(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】車両用LED点灯制御回路、車両用LED点灯制御装置、及び、車両用LED点灯制御回路の制御方法
(51)【国際特許分類】
H05B 45/345 20200101AFI20220404BHJP
H05B 45/34 20200101ALI20220404BHJP
H05B 45/14 20200101ALI20220404BHJP
【FI】
H05B45/345
H05B45/34
H05B45/14
(21)【出願番号】P 2020501942
(86)(22)【出願日】2018-02-23
(86)【国際出願番号】 JP2018006640
(87)【国際公開番号】W WO2019163077
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼嶋 豊隆
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-134933(JP,A)
【文献】特開2012-028167(JP,A)
【文献】特開2013-080702(JP,A)
【文献】国際公開第2014/171015(WO,A1)
【文献】特開2009-048857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/14,45/34,45/345
B60Q 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電圧が供給される第1の配線と、
前記第1の電圧よりも低い第2の電圧が供給される第2の配線と、
1つLED素子又は直列に接続された複数のLED素子で構成され、アノード側が前記第1の配線に接続されたLEDランプと、
一端が前記LEDランプのカソード側に接続された第1の調整抵抗と、
一端が前記第1の調整抵抗の他端に接続され、他端が前記第2の配線に接続された第2の調整抵抗と、
一端が前記第1の調整抵抗の前記一端に接続され、他端が前記第1の調整抵抗の前記他端に接続された調整用バイポーラトランジスタと、
一端が前記LEDランプの前記アノード側に接続され、他端が前記調整用バイポーラトランジスタの制御端子に接続された制限抵抗と、
一端が前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され、他端が前記第2の調整抵抗の前記他端に接続され、前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子と前記第2の調整抵抗の他端との間に基準電圧を印加する基準電圧生成回路と、
追加配線と、
1つLED素子又は直列に接続された複数のLED素子で構成され、アノード側が前記第1の配線に接続された追加LEDランプと、
一端が前記追加LEDランプのカソード側に接続された第1の追加調整抵抗と、
一端が前記第1の追加調整抵抗の他端に接続され、他端が前記追加配線に接続された第2の追加調整抵抗と、
一端が前記第1の追加調整抵抗の前記一端に接続され、他端が前記第1の追加調整抵抗の前記他端に接続された追加調整用バイポーラトランジスタと、
一端が前記追加LEDランプの前記アノード側に接続され、他端が前記追加調整用バイポーラトランジスタの制御端子に接続された追加制限抵抗と、
一端が前記追加調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され、他端が前記第2の追加調整抵抗の前記他端に接続され、前記追加調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子と前記第2の追加調整抵抗の他端との間に追加基準電圧を印加する追加基準電圧生成回路と、
ユーザにより操作され、前記追加配線に接続された基準ノードと、前記第2の配線に接続されたオン接点との間が導通した、前記追加基準電圧生成回路のオン状態と、前記基準ノードと、前記第1の配線に接続されたオフ接点との間が導通した、前記追加基準電圧生成回路のオフ状態とを切り換える1つの追加スイッチ回路と、を備え
、
前記追加スイッチ回路が、ユーザの操作により、前記基準ノードと前記オン接点との間が導通したオン状態に切り換えられると、前記LEDランプ及び前記追加LEDランプの点灯を制御する状態になり、
一方、前記追加スイッチ回路が、ユーザの操作により、前記基準ノードと前記オフ接点との間が導通したオフ状態に切り換えられると、前記LEDランプの点灯を制御するとともに前記追加LEDランプを消灯する状態になる
ことを特徴とする車両用LED点灯制御回路。
【請求項2】
前記基準電圧生成回路は、
アノード側が前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され且つカソード側が前記第2の調整抵抗の他端に接続された、1つのダイオード又は直列に接続された複数のダイオードである
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用LED点灯制御回路。
【請求項3】
前記基準電圧生成回路は、
一端が前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され、他端が前記第2の調整抵抗の前記他端に接続され、制御端子が前記第2の調整抵抗の前記一端に接続された基準電圧用バイポーラトランジスタである
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用LED点灯制御回路。
【請求項4】
前記第2の調整抵抗の前記一端と前記第1の調整抵抗の前記他端との間に接続された第3の調整抵抗をさらに備える
ことを特徴とする請求項3に記載の車両用LED点灯制御回路。
【請求項5】
前記第1の電圧と前記第2の電圧との間の電位差が少なくとも前記LEDランプが点灯する大きさである状態において、
前記第2の調整抵抗の電圧降下が第1の範囲にある場合には、前記調整用バイポーラトランジスタがオンして、前記LEDランプに流れるLED電流が前記第1の調整抵抗を迂回するように制御し、
前記第2の調整抵抗の電圧降下が第1の範囲よりも高い第2の範囲にある場合に、前記調整用バイポーラトランジスタが不飽和領域で動作して前記LEDランプに流れる前記LED電流の値を目標値に制御し、
前記第2の調整抵抗の電圧降下が前記第2の範囲よりも高い第3の範囲にある場合に、前記調整用バイポーラトランジスタがオフして、前記LEDランプに流れる前記LED電流が前記第1の調整抵抗を流れるように制御する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用LED点灯制御回路。
【請求項6】
前記第1の電圧と前記第2の電圧との間の電位差が定電圧制御により、予め規定された規定電圧に近づくように制御されている
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用LED点灯制御回路。
【請求項7】
前記LEDランプは、
アノードが前記第1の配線に接続され且つカソードが切換ノードに接続された第1のLED素子と、アノードが前記切換ノードに接続され且つカソードが前記第1の調整抵抗の前記一端に接続された第2のLED素子と、を含み、
前記車両用LED点灯制御回路は、
前記切換ノードと、前記第2のLED素子のカソードに接続された第1の接点との間が導通した第1の状態と、前記切換ノードと、前記第1の接点に電気的に接続されていない第2の接点との間が導通した第2の状態とを切り換えるスイッチ回路をさらに備える
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用LED点灯制御回路。
【請求項8】
前記スイッチ回路が前記第1の状態に切り換えられることにより、前記第1のLED素子及び前記第2のLED素子を点灯させ、
一方、前記スイッチ回路が前記第2の状態に切り換えられることにより、前記第1のLED素子を点灯した状態を維持しつつ、前記第2のLED素子の前記アノードと前記カソードとを同電位にして、前記第2のLED素子を消灯させる
ことを特徴とする請求項7に記載の車両用LED点灯制御回路。
