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特許7052029過電流・過電圧保護回路、電磁誘導式無線給電システム及び調理器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】過電流・過電圧保護回路、電磁誘導式無線給電システム及び調理器具
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/12 20160101AFI20220404BHJP
   A47J 27/08 20060101ALI20220404BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
H02J50/12
A47J27/08 Z
H05B6/12 308
H05B6/12 324
H05B6/12 331
H05B6/12 332
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020522982
(86)(22)【出願日】2017-11-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 CN2017111336
(87)【国際公開番号】W WO2019080212
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】201721383967.8
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515117198
【氏名又は名称】佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼▲熱▼▲電▼器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】San Le Road #19,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 帆
(72)【発明者】
【氏名】王 云峰
(72)【発明者】
【氏名】雷 俊
(72)【発明者】
【氏名】黄 庶▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】江 ▲徳▼勇
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 文▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】▲曽▼ 露添
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0293900(US,A1)
【文献】特開2015-029404(JP,A)
【文献】特開2009-130416(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/12
H05B 6/12
A47J 27/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁誘導式無線給電システムを備えた別体式調理器具であって、
前記電磁誘導式無線給電システムは、
過電流・過電圧保護回路と、
前記別体式調理器具の釜体の内部に設けられた無線給電側(100)と、
前記別体式調理器具の釜蓋の内部に設けられた無線受信側(200)と、を備え、
前記無線給電側(100)は、共振発信ユニット(110)、前記共振発信ユニット(110)が共振作動するように駆動する駆動ユニット(120)、主制御ユニット(130)を備え、前記主制御ユニット(130)は、前記駆動ユニット(120)が前記共振発信ユニット(110)の発信パワーを調整するように制御し、
前記過電流・過電圧保護回路は、
前記共振発信ユニット(110)に接続され、前記共振発信ユニット(110)の共振電流を検出することで電流検出値を出力する電流検出ユニット(310)と、
前記共振発信ユニット(110)に接続され、前記共振発信ユニット(110)の共振電圧を検出することで電圧検出値を出力する電圧検出ユニット(320)と、を備え、
前記主制御ユニット(130)は、電流検出端及び電圧検出端を備え、前記電流検出端は前記電流検出ユニット(310)の出力側に接続され、前記電圧検出端は前記電圧検出ユニット(320)の出力側に接続され、前記主制御ユニット(130)は、前記電流検出値が予め設定された電流限値を超える、及び/又は前記電圧検出値が予め設定された電圧限値を超える場合、前記駆動ユニット(120)が前記共振発信ユニット(110)の発信パワーを低減させるか、又は前記共振発信ユニット(110)が共振作動を停止するように制御し、
