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特許7052026整合ソースインピーダンス駆動システムおよびそれを動作させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】整合ソースインピーダンス駆動システムおよびそれを動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20220404BHJP
   H03H 7/40 20060101ALI20220404BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20220404BHJP
   C23C 16/505 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H05H1/46 L
H03H7/40
H01L21/302 101B
H01L21/302 101C
C23C16/505
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2020520235
(86)(22)【出願日】2018-10-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 US2018055487
(87)【国際公開番号】W WO2019075256
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-06-01
(31)【優先権主張番号】15/730,131
(32)【優先日】2017-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597112542
【氏名又は名称】アドバンスト・エナジー・インダストリーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Advanced Energy Industries, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】バン ジル, ギデオン ヨハネス ヤコブス
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-092483(JP,A)
【文献】特表2007-524963(JP,A)
【文献】特表2013-515446(JP,A)
【文献】特開2012-050296(JP,A)
【文献】特表2010-536118(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0081811(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0148303(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
H03H 7/40
H01L 21/3065
C23C 16/505
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力信号を出力するための無線周波数発生器であって、前記無線周波数発生器は、基準点においてソースインピーダンスZ有し、
前記無線周波数発生器は、
基準信号を受信するための基準入力部と、
コントローラ
を備え、
前記コントローラは、
K(v+Z i)を計算することであって、vは、前記基準点における電圧であり、iは、前記基準点における前記無線周波数発生器の電流出力であり、Kは、スカラーである、ことと、
前記計算されたK(v+Z i)に基づいて、前記出力信号の大きさを制御することと、
前記計算されたK(v+Z i)に基づいて、前記基準信号の位相に対する前記出力信号の位相を制御することと、
前記計算された大きさと前記計算された位相とを有する前記出力信号を出力することと
を行うように構成されている、無線周波数発生器。
【請求項2】
|Z|<10であり、前記コントローラは前記出力信号の電圧を制御することをさらに行う、請求項1に記載の無線周波数発生器。
【請求項3】
|Z|>250であり、前記コントローラは前記出力信号の電流を制御することをさらに行う、請求項1に記載の無線周波数発生器。
【請求項4】
前記無線周波数発生器は、プラズマチャンバ内に構成されている対応する複数のアンテナ入力部に結合されている複数の無線周波数発生器のうちの1つをさらに備える、請求項1に記載の無線周波数発生器。
【請求項5】
前記無線周波数発生器は、ハーフブリッジ回路をさらに備え、前記ハーフブリッジ回路は、直流源の第1のノードを前記無線周波数発生器のノードn1に選択的に結合する第1のスイッチと、前記無線周波数発生器の前記ノードn1を前記直流源の第2のノードに選択的に結合する第2のスイッチとを備える、請求項1に記載の無線周波数発生器。
【請求項6】
前記無線周波数発生器は、前記無線周波数発生器の前記ノードn1に結合されている誘導プリロード回路をさらに備え、前記誘導プリロード回路は、前記ハーフブリッジ回路が、ゼロ電圧スイッチングを使用すると、誘導電流を提供する、請求項5に記載の無線周波数発生器。
【請求項7】
前記無線周波数発生器は、前記無線周波数発生器の前記ノードn1に接続されている直列共振回路をさらに備え、前記直列共振回路は、前記ハーフブリッジ回路のスイッチングによって発生される高調波をフィルタリングし、前記直列共振回路は、前記ハーフブリッジ回路がスイッチングされる周波数に本質的に類似する共振周波数を有する、請求項6に記載の無線周波数発生器。
【請求項8】
前記無線周波数発生器は、90度の正または負の偶数倍に等しい遅延を伴うフィルタをさらに備え、前記フィルタは、前記無線周波数発生器の前記ノードn1と前記基準点との間に結合されており、前記コントローラは、前記出力信号の電圧を制御する、請求項6に記載の無線周波数発生器。
【請求項9】
前記無線周波数発生器は、90度の正または負の奇数倍に等しい遅延を伴うフィルタをさらに備え、前記フィルタは、前記無線周波数発生器の前記ノードn1と前記基準点との間に結合されており、前記コントローラは、前記出力信号の電流を制御する、請求項6に記載の無線周波数発生器。
【請求項10】
前記コントローラはプラズマチャンバに電力を送達するとき、およびプラズマチャンバから電力を吸収するときに、前記計算されたK(v+Z i)に基づいて、前記出力信号の大きさを制御することと、前記計算されたK(v+Z i)に基づいて、前記基準信号の位相に対する前記出力信号の位相を制御することとをさらに行う、請求項1に記載の無線周波数発生器。
【請求項11】
方法であって、
少なくとも1つのメモリ内に記憶されている命令を実行する少なくとも1つのプロセッサが、基準点においてソースインピーダンスZ有する無線周波数発生器に対して、K(v+Z i)に基づいて出力信号を計算することであって、vは、前記基準点における電圧であり、iは、前記基準点における前記無線周波数発生器の電流出力であり、Kは、スカラーである、ことと、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記出力信号の大きさと基準入力部において受信される基準信号の位相に対する前記出力信号の位相とに対する標的値を受信することと、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記出力信号の大きさと前記基準入力部において受信される前記基準信号の位相に対する前記出力信号の位相とに対する測定値を受信することと、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記測定値が前記標的値に接近するように、前記無線周波数発生器を制御することと
を含む、方法。
【請求項12】
|Z|<10であるとき、前記方法は、前記出力信号の出力電圧を制御することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
|Z|>250であるとき、前記方法は、出力電流を制御することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記無線周波数発生器は、プラズマチャンバ内に構成されている対応する複数のアンテナ入力部に結合されている複数の無線周波数発生器のうちの1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、前記無線周波数発生器誘導プリロード回路を使用してゼロ電圧スイッチングを使用するときに、誘導電流を提供することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記無線周波数発生器がスイッチングされる周波数に本質的に類似する共振周波数を有する直列共振回路を使用して、前記無線周波数発生器のスイッチングによって発生される高調波をフィルタリングすることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、