【請求項9】
前記第1の電圧と前記第2の電圧との電位差の範囲は、前記調整用バイポーラトランジスタが少なくとも不飽和領域で動作する範囲に設定されている
ことを特徴とする請求項6に記載の車両用LED点灯制御回路。
【請求項10】
前記車両用LED点灯制御回路は、
二輪車に積載され、前記LEDランプは、前記二輪車のヘッドライト、ウインカー、テールランプ、ポジションランプ、又は、メータイルミネーションの何れかである
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用LED点灯制御回路。
【請求項11】
前記スイッチ回路は、
前記LEDランプの点灯を制御するために、ユーザにより操作されるようになっていることを特徴とする請求項7に記載の車両用LED点灯制御回路。
【請求項12】
前記基準電圧用バイポーラトランジスタは、コレクタが前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され、エミッタが前記第2の調整抵抗の前記他端に接続され、制御端子が前記第2の調整抵抗の前記一端に接続されたNPN型バイポーラトランジスタである
ことを特徴とする請求項3に記載の車両用LED点灯制御回路。
【請求項13】
車両用LED点灯制御回路と、
発電機が出力した交流電圧を直流電圧に変換して、第1の配線と第2の配線との間に電源電圧を供給する電源回路と、を備え、
前記車両用LED点灯制御回路は、
第1の電圧が供給される前記第1の配線と、
前記第1の電圧よりも低い第2の電圧が供給される前記第2の配線と、
1つLED素子又は直列に接続された複数のLED素子で構成され、アノード側が前記第1の配線に接続されたLEDランプと、
一端が前記LEDランプのカソード側に接続された第1の調整抵抗と、
一端が前記第1の調整抵抗の他端に接続され、他端が前記第2の配線に接続された第2の調整抵抗と、
一端が前記第1の調整抵抗の前記一端に接続され、他端が前記第1の調整抵抗の前記他端に接続された調整用バイポーラトランジスタと、
一端が前記LEDランプの前記アノード側に接続され、他端が前記調整用バイポーラトランジスタの制御端子に接続された制限抵抗と、
一端が前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され、他端が前記第2の調整抵抗の前記他端に接続され、前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子と前記第2の調整抵抗の他端との間に基準電圧を印加する基準電圧生成回路と、
追加配線と、
1つLED素子又は直列に接続された複数のLED素子で構成され、アノード側が前記第1の配線に接続された追加LEDランプと、
一端が前記追加LEDランプのカソード側に接続された第1の追加調整抵抗と、
一端が前記第1の追加調整抵抗の他端に接続され、他端が前記追加配線に接続された第2の追加調整抵抗と、
一端が前記第1の追加調整抵抗の前記一端に接続され、他端が前記第1の追加調整抵抗の前記他端に接続された追加調整用バイポーラトランジスタと、
一端が前記追加LEDランプの前記アノード側に接続され、他端が前記追加調整用バイポーラトランジスタの制御端子に接続された追加制限抵抗と、
一端が前記追加調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され、他端が前記第2の追加調整抵抗の前記他端に接続され、前記追加調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子と前記第2の追加調整抵抗の他端との間に追加基準電圧を印加する追加基準電圧生成回路と、
ユーザにより操作され、前記追加配線に接続された基準ノードと、前記第2の配線に接続されたオン接点との間が導通した、前記追加基準電圧生成回路のオン状態と、前記基準ノードと、前記第1の配線に接続されたオフ接点との間が導通した、前記追加基準電圧生成回路のオフ状態とを切り換える1つの追加スイッチ回路と、を備え
、
前記追加スイッチ回路が、ユーザの操作により、前記基準ノードと前記オン接点との間が導通したオン状態に切り換えられると、前記LEDランプ及び前記追加LEDランプの点灯を制御する状態になり、
一方、前記追加スイッチ回路が、ユーザの操作により、前記基準ノードと前記オフ接点との間が導通したオフ状態に切り換えられると、前記LEDランプの点灯を制御するとともに前記追加LEDランプを消灯する状態になる
ことを特徴とする車両用LED点灯制御装置。
【請求項14】
第1の電圧が供給される第1の配線と、前記第1の電圧よりも低い第2の電圧が供給される第2の配線と、1つLED素子又は直列に接続された複数のLED素子で構成され、アノード側が前記第1の配線に接続されたLEDランプと、一端が前記LEDランプのカソード側に接続された第1の調整抵抗と、一端が前記第1の調整抵抗の他端に接続され、他端が前記第2の配線に接続された第2の調整抵抗と、一端が前記第1の調整抵抗の前記一端に接続され、他端が前記第1の調整抵抗の前記他端に接続された調整用バイポーラトランジスタと、一端が前記LEDランプの前記アノード側に接続され、他端が前記調整用バイポーラトランジスタの制御端子に接続された制限抵抗と、一端が前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され、他端が前記第2の調整抵抗の前記他端に接続され、前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子と前記第2の調整抵抗の他端との間に基準電圧を印加する基準電圧生成回路と、
追加配線と、1つLED素子又は直列に接続された複数のLED素子で構成され、アノード側が前記第1の配線に接続された追加LEDランプと、一端が前記追加LEDランプのカソード側に接続された第1の追加調整抵抗と、一端が前記第1の追加調整抵抗の他端に接続され、他端が前記追加配線に接続された第2の追加調整抵抗と、一端が前記第1の追加調整抵抗の前記一端に接続され、他端が前記第1の追加調整抵抗の前記他端に接続された追加調整用バイポーラトランジスタと、一端が前記追加LEDランプの前記アノード側に接続され、他端が前記追加調整用バイポーラトランジスタの制御端子に接続された追加制限抵抗と、一端が前記追加調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され、他端が前記第2の追加調整抵抗の前記他端に接続され、前記追加調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子と前記第2の追加調整抵抗の他端との間に追加基準電圧を印加する追加基準電圧生成回路と、ユーザにより操作され、前記追加配線に接続された基準ノードと、前記第2の配線に接続されたオン接点との間が導通した、前記追加基準電圧生成回路のオン状態と、前記基準ノードと、前記第1の配線に接続されたオフ接点との間が導通した、前記追加基準電圧生成回路のオフ状態とを切り換える1つの追加スイッチ回路と、を備えた車両用LED点灯制御回路の制御方法であって、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との間の電位差が少なくとも前記LEDランプが点灯する大きさである状態において、
前記第2の調整抵抗の電圧降下が第1の範囲にある場合には、前記調整用バイポーラトランジスタがオンして、前記LEDランプに流れるLED電流が前記第1の調整抵抗を迂回するように制御し、
前記第2の調整抵抗の電圧降下が第1の範囲よりも高い第2の範囲にある場合に、前記調整用バイポーラトランジスタが不飽和領域で動作して前記LEDランプに流れる前記LED電流の値を目標値に制御し、
前記第2の調整抵抗の電圧降下が前記第2の範囲よりも高い第3の範囲にある場合に、前記調整用バイポーラトランジスタがオフして、前記LEDランプに流れる前記LED電流が前記第1の調整抵抗を流れるように制御する
ものであり、
前記追加スイッチ回路が、ユーザの操作により、前記基準ノードと前記オン接点との間が導通したオン状態に切り換えられると、前記LEDランプ及び前記追加LEDランプの点灯を制御する状態になり、
