(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】無線通信システムおよびハンドオーバを拡張する無線通信を処理する方法
(51)【国際特許分類】
H04W 36/18 20090101AFI20220404BHJP
H04W 36/08 20090101ALI20220404BHJP
H04W 36/38 20090101ALI20220404BHJP
H04W 4/40 20180101ALI20220404BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20220404BHJP
H04W 28/26 20090101ALI20220404BHJP
【FI】
H04W36/18
H04W36/08
H04W36/38
H04W4/40
H04W16/28
H04W28/26
(21)【出願番号】P 2020502571
(86)(22)【出願日】2018-07-20
(86)【国際出願番号】 EP2018069811
(87)【国際公開番号】W WO2019016386
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-03-17
(32)【優先日】2017-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100134119
【氏名又は名称】奥町 哲行
(72)【発明者】
【氏名】ハッサン フセイン・カレド ショーキー
(72)【発明者】
【氏名】ヘイン・トーマス
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/116229(WO,A1)
【文献】特開2004-228881(JP,A)
【文献】特開2004-304298(JP,A)
【文献】国際公開第2012/020457(WO,A1)
【文献】国際公開第99/041925(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/092456(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/047370(WO,A2)
【文献】米国特許第08000708(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる通信エリア(3、3’、3’’)をカバーする複数の基地局(2、2’、2’’)と、
ユーザ機器(10)に関連して発生し得るハンドオーバのために、前記ユーザ機器(10)に関する情報に基づいて一連の協調基地局(2、2’、2’’)としての役割を果たす、少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)を含む待機リストを作成するように構成され、かつ前記待機リスト中の前記少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)に対して、前記発生し得るハンドオーバに関し、前記ハンドオーバに使用される基地局のビーム、
ハンドオーバが発生し得る時間を示すタイムスタンプ候補、
ハンドオーバ
の周波数、または必要となるリソースに関する情報のうちの少なくとも1つを含むハンドオーバ情報を
提供するように構成されたコーディネータ装置(4)とを備え、
前記コーディネータ装置(4)から前記ハンドオーバ情報を受信した後、前記待機リスト中の前記少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)は
、前記少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)がハンドオーバイベントのタイムスタンプに関して通知される
アテンションモードに入り、
前記アテンションモードは、前記基地局がユーザ機器のスケジューリングおよび/またはこれに対するサービスを開始する時間を指し、また
前記少なくとも2つの基地局のうちの1つの基地局(2、2’、2’’)または前記コーディネータ装置(4)は、前記ユーザ機器(10)の所在位置および/または速度および/または移動方向および/または移動経路候補に関する情報を受信するよう
に構成
される、
無線通信システム(1)。
【請求項2】
前記コーディネータ装置(4)または前記一連の協調基地局(2、2’、2’’)における1つの基地局に対して、前記ユーザ機器(10)の経路における複数の三次元ポジショニングウェイポイント値を含む経路情報と、前記ユーザ機器(10)が前記複数の三次元ポジショニングウェイポイント値に存在していると予想される時間を示す時間情報とを送信するように、前記ユーザ機器(10)を構成している、請求項1に記載の無線通信システム(1)。
【請求項3】
前記
ユーザ機器は、ドローン、無人航空機(UAV)または成層圏プラットフォーム(HAP)の少なくとも一部であるか、これらのうちの1つを含む、請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記一連の協調基地局(2、2’、2’’)における前記少なくとも2つの基地局は、前記ユーザ機器(10)の代替経路上の基地局を表す、請求項1または2に記載の無線通信システム(1)。
【請求項5】
前記待機リストに基づいて前記
アテンションモードの開始を指示する時間情報を受信するように、前記少なくとも2つの基地局を構成している、請求項1から4のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項6】
ハンドオーバ中、かつソース基地局に接続されている間に、前記一連の協調基地局における第1および第2の基地局に接続されるように、前記ユーザ機器(10)を構成している、請求項1から5のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項7】
前記第1の基地局からの第1の信号と前記第2の基地局からの第2の信号とを受信した後、前記第1および第2の基地局、または前記第1の基地局のみに対する応答信号とするように、前記ユーザ機器(10)を構成している、請求項
6に記載の無線通信システム(1)。
【請求項8】
前記ユーザ機器と前記第1の基地局との間の第1のチャネル条件に
専ら基づ
くか、
または前記ユーザ機器と前記第1の基地局との間の第1のチャネル条件および前記ユーザ機器と前記第2の基地局との間の第2のチャネル条件に基づいて、前記応答信号を前記第1および第2の基地局に送信するか、または前記第1の基地局のみに送信するかを決定するように、前記ユーザ機器を構成している、請求項
7に記載の無線通信システム(1)。
【請求項9】
前記第1のチャネル条件および前記第2のチャネル条件は、リンク品質、データスループット、リソースの可用性、および基地局がユーザ機器にサービスを提供する時間間隔を含む、請求項
8に記載の無線通信システム(1)。
【請求項10】
前記コーディネータ(4)に対して、予測ハンドオーバの要求を信号伝達し、また前記コーディネータ装置(4)に前記ユーザ機器(10)に関する情報を
提供するように、前記ユーザ機器(10)を構成している、請求項1から9のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項11】
前記ユーザ機器(10)の前記少なくとも1つの移動経路候補に関するデータを受信するように、前記コーディネータ装置(4)を構成している、請求項1から10のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項12】
前記ユーザ機器(10)に関する情報に基づいて移動マップを生成するか、または更新するように、前記コーディネータ装置(4)を構成している、請求項1から11のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項13】
前記基地局(2、2’、2’’)がハンドオーバを行う1つの協調基地局(2、2’、2’’)としての役割を果たす場合に、前記コーディネータ装置(4)に対して信号を送信するように、前記複数の基地局(2、2’、2’’)のうちの少なくとも1つの基地局(2、2’、2’’)を構成している、請求項1から12のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項14】
ハンドオーバが発生する場合に前記コーディネータ装置(4)に制御信号を送信するように、前記ユーザ機器(10)を構成している、請求項1から13のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項15】
前記待機リスト中の前記少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)に対して、前記ハンドオーバのタイムスタンプ候補(T1、T2)を含むハンドオーバ情報を
提供するように、前記コーディネータ装置(4)を構成している、請求項1から14のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項16】
ハンドオーバが発生した場合に、前記発生したハンドオーバに関し、基地局(2、2’、2’’)に前記
アテンションモードの解除を指示する情報を前記待機リスト中の前記基地局(2、2’、2’’)に
提供するように、前記コーディネータ装置(4)を構成している、請求項1から15のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項17】
前記コーディネータ装置(4)に対して、前記ユーザ機器(10)と前記複数の基地局(2、2’、2’’)のうちの少なくとも1つの基地局(2、2’、2’’)との通信接続に関する制御情報を送信するように、前記ユーザ機器(10)を構成している、請求項1から16のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項18】
前記ユーザ機器(10)の移動における少なくとも1つの軌跡の候補に基づいて、また前記基地局(2、2’、2’’)によってカバーされる前記通信エリア(3、3’、3’’)に基づいて前記待機リストを作成するように、前記コーディネータ装置(4)を構成している、請求項1から17のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項19】
前記ユーザ機器(10)に対して、前記ハンドオーバのタイムスタンプ候補T1、T2、およびハンドオーバ・コンポーネント・キャリアID、物理リソースブロック、または前記待機リスト中の前記少なくとも1つの基地局(2、2’、2’’)のうちの好ましくは1または複数に関してフィードバックするように、前記コーディネータ装置(4)を構成している、請求項1から18のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項20】
前記複数の基地局(2、2’、2’’)は、地上基地局(2、2’)および少なくとも1つの非地上基地局(2’’)を含み、
前記ユーザ機器(10)の移動における少なくとも1つの軌跡の候補が前記地上基地局(2、2’)によってカバーされている前記通信エリア(3、3’、3’’)を離れる場合に備えて、前記待機リストに前記少なくとも1つの非地上基地局(2’’)を含めるように、前記コーディネータ装置(4)を構成しており、さらに、
