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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/658 20110101AFI20220404BHJP
【FI】
H01R13/658
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018142470
(22)【出願日】2018-07-30
(65)【公開番号】P2020021554
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】岩本 侑大
(72)【発明者】
【氏名】近藤 快人
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-207450(JP,A)
【文献】特開2009-252530(JP,A)
【文献】特開平06-243934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
13/56-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有するシールドケースと、
前記シールドケース内に収容された絶縁性を有するボディと、
前記ボディに保持され且つ前記シールドケース内に収容された少なくとも一つの端子と、
前記シールドケースと別体であって、導電性を有するシールドカバーとを備えており、
前記シールドケースは、第1方向に延びた筒部と、
前記筒部に対して前記第1方向の一方側に位置し、第2方向において互いに対向しており且つ第3方向の一方に延びた一対の壁部とを有しており、前記第2方向は、前記第1方向に略直交し、前記第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向に交差しており、
前記ボディは、前記第1方向に延びており且つ前記筒部内に配置された第1部と、第2部とを有しており、
前記第1部は、前記筒部に対して前記第1方向の一方側に位置する基部を有し、前記基部は、前記一対の壁部間で前記第3方向の一方側に露出した第1露出部を有しており、
前記第2部は、前記第1部の前記基部から前記第3方向の一方に延びており且つ前記シールドケースの前記一対の壁部間に配置されており、
前記シールドカバーは、第1カバー部を有しており、前記第1カバー部は、前記第1方向及び前記第2方向に延びており、前記一対の壁部間に配置され且つ前記第3方向の一方側から前記第1部の前記第1露出部を少なくとも部分的に覆っているコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタにおいて、
前記シールドカバーは、前記第1カバー部に設けられた少なくとも一つの第1弾性アームを更に有しており、前記少なくとも一つの第1弾性アームは、前記シールドケースの前記筒部及び前記一対の壁部の少なくとも一つに対して弾性接触しているコネクタ。
【請求項3】
請求項1又は2記載のコネクタにおいて、
前記第2部は、前記一対の壁部間で前記第1方向の他方側に露出した第2露出部を更に有しており、
前記シールドカバーは、第2カバー部を更に有しており、前記第2カバー部は、前記一対の壁部間に配置され且つ前記第1方向の他方側から前記第2部の前記第2露出部を少なくとも部分的に覆っているコネクタ。
【請求項4】
請求項3記載のコネクタにおいて、
前記シールドカバーは、前記第2カバー部に設けられた少なくとも一つの第2弾性アームを更に有しており、
前記少なくとも一つの第2弾性アームは、前記一対の壁部の何れか一方に対して弾性接触しているコネクタ。
【請求項5】
請求項4記載のコネクタにおいて、
前記一対の壁部は、一方の壁部及び他方の壁部を含み、
前記少なくとも一つの第2弾性アームは、複数であって、一方の第2弾性アーム及び他方の第2弾性アームを含み、
前記一方の第2弾性アームは、前記一方の壁部と前記ボディの前記第2部との間に挿入されており、前記他方の第2弾性アームは、前記他方の壁部と前記ボディの前記第2部との間に挿入されているコネクタ。
【請求項6】
請求項3~5の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記第2部には、前記第1方向の他方側に開放されており且つ前記第2カバー部を収容する収容凹部が設けられており、前記第2部の前記第2露出部は、前記収容凹部の底であるコネクタ。
【請求項7】
請求項1~6の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記シールドカバーは、少なくとも一つの取付部を更に有しており、
前記少なくとも一つの取付部は、前記一対の壁部間で、前記ボディの前記第2部及び前記シールドケースの前記一対の壁部の少なくとも一方に取り付けられているコネクタ。
【請求項8】
請求項7記載のコネクタにおいて、
前記少なくとも一つの取付部は、前記第1方向に延びており且つ前記第2部と前記一対の壁部のうちの一方との間に挿入されているコネクタ。
【請求項9】
請求項7又は8記載のコネクタにおいて、
前記少なくとも一つの取付部は、前記第1方向に延びており且つ前記第2部に設けられた挿入溝又は挿入孔に挿入され、前記第2部に取り付けられているコネクタ。
【請求項10】
請求項1~9の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記一対の壁部の前記第1方向の寸法は、前記第2部の前記第1方向の寸法よりも大きいコネクタ。
【請求項11】
請求項1~10の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記シールドケースは、延長部と、閉塞部とを更に有しており、
前記延長部は、前記筒部から前記第1方向の一方に延びており、前記第2方向及び前記第3方向に沿った断面視において略半筒状、略円弧状又は略U字状であり、且つ前記第2方向の一方の第1端と、その反対側の第2端とを有しており、
前記一対の壁部は、一方の壁部及び他方の壁部を含み、
前記一方の壁部は、前記延長部の前記第1端から前記第3方向の一方に延びており、
前記他方の壁部は、前記延長部の前記第2端から前記第3方向の一方に延びており、
前記閉塞部は、前記延長部内の空間及び前記一対の壁部間の空間を前記第1方向の一方側から少なくとも部分的に塞いでいるコネクタ。
【請求項12】
請求項3~6の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記第2カバー部は、前記第2方向及び前記第3方向に延びており、
前記シールドカバーは、連結部を更に有しており、