一方、前記追加スイッチ回路が、ユーザの操作により、前記基準ノードと前記オフ接点との間が導通したオフ状態に切り換えられると、前記LEDランプの点灯を制御するとともに前記追加LEDランプを消灯する状態になる
ことを特徴とする車両用LED点灯制御回路の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用LED点灯制御回路、車両用LED点灯制御装置、及び、車両用LED点灯制御回路の制御方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、LEDランプの点灯の制御を行う車両用LED点灯制御回路が知られている(例えば、WO2014/170958参照)。
【0003】
このような従来のLED点灯制御回路(
図8)では、LEDランプのVF電圧に応じて、当該LEDランプに直列に接続される抵抗Rの抵抗値を設定している。
【0004】
しかし、電源電圧が低い場合、LEDランプXに流れるLED電流が安定しない。例えば、電源電圧Vccが高い14Vである場合、LEDランプXのFV電圧が6.5Vであるとすると、抵抗Rの両端の電圧VRは、14V‐VF(6.5V)=7.5Vであり、LED電圧のばらつきの幅がΔ1VであるとするとLED電流IXが13%程度(LED電流IXが700mAとすると91mA程度)ばらつくことになる(
図9)。
【0005】
また、電源電圧Vccが低い8Vである場合、電源電圧Vcc=8Vに対して抵抗Rの両端の電圧VRは、8V‐VF(6.5V)=1.5Vであり、LED電圧のばらつきの幅がΔ1VであるとするとLED電流が66%程度ばらつくので、LED電流IXが安定しない。
【0006】
このように、従来のLED点灯制御回路では、電源電圧が変化すると、LED電流が安定しない問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、電源電圧が変化した場合に、LED電流を安定させることが可能な車両用LED点灯制御回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る実施形態に従った車両用LED点灯制御回路は、
第1の電圧が供給される第1の配線と、
前記第1の電圧よりも低い第2の電圧が供給される第2の配線と、
1つLED素子又は直列に接続された複数のLED素子で構成され、アノード側が前記第1の配線に接続されたLEDランプと、
一端が前記LEDランプのカソード側に接続された第1の調整抵抗と、
一端が前記第1の調整抵抗の他端に接続され、他端が前記第2の配線に接続された第2の調整抵抗と、
一端が前記第1の調整抵抗の前記一端に接続され、他端が前記第1の調整抵抗の前記他端に接続された調整用バイポーラトランジスタと、
一端が前記LEDランプの前記アノード側に接続され、他端が前記調整用バイポーラトランジスタの制御端子に接続された制限抵抗と、
一端が前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され、他端が前記第2の調整抵抗の前記他端に接続され、前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子と前記第2の調整抵抗の他端との間に基準電圧を印加する基準電圧生成回路と、を備える
ことを特徴とする。
【0009】
前記車両用LED点灯制御回路において、
前記基準電圧生成回路は、
アノード側が前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され且つカソード側が前記第2の調整抵抗の他端に接続された、1つのダイオード又は直列に接続された複数のダイオードである
ことを特徴とする。
【0010】
前記車両用LED点灯制御回路において、
前記基準電圧生成回路は、
一端が前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され、他端が前記第2の調整抵抗の前記他端に接続され、制御端子が前記第2の調整抵抗の前記一端に接続された基準電圧用バイポーラトランジスタである
ことを特徴とする。
【0011】
前記車両用LED点灯制御回路において、
前記第2の調整抵抗の前記一端と前記第1の調整抵抗の前記他端との間に接続された第3の調整抵抗をさらに備える
ことを特徴とする。
【0012】
前記車両用LED点灯制御回路において、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との間の電位差が少なくとも前記LEDランプが点灯する大きさである状態において、
前記第2の調整抵抗の電圧降下が第1の範囲にある場合には、前記調整用バイポーラトランジスタがオンして、前記LEDランプに流れるLED電流が前記第1の調整抵抗を迂回するように制御し、
前記第2の調整抵抗の電圧降下が第1の範囲よりも高い第2の範囲にある場合に、前記調整用バイポーラトランジスタが不飽和領域で動作して前記LEDランプに流れる前記LED電流の値を目標値に制御し、
前記第2の調整抵抗の電圧降下が前記第2の範囲よりも高い第3の範囲にある場合に、前記調整用バイポーラトランジスタがオフして、前記LEDランプに流れる前記LED電流が前記第1の調整抵抗を流れるように制御する
ことを特徴とする。
【0013】
前記車両用LED点灯制御回路において、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との間の電位差が定電圧制御により、予め規定された規定電圧に近づくように制御されている
ことを特徴とする。
【0014】
前記車両用LED点灯制御回路において、
前記LEDランプは、
アノードが前記第1の配線に接続され且つカソードが切換ノードに接続された第1のLED素子と、アノードが前記切換ノードに接続され且つカソードが前記第1の調整抵抗の前記一端に接続された第2のLED素子と、を含み、
前記車両用LED点灯制御回路は、
前記切換ノードと、前記第2のLED素子のカソードに接続された第1の接点との間が導通した第1の状態と、前記切換ノードと、前記第1の接点に電気的に接続されていない第2の接点との間が導通した第2の状態とを切り換えるスイッチ回路をさらに備える
ことを特徴とする。
【0015】
前記車両用LED点灯制御回路において、
前記スイッチ回路が前記第1の状態に切り換えられることにより、前記第1のLED素子及び前記第2のLED素子を点灯させ、
一方、前記スイッチ回路が前記第2の状態に切り換えられることにより、前記第1のLED素子を点灯した状態を維持しつつ、前記第2のLED素子の前記アノードと前記カソードとを同電位にして、前記第2のLED素子を消灯させる
ことを特徴とする。
【0016】
前記車両用LED点灯制御回路において、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との電位差の範囲は、前記調整用バイポーラトランジスタが少なくとも不飽和領域で動作する範囲に設定されている
ことを特徴とする。
【0017】
前記車両用LED点灯制御回路において、
前記車両用LED点灯制御回路は、
二輪車に積載され、前記LEDランプは、前記二輪車のヘッドライト、ウインカー、テールランプ、ポジションランプ、又は、メータイルミネーションの何れかである
ことを特徴とする。
【0018】
前記車両用LED点灯制御回路において、
前記スイッチ回路は、
前記LEDランプの点灯を制御するために、ユーザにより操作されるようになっていることを特徴とする。
【0019】
前記車両用LED点灯制御回路において、
前記基準電圧用バイポーラトランジスタは、コレクタが前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され、エミッタが前記第2の調整抵抗の前記他端に接続され、制御端子が前記第2の調整抵抗の前記一端に接続されたNPN型バイポーラトランジスタである
ことを特徴とする。
【0020】
前記車両用LED点灯制御回路において、
追加配線と、
1つLED素子又は直列に接続された複数のLED素子で構成され、アノード側が前記第1の配線に接続された追加LEDランプと、
一端が前記追加LEDランプのカソード側に接続された第1の追加調整抵抗と、
