(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】光学レンズ群
(51)【国際特許分類】
G02B 13/04 20060101AFI20220404BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
G02B13/04 D
G02B13/18
(21)【出願番号】P 2020541521
(86)(22)【出願日】2019-07-11
(86)【国際出願番号】 CN2019095612
(87)【国際公開番号】W WO2020073703
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2020-07-29
(31)【優先権主張番号】201811179873.8
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515153129
【氏名又は名称】浙江舜宇光学有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】宋 立通
(72)【発明者】
【氏名】黄 林
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-031872(JP,A)
【文献】国際公開第2016/125613(WO,A1)
【文献】特開平05-288986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸に沿って物体側から像側へと、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、第5レンズおよび第6レンズをこの順
から構成される光学レンズ群であって、
前記第1レンズは、負の屈折力を有し、前記第2レンズは屈折力を有し、その像側面が凹面であり、前記第3レンズは屈折力を有し、その像側面が凸面であり、前記第4レンズは正の屈折力を有し、その物体側面は凸面であり、前記第5レンズは負の屈折力を有し、前記第6レンズは、屈折力を有し、前記第3レンズは、ガラス材質のレンズであり、前記第3レンズの前記光軸における中心厚CT3と、前記第4レンズの前記光軸における中心厚CT4とは、1.5<CT3/CT4<2.5を満た
し、
前記第1レンズの屈折率N1と前記第3レンズの屈折率N3とは、N1/N3<0.9を満たし、
前記第1レンズの物体側面から前記光学レンズ群の結像面までの前記光軸における距離TTLと、前記光学レンズ群の結像面における有効画素領域の対角線の半分ImgHと、前記光学レンズ群の最大半画角semiFOVは、TTL/(ImgH×tan(semiFOV/2))<6を満たすことを特徴とする光学レンズ群。
【請求項2】
前記第3レンズは、正の屈折力を有し、前記第1レンズの有効焦点距離f1と、前記第3レンズの有効焦点距離f3とは、-2<f1/f3≦-1を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ群。
【請求項3】
前記第1レンズの有効焦点距離flと、前記光学レンズ群の全有効焦点距離fとは、-4<fl/f<-1.8を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ群。
【請求項4】
前記第1レンズの有効焦点距離f1と前記第5レンズの有効焦点距離f5とは、1.3<f1/f5<2.1を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ群。
【請求項5】
前記第4レンズの物体側面の曲率半径R7と、前記第4レンズの像側面の曲率半径R8とは、-2<R7/R8<-1を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ群。
【請求項6】
前記第6レンズのエッジ厚さET6と、前記第6レンズの光軸における中心厚CT6とは、0.6<ET6/CT6<1を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ群。
【請求項7】
前記第6レンズの像側面は、変曲点と臨界点を有し、前記第6レンズ像側面の臨界点から前記光軸までの垂直距離YC62と、前記第6レンズの像側面の有効半径DT62とは、0.5<YC62/DT62<1を満たすことを特徴とする請求項
6に記載の光学レンズ群。
【請求項8】
前記第3レンズと前記第4レンズとの前記光軸における間隔T34と、前記第4レンズと前記第5レンズとの前記光軸における間隔T45と、前記第5レンズと前記第6レンズとの前記光軸における間隔T56とは、(T34+T45)/T56<3を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ群。
【請求項9】
前記第1レンズの像側面と前記光軸との交点から前記第1レンズの像側面の最大有効半径の頂点までの前記光軸における距離SAG12と、前記第1レンズの物体側面から前記第6レンズの像側面までの前記光軸における間隔TDとは、1<SAG12×10/TD<2を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ群。
【請求項10】
前記第6レンズの像側面の有効半径DT62と、前記光学レンズ群の結像面における有効画素領域の対角線の半分ImgHとは、0.5<DT62/ImgH<1を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ群。
【請求項11】
光軸に沿って物体側から像側へと、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、第5レンズおよび第6レンズをこの順
から構成される光学レンズ群であって、
前記第1レンズは負の屈折力を有し、前記第2レンズは屈折力を有し、その物体側面が凸面であり、像側面が凹面であり、前記第3レンズは屈折力を有し、その像側面が凸面であり、前記第4レンズは正の屈折力を有し、その物体側面が凸面であり、前記第5レンズは負の屈折力を有し、前記第6レンズは屈折力を有し、前記第3レンズはガラス材質のレンズであり、