前記無線周波数発生器に対して、K(v+Z i)を計算することであって、vは、前記基準点における電圧であり、iは、前記基準点における前記無線周波数発生器の電流出力であり、Kは、スカラーである、ことと、
プラズマチャンバに電力を送達するとき、およびプラズマチャンバから電力を吸収するときに、前記計算されたK(v+Z i)に基づいて前記出力信号の大きさを制御することと、前記計算されたK(v+Z i)に基づいて、前記基準入力部において受信される前記基準信号の位相に対する前記出力信号の位相を制御することと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
プラズマ処理システムであって、前記プラズマ処理システムは、
複数のアンテナを伴って構成されているエンクロージャと、
前記アンテナに結合されている複数の無線周波数発生器
を備え、
前記複数の無線周波数発生器は、出力信号を出力し、
k番目の無線周波数発生器の基準点においてソースインピーダンスZgk有する前記k番目の無線周波数発生器は
基準信号を受信するための基準入力部と、
コントローラで
を備え、
前記コントローラは、
(v +Z gk )を計算することであって、v は、前記k番目の無線周波数発生器の基準点における電圧であり、i は、前記k番目の無線周波数発生器の基準点における前記k番目発生器の電流出力であり、K は、スカラーである、ことと、
前記計算されたK (v +Z gk )に基づいて、前記出力信号の大きさを制御することと、
前記計算されたK (v +Z gk )に基づいて、前記基準信号の位相に対する前記出力信号の位相を制御することと、
前記計算された大きさおよび前記計算された位相を有する前記出力信号を出力することと
を行う、プラズマ処理システム。
【請求項19】
前記コントローラは|Zgk|<10であるとき、前記k番目の発生器の出力電圧を制御することをさらに行う、請求項18に記載のプラズマ処理システム。
【請求項20】
前記コントローラは|Zgk|>250であるとき、前記k番目の発生器の出力電流を制御することをさらに行う、請求項18に記載のプラズマ処理システム。
【請求項21】
前記コントローラはプラズマチャンバに電力を送達するとき、およびプラズマチャンバから電力を吸収するときに、前記計算されたK (v +Z gk )に基づいて、前記出力信号の大きさを制御することと、前記計算されたK (v +Z gk )に基づいて、前記基準信号の位相に対する前記出力信号の位相を制御することとをさらに行う、請求項18に記載のプラズマ処理システム。
【請求項22】
プラズマ処理システムを動作させるためのシステムであって
前記システムは、
複数のN個のアンテナ入力部を伴って構成されるエンクロージャと、
前記アンテナ入力部に結合される複数のN個の無線周波数発生器であって、複数のN個の無線周波数発生器は、出力信号を出力する、複数のN個の無線周波数発生器と
を備え、
k番目の発生器の基準点においてソースインピーダンスZgk有する前記k番目の無線周波数発生器は、
基準信号を受信するための基準入力部と、
コントローラと
を備え、
前記コントローラは、
=K (v +Z gk )を計算することであって、v 前記k番目の発生器の基準点における電圧であり、i は、前記k番目の発生器の基準点における前記k番目の発生器の電流出力であり、K は、スカラーである、ことと、
前記計算されたf =K (v +Z gk )に基づいて、前記出力信号の大きさを制御することと、
前記計算されたf =K (v +Z gk )に基づいて、前記基準信号の位相に対する前記出力信号の位相を制御することと、
前記基準信号に対して、各発生器の前記出力信号の大きさおよび前記出力信号の位相を調節することによって、集合(c、c、・・・、c)を決定することであって、cは、プラズマチャンバ内に規定された電磁場分配をもたらす前記基準信号に対する大きさおよび位相を伴うvおよびiの線形結合である、ことと、
(c、c、・・・、c)を適用しながら、各無線周波数発生器から出力電圧および出力電流の2つの線形独立結合を取得し、前記出力電圧および前記出力電流の線形結合の集合(c、c、・・・、c)を、前記無線周波数発生器に対する対応する設定点の集合(f、f、・・・、f)に変換することと、
前記設定点(f、f、・・・、f)を、前記k番目の発生器がK(v+Zgk)の測定される値を前記設定点f(k=1、2、・・・、N)に調節する前記無線周波数発生器に与えることと
を行うシステム。
【請求項23】
前記コントローラは
前記無線周波数発生器の設定点を順番に摂動させることと、
各無線周波数発生器から前記出力電圧および前記出力電流の2つの線形独立結合の測定値を取得し、前記無線周波数発生器の動作点の周囲の前記システムの線形応答を決定することと、
(c、c、・・・、c)の前記出力電圧および前記出力電流の線形結合の集合が、前記プラズマチャンバ内に前記規定された電磁場分配をもたらす前記出力電圧および前記出力電流の値の線形結合の集合に向かって進行するように、前記測定値および前記決定された線形応答を使用して、前記設定点(f、f、・・・、f)を調節することと
さらに行う、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記コントローラはプラズマチャンバに電力を送達するとき、およびプラズマチャンバから電力を吸収するときに、前記計算されたK (v +Z gk )に基づいて、前記出力信号の大きさを制御することと、前記計算されたK (v +Z gk )に基づいて、前記基準信号の位相に対する前記出力信号の位相を制御することとをさらに行う、請求項22に記載のプラズマ処理システム。
【請求項25】
前記コントローラは各発生器から送達電力を取得することと、スカラー値によって前記発生器の設定点を調節することにより、前記プラズマチャンバに送達される規定された全体的電力を維持することとをさらに行う、請求項22に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許協力条約(PCT)出願は、その内容全体が、あらゆる目的のために参照することによって本明細書に組み込まれる、「Matched Source Impedance Driving System and Method of Operating The Same」と題された、2017年10月11日に出願された、米国特許出願第15/730,131号に関し、その優先権を主張する。
【0002】
本開示の側面は、プラズマ処理システムを駆動させるための、改良された方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
プラズマ処理システムは、化学蒸着(CVD)および物理蒸着(PVD)等のプロセスを使用して、基板上に薄膜を堆積させ、かつエッチングプロセスを使用して、基板から膜を除去するために使用される。プラズマは、多くの場合、無線周波数(RF)または直流(DC)発生器を、低圧でプラズマチャンバの中に注入されるガスで充填される、プラズマチャンバに結合することによって作成される。典型的には、RF電力が、インピーダンス整合ネットワークに結合される、RF発生器を使用してプラズマチャンバに印加される。整合ネットワークは、ひいては、プラズマに結合される、アンテナに結合される。本用途において使用される共通アンテナは、容量結合電極および誘導結合コイルである。
【0004】
基板の表面にわたって均一な堆積またはエッチング率を維持することは、不可欠である。チャンバ内の電磁場分配の制御は、均一な堆積またはエッチング率を達成する要因である。電磁場分配は、複数の入力部を伴うアンテナまたは複数のアンテナを使用し、制御された振幅と、相対位相とを伴う、アンテナ入力部を駆動することによって改良されることができる。単一のRF発生器からの出力を分岐させ、要求される振幅と位相の関係を伴って複数のアンテナ入力部を駆動することは、実装することが困難である。アンテナ入力部に結合される別個のRF発生器を使用することは、難題の中でもとりわけ、発生器間の望ましくない相互作用につながる、入力部間の強力な結合の可能性のため、新しいタイプのRF発生器を要求する。これらの観察を念頭において、とりわけ、本開示の側面が、想起された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によると、基準点(例えば、発生器出力部)において実効ソースインピーダンスZを有する、無線周波数(RF)発生器は、基準入力部を含み、基準入力部において受信される信号の位相に対して、基準点におけるK(v+Zi)(但し、vおよびiは、それぞれ、基準点における電圧、および基準点における、発生器から出力される電流であり、Kは、スカラーである)の大きさおよび位相を制御する。さらに別の実施形態では、発生器は、電力を送達するとき、および電力を吸収するときに、K(v+Zi)の制御を維持する。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
基準点においてソースインピーダンスZ を伴う無線周波数発生器であって、
基準入力部と、
