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特許7051927シールド電線の端末処理部の検査装置およびその検査装置の機能診断方法
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  • 特許-シールド電線の端末処理部の検査装置およびその検査装置の機能診断方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】シールド電線の端末処理部の検査装置およびその検査装置の機能診断方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/00 20060101AFI20220404BHJP
   G01R 31/69 20200101ALI20220404BHJP
   G01R 31/52 20200101ALI20220404BHJP
   H02G 1/14 20060101ALI20220404BHJP
   H01R 4/18 20060101ALN20220404BHJP
【FI】
H01R43/00 Z
G01R31/69
G01R31/52
H02G1/14
H01R4/18 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020062989
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021163593
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2021-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】築地 信人
(72)【発明者】
【氏名】古畑 賢太
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-054286(JP,U)
【文献】特開2002-238125(JP,A)
【文献】特開平10-185985(JP,A)
【文献】特開昭60-033064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 43/00
G01R 31/69
G01R 31/52
H02G 1/14
H01R 4/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線心の外側が編組で覆われ、前記編組の外側がシースで覆われたシールド電線の先端部に、線端から所定長のシースが除去されて露出した編組が残されたシースの端部外周に折り返された編組折り返し部が形成され、前記編組折り返し部にシールド端子の後端の編組加締部が加締め固定されたシールド電線の端末処理部の、前記編組折り返し部の後端寸法が適正範囲にあるか否かを検査するシールド電線の端末処理部の検査装置であって、
開閉自在とされ、閉じたとき前記シールド端子に接触導通する第1チャックプローブと、
前記第1チャックプローブと非導通に支持され、前記編組折り返し部が適正範囲内にあるときは、当該編組折り返し部に対し非接触状態となり、前記編組折り返し部が適正範囲からはみ出しているときは、はみ出した前記編組折り返し部に対し接触導通状態となる第2チャックプローブと、
前記第2チャックプローブと導通状態に支持され、前記第1チャックプローブが開いたとき、該第1チャックプローブと接触導通状態となり且つ前記第1チャックプローブが閉じたとき該第1チャックプローブと非接触状態となる自己診断用プローブと、
前記第1チャックプローブと前記第2チャックプローブとの間が導通状態にあるか否かを検出する導通状態検出手段と、
を具備する、
ことを特徴とするシールド電線の端末処理部の検査装置。
【請求項2】
前記第2チャックプローブの後側に開閉自在に配置され、開いた状態で内部に前記シールド電線を収容可能であり、閉じた状態とすることで、前記シールド電線を定位置に保持する電線チャックが設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のシールド電線の端末処理部の検査装置。
【請求項3】
前記シースの端部外周に環状のスリーブが装着され、前記スリーブの外周に前記編組が被さるように折り返されることで前記編組折り返し部が形成され、更に当該編組折り返し部にシールド端子の編組加締部が加締め固定されることで、前記スリーブと前記シールド端子の編組加締部との間に前記編組折り返し部が挟み込まれて加締め固定されたシールド電線の端末処理部を検査対象とし、前記スリーブの後端縁の後側近傍位置における前記シースの外周に接触するように前記第2チャックプローブが支持されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシールド電線の端末処理部の検査装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のシールド電線の端末処理部の検査装置の検査対象品として、外観形状が検査対象品を模しており且つ前記第1チャックプローブが閉じたとき接触する部位と前記第2チャックプローブが閉じたとき接触する部位との間が導通状態に設定された不良検査対象品相当の検査治具を用い、その検査治具に対して前記第1チャックプローブおよび前記第2チャックプローブを閉じた状態にし、その状態で検査装置の前記導通状態検出手段が、前記第1チャックプローブと前記第2チャックプローブとの間が導通状態にあると検出することを確認する、