前記無線給電側(100)は、通信復調回路(140)をさらに備え、前記通信復調回路(140)の一端は、前記駆動ユニット(120)に接続され、前記通信復調回路(140)の他端は、前記主制御ユニット(130)に接続され、前記主制御ユニット(130)は、前記通信復調回路(140)を介して前記無線給電側(100)がフィードバックする通信情報を受信し、前記通信情報に基づいて前記駆動ユニット(120)を制御し、前記通信情報は、前記駆動ユニット(120)の現在の作動状態を含む、ことを特徴とする別体式調理器具。
【請求項2】
前記駆動ユニット(120)は、コイル駆動回路(121)、第1スイッチトランジスタQ1及び第2スイッチトランジスタQ2を備え、前記コイル駆動回路(121)の制御信号受信側は前記主制御ユニット(130)に接続され、前記コイル駆動回路(121)の第1駆動出力側は前記第1スイッチトランジスタQ1の制御側に接続され、前記コイル駆動回路(121)の第2駆動出力側は前記第2スイッチトランジスタQ2の制御側に接続され、前記第1スイッチトランジスタQ1の一端は給電電源VDDに接続され、前記第1スイッチトランジスタQ1の他端は前記第2スイッチトランジスタQ2の一端に接続され且つ第1ノードJ1を有し、前記第2スイッチトランジスタQ2の他端は前記共振発信ユニット(110)に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の別体式調理器具。
【請求項3】
前記共振発信ユニット(110)は、共振コンデンサC及び無線発信コイルLを備え、前記共振コンデンサCの一端は前記第1ノードJ1に接続され、前記共振コンデンサCの他端は前記無線発信コイルLの一端に接続され、前記無線発信コイルLの他端は前記第2スイッチトランジスタQ2の他端に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の別体式調理器具。
【請求項4】
前記電流検出ユニット(310)は、
一端が前記共振発信ユニット(110)の無線発信コイルLに接続され且つ第2ノードJ2を有し、他端が接地(GND)する電流検出抵抗Rと、
一端が前記第2ノードJ2に接続される第1抵抗R1と、
正入力側が前記第1抵抗R1の他端に接続され、負入力側が第2抵抗R2を介して接地(GND)し、出力側が前記電流検出ユニット(310)の出力側となるオペアンプUと、
一端が前記第1抵抗R1の他端及び前記オペアンプUの正入力側のそれぞれに接続され、他端が接地(GND)する第1コンデンサC1と、
前記オペアンプUの負入力側と出力側との間に接続される第3抵抗R3と、を備える、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の別体式調理器具。
【請求項5】
前記電圧検出ユニット320は、
陽極が前記共振発信ユニット(110)の共振コンデンサC及び無線発信コイルLのそれぞれに接続される第1ダイオードD1と、
一端が前記第1ダイオードD1の陰極に接続される第4抵抗R4と、
一端が前記第4抵抗R4の他端に接続され且つ第3ノードJ3を有し、他端が接地し、前記第3ノードJ3が前記電圧検出ユニット(320)の出力側となる第5抵抗R5と、
前記第5抵抗R5に並列接続される第2コンデンサC2と、を備える、ことを特徴とする請求項4に記載の別体式調理器具。
【請求項6】
前記別体式調理器具は、別体式炊飯器又は別体式電気圧力鍋である、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の別体式調理器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電製品の技術分野に関し、特に電磁誘導式無線給電システムの過電流・過電圧保護回路、電磁誘導式無線給電システム及別体式調理器具に関する。
【背景技術】
【0002】
無線給電技術は、無線接続の優位性を生かして、ワイヤ接続による構造のデザインの制限を解消し、応用の将来性が期待できる。たとえば、家電産業では、取り外し可能な釜蓋(たとえば電気圧力鍋の釜蓋)に給電して、上蓋の温度検出、圧力検出などの機能を実現することができ、取り外し式の加熱プラットフォームに対しては、プラットフォームを介して載置部分に対する無線給電を実現することができる。
【0003】
無線給電は、交流反転システムにより実現され、且つパワー制御が閉ループであり、過酷な場合、過電流や過電圧の状況が発生しやすく、そのため、システムをより確実にするために、対応する保護回路が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、関連技術の技術的課題の1つを少なくともある程度で解決すること目的とする。このため、本発明の第1目的は、電磁誘導式無線給電システムに対する過電圧・過電流保護が可能である電磁誘導式無線給電システムの過電流・過電圧保護回路を提案することである。
【0005】