コントローラであって、前記コントローラは、前記基準入力部において受信される基準信号の位相に対して、K(v+Z i)に従って計算される出力信号の大きさおよび位相を制御し、vは、前記基準点における電圧であり、iは、前記基準点における前記発生器から出力される電流であり、Kは、スカラーである、コントローラと
を備える、無線周波数発生器。
(項目2)
|Z |<10であり、前記コントローラはさらに、前記出力信号の電圧を制御する、項目1に記載の無線周波数発生器。
(項目3)
|Z |>250であり、前記コントローラはさらに、前記出力信号の電流を制御する、項目1に記載の無線周波数発生器。
(項目4)
プラズマチャンバ内に構成される対応する複数のアンテナ入力部に結合される複数の無線周波数発生器のうちの1つをさらに備える、項目1に記載の無線周波数発生器。
(項目5)
ハーフブリッジ回路をさらに備え、前記ハーフブリッジ回路は、直流源の第1のノードを前記無線周波数発生器のノードn1に選択的に結合する第1のスイッチと、前記無線周波数発生器のノードn1を前記直流源の第2のノードに選択的に結合する第2のスイッチとを備える、項目1に記載の無線周波数発生器。
(項目6)
前記無線周波数発生器のノードn1に結合される誘導プリロード回路をさらに備え、前記誘導プリロード回路は、前記ハーフブリッジが、ゼロ電圧スイッチングを使用すると、誘導電流を提供する、項目5に記載の無線周波数発生器。
(項目7)
前記無線周波数発生器のノードn1に接続される直列共振回路をさらに備え、前記直列共振回路は、前記ハーフブリッジ回路のスイッチングによって発生される高調波をフィルタリングし、前記直列共振回路は、前記ハーフブリッジ回路がスイッチングされる周波数に本質的に類似する共振周波数を有する、項目6に記載の無線周波数発生器。
(項目8)
90度の正または負の偶数倍に等しい遅延を伴うフィルタをさらに備え、前記フィルタは、前記無線周波数発生器のノードn1と前記基準点との間に結合され、前記コントローラは、前記出力信号の電圧を制御する、項目6に記載の無線周波数発生器。
(項目9)
前記無線周波数発生器のノードn1と前記基準点との間に結合される、90度の正または負の奇数倍に等しい遅延を伴うフィルタをさらに備え、前記コントローラは、前記出力信号の電流を制御する、項目6に記載の無線周波数発生器。
(項目10)
前記コントローラはさらに、プラズマチャンバに電力を送達するとき、およびプラズマチャンバから電力を吸収するときに、前記基準入力部において受信される基準信号の位相に対して、K(v+Z i)に従って計算される出力信号の大きさおよび位相を制御する、項目1に記載の無線周波数発生器。
(項目11)
方法であって、
少なくとも1つのメモリ内に記憶され、かつ、少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令を実行する少なくとも1つのプロセッサによって、基準入力部において受信される基準信号の位相に対して、基準点においてZ のソースインピーダンスを伴う無線周波数発生器に対してK(v+Z i)に従って計算される出力信号の大きさおよび位相に対する標的値を受信することであって、vは、電圧であり、iは、前記基準点における前記無線周波数発生器から出力される電流であり、Kは、スカラーである、ことと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される前記命令を使用して、前記基準入力部において受信される前記基準信号の位相に対するK(v+Z i)に従って計算される前記出力信号の大きさおよび位相の測定値を受信することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される前記命令を使用して、前記測定されるK(v+Z i)が、K(v+Z i)の前記標的値に接近するように、前記無線周波数発生器を制御することと
を含む、方法。
(項目12)
|Z |<10であるとき、前記出力信号の出力電圧を制御することをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
|Z |>250であるとき、出力電流を制御することをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目14)
前記無線周波数発生器は、プラズマチャンバ内に構成される対応する複数のアンテナ入力部に結合される複数の無線周波数発生器のうちの1つを含む、項目11に記載の方法。
(項目15)
前記無線周波数発生器が、誘導プリロード回路を使用してゼロ電圧スイッチングを使用するときに、誘導電流を提供することをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目16)
前記無線周波数発生器がスイッチングされる周波数に本質的に類似する共振周波数を有する直列共振回路を使用して、前記無線周波数発生器のスイッチングによって発生される高調波をフィルタリングすることをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目17)
プラズマチャンバに電力を送達するとき、およびプラズマチャンバから電力を吸収するときに、前記基準入力部において受信される前記基準信号の位相に対して、K(v+Z i)に従って計算される前記出力信号の大きさおよび位相を制御することをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目18)
プラズマ処理システムであって、
複数のアンテナを伴って構成されるエンクロージャと、
前記アンテナに結合される複数の無線周波数発生器であって、k番目の無線周波数発生器の基準点においてソースインピーダンスZ gk を伴う前記k番目の無線周波数発生器は、
基準入力部と、
コントローラであって、前記コントローラは、前記基準入力部において受信される基準信号の位相に対して、K (v +Z gk )に従って計算される出力信号の大きさおよび位相を制御し、v は、前記k番目の無線周波数発生器の基準点における電圧であり、i は、前記k番目の無線周波数発生器の基準点における前記k番目の発生器から出力される電流であり、K は、スカラーである、コントローラと
を備える、複数の無線周波数発生器と
を備える、プラズマ処理システム。
(項目19)
前記コントローラはさらに、|Z gk |<10であるとき、前記k番目の発生器の出力電圧を制御する、項目18に記載のプラズマ処理システム。
(項目20)
前記コントローラはさらに、|Z gk |>250であるとき、前記k番目の発生器の出力電流を制御する、項目18に記載のプラズマ処理システム。
(項目21)
前記コントローラはさらに、プラズマチャンバに電力を送達するとき、およびプラズマチャンバから電力を吸収するときに、前記基準入力部において受信される前記基準信号の位相に対して、K (v +Z gk )に従って計算される前記k番目の無線周波数発生器の出力信号の大きさおよび位相を制御する、項目18に記載のプラズマ処理システム。
(項目22)
プラズマ処理システムを動作させるためのシステムであって、
複数のN個のアンテナ入力部を伴って構成されるエンクロージャと、
前記アンテナ入力部に結合される複数のN個の無線周波数発生器であって、k番目の発生器の基準点においてソースインピーダンスZ gk を伴う前記k番目の無線周波数発生器は、
基準入力部と、
コントローラであって、前記コントローラは、
前記基準入力部において受信される基準信号の位相に対して、f =K (v +Z gk )に従って計算される出力信号の大きさおよび位相を制御することであて、v は、前記k番目の発生器の基準点における電圧であり、i は、前記k番目の発生器の基準点における前記k番目の発生器から出力される電流であり、K は、スカラーである、ことと、
前記基準信号に対して、各発生器の前記出力信号の大きさおよび位相を調節することによって、集合(c 、c 、・・・、c )を決定することであって、c は、プラズマチャンバ内に規定された電磁場分配をもたらす前記基準信号に対する大きさおよび位相を伴うv およびi の線形結合である、ことと、
(c 、c 、・・・、c )を適用しながら、各無線周波数発生器から出力電圧および出力電流の2つの線形独立結合を取得し、前記出力電圧および前記出力電流の線形結合の集合(c 、c 、・・・、c )を、前記無線周波数発生器に対する対応する設定点の集合(f 、f 、・・・、f )に変換することと、
前記設定点(f 、f 、・・・、f )を、前記k番目の発生器がK (v +Z gk )の測定される値を前記設定点f (k=1、2、・・・、N)に調節する前記無線周波数発生器に与えることと
を行う、コントローラと
を備える、複数のN個の無線周波数発生器と
を備える、システム。
(項目23)
前記コントローラはさらに、
前記無線周波数発生器の設定点を順番に摂動させることと、
各無線周波数発生器から前記出力電圧および前記出力電流の2つの線形独立結合の測定値を取得し、前記無線周波数発生器の動作点の周囲の前記システムの線形応答を決定することと、
(c 、c 、・・・、c )の前記出力電圧および前記出力電流の線形結合の集合が、前記プラズマチャンバ内に前記規定された電磁場分配をもたらす前記出力電圧および前記出力電流の値の線形結合の集合に向かって進行するように、前記測定値および前記決定された線形応答を使用して、前記設定点(f 、f 、・・・、f )を調節することと