前記連結部は、前記第1カバー部の前記第1方向の一方側の端から前記第2カバー部の前記第3方向の他方の端へ延びた板であって、略L字状に折り曲げられているコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコネクタが下記特許文献1に記載されている。このコネクタは、端子と、ボディと、シールドケースとを備えている。端子は、略L字状であって、第1部と、これに対して直角な第2部とを有している。ボディは、略L字状であって、端子を保持している。シールドケースは、金属板をプレス成形したものであって、筒部と、筒部の後方に設けられた収容部とを有している。ボディは筒部によって保持され、端子の第1部が筒部内に配置され、且つ端子の第2部が収容部内に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-22929号公報(段落0008及び図10図11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記シールドケースの収容部の上板の後端には、折り曲げ片が連接されている。この折り曲げ片が、上板に対して略直角に折り曲げられ、収容部の後側開口を塞いでいる。しかし、収容部の前側開口は前側に開放されている。これが、従来のコネクタのEMC(Electro-Magnetic Compatibility)特性を悪化させる要因となっている。
【0005】
本発明は、EMC特性を向上させることができるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様のコネクタは、導電性を有するシールドケースと、シールドケース内に収容された絶縁性を有するボディと、ボディに保持され且つシールドケース内に収容された少なくとも一つの端子と、シールドケースと別体であって、導電性を有するシールドカバーとを備えている。シールドケースは、第1方向に延びた筒部と、一対の壁部とを有している。一対の壁部は、筒部に対して第1方向の一方側に位置し、第2方向において互いに対向しており且つ第3方向の一方に延びている。第2方向は、第1方向に略直交している。第3方向は、第1方向及び第2方向に交差している。ボディは、第1方向に延びており且つ筒部内に配置された第1部と、第2部とを有している。第1部は、筒部に対して第1方向の一方側に位置する基部を有し、第2部は、第1部の基部から第3方向の一方に延びており且つシールドケースの一対の壁部間に配置されている。
【0007】
基部は、一対の壁部間で第3方向の一方側に露出した第1露出部を有する構成とすることが可能である。この場合、シールドカバーは、第1カバー部を有しており、第1カバー部は、前記第1方向及び前記第2方向に延びており、一対の壁部間に配置され且つ第3方向の一方側から第1部の第1露出部を少なくとも部分的に覆っていると良い。
このような態様のコネクタによる場合、ボディの第1部の基部の第1露出部が、シールドケースの一対の壁部間で第3方向の一方側に露出しているものの、この露出部が第1カバー部によって第3方向の一方側から少なくとも部分的に覆われている。このため、コネクタのEMC特性が向上する。
【0008】
シールドカバーは、第1カバー部に設けられた少なくとも一つの第1弾性アームを更に有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第1弾性アームは、シールドケースの筒部及び一対の壁部の少なくとも一方に対して弾性接触する構成とすることが可能である。
このような態様のコネクタによる場合、少なくとも一つの第1弾性アームは、シールドケースの筒部及び一対の壁部の少なくとも一つに対して弾性接触し、これによりシールドカバーがシールドケースに安定的に導通される。そのため、シールドケース及びシールドカバーにより安定したグランドラインが形成可能となる。
【0009】
第2部は、一対の壁部間で第1方向の他方側に露出した第2露出部を有する構成とすることが可能である。この場合、シールドカバーは、第2カバー部を有しており、第2カバー部は、一対の壁部間に配置され且つ第1方向の他方側から第2部の第2露出部を少なくとも部分的に覆っていると良い。
このような態様のコネクタによる場合、ボディの第2部の第2露出部が、シールドケースの一対の壁部間で第1方向の他方側に露出しているものの、この第2露出部が第2カバー部によって第1方向の他方側から少なくとも部分的に覆われている。このため、コネクタのEMC特性が向上する。
【0010】
シールドカバーは、第2カバー部に設けられた少なくとも一つの第2弾性アームを更に有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第2弾性アームは、一対の壁部の何れか一方に対して弾性接触する構成とすることが可能である。
このような態様のコネクタによる場合、少なくとも一つの第2弾性アームは、シールドケースの一対の壁部の少なくとも一方に対して弾性接触し、これによりシールドカバーがシールドケースに安定的に導通される。そのため、シールドケース及びシールドカバーにより安定したグランドラインが形成可能となる。
【0011】
一対の壁部は、一方の壁部及び他方の壁部を含んでいても良い。少なくとも一つの第2弾性アームは、複数であって、一方の第2弾性アーム及び他方の第2弾性アームを含んでいても良い。一方の第2弾性アームは、一方の壁部とボディの第2部との間に挿入され、他方の第2弾性アームは、他方の壁部とボディの第2部との間に挿入される構成とすることが可能である。
このような態様のコネクタによる場合、一方の第2弾性アームを一方の壁部とボディの第2部との間に、他方の第2弾性アームを他方の壁部とボディの第2部との間に挿入すると共に、第2カバー部によってボディの第2部の第2露出部を覆うことができる。すなわち、第2弾性アームの壁部に対する弾性接触させる工程と、第2カバー部のボディの第2部の第2露出部を覆う工程とを略同時に行うことができる。
【0012】
第2部には、第1方向の他方側に開放されており且つ第2カバー部を収容する収容凹部が設けられた構成とすることが可能である。この場合、第2部の第2露出部は、収容凹部の底とすることが可能である。このような態様のコネクタによる場合、第2カバー部が第2部の収容凹部に収容されているので、第2カバー部が第2部の第2露出部を覆った状態で脱落し難い。
【0013】
シールドカバーは、少なくとも一つの取付部を更に有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの取付部は、一対の壁部間で、ボディの第2部及びシールドケースの一対の壁部の少なくとも一方に取り付けられた構成とすることが可能である。
このような態様のコネクタによる場合、第1カバー部又は第2カバー部を一対の壁部間に配置すると共に、少なくとも一つの取付部は、一対の壁部間で、ボディの第2部及びシールドケースの一対の壁部の少なくとも一方に取り付けることができる。よって、少なくとも一つの取付部の取り付けが容易になる。
なお、少なくとも一つの取付部は、シールドケース及びボディの少なくとも一方に取り付けられていれば良い。
【0014】
少なくとも一つの取付部は、第1方向に延びた構成とすることが可能である。この場合、少なくとも一つの取付部は、第2部と一対の壁部のうちの一方との間に挿入された構成とすることが可能である。また、少なくとも一つの取付部は、第2部に設けられた挿入溝又は挿入孔に挿入され、第2部に取り付けられた構成とすることが可能である。
【0015】
一対の壁部の第1方向の寸法は、第2部の第1方向の寸法よりも大きくすることが可能である。
【0016】