本発明の第2目的は、電磁誘導式無線給電システムを提案することである。
【0006】
本発明の第3目的は、別体式調理器具を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成させるために、本発明の第1態様は、電磁誘導式無線給電システムの過電流・過電圧保護回路を提案し、前記電磁誘導式無線給電システムは、無線給電側及び無線受信側を備え、前記無線給電側は、共振発信ユニット、前記共振発信ユニットが共振作動するように駆動する駆動ユニット、主制御ユニットを備え、前記主制御ユニットは、前記駆動ユニットが前記共振発信ユニットの発信パワーを調整するように制御し、前記過電流・過電圧保護回路は、
前記共振発信ユニットに接続され、前記共振発信ユニットの共振電流を検出することで電流検出値を出力する電流検出ユニットと、
前記共振発信ユニットに接続され、前記共振発信ユニットの共振電圧を検出することで電圧検出値を出力する電圧検出ユニットと、を備え、
前記主制御ユニットは、電流検出端及び電圧検出端を備え、前記電流検出端は前記電流検出ユニットの出力側に接続され、前記電圧検出端は前記電圧検出ユニットの出力側に接続され、前記主制御ユニットは、前記電流検出値が予め設定された電流限値を超える、及び/又は前記電圧検出値が予め設定された電圧限値を超える場合、前記駆動ユニットが前記共振発信ユニットの発信パワーを低減させるか、又は前記共振発信ユニットが共振作動を停止するように制御する。
【0008】
本発明に係る電磁誘導式無線給電システムの過電流・過電圧保護回路において、電流検出ユニットにより共振発信ユニットの共振電流を検出することで電流検出値を出力し、且つ電圧検出ユニットにより共振発信ユニットの共振電圧を検出することで電圧検出値を出力し、主制御ユニットは、電流検出値が予め設定された電流限値を超える、及び/又は電圧検出値が予め設定された電圧限値を超える場合、駆動ユニットが共振発信ユニットの発信パワーを低減させるか、又は共振発信ユニットが共振作動を停止するように制御し、それによって、電磁誘導式無線給電システムに対する過電圧・過電流保護が実現される。
【0009】
具体的には、前記駆動ユニットは、コイル駆動回路、第1スイッチトランジスタ及び第2スイッチトランジスタを備え、前記コイル駆動回路の制御信号受信側は前記主制御ユニットに接続され、前記コイル駆動回路の第1駆動出力側は前記第1スイッチトランジスタの制御側に接続され、前記コイル駆動回路の第2駆動出力側は前記第2スイッチトランジスタの制御側に接続され、前記第1スイッチトランジスタの一端は給電電源に接続され、前記第1スイッチトランジスタの他端は前記第2スイッチトランジスタの一端に接続され且つ第1ノードを有し、前記第2スイッチトランジスタの他端は前記共振発信ユニットに接続される。
【0010】
具体的には、前記共振発信ユニットは、共振コンデンサ及び無線発信コイルを備え、前記共振コンデンサの一端は前記第1ノードに接続され、前記共振コンデンサの他端は前記無線発信コイルの一端に接続され、前記無線発信コイルの他端は前記第2スイッチトランジスタの他端に接続される。
【0011】
具体的には、前記電流検出ユニットは、
一端が前記共振発信ユニットの無線発信コイルに接続され且つ第2ノードを有し、他端が接地する電流検出抵抗と、
一端が前記第2ノードに接続される第1抵抗と、
正入力側が前記第1抵抗の他端に接続され、負入力側が第2抵抗を介して接地し、出力側が前記電流検出回路の出力側となるオペアンプと、
一端が前記第1抵抗の他端及び前記オペアンプの正入力側のそれぞれに接続され、他端が接地する第1コンデンサと、
前記オペアンプの負入力側と出力側との間に接続される第3抵抗と、を備える。
【0012】
具体的には、前記電圧検出ユニットは、
陽極が前記共振発信ユニットの共振コンデンサ及び無線発信コイルのそれぞれに接続される第1ダイオードと、
一端が前記第1ダイオードの陰極に接続される第4抵抗と、
一端が前記第4抵抗の他端に接続され且つ第3ノードを有し、他端が接地し、前記第3ノードが前記電圧検出ユニットの出力側となる第5抵抗と、
前記第5抵抗に並列接続される第2コンデンサと、を備える。
【0013】
さらに、前記無線給電側は、通信復調回路をさらに備え、前記通信復調回路は、前記主制御ユニットと前記コイル駆動回路との間に接続され、前記主制御ユニットは、前記通信復調回路を介して前記無線受信側がフィードバックする通信情報を受信する。
【0014】
上記目的を達成させるために、本発明の第2態様は、上記の過電流・過電圧保護回路を備える電磁誘導式無線給電システムを提案する。
【0015】
本発明の電磁誘導式無線給電システムは、上記の過電流・過電圧保護回路によって、過電圧・過電流保護を実現できる。
【0016】
上記目的を達成させるために、本発明の第3態様は、上記電磁誘導式無線給電システムを備える別体式調理器具を提案する。