を行う、項目22に記載のシステム。
(項目24)
前記コントローラはさらに、前記基準入力部において受信される前記基準信号の位相に対して、プラズマチャンバに電力を送達するとき、およびプラズマチャンバから電力を吸収するときに、K (v +Z gk )に従って計算される前記k番目の無線周波数発生器の出力信号の大きさおよび位相を制御する、項目22に記載のプラズマ処理システム。
(項目25)
前記コントローラはさらに、各発生器から送達電力を取得し、スカラー値によって前記発生器の設定点を調節し、前記プラズマチャンバに送達される規定された全体的電力を維持する、項目22に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の技術の種々の特徴および利点は、添付図面に図示されるように、それらの技術の特定の実施形態の以下の説明から明白となるであろう。しかしながら、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、技術上の概念の原理を図示することに強調が置かれていることに留意されたい。また、図面では、同様の参照文字が、異なる図全体を通して同一の部分を指し得る。図面は、本開示の典型的実施形態のみを描写し、したがって、範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0007】
図1図1は、本開示の一実施形態による、プラズマチャンバ上に実装され得る、例示的整合ソースインピーダンス駆動システムを図示する。
【0008】
図2図2は、負荷に接続されるRF発生器のテブナン(Thevenin)の等価回路を図示する。
【0009】
図3A図3Aは、本開示の一実施形態による、図1のシステムと併用され得る、例示的RF発生器を図示する。
【0010】
図3B図3Bは、本開示の一実施形態による、図3AのRF発生器と併用され得る、例示的フィルタを図示する。
【0011】
図4図4は、本開示の一実施形態による、プラズマシステムを駆動するために調製するように実施され得る、例示的プロセスを図示する。
【0012】
図5図5は、本開示の一実施形態による、プラズマシステムを駆動するために実施され得る、例示的プロセスを図示する。
【0013】
図6図6は、本開示の一実施形態による、例示的コンピュータシステムを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施形態は、各源が、プラズマチャンバの複数の入力部を駆動するために源のソースインピーダンスに対して計算される、順方向電力を送達するように制御される、複数の位相ロックされた源(RF発生器)を使用する、多入力プラズマチャンバのための整合ソースインピーダンス駆動システムを提供する。従来の技法は、単一のRF発生器と、固定または可変の分配ネットワークとを伴って実装され、プラズマチャンバへの複数のアンテナ入力部を駆動しているが、実践では、発生器の出力部に良好に整合されたインピーダンスを同時に提供しながら、入力部間における適切な振幅と位相の関係を維持することは、困難である。本開示の実施形態は、電力を送達するとき、およびそれを吸収するときに、ある基準点(典型的には、発生器の出力部)における電圧および電流の線形結合の基準入力部において提供される入力信号に対して、大きさおよび位相を制御する、RF発生器を提供することによって、問題の中でもとりわけ、本問題に対する解決策を提供する。電圧および電流の本線形結合が、スカラー×(電圧と電流との和)×発生器のソースインピーダンスとして選定される場合、制御された量(事実上、散乱パラメータの論理において遭遇されるような、スカラー×順方向または入射成分)は、発生器にもたらされるインピーダンスの影響を受けない。加えて、RF周波数において並列のより小型の電流源を利用することが、そのようなアプローチを無限基準インピーダンスシナリオに関して魅力的にし得る。
【0015】
プラズマチャンバ内での均一なプラズマ励起を達成するために、複数の入力部間である振幅と位相の関係を伴ってコヒーレントに駆動され得る、励振アンテナへの複数の入力部が、利用され得る。いったんプラズマチャンバ内に所望される電磁場を作成する励起が(理論的に、または実験を通して)決定されると、励起は、多数の方法で規定されることができる。例えば、N個の入力部全てにおける電圧が、記録される場合、N個の入力部における電圧を規定することが、所望される励起の1つの仕様になる。代替として、要求される電圧が、システムに印加され、N個の入力電流が、測定されてもよい。N個の入力電流を規定することもまた、(システムが、良好に挙動され、いくつかの非線形システムが行い得るような複数の解決策を許容しないと仮定して)チャンバ内に同一の電磁場を生産する、同等の仕様となる。一般的に、各入力部において、所望される励起に匹敵する、電圧および電流の線形結合が、規定されてもよい。複数の入力部を駆動するために励起が規定される方法の選択肢(例えば、順方向成分等の電圧、電流、またはそれらの組み合わせ)は、これが、多くの場合、プラズマ処理機器のユーザによって決定されるため、多くの場合、入力部を駆動するために使用される源の提供業者の制御下にはない。所与の規定された励起に関して、発生機器に関するソースインピーダンスの正しい選択肢は、多くの場合、重要である。例えば、振幅と位相の関係が、順方向電圧(すなわち、(電圧+電流)×基準インピーダンス)として規定される場合、基準インピーダンスに等しいソースインピーダンスを有する発生器を用いて入力を駆動することは、その場合、制御された変数が、プラズマシステムによって発生器にもたらされるインピーダンスの影響を受けないため、本制御問題を劇的に単純化する。
【0016】
重要な制御パラメータは、プラズマシステムに送達される、総電力である。単一の発生器および分配ネットワークを使用してアンテナ入力部に電力を分配することは、プラズマシステムに送達される総電力の単純な制御を可能にする。しかしながら、電圧および電流の線形結合を制御することは、送達電力を直接制御しない。(電圧および電流の選定される線形結合のための同一の値は、発生器にもたらされるインピーダンスに応じた、送達電力の異なる値をもたらすであろう。)プラズマ負荷の非線形の性質、および個々の発生器がそれらの標的値に到達するまでの遅延およびプラズマ負荷の変動は、個々の発生器が、電圧および電流のそれらの標的化された線形結合に接近している間に、プラズマに過度の電力が送達される結果をもたらし得る。電圧および電流の線形結合を制御することに加えて、各個々の発生器が、送達される電力およびある基準インピーダンスに対して計算される順方向および反射電力の組み合わせ等のパラメータの限界を有するであろうことが想定される。また、個々の発生器は、各発生器が総送達電力目標および個々の発生器によって送達される最大電力、入力部または複数の入力部における最大電圧等の他の基準との準拠を確実にするように、電圧および電流の標的化された線形結合を調節するであろう、マスタコントローラに、電圧、電流、インピーダンス、送達電力、順方向電力、および反射電力、またはこれらの測定値の導関数(例えば、負荷反射係数、リアクティブ電力等)から選択される、測定値を報告するであろうことも、想定される。そのような電力制御が実施される場合、アンテナ入力部における電圧および電流の線形結合は、ある場合には、あるスケールファクターまでのみ制御され得る。例えば、個々の発生器への設定点が、(s1、s2、・・・、sN)である場合、設定点は、総送達電力要件を満たしながら、k(s1、s2、・・・、sN)(kは、入力部をあるスケールファクターまで維持するための実数である)に調節されることができる。
【0017】
電圧および電流の具体的な線形結合は、他のものより、チャンバにおいて所望される電磁場に密接に関連し得る(例えば、アンテナが、プラズマに磁気的に結合される場合、電流は、電圧より電磁場に密接に関連し得、アンテナが、プラズマに容量的に結合される場合、電圧は、電流より電磁場に密接に関連し得る)。発生器をプラズマシステム内の変動の影響を受けないようにする、電圧および電流の線形結合が、電磁場の分配を、プラズマシステム内のわずかな変化に対して敏感にする状況が、生じ得る。そのような場合では、電磁場の変動の厳密な制御が、プラズマチャンバ内の電磁場に密接に関連する、それらの電圧および電流の線形結合を維持するために、発生器に与えられる設定点を調節することによって得られ得る。要求される調節値は、発生器の設定点を摂動させ、動作点の周囲のシステムの線形応答を決定し、次いで、発生器の設定点への調節値を計算することによって決定され得る。そのような計算を可能にするために、電圧および電流の2つの線形独立結合が、各発生器から取得されるべきである(例えば、電圧および電流、または非ゼロの抵抗部分を伴うインピーダンスに対して計算される、順方向および反射電力、または電圧+電流および電圧-電流等)。
【0018】
