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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】亀裂計測支援装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/02 20060101AFI20220404BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20220404BHJP
   G01B 11/26 20060101ALI20220404BHJP
   G01B 5/14 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
G01B21/02 Z
G01B11/02 H
G01B11/26 H
G01B5/14
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020188517
(22)【出願日】2020-11-12
【審査請求日】2020-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000230973
【氏名又は名称】日本工営株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076255
【弁理士】
【氏名又は名称】古澤 俊明
(72)【発明者】
【氏名】村上 正人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 拓也
【審査官】續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-029239(JP,A)
【文献】特開2015-225060(JP,A)
【文献】特開2020-154555(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0070099(US,A1)
【文献】特開2014-032164(JP,A)
【文献】特開2002-340529(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2026427(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 21/02
G01B 11/02
G01B 11/26
G01B 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラックゲージ10の両端部を、亀裂12を挟むようにして被測定物11に設置し、前記クラックゲージ10の目盛線13aと目盛数値13bを読み込んで前記亀裂12の変化を計測する装置において、
前記クラックゲージ10に設けられ、このクラックゲージ10のIDを記入した識別子19と、
前記識別子19と前記目盛線13aと目盛数値13bを撮影するカメラ21を具備したスマートフォン20と、
このスマートフォン20に内蔵され、撮影された画像から前記亀裂12の計測値を演算するCPU22と、
GPS28から前記クラックゲージ10の設置地点を取り込むGPSモジュール25と、
前記計測値、設置地点、計測日時を記録するメモリ23と、
前記スマートフォン20に内蔵され、前記メモリ23に記録されたデータを親機30に送信する通信モジュール26と
を具備したことを特徴とする亀裂計測支援装置。
【請求項2】
前記識別子19は、バーコードからなることを特徴とする請求項1記載の亀裂計測支援装置。
【請求項3】
前記クラックゲージ10は、前記亀裂12の変化に対応して互いに軸方向に進退する主尺13と副尺14とを有し、前記主尺13に目盛線13aと目盛数値13bとを設け、前記副尺14にバーニヤ用の目盛線14aと目盛数値14bとを設け、前記バーニヤ用の目盛線14aのうち前記目盛数値14bの0に対応した前記目盛線14aを主尺13による計測値を求めるための計測基準線14a0としたことを特徴とする請求項1又は2記載の亀裂計測支援装置。
【請求項4】
前記スマートフォン20は、ゲージ計測処理部49を具備し、
前記ゲージ計測処理部49は、記録した画像データの画像トリミング部50と画像の二値化部51と数値と目盛線を抽出するセグメント抽出部57と画像から計測値を演算するゲージ計測部58からなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の亀裂計測支援装置。
【請求項5】
前記画像の二値化部51は、平滑化回路52とノイズ除去回路56からなり、
前記ゲージ計測部58は、数値分類部59と数値の主・副分類部62と主・副ライン検出部63と結合ラインの分離部64と主尺の二桁数値対応部69と主尺のラインと数値の並びの検証部70と副尺の0検索部71と計測基準線の検索部72と主尺のゲージ計算部73からなることを特徴とする請求項4記載の亀裂計測支援装置。
【請求項6】
前記平滑化回路52は、差分画像作成部53と二値化画像生成部54と論理積取得部55からなり、
前記数値分類部59は、数値認識部60と数値の妥当性検証部61からなり、
前記結合ラインの分離部64は、分断位置の計算部65と対象の選択部66と分離部67とラインとしての認識部68からなり、
前記主尺のゲージ計算部73は、バーニヤ目盛の計測部74と主尺目盛の計測部75とゲージ計測部76からなることを特徴とする請求項5記載の亀裂計測支援装置。
【請求項7】
クラックゲージ10の両端部を、亀裂12を挟むようにして被測定物11に設置し、前記クラックゲージ10の主尺13に設けられた目盛線13aと目盛数値13bと、前記主尺13と互いに軸方向に進退する副尺14のバーニヤ用の目盛線14aと目盛数値14bとにより、前記亀裂12の変化を計測する亀裂計測支援方法において、
前記クラックゲージ10に設けられたこのクラックゲージ10のIDを記入した識別子19をスマートフォン20のカメラ21で撮影する工程と、
前記識別子19のIDを登録済みかどうか判断する工程と、
前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを前記カメラ21で撮影する工程と、
前記カメラ21で撮影した画像処理により前記亀裂12の変化を演算する工程と、
前記亀裂12の演算値を前記スマートフォン20のメモリ23に格納する工程と、
前記メモリ23に格納された演算結果を前記スマートフォン20のディスプレイ27に表示する工程と
からなることを特徴とする亀裂計測支援方法。
【請求項8】
前記識別子19は、バーコードからなることを特徴とする請求項7記載の亀裂計測支援方法。
【請求項9】
前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを前記カメラ21で撮影する工程は、前記目盛線14aのうち前記目盛数値14bの0に対応した計測基準線14a0に前記カメラ21の焦点を合わせて撮影するようにしたことを特徴とする請求項7又は8記載の亀裂計測支援方法。
【請求項10】
前記バーコード19のIDを登録済みかどうか判断する工程は、IDを未登録なら未登録のIDを登録する工程と、GPSによる計測地点の登録工程を経て前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを前記カメラ21で撮影する工程へ移行するようにしたことを特徴とする請求項8記載の亀裂計測支援方法。
【請求項11】
前記カメラ21で撮影した画像処理により前記亀裂12の変化を演算する工程は、前記スマートフォン20のメモリ23から撮影した画像データを読み出す工程と、読み出した画像を計測用にトリミングする工程と、トリミングした画像を二値化する工程と、二値化した画像からセグメントを抽出する工程と、抽出したセグメントに基づき前記主尺13の主たる計測値と前記副尺14によるバーニヤ値とから計測値を演算するゲージ計測工程とからなることを特徴とする請求項9又は10記載の亀裂計測支援方法。
【請求項12】
前記トリミングした画像を二値化する工程は、トリミングした画像の差分画像を作成する工程と、この差分画像から二値化画像を生成する工程と、前記差分画像と二値化画像の論理積画像を取得する工程と、この論理積画像のノイズを除去する工程とからなり、
前記ゲージ計測工程は、抽出したセグメントから前記主尺13の目盛数値13bと前記副尺14の目盛数値14bとを分類する工程と、抽出したセグメントから前記主尺13の目盛線13aと前記副尺14の目盛線14aとを検出する工程と、検出された目盛線13aと目盛線14aが一つのラインに結合しているときの結合ラインを二つに分離する工程と、前記副尺14の目盛数値14bの数値0を検索する工程と、検索された数値0に対応する計測基準線14a0を検索する工程と、この計測基準線14a0と前記主尺13の目盛線13aに基づくバーニヤ値の計測値と前記目盛数値13bと前記計測基準線14a0とによる主尺の計測値とを加算して前記亀裂12の変化を演算する工程とからなることを特徴とする請求項11記載の亀裂計測支援方法。
【請求項13】
クラックゲージ10の両端部を、亀裂12を挟むようにして被測定物11に設置し、前記クラックゲージ10の主尺13に設けられた目盛線13aと目盛数値13bと、前記主尺13に互いに軸方向に進退する副尺14のバーニヤ用の目盛線14aと目盛数値14bとにより、前記亀裂12の変化を計測する亀裂計測支援方法において、
前記クラックゲージ10に設けられたこのクラックゲージ10のIDを記入した識別子19をスマートフォン20のカメラ21で撮影する工程と、
前記識別子19のIDを登録済みかどうか判断する工程と、