ことを特徴とするシールド電線の端末処理部の検査装置の機能診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド電線の端末処理部、特に編組折り返し部の寸法が適正範囲にあるか否かを検査する検査装置、および、その検査装置が適正に機能するか否かを診断する機能診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シールド電線として、線心(単数または複数の絶縁電線)の外側が編組で覆われ、その外側がシース(樹脂外皮)で覆われたシールド電線が広く利用されている。この種のシールド電線の端末部にシールド端子を取り付ける場合、電線端から所定長のシースを剥ぎ取って編組を露出させ、その露出した編組を残されたシースの端部外周に被さるように折り返して、折り返した部分にシールド端子の編組加締部を加締め固定するようにしている。
【0003】
ところで、シールド電線の編組折り返し部が規定寸法より長すぎると、アウタハウジングの端部が編組の長すぎた部分にまたがってしまい当該部分を切断し、その切断片がコネクタの性能に影響を与えるなど、不具合の原因となる可能性がある。そこで、特許文献1には、シールド電線の端部を複数の導電性チャックにより把持し、これらのチャック間が導通しているか否かで、編組の切断が既定の長さで行われているか否かを検知する技術が記載されている。即ち、この種の技術では一般的に、編組が規定以上の長さである場合は、チャック間が導通状態になることで、編組が長過ぎるとして不良品(NG品)と判定し、編組が規定内の長さに収まっている場合は、チャック間が非導通状態になることで、編組の長さが規定内であるとして良品(OK品)と判定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-238125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来技術では、導電性チャックの配線系統に断線などが生じている場合には、そのことによって導電性チャック間が非導通状態として検出されることになる。したがって、検査の対象品が不良品(正常な検査では導通状態と検出されるべきもの)であったとしても、非導通状態として検出されることから、当該対象品を良品と誤判定してしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、不良品(NG品)を確実に不良品と判定することができ、間違って良品と判定しないように自己診断できるシールド電線の端末処理部の検査装置、および、その検査装置が適正に機能するか否かを診断する機能診断方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係るシールド電線の端末処理部の検査装置およびその検査装置の機能診断方法は、下記(1)~(4)を特徴としている。
(1) 線心の外側が編組で覆われ、前記編組の外側がシースで覆われたシールド電線の先端部に、線端から所定長のシースが除去されて露出した編組が残されたシースの端部外周に折り返された編組折り返し部が形成され、前記編組折り返し部にシールド端子の後端の編組加締部が加締め固定されたシールド電線の端末処理部の、前記編組折り返し部の後端寸法が適正範囲にあるか否かを検査するシールド電線の端末処理部の検査装置であって、
開閉自在とされ、閉じたとき前記シールド端子に接触導通する第1チャックプローブと、
前記第1チャックプローブと非導通に支持され、前記編組折り返し部が適正範囲内にあるときは、当該編組折り返し部に対し非接触状態となり、前記編組折り返し部が適正範囲からはみ出しているときは、はみ出した前記編組折り返し部に対し接触導通状態となる第2チャックプローブと、
前記第2チャックプローブと導通状態に支持され、前記第1チャックプローブが開いたとき、該第1チャックプローブと接触導通状態となり且つ前記第1チャックプローブが閉じたとき該第1チャックプローブと非接触状態となる自己診断用プローブと、
前記第1チャックプローブと前記第2チャックプローブとの間が導通状態にあるか否かを検出する導通状態検出手段と、
を具備する、
ことを特徴とするシールド電線の端末処理部の検査装置。
【0008】
(2) 前記第2チャックプローブの後側に開閉自在に配置され、開いた状態で内部に前記シールド電線を収容可能であり、閉じた状態とすることで、前記シールド電線を定位置に保持する電線チャックが設けられている、
ことを特徴とする上記(1)に記載のシールド電線の端末処理部の検査装置。
【0009】