【0017】
具体的には、前記無線給電側は、別体式調理器具の釜体の内部に設けられ、前記無線受信側は、別体式調理器具の釜蓋の内部に設けられる。
【0018】
さらに、前記別体式調理器具は、別体式炊飯器又は別体式電気圧力鍋である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の別体式調理器具は、上記電磁誘導式無線給電システムによって、過電圧・過電流保護を実現し、さらに製品の安全性及び信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例に係る電磁誘導式無線給電システムの構造模式図である。
図2】本発明の実施例に係る過電流・過電圧保護回路を備える電磁誘導式無線給電システムの構造模式図である。
図3】本発明の一実施例に係る電流検出ユニットを備える無線受信側の回路構造図である。
図4】本発明の一実施例に係る電圧検出ユニットを備える無線受信側の回路構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、前記実施例の例は、図面に示されており、図面を通じて同一又は類似した符号が、同一又は類似した素子又は同一又は類似した機能を有する素子を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的であり、本発明を解釈するために過ぎず、本発明を制限するものとして理解することはできない。
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例に係る電磁誘導式無線給電システムの過電流・過電圧保護回路、電磁誘導式無線給電システム及び別体式調理器具を説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施例に係る電磁誘導式無線給電システムの構造模式図である。図1に示されるように、本発明の実施例の電磁誘導式無線給電システムは、無線給電側100及び無線受信側200を備え、たとえば、別体式電気圧力鍋では、無線給電側100は、釜体の内部に設けられてもよく、無線受信側200は、釜蓋の内部に設けられてもよい。
【0024】
無線給電側100は、共振発信ユニット110、共振発信ユニット110が共振作動するように駆動する駆動ユニット120、主制御ユニット130を備え、主制御ユニット130は、駆動ユニット120を制御することによって共振発信ユニット110の発信パワーを調整する。無線受信側200は、共振受信ユニット210、整流ユニット220、フィルタリングユニット230及び制御ユニット240を備え、電磁誘導式無線給電システムが作動するとき、主制御ユニット130は、駆動ユニット120(たとえば交流インバータ回路)を制御することにより、共振発信ユニット110(たとえば発信コイル及び共振コンデンサ)に交番電磁界を発生させ、無線受信側200の共振受信ユニット210(たとえば受信コイル及び共振コンデンサ)に誘導電圧を発生させ、次に、整流ユニット220及びフィルタリングユニット230を介して整流してフィルタリングして、安定的な直流電流を得て、その後、他の負荷270(たとえば、釜蓋の圧力センサ、温度センサなど)に給電し、他の負荷270に給電するか否かは、制御ユニット240によって制御される。
【0025】
図2は、本発明の実施例に係る過電流・過電圧保護回路を備える電磁誘導式無線給電システムの構造模式図である。図2に示されるように、過電流・過電圧保護回路は、電流検出ユニット310及び電圧検出ユニット320を備える。
【0026】
電流検出ユニット310は共振発信ユニット110に接続され、電流検出ユニット310は共振発信ユニット110の共振電流を検出することで電流検出値を出力し、電圧検出ユニット320は共振発信ユニット110に接続され、電圧検出ユニット320は共振発信ユニット110の共振電圧を検出することで電圧検出値を出力する。主制御ユニット130は、電流検出端及び電圧検出端を備え、電流検出端は、電流検出ユニット310の出力側に接続され、電圧検出端は、電圧検出ユニット320の出力側に接続され、主制御ユニット130は、電流検出値が予め設定された電流限値を超える、及び/又は電圧検出値が予め設定された電圧限値を超える場合、駆動ユニット120が共振発信ユニット110の発信パワーを減少させるか、又は共振発信ユニット110が共振作動を停止するように制御する。
【0027】
たとえば、共振発信ユニット110の共振電流が一定の値を超えるとともに、最高電流限値未満である場合、又は共振発信ユニット110の共振電圧が一定値を超えるとともに、最高電圧限値未満である場合、主制御ユニット130は、駆動ユニット120を制御することによって、共振発信ユニット110の発信パワーを低減させ、さらに共振発信ユニット110の共振電圧及び共振電流を低下させ、それにより、システムに対する保護を実現するとともに、システムが持続的に作動できるようにする。ただし、共振発信ユニット110の共振電流が最高電流限値を超えるか、又は共振電圧が最高電圧限値を超える場合、主制御ユニット130は、共振発信ユニット110が共振作動を停止するように制御し、それによって、システム全体の過電圧及び過電流保護を実現する。
