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特許7052009パターンガラス及びこれを含む太陽光発電モジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】パターンガラス及びこれを含む太陽光発電モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/00 20060101AFI20220404BHJP
   H01L 31/048 20140101ALI20220404BHJP
【FI】
G02B5/00 Z
H01L31/04 560
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020508429
(86)(22)【出願日】2018-08-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 KR2018009434
(87)【国際公開番号】W WO2019035677
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2020-03-30
(31)【優先権主張番号】10-2017-0105067
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】592000691
【氏名又は名称】ポスコ
【氏名又は名称原語表記】POSCO
(73)【特許権者】
【識別番号】592000705
【氏名又は名称】リサーチ インスティチュート オブ インダストリアル サイエンス アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】キム、 テ-ウォン
(72)【発明者】
【氏名】パク、 テ-ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ア-ロン
(72)【発明者】
【氏名】パク、 ジ-サン
(72)【発明者】
【氏名】ペク、 ゴン-フン
【審査官】吉川 陽吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-046496(JP,A)
【文献】国際公開第2009/063822(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0072430(US,A1)
【文献】特開2017-031600(JP,A)
【文献】特表2014-515123(JP,A)
【文献】特表2015-507817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/00
H01L 31/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンガラスであって、
支持体に結合されるベース板部と、
前記ベース板部に備えられ、光源からの入射光が透過する透過領域、及び前記透過領域よりも反射率が大きく形成される反射領域を含むように備えられるパターン部と、
を含み、
前記パターン部は、少なくとも一面が曲面を含むプリズムパターンで形成され、
前記パターン部は、
伸縮性素材で形成され、プリズムパターンを形成する外面膜と、
前記外面膜及び前記ベース板部で囲まれた領域に備えられ、前記外面膜との間に充填流体が備えられる微細管と、
を含み、
前記微細管は、内部に前記充填流体と同一の屈折率を有する流入流体が流動するように備えられ、前記外面膜の曲面状態を変形するように前記流入流体の供給圧が調整されて前記流入流体が供給され、
前記光源の位置と前記パターンガラスの観察者の位置との間に基準線が定められ、
前記外面膜の曲面状態の変形によって、前記基準線の上方から侵入する前記入射光の透過率が増加し、かつ、前記基準線の下方から観察する前記観察者に伝達される視線光の反射率が増加するように前記プリズムパターンが非対称形状となる、パターンガラス。
【請求項2】
前記微細管は、前記外面膜及び前記ベース板部で囲まれた領域に内接して複数個が備えられる、請求項1に記載のパターンガラス。
【請求項3】
パターンガラスであって、
支持体に結合されるベース板部と、
前記ベース板部に備えられ、光源からの入射光が透過する透過領域、及び前記透過領域よりも反射率が大きく形成される反射領域を含むように備えられるパターン部と、
を含み、
前記パターン部は、
固定形状のプリズムパターンを形成する外面膜と、
前記外面膜及び前記ベース板部で囲まれた領域に備えられ、前記外面膜との間に充填流体が備えられる複数の微細管と、
を含み
前記光源の位置と前記パターンガラスの観察者の位置との間に基準線が定められ、
前記複数の微細管が備えられる領域毎に互いに異なる屈折率の流入流体が供給されることによって前記屈折率の分布が、前記基準線の上方から侵入する前記入射光の透過率が増加し、かつ、前記基準線の下方から観察する前記観察者に伝達される視線光の反射率が増加するように設定される、パターンガラス。
【請求項4】
前記パターン部は、
前記ベース板部に結合され、前記入射光が流入する連結面部と、
前記連結面部に連結され、前記プリズムパターンの前記反射領域を形成し、凸曲面状に備えられる短辺面部と、
前記連結面部及び前記短辺面部に連結され、前記プリズムパターンの前記透過領域を形成し、凹状に備えられる長辺面部と、
を含む、請求項に記載のパターンガラス。
【請求項5】
前記長辺面部は、凹曲面状に備えられる、請求項に記載のパターンガラス。
【請求項6】
前記パターン部は、
前記ベース板部に結合され、前記入射光が流入する連結面部と、
前記連結面部に連結され、前記プリズムパターンの前記反射領域を形成し、凸状に備えられる短辺面部と、
前記連結面部及び前記短辺面部に連結され、前記プリズムパターンの前記透過領域を形成し、凹状に備えられる長辺面部と、
を含み、
前記長辺面部は、
前記連結面部に連結される直線状に備えられる第1長辺面と、
