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特許7051876アレイマイクロホンモジュール及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】アレイマイクロホンモジュール及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/40 20060101AFI20220404BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20220404BHJP
   H04R 1/04 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
H04R1/40 320A
H04R3/00 320
H04R1/04 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019540563
(86)(22)【出願日】2018-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 US2018015269
(87)【国際公開番号】W WO2018140618
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2021-01-25
(31)【優先権主張番号】62/451,480
(32)【優先日】2017-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504189151
【氏名又は名称】シュアー アクイジッション ホールディングス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SHURE ACQUISITION HOLDINGS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】バーネット ザカリー
(72)【発明者】
【氏名】シュマード ブレント ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ケイソン デイヴィッド グラント
(72)【発明者】
【氏名】アッシュ アンドレイ
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】アブラハム マシュー ティー
(72)【発明者】
【氏名】バイディア アビナッシュ ケイ
【審査官】冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-193176(JP,A)
【文献】特開2007-028267(JP,A)
【文献】特開2009-260585(JP,A)
【文献】特開2006-157857(JP,A)
【文献】特開2014-116930(JP,A)
【文献】特開2014-120839(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0270247(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/40
H04R 3/00
H04R 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
音声バスと、
前記ハウジングによって支持され、各々が前記音声バスと通信する第1の複数のマイクロホンと、
前記第1の複数のマイクロホン及び前記音声バスと通信するモジュールプロセッサと、
を備えるモジュール式アレイマイクロホンシステムであって、
前記モジュールプロセッサは、
前記音声バスと通信するアレイプロセッサの存在を検出し、
前記音声バスと通信する第2のマイクロホンモジュールの存在を検出し、
前記アレイプロセッサの存在及び前記第2のマイクロホンモジュールの存在を検出すると、前記マイクロホンモジュール及び前記第2のマイクロホンモジュールの数量及び接続順序を検出して、(i)前記第1の複数のマイクロホン及び(ii)前記第2のマイクロホンモジュールの両方からの音声信号を前記アレイプロセッサに渡すように前記音声バスを構成する、
ように構成される、ことを特徴とするモジュール式アレイマイクロホンシステム
【請求項2】
前記第1の複数のマイクロホンは、前記ハウジングの長さに沿って配列され、前記第1の複数のマイクロホンの各々は、前記長さに対してほぼ横方向に位置決めされる、請求項1に記載のシステム
【請求項3】
前記音声バスは、複数の音声チャネルを有する時分割多重化(TDM)バスを備える、請求項1に記載のシステム
【請求項4】
前記複数の音声チャネルは、前記第1の複数のマイクロホンからの第1の複数の音声信号を搬送する、請求項に記載のシステム
【請求項5】
前記複数の音声チャネルは、前記第2の複数のマイクロホンからの第2の複数の音声信号を搬送する、請求項に記載のシステム
【請求項6】
前記アレイプロセッサ又は前記モジュールプロセッサの何れかは、前記第1の複数の音声信号と前記第2の複数の音声信号とを時間整列する、請求項1に記載のシステム
【請求項7】
前記第2のマイクロホンモジュールは、第2の複数のマイクロホンを含み、
前記アレイプロセッサは、前記第1の複数のマイクロホンから第1の複数の音声信号を受信し、前記第2の複数のマイクロホンから第2の複数の音声信号を受信する、請求項に記載のシステム
【請求項8】
前記アレイプロセッサは、前記第1及び第2の複数の音声信号を処理して、少なくとも1つの誘導可能ビームを形成する、請求項に記載のシステム
【請求項9】
前記誘導可能ビームは、前記第1の複数のマイクロホン信号のうちの少なくとも1つ及び前記第2の複数のマイクロホン信号のうちの少なくとも1つからの音声信号を含む、請求項に記載のシステム
【請求項10】
前記音声バスを前記アレイプロセッサに接続する第1のコネクタと、
前記音声バスを前記第2のマイクロホンモジュールに接続する第2のコネクタと、を更に備える、請求項に記載のシステム
【請求項11】
前記第1及び第2のコネクタは、デジタルパラレル/シリアルインタフェース、アナログパラレル/シリアルインタフェース、ワイヤレスインタフェース、及び無線インタフェースからなるグループから選択される、請求項10に記載のシステム
【請求項12】
前記アレイプロセッサは、前記ハウジング内部に位置する、請求項1に記載のシステム
【請求項13】
前記音声バスは、前記マイクロホンモジュール及び前記第2のマイクロホンモジュールの各々における前記複数のマイクロホンが前記アレイプロセッサと通信するように、前記アレイプロセッサと、前記マイクロホンモジュールと、前記第2のマイクロホンモジュールとを接続し、
記アレイプロセッサ及び前記モジュールプロセッサは
(i)前記マイクロホンモジュール及び前記第2のマイクロホンモジュール前記数量及び前記接続順序を検出し、
(ii)前記数量及び前記接続順序を検出すると、記マイクロホンモジュール及び前記第2のマイクロホンモジュールの各々における前記複数のマイクロホンからの前記音声信号を前記アレイプロセッサに経路設定するように前記音声バスを構成する、
ように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の複数のマイクロホンは、前記第1の複数のマイクロホンの第1のクラスタが前記ハウジングの長さの中央の近くに形成され、前記第1の複数のマイクロホンの第2のクラスタが前記ハウジングの第1の端部の近くに形成され、前記第1の複数のマイクロホンの第3のクラスタが前記ハウジングの第2の端部の近くに形成されるように配列される、請求項に記載のシステム
【請求項15】
前記アレイプロセッサは、前記第1の複数のマイクロホンによって検出された前記音声信号のサブセットから形成される少なくとも1つの出力音声ストリームを生成し、前記サブセットは、一連のモジュール内の前記モジュールの位置に基づく、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年1月27日出願の米国特許出願第62/451,480号の優先権を主張するものであり、その開示内容全体は、本明細書に組み込まれる。
【0002】
従って、本出願は、一般に、アレイマイクロホンモジュール及びそのシステムに関する。具体的には、本出願は、他の同様のアレイマイクロホンモジュールと接続して、モジュール式アレイマイクロホンモジュールの構成可能システムを構築することができるアレイマイクロホンモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
会議室、役員用会議室、ビデオ会議アプリケーションなどの会議環境は、マイクロホンを使用して、このような環境でアクティブな様々な音声ソースからのサウンドを取り込むことを伴うことができる。このような音声ソースは、例えば、人間の会話を含むことができる。取り込まれたサウンドは、増幅スピーカ(拡声のため)を介して環境内の局所的聴衆に、又は当該環境から遠隔の別の場所(テレビ放送及び/又はウェブ放送などを介して)に広めることができる。
【0004】
従来型マイクロホンは通常、固定の極性パターンを有しており、手動で選択可能な設定をほとんど有していない。会議環境でサウンドを取り込むには、多くの従来型マイクロホンが同時に使用されて、環境内の音声ソースが取り込まれることが多い。しかしながら、従来型マイクロホンは、室内ノイズ、エコー、及び他の望ましくない音声要素などの不要な音声をも取り込む傾向がある。これらの不要なノイズの取り込みは、多くのマイクロホンの使用により悪化する。
【0005】
アレイマイクロホンは、所望の音声ソースに焦点を合わせて室内ノイズなどの不要な音声を排除することを可能にする誘導可能カバレッジ又はピックアップパターンを有するという点において利点を提供する。音声ピックアップパターンを誘導する能力は、比較的厳密でないマイクロホンの配置を可能にするという利点を提供し、このようにして、アレイマイクロホンはより許容的なものとなる。更に、アレイマイクロホンは、この場合も同様にピックアップパターンを誘導できる能力に起因して、1つのアレイマイクロホン又はユニットを用いて複数の音声ソースをピックアップする能力を提供する。
【0006】
