IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングの特許一覧

特許7052015内側容器と外側スリーブとを備えるタンクおよび当該タンクを製造する方法
<>
  • 特許-内側容器と外側スリーブとを備えるタンクおよび当該タンクを製造する方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】内側容器と外側スリーブとを備えるタンクおよび当該タンクを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 1/10 20060101AFI20220404BHJP
   F17C 3/12 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
F17C1/10
F17C3/12
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020513826
(86)(22)【出願日】2018-07-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 EP2018068803
(87)【国際公開番号】W WO2019048109
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2020-03-06
(31)【優先権主張番号】102017215754.2
(32)【優先日】2017-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トアステン トロスマン
(72)【発明者】
【氏名】カトリン バウアー-トロスマン
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3120317(JP,U)
【文献】特開昭59-142982(JP,A)
【文献】特開2008-185118(JP,A)
【文献】特開2009-079075(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0010802(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0254481(US,A1)
【文献】特開2001-248731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/00-90/66
F17C 1/00-13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側容器(2)と外側スリーブ(3)とを備えるタンク(1)であって、
前記内側容器(2)は、タンク内室を包囲するかつ/または形成し、前記内側容器(2)は、第1の材料からなり、
前記外側スリーブ(3)は、前記内側容器(2)を全体的にまたは部分的に包囲し、前記外側スリーブ(3)は、第2の材料からなる、
タンク(1)において、
前記内側容器(2)と前記外側スリーブ(3)との間に中間領域が配置されており、該中間領域には腐食防止剤が充填されており、
前記腐食防止剤は、前記外側スリーブ(3)の損傷を閉塞する特性を有し、
前記腐食防止剤は、前記外側スリーブ(3)の損傷部分において、空気と接触することにより硬化して、当該損傷部分を閉塞するように構成されている、ことを特徴とする、タンク(1)。
【請求項2】
前記中間領域は、縁領域(6)に、前記腐食防止剤を供給するための隙間開口部または別個の充填管片を有することを特徴とする、請求項1記載のタンク(1)。
【請求項3】
前記腐食防止剤は、前記中間領域に中間層(4)を形成し、該中間層(4)は、液体の膜として形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載のタンク(1)。
【請求項4】
前記中間層(4)の前記腐食防止剤は、前記外側スリーブ(3)が変形すると、かつ/または損傷すると、局所的に前記腐食防止剤が放出されるように、前記外側スリーブ(3)により結合されていることを特徴とする、請求項3記載のタンク(1)。
【請求項5】
前記中間層(4)は、湿潤効果に基づいて、特に毛管現象に基づいて、前記内側容器(2)と前記外側スリーブ(3)との間に供給されているまたは保持されていることを特徴とする、請求項3または4記載のタンク(1)。
【請求項6】
前記第2の材料は、耐衝撃性を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のタンク(1)。
【請求項7】
前記第2の材料は、厚層塗料、プラスチックおよび/またはエラストマであることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のタンク(1)。
【請求項8】
前記第2の材料は、発泡材または繊維網であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のタンク(1)。
【請求項9】
前記第2の材料は、金属であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のタンク(1)。
【請求項10】