前記第1長辺面と前記短辺面部との間を連結する直線状に備えられ、前記第1長辺面となす外角が鈍角を形成する第2長辺面と、
を含む、請求項に記載のパターンガラス。
【請求項7】
前記短辺面部は全体が曲面状に備えられる、請求項に記載のパターンガラス。
【請求項8】
前記短辺面部は、
前記第2長辺面と連結され、前記連結面部に水平な直線状に備えられる第1短辺面と、
前記第1短辺面と連結され、凸曲面状に備えられる第2短辺面と、
前記第2短辺面と前記連結面部との間を連結する直線状に備えられ、前記連結面部となす外角が鈍角または直角を形成する第3短辺面と、
を含む、請求項に記載のパターンガラス。
【請求項9】
前記パターン部に備えられ、光の透過波長を調整するように提供されるカラー部を含む、請求項1又は3に記載のパターンガラス。
【請求項10】
前記カラー部は、前記ベース板部と前記パターン部の間に備えられる、請求項に記載のパターンガラス。
【請求項11】
前記カラー部は、前記パターン部において反射領域を形成する前記パターン部のテーパー付けられた一面上のみに備えられる、請求項に記載のパターンガラス。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のパターンガラスと、
前記ベース板部が結合される前記支持体であるソーラーセルと、
を含む、太陽光発電モジュール。
【請求項13】
前記パターンガラスは、前記ソーラーセルが備えられる建物の側壁面に備えられる、請求項12に記載の太陽光発電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターンガラス及びこれを含む太陽光発電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光モジュールを建築物の外壁に適用する際に透明保護ガラスを用いると、外壁の上方から照り返される太陽光線の入射効率を最大化することができるものの、外壁の下方から観察する観察者にとっては審美的な問題がある。
【0003】
これに対する解決策として、透明保護ガラスに色をつける方法を考えてみることができる。この場合、色による隠蔽性を高め、審美的な問題を改善することができるが、太陽光線の入射効率(保護ガラスの透過率)は低下するという他の問題が発生する。
【0004】
一方、かかる太陽光線に対する透過率の低下を防ぐとともに、観察者に対する隠蔽性を増加させるためには、光遮蔽隔壁構造のフィルムを透明保護ガラスに付着させることにより、正面方向の透過率を確保すると同時に、側面方向の隠蔽性を高めることで、審美的な問題を解決する方法を考えることができる。
【0005】
しかし、この方法にも、正面入射角ではなく、側面方向の入射角に対する太陽光線の透過率の低下を避けることができないという限界がある。
【0006】
すなわち、太陽光線の経路を変更せずに、進入する太陽光線の一部を透過させ、一部は遮蔽させるため、太陽光線の遮蔽が不要な領域と必要な領域を区別することなく同一の透過率が適用されるという限界がある。
【0007】
その結果、太陽光線の収集が必要な領域では、不要な遮蔽率の増加により透過率が低下し、観察者に伝達される視線光は不必要に透過率が増加し、遮蔽率が低下する限界が発生するようになる。
【0008】
そこで、上述した問題を解決するためのパターンガラス及びこれを含む太陽光発電モジュールに対する研究が必要になった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、光源から放出される放射光の収集が必要な領域では、不要な遮蔽率の増加を防止して透過率を増加させ、観察者に伝達される視線光の不要な透過率の増加を防止して遮蔽率を増加させるパターンガラス及びこれを含む太陽光発電モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によるパターンガラスは、支持体に結合されるベース板部と、上記ベース板部に備えられ、光源からの放出光が形成する光経路において進入方向と離脱方向がなす角度が鈍角の範囲を形成して透過する透過領域、及び観察者に伝達される視線光の光経路において進入方向と離脱方向がなす角度が鋭角の範囲を形成して上記透過領域よりも反射率が大きく形成される反射領域を含むように備えられるパターン部と、を含むことができる。
【0011】
ここで、本発明の一実施形態によるパターンガラスの上記パターン部は、少なくとも一面が曲面を含むプリズムパターンで形成されることを特徴とすることができる。
【0012】
具体的には、本発明の一実施形態によるパターンガラスにおいて、上記パターン部は、伸縮性素材で形成され、プリズムパターンを形成する外面膜と、上記外面膜及び上記ベース板部で囲まれた領域に備えられ、上記外面膜との間に充填流体が備えられる微細管と、を含むことができる。
【0013】
そして、本発明の一実施形態によるパターンガラスの上記微細管は、内部に上記充填流体と同一の性質を有する流入流体が流動するように備えられ、上記流入流体は、上記外面膜の曲面状を変形するように供給圧が調整されて供給されることを特徴とすることができる。
【0014】
また、本発明の一実施形態によるパターンガラスの上記微細管は、上記外面膜及び上記ベース板部で囲まれた領域に内接して複数個が備えられることを特徴とすることができる。
【0015】
また、本発明の一実施形態によるパターンガラスにおいて、上記パターン部は、固定形状のプリズムパターンを形成する外面膜と、上記外面膜及び上記ベース板部で囲まれた領域に備えられ、上記外面膜との間に充填流体が備えられる微細管と、を含み、上記微細管は、内部に流動する流入流体の屈折率を変更して供給することにより、上記透過領域及び上記反射領域の範囲を調整することを特徴とすることができる。
【0016】
また、本発明の一実施形態によるパターンガラスにおいて、上記パターン部は、非対称のプリズムパターンで備えられることを特徴とすることができる。
【0017】