【0028】
以下、図面を参照しながら、駆動ユニット120、電流検出ユニット310及び電圧検出ユニット320の具体的な回路構造を詳細に説明する。
【0029】
本発明の一実施例によれば、図3及び図4に示されるように、駆動ユニット120は、コイル駆動回路121、第1スイッチトランジスタQ1及び第2スイッチトランジスタQ2を備え、コイル駆動回路121の制御信号受信側は主制御ユニット130に接続され、コイル駆動回路121の第1駆動出力側は第1スイッチトランジスタQ1の制御側に接続され、コイル駆動回路121の第2駆動出力側は第2スイッチトランジスタQ2の制御側に接続され、第1スイッチトランジスタQ1の一端は、給電電源VDDに接続され、第1スイッチトランジスタQ1の他端は、第2スイッチトランジスタQ2の一端に接続され且つ第1ノードJ1を有し、第2スイッチトランジスタQ2の他端は共振発信ユニット110に接続される。
【0030】
さらに、図3及び図4に示されるように、共振発信ユニット110は、共振コンデンサC及び無線発信コイルLを備え、共振コンデンサCの一端は第1ノードJ1に接続され、共振コンデンサCの他端は無線発信コイルLの一端に接続され、無線発信コイルLの他端は第2スイッチトランジスタQ2の他端に接続される。
【0031】
さらに、図3に示されるように、電流検出ユニット310は、電流検出抵抗R、第1抵抗R1、オペアンプU、第2抵抗R2、第1コンデンサC1及び第3抵抗R3を備え、電流検出抵抗Rの一端は、共振発信ユニット110の無線発信コイルLに接続され且つ第2ノードJ2を有し、電流検出抵抗Rの他端は接地(GND)し、第1抵抗R1の一端は第2ノードJ2に接続され、オペアンプUの正入力側は第1抵抗R1の他端に接続され、オペアンプUの負入力側は、第2抵抗R2を介して接地(GND)し、オペアンプUの出力側は電流検出回路の出力側となり、第1コンデンサC1の一端は、第1抵抗R1の他端及びオペアンプUの正入力側のそれぞれに接続され、第1コンデンサC1の他端は接地(GND)し、第3抵抗R3は、オペアンプUの負入力側と出力側との間に接続される。
【0032】
具体的には、図3に示されるように、共振発信ユニット110の無線発信コイルLの一端に電流検出抵抗Rを増設することによって電流を検出し、その検出原理は、以下のとおりである。電流検出抵抗Rの接続位置により、共振発信ユニット110の消費電力がすべて電流検出抵抗Rを流れるようになり、電流検出抵抗Rの両端の電圧を検出することによって、共振発信ユニット110の共振電流を検出することができる。無線給電パワーが大きく、共振電流が大きいため、効率及び抵抗定格パワーの原因により、通常電流検出抵抗Rの阻値が1オーム以下であり、電流検出抵抗Rが比較的小さく、したがって、電流検出抵抗Rの電圧が低く、直接検出すると、検出精度の劣化を引き起こすため、オペアンプUを増設することにより微弱な電圧信号を増幅した後にAD検出を行うことで、正確な電流検出値が得られ得る。
【0033】
主制御ユニット130は、電流検出値を得ると、過電流保護を行うことができ、電流検出値が過電流限値を超える場合、主制御ユニット130は、駆動ユニット120が共振発信ユニット110の発信パワーを減少させるか、又は共振発信ユニット110が共振作動を停止するように制御する。
【0034】
さらに、図4に示されるように、電圧検出ユニット320は、第1ダイオードD1、第4抵抗R4、第5抵抗R5及び第2コンデンサC2を備え、第1ダイオードD1の陽極は、共振発信ユニット110の共振コンデンサC及び無線発信コイルLのそれぞれに接続され、第4抵抗R4の一端は第1ダイオードD1の陰極に接続され、第5抵抗R5の一端は第4抵抗R4の他端に接続され且つ第3ノードJ3を有し、第5抵抗R5の他端は接地(GND)し、第3ノードJ3は電圧検出ユニットの出力側となり、第2コンデンサC2は第5抵抗R5に並列接続される。
【0035】
具体的には、図4に示されるように、増設される第1ダイオードD1、第4抵抗R4、第5抵抗R5及び第2コンデンサC2によって電圧を検出することができ、その検出原理は、以下のとおりである。無線給電システムが作動するとき、共振発信ユニット110の無線発信コイルLに交番電圧が生じて、第1ダイオードD1は該電圧を整流し、第4抵抗R4及び第5抵抗R5は分圧して、高電圧を主制御ユニット130により識別可能な低電圧に分圧するとともに、第2コンデンサC2は該低電圧をフィルタリング処理することで安定的な直流電圧を得て、主制御ユニット130は、この電圧を検出することにより、共振発信ユニット110の共振電圧を検出する。