筒部は、第1方向の一方側の第1端を有する構成とすることが可能である。シールドケースは、延長部と、閉塞部とを更に有する構成とすることが可能である。延長部は、筒部の第1端の第3方向の他方側の部分から第1方向の一方に延びる第3方向において断面視略半筒状、断面視略円弧状又は断面視略U字状とすることが可能である。延長部は、第2方向の一方の第1端と、その反対側の第2端とを有する構成とすることが可能である。一対の壁部は、一方の壁部及び他方の壁部を含んでいても良い。一方の壁部は、延長部の第1端から第3方向の一方に延び、他方の壁部は、延長部の第2端から第3方向の一方に延びた構成とすることが可能である。閉塞部は、延長部内の空間及び一対の壁部間の空間を第1方向の一方側から少なくとも部分的に塞く構成とすることが可能である。
このような態様のコネクタによる場合、延長部によって、一対の壁部間の空間が第3方向の他方側から塞がれ、閉塞部によって延長部内の空間及び一対の壁部間の空間が第1方向の一方側から少なくとも部分的に塞がれているので、コネクタのEMC特性が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】本発明の実施例1に係るコネクタの正面、底面及び左側面から表した斜視図である。
図1B】前記コネクタの背面、平面及び右側面から表した斜視図である。
図2A】前記コネクタの図1A中の2A-2A断面図である。
図2B】前記コネクタの図2A中の2B-2B断面図である。
図2C】前記コネクタの図2A中の2C-2C断面図である。
図2D】前記コネクタの図2A中の2D-2D断面図である。
図3A】前記コネクタの正面、底面及び左側面から表した分解斜視図である。
図3B】前記コネクタの背面、平面及び右側面から表した分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例1を含む複数の実施例に係るコネクタCについて図1A図3Bを参照しつつ説明する。このコネクタCは、図示しない基板上に実装可能である。図1A図3Bには、実施例1のコネクタCが示されている。図1A図1B図2A及び図2C図3Bに示すY-Y’方向は、特許請求の範囲の第1方向に相当し、Y-Y’方向のうちのY’方向が第1方向の一方に、Y方向が第1方向の他方に相当している。図1A図1B及び図2B図3Bに示すX-X’方向は、Y-Y’方向に略直交しており、且つ特許請求の範囲の第2方向に相当している。X-X’方向のうちのX方向が第2方向の一方に、X’方向が第2方向の他方に相当している。図1A図1B図2A図2B及び図3A図3Bに示すZ-Z’方向は、Y-Y’方向及びX-X’方向に略直交しており、特許請求の範囲の第3方向に相当している。Z-Z’方向のうちのZ’方向が第3方向の一方に、Z方向が第3方向の他方に相当している。なお、Z-Z’方向は、Y-Y’方向及びX-X’方向に交差していても良い。
【0019】
コネクタCは、導電性を有するシールドケース100を備えている。シールドケース100は、プレス成形された金属板(図1A図3B参照)で構成されていると良いが、これに限定されるものではない。シールドケース100は、筒部110と、延長部120と、一対の壁部130a、130bとを有している。
【0020】
筒部110は、Y-Y’方向に延びた円筒(図1A図3B参照)又は多角筒である。すなわち、Y-Y’方向は、筒部110の長手方向に相当している。筒部110のY方向側は開放されている。筒部110は、環状(円環状又は多角環状)のY’方向の第1端を有し、当該第1端は、Z方向側の部分と、Z’方向側の部分とを有する。延長部120は、筒部110の第1端のZ方向側の部分からY’方向に延びている。延長部120は、筒部110の第1端のZ方向側の部分の形状に応じて、Z-Z’方向において断面視略半筒状(断面視略半円筒状((図1A図3B参照))又は断面視略半多角筒状)、断面視略円弧状又は断面視略U字状とされている。延長部120内の空間は、Y方向において、筒部110内の空間に連通しており、Y’方向において開放されている。延長部120は、X方向側の第1端121と、X’方向側の第2端122と、Y’方向側の第3端とを有している。
【0021】
壁部130a、130bは、延長部120の第1端121、第2端122から筒部110のZ’方向の端を越えてZ’方向に延びている。壁部130a、130bは、筒部110に対してY’方向側に位置し且つX-X’方向において互いに対向している。壁部130a、130bが、特許請求の範囲の一方、他方の壁部に相当する。壁部130aは、X方向側の壁であって、第1部、第2部、外面(X方向側の面)及び内面(X’方向側の面)を有している。壁部130bは、X’方向側の壁であって、第1部、第2部、外面(X’方向側の面)及び内面(X方向側の面)を有している。壁部130a、130bの第1部は、筒部110のY’方向の端のZ’方向側の部分に対して間隙を有して部分的に対向又は当接する部分である。壁部130a、130bの第2部は、壁部130a、130bの第1部よりもZ’方向側の部分であって、Y-Y’方向において筒部110に対向しない部分である。壁部130a、130bによって空間が区画されている。この空間を壁部130a、130b間の空間と称する。壁部130a、130b間の空間は、第1空間と、第2空間とを有する。第1空間は、壁部130a、130bの第1部の間の空間であって、Z方向において延長部120内の空間に連通し、Y方向において筒部110内の空間に連通し且つY’方向において開放されている。第2空間は、壁部130a、130bの第2部の間の空間であって、第1空間に連通し、且つY方向、Y’方向及びZ’方向においてぞれぞれ開放されている。
【0022】
壁部130a、130bには、少なくとも一つの脚部131a、131bが設けられている。少なくとも一つの脚部131a、131bは、図1A図3Bに示すように、壁部130a、130bからZ’方向に延びており且つ上記基板の図示しない第1、第2スルーホール電極に接続可能な構成とすることが可能である。
別の態様では、少なくとも一つの脚部131aは、壁部130aからX方向、Y方向又はY’方向に延びており且つ上記基板の図示しない第1表面電極に接続可能であり、少なくとも一つの脚部131bは、壁部130bからX’方向、Y方向又はY’方向に延びており且つ上記基板の図示しない第2表面電極に接続可能である構成とすることが可能である。
更に別の態様では、少なくとも一つの脚部131a、131bは、壁部130a、130bの一部がカットされ、折り曲げられた構成とすることも可能である。この場合も、少なくとも一つの脚部131a、131bは、第1、第2表面電極に接続可能である。
少なくとも一つの脚部131a、131bが第1、第2スルーホール電極又は第1、第2表面電極に接続されることによって、グランド接続可能となっている。
【0023】
シールドケース100は、閉塞部140を更に有していても良い。閉塞部140は、図1図3Bに示すように、延長部120の第3端に連接された板とすることが可能である。この閉塞部140は、延長部120に対して略90°折り曲げられており且つ延長部120内の空間及び壁部130a、130b間の空間をY’方向側から少なくとも部分的に閉塞している。この場合、閉塞部140は、係合部141a、141bを有しており、壁部130a、130bが係合部132a、132bを有していても良い。係合部141a、141bは、閉塞部140のX方向側の端、X’方向側の端からY方向に延びており且つ壁部130a、130bの外面に当接する板を有している。係合部141a、141bの板及び係合部132a、132bの何れか一方には、係合凸部が設けられ、他方には係合孔が設けられている。係合凸部が係合孔に係合されることによって、閉塞部140が壁部130a、130bに固定されている。