一端が前記第1の追加調整抵抗の他端に接続され、他端が前記追加配線に接続された第2の追加調整抵抗と、
一端が前記第1の追加調整抵抗の前記一端に接続され、他端が前記第1の追加調整抵抗の前記他端に接続された追加調整用バイポーラトランジスタと、
一端が前記追加LEDランプの前記アノード側に接続され、他端が前記追加調整用バイポーラトランジスタの制御端子に接続された追加制限抵抗と、
一端が前記追加調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され、他端が前記第2の追加調整抵抗の前記他端に接続され、前記追加調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子と前記第2の追加調整抵抗の他端との間に追加基準電圧を印加する追加基準電圧生成回路と、
前記追加配線に接続された基準ノードと、前記第2の配線H2に接続されたオン接点との間が導通した、前記追加基準電圧生成回路のオン状態と、前記基準ノードと、前記第1の配線に接続されたオフ接点との間が導通した、前記追加基準電圧生成回路のオフ状態とを切り換える追加スイッチ回路と、を備える
ことを特徴とする。
【0021】
本発明の一態様に係る実施形態に従った車両用LED点灯制御装置は、
車両用LED点灯制御回路と、
発電機が出力した交流電圧を直流電圧に変換して、第1の配線と第2の配線との間に電源電圧を供給する電源回路と、を備え、
前記車両用LED点灯制御回路は、
第1の電圧が供給される前記第1の配線と、
前記第1の電圧よりも低い第2の電圧が供給される前記第2の配線と、
1つLED素子又は直列に接続された複数のLED素子で構成され、アノード側が前記第1の配線に接続されたLEDランプと、
一端が前記LEDランプのカソード側に接続された第1の調整抵抗と、
一端が前記第1の調整抵抗の他端に接続され、他端が前記第2の配線に接続された第2の調整抵抗と、
一端が前記第1の調整抵抗の前記一端に接続され、他端が前記第1の調整抵抗の前記他端に接続された調整用バイポーラトランジスタと、
一端が前記LEDランプの前記アノード側に接続され、他端が前記調整用バイポーラトランジスタの制御端子に接続された制限抵抗と、
一端が前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され、他端が前記第2の調整抵抗の前記他端に接続され、前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子と前記第2の調整抵抗の他端との間に基準電圧を印加する基準電圧生成回路と、を備える
ることを特徴とする。
【0022】
本発明の一態様に係る実施形態に従った車両用LED点灯制御装置の制御方法は、
第1の電圧が供給される第1の配線と、前記第1の電圧よりも低い第2の電圧が供給される第2の配線と、1つLED素子又は直列に接続された複数のLED素子で構成され、アノード側が前記第1の配線に接続されたLEDランプと、一端が前記LEDランプのカソード側に接続された第1の調整抵抗と、一端が前記第1の調整抵抗の他端に接続され、他端が前記第2の配線に接続された第2の調整抵抗と、一端が前記第1の調整抵抗の前記一端に接続され、他端が前記第1の調整抵抗の前記他端に接続された調整用バイポーラトランジスタと、一端が前記LEDランプの前記アノード側に接続され、他端が前記調整用バイポーラトランジスタの制御端子に接続された制限抵抗と、一端が前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子に接続され、他端が前記第2の調整抵抗の前記他端に接続され、前記調整用バイポーラトランジスタの前記制御端子と前記第2の調整抵抗の他端との間に基準電圧を印加する基準電圧生成回路と、を備えた車両用LED点灯制御回路の制御方法であって、
前記第1の電圧と前記第2の電圧との間の電位差が少なくとも前記LEDランプが点灯する大きさである状態において、
前記第2の調整抵抗の電圧降下が第1の範囲にある場合には、前記調整用バイポーラトランジスタがオンして、前記LEDランプに流れるLED電流が前記第1の調整抵抗を迂回するように制御し、
前記第2の調整抵抗の電圧降下が第1の範囲よりも高い第2の範囲にある場合に、前記調整用バイポーラトランジスタが不飽和領域で動作して前記LEDランプに流れる前記LED電流の値を目標値に制御し、
前記第2の調整抵抗の電圧降下が前記第2の範囲よりも高い第3の範囲にある場合に、前記調整用バイポーラトランジスタがオフして、前記LEDランプに流れる前記LED電流が前記第1の調整抵抗を流れるように制御する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様に係る車両用LED点灯制御回路は、第1の電圧が供給される第1の配線と、第1の電圧(例えば電源電圧)が供給される第1の配線と、第1の電圧よりも低い第2の電圧(例えば接地電圧)が供給される第2の配線と、1つLED素子又は直列に接続された複数のLED素子で構成され、アノード側が第1の配線に接続されたLEDランプと、一端がLEDランプのカソード側に接続された第1の調整抵抗と、一端が第1の調整抵抗の他端に接続され、他端が第2の配線に接続された第2の調整抵抗と、一端(コレクタ)が第1の調整抵抗の一端に接続され、他端(エミッタ)が第1の調整抵抗の他端に接続された調整用バイポーラトランジスタと、一端がLEDランプのアノード側に接続され、他端が調整用バイポーラトランジスタの制御端子(ベース)に接続された制限抵抗と、一端が調整用バイポーラトランジスタの制御端子に接続され、他端が第2の調整抵抗の他端に接続され、調整用バイポーラトランジスタの制御端子と第2の調整抵抗の他端との間に基準電圧を印加する基準電圧生成回路と、を備える。
【0024】
この車両用LED点灯制御回路は、第2の調整抵抗の電圧降下が第1の範囲にある場合(すなわち、電源電圧が低い、又はVF電圧が大きい場合)には、調整用バイポーラトランジスタがオンして、LEDランプに流れるLED電流が第1の調整抵抗を迂回するように制御する。
【0025】
そして、車両用LED点灯制御回路は、第2の調整抵抗R2の電圧降下が第1の範囲よりも高い第2の範囲にある場合に、調整用バイポーラトランジスタが不飽和領域で動作してLEDランプに流れるLED電流の値を目標値(一定)に制御する。
【0026】
そして、車両用LED点灯制御回路は、第2の調整抵抗の電圧降下が第2の範囲よりも高い第3の範囲にある場合(すなわち、電源電圧が高い、又はVF電圧が小さい場合)に、調整用バイポーラトランジスタがオフして、LEDランプに流れるLED電流が第1の調整抵抗R1を流れるように制御する。
【0027】
これにより、簡易な構成にて、電源電圧に応じて、LEDランプに直列に接続される抵抗の抵抗値を制御することで、LEDランプXのLED電流が安定するように制御されることとなる。
【0028】
このように、本発明の車両用LED点灯制御回路によれば、電源電圧が変化した場合に、LED電流を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、実施例1に係る車両用LED点灯制御回路100の構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す車両用LED点灯制御回路100のLED電流と抵抗のドロップ電圧との関係の一例を示す特性図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す車両用LED点灯制御回路100の調整用バイポーラトランジスタQ1に流れる電流I1とその損失との関係の一例を示す特性図である。
【
図4】