しかしながら、アレイマイクロホンは、典型的には従来型マイクロホンよりも比較的大きいことを含む、幾つかの欠点を有しており、アレイマイクロホンの固定サイズにより、環境内でアレイマイクロホンを配置できる場所が制限されることが多い。更に、より多くの数のアレイマイクロホンが使用される場合、1つのアレイマイクロホンのマイクロホン要素は、別のアレイマイクロホンのマイクロホン要素と連携して動作しない。アレイマイクロホンからなるシステムは、多くの場合、適切に構成することが困難である可能性がある。また、アレイマイクロホンは、通常、従来型マイクロホンよりも遙かに費用がかかるものである。これらの欠点を考慮すると、アレイマイクロホンは、通常、その用途に適合するようにカスタマイズされ、アレイマイクロホンが、大規模で高度にカスタマイズされ費用のかかる設備で主に使用されることになる。
【発明の概要】
【0007】
従って、これらの問題に対処するシステムの機会が存在する。より具体的には、取り付け位置が容易に拡張可能であり柔軟性があり、システムが人間の話者などの音声ソースからのサウンドを最適に検出して不要なノイズ及び反射を排除できるように自己構成するアレイマイクロホンモジュールを含むモジュール式システムの機会が存在する。
【0008】
本発明は、とりわけ、(1)モジュール式で拡張可能であり、他のこのようなモジュールと接続されて容易にカスタマイズされる形状及びサイズのマイクロホンシステムを生成することができるアレイマイクロホンモジュールを提供し、(2)複数のかかるアレイマイクロホンモジュールに接続されたアレイプロセッサを備え、改善された指向性感度を有する自己構成アレイマイクロホンシステムを実現するアレイマイクロホンシステムを提供する、ように設計されたシステム及び方法を提供することによって、上述の問題を解決することを意図している。
【0009】
一実施形態では、マイクロホンモジュールは、ハウジングと、音声バスと、該ハウジングによって支持された第1の複数のマイクロホンとを備える。第1の複数のマイクロホンの各々は、音声バスと通信する。マイクロホンモジュールは更に、第1の複数のマイクロホン及び音声バスと通信するモジュールプロセッサを備える。モジュールプロセッサは、音声バスと通信するアレイプロセッサの存在を検出し、音声バスと通信する第2のマイクロホンモジュールの存在を検出し、第1の複数のマイクロホン及び第2のマイクロホンモジュールの両方からの音声信号をアレイプロセッサに渡すように音声バスを構成するように構成される。
【0010】
別の実施形態では、モジュール式アレイマイクロホンシステムは、アレイプロセッサとマイクロホンモジュールとを備える。マイクロホンモジュールは、ハウジングと、アレイプロセッサと通信する音声バスと、ハウジングによって支持された複数のマイクロホンとを備え、複数のマイクロホンの各々は音声バスと通信する。マイクロホンモジュールは更に、複数のマイクロホン及び音声バスと通信するモジュールプロセッサを備え、モジュールプロセッサは、音声バスに接続されたアレイプロセッサの存在を検出し、音声バスと通信する第2のマイクロホンモジュールの存在を検出し、複数のマイクロホン及び第2のマイクロホンモジュールの両方からの音声をアレイプロセッサに渡すように音声バスを構成するように構成される。
【0011】
更に別の実施形態では、モジュール式アレイマイクロホンシステムは、アレイプロセッサと、音声バスと、N個のマイクロホンモジュール(Nが少なくとも2である)とを備える。N個のマイクロホンモジュールの各々は、ハウジングと、ハウジングによって支持された複数のマイクロホンと、複数のマイクロホン及び音声バスと通信するモジュールプロセッサとを備える。音声バスは、アレイプロセッサとN個のマイクロホンモジュールとを接続して、N個のマイクロホンモジュールの各々における複数のマイクロホンが、アレイプロセッサと通信するようになる。N個のマイクロホンモジュール内のアレイプロセッサ及びモジュールプロセッサのうちの1又は2以上は、N個のマイクロホンモジュールの数量及び接続順序を検出して、N個のマイクロホンモジュールの各々における複数のマイクロホンからの音声信号をアレイプロセッサに経路設定するよう音声バスを構成するように構成される。
【0012】
更に別の実施形態では、マイクロホンモジュールは、長さ、第1の端部、及び第2の端部を有するハウジングと、音声バスと、ハウジングの長さに沿って配列された複数のマイクロホンとを備え、複数のマイクロホンの各々は、長さに対してほぼ横方向に位置決めされ、複数のマイクロホンの各々は、音声バスと通信する。マイクロホンモジュールは更に、複数のマイクロホン及び音声バスと通信するモジュールプロセッサを備え、該モジュールプロセッサは、音声バスと通信するアレイプロセッサの存在を検出し、音声バスと通信する第2のマイクロホンモジュールの存在を検出して、複数のマイクロホン及び第2のマイクロホンモジュールの両方からの音声をアレイプロセッサに渡すように音声バスを構成するように構成される。
【0013】
更に別の実施形態では、マイクロホンモジュールは、ハウジングと、音声バスと、ハウジングによって支持された複数のマイクロホンとを備え、複数のマイクロホンの各々は音声バスと通信する。マイクロホンモジュールは更に、複数のマイクロホン及び音声バスと通信するモジュールプロセッサを備え、モジュールプロセッサは、音声バスと通信するアレイプロセッサの存在を検出して、複数のマイクロホンからの音声信号をアレイプロセッサに渡すように音声バスを構成するように構成され、アレイプロセッサは、複数のマイクロホンによって検出された音声信号のサブセットから形成される少なくとも1つの出力音声ストリームを生成し、サブセットは、一連のモジュール内のモジュールの位置に基づく。
【0014】
更に別の実施形態では、モジュール式アレイマイクロホンシステムは、第1のマイクロホンモジュールと第2のマイクロホンモジュールとを備える。第1及び第2のマイクロホンモジュールの各々は、第1の端部、中央部分、第2の端部、及び第1の端部から第2の端部に延びる長さを有するハウジングと、音声バスと、ハウジングによって支持され、全体的にハウジングの長さにわたって分散する複数のマイクロホンとを備え、複数のマイクロホンの各々は、音声バスと通信し、複数のマイクロホンは、第1の端部に近接するマイクロホンの第1のクラスタと、第2の端部に近接するマイクロホンの第2のクラスタと、中央部分に近接するマイクロホンの第3のクラスタとを含む。
【0015】
更に別の実施形態では、モジュール式アレイマイクロホンシステムは、第2のマイクロホンモジュールに接続された第1のマイクロホンモジュールを備える。第1及び第2のモジュールの各々は、第1の端部、中央部分、第2の端部、及び第1の端部から第2の端部に延びる長さを有するハウジングと、音声バスと、ハウジングによって支持され、全体的にハウジングの長さにわたって分散する複数のマイクロホンとを備え、複数のマイクロホンの各々は、音声バスと通信する。複数のマイクロホンは、第1の端部に近接するマイクロホンの第1のクラスタと、第2の端部に近接するマイクロホンの第2のクラスタと、中央部分に近接するマイクロホンの第3のクラスタとを含む。第1のマイクロホンモジュールの第2の端部は、接続点で第2のマイクロホンモジュールの第1の端部に接続されて複合アレイマイクロホンが形成され、複合アレイマイクロホンは、第1の複合クラスタ、第2の複合クラスタ、及び第3の複合クラスタを備える。
【0016】
これらの及び他の実施形態並びに様々な置換例及び態様は、以下で明らかになり、本発明の原理を使用できる様々な方法を示す例示的な実施形態を提示する以下の詳細な説明及び添付図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】本発明の実施形態によるマイクロホンモジュールの斜視図である。
図1B図1Aのマイクロホンモジュールの平面図である。
図1C図1Aのマイクロホンモジュールの正面図である。
図1D図1Aのマイクロホンモジュールの端面図である。
図2図1Aのマイクロホンモジュールのブロック図である。
図3A】モジュール内部のマイクロホンの間隔を示す本発明の単一のマイクロホンモジュールの概略図である。
図3B】モジュール内部のマイクロホンの間隔を示す本発明の2つの接続されたマイクロホンモジュールの概略図である。
図3C】モジュール内部のマイクロホンの間隔を示す本発明の3つの接続されたマイクロホンモジュールの概略図である。
図4】制御モジュール及び3つのマイクロホンモジュールを含む本発明のシステムのブロック図である。
図5】制御モジュール及び3つのマイクロホンモジュールを含むシステムを示す図4のシステムの平面図である。
図6図5のシステムの代替の実施形態の平面図である。
図7】本発明の実施形態によるマイクロホンモジュールからなるシステムの実施例の正面図である。
図8A】本システムが指向性ビームを形成して環境内の音声をピックアップする場合の本発明の実施形態によるマイクロホンモジュールからなるシステムの平面図である。
図8B】代替のビーム形成幾何学的形状を有する、図8Aのシステムの代替の実施形態の平面図である。
図8C】別の代替ビーム形成幾何学的形状を有する、図8Aのシステムの更に別の代替の実施形態の平面図である。
図9】会議室環境と会議用テーブルの上面に取り付けられた表面とに展開される、本発明の実施形態によるマイクロホンモジュールからなるシステムの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明は、本発明の原理に従う本発明の1又は2以上の特定の実施形態について説明し、図示し、例示するものである。この説明は、本発明を本明細書で説明する実施形態に限定するためではなく、むしろ当業者が、本発明の原理を理解し、その理解の上でこれらの原理を適用して、本明細書で説明する実施形態だけでなく、これらの原理に従って想起し得る他の実施形態も実施できるように、本発明の原理を説明及び教示するために提示される。本発明の範囲は、文言上、又は均等論の下で添付の特許請求の範囲に含まれる可能性のある全てのこのような実施形態をカバーすることが意図されている。
【0019】
明細書及び図面では、同様の又は実質的に同様の要素には同様の参照数字を付している場合があることに留意されたい。しかしながら、例えば異なる数字を付すことで説明がより明確になる場合には、これらの要素に異なる数字を付す場合がある。更に、本明細書に示す図面は、必ずしも縮尺通りに作図されているものではなく、場合によっては、特定の特徴をより明確に示すために比率が誇張されていることがある。このような表示及び作図手法は、必ずしも基となる本質的な目的に関与するものではない。上述したように、本明細書は、本明細書で教示され当業者に理解される本発明の原理に従って全体として理解されて解釈されるように意図されている。
【0020】