プロセスを例証するために、k番目のアンテナ入力部に接続される、k番目の発生器の発生器ソースインピーダンスに整合する、電圧および電流の線形結合を、fとし、発生器から得られる、電圧および電流の第2の線形独立結合を、rとする。Aを、fおよびrをそれぞれk番目のアンテナ入力部における電圧および電流、すなわち、vおよびiに関連付ける、行列として定義する。
【化1】
電磁場分配をプラズマシステム内のわずかな変化の影響を受けないものにする、k番目のアンテナ入力部における電圧および電流の線形結合を、cとする。Cを、cをvおよびiに関連付ける、行列として定義する。
【化2】
動作点の周囲のシステムの線形応答を、Hとする。Δは、(概して、わずかな)変化を示す。
【化3】
線形応答行列、すなわち、Hは、以下のように、一度に1つの発生器を摂動させることによって、列毎に決定されることができる。
【化4】
所望される電磁場分配をもたらすcの値が、既知であると仮定して、cの電流値が、fおよびrから計算され得るため、所望される値を達成するためのcの所望される変化、すなわち、Δcは、既知である(k=1、2、・・・N)。Iは、N×Nの単位行列のk番目の行である。
【化5】
【化6】
【化7】
Hは、所望される値に収束するように所望されるcを達成するためにfを調節する、繰り返されるプロセスに関して、厳密に既知である必要はないことに留意されたい。Hを決定するために発生器を摂動させるステップは、Hへの良好な近似値が既知である場合、完全に省略されるか、または稀に算出されるか、または場合によっては毎回算出されるかのいずれかであることができる。行列Mが、可逆であると想定されるが、これは、常時、当てはまるわけではない場合があり、ある場合には、Mは、非常に悪条件であるため、本プロセスが機能しないであろうが、多くの用途では、本プロセスが、所望されるcへの収束をもたらし得ることが期待されていることに留意されたい。
【0019】
プラズマチャンバの提供業者は、規定された電圧に対応する、ゼロ基準インピーダンス、およびプラズマチャンバを励起させるための規定された電流に対応する、無限基準インピーダンス等の限定ケースを規定し得る。これらの限定ケースでは、適切な発生器は、ゼロ基準インピーダンスの場合に関して、電圧源であり、無限基準インピーダンスの場合に関して、電流源である。しかしながら、単一の発生器からの出力を分岐させ、可変のインピーダンス要素を使用し、所望される位相と振幅の関係を達成する、従来の技法は、高価であり、実装することが比較的に困難である。
【0020】
図1は、本開示の一実施形態による、プラズマチャンバ102のアンテナ(例えば、電極)112を駆動するために使用され得る、例示的整合ソースインピーダンス駆動システム100を図示する。プラズマチャンバ102は、処理(例えば、堆積またはエッチング)のためのプラズマ104と、基板106とを含有するために使用される、エンクロージャを含む。本開示の実施形態によると、整合ソースインピーダンス駆動システム100は、それぞれ、基準点122における電圧124および電流126の線形結合を測定するように構成される複数のRF発生器108と、基準信号110とを含む。発生器はさらに、電力を送達するとき、およびそれを吸収するときに、基準信号に対して、電圧および電流の本線形結合の大きさおよび位相を、システムコントローラ116から受信される標的値に調節する。
【0021】
プラズマチャンバ102は、基板106を処理するためのプラズマを生成することが可能である、任意のタイプであってもよい。例えば、プラズマチャンバ106は、3つのアンテナ112を有するように示されるが、プラズマチャンバ102は、任意の好適な数のアンテナ112、または単一または複数のアンテナへの単一または複数の入力部を有し得ることを理解されたい。加えて、プラズマチャンバ102は、プラズマチャンバ102内に(電極112の代わりに)ワイヤの複数のコイルを含み得ることが想定され、そのコイルは、プラズマチャンバ102の中に電磁エネルギーを放出するためのアンテナとして機能する。基準信号110は、信号発生器114によって、または発生器108のうちの1つによって提供されてもよい。発生器はまた、そこから電力が、プラズマシステムに電力を送達する発生器108によって吸収され、かつプラズマシステムから電力を吸収する発生器108によって戻され得る、共通DC供給源118を(電力レール120を経由して)共有してもよい。
【0022】
プラズマチャンバ内で均一なプラズマ励起を達成するために、励振アンテナへの複数の入力部が、利用されてもよい。これらの入力部は、入力部間におけるある規定された振幅と位相の関係とを伴って、コヒーレントに駆動される。現在の技術水準は、固定または可変の分配ネットワークと結合され、複数のアンテナ(例えば、電極)入力部を駆動する、単一のRF発生器を使用することである。実践では、要求される振幅と位相の関係を維持し、単一のRF発生器に良好に整合されたインピーダンスを同時に提供することは、困難である。本問題は、複数の位相ロックされた発生器が、別個の電極入力部を駆動するために使用される場合、単純化され得る。しかしながら、頻繁に生じる複雑性は、発生器のいくつかのものが、要求される振幅と位相の関係を維持するために、電力を吸収する必要があり得ることである。しかしながら、従来の発生器は、制御された方法で電力を吸収するように、すなわち、電力を吸収しながら、発生器出力部またはある他の定義される基準点における、規定された振幅および電圧および電流のある線形結合の相対位相を提供するようには設計されていない。
【0023】
制御された様式での電力を吸収するための能力に加えて、要求される結合が、プラズマ中の変化により敏感でなくなるように、発生器のソースインピーダンスを電圧および電流の要求される線形結合に整合させることもまた、有用であり得る。例えば、振幅と位相の関係が、順方向(入射)成分(すなわち、(v+Zi)/[2√Real(Z)](但し、vは、電圧であり、iは、電流であり、Zは、基準インピーダンスである))として規定される場合、本基準インピーダンスに等しいソースインピーダンスを有する発生器を用いて、入力部を駆動することは、その場合、制御された可変の、すなわち、順方向(入射)成分が、プラズマシステムによって発生器にもたらされるインピーダンスの影響を受けないため、本制御問題を劇的に単純化させる。頻繁に、規定された電圧に対応するゼロ基準インピーダンス、および規定された電流に対応する無限基準インピーダンス等の限定ケースが、規定される。限定ケースでは、適切な発生器は、それぞれ、電圧源および電流源である。
【0024】
図2は、負荷206と結合される、ある基準点(典型的には、発生器の出力部)において有効である、RF発生器108のテブナンの等価回路208を図示する、略図200である。そのようなテブナンの等価回路は、実際の発生器の挙動を非常に良好にモデル化していることが、公知である(米国特許出願第20150270104号を参照されたい)。テブナンの等価回路208は、示されるようなテブナンの等価インピーダンス(Z)204と結合される、テブナンの等価電圧源(V)202を含む。加えて、テブナンの等価回路208は、負荷インピーダンス(Z)206が結合される、出力部を有する。発生器108のソースインピーダンスは、テブナンの等価インピーダンス204である。
【0025】
順方向成分の2乗された大きさが、負荷上に入射される順方向電力であるようにスケーリングされる、負荷206へのインターフェースにおける、発生器の観点から発生器ソースインピーダンスに対して計算される、順方向(入射)成分は、以下の通りである。
【化8】
但し、vは、発生器の出力電力であり、iは、発生器208から出力される電流である。
【化9】
であるため、結果として、順方向成分aは、Vに比例し、負荷インピーダンスZ206から独立している。発生器の本モデルでは、Vは、発生器電力増幅器またはコンバータへの固定される制御入力に関して固定されたままである傾向にある。したがって、スカラー×(電圧+電流)×発生器ソースインピーダンスを制御することは、制御された量を負荷インピーダンスの影響を受けないものにする。
【0026】
特定の実施例では、2つのアンテナ112が、単一の周波数(例えば、13.56MHz)において2つのRF発生器108によって駆動される。本実施例は、可能性として、同一のプラズマチャンバ102に結合される同一または別の周波数(例えば、2MHz)において駆動されている対応する入力部も有する、付加的なアンテナ112の存在を除外しない。加えて、本実施例は、励起の周波数における、電磁場、電圧、および電流のみに関し、重要であり得るが、高調波成分、混合生成物、および相互変調生成物に関するわけではない。
【0027】
アンテナ112の入力部において制御する対象の選択肢は、幾分、恣意的である。例えば、場の分配が所望に応じて行われるときに、各入力における電圧の振幅および相対的位相が、測定される場合、同システム上にそれらの電圧を複製することは、同一の場分配をもたらすであろう。代替として、いくつかの入力部における電流および他の入力部における電圧が、制御されることができる。一般的に、各アンテナ112における電圧および電流の線形結合を制御することは、電場分配を制御する。本特定の実施例では、入力部は、電流および電圧が明確に定義され得るものに制限されるであろう。