前記第1の材料は、金属または金属複合繊維であることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載のタンク(1)。
【請求項11】
前記第1の材料は、第1の電気化学ポテンシャルを有し、前記第2の材料は、第2の電気化学ポテンシャルを有し、前記第1の電気化学ポテンシャルは、前記第2の電気化学ポテンシャルよりも大きいことを特徴とする、請求項10記載のタンク(1)。
【請求項12】
前記腐食防止剤は、前記外側スリーブ(3)の損傷を視認できるようにするために着色されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載のタンク(1)。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項記載のタンク(1)を製造する方法であって、
内側容器(2)の周りに、第2の材料からなる外側スリーブ(3)を配置し、前記内側容器(2)と前記外側スリーブ(3)との間に、腐食防止剤としての中間層(4)を配置する、方法。
【請求項14】
前記中間層(4)を、前記内側容器(2)と前記外側スリーブ(3)との間における流し込みによりかつ/または毛管力により導入することを特徴とする、請求項13記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
内側容器と外側スリーブとを備えるタンクが提案される。内側容器は、タンク内室を包囲するかつ/または形成し、内側容器は、第1の材料からなり、外側スリーブは、内側容器を全体的にまたは部分的に包囲し、外側スリーブは、第2の材料からなる。さらに、タンクを製造する方法が提案される。
【0002】
タンク、特に自動車用のガスタンクは、従来技術において知られている。そのようなタンクは、多くの場合、腐食を回避するための粉体塗料被覆を有する。そのようなタンクを持続的に自動車に使用可能にするには、タンクを定期的な保守間隔で検査しなければならず、これにより圧力タンクの故障が防止され、場合により交換または追加処理が行われる。
【0003】
最も近似する従来技術を成す文献としての独国特許出願公開第102014003587号明細書は、通常の条件下で気体の燃料に用いられる、自動車用のガスタンクを開示している。このガスタンクは、燃料を収容するのに用いられるタンクケーシングと、タンクケーシングに配置された少なくとも1つの安全弁とを有し、安全弁を介して、燃料がタンクから放出可能であり、この場合、安全弁は、電気的に操作可能であり、この場合、タンクケーシングの外面に、安全弁と接続された少なくとも1つの熱電池が配置されている。
【0004】
発明の開示
本発明の範囲内にて、請求項1の特徴を有する、内側容器と外側スリーブとを備えるタンクが提案される。さらに、請求項14の特徴を有する、タンクを製造する方法が提案される。本発明の有利なかつ/または好ましい形態は、従属請求項、以下の説明および添付の図面から明らかである。
【0005】
本発明によれば、内側容器と外側スリーブとを備えるタンクが提案される。タンクは、好ましくはガスタンク、たとえば圧縮ガスタンクであり、代替的に、タンクは、液体タンクである。とりわけ、タンクは、天然ガス、水素または他の燃料用のタンクである。好ましくは、タンクは、自動車用タンクである。タンクは、好ましくは、10リットル超の、とりわけ30リットル超の貯蔵容積を有する。
【0006】
内側容器は、タンク内室を包囲するかつ/または形成する。たとえば、内側容器は、直方体状に形成されていて、代替的に、内側容器は、円筒状に形成されているまたは任意に成形されている。内側容器は、第1の材料から形成されているかつ/または作製されている。内側容器は、一様に1つの材料からなってもよく、代替的に、内側容器は、複数の材料からかつ/または1つの複合材料から作製されている。特に、内側容器は、所定の壁厚さを有し、その内側容器の壁厚さは、好ましくは1ミリメートルよりも大きく、とりわけ2ミリメートルよりも大きい。タンク内室は、好ましくはタンクの貯蔵能力を決定する。とりわけ、内側容器は、閉塞可能な開口部を有する。
【0007】
外側スリーブは、内側容器を全体的に、部分的にかつ/または一部で包囲する。特に、外側スリーブは、内側容器の被覆部を形成する。さらに、外側スリーブは、内側容器の外側表面のカバーとみなされる。外側スリーブは、好ましくは、内側容器の周りに僅かな隙間寸法を置いて配置されており、この場合、隙間寸法は、特に1ミリメートルよりも小さく、とりわけ100マイクロメートルよりも小さい。たとえば、内側容器は、円筒体として構成されており、この場合、外側スリーブは、円筒状の内側容器の周りに円筒被覆面を形成する。
【0008】
内側容器と外側スリーブとの間に、少なくとも一部で中間領域が配置されており、この場合、中間領域には、少なくとも一部で、好ましくは完全に、腐食防止剤が、特に腐食防止材料が充填されている。腐食防止剤は、とりわけ完全に外側スリーブと内側容器との間の接触領域に配置されてもよい。腐食防止剤は、特に面の腐食、窪みの腐食、孔の腐食および/または隙間の腐食を回避するために用いられる。中間領域における腐食防止剤は、好ましくはバリヤ効果を有し、追加的に腐食防止材料の供給による活性作用を有してもよく、この場合、腐食防止材料は、特に抑制剤である。好ましくは、中間層は、流体、たとえば油、または架橋された膜、たとえば塗料、または架橋された樹脂またはワックスから形成されている。特に好ましくは、腐食防止剤は、基材および使用条件に適合された、溶解されたまたは固体として結合された抑制剤、たとえばこれらの物質に制限されるものではないがベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウム・ナイトライトおよびジシクロヘキシルアンモニウムカーボネートを含む。
