0033】
筒状のナット部23の螺溝終端側(吊ボルトBに対して螺合開始端側と反対側)の端面には、当該ナット部23に対して螺進(螺合状態で回転させることで、当該吊ボルトBが軸心C2 の方向に進むこと)中の吊ボルトBが螺溝終端部に達したことを、作業者に感知させる複数の感知突起32が、ナット部23の螺溝23aに入り込んだ状態で形成されている〔図7(a)参照〕。
【0034】
次に、図5図11を参照して、上記したボルト支持具S1 を用いて、コンクリート天井壁Wに吊ボルトBを吊り下げて支持する作業について説明する。まず、図5に示されるように、ベース部材V1 の当接板部2をコンクリート天井壁Wの壁面Waに押し付けると、当該当接板部2の上面から突出している複数のずれ止め突起19の全部又は一部が、当該壁面Waに臨んでいるコンクリートの骨材の隙間に入り込んで横ずれしなくなる。この状態で、上記したように、ガス燃焼式釘打機Mを用いて前記釘N1 をコンクリート天井壁Wに衝撃的に打ち込むと、円筒状のスリーブ16及びその外周面の複数のリブ片17が押し潰された押潰し塊20となって、規制壁18の内部に収容される(図9参照)。スリーブ16及びその外周面の複数のリブ片17が押し潰された押潰し塊20となることで、釘N1 の打込み時における当接板部2に対する衝撃ロッド52の衝撃力が緩和されるため、当該当接板部2の破損、或いはひびの発生を防止できることは、上記した通りである。釘N1 の頭部N1aは、前記押潰し塊20に対して喰い込んで、一体化された状態となる。これにより、ベース部材V1 は、1本の釘N1 によりコンクリート天井壁Wに固定される。コンクリート天井壁Wに対するベース部材V1 の固定作業は、作業者が脚立に昇って行う。
【0035】
次に、図6及び図7に示されるように、作業者の手元において、吊ボルトBと組付け部材Aとを相対的に回転させることで、吊ボルトBの先端部に組付け部材Aを螺着させる。ここで、吊ボルトBと組付け部材Aとを相対的に回転させて、図7(b)に示されるように、当該吊ボルトBの先端部が、組付け部材Aのナット部23の螺溝終端側に達すると、当該ナット部23に対して螺進中の吊ボルトBの先端部が複数の感知突起32のいずれかに当接して、吊ボルトBの回転に要する力が急激に大きくなることで、作業者は、当該吊ボルトBがナット部23の螺溝終端部に達したことを認識できて、当該吊ボルトBの螺進操作を停止させられる。これにより、組付け部材Aのナット部23の螺溝終端側から吊ボルトBが大きく突出することなく、吊ボルトBの先端部に組付け部材Aが螺着により取付けられる。このため、ナット部23の螺溝終端側からの吊ボルトBの突出長が限界値よりも長くなって、予めコンクリート天井壁Wの壁面Waに固定されているベース部材V1 に対して吊ボルトBの先端部に螺合された組付け部材Aを押圧して組み付ける際に、組付け不能となる事態を予め防止できる。また、複数の感知突起32は、図7(c)に示されるように、大きな回転力で、組付け部材Aに対して吊ボルトBを更に螺進させることで、破壊される。なお、図7(c)において、32’は、感知突起32の破壊片を示す。
【0036】
次に、図8及び図9に示されるように、先端部に組付け部材Aが螺着された吊ボルトBを一方の手で持った状態で、作業者Dは脚立Kに昇り、予めコンクリート天井壁Wに固定されているベース部材V1 に対して組付け部材Aを押圧させると、組付け部材Aの各弾性片22の外面に形成された各組付け爪31が、ベース部材V1 の被係止板部4の傾斜内端面4aに弾接することで、内方に弾性変形された状態で、組付け爪挿入開口11に達すると、当該各組付け爪31は、弾性復元力により原形状に復元して、各被係止板部4の上方に配置されて、互いに係止される。なお、ベース部材V1 に対する組付け部材Aの組み付けは、当該ベース部材V1 の被係止板部4と組付け部材Aの組付け爪31との周方向の位相を合致させることが必要であるが、当該ベース部材V1 の各外壁部5が外周壁部3に対して大きく外方に突出していることを作業者は、外観上容易に認識できるので、上記した位相の合致の作業は、比較的容易である。これにより、組付け部材Aは、ベース部材V1 の挿入配置空間14に収容されて、コンクリート天井壁Wに固定されているベース部材V1 に対して組付け部材Aが一体に組み付けられる。組付け後において、組付け部材Aに対して吊ボルトBを更に回転させると、当該吊ボルトBの先端面が当接状態となっている複数の感知突起32は、いずれも破壊されて、当該吊ボルトBは、釘N1 の頭部N1aを押圧した状態となって、組付け部材Aの各組付け爪31は、ベース部材V1 の各被係止板部4の上面を押圧することで、ベース部材V1 に対して組付け部材Bが上下動不能となって、両者の組付け状態が強固となる。