別の態様では、閉塞部140は、壁部130a、130bの何れか一方の壁部に連接された板とすることが可能である。この閉塞部140は、一方の壁部に対して略90°折り曲げられており且つ延長部120内の空間及び壁部130a、130b間の空間をY’方向側から少なくとも部分的に閉塞している。この場合も、閉塞部140が係合部141a又は係合部141bを有し、他方の壁部が係合部132a又は係合部132bを有していても良い。
更に別の態様では、閉塞部140は、シールドケース100と別体とすることが可能である。この閉塞部140は、延長部120内の空間及び壁部130a、130b間の空間をY’方向側から少なくとも部分的に閉塞している。この場合も、閉塞部140が係合部141a、141bを有し、壁部130a、130bが係合部132a、132bを有していても良い。
なお、閉塞部140は省略可能である。上記何れの態様においても、係合部141a、141b及び係合部132a、132bは省略可能である。
【0024】
シールドケース100は、少なくとも一つの当接部150を更に有していても良い。少なくとも一つの当接部150は、壁部130a及び壁部130bの少なくとも一方の壁部に設けられており且つ当該壁部に対して略90°折り曲げられ、ボディ200に対してY’方向側から当接している。なお、少なくとも一つの当接部150は省略可能である。なお、シールドケース100が閉塞部140を有する場合、閉塞部140と少なくとも一つの当接部150とが干渉しないように、閉塞部140を部分的にカットしても良い。
【0025】
コネクタCは、ボディ200及び端子300を更に備えている。ボディ200は、絶縁樹脂で構成されており、端子300を保持し且つシールドケース100内に収容されている。
【0026】
ボディ200は、第1部210を有している。ボディ200の第1部210は、Y-Y’方向に延びており且つシールドケース100の筒部110、延長部120及び壁部130a、130bの第1部内に収容されている。第1部210は、例えば、図3A及び図3Bに示すように、先端部211と、基部212と、中間部213とを有していても良い。中間部213は、ボディ200の先端部211と基部212の間の部分であって、筒部110内で保持されている。そのため、中間部213の外形寸法は、シールドケース100の筒部110の内形寸法に対応している。中間部213は、Y-Y’方向に延びたロック孔213aを有している。
【0027】
先端部211は中間部213からY方向に延びた円筒又は多角筒であって、シールドケース100の筒部110内に収容されている。先端部211は接続孔211aを有している。接続孔211aは、Y-Y’方向に延び且つY方向に開口した孔であって、ロック孔213aに対してY方向側に位置し且つロック孔213aに連通している。
【0028】
基部212は中間部213からY’方向に延びたブロックである。基部212は、ロック溝212a及び第1露出部212bを有している。ロック溝212aは、ロック孔213aに対してY’方向側に位置し且つロック孔213aに連通している。第1露出部212bは、筒部110のY’方向側に位置する基部212のZ’方向側の外面であって、壁部130a、130b間でZ’方向に露出している。基部212は、第1露出部212bに対してY’方向側に位置する連結部を更に有している。
【0029】
ボディ200は、第2部220を更に有している。第2部220は、基部212の連結部からZ’方向に延びている。この第2部220は、第1露出部212bに対してY’方向側に位置し且つ壁部130a、130bの第2部間に配置されている。第2部220のY-Y’方向の寸法は、壁部130a、130bのY-Y’方向の寸法よりも小さい。第2部220及び第1部210の基部212には、収容溝230が設けられている。収容溝230は、ロック溝212aに対してY’方向側に位置し、Z-Z’方向に延びており、ロック溝212aに連通し且つY’方向に開放されている。
【0030】
端子300は、略L字状の金属板で構成されている。端子300は、接点部310と、リード部320と、テール部330とを有している。接点部310はY-Y’方向に延びた筒(円筒又は多角筒)、板又は棒であって、ボディ200の第1部210の接続孔211a及びロック孔213a内に収容されている。リード部320は、略L字状の板又は棒であって、接点部310のY’方向の端からY’方向に延びた水平部と、この水平部のY’方向の端からZ’方向に延びた垂直部とを有している。リード部320の水平部が、ロック溝212a内に収容され、リード部320の垂直部が収容溝230内に収容されている。接点部310がロック孔213aに保持されていても良いし、リード部320の水平部が、ロック溝212aに保持されていても良いし、その双方であっても良い。テール部330は、リード部320のZ’方向の端からY’方向又はZ’方向に延びた板又は棒であって、上記基板の第3表面電極又は第3スルーホール電極に接続可能な構成となっている。
【0031】
別の態様では、端子300の接点部310はボディ200の第1部210内に保持されており、接点部310の先端部が第1部210からZ方向又はZ’方向に露出、又はY方向に突出している。端子300のリード部320はボディ200の第2部220内に保持されている。端子300のテール部330は、上記と同様の構成とすると良い。この場合、第1部210は、Y-Y’方向に延びており、且つシールドケース100の筒部110、延長部120及び壁部130a、130bの第1部内に収容されており且つ第1部210の一部が筒部110に保持されている。第1部210は、延長部120及び壁部130a、130bの第1部内に配置される基部212、及び連結部を少なくとも有している。基部212は、第1露出部212bを有している。第1露出部212bは、筒部110のY’方向側に位置する基部212のZ’方向側の外面であって、Z’方向に露出している。連結部は、上記の通りである。ボディ200の第2部220は、基部212の連結部からZ’方向に延び、第1露出部212bに対してY’方向側に位置し且つ壁部130a、130bの第2部間に配置されている。この第2部220のY-Y’方向の寸法も、壁部130a、130bのY-Y’方向の寸法よりも小さい。
【0032】
上記何れの態様であっても、端子300及びボディ200は、下記(a)又は(b)の構成を更に有し、ボディ200は下記(c)の構成を更に有している。
(a)端子300がボディ200に保持され且つボディ200がシールドケース100内に収容されることによって、接点部310のY方向側の部分がシールドケース100の筒部110内に配置され、接点部310のY’方向側の部分及びリード部320がシールドケース100の延長部120及び壁部130a、130b内に配置されている。換言すると、筒部110が端子300の接点部310のY方向側の部分の周りに配置され、延長部120が端子300の接点部310のY’方向側の部分及びリード部320に対してZ方向側に配置され、壁部130a、130bが端子300の接点部310のY’方向側の部分及びリード部320に対してX方向側、X’方向側に配置されている。