【0009】
本発明は、保守の集中度を最小限に抑えるかつ/またはタンクの保守間隔を延ばすタンクを提供するという思想に基づいている。特に、タンクおよび/または車両の所定の動作期間内のタンク交換の必要性を排除するタンクを提供することが考察される。
【0010】
特に好ましくは、中間領域における腐食防止剤が、中間層を形成する。中間層は、液体の膜として構成されていて、特に液体の膜が連続して形成されている。液体の膜は、たとえばパラフィンまたは鉱油からなる。
【0011】
特に、液体の膜からなる中間層は、使用温度で液体の膜である。とりわけ、中間層は、架橋による固体の膜として形成されてもよい。
【0012】
中間領域は、特に隙間として構成されてもよい。隙間は、所定の隙間寸法を有する。隙間寸法は、特に2ミリメートルよりも小さく、好ましくは1ミリメートルよりも小さく、とりわけ100マイクロメートルよりも小さい。隙間は、タンクの縁領域にまたは設計上設けられる供給部に隙間開口部を有する。隙間開口部は、好ましくは、隙間が周辺へ、たとえば空気へ向けて開口する領域である。隙間開口部は、腐食防止剤を供給するために用いられる。たとえば、液体の腐食防止剤が隙間開口部に供与され、その際、腐食防止剤は、たとえば表面張力に起因して生じる毛管力により、中間領域内に吸引されるまたはそこへ流れる。このような構成は、内側容器との、周辺媒体、たとえば腐食性のかつ/または湿った空気の接触を起こし得る開口部を閉塞することにより、内側容器の腐食発生の可能性を減らすタンクを提供するという思想に基づいている。
【0013】
任意選択的に、中間層の腐食防止剤が、外側スリーブにより結合されているかつ/または部分的に結合されていることが想定されている。たとえば、腐食防止剤および/または中間層は、外側スリーブにより吸着されているかつ/または粘着力により外側スリーブに結合されている。この場合、特に、外側スリーブが変形されるかつ/または損傷されると、結合された腐食防止剤が放出されることが想定されている。この場合、特に、腐食防止剤および/または中間層が、局所的に、外側スリーブが変形するかつ/または損傷する付近の領域でタンク内室の表面へ放出されることが想定されている。このような構成は、外側スリーブの損傷時に腐食の増加が予期される領域で腐食防止剤により腐食を確実に阻止するタンクを提供するという思想に基づいている。
【0014】
特に好ましくは、中間層は、特に表面張力に起因して生じる毛管力を利用することにより隙間にかつ/または内側容器と外側スリーブとの間に供給された中間層である。さらに、毛管力は、中間層を、液体の状態でも隙間においてまたは隙間開口部において保持する。
【0015】
特に好ましくは、第2の材料は、耐衝撃性の材料である。耐衝撃性とは、特に、衝撃エネルギを吸収する能力を有する材料と解される。たとえば、耐衝撃性の材料は、弾性的なかつ/または変形可能な材料である。特に、耐衝撃性は、アイゾット衝撃強さ、シャルピー衝撃強さおよび/またはノッチ衝撃強さとして決定するかつ/または設定することができる。たとえば、耐衝撃性の第2の材料は、23℃で1平方メートル当たり90キロジュール超のアイゾット衝撃強さを有し、23℃で1平方メートル当たり150キロジュール超のシャルピー衝撃強さを有し、かつ/または23℃で1平方メートル当たり50キロジュール超のシャルピーノッチ衝撃強さを有する。衝撃強さは、特にISO179に基づいて決定される。たとえば、第2の材料は、耐衝撃性のポリカーボネートまたは耐衝撃性のスチレンアクリロニトリルコポリマーである。このような構成は、耐衝撃性で耐腐食性のタンクを提供することに基づいて耐用期間の向上が得られることにより、保守の集中度を低くすることができるタンクを提供するという思想に基づいている。特に、そのようなタンクは、自動車に使用すると、内側容器の腐食を促進することなく、走行運転中に巻き上げられた石および/または砂利による衝撃を補償することができる。
【0016】
特に好ましくは、第2の材料は、厚層塗料である。代替的にかつ/または補足的に、第2の材料は、プラスチックであり、特にエラストマである。さらに、第2の材料が、樹脂含浸布であることが想定されてもよい。同様に、第2の材料として、たとえばプラスチックからなる編物が用いられてもよい。
【0017】
任意選択的に、第2の材料が、発泡材であるかつ/または発泡材部分を有することが想定されている。特に、発泡材は、独立気泡の発泡材である。代替的に、発泡材は、連続気泡の発泡材、これらが混在する発泡材、またはインテグラルフォームである。
【0018】
好ましくは、発泡材は、ポリスチレンベースの、ポリイソシアネートベースの、ポリスチレンおよび/またはポリウレタンベースの発泡材である。
【0019】