【0037】
このように、作業者は、吊ボルトBの先端部に螺着された組付け部材Aを、コンクリート天井壁Wに予め固定されているベース部材V1 の直下又はその近傍に配置した状態で、当該ベース部材V1 に対して押圧させるのみで、コンクリート天井壁Wに吊ボルトBを吊り下げられて、従来のように、コンクリート天井壁Wの壁面Waに固定されたボルト支持具に対して吊ボルトBを直接に回転させて螺着させる必要がないので、コンクリート天井壁Wに対する吊ボルトBの吊下げ作業が容易となる。なお、組付け部材Aの押圧前におけるベース部材V1 に対する組付け部材Aの配置位置は、当該ベース部材V1 の直下でなくて、その近傍であっても、組付け部材Aは、各弾性片22の外面の傾斜面22aが、ベース部材V1 の各内壁部7aの内面の傾斜面7a1に案内されて、ベース部材V1 の挿入配置空間14に収容配置されることで、組付け部材Aの各弾性片22に設けられた各組付け爪31は、ベース部材V1 の各被係止板部4に係止されるため、ベース部材V1 に対する組付け部材Aの押圧による組付けは容易である。なお、図10に示されるように、ベース部材V1 に対して組付け部材Aが組付けられた状態において、当該組付け部材Aの小径周壁部21a及び大径周壁部21bは、それぞれベース部材V1 の内周壁部7b及び外周壁部3の内部に収容配置されて、小径周壁部21aと大径周壁部21bとの間の段差部は、ベース部材V1 の段差壁部13の直下に配置される。
【0038】
そして、図11に示されるように、ボルト支持具S1 によりコンクリート天井壁Wから吊り下げられた複数の吊ボルトBより、当該コンクリート天井壁Wに近い部分にパイプPが水平に配置されて支持される。なお、吊ボルトBの下端部に対してパイプPは、パイプ支持具61及びダブルナット62を介して支持される。なお、ボルト支持具S1 を構成するベース部材V1 は、1本の釘N1 によりコンクリート天井壁Wの壁面Waに固定されて、当該ボルト支持具S1 に吊ボルトBを吊り下げるので、1本の釘N1 により壁面Waに固定されるベース部材V1 の周方向に沿った固定位置は、任意の位置でよいので、当該ベース部材V1 の壁面Waに対する固定作業が容易となる。
【実施例2】
【0039】
次に、図12図15を参照して、本発明の実施例2のボルト支持具S2 について説明する。ボルト支持具S2 は、コンクリート天井壁Wの内部に埋設されて使用され、当該コンクリート天井壁Wの打設時に内部に埋設されて「インサート」として機能するベース部材V2 と、当該ベース部材V2 に組み付けられる前記組付け部材Aとから成る。ここで、ベース部材V2 は、前記ベース部材V1 におけるスリーブ16及びリブ片17を欠落させた構成に近似しているため、当該ベース部材V1 と機能及び形状が同一の部分には、同一符号を付し、機能は同一であるが、形状が異なる部分には、同一符号に「’」を付し、当該ベース部材V1 に対して異なる部分についてのみ説明する。
【0040】
ベース部材V2 は、組付け部材Aの一対の弾性片22の外面に形成された各組付け爪31が、各被係止板部4’と内壁部7aの下端部との間に形成された各組付け爪挿入開口11から肉盗み空間部6の下端部に挿入されて、各被係止板部4’に係止される構成は、同一であるが、当該ベース部材V2 は、コンクリート天井壁Wの内部に埋設されるため、被係止板部4’の下面は、その全体が型枠Fに密着する形状にして、ベース部材V2 の内部にコンクリートトロが浸入しない形状にしてある。ベース部材V2 においてコンクリート天井壁Wの壁面に当接する当接板部2は、「インサート」として機能するベース部材V2 では、閉塞板部2’となる。
【0041】
ベース部材V2 の外周壁部3は、その外径が組付け部材挿入開口1から閉塞板部2’に向けて漸次大きくなるようなテーパー形状に形成されていると共に、対向配置された一対の外壁部5に関しても、前記外周壁部3と同一の方向に、当該外周壁部3のテーパー角度よりも大きな角度のテ-パー面状に形成されており、これらのテーパー形状は、コンクリート天井壁Wに埋設される「インサート」としては、アンダーカット形状となって、吊ボルトBを介して吊り下げられる被吊下げ物の重量に対して抗し得る形状となっている。また、外周壁部3の上端部に設けられる鍔部10’の突出幅は、外周壁部3に対する前記外壁部5の上端部の突出長と同一となって、実施例1のベース部材V1 の鍔部10の突出幅よりも遥かに広くなったアンダーカット形状にすることで、吊ボルトBを介して吊り下げられる被吊下げ物の重量に対して抗し得る力を大きくしている。