前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを上方、側方、斜方の3要素の3次元データとして前記カメラ21で撮影する工程と、
前記カメラ21で撮影したクラックゲージ10の上下・左右方向の角度変位を画像処理により前記亀裂12の変化として演算する工程と、
前記クラックゲージ10の上下・左右方向の角度変位を演算する工程と、
前記クラックゲージ10の上下・左右方向の角度変位、バーニヤ値から前記クラックゲージ10の直接変位値(R)、上下変位値(X,Y,Z)の3次元4要素の変位位置を演算する工程と、
前記亀裂12の演算値を前記スマートフォン20のメモリ23に格納する工程と、
前記メモリ23に格納された演算結果を前記スマートフォン20のディスプレイ27に表示する工程と
からなることを特徴とする亀裂計測支援方法。
【請求項14】
前記識別子19は、バーコードからなることを特徴とする請求項13記載の亀裂計測支援方法。
【請求項15】
前記カメラ21で撮影した画像処理により前記亀裂12の変化を演算する工程は、前記スマートフォン20のメモリ23から撮影した上方、側方、斜方の3要素からなる3次元画像データを読み出す工程と、読み出した上方、側方、斜方の3要素の画像を計測用にトリミングする工程と、トリミングした画像を上方、側方、斜方の3要素の二値化処理を行う工程と、二値化した画像から上方、側方、斜方の3要素のセグメンテーションを行う工程と、
前記クラックゲージ10を被測定物11に設置したユニバーサルジョイント18の上方、側方、斜方の3要素のユニバーサルジョイント角度を演算する工程と、
抽出したセグメントに基づき前記主尺13による計測値と前記副尺14によるバーニヤ値とから計測値を演算するゲージ計測工程と、
初回の演算値を登録する工程と、
角度差分比の比較する工程と、
前記亀裂12の演算値を前記スマートフォン20のメモリ23に格納する工程と、
前記メモリ23に格納された演算結果を前記スマートフォン20のディスプレイ27に表示する工程と
からなることを特徴とする請求項13又は14記載の亀裂計測支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤、建造物等に発生する亀裂を計測するクラックゲージにおいて、このクラックゲージの目盛の変動をスマートフォンで読み取り、報告書などを作成して送信することを可能にした亀裂計測支援装置及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、地盤の斜面変状、構造物の亀裂の変化等を計測する亀裂測定装置をすでに提案した(特許文献1)。
図22に示すように、亀裂12を挟んだ被測定物11の2点間に取り付けて亀裂12の変化を計測するためのクラックゲージ10であって、外筒からなる副尺14の中に内筒からなる主尺13を進退自在に嵌合し、主尺13には、例えば5mm間隔の目盛線13aを形成し、この目盛線13aを副尺14の目盛窓15から露出し、前記副尺14には、目盛窓15に臨ませて例えば4.5mm間隔の目盛線14a(バーニヤ目盛)を形成し、前記副尺14と主尺13の端部を、それぞれユニバーサルジョイント18を介してアンカーナット16とボルト17で被測定物11に固着したものである。
【0003】
このような構成において、亀裂12の変化に応じて主尺13と副尺14が互いに軸方向に進退し、副尺14の目盛線14aの「0」の左側の計測基準線14oと主尺13の5mm単位の目盛線13aから主尺13の目盛数値13bで主尺単位の数値を読み取り、また、主尺13の目盛線13aと副尺14の目盛線14aの一致点から例えば0.05mm単位の目盛数値14bでバーニヤ値を読み取り、これらの合計から亀裂12の幅を計測するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3766516号特許公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
クラックゲージによる計測は、計測値の読み取りに間違いが起こりやすい。特に、主尺13と副尺14は、内筒と外筒を進退自在に嵌合してなり、目盛窓15を形成した外筒が肉厚のため、読み取りが斜め方向になると、副尺14の計測基準線14a0が主尺13の5mm単位の目盛線13aのどの位置に一致するのか、また、バーニヤ目盛の付いているクラックゲージでは、主尺13の目盛線13aと副尺14の目盛線14aの一致点を判定しにくく、さらに、主尺13の目盛数値13bと、バーニヤ目盛数値14bの2回の読み取りを行い、これらの数値を演算して計測値とするため、読み取り間違いや演算の間違いなどの人為的な間違いが生じやすかった。
また、従来は、計測するたびに、計測場所の記録、計測日時の記録、前回計測値との比較値などを報告書に人手によって記入していたため、作業に時間と人手を要するという問題があった。
【0006】
本発明は、クラックゲージをスマートフォンなどの携帯型通信機のカメラで撮影することで、亀裂の数値の読み取り計測、計測場所と計測日時の記録、報告書作成、親機との通信などを自動的に行うことのできる亀裂計測支援装置及びその方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による亀裂計測支援装置は、
クラックゲージ10の両端部を、亀裂12を挟むようにして被測定物11に設置し、前記クラックゲージ10の目盛線13aと目盛数値13bを読み込んで前記亀裂12の変化(亀裂12を挟む被測定物11の亀裂12の面に対して垂直な方向及び平行な方向の変化を含む。)を計測する装置において、
前記クラックゲージ10に設けられ、このクラックゲージ10のIDを記入した識別子としてのバーコード19と、
前記バーコード19と前記目盛線13aと目盛数値13bを撮影するカメラ21を具備したスマートフォン20と、
このスマートフォン20に内蔵され、撮影された画像から前記亀裂12の計測値を演算するCPU22と、
GPS28から前記クラックゲージ10の設置地点を取り込むGPSモジュール25と、
前記計測値、設置地点、計測日時を記録するメモリ23と、
前記スマートフォン20に内蔵され、前記メモリ23に記録されたデータを親機30に送信する通信モジュール26と
を具備したことを特徴とする。
【0008】
前記クラックゲージ10は、前記亀裂12の変化に対応して互いに軸方向に進退する主尺13と副尺14とを有し、前記主尺13に目盛線13aと目盛数値13bとを設け、前記副尺14にバーニヤ用の目盛線14aと目盛数値14bとを設け、前記バーニヤ用の目盛線14aのうち前記目盛数値14bの0に対応した前記目盛線14aを主尺13による計測値を求めるための計測基準線14a0としたことを特徴とする。
【0009】
前記スマートフォン20は、ゲージ計測処理部49を具備し、
前記ゲージ計測処理部49は、記録した画像データの画像トリミング部50と画像の二値化部51と数値と目盛線を抽出するセグメント抽出部57と画像から計測値を演算するゲージ計測部58からなることを特徴とする。
【0010】
前記画像の二値化部51は、平滑化回路52とノイズ除去回路56からなり、
前記ゲージ計測部58は、数値分類部59と数値の主・副分類部62と主・副ライン検出部63と結合ラインの分離部64と主尺の二桁数値対応部69と主尺のラインと数値の並びの検証部70と副尺の0検索部71と計測基準線の検索部72と主尺のゲージ計算部73からなることを特徴とする。
【0011】
前記平滑化回路52は、差分画像作成部53と二値化画像生成部54と論理積取得部55からなり、
前記数値分類部59は、数値認識部60と数値の妥当性検証部61からなり、
前記結合ラインの分離部64は、分断位置の計算部65と対象の選択部66と分離部67とラインとしての認識部68からなり、
前記主尺のゲージ計算部73は、バーニヤ目盛の計測部74と主尺目盛の計測部75とゲージ計測部76からなることを特徴とする。
【0012】
本発明による亀裂計測支援方法は、
クラックゲージ10の両端部を、亀裂12を挟むようにして被測定物11に設置し、前記クラックゲージ10の主尺13に設けられた目盛線13aと目盛数値13bと、前記主尺13と互いに軸方向に進退する副尺14のバーニヤ用の目盛線14aと目盛数値14bとにより、前記亀裂12の変化を計測する亀裂計測支援方法において、
前記クラックゲージ10に設けられたこのクラックゲージ10のIDを記入した識別子としてのバーコード19をスマートフォン20のカメラ21で撮影する工程と、
前記バーコード19のIDを登録済みかどうか判断する工程と、
前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを前記カメラ21で撮影する工程と、
前記カメラ21で撮影した画像処理により前記亀裂12の変化を演算する工程と、
前記亀裂12の演算値を前記スマートフォン20のメモリ23に格納する工程と、
前記メモリ23に格納された演算結果を前記スマートフォン20のディスプレイ27に表示する工程と
からなることを特徴とする。
【0013】
前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを前記カメラ21で撮影する工程は、前記目盛線14aのうち前記目盛数値14bの0に対応した計測基準線14a0に前記カメラ21の焦点を合わせて撮影するようにしたことを特徴とする。
【0014】
前記識別子としてのバーコード19のIDを登録済みかどうか判断する工程は、IDを未登録なら未登録のIDを登録する工程と、GPSによる計測地点の登録工程を経て前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを前記カメラ21で撮影する工程へ移行するようにしたことを特徴とする。
【0015】