前記第6レンズの像側面が変曲点と臨界点を有し、前記臨界点から前記光軸までの垂直距離YC62と、前記第6レンズの像側面の有効半径DT62とは、0.5<YC62/DT62<1を満た
し、
前記第1レンズの屈折率N1と前記第3レンズの屈折率N3とは、N1/N3<0.9を満たし、
前記第1レンズの物体側面から前記光学レンズ群の結像面までの前記光軸における距離TTLと、前記光学レンズ群の結像面における有効画素領域の対角線の半分ImgHと、前記光学レンズ群の最大半画角semiFOVは、TTL/(ImgH×tan(semiFOV/2))<6を満たすことを特徴とする光学レンズ群。
【請求項12】
前記第3レンズは正の屈折力を有し、前記第1レンズの有効焦点距離f1と、前記第3レンズの有効焦点距離f3とは、-2<f1/f3≦-1を満たすことを特徴とする請求項
11に記載の光学レンズ群。
【請求項13】
前記第1レンズの有効焦点距離flと、前記光学レンズ群の全有効焦点距離fとは、-4<fl/f<-1.8を満たすことを特徴とする請求項
11に記載の光学レンズ群。
【請求項14】
前記第1レンズの有効焦点距離f1と、前記第5レンズの有効焦点距離f5とは、1.3<f1/f5<2.1を満たすことを特徴とする請求項
11に記載の光学レンズ群。
【請求項15】
前記第6レンズのエッジ厚さET6と、前記第6レンズの前記光軸における中心厚CT6とは、0.6<ET6/CT6<1を満たすことを特徴とする請求項
11に記載の光学レンズ群。
【請求項16】
前記第1レンズの像側面と前記光軸との交点から前記第1レンズの像側面までの最大有効半径頂点の前記光軸における距離SAG12と、前記第1レンズの物体側面から前記第6レンズの像側面までの前記光軸における間隔TDとは、1<SAG12×10/TD<2を満たすことを特徴とする請求項
11ないし
15のいずれか1項に記載の光学レンズ群。
【請求項17】
前記第6レンズの像側面の有効半径DT62と前記光学レンズ群の結像面における有効画素領域の対角線の半分ImgHとは、0.5<DT62/ImgH<1を満たすことを特徴とする請求項
11ないし
16のいずれか1項に記載の光学レンズ群。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は2018年10月10日に中華人民共和国国家知識産権局(CNIPA)に提出された、出願番号が201811179873.8である中国特許出願に基づく優先権と権利を主張し、当該中国特許出願の全文を引用により本出願に組み込む。
【0002】
本出願は、光学レンズ群に関し、より具体的には、6枚のレンズを有する光学レンズ群に関する。
【背景技術】
【0003】
広角レンズは、視野が広く、被写界深度が長いという利点を有しており、一般的に広範囲の被写体を撮影するために用いられている。近年、仮想現実技術/拡張現実技術(VR/AR)等の新たな技術の発展に伴い、広角レンズもこれらの分野においてより広く応用され、例えばパノラマ画像キャプチャ、物体の測位等の重要な機能に応用されている。これらの機能をより適切に実現するために、広角レンズのサイズ、結像品質、画角などに高い要件が課せられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は携帯電子製品に適用可能な、従来技術における上記の少なくとも一つの欠点を少なくとも解決または部分的に解決することができる光学レンズ群を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様において、本出願は光学レンズ群を提供し、該光学レンズ群は光軸に沿って物体側から像側へと順に、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、第5レンズおよび第6レンズを備える。その中、第1レンズは、負の屈折力を有してもよく、第2レンズは、正の屈折力または負の屈折力を有し、その像側面が凹面であってもよく、第3レンズは正の屈折力または負の屈折力を有し、その像側面が凸面であってもよく、第4レンズは正の屈折力を有してもよく、その物体側面が凸面であってもよく、第5レンズは負の屈折力を有してもよく、第6レンズは正または負の屈折力を有する。その中、第3レンズは、ガラスの材質からなるレンズであってもよい。
【0006】
一実施形態において、第3レンズの光軸における中心厚CT3と第4レンズの光軸における中心厚CT4とは、1.5<CT3/CT4<2.5を満たすことができる。
【0007】
一実施形態において、第1レンズの屈折率N1と第3レンズの屈折率N3とは、N1/N3<0.9を満たすことができる。
【0008】
一実施形態において、第3レンズは正の屈折力を有し、第1レンズの有効焦点距離f1と第3レンズの有効焦点距離f3とは、-2<f1/f3≦-1を満たすことができる。
【0009】
一実施形態において、第1レンズの有効焦点距離f1と光学レンズ群の全有効焦点距離fとは、-4<f1/f<-1.8を満たすことができる。
【0010】
一実施形態において、第1レンズの有効焦点距離f1と第5レンズの有効焦点距離f5とは、1.3<f1/f5<2.1を満たすことができる。
【0011】
一実施形態において、第4レンズの物体側面の曲率半径R7と第4レンズの像側面の曲率半径R8とは、-2<R7/R8<-1を満たすことができる。
【0012】
一実施形態において、第6レンズの像側面は、変曲点と臨界点とを有してもよく、第6レンズの像側面の臨界点から光軸までの垂直距離YC62と、第6レンズの像側面の有効半径(Semi-diameter)DT62とは、0.5<YC62/DT62<1を満たすことができる。
【0013】
一実施形態において、第6レンズのエッジ厚さET6と第6レンズの光軸における中心厚CT6は、0.6<ET6/CT6<1を満たすことができる。
【0014】