(3) 前記シースの端部外周に環状のスリーブが装着され、前記スリーブの外周に前記編組が被さるように折り返されることで前記編組折り返し部が形成され、更に当該編組折り返し部にシールド端子の編組加締部が加締め固定されることで、前記スリーブと前記シールド端子の編組加締部との間に前記編組折り返し部が挟み込まれて加締め固定されたシールド電線の端末処理部を検査対象とし、前記スリーブの後端縁の後側近傍位置における前記シースの外周に接触するように前記第2チャックプローブが支持されている、
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載のシールド電線の端末処理部の検査装置。
【0010】
(4) 上記(1)~(3)のいずれかに記載のシールド電線の端末処理部の検査装置の検査対象品として、外観形状が検査対象品を模しており且つ前記第1チャックプローブが閉じたとき接触する部位と前記第2チャックプローブが閉じたとき接触する部位との間が導通状態に設定された不良検査対象品相当の検査治具を用い、その検査治具に対して前記第1チャックプローブおよび前記第2チャックプローブを閉じた状態にし、その状態で検査装置の前記導通状態検出手段が、前記第1チャックプローブと前記第2チャックプローブとの間が導通状態にあると検出することを確認する、
ことを特徴とするシールド電線の端末処理部の検査装置の機能診断方法。
【0011】
上記(1)の構成の検査装置によれば、第1チャックプローブおよび第2チャックプローブが閉じた状態(即ち、検査のためのチャック動作をとった状態)で、導通状態検出手段が、第1チャックプローブと第2チャックプローブとの間が非導通状態にあると検出したとき、検査装置は、検査対象品の編組折り返し部の後端寸法が適正範囲に収まっていると判断し、検査対象品が良品(OK品)であると判定する。一方、導通状態検出手段が、第1チャックプローブと第2チャックプローブとの間が導通状態にあると検出したとき、検査装置は、検査対象品の編組折り返し部の後端寸法が適正範囲からはみ出していると判断し、検査対象品が不良品(NG品)であると判定する。つまり、第1チャックプローブおよび第2チャックプローブの閉じ動作によって、シールド電線の端末処理部の編組折り返し部の後端が規定以上に長くなっていないかどうかを検査する。
また、第1チャックプローブが開いている状態、即ち、検査対象品の導通検査をしていない状態で、導通状態検出手段が、第1チャックプローブと第2チャックプローブとの間が導通状態にあると検出したとき、検査装置は、第1チャックプローブおよび第2チャックプローブの配線系統に断線などの不具合が生じていないと判断し、検査装置の機能が正常である判定する。一方、第1チャックプローブが開いていて、第1チャックプローブと第2チャックプローブとが自己診断用プローブを介して互いに導通関係に維持されているにも拘わらず、導通状態検出手段が、第1チャックプローブと第2チャックプローブとの間が非導通状態にあると検出したとき、検査装置は、第1チャックプローブおよび第2チャックプローブの配線系統に断線などの不具合が生じていて正常な検査ができない可能性があると判断し、検査装置の機能に異常があると判定する。
このように、通常の導通検査を1回する毎に、第1チャックプローブが開いている状態で、装置の機能の自己診断を自動的に行うことができるので、NG品であるにも拘わらず、検査装置の故障に起因してOK品と誤判定するのを未然に防ぐことができ、検査装置の信頼性の向上が図れる。
【0012】
上記(2)の構成の検査装置によれば、第2チャックプローブの後側に電線チャックが設けられているので、シールド電線の保持が安定して検査が正確に行われるようになる。
【0013】
上記(3)の構成の検査装置によれば、スリーブの後端縁よりも編組がはみ出しているものをNG品とすることができるので、スリーブの後端縁の位置を基準にして編組折り返し部の長さを規定することが可能となる。
【0014】
上記(4)の構成の検査装置の機能診断方法によれば、所定時間ごとあるいは所定回数ごとに、この検査治具(NG相当品)を用いた機能診断を実施することで、NG品(第1チャックプローブと第2チャックプローブが導通するもの)に対して確実にNG品と判定(第1チャックプローブと第2チャックプローブが導通)できるかどうかを確かめることができ、検査装置の一層の信頼性向上に寄与することができる。
即ち、第1チャックプローブが閉じたときに確実に第1チャックプローブがシールド端子に接触導通しない場合(例えば、接触すべき箇所に隙間があるような場合など)や、第2チャックプローブが閉じたときに確実に第2チャックプローブが不良品の編組折り返し部に接触導通しない場合(同様に、接触すべき箇所に隙間があるような場合など)には、検査装置の導通状態検出手段は、実際にはNG品(導通品)であるにも拘わらず、OK品(非導通品)であると判定してしまうおそれがある。しかし、この機能診断を適当な間隔(通常の検査の支障にならない程度の間隔)で行うことにより、NG品をOK品と誤判定する可能性がある場合にそれを早めに発見することができ、早めの対処が可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、通常の導通検査を1回する毎に、第1チャックプローブが開いている状態で、装置の機能の自己診断を自動的に行うことができるので、誤判定を(NG品であるにも拘わらず、検査装置の故障に起因してOK品と誤判定するのを)未然に防ぐことができ、検査装置の信頼性の向上が図れる。