また、本明細書で説明及び図示される例示的なシステム、構成要素、及びアーキテクチャに関して、本実施形態は、当業者であれば理解できるように、1又は2以上のシステム、ハードウェア、ソフトウェア、又はファームウェア構成もしくは構成要素、或いはこれらの何らかの組み合わせを含む、極めて多くの構成及び構成要素によって具現化され、又はこれらにおいて利用することができる点を理解されたい。従って、図面は、本明細書で意図された実施形態のうちの1又は2以上に関する構成要素を含む例示的なシステムを示すものであり、各実施形態に関して、本システム内の1又は2以上の構成要素が、存在しない場合又は必要でない場合があることを理解されたい。
【0021】
図1を参照すると、音圧の任意の周波数とすることができ、例えば音声ソースを含む外部音響源からのサウンドを検出するための本発明によるマイクロホンモジュール100の例示的な実施形態が示されている。マイクロホンモジュール100は、一般に、第1の端部112及び第2の端部114を有する細長いハウジング110を備える。マイクロホンモジュール100は、一般に、第1の端部112から第2の端部114に延びる長さ(L)を有する。アレイ122状に配列された複数のマイクロホン120は、モジュール100のハウジング110によって支持される。一実施形態では、マイクロホン120は、ハウジング110の内側に取り付けられてこのハウジングによって支持されるが、代替の実施形態では、マイクロホン120は、ハウジング110の外部に、ハウジング110の部分的に内部でハウジングの部分的に外側に、又はマイクロホン120がハウジング110によって構造的に支持されるような他の方法で取り付けることができる。
【0022】
図1Aから図1Cに示されている実施形態では、25個のマイクロホン120がアレイ122状に配列され、ハウジング110内に取り付けられる。モジュール100のマイクロホン120がサウンドを受け取ることを可能にするために、1又は2以上の開口部116がハウジング110に形成されて、サウンドがハウジング110を通過できるようになる。図1Aに示されている実施形態では、単一のスロット形状開口部116が、モジュール100のハウジング110に形成され、この開口部は、任意選択で、図示のように、マイクロホン120及びモジュール100の他の内部構成要素が保護されるように多孔質スクリーンで覆われる。別の実施形態では、多数の開口部116が、ハウジング110に形成されて、外部音声ソースからのサウンドが、モジュール100のハウジング110によって支持されたマイクロホン120に到達することが可能になることができる。開口部116は、スロット、スリット、穿孔、穴、及びハウジング110内の開口部の他の配置を含む様々な形態をとることができる。
【0023】
図1の実施形態では、マイクロホン120は、全体的に線形方式で配列されて、マイクロホンモジュール100の長さ(L)に沿って位置決めされた線形アレイ122が形成される。マイクロホン120は、全体的にモジュール100の長さ(L)に沿って位置決めされるが、これらのマイクロホンは、直線に沿って位置決めされる必要はなく、モジュール100のハウジング110全体にわたって様々な構成で位置決めすることができる。一実施形態では、マイクロホン120は、全体的に長さ(L)に対して横方向に位置決めされ、ハウジング110内の開口部116に近接して位置決めされて、モジュール100の外側の外部音声ソースからのサウンドを検出することができる。マイクロホン120は、互いに平行である必要はないが、一実施形態では、好ましくは、ハウジング110の長さ(L)に対して横方向に位置決めされる。
【0024】
マイクロホン120は、開口部116に対してある特定の向きに位置決めされてハウジング110の外側の音声ソースを検出する指向性マイクロホンとすることができる。代替的に、マイクロホン120は、音波が開口部116経由でハウジング100を介してハウジング110を貫通してマイクロホン120に到達できる限り、開口部116又はハウジング110に対して特定の方法で位置決めされる必要がない無指向性又は全方向性マイクロホンとすることができる。別の実施形態では、マイクロホン120の代替の幾何学的配置を含む他のアレイ122を利用することができる。例えば、アレイ122は、円形又は矩形構成で配列の、又は平面にわたってマイクロホン120のネスト化同心リングを有するマイクロホン120を備えることができる。ハウジング110の長さは、モジュール100の最大寸法である必要はなく、むしろ、それに沿ってマイクロホン120が位置決めされるモジュール100の任意の寸法とすることができる。従って、代替の実施形態では、マイクロホン120のレイアウト及び配置は、ハウジング110内のマイクロホン120の二次元及び三次元配置を含む、任意の様々なパターンとすることができる。これらの配置は、マイクロホン120の円弧、円形、方形、矩形、十字形、交差、平行、又は他の形状の配置を含むことができる。
【0025】
マイクロホンモジュール100は、モジュールプロセッサ140及び音声バス150を含み、これら両方は、図1Aに示されている実施形態において、マイクロホンモジュール100のハウジング110内部に位置決めされる。音声バス150は、複数のマイクロホン120から音声信号を受信し、バス150に沿って他の接続デバイスにこのような音声信号を搬送又は送信するように作用する。このようにして、音声バス150は、複数のマイクロホン120と通信する。音声バス150は、本明細書で説明されるように、音声バス150の音声信号を搬送する複数のバスチャネル152(図2を参照)を備えることができる。モジュールプロセッサ140は、複数のマイクロホン120及び音声バス150と通信するローカルオンボードプロセッサである。モジュールプロセッサ140は、本明細書で説明するように、マイクロホンモジュール100の様々な構成要素の間の通信を可能にすることにおいて様々な機能を実行する。
【0026】
マイクロホンモジュール100は更に、モジュール100のハウジング110によって支持される1又は2以上のコネクタ130を含むことができる。図1に示されている実施形態では、マイクロホンモジュール100は、ハウジング110の第1の端部112に近接する第1のコネクタ132と、ハウジング110の第2の端部114に近接する第2のコネクタ134とを含む。コネクタ132、134は、外部デバイスがコネクタ132、134に接続された場合に、音声バス150によって搬送される音声信号が、このような外部デバイス(図示せず)との間で送受信できるように、音声バス150と電気通信する。
【0027】
様々な実施形態において、コネクタ130は、本明細書で説明されるように、機械的接続デバイス及び電気的接続デバイスの両方とすることができる。例えば、コネクタ130は、1つのモジュール100を別のモジュール200に機械的にも両方接続することができる(例えば、図5を参照して説明するように)。同時に、コネクタ130は、本明細書でより詳細に説明されるように、接続されたモジュール100、200間の電気接続を完了する。コネクタ130は、例えば、デジタルパラレル/シリアルインタフェース、アナログパラレル/シリアルインタフェース、及び他の有線インタフェースを含む、様々な異なる電気インタフェースの形態をとることができる。更に、コネクタ130は、電気信号が、接続された外部デバイスと無線で送受信される無線インタフェース又は接続ポイントとすることができる。このような場合、無線コネクタ130は、図1に示されるように、ハウジング110の外部に見えるのではなく、マイクロホンモジュール100のハウジング110内に完全に収容することができる。
【0028】
コネクタ130は、本明細書で説明するように、マイクロホンモジュール100が、1つのモジュール端が次のモジュールに接続された状態で、直列又は「デイジーチェーン」方式で1又は2以上の他のマイクロホンモジュールに接続されることを可能にする。この接続性は、音声バス150が、マイクロホンモジュール100の基板上のマイクロホン120からの音声、並びにモジュール100の下流にありコネクタ130経由でモジュール100に接続された任意の他のマイクロホンモジュールからの音声を搬送する能力をサポートする。同様に、コネクタ130は、音声バス150が、コネクタ経由で接続された上流の任意の他のデバイス(別のマイクロホンモジュールなど)音声信号を送信することを可能にする。
【0029】
一実施形態では、モジュールプロセッサ140は、フィールドプログラマブルゲートアレイ又はFPGAデバイスである。しかしながら、別の実施形態では、モジュールプロセッサ140は、モジュール100に対する入力及び出力を制御し音声バス150を制御することができるプロセッサの様々な他の形態をとることができる。例えば、モジュールプロセッサ140は、多くの適切なマイクロプロセッサ(MPU)及び/又はマイクロコントローラ(MCU)のうちの1つとすることができる。モジュールプロセッサ140は更に、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は複雑なプログラマブルロジックデバイス(CPLD)などのカスタマイズされたハードウェアASICを備えることができる。モジュールプロセッサ140は更に、モジュール100に対する入力及び出力がどのように接続されるかを再構成するための一連のデジタル/アナログバスマルチプレクサ/スイッチを備えることができる。
【0030】
モジュール100内のマイクロホン120は、音声ソースからのサウンドを検出して、そのサウンドを電気的音声信号に変換することができる任意の好適なタイプのトランスデューサとすることができる。好ましい実施形態では、マイクロホン120は、微小電気機械システム(MEMS)マイクロホンである。別の実施形態では、マイクロホン120は、コンデンサマイクロホン、バランスドアーマチュア型マイクロホン、エレクトレットマイクロホン、ダイナミックマイクロホン、及び/又は他のタイプのマイクロホンとすることができる。
【0031】
特定の実施形態では、マイクロホンモジュール100は、MEMSマイクロホンの使用により、サウンド周波数範囲にわたってより高い性能を達成することができる。MEMSマイクロホンは、極めて低コストで極めて小型とすることができ、それによって、多数のマイクロホン120を単一のマイクロホンアレイに近接して配置することが可能になる。従って、利用可能なMEMSマイクロホンのサイズが極めて小さい場合に、多数のマイクロホン120がモジュール100に含めることができ、このようなより高いマイクロホン密度は、既存のアレイと比較して振動ノイズの排除を高めることができる。更に、既存のアレイは、固定ビーム幅に制限されているのに対し、本アレイのマイクロホン密度は、ビーム幅の制御を異なるものにすることを可能にすることができる。更に別の実施形態では、マイクロホンモジュール100は、マイクロホン密度が維持される限り、代替の変換機構(例えば、コンデンサ、バランスドアーマチュアなど)を使用して実装することができる。