一実施形態において、第1レンズの像側面と光軸との交点から第1レンズの像側面の最大有効半径の頂点までの光軸における距離SAG12と第1レンズの物体側面から第6レンズの像側面までの光軸における距離TDは、1<SAG12×10/TD<2を満たすことができる。
【0015】
一実施形態において、第6レンズの像側面の有効半径DT62と光学レンズ群の結像面における有効画素領域の対角線の半分の長さImgHは、0.5<DT62/ImgH<1を満たすことができる。
【0016】
一実施形態において、第1レンズの物体側面から光学レンズ群の結像面までの光軸における距離TTL、光学レンズ群の結像面における有効画素領域の対角線の半分の長さImgH、及び光学レンズ群の最大半画角semiFOVは、TTL/(ImgH×tan(semiFOV/2))<6を満たすことができる。
【0017】
一実施形態において、第3レンズと第4レンズの光軸における間隔T34、第4レンズと第5レンズの光軸における間隔T45、及び第5レンズと第6レンズの光軸における間隔T56は、(T34+T45)/T56<3を満たすことができる。
【0018】
一実施形態において、第2レンズの物体側面は、凸面であってもよい。
【0019】
本出願は6枚のレンズを採用し、各レンズの屈折力、面タイプ、各レンズの中心厚及び各レンズ間の軸における間隔等を合理的に分配することにより、上記光学レンズ群は小型化、高結像品質、超広角化等の少なくとも1つの有益な効果を有する。
【0020】
図面を踏まえて以下の非限定的な実施形態に対する詳細な説明により、本出願の他の特徴、目的及び利点がより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本出願の実施例1に係る光学レンズ群の構成概略図を示す。
【
図2A】実施例1の光学レンズ群の軸上色収差曲線を示す。
【
図2B】実施例1の光学レンズ群の非点収差曲線を示す。
【
図2C】実施例1の光学レンズ群の倍率色収差曲線を示す。
【
図3】本出願の実施例2に係る光学レンズ群の構成概略図を示す。
【
図4A】実施例2の光学レンズ群の軸上色収差曲線を示す。
【
図4B】実施例2の光学レンズ群の非点収差曲線を示す。
【
図4C】実施例2の光学レンズ群の倍率色収差曲線を示す。
【
図5】本出願の実施例3に係る光学レンズ群の構成の概略図を示す。
【
図6A】実施例3の光学レンズ群の軸上色収差曲線を示す。
【
図6B】実施例3の光学レンズ群の非点収差曲線を示す。
【
図6C】実施例3の光学レンズ群の倍率色収差曲線を示す。
【
図7】本出願の実施例4に係る光学レンズ群の構成概略図を示す。
【
図8A】実施例4の光学レンズ群の軸上色収差曲線を示す。
【
図8B】実施例4の光学レンズ群の非点収差曲線を示す。
【
図8C】実施例4の光学レンズ群の倍率色収差曲線を示す。
【
図9】本出願の実施例5に係る光学レンズ群の構成概略図を示す。
【
図10A】実施例5の光学レンズ群の軸上色収差曲線を示す。
【
図10B】実施例5の光学レンズ群の非点収差曲線を示す。
【
図10C】実施例5の光学レンズ群の倍率色収差曲線を示す。
【
図11】本出願の実施例6に係る光学レンズ群の構成概略図を示す。
【
図12A】実施例6の光学レンズ群の軸上色収差曲線を示す。
【
図12B】実施例6の光学レンズ群の非点収差曲線を示す。
【
図12C】実施例6の光学レンズ群の倍率色収差曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本出願をさらに良く理解するために、図面を参照して本出願のあらゆる態様をより詳細に説明する。これらの詳細な説明は、本出願の例示的な実施形態に対する説明であり、本出願の範囲を限定するものではないことを理解されたい。明細書全体において、同じ図面記号は同じ要素を示す。「および/または」という表現は、リストされた関連項目の1つまたは複数のあらゆる組み合わせと全ての組み合わせとを含む。
【0023】
本明細書では、第1、第2、第3などの表現は、あくまでもある特徴を別の特徴と区別するためのものであり、特徴に対するいかなる限定を表すものではないことを留意されたい。したがって、本出願の教示から逸脱しない情况で、以下で論じられる第1レンズは、第2レンズまたは第3レンズと呼ばれることもできる。
【0024】
なお、図面においては、説明の便宜上、レンズの厚さ、寸法および形状を少し大きくして示している。具体的には、図示した球面や非球面の形状は例示である。すなわち、球面や非球面の形状は、図示した球面または非球面の形状に限定されるものではない。図面はあくまでも例示であり、厳密に比例して描かれたものではない。
【0025】
本明細書では、近軸領域とは、光軸付近の領域を指す。レンズ面が凸面であり、且つ凸面の位置が定義されていない場合、レンズ面が少なくとも近軸領域において凸面であることを表す。レンズ面が凹面であり、且つ凹面の位置が定義されていない場合、レンズ面が少なくとも近軸領域において凹面であることを表す。各レンズの最も被写体に近い表面が該レンズの物体側面と呼ばれ、各レンズの最も像に近い面が該レンズの像側面と呼ばれる。
【0026】
また、「…を備える」、「…が備えられる」、「…を有する」、「…を含む」および/または「…が含まれる」という表現は本明細書において、説明した特徴、要素および/または部品が存在することを示すが、1つまたは複数の他の特徴、要素、部品および/またはそれらの組み合わせの存在または付加を除外しないことを理解されたい。さらに、「…のうちの少なくとも1つ」などの表現がリストされた特徴のリストの後に表示される場合、リストされた要素の1つを修飾するものではなく、リストされた特徴全体を修飾するものである。さらに、本出願の実施形態を説明するとき、「…してもよい」を使用すると、「本出願の1つまたは複数の実施形態」を表示する。また、「例示的」という用語は、例示または例挙を指すことを意図している。
【0027】