前記少なくとも1つの非地上基地局(2’’)と前記ユーザ機器(10)との通信の遅延に基づいて、前記ハンドオーバのタイムスタンプ候補を含むハンドオーバ情報を、前記待機リスト中の前記少なくとも1つの非地上基地局(2’’)に
提供するように、前記コーディネータ装置(4)を構成している、
請求項1から19のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項21】
前記ハンドオーバを実行した後に、前記ユーザ機器(10)が使用したのと同一のリソースを前記ユーザ機器に対してスケジューリングするよう要求するように、前記コーディネータ装置(4)を構成しており、また、前記要求された物理リソースを前記ユーザ機器(10)に対してスケジューリングするように、前記一連の協調基地局を構成している、請求項1から20のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項22】
同一のリソース要素の割当てが拒否された場合、記載する順に以下のステップの少なくとも1つをその後実行するように、前記無線通信システムを構成しており、それ以前のステップが失敗した場合、以下のステップ、すなわち、
少なくとも同じキャリアで別のリソースを供給できる基地局を、前記コーディネータ(4)によって選択するステップ、
別のリソースが利用できる場合、前記リソースが意図したTX/RXターゲットまたは前記TX/RXターゲットを途切れなく継続させるのに十分であれば、前記リソースを前記基地局によって、レガシーハンドオーバを行うために選択するステップ、
隣接セルの異なるキャリアから前記レガシーハンドオーバのリソースを選択するステップ、
別の公衆携帯電話網
(PLMN)キャリアのレガシーハンドオー
バがサポートされているときは、情報および/または所在地および/または登録契約が有効であれば、ローミングセルの候補から前記レガシーハンドオーバを選択するステップ、
利用可能なリソースがあり、ユーザ機器がその所在地を知らない
ネットワーク
へのリレーに前記レガシーハンドオーバを送信するステップ、または
衛星のバックホーリングがサポートされているときは、衛星のレガシーハンドオーバの閾値が満たされるのであれば、
公衆携帯電話網の利用可能な衛星チャネルから前記レガシーハンドオーバを選択するステップ
のうちの1つのステップを実行する、請求項21に記載の無線通信システム(1)。
【請求項23】
前記ハンドオーバ前の時間と比較して、ハンドオーバ後に異なるリソースを使用し、かつデータ交換が完了するまで前記ハンドオーバを遅延させるように、前記ユーザ機器(10)を構成している、請求項1から22のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項24】
前記ユーザ機器(10)はユーザ機器のグループの一部であり、前記ユーザ機器のグループに対してハンドオーバを計画する際、共通して決定するように、前記コーディネータ装置(4)を構成している、請求項1から23のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)。
【請求項25】
異なる通信エリア(3、3’、3’’)をカバーする複数の基地局(2、2’、2’’)と、
ユーザ機器(10)に関連して発生し得るハンドオーバのために、前記ユーザ機器(10)に関する情報に基づいて一連の協調基地局(2、2’、2’’)としての役割を果たす、少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)を含む待機リストを作成するように構成され、かつ前記待機リスト中の前記少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)に対して、前記発生し得るハンドオーバに関し、前記ハンドオーバに使用される基地局のビーム、
ハンドオーバが発生し得る時間を示すタイムスタンプ候補、
ハンドオーバ
の周波数、または必要となるリソースに関する情報のうちの少なくとも1つを含むハンドオーバ情報を
提供するように構成されたコーディネータ装置(4)とを備え、
前記コーディネータ装置(4)から前記ハンドオーバ情報を受信した後、前記待機リスト中の前記少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)は
、前記少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)がハンドオーバイベントのタイムスタンプに関して通知される
アテンションモードに入り、
前記アテンションモードは、前記基地局がユーザ機器のスケジューリングおよび/またはこれに対するサービスを開始する時間を指し、また
前記少なくとも2つの基地局のうちの1つの基地局(2、2’、2’’)または前記コーディネータ装置(4)は、前記ユーザ機器(10)の所在位置および/または速度および/または移動方向および/または移動経路候補に関する情報を受信するよう
に構成
され、
前記ユーザ機器(10)は、ハンドオーバ中、かつソース基地局に接続されている間にデータを送信することにより、前記一連の協調基地局における第1および第2の基地局に接続されるよう
に構成
され、
前記コーディネータ装置(4)は、前記ユーザ機器(10)に対して、前記ハンドオーバのタイムスタンプ候補T1、T2、およびハンドオーバ・コンポーネント・キャリアID、物理リソースブロック、または前記待機リスト中の前記少なくとも1つの基地局(2、2’、2’’)のうちの好ましくは1または複数に関してフィードバックするよう
に構成
され、また、
前記複数の基地局(2、2’、2’’)は、地上基地局(2、2’)および少なくとも1つの非地上基地局(2’’)を含み、
前記コーディネータ装置(4)は、前記ユーザ機器(10)の移動における少なくとも1つの軌跡の候補が前記地上基地局(2、2’)によってカバーされている前記通信エリア(3、3’、3’’)を離れる場合に備えて、前記待機リストに前記少なくとも1つの非地上基地局(2’’)を含めるよう
に構成
され、さらに、
前記コーディネータ装置(4)は、前記少なくとも1つの非地上基地局(2’’)と前記ユーザ機器(10)との通信の遅延に基づいて、前記ハンドオーバのタイムスタンプ候補を含むハンドオーバ情報を、前記待機リスト中の前記少なくとも1つの非地上基地局(2’’)に
提供するよう
に構成
される、
無線通信システム(1)。
【請求項26】
請求項1から25のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)用のユーザ機器(10)であって、
無線通信システム(1)の基地局(2、2’、2’’)と通信するように構成され、
ハンドオーバ前に、前記基地局(2、2’、2’’)の信号強度に基づいて、複数の基地局(2、2’、2’’)のうちの前記基地局(2、2’、2’’)と共に、第1の基地局または第2の基地局と同時に同期するように、前記ユーザ機器(19)を構成しており、
同期後、すなわち前記基地局のうちの第1の基地局に同期した後に、前記第1の基地局に実行したハンドオーバの際と同一のリソースを使用するように、前記ユーザ機器(10)を構成し、ハンドオーバ後に、前記ハンドオーバ前の時間と比較して異なるリソースを前記基地局のうちの前記第2の基地局に対して使用するように、前記ユーザ機器(10)を構成し、また前記第1の基地局とのデータ交換が完了するまで、前記第2の基地局へのハンドオーバを遅延させるように、前記ユーザ機器を構成しており、また、
第1および第2の通信インターフェースを使用し、前記ハンドオーバ発生前に前記ユーザ機器が関連付けられているソース基地局に加えて、少なくとも前記第1および第2の基地局(2、2’、2’’)に同期するように、前記ユーザ機器を構成している、
ユーザ機器(10)。
【請求項27】
さらに通信を行うために、前記基地局に応答することによって前記少なくとも2つの基地局のうちの1または複数を選択するように、前記ユーザ機器を構成している、請求項26に記載のユーザ機器。
【請求項28】
通信エリア(3、3’、3’’)をカバーする基地局(2、2’、2’’)であって、
前記基地局(2、2’、2’’)は、発生し得るハンドオーバに関し、前記ハンドオーバに使用される前記基地局のビーム、
ハンドオーバが発生し得る時間を示すタイムスタンプ候補、
ハンドオーバ
の周波数、または必要となるリソースに関する情報のうちの少なくとも1つを含むハンドオーバ情報を受信した後、ユーザ機器(10)に関連して発生し得るハンドオーバに対して
アテンションモードに入るように
構成
され、前記
アテンションモードでは、前記基地局(2、2’、2’’)は、
コーディネータ装置(4)から前記ハンドオーバ情報を受信した後ハンドオーバイベントのタイムスタンプに関して通知され、
前記アテンションモードは、前記基地局がユーザ機器のスケジューリングおよび/またはこれに対するサービスを開始する時間を指し、
前記基地局は、ユーザ機器(10)に関連して発生し得るハンドオーバのために、前記ユーザ機器(10)に関する情報に基づいて一連の協調基地局(2、2’、2’’)としての役割を果たす、少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)を含む待機リストの一部であり、
前記基地局(2、2’、2’’)は、一連の協調基地局(2、2’、2’’)としての役割を果たす少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)を含む待機リストを作成するように、かつ前記ユーザ機器(10)の所在位置および/または速度および/または移動方向および/または移動経路候補に関する情報を受信するように
、構成
される、
基地局(2、2’、2’’)。
【請求項29】
請求項1から21のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)用のコーディネータ装置(4)であって、前記コーディネータ装置(4)は、前記無線通信システム(1)の複数の基地局のうちの少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)を含む待機リストを作成するように構成され、前記複数の基地局は、地上基地局(2、2’)および少なくとも1つの非地上基地局(2’’)を含み、異なる通信エリア(3、3’、3’’)をカバーし、前記少なくとも2つの基地局は、前記無線通信システムのユーザ機器(10)に関する情報に基づいてユーザ機器(10)に関連して発生し得るハンドオーバのために一連の協調基地局(2、2’、2’’)としての役割を果たし、かつ前記待機リスト中の前記少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)に対して、前記発生し得るハンドオーバに関し、前記ハンドオーバに使用される基地局のビーム、ハンドオーバが発生し得る時間を示すタイムスタンプ候補、ハンドオーバの周波数、または必要となるリソースに関する情報のうちの少なくとも1つを含むハンドオーバ情報を提供するように構成され、
前記コーディネータ装置(4)は、前記ハンドオーバ情報を提供した後、前記少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)にハンドオーバイベントのタイムスタンプを通知するように構成され、