【0032】
更に、モジュール100内のアレイにおいてMEMSマイクロホン120を使用することにより、サウンド信号の処理は、より容易で簡単かつ効率的に行うことができる。具体的には、一部のMEMSマイクロホンは、デジタル形式で音声信号を生成するので、モジュールプロセッサ140は、アナログデジタル変換/変調技術を含む必要がなく、マイクロホン120によって取り込まれた音声信号を混合するのに必要な処理の量が削減される。更に、マイクロホンアレイは、MEMSマイクロホンが優れた圧力トランスデューサであるが、不十分な機械式トランスデューサであるという事実に起因して、本質的に振動ノイズを排除する能力が高く、他のマイクロホン技術と比較して高い無線周波数耐性を有することができる。
【0033】
一実施形態では、マイクロホン120は、モジュール100のハウジング110内部に取り付けられた基板154に結合すること、又はそれに含めることができる。MEMSマイクロホンの場合、基板154は、1又は2以上のプリント回路基板(本明細書では「マイクロホンPCB」とも呼ばれる)とすることができる。例えば、図1において、マイクロホン120は、マイクロホンPCB154に表面実装され、単一面に含まれる。別の実施形態では、例えば、マイクロホン120がコンデンサマイクロホンである場合に、基板154は、炭素繊維又は他の好適な材料から作製することができる。
【0034】
また、モジュール100の他の構成要素は、基板又はPCB154によって支持すること、又はその内部に形成することもできる。例えば、モジュールプロセッサ140は、PCBによって支持されて、PCB154に形成された電気経路経由でマイクロホン120、音声バス150、及びコネクタ130と電気通信するようにセットすることができる。また、音声バス150、及び音声バス150を備える様々なバスチャネル152は、PCB154の内部又はその上に部分的に又は全体的に形成することができる。更に、コネクタ130は、PCB154によって支持することができ、或いはPCB154の内部又はその上に一体化して形成することができる。
【0035】
例えば、図1で分かるように、モジュール100の第1の端部112にある第1のコネクタ132は、複数の電気パッド133を含む電気コネクタを備えることができる。同様に、モジュール100の第2の端部114にある第2のコネクタ134は、複数の電気接点135を含む電気コネクタを備えることができる。図5を参照して説明するように、第2のモジュール200の第1の端部212が第1のモジュール100の第2の端部114に挿入されてそれと結合されて、これらのモジュールのコネクタ232、134が接続されるようになった場合に、第2のモジュール200の電気パッド(図示せず)は、第1のモジュール100の電気接点135と電気的に接触するようになり、2つのモジュール100、200間の電気接続が完了する。第2のモジュール200の電気パッドは、第1のモジュール100の電気パッド133と同様であるとすることができる。一実施形態では、電気パッド133及び接点135の何れか又は両方は、図1における第1のコネクタ132などのPCBに形成することができる。
【0036】
一実施形態では、音声バス150は、時分割多重化バス(又はTDMバス)を備える。TDMバスは、複数の音声チャネル152を有しており、これらの音声チャネルは、図2に示される実施形態では、8個の音声チャネル152である。代替の実施形態では、モジュール100に設けられたマイクロホン120の数量、及びモジュール100が使用されると予期される用途に応じて、より多い又はより少ない音声チャネル152が、音声バス150上に設けることができる。
【0037】
公知である時分割多重化の使用は、共通の信号経路を通じて独立した信号を送受信することを可能にする。TDMでは、1つの通信チャネル内のサブチャネルとして同時に現れる複数の音声信号又はビットストリームが転送されるが、これらの信号又はビットストリームには、通信チャネル上で物理的な順番を利用している。従って、音声バス150としてTDMバスを使用することにより、音声バス150は、音声入力の数よりも少ない音声チャネル152を有することができる。例えば、図1及び図2に示されているように、TDM音声バス150は、25個のマイクロホン120と通信する8個の音声チャネル152、並びにコネクタ130経由で接続された任意の追加のマイクロホンモジュールからの任意の下流音声を有する。図1及び図2に示されている実施形態では、TDMバス150は、合計で168個までのマイクロホンモジュールに対して、各々がチャネルあたり21個までのマイクロホン信号を搬送できる8個の音声チャネル152を有し、6個もの数のマイクロホンモジュールが、一緒に直列接続又は「デイジーチェーン接続」されて、単一の連続音声バスに接続されることが可能になる。別の実施形態では、モジュール100に存在するマイクロホン120の数、及びTDMバス150の構成に応じて、更に多くのモジュール100が、互いに直列接続することができる。
【0038】
図1のマイクロホンモジュール100のブロック図が図2に示されている。図1を参照して説明したように、モジュール100は、モジュール100の様々な構成要素が収容されるハウジング110を含む。モジュール内の複数のマイクロホン120aから120yは、モジュールプロセッサ140及び音声バス150と通信する。音声バス150は一対のコネクタ130と通信し、それによって、モジュール100を直列エンドツーエンド方式で一緒にデイジーチェーン接続することが可能になる。音声バス150は、複数の音声チャネル152を備え、モジュール100のマイクロホン120からの音声信号、並びにコネクタ132、134経由で下流に接続された任意のモジュールから受信した音声信号が、これらの音声チャネルを通じて送信される。
【0039】
図3Aを参照すると、マイクロホンモジュール100内部で使用される線形アレイ122内のマイクロホン120の好ましい配置が示されている。線形アレイ122は、25個のマイクロホン120aから120yを備え、これらのマイクロホンは、図3Aに示される幾何学的配置で互いに間隔をおいて配置される。この実施形態では、マイクロホン120aから120yは、全体的にアレイの長さ(L)に沿って位置決めされる。幾つかの実施形態では、マイクロホン120aから120yは、異なる周波数帯域の音声に対する指向性感度をサポートするために、調和的ネスト化方式でアレイ122に沿って間隔を空けて配置されて位置決めされる。調和的ネスト化技術を使用すると、マイクロホン120aから120yは、動作周波数の範囲内の特定の周波数帯域をカバーするのに使用することができる。調和的ネスト化は、2015年4月30日に出願の米国特許出願第14/701,376号、すなわち、現在はShure Acquisition Holdings社に譲渡されている米国特許第9,565,493号において完全に説明されており、その開示内容全体は、あたかも完全に本明細書で提示されるように組み込まれる。
【0040】
好ましい実施形態では、5つのマイクロホン120aから120eからなるグループが、アレイ122の第1の端部122aの近くで互いに近接して位置決めされて、マイクロホン120の第1のクラスタ124が形成される。同様に、5つのマイクロホン120uから120yからなる第2のグループが、アレイ122の第2の端部122aの近くで互いに近接して位置決めされて、マイクロホン120の第2のクラスタ126が形成される。同様に、マイクロホン120の第3のクラスタ128は、アレイ122の中心122cの近くで互いに近接して位置決めされた9個のマイクロホン120iから120qからなるグループによって形成される。アレイ122の端部122a、b及び中心122cの近くのクラスタ124、126、128のこの配置は、マイクロホンモジュール100が、「モジュール式」である能力又は本明細書で説明するように、可変又は選択可能な長さのマイクロホンアレイが形成されるように他の同様のマイクロホンモジュールと直列又はデイジーチェーン方式で接続可能である能力をサポートする。
【0041】
クラスタ124、126、128は、マイクロホンモジュール100が、モジュール100のマイクロホン120を使用して所望の指向性音声を送信し、マイクロホンビームの外側で不要な音声を排除するように、誘導可能なマイクロホンビームを形成する能力をサポートする。具体的には、マイクロホンアレイ122によって取り込まれることが求められる音声の周波数範囲に応じて、アレイ122の中心122cにクラスタ128を有することが有用である。しかしながら、モジュール100がアレイ122の端部122a、bでなく、アレイ122の中心122cにのみクラスタ128を含む場合には、モジュール100が本明細書で意図されるように直列方式で接続される場合に、問題が生じることになる。
【0042】
例えば、2つの接続されたモジュール100、200からなるシステムが図3Bに示されている。モジュール200は、モジュール100と同様であり、第1の端部212、第2の端部214、及び複数のマイクロホン220aから220yを含むことができる。2つのモジュール100、200が、図3Bに示されているようにシリアル線形方式で接続又はデイジーチェーン接続される場合に、複合線形アレイ122、222は、接続された一対のモジュール100、200のアレイ122、222によって形成される。各アレイ122、222は、アレイ122、222の物理的な端部に位置するクラスタ124、126、224、226を含むので、アレイ122、222が結合された(2つのモジュール100、200の統合により)場合に、統合されたアレイ122、222は、本システムの端部でクラスタ124、226の集まりを維持する。更に、組み合わされたクラスタ126、224は、組み合わされたアレイ122、222の中央に残り、それによって、組み合わされたアレイ122、222の中心にマイクロホン120のクラスタが維持される。従って、モジュール100の端部にクラスタ124、126を含め、更にモジュール100の中央にクラスタ128を含めることは、高いレベルの性能を維持しながら、モジュール100、200を一緒にデイジーチェーン接続することをサポートする。
【0043】