【0036】
主制御ユニット130は、電圧検出値を得ると、過電圧保護を行うことができ、電圧検出値が過電圧限値を超える場合、主制御ユニット130は、駆動ユニット120が共振発信ユニット110の発信パワーを低減させるか、又は共振発信ユニット110が共振作動を停止するように制御する。
【0037】
したがって、上記電圧検出ユニット及び電流検出ユニットによってシステムに対する過電圧及び過電流保護が実現できる。
【0038】
また、電磁誘導式無線給電システム全体に対しては、受送信コイルが無線給電に重要なデバイスであり、且つ生産過程において、受送信コイルは、差し込み又は溶接方式で回路板に固定されるため、差し込み又は溶接の不良が発生して、製品の信頼性を損なうことが発生しやすく、このため、問題を容易に特定でき、不良品が市販されてしまうことを回避するように、該システムが受送信コイル状態を自動的に検出できることは期待される。
【0039】
本発明の実施例では、上記電流検出ユニット310及び電圧検出ユニット320によって、システムに対する過電圧及び過電流保護を実現できるとともに、無線発信コイル状態を自動的に検出できる。
【0040】
具体的には、主制御ユニット130は、電流検出ユニット310により電流検出値を検出した後、該電流検出値を判断し、該電流検出値が約0であれば、無線発信コイルLが開回路状態であることを示し、該電流検出値が予め設定された電流閾値(コイルが短絡したときの電流値はコイルが正常であるときの電流値よりも大きい)より多ければ、無線発信コイルLが短絡状態であることを示し、それによって、電流検出ユニット310により検出された電流検出値に基づいてコイルが開回路又は短絡状態であるか否かを判断できる。主制御ユニット130は、電圧検出ユニット320により電圧検出値が検出されたとき、該電圧検出値を判断し、該電圧検出値が約0であれば、無線発信コイルLが短絡状態であることを示す。したがって、電流検出方式により無線発信コイルが適切に取り付けられているか否か、たとえば開回路又は短絡を検出することができ、電圧検出方式で無線発信コイルの短絡の状況を検出できる。
【0041】
なお、無線受信コイルは、差し込み又は溶接である不良が生じた場合、無線発信コイルから伝送されるエネルギーを受け取ることができず、したがって、受信側が非通電状態である場合、無線受信コイルに差し込み又は溶接の不良が生じたことを判断できる。したがって、上記電流検出ユニット、電圧検出ユニット及び受信コイル自体の特徴によって、システムの受送信コイルの状態を自動的に検出することができ、それによって、問題を容易に特定でき、不良品が市販されてしまうことを回避する。さらに、図1及び図2に示されるように、無線給電側100は、通信復調回路140をさらに備え、通信復調回路140は、主制御ユニット130と駆動ユニット120のコイル駆動回路121との間に接続され、主制御ユニット130は、通信復調回路140によって無線受信側100がフィードバックする通信情報を受信する。たとえば、主制御ユニット130は、通信復調回路140(たとえば、電圧電流収集回路、温度収集回路など)により駆動ユニット120における電圧信号、電流信号や温度信号などを検出し、駆動ユニット120の現在の作動状態を判断し、且つ駆動ユニット120の現在の作動状態に応じてコイル駆動回路121を合理的に制御する。具体的な回路構造は、従来技術により実現できるため、ここで詳しく説明しない。
【0042】
同様に、図1に示されるように、無線受信側200は、通信復調回路250、260をさらに備えることができ、通信復調回路250、260は、共振受信ユニット210と制御ユニット240との間に接続され、通信復調回路250、260は、それぞれ共振受信ユニット210に対して電圧、電流検出などを行い、制御ユニット240は、通信復調回路250、260がフィードバックする共振受信ユニット210の電圧電流などによってフィルタリングユニット230を制御し、ここで、フィルタリングユニット230には、負荷270の通電を制御するスイッチトランジスタなどを設置することで、負荷270に給電するか否かを制御することができる。具体的な回路構造は、従来技術により実現できるため、ここで詳しく説明しない。
【0043】
前記のとおり、本発明の実施例に係る電磁誘導式無線給電システムの過電流・過電圧保護回路では、電流検出ユニットにより共振発信ユニットの共振電流を検出することで電流検出値を出力し、電圧検出ユニットにより共振発信ユニットの共振電圧を検出することで電圧検出値を出力し、主制御ユニットは、電流検出値が予め設定された電流限値を超える、及び/又は電圧検出値が過予め設定された電圧限値を超える場合、駆動ユニットが共振発信ユニットの発信パワーを減少させるか、又は共振発信ユニットが共振作動を停止し、それによって、電磁誘導式無線給電システムに対する過電圧・過電流保護が実現される。
