(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】加圧軽水炉型原子力発電所の生体保護コンクリートの解体および除染のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G21F 9/30 20060101AFI20220404BHJP
G21F 9/28 20060101ALI20220404BHJP
G21F 9/36 20060101ALI20220404BHJP
G21F 5/005 20060101ALI20220404BHJP
G21F 9/00 20060101ALI20220404BHJP
G21D 1/00 20060101ALI20220404BHJP
G21C 11/02 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
G21F9/30 535E
G21F9/30 535C
G21F9/28 501B
G21F9/30 531M
G21F9/36 501H
G21F5/005
G21F9/00 B
G21F9/30 535B
G21D1/00 Y
G21C11/02 200
(21)【出願番号】P 2020557251
(86)(22)【出願日】2019-04-17
(86)【国際出願番号】 KR2019004660
(87)【国際公開番号】W WO2019203577
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2020-10-16
(31)【優先権主張番号】10-2018-0044584
(32)【優先日】2018-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518442000
【氏名又は名称】コリア ハイドロ アンド ニュークリアー パワー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ソク-ジュ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ミ-ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ソン-フン
(72)【発明者】
【氏名】キム,チョン-ウ
【審査官】関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-158297(JP,A)
【文献】特開平08-075892(JP,A)
【文献】特開平08-240693(JP,A)
【文献】特開昭59-023298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/30
G21F 9/28
G21F 9/36
G21F 5/005
G21F 9/00
G21D 1/00
G21C 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体保護コンクリートの下部に設置された炉内核計測器を解体して前記生体保護コンクリートの下部貫通部を形成する解体装置と、
生体保護コンクリートの内部に投入されて前記生体保護コンクリートの内壁の放射性廃棄物を除染する除染装置と、
前記生体保護コンクリートの下部貫通部を通じて移動可能な廃棄物収納装置と、
前記生体保護コンクリートの上部開口部を遮断して放射性粉塵の外部流出を遮断する粉塵遮断装置と
を含む原子力発電所の生体保護コンクリートの解体および除染のシステム。
【請求項2】
前記粉塵遮断装置に連結され、前記放射性粉塵を捕集する粉塵捕集装置をさらに含む、請求項1に記載の原子力発電所の生体保護コンクリートの解体および除染のシステム。
【請求項3】
前記廃棄物収納装置は、
前記放射性廃棄物を収納する収納部と、
前記収納部の大きさを調節する収納部大きさ調節部と、
前記収納部を移動させる移動部と
を含む、請求項2に記載の原子力発電所の生体保護コンクリートの解体および除染のシステム。
【請求項4】
前記下部貫通部における前記収納部の大きさは、前記下部貫通部の直径より小さく、前記生体保護コンクリートの内部における前記収納部の大きさは、前記生体保護コンクリートの内径より小さい、請求項3に記載の原子力発電所の生体保護コンクリートの解体および除染のシステム。
【請求項5】
前記生体保護コンクリートの下部貫通部は、前記生体保護コンクリートの内部と連結される、請求項2に記載の原子力発電所の生体保護コンクリートの解体および除染のシステム。
【請求項6】
前記除染装置は、内壁ハンマリングまたはスキャブラを含む、請求項2に記載の原子力発電所の生体保護コンクリートの解体および除染のシステム。
【請求項7】
前記粉塵遮断装置は、テントまたは遮蔽膜を含む、請求項2に記載の原子力発電所の生体保護コンクリートの解体および除染のシステム。
【請求項8】
解体装置を用い
て生体保護コンクリートの下部に設けられた炉内核計測器を解体して前記生体保護コンクリートの下部貫通部を形成する段階と、
前記生体保護コンクリートの内部に除染装置を投入して前記生体保護コンクリートの内壁の放射性廃棄物を除染する段階と、
前記生体保護コンクリートの下部貫通部を通じて廃棄物収納装置を前記生体保護コンクリートの内部に投入する段階と
を含む原子力発電所の生体保護コンクリートの除染および解体の方法。
【請求項9】
粉塵遮断装置を用いて前記生体保護コンクリートの上部開口部を遮断して放射性粉塵の外部流出を遮断する段階をさらに含む、請求項8に記載の原子力発電所の生体保護コンクリートの除染および解体の方法。