【0016】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の実施形態に係る検査装置の概要説明図で、図1(a)は各チャックを閉じているときの状態を示す平面図、図1(b)は各チャックを開いているときの状態を示す平面図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る検査装置の各チャックを閉じているときの状態を示す斜視図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る検査装置の各チャックを開いているときの状態を示す斜視図である。
図4図4は、本実施形態の検査装置のセルフチェック(自己診断)時の処理の流れを示すフローチャートである。
図5図5は、検査対象を説明するための図で、図5(a)は検査対象のシールド電線の一構造例を示す図、図5(b)はシールド電線の端末処理部の中間処理状態を示す図、図5(c)はシールド端子取付後の端末処理部の良品例を示し、規定を満たす長さの編組折り返し部にシールド端子の編組加締部が加締め固定されている状態を示す図、図5(d)はシールド端子取付後の端末処理部の不良品例を示し、規定外にはみ出した長さの編組折り返し部にシールド端子の編組加締部が加締め固定されている状態を示す編組折り返し部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0019】
まず、本実施形態の検査装置における検査対象の例について説明する。
図5は、検査対象を説明するための図で、図5(a)は検査対象のシールド電線の一構造例を示す図、図5(b)はシールド電線の端末処理部の中間処理状態を示す図である。
【0020】
図5(a)に示すように、ここで検査対象とするシールド電線Wは、信号線Waの外周を絶縁体Wbで包囲した線心W1の外側が、金属箔Wcを介して金属製の編組Wdで覆われ、その外側が、縁樹脂製のシースWeで覆われた構造のものである。線心W1の本数は任意であり、単数(同軸ケーブルの場合)であっても複数(イーサネット(登録商標)ケーブル等の場合)であってもよい。また、金属箔Wcの内側にドレン線が含まれていてもよい。また、金属箔Wcが省略されていてもよい。
【0021】
この種のシールド電線Wの端末部にシールド端子を接続する場合には、図5(b)に示すように、線端から所定長のシースWeを除去し、露出した編組Wdを、残されたシースWeの端部外周に被さるように折り返して、編組折り返し部Wd1を形成する。多くの場合、シースWeの端部外周には、金属製(樹脂製のものもある)環状のスリーブ(フェルールとも言う)2を装着し、そのスリーブ2の外周に編組Wdを被せるように折り返すことで、編組折り返し部Wd1を形成している。なお、編組Wdの下に金属箔Wcがある場合には、金属箔Wcを所定範囲にわたって除去する。
【0022】
図5(c)は、シールド端子取付後の端末処理部の良品例を示し、規定を満たす長さの編組折り返し部にシールド端子の編組加締部が加締め固定されている状態を示す図である。また、図5(d)は、シールド端子取付後の端末処理部の不良品例を示し、規定外にはみ出した長さの編組折り返し部にシールド端子の編組加締部が加締め固定されている状態を示す編組折り返し部を示す図である。
【0023】
図5(c)および図5(d)に示すように、編組折り返し部Wd1には、先端が角筒状のアウタハウジング1aとして形成されたシールド端子1の後端の編組加締部1bが加締め固定される。この場合、スリーブ2とシールド端子1の編組加締部1bとの間に編組折り返し部Wd1が挟み込まれることで、編組Wdが強固に加締め固定されている。なお、シールド端子1は、アウタハウジング1aの内部に絶縁体を介してインナー端子(図示略)を備えており、インナー端子は、信号線(同軸ケーブルの場合は中心導体)で構成されることもある。
【0024】
実施形態の検査装置は、このようにスリーブ2の外周に編組折り返し部Wd1が形成され、その編組折り返し部Wd1にシールド端子1の後端の編組加締部1bが加締め固定されたシールド電線Wの端末処理部を検査対象品としている。
【0025】
このような検査対象品であるシールド電線Wの端末処理部において、編組折り返し部Wd1の特に後端の長さ寸法は、図5(c)に示すように、スリーブ2の後端縁2aからはみ出さない程度(適正範囲)に収まっていなければならない。しかし、図5(d)に示すように、編組Wdを構成する細線がスリーブ2の後端縁2aよりはみ出ることがある。つまり、編組折り返し部Wd1の後端の寸法が長すぎる場合である。そうした場合は、不良品と判定する必要があり、そのために本実施形態の検査装置が用いられる。
【0026】
編組折り返し部Wd1の後端の寸法が長すぎるかどうかの判定は、編組Wdに導通する部材(ここではシールド端子1)の外面と、スリーブ2の後端縁2aに近い位置のシースWeの外周面とに電極11、12(後述する第1チャックプローブ11および第2チャックプローブ12)を接触させて、電極11、12間が導通するか否かで判断する。
【0027】