前記コーディネータ装置(4)は、前記ユーザ機器(10)に対して、前記ハンドオーバのタイムスタンプ候補T1、T2、およびハンドオーバ・コンポーネント・キャリアID、物理リソースブロック、または前記待機リスト中の前記少なくとも1つの基地局(2、2’、2’’)のうちの好ましくは1または複数に関してフィードバックするように構成され、
前記コーディネータ装置(4)は、前記ユーザ機器(10)の移動における少なくとも1つの軌跡の候補が前記地上基地局(2、2’)によってカバーされている前記通信エリア(3、3’、3’’)を離れる場合に備えて、前記待機リストに前記少なくとも1つの非地上基地局(2’’)を含めるように構成され、
前記コーディネータ装置(4)は、前記少なくとも1つの非地上基地局(2’’)と前記ユーザ機器(10)との通信の遅延に基づいて、前記ハンドオーバのタイムスタンプ候補を含むハンドオーバ情報を、前記待機リスト中の前記少なくとも1つの非地上基地局(2’’)に提供するように構成される、
コーディネータ装置(4)。
【請求項30】
ユーザ機器(10)の所在位置および/または速度および/または移動方向および/または移動経路候補に関する情報を受信することにより、前記ユーザ機器(10)に関する情報に基づいて前記ユーザ機器(10)に関連して発生し得るハンドオーバのために一連の協調基地局(2、2’、2’’)としての役割を果たす、少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)を含む待機リストを評価するステップと、
前記待機リスト中の前記少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)に対して、前記発生し得るハンドオーバに関し、前記ハンドオーバに使用される基地局のビーム、
ハンドオーバが発生し得る時間を示すタイムスタンプ候補、
ハンドオーバ
の周波数、または必要となるリソースに関する情報のうちの少なくとも1つを含むハンドオーバ情報を
提供するステップと、
前記ハンドオーバ情報を
コーディネータ装置(4)から受信した後、
前記待機リスト中の前記少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)を操作して、前記待機リスト中の前記少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)を、前記少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)がハンドオーバイベントのタイムスタンプに関して通知される
アテンションモードにするステップ
であって、前記アテンションモードは前記基地局がユーザ機器のスケジューリングおよび/またはこれに対するサービスを開始する時間を指す、アテンションモードにするステップと、
前記ユーザ機器(10)の所在位置および/または速度および/または移動方向および/または移動経路候補に関する情報を、前記少なくとも2つの基地局のうちの1つの基地局で受信するステップと、を含む、
無線通信を処理する方法。
【請求項31】
請求項1から21のいずれか一項に記載の無線通信システム(1)のコーディネータ装置(4)を操作する方法であって、前記コーディネータ装置(4)が、前記無線通信システム(1)の複数の基地局のうちの少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)を含む待機リストを作成するように、前記複数の基地局は、地上基地局(2、2’)および少なくとも1つの非地上基地局(2’’)を含み、異なる通信エリア(3、3’、3’’)をカバーし、前記少なくとも2つの基地局は、前記無線通信システムのユーザ機器(10)に関する情報に基づいてユーザ機器(10)に関連して発生し得るハンドオーバのために一連の協調基地局(2、2’、2’’)としての役割を果たし、かつ前記待機リスト中の前記少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)に対して、前記発生し得るハンドオーバに関し、前記ハンドオーバに使用される基地局のビーム、ハンドオーバが発生し得る時間を示すタイムスタンプ候補、ハンドオーバの周波数、または必要となるリソースに関する情報のうちの少なくとも1つを含むハンドオーバ情報を提供するように構成され、前記方法は、
前記ハンドオーバ情報を提供した後、前記少なくとも2つの基地局(2、2’、2’’)にハンドオーバイベントのタイムスタンプを通知するステップと、
前記ユーザ機器(10)に対して、前記ハンドオーバのタイムスタンプ候補T1、T2、およびハンドオーバ・コンポーネント・キャリアID、物理リソースブロック、または前記待機リスト中の前記少なくとも1つの基地局(2、2’、2’’)のうちの好ましくは1または複数に関してフィードバックするステップと、
前記ユーザ機器(10)の移動における少なくとも1つの軌跡の候補が前記地上基地局(2、2’)によってカバーされている前記通信エリア(3、3’、3’’)を離れる場合に備えて、前記待機リストに前記少なくとも1つの非地上基地局(2’’)を含めるステップと、
前記少なくとも1つの非地上基地局(2’’)と前記ユーザ機器(10)との通信の遅延に基づいて、前記ハンドオーバのタイムスタンプ候補を含むハンドオーバ情報を、前記待機リスト中の前記少なくとも1つの非地上基地局(2’’)に提供するステップと、を含む、方法。
【請求項32】
コンピュータ上で実行されると、請求項
30または31に記載の方法を実行するプログラムコードを備えるコンピュータプログラムを記憶した、非一時的記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムおよび無線通信を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高速移動オブジェクト(車両、列車、ドローン、無人航空機(UAV:unmanned aerial vehicles)、成層圏プラットフォーム(HAP:high altitude platforms)など)では、時間のかかるレガシーハンドオーバ手順によって無線リンク障害(RLF:radio-link failure)が発生するために、サーバサービスの中断を余儀なくされる恐れがある。このハンドオーバという用語は、たとえば使用中のデータチャネルをある基地局から別の基地局に転送するプロセスを指す。
【0003】
LTE(Long Term Evolution:ロングタームエボリューション)やアドバンスト3GPP(3rd Generation Partnership Project:第3世代パートナーシッププロジェクト)の無線規格では、たとえばX2インターフェースを使用してソース進化型ノード基地局(S-eNodeBまたはS-eNB)からターゲットeNodeB(T-eNB)にユーザ機器(UE)をハンドオーバするか、あるいはモビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)およびサービングゲートウェイ(SGW:Serving Gateway)を変更していない場合は、このX2インターフェースを使用してターゲットギガビットNB(T-gNB)にユーザ機器(UE)をハンドオーバすることで、ハンドオーバを行っている。ハンドオーバ手順では、可能な限りサービスの連続性を保証するために、一部のパケットおよび回線交換を規定している。
【0004】
レガシーハンドオーバでは、誤ったハンドオーバパラメーター設定により、ハンドオーバピンポン(handover ping-pongs)、ハンドオーバ失敗(HOF:handover failures)、および無線リンク障害(RLF)が起こることでユーザエクスペリエンスに悪影響が及び、なおかつネットワークリソースが浪費されていた。
【0005】
従来のネットワーク制御モビリティは、RRC接続状態の(既にキャンプオンして接続されている)ユーザ機器に適用されるモビリティ方式である。従来の方式では、たとえば[1]および[2]にハンドオーバシグナリングの手順が記載されている。
【0006】
ハンドオーバ先が同じオペレータ(PLMN)である場合、進化型パケットコアネットワーク(EPC:evolved packet core network)なしでハンドオーバ手順の準備および実行フェーズが実行され、これはすなわち、X2接続インターフェースを介して、複数のeNB間で直接準備メッセージが交換されることを意味する。ハンドオーバ完了フェーズ中のソース側でのリソースの解放は、ネットワークベースのリソースであればeNBによってトリガされる。
【0007】
ローミングノードを考慮するか、または別個のエンティティであるモバイル管理エンティティ(MME:mobile management entity)を使用する場合、複数のMMEがS1メッセージ(すなわち、S1ベースのハンドオーバ)を通じて関与することになり、これはすなわち、同じオペレータまたは異なるオペレータの別のMMEへの移動を意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、無線通信システム、および移動ユーザ機器に対して途切れのないシームレスハンドオーバを実現する無線通信を処理する方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を、ある無線通信システムによって達成している。
【0010】
本無線通信システムは、異なる通信エリアをカバーする複数の基地局と、コーディネータ装置とを備える。
【0011】
ユーザ機器に関連して発生し得るハンドオーバのために、当該ユーザ機器に関する情報に基づいて協調基地局としての役割を果たす、少なくとも1つの基地局を含む待機リストを作成するように、このコーディネータ装置を構成している。この待機リスト中の少なくとも1つの基地局に対して、発生し得るハンドオーバに関するハンドオーバ情報をもたらすように、コーディネータ装置をさらに構成している。待機リスト中の少なくとも1つの基地局は、コーディネータ装置からハンドオーバ情報を受信した後、呼出しモードに入る。本明細書に記載しているいくつかの実施形態は、基地局がモードを切り替えるか、または設定/制御される際の対象となる呼出しモードに関するものである。この呼出しモードは、BSがUEのスケジューリングおよび/またはこれに対するサービスを開始する時間を指す。一実施形態では、このハンドオーバ情報を、ハンドオーバ用ユーザ機器が取得すべき(すなわち、これに送信すべき)(残りの)データコンテンツとも結合していることが好ましい。
【0012】
このユーザ機器を、たとえば車両、自動車、船、飛行機、モノのインターネット(IoT)に属する装置、携帯電話、スマートフォン、またはそれ自体が移動するか、または移動させることができ、かつ基地局と通信している他の任意の装置で実現するか、あるいはこれらを使用して実現している。これらの基地局は、通信を処理し、かつハンドオーバを処理している任意の装置でもある。
【0013】
コーディネータ装置は、移動ユーザ機器の少なくとも1つの移動経路候補を算出している。この移動経路には、ユーザ機器が現在接続している現在の基地局の通信エリアから別の基地局の通信エリアに移動している間に発生し得る、少なくとも1つのハンドオーバに関するデータが含まれる。予想したこれらの1つまたは複数のハンドオーバに基づいて、コーディネータ装置はハンドオーバを行う可能性のある協調基地局のリストを作成し、次いでこのコーディネータ装置は、指定したこれらの基地局にハンドオーバの発生可能性に関して通知する。これを実行することにより、コーディネータ装置は必要なハンドオーバデータを基地局にもたらすことになる。これにより、円滑なハンドオーバが実現する。