【0044】
また、本発明の実施例は、たとえば図2に示されるように上記の過電流・過電圧保護回路を備える電磁誘導式無線給電システムを提案し、ここで詳しく説明しない。
【0045】
本発明の実施例に係る電磁誘導式無線給電システムは、上記の過電流・過電圧保護回路によって、過電圧・過電流保護を実現できる。
【0046】
さらに、本発明の実施例は、上記電磁誘導式無線給電システムを備える別体式調理器具をさらに提案する。たとえば、別体式調理器具は、別体式炊飯器又は別体式電気圧力鍋などであってもよい。
【0047】
本発明の別体式調理器具は、上記電磁誘導式無線給電システムによって、過電圧・過電流保護を実現し、さらに製品の安全性及び信頼性を向上させることができる。
【0048】
なお、本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「円周方向」などの用語により示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明の便宜及び説明の簡素化のために過ぎず、示される装置又は素子が必ず特定の方位を有したり、特定方位で構造又は操作されたりすることを指示又は示唆するものではなく、したがって、本発明に対する制限として理解することはできない。
【0049】
さらに、用語「第1」、「第2」は、説明するために過ぎず、相対重要性を指示又は示唆するか、又は示される技術的特徴の数を暗黙的に示すものとして理解することはできない。それによって、「第1」、「第2」により限定される特徴は、1つ又は複数の該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、「複数」は、別に明確に限定されない限り、2つ以上、たとえば2つ、3つなどを意味する。
【0050】
本発明では、明確な規定や限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広義で理解すべきであり、たとえば、固定して接続されてもよく、取り外し可能に接続されてもよく、又は一体にしてもよいし、機械的に接続されてもよく、電気的に接続されてもよいし、直接接続されてもよく、媒体物を介して間接的に接続されてもよく、2つの素子の内部が連通してもよく、又は2つの素子が相互作用関係を有してもよい。明確に制限されない限り、当業者であれば、具体的な状況に応じて本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0051】
本発明では、明確な規定や限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるとは、第1、第2特徴が直接接触するか、又は第1、第2特徴が媒体物を介して間接的に接触する。さらに、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜上方にあるか、又は第1特徴の水平面からの高さが第2特徴のそれよりも高いことを意味する。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜下方にあるか、又は第1特徴の水平面からの高さが第2特徴のそれよりも低いことを意味する。
【0052】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」などを参照した記載は、該実施例又は例を参照しながら説明する具体的な特徴、構造、材料又特性が、本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な表現は、同一の実施例又は例を指すとは限らない。さらに、説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることができる。さらに、互いに矛盾しない限り、当業者であれば、本明細書に記載されている各種実施例又は例及び各種実施例又は例の特徴を組み合わせることができる。
【0053】
以上、本発明の実施例を示して説明したが、上記実施例は例示的なものに過ぎず、本発明を制限するものとして理解することはできず、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱せずに上記実施例に対して変化、修正、置換及び変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0054】
110 共振発信ユニット
120 駆動ユニット
121 コイル駆動回路
130 主制御ユニット
140 通信復調回路
210 共振受信ユニット
220 整流ユニット
230 フィルタリングユニット
240 制御ユニット
250 通信復調回路
260 通信復調回路
270 負荷
310 電流検出ユニット
320 電圧検出ユニット
図1
図2
図3
図4