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▶ ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】パック
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
B65D85/10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019558424
(86)(22)【出願日】2018-04-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 GB2018051101
(87)【国際公開番号】W WO2018197880
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2019-11-22
(31)【優先権主張番号】1706847.9
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ムスタファ、アイザック
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-524429(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0163563(US,A1)
【文献】特表2015-511911(JP,A)
【文献】特開2004-204366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、開口位置と閉口位置の間を回転するように基部に取り付けられた蓋と、基部内に収容され、バリア材で包装されたタバコ産業製品を含む包装された束とを含むパックであって、このバリア材は、バリア材に取り出し領域を含み、包装された束は、取り出し領域を覆うための前記バリア材に接着されたラベルを含み、このラベルは取り出し領域を越えて延びる周辺部を有し、かつタバコ産業製品に触ることがきるように取り出し領域を開けるために使用時にはバリア材から剥がすことができ、前記バリア材は紙重量が85gsmより重い紙を含み、パックは内方フレームを含まないパック
【請求項2】
ラベルは、バリア材の表面に接着される別個のカバーを形成することを特徴とする請求項1記載のパック
【請求項3】
バリア材は重なり領域を含み、この重なり領域の間には包装された束はいかなる接着剤も備えないことを特徴とする請求項1または2記載のパック
【請求項4】
包装された束は、側面によって隔てられる正面と背面を有する平行六面体を形成し、バリア材の重なり領域の少なくとも一つは、包装された束の側面の一つに実質的に沿って配されることを特徴とする請求項記載のパック
【請求項5】
重なり領域は封止されていないことを特徴とする請求項または記載のパック
【請求項6】
ラベルの周辺部分は、再粘着性接着剤でバリア材に接着されることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のパック
【請求項7】
ラベルは、使用時に蓋を開口位置に回転させると同時に、ラベルの周辺部分がバリア材から剥がされるように蓋に接着されることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載の包装されたパック
【請求項8】
バリア材はコーティングされていることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のパック
【請求項9】
紙は100gsm超の紙重量を有することを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のパック
【請求項10】
紙は150gsm超の紙重量を有することを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のパック
【請求項11】
紙は160gsm超の紙重量を有することを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載のパック
【請求項12】
請求項1乃至11いずれか1項記載のパックの包装された束を形成するために使用される複数のブランクを含むバリア材の巻き枠。
【請求項13】
複数のブランクは、それぞれ所定の折り曲げ線を含むことを特徴とする請求項12記載のバリア材の巻き枠。
【請求項14】
各ブランクは、包装された束の取り出し領域を画定する脆弱線を含むことを特徴とする請求項1または1記載のバリア材の巻き枠。
【請求項15】