具体的には、本発明の一実施形態によるパターンガラスの上記パターン部は、上記ベース板部に結合され、上記放出光が流入する連結面部と、上記連結面部に連結され、プリズムパターンの上記反射領域を形成し、凸曲面状に備えられる短辺面部と、上記連結面部及び上記短辺面部に連結され、プリズムパターンの上記透過領域を形成し、凹曲面状に備えられる長辺面部と、を含むことができる。
【0018】
ここで、本発明の一実施形態によるパターンガラスの上記長辺面部は、凹曲面状に備えられることを特徴とすることができる。
【0019】
そして、本発明の一実施形態によるパターンガラスの上記パターン部は、下記数値値のベジェ(bezier)曲線でプリズムパターンの形状を形成することを特徴とすることができる。
0.04≦A1≦0.1、0.02≦B1≦0.03
0<H1<H3、0<H2<H3、0.02≦H3≦0.04
0<A2<A1、0<B2<B1
0<WA≦1、0<WB≦1
【0020】
または、本発明の一実施形態によるパターンガラスの上記パターン部は、下記数値値のベジェ(bezier)曲線でプリズムパターンの形状を形成することを特徴とすることができる。
0.1≦A1≦0.25、0.03≦B1≦0.05
H1=H3、0<H2≦H3、0.03≦H3≦0.1
0.02<A2≦0.05、0<B2≦B1
WA=1、0<WB≦1
【0021】
ここで、H1とは、上記長辺面部の形状を形成する第1コントロールポイントC1と上記連結面部との垂直距離H1であり、H2とは、上記短辺面部の形状を形成する第2コントロールポイントC2と上記連結面部との垂直距離H2であり、H3とは、上記長辺面部と上記短辺面部が接する第1頂点PHと上記連結面部の垂直距離H3である。
また、A1とは、上記第1頂点PHと連結された垂直線が上記連結面部と交差する原点Oと、上記長辺面部と上記連結面部が接する第2頂点PAとの間の距離A1であり、A2とは、上記原点Oと、上記第1コントロールポイントC1と連結された垂直線が上記連結面部と交差する点C1Aとの間の距離A2である。
尚、B1とは、上記原点Oと、上記短辺面部と上記連結面部が接する第3頂点PBとの間の距離B1であり、B2とは、上記原点Oと、上記第2コントロールポイントC2と連結された垂直線が上記連結面部と交差する点C2Bとの間の距離B2である。
そして、WAとは、上記第1頂点PHと第2頂点PAを連結する直線が上記第1コントロールポイントC1に引かれる割合WAであり、WBとは、上記第1頂点PHと第3頂点PBを連結する直線が上記第2コントロールポイントC2に引かれる割合WBである。
さらに、上記H1、H2、H3、A1、A2、B1、B2は、それぞれの比較割合だけを含む距離の無次元数値であり、上記WA、WBは、引かれる割合の無次元数値である。
【0022】
また、本発明の一実施形態によるパターンガラスの上記パターン部は、上記ベース板部に結合され、上記放出光が流入する連結面部と、上記連結面部に連結され、プリズムパターンの上記反射領域を形成し、凸状に備えられる短辺面部と、上記連結面部及び上記短辺面部に連結され、プリズムパターンの上記透過領域を形成し、凹状に備えられる長辺面部と、を含み、上記長辺面部は、上記連結面部に連結される直線状に備えられる第1長辺面と、上記第1長辺面と上記短辺面部との間を連結する直線状に備えられ、上記第1長辺面となす外角が鈍角を形成する第2長辺面と、を含むことができる。
【0023】
ここで、本発明の一実施形態によるパターンガラスの上記短辺面部は、全体が曲面状に備えられることを特徴とすることができる。
【0024】
または、本発明の一実施形態によるパターンガラスの上記短辺面部は、上記第2長辺面と連結され、上記連結面部に水平な直線状に備えられる第1短辺面と、上記第1短辺面と連結され、凸曲面状に備えられる第2短辺面と、上記第2短辺面と上記連結面部との間を連結する直線状に備えられ、上記連結面部となす外角が鈍角または直角を形成する第3短辺面と、を含むことができる。
【0025】
さらに、本発明の一実施形態によるパターンガラスは、上記パターン部に備えられ、光の透過波長を調整するように提供されるカラー部を含むことができる。
【0026】
ここで、本発明の一実施形態によるパターンガラスにおいて、上記カラー部は、上記ベース板部と上記パターン部の間に備えられることを特徴とすることができる。
【0027】
また、本発明の一実施形態によるパターンガラスにおいて、上記カラー部は、上記パターン部で反射領域を形成する上記パターン部のテーパー付けられた一面上にのみ備えられることを特徴とすることができる。
【0028】
本発明の他の実施形態による太陽光発電モジュールは、上記パターンガラスと、上記ベース板部が結合される上記支持体であるソーラーセルと、を含むことができる。
【0029】
そして、本発明の他の実施形態による太陽光発電モジュールの上記パターンガラスは、上記ソーラーセルが備えられる建物の側壁面に水平に備えられることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明のパターンガラス及びこれを含む太陽光発電モジュールは、光源から放出される放射光の収集が必要な領域では、不要な遮蔽率の増加を防止して透過率の低下の問題を解決し、観察者に伝達される視線光の不要な透過率の増加を防止して遮蔽率を増加させることができるという効果がある。
【0031】
一側面として、上記視線光によって観察される色の均一度を高めることができる利点を有することができる。
【0032】
他の側面として、観察者の視線又は光源からの光放出の角度変更に対応してパターン部の形状を変更することができる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】(a)本発明のパターンガラス及びこれを含む太陽光発電モジュールを示す断面図である。(b)本発明のパターンガラス及びこれを含む太陽光発電モジュールを示す断面図である。
図2】本発明のパターンガラスを示す断面図である。
図3】(a)本発明のパターンガラスにおいてパターン部が微細管を含む実施例を示す断面図である。(b)本発明のパターンガラスにおいてパターン部が微細管を含む実施例を示す断面図である。