【0028】
各アンテナ112入力部における電圧および電流の線形結合を制御することは、全ての入力電圧および全ての入力電流を制御する。したがって、測定を通したか、または計算を通したか(ネットワークの性質が既知であると仮定して)のいずれかの入力条件の1つの集合を前提として、全ての入力部における全ての電圧および全ての電流が、既知である。アンテナ112の入力部における電圧(v)および電流(i)の線形結合の任意の1つの集合が、したがって、電圧および電流の線形結合の異なる集合に変換されることができる。例えば、1つの入力部における10.0アンペア(10+j0)、および第2の入力部における(3+j5)アンペアの所望される励起を前提として、電流が、本励起下で測定される、入力部に印加されることができ、電圧もまた、入力部に印加されることができる。例えば、本励起下において、第1および第2の入力部における電圧が、それぞれ、(55-j20)ボルトおよび(-2-j3)ボルトであると測定される場合、以下のシステムのいずれかが、発生器(源)がプラズマ負荷の影響を受けない、システムをもたらすであろう。
1)(10+j0)Aおよび(3+j5)Aの仕様を伴う2つの入力部を駆動するために、2つの電流源を使用する。
2)(58.5+j0)Vおよび(-0.85-j3.5)Vの仕様を伴う2つの電圧源を使用する。
3)0°の順方向成分角を伴う1542W順方向電力、および61°の順方向成分角を伴う415W順方向電力の仕様を伴う、2つの50オームソースインピーダンス発生器を使用する。
4)39.4°の順方向成分角を伴う3-j2オームに対して計算される、(58.52+j0)Vおよび27.1Wの順方向電力の仕様を伴う、電圧源および3-j2オームソースインピーダンス発生器を使用する。
本実施例に関して、全ての場合において、第1の発生器は、550Wを5.5-j2オーム負荷へと送達し、第2の発生器は、-0.62+j0.03オーム負荷から21Wを吸収すること、および本タイプのより多数の実施例が、存在することに留意されたい。
【0029】
図3Aは、本開示の一実施形態による、発生器108として図1のシステム100と併用され得る、例示的RF発生器300を図示する。RF発生器300は、示されるように、ともに結合される、DC供給源302と、ハーフブリッジ304と、フィルタ306と、センサ308と、測定システム310と、コントローラ312とを含む。DC供給源302、ハーフブリッジ304、センサ308、測定システム310、およびコントローラ312は、出力を、システムコントローラ(例えば、図1の116)を用いて通信チャネル316を通してコマンドされる基準信号314に対する大きさおよび位相に維持するための、フィードバックループを形成する。
【0030】
従来のRF発生器は、制御された方法で実際の電力を吸収するようには設計されていない。すなわち、それらは、典型的には、電圧、電流、またはある基準点(例えば、発生器の出力コネクタ、または電力送達システムに沿ったある他の点)における電圧および電流の線形結合の位相の制御を伴う、制御された量の電力を吸収するようには設計されていない。しかしながら、示されるように、RF発生器300の実施形態は、電力が制御された方法で吸収される必要があり得る場合、プラズマチャンバ102の個々のアンテナ112入力部を駆動することに適し得る。
【0031】
RF発生器300は、電力を吸収し得る、エンジン(例えば、電力増幅器、コンバータ、インバータ等)を提供されてもよい。加えて、RF発生器300は、そこから位相基準信号314を受信する、入力部を提供されてもよい。RF発生器300はまた、発生器が、制御された様式で電力を送達および吸収の両方をすることを可能にする、測定および制御システムを提供されてもよい。さらに、RF発生器300は、位相基準入力部において受信される入力に対して、ある基準点における電圧および電流の線形結合の位相を制御しながら、比較的に正確な電力の送達および吸収のために較正されることができる。
【0032】
示されるようなRF発生器300は、電力を送達するかまたは吸収するかのいずれかのときに、ある基準点における電圧および電流の線形結合の基準に対して、大きさおよび位相を制御することが可能である。電力を吸収するとき、電力は、DC供給源302に戻されることができる。本電力は、次いで、例えば、共通の電力供給源バス120を介して、例えば、プラズマチャンバ102に電力を送達する、他のRF発生器300に電力を供給することによって、消散されるか、有用な仕事をするために使用されるかのいずれかであることができる。
【0033】
RF発生器300は、規定された出力が発生および維持されることを可能にする、任意の好適なモードで動作されてもよい。種々の実施形態では、RF発生器300は、有限ソースインピーダンス、ゼロソースインピーダンス(すなわち、電圧源)、または無限ソースインピーダンス(すなわち、電流源)を有してもよい。有限ソースインピーダンスは、スイッチモード動作ではなく線形モード動作でハーフブリッジを動作させることによって、または平衡した増幅器構成内で2つのハーフブリッジを組み合わせ、有限ソースインピーダンスを提供しながら、効率を維持することによって達成されることができる。スイッチモードでハーフブリッジを動作させること、および、例えば、ハーフブリッジと出力部との間に接続される直列共振LCフィルタを使用すること、または、180°の遅延、またはさらに概して90°の偶数倍に等しい遅延を伴うフィルタ306を使用することは、ゼロソースインピーダンス発生器を作成する。スイッチモードでハーフブリッジを動作させること、および90°の遅延、またはさらに概して90°の奇数倍に等しい遅延を伴うフィルタ306を使用することは、無限ソースインピーダンス発生器を作成する。
【0034】
90°遅延の偶数倍および奇数倍は、多くの場合、90°の正および負の倍数に当てはまるであろう。負の遅延を伴うフィルタは、正の位相進みを有し得る。90°遅延フィルタの比較的に単純な実現は、リアクタンスXを伴う直列インダクタを含み、リアクタンス-Xを伴う分岐コンデンサが、後に続き得る。そのようなフィルタは、振幅Vを伴う電圧源を、振幅V/Zを伴う電流源(Zは、L/Cの平方根に等しく、Lは、インダクタのインダクタンスであり、Cは、コンデンサの静電容量である)に変換する。本実施例は、概して、タンク回路を駆動し、電圧源がコンデンサに接続する場所と、インダクタとコンデンサとの間との接続部との間の出力を求める、ハーフブリッジ等の、電圧源を用いてその共振周波数において動作される、直列共振タンク回路を説明する。対応する90°遅延位相進み(または-90°遅延)フィルタは、リアクタンス-Xの直列コンデンサと、リアクタンスXの分岐インダクタとを有する。本フィルタはまた、振幅Vを伴う電圧源を、振幅V/Z(Zは、L/Cの平方根に等しく、Lは、インダクタのインダクタンスであり、Cは、コンデンサの静電容量である)を伴う電流源に変換してもよい。本実施例もまた、タンク回路を駆動するが、本場合では、電圧源がインダクタに接続する場所と、インダクタとコンデンサとの間との接続部との間の出力を求める、ハーフブリッジ等の、電圧源を用いてその共振周波数において動作される、直列共振タンク回路を説明し得る。
【0035】
本文脈におけるフィルタ遅延は、出力が抵抗負荷において終端されるときの電圧伝達関数の位相遅延として捉えられ得る。恣意的遅延、例えば、30°のフィルタは、フィルタが具体的な終端負荷抵抗においてのみ30°遅延を達成して終端される、負荷抵抗に敏感である。90°の奇数倍に等しい遅延を伴うフィルタは、終端レジスタ値の広い範囲にわたる本遅延を、最高でなんらかの高レジスタ値に維持し、90°の偶数倍に等しいフィルタ遅延は、終端レジスタ値の広い範囲にわたる本遅延を、最低でなんらかの低レジスタ値に維持する。フィルタ遅延を考慮するとき、遅延は、概して、発生器内のあるノード、例えば、図3Aのノードaと基準点との間にあり、したがって、遅延におけるセンサ308等の回路の効果を含んでもよい。実践的な限界に起因して、真の電圧および電圧源は、構築することが困難である。達成されるソースインピーダンス、すなわち、Zが、十分に低い(例えば、|Z|<10)場合、RF発生器300は、その出力電圧のみを制御してもよい。達成されるソースインピーダンス、すなわち、Zが、十分に高い(例えば、|Z|>250)場合、RF発生器300は、その出力電流のみを制御してもよい。
【0036】
受動負荷から電力を吸収し得るRF発生器は、存在しないが、同一のプラズマシステムに接続される、複数の発生器の場合では、発生器のいくつかのものが、電力を送達し、いくつかのものが、電力を吸収し得る。発生器300が電力を吸収する必要があるアンテナ112入力部に接続される発生器300の視点から、発生器300は、電力源に接続される。RF発生器300のテブナンの等価電圧の振幅および位相の調節は、発生器が接続される源から利用可能な電力が、RF発生器300が吸収する必要のある電力より多い限り、これが接続される源からの電力の制御された吸収を可能にする。実際の限界は、より制約的であり得、電圧および電流の選定される線形結合の電力および位相を操作するための能力もまた、RF発生器300の電圧、電流、および電力限界等の、RF発生器300の能力によって限定される。発生器300のテブナンの等価電圧源の振幅は、DC供給源302を調節することによって調節されることができ、位相もまた、ハーフブリッジ304スイッチのタイミングを調節することによって調節されることができる。