(b)端子300がボディ200に保持され且つボディ200がシールドケース100内に収容されることによって、接点部310全部がシールドケース100の筒部110内に配置され、リード部320がシールドケース100の延長部120及び壁部130a、130b内に配置されている。換言すると、筒部110が端子300の接点部310の周りに配置され、延長部120が端子300のリード部320に対してZ方向側に配置され、壁部130a、130bが端子300のリード部320に対してX方向側、X’方向側に配置されている。
(a)及び(b)の何れの態様の場合であっても、シールドケース100が閉塞部140を有している場合、閉塞部140が、リード部320に対してY’方向側に配置されている。
(c)ボディ200の第2部220は、第2部220のY方向側の面を有している。第2部220のY方向側の面には、Y方向に開放された収容凹部221が設けられていても良い。この場合、収容凹部221の底は、壁部130a、130b間でY方向側に露出する第2露出部223となっている。この収容凹部221は省略可能である。この場合、第2部220の第2部220のY方向側の面自体が、壁部130a、130b間でY方向側に露出する第2露出部223となる。
【0033】
コネクタCは、導電性を有するシールドカバー400を更に備えている。シールドカバー400は、シールドケース100と別体であって、プレス成形された金属板(図1A図3B参照)又は鋳造法で作成された金属板で構成されている。
【0034】
シールドカバー400は、第1カバー部410及び第2カバー部430の少なくとも一方を有している。第1カバー部410は、Y-Y’方向及びX-X’方向に延びた板である。第1カバー部410は、壁部130a、130b間に配置され、Z’方向側からボディ200の第1部210の第1露出部212bを少なくとも部分的に覆っている。第1カバー部410は、Z’方向側からボディ200の第1部210の第1露出部212bを全面的に覆っていても良い。第1カバー部410は、第1露出部212bに当接していても良いし、間隙を有して対向していても良い。第1カバー部410の形状は、第1露出部212bの形状に対応していても良いが、これに限定されるものではない。図1A図3では、第1カバー部410は、第1露出部212bの形状に応じて円弧状に湾曲している。第1カバー部410が第1部210の第1露出部212bを少なくとも部分的に覆うことによって、上記(a)の場合、第1カバー部410が端子300の接点部310のY’方向側の部分及びリード部320の水平部に対してZ’方向側に配置され、上記(b)の場合、第1カバー部410がリード部320の水平部に対してZ’方向側に配置されている。
【0035】
第2カバー部430は、X-X’方向及びZ-Z’方向に延びた板である。第2カバー部430は、壁部130a、130b間に配置され、Y方向側からボディ200の第2部220の第2露出部223を少なくとも部分的に覆っている。第2カバー部430は、Y方向側からボディ200の第2部220の第2露出部223を全面的に覆っていても良い。第2カバー部430は、第2部220の第2露出部223に当接していても良いし、間隙を有して対向していても良い。第2カバー部430の形状は、第2部220の第2露出部223の形状に対応していても良いが、これに限定されるものではない。第2部220に収容凹部221が設けられている場合、第2カバー部430が収容凹部221に収容されていると良い。第2カバー部430は、ボディ200の第2部220の第2露出部223を少なくとも部分的に覆うことによって、第2カバー部430が、端子300のリード部320の垂直部に対してY方向側に配置されている。
【0036】
シールドカバー400は、連結部450を更に有していても良い。連結部450は、第1カバー部410のY’方向の端から第2カバー部430のZ方向の端へ延びた板であって、略L字状に折り曲げられている。
【0037】
シールドカバー400は、少なくとも一つの第1弾性アーム420を更に有していても良い。少なくとも一つの第1弾性アーム420は、以下の(1)~(4)の何れかの構成とすることが可能である。
(1)少なくとも一つの第1弾性アーム420は、図1A図3Bに示すように第1カバー部410からY方向に延びており且つシールドケース100の筒部110の外面にZ’方向側から弾性接触している。
(2)少なくとも一つの第1弾性アーム420は、第1カバー部410からY方向に延びており且つシールドケース100の筒部110の内面にZ方向側から弾性接触している。この場合、ボディ200には、少なくとも一つの第1弾性アーム420が挿入される挿入孔が少なくとも一つ設けられていても良い。挿入孔は、第1露出部212bからY方向に延びており、第1露出部212bでZ’方向に開口し且つ筒部110の内面側に開口している。
(3)少なくとも一つの第1弾性アーム420は、第1カバー部410からX方向に延びており且つシールドケース100の壁部130aの内面のボディ200のY方向側部分にX’方向側から弾性接触している。
(4)少なくとも一つの第1弾性アーム420は、第1カバー部410からX’方向に延びており且つシールドケース100の壁部130bの内面のボディ200のY方向側部分にX方向側から弾性接触している。
【0038】
少なくとも一つの第1弾性アーム420は、複数とすることが可能である。この場合、各第1弾性アーム420が(1)~(4)の何れかの構成となっていれば良い。図1A図3Bでは、第1弾性アーム420は一対であって、(1)の構成となっている。
【0039】
シールドカバー400は、複数の第2弾性アーム440を更に有していても良い。複数の第2弾性アーム440は、少なくとも一方の第2弾性アーム440及び他方の第2弾性アーム440を含むと良い。例えば、一方の第2弾性アーム440及び他方の第2弾性アーム440は、以下の(A)又は(B)の構成とすることが可能である。
【0040】
(A)一方、他方の第2弾性アーム440は、図1A図3Bに示すように、第2カバー部430のX方向側の端部、X’方向側の端部からY’方向に延びている。一方の第2弾性アーム440は、シールドケース100の壁部130aとボディ200の第2部220との間に挿入され、且つシールドケース100の壁部130aの内面にX’方向側から弾性接触している。他方の第2弾性アーム440は、シールドケース100の壁部130bとボディ200の第2部220との間に挿入され、且つシールドケース100の壁部130bの内面にX方向側から弾性接触している。
この場合、ボディ200の第2部220のX方向側、X’方向側の端部には、一方、他方の第2弾性アーム440が挿入される挿入溝222a、222bが設けられていても良い。第2部220に収容凹部221が設けられている場合、挿入溝222a、222bは、収容凹部221の底面(Y方向側の面)からY’方向に延びていると良いが、これに限定されるものではない。挿入溝222aは、Y方向に開口し且つ壁部130aの内面側に開口している。挿入溝222bは、Y方向に開口し且つ壁部130bの内面側に開口している。第2部220に収容凹部221が設けられていない場合、挿入溝222a、222bは、第2部220のY方向側の面からY’方向に延びていれば良い。なお、挿入溝222a、222bを設ける代わりに、壁部130a、130bとボディ200の第2部220との間に、一方、他方の第2弾性アーム440が挿入される間隙がそれぞれ生じていても良い。