クラスタの位置は更に、図3Cに示されているシステムで分かるように、3つのモジュールを有するシステムにおいて実証される。図3Cでは、複合アレイ122、222、322は、3つのマイクロホンモジュール100、200、300の直列接続によって形成される。モジュール300は、モジュール100、200と同様であり、ハウジング310、第1の端部312、第2の端部314、及び複数のマイクロホン320aから320yを含むことができる。このような構成では、第2のモジュール200のアレイ222の中心222cにあるマイクロホン220のクラスタ228は、3つのモジュール100、200、300によって形成された複合アレイ122、222、322の全体的中心にも位置する。この構成は、線形方式で形成された奇数個のモジュールを有する任意のシステムに相当する。モジュール300は、他のクラスタ324、326、328を含むことができる。モジュール300は更に、第1のコネクタ332及び第2のコネクタ334を含むことができる。
【0044】
マイクロホンモジュール100は、様々な数のモジュールからなるシステムで使用されるように設計されているので、モジュール100が、上述のように任意の数のモジュールの接続性をサポートするように構成されること、すなわち、奇数又は偶数のモジュール100が、線形方式で直列に接続又はデイジーチェーン接続されるかに関係なく、アレイ122の中心122cにマイクロホン120のクラスタ128(並びにアレイ122の端部クラスタ)を有することが重要である。一実施形態では、このことは、アレイ122の第1の端部122a及び第2の端部122bに第1のクラスタ124及び第2のクラスタ126を含めることによって達成される。これらの端部クラスタ124、126は、一緒に、偶数個のモジュール100から形成された複合アレイの中心にクラスタを形成するようになる。
【0045】
例えば、図3Bに戻ると、2つのマイクロホンモジュール100、200は、直列方式で一緒に接続されて、複合線形アレイ122、222が形成される。第1のモジュール100と第2のモジュール200とを互いに物理的に近接して位置決めすることにより、第1のモジュール100のハウジング110の第2の端部114は、第2のモジュール200のハウジング210の第1の端部212に近接する。このようにして、ハウジング110、210は、システムを形成する個々のモジュール100、200のマイクロホン120、220のセットにより形成されたマイクロホン120、220の単一のシステムを効果的に形成する。このことは更に、第1モジュール100のアレイ122の第2端部122bが第2のモジュール200のアレイ222の第1の端部222aに隣接することをもたらし、2つのモジュール100、200からなる2つのアレイ122、222を備える単一の線形複合アレイ122、222が効果的に形成される。モジュール100、200のアレイ122、222上に端部クラスタ124、126、224、226を含めることは、2つのモジュール100、200がこのようにして接続された場合に、マイクロホン120、220のクラスタが形成されることを保証する。具体的には、図3Bで分かるように、第1のモジュール100上のマイクロホン120の第2のクラスタ126は、第2のモジュール200のマイクロホン220の第1のクラスタ224に近接しているため、複合アレイ122、222は、ここで、これら2つのクラスタ126、224によって形成されたマイクロホン120、220の中心クラスタを含むようになる。同様に、直列線形方式で一緒に接続された偶数個のモジュール100を含む任意のシステムでは、このシステムは、常に、システム内のモジュール100、200によって形成された複合アレイ122、222の中心にマイクロホン120のクラスタを含むことになる。
【0046】
図4を参照すると、モジュール式アレイマイクロホンシステム50の一実施形態のブロック図が示されている。システム50は、図1及び図2を参照して説明したモジュール100、200、300などの1又は2以上のマイクロホンモジュール100を含む。図示の実施形態では、システム50は、3つのマイクロホンモジュール100、200、300を含む。システム50は更に、システム50のモジュール100、200、300と通信するアレイプロセッサ60を含む。アレイプロセッサ60は、システム50を制御するように作用し、接続されたモジュール100、200、300のモジュールプロセッサ140、240、340と連携して動作する。
【0047】
図4に示されているものなどの実施形態では、本システムは、システム50内のマイクロホンモジュール100、200、300とは別個のハードウェア要素であり得る制御モジュール62を含む。制御モジュール62は、制御モジュール62の構成要素を収容するハウジング64を備える。アレイプロセッサ60は、制御モジュール62の構成要素であり、制御モジュールハウジング64内部に配置することができる。制御モジュール62は、例えば適切なケーブル接続の使用により、マイクロホンモジュール100、200、300などのシステム50の他の構成要素と電気接続する制御モジュール62を配置するためのコネクタ66を含むことができる。
【0048】
図6を参照して図示され説明される実施形態などの代替の実施形態では、別個の制御モジュール62が不要になるように、アレイプロセッサ60が、マイクロホンモジュール100、200、300のうちの1又は2以上の基板上に存在することができる。このような実施形態では、各マイクロホンモジュール100、200、300は、アレイプロセッサ60を含んで、モジュール100、200、300が、本明細書で説明されるように相互接続された場合に、オンボードアレイプロセッサ60が、音声バス150又はモジュール100、200、300との間の他の電気接続を介して互いに通信することができるようになる。相互接続されると、システム50のアレイプロセッサ60のうちの1又は2以上は、アレイプロセッサ60を参照して本明細書で説明するシステム制御及び処理機能を実行することができる。
【0049】
一実施形態では、複数のモジュール100、200、300は、これらのモジュールのそれぞれのコネクタ130、230、330経由で直列方式で接続され、次に、図4から図6で分かるように、制御モジュール62のコネクタ66経由でアレイプロセッサ60に接続することができる。より具体的には、制御モジュール62のコネクタ66から第1のマイクロホンモジュール100の第1のコネクタ132への電気接続が行われる。第2のマイクロホンモジュール200を「デイジーチェーン接続」又は直列接続するために、第1のモジュール100の第2コネクタ134から第2のモジュール200の第1のコネクタ232への電気接続が行われる。同様に、第3のマイクロホンモジュール300は、第2のマイクロホンモジュール200の第2のコネクタ234から第3のモジュール300の第1のコネクタ332への電気接続を完了することによって、チェーンに追加することができる。システム50は、モジュール100、200、300上の利用可能な接続130、230、330を使用して同様の方法で接続される追加のマイクロホンモジュール100、200、300を含むように増加することができる。
【0050】
接続されると、アレイプロセッサ60は、接続されたマイクロホンモジュール100、200、300を通過する音声バス150、250、350と相互作用することによってシステム50を制御する。音声バス250、350は、音声バス150と同様であり、複数のバスチャネル252、352を備えることができ、これらのバスチャネルは、それぞれ、音声バス250、350の音声信号を搬送する。このようにして、アレイプロセッサ60は、システム50のマスタコントローラとして作用する。モジュールプロセッサ140、240、340は、アレイプロセッサ60との間で情報を中継して、システム50を動作可能に構成することを支援することによって、システム50をサポートする。接続されると、様々なモジュール100、200、300の音声バス150、250、350は、連携して動作して、システム50の複合音声バスを形成する。
【0051】
例えば、図4に示されているものなどの実施形態では、システム50の構成要素が接続されて電源投入されると、モジュールプロセッサ140、240、340は、アレイプロセッサ60と連携して動作して、システム50内の接続された構成要素を特定してそれを識別する。一実施形態では、システム50は、システム50内のマイクロホンモジュール100、200、300の数量及び接続順序を含む、システムの接続された構成要素に関する情報を自己検出してそれを認識してそれを共有する。従って、各モジュールプロセッサ140、240、340は、これらのプロセッサが存在するモジュール100、200、300に何が接続されているかを特定でき、相互接続されたモジュール100、200、300は、この接続情報を互いに及びアレイプロセッサ60と共有することができる。
【0052】
図4に示されている実施形態では、例えば、モジュールプロセッサ140、240、340は、プロセッサ140、240、340が存在するマイクロホンモジュール100、200、300の接続構成を決定することができる。図示の実施形態では、各マイクロホンモジュール100、200、300は、5つの利用可能な接続構成のうちの1つであるものとして検出される。例えば、第1のマイクロホンモジュール100が、制御モジュール62又はアレイプロセッサ60の何れにも接続されておらず、他の何れのマイクロホンモジュール200、300にも接続されていない場合に、このモジュールのモジュールプロセッサ140は、マイクロホンモジュール100が「スタンドアロン」構成であることを検出でき、モジュール100は、動作中、このような構成にセットすることができる。マイクロホンモジュール100が、制御モジュール62に接続されているが、他の何れマイクロホンモジュール200、300にも接続されていない場合に、モジュールプロセッサ140は、このマイクロホンモジュールが、単にアレイプロセッサ60及び1つの接続モジュール100からなるシステム50からなる「アレイプロセッサを有する単一ブロック」構成であることを検出することができる。
【0053】
マイクロホンモジュール100が、制御モジュール62及び少なくとも1つの他のマイクロホンモジュール200、300に接続されている場合に、モジュールプロセッサ140は、このマイクロホンモジュール100が「最初のブロック」構成であることを検出することができる(モジュール100が、制御モジュール62に接続された一連の複数のモジュール100、200、300内で最初であることを示す)。マイクロホンモジュール200が、制御モジュール62に接続された一連のモジュール100、200、300内の最初のモジュールでなく最後のモジュールでもない場合に、モジュールプロセッサ240は、マイクロホンモジュール200が「中間ブロック」構成にあることを検出することになる。最後に、マイクロホンモジュール300が、制御モジュール62に接続された一連のモジュール100、200、300内の最後のモジュール300である場合に、モジュールプロセッサ340は、マイクロホンモジュール300が「最後のブロック」構成にあることを検出することになる。従って、システム50の自己検出能力は、システム内の各モジュール100、200、300が、それが5つの構成のどれであるか(スタンドアロン、アレイプロセッサを有する単一のブロック、最初のブロック、中間ブロック、又は最後のブロック)を判定して、このような構成情報をシステム50の他のモジュール100、200、300、並びにアレイプロセッサ60と共有して、システム50を構成することを可能にする。