【0014】
一実施形態によれば、このコーディネータ装置を、クラウドまたは任意の種類のサーバもしくはコンピュータ装置によって、少なくとも部分的に実現している。
【0015】
一実施形態では、さまざまなユーザ機器のハンドオーバを処理するように、コーディネータ装置を構成している。
【0016】
一実施形態によれば、ユーザ機器の所在位置および/または速度および/または移動方向および/または移動経路候補に関する情報を受信するように、このコーディネータ装置を構成している。
【0017】
一実施形態では、このコーディネータ装置にユーザ機器に関する情報をもたらすように、ユーザ機器を構成している。本実施形態では、ユーザ機器は、たとえば自身の所在位置または速度などに関してコーディネータ装置に通知している。本実施形態では、コーディネータ装置に対してデータを送信するようにユーザ機器を構成しており、また一実施形態では、このユーザ機器は無線通信システムの一部である。
【0018】
一実施形態によれば、ユーザ機器の少なくとも1つの移動経路候補に関するデータをデータベースから受信するように、コーディネータ装置を構成している。本実施形態では、ユーザ機器の移動経路または移動軌跡の候補を推定するための情報をもたらすデータベースを設けている。
【0019】
一実施形態では、ユーザ機器に関する情報に基づいて移動マップを生成するか、または更新するように、コーディネータ装置を構成している。本実施形態では、このコーディネータ装置はユーザ機器の移動に関するデータを使用して、予想される移動のマップを取得し、かつ/またはそのようなマップを更新する。
【0020】
一実施形態によれば、当該基地局がハンドオーバを行う1つの協調基地局としての役割を果たす場合に、コーディネータ装置に対して信号を送信するように、これら複数の基地局のうちの少なくとも1つの基地局を構成している。本実施形態では、ハンドオーバが発生する基地局は、このことに関してコーディネータ装置に通知する。
【0021】
一実施形態では、ハンドオーバが発生する場合にコーディネータ装置に制御信号を送信するように、ユーザ機器を構成している。本実施形態では、ユーザ機器はコーディネータ装置にハンドオーバに関して通知する。
【0022】
一実施形態によれば、待機リスト中の少なくとも1つの基地局に対して、当該ハンドオーバのタイムスタンプ候補を含むハンドオーバ情報をもたらすように、コーディネータ装置を構成している。ここで、待機リスト中の基地局には、ハンドオーバが発生し得る時間が通知される。
【0023】
一実施形態では、コーディネータ装置は、待機リスト中の少なくとも1つの基地局にタイマ延長を送信する。このようなタイマ延長によって、それぞれの基地局がハンドオーバを待機している時間が延長され、かつ/またはこれらの基地局が呼出しモードのままとなる。
【0024】
一実施形態では、ハンドオーバが発生しなかった場合に、タイムスタンプに続く所定の遅延時間経過後にこの呼出しモードを解除するように、待機リストに属する少なくとも1つの基地局を構成している。本実施形態では、ハンドオーバの予定時刻に続いて一定時間待機した後、ハンドオーバが発生しなかった場合、当該基地局は呼出しモードを解除する。
【0025】
一実施形態によれば、ハンドオーバが発生した場合に、発生したハンドオーバに関し、これらの基地局に呼出しモードの解除を指示する情報を待機リスト中の基地局にもたらすように、コーディネータ装置を構成している。本実施形態では、コーディネータ装置は、ハンドオーバが発生したことを待機リスト中の基地局に通知し、その結果この基地局が通常モードに入り、ハンドオーバの待機を中止できるようにする。
【0026】
一実施形態では、コーディネータ装置に対して、ユーザ機器と複数の基地局のうちの少なくとも1つの基地局との通信接続に関する制御情報を送信するように、ユーザ機器を構成している。本実施形態では、ユーザ機器はコーディネータ装置に当該基地局との通信に関して通知し、この通知は、たとえば通信の品質に関する情報を含む。
【0027】
一実施形態によれば、ユーザ機器の移動における少なくとも1つの軌跡の候補に基づいて、また基地局によってカバーされる通信エリアに基づいて待機リストを作成するように、コーディネータ装置を構成している。ここでコーディネータ装置は、ユーザ機器の移動経路候補を推定し、適切な通信エリアを備える基地局を識別する。
【0028】
一実施形態では、ユーザ機器に対して、当該ハンドオーバにおける複数のタイムスタンプ候補(または少なくとも1つのタイムスタンプ候補)および/またはハンドオーバ・コンポーネント・キャリアID(CCi:component carrier ID)および/または物理リソースブロック(PRB:physical resource blocks)および/または待機リスト中の少なくとも1つの基地局に関してフィードバックするように、コーディネータ装置を構成している。このうちの後者は、たとえばユーザ機器のセルリストレポートから予想されるT-eNB/T-gNB、またはコーディネータ装置の学習によって予想される別の対象を指す。こうした学習は、たとえば統計、それ以前のトラフィック、または学習アルゴリズムを通じて行われる。一実施形態では、ユーザ機器は、新たなT-eNB/T-gNBの候補を自身の隣接リストに追加修正する。
【0029】
一実施形態では、これらの複数の基地局は、地上基地局および少なくとも1つの非地上基地局を含む。ユーザ機器の移動における少なくとも1つの軌跡の候補が地上基地局によってカバーされている通信エリアを離れる場合に備えて、待機リストに少なくとも1つの非地上基地局を含めるように、コーディネータ装置を構成している。さらに、少なくとも1つの非地上基地局とユーザ機器との通信の遅延に基づいて、当該ハンドオーバのタイムスタンプ候補を含むハンドオーバ情報を、待機リスト中の少なくとも1つの非地上基地局にもたらすように、コーディネータ装置を構成している。本実施形態では、非地上基地局とのハンドオーバを想定している。この場合、コーディネータ装置は、ハンドオーバが発生し得るタイムスタンプに関する遅延時間補正を実行する。
【0030】
本発明は、上記および下記で説明している実施形態に従って構成される、ユーザ機器および/または基地局にさらに関する。
【0031】
本発明はユーザ機器にさらに関する。基地局と通信するように、ユーザ機器を構成している。さらに、好ましくはハンドオーバ中に、基地局の信号強度に基づいて複数の基地局のうちの1つの基地局に同期するように、ユーザ機器を構成している。これらの複数の基地局は、たとえば上記の待機リストおよび/またはセルリストによって割り当てられている。また、これらの基地局はT-eNBまたはT-gNBであることが予想される。別の実施形態では、たとえば自身の所在位置、自身の速度、または自身の移動経路に関するデータをコーディネータ装置に送信するように、ユーザ機器を構成している。
【0032】
一実施形態では、この場合の同期をシンボルレベル同期と考えている。一実施形態において、この場合、ユーザ機器が複数のT-eNBまたはT-gNB、すなわち異なる基地局と同時に同期することができる、デュアル/多重接続の機能を利用している。
【0033】
たとえば多重無線周波数(RF)フロントエンド、多重メモリバッファ、および多重/並列処理のようなより多くのユーザ機器機能を、複数のT-eNBまたはT-gNBによる同期を行う実施形態で活用している。
【0034】
本発明は、たとえば上記および/または下記で述べている機能を備える基地局にさらに関する。
【0035】
ハンドオーバ情報を受信した後、ユーザ機器に関連して発生し得るハンドオーバに対して呼出しモードに入るように、基地局を構成している。
【0036】
一実施形態によれば、送信モードまたはハンドオーバイベントのタイムスタンプが通知された(たとえば、呼出しモードにある)T-eNB/T-gNB、すなわち基地局は、ハンドオーバのタイムスタンプが開始された後に接続モードのままとなることにより、すべてのT-eNB/T-gNBが同じデータコンテンツをハンドオーバ用ユーザ機器に配信するようにしている。
【0037】
一実施形態では、複数のT-eNB/T-gNBによる送信を、ハンドオーバイベント中およびハンドオーバ直後の冗長性/重複を保証するために同期させなければならない。
【0038】
関与している基地局からの送信は、実施形態に応じて、以下の時点まで継続される。
【0039】
・タイマの期限が切れて(その後コーディネータ装置によって延長されない)、その後ユーザ機器がT-eNB/T-gNBに特に接続(アップリンクデータおよび制御を送信することによって)しなくなる時点。これは、ユーザ機器がeNB/gNBカバレッジ外にあるか、または別のセルからサービスを受けていることを示す。一実施形態では、コーディネータ装置は、必要に応じて信頼性を高めるために、タイマを延長する。
【0040】
・基地局が、リファレンスシンボルおよびパイロットを使用して、UL受信信号強度表示(RSSI:received signal strength indication)および/またはリファレンス信号受信品質(RSRQ:reference signal received quality)および/またはリファレンス信号受信電力(RSRP:reference signal received power)を監視している時点。信号強度のそれぞれの測定値(RSRP、RSRQ、RSSIなど)のうちの1または複数が低下するか、あるいはたとえば規定の閾値を下回った時点で、基地局はこの特定のユーザ機器に対する呼出し/送信/受信モードを解除する。
【0041】
・コントローラが解除信号を送信するとすぐに、基地局が呼出し/送信/受信モードの解除を行う時点。一実施形態で前述したように、タイマの延長も可能とすることができる。
【0042】
一実施形態によれば、ハンドオーバが発生しなかった場合に、発生し得たハンドオーバのタイムスタンプの期限が切れたのに続いて所定の遅延時間が経過した後に、呼出しモードを解除するように、基地局を構成している。
【0043】
代替的または付加的な実施形態では、ユーザ機器によって発信され、かつ基地局によって受信される信号の測定値が所定の閾値を下回った場合、呼出しモードを解除するように、基地局を構成している。
【0044】
代替的または付加的な実施形態によれば、これらの基地局に呼出しモードの解除を指示する情報を受信した後、呼出しモードを解除するように、基地局を構成している。
【0045】
一実施形態では、基地局および/またはユーザ機器に関する上記の実施形態は、通信システムに関する少なくとも1つの実施形態の一部である。
【0046】
この目的を、無線通信を処理する方法によっても達成している。
【0047】
本方法は、少なくとも以下のステップ、すなわち、
・ユーザ機器に関する情報に基づいてユーザ機器に関連して発生し得るハンドオーバのために協調基地局としての役割を果たす、少なくとも1つの基地局を含む待機リストを評価するステップと、
・この待機リスト中の少なくとも1つの基地局に対して、発生し得るハンドオーバに関するハンドオーバ情報をもたらすステップと、
・このハンドオーバ情報を受信した後、待機リスト中の少なくとも1つの基地局を呼出しモードにするステップとを含む。
【0048】
本システムの実施形態を、本方法によって実現することもでき、その逆も可能である。
【0049】