特に限定がない限り、本明細書で使用されている全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本出願の属する分野の当業者による一般の理解と同じ意味である。また、用語(例えば一般の辞書で定義されている用語)は、関連技術のコンテキストにおける意味と同じ意味を持つものとして解釈されるべきであり、そして、本明細書で特に限定しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されないことも理解されたい。
【0028】
なお、矛盾がない場合、本出願の実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。以下では図面を参照しながら実施例を踏まえて本出願について詳細に説明する。
【0029】
以下、本出願の特徴、原理及びその他の態様について詳細に説明する。
【0030】
本出願の例示的な実施形態に係る光学レンズ群は、例えば、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、第5レンズおよび第6レンズの屈折力を有する6枚のレンズを含んでもよい。これら6枚のレンズは、光軸に沿って物体側から像側へと順次配置され、各隣接するレンズ間にいずれも空気間隔を有することができる。
【0031】
例示的な実施形態において、第1レンズは、負の屈折力を有してもよい。第2レンズは、正の屈折力または負の屈折力を有し、その像側面が凹面であってもよい。第3レンズは屈折力を有してもよく、その像側面が凸面であってもよく、第3レンズがガラス製のレンズであってもよい。第4レンズは正の屈折力を有してもよく、その物体側面が凸面であってもよい。第5レンズは、負の屈折力を有してもよい。第6レンズは、正の屈折力または負の屈折力を有する。各レンズの屈折力及び表面凹凸の組み合わせを合理的に組み合わせることにより、比較的良好にシステムの球面収差と像面湾曲収差とをバランスさせ、より高い結像品質を得ることができる。または、正の屈折力を有するように第3レンズを配置してもよい。または、第2レンズの物体側面を凸面にしてもよい。
【0032】
例示的な実施形態において、第1レンズの像側面は凹面であってもよい。
【0033】
例示的な実施形態において、第2レンズは、負の屈折力を有してもよい。
【0034】
例示的な実施形態において、第4レンズの像側面が凸面であってもよい。
【0035】
例示的な実施形態において、第5レンズの物体側面が凹面であってもよい。
【0036】
例示的な実施形態において、第6レンズは正の屈折力を有してもよく、その物体側面が凸面であり、像側面が凹面である。
【0037】
例示的な実施形態において、本出願の光学レンズ群は、条件式TTL/(ImgH×tan(semiFOV/2))<6を満たすことができ、ここで、TTLは、第1レンズの物体側面から光学レンズ群の結像面までの光軸における距離である。ImgHは光学レンズ群の結像面における有効画素領域の対角線の半分の長さであり、semiFOVは光学レンズ群の最大半画角である。より具体的には、TTL、ImgHおよびsemiFOVはさらに、3.5<TTL/(ImgH×tan(semiFOV/2))<6.0、例えば、4.04≦TTL/(ImgH×tan(semiFOV/2))≦5.02を満たすことができる。条件式TTL/(ImgH×tan(semiFOV/2))<6を満たすことにより、レンズは視野が大きく光学全長が短いという特徴を有し、従って、広角化およびレンズの小型化の要求をさらに満たすことができる。
【0038】
例示的な実施形態において、本出願の光学レンズ群は、条件式N1/N3<0.9を満たすことができ、N1は第1レンズの屈折率であり、N3は第3レンズの屈折率である。より具体的には、N1、N3はさらに、0.7<N1/N3<0.9、例えば、0.86≦N1/N3≦0.89を満たすことができる。条件式N1/N3<0.9を満たすことで、レンズの、軸に垂直な方向における色収差及び軸方向の色収差をより良好に解消することができ、レンズの使用時にパープルフリンジのリスクを大幅に低減することができる。
【0039】
例示的な実施形態において、本出願の光学レンズ群は、条件式(T34+T45)/T56<3を満たすことができ、ここで、T34は、光軸上の第3レンズと第4レンズとの間の間隔であり、T45は、光軸上の第4レンズと第5レンズの間隔、T56は、光軸上の第5レンズと第6レンズの間隔である。より具体的には、T34、T45、およびT56は、0.29≦(T34+T45)/T56≦2.73をさらに満たすことができる。条件式(T34+T45)/T56<3を満たすことで、短いシステムサイズを考慮しながら、高結像品質を実現できる。
例示的な実施形態において、本出願の光学レンズ群は、条件式1.5<CT3/CT4<2.5を満たすことができ、CT3は第3レンズの光軸における中心厚であり、CT4は第4レンズの光軸における中心厚である。より具体的には、CT3とCT4は、1.73≦CT3/CT4≦2.23をさらに満たすことができる。条件式1.5<CT3/CT4<2.5を満たすことで、像面湾曲を効果的に解消でき、レンズの良好な加工性を確保することができる。
【0040】
例示的な実施形態において、本出願の光学レンズ群は、条件式-2<f1/f3≦-1を満たし、ここで、f1は第1レンズの有効焦点距離であり、f3は第3レンズの有効焦点距離である。より具体的には、f1、f3は、-1.80≦f1/f3≦-1.00をさらに満たすことができる。条件式-1.5<f1/f3≦-1を満たすことで、システムの球面収差を補正し、画質を保証することに有利である。
【0041】
例示的な実施形態において、本出願の光学レンズ群は、条件式-4<f1/f<-1.8を満たすことができ、ここで、f1は第1レンズの有効焦点距離であり、fは光学レンズ群の全有効焦点距離である。より具体的には、f1とfは、-3.81≦f1/f≦-1.91をさらに満たすことができる。第1レンズの屈折力を合理的に構成することにより、システム球面収差を効果的に補正することができる。
【0042】