【0054】
システム50は、アレイプロセッサ60及びマイクロホンモジュールプロセッサ140、240、340のうちの1又は2以上の間の相互作用を通じて、このシステムの構成を検知して決定するようにインテリジェントである。例えば、図4に示されている3つのモジュールのシステムでは、上述のように自己検出プロセスが実行されて完了した後、アレイプロセッサ60及びモジュールプロセッサ140、240、340の各々は、接続されたマイクロホンモジュール100、200、300の数量(この場合、3つ)、及び接続されたマイクロホンモジュール100、200、300の接続順序(この場合、第1のモジュール100が最初に接続され、第2のモジュール200が2番目に接続され、第3のモジュール300が3番目に接続されること)を認識することになる。プロセッサ60、140、240、340のうちの1又は2以上は、システム50が、最初のモジュール100を「最初のブロック」モード又は構成にセットし、第2モジュール200を「中間ブロック」モードにセットし、第3モジュール300を「最後のブロック」モードにセットするように、モジュール100、200、300を構成する。
【0055】
これらの構成ステップは、統一的に動作するようにシステム50をセットアップし、モジュールプロセッサ140、240、340が、モジュール100、200、300のオンボードマイクロホン120、220、320からの音声信号、並びに下流モジュール200、300からの任意の音声の両方で音声バス150、250、350を適切に埋めるように各モジュール100、200、300を構成することを可能にする。例えば、「最後のブロック」モードにある第3のモジュール300は、更なるモジュールがこのモジュールに接続されていないため、何れの下流モジュールからも音声信号を全く受信しないことを認識している。従って、システム50は、そのオンボードマイクロホン320からの音声信号で音声バス350を埋めるように音声バス350を構成する。「中間ブロック」モードにある第2のモジュール200は、1又は2以上の下流モジュール(この場合、第3のモジュール300)から音声信号を受信していることを認識している。従って、システム50は、そのオンボードマイクロホン220からの音声信号、並びに第3のモジュール300などの接続された下流モジュールからの音声信号の両方で音声バス250を埋めるように音声バス250を構成する。同様に、「最初のブロック」モードにある第1のモジュール100は、このモジュールが1又は2以上の下流モジュール(この場合、第2及び第3のモジュール200、300)から音声信号を受信していることを認識している。従って、システム50は、オンボードマイクロホン120からの音声信号、並びに第2のモジュール200及び第3のモジュール300などの、接続された下流モジュールからの音声信号で音声バス150を埋めるように音声バス150を構成する。
【0056】
このようにして、システム50は、制御モジュール62及び接続されたマイクロホンモジュール100、200、300にわたって、接続されたマイクロホンモジュール100、200、300の音声バス150、250、350から形成された複合音声バスを備える。複合音声バスは、接続されたマイクロホンモジュール100、200、300のマイクロホン120、220、320からの音声信号の全てを搬送し、これらの音声信号を制御モジュール62に渡し、この制御モジュールにおいて、アレイプロセッサ60が、この信号を処理して更にこの信号を送信することができる。従って、実施形態において、アレイプロセッサ60は更に、出力チャネルと通信して、複合音声バス150、250、350を介してアレイプロセッサ60で受信した音声を送信する。例えば、アレイプロセッサ60は、アウトバウンドオーディオが更に出力デバイスに送信されることを可能にする制御モジュール62内の接続を介して出力チャネルと通信することができる。例えば、出力デバイスは、サウンドを送信するための1又は2以上のスピーカ、音声増幅器、サウンドを送信するための電気通信デバイスなどとすることができる。会議環境では、出力チャネルは、サウンド強化のために環境に取り付けられた現地のラウドスピーカに接続することができる。或いは、出力チャネルは、遠隔地、例えば、電話会議に接続している他のユーザに音声を送信するための電話会議ブリッジに接続することができる。
【0057】
本明細書で説明するように、マイクロホンモジュール100のモジュール式態様は、システム50用の「ビルディングブロック」としてモジュール100を使用して様々なシステム50の構築及び構成を可能にする。このように、システム50は、マイクロホンモジュール100、200、300の各々のモジュール性を利用してカスタマイズされたマイクロホンアレイを形成することによって、モジュール100を使用して「アレイマイクロホンのアレイ」を形成し、このマイクロホンアレイは、システム50を形成するように一緒に接続されるマイクロホンモジュール100、200、300の数に依存する。次に、アレイプロセッサ60は、システム内のマイクロホン120、220、320の何れか及び全てからの音声信号を使用して、柔軟なビーム形成計算を実行して、本明細書で更に説明する誘導可能マイクロホンビームを形成することができる。
【0058】
図5を参照すると、図4のシステム50の例示的な実施形態が示されている。説明したように、3つのマイクロホンモジュール100、200、300は、一緒に接続されデイジーチェーン接続されて単一のマイクロホンアレイを形成する。第1のモジュール100は、制御モジュールコネクタ66を第1のモジュール100の第1のコネクタ132に接続する電気ケーブルを介して制御モジュール62に接続される。制御モジュールコネクタ66と第1のコネクタ132とを接続する電気ケーブルは、信号がアレイプロセッサ60と第1のモジュール100との間で渡されて、これら2つが通信できるようになる限り、2つのコネクタ66、132を直接接続する必要はなく、むしろ、ハードウェア、処理ユニット、又はケーブルの1又は2以上の中間要素がこのような接続に存在できることを理解されたい。
【0059】
第1のモジュール100の第2のコネクタ134は、第2のモジュールの第1のコネクタ232に接続される。同様に、第2のモジュール200の第2のコネクタ234は、第3のモジュール300の第1のコネクタ332に接続される。従って、図5に示されている実施形態では、モジュール100、200、300は、機械的及び電気的に接続されて、3つの相互接続されたモジュール100、200、300からなる単一のアレイを形成する。
【0060】
図6に示されている代替の実施形態では、システム50の様々なモジュール100、200、300は、様々なワイヤ又はケーブル131によって電気的に接続することができる。従って、第1のケーブルを使用して、第1のモジュール100の第2のコネクタ134を第2のモジュール200の第1のコネクタ232に接続することができる。同様に、第2のケーブルを使用して、第2のモジュール200の第2のコネクタ234を第3のモジュール300の第1のコネクタ332に接続することができる。図示のように、接続ケーブルの使用は、モジュール100、200、300の取り付けをより柔軟にすることができ、それは、この実施形態では、モジュール100、200、300が、互いに機械的に接続されておらず、むしろ、これらのモジュールのそれぞれのコネクタ130、230、330間のケーブルを介して電気的にのみ接続されるためである。従って、様々な長さの接続ケーブルを使用することにより、システム50のモジュール100、200、300の物理的間隔は、システム50が展開される環境にカスタマイズされて制御することができる。これらの方法で、モジュール100、200、300を接続又はデイジーチェーン接続する能力は、このようなシステム50の設計者及び設置者が、本明細書で説明する方法で異なる数のマイクロホンモジュール100、200、300を使用してこれらのマイクロホンモジュールを接続することによって、カスタム長マイクロホンアレイを構築することを可能にする。
【0061】
更に、図6に示されている実施形態では、システム50を制御するアレイプロセッサ60は、システム50の様々なモジュール100、200、300の基板上に含めることができる(本明細書で説明する別の実施形態のような別個のハードウェア制御モジュール62内にあるのとは対照的に)。従って、図6において、マイクロホンモジュール100、200、300の各々は、アレイプロセッサ60a、60b、60cを含む。第1のモジュール100を参照すると、アレイプロセッサ60aは、モジュールプロセッサ140と、音声バス150と、コネクタ130、132、134と、マイクロホン120とを含むモジュール100の他の構成要素と通信する。他のモジュール200、300は、同様に構成される。従って、様々なアレイプロセッサ60a、60b、60cは、協働して、図5におけるアレイプロセッサ60と同様の方法でシステムレベル制御及び処理を実行することができる。図6における実施形態では、システム50は、アレイプロセッサ60a、60b、60cのうちの1つが「マスタ」アレイプロセッサであるように、システム自体を構成して、システム50のシステムレベル処理を制御することができる。代替的に、複数のアレイプロセッサ60a、60b、60c、又はそれらの全てが、本明細書で説明するように、システムレベル処理要求を処理することができる。
【0062】