図4】(a)本発明のパターンガラスにおいてパターン部が微細管を含む実施例を示す断面図である。(b)本発明のパターンガラスにおいてパターン部が微細管を含む実施例を示す断面図である。
図5】本発明のパターンガラスがカラー部を含む実施例を示す断面図である。
図6】本発明のパターンガラスがカラー部を含む実施例を示す断面図である。
図7】本発明のパターンガラスにおける光源からの放出光と観察者に伝達される視線光の経路を示す断面図である。
図8】本発明のパターンガラスにおいてパターン部を、ベジェ曲線を用いて示す実施例の断面図である。
図9】(a)本発明のパターンガラスによって透過領域と反射領域に区分されたシミュレーション結果である。(b)本発明のパターンガラスによって透過領域と反射領域に区分されたシミュレーション結果である。
図10】本発明のパターンガラスにおいて、長辺面部が直線状に形成され、短辺面部全体が曲面状である実施例を示す断面図である。
図11】本発明のパターンガラスにおいて、長辺面部が直線状に形成され、短辺面部が一部の直線状を含む実施例を示す断面図である。
図12】(a)図11の実施例による光源からの放出光または観察者に伝達される視線光の経路を示す断面図である。(b)図11の実施例による光源からの放出光または観察者に伝達される視線光の経路を示す断面図である。(c)図11の実施例による光源からの放出光または観察者に伝達される視線光の経路を示す断面図である。(d)図11の実施例による光源からの放出光または観察者に伝達される視線光の経路を示す断面図である。
図13】本発明のパターンガラスにおいて、パターン部を、ベジェ曲線を用いて示す他の実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野における平均的な知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張されることがある。
【0035】
また、本明細書において、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。尚、明細書全体にわたって同一の参照符号または同様の方法で付与された参照符号は、同一の構成要素または対応する構成要素を指すものとする。
【0036】
本発明は、パターンガラス100及びこれを含む太陽光発電モジュールに関し、光源Sから放出される放射光の収集が必要な領域では、不要な遮蔽率の増加を防止して透過率の低下の問題を解決し、観察者Eに伝達される視線光の不要な透過率の増加を防止して遮蔽率を増加させることができる。
【0037】
図1は本発明のパターンガラス100及びこれを含む太陽光発電モジュールを示す断面図であって、図1を参照すると、本発明の太陽光発電モジュールは、パターンガラス100と、上記パターンガラス100のベース板部110が結合される支持体であるソーラーセル200と、を含むことができる。
【0038】
特に、上記パターンガラス100は、上述のとおり、光源Sから放出される放射光の収集が必要な領域では透過率を増加させ、観察者Eに伝達される視線光に対しては遮蔽率を増加させることができるように備えられる。これについての詳細な説明は、図2図9を参照して後述する。
【0039】
そして、上記ソーラーセル200は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する構成であって、上記パターンガラス100を透過した光源Sから放出された放出光に対して電気エネルギーを生産するようになる。
【0040】
また、上記ソーラーセル200が光エネルギーを電気エネルギーに変換する具体的な構成は、一般の太陽電池または光電池と同一であるため、具体的な説明は省略する。
【0041】
ここで、上記光源Sは太陽であってもよく、上記ソーラーセル200は、かかる太陽の太陽エネルギーを用いて電気エネルギーに変換するようになる。
【0042】
上記パターンガラス100が上記ソーラーセル200と結合する構成は、上記ソーラーセル200が備えられる具体的な構造物に応じて変更されることができる。
【0043】
一例として、本発明の太陽光発電モジュールの上記パターンガラス100は、上記ソーラーセル200が備えられる建物の側壁面に水平に備えられることを特徴とすることができる。
【0044】
換言すると、上記ソーラーセル200が建物の側壁面に結合される場合には、上記パターンガラス100も上記建物の側壁面に垂直に結合されることができる(図1(a)参照)。
【0045】
その他にも、上記ソーラーセル200が建物の傾斜した屋根上に結合される場合には、上記パターンガラス100も上記屋根上に傾斜するように結合される(図1(b)参照)。また、上記建物の屋根が水平な場合には、上記パターンガラス100が建物の屋根に水平に結合される(図示せず)。
【0046】
また、かかる結合角度の変更に応じて、上記パターンガラス100が形成する透過領域の角度範囲a1及び反射領域の角度範囲a2は変更されることができる。但し、このとき、基準線CLを基準に、上記領域を区別することができる。
【0047】
図2は本発明のパターンガラス100を示す断面図であり、図7は本発明のパターンガラス100において、光源Sからの放出光及び観察者Eに伝達される視線光の経路(観察者の立場からは、視線の方向が視線光とは逆になるため、矢印は逆に示す)を示す断面図であり、図9は本発明のパターンガラス100によって透過領域と反射領域に区分されたシミュレーション結果である。
【0048】
上記図面を参照すると、本発明の一実施形態によるパターンガラス100は、支持体に結合されるベース板部110と、上記ベース板部110に備えられ、光源Sからの放出光が形成する光経路において進入方向と離脱方向がなす角度が鈍角の範囲を形成して透過する透過領域、及び観察者Eに伝達される視線光の光経路において進入方向と離脱方向がなす角度が鋭角の範囲を形成して上記透過領域よりも反射率が大きく形成される反射領域を含むように備えられるパターン部120と、を含むことができる。ここで、上記ベース板部110及びパターン部120は、同一の屈折率で形成される透明な材質の素材で形成されることができる。