図4は、実施例2に係る車両用LED点灯制御回路200の構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施例3に係る車両用LED点灯制御回路300の構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、車両用LED点灯制御回路200を適用した車両用LED点灯制御装置1000の構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、車両用LED点灯制御回路200、200Aを適用した車両用LED点灯制御装置2000の構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、従来の車両用LED点灯制御回路の構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図8に示す従来の車両用LED点灯制御回路のLED電流と抵抗のドロップ電圧との関係の一例を示す特性図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0031】
図1は、実施例1に係る車両用LED点灯制御回路100の構成の一例を示す図である。また、
図2は、
図1に示す車両用LED点灯制御回路100のLED電流と抵抗のドロップ電圧との関係の一例を示す特性図である。また、
図3は、
図1に示す車両用LED点灯制御回路100の調整用バイポーラトランジスタQ1に流れる電流I1とその損失との関係の一例を示す特性図である。
【0032】
この実施例1に係る車両用LED点灯制御回路100は、二輪車等の車両(図示せず)に積載され、当該二輪車に積載されるLEDランプXの点灯を制御するようになっている。
【0033】
ここで、例えば、
図1に示すように、この車両用LED点灯制御回路100は、第1の配線H1と、第2の配線H2と、第1の端子T1と、第2の端子T2と、LEDランプXと、第1の調整抵抗R1と、第2の調整抵抗R2と、調整用バイポーラトランジスタQ1と、制限抵抗RSと、基準電圧生成回路Yと、を備える。
【0034】
そして、LEDランプXは、例えば、
図1に示すように、1つLED素子又は直列に接続された複数のLED素子で構成されている。
図1の例では、LEDランプXは、直列に接続された2個のLED素子X1、X2で構成されている。
【0035】
このLEDランプXは、カソード側cが第1の調整抵抗R1の一端に接続され且つアノード側aが第1の配線H1(第1の端子T1)に接続されている。
【0036】
このLEDランプXは、例えば、既述の二輪車のヘッドライト、ウインカー、テールランプ、ポジションランプ、又は、メータイルミネーションの何れかである。
【0037】
第1の配線H1は、第1の電圧V1が供給されるようになっている。この第1の配線H1は、第1の端子T1に接続されている。
【0038】
なお、
図1の例では、第1の電圧V1は、電源電圧Vccである。
【0039】
また、第2の配線H2は、第1の電圧V1よりも低い第2の電圧V2が供給されるようになっている。
【0040】
なお、
図1の例では、第2の電圧V2は、接地電圧VGNDである。すなわち、第2の配線H2は、接地されているこの第2の配線H2は、第2の端子T2に接続されている。
【0041】
なお、ここでは、第1の電圧V1(電源電圧Vcc)と第2の電圧V2(接地電圧VGND)との間の電位差が、定電圧制御(レギュレータ)により、予め規定された規定電圧に近づくように制御されている。
【0042】
そして、第1の電圧V1と第2の電圧V2との電位差の範囲は、後述のように、調整用バイポーラトランジスタQ1が少なくとも不飽和領域で動作する範囲に設定されている。
【0043】
また、第1の調整抵抗R1は、一端がLEDランプXのカソード側cに接続されている。
【0044】
また、第2の調整抵抗R2は、一端が第1の調整抵抗R1の他端に接続され、他端が第2の配線H2に接続されている。
【0045】
また、調整用バイポーラトランジスタQ1は、一端(コレクタ)が第1の調整抵抗R1の一端に接続され、他端(エミッタ)が第1の調整抵抗R1の他端に接続されている。
【0046】
この調整用バイポーラトランジスタQ1は、例えば、
図1に示すように、コレクタが第1の調整抵抗R1の一端に接続され、エミッタが第1の調整抵抗R1の他端に接続され、ベースが基準電圧生成回路Yの一端に接続されたNPN型バイポーラトランジスタである。
【0047】
そして、第1の電圧V1と第2の電圧V2との電位差の範囲は、この調整用バイポーラトランジスタQ1が少なくとも不飽和領域で動作する範囲に設定されている。
【0048】
また、制限抵抗RSは、一端がLEDランプXのアノード側aに接続され、他端が調整用バイポーラトランジスタQ1の制御端子(ベース)に接続されている。
【0049】
また、基準電圧生成回路Yは、一端が調整用バイポーラトランジスタQ1の制御端子(ベース)及び制限抵抗RSの他端に接続され、他端が第2の調整抵抗R2の他端に接続されている。
【0050】
この基準電圧生成回路Yは、調整用バイポーラトランジスタQ1の制御端子(ベース)と第2の調整抵抗R2の他端との間に基準電圧を印加するようになっている。
【0051】
この基準電圧生成回路Yは、例えば、
図1に示すように、アノード側が調整用バイポーラトランジスタQ1の制御端子(ベース)に接続され且つカソード側が第2の調整抵抗R2の他端に接続された、1つのダイオード又は直列に接続された複数のダイオードである。
【0052】
なお、
図1の例では、この基準電圧生成回路Yは、2つのダイオードが直列に接続されて構成されている。この場合、既述の基準電圧は、2つのダイオード分の順電圧である。
【0053】
ここで、例えば、第1の電圧V1と第2の電圧V2との間の電位差が少なくともLEDランプXが点灯する大きさである状態において、第2の調整抵抗R2の電圧降下が第1の範囲E1にある場合には、調整用バイポーラトランジスタQ1がオンして、LEDランプXに流れるLED電流IXが第1の調整抵抗R1を迂回するように制御するようになっている。
【0054】
そして、上記状態において、第2の調整抵抗R2の電圧降下が第1の範囲E1よりも高い第2の範囲E2にある場合に、調整用バイポーラトランジスタQ1が不飽和領域で動作してLEDランプXに流れるLED電流IXの値を目標値(一定値)に制御するようになっている(例えば、
図2の700mA)。
【0055】
さらに、上記状態において、第2の調整抵抗R2の電圧降下が第2の範囲E2よりも高い第3の範囲E3にある場合に、調整用バイポーラトランジスタQ1がオフして、LEDランプXに流れるLED電流IXが第1の調整抵抗R1を流れるように制御するようになっている。
【0056】
次に、以上のような構成を有する車両用LED点灯制御回路100の制御方法の一例について、説明する。
【0057】
ここで、既述のように、第1の電圧V1(電源電圧Vcc)と第2の電圧V2(接地電圧VGND)との間の電位差が、定電圧制御(レギュレータ)により、予め規定された規定電圧に近づくように制御されている。さらに、第1の電圧V1と第2の電圧V2との電位差の範囲は、調整用バイポーラトランジスタQ1が少なくとも不飽和領域で動作する範囲に設定されているものとする。
【0058】
例えば、車両用LED点灯制御回路100は、第1の電圧V1と第2の電圧V2との間の電位差が少なくともLEDランプXが点灯する大きさである状態において、第2の調整抵抗R2の電圧降下が第1の範囲E1にある場合には、調整用バイポーラトランジスタQ1をオンする。
【0059】
これにより、LEDランプXに流れるLED電流IXが第1の調整抵抗R1を迂回するように制御される。すなわち、LEDランプXに直列に接続される抵抗の抵抗値が小さくなるように制御される。
【0060】
したがって、例えば、電源電圧Vccが低い場合、LEDランプXに流れるLED電流IXが第2の抵抗R2の傾きで決定されることとなる(
図2)。 すなわち、規定電圧に定電圧制御された電源電圧Vccが低くても、LEDランプXに点灯可能な電圧が印加されることとなる(LED電流IXの値を目標値に近づけることができる)。
【0061】
また、車両用LED点灯制御回路100は、上記状態において、第2の調整抵抗R2の電圧降下が第1の範囲E1よりも高い第2の範囲E2にある場合に、調整用バイポーラトランジスタQ1を不飽和領域で動作させる。
【0062】
これにより、LEDランプXに流れるLED電流IXが第1の調整抵抗R1及び不飽和動作する調整用バイポーラトランジスタQ1に流れることとなる。
【0063】
すなわち、LEDランプXに流れるLED電流IXの値が目標値(一定値)に制御される(例えば、