例示的な実施形態において、本出願の光学レンズ群は条件式1.3<f1/f5<2.1を満たすことができ、ここで、f1は第1レンズの有効焦点距離であり、f5は第5レンズの有効焦点距離である。より具体的には、f1、f5は、1.33≦f1/f5≦2.06をさらに満たすことができる。第1レンズと第5レンズの屈折力比を合理的に構成することにより、軸上色収差を良好に補正することができる。
【0043】
例示的な実施形態において、本出願の光学レンズ群は、条件式-2<R7/R8<-1を満たすことができ、ここで、R7は第4レンズの物体側面の曲率半径であり、R8は第4レンズの像側面の曲率半径である。より具体的には、R7及びR8は、-1.96≦R7/R8≦-1.12をさらに満たすことができる。条件式-2<R7/R8<-1を満たすことで、非点収差が良好に補正され、高品質結像効果が得られる。
【0044】
例示的な実施形態において、本出願の光学レンズ群は、条件式0.6<ET6/CT6<1を満たすことができ、ここで、ET6は第6レンズのエッジの厚さであり、CT6は第6レンズの光軸における中心厚である。より具体的には、ET6とCT6とは、0.76≦ET6/CT6≦0.97をさらに満たすことができる。条件式0.6<ET6/CT6<1を満たすことにより、レンズの結像品質が向上され、光学レンズ群のサイズが効果的に低減され、システムが加工しやすい特徴を有することができる。
【0045】
例示的な実施形態において、第6レンズの像側面は、少なくとも1つの変曲点と、少なくとも1つの臨界点とを有し、本出願の光学レンズ群は、条件式0.5<YC62/DT62<1を満たすことができ、YC62は第6レンズの像側面の臨界点から(第6レンズ像側面の臨界点は、第6レンズ像側面において、光軸との交点を除いて、光軸に垂直な接平面に接する点である)光軸までの垂直距離であり、DT62は第6レンズの像側面の有効半径である。より具体的には、YC62およびDT62は、0.66≦YC62/DT62≦0.85をさらに満たすことができる。条件式0.5<YC62/DT62<1を満たすことで、軸外視野の像面湾曲収差を補正し、高結像品質を得ることに有利である。
【0046】
例示的な実施形態において、本出願の光学レンズ群は、条件式1<SAG12×10/TD<2を満たすことができ、ここで、SAG12は、第1レンズ像側面と光軸との交点から第1レンズ像側面の最大有効半径頂点までの光軸における距離であり、TDは第1レンズの物体側面から第6レンズの像側面までの光軸における距離である。具体的には、SAG12およびTDは、1.09≦SAG12×10/TD≦1.86をさらに満たすことができる。条件式1<SAG12×10/TD<2を満たすことで、レンズの低公差感度が保証され、レンズが良い加工性を有する。
【0047】
例示的な実施形態において、本出願の光学レンズ群は条件式0.5<DT62/ImgH<1を満たすことができ、ここで、DT62は、第6レンズの像側面の有効半径で、ImgHは光学レンズ群の結像面における有効画素領域の対角線の半分である。より具体的には、DT62およびImgHは、0.58≦DT62/ImgH≦0.82をさらに満たすことができる。条件式0.5<DT62/ImgH<1を満たすことにより、レンズの後端の外径寸法を効果的に縮小することができ、レンズの加工性を確保することができる。
【0048】
例示的な実施形態において、上記光学レンズ群は、レンズ群の結像品質を向上させるために少なくとも1つの絞りを有してもよい。第3レンズと第4レンズとの間に絞りを設けてもよい。または、上記光学レンズ群は、色ずれを補正するための光学フィルタおよび/または結像面上の感光体を保護するための保護ガラスを含んでもよい。
【0049】
本出願に係る上記実施形態の光学レンズ群は、複数枚のレンズ、例えば、上述したような6枚のレンズを用いることができる。各レンズの屈折力、面タイプ、各レンズの中心厚、各レンズの軸における間隔等を適宜設定することにより、レンズ群の体積を効果的に小さくし、レンズ群の感度を低下させ、レンズ群の加工性を向上させ、それにより、レンズ群を生産や加工しやすく、携帯式電子機器に適用できる。このような構成の光学レンズ群により、小型化、高結像品質、超広角化等の有益な効果を得ることができる。
【0050】
本出願に係る実施形態において、各レンズの鏡面は非球面を採用することが多い。非球面レンズの特徴は、レンズ中心からレンズ周辺までは曲率が連続的に変化している。非球面レンズは、レンズ中心からレンズ周辺まで一定の曲率を有する球面レンズとは異なり、より良好な曲率半径特性を有し、歪曲収差を改善し、非点収差を改善することができるという利点がある。非球面レンズを用いることにより、結像時の収差をできるだけ抑えることができ、結像品質を向上させることができる。あるいは、第1レンズ、第2レンズ、第4レンズ、第5レンズおよび第6レンズのそれぞれの物体側面および像側面の少なくとも一方が非球面であってもよい。さらに、第1レンズ、第2レンズ、第4レンズ、第5レンズおよび第6レンズのそれぞれの物体側面および像側面はいずれも非球面である。
【0051】
しかしながら、当業者は、本出願の保護を求める技術案から逸脱することなく、光学レンズ群を構成するレンズの数を変更して、本明細書に記載される様々な結果および利点を得ることができることを理解するはずである。 例えば、実施形態では6枚のレンズを例に説明したが、当該光学レンズ群は6枚のレンズに限定されない。 必要に応じて、当該光学レンズ群はさらに他の数のレンズを含んでもよい。 以下、上記実施形態に適用可能な光学レンズ群の具体例について、図面を参照してさらに説明する。
【0052】
実施例1
以下、
図1~
図2Cを参照して、本出願の実施例1に係る光学レンズ群について説明する。
図1は、本出願の実施例1に係る光学レンズ群の構成概略図を示す。
【0053】
図1に示すように、本出願の例示的な実施形態に係る光学レンズ群は、光軸に沿って物体側から像側へと、第1レンズE1と、第2レンズE2と、第3レンズE3と、絞りSTOと、第4レンズE4と、第5レンズE5と、第6レンズE6と、フィルタE7と、結像面S15とをこの順に備える。
【0054】