【請求項10】
前記粉塵遮断装置に連結される粉塵捕集装置を用いて前記放射性粉塵を捕集する段階をさらに含む、請求項9に記載の原子力発電所の生体保護コンクリートの除染および解体の方法。
【請求項11】
前記生体保護コンクリートの下部貫通部は、前記生体保護コンクリートの内部と連結される、請求項8に記載の原子力発電所の生体保護コンクリートの除染および解体の方法。
【請求項12】
前記生体保護コンクリートの内壁の放射性廃棄物を除染する段階の前に、前記生体保護コンクリートの内部に設置された原子炉を解体する段階をさらに含む、請求項8に記載の原子力発電所の生体保護コンクリートの除染および解体の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、原子力発電所の生体保護コンクリート(コンクリート製生体遮蔽体)の解体および除染のシステムおよび方法に関し、より詳しくは、加圧軽水炉型原子力発電所の生体保護コンクリートの解体および除染のシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
全世界的に化石エネルギーが枯渇するにつれ、主なエネルギー源として原子力発電を使用している。このような原子力発電において一般に使用される加圧軽水炉型(Pressurized Water Reactor、PWR)原子力発電所は、原子炉を循環する1次系統と、蒸気発生器を循環する2次系統と、復水器を循環する3次系統とから構成される。具体的には、1次系統では、原子炉中に入っている冷却材に圧力を加えて150気圧300℃程度を維持し、2次系統では、この冷却材が蒸気発生器細管を通過しながら、蒸気発生器側の水を沸かして水蒸気にしてタービンを回す。そして、3次系統では、タービンを回した後の蒸気は復水器を通過しながら再度水になり、蒸気発生器に送られる。
【0003】
このような加圧軽水炉型原子力発電所の原子炉は、外部の圧力容器と、圧力容器より小さい直径に形成されて圧力容器の中心に設けられる炉心バレルとから構成される原子炉容器を含む。炉心バレルの内部には核燃料棒が装入される炉心(Core)が位置し、炉心バレルと圧力容器との間には直径の差による環状の空間である降水部が形成される。そして、圧力容器に連結されて冷却水の循環通路となる複数の低温管と、低温管を通して流入して降水部と炉心を通りながら加熱された冷却水が蒸気発生器側に流れるように、炉心バレルに連結される高温管(Hot Leg)とを含む。
【0004】
このような加圧軽水炉型原子力発電所には、原子炉を支持し中性子を遮蔽して作業者の放射線被爆を防御するための鉄筋コンクリート構造物として、生体保護コンクリートが設置される。
【0005】
生体保護コンクリートは、複数の層を積層して形成された大型の円筒形の鉄筋コンクリート構造物であって、中性子照射によって高度に放射化されていて、作業者が近接して作業する場合、放射性被爆の恐れがある。特に、生体保護コンクリートの内壁は放射性物質でもって最も激しく汚染されるので、寿命が満了して永久停止した加圧軽水炉型(PWR)原子力発電所の解体に際して、生体保護コンクリートの内壁の除染工程が必要になる。
【0006】
しかし、除染工程のために、作業者が除染装置を生体保護コンクリートの内部に投入するための別途の貫通口を形成する場合、放射性被爆および放射性粉塵の移動の恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本実施例は、解体工程時間を短縮し、作業者の被爆を最小化できる原子力発電所の生体保護コンクリートの解体および除染のシステムおよび方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施例による原子力発電所の生体保護コンクリートの解体および除染のシステムは、生体保護コンクリートの下部に設置された炉内核計測器を解体して、前記生体保護コンクリートの下部貫通部を形成する解体装置と、生体保護コンクリートの内部(内側)に投入されて前記生体保護コンクリートの内壁(面)の放射性廃棄物を除染する除染装置と、前記生体保護コンクリートの下部貫通部を通じて移動可能な廃棄物収納装置と、前記生体保護コンクリートの上部開口部を遮断して放射性粉塵の外部流出を遮断する粉塵遮断装置とを含む。
【0009】
前記粉塵遮断装置に連結され、前記放射性粉塵を捕集する粉塵捕集装置をさらに含むことができる。
【0010】
前記廃棄物収納装置は、前記放射性廃棄物を収納する収納部と、前記収納部の大きさを調節する収納部大きさ調節部と、前記収納部を移動させる移動部とを含むことができる。
【0011】
前記下部貫通部における前記収納部の大きさは、前記下部貫通部の直径より小さく、前記生体保護コンクリートの内部における前記収納部の大きさは、前記生体保護コンクリートの内径より小さい。
【0012】
前記生体保護コンクリートの下部貫通部は、前記生体保護コンクリートの内部と連結される。
【0013】
前記除染装置は、内壁ハンマリングまたはスキャブラを含むことができる。
【0014】
前記粉塵遮断装置は、テントまたは遮蔽膜を含むことができる。
【0015】
また、一実施例による原子力発電所の生体保護コンクリートの解体および除染方法は、解体装置を用いて前記生体保護コンクリートの下部に設置された炉内核計測器を解体して、前記生体保護コンクリートの下部貫通部を形成する段階と、前記生体保護コンクリートの内部に除染装置を投入して前記生体保護コンクリートの内壁の放射性廃棄物を除染する段階と、前記生体保護コンクリートの下部貫通部を通じて廃棄物収納装置を前記生体保護コンクリートの内部(内側)に投入する段階とを含む。