図5(d)に示すように、シースWeの外周面に接触させた電極12が、シースWe上にはみ出した編組Wdに接触すれば、電極11、12間が導通するので、これにより、編組折り返し部Wd1が長すぎる(NG品)と判定することができる。また、図5(c)に示すように、シースWeの外周面に接触させた電極12が、編組Wdに接触しなければ、電極間が導通しないので、これにより、編組折り返し部Wd1が長すぎない(OK品)と判定することができる。
【0028】
図1は、本発明の実施形態に係るシールド電線の端末処理部の検査装置の概略説明図で、図1(a)は各チャックを閉じているときの状態を示す平面図、図1(b)は各チャックを開いているときの状態を示す平面図、図2は、本実施形態に係る検査装置の各チャックを閉じているときの状態を示す斜視図、図3は、各チャックを開いているときの状態を示す斜視図である。
【0029】
図1図3に示すように、本実施形態の検査装置は、シールド電線Wに対して開閉する3つのチャック10、11、12を備えている。図1(a)、(b)において、各チャック10、11、12の閉じ動作の方向を矢印Aで示し、開き動作の方向を矢印Bで示す。
【0030】
シールド電線Wの最も後端側(端末から遠い位置)に位置するチャックは電線チャック10である。この電線チャック10は、電極機能を持たない普通のチャックである。この電線チャック10は、開閉自在に配置され、開いた状態で内部にシールド電線Wを収容可能であり、閉じた状態とすることで、シールド電線Wを定位置に確実に保持する機能を持っている。
【0031】
シールド電線Wの最も前端側に位置するチャックは、電極機能を持つ第1チャックプローブ11である。第1チャックプローブ11は、開いた状態のときにシールド電線Wの先端に取り付けられたシールド端子1を収容可能であり、閉じたときにシールド端子1の両外側面に接触導通する。第1チャックプローブ11は、シールド端子1のアウタハウジング1aの外側面を挟んで確実に接触するように幅広のブロックとして形成されている。
【0032】
シールド電線Wの長さ方向における電線チャック10と第1チャックプローブ11との間に、開閉自在の第2チャックプローブ12が配置されている。第2チャックプローブ12は、電極機能を持つもので、一対の薄刃状のチャック片の噛み合わせ部が半円溝状に形成されており、半円溝状の部分が閉じたときに円筒状になって、シールド電線Wの対象部位のほぼ全周に確実に接触できるように構成されている。
【0033】
第2チャックプローブ12は、第1チャックプローブ11と非導通に支持されている。第2チャックプローブ12は、シールド電線Wの端末処理部の編組折り返し部Wd1の後側において編組折り返し部Wd1の後端寸法の適正範囲を規定するものであり、スリーブ2の後端縁2aの後側近傍位置におけるシースWeの外周に接触するように配置されている。つまり、編組折り返し部Wd1の後端が適正範囲内にあるときは、当該編組折り返し部Wd1に対し非接触状態(非導通状態)となり、編組折り返し部Wd1の後端が適正範囲からはみ出しているときは、その適正範囲からはみ出した編組折り返し部Wd1に対し接触状態(導通状態)となるように設けられている。
【0034】
なお、第1チャックプローブ11および第2チャックプローブ12は、全体が金属で構成されていてもよいが、少なくともシールド端子1や編組折り返し部Wd1に接触または接触する可能性のある部分が金属で構成されていてもよい。これらの開閉式の電線チャック10、第1チャックプローブ11、第2チャックプローブ12は、スライドベース20、21の上で、安定してシールド電線Wの径方向にスライドできるように設けられている。
【0035】
また、この検査装置には、上述の第1チャックプローブ11および第2チャックプローブ12の他に自己診断用プローブ13を備えている。自己診断用プローブ13は、第2チャックプローブ12と例えば導線63を介して常時導通状態に支持されており、第1チャックプローブ11が開いたときに、第1チャックプローブ11と接触導通状態となり且つ第1チャックプローブ11が閉じたとき第1チャックプローブ11と非接触状態となるように、第1チャックプローブ11の開閉方向の背後に固定的に配置されている。
【0036】
また、この検査装置は、導通状態検出手段として、判定用のコンピュータ50を備えている。コンピュータ50は、CPU51、ROM52、RAM53、入力ポート54、出力ポート55を備えた一般的なもので、コンピュータ50は、判定結果などの表示のための表示部56に接続されている。そして、コンピュータ50の出力ポート55に、第1チャックプローブ11に繋がる配線61が接続され、入力ポート54に、第2チャックプローブ12に繋がる配線62が接続されている。
【0037】