図2の700mA)。
【0064】
また、車両用LED点灯制御回路100は、上記状態において、第2の調整抵抗R2の電圧降下が第2の範囲E2よりも高い第3の範囲E3にある場合に、調整用バイポーラトランジスタQ1がオフする。
【0065】
これにより、LEDランプXに流れるLED電流IXが第1の調整抵抗R1を流れるように制御される。すなわち、LEDランプXに直列に接続される抵抗の抵抗値が大きくなるように制御される。
【0066】
したがって、例えば、電源電圧Vccが高い場合、LEDランプXに流れるLED電流IXが第1の抵抗R1と第2の抵抗R2の傾きで決定されることとなる(
図2)。
【0067】
すなわち、規定電圧に定電圧制御された電源電圧Vccが高くても、LEDランプXに印加される電圧を低く(LED電流IXが大きくならないように)することができる。
【0068】
以上の車両用LED点灯制御回路100の制御方法により、簡易な構成にて、電源電圧Vccに応じて、LEDランプXに直列に接続される抵抗の抵抗値を制御することで、LEDランプXのLED電流が安定するように制御されることとなる。
【0069】
以上のように、実施例1に係る車両用LED点灯制御回路100は、第2の調整抵抗R2の電圧降下が第1の範囲にある場合(すなわち、電源電圧が低い、又はVF電圧が大きい場合)には、調整用バイポーラトランジスタQ1がオンして、LEDランプXに流れるLED電流が第1の調整抵抗R1を迂回するように制御する。
【0070】
そして、車両用LED点灯制御回路100は、第2の調整抵抗R2の電圧降下が第1の範囲よりも高い第2の範囲にある場合に、調整用バイポーラトランジスタQ1が不飽和領域で動作してLEDランプXに流れるLED電流の値を目標値(一定)に制御する。
【0071】
そして、車両用LED点灯制御回路100は、第2の調整抵抗の電圧降下が第2の範囲よりも高い第3の範囲にある場合(すなわち、電源電圧が高い、又はVF電圧が小さい場合)に、調整用バイポーラトランジスタQ1がオフして、LEDランプXに流れるLED電流が第1の調整抵抗R1を流れるように制御する。
【0072】
これにより、簡易な構成にて、電源電圧に応じて、LEDランプXに直列に接続される抵抗の抵抗値を制御することで、LEDランプXのLED電流が安定するように制御されることとなる。
【0073】
このように、実施例1の車両用LED点灯制御回路100によれば、電源電圧が変化した場合に、LED電流を安定させることができる。
【実施例2】
【0074】
既述の実施例1では、基準電圧生成回路Yが1つのダイオード又は直列に接続された複数のダイオードである場合について説明した。しかしながら、この基準電圧生成回路Yをバイポーラトランジスタで構成するようにしてもよい。
【0075】
ここで、
図4は、実施例2に係る車両用LED点灯制御回路200の構成の一例を示す図である。なお、
図4において、
図1の符号と同じ符号は、実施例1と同様の構成を示す。
【0076】
この
図4の例では、実施例1と同様に、第1の電圧V1と第2の電圧V2との間の電位差が、定電圧制御(レギュレータ)により、予め規定された規定電圧に近づくように制御されているものとする。そして、第1の電圧V1と第2の電圧V2との電位差の範囲は、調整用バイポーラトランジスタQ1が少なくとも不飽和領域で動作する範囲に設定されている。
【0077】
この実施例2に係る車両用LED点灯制御回路200は、例えば、
図4に示すように、第1の配線H1と、第2の配線H2と、第1の端子T1と、第2の端子T2と、LEDランプXと、第1の調整抵抗R1と、第2の調整抵抗R2と、調整用バイポーラトランジスタQ1と、制限抵抗RSと、基準電圧生成回路Yと、を備える。
【0078】
そして、基準電圧生成回路Yは、例えば、
図4に示すように、一端(コレクタ)が調整用バイポーラトランジスタQ1の制御端子(ベース)に接続され、他端(エミッタ)が第2の調整抵抗R2の他端に接続され、制御端子(ベース)が第2の調整抵抗R2の一端に接続された基準電圧用バイポーラトランジスタQ2である。
【0079】
特に、この基準電圧用バイポーラトランジスタQ2は、コレクタが調整用バイポーラトランジスタQ1のベースに接続され、エミッタが第2の調整抵抗R2の他端に接続され、ベースが第2の調整抵抗R2の一端に接続されたNPN型バイポーラトランジスタである。
【0080】
ここで、上述のように、第1の電圧V1と第2の電圧V2との間の電位差が、定電圧制御(レギュレータ)により、予め規定された規定電圧に近づくように制御されている状態において、この基準電圧用バイポーラトランジスタQ2は、調整用バイポーラトランジスタQ1の制御端子(ベース)と第2の調整抵抗R2の他端との間に基準電圧を印加するようになっている。
【0081】
なお、この実施例2に係る車両用LED点灯制御回路200のその他の構成及び機能は、
図1に示す実施例1の車両用LED点灯制御回路100の構成及び機能と同様である。
【0082】
すなわち、実施例2に係る車両用LED点灯制御回路200は、第2の調整抵抗R2の電圧降下が第1の範囲にある場合(すなわち、電源電圧が低い、又はVF電圧が大きい場合)には、調整用バイポーラトランジスタQ1がオンして、LEDランプXに流れるLED電流が第1の調整抵抗R1を迂回するように制御する。
【0083】
そして、車両用LED点灯制御回路200は、第2の調整抵抗R2の電圧降下が第1の範囲よりも高い第2の範囲にある場合に、調整用バイポーラトランジスタQ1が不飽和領域で動作してLEDランプXに流れるLED電流の値を目標値(一定)に制御する。
【0084】
そして、車両用LED点灯制御回路200は、第2の調整抵抗の電圧降下が第2の範囲よりも高い第3の範囲にある場合(すなわち、電源電圧が高い、又はVF電圧が小さい場合)に、調整用バイポーラトランジスタQ1がオフして、LEDランプXに流れるLED電流が第1の調整抵抗R1を流れるように制御する。
【0085】
すなわち、この実施例2に係る車両用LED点灯制御回路200は、簡易な構成にて、電源電圧に応じて、LEDランプXに直列に接続される抵抗の抵抗値を制御することで、LEDランプXのLED電流が安定するように制御される。
【0086】
このように、実施例2の車両用LED点灯制御回路200によれば、電源電圧が変化した場合に、LED電流を安定させることができる。
【実施例3】
【0087】
図5は、実施例3に係る車両用LED点灯制御回路300の構成の一例を示す図である。なお、
図5において、
図4の符号と同じ符号は、実施例2と同様の構成を示す。
【0088】
この
図5の例では、実施例1と同様に、第1の電圧V1と第2の電圧V2との間の電位差が、定電圧制御(レギュレータ)により、予め規定された規定電圧に近づくように制御されているものとする。そして、第1の電圧V1と第2の電圧V2との電位差の範囲は、調整用バイポーラトランジスタQ1が少なくとも不飽和領域で動作する範囲に設定されている。
【0089】
この実施例3に係る車両用LED点灯制御回路300は、例えば、
図5に示すように、
図4に示す実施例2と比較して、第3の調整抵抗R3と、スイッチ回路SWXと、をさらに備える。
【0090】
そして、第3の調整抵抗R3は、第2の調整抵抗R2の一端と第1の調整抵抗R1の他端(調整用バイポーラトランジスタQ1のエミッタ)との間に接続されている。
【0091】
ここで、LEDランプXは、例えば、
図5に示すように、第1のLED素子X1と、第2のLED素子X2と、を含む。
【0092】
そして、第1のLED素子X1は、アノードが第1の配線H1に接続され且つカソードが切換ノードNXに接続されている。なお、
図5の例では、第1のLED素子X1は、直列に接続された2つの第1のLED素子で構成されている。
【0093】
そして、第2のLED素子X2は、アノードが切換ノードNXに接続され且つカソードが第1の調整抵抗R1の一端に接続されている。
【0094】
また、スイッチ回路SWXは、例えば、
図5に示すように、第1の接点Loと、第2の接点Hiと、切換ノードNXとを備える。
【0095】
このスイッチ回路SWXは、LEDランプXの点灯を制御するために、ユーザにより操作されるようになっている。