本発明の一実施形態では、システム50は、複合音声バス150、250、350を介してアレイプロセッサ50で受信した様々な音声信号における時間シフトを補償する必要がある。従って、システム50の様々な接続されたマイクロホンモジュール100、200、300の様々なマイクロホン120、220、320は、同時に音声を受信するが、異なる長さの音声バス150、250、350を通じてアレイプロセッサ60にこのような音声を送信するため、マイクロホン120、220、320で受信した音声信号は、異なる待ち時間及び遅延を有してアレイプロセッサ60に到達することがある。従って、システム50は、システム50内のモジュール100、200、300のマイクロホン120、220、320から受信した音声信号の異なる待ち時間を考慮する必要がある。一実施形態では、アレイプロセッサ60は、時間整列処理を実行して、モジュール100、200、300の様々なマイクロホン120、220、320から受信した音声を同期する。このことは、アレイプロセッサ60が更にシステム50の音声信号を出力デバイスに送信するときのエコー又はノイズなどの望ましくない効果を防止する。アレイプロセッサ60は、システムレベルで時間整列処理又は同期を実行することができる。代替的に、システムのモジュール100、200、300のモジュールプロセッサ140、240、340のうちの1又は2以上が、この時間整列処理を実行することができる。或いは、プロセッサ60、140、240、340は、協調して動作することによって、音声信号を時間整列することができる。一実施形態では、システム50は、音声信号が音声バス150、250、350を介して送信されるときに、タイムスタンプ情報を用いて音声信号を符号化して、このようなタイムスタンプ情報を使用して音声信号時間整列することができる。
【0063】
図7を参照すると、複数のマイクロホンモジュール100を含むシステム50の代替の実施形態が示されている。この実施形態では、1又は2以上のモジュール100は、各バンク70a、70b、70c、70dが、特にモジュール62のコネクタ66を介して集中制御モジュール62に接続された状態で、バンク70a、70b、70c、70dに接続される。コネクタ66は、単一の電気コネクタ又は接続点とすることができ、或いは代替的に、本明細書に記載の様々なバンク70a、70b、70c、70dを接続するのに使用される複数のコネクタ又は接続点を備えることができることを理解されたい。
【0064】
図7で分かるように、会議環境での特定の用途において、マイクロホンモジュール100、200、300、400、500、600からなる4つのバンク70a、70b、70c、70dは、壁に取り付けられたテレビ80の周りに接続される。第1のバンク70aは、テレビ80の上に取り付けられ、本明細書で説明するようにデイジーチェーン方式で接続された6つのモジュール100a、200a、300a、400a、500a、600aを備える。第1のモジュール100aは、図4から図6を参照して説明したように、制御モジュール62に接続される。同様に、モジュールの第2のバンク70bは、テレビ80の右側縁部に沿って位置決めされる。第2のバンク70bは、第1のモジュール100bが制御モジュール62に接続された状態で、デイジーチェーン方式で接続された2つのモジュール100b、200bを備える。モジュールの第3バンク70dは、テレビ80の底縁部に沿って取り付けられる。第3のバンク70cは、第1のモジュール100cが制御モジュール62に接続された状態で、6つのモジュール100c、200c、300c、400c、500c、600cを備える。最後に、モジュールの第4のバンク70dが、テレビ80の左側縁部に沿って位置決めされる。第4バンク70dは、第1のモジュール100dが制御モジュール62に接続された状態で、デイジーチェーン方式で接続された2つのマイクロホンモジュール100d、200dを備える。
【0065】
従って、図7に示されているシステム50は、アレイプロセッサ60を有する集中制御モジュール62に接続された複数のバンク70a、70b、70c、70dを備える。バンク70a、70b、70c、70dの各々は、複数のモジュール100、200、300、400、500、600を備える。様々なバンク70a、70b、70c、70dのモジュール100の全ては、本明細書で説明するように集中制御モジュール62の制御下にある。従って、システム50の柔軟性は、様々なバンク70a、70b、70c、70dの長さを各バンク70a、70b、70c、70dにおける異なる数のモジュール100でカスタマイズでき、任意の数のバンク70a、70b、70c、70dを利用して、システム50によってサウンドが取り込まれて送信される様々な環境でマイクロホンアレイの適切な配置を有するシステム50を構築できるという点において、このようなシステム50の設計者及び設置者にとって価値のある資産である。図7に示されているバンク70a、70b、70c、70d内のモジュール100の様々な配置は、複数の単一の様々なアレイモジュール100を用いた高度にカスタマイズ可能な解決策を現場に提供することを可能にし、このようなシステム50が、容易に設置及び設計されるのに望ましいものとなる。従って、システム50は、図4から6に示されているシステムなどの1つの一連の直列接続モジュール100、200、300を備えるように構成することができる。或いは、システム50は、図7に示されているシステム50などの、バンク70a、70b、70c、70dに配列された複数の一連の直列接続モジュールを備えるように構成することができる。
【0066】
図1から図7に示されており他の図に関して説明されるものなどのシステム50は、本明細書で説明するように、システム50の指向性感度を最適にするようにマイクロホンピックアップパターン又は「ビーム」を形成するように構成、制御、及び利用することができる。例えば、図8Aから8Cを参照すると、様々な誘導可能ビーム90aから90gが、システム50の様々なモジュール100、200、300のマイクロホンを使用して形成することができる。図8Aでは、このようなシステム50は、本明細書で説明されるようにデイジーチェーン方式で接続された3つのマイクロホンモジュール100、200、300を含む。マイクロホンモジュール100、200、300は、接続された制御モジュール(図示せず)の制御下で、様々な形状、サイズ、及び指向性ピックアップパターンを有する様々なビーム90aから90gを形成するのに使用することができる。例えば、図8Aで分かるように、第1のビーム90aは、第1のモジュール100のみを使用するシステム50によって形成されて、モジュール100を横切って楕円形方式で延びることができる。同時に、第2のビーム90bは、第2のモジュール200及び第3のモジュール300を使用して形成されて、より広い楕円形式で、更にモジュール200、300の長さを横切って延びることができる。このようにして、制御モジュール62は、システム50のモジュール100、200、300を独立して又は協調して動作させて、様々なビーム90a、90bを形成することができる。ビームは、ビーム90aのように、単一モジュール100内のものとすることができる。或いは、代替的に、ビーム90は、ビーム90bのように、複数のモジュール200、300にわたるものとすることができる。
【0067】
図8Bを参照すると、図8Aのシステム50の別の実施形態が示されており、この図において、複数のビーム90c、90dが、複数のモジュール100、200、300にわたって形成されている。この実施形態では、第1のビーム90cは、第1のモジュール100と第2のモジュール200の一部分とにわたって形成される。第2のビーム90dは、第2のモジュール200の一部分と第3のモジュール300とにわたって形成される。従って、制御モジュール62は、3つのマイクロホンモジュール100、200、300を使用して一対の対称ビーム90c、90dを生成し、このビームは、モジュール100、200、300から延びそれらを横切る楕円形ピックアップパターンである。
【0068】
図8Cに示されている更に別の実施形態では、図8Aのシステム50は、重なり合うビーム90f、90gを生成するように構成される。この実施形態では、第1のビーム90fは、第1のモジュール100の一部分と第2のモジュール200の一部分とにわたって形成される。第2のビーム90gは、第2のモジュール200の一部分と第3のモジュール300の一部分とにわたって形成される。両方のビーム90f、90gは、モジュール100、200、300から延びそれらを横切る楕円形ピックアップパターンである。しかしながら、この実施形態では、ビーム90f、90gは、重なり合って、図8Cに示されている所望のピックアップパターンを達成する。
【0069】
従って、制御モジュール62は、第1モジュール100のマイクロホン120、第2モジュール200のマイクロホン220、及び第3モジュール300のマイクロホン320を使用して独立ビーム90aから90gを生成することができ、このビームは、1つのモジュール100、200、300上で完全に生成されて複数のモジュール100、200、300にわたって延びることができ、互いに異なり互いから切り離すこと(図8A及び図8Bにおけるビーム90aから90gなど)又は重なり合うこと(図8Cにおけるビーム90f、90gなど)ができる。このようにして、様々なモジュール100、200、300のマイクロホンが、様々な形状、サイズ、及び方向のビーム90aから90gを形成するのに使用することができる。更に、モジュール100のうちの1つに搭載されたマイクロホン120で受信した音声信号は、複数のビーム90aから90gを形成するのに利用することができる。従って、システム50の各マイクロホン120、220、320は、図8Cに示されている第2のモジュール200のマイクロホン220のように、複数のビーム90aから90gの形成に関与することができ、図示の両方のビーム90f、90gの形成に関与する。
【0070】
図9を参照すると、本明細書で説明する実施形態によるシステム50の別の適用例が示されている。図示の適用例では、システム50は、会議用テーブル82と、複数の音声ソース、この場合、テーブル82の周りに位置する話者又は「話し手」84aから84fとを含む会議室環境に展開される。図示の構成では、6人の話者84aから84fは、3人の話者84a、84b、84cがテーブル82の片側に、3人の話者84d、84e、84fがテーブル82の反対側にいる状態で、会議用テーブル82の周りに位置する。システム50は、制御モジュール(図示せず)に接続された6つのマイクロホンモジュール100、200、300、400、500、600を含む環境に展開される。6つのモジュール100、200、300、400、500、600は、デイジーチェーン方式で接続されてマイクロホンアレイを構築し、このマイクロホンアレイは、この場合、会議用テーブル82の上面に位置決めされる。
【0071】