【0016】
粉塵遮断装置を用いて前記生体保護コンクリートの上部開口部を遮断して放射性粉塵の外部流出を遮断する段階をさらに含むことができる。
【0017】
前記粉塵遮断装置に連結される粉塵捕集装置を用いて前記放射性粉塵を捕集する段階をさらに含むことができる。
【0018】
前記生体保護コンクリートの下部貫通部は、前記生体保護コンクリートの内部(内側)と連結される。
【0019】
前記生体保護コンクリートの内壁(面)の放射性廃棄物を除染する段階の前に、前記生体保護コンクリートの内部(内側)に設けられた原子炉を解体する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
一実施例によれば、原子力発電所の生体保護コンクリートの除染および解体の工程を進行させる際、放射性廃棄物を生体保護コンクリートの上部開口部に搬出するという必要なしに、解体された炉内核計測器が位置していた生体保護コンクリートの下部貫通部を用いて随時に投入および引き出しを行って解体工程時間を短縮可能であるため、生体保護コンクリートについての内壁の除染および解体の工程を効率的に進行させることができる。
【0021】
また、生体保護コンクリートの下部貫通部を用いて生体保護コンクリートの内壁の除染工程を進行させるので、生体保護コンクリートの上部の密封を維持することで放射性粉塵からの作業者の被爆を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】一実施例による原子力発電所の生体保護コンクリートの解体および除染システムの概略図である。
【
図2】
図1の廃棄物収納装置の収納部の大きさが生体保護コンクリートの内部で変動する状態を示す平面図である。
【
図3】一実施例による原子力発電所の生体保護コンクリートの除染および解体方法のフローチャートである。
【
図4】一実施例による原子力発電所の生体保護コンクリートの解体前の段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付した図面を参照して、本発明の様々な実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0024】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0025】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示のものに限定されない。
【0026】
図面において、様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする時、これは他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。
【0027】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。さらに、明細書全体において、「~上に」というのは、対象部分の上または下に位置することを意味するものであり、必ずしも重力方向を基準として上側に位置することを意味するものではない。
【0028】
図1は、一実施例による原子力発電所の生体保護コンクリートの解体および除染システムの概略図である。
【0029】
図1に示すように、一実施例による原子力発電所の生体保護コンクリートの解体および除染のシステムは、生体保護コンクリート200の下部に設置されていた炉内核計測器300(In-Core Instrument、ICI)を解体する解体装置5と、生体保護コンクリート200の内壁(面)の放射性廃棄物1を除染する除染装置10と、除染装置10によって除染された放射性廃棄物1を収納する廃棄物収納装置20と、放射性廃棄物1の除染時に発生する放射性粉塵3を遮断する粉塵遮断装置30と、放射性粉塵3を捕集する粉塵捕集装置40とを含む。
【0030】
解体装置5は、生体保護コンクリート200の下部から原子炉100の内部にまでわたって設置された炉内核計測器300を解体して生体保護コンクリート200の下部に下部貫通部210を形成する。生体保護コンクリート200の下部貫通部210は、生体保護コンクリート200の炉内核計測器(In-Core Instrument、ICI)300が位置する空間であった。炉内核計測器300は、原子炉100の核分裂反応過程で発生する中性子を検出して、原子炉内部の核燃料の出力分布と燃焼度を測定し、原子炉100の炉心の出口温度を測定するための装置である。
【0031】
除染装置10は、生体保護コンクリート200の内部(内側)に投入される。除染装置10は、内壁ハンマリング(hammering)またはスキャブラ(scabbler;衝撃剥離機)を含むことができる。内壁ハンマリングは、生体保護コンクリート200の内壁(面)を打撃して生体保護コンクリート200の内壁(面)から放射性廃棄物1を除去する。そして、スキャブラは、生体保護コンクリート200の内壁(面)を引っ掻いて、生体保護コンクリート200の内壁から放射性廃棄物1を除去する。本実施例では、除染装置の例として内壁ハンマリングまたはスキャブラを説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、生体保護コンクリート200の内壁(面)から放射性廃棄物1を除去するための装置であれば、多様な装置が可能である。
【0032】
廃棄物収納装置20は、放射性廃棄物1を収納する収納部21と、収納部21の大きさを調節する収納部大きさ調節部22と、収納部21を移動させる移動部23とを含むことができる。