【0042】
ベース部材V2 は、図14に示されるように、閉塞板部2’の上方から釘挿通孔15に挿通される釘N2 を型枠Fに突刺させることで、当該型枠Fに対してベース部材V2 を仮固定した状態で、当該型枠Fに対してコンクリートを打設してコンクリート天井壁Wを形成する。型枠Fを取り外すと、当該コンクリート天井壁Wの内部に、壁面Waに臨んだ状態で、ベース部材V2 が埋設された状態となっている。よって、図12に示されるように、上面に開口している釘挿通孔15及び一対の肉盗み空間部6の各開口に養生テープTで閉塞した状態で、コンクリートを打設することで、ベース部材V2 の挿入配置空間14内にコンクリートトロの浸入を防止できる。なお、一対の肉盗み空間部12は、挿入配置空間14と連通していないので、塞ぐ必要はない。
【0043】
型枠Fを取り外した状態では、ベース部材V2 の内部に釘N2 が貫通されているため、可能な限り頭部に近い部分において当該釘N2 を切断して、組付け部材Aの組み付けを可能とする。その後は、図15に示されるように、実施例1のベース部材V1 と同様にして、コンクリート天井壁Wに埋設されたベース部材V2 の直下から、当該ベース部材V2 に対して吊ボルトBの先端部に螺着された組付け部材Aを押圧すると、一対の弾性片22が内側に弾性変形された後に、原形状に復元することで、各弾性片22の外側に形成された各組付け爪31は、各被係止板部4にそれぞれ係止されて、コンクリート天井壁Wの壁面Waから吊ボルトBが吊り下げられる。
【0044】
上記実施例2では、ベース部材V2 がコンクリート内に埋設されることで、当該コンクリートから成るコンクリート天井壁Wに固定された例であり、当該コンクリート天井壁Wが、請求項1で特定される「構造物」に該当する。
【0045】
また、実施例1,2において、ベース部材V1 ,V2 に対する組付け部材Aの組付け構造は、外面に組付け爪31が形成された一対の弾性片22を用い、コンクリート天井壁Wの壁面Waに固定されるか、或いは当該コンクリート天井壁Wに埋設された固定状態のベース部材V1 ,V2 に対して組付け部材Aを直下から押圧させて、各弾性片22の弾性変形により、各弾性片22の外面の各組付け爪31を、ベース部材V1 ,V2 の各被係止板部4に係止させるので、組付け状態がしっかりして、係止解除の恐れがなくなって、安全である利点がある。しかし、前記組付け構造は、上記係止構造に限定されず、被吊下げ物の重量に抗し得る組付け強度を有すれば、いかなる構造であってもよい。
【0046】
また、本発明に係るボルト支持具の用途に関しては、実施例1,2に示されるように、コンクリート天井壁Wから吊ボルトBを吊り下げることが主たる用途であるが、コンクリート床壁に対して起立状態で支持したり、或いはコンクリート側壁に対して短長のボルトを水平に支持して、当該ボルトに軽量物を支持する用途に対しても、本発明は適用可能である。
【0047】
また、実施例1,2には、「ボルト」の一例として、全長に亘って雄ねじが形成されたボルトを示したが、本発明における「ボルト」とは、軸部の一部のみに雄ねじが形成されたもの、或いは軸部の一部に雄ねじが形成されて、当該軸部に取付けられる配線・配管材を支持するための配線・配管材支持具等の被取付部材を含む概念である。図11に基づいて、後者の具体例を示すと、吊ボルトBと、パイプ支持具61と、ダブルナット62との計3つの部品で「ボルト」が構成され、更に、吊ボルトBとパイプ支持具61とは、溶接等により一体に形成されているものも「ボルト」である。
【0048】
更に、実施例1では、構造物であるあるコンクリート天井壁Wに対するベース部材V1 の固定は、ガス燃焼式釘打機Mを用いて1本のみの釘N1 で行っており、単に一つの固定例であり、構造物に対するベース部材の固定手段は、釘に限定されず、他の手段でもよい。実施例2では、型枠Fに対するベース部材V2 の固定は、1本の釘N2 で行っているが、打設時のコンクリートの流動圧に耐えることができれば、別の手段であってもよい。
【符号の説明】
【0049】
A:組付け部材
B:吊ボルト(ボルト)
M:ガス燃焼式釘打機
1,N2 :釘
1,S2 :ボルト支持具
1,V2 :ベース部材
W:コンクリート天井壁(構造物)
Wa :壁面
4:被係止板部
14:挿入配置空間
22:弾性片
23:ナット部
31:組付け爪
32:感知突起(感知部)
図1
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図10
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図15