制御モジュール(図示せず)は、話者84aから84fによって生成されたサウンド及び音声をピックアップするために複数のビーム90h、90i、90j、90kを生成するようにシステム50を構成する。図9に示されているように、3つの高周波ビーム90h、90i、90jが、システム50によって生成され、これらのビーム90h、90i、90jの各々は、モジュール100、200、300、400、500、600から横断的に延びる同様のサイズ及び形状の楕円ピックアップパターンである。第1の高周波ビーム90hは、第1のモジュール100及び第2のモジュール200にわたって生成され、このビームは、モジュール100、200から反対方向に延びて指向性ピックアップパターンを生成して、会議用テーブル82の左端に近接して互いに向かい側に着席している2人の話者84a、84dからの音声を最適にピックアップする。第2の高周波ビーム90iは、第3のモジュール300及び第4のモジュール400にわたって生成され、このビームは、モジュール300、400から反対方向に延びて指向性ピックアップパターンを生成して、会議用テーブル82の中央に近接して互いに向かい側に着席している2人の話者84b、84eからの音声を最適にピックアップする。同様に、第3の高周波ビーム90jは、第5のモジュール500及び第6のモジュール600にわたって生成され、このビームは、モジュール500、600から反対方向に延びて指向性ピックアップパターンを生成して、会議用テーブル82の右端に近接して互いに向かい側に着席している2人の話者84c、84fからの音声を最適にピックアップする。
【0072】
システム50は更に、モジュール100から600の6つ全てにわたって生成され、最初のモジュール100から最後のモジュール600まで延びる低周波ビーム90kを含む。高周波波ビーム90h、90i、90jと同様に、低周数波ビーム90kは、モジュール100から600から反対方向に延びて指向性ピックアップパターンを生成して、会議用テーブル82の反対側に着席している6人全ての話者84aから84fの低周波成分を最適にピックアップする。従って、システム50は、システムを構築するのに使用されるモジュール100から600の異なるサブセット又は一部分を使用して、異なる周波数範囲に対して異なるビーム90h、90i、90j、90kを生成することができる。一実施形態では、低周波音声ソースは、モジュール100から600からなるシステムの全長を使用してこのような低周波音声ソースを取り込むことが最適であるように、物理的により長いアレイによってより効果的に取り込まれる。逆に、利用可能なモジュール100から600のサブセットにわたるマイクロホンを使用してビーム(最初の2つのモジュール100、200にわたって生成されるビーム90hなど)を生成することが最適であるように、より短いアレイによってより高い周波数の音声ソースを取り込むことがより効果的である場合がある。
【0073】
このようにして、システム50は、様々な接続モジュール100、200、300、400、500、600のマイクロホンを使用して、環境内の音声を最適にピックアップするように構成されたビーム90h、90i、90j、90kを生成する。図9のシステム50では、6つのモジュール100、200、300、400、500、600は、4つのビーム90h、90i、90j、90kを生成して、会議用テーブルの周りに着席した6人の話者84aから84fからの音声信号を取り込むのに使用される。しかしながら、システム50の効率的な構成可能性を考慮すると、制御モジュールは、モジュール100、200、300、400、500、600のハードウェア構成を切断、移動、又は阻害することを必要とすることなく、より多い又はより少ないビーム90h、90i、90j、90kを生成するように、又はビーム90h、90i、90j、90kの形状及び位置決めを変更して環境の変化に適応するように、システム50を迅速かつ容易に再構成することができる。この柔軟性は、接続可能なマイクロホンモジュール100を使用するこのようなシステム50によって提供される多くの利点のうちの1つである。更に、システム50は、ビーム90h、90i、90j、90kの軸が、意図された音声ソースとより適切に整列して音声ソースから生じる音声をより最適に取り込むように、ビーム90h、90i、90j、90kを移動、調整、又は誘導することができる。
【0074】
本明細書で説明する例示的な実施形態から理解できるように、複数のモジュール100、200、300を使用する様々なシステム50は、様々な環境で構築及び展開することができる。従って、「N」個のモジュール100を含むシステム50では、アレイプロセッサ60は、システム50によって使用される誘導可能ビーム90aから90kを生成及び形成するのに利用される音声信号を選択することにおいて、様々なN個のモジュール100にわたって利用可能なマイクロホン120から選択することができる。一実施形態では、システム50が選択するマイクロホン120、及びこれらのマイクロホン120が配置されるモジュール100は、システム50のモジュール100の数、すなわち「N」に基づく。従って、例えば、3つのモジュール100を有するシステム50は、6つのモジュール100を有するシステム50の場合よりも、モジュールにわたって異なるマイクロホン120を利用して、音声ソースからの指向性サウンドをピックアップするのに最適なビームを形成することができる。従って、一実施形態では、アレイプロセッサ60は、システム50に利用可能なモジュール100の数、すなわち、「N」、並びにマイクロホン120の数を決定して、本明細書で説明するビーム形成においてこのデータを使用する。別の実施形態では、システム50から他のデータを収集でき、このデータは、マイクロホンビームの数、サイズ、及び形状を構成するのに使用することができる。
【0075】
本明細書で説明するシステム50は、一般に、可聴スペクトル(約20Hzから20KHz)内の音響源からの音声のピックアップに言及する。しかしながら、本明細書で説明するシステム50は、可聴スペクトル内の音響信号に限定されるものではなく、様々な周波数の音響源をピックアップするように構成することができる。従って、本明細書で使用される「音声ソース」及び「音声バス」は、このような信号の周波数に関して決して制限されないと解釈すべきであり、むしろ、このような用語は、全ての範囲の音響信号の検出を含むことが意図されている。従って、本明細書で説明する様々なモジュール100及びシステム50のマイクロホン120は、例えば超音波などの、可聴周波数の範囲外の音響信号を検出することができるトランスデューサを含む任意の様々なトランスデューサとすることができる。本明細書で説明する方法と同様の方法で、本発明の開示のシステム50及びモジュール100は、このような他の音響信号を検出して、本明細書で説明する音声信号と同様の方法でかかる音響信号を処理してそれを送信するように構成することができる。
【0076】
様々な実施形態において、モジュール100及びそれらのハウジング110の一般的な形状及び構成を含むモジュール100は、それ自体、様々な形状をとることができる。例えば、モジュール100は、本明細書に示される実施形態の一部のように細長い直線状のものとすることができる。代替的に、モジュール100は、円弧、円形、方形、矩形、十字形、交差、平行、又は他の配置とすることができる。モジュール100は、このモジュール上に2つより多いコネクタを含んで、これらのモジュールが、互いに機械的に接続されて、様々な形状、サイズ、及び構成のモジュール100からなるシステム50を形成できるようになる。例えば、モジュール100は、互いに接続されて、2次元(モジュールの十字形配置、又は矩形配置など)又は3次元(立方体、球体、又は他の3次元形状で接続されたモジュールなど)に延びるようにことができる。一実施形態では、システム50は、例えば「シャンデリアのような」方式で天井からシステムを吊り下げることによって、環境に配置できる物体を形成するように互いに相互接続されたモジュール100の3次元構成を含むことができる。
【0077】
代替の実施形態では、他の音声バス構成を利用できることを理解されたい。例えば、モジュールからなるシステムは、これらのモジュールが機械的に相互接続されてモジュールのアレイを形成する場合に、音声が各モジュールを通って「上流」に流れるのではなく、むしろ、異なる音声信号経路設定を使用して、使用することができる。1つのこのような実施形態では、システム内の各モジュールからの音声信号は、中心点又はハブに経路設定され、次に、その中心点から上流のアレイプロセッサに経路設定することができる。このような構成は、「ハブ及びスポーク」構成、又は「スタートポロジ」と呼ばれることがある。別の実施形態では、複数のハブを使用することができ、各ハブは、複数の接続モジュールから音声信号を収集し、結合された音声を1又は2以上のアレイプロセッサに渡す。音声経路設定の他の構成が更に可能である。
【0078】
何らかの処理の説明又は図中のブロックは、処理における特定の論理関数又はステップを実行するための1又は2以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの一部分を表すと理解すべきであり、当業者であれば理解されるように、機能が、関連する機能に応じて、実質的に同時の又は逆の順番を含む、図示又は説明したものと異なる順番で実行できる別の実装形態は、本発明の実施形態の範囲内に含まれる。
【0079】
本開示内容は、様々な実施形態を本発明の技術に従ってどのように構成して使用するかについて説明することを意図するものであり、本発明の真の、意図した、公正な範囲及び趣旨を限定するものではない。上述の説明は、網羅的であること、又は開示される厳密な形態に限定されることを意図するものではない。上記教示を考慮すると、変更又は変形が可能である。実施形態は、説明した技術の原理及びその実用的な適用例の最適な説明をもたらし、また、当業者が、当技術を、様々な実施形態で、かつ想定される具体的な用途に適した様々な変更を伴って利用できるように、選択されて説明されている。かかる全ての変更例及び変形例は、本特許出願の係属中に補正される可能性のある添付の特許請求の範囲により定められる実施形態、及び、当実施形態が、公正に、慣習法上かつ衡平法上受ける資格のある権利の幅に従って解釈された場合の当実施形態の全ての均等例、の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
100 マイクロホンモジュール
110 ハウジング
112 第1の端部
114 第2の端部
116 開口部
120 マイクロホン
122 アレイ
130、132、134 コネクタ
140 モジュールプロセッサ
150 音声バス
152 バスチャネル
154 基板
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9