第1レンズE1は負の屈折力を有し、その物体側面S1が凸面であり、像側面S2が凹面である。第2レンズE2は負の屈折力を有し、その物体側面S3が凸面であり、像側面S4が凹面である。第3レンズE3は正の屈折力を有し、その物体側面S5が凸面であり、像側面S6が凸面であり、第3レンズE3がガラス材質であってもよい。第4レンズE4は、正の屈折力を有し、その物体側面S7は凸面であり、像側面S8は凸面である。第5レンズE5は負の屈折力を有し、その物体側面S9が凹面であり、像側面S10が凸面である。第6レンズE6は正の屈折力を有し、その物体側面S11が凸面であり、像側面S12が凹面であり、第6レンズE6の像側面S12が変曲点および臨界点を有する。フィルタE7は、物体側面S13と、像側面S14とを有する。被写体からの光は、各面S1~S14を順次通過し、最終的に結像面S15上に結像される。
【0055】
表1に、実施例1の光学レンズ群の各レンズの面タイプ、曲率半径、厚さ、材料、および円錐係数を示し、ここで、曲率半径及び厚さの単位はmmである。
【0056】
【0057】
表1から明らかなように、第3レンズE3の物体側面S5および像側面S6は、いずれも球面であり、第1レンズE1、第2レンズE2、第4レンズE4、第5レンズE5および第6レンズE6は、いずれも、物体側面および像側面が非球面である。本実施例において、各非球面レンズの面タイプxは以下の非球面の式を利用可能であるが、それにより限定されるものではない。
【数1】
【0058】
ただし、xは、非球面が光軸方向に沿って高さhに位置する場合、非球面の頂点からの距離のベクトル高さである。cは非球面の近軸曲率であり、c=1/R(すなわち、近軸曲率cは上記表1における曲率半径Rの逆数)である。kは円錐係数(表1に示される)である。Aiは非球面の第i-th次の補正係数である。表2は、実施例1の各非球面の鏡面S1~S4及びS7~S12に適用可能な高次項係数A4、A6、A8、A10、A12、A14、およびA16を示す。
【0059】
【0060】
表3に、実施例1の光学レンズ群の光学全長TTL(第1レンズE1の物体側面S1から結像面S15までの光軸における距離)と、結像面S15における有効画素領域の対角線の半分であるImgH、最大半画角semiFOV、光学レンズ群の全有効焦点距離f、および各レンズの有効焦点距離f1~f6を示す。
【0061】
【0062】
図2Aは、実施例1の光学レンズ群の軸上色収差曲線であり、異なる波長の光線のレンズ群を通過した集光スポットのずれを示す。
図2Bは、実施例1の光学レンズ群の非点収差曲線であり、メリジオナル像面湾曲とサジタル像面湾曲を示す。
図2Cは、実施例1の光学レンズ群の倍率色収差曲線を示し、レンズ群を通過する光線の結像面における異なる像高の偏差を表す。
図2A~
図2Cから明らかなように、実施例1に示した光学レンズ群は、良好な結像性能を得ることができる。
【0063】
実施例2
以下、
図3~
図4を参照して、本出願の実施例2に係る光学レンズ群について説明する。本実施例及び以下の実施例では、説明の簡潔のため、実施例1と同様の部分については説明を省略する。
図3は、本出願の実施例2に係る光学レンズ群の構成概略図を示している。
【0064】
図3に示すように、本出願の例示的な実施形態に係る光学レンズ群は、光軸に沿って物体側から像側へと順に第1レンズE1と、第2レンズE2と、第3レンズE3と、絞りSTOと、第4レンズE4と、第5レンズE5と、第6レンズE6と、フィルタE7と、結像面S15とを有する。
【0065】
第1レンズE1は負の屈折力を有し、その物体側面S1が凸面であり、像側面S2が凹面である。第2レンズE2は負の屈折力を有し、その物体側面S3が凸面であり、像側面S4が凹面である。第3レンズE3は正の屈折力を有し、その物体側面S5が凸面であり、像側面S6が凸面であり、第3レンズE3がガラス材質であってもよい。第4レンズE4は、正の屈折力を有し、その物体側面S7は凸面であり、像側面S8は凸面である。第5レンズE5は負の屈折力を有し、その物体側面S9が凹面であり、像側面S10が凸面である。第6レンズE6は正の屈折力を有し、その物体側面S11が凸面であり、像側面S12が凹面であり、第6レンズE6の像側面S12が変曲点および臨界点を有する。フィルタE7は、物体側面S13と、像側面S14とを有する。被写体からの光は、各面S1~14を順次通過し、最終的に結像面S15上に結像される。
【0066】
表4は、実施例2の光学レンズ群の各レンズの面タイプ、曲率半径、厚さ、材料、および円錐係数を示し、ここで、曲率半径および厚さの単位はmmである。
【0067】
【0068】
表4から明らかなように、実施例2では、第3レンズE3の物体側面S5および像側面S6は、いずれも球面であり、第1レンズE1、第2レンズE2、第4レンズE4、第5レンズE5および第6レンズE6のいずれの物体側面および像側面は非球面である。表5は、実施例2の各非球面の鏡面に適用可能な高次項係数を示し、各非球面の面タイプは上記実施例1の式(1)で限定され得る。
【0069】
【0070】
実施例2の光学レンズ群の光学全長TTL、結像面S15上の有効画素領域の対角線の半分ImgH、最大半画角semiFOV、光学レンズ群の全有効焦点距離fおよび各レンズの有効焦点距離f1~f6を表6に示す。
【0071】
【0072】
図4Aは、実施例2の光学レンズ群の軸上色収差曲線を示し、異なる波長の光線がレンズ群を通過した後の焦点のズレを示す。
図4Bは、実施例2の光学レンズ群の非点収差曲線を示し、該曲線はメリジオナル像面湾曲とサジタル像面湾曲を示す。
図4Cは、実施例2の光学レンズ群の倍率色収差曲線を示し、光線がレンズ群を通過した後、結像面に結像する異なる像高のばらつきを示す。
図4A~
図4Cから、実施例2に示した光学レンズ群は、良好な結像品質を達成できることが分かる。
実施例3
【0073】
以下、
図5~
図6Cを参照して、本出願の実施例3に係る光学レンズ群について説明する。
図5は、本出願の実施例3に係る光学レンズ群の構成概略図を示す。
【0074】