本発明は、コンピュータ上で実行すると、上記の実施形態におけるいずれかの方法を実行するプログラムコードを備えるコンピュータプログラムにさらに関する。
【0050】
少なくとも1つの実施形態では、本発明は、移動ユーザ機器に対して一種の事前予約を行う、たとえば地上および/または非地上の予測ハンドオーバに関する。一実施例では、このユーザ機器は高速移動車両である。
【0051】
さまざまな実施形態では、本発明は、ポジショニング、およびユーザ機器(UE:user equipment)の所在位置、速度、移動方向、推奨されるルーティングマップなどの識別を処理するさらに拡張されたシグナリングを利用してハンドオーバ手順を確定し、その上位層の複雑性を低減することを目的としている。
【0052】
一実施形態では、これらの値の少なくとも1または複数を1または複数のキャンプオンセルにフィードバックするように、ユーザ機器を構成している。
【0053】
本発明は、地上ネットワークまたは非地上ネットワーク、あるいは地上基地局および非地上基地局の両方で構成されるネットワーク内の基地局(BS:base-station)のグループを、コーディネータ装置の例としてのメインクラウド無線アクセスネットワーク(Cloud-RAN:Cloud radio-access network)または中央演算ノードもしくはエッジ演算ノードに共通に接続しているか、かつ/またはこれらに協調させており、この場合、従来のメカニズムよりも簡便にハンドオーバを処理することができる。
【0054】
一実施形態で提案しているユーザ機器によるフィードバック情報から、コーディネータ装置は(地上ノードおよび非地上ノードから選択した好ましい基地局リストから)最も適切な1または複数の基地局を識別することができ、この場合、ハンドオーバを実行する必要がある場合に、ユーザ機器が関与する可能性がある。
【0055】
その上、別の実施形態では、新たなターゲットセル内の直接ビームもそれ以前の情報に基づいて予測、かつこれにアクセスすることができる。したがって、本実施形態では、ハンドオーバ情報は、ハンドオーバに使用される基地局のビームに関するデータを含む。
【0056】
特定のエリアを移動するノードを継続的に監視することに基づいて、コーディネータ装置またはクラウドマネージャは、一実施形態では頻繁に更新される地理的道路交通マップを生成することにより、高速ハンドオーバ、すなわち提案しているシグナリング方式の他の方式をサポートしている。この道路交通マップの更新は、ユーザ機器のステータスおよびフローに基づいて行うことができる。
【0057】
一実施形態では、正確なポジショニング、移動予測、更新される道路交通マップ、および同じPLMN(公衆携帯電話網)における基地局間協調、または異なるPLMN間協調に基づいて、途切れのないシームレスハンドオーバの方法を提供する。
【発明の効果】
【0058】
本方法により、無線リンク障害およびハンドオーバ失敗が大幅に最小化される。さらに、本方法により、単一のユーザ機器によるハンドオーバとユーザ機器のグループによるハンドオーバとが保証されることになる。
【0059】
本開示およびその利点への完全な理解をもたらすために、添付の図面と併せて以下の説明をここで参照する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】無線通信システムの概略的な一実施形態を示す。
【
図2a)】無線通信システムにおける、1台の車両による軌跡を示す。
【
図2b)】無線通信システムにおける、1台の車両による軌跡を示す。
【
図3】無線通信システムのさまざまな通信エリア内での、1台の車両の移動を示す。
【
図4】ハンドオーバの一実施形態によるステップのシーケンスを示す。
【
図5】ハンドオーバの処理に関するフローチャートを示す。
【
図8】シームレス/自動ハンドオーバ中の、異なるコンポーネントまたは無線通信システムによる相互作用をフローチャートで示す。
【
図9】「リソースの解放」に関する
図8の一部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本明細書に記載しているいくつかの実施形態は、基地局がモードを切り替えるか、または設定/制御される際の対象となる呼出しモードに関するものである。呼出しモードは、BSがUEのスケジューリングおよび/またはこれに対するサービスを開始する時間を指す。
【0062】
図1に示す無線通信システムは、異なる通信エリア3、3’をビームがカバーしている、さまざまな地上基地局2、2’を備える。これらの基地局2、2’をコーディネータ装置4に接続している。基地局2、2’からの異なるビームも示しており、一実施形態では、発生し得るハンドオーバに関連する情報の一部として、これらのビームにコーディネータ装置4がまた特に対処している。
【0063】
図2は、無線通信システム1における、ユーザ機器10の一例としての1台の車両による2つの異なる移動経路または移動軌跡を示す。ユーザ機器を車両に限定しておらず、たとえばこれは、モノのインターネットに属している可能性がある。
【0064】
無線通信システム1は、異なる通信エリア3、3’をカバーしているさまざまな基地局2、2’を備える。車両10と通信している現在の基地局2は、
図2a)および
図2b)では右下の位置に設置されている基地局2である。
【0065】
車両10はここで左方に移動するが、道路の分岐点で上側道路または下側道路のいずれへも進むことができる。ここでは、この道路を灰色の網掛けで示している。進む道路に応じて、上側の基地局2または下側の基地局2’のいずれかとのハンドオーバを実行する必要がある。左側の基地局がシームレスハンドオーバに適していないことは自明である。
【0066】
車両10の現在の所在位置(右側)とその速度とに基づいて、またさらに移動経路候補に関する情報に基づいて(たとえばマップに基づいて)、ハンドオーバが発生するタイミングを示す2つのタイムスタンプT1およびT2を算出することができる。
【0067】
図2a)では、本車両は分岐点を右方に曲がるので、上側の基地局2とのハンドオーバが発生することになる。
図2b)では、下側の基地局2’とのハンドオーバが実行される。
【0068】
このため、カバーエリアの中央にある2つの基地局2、2’は呼出しモードになり、必要なデータを受信する。
【0069】
したがって、さまざまな実施形態に応じて、以下の条件を設けている。
【0070】
1.多重協調セルを有するネットワークを、たとえば集中型クラウドRAN、および/または分散型マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)ノードと共に設ける。ここでの協調は、単一のユニットまたは異なるサブユニットのいずれかによって設けているコーディネータ装置で共に組み合わせられる。
【0071】
2.ここではたとえば、道路交通マップおよび/または道路方向および/または道路強度分析に関する情報が付与される。これはオフラインで生成されるか、かつ/または更新され続けるかのいずれかとなる。
【0072】
3.ユーザ機器の一例としての自動車の移動方向は、たとえば推定であるか、かつ/または予測される。代替的にまたは付加的に、自動車の速度は、たとえば報告または算出される。
【0073】
4.ユーザ機器、たとえば自動車の所在位置は、実施形態に応じて能動的に監視され、かつ/またはコーディネータ装置に報告される。さらに、一実施形態では、この所在位置は移動車両の走行時間に合わせて追跡される。
【0074】
したがって、待機リストは、UEの1つまたは複数の経路に沿った基地局を含んでいてもよく、各経路に沿って1つ、とりわけより多くのeNBが存在していてもよい。eNBは、ユーザ機器がこのeNBの範囲内にあると予想されるユーザ機器の時間または時間間隔を示すタイムスタンプと関連付けられていてもよく、それぞれ呼出しモードの開始を示している。全マップの送信を回避するために、ウェイポイント、ウェイポイント/量子化ポイントおよび/またはベクトルの受信または送信のローカル時間値によって、当該経路を表していてもよい。たとえば、四次元、x軸、y軸、z軸、およびタイムスタンプを含む量子化ベクトルを取得してもよい。すなわちウェイポイントを、三次元ポジショニング値および時間情報を含む三次元ポジショニング値または四次元ポジショニング値と呼ぶ場合がある。
【0075】
図2aおよび
図2bに示す両方の経路は、ユーザ機器の進む道路によって決まる代替案を表していてもよい。ただし、両方の代替案または両方のうちの一方の代替案のみが待機リストで表示される場合がある。あるいは、より多くの代替経路を待機リストに含めている場合がある。コーディネータ装置または一連の協調基地局における1つの基地局に対して、UEの経路における複数のウェイポイントを含む経路情報と、UEが複数のウェイポイントに存在していると予想される際の時間値(基準時間から算出されるか、または正確な基地局タイミングに変換される)を示す時間情報とを送信するように、ユーザ機器を構成していてもよい。
【0076】
図3は、3つの異なる通信エリア3、3’、3’’をカバーしている3つの基地局2、2’、2’’を備える無線通信システム1を示しており、ここでも通信エリア3、3’、3’’がオーバーラップしている。基地局2、2’、2’’をコーディネータ装置4に接続している。別の実施形態では、基地局2、2’、2’’を互いに接続させている。
【0077】
ユーザ機器10の一例としての1台の車両は時間軸に沿って移動し、3つの異なる基地局2、2’、2’’との無線通信に関してカバーされる3つの異なる時間でこれを示している。
【0078】
例示的なユーザ機器10としての本車両がここでの第1の基地局2の通信エリア3を離れるとき、タイムスタンプT1で第2の基地局2’とのハンドオーバが発生する。第2の基地局2’の通信エリア3’内を移動すると、車両10は、カバーされていないエリア(サポートされている地上RAT、たとえばLTEまたは3Gがない)またはカバーされていない場所を有するエリアに移動することが明らかになる。このため、非地上基地局2’’としての衛星および/またはHAPへのハンドオーバがここでは重要になる。この場合、コーディネータ装置4は、衛星への初回アクセス時の往復時間(RTT:round-trip time)遅延(ハンドオーバのトリガ時間)を補正する必要がある。
【0079】
このため、コーディネータ装置4は、衛星/HAPカバーエリアへのハンドオーバトリガタイムスタンプを算出して、実際に必要なハンドオーバタイムスタンプ(たとえばT1)とし、これによって衛星/HAP2’’とコーディネータ装置との間の送信遅延t/1、および衛星/HAP2’’からユーザ機器10に信号を送信するのにかかる時間の遅延、すなわちt/2の両方を、このタイムスタンプから低減するようにしなければならない。
【0080】
T2=T1予想-HO-t/1-t/2
待機リストの計算およびそれぞれの基地局に送信される必要なデータは、示している実施形態において、たとえば道路交通マップを含むデータベース5のデータに基づいている。
【0081】
衛星/非地上ノードをT-gNB/S-gNBと呼ぶ場合もあり、あるいはこれらは異なるRAT(radio access technology(無線アクセス技術))である可能性もある。ここではこれは、基地局のさまざまな名前および/または例である。
【0082】
いくつかの実施形態に関して異なる表現で以下において説明している。
【0083】