【0041】
(B)一方、他方の第2弾性アーム440は、第2カバー部430からX方向、X’方向に延びており、且つシールドケース100の壁部130a、130bの内面にX’方向側、X方向側から弾性接触している。
【0042】
シールドカバー400は、複数の取付部460を更に有していても良い。複数の取付部460は、第1カバー部410又は第2カバー部430に設けられており、且つシールドケース100及びボディ200の少なくとも一方に取り付けられていれば良い。複数の取付部460は、少なくとも一方及び他方の取付部460を含むと良い。一方及び他方の取付部460は、例えば、以下の(ア)~(オ)の何れかの構成とすることが可能である。
【0043】
(ア)一方、他方の取付部460は、第1カバー部410又は第2カバー部430(図1A図3B参照)のX方向側の端部、X’方向側の端部からY’方向に延びている。一方の取付部460は、シールドケース100の壁部130aとボディ200の第2部220のX方向側の端面との間に挿入されている。一方の取付部460及び第2部220のX方向側の端面の何れか一方には、係合凸部が設けられ、他方に係合孔が設けられている。係合凸部が係合孔に係合されることによって、一方取付部460が第2部220のX方向側の端面に取り付けられている。他方の取付部460は、シールドケース100の壁部130bとボディ200の第2部220のX’方向側の端面との間に挿入されている。他方の取付部460及び第2部220のX’方向の端面の何れか一方には、係合凸部が設けられ、他方に係合孔が設けられている。係合凸部が係合孔に係合されることによって、他方の取付部460が第2部220のX’方向の端面に取り付けられている。
(イ)一方、他方の取付部460は、第1カバー部410又は第2カバー部430のX方向側の端部、X’方向側の端部からY’方向に延びている。一方の取付部460は、シールドケース100の壁部130aとボディ200の第2部220のX方向側の端面との間に挿入されている。一方の取付部460及び壁部130aの何れか一方には、係合凸部が設けられ、他方に係合孔が設けられている。係合凸部が係合孔に係合されることによって、一方の取付部460が壁部130aに取り付けられている。他方の取付部460は、シールドケース100の壁部130bとボディ200の第2部220のX’方向側の端面との間に挿入されている。他方の取付部460及び壁部130bの何れか一方には、係合凸部が設けられ、他方に係合孔が設けられている。係合凸部が係合孔に係合されることによって、他方の取付部460が壁部130bに取り付けられている。
なお、(ア)及び(イ)の何れの場合も、第2部220のX方向側の端面と壁部130aとの間に、一方の取付部460が挿入される挿入溝222aが設けられ、且つ第2部220のX’方向側の端面と130bとの間に他方の取付部460が挿入される挿入溝222bが設けられていても良いし、第2部220のX方向側の端面と壁部130aとの間に一方の取付部460が挿入される間隙が生じ、且つ第2部220のX’方向側の端面と壁部130bとの間に他方の取付部460が挿入される間隙が生じていても良い。上記(ア)の場合、挿入溝222a、222bの底に上記係合凸部又は上記係合孔が設けられていると良い。
【0044】
(ウ)一方、他方の取付部460は、第1カバー部410又は第2カバー部430のX方向側の端部、X’方向側の端部からY’方向に延びている。一方、他方の取付部460は、ボディ200の第2部220にX-X’方向に間隔をあけて設けられた一対の挿入孔に嵌合(FIT IN)している。一対の挿入孔は、Y方向のみ又はY方向及びY’方向のみに開口している。
【0045】
(エ)一方、他方の取付部460は、第1カバー部410又は第2カバー部430からX方向、X’方向に延びており且つシールドケース100の壁部130a、130bに設けられた嵌合孔に各々嵌合(FIT IN)している。
【0046】
(オ)一方、他方の取付部460は、第1カバー部410又は第2カバー部430からX方向、X’方向に延びており且つシールドケース100の壁部130a、130bに半田や導電接着剤で固定されている。
【0047】
なお、上記何れかの態様の一方の取付部460と、上記何れかの態様の一方の第2弾性アーム440が第2カバー部430のX方向の端部にZ-Z’方向に間隔をあけて設けることが可能であり、上記何れかの態様の他方の取付部460と、上記何れかの態様の他方の第2弾性アーム440が第2カバー部430のX’方向の端部にZ-Z’方向に間隔をあけて設けることが可能である(図1A図3B参照)。
【0048】
なお、シールドカバー400は、第1カバー部410を有している場合、少なくとも一つの第1弾性アーム420、第2カバー部430、複数の第2弾性アーム440、連結部450及び/又は複数の取付部460は、省略可能である。シールドカバー400は、第2カバー部430を有している場合、第1カバー部410、少なくとも一つの第1弾性アーム420、複数の第2弾性アーム440、連結部450及び/又は複数の取付部460は、省略可能である。シールドカバー400が第1カバー部410及び第2カバー部430の双方を有し、連結部450が省略される場合、第1カバー部410と第2カバー部430は別体とすると良い。取付部460が省略される場合、第1カバー部410が、ボディ200の第1部210の第1露出部212b又はシールドカバー400の筒部110に接着剤等で接着されていても良いし、第2カバー部430がボディ200の第2部220の第2露出部223又はシールドカバー400の壁部130a、130bに接着剤等で接着されていても良い。又は、第2カバー部430が収容凹部221に嵌合(FIT IN)することによって、第2カバー部430がボディ200の第2部220に取り付けられていても良い。
【0049】
以下、上記した何れかの態様のうちの幾つかの態様のコネクタCの製造方法について説明する。まず、端子300及びこれを保持したボディ200を用意する。その後、シールドケース100を用意する。ボディ200の第1部210をシールドケース100の筒部110、延長部120及び壁部130a、130bの第1部内に配置すると共に、ボディ200の第2部220をシールドケース100の壁部130a、130bの第2部内に配置する。これにより、端子300の接点部310のY方向側の部分又は接点部310全部がシールドケース100の筒部110内に配置され、接点部310のY’方向側の部分及びリード部320、又はリード部320がシールドケース100の延長部120及び壁部130a、130b内に配置される。
【0050】
シールドケース100が閉塞部140を有している場合、閉塞部140を延長部120又は一方の壁部に対して略90°折り曲げる。これにより、閉塞部140が、延長部120内の空間及び壁部130a、130b間の空間をY’方向側から少なくとも部分的に閉塞し、リード部320に対してY’方向側に配置される。又は、閉塞部140がシールドケース100と別体である場合、延長部120内の空間及び壁部130a、130b間の空間をY’方向側から少なくとも部分的に閉塞し、リード部320に対してY’方向側に配置されるように、閉塞部140をシールドケース100に取り付ける。シールドケース100が少なくとも一つの当接部150を有している場合、少なくとも一つの当接部150を壁部に対して略90°折り曲げ、ボディ200に当接させる。なお、閉塞部140及び少なくとも一つの当接部150の折り曲げ工程は何れを先に行っても構わない。