【0096】
このスイッチ回路SWXは、ユーザの操作により、第2のLED素子X2のカソードに接続された第1の接点Loとの間が導通した第1の状態と、切換ノードNXと、第1の接点Loに電気的に接続されていない(第1の接点Loと絶縁された)第2の接点Hiとの間が導通した第2の状態とを切り換えるようになっている。
【0097】
例えば、このスイッチ回路SWXは、第1の接点Loと切換ノードNXとを導通した第1の状態にすることで、第1のLED素子X1と第2のLED素子X2にLED電流が流れる状態になる。
【0098】
すなわち、このスイッチ回路SWXが第1の状態に切り換えられることにより、第1のLED素子X1及び第2のLED素子X2を点灯させる。
【0099】
一方、このスイッチ回路SWXは、第2の接点Hiと切換ノードNXとを導通した第2の状態にすることで、第1のLED素子X1のみにLED電流が流れる状態になる。
【0100】
すなわち、スイッチ回路SWXが第2の状態に切り換えられることにより、第1のLED素子X1を点灯した状態を維持しつつ、第2のLED素子X2のアノードとカソードとを同電位にして、第2のLED素子X2を消灯させる。
【0101】
なお、基準電圧生成回路Yは、
図5の例では、基準電圧用バイポーラトランジスタQ2であるが、例えば、実施例1と同様に、1つのダイオード又は直列に接続された複数のダイオードであってもよい。
【0102】
そして、この実施例3に係る車両用LED点灯制御回路300のその他の構成及び機能は、
図4に示す実施例2の車両用LED点灯制御回路200の構成及び機能と同様である。
【0103】
すなわち、この実施例3に係る車両用LED点灯制御回路300は、簡易な構成にて、電源電圧に応じて、LEDランプXに直列に接続される抵抗の抵抗値を制御することで、LEDランプXのLED電流が安定するように制御される。
【0104】
このように、実施例3の車両用LED点灯制御回路300によれば、電源電圧が変化した場合に、LED電流を安定させることができる。
【実施例4】
【0105】
既述の実施例1~3では、第1の配線から電源電圧が車両用LED点灯制御回路に供給される構成例について説明した。
【0106】
本実施例4では、このLEDランプ点灯制御回路と電源回路(レギュレータ)とを備えた車両用LED点灯制御装置の一例について説明する。
【0107】
ここで、
図6は、車両用LED点灯制御回路200を適用した車両用LED点灯制御装置1000の構成の一例を示す図である。なお、
図6において、
図4の符号と同じ符号は、実施例2と同様の構成を示す。
【0108】
この実施例4に係る車両用LED点灯制御装置1000は、既述の実施例と同様に、二輪車等の車両(図示せず)に積載されるLEDランプXの点灯を制御するようになっている。
【0109】
この車両用LED点灯制御装置1000は、例えば、
図6に示すように、車両用LED点灯制御回路200と、電源回路REGと、を備える。
【0110】
この電源回路REGは、発電機Gが出力した交流電圧を直流電圧に変換して、第1の配線H1と第2の配線H2との間に所定の電源電圧(ここでは、負電圧)を供給するとともに電源電圧が一定になるように制御するようになっている。
【0111】
この電源回路REGは、例えば、
図6に示すように、サイリスタSと、キャパシタCXと、を備える。
【0112】
そして、サイリスタSは、アノードが第2の端子T2(第2の配線H2)に接続され、カソードが発電機GのコイルGLの一端に接続されている。
【0113】
また、キャパシタCXは、一端が第2の端子T2(第2の配線H2)に接続され、他端が第1の端子T1(第1の配線H1)に接続されている。
【0114】
ここで、発電機Gは、一端がサイリスタSのカソードに接続され、他端が第1の端子T1(第1の配線H1)に接続されたコイルGLを、有する。
【0115】
この発電機Gは、キャパシタCXを充電してLEDランプPを点灯するための交流電圧を発生し、コイルGLの両端から出力するようになっている。
【0116】
この発電機Gは、例えば、二輪車等の車両のエンジンにより直結駆動されるオルタネータである。
【0117】
そして、電源回路REGは、キャパシタCXの充電電圧が一定の電源電圧になるように、サイリスタSのオン/オフを制御するようになっている。
【0118】
なお、本実施例4では、この第1の端子T1(第1の配線H1)の電位(接地電位)は、0Vに限定されるものではなく、少なくともLEDランプXを点灯可能なような固定の電位に設定される。
【0119】
ここで、
図6に示すように、本実施例4に係る車両用LED点灯制御装置1000は、発電機Gで発電した交流電圧を用いて、二輪車等の車両(図示せず)に積載されるLEDランプXの点灯を制御するようになっている。この車両用LED点灯制御装置1000は、例えば、当該車両(二輪車)に積載される。
【0120】
特に、
図6に示すように、車両用LED点灯制御装置1000は、出力する交流電流を整流してLEDランプXに電流を供給して当該LEDランプXの点灯を制御するようになっている。
【0121】
ここで、例えば、発電機Gの出力電圧が変動しても、電源回路REGは、電源電圧が一定になるように、サイリスタSを制御するが、キャパシタCXの充電電圧も或る範囲で変動することとなる。すなわち、電源回路REGが出力する電源電圧が或る範囲で変動する。
【0122】
このように電源電圧が変動している場合であっても、車両用LED点灯制御回路200は、第2の調整抵抗R2の電圧降下が第1の範囲にある場合(すなわち、電源電圧が低い、又はVF電圧が大きい場合)には、調整用バイポーラトランジスタQ1がオンして、LEDランプXに流れるLED電流が第1の調整抵抗R1を迂回するように制御する。
【0123】
そして、車両用LED点灯制御回路200は、第2の調整抵抗R2の電圧降下が第1の範囲よりも高い第2の範囲にある場合に、調整用バイポーラトランジスタQ1が不飽和領域で動作してLEDランプXに流れるLED電流の値を目標値(一定)に制御する。
【0124】
そして、車両用LED点灯制御回路200は、第2の調整抵抗の電圧降下が第2の範囲よりも高い第3の範囲にある場合(すなわち、電源電圧が高い、又はVF電圧が小さい場合)に、調整用バイポーラトランジスタQ1がオフして、LEDランプXに流れるLED電流が第1の調整抵抗R1を流れるように制御する。
【0125】
これにより、簡易な構成にて、電源電圧に応じて、LEDランプXに直列に接続される抵抗の抵抗値を制御することで、LEDランプXのLED電流が安定するように制御されることとなる。
【0126】
このように、車両用LED点灯制御装置1000によれば、電源電圧が変化した場合に、LED電流を安定させることができる。
【0127】
なお、本実施例では、電源回路REGと車両用LED点灯制御回路200を組み合わせた場合について説明したが、この車両用LED点灯制御回路200、200Aに代えて、
図1に示す実施例1に係る車両用LED点灯制御回路100若しくは
図5に示す実施例2に係る車両用LED点灯制御回路300を、車両用LED点灯制御装置1000に適用されるようにしてもよい。
【実施例5】
【0128】
本実施例5では、このLEDランプ点灯制御回路と電源回路(レギュレータ)とを備えた車両用LED点灯制御装置の他の例について説明する。
【0129】
図7は、車両用LED点灯制御回路200、200Aを適用した車両用LED点灯制御装置2000の構成の一例を示す図である。なお、
図7において、
図6の符号と同じ符号は、実施例4と同様の構成を示す。
【0130】
この実施例5に係る車両用LED点灯制御装置2000は、既述の実施例と同様に、二輪車等の車両(図示せず)に積載されるLEDランプXの点灯を制御するようになっている。
【0131】
この車両用LED点灯制御装置2000は、例えば、
図6に示すように、車両用LED点灯制御回路200と、追加の車両用LED点灯制御回路200Aと、追加スイッチ回路SWAと、電源回路REGと、を備える。
【0132】
すなわち、実施例5に係る車両用LED点灯制御装置2000は、実施例4に係る車両用LED点灯制御装置1000と比較して、追加の車両用LED点灯制御回路200Aと、追加スイッチ回路SWAと、をさらに備えるものである。