バリア材内のタバコ産業製品を包装することを含む請求項1乃至11いずれか1項記載のパックの包装された束を形成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタバコ産業製品を有するパックとタバコ産業製品の包装された束に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコなどのタバコ産業製品はパックに入って販売される。一般によく知られているパックは、基部とヒンジ式蓋を有する厚紙で製作された外箱を含む。基部は喫煙品の束を収納する。喫煙品は金属化プラスチックまたはプラスチック箔/金属箔の積層体から成る可撓性のバリア層で包装される。蓋を開けた際に、消費者がパックから喫煙品を取り出しやすいように、バリア層は取り出し開口部を含む。この取り出し開口部は、可撓性のカバーによって閉じられ、このカバーは取り出し開口部を越えて延び、取り出し開口部を露出させるため、蓋を開口位置へと枢動させると、消費者が剥がせるようになっていてもよい。カバーの周辺領域は、開口部の縁部の周りでバリア層と重なる位置に一時的に繰り返し接着する接着剤でコーティングされていてもよく、これによってカバーは何度も剥がしたり、戻したりしてパックを繰り返し封止することができパック内の喫煙品の鮮度を保つことができるようになっている。
【0003】
ラベルを効率的に繰り返し接着させるため、内方フレームがバリア材のすぐ下の紙巻きタバコの周りに部分的に延びるように束内に設けられている。取り出し開口部の周辺部の周りにラベルによってかけられる再封止する際の圧力に対する反応面を束内で内方フレームは供する。
【発明の概要】
【0004】
本開示の発明は、バリア材で包装されたタバコ産業製品を含む包装された束を提供し、バリア材は、バリア材に取り出し領域を含み、束は、取り出し領域を覆うための前記バリア材に接着されたラベルを含み、このラベルは取り出し領域を越えて延びる周辺部分を有し、かつタバコ産業製品に触れることがきるように取り出し領域を開けるために使用時にはバリア材から剥がすことができ、バリア材は紙重量が85gsm超の紙を含む。
【0005】
ラベルは、バリア材の表面に接着される別個のカバーを形成してもよい。
【0006】
束は、タバコ産業製品とバリア材の間に内方フレームを含まなくてもよい。
【0007】
バリア材は、重なり領域を含んでもよく、その領域の間で束はいかなる接着剤も備えない。
【0008】
包装された束は、側面によって隔てられる正面と背面を有する平行六面体を形成してもよく、バリア材の重なり領域の少なくとも一つは、包装された束の側面の一つに実質的に沿って配される。
【0009】
重なり領域は封止されなくてもよい。
【0010】
ラベルの周辺部分は、再粘着性接着剤でバリア材に接着されてもよい。
【0011】
ラベルは、使用時に蓋を開口位置に回転させると同時に、ラベルの周辺部分がバリア材から剥がされるように蓋に接着されてもよい。
【0012】
バリア材はコーティングされてもよい。
【0013】
紙は100gsm超の紙重量を有してもよい。
【0014】
紙は150gsm超の紙重量を有してもよい。
【0015】
紙は160gsm超の紙重量を有してもよい。
【0016】
紙は180gsm未満の紙重量を有してもよい。
【0017】
紙は200gsm未満の紙重量を有してもよい。
【0018】
紙は220gsm未満の紙重量を有してもよい。
【0019】
また本開示の発明は、基部と、開口位置と閉口位置の間を回転するように基部に取り付けられた蓋と、基部内に収容された請求項1乃至15いずれかのタバコ産業製品の包装された束とを含むパックを提供する。
【0020】
また本開示の発明は、請求項1乃至15のいずれかのタバコ産業製品の包装された束を形成するために使用される複数のブランクを含むバリア材の巻き枠を提供する。
【0021】
複数のブランクは、それぞれ所定の折り曲げ線を含んでもよい。
【0022】
各ブランクは、包装された束の取り出し領域を画定する脆弱線を含んでもよい。
【0023】
また本開示の発明は、請求項1乃至15いずれかのタバコ産業製品の包装された束を形成する方法を提供し、この方法はバリア材内のタバコ産業製品を包装することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
あくまでも例示を目的として、添付の図面を参照し、本発明の実施態様を説明する。
図1】本発明の実施態様によるタバコ産業製品を含むパックを示す。
図2】本発明の実施態様によるパックの蓋が開口位置にあるタバコ産業製品を有するパックを示す。
図3】本発明の実施態様による包装された束を形成するためのバリア材層のブランクを示す。
図4】包装された束の組立て作業の組立て工程を示す。
図5】バリア材の巻き枠を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施態様では、本明細書でバリア層5と称するバリア材料5で包装されたタバコ産業製品を含む包装された束6を提供する。バリア層5は、バリア層5にある開口部8のような取り出し領域を含む。包装された束は、取り出し開口部8を覆うための前記バリア層5に接着されたラベル9を含み、このラベル9は取り出し開口部を越えて延びる周辺部を有し、タバコ産業製品に触れることができるように取り出し開口部8を開けるため、使用時にはバリア層5から剥がすことができる。バリア層5は85gsm超の紙重量の紙を含む。