【0049】
このように、上記パターンガラス100が上記ベース板部110とパターン部120とを含むことにより、光源Sから放出される放射光の収集が必要な領域では透過率を増加させ、観察者Eに伝達される視線光に対しては遮蔽率を増加させることができるようになる。
【0050】
換言すると、上記パターン部120を、上記光源Sから放出される放出光に対する経路を最初の進入方向と最後の離脱方向がなす角度が鈍角の範囲となるように光経路を形成するように備えることにより、透過率が上記反射領域よりも大きい透過領域を形成するようになる。
【0051】
これは、図2において基準線CLの上部からの放出光の光経路SRより確認できる範囲である。また、図7において基準線CLの上部からの放出光の光経路を2つに分け、それぞれの進入角度を、ベース板部110を基準に異なるように設定しても、放出光の光経路SR1、SR2が離脱方向となす角度が鈍角であることが分かる。
【0052】
一方、上記パターン部120を、観察者Eに伝達される視線光に対する経路を最初の進入方向と最後の離脱方向がなす角度が鋭角の範囲となるように光経路を形成するように備えることにより、反射率が上記透過領域よりも大きい反射領域を形成するようになる。
【0053】
ここで、視線光の経路は、観察者Eの視線に沿った経路として示すこともできることから、図2図6、及び図7では、視線光の経路とは逆の矢印を示して理解の一助とした。
【0054】
かかる観察者Eの視線に沿った経路を参照すると、図2において基準線CLの下部の視線の経路ERから確認できる領域が反射領域である。また、図7において、基準線CLの下部の視線の経路を2つに分けて、それぞれの進入角度を、ベース板部110を基準に異なるように設定しても、視線の経路ER1、ER2の進入方向と離脱方向がなす角度が鋭角であることが分かる。
【0055】
かかる反射領域及び透過領域は図9(a)から確認することができる。すなわち、基準線CLを基準に、上部領域は反射光がほとんど観察されない透過領域(青と緑の領域)であり、下部領域は、反射光が比較的多く観察される反射領域(赤と黄の領域)から確認することができる。
【0056】
さらに、本発明の一実施形態によるパターンガラス100の上記パターン部120は、少なくとも一面が曲面を含むプリズムパターンで形成されることを特徴とする。
【0057】
これにより、観察者Eの眼に流入される視線光が分散するようにすることにより、観察者Eの立場からは均一度を高めて観察できるように構成することができる。尚、ソーラーセルなどに伝達される光源Sからの放出光を集中させて透過させることにより、エネルギー変換率を向上させることができる。
【0058】
特に、かかる均一度は、後述するカラー部130により、上記パターンガラス100が含まれる場合でも、カラーの均一度を増加させて観察者Eが観察できるようにすることで、より美麗な外観を形成するようにする。
【0059】
かかる均一度は、図9(b)から確認することができる。すなわち、上記パターン部120を曲面に形成することにより、図9(a)と比較して図9(b)から、反射して観察される視線光が分散して観察されることを確認することができる。
【0060】
より具体的には、反射領域の均一度を高めたことを示す図9(b)は、図8に示されたパターン部120の形状にベジェ曲線による曲面を適用した結果である。
【0061】
すなわち、図9(a)は図8のベジェ曲線におけるWA、WBの値を「0」に設定することにより、上記パターン部120が曲面を含まないように設定した場合のシミュレーション結果であり、図9(a)は図8のベジェ曲線におけるWAの値を「1.0」に設定し、WBの値を「0.2」に設定することにより、上記パターン部120が曲面を含むように設定した場合のシミュレーション結果である。かかるベジェ曲線による曲面の形成と関連しては図8を参照して後述する。
【0062】
図3及び図4は本発明のパターンガラス100において、パターン部120が微細管122を含む実施例を示す断面図である。
【0063】
ここで、図3はパターン部120の基本形態が対称である場合を示すものであり、図4はパターン部120の基本形態が非対称である場合を示すものである。そして、図3(a)及び図4(a)はパターン部120が曲面を含む前の状態を示す図であって、図3(b)及び図4(b)はパターン部120が曲面を含んだ状態を示す図である。
【0064】
また、図8は本発明のパターンガラス100においてパターン部120を、ベジェ曲線を用いて示す実施例の断面図であり、図13は本発明のパターンガラスにおいてパターン部を、ベジェ曲線を用いて示す他の実施例の断面図である。
【0065】
具体的には、上記図面を参照すると、本発明の一実施形態によるパターンガラス100において、上記パターン部120は、伸縮性素材で形成され、プリズムパターンを形成する外面膜121と、上記外面膜121及び上記ベース板部110で囲まれた領域に備えられ、上記外面膜121との間に充填流体が備えられる微細管122と、を含むことができる。
【0066】
かかる構成によると、上記パターン部120は、形状を変形しながら、上記透過領域及び反射領域を調整するようになる。
【0067】
すなわち、図3(a)に示すように、上記パターン部120が、一般の対称形状から図3(b)のような非対称形状に変形されるように備えられるものである。
【0068】
かかる形状の変形によって基準線CLの上方から進入する光源Sの放出光の透過率が増加し、基準線CLの下方から観察する観察者Eの眼に伝達される視線光の反射率が増加するように備えられる。
【0069】
また、かかるパターン部120の形状の変形の際に曲面を含むように変形されることにより、観察者Eが観察する視線光の均一度も向上させることができることから、さらに優れた観察が可能になる。
【0070】