【0133】
ここで、追加の車両用LED点灯制御回路200Aは、例えば、
図7に示すように、追加配線H2Aと、追加LEDランプXAと、第1の追加調整抵抗R1Aと、第2の追加調整抵抗R2Aと、追加調整用バイポーラトランジスタQ1Aと、追加制限抵抗RSAと、追加基準電圧生成回路YAと、追加スイッチ回路SWAと、を備える。
【0134】
そして、追加配線H2Aは、基準ノードNAに接続されている。
【0135】
また、追加LEDランプXAは、例えば、
図7に示すように、1つLED素子又は直列に接続された複数のLED素子で構成されている。この
図7の例では、追加LEDランプXAは、直列に接続された2個のLED素子X1A、X2Aで構成されている。
【0136】
この追加LEDランプXAは、カソード側cが第1の調整抵抗R1の一端に接続され且つアノード側aが第1の配線H1(第1の端子T1)に接続されている。
【0137】
この追加LEDランプXAは、例えば、既述の二輪車のヘッドライト、ウインカー、テールランプ、ポジションランプ、又は、メータイルミネーションの何れかである。
【0138】
また、第1の追加調整抵抗R1Aは、一端が追加LEDランプXAのカソード側cに接続されている。
【0139】
また、第2の追加調整抵抗R2Aは、一端が第1の追加調整抵抗R1Aの他端に接続され、他端が追加配線H2Aに接続されている。
【0140】
また、追加調整用バイポーラトランジスタQ1Aは、一端(コレクタ)が第1の追加調整抵抗R1Aの一端に接続され、他端(エミッタ)が第1の追加調整抵抗R1Aの他端に接続されている。
【0141】
また、追加制限抵抗RSAは、一端が追加LEDランプXAのアノード側aに接続され、他端が追加調整用バイポーラトランジスタQ1Aの制御端子(ベース)に接続されている。
【0142】
また、追加基準電圧生成回路YAは、一端が追加調整用バイポーラトランジスタQ1Aの制御端子(ベース)に接続され、他端が第2の追加調整抵抗R2Aの他端に接続されている。
【0143】
この追加基準電圧生成回路YAは、追加調整用バイポーラトランジスタQ1Aの制御端子(ベース)と第2の追加調整抵抗R2Aの他端との間に追加基準電圧を印加するようになっている。
【0144】
そして、追加基準電圧生成回路YAは、例えば、
図7に示すように、一端(コレクタ)が追加調整用バイポーラトランジスタQ1Aの制御端子(ベース)に接続され、他端(エミッタ)が第2の追加調整抵抗R2Aの他端に接続され、制御端子(ベース)が第2の追加調整抵抗R2Aの一端に接続された追加基準電圧用バイポーラトランジスタQ2Aである。
【0145】
特に、この追加基準電圧用バイポーラトランジスタQ2Aは、コレクタが追加調整用バイポーラトランジスタQ1Aのベースに接続され、エミッタが第2の追加調整抵抗R2Aの他端に接続され、ベースが第2の追加調整抵抗R2Aの一端に接続されたNPN型バイポーラトランジスタである。
【0146】
また、追加スイッチ回路SWAは、追加配線H2Aに接続された基準ノードNAと、第2の配線H2に接続されたオン接点ONとの間が導通したオン状態と、基準ノードNAと、第1の配線H1に接続されたオフ接点OFFとの間が導通したオフ状態とを切り換えるようになっている。
【0147】
このスイッチ回路SWXは、LEDランプXの点灯を制御するために、ユーザにより操作されるようになっている。
【0148】
例えば、この追加スイッチ回路SWAが、ユーザの操作により、基準ノードNAとオン接点ONとの間が導通したオン状態に切り換えられると、電源回路REGから追加の車両用LED点灯制御回路200Aに電源電圧が印加される。
【0149】
これにより、車両用LED点灯制御回路200Aは、LEDランプXAの点灯を制御する状態になる。なお、この車両用LED点灯制御回路200Aの制御方法は、既述の車両用LED点灯制御回路200の制御方法と同様である。
【0150】
一方、この追加スイッチ回路SWAが、ユーザの操作により、基準ノードNAとオフ接点OFFとの間が導通したオフ状態に切り換えられると、電源回路REGから追加の車両用LED点灯制御回路200Aへの電源電圧の供給が停止される。
【0151】
これにより、車両用LED点灯制御回路200Aは、LEDランプXAを消灯する状態になる。
【0152】
そして、この実施例5に係る車両用LED点灯制御装置2000のその他の構成及び機能は、
図6に示す実施例4の車両用LED点灯制御装置1000の構成及び機能と同様である。
【0153】
すなわち、車両用LED点灯制御装置2000は、簡易な構成にて、電源電圧に応じて、LEDランプに直列に接続される抵抗の抵抗値を制御することで、LEDランプのLED電流が安定するように制御されることとなる。
【0154】
このように、車両用LED点灯制御装置2000によれば、電源電圧が変化した場合に、LED電流を安定させることができる。
【0155】
なお、本実施例では、電源回路REGと車両用LED点灯制御回路200、200Aを組み合わせた場合について説明したが、この車両用LED点灯制御回路200、200Aに代えて、
図1に示す実施例1に係る車両用LED点灯制御回路100若しくは
図5に示す実施例2に係る車両用LED点灯制御回路300を、車両用LED点灯制御装置2000に適用されるようにしてもよい。
【0156】
以上のように、本発明の一態様に係る車両用LED点灯制御回路は、第1の電圧V1が供給される第1の配線H1と、第1の電圧V1(例えば電源電圧)が供給される第1の配線H1と、第1の電圧V1よりも低い第2の電圧V2(例えば接地電圧)が供給される第2の配線H2と、1つLED素子又は直列に接続された複数のLED素子で構成され、アノード側aが第1の配線に接続されたLEDランプXと、一端がLEDランプのカソード側cに接続された第1の調整抵抗R1と、一端が第1の調整抵抗の他端に接続され、他端が第2の配線に接続された第2の調整抵抗R2と、一端(コレクタ)が第1の調整抵抗の一端に接続され、他端(エミッタ)が第1の調整抵抗の他端に接続された調整用バイポーラトランジスタQ1と、一端がLEDランプのアノード側に接続され、他端が調整用バイポーラトランジスタの制御端子(ベース)に接続された制限抵抗RSと、一端が調整用バイポーラトランジスタの制御端子に接続され、他端が第2の調整抵抗の他端に接続され、調整用バイポーラトランジスタの制御端子と第2の調整抵抗の他端との間に基準電圧を印加する基準電圧生成回路Yと、を備える。
【0157】
この車両用LED点灯制御回路は、第2の調整抵抗R2の電圧降下が第1の範囲にある場合(すなわち、電源電圧が低い、又はVF電圧が大きい場合)には、調整用バイポーラトランジスタQ1がオンして、LEDランプXに流れるLED電流が第1の調整抵抗R1を迂回するように制御する。
【0158】
そして、車両用LED点灯制御回路は、第2の調整抵抗R2の電圧降下が第1の範囲よりも高い第2の範囲にある場合に、調整用バイポーラトランジスタQ1が不飽和領域で動作してLEDランプXに流れるLED電流の値を目標値(一定)に制御する。
【0159】
そして、車両用LED点灯制御回路は、第2の調整抵抗の電圧降下が第2の範囲よりも高い第3の範囲にある場合(すなわち、電源電圧が高い、又はVF電圧が小さい場合)に、調整用バイポーラトランジスタQ1がオフして、LEDランプXに流れるLED電流が第1の調整抵抗R1を流れるように制御する。
【0160】
これにより、簡易な構成にて、電源電圧に応じて、LEDランプに直列に接続される抵抗の抵抗値を制御することで、LEDランプXのLED電流が安定するように制御されることとなる。
【0161】
このように、本発明の車両用LED点灯制御回路によれば、電源電圧が変化した場合に、LED電流を安定させることができる。
【0162】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0163】
1000 車両用LED点灯制御装置
100 車両用LED点灯制御回路
H1 第1の配線
H2 第2の配線
T1 第1の端子
T2 第2の端子
X LEDランプ
R1 第1の調整抵抗
R2 第2の調整抵抗
Q1 調整用バイポーラトランジスタ
RS 制限抵抗
Y 基準電圧生成回路