ある方法および装置は、高速移動ユーザ機器、たとえば車両において、ハンドオーバ予測を使用しながら、たとえば同じRAT基地局間および/または異種RAT基地局間でのシームレスハンドオーバをサポートしている。ハンドオーバ(HO)予測の場合、コーディネータ装置の例としてのクラウドコーディネータまたはマルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)が、ユーザ機器支援測定値に基づいてHO条件を予測または推定しなければならない。
【0084】
この方式および少なくとも1つの実施形態では、ユーザ機器の所在位置および/またはユーザ機器の速度が、ユーザ機器と通信している基地局へのフィードバックとなり、その後コーディネータ装置に送信されることになる。さらに、ユーザ機器は、ナビゲーション移動経路および移動方向に関する結果を定期的にコーディネータ装置にフィードバックしてもよい。
【0085】
ユーザ機器に関する情報に基づいて、ユーザ機器の移動方向ならびに所在位置および/または次に発生し得るハンドオーバのタイムスタンプを予測することができ、また既存の道路交通マップを活用して、発生し得るハンドオーバの方向を推定することができる。また、移動方向と予想されるハンドオーバとを正確に生成する際の失敗の確率は、ノードの多重選択性につながる。このため、ネットワーク内のユーザ機器の遷移を予測する一方で、これらのノードが示すそれぞれの位置を考慮する必要があり、これはすなわち、ユーザ機器が(意図的に)方向転換したか、またはこの方向に関する計算に誤りが発生した可能性のある場合に、ユーザ機器が関与し得る2つ以上の基地局候補を予測するということを意味する。
【0086】
発生し得るハンドオーバのために1または複数の基地局を選択した後(これが待機リストを指す)、コーディネータ装置またはコントローラは、待機リスト中のこれらの基地局に信号伝達して、実施形態に応じて以下のことを実行するようにしており、これらはすなわち、
・1または複数の基地局に対して、タイムスタンプ候補、および移動ユーザ機器へのハンドオーバで必要となるハンドオーバ頻度を通知する。
【0087】
・各基地局の現在のPRBから開始し、これが可能でない場合は、同じ周波数または別のキャリアで現在のPRBとは異なるフリーのPRBを選択する。
【0088】
・ユーザ機器によるRACHなしの接続、RACHの複製、および/またはIDの複製を、同じPLMNまたはプロビジョニングされた異なる複数のPLMN内のMMEでこれを処理する可能性のある基地局それぞれに対して開始する。
【0089】
・各基地局候補のタイムスタンプ、ハンドオーバ頻度および専用PRBを伝達し返す。
【0090】
・選択された基地局のいずれかによって移動するとすぐに、ユーザ機器はこの特定の基地局へのPUSCHおよびPUCCHによる送信を継続する。
【0091】
・選択された基地局のうちの1つがユーザ機器との送信/受信(Tx/Rx)に成功している限り、当該基地局はコーディネータ装置にこのことを伝達し返すか、またはコントローラエンティティが有効な接続を検出する。
【0092】
・冗長基地局で時間切れとなるか、またはコントローラエンティティが予約(未使用の)基地局にリソースの解放を伝達し返す。
【0093】
・今後のハンドオーバ予測タイミングも同様に処理することができる。
【0094】
上記の詳細は、コーディネータ装置によって待機リスト中の基地局に送信されるハンドオーバ情報の例をも示している。
【0095】
RAT基地局間/異種RAT基地局間での予測を伴う、提案しているハンドオーバ手順の詳細に関しては、
図4を参照されたい。T-eNB2はハンドオーバに成功している基地局であり、CCiはすなわち、コンポーネントキャリア番号iである。
【0096】
少なくとも1つのユーザ機器10またはユーザ機器のグループがあり、ソース基地局(ソースgNB)と、2つの受信基地局(ターゲットgNB1およびターゲットeNB2)候補と、コーディネータ(たとえば、クラウドRANコーディネータ)とが存在する。本明細書で受信基地局と呼んでいる基地局を同義的に協調基地局と呼ぶことができるようにするために、それぞれの基地局2、2’を協調させるように、このコーディネータを構成している。コーディネータ4はハンドオーバ予測を実行し、次いで受信基地局候補2、2’’に発生し得るハンドオーバを通知する。ハンドオーバが発生していない場合、タイムスタンプは解放時間と関連付けられることになる。コントローラ4は、ハンドオーバが発生した場合、基地局に通知することもできる。ここで、基地局の割当てはそれぞれのビームのことにも関係している。一実施形態では、ユーザ機器は、たとえば信号強度に基づいて、ハンドオーバを行う受信基地局を決定している。点線12aおよび12bならびに売線14a-1、14a-2、14b-1および14b-2によって示すように、ここでの通信のやり取りは、2つのノード間の論理リンクまたは仮想リンク12a/12bを含んでいてもよい。そのような仮想リンクは、1または複数のホップまたは物理リンク14a-1および14a-2、14b-1および14b-2をそれぞれ含んでいてもよい。すなわち、ユーザ機器(UE)10とコーディネータ4との通信を、表示しているソースgNBなどのさまざまなノード、および/または複数のUEもしくはリレーなどの他のノードを介して実行していてもよい。
【0097】
この後、さまざまな実施形態およびそれらで想定される組み合わせに関する技術的観点の概要が続く。
【0098】
ユーザ機器に関して、たとえば高速移動車両の場合、
ユーザ機器予想から、ユーザ機器は(拡張されたV2Xシグナリングに従って)送信を示唆するか、または高速移動モードになると仮定して、地上および非地上ネットワークへの送信を既に開始している。
【0099】
サービング基地局ならびに優先基地局リストおよび/または優先ビーム(ユーザ機器がキャンプオンした基地局に伝達し返している)は、移動ユーザ機器の意図した通信における意図した方向および/または移動速度および/または優先サービス品質表示によって通知されている。ユーザ機器は、すべての優先基地局の受信信号強度(たとえば、リファレンス信号受信電力(RSRP)および/またはリファレンス信号受信品質(RSRQ))に関する測定レポートをさらに送信してもよい。
【0100】
追加のパラメータをフィードバック情報および測定レポートに追加することができ、これらはたとえば、予想されるトラフィック持続時間、予想されるキャリアアグリゲーションの必要性、予想されるクリティカリティへの高まり、および予想される優先無線アクセス技術(RAT)などである。
【0101】
エッジコンピュータまたは集中型クラウドRANまたはセルの協調ノード(もしくはコーディネータ装置として協調ジョブを実行する任意の適切なエンティティ)は、以下の例示的な実施形態の1または複数から、次に関与する可能性のある1または複数のeNB/gNBを算出する。
【0102】
1.移動方向および/または速度。
【0103】
2.収集される交通地形図および交通情報であって、これらは移動車両から徐々に収集され、それ以前のハンドオーバ、移動ユーザの所在位置、および車両の交通履歴に基づいて、これらを調整することができる。
【0104】
3.道路地形図。
【0105】
4.道路地形図、および予想される次のハンドオーバの確率モデル。これを、中央装置に適用される学習/深層学習ベースのアプローチとすることができる。
【0106】
この後、協調リソース割当てに関するいくつかの実施形態および実施例が続く。
【0107】
コーディネータノード、エッジクラウド、またはコーディネータeNB/gNB側
これらのエンティティのいずれか/一部/すべては、(報告された推定速度から)次に発生し得るハンドオーバの時間を概算し、複数の優先eNB/gNBに指示して、以下のリソース割当てを回避している。
【0108】
リソース割当て
a)可能であれば、まったく同一の物理リソース(時間領域、周波数領域、コード領域、および電力領域)。測定/報告されたSINRがHO閾値よりも高い場合、このリソースの退避ができるeNB/gNBを優先する。
【0109】
b)上記のステップを実行できない場合、コーディネータは、少なくとも同じキャリア内で別のリソースを供給できるeNB/gNBを選択する。
【0110】
c)上記のステップを実行できないが、例外的なTX/RXプールが利用できる場合、これらのリソースが意図したTX/RXターゲットまたはこのTX/RXターゲットを途切れなく継続させるのに十分であれば、当該eNBはこれらのリソースを、HOを行うために選択する。
【0111】
d)上記のステップでさえ実行できない場合(トラフィック制限により)、同じPLMNキャリア間でHOが実行できるのであれば、隣接セルの異なるキャリアからHOのリソースを選択することができる。
【0112】
e)たとえば輻輳または他の何らかの理由によって上記のステップを実行できない場合において、別のPLMNキャリアのHOがサポートされているときは、情報および/または所在地および/または登録契約が有効であれば、ローミングセルの候補からHOを選択することになる。
【0113】
f)上記のすべてが失敗した場合、利用可能なリソースがあり、ユーザ機器がその所在地を知らないリレー・トゥ・ネットワークに当該HOを送信してもよい。
【0114】
g)カバレッジ全体を使用し、かつ上記のすべてに失敗した場合において、衛星のバックホーリングがサポートされているときは、衛星のHOの閾値(接続遅延、データレート、およびSINR)が満たされるのであれば、当該PLMNの利用可能な衛星チャネルからHOを選択してもよい。
【0115】
これらのステップの一部またはすべてを実行してもよい。それ以前のステップを実行したが、できなかった場合、すなわち失敗した場合、別のステップを実行してもよい。とりわけ、ハンドオーバによってリソースを交換する場合、ユーザ機器は当該ハンドオーバを遅延させて、たとえばデータ交換において別の中断が発生するのを回避するために、当該交換が完了した後にリソースの交換を実行するように、現在のデータ交換を完了するようにしてもよい。
【0116】
同期
シームレスハンドオーバを保証するために、コーディネータ装置は、1または複数の新たなターゲットセルのフレーミング/時間シーケンス、正確な周波数値、および相対周波数のずれ(発生する場合)を、HO処理のタイムスタンプを受信するよりも十分早期に合流するユーザ機器に送信する必要がある。ユーザ機器は、少なくとも第1および第2の通信インターフェースを使用するデュアル接続(またはさらに高次の、すなわち多重接続)がサポートされている場合、当該ハンドオーバ発生前にユーザ機器が関連付けられているソース基地局に加えて、2つ以上のeNB、すなわち、たとえば合計で少なくとも3つの基地局に同期してもよい。すなわち、ハンドオーバ中、かつソース基地局に接続されている間に、一連の協調基地局における第1および第2の基地局に接続される(送信および受信を行う)ように、ユーザ機器を構成していてもよい。
【0117】