コンピュータ50は、図1(a)および図2に示すように、通常検査時に、閉じた状態の第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12が互いに導通状態にあるときは、出力ポート55から出力された導電状態検知用電流が、出力ポート55→配線61→第1チャックプローブ11→第2チャックプローブ12→配線62→入力ポート54の経路を辿って、入力ポート54に入力する(戻って来る)ことを検出する。これにより、コンピュータ50は、第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12が導通状態にあると判定する。また、閉じた状態の第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12が互いに導通状態にないとき(非導通状態のとき)は、コンピュータ50は、出力ポート55から導電状態検知用電流を出力しているにも拘わらず、入力ポート54に電流が流れて来ないので、第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12が導通状態にない、つまり非導通状態にあると判定する。
【0038】
また、図1(b)および図3に示すように、第1チャックプローブ11が開いたとき、第1チャックプローブ11と自己診断用プローブ13とが導通関係になる。即ち、第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12は、自己診断用プローブ13を介して互いに導通状態になる。
【0039】
そこで、コンピュータ50は、非検査時(第1チャックプローブ11および第2チャックプローブ12が開いている時)に、何も問題がなければ、出力ポート55から出力された導電状態検知用電流が、出力ポート55→配線61→第1チャックプローブ11→自己診断用プローブ13→導線63→第2チャックプローブ12→配線62→入力ポート54の経路を辿って、入力ポート54に入力することを検出する。これによって、コンピュータ50は、第1チャックプローブ11および第2チャックプローブ12にそれぞれ繋がる配線61、62の系統に断線などの問題が生じていないと判定する。また、上の経路で入力ポート54に電流が戻って来ないときは、コンピュータ50は、第1チャックプローブ11および第2チャックプローブ12にそれぞれ繋がる配線61、62の系統のどこかに断線などの問題が生じている可能性があると判定する。
【0040】
次に作用を説明する。
検査時には、定位置に配されたシールド電線Wおよびシールド端子1に対して電線チャック10、第1チャックプローブ11、第2チャックプローブ12を全て閉じる。すると、第1チャックプローブ11は、シールド端子1(アウタハウジング1a)に接触導通する。一方、第2チャックプローブ12は、編組折り返し部Wd1の後端付近に、編組折り返し部Wd1の後端が適正範囲に収まっているかどうかを判断するための位置を保持しつつ配置される。編組折り返し部Wd1の後端が適正範囲に収まっているときには、編組Wdは、第2チャックプローブ12に対して非接触な状態に保たれている。また、編組折り返し部Wd1の後端が適正範囲からはみ出るときには、編組Wdは、第2チャックプローブ12に対して接触導通状態となる。
【0041】
したがって、コンピュータ50が、第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12の間の導通の有無をチェックすることにより、編組折り返し部Wd1の後端寸法が適正範囲に収まっているか否かを判断することができる。
【0042】
更に詳しく述べると、第1チャックプローブ11および第2チャックプローブ12が閉じた状態(即ち、検査のためのチャック動作をとった状態)で、導通状態検出手段としての機能を有するコンピュータ50が、第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12との間が非導通状態にあると検出したとき、コンピュータ50は、検査対象品の編組折り返し部Wd1の後端寸法が適正範囲に収まっていると判断し、検査対象品が良品(OK品)であると判定する。
【0043】
一方、第1チャックプローブ11および第2チャックプローブ12が閉じた状態(即ち、検査のためのチャック動作をとった状態)で、コンピュータ50が、第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12との間が導通状態にあると検出したとき、コンピュータ50は、検査対象品の編組折り返し部Wd1の後端寸法が適正範囲からはみ出していると判断し、検査対象品が不良品(NG品)であると判定する。つまり、第1チャックプローブ11および第2チャックプローブ12の閉じ動作によって、シールド電線Wの端末処理部の編組折り返し部Wd1の後端が規定以上に長くなっていないかどうか良否検査する。
【0044】
また、自己診断では、第1チャックプローブ11が開いている状態(即ち、検査対象品の導通検査をしていない状態)で、コンピュータ50が、第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12との間が導通状態にあると検出したとき、コンピュータ50は、第1チャックプローブ11および第2チャックプローブ12の配線61、62の系統に断線などの不具合が生じていないと判断し、検査装置の機能が正常である判定する。
【0045】