ここで、上記パターン部120の形状の変形のために、上記微細管122に流入される流入流体の供給圧を調整する。
【0071】
すなわち、本発明の一実施形態によるパターンガラス100の上記微細管122は、内部に上記充填流体と同一の性質を有する流入流体が流動するように備えられ、上記外面膜121の曲面状を変形するように、上記流入流体の供給圧が調整されて供給されることを特徴とすることができる。
【0072】
かかる供給圧を調整して上記外面膜121と微細管122との間の充填流体の圧力よりも高い陽圧で流入流体を供給すると、上記微細管122が備えられたパターン部120の一部は膨らんで形状が変形され、逆に上記外面膜121と微細管122との間の充填流体の圧力よりも低い陰圧で流入流体を供給すると、上記微細管122が備えられたパターン部120の一部は収縮して形状が変形されるようになる。
【0073】
この際、上記外面膜121と微細管122との間に備えられる充填流体、上記微細管122に供給される流入流体、及び上記外面膜121及び上記微細管122を形成する素材は、同一の屈折率を有する同一の性質の素材で提供することが反射領域及び透過領域の調整制御において簡単且つ明確であるため好ましい。
【0074】
さらに、上記外面膜121及び微細管122を形成する素材は、伸縮性素材で形成され、上記パターン部120の形状変形が可能となるように備えられる。一例として、上記外面膜121及び微細管122には、同一の材質の高分子合成樹脂などが適用されることができる。
【0075】
そして、上記微細管122は、上記パターン部120の形状制御をさらに微細に行うために複数個が備えられることができる。
【0076】
すなわち、本発明の一実施形態によるパターンガラス100の上記微細管122は、上記外面膜121及び上記ベース板部110で囲まれた領域に内接して複数個が備えられることを特徴とすることができる。
【0077】
かかる複数個の微細管122が備えられることにより、上記外面膜121と上記ベース板部110との間に備えられる微細管122の位置に応じた収縮及び膨張によってパターン部120の形状を調整することができるようになり、より精密な形状制御が可能になる。
【0078】
これにより、本発明のパターンガラス100は、観察者Eの視線または光源Sからの光放出の角度の変更に対応して、パターン部120の形状を変更することができるようになる。
【0079】
また、本発明の一実施形態によるパターンガラス100において、上記パターン部120は、固定形状のプリズムパターンを形成する外面膜121と、上記外面膜121及び上記ベース板部110で囲まれた領域に備えられ、上記外面膜121との間に充填流体が備えられる微細管122と、を含み、上記微細管122は、内部に流動する流入流体の屈折率を変更して供給し、上記透過領域及び上記反射領域の範囲を調整することを特徴とすることもできる。
【0080】
すなわち、上記パターン部120は、上記外面膜121の形状は変形せず、単に微細管122の内部に供給される流入流体の屈折率だけが異なるように備えることができる。
【0081】
換言すると、上記パターン部120が形成しようとする屈折率の分布に応じて、上記微細管122に流入される流入流体としては屈折率が異なる流体が供給される。
【0082】
上記微細管122は、上記外面膜121と上記ベース板部110との間に複数個が備えられ、上記微細管122が備えられる領域毎に互いに異なる屈折率の流入流体を供給することにより、屈折率の分布が互いに異なるように設定することもできる。
【0083】
また、本発明の一実施形態によるパターンガラス100において、上記パターン部120は、非対称のプリズムパターンで備えられることを特徴とすることができる。
【0084】
かかる上記パターン部120を非対称形状に形成することにより、基準線CLの上方から進入する光源Sの放出光の透過率が増加し、基準線CLの下方から観察する観察者Eの眼に伝達される視線光の反射率は増加するように備えられる。
【0085】
さらに、上記パターン部120は、非対称のプリズムパターンを形成しながらも、曲面を含むように備えられることにより、観察者Eに伝達される視線光を分散させて均一度を増加させることができ、透過された光源Sからの放出光は集中的にソーラーセル200などで電気エネルギーを生産する効率を増加させることができる。
【0086】
先ず、上記視線光を分散させて均一度を増加させるために、上記パターン部120は、連結面部123と、短辺面部125と、を含むことができる。
【0087】
すなわち、本発明の一実施形態によるパターンガラス100の上記パターン部120は、上記ベース板部110に結合され、上記放出光が流入する連結面部123と、上記連結面部123に連結され、プリズムパターンの上記反射領域を形成し、凸曲面状に備えられる短辺面部125と、を含むことができる。
【0088】
ここで、視線光(観察者Eの視線の経路とは方向だけが逆であり、形成経路は同一である)が進入する方向は連結面部123であり、かかる連結面部123を通過した視線光は、反射領域の短辺面部125から反射される。
【0089】
これにより、上記視線光が接する方向において、上記短辺面部125の面は凹状(すなわち、凸状とは反対の役割を果たすようになる)となるため、上記視線光は分散して観察者Eに伝達される。したがって、観察者Eが観察する光は、均一度が改善された形で伝達されるようになる。
【0090】
一方、上記光源Sからの放出光を集中させるために、上記パターン部120は、連結面部123及び短辺面部125に加えて、長辺面部124をさらに含むことができる。
【0091】
換言すると、本発明の一実施形態によるパターンガラス100の上記パターン部120は、上記連結面部123及び上記短辺面部125に連結され、プリズムパターンの上記透過領域を形成し、凹曲面状に備えられる長辺面部124を含むことができる。
【0092】
ここで、光源Sからの放出光が進入する方向は連結面部123であり、かかる連結面部123を通過した放出光は、透過領域の長辺面部124を通過するようになる。