待機リストに基づいて呼出しモードの開始を指示するタイムスタンプ/情報を受信するように、両方の基地局を構成していてもよい。移動経路を認識しているUEによって時間情報を生成し、その結果、場合によっては量子化されたウェイポイントのベクトルをユーザ機器によって供給するようにしてもよい。ユーザ機器から受信した応答に基づいて、基地局はそれぞれ、ユーザ機器にリソースを供給し続けてもよく、これはすなわち、ユーザ機器が、第1の基地局からの第1の信号と第2の基地局からの第2の信号とを受信した後、第1および第2の基地局、または第1の基地局のみ、あるいは第2の基地局のみにそれぞれ応答信号を送信し、これにより、両方の基地局またはそれらのうちの一方のみへのハンドオーバを実行する決定をしてもよいことを意味し、その際UEを、より多くの基地局に接続することもできる。ユーザ機器と第1の基地局との間の第1のリンク品質にのみ基づいて、またユーザ機器と基地局との間の第2のリンク品質に基づいて、応答信号を第1および第2の基地局に送信するか、または第1の基地局のみに送信するかを決定するように、ユーザ機器を構成していてもよい。代替的にまたは付加的に、たとえばデータスループット、リソースの可用性、基地局がユーザ機器にサービスを提供する時間間隔など、他の任意のチャネル条件を使用してもよい。
【0118】
したがって、ここでの同期を、フレーミング、時間シーケンス、正確な周波数値および相対周波数のずれ、および/またはそれらの任意の組み合わせに対する同期のうちの少なくとも1つとしてもよい。これらの正確な同期シグナリングを、時間フレーミング/タイムスタンプ/周波数オフセット情報の形式でユーザ機器に送信する必要がある。
【0119】
この同期情報には、予想できるすべての代替ターゲットセル、すなわち基地局からの情報をすべて含める必要がある。
【0120】
本ステップでは、[3]および[4]のようにデュアル接続同期メカニズムを再利用してもよい。
【0121】
このように信号伝達された基地局リストのうちの基地局候補に接近するとすぐに、1または複数のユーザ機器は、アップリンク上で送信する(RACHなしメカニズムで)前に、(1または複数の)基地局候補のブロードキャスト同期信号を利用して粗同期を行い、かつ適切なターゲットセルのフレーミング時間および周波数オフセットを適用しなければならない。
【0122】
セルの協調が正確である場合、ユーザ機器は、シンボル同期を補正できるのであれば、粗同期を行う必要なくブロードキャストされたタイムスタンプを適用してもよい。さらに微同期を適用する場合がある。
【0123】
一実施形態では、以下のいずれかの時点まで、コーディネータエンティティのいずれか/一部/すべてが1または複数の車両、すなわち少なくとも1つのユーザ機器を監視し続ける。
【0124】
a)当該カバレッジエリアを離れる時点、
b)自身の状態を、たとえば非アクティブ状態に変更する時点、または
c)移動を中断したか、または特定のタイマ(非アクティブタイマ)であるT非アクティブよりもネットワーク内の1つに長時間キャンプされている時点。1または複数の車両が短い交通渋滞や信号で足止めされないことを保証するように、このタイマを構成している。
【0125】
以下に、ユーザ機器のさまざまな実施形態におけるいくつかの特徴を示す。
【0126】
一実施形態では、1または複数のユーザ機器はeNB/gNBに対して(可能な場合)、以下の条件のうちの1または複数もしくはすべてに関して通知する。
【0127】
a)非常に超高信頼かつ低遅延な通信(URLLC:ultra-reliable and low latency communication)。
【0128】
b)セミプレセンテンススケジューリング(SPS:Semi-presentence scheduling)送信、または許可要求の送信によるデータ送信の開始
c)開始された送信の継続優先度(バッファステータスレポート(buffer-status report、BSR)による)。
【0129】
d)速度監視情報。
【0130】
e)1または複数の意図したナビゲーション方向の候補。
【0131】
f)報告された優先eNB/gNBリストと品質インジケータ(RSRP/RSRQなど)
g)交通状況を報告する(速度、移動性、他車両までの距離などの内部センサ情報を共有する)。
【0132】
予測ハンドオーバの手順:
従来の無線通信によるハンドオーバ手順を、一実施形態では以下のように拡張している。
【0133】
-コーディネータノード、エッジクラウド、またはコーディネータeNB/gNB、もしくは総じてコーディネータ装置は、自身(自身ら)において事前許可を得ていると予想される1または複数の高速移動ユーザ機器車両などを選択し、たとえば協調リソース割当てに関して述べている方法に従って、退避させたリソース上で重要な通信を送信または推定するようにこれらに指示する。
【0134】
-コーディネータ装置は、リソースの事前予約の決定に関与しているeNB/gNBの1または複数に対して、指示したタイムスタンプおよび事前に割り当てたリソースに応じて、(たとえば、協調リソース割当てに言及して提案している実施形態に基づいて)ユーザ機器の送受信条件を予測かつ推定/処理するように指示する。
【0135】
-ユーザ機器がeNB/gNB無線カバレッジエリアに到着する前に(予想タイムスタンプで予測されるイベントであるため)、レガシーハンドオーバ(HO)手順におけるすべての関連付け/接続確立メッセージを大幅に簡略化/削減かつ/またはオフラインで自動的に実行することができる。したがって、ハンドオーバタイマ、たとえばLTEのT304およびT310[1、2]は、可能であれば再設定、調整、または解除することができる。
【0136】
-新たな定義に従って処理の複雑性がより縮小された/低減された中で、上位層の手順がサポートされていてもよい。ただし、上位層はIPローミング/交換と上位層の情報ハンドオーバ、すなわち圧縮やセグメント化などに関して対処する必要がある。
【0137】
予測ハンドオーバのシグナリング
eNB/gNBに対するユーザ機器のアップリンクシグナリングは、さまざまな実施形態において以下を含む。
【0138】
a)速度、位置座標、または意図した移動方向(ナビゲーションベースのシグナリングに基づく)のうちの1または複数に関するインジケータ
b)高速走行移動に合わせてほぼ一定の/同一のQoSで、当該通信が緊急の/重要な/極めて重要な通信であるかどうかを推定するためのインジケータ
c)SPSを開始するか、または新たな許可要求を開始するためのインジケータ
d)シグナリングフィールドが情報を搬送する
e)ユーザ機器は、スケジューリング要求またはSPSを使用して、現在使用が許可されているリソースを解放する意思を信号伝達してもよい。このリソースの解放が、主サービングeNB(S-eNB)だけでなく1または複数の新たなハンドオーバターゲットスィール(TeNB)候補でも実行されることになる。接続解除するユーザ機器のリソースを、この接続解除するユーザ機器の主セルおよび/またはターゲットセルへのハンドオーバを希望する他の緊急ユーザに向けて退避させるのに十分な速度で、この解放を行う必要がある。この場合、リソースの解放メッセージは、この高速予測ハンドオーバ手順中に必須となる。
【0139】
eNB/gNBは、さまざまな例示的実施形態において、以下を信号伝達する。
【0140】
a)緊急のハンドオーバ要求のタイムスタンプ/タイムオフセットと新たなリソース/SPS範囲
b)新たなセルlD(ユーザ機器の優先リストから選択肢を絞るか、または地理情報および測位情報に基づいてこれ(これら)が選択される)
c)新たなリソース、変調コーディング方式、および他のレガシーシグナリング(必要に応じて)
一実施形態によるユーザ機器の一時的ID
ここで提案している高速ハンドオーバ中に、eNB/gNBまたはホストコンピュータは、ネットワークによって定義される、実RNTI(radio network temporary identifier:無線ネットワーク一時識別子)と連結された一時的HO ID(THO-ID)を示す。このTHO-IDは疑似一意IDであり、すなわち合流するユーザ機器が同じ地理的エリアまたはセル内の他のユーザ機器と競合し合わないことを保証している。ユーザ機器が高速移動を開始するとすぐに、このIDが付与され、すべてのサービングセル(S-Cell)またはターゲットセル(T-cell)にマークが付けられる。セルはRNTIとTHO-IDとの間を移動することができる。ただし、ユーザはTHO-IDで参照されている。このTHO-IDの一意性は、特定の地理的エリアに制限される場合がある。
【0141】
一実施形態による非地上ネットワークへのハンドオーバ
ユーザ機器が地上のカバーされていないエリア(サポートされている地上RAT、たとえばLTE、3Gなどがない)、またはカバーされていない場所を有するエリアに移動すると予測される場合、衛星への初回アクセス時の往復時間(RTT)遅延(ハンドオーバのトリガ時間)を補正するようにコーディネータ装置を構成しているのであれば、非地上基地局としての衛星/HAPへのハンドオーバは可能となる。このため、コーディネータ装置は、衛星/HAPカバーエリアへのハンドオーバトリガタイムスタンプを算出して、実際に必要なハンドオーバタイムスタンプ(たとえばT1)とし、これによって衛星/HAPとコーディネータ装置との間の送信遅延t/1、および衛星/HAPからユーザ機器に信号を送信するのにかかる時間の遅延、すなわちt/2の両方を、このタイムスタンプから低減するようにしなければならない。
【0142】
T2=T1予想-HO-t/1-t/2
この式は、ハンドオーバがT1で保持されている間に、コーディネータ装置がわずかに早く(T2で)ハンドオーバをトリガしていることを意味する。
【0143】
UEは、基地局に応答することにより少なくとも2つの基地局のうちの1つを選択すると記載しているが、UEは、両方の、またはさらに多くの基地局に応答し、その結果これらの基地局とハンドオーバを実行し、これによって多重接続を実現してもよい
プラトーン走行とグループハンドオーバ
本実施形態は、さまざまなユーザ機器をプラトーン走行で編成するために、グループハンドオーバを必要とする事例を示している[5]。たとえば、ユーザ機器のグループを同じ場所、たとえば電車内、自動車内、または飛行機内に物理的に接続している。
【0144】
この場合、上記のすべての実施形態を以下に同様に適用する。
【0145】
-プラトーン接続中のすべてのユーザ機器は、上記のようにハンドオーバを実行する。先行のユーザ機器がハンドオーバを実行しているか、それともより多くのユーザ機器がプラトーンエンティティによって定義されているか。
【0146】
-グループ内のすべてのユーザ機器は、上記のようにハンドオーバを実行する。
【0147】
図5は、ハンドオーバを処理するための一実施形態を示す。
【0148】
ステップ100で、ユーザ機器に関する情報を取得する。これは、たとえばユーザ機器の所在位置(二次元または三次元)、時間値、および速度を示している。ステップ101で、この情報に基づき、かつ追加のデータ、たとえば当該ユーザ機器が位置する地域のマップに基づいて、ユーザ機器の少なくとも1つの移動経路候補を推定する。この少なくとも1つの移動経路候補に基づいて、ステップ102で、ハンドオーバの受信基地局としての役割を果たすことができる基地局を示す待機リストを作成する。このリストからの少なくとも1つの基地局候補に対して、ステップ103で発生し得るハンドオーバに関して通知し、ハンドオーバに必要なデータを送信する。ステップ104で、この待機リスト中の通知を受けた基地局は、ハンドオーバを待機する呼出しモードに入る。
【0149】
【0150】
ステップ150で、基地局は発生し得るハンドオーバに関するデータを受信し、ステップ151で呼出しモードに入る。これにより、基地局はステップ152でハンドオーバを待機する。発生し得るハンドオーバのタイムスタンプに特定の閾値を加えた時間までにハンドオーバが発生しなかった場合、基地局はステップ153で呼出しモードを解除する。ハンドオーバが発生した場合、基地局はステップ154でユーザ機器と通信する。あるいは、コーディネータ装置がハンドオーバに関して基地局に通知し、その結果基地局は呼出しモードを解除する。別の実施形態では、コーディネータ装置は、基地局に時間延長を送信し、基地局はそれに応じてハンドオーバをより長く待機する。