【0026】
これとは別に包装された束6は、100gsm超、150gsm超、または160gsm超の紙重量を有してもよい。好ましくは包装された束は、180gsm未満、200gsm未満、または220gsm未満の紙重量を有する。包装された束は、170gsmの紙重量を有するのがさらに好ましい。
【0027】
列挙されたいずれかの範囲の紙重量である紙製のバリア層5を供することは、以下に説明するパックの構造と製造性の両方において利点がある。
【0028】
バリア層5に使用される紙材料は、中の紙巻きタバコ4をよりよく保護するために、例えばポリマー樹脂のように耐湿性仕上げのコーティングをされていることが好ましい。あるいは、バリア層5に使用される紙材料は、遷移金属化された紙のラミネートであってもよい。
【0029】
本明細書で使用される「タバコ産業製品」なる用語は、紙巻きタバコ、シガリロ、葉巻タバコ、パイプ用あるいは手巻きタバコ用のタバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替品あるいはその他の喫煙材料のいずれかを基礎材料としているかにかかわらず)などの喫煙品、電子タバコなどの電子喫煙品、加熱式タバコなどの燃焼せず基材材料から化合物を発生させる加熱器具、および液体、ゲル状あるいは固体の基材を有するハイブリッドシステムのような、基材材料の組み合わせからエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムを含む。
【0030】
1つの実施態様では、タバコ産業製品は、紙巻きタバコ、シガリロおよび葉巻きからなる群から選択される燃焼性喫煙品である。
【0031】
1つの実施態様では、タバコ産業製品は、非燃焼性喫煙品である。
【0032】
1つの実施態様では、タバコ産業製品は、基材材料を加熱するが燃焼させずに化合物を発生させる加熱装置である。材料は、例えば、タバコまたは他の非タバコ製品であってもよいし、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。1つの実施態様では、加熱装置はタバコ加熱装置である。
【0033】
別の実施態様では、タバコ産業製品は、基材材料の組み合わせを加熱するが燃焼させずにエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムである。基材材料は、例えば液体、ゲル、または固体を含んでもよく、それらがニコチンを含んでも含まなくてもよい。固体の基材は例えば、タバコまたは非タバコ製品であってもよいし、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。1つの実施態様では、ハイブリッドシステムは液体またはゲル状の基材およびタバコを含んでもよい。
【0034】
また1つの実施態様では、図1のような硬いボール紙でできた外箱1も提供される。外箱1はヒンジ式蓋2と基部3とを含み、基部3はその開口端部から突出した包装された束6を有する。
【0035】
以下の実施態様では包装された束6は、紙巻タバコからなる装填物を含み、平行六面体の形状をとる。例えば、20本の紙巻きタバコを、前列および後列に7本、真ん中の列に6本のみを横一列に配置する3列から形成され、これによって紙巻きタバコは密集した配置となる。平行六面体の包装された束6は、前面61、背面62を有し、それぞれ前列および後列の紙巻きタバコを横断して広がった平面として画定されている。包装された束6は側面63、64も有し、それらは正面61と背面62、頂面65と底面(図示せず)をそれぞれ仕切る。頂面65は、紙巻きタバコの装填物の上端、通常はフィルター端部の位置と一致し、底面は紙巻タバコの下端の位置と一致する。
【0036】
取り出し開口部8の縁部7は破線で示され、包装された束6の背面62から包装された束6の頂面65を横断して正面61を下方に取り出し開口部の縁部7aに到達するまで延びている。
【0037】
ラベル9は、取り出し開口部8とセクション5aに重なる。ラベル9は材料層であり、バリア層5とセクション5aに向いたその下面に再粘着性接着剤を有する。これとは別にセクション5aを覆うがそれを越えないラベル9の下面部分に永久接着剤を使用してもよい。取り出し開口部8の縁部7を越えて延びるラベル9の下面部分には再粘着性接着剤がコーティングされている。
【0038】
ラベル9は、前壁下方縁部10を有し、そしてタブ11を含み、このタブは少なくとも一部は再粘着性接着剤が塗布されていない前壁下方縁部10から延び、これによって消費者はタブをめくりあげることができ、取り出し開口部8を開けるためにラベル9を剥がすことができる。
【0039】