図5に示すように、本出願の例示的な実施形態に係る光学レンズ群は、光軸に沿って物体側から像側へと、第1レンズE1と、第2レンズE2と、第3レンズE3と、絞りSTOと、第4レンズE4と、第5レンズE5と、第6レンズE6と、フィルタE7と、結像面S15とをこの順に備える。
【0075】
第1レンズは負の屈折力を有し、その物体側面S1が凹面であり、像側面s2が凹面である。第2レンズE2は負の屈折力を有し、その物体側面S3が凸面であり、像側面S4が凹面である。第3レンズE3は正の屈折力を有し、その物体側面S5が凸面であり、像側面S6が凸面であり、第3レンズE3がガラス材質であり得る。第4レンズE4は正の屈折力を有し、その物体側面S7が凸面であり、像側面S8が凸面である。第5レンズE5は負の屈折力を有し、その物体側面S9が凹面であり、像側面S10が凸面である。第6レンズE6は正の屈折力を有し、その物体側面S11が凸面であり、像側面S12が凹面であり、第6レンズE6の像側面が変曲点と臨界点を有する。フィルタE7は、物体側面S13と、像側面S14とを有する。被写体からの光は、各面S1~14を順次通過し、最終的に結像面S15上に結像される。
【0076】
表7は、実施例3の光学レンズ群の各レンズの面タイプ、曲率半径、厚さ、材料および円錐係数を示し、ここで、曲率半径および厚さの単位はmmである。
【0077】
【0078】
表7から明らかなように、実施例3では、第3レンズE3の物体側面S5および像側面S6はいずれも球面であり、第1レンズE1、第2レンズE2、第4レンズE4、第5レンズE5および第6レンズE6のいずれの物体側面および像側面は非球面である。表8は、実施例3の各非球面の鏡面に適用可能な高次項係数を示し、各非球面の面タイプが上記実施例1の式(1)で限定され得る。
【0079】
【0080】
実施例3の光学レンズ群の光学全長TTL、結像面S15における有効画素領域の対角線の半分ImgH、最大半画角semiFOV、光学レンズ群の全有効焦点距離fおよび各レンズの有効焦点距離f1~f6を表9に示す。
【表9】
【0081】
図6Aは、実施例3の光学レンズ群の軸上色収差曲線を示し、異なる波長の光線がレンズ群を通過した後の焦点のズレを示す。
図6Bは、実施例3の光学レンズ群の非点収差曲線を示し、メリジオナル像面湾曲とサジタル像面湾曲を示す。
図6Cは、実施例3の光学レンズ群の倍率色収差曲線を示し、光線がレンズ群を通過した後、結像面に結像する異なる像高のばらつきを示す。
図6A~
図6Cから、実施例3に示した光学レンズ群は、良好な結像品質を達成できることが分かる。
【0082】
実施例4
以下、
図7~
図8Cを参照して、本出願の実施例4に係る光学レンズ群について説明する。
図7は、本出願の実施例4に係る光学レンズ群の構成概略図を示す。
【0083】
図7に示すように、本出願の例示的な実施形態に係る光学レンズ群は、光軸に沿って物体側から像側へと、第1レンズE1と、第2レンズE2と、第3レンズE3と、絞りSTOと、第4レンズE4と、第5レンズE5と、第6レンズE6と、フィルタE7と、結像面S15とをこの順に備える。
【0084】
第1レンズE1は負の屈折力を有し、その物体側面S1が凸面であり、像側面S 2が凹面である。第2レンズE2は負の屈折力を有し、その物体側面S3が凸面であり、像側面S4が凹面である。第3レンズE3は正の屈折力を有し、その物体側面S5は凹面であり、像側面S6は凸面であり、第3レンズE3は、ガラス材質であってもよい。第4レンズE4は、正の屈折力を有し、その物体側面S7が凸面であり、像側面S8が凸面である。第5レンズE5は負の屈折力を有し、その物体側面S9が凹面であり、像側面S10が凹面である。第6レンズE6は正の屈折力を有し、その物体側面S11が凸面であり、像側面S12が凹面であり、第6レンズE6の像側面は、変曲点と臨界点を有する。フィルタE7は、物体側面S13と、像側面S14とを有する。被写体からの光は、各面S1~14を順次通過し、最終的に結像面S15上に結像される。
【0085】
表10は、実施例4の光学レンズ群の各レンズの面タイプ、曲率半径、厚さ、材料および円錐係数を示し、ここで、曲率半径および厚さの単位はmmである。
【0086】
【0087】
表10から明らかなように、実施例4では、第3レンズE3の物体側面S5および像側面S6は、いずれも球面であり、第1レンズE1、第2レンズE2、第4レンズE4、第5レンズE5および第6レンズE6のいずれの物体側面および像側面は非球面である。表11は、実施例4の各非球面の鏡面に適用可能な高次項係数を示し、各非球面の面タイプは、上記実施例1に示した式(1)によって限定され得る。
【0088】
【0089】
実施例4の光学レンズ群の光学全長TTL、結像面S15における有効画素領域の対角線の半分ImgH、最大半画角semiFOV、光学レンズ群の全有効焦点距離fおよび各レンズの有効焦点距離f1~f6を表12に示す。
【0090】
【0091】
図8Aは、実施例4の光学レンズ群の軸上色収差曲線を示し、異なる波長の光線がレンズ群を通過した後の焦点のズレを示す。
図8Bは、実施例4の光学レンズ群の非点収差曲線を示し、メリジオナル像面湾曲とサジタル像面湾曲を示す。
図8Cは、実施例4の光学レンズ群の倍率色収差曲線を示し、光線がレンズ群を通過した後、結像面に結像する異なる像高のばらつきを示す。
図8A~
図8Cから、実施例4に示した光学レンズ群は、良好な結像品質を達成できることが分かる。
【0092】
実施例5
以下、
図9~
図10Cを参照して、本出願の実施例5に係る光学レンズ群について説明する。
図9は、本出願の実施例5に係る光学レンズ群の構成概略図を示す。
【0093】
図9に示すように、本出願の例示的な実施形態に係る光学レンズ群は、光軸に沿って物体側から像側へと、第1レンズE1と、第2レンズE2と、第3レンズE3と、絞りSTOと、第4レンズE4と、第5レンズE5と、第6レンズE6と、フィルタE7と、結像面S15とをこの順に備える。
【0094】