【0051】
その後、シールドカバー400を用意する。ここでは、上記したシールドカバー400の種々の態様のうち、一部の態様を有するシールドカバー400をシールドケース100又はボディ200に取り付ける手順について説明する。
【0052】
用意されたシールドカバー400が、第2カバー部430、上記(A)の態様の一方、他方の第2弾性アーム440、及び、上記(ア)又は(イ)の態様の一方、他方の取付部460を有する場合、一方の取付部460及び一方の第2弾性アーム440を、ボディ200の第2部220と壁部130aとの間にY方向側から挿入すると共に、他方の取付部460及び他方の第2弾性アーム440を、ボディ200の第2部220と壁部130bとの間にY方向側から挿入する。すると、一方の取付部460が、ボディ200の第2部220のX方向の端面又は壁部130aの内面に固定され、他方の取付部460が、ボディ200の第2部220のX’方向の端面又は壁部130bの内面に固定され、一方の第2弾性アーム440が壁部130aの内面にX’方向側から弾性接触し、且つ他方の第2弾性アーム440が壁部130bの内面にX方向側から弾性接触する。この取付部460及び第2弾性アーム440の挿入時において、第2カバー部430が壁部130a、130b間に挿入され、第2カバー部430がY方向側からボディ200の第2部220の第2露出部223を少なくとも部分的に覆うように配置される。第2部220に収容凹部221が設けられている場合、第2カバー部430がY方向側から収容凹部221内に収容され、第2露出部223を少なくとも部分的に覆うように配置される。
【0053】
又は、上記(ウ)の態様の一対の取付部460を有する場合、一対の第2弾性アーム440の挿入と共に、一対の取付部460を、ボディ200の第2部220の挿入孔に各々挿入すると良い。
【0054】
シールドカバー400が、第2カバー部430、上記(A)の態様の一方、他方の第2弾性アーム440及び上記(ア)~(ウ)の何れかの態様の一方、他方の取付部460に加えて、第1カバー部410及び連結部450を有する場合、前述の取付部460及び第2弾性アーム440の挿入時において、第1カバー部410が壁部130a、130b間に挿入され、第1カバー部410がZ’方向側からボディ200の第1部210の第1露出部212bを少なくとも部分的に覆うように配置される。
【0055】
シールドカバー400が、第2カバー部430、上記(A)の態様の一方、他方の第2弾性アーム440、上記(ア)~(ウ)の何れかの態様の一方、他方の取付部460、第1カバー部410及び連結部450に加えて、少なくとも一つの第1弾性アーム420を有する場合、第1カバー部410がボディ200の第1部210の第1露出部212bを少なくとも部分的に覆うときに、少なくとも一つの第1弾性アーム420がシールドケース100の筒部110の外面、壁部130aの内面及び壁部130bの内面の少なくとも一つに弾性接触する。
【0056】
以上のようなコネクタCは、以下の技術的特徴及び効果を奏する。
(1)コネクタCのEMC特性が向上する。コネクタCのシールドケース100は、プレス成形された金属板で構成されているため、筒部110に対してY’方向側に位置する壁部130a、130b内でZ’方向に露出するボディ200の第1部210の第1露出部212b及び壁部130a、130b内でY方向に露出するボディ200の第2部220の第2露出部223をシールドケース100自体で覆うことはできない。仮に、第1露出部212bを覆うためには、壁部130a、130bの一部を切り欠き、折り曲げる必要があり、第2露出部223を覆うためには、壁部130a、130bの別の一部を切り欠き、折り曲げる必要があり、そのようにすると、壁部130a、130bを形成することができなくなるためである。この点、コネクタCは、シールドケース100とは別体のシールドカバー400の第1カバー部410及び第2カバー部430の少なくとも一方を備えているため、壁部130a、130bの一部を切り欠き、折り曲げることなく、第1カバー部410でZ’方向側からボディ200の第1部210の第1露出部212bを少なくとも部分的に覆うことができ、及び/又は、第2カバー部430でY方向側からボディ200の第2部220の第2露出部223を少なくとも部分的に覆うことができる。このため、コネクタCのEMC特性を向上させることができる。
【0057】
(2)シールドケース100が筒部110、延長部120、壁部130a、130b及び閉塞部140を有し、且つシールドカバー400が第1カバー部410及び第2カバー部430を有する場合、端子300の接点部310及びリード部320の周囲が以下の通りシールドケース100及びシールドカバー400によって覆われるため、コネクタCの通信特性が向上する。
端子300の接点部310のY方向側の部分がシールドケース100の筒部110内に配置され、接点部310のY’方向側の部分及びリード部320がシールドケース100の延長部120及び壁部130a、130b内に配置されている場合、シールドケース100の筒部110が端子300の接点部310のY方向側の部分の周囲に配置されている。シールドケース100の延長部120が接点部310のY’方向側の部分及びリード部320に対してZ方向側に配置されている。シールドケース100の壁部130a、130bが接点部310のY’方向側の部分及びリード部320に対してX方向側、X’方向側に配置されている。シールドケース100の閉塞部140がリード部320に対してY’方向側に配置されている。シールドカバー400の第1カバー部410が端子300の接点部310のY’方向側の部分及びリード部320の水平部に対してZ’方向側に配置されている。シールドカバー400の第2カバー部430が端子300の接点部310のリード部320の垂直部に対してY方向側に配置されている。
端子300の接点部310全部がシールドケース100の筒部110内に配置され、リード部320がシールドケース100の延長部120及び壁部130a、130b内に配置されている場合、シールドケース100の筒部110が端子300の接点部310全部の周囲に配置されている。シールドケース100の延長部120がリード部320に対してZ方向側に配置されている。シールドケース100の壁部130a、130bがリード部320に対してX方向側、X’方向側に配置されている。シールドケース100の閉塞部140がリード部320に対してY’方向側に配置されている。シールドカバー400の第1カバー部410が端子300のリード部320の水平部に対してZ’方向側に配置されている。シールドカバー400の第2カバー部430が端子300の接点部310のリード部320の垂直部に対してY方向側に配置されている。
【0058】
(3)シールドカバー400が少なくとも一つの第1弾性アーム420及び複数の第2弾性アーム440の少なくとも一方を有している場合、少なくとも一つの第1弾性アーム420がシールドケース100の筒部110及び壁部130a、130bの少なくとも一つに弾性接触し、及び/又は、複数の第2弾性アーム440が、シールドケース100の壁部130a、130bに弾性接触している。このため、シールドカバー400がシールドケース100に安定的に導通するので、シールドケース100及びシールドカバー400により安定したグランドラインを形成できる。