一方、第1チャックプローブ11が開いている状態(即ち、検査対象品の導通検査をしていない状態)で、第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12とが自己診断用プローブ13を介して互いに導通関係に維持されているにも拘わらず、コンピュータ50が、第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12との間が非導通状態にあると検出したとき、コンピュータ50は、第1チャックプローブ11および第2チャックプローブ12の配線61、62の系統に断線などの不具合が生じていて正常な検査ができない可能性があると判断し、検査装置の機能に異常があると判定する。
【0046】
このように、通常の導通検査を1回する毎に、第1チャックプローブ11が開いている状態で、装置の機能の自己診断を自動的に行うことができる。そのため、不良品の誤判定を(NG品であるにも拘わらず、検査装置の故障に起因してOK品と誤判定するのを)未然に防ぐことができ、検査装置の信頼性の向上が図れる。
【0047】
ここで、自己診断(セルフチェック)の処理の流れについて、図4のフローチャートを参照して簡単に説明する。
【0048】
図4に示すように、コンピュータ50は、セルフチェックフローがスタートすると、ステップS101で通常の導通チェック検査が終了したかどうかをチェックする。コンピュータ50は、導通チェック検査が終了するのを待って、次のステップS102、S103に進み、第1チャックプローブ11および第2チャックプローブ12が開いたかどうかをチェックする。第1チャックプローブ11および第2チャックプローブ12が開いたら、コンピュータ50は、次のステップS104に進み、ここで第1チャックプローブ11に対し電流(自己診断用の導通状態検出電流)の供給を開始する。そして、コンピュータ50は、次のステップS105で、第2チャックプローブ12において電流を検出したら、導通成立により配線系統が適正に維持されているとして、ステップS106で正常判定を出力する。反対に、コンピュータ50は、ステップS105で第2チャックプローブ12において電流を検出しない場合は、導通非成立により配線系統が適正に維持されていない(断線などの故障が発生している可能性あり)として、ステップS107で異常判定を出力する。S106、S107の判定出力により、セルフチェックフローが終わる。
【0049】
また、その他の効果として、この検査装置によれば、第2チャックプローブ12の後側に電線チャック10が設けられているので、シールド電線Wの保持が安定して検査が正確に行われるようになる。
【0050】
また、この検査装置によれば、スリーブ2の後端縁2aよりも編組Wdがはみ出しているものをNG品とすることができるので、スリーブ2の後端縁2aの位置を基準にして編組折り返し部Wd1の長さを規定することが可能となる。
【0051】
また、この検査装置では、上述したように、検査動作の際に、第1チャックプローブ11および第2チャックプローブ12を閉じたときに、第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12との間が非導通状態であることを検出することによって、検査対象品が良品であることを判定する。
【0052】
しかし、万一、第1チャックプローブ11や第2チャックプローブ12が接触すべき箇所において接触不良が起きているような場合、良品判定時と同じように、第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12との間が非導通状態であると検出してしまう可能性がある。そこで、この検査装置を使用するに際して、通常の検査の合間に、次のような機能診断を実施するのが望ましい。
【0053】
その際には、検査対象品として、外観形状が検査対象品を模しており且つ第1チャックプローブ11が閉じたとき接触する部位と第2チャックプローブ12が閉じたとき接触する部位との間が導通状態に設定された不良検査対象品相当の検査治具100を用いる。即ち、検査治具100として、シールド端子1のアウタハウジング1aやスリーブ2の後端近傍のシースWeとそれぞれ同じ位置にそれらと同じ幅方向の寸法を有する治具を用意する。例えば、導体製の棒体(シールド電線に相当する部分)の先端に導体製の矩形体(シールド端子1のアウタハウジング1aに相当)を取り付け、矩形体の両側面に第1チャックプローブ11が接し、且つ、矩形体の根元の棒体の外周に第2チャックプローブ12が接するようにした検査治具100を用意する。
【0054】
そして、その検査治具100に対して第1チャックプローブ11および第2チャックプローブ12を閉じた状態にし、その状態でコンピュータ50が、第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12との間が導通状態にあるかどうかをチェックする。導通状態にあると確認できれば、第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12が適正に対象部位に接触していると判定できるので、正常な機能を発揮できる状態にあると確認することができる。
【0055】