特に好ましくは、第2の材料は、金属材料である。この場合、特に、第2の材料は、軟質で変形可能な金属である。代替的に、第2の材料は、軟質なかつ/または変形可能な金属合金である。たとえば、第2の材料は、アルミニウムである。とりわけ、金属材料は、金属メッシュであってもよい。
【0020】
特に好ましくは、第1の材料は、金属である。特に、第1の材料は、ステンレス鋼または低合金の熱処理鋼であってもよい。特に、第1の材料は、耐酸性のかつ/または耐塩基性の金属材料である。特に、第1の材料は、可撓性の金属材料である。たとえば、タンクは、金属の内側容器と、腐食防止性の中間層と、プラスチックおよび/または発泡材の外側スリーブとからなる。このような構成は、長い耐用期間を実現可能にする低コストのタンクを製造するという思想に基づいている。
【0021】
任意選択的に、第1の材料は、第1の電気化学ポテンシャルを有する金属材料であり、第2の材料も金属であり、第2の材料は、第2の電気化学ポテンシャルを有する。この場合、第1の電気化学ポテンシャルが、第2の電気化学ポテンシャルよりも大きいことが想定されている。ここで換言すると、第1の材料は、特に第2の材料よりも腐食しにくい金属である。このような構成は、接触腐食による内側容器の腐食作用が阻止されることにより、格別な耐腐食性のタンクを提供するという思想に基づいている。
【0022】
特に好ましくは、腐食防止剤が、外側スリーブの損傷を視認できるようにするために着色されている。たとえば、腐食防止剤は、色素を含む。特に、色素は、通常光で可視であるように構成されてもよく、代替的に、色素は、紫外光放射で可視であるかつ/または励起可能である。たとえば、色素は、外側スリーブが損傷すると損傷部分へ流れ、その際、外側から有色の腐食防止剤が視認可能となる。
【0023】
任意選択的に、腐食防止剤が、外側スリーブの損傷部分を閉塞するかつ/または封止することができることが想定されている。この場合、たとえば液体の腐食防止剤が、損傷部分へ流入することができ、その際、腐食防止剤は、たとえば空気と接触して損傷部分で硬化して、これを閉塞する。代替的に、腐食防止剤は、外側スリーブの損傷部分に流入することができ、たとえば水を弾くように損傷部分に付着することが想定されてもよい。
【0024】
前述のようなタンクを製造する方法が、本発明の別の対象を成している。この場合、内側容器の周りに、耐衝撃性の第2の材料からなる外側スリーブが配置される。内側容器と外側スリーブとの間に、腐食防止剤としての中間層が配置される。特に、中間層は、外側スリーブと内側容器との間の隙間を閉塞するために導入される。
【0025】
特に好ましくは、方法の範囲内で、好ましくは液体のまたは気体の腐食防止剤への浸漬または腐食防止剤の流し込みにより中間層が形成される。また特に好ましくは、腐食防止剤および/または中間層は、毛管力に基づいて隙間にかつ/または内側容器と外側スリーブとの間に導入される。このような構成は、内側容器の材料と外側スリーブとの間に腐食防止剤を供給する特に簡単な方法を提供するという思想に基づいている。
【0026】
本発明の別の特徴、利点および作用は、本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態としてのタンクを示す。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態としてのタンク1を示している。タンク1は、内側容器2と外側スリーブ3と中間層4とを有し、中間層4は、内側容器2と外側スリーブ3との間に配置されている。タンク1は、気体または液体の物質、特に圧縮ガスを貯蔵するように構成されている。タンク1は、たとえば円筒状に形成されていて、端部領域で先細りになっている。先細りの端部領域には、アタッチメント5が、特に気体出口、安全弁および圧力センサが配置されている。アタッチメント5は、たとえば正圧が過度に高い場合に気体を放出できるようにするために用いられる。
【0029】
アタッチメント5が配置された領域には、特に縁領域6が位置する。縁領域6には、隙間開口部が配置されており、この場合、隙間開口部とは、外側スリーブ3と内側容器2との間の隙間の開口部または充填管片と解される。中間領域に供給された腐食防止剤が、特に外側スリーブ3と内側容器2との間の隙間を閉塞し、内側容器2に対して腐食防止性の固体の層(たとえば塗料としての樹脂の架橋後)または液体の層(たとえば阻害性の液膜、たとえば腐食防止オイル)を形成する。中間層4は、特に外側スリーブ3と内側容器2との間の隙間の隙間寸法に相当する厚さを有する。中間層4は、たとえば油性の、好ましくは粘性のある油性の、外側スリーブ3と内側容器2との間の膜である。
【0030】
外側スリーブ3は、第2の材料から作製されており、この場合、第2の材料は、好ましくは耐衝撃性の材料である。耐衝撃性の外側スリーブ3は、弾性変形性を有する、かつ/または衝撃エネルギを吸収して、この衝撃エネルギを点状に内側容器2へ伝達することなく幅方向に分散するように構成されている。外側スリーブ3は、好ましくは、1ミリメートルよりも大きな厚さを有する。
【0031】
内側容器2は、第1の材料から作製されており、この場合、第1の材料は、金属材料である。好ましくは、第1の材料は、低合金の熱処理鋼またはアルミニウムである。第1の材料および/または内側容器2は、たとえば水素および/または天然ガスに対して特に気密である。
図1