【0093】
これにより、上記放出光が接する方向において、上記長辺面部124の面は凸状(すなわち、凹状とは逆の役割を果たすようになる)となるため、上記放出光は集中して上記パターン部120を通過するようになる。したがって、上記ソーラーセル200などに伝達される放出光が集中して、上記ソーラーセル200の電気エネルギー生産効率を高めるようになる。
【0094】
かかる長辺面部124及び短辺面部125の曲面状をさらに最適化して提供するために、上記パターン部120はベジェ曲線の形で形成されることができる。
【0095】
すなわち、本発明の一実施形態によるパターンガラス100の上記パターン部120は、下記数値値のベジェ(bezier)曲線でプリズムパターンの形状を形成することを特徴とすることができる(図8参照)。
0.04≦A1≦0.1、0.02≦B1≦0.03
0<H1<H3、0<H2<H3、0.02≦H3≦0.04
0<A2<A1、0<B2<B1
0<WA≦1、0<WB≦1
【0096】
かかる数値値は、具体的な数値範囲で以下のように提示されることができる。
H1=0.024~0.26、H2=0.047~0.049、H3=0.032~0.034
A1=0.074~0.076、A2=0.014~0.016
B1=0.024~0.026、B2=0.0024~0.0026
WA=0.5~1.0、WB=0.2
【0097】
好ましくは、以下のような数値範囲でベジェ曲線を形成することができる。
H1=0.025、H2=0.048、H3=0.033
A1=0.075、A2=0.015
B1=0.025、B2=0.0025
WA=1.0、WB=0.2
【0098】
ここで、H1とは、上記長辺面部124の形状を形成する第1コントロールポイントC1と上記連結面部123との垂直距離H1であり、H2とは、上記短辺面部125の形状を形成する第2コントロールポイントC2と上記連結面部123との垂直距離H2であり、H3とは、上記長辺面部124と上記短辺面部125が接する第1頂点PHと上記連結面部123の垂直距離H3である。
また、A1とは、上記第1頂点PHと連結された垂直線が上記連結面部123と交差する原点Oと、上記長辺面部124と上記連結面部123が接する第2頂点PAとの間の距離A1であり、A2とは、上記原点Oと、上記第1コントロールポイントC1と連結された垂直線が上記連結面部と交差する点C1Aとの間の距離A2である。
尚、B1とは、上記原点Oと、上記短辺面部125と上記連結面部123が接する第3頂点PBとの間の距離B1であり、B2とは、上記原点Oと、上記第2コントロールポイントC2と連結された垂直線が上記連結面部123と交差する点C2Bとの間の距離B2である。
そして、WAとは、上記第1頂点PHと第2頂点PAを連結する直線が上記第1コントロールポイントC1に引かれる割合WAであり、WBとは、上記第1頂点PHと第3頂点PBを連結する直線が上記第2コントロールポイントC2に引かれる割合WBである。
さらに、上記H1、H2、H3、A1、A2、B1、B2は、それぞれの比較割合だけを含む距離の無次元数値であり、上記WA、WBは、引かれる割合の無次元数値である。
【0099】
または、かかる長辺面部124が曲面状を形成しないパターン部120の形状を、ベジェ曲線を用いて形成することもできる。
【0100】
すなわち、本発明の一実施形態によるパターンガラスの上記パターン部120は、下記数値値のベジェ(bezier)曲線でプリズムパターンの形状を形成することを特徴とすることができる(図13参照)。
0.1≦A1≦0.25、0.03≦B1≦0.05
H1=H3、0<H2≦H3、0.03≦H3≦0.1
0.02<A2≦0.05、0<B2≦B1
WA=1、0<WB≦1
【0101】
かかる数値は、具体的な数値範囲で以下のように提示されることができる。 H1=0.092~0.094、H2=0.079~0.081、H3=0.092~0.094
A1=0.125~0.127、A2=0.041~0.043
B1=0.037~0.039、B2=0.0377~0.0379
WA=1.0、WB=0.57
【0102】
好ましくは、以下のような数値範囲でベジェ曲線を形成することができる。
H1=0.0932914、H2=0.08、H3=0.0932914
A1=0.12615、A2=0.0421341
B1=0.03785、B2=0.03785
WA=1.0、WB=0.57
【0103】
そして、上記長辺面部124が直線状に形成される実施例は図10及び図11に示し、図12には図11による光経路のシミュレーション結果を示した。
【0104】
すなわち、図10は本発明のパターンガラス100において長辺面部124が直線状に形成され、短辺面部125全体が曲面状である実施例を示す断面図であり、図11は本発明のパターンガラス100において長辺面部124が直線状に形成され、短辺面部125が一部の直線状を含む実施例を示す断面図であり、図12図11の実施例による光源からの放出光または観察者に伝達される視線光の経路を示す断面図である。
【0105】
先ず、図10を参照した実施例について説明すると、本発明の一実施例によるパターンガラス100の上記パターン部120は、上記ベース板部110に結合され、上記放出光が流入する連結面部123と、上記連結面部123に連結され、プリズムパターンの上記反射領域を形成し、凸状に備えられる短辺面部125と、上記連結面部123及び上記短辺面部125に連結され、プリズムパターンの上記透過領域を形成し、凹状に備えられる長辺面部124と、を含み、上記長辺面部124は、上記連結面部123に連結される直線状に備えられる第1長辺面124aと、上記第1長辺面124aと上記短辺面部125の間を連結する直線状に備えられ、上記第1長辺面124aとなす外角が鈍角を形成する第2長辺面124bと、を含むことができる。
【0106】
換言すると、上記長辺面部124は、直線状に形成しながらも、上記短辺面部125を曲線状に形成した実施例を提示したものである。
【0107】