以上のように、この機能診断方法は、所定時間ごとあるいは所定回数ごとに、検査治具100(NG相当品)を用いて機能診断を実施する。それにより、NG品(第1チャックプローブ11と第2チャックプローブ12が導通するもの)に対して、確実にNG品と判定できるかどうかを簡単に確かめることができ、検査装置の一層の信頼性向上に寄与することができる。
【0056】
即ち、第1チャックプローブ11が閉じたときに確実に第1チャックプローブ11がシールド端子1に接触導通しない場合(例えば、接触すべき箇所に隙間があるような場合など)や、第2チャックプローブ12が閉じたときに確実に第2チャックプローブ12が不良品の編組折り返し部Wd1に接触導通しない場合(同様に、接触すべき箇所に隙間があるような場合など)には、コンピュータ50は、実際にはNG品(導通品)であるにも拘わらずOK品(非導通品)であると判定してしまうおそれがある。しかし、この機能診断を適当な間隔(通常の検査の支障にならない程度の間隔)で行うことにより、NG品をOK品と誤判定する可能性がある場合にそれを早めに発見し対処することが可能になる。
【0057】
ここで、上述した本発明の実施形態に係るシールド電線の端末処理部の検査装置および機能診断方法の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 線心(W1)の外側が編組(Wd)で覆われ、前記編組の外側がシース(We)で覆われたシールド電線(W)の先端部に、線端から所定長のシース(We)が除去されて露出した編組(Wd)が残されたシース(We)の端部外周に折り返された編組折り返し部(Wd1)が形成され、前記編組折り返し部(Wd1)にシールド端子(1)の後端の編組加締部(1b)が加締め固定されたシールド電線(W)の端末処理部の、前記編組折り返し部(Wd1)の後端寸法が適正範囲にあるか否かを検査するシールド電線の端末処理部の検査装置であって、
開閉自在とされ、閉じたとき前記シールド端子(1)に接触導通する第1チャックプローブ(11)と、
前記第1チャックプローブ(11)と非導通に支持され、前記編組折り返し部(Wd1)が適正範囲内にあるときは、当該編組折り返し部(Wd1)に対し非接触状態となり、前記編組折り返し部(Wd1)が適正範囲からはみ出しているときは、はみ出した前記編組折り返し部(Wd1)に対し接触導通状態となる第2チャックプローブ(12)と、
前記第2チャックプローブ(12)と導通状態に支持され、前記第1チャックプローブ(11)が開いたとき、該第1チャックプローブ(11)と接触導通状態となり且つ前記第1チャックプローブ(11)が閉じたとき該第1チャックプローブ(11)と非接触状態となる自己診断用プローブ(13)と、
前記第1チャックプローブ(11)と前記第2チャックプローブ(12)との間が導通状態にあるか否かを検出する導通状態検出手段(50)と、
を具備する、
ことを特徴とするシールド電線の端末処理部の検査装置。
【0058】
[2] 前記第2チャックプローブ(12)の後側に開閉自在に配置され、開いた状態で内部に前記シールド電線(W)を収容可能であり、閉じた状態とすることで、前記シールド電線(W)を定位置に保持する電線チャック(10)が設けられている、
ことを特徴とする上記[1]に記載のシールド電線の端末処理部の検査装置。
【0059】
[3] 前記シース(We)の端部外周に環状のスリーブ(2)が装着され、前記スリーブ(2)の外周に前記編組(Wd)が被さるように折り返されることで前記編組折り返し部(Wd1)が形成され、更に当該編組折り返し部に(Wd1)シールド端子(1)の編組加締部(1b)が加締め固定されることで、前記スリーブ(2)と前記シールド端子(1)の編組加締部(1b)との間に前記編組折り返し部(Wd1)が挟み込まれて加締め固定されたシールド電線(W)の端末処理部を検査対象とし、前記スリーブ(2)の後端縁(2a)の後側近傍位置における前記シース(We)の外周に接触するように前記第2チャックプローブ(12)が支持されている、
ことを特徴とする上記[1]または[2]に記載のシールド電線の端末処理部の検査装置。
【0060】
[4] 上記[1]~[3]のいずれかに記載のシールド電線の端末処理部の検査装置の検査対象品として、外観形状が検査対象品を模しており且つ前記第1チャックプローブ(11)が閉じたとき接触する部位と前記第2チャックプローブ(12)が閉じたとき接触する部位との間が導通状態に設定された不良検査対象品相当の検査治具(100)を用い、その検査治具(100)に対して前記第1チャックプローブ(11)および前記第2チャックプローブ(12)を閉じた状態にし、その状態で検査装置の前記導通状態検出手段(50)が、前記第1チャックプローブ(11)と前記第2チャックプローブ(12)との間が導通状態にあると検出することを確認する、
ことを特徴とするシールド電線の端末処理部の検査装置の機能診断方法。
【符号の説明】
【0061】
1 シールド端子
1a アウタハウジング
1b 編組加締部
2 スリーブ
2a 後端縁
10 電線チャック
11 第1チャックプローブ
12 第2チャックプローブ
13 自己診断用プローブ
50 コンピュータ(導通状態検出手段)
100 検査治具
W シールド電線
W1 線心
Wd 編組
Wd1 編組折り返し部
We シース
図1
図2
図3
図4
図5