【0037】
ハーフブリッジ304は、概して、2つの金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)または高電子移動度トランジスタ(HEMT)等の任意の好適なタイプの2つのスイッチから形成される。
【0038】
センサ308は、指向性結合器、または電圧および電流(VI)センサ、または任意の他の好適なセンサであってもよい。測定システム310は、アナログ回路、またはアナログ/デジタルコンバータ、およびデジタル回路を使用して実装されてもよい。
【0039】
コントローラ312は、メモリ(例えば、コンピュータ可読媒体)内に記憶される命令を実行し、RF発生器300の動作を制御する、処理システムを含んでもよい。他の実施形態では、コントローラ312は、離散および/または集積アナログ回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはそれらの任意の組み合わせ等を使用して、他の具体的な形態に具現化され得ることが想定される。
【0040】
コントローラ312は、1つ以上のプロセッサまたは他の処理デバイスと、メモリとを含んでもよい。1つ以上のプロセッサは、機械/コンピュータ可読の実行可能な命令およびデータを処理してもよく、メモリは、機械/コンピュータ可読の実行可能な命令を記憶してもよい。プロセッサは、ハードウェアであり、メモリもまた、ハードウェアである。RF発生器300のメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/または他の非一過性メモリ、例えば、1つ以上のフラッシュディスクまたはハードドライブ等の非一過性コンピュータ可読媒体を含んでもよい。非一過性メモリは、例えば、磁気および/または光ディスク、フラッシュドライブ、および同等物を含む、任意の有形コンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0041】
図3Bは、本開示の一実施形態による、図3AのRF発生器300と併用され得る、例示的フィルタ306を図示する。フィルタ306は、誘導プリロード回路330を含んでもよい。誘導プリロード回路は、発生器のソースインピーダンスに影響を及ぼすことなく、ソフト(ゼロ電圧)スイッチングのための誘導電流を提供する。電力を吸収するように設計される発生器は、電力を吸収するように特別には設計されていない発生器よりも、電力を吸収しながらソフトスイッチングを維持するために、多くの誘導電流を必要とし得る。フィルタは、直列共振回路340を含んでもよい。直列共振回路は、フィルタとして作用し、ハーフブリッジのスイッチングによって発生される高調波を除去する。直列共振回路340の共振周波数において動作されると、本特定のフィルタトポロジを伴う増幅器300は、電圧源に近似する。フィルタ306は、負荷を発生器に整合させるための可変要素350を含有してもよい。ある可変要素が、発生器ソースインピーダンスに影響を及ぼす。発生器300は、可変要素が発生器ソースインピーダンスに影響を及ぼす方法に関する情報を記憶し、その情報を、例えば、システムコントローラ116に対して利用可能にしてもよい。
【0042】
図4は、本開示の一実施形態による、プラズマシステムを駆動するために調製するように実施され得る、例示的プロセス400を図示する。本プロセスは、他の制御入力の有無にかかわらず、プラズマシステムを起動するシステムコントローラ116または別のコントローラによって、またはプラズマシステムを起動するシステムコントローラ116と他のコントローラとの組み合わせによって実行されてもよい。ステップ402において、プラズマシステムが、点火のために調製され、ガス混合物および圧力を調節するステップと、システム内に存在する任意の可変調整要素を設定し、プラズマ点火を向上させるステップとを含んでもよい。ステップ404において、プラズマは、典型的には、発生器のうちのいくつかまたは全てをオンにすることによって点火される。ステップ406において、プラズマシステムは、点火後に起動するように調節され、ガス混合物および圧力、システム内に存在する可変調整要素(例えば、可変要素350)、および発生器への電力設定点を調節するステップを伴ってもよい。ステップ408において、基準信号に対して制御された量の位相(例えば、電流)を含む、設定点が、発生器に与えられる。ステップ410において、プラズマの均一性が、評価される。これは、プラズマチャンバ内の器具類を通して、またはシステム内で処理される基板を評価することを通して行われてもよい。ステップ412において、電磁場分配が容認可能であるかどうかの決定が、行われる。電磁場分配が、容認可能ではない場合、発生器の設定点への調節が、ステップ414において行われる。プラズマシステムを停止させることに関わる決定を行う場合、ステップ402から406が、繰り返される必要があり、そうでなければ、ループは、ステップ416に示されるように、ステップ408に継続することができる。ループは、ステップ412において、電磁場分配が容認可能であることの決定が行われるまで、継続する。ステップ418において、発生器ソースインピーダンスが、取得される。本ステップは、発生器のうちのいずれも可変コンポーネントを有しておらず、ソースインピーダンスが固定される場合、省略されてもよい。ステップ420において、発生器の設定点は、発生器ソースインピーダンスに対して計算される基準信号に対する所望される順方向成分レベルおよび位相に変換される。
【0043】
図5は、本開示の一実施形態による、プラズマシステムを駆動するために実施され得る、例示的プロセス500を図示する。本プロセスは、閉ループ制御を伴うため、本プロセスは、典型的には、人間オペレータによって実行されないであろう。典型的には、本プロセスは、システムコントローラ116または別の利用可能なコントローラによって実行されるであろう。ステップ502において、プラズマシステムが、点火のために調製され、ガス混合物および圧力を調節するステップと、システム内に存在する任意の可変調整要素を設定し、プラズマ点火を向上させるステップとを含んでもよい。ステップ504において、プラズマが、典型的には、発生器のうちのいくつかまたは全てをオンにすることによって点火される。ステップ506において、プラズマシステムは、点火後に起動するように調節され、ガス混合物および圧力、システム内に存在する可変調整要素、および発生器への電力設定点を調節するステップを伴ってもよい。ステップ508において、発生器ソースインピーダンスに対して計算される基準信号に対する所望される順方向成分レベルおよび位相の観点からの設定点が、発生器に与えられる。ステップ510において、コントローラは、各発生器から、基準信号に対する、これらの結合の位相関係を含む、電圧および電流の2つの線形独立結合を取得する。ステップ512において、各発生器が、順番に摂動され、電圧および電流の線形結合の測定値の結果として生じる変化が、記録される。ステップ512は、動作点の周囲のシステムの線形化応答が、十分な正確度を伴って既知である場合、省略されることができる。ステップ512は、例えば、線形化応答が、十分な正確度を伴って既知になるまで、そしておそらく、再び、発生器の設定点を調節するプロセスが、電磁場分配をプラズマシステムの変化の影響を受けないようにする、電圧および電流の線形結合を、それらの所望される値に向かって移動させることに失敗した場合、プラズマ処理ステップの開始時点で数回実施されてもよい。ステップ514では、電磁場分配をプラズマシステムの変化の影響を受けないようにする、電圧および電流のそれらの線形結合を、それらの所望される値に向かって変化させるための発生器の設定点の要求される変化が、計算される。ステップ516において、コントローラは、発生器全てからの送達電力測定値を取得し、プラズマシステムに送達される総電力を計算する。ステップ520において、発生器全てへの設定点が、プラズマに送達される総電力を維持するように調節される。本調節は、例えば、スカラー乗数によって設定点全てを調節することによって、行われることができる。ループは、本プロセスが、ステップ518において決定されるように完了するまで継続する。本プロセスは、ステップ522において停止する。本プロセスは、プラズマチャンバ内に所望される電磁場分配を維持するための、発生器の設定点の調節に関するプロセスのその部分のみを図示する。同時に生じる他のプロセスは、可変調整要素、ガス混合物、およびガス圧の調節を含んでもよい。
【0044】