第1レンズE1は負の屈折力を有し、その物体側面S1が凸面であり、像側面S2が凹面である。第2レンズE2は負の屈折力を有し、その物体側面S3が凸面であり、像側面S4が凹面である。第3レンズE3は正の屈折力を有し、その物体側面S5が凸面であり、像側面S6が凸面であり、第3レンズE3は、ガラス材質であってもよい。第4レンズE4は正の屈折力を有し、その物体側面S7が凸面であり、像側面S8が凸面である。第5レンズE5は負の屈折力を有し、その物体側面S9が凹面であり、像側面S10が凹面である。第6レンズE6は正の屈折力を有し、その物体側面S11が凸面であり、像側面S12が凹面であり、第6レンズE6の像側面は、変曲点と臨界点を有する。フィルタE7は、物体側面S13と、像側面S14とを有する。被写体からの光は、各面S1~14を順次通過し、最終的に結像面S15上に結像される。
【0095】
表13は、実施例5の光学レンズ群の各レンズの面タイプ、曲率半径、厚さ、材料および円錐係数を示し、ここで、曲率半径および厚さの単位はmmである。
【0096】
【0097】
表13から明らかなように、実施例5では、第3レンズE3の物体側面S5および像側面S6は、いずれも球面であり、第1レンズE1、第2レンズE2、第4レンズE4、第5レンズE5および第6レンズE6のいずれの物体側面および像側面は非球面である。表14は、実施例5の各非球面の鏡面に適用可能な高次項係数を示し、各非球面の面タイプは、上記実施例1に示した式(1)によって限定され得る。
【0098】
【0099】
実施例5の光学レンズ群の光学全長TTL、結像面S15上の有効画素領域の対角線の半分ImgH、最大半画角semiFOV、光学レンズ群の全有効焦点距離f、各レンズの有効焦点距離f1~f6を表15に示す。
【0100】
【0101】
図10Aは、実施例5の光学レンズ群の軸上色収差曲線を示しており、異なる波長の光線がレンズ群を通過した後の焦点のズレを示す。
図10Bは、実施例5の光学レンズ群の非点収差曲線を示し、メリジオナル像面湾曲とサジタル像面湾曲を示している。
図10Cは、実施例5の光学レンズ群の倍率色収差曲線を示し、光線がレンズ群を通過した後、結像面に結像する異なる像高のばらつきを示す。
図10A~
図10Cから、実施例5に示した光学レンズ群は、良好な結像品質を達成できることが分かる。
【0102】
実施例6
以下、
図11~
図12Cを参照して、本出願の実施例6に係る光学レンズ群について説明する。
図11は、本出願の実施例6に係る光学レンズ群の構成概略図を示す。
【0103】
図11に示すように、本出願の例示的な実施形態に係る光学レンズ群は、光軸に沿って物体側から像側へと、第1レンズE1、第2レンズE2、第3レンズE3、絞りSTO、第4レンズE4、第5レンズE5、第6レンズE6および結像面S13をこの順に備える。
【0104】
第1レンズE1は負の屈折力を有し、その物体側面S1が凸面であり、像側面S2が凹面である。第2レンズE2は負の屈折力を有し、その物体側面S3が凹面であり、像側面S4が凹面である。第3レンズE3は正の屈折力を有し、その物体側面S5が凸面であり、像側面S6が凸面であり、第3レンズE3がガラス材質であってもよい。第4レンズE4は、正の屈折力を有し、その物体側面S7が凸面であり、像側面S8が凸面である。第5レンズE5は、負の屈折力を有し、その物体側面S9が凹面であり、像側面S10が凹面である。第6レンズE6は正の屈折力を有し、その物体側面S11が凸面であり、像側面S12が凹面である。被写体からの光は、各面S1~S12を順次通過し、最終的に結像面S13上に結像される。
【0105】
表16は、実施例6の光学レンズ群の各レンズの面タイプ、曲率半径、厚さ、材料および円錐係数を示し、ここで、曲率半径および厚さの単位はmmである。
【0106】
【0107】
表16から明らかなように、実施例6では、第3レンズE3の物体側面S5および像側面S6は、いずれも球面であり、第1レンズE1、第2レンズE2、第4レンズE4、第5レンズE5および第6レンズE6のいずれの物体側面および像側面は非球面である。実施例6の各非球面の鏡面に適用可能な高次項係数を表17に示す。各非球面の面タイプは、上記実施例1に示した式(1)によって限定され得る。
【0108】
【0109】
実施例6の光学レンズ群の光学全長TTL、結像面13における有効画素領域の対角線の半分ImgH、最大半画角semiFOV、光学レンズ群の全有効焦点距離fおよび各レンズの有効焦点距離f1~f6を表18に示す。
【0110】
【0111】
図12Aは、実施例6の光学レンズ群の軸上色収差曲線であり、異なる波長の光線がレンズ群を通過した後の焦点のズレを示す。
図12Bは、実施例6の光学レンズ群の非点収差曲線を示し、メリジオナル像面湾曲とサジタル像面湾曲を示す。
図12Cは、実施例6の光学レンズ群の倍率色収差曲線を示し、光線がレンズ群を通過した後、結像面に結像する異なる像高のばらつきを示す。
図12A~
図12Cによれば、実施例6に示した光学レンズ群は、良好な結像品質を達成できることが分かる。
【0112】
要約すると、実施例1~実施例6それぞれは、表19に示す関係を満たす。
【0113】
【0114】
また、本出願はさらに撮像装置を提供し、該装置の電子受光素子が、感光性結合素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体素子(CMOS)であり得る。撮像装置は、例えば、デジタルカメラ等の独立した撮像装置であってもよいし、携帯電話等の携帯電子機器に集積される撮像モジュールであってもよい。この撮像装置は、上述した光学レンズ群を備えている。
【0115】
上記の説明は、あくまでも本出願の好ましい実施形態および応用技術原理の説明にすぎない。本出願に係る発明の範囲は、上記の技術的特徴の特定の組み合わせによって形成された技術的解決手段に限定されず、上記の発明の構想から逸脱しない範囲で上記の技術的特徴またはその同等の技術的特徴の任意の組み合わせによって形成されたその他の技術的解決手段、例えば、上記の特徴と本出願に開示された同様の機能を有する技術的特徴(それだけに限定されない)とが相互に代替することによって形成された技術的解決手段もカバーしていることを当業者は理解すべきである。