【0033】
図2に示すように、収納部21の大きさは調節可能である。下部貫通部210を通過する際、収納部21が下部貫通部210を容易に通過できるように、収納部21の大きさは、下部貫通部210の直径より小さいのでありうる。そして、生体保護コンクリート200の内部(内側)に位置する際、収納部21が放射性廃棄物1を大部分収納できるように、収納部21の大きさは拡張され、生体保護コンクリート200の内径より小さいのでありうる。
【0034】
このような廃棄物収納装置20は、生体保護コンクリート200の下部貫通部210を介し通じて移動可能である。このような生体保護コンクリート200の下部貫通部210は、除染装置10が位置する生体保護コンクリート200の内部と連結されうる。したがって、除染装置10の下に廃棄物収納装置20が位置できる。したがって、除染装置10によって生体保護コンクリート200の内壁から分離された放射性廃棄物1を廃棄物収納装置20が容易に収納することができる。
【0035】
このように、原子力発電所の生体保護コンクリート200の除染工程を進行させる際、生体保護コンクリート200の内壁(面)の放射性廃棄物1を、生体保護コンクリート200の上部開口部220へと搬出するという必要なしに、生体保護コンクリート200の下部貫通部210を用いて、廃棄物収納装置20が随時容易に投入および搬出することができる。したがって、生体保護コンクリート200の内壁の除染工程時間を短縮することができる。
【0036】
粉塵遮断装置30は、生体保護コンクリート200の上部開口部220を遮断して放射性粉塵3の外部流出を遮断することができる。粉塵遮断装置30は、テントまたは遮蔽膜を含むことができる。本実施例では、粉塵遮断装置30の例としてテントまたは遮蔽膜について説明したが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、放射性粉塵を遮断するための多様な装置が可能である。また、このような粉塵遮断装置30は、生体保護コンクリート200の上部開口部220を遮断または開放するための遮断調節部をさらに含むことができる。
【0037】
このように、生体保護コンクリート200の下部貫通部210を用いて生体保護コンクリート200の内壁の除染および解体工程を進行させる場合、生体保護コンクリート200の上部開口部220は、粉塵遮断装置30を用いて密封を維持するので、放射性粉塵3からの作業者の被爆を低減し、放射性粉塵の拡散を防止する。
【0038】
粉塵捕集装置40は、粉塵遮断装置30に連結され、生体保護コンクリート200の外部(外側)に位置する。排気ファンを活用した粉塵捕集装置40により、作業部の内部における視野の確保が可能である。
【0039】
一方、本発明の一実施例による原子力発電所の生体保護コンクリートの除染および解体の方法について、以下、図面を参照して詳しく説明する。
【0040】
図3は、本発明の一実施例による原子力発電所の生体保護コンクリートの除染および解体の方法についてのフローチャートであり、
図4は、本発明の一実施例による原子力発電所の生体保護コンクリートの解体前の段階を示す図である。
【0041】
図3および
図4に示すように、本発明の一実施例による原子力発電所の生体保護コンクリートの除染および解体の方法は、解体装置5を用いて、生体保護コンクリート200の下部に設置された炉内核計測器300を解体して、生体保護コンクリート200の下部に下部貫通部210を形成する(S10)。炉内核計測器300は、複数のケーブルなどを介して原子炉100と連結されているため、原子炉100からケーブルを分離して炉内核計測器300を原子炉100と物理的に分離させることができる。
【0042】
この際、原子炉解体装置6を用いて、生体保護コンクリート200の内部に位置する原子炉100も解体する。
【0043】
次に、
図1および
図3に示すように、生体保護コンクリート200の内部に除染装置10を投入して、生体保護コンクリート200の内壁の放射性廃棄物1を除染する(S20)。そして、生体保護コンクリート200の下部貫通部210を通じて廃棄物収納装置20を生体保護コンクリート200の内部に投入する(S30)。この際、生体保護コンクリート200の下部貫通部210は、生体保護コンクリート200の内部と連結される。したがって、除染装置10の下に廃棄物収納装置20が位置できる。したがって、除染装置10によって発生した生体保護コンクリート200の内壁の放射性廃棄物1を、廃棄物収納装置20が容易に収納することができる。
【0044】
そして、
図1に示すように、粉塵遮断装置30を用いて生体保護コンクリート200の上部開口部220を遮断することで、放射性粉塵3の外部流出を遮断する。この際、粉塵遮断装置30に連結される粉塵捕集装置40を用いて、放射性粉塵3を捕集することができる。
【0045】
このように、原子力発電所の生体保護コンクリート200の除染工程を進行させる際、生体保護コンクリート200の内壁の放射性廃棄物1を生体保護コンクリート200の上部開口部220に搬出するという必要なしに、生体保護コンクリート200の下部貫通部210を用いて廃棄物収納装置20が随時容易に投入および搬出が可能であるため、生体保護コンクリート200の内壁の除染および解体の工程時間を短縮することができる。
【0046】
本開示を上述した通り望ましい実施例により説明したが、本発明はこれに限定されず、以下に記載の特許請求範囲の範囲を逸脱しない限り、多様な修正および変形が可能であることを本発明の属する技術分野に従事する者は容易に理解するであろう。