前記カメラ21で撮影した画像処理により前記亀裂12の変化を演算する工程は、前記スマートフォン20のメモリ23から撮影した画像データを読み出す工程と、読み出した画像を計測用にトリミングする工程と、トリミングした画像を二値化する工程と、二値化した画像からセグメントを抽出する工程と、抽出したセグメントに基づき前記主尺13の主たる計測値と前記副尺14によるバーニヤ値とから計測値を演算するゲージ計測工程とからなることを特徴とする。
【0016】
前記トリミングした画像を二値化する工程は、トリミングした画像の差分画像を作成する工程と、この差分画像から二値化画像を生成する工程と、前記差分画像と二値化画像の論理積画像を取得する工程と、この論理積画像のノイズを除去する工程とからなり、
前記ゲージ計測工程は、抽出したセグメントから前記主尺13の目盛数値13bと前記副尺14の目盛数値14bとを分類する工程と、抽出したセグメントから前記主尺13の目盛線13aと前記副尺14の目盛線14aとを検出する工程と、検出された目盛線13aと目盛線14aが一つのラインに結合しているときの結合ラインを二つに分離する工程と、前記副尺14の目盛数値14bの数値0を検索する工程と、検索された数値0に対応する計測基準線14a0を検索する工程と、この計測基準線14a0と前記主尺13の目盛線13aに基づくバーニヤ値の計測値と前記目盛数値13bと前記計測基準線14a0とによる主尺の計測値とを加算して前記亀裂12の変化を演算する工程とからなることを特徴とする。
【0017】
クラックゲージ10の両端部を、亀裂12を挟むようにして被測定物11に設置し、前記クラックゲージ10の主尺13に設けられた目盛線13aと目盛数値13bと、前記主尺13に互いに軸方向に進退する副尺14のバーニヤ用の目盛線14aと目盛数値14bとにより、前記亀裂12の変化を計測する亀裂計測支援方法において、
前記クラックゲージ10に設けられたこのクラックゲージ10のIDを記入した識別子としてのバーコード19をスマートフォン20のカメラ21で撮影する工程と、
前記バーコード19のIDを登録済みかどうか判断する工程と、
前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを上方・側方・斜方の3要素の3次元データとして前記カメラ21で撮影する工程と、
前記カメラ21で撮影したクラックゲージ10の上下・左右方向の角度変位を画像処理により前記亀裂12の変化を演算する工程と、
前記クラックゲージ10の上下・左右方向の角度変位を演算する工程と、
前記クラックゲージ10の上下・左右方向の角度変位、バーニヤ値から前記クラックゲージ10の直接変位値(R)、上下変位値(X,Y,Z)の3次元4要素の変位位置を演算する工程と、
前記亀裂12の演算値を前記スマートフォン20のメモリ23に格納する工程と、
前記メモリ23に格納された演算結果を前記スマートフォン20のディスプレイ27に表示する工程と
からなることを特徴とする。
【0018】
前記カメラ21で撮影した画像処理により前記亀裂12の変化を演算する工程は、前記スマートフォン20のメモリ23から撮影した上方、側方、斜方の3要素からなる3次元画像データを読み出す工程と、読み出した上方、側方、斜方の3要素の画像を計測用にトリミングする工程と、トリミングした画像を上方、側方、斜方の3要素の二値化処理を行う工程と、二値化した画像から上方、側方、斜方の3要素のセグメンテーションを行う工程と、
前記クラックゲージ10を被測定物11に設置したユニバーサルジョイント18の上方、側方、斜方の3要素のユニバーサルジョイント角度を演算する工程と、
抽出したセグメントに基づき前記主尺13による計測値と前記副尺14によるバーニヤ値とから計測値を演算するゲージ計測工程と、
初回の演算値を登録する工程と、
角度差分比の比較する工程と、
前記亀裂12の演算値を前記スマートフォン20のメモリ23に格納する工程と、
前記メモリ23に格納された演算結果を前記スマートフォン20のディスプレイ27に表示する工程と
からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の発明によれば、
クラックゲージ10の両端部を、亀裂12を挟むようにして被測定物11に設置し、前記クラックゲージ10の目盛線13aと目盛数値13bを読み込んで前記亀裂12の変化を計測する装置において、
前記クラックゲージ10に設けられ、このクラックゲージ10のIDを記入した識別子19と、
前記識別子19と前記目盛線13aと目盛数値13bを撮影するカメラ21を具備したスマートフォン20と、
このスマートフォン20に内蔵され、撮影された画像から前記亀裂12の計測値を演算するCPU22と、
GPS28から前記クラックゲージ10の設置地点を取り込むGPSモジュール25と、
前記計測値、設置地点、計測日時を記録するメモリ23と、
前記スマートフォン20に内蔵され、前記メモリ23に記録されたデータを親機30に送信する通信モジュール26と
を具備したので、以下の効果を有する。
(1)クラックゲージによる計測は、スマートフォンのカメラで読み込み、演算するので、測定者が目視により読み取る方法に比べて、計測値の読み取りに間違いが起こらない。
(2)一度登録すれば、識別子19によって、固有のクラックゲージの計測場所の記録、計測日時の記録、前回計測値との比較などの処理が自動化され、亀裂の計測と計測結果の報告書の作成が容易になる。
(3)通信モジュールで親機にすぐにデータを送ることができ、亀裂の変化が防災上の管理基準(閾値)を超えたときなどに警報をより早く報知することができる。
【0020】
請求項3記載の発明によれば、
前記クラックゲージ10は、前記亀裂12の変化に対応して互いに軸方向に進退する主尺13と副尺14とを有し、前記主尺13に目盛線13aと目盛数値13bとを設け、前記副尺14にバーニヤ用の目盛線14aと目盛数値14bとを設け、前記バーニヤ用の目盛線14aのうち前記目盛数値14bの0に対応した前記目盛線14aを主尺13による計測値を求めるための計測基準線14a0としたので、バーニヤ用の目盛でも正確に亀裂の変化を読み出すことができる。
【0021】
請求項4記載の発明によれば、
前記スマートフォン20は、ゲージ計測処理部49を具備し、
前記ゲージ計測処理部49は、記録した画像データの画像トリミング部50と画像の二値化部51と数値と目盛線を抽出するセグメント抽出部57と画像から計測値を演算するゲージ計測部58からなるので、亀裂をカメラで撮影するだけで、自動的に計測することができる。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、
前記画像の二値化部51は、平滑化回路52とノイズ除去回路56からなり、
前記ゲージ計測部58は、数値分類部59と数値の主・副分類部62と主・副ライン検出部63と結合ラインの分離部64と主尺の二桁数値対応部69と主尺のラインと数値の並びの検証部70と副尺の0検索部71と計測基準線の検索部72と主尺のゲージ計算部73からなるので、1枚の画像に基づき主尺13と副尺14の数値と目盛線とを区別して亀裂を計測することができる。
【0023】
請求項6記載の発明によれば、
前記平滑化回路52は、差分画像作成部53と二値化画像生成部54と論理積取得部55からなり、
前記数値分類部59は、数値認識部60と数値の妥当性検証部61からなり、
前記結合ラインの分離部64は、分断位置の計算部65と対象の選択部66と分離部67とラインとしての認識部68からなり、
前記主尺のゲージ計算部73は、バーニヤ目盛の計測部74と主尺目盛の計測部75とゲージ計測部76からなるので、主尺13と副尺14のそれぞれの目盛数値と目盛線とを分類して亀裂の計測の処理ができる。
【0024】
請求項7記載の発明によれば、
クラックゲージ10の両端部を、亀裂12を挟むようにして被測定物11に設置し、前記クラックゲージ10の主尺13に設けられた目盛線13aと目盛数値13bと、前記主尺13と互いに軸方向に進退する副尺14のバーニヤ用の目盛線14aと目盛数値14bとにより、前記亀裂12の変化を計測する亀裂計測支援方法において、
前記クラックゲージ10に設けられたこのクラックゲージ10のIDを記入した識別子19をスマートフォン20のカメラ21で撮影する工程と、
前記識別子19のIDを登録済みかどうか判断する工程と、
前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを前記カメラ21で撮影する工程と、
前記カメラ21で撮影した画像処理により前記亀裂12の変化を演算する工程と、
前記亀裂12の演算値を前記スマートフォン20のメモリ23に格納する工程と、
前記メモリ23に格納された演算結果を前記スマートフォン20のディスプレイ27に表示する工程と
からなるので、以下の効果を有する。
(1)クラックゲージによる計測は、スマートフォンのカメラで読み込み、演算するので、測定者が目視により読み取る方法に比べて、計測値の読み取りに間違いが起こらない。
(2)一度登録すれば、識別子19によって、固有のクラックゲージの計測場所の記録、計測日時の記録、前回計測値との比較などの処理が自動化され、亀裂の計測と計測結果の報告書の作成が容易になる。
(3)通信モジュールで親機にすぐにデータを送ることができ、亀裂の変化が防災上の管理基準(閾値)を超えたときなどに警報をより早く報知することができる。
【0025】
請求項9記載の発明によれば、
前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを前記カメラ21で撮影する工程は、前記目盛線14aのうち前記目盛数値14bの0に対応した計測基準線14a0に前記カメラ21の焦点を合わせて撮影するようにしたので、副尺14の目盛数値14bの0に対応した計測基準線14a0の付近の1枚の画像の解析で主尺13の計測値と、バーニヤ値の計測値の両方を得ることができ、主尺13と副尺14が筒状で目盛線にずれがあっても正確なバーニヤ値を得ることができる。
【0026】
請求項10記載の発明によれば、
前記識別子としてのバーコード19のIDを登録済みかどうか判断する工程は、IDを未登録なら未登録のIDを登録する工程と、GPSによる計測地点の登録工程を経て前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを前記カメラ21で撮影する工程へ移行するようにしたので、初回登録も2回目以降の登録も継続してデータの蓄積ができる。
【0027】
請求項11記載の発明によれば、
前記カメラ21で撮影した画像処理により前記亀裂12の変化を演算する工程は、前記スマートフォン20のメモリ23から撮影した画像データを読み出す工程と、読み出した画像を計測用にトリミングする工程と、トリミングした画像を二値化する工程と、二値化した画像からセグメントを抽出する工程と、抽出したセグメントに基づき前記主尺13の主たる計測値と前記副尺14によるバーニヤ値とから計測値を演算するゲージ計測工程とからなるので、細密な計測データを得ることができる。
【0028】
請求項12記載の発明によれば、
前記トリミングした画像を二値化する工程は、トリミングした画像の差分画像を作成する工程と、この差分画像から二値化画像を生成する工程と、前記差分画像と二値化画像の論理積画像を取得する工程と、この論理積画像のノイズを除去する工程とからなり、
前記ゲージ計測工程は、抽出したセグメントから前記主尺13の目盛数値13bと前記副尺14の目盛数値14bとを分類する工程と、抽出したセグメントから前記主尺13の目盛線13aと前記副尺14の目盛線14aとを検出する工程と、検出された目盛線13aと目盛線14aが一つのラインに結合しているときの結合ラインを二つに分離する工程と、前記副尺14の目盛数値14bの数値0を検索する工程と、検索された数値0に対応する計測基準線14a0を検索する工程と、この計測基準線14a0と前記主尺13の目盛線13aに基づくバーニヤ値の計測値と前記目盛数値13bと前記計測基準線14a0とによる主尺の計測値とを加算して前記亀裂12の変化を演算する工程とからなるので、主尺13の目盛線13aと副尺14の目盛線14aとが結合して1本のラインとなっても、主尺13の目盛線13aと副尺14の目盛線14aとを分離して演算することができる。
【0029】
請求項13記載の発明によれば、
クラックゲージ10の両端部を、亀裂12を挟むようにして被測定物11に設置し、前記クラックゲージ10の主尺13に設けられた目盛線13aと目盛数値13bと、前記主尺13に互いに軸方向に進退する副尺14のバーニヤ用の目盛線14aと目盛数値14bとにより、前記亀裂12の変化を計測する亀裂計測支援方法において、
前記クラックゲージ10に設けられたこのクラックゲージ10のIDを記入した識別子19をスマートフォン20のカメラ21で撮影する工程と、
前記識別子19のIDを登録済みかどうか判断する工程と、
前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを上方・側方・斜方から前記カメラ21で撮影する工程と、
前記カメラ21で撮影したクラックゲージ10の上下・左右方向の角度変位を画像処理により前記亀裂12の変化を演算する工程と、
前記クラックゲージ10の上下・左右方向の角度変位を演算する工程と、
前記クラックゲージ10の上下・左右方向の角度変位、バーニヤ値から前記クラックゲージ10の直接変位値(R)、上下変位値(X,Y,Z)の3次元4要素の変位位置を演算する工程と、
前記亀裂12の演算値を前記スマートフォン20のメモリ23に格納する工程と、
前記メモリ23に格納された演算結果を前記スマートフォン20のディスプレイ27に表示する工程と
からなるので、亀裂の2次元の変位のみならず、3次元の変位も計測することができる。
【0030】
請求項15記載の発明によれば、
前記カメラ21で撮影した画像処理により前記亀裂12の変化を演算する工程は、前記スマートフォン20のメモリ23から撮影した上方、側方、斜方の3要素からなる3次元画像データを読み出す工程と、読み出した上方、側方、斜方の3要素の画像を計測用にトリミングする工程と、トリミングした画像を上方、側方、斜方の3要素の二値化処理を行う工程と、二値化した画像から上方、側方、斜方の3要素のセグメンテーションを行う工程と、
前記クラックゲージ10を被測定物11に設置したユニバーサルジョイント18の上方、側方、斜方の3要素のユニバーサルジョイント角度を演算する工程と、
抽出したセグメントに基づき前記主尺13による計測値と前記副尺14によるバーニヤ値とから計測値を演算するゲージ計測工程と、
初回の演算値を登録する工程と、
角度差分比の比較する工程と、
前記亀裂12の演算値を前記スマートフォン20のメモリ23に格納する工程と、
前記メモリ23に格納された演算結果を前記スマートフォン20のディスプレイ27に表示する工程と
からなるので、亀裂の変位のみならず、ゲージや測定物の3次元の変位を計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明による亀裂計測支援装置及びその方法の実施例1を示すブロック図である。
図2】(a)は、クラックゲージ10の主尺13と副尺14の正面図、(b)は、主尺13と副尺14の目盛部分の拡大図である。
図3】本発明によるゲージ計測処理部49のブロック図である。
図4】(a)(b)(c)は、スマートフォン20による登録フローの説明図である。
図5】(a)(b)は、スマートフォン20による計測フローの説明図である。
図6】(a)(b)(c)(d)(e)(f)は、スマートフォン20によるデータ確認フローの説明図である。
図7】スマートフォン20による登録フローと計測フローの詳細な説明図である。
図8】スマートフォン20による3次元データの計測フローの詳細な説明図である。
図9】(a)は、カメラ21による撮影からクラックゲージ10の計測までの全体のフローの説明図、(b)は、二値化処理のためのフローの説明図、(c)は、セグメント抽出のためのフローの説明図である。
図10】クラックゲージ10の数値検索とライン検索のための詳細なフローの説明図である。
図11】(a)は、撮影画像の一例の説明図、(b)は、(a)から一部を切り取った画像からメディアンフィルターでノイズを除去した画像とグレースケール画像の説明図、(c)は、メディアンフィルターを通した画像とグレースケール画像との差分画像の説明図である。
図12】二値化画像の生成の説明図である。
図13】(a)は、図10に示す差分画像Aと図11に示す二値化画像Bの論理積で得られた画像の説明図、(b)は、(a)の画像からノイズを除去した画像の説明図である。
図14】(a)は、セグメント抽出前の図12(b)の画像、(b)は、連続するピクセルの領域をセグメントとして抽出した画像の説明図、(c)は、セグメントを抽出するための重心と領域の説明図、(d)は、数値とそれ以外のセグメントに分類すための画像の説明図である。
図15】(a)は、数値を内筒(主尺)と外筒(副尺)の2種類に分類するための画像の説明図、(b)は、ライン(目盛線)を内筒と外筒の2種類に振り分けるための閾値の算出用画像の説明図である。
図16】(a)は、ライン(目盛線)を内筒と外筒の2種類に分類するための画像の説明図で、特に内筒の例を示し、(b)は、結合している内筒と外筒のライン(目盛線)を分離する場合の画像の説明図である。
図17】(a)は、画像を3つに分断する位置の説明図、(b)は、分断のための第1条件の説明図、(c)は、分断のための第2条件の説明図である。
図18】(a)は、分断線で分離するための説明図、(b)は、内筒のライン(目盛線)と数値の並びの検証のための説明図、(c)は、外筒の0の左側ライン(目盛線)を探索の説明図である。
図19】(a)は、内筒の分析とゲージ計算の説明図、(b)は、内筒のライン(目盛線)を探索し、0.5~5.0mm未満の計測の説明図、(c)は、外筒の0の左側の目盛線14a0を挟む内筒のライン(目盛線)の判定の説明図である。
図20】(a)は、0.5~5.0mm未満の計測の説明図、(b)(c)(d)(e)は、それぞれ内筒の数値を探索し、5.0mm以上の計測の異なる例を示す説明図である。
図21】(a)は、スマートフォン20のカメラ21でクラックゲージ10を撮影するときの位置合わせの説明図、(b)は、クラックゲージ10のライン(目盛線)と数値による具体的計測の説明図である。
図22】従来のクラックゲージ10の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、
クラックゲージ10の両端部を、亀裂12を挟むようにして被測定物11に設置し、前記クラックゲージ10の目盛線13aと目盛数値13bを読み込んで前記亀裂12の変化を計測する装置において、
前記クラックゲージ10に設けられ、このクラックゲージ10のIDを記入した識別子としてのバーコード19と、
前記バーコード19と前記目盛線13aと目盛数値13bを撮影するカメラ21を具備したスマートフォン20と、
このスマートフォン20に内蔵され、撮影された画像から前記亀裂12の計測値を演算するCPU22と、
GPS28から前記クラックゲージ10の設置地点を取り込むGPSモジュール25と、
前記計測値、設置地点、計測日時を記録するメモリ23と、
前記スマートフォン20に内蔵され、前記メモリ23に記録されたデータを親機30に送信する通信モジュール26と
を具備したことを特徴とする亀裂計測支援装置である。
【0033】
前記クラックゲージ10は、前記亀裂12の変化に対応して互いに軸方向に進退する主尺13と副尺14とを有し、前記主尺13に目盛線13aと目盛数値13bとを設け、前記副尺14にバーニヤ用の目盛線14aと目盛数値14bとを設け、前記バーニヤ用の目盛線14aのうち前記目盛数値14bの0に対応した前記目盛線14aを主尺13による計測値を求めるための計測基準線14a0としたものが用いられる。
【0034】
前記スマートフォン20は、ゲージ計測処理部49を具備し、
このゲージ計測処理部49は、記録した画像データの画像トリミング部50と画像の二値化部51と数値と目盛線を抽出するセグメント抽出部57と画像から計測値を演算するゲージ計測部58からなる。
【0035】
前記画像の二値化部51は、平滑化回路52とノイズ除去回路56からなり、
前記ゲージ計測部58は、数値分類部59と数値の主・副分類部62と主・副ライン検出部63と結合ラインの分離部64と主尺の二桁数値対応部69と主尺のラインと数値の並びの検証部70と副尺の0検索部71と計測基準線の検索部72と主尺のゲージ計算部73からなる。
【0036】
前記平滑化回路52は、差分画像作成部53と二値化画像生成部54と論理積取得部55からなり、
前記数値分類部59は、数値認識部60と数値の妥当性検証部61からなり、
前記結合ラインの分離部64は、分断位置の計算部65と対象の選択部66と分離部67とラインとしての認識部68からなり、
前記主尺のゲージ計算部73は、バーニヤ目盛の計測部74と主尺目盛の計測部75とゲージ計測部76からなる。
【0037】
クラックゲージ10の両端部を、亀裂12を挟むようにして被測定物11に設置し、前記クラックゲージ10の主尺13に設けられた目盛線13aと目盛数値13bと、前記主尺13と互いに軸方向に進退する副尺14のバーニヤ用の目盛線14aと目盛数値14bとにより、前記亀裂12の変化を計測する亀裂計測支援方法において、
前記クラックゲージ10に設けられたこのクラックゲージ10のIDを記入した識別子19をスマートフォン20のカメラ21で撮影する工程と、
前記識別子19のIDを登録済みかどうか判断する工程と、
前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを前記カメラ21で撮影する工程と、
前記カメラ21で撮影した画像処理により前記亀裂12の変化を演算する工程と、
前記亀裂12の演算値を前記スマートフォン20のメモリ23に格納する工程と、
前記メモリ23に格納された演算結果を前記スマートフォン20のディスプレイ27に表示する工程と
からなる。
【0038】
前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを前記カメラ21で撮影する工程は、前記目盛線14aのうち前記目盛数値14bの0に対応した計測基準線14a0に前記カメラ21の焦点を合わせて撮影する。
【0039】
前記識別子バーコード19のIDを登録済みかどうか判断する工程は、IDを未登録なら未登録のIDを登録する工程と、GPSによる計測地点の登録工程を経て前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを前記カメラ21で撮影する工程へ移行する。
【0040】
前記カメラ21で撮影した画像処理により前記亀裂12の変化を演算する工程は、前記スマートフォン20のメモリ23から撮影した画像データを読み出す工程と、読み出した画像を計測用にトリミングする工程と、トリミングした画像を二値化する工程と、二値化した画像からセグメントを抽出する工程と、抽出したセグメントに基づき前記主尺13の主たる計測値と前記副尺14によるバーニヤ値とから計測値を演算するゲージ計測工程とからなる。
【0041】
前記トリミングした画像を二値化する工程は、トリミングした画像の差分画像を作成する工程と、この差分画像から二値化画像を生成する工程と、前記差分画像と二値化画像の論理積画像を取得する工程と、この論理積画像のノイズを除去する工程とからなり、
前記ゲージ計測工程は、抽出したセグメントから前記主尺13の目盛数値13bと前記副尺14の目盛数値14bとを分類する工程と、抽出したセグメントから前記主尺13の目盛線13aと前記副尺14の目盛線14aとを検出する工程と、検出された目盛線13aと目盛線14aが一つのラインに結合しているときの結合ラインを二つに分離する工程と、前記副尺14の目盛数値14bの数値0を検索する工程と、検索された数値0に対応する計測基準線14a0を検索する工程と、この計測基準線14a0と前記主尺13の目盛線13aに基づくバーニヤ値の計測値と前記目盛数値13bと前記計測基準線14a0とによる主尺の計測値とを加算して前記亀裂12の変化を演算する工程とからなる。
【0042】
クラックゲージ10の両端部を、亀裂12を挟むようにして被測定物11に設置し、前記クラックゲージ10の主尺13に設けられた目盛線13aと目盛数値13bと、前記主尺13に互いに軸方向に進退する副尺14のバーニヤ用の目盛線14aと目盛数値14bとにより、前記亀裂12の変化を計測する亀裂計測支援方法において、
前記クラックゲージ10に設けられたこのクラックゲージ10のIDを記入した識別子19をスマートフォン20のカメラ21で撮影する工程と、
前記識別子19のIDを登録済みかどうか判断する工程と、
前記主尺13の目盛線13aと目盛数値13bと、前記副尺14のバーニヤ用目盛線14aと目盛数値14bとを上方・側方・斜方から前記カメラ21で撮影する工程と、
前記カメラ21で撮影したクラックゲージ10の上下・左右方向の角度変位を画像処理により前記亀裂12の変化を演算する工程と、
前記クラックゲージ10の上下・左右方向の角度変位を演算する工程と、
前記クラックゲージ10の上下・左右方向の角度変位、バーニヤ値から前記クラックゲージ10の直接変位値(R)、上下変位値(X,Y,Z)の3次元4要素の変位位置を演算する工程と、
前記亀裂12の演算値を前記スマートフォン20のメモリ23に格納する工程と、
前記メモリ23に格納された演算結果を前記スマートフォン20のディスプレイ27に表示する工程と
からなる。
【0043】
前記カメラ21で撮影した画像処理により前記亀裂12の変化を演算する工程は、前記スマートフォン20のメモリ23から撮影した上方、側方、斜方の3要素からなる3次元画像データを読み出す工程と、読み出した上方、側方、斜方の3要素の画像を計測用にトリミングする工程と、トリミングした画像を上方、側方、斜方の3要素の二値化処理を行う工程と、二値化した画像から上方、側方、斜方の3要素のセグメンテーションを行う工程と、
前記クラックゲージ10を被測定物11に設置したユニバーサルジョイント18の上方、側方、斜方の3要素のユニバーサルジョイント角度を演算する工程と、
抽出したセグメントに基づき前記主尺13による計測値と前記副尺14によるバーニヤ値とから計測値を演算するゲージ計測工程と、
初回の演算値を登録する工程と、
角度差分比の比較する工程と、
前記亀裂12の演算値を前記スマートフォン20のメモリ23に格納する工程と、
前記メモリ23に格納された演算結果を前記スマートフォン20のディスプレイ27に表示する工程と
からなる。
【実施例1】
【0044】
以下、本発明の実施例1を図面に基づき説明する。
図2(a)(b)において、10は、クラックゲージで、このクラックゲージ10は、主尺13と副尺14からなり、それぞれ目盛線13aと目盛線14a、目盛り数値13bと目盛数値14bなど、図22と略同一であるが、異なるところは、図2(a)に示すように、副尺14の表面の目盛窓15の横に個体識別のための識別子としてバーコード19が貼り付けられていることである。このバーコード19には、クラックゲージ10の出荷時の連番情報が入っており、このバーコード19を読み取ることで、クラックゲージ10の個体を一意に識別することができる。このバーコード19がスマートフォン20のカメラ21にて撮影されると、予め登録されたクラックゲージ10の計測場所情報、計測地点の緯度経度情報と地図へのプロット、計測日時の自動登録、過去の計測結果などスマートフォン20内の固有のデータとして読み出される。
なお、前記識別子は、バーコードに限らず、個体識別可能な識別子であれば、QRコード(登録商標)など、他のコードであってもよいが、以下の実施例では、バーコードを用いた例を説明する。
【0045】
また、主尺13は、円筒形の内筒からなり、この主尺13は、円筒形の外筒からなる副尺14の中で軸方向に進退自在に嵌合している。前記主尺13と副尺14は、軸と直交方向には回動できないように嵌合しているが、回動するようにしてもよい。前記主尺13には、例えば5mm間隔の目盛線13a(13a0,13a1、13a2,…)が形成されているとともに、10mm間隔で目盛数値13b(13b0,13b1、13b2,…)が形成されている。前記副尺14には、目盛窓15が形成され、この目盛窓15から例えば、主尺13の50mmに相当する目盛線13aと目盛数値13bが露出している。また、前記副尺14には、目盛窓15に臨ませて例えば4.5mm間隔の目盛線14a(14a0,14a1、14a2,…)(バーニヤ目盛)が形成されているとともに、9mm間隔の目盛数値14b(14b0,14b1、14b2,…)が形成されており、前記副尺14の目盛線14aの「0」の左側の目盛線が計測基準線14a0となっている。
【0046】
図1に示すように、前記スマートフォン20は、個人用の携帯コンピュータの機能を併せ持った携帯電話機など(以下、スマートフォンという)であり、汎用のものが利用されるが、本発明特有に構成されたものであってもよい。このスマートフォン20には、カメラ21を内蔵し、このカメラ21は、CPU22に接続されている。このCPU22には、メモリ23とバッテリ24とGPSモジュール25と通信モジュール26とディスプレイ27が接続されている。
前記GPSモジュール25は、GPS28からの信号を受信する。前記通信モジュール26は、インターネット29を介してパソコン、タブレット、スマートフォンなどの親機30に通信可能な機能を有している。
そして、このスマートフォン20のCPU22が前記メモリ23に記憶された本発明特有のクラックゲージ計測補助アプリケーションであるゲージ計測処理部49を読み出し、このゲージ計測処理部49により、本発明特有の後述の計測フローを実現する。
【0047】
前記ゲージ計測処理部49は、図3に示すように、画像トリミング部50と画像の二値化部51とセグメント抽出部57とゲージ計測部58とからなる。
前記画像の二値化部51は、平滑化回路52とノイズ除去回路56からなり、前記平滑化回路52は、差分画像作成部53と二値化画像生成部54と論理積取得部55からなる。
前記ゲージ計測部58は、数値分類部59と数値の主・副分類部62と主・副ライン検出部63と結合ラインの分離部64と主尺の二桁数値対応部69と主尺のラインと数値の並びの検証部70と副尺の0検索部71と計測基準線の検索部72と主尺のゲージ計算部73からなり、前記数値分類部59は、数値認識部60と数値の妥当性検証部61からなり、前記結合ラインの分離部64は、分断位置の計算部65と対象の選択部66と分離部67とラインとしての認識部68からなり、前記主尺のゲージ計算部73は、バーニヤ目盛の計測部74と主尺目盛の計測部75とゲージ計測部76からなる。
【0048】
前記クラックゲージ計測補助アプリケーションを実行する前記スマートフォン20による(1)初回登録フロー、(2)計測フロー、(3)データ確認フローの概略を図4図5及び図6に基づき説明し、詳細なフローは、図7以下に基づき説明する。
(1)初回登録フロー
図4(a)に示すように、スマートフォン20の表示欄31に「クラックゲージ計測補助アプリケーション」などのアプリケーションの名称が表示される。また登録釦32、計測釦33、データ確認釦34が表示される。この中の登録釦32を選択すると図4(b)の画面に遷移する。
図4(b)に示すように、「地点名称を入力してください。」などの地点名称の入力を促す表示、地点名称表示欄36、次へ移動釦37が表示される。前記地点名称表示欄36に、クラックゲージ10を設置した地点名称を入力する。入力したら前記次へ移動釦37を選択すると図4(c)の画面に遷移する。
図4(c)に示すように、「登録情報確認」などの確認を求める画面であることが表示される。また地点名称表示欄36に図4(b)で入力した地点名称、計測値表示欄38に計測値が表示される。前記計測値は計測がなされていなければ、0.0となる。OK釦39を選択すると図4(a)の画面に戻る。
【0049】
(2)計測フロー
図5(a)に示すように、スマートフォン20の表示欄31に、「クラックゲージ計測補助アプリケーション」などのアプリケーションの名称が表示される。また登録釦32、計測釦33、データ確認釦34が表示される。この中の計測釦33を選択すると、カメラ21が起動してクラックゲージの撮影画面となる。撮影によってクラックゲージの読み取りに必要なデータの取得に成功すると、図5(b)の画面に遷移する。
図5(b)に示すように、スマートフォン20の表示欄31に「計測結果」の表示がされる。また上の計測値表示欄38に、○○○.○(mm)と今回計測値、下の計測値表示欄38に、○○○.○(mm)と前回計測値が表示される。確認しOK釦39を選択すると図5(a)の画面に戻る。
【0050】
(3)データ確認フロー
図6(a)に示すように、スマートフォン20の表示欄31に、「クラックゲージ計測補助アプリケーション」などのアプリケーションの名称、登録釦32、計測釦33、データ確認釦34が表示される。この中のデータ確認釦34を選択すると図6(b)の画面に遷移する。
図6(b)に示すように、計測地点一覧表示欄40に「計測地点一覧」が表示される。また地点名称表示欄36に「地点名称」、最終更新年月日表示欄41に計測した「年/月/日」が表示される。「地点名称」「年/月/日」の組み合わせの中から、詳細なデータを確認したい組み合わせを選択すると、図6(c)の画面に遷移する。
図6(c)に示すように、地点名称表示欄36に「計測地点」が表示される。その下の第1欄に地点日時表示欄41に計測した「年/月/日/時/分/秒」、計測値表示欄に、○○○.○(mm)の計測値が表示される。複数回の計測データがあれば、第2欄以降にも同様に表示される。
ここで、操作釦42の「地点名変更」、「データ消去」、「地図表示」のいずれかを選択すると、それぞれ図6(d)、図6(e)、図6(f)に遷移する。また操作釦42の「データ送信」を選択すると、スマートフォン20の電子メールアプリケーションが起動して、クラックゲージアプリケーション計測補助アプリケーションが管理するデータを任意のメールアドレスに送信することができる。
【0051】
図6(d)に示すように、スマートフォン20の表示欄31に、「新しい地点名称を入力して下さい。」と表示される。地点名称表示欄36に新しい地点名称を入力して、入力後、変更釦43を選択すると、地点名称表示欄36と変更釦43の間に、「変更完了」のメッセージが表示される。
図6(e)に示すように、「地点情報を消去します。よろしいですか?」と表示される。消去釦44を選択すると、消去釦44の上に、「消去完了」のメッセージが表示される。
図6(f)に示すように、地図アプリケーションが起動して地点詳細地図表示欄45に計測地点の地図が表示される。
図4図5及び図6におけるフローにおいて、
(1)アプリケーション終了は、スマートフォン20の「戻る」切換釦35又はスマートフォン20のアプリケーション終了操作で終了させる。
(2)ホーム画面へ戻る操作は、スマートフォン20のホーム画面切換釦35又はスマートフォン20の戻る操作で行う。
(3)前述のように、データ消去は、データ確認→計測地点を選択→アプリケーション右上のオプション釦→地点データ消去を選択→実行を押す。
個別計測データと地点登録情報の消去は、チェックボックスの操作により選択できる。
【0052】
次に図7以下の図面に基づき詳細なフローを説明する。
図7において、
(1)工程:スマートフォン20をスタートし、スマートフォン20のメモリ23に記憶されているクラックゲージ計測補助アプリケーションを起動する。
(2)工程:計測地点に予め設置されている又は初めて設置された計測対象のクラックゲージ10のバーコード19をスマートフォン20のカメラ21で撮影する。
(3)工程:「バーコードID登録済みか?」が判断される。
(4)工程:前記(3)工程で「NO」(初回登録)であれば、計測対象のクラックゲージ10のバーコードIDが記憶される。
(5)工程:GPS28からの信号を受信したGPSモジュール25での処理により求められたスマートフォン20の位置情報が、クラックゲージ10の位置情報としてメモリ23に記憶される。また、スマートフォン20が内蔵する時刻機能により、計測日時がメモリ23に自動記憶される。
(6)工程:前記(3)工程で「バーコードID登録済み?」が判断され、YES(登録済み)であるか、又は前記(4)工程、(5)工程で初回登録されると、「2次元か?」が判断され、YES(2次元)であれば、計測対象のクラックゲージ10の主尺13と副尺14の目盛と数字を2次元データ撮影のカメラ21で撮影し、メモリ23に記憶する。
【0053】
前記「2次元か?」の判断において、NO(3次元)であれば、(7)工程、(9)工程、(10)工程は、3次元データ撮影のカメラで撮影して3次元データとして処理するためのフローであり、詳細は後述する。
【0054】
(8)工程:指定方法の画像処理によりバーニヤ値を演算する。
スマートフォン20の計測値の読み取り方法には、次の2つの方法がある。
第1の方法:この方法は、目視による計測と同一の方法であり、図2(b)を例として説明する。この第1の方法では、カメラ21の画素の中心と目盛窓15の中心を概ね一致させるか、又は目盛窓15の中心の主尺13の表面に直交する直線とカメラ21の光軸を一致させるかのいずれかにより撮影する。まず、副尺14の「0」の目盛数値14b0の左側の目盛線14aの計測基準線14a0を含む箇所をA点とすると、このA点において、計測基準線14a0が主尺13の目盛数値「4.0」(目盛線13a0)と目盛数値「4.5」(目盛線13a1)の間を指しているから、これらの主尺13の2つの目盛数値のうち小さい方の「4.0」の目盛数値13b4から4cmと読み込むようにアプリケーションに設定する。次に、主尺13の目盛線13aと副尺14の目盛線14aの一致している個所を検索してこれをB点とすると、このB点において、副尺14の目盛数値「3.5」の目盛線14aが主尺13の目盛数値「7.5」の目盛線13aと略一直線をなしているから、バーニヤ値「0.35」と読み込むようにアプリケーションに設定する。これらのA点の主尺13の目盛数値から読み込んだ「4.0」とB点のバーニヤ値「0.35」を加算する演算をして4.35cmを計測値として出力する。
第2の方法:図21(a)に示すように、カメラ21の視点をクラックゲージ10の目盛線14a0がカメラ21の画像の上下方向と平行な方向になる位置に合わせて撮影し、この位置から撮影した画像だけで計測値を演算しようとする方法である。具体的には、カメラ21の視野の略中心に視点枠48を表示してあり、この視点枠48の下端には、クラックゲージ10をカメラ21で撮影した画像の横方向と平行になるようにして撮影するための水平線46が表示してあり、さらに、前記視点枠48を含み、撮影した画像から計測値を演算するのに必要な範囲(例えば、主尺の目盛線2本以上と、目盛線に対応した目盛数値1つ以上、副尺の「0」の目盛数値と、それに対応した目盛線を含む画像範囲)の画像を切り取るための垂直線47を表示してある。