【0059】
(4)シールドカバー400が第1カバー部410及び少なくとも一つの第1弾性アーム420を有する場合、第1カバー部410がボディ200の第1部210の第1露出部212b(筒部110に対してY’方向側の部分)を少なくとも部分的に覆うときに、少なくとも一つの第1弾性アーム420を筒部110及び壁部130a、130bの少なくとも一つに弾性接触させることができる。シールドカバー400が第2カバー部430及び複数の第2弾性アーム440を有している場合、第2カバー部430が壁部130a、130bの間でボディ200の第2部220の第2露出部223を少なくとも部分的に覆うときに、第2弾性アーム440をシールドケース100の壁部130a、130bに弾性接触させることができる。特に、複数の第2弾性アーム440が第2カバー部430からY’方向に延びている場合、第2弾性アーム440をボディ200の第2部220と壁部130a、壁部130bとの間にそれぞれ挿入すると共に、第2カバー部430でボディ200の第2部220の第2露出部223を少なくとも部分的に覆うことができる。更に、複数の第2弾性アーム440及び複数の取付部460が第2カバー部430からY’方向に延びている場合、第2弾性アーム440をボディ200の第2部220と壁部130a、壁部130bとの間にそれぞれ挿入すると共に、取付部460をボディ200の第2部220と壁部130a、壁部130bとの間にそれぞれ挿入する又はボディ200の第2部220の挿入孔にそれぞれ挿入すると共に、第2カバー部430でボディ200の第2部220の第2露出部223を少なくとも部分的に覆うことができる。
【0060】
(5)ボディ200の第2部220に収容凹部221が設けられている場合、シールドカバー400の第2カバー部430が収容凹部221に収容されているため、シールドカバー400が壁部130a、130bの間から脱落し難くなる。
【0061】
(6)第2部220のY-Y’方向の寸法は、壁部130a、130bのY-Y’方向の寸法よりも小さい。換言すると、壁部130a、130bのY-Y’方向の寸法は、第2部220のY-Y’方向の寸法よりも大きい。このため、壁部130a、130bのZ’方向の端を基板上に載置することによって、コネクタCの実装状態を安定させることができる。
【0062】
なお、上記したコネクタは、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0063】
本発明のボディは、第1部210の第1露出部212b及び第2部220の第2露出部223を有するとしたが、第1露出部212b及び第2露出部223の何れか一方を有していれば良い。前者を省略する場合、壁部130a、130bのY-Y’方向の寸法をボディ200の第2部220のY-Y’方向の寸法と略同じ又は若干大きくし、筒部110で第1部210の第1露出部212bを覆うことが可能である。この場合、シールドカバー400の第1カバー部410を省略すると良い。後者の場合、壁部130a、130bの何れか一方の壁部に連接されており且つ一方の壁部に対して略90°折り曲げられた閉塞部によって、第2部220の第2露出部223を覆うことが可能である。この場合、シールドカバー400の第2カバー部430を省略すると良い。
【0064】
本発明のシールドケースは、プレス成形された金属板以外で構成されていても良い。例えば、シールドケースは、鋳造法で作成された金属板で構成されていても良い。本発明のシールドケースは、延長部を省略することが可能である。この場合、筒部に一対の壁部を連接させると良い。
【0065】
上記した何れかの態様のコネクタは、絶縁性を有する外部ボディ内に収容される構成とすることが可能である。この外部ボディの少なくとも一部には、導電性を有する外部シールドに覆われていても良い。但し、本発明において、外部ボディ及び外部シールドは必須ではない。
【0066】
本発明の第2弾性アーム及び/又は取付部は、少なくとも一つあれば良い。例えば、一つの第2弾性アーム440がY-Y’方向に延びている場合、ボディ200の第2部220には、一つの第2弾性アーム440が挿入される挿入溝が一つ設けられていても良いし、その挿入溝を設ける代わりに、壁部130a又は壁部130bとボディ200の第2部220との間に、一つの第2弾性アーム440が挿入される間隙が生じていても良い。また、一つの取付部460がY-Y’方向に延びている場合、一つの取付部460が挿入される挿入溝又は挿入孔が一つ設けられていても良いし、その挿入溝又は挿入孔を設ける代わりに、壁部130a又は壁部130bとボディ200の第2部220との間に、一つの取付部460が挿入される間隙が生じていても良い。
【0067】
本発明のコネクタの端子は、絶縁性を有するボディに保持され、上記した何れかの態様のシールドケースに収容され得るものである限り任意に設計変更することが可能である。本発明のコネクタの端子は、少なくとも一つあれば良く、複数とすることが可能である。例えば、複数の端子が絶縁性を有するボディに保持され、当該端子の接点部が上記した何れかの態様のシールドケースの第1シェルの筒部内に配置されると共に、複数の端子のリード部が上記した何れかの態様のシールドケースの一対の壁部間に配置される構成とすることが可能である。
【0068】
本発明のコネクタは、基板上に実装されるものに限定されない。例えば、本発明のコネクタは、端子にケーブルが接続されたプラグコネクタとすることも可能である。この場合、本発明のシールドケースの脚部は省略される。
【0069】
なお、上記実施例の各態様及び設計変形例におけるコネクタの各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。上記した実施例の各態様及び設計変更例は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能である。なお、本発明の第1方向は、本発明のシールドケースの筒部が延びる方向である限り任意に設定可能である。本発明の第2方向は、第1方向に交差する限り任意に設定可能である。本発明の第3方向は、第1方向及び第2方向に交差する限り任意に設定することができる。
【符号の説明】
【0070】
C:コネクタ
100:シールドケース
110:筒部
120:延長部
121:第1端
122:第2端
130a、130b:壁部
131a、131b:脚部
132a、132b:係合部
140:閉塞部
141a、141b:係合部
150:当接部
200:ボディ
210:第1部
211:先端部
211a:接続孔
212:基部
212a:ロック溝
212b:第1露出部
213:中間部
213a:ロック孔
220:第2部
221:収容凹部
222a、222b:挿入溝
223:第2露出部
230:収容溝
300:端子
310:接点部
320:リード部
330:テール部
400:シールドカバー
410:第1カバー部
420:第1弾性アーム
430:第2カバー部
440:第2弾性アーム
450:連結部
460:取付部
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B