このように、上記長辺面部124を直線状に形成すると、透過領域及び反射領域を含むように上記パターン部120を形成しながらも、上記長辺面部124の製造を簡単にする利点を有することができるようになる。
【0108】
そして、上記長辺面部124は、第1長辺面124a及び第2長辺面124bが直線的に提供されながらも、凹に陥没した形で提供されるため、上述した凹曲面状の長辺面部124と同様に、上記ソーラーセル200の電気エネルギー生産効率を高めるようになる。
【0109】
ここで、本発明の一実施形態によるパターンガラス100の上記短辺面部125は、全体が曲面状に備えられることを特徴とすることができる。すなわち、ここでも上記短辺面部125は、凸曲面状で提供されるものである。したがって、上記短辺面部125により観察者Eが観察する光の均一度が向上する効果は同一である。
【0110】
一方、図11を参照した実施例について説明すると、本発明の一実施例によるパターンガラス100の上記短辺面部125は、上記第2長辺面124bと連結され、上記連結面部123に水平な直線状に備えられる第1短辺面125aと、上記第1短辺面125aと連結され、凸曲面状に備えられる第2短辺面125bと、上記第2短辺面125bと上記連結面部123との間を連結する直線状に備えられ、上記連結面部123となす外角が鈍角を形成する第3短辺面125cと、を含むことができる。
【0111】
換言すると、上記長辺面部124が第1長辺面124a及び第2長辺面124bを含む直線で構成された凹面陥没の形で提供され、先に説明した凹曲面状の長辺面部124と同様に、上記ソーラーセル200の電気エネルギーの生産効率を高めるという効果を確保するとともに、その製造が簡単な利点を確保しながらも、上記短辺面部125の製造も簡単に限定するものである。
【0112】
かかる短辺面部125の変形実施例による透過領域及び反射領域の確保の効果は、図12から確認することができる。
【0113】
先ず、上記長辺面部124によって基準線の上方約40度以上から流入する光源の放出光を透過させることにより、透過率が低下するという問題を防止するようになる(図12(a)参照)。また、上記長辺面部124は、基準線の下方からの視線光に対しては反射率を増加させる役割を果たすようになる(図12(c)参照)。
【0114】
そして、上記短辺面部125の第1短辺面125aは、基準線の下方からの視線光に対する反射率を増加させる役割を果たすようになる。すなわち、流入した視線光のうち第3短辺面125cから反射された視線光が再び上記第1短辺面125aから反射されて観察者の眼に流入されることにより、反射率を増加させるものである(図12(d)参照)。
【0115】
上記短辺面部125の第2短辺面125bは、上記長辺面部124から反射された光を分散させることにより、均一度を向上させる役割を果たすようになる(図12(c)参照)。
【0116】
上記短辺面部125の第3短辺面125cは、上記連結面部123となす外角が鈍角または直角を形成する形であって、一例として上記連結面部123となす外角が約93.5度であることができる(内角の場合には約86.5度)。
【0117】
かかる第3短辺面125cは、基準線の下方から流入する視線光を大部分反射することにより、観察者に到達した視線光の反射率を増加させる役割を果たすようになる(図12(d)参照)。
【0118】
図5及び図6は本発明のパターンガラス100がカラー部130を含む実施例を示す断面図であって、これを参照すると、本発明の一実施例によるパターンガラス100は、上記パターン部120に備えられ、光の透過波長を調整するように提供されるカラー部130を含むことができる。
【0119】
ここで、図5は上記カラー部130がパターン部120及びベース板部110に備えられる実施例を示すものであり、図6は上記カラー部130がパターン部120の一面上に備えられた実施例を示すものである。
【0120】
このように、本発明のパターンガラス100は、上記カラー部130を含むことにより、観察者Eが観察する場合に色彩を含んで観察できるように備えるようになる。
【0121】
一般には、本発明の一実施形態によるパターンガラス100において、上記カラー部130は、上記ベース板部110と上記パターン部120の間に備えられることを特徴とすることができる。
【0122】
換言すると、パターンガラス100全体に対して色彩を付与し、基準線CLの下方から観察する観察者Eが、色彩が付加されている状態で観察できるように備えられるものである。
【0123】
但し、上記カラー部がパターンガラス100の全体に備えられると、ソーラーセル200などに伝達される光源Sからの放出光も、特定の波長のみを通過させるため、上記ソーラーセル200による電気エネルギーの生産効率が低下する可能性がある。
【0124】
したがって、本発明では、上記カラー部130を観察者Eが観察する反射領域のみに付与し、ソーラーセル200などに放出光を伝達する透過領域には影響を及ぼさないように構成することができる。
【0125】
すなわち、本発明の一実施形態によるパターンガラス100において、上記カラー部130は、上記パターン部120において反射領域を形成する上記パターン部120のテーパー付けられた面のみに備えられることを特徴とすることができる。
【0126】
換言すると、上記カラー部130は上記反射領域を形成する一面上にのみ付与されて、ソーラーセル200に伝達される放出光の透過領域には影響を及ぼさないように構成される。
【0127】
一例として、上述した短辺面部125にのみカラー部130が付与され、長辺面部124にはカラー部130が付与されないため、観察者Eには色彩を付与し、ソーラーセル200に伝達される放出光は透過波長が制限されないように構成することができる。
【0128】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6
図7
図8
図9(a)】
図9(b)】
図10
図11
図12(a)】
図12(b)】
図12(c)】
図12(d)】
図13