前記第1の方法では、2つの画像の解析が必要であること、主尺13と副尺14が円筒形であるため、カメラ21の視点をクラックゲージ10の目盛のどこに設定するかにより、目盛線の湾曲の程度が異なり、かつ、副尺14の肉厚のため、主尺13の目盛線13aと副尺14の目盛線14aの一致点を検索することが困難になる、という問題を有するが、第2の方法によれば、1つの画像を解析するだけで済み、第1の方法の問題点を解消している。
より詳しくは、図21(b)に示すように、副尺14の目盛線14a0が主尺13の目盛線13a1と目盛線13a2の間に位置している場合、目盛線13a1の位置は、4.5であるから、目盛線14a0を挟む目盛線13a1までと目盛線13a2までの比率をm:nとすると、目盛線14a0=4.5+0.5×m/(m+n)として求めることができる。
この第2の方法では、図7又は図9(a)に示すように、カメラ21による「撮影」工程、画像トリミング部50による「画像トリミング」工程、画像の二値化部51による「二値化」工程、セグメント抽出部57による「セグメント抽出」工程、ゲージ計測部58による「ケージ計測」工程により、クラックゲージ10のゲージが計測される。
【0055】
以下、第2の方法による工程(8):指定方法の画像処理によりバーニヤ値を演算する、の詳細について説明する。
(8-1)工程:前記(6)工程における撮影に際しては、図21(a)に示すように、カメラ21の視点をクラックゲージ10の目盛線14a0がカメラ21の画像の上下方向と略平行な方向になる位置に合わせて撮影するため、カメラ21の視野の略中心に視点枠48を表示し、この視点枠48の下端には、クラックゲージ10をカメラ21で撮影した画像の横方向と平行になるようにして撮影するための水平線46を表示し、さらに、前記視点枠48を左端に含み、少なくとも軸方向約30mmの区間を含む範囲の画像を切り取るための3本の垂直線47を表示してある。
クラックゲージ10の撮影に際しては、前記水平線46と垂直線47と視点枠48を撮影の目安とし、撮影した画像から計測値を演算するのに必要な範囲(約30mm)の画像となるように、クラックゲージ10の目盛窓15の全部又は一部を撮影する。
撮影された画像は、図11(a)に示すように、カメラ21の視点をクラックゲージ10の目盛線14a0がカメラ21の画像の上下方向と略平行な方向になり、副尺14の目盛数値14bの「0」が視点枠48内に位置するようにして撮影される。
また、クラックゲージ10とカメラ21の位置によって、カメラ21の車内における視野内におけるクラックゲージ10の目盛数値が天地逆又は横倒しとなったときは、視野を180度又は90度回転させてから画像を記憶する機能をアプリケーションに持たせてもよい。
このようにして撮影されてメモリ23に記憶された画像データを読み出す。
(8-2)工程:前記(8-1)で読み出したクラックゲージ画像を画像トリミング部50により図11(b)に示すように、副尺14の目盛線14a0と数値「0」を含む画像の範囲(約30mm)を切り取る。なお、この画像切り取り工程における画像を切り取る範囲は、少なくとも数値が2個以上包含するとともに、数値以外が3個以上包含する区画とすることで、後述の数値認識の(8-7)工程において、数値が2個以上見つからずにエラーとなったり、また、数値以外が3個以上見つからずにエラーとなったりすることのないように設定される。
【0056】
(8-3)工程:前記(8-2)で切り取った図11(b)の画像を画像の二値化部51で二値化するために、平滑化回路52による図9(b)の「平滑化処理」工程とノイズ除去回路56による「細線・ゴマ粒ノイズ除去」工程により、図11(c)に示すように、メディアンフィルターでノイズを除去した画像とグレースケール画像を得る。
(8-4)工程:これらのノイズを除去した画像とグレースケール画像とから差分画像作成部53により図11(c)に示すような差分画像(A)を作成する。
【0057】
(8-5)工程:図12において、前記差分画像を二値化処理する際に、正方形のブロック単位で閾値を決める。クラックゲージ10は、円筒形であるため周囲の光源(太陽、照明など)に起因して、クラックゲージ10の軸に平行な横方向に細長い輝度が高い範囲が現れることが多いので、縦方向に画像を拡大して長方形として扱えるようにする。次いで二値化画像生成部54により縦方向に拡大した状態で二値化した画像とし、この画像を縦方向に縮小して元のサイズに戻す(画像B)。
図13(a)に示すように、論理積取得部55により図11(c)の差分画像(A)と、図12の二値化画像(B)との論理積(AandB)の画像が得られる。この画像でも細線やゴマ粒ノイズが残るため、ノイズ除去回路56により、これらのノイズを除去した図13(b)に示す画像を作成し、この画像が以下の解析に用いられる。
(8-6)工程:図14(a)の画像(前記図13(b)の画像と同一)に基づき、セグメント抽出部57により図14(b)に示すように、連続するピクセルの領域a、b、c、…をそれぞれ1つのセグメントとして抽出する。セグメントを抽出する際には、図14(c)に示すように、セグメントの重心dの位置と、画像の上下方向に平行な線分と横方向に平行な線分とで囲まれたセグメントを囲む矩形の領域eの範囲の要素を合わせて計算する。セグメントの抽出に際し、セグメント有?がNOなら、図9(c)に示すように、エラーとなり、YESなら次の工程に進む。
【0058】
(8-7)工程:数値認識部60により図14(d)に示すように、抽出されたセグメントすべてについてOCR(光学式読み取り装置)で数値認識を行う。図7における数値認識の(8-7)工程は、詳しくは、図10に示すように、パターンマッチングで類似度(0.0~1.0)が得られ、類似度の閾値が例えば0.75以上を数値として認識する。この段階で、数値とそれ以外のセグメントに分類される。前記(8-2)工程で切り取り範囲が狭すぎて、数値が2個以上見つからなかったときは、エラーとなる、または、数値以外が3個以上見つからなかったときも、エラーとなる。
数値の妥当性検証部61により数値の妥当性を検証する。この検証は、上記の手続きで数値として認識されたすべてのセグメントの高さからセグメント高さの中央値を算出し、制限値(下限:中央値×0.5、上限:中央値×1.5)内に収まるセグメントのみを数値とする。それ以外は、誤認識として数値以外と判定する。この処理では、高さが極端に小さいものまたは大きいものを除外する。
数値の主・副分類部62により認識された数値を内筒(主尺13)のものと外筒(副尺14)のものに分類する。図15(a)に示すように、数値として認識したセグメントの画像中のすべての上下方向の最高点Tと最低点Bを求め、これらの平均を内筒(主尺13)と外筒(副尺14)の閾値Oとする。この閾値Oを基準にして上の数値と下の数値の重心d1、d2を求め、これらの重心d1、d2と閾値Oとにより内筒(主尺13)の数値と外筒(副尺14)の数値に振り分けを行う。
図15(b)に示すように、内筒(主尺13)の数値の重心d1を結ぶ重心線P1と数値の高さの平均を表す矩形枠P2を求め、同様に、外筒(副尺14)の数値の重心d2を結ぶ重心線Q1と数値の高さの平均を表す矩形枠Q2を求める。
【0059】
(8-8)工程:図16(a)において、主・副ライン検出部63により内筒(主尺13)と外筒(副尺14)のライン(目盛線)を検出する。数値以外のセグメントをラインとして分類する。「ライン」には、演算に使用する目盛線と、演算には直接使用しない短いラインと、目盛線が2本つながった長いラインとがある。閾値は、内筒(主尺13)と外筒(副尺14)の数値から算出されたパラメータで行う。図16(a)は、内筒(主尺13)の例を示し、外筒(副尺14)も外筒の数値から算出されたパラメータで計算する。ラインの重心は、「数値の重心平均+数値の高さ平均」の範囲内とする。
図16(b)におけるセグメント(n)は、重心のずれや高さ不足からラインとして認識しない。図16(b)における内筒(主尺13)のラインrと外筒(副尺14)のラインsは、一致する位置にあるためラインが結合してしまう。このような場合、結合ラインの分離部64により内筒(主尺13)のラインrと外筒(副尺14)のラインsに分離する処理を行う。
【0060】
(8-9)工程:
図17(a)に示すように、分断位置の計算部65により分離位置の計算をするには、一致するラインを外筒上部u1、内筒w、外筒下部u2の3つに分断する。そのため、外筒上部u1と内筒wの分断線tは、内筒上端(目盛窓15の上端)とし、また、内筒と外筒下部の分断線uは、内筒下端(目盛窓15の下端)(内筒ラインの下端と外筒ラインの上端との中間点)とする。
以上のような分断線tとuを設定し、対象の選択部66により以下の2つの条件を有するものをラインが結合したものとして選択する。
条件1:図17(b)において、数値以外のセグメントで、前記図15(b)にて示した内筒(主尺13)の数値の重心平均P1より上方に当該セグメントの上端があり、かつ外筒(副尺14)の数値の重心平均Q1より下方に当該セグメントの下端があるもの。
条件2:図17(c)に示すように、数値及びライン以外のセグメントで、前記分断線t、uを跨ぐもの(目盛線が2本つながった長いライン)。
【0061】
分離部67により図18(a)に示すように、以上の条件1と2を有するラインを分断線uで分離する。分断後は、領域の調整(余白除去)や重心の再計算を行う。
分断後の領域をラインとして妥当かを前記図16(a)に示した例と同様に検証を行う。
内筒(主尺13)の数値には、1桁を有する場合と2桁を有する場合とがある。数値は、上記例では、0~9として認識しているため、10以上の連続する数値は、主尺の二桁数値対応部69により2桁の数値として認識する処理をする。