最初に開ける際、セクション5aをバリア層の残りの部分4から隔てる取り出し開口部8の縁部7は、バリア層5に脆弱線で画定されてもよく、または(図1に点線で示されているように)実際の切れ込みで画定されてもよい。ラベル9が引っ張られると、ラベル9の下面に接着されたままのバリア層5のセクション5aが、脆弱線あるいは切り取りに沿ってバリア層5の残りの部分から離れ、取り出し開口部8を開口する。消費者はその後、取り出し開口部8を介して包装された束6から紙巻きタバコ4を取り出し、取り出した後は、タブ11を下方に戻し、ラベル9の縁部が取り出し開口部8の周辺部を囲む領域においてバリア層5に再度接着されるように取り出し開口部8を再度封止するか、閉じる。タブ11が持ち上げられる際に離されて形成されるバリア層5のセクション5aは、取り出し開口部8の元の位置に戻される。バリア層5に分離線があるが、これはラベル9の接着する縁部によって覆われる。
【0040】
当然のことながら、ラベル9はバリア層5の表面に接着される別個のカバーである必要はなく、代わりにバリア層5と一体化したものであってもよい。例えば、紙製のバリア層5は、内方層と外方層を有する紙積層体材料から形成されてもよく、紙積層体の組み合わされた層は、85gsm超または上述の範囲内の紙重量を有する。紙巻きタバコに隣接する層として内方層は画定される。このような実施態様では、ラベル9の外縁部はレーザーまたは他の好適な手段で紙積層体の外方層へと切り込まれ、同時に取り出し開口部8の境界7が内方層へと切り込まれる。
【0041】
85gsm超または上述の範囲内の紙重量を有するバリア層5を使用することで、取り出し開口部8の周辺部は強化され、ラベル9の端部がバリア層5に再度貼付される際の、再封止圧に対する反応面を供する。従来のバリア層は、この再封止圧に対して充分に支持せず、上記のような包装された束の組立てをより複雑にする内方フレームが必要であった。すなわち、内方フレームを除外できることが本発明の利点である。これにより、パック組立て作業において紙巻きタバコの周囲で内方フレームを折り曲げる工程がなくなる。内方フレームを除外することにより、組立て作業の簡素化および使用材料の削減の両方の結果として、パックのコストが削減される。
【0042】
外箱1がある場合にタブ11が比較的掴みにくいので、ラベル9および/またはタブ11は蓋2の前壁の内面24に接着されてもよく、これによって蓋2が開くと同時に取り出し開口部8が露出するようにラベル9はめくられる。特に、図2に示すように、開口位置にある蓋2と共にバリア層5のセクション5aは取り出し開口部8を露出させるように後ろに引かれ、消費者は包装された束6から紙巻きタバコ5を容易に取り出すことができる。
【0043】
蓋2とラベル9を同時に開けることができるように、ラベル9は、タブ25として表されるその最下縁部に隣接する領域を有する。タブ25をラベル9の残りの部分から分けるための折り曲げ線26の位置でタブ25は折り曲げられるので、蓋2が閉められると、タブ25の表面27はラベル9の外面に接して位置するまたは外面に面する。外方に面する、タブ25の対向面29は蓋2の内方面24に永久接着剤で接着される。当然のことながら、接着する前に折り曲げられることなく、タブ25の外方面29は蓋2の内方面24に永久的に接着することができる。この場合、蓋2が開口位置にある時のみ、タブ25はラベル9の残りの部分に対して折り曲げられる。
【0044】
蓋2を開口位置へとヒンジ12を軸に枢動させると、タブ25と蓋2の間の接続によってラベル9もまた引っ張られる。この結果、バリア層5のセクション5aと共にラベル9は取り出し開口部8からめくられるまたは巻き取られ、セクション5aもまたラベル9と一緒に取り出し開口部8から持ち上げられる。パック1が最初に開封されると、その後、蓋2が開くにつれて、領域5aとバリア層5の残りの部分を分ける脆弱線に沿ってセクション5aもまたバリア層5の残りの部分から離れる。蓋2が開くと、タブ25は折り曲げ線26を軸にラベル9の残りの部分に対して枢動する。
【0045】
当然のことながら、蓋2がヒンジ12を軸に閉じた位置に回転して戻った場合、ラベル9は取り出し開口部8を横断するように後退し、バリア層の領域5aは取り出し開口部8内の元の位置に戻る。剥離可能な接着剤でコーティングされたラベル9の周辺領域もまた取り出し開口部8の周囲でバリア層5に再貼付され、これによってパック1は閉じられる。
【0046】
図3は、包装された束6を形成する前の紙巻きタバコ4を包装するためのバリア材層5のブランク13を示す。ブランク13は、実質的に中心に位置する取り外し可能なセクション5aと共に長方形をなす。取り外し可能なセクション5aは、その下縁部7aがブランク13を横方向に延びるように、配置される。ブランクの縁部の長いほうである長手方向縁部131、132と、ブランク13の縁部の短いほうである横手方向縁部133、134をブランクは含む。長手方向縁部は、ブランクが折り曲げられた時に紙巻きタバコの長手方向軸と平行になるように配置される。
【0047】