【0151】
図7は、移動中に基地局と通信するユーザ機器の動作を示す。
【0152】
ステップ200で、ユーザ機器は自身の所在位置に関する情報をコーディネータ装置に送信する。ステップ201で、ユーザ機器はさまざまな基地局に接続できる場所に到達する。ステップ202で、ユーザ機器は、信号強度に基づいて基地局との同期を実行する。
【0153】
図8のフローチャートはコントローラ(コーディネータ装置の別名)の初期化から始まり、この初期化には、たとえばネットワーク接続の開始、オフラインマップおよび道路方向マップの作成、およびトラフィック統計の初期化が含まれる。
【0154】
これにユーザ機器によるデータの送信が続き、このデータは、たとえば測定レポート(CQI、RSRPなど)、速度および移動方向、ナビゲーション情報、およびユーザ機器が優先するか、または少なくとも認識している基地局のリストである。ハンドオーバを予定することにより、自動ハンドオーバを実行してもよい。ハンドオーバの事前スケジューリングを行うことにより、ユーザ機器が使用する基地局からのリソース要素(時間周波数/コード/フレームなど)を予約/ブロックしてから、基地局のハンドオーバユーザがハンドオーバ後もユーザ機器にサービスを提供するようにできる可能性がある。これにより、ユーザ機器は容易に送信および/または受信を継続できるため、シームレスハンドオーバが実現する可能性がある。
【0155】
これに続いて、この移動経路またはこれらの移動経路に沿った、移動経路および/または基地局/アクセスノード候補に関するハンドオーバ予測が行われる。複数の基地局が、特定のタイムスタンプでハンドオーバを実行できる状態に設定される。これらの基地局では、リソースは次のように解放される。まず同じリソースが最初に、次いで同じキャリアの異なるリソース、最後に異なるキャリアの異なるリソースの順となる。これには、コーディネータが異なる基地局で同じリソースの予約またはブロックを試みることが含まれ得、これによってハンドオーバ中にUEが送信を継続できるように、すなわちシームレスハンドオーバを実行できるようにしている。この予約には、時間、時間間隔または予約を示すタイムスタンプが含まれ得る。予約などができない場合、コーディネータは、少なくとも同じキャリアで別のリソースの予約またはブロックを試みてもよい。
【0156】
次のステップではハンドオーバを待機する呼出しモードで設定された基地局に言及しているため、地点Cからから
図8および
図9を検討することになる。本ステップではすべての基地局に言及しているが、ユーザ機器はこれらの基地局のうちの1または複数(多重接続を使用)を選択する。
【0157】
「リソースの解放」というボックスを
図9に示しており、そこから「B」の場合、すなわちそれぞれの基地局がユーザ機器のハンドオーバに対する受信基地局ではない場合に進んでいる。
【0158】
タイムスタンプに基づくそれぞれのタイマの期限が切れ、かつ/またはコントローラが終了信号を送信すると、基地局および/またはそのリソースは別のユーザ機器および/または新たなハンドオーバのために解放される。
【0159】
タイマの期限が切れなかった場合、チャートは地点「C」に戻ることになる。タイマの期限が切れ、なおかつ終了信号を受信しなかった(タイマの期限切れで終了信号が必要な場合)場合において、コーディネータ装置がタイマ延長信号を送信しなかったときは(すなわち、それぞれの基地局がハンドオーバを待機するのに必要な時間の延長)、同じことが起こる。
【0160】
図8に戻って参照すると、少なくとも1つの基地局とのハンドオーバが発生した場合、ユーザ機器が依然として動作しているのであれば、予測が継続されることになる。
【0161】
予想される適用分野は以下のとおりである。
【0162】
-遅延制限のある(ミッションクリティカルな)通信車両サービス、
-ハンドオーバにおけるQoS持続可能性サービス、
-超高信頼の通信、
-拡張された車車間・路車間(V2X)サービス、
-無人航空機(UAV)、
-地上との接続機能(空対地接続)のある飛行機、
-プラトーン走行車群、
-衛星のバックアップカバレッジ、および
-モノのインターネット(IoT)。
【0163】
ある装置に関連していくつかの態様を記載してきたが、ブロックまたは装置が方法ステップまたは方法ステップの特徴に相当している、対応する方法の説明をもこれらの態様が表していることは明らかである。同様に、方法ステップに関連して記載しているいくつかの態様は、対応する装置において相当するブロックまたは要素もしくは特徴の説明をも表す。方法ステップの一部またはすべてを、たとえばマイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータ、または電子回路のようなハードウェア装置によって(またはこれを使用して)実行してもよい。いくつかの実施形態では、最も重要な方法ステップのうちの1または複数を、そのような装置によって実行してもよい。
【0164】
特定の実装要件に応じて、本発明の実施形態をハードウェアまたはソフトウェアに、あるいは少なくとも部分的にハードウェアに、または少なくとも部分的にソフトウェアに実装することができる。この実装を、電子的に読み取り可能な制御信号が記憶されたデジタル記憶媒体、たとえばフロッピーディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリを使用して実行でき、これらの制御信号はそれぞれの方法が実行されるように、プログラマブルコンピュータシステムと協働している(または協働することができる)。したがって、このデジタル記憶媒体をコンピュータ読み取り可能とすることができる。
【0165】
本発明によるいくつかの実施形態は、本明細書に記載の方法の1つが実行されるように、プログラマブルコンピュータシステムと協働できる、電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアを含む。
【0166】
通常、本発明の実施形態を、プログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品として実装することができ、このプログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに、これらの方法の1つを実行するように動作する。このプログラムコードを、たとえば機械読み取り可能なキャリアに記憶させてもよい。
【0167】
他の実施形態は、機械読み取り可能なキャリアに記憶された、本明細書に記載の方法の1つを実行するコンピュータプログラムを含む。
【0168】
したがって、本発明の方法の一実施形態は、換言すれば、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、本明細書に記載の方法の1つを実行するプログラムコードを備えるコンピュータプログラムである。
【0169】
このため、本発明の方法の別の実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するコンピュータプログラムを備え、それが記録された、データキャリア(またはデジタル記憶媒体、もしくはコンピュータ可読媒体)である。データキャリア、デジタル記憶媒体、または記録済み媒体は通常、有形かつ/または非一時的である。
【0170】
したがって、本発明の方法のさらに別の実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号シーケンスである。このデータストリームまたは信号シーケンスを、たとえばインターネットなどのデータ通信接続を介して転送されるように構成していてもよい。
【0171】
さらに別の実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するように構成または適合された処理手段、たとえばコンピュータ、またはプログラマブル論理装置を含む。
【0172】
さらに別の実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータを含む。
【0173】
本発明によるさらに別の実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するコンピュータプログラムを受信機に(たとえば、電子的にまたは光学的に)転送するように構成された装置またはシステムを含む。この受信機を、たとえばコンピュータ、モバイル機器、またはメモリ装置とすることができる。本装置またはシステムは、たとえば、コンピュータプログラムを受信機に転送するファイルサーバを備えていてもよい。
【0174】
いくつかの実施形態では、プログラマブル論理装置(たとえば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)を使用して、本明細書に記載している方法の機能の一部またはすべてを実行してもよい。いくつかの実施形態では、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイは、本明細書に記載の方法の1つを実行するためにマイクロプロセッサと協働してもよい。これらの方法を、通常任意のハードウェア装置によって実行していることが好ましい。
【0175】
本明細書に記載している装置を、ハードウェア装置を使用して、またはコンピュータを使用して、あるいはハードウェア装置とコンピュータとの組み合わせを使用して実装してもよい。
【0176】
本明細書に記載している方法を、ハードウェア装置を使用して、またはコンピュータを使用して、あるいはハードウェア装置とコンピュータとの組み合わせを使用して実行してもよい。
【0177】
参考文
[1] 3GPP TR 36.321 V 14.2.1; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Medium Access Control (MAC) protocol specification,Rel 1
【0178】
[2] 3GPP TR 36.300 V 14.2.1; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall de-scription;,Rel 1
【0179】
[3] 3GPP TR 36.842 V 14.2.1; Technical Specification Group Radio Access Network; Study on Small Cell enhancements for E-UTRA and E-UTRAN; Higher layer as-pects,Rel 1
【0180】
[4] S.C.iha,K.Sivanesan,R.Vannithamby and A.T.Koc,“Dual Connectivity in LTE small cell networks,”2014 IEEE Globecom Workshops (GC Wkshps),Austin,TX,2014,pp.1205-1210
【0181】
[5] TR 23.799 V 14.0.0; Study on Architecture for Next Generation System,Rel 14