主尺のラインと数値の並びの検証部70により内筒(主尺13)のラインと数値の並びを検証する。図18(b)に示すように、「数値・ライン・ライン」と並んでいるため、この繰り返しになっているかを確認する。そのため、数値を見つけてそこから左右に向かって並びを検証する。「数値・ライン・ライン」の並びで、数値が1個と、ラインが3個見つかれば、内筒(主尺13)のラインと数値の並びに問題はないと判断する。
【0062】
(8-10)工程:図18(c)において、副尺の0検索部71により外筒(副尺14)の数値群から「0」を探索する。「0」を探索したら、計測基準線の検索部72により「0」の左にある目盛線14a0を見つける。
(8-11)工程:計測基準線14a0を見つけたら、主尺のゲージ計算部73により内筒(主尺13)の分析とゲージ計算を行う。そのため、図19(a)において、外筒(副尺14)の「0」の左側ラインの計測基準線14a0と、この計測基準線14a0を挟む内筒(主尺13)の2本のライン(目盛線13a0と目盛線13a1)を検出する。検出した2本のラインと計測基準線14a0の相対位置で0.5mm~5.0mm未満の計測を行う。また、内筒(主尺13)の目盛数値13bを検出し、その値と検出位置で5mm以上(主尺13の目盛の整数倍の長さ)の計測を行う。
【0063】
より詳しくは、内筒(主尺13)のラインを探索し、かつ、0.5mm~5.0mm未満の計測を行うためには、外筒(副尺14)の目盛数値「0」に対応した目盛線14a0の左右に存在する内筒(主尺13)の2本のライン(目盛線13a0と目盛線13a1)を検出する。この検出に使う基準点を以下のように計算する。
(1)外筒(副尺14)ラインの基準点:ラインの上端10%の範囲に存在する水平方向のピクセルの中間地点。
(2)内筒(主尺13)ラインの基準点:ラインの下端25%の範囲に存在する水平方向のピクセルの中間地点。
図19(b)は、内筒(主尺13)ラインの例を示し、所定の高さの範囲から水平方向のピクセル範囲を抽出する。抽出した水平方向のピクセルの中間地点(m)を基準点とする。
【0064】
図19(c)において、外筒(副尺14)の目盛数値「0」に対応した計測基準線14a0を挟む内筒(主尺13)の2本のライン(目盛線13a0と目盛線13a1)の判定は、以下のように行う。
内筒の左側ライン(目盛線13a0):「内筒ラインの基準点≦外筒ラインの基準点」ならば、内筒の左側ラインを目盛線13a0とする。
内筒の右側ライン(目盛線13a1):「外筒ラインの基準点<内筒ラインの基準点」ならば、内筒の右側ラインを目盛線13a1とする。
0.5mm~5.0mm未満の計測は、図20(a)において、バーニヤ目盛の計測部74により外筒(副尺14)の目盛数値「0」に対応した計測基準線14a0の相対位置で計測する。すなわち、内筒(主尺13)の左側の目盛線13a0と内筒(主尺13)の右側の目盛線13a1の画面上の距離を計測してL0とする。
また、内筒(主尺13)の左側の目盛線13a0と外筒(副尺14)の目盛数値「0」の左側の目盛線14a0の画面上の距離をL1とする。
L0とL1から、0.5mm~5.0mm未満の計測(バーニヤ値)は計算式(L1/L0)×5mmより算定される。
【0065】
内筒(主尺13)の目盛数値13bを検索し、5mm以上を計測する方法は次のとおりである。
内筒(主尺13)の目盛数値13bの検索は、次の2つの方法のいずれかとなる。
1.図20(b)及び(c)に示すように、内筒(主尺13)の目盛数値13bが外筒(副尺14)の計測基準線14a0を挟む内筒(主尺13)の2つのライン(目盛線13a0と目盛線13a1)の間にある場合
L0=検出数値×1cmとなる。
2.図20(d)及び(e)に示すように、内筒の数値が外筒(副尺14)の計測基準線14a0を挟む内筒の2つのライン(目盛線13a0と目盛線13a1)の間になく、右ライン(目盛線13a1)の右側にある場合
L0=(検出数値-0.5)×1cmとなる。
主尺目盛の計測部75により求められた5mm以上の計測値とバーニヤ目盛の計測部74により求められた0.5mm~5.0mm未満の計測値をゲージ計測部76により加算処理することで、クラックゲージ10の計測値が算出される。
算出された数値が小数点2桁以下になるような場合には、最終的に、0.5mm未満の端数を丸める処理を行う。
例えば、0.75~1.25mmは、1.0mm、1.25~1.75mmは、1.5mmにする。
【0066】
(11)工程:計測が終了したら、スマートフォン20のメモリ23に計測値を記憶する。
(12)工程:図5(b)に示すように、計測結果をスマートフォン20のディスプレイ27に表示する。計測結果は、通信モジュール26,インターネット29を介して親機30に通信される。
【実施例2】
【0067】
以上の実施例では、計測値は、2次元データとして処理したが、3次元データとして処理することもできる。
(7)工程:3次元データとして処理する場合、3次元データ撮影用のカメラ21で上方、側方、斜方の3要素を撮影する。
(9)工程:計測対象クラックゲージ10の上下・左右方向の角度変位を指定方法の画像処理により演算する。この(9)工程を図8に基づき(9-1)~(9-10)工程にて詳細に説明する。
【0068】
(9-1)工程:前記(7)工程で撮影され、メモリ23に記憶された3次元画像データ(上方、側方、斜方の3要素)を読み出す。撮影に際しては、図11(a)に示すように、カメラ21の視点をクラックゲージ10の目盛線14aが略垂直になり、副尺14の目盛数値14bの「0」が中心付近に位置するようにして撮影する。
(9-2)工程:前記(9-1)で読み出したクラックゲージ画像を画像トリミング部50により上方、側方、斜方の3要素をトリミングする。
(9-3)工程:前記(9-2)でトリミングした画像をメディアンフィルターでノイズを除去した画像と上方、側方、斜方の3要素をグレースケール化した画像を得る。
(9-4)工程:これらのノイズを除去した画像とグレースケール画像とから差分画像作成部53により上方、側方、斜方の3要素の差分画像処理を行う。
(9-5)工程:前記差分画像を二値化画像生成部54により上方、側方、斜方の3要素の二値化処理を行う。
【0069】
(9-6)工程:二値化処理した画像からセグメント抽出部57により連続する上方、側方、斜方の3要素のセグメンテーションを行う。
(9-7)工程:3次元データ処理のため、クラックゲージ10を取り付けているユニバーサルジョイント18の上方、側方、斜方の3要素のユニバーサルジョイント角度を演算する。
(9-8)工程:初回値の場合、(9-7)工程のデータをメモリ23に登録する。
(9-9)工程:最新値と(9-8)工程の初回値を比較する。
(9-10)工程:データをスマートフォン20のメモリ23に格納する。
(10)工程:クラックゲージ10の上下・左右方向の角度変位、バーニヤ値からクラックゲージ10の直接変位量(R)、上下変位値(X,Y,Z)の3次元4要素の変位値を演算する。
(12)工程:計測結果をスマートフォン20のディスプレイ27に表示する。計測結果は、通信モジュール26,インターネット29を介して親機30に通信される。
【符号の説明】
【0070】
10…クラックゲージ、11…被測定物、12…亀裂、13…主尺、14…副尺、15…目盛窓、16…アンカーナット、17…ボルト、18…ユニバーサルジョイント、19…識別子としてのバーコード、20…スマートフォン、21…カメラ、22…CPU、23…メモリ、24…バッテリ、25…GPSモジュール、26…通信モジュール、27…ディスプレイ、28…GPS、29…インターネット、30…親機、31…表示欄、32…登録釦、33…計測釦、34…データ確認釦、35…切換釦、36…地点名称表示欄、37…次へ移動欄、38…計測値表示欄、39…OK釦、40…計測地点一覧表示欄、41…最終更新年月日表示欄、42…操作釦、43…変更釦、44…消去釦、45…地点詳細地図表示欄、46…水平線、47…垂直線、48…視点枠、49…ゲージ計測処理部、50…画像トリミング部、51…画像の二値化部、52…平滑化回路、53…差分画像作成部、54…二値化画像生成部、55…論理積取得部、56…ノイズ除去回路、57…セグメント抽出部、58…ゲージ計測部、59…数値分類部、60…数値認識部、61…数値の妥当性検証部、62…数値の主・副分類部、63…主・副ライン検出部、64…結合ラインの分離部、65…分断位置の計算部、66…対象の選択部、67…分離部、68…ラインとしての認識部、69…主尺の二桁数値対応部、70…主尺のラインと数値の並びの検証部、71…副尺の0検索部、72…計測基準線の検索部、73…主尺のゲージ計算部、74…バーニヤ目盛の計測部、75…主尺目盛の計測部、76…ゲージ計測部。
【要約】      (修正有)
【課題】クラックゲージをスマートフォンのカメラで撮影することで、亀裂の数値の読み取り計測、計測場所と計測日時の記録、報告書作成、親機との通信などを自動的に行うことのできる亀裂計測支援装置及びその方法を提供する。
【解決手段】クラックゲージ10のIDを記入した識別子としてのバーコード19と、バーコード19とクラックゲージ10の目盛線13aと目盛数値を撮影するカメラ21とゲージ計測処理用のCPU22とを具備したスマートフォン20と、設置地点を取り込むGPSモジュール25と、計測値、設置地点、計測日時を記録するメモリ23と、記録されたデータを親機30に送信する通信モジュール26とを具備し、ゲージ計測処理部は、記録した画像データの画像トリミング部と画像の二値化部と数値と目盛線を抽出するセグメント抽出部と画像から計測値を演算するゲージ計測部からなる。
【選択図】図1
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