任意に図3に破線で示す所定の折り曲げ線がブランク内に設けられている。折り曲げ線は、ブランク13が紙巻きタバコからなる装填物を包装する前に、ブランク13に予めエンボス加工によって形成されてもよい。折り曲げ線は、ブランクの形状記憶を取り除くようにブランクを弱体化し、ブランクの折り曲げられた縁部が包装された束6の側面と面一状態を維持しようとする。ブランク13の横手方向縁部133、134と平行に延びる横手方向の折り曲げ線137、138と、ブランク13の長手方向縁部131、132と平行して延びる長手方向の折り曲げ線の135、136の2組の折り曲げ線を設けてもよい。
【0048】
複数のブランクは、以下に説明するように巻き枠14上に供され、紙巻きタバコの組立て作業に供給されてもよい。このような巻き枠を簡単に図5に示す。
【0049】
図4に示す束6の組立て工程の際、バリア材層5のブランク13は紙巻きタバコ4からなる装填物に直接巻かれ、これによってバリア材5は紙巻きタバコ4に直に接する。当然のことながら「直に接する」とは、紙巻きタバコ4とバリア材層5の間に内方フレームのようなその他の構造体や材料を有しないことを意味する。
【0050】
第1の組立て工程S1では紙巻きタバコ4の装填物は、紙巻きタバコ4が隙間ができないように列状にまとまって整列される。このように配置することで、紙巻きタバコ4の装填物はほぼ平行六面体の形をとる。例えば、3列から形成される20本の紙巻きタバコの装填物が、前列と後列に横一列に7本、真ん中の列に横一列に6本のみ配置され、これによって紙巻きタバコは密に梱包された構造に配置される。平行六面体の装填物4は正面と背面を有し、各面は紙巻きタバコの前列および後列を横断している平面として画定される。平行六面体の装填物4は、正面と背面と頂面と底面を隔てる側面も有する。頂面は紙巻きタバコの装填物の上端(通常はフィルター端)の位置と一致し、底面は紙巻タバコの下端の位置と一致する。
【0051】
第2の組立て工程S2では、ブランク13は、巻き枠14から離され、平行六面体の紙巻きタバコ4の装填物の周りで折り曲げられる。ブランク13の切り取りセクション5aは、紙巻きタバコ4の頂面に接するように配され、これによって包装された束5が完全に形成された際、紙巻きタバコは束6から最初にフィルター端部を取り出すことができる。
【0052】
第3の組立て工程S3では、紙巻きタバコ4の装填物を越えて延びるブランク13の周辺領域は、包装された束の側面を形成するために折り曲げられる。例えば図1に示すように、折り曲げられて周辺領域は重なり、紙巻きタバコ4を完全に包み、重なり領域15を形成する。平行六面体の紙巻きタバコの装填物の側面上でブランク13の長手方向縁部131、132が長手方向の折り曲げ線135、136に沿って折り曲げられ、一方で装填物の底面上で横手方向縁部133、134が横手方向の折り曲げ線137、138に沿って折り曲げられるのが好ましい。しかしながら、これとは別に紙巻きタバコの装填物の背面上で代わりに横手方向縁部を折り曲げてもよい。
【0053】
バリア層は金属化プラスチックまたはプラスチック箔/金属箔の積層体からなる従来のパックは、重なる周辺領域が束と外箱を組み合わせた際に束の側面と面一に保持され、外箱内で詰まらないように封止される必要がある。
【0054】
85gsm超のまたは本明細書に記載された範囲内の紙重量を有する紙製のバリア材層5のブランク13から束を形成する利点は、重なる周辺領域を束6の側面と面一に保持するのに曲げた部分が十分に堅いことである。
【0055】
当然のことながら、本明細書で言うところのgsmで表される紙の重量は、1平方メートルあたりのグラムを意味し、またはしばしば坪量とも言われ、紙や板の重量を決定するISO536の規格に従って記載される。
【0056】
種々の問題に対処し本技術を促進するため、本開示の全体は、特許請求の範囲に記載された発明が実施できるよう、及びこの発明をもとに、より高度な喫煙品用パックを提供できるように様々な実施態様を図によって示している。本開示の利点及び特徴は、実施態様の代表的事例にしかすぎず、包括的および/または排他的なものではない。これらは、特許請求の範囲に記載された特徴の理解を助け、教示するために提示されているにすぎない。当然のことだが本開示の利点、実施態様、実施例、機能、特徴、構造および/またはその他の実施態様は、特許請求の範囲またはそれと同等のものと限定することによって規定されるので、本開示を限定するものとして考慮すべきではなく、ならびに、本明細書の開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を用いることができ、且つ変更を加えることができる。種々の実施態様は、開示された要素、構成要素、特徴、部品、工程、手段等の種々の組み合わせを好適に含んでも、それらで構成されても、または本質的にそれらで構成されてもよい。さらに、本開示は現時点で特許請求の範囲とされていない他の発明も含むものである。
図1
図2
図3
図4
図5