図4および図5は、本開示のある実施形態による、プラズマシステムを駆動するために実施され得る、プロセスの実施例を説明するが、開示されるプロセスの特徴は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、他の具体的な形態において具現化され得る。例えば、コントローラ(例えば、116)は、本実施例に説明されるようなそれらの動作より、付加的、少ない、またはそれと異なる動作を実施してもよい。別の実施例として、本明細書に説明されるプロセスのステップは、例えば、プラズマチャンバ102上に実装されるRF発生器300の全ての動作を制御する単一のコンピューティングシステムであり得る、図1に示されていないコンピューティングシステムによって実施されてもよい。
【0045】
上記の説明は、本開示の技法を具現化する、例示的システム、方法、技法、命令シーケンス、および/またはコンピュータプログラム製品を含む。しかしながら、説明される開示は、これらの具体的な詳細を用いずに実践され得ることを理解されたい。
【0046】
本開示では、開示される方法は、デバイスによって読取可能な命令またはソフトウェアのセットとして実装され得る。さらに、開示される方法のステップの具体的な順序または階層は、例示的アプローチの事例であることを理解されたい。設計選好に基づいて、本方法のステップの具体的な順序または階層は、開示される主題の範囲内に留まりながら、再配列され得ることを理解されたい。添付の方法に係る請求項は、種々のステップの要素をサンプル順序で提示し、必ずしも提示される具体的な順序または階層に限定することを意図していない。
【0047】
説明される開示は、本開示に従ってプロセスを実施するようにコンピュータシステム(または他の電子デバイス)をプログラムするために使用され得る、その上に記憶される命令を有する機械可読媒体を含み得る、コンピュータプログラム製品またはソフトウェアとして提供され得る。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読取可能である形態(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶するための、任意の機構を含む。機械可読媒体は、限定ではないが、磁気記憶媒体(例えば、ハードディスクドライブ)、光学記憶媒体(例えば、CD-ROM)、磁気光記憶媒体、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブルメモリ(例えば、EPROMおよびEEPROM)、フラッシュメモリ、または電子命令を記憶するために好適な他のタイプの媒体を含んでもよい。
【0048】
例えば、図6は、図3Aに示されるようなコントローラ312、または図1に示されるシステムコントローラ116等の、本開示の実施形態を実装するステップにおいて使用され得る、ホストまたはコンピュータシステム600の実施例を図示する、ブロック図である。コンピュータシステム(システム)は、1つ以上のプロセッサ602-606を含む。プロセッサ602-606は、キャッシュ(図示せず)の1つ以上の内部レベルと、プロセッサバス612との相互作用を指示するための、バスコントローラまたはバスインターフェースユニットとを含んでもよい。ホストバスまたはフロントサイドバスとしても公知である、プロセッサバス612が、プロセッサ602-606をシステムインターフェース614と結合するために使用されてもよい。システムインターフェース614は、システム600の他のコンポーネントにプロセッサバス612とインターフェースをとらせるように、プロセッサバス612に接続されてもよい。例えば、システムインターフェース614は、メインメモリ616にプロセッサバス612とインターフェースをとらせるための、メモリコントローラ613を含んでもよい。メインメモリ616は、典型的には、1つ以上のメモリカードと、制御回路(図示せず)とを含む。システムインターフェース614はまた、1つ以上のI/OブリッジまたはI/Oデバイスにプロセッサバス612とインターフェースをとらせるための、入力/出力(I/O)インターフェース620を含んでもよい。1つ以上のI/Oコントローラおよび/またはI/Oデバイスは、図示されるような、I/Oコントローラ628およびI/Oデバイス630等のI/Oバス626と接続されてもよい。
【0049】
I/Oデバイス630はまた、プロセッサ602-606に情報および/またはコマンド選択を通信するための、英数字キーおよび他のキーを含む、英数字入力デバイス等の入力デバイス(図示せず)を含んでもよい。別のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサ602-606に方向情報および/またはコマンド選択を通信するため、および表示デバイス上でカーソル移動を制御するための、マウス、トラックボール、またはカーソル方向キー等のカーソル制御を含む。
【0050】
システム600は、メインメモリ616として参照される、動的記憶デバイス、またはランダムアクセスメモリ(RAM)、またはプロセッサ602-606によって実行されるべき情報および命令を記憶するための、プロセッサバス612に結合される、他のコンピュータ可読デバイスを含んでもよい。メインメモリ616はまた、プロセッサ602-606による命令の実行の間に一時変数または他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。システム600は、プロセッサ602-606に関する静的情報および命令を記憶するための、プロセッサバス612に結合される、読取専用メモリ(ROM)および/または他の静的記憶デバイスを含んでもよい。図6に記載のシステムは、本開示の側面に従って採用し得る、または構成され得る、コンピュータシステムの1つの可能性として考えられる実施例である。
【0051】
一実施形態によると、上記の技法は、メインメモリ616内に含有される、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行するプロセッサ604に応答して、コンピュータシステム600によって実施されてもよい。これらの命令は、記憶デバイス等の別の機械可読媒体からメインメモリ616の中に読み取られてもよい。メインメモリ616内に含有される命令のシーケンスの実行が、プロセッサ602-606に、本明細書に説明されるプロセスステップを実施させてもよい。代替実施形態では、回路が、ソフトウェア命令の代わりに、またはそれを組み合わせられて使用されてもよい。したがって、本開示の実施形態は、ハードウェアと、ソフトウェアコンポーネントとの両方を含んでもよい。
【0052】
コンピュータ可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読取可能である形態(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶または伝送するための、任意の機構を含む。そのような媒体は、限定ではないが、不揮発性媒体および揮発性媒体の形態をとり得る。不揮発性媒体は、光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ616等の動的メモリを含む。機械可読媒体の一般的な形態は、限定ではないが、磁気記憶媒体(例えば、ハードディスクドライブ)、光学記憶媒体(例えば、CD-ROM)、磁気光記憶媒体、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能なプログラマブルメモリ(例えば、EPROMおよびEEPROM)、フラッシュメモリ、または電子命令を記憶するために好適な他のタイプの媒体を含んでもよい。
【0053】
本開示の実施形態は、本明細書に説明される、種々の動作またはステップを含む。ステップは、ハードウェアコンポーネントによって実施されてもよい、または命令を用いてプログラムされた汎用目的または特殊目的プロセッサにステップを実施させるために使用され得る、機械実行可能命令に具現化されてもよい。代替として、ステップは、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの組み合わせによって実施されてもよい。
【0054】
本開示およびその付随する利点の多くのものが、前述の説明によって理解されるであろうことが考えられ、種々の変更が、開示される主題から逸脱することなく、またはその実質的な利点の全てを犠牲にすることなく、コンポーネントの形態、構成、および配列において成され得ることが明白となるであろう。説明される形態は、説明にすぎず、そのような変更を包含し、含むことが、以下の請求項の意図である。
【0055】
本開示は、種々の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は、例証的であり、本開示の範囲は、それらに限定されないことを理解されたい。多くの変形例、修正、追加、および改良が、可能性として考えられる。さらに一般的には、本開示による実施形態は、特定の実装という文脈において説明されている。機能性は、本開示の種々の実施形態において異なるように分離される、またはブロックに組み合わせられる、または異なる専門用語を用いて説明され得る。これらおよび他の変形例、修正、追加、および改良は、後に続く、請求項において定義されるような本開示の範囲内にあり得る。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6