(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】外科的ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20220404BHJP
【FI】
A61B34/30
(21)【出願番号】P 2021000785
(22)【出願日】2021-01-06
(62)【分割の表示】P 2019006589の分割
【原出願日】2014-03-14
【審査請求日】2021-01-29
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508221224
【氏名又は名称】ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ネブラスカ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ファリター シェーン
(72)【発明者】
【氏名】サントロ クリス
(72)【発明者】
【氏名】シャショー ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】クマール ニシャント
(72)【発明者】
【氏名】スチェシアク マテウス
(72)【発明者】
【氏名】ハーマン ジェイソン
【審査官】小河 了一
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-515065(JP,A)
【文献】国際公開第2013/009887(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/135503(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0096502(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者において外科的処置を実施するための外科的ロボットシステムであって、その外科的ロボットシステムは、
a.前記患者の切り込みを経由して患者の腔内に配置されるサイズのロボットデバイスを含み、
前記ロボットデバイスは、以下のiからvの要件を含み、
i.デバイス本体
(12)、
ii.前記デバイス本体
(12)の遠位端と可動に連結される第一の肩関節
(24A)、
iii.前記デバイス本体
(12)の前記遠位端と可動に連結される第二の肩関節
(24B)、
iv.前記第一の肩関節
(24A)に操作的に連結され、以下を含む、第一の可動のセグメント化されたロボットアーム
(14A)、
A.複数の第一の上腕アクチュエーター
(120)を包含するハウジングを含む第一の上腕
(18A)、
B.少なくとも1つの第一の前腕アクチュエーター
(180)を包含するハウジング
(260)を含む第一の前腕
(20A)、
C.複数の第一の原動歯車
(122、182)および被動歯車
(126、184)であって、前記第一の上腕アクチュエーター
(120)および/または前記第一の前腕アクチュエーター(180)からの
回転運動を、前記第一の可動のセグメント化されたロボットアーム
(14A)の運動に変換するように構成および配置されること、および、
D.第一の操作コンポーネント
(28A)、
v.前記第二の肩関節
(24B)に操作的に連結され、以下を含む、第二の可動のセグメント化されたロボットアーム
(14B)、
A.複数の第二の上腕アクチュエーター
(120)を包含するハウジングを含む第二の上腕
(18B)であって、前記の複数の第二の上腕アクチュエーター
(120)の1つは、前記第二の肩関節
(24B)に連結されること、
B.少なくとも1つの第二の前腕アクチュエーター
(180)を包含するハウジング
(260)を含む第二の前腕
(20B)、
C.複数の第二の原動歯車
(122、182)および被動歯車
(126、184)であって、
前記第二の上腕アクチュエーター(120)および/または前記第二の前腕アクチュエーター
(180)からの
回転運動を、前記第二の可動のセグメント化されたロボットアーム
(14B)の運動に変換するように構成および配置されること、および、
D.第二の操作コンポーネント
(28B)、
前記外科的ロボットシステムは更に、
b.前記ロボットデバイスと電気通信するコンソールを含み、前記コンソールは前記ロボットデバイスを前記患者の外部からコントロールするために構成され、
前記デバイス本体
(12)は、前記遠位端が前記腔内にあり、前記デバイス本体
(12)の少なくとも一部が腔外にあるように、前記切り込みに挿入されるように構成され、
前記の第一および第二の可動のセグメント化されたアーム
(14A,14B)は、前記切り込みを経由した挿入のために、前記デバイス本体
(12)の縦軸と実質的に並行して配置されることが可能であることを含む、外科的ロボットシステム。
【請求項2】
前記第一の前腕、第二の前腕、第一の上腕および第二の上腕アクチュエーター
(120、180)はそれぞれブラシレスDCモーターである請求項1に記載の外科的ロボットシステム。
【請求項3】
前記デバイス本体
(12)内に配置され、前記第一の前腕、第二の前腕、第一の上腕および第二の上腕アクチュエーター
(120、180)の内の少なくとも一つと操作的に通信するリジッド-フレックスPCBをさらに含む請求項1に記載の外科的ロボットシステム。
【請求項4】
前記第一の可動のセグメント化されたロボットアーム
(14A)は第一の肘関節
(22A)をさらに含み、前記第一の上腕
(18A)は、前記第一の肩関節
(24A)に対して、ロール、ピッチ、および、ヨーが可能なように構成され、および、前記第一の前腕
(20A)は、前記第一の肘関節
(22A)を経由して前記第一の上腕
(18A)に対してヨーが可能なように構成される請求項3に記載の外科的ロボットシステム。
【請求項5】
前記第一の操作コンポーネントは、把持コンポーネント、焼灼コンポーネント、縫合コンポーネント、イメージングコンポーネント、灌漑コンポーネント、吸引コンポーネント、操作アームコンポーネント、センサーコンポーネント、および、照明コンポーネントからなる群から選択される請求項1に記載の外科的ロボットシステム。
【請求項6】
前記第二の操作コンポーネントは、把持コンポーネント、焼灼コンポーネント、縫合コンポーネント、イメージングコンポーネント、灌漑コンポーネント、吸引コンポーネント、操作アームコンポーネント、センサーコンポーネント、および、照明コンポーネントからなる群から選択される請求項5に記載の外科的ロボットシステム。
【請求項7】
前記の第一および第二の前腕
(20A,20B)は、前記第一および第二の操作コンポーネントのクイックチェンジを可能とするように構成および配置される請求項1に記載の外科的ロボットシステム。
【請求項8】
前記第一および第二のセグメント化されたロボットアーム
(14A,14B)は、並行して挿入されるように構成および配置される請求項1に記載の外科的ロボットシステム。
【請求項9】
前記デバイス本体
(12)は、前記患者内で最初の挿入位置に対し回転される、および/または、傾けられるように構成および配置される請求項8に記載の外科的ロボットシステム。
【請求項10】
前記第一および第二の可動のセグメント化されたロボットアーム
(14A,14B)は、挿入時に、前記第一および第二の前腕
(20A,20B)および第一および第二の上腕
(18A,18B)が、前記デバイス本体
(12)に対して実質的に垂直に方向づけられるように構成および配置される請求項1に記載の外科的ロボットシステム。
【請求項11】
前記外科的ロボットシステムにおいて、
a.前記第一の上腕
(18A)は、前記デバイス本体
(12)に対して、ロール、ピッチ、および、ヨーが可能なように、前記第一の肩関節
(24A)を経由して前記デバイス本体
(12)に操作的に連結され、
b.前記第二の上腕
(18B)は、前記デバイス本体
(12)に対して、ロール、ピッチ、および、ヨーが可能なように、前記第二の肩関節
(24B)を経由して前記デバイス本体
(12)に操作的に連結される請求項1に記載の外科的ロボットシステム。
【請求項12】
前記ロボットデバイスは、
a.第一の肘関節
(26A)、および、
b.第二の肘関節
(26B)、をさらに含み、
前記第一の前腕
(20A)および第二の前腕
(20B)は、前記第一および第二の肘関節
(26A,26B)を経由して前記第一および第二の上腕
(18A,18B)に対してヨーが可能なように構成される請求項1に記載の外科的ロボットシステム。
【請求項13】
前記ロボットデバイスは、前記切り込み内に配置されたポートを介して前記腔内に配置される請求項1に記載の外科的ロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2013年3月15日に出願され、「Single Site Robotic Surgical Devices,Systems and Methods」と題された、米国仮出願61/792,508からの優先権を主張するものであり、それは、その全体で参照により本明細書中に援用される。[技術分野]
【0002】
本明細書に開示される実施態様は、様々な医療用デバイスおよび関連するコンポーネント(ロボットおよび/またはインビボの医療用デバイスおよび関連するコンポーネントを含む)に関する。特定の実施態様は、様々なロボット医療用デバイス(体腔内に置かれるロボットデバイス、および、体腔内のオリフィスまたは開口部を通して置かれる支持コンポーネントを用いて配置されるロボットデバイスを含む)を含む。さらなる実施態様は、上記デバイスを操作する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
侵襲性の外科的手順は、様々な医学的状態を対処するために必須である。可能な場合は、腹腔鏡検査のような最小侵襲的な手順が好ましい。
【0004】
しかしながら、腹腔鏡検査のような公知の最小侵襲的な技術は、1)アクセスポートを通して挿入される固い道具の使用により生じる可動性制限、および、2)制限された視覚フィードバックに、一部起因して、範囲および複雑性が制限される。da Vinci(登録商標)Surgical System(カリフォルニア州サニーベールにあるIntuitive Surgical,Inc.より入手可能)のような公知のロボットシステムもまた、アクセスポートにより制限され、そして、非常に大きくて、非常に高価で、ほとんどの病院で利用できず、および、感覚および運動の能力が制限されるという、さらなる不都合を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際特許出願公開第2013/009887号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0163929号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0069940号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
改善された外科的方法、システム、およびデバイスに関する当分野での必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示される様々なシステムおよびデバイスは、医療の手順およびシステムでの使用のためのデバイスに関する。より具体的には、様々な実施態様は、ロボットデバイスを含む様々な医療用デバイス、および、関連する方法およびシステムに関する。特定の実施は、単孔式腹腔鏡(LESS)の外科的手順での使用のための、そのようなデバイスに関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】一実施態様に係るロボット外科的デバイスの側面図である。
【
図2A】一実施態様に係るロボット医療用デバイスの内部本体および肩の切断図である。
【
図2B】
図2Aのロボット医療用デバイスの回転した切断図である。
【
図2C】
図2Aの実施態様に係る医療用デバイスの切断斜視図である。
【
図2D】
図2Aの実施態様に係る医療用デバイス本体のさらなる切断斜視図である。
【
図2E】
図2Aの実施態様に係るロボットデバイスの下部本体および肩の切断図である。
【
図3A】一実施態様に係るロボット医療用デバイスの上腕の切断側面図である。
【
図4A】一実施態様に係るロボットデバイスの右上腕の内部コンポーネントの切断図である。
【
図4D】
図4Aの実施態様のエンドロング図(endlong view)である。
【
図5A】一実施態様に係るロボットデバイスの前腕のエンドロング図である。
【
図5B】ラインA-Aに沿った、
図5Aの実施態様の前腕の内部コンポーネントの切断側面図である。
【
図5C】ラインB-Bに沿った、
図5Aの実施態様の前腕の内部コンポーネントの切断側面図である。
【
図6A】例示的な実施態様に係る、電気部分を示す
前腕(forearm)の末端エフェクター部分の断面図である。
【
図6B】
図6Aの実施態様に対する、
前腕の補完(complimentary)部分の外観図の上面斜視図である。
【
図7】一実施態様に係るロボットデバイスの前腕の内部コンポーネントの底面概略斜視図である。
【
図8A】ラインA-Aに沿った、
図5Aの実施態様の前腕の内部コンポーネントの切断側面図であり、電気コンポーネントをさらに詳しくする。
【
図9A】一実施態様に係る
前腕の外部の斜視図である。
【
図10A】内側流体シールを含むロボットデバイスの一実施態様の斜視図である。
【
図10B】さらなる外側流体シールをさらに含む、
図10Aの実施態様の斜視図である。
【
図11A】デバイスの
前腕内のリジッド-フレックスPCBコンポーネントの一実施態様の側面切断図である。
【
図12A】一実施態様に係る、挿入中のロボットデバイスの上面図を示す。
【
図13A】一実施態様に係る、挿入中のロボットデバイスの上面図を示す。
【
図14A】一実施態様に係る、挿入中のロボットデバイスの上面図を示す。
【
図15A】一実施態様に係る、挿入中のロボットデバイスの上面図を示す。
【
図16A】一実施態様に係る、挿入中のロボットデバイスの上面図を示す。
【
図17A】一実施態様に係る、挿入中のロボットデバイスの上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に開示される、ロボットデバイスおよび関連する方法およびシステムの様々な実施態様は、任意の他の公知の医療用デバイス、システム、および方法に組み込むことができ、またはこれらとともに用いることができることが理解される。本明細書に開示される、ロボットデバイスおよび関連する方法およびシステムの様々な実施態様は、任意の他の公知の医療用デバイス、システム、および方法に組み込むことができ、またはこれらとともに用いることができることが理解される。例えば、本明細書に開示される様々な実施態様は、同時係属の米国出願11/766,683(2007年6月21日に出願された、表題「Magnetically Coupleable Robotic Devices and Related Methods」)、11/766,720(2007年6月21日に出願された、表題「Magnetically Coupleable Surgical Robotic Devices and Related Methods」)、11/966,741(2007年12月28日に出願された、表題「Methods,Systems,and Devices for Surgical Visualization and Device Manipulation」)、61/030,588(2008年2月22日に出願)、12/192,663(2008年8月15日に出願された、表題「Medical Inflation,Attachment,and Delivery Devices and Related Methods」)、12/192,779(2008年8月15日に出願された、表題「Modular and Cooperative Medical Devices and Related Systems and Methods」)、61/640,879(2012年5月1日に出願)、13/493,725(2012年6月11日に出願された、表題「Methods,Systems,and Devices Relating to Surgical End Effectors」)、13/546,831(2012年7月11日に出願された、表題「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」)、61/680,809(2012年8月8日に出願)、13/573,849(2012年10月9日に出願された、表題「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」)、および、13/738,706(2013年1月10日に出願された、表題「Methods,Systems,and Devices for Surgical Access and Insertion」)、および、米国特許第7,492,116号(2007年4月3日に出願された、表題「Robot for Surgical Applications」)、7,772,796(2007年11月29日に出願された、表題「Robot for Surgical Applications」)、8,179,073(2012年5月15日に発行された、表題「Robotic Devices with Agent Delivery Components and Related Methods」)、8,343,171(2008年7月11日に出願された、表題「Methods and Systems of Actuation in Robotic Devices」)、および、8,679,096(2008年11月26日に出願された、表題「Multifunctional Operational Component for Robotic Devices」)に開示される任意の医療用デバイスおよびシステムに取り込まれてよく、またはそれらとともに用いられてよく、それらの全てが、それらの全体で参照により本明細書中に援用される。
【0010】
上記に挙げた出願に開示される特定のデバイスおよびシステムの実施は、本明細書に開示されるものと同様の支持コンポーネンと組み合わせて、患者の体腔内に配置することができる。本明細書において用いられる「インビボのデバイス」は、患者の体腔内に配置されている間、少なくとも部分的に、ユーザーにより、配置、操作、またはコントロールすることができる、任意のデバイスを意味し、支持コンポーネント(例えば、ロッド、または、体腔の開口部またはオリフィスを通って置かれる他のそのようなコンポーネント)に連結される任意のデバイスを含み、また、実質的に、患者の体腔の壁に対して、または、隣接して、配置される任意のデバイスも含み、さらに、内部作動される(原動力の外部源を有さない)任意のそのようなデバイスを含み、加えて、外科的手順中に腹腔鏡下または内視鏡的に用いられ得る任意のデバイスを含む。本明細書において用いられる用語「ロボット」および「ロボットデバイス」は、前に説明したように、外部のコンソールまたはコントロールシステムからのコマンドに応答して、または自動的のいずれかで、タスクを行なうことのできる任意のデバイスを指す。
【0011】
特定の実施態様は、空洞の十分な通気を維持しながら、空洞内への本発明の挿入を提供する。さらなる実施態様は、挿入プロセス中に、外科医または外科的ユーザーの本発明との物理的接触を最小限化する。他の実施は、患者および本発明に関する挿入プロセスの安全性を高める。例えば、一部の実施態様は、システム/デバイスと患者との間に、有害な接触が生じないことを保証するために、患者の空洞内へ挿入される際に本発明の視覚化を提供する。加えて、特定の実施態様は、切り込みのサイズ/長さの最小限化を可能にする。さらなる実施は、アクセス/挿入の手順、および/または、手順に要するステップの、複雑性を低減させる。他の実施態様は、最小の輪郭、最小のサイズを有し、または、一般に取り扱いおよび使用の簡易性を高めるために機能および外観が最低限である、デバイスに関する。
【0012】
本明細書に開示される特定の実施は、様々な構造に組み立てることのできる、「コンビネーション」または「モジュール」の医療用デバイスに関する。本適用の目的に関し、「コンビネーションデバイス」および「モジュールデバイス」は両方とも、様々な異なる構造に並べることのできるモジュールまたは交換可能なコンポーネントを有する、任意の医療用デバイスを意味する。また、本明細書に開示されるモジュールコンポーネントおよびコンビネーションデバイスは、セグメント化された三角形または四角形の形をしたコンビネーションデバイスも含む。三角形または四角形の構造を形成するために連結されるモジュールコンポーネント(本明細書において「セグメント」とも呼ぶ)で作り上げられるこれらのデバイスは、より大きなコンポーネントまたはより多くの操作コンポーネントに用いることのできる、デバイス内の実質的なペイロード空間も提供しながら、使用中、てこ作用(leverage)および/または安定性を提供することができる。上記に開示および記述される様々なコンビネーションデバイスと同様に、一実施態様によれば、これらの三角形または四角形のデバイスは、上記に記述および開示されるこれらのデバイスと同様の方法で、患者の体腔内部に配置することができる。
【0013】
概して
図1A、
図1B、
図1C、および
図1Dに示すように、特定の例示的な実施態様は、本体12とそれに操作可能に連結された2つのアーム14A、14Bを備える、デバイス10に関する。本体12は、示されるように、ケーシング30をさらに備える。本体12は、「デバイス本体」とも呼ぶ。アーム14A、14Bはそれぞれ、アーム14A、14Bを本体12に連結する、第一の連結リンク16A、16Bを備える。
【0014】
図1B~
図1Cに最もよく示されるように、この第一の連結リンク16A、16Bは、本明細書において、「第一の連結コンポーネント」または「肩リンク」とも呼ぶことができ、第一の回転可能な関節24A、24B(本明細書において、「肩関節」とも呼ぶ)の一部である。アーム14A、14Bはそれぞれ、上腕(本明細書において、「内腕」、「内腕アセンブリ」、「内部リンク」、「内部リンクアセンブリ」、「上腕アセンブリ」「第一のリンク」、または、「第一のリンクアセンブリ」とも呼ぶ)18A、18B、および、
前腕(forearm)(本明細書において、「外腕」、「外腕アセンブリ」、「外部リンク」、「外部リンクアセンブリ」、「
前腕アセンブリ」、「第二のリンク」、または、「第二のリンクアセンブリ」とも呼ぶ)20A、20Bを備える。
【0015】
図1A~
図1Cに示され、以下で
図12~
図17に関してさらに述べられるように、上腕18A、18Bは、連結リンク16A、16Bに回転可能に連結され、本体12に回転可能に連結される。アーム14A、14Bはそれぞれ、上腕18A、18Bを
前腕20A、20Bに連結する、第二の連結リンク22A、22Bを備える。この第二の連結リンク22A、22Bは、本明細書において、「第二の連結コンポーネント」または「肘リンク」とも呼ぶことができ、第二の回転可能な関節26A、26B(本明細書において「肘関節」とも呼ぶ)の一部である。より具体的には、右アーム14Aでは、上腕18Aは、肘リンク22Aを介して肘関節26Aで
前腕20Aに回転可能に連結され、一方で、左アーム14Bでは、上腕18Bは、肘リンク22Bを介して肘関節26Bで
前腕20Bに回転可能に連結される。
【0016】
示されるように、アーム14A、14Bはそれぞれ、前腕20A、20Bの遠位端に操作可能に連結された、末端エフェクター28A、28Bも備える。末端エフェクターは、本明細書において、「操作コンポーネント」とも呼ぶことができる。
【0017】
一実施において、アーム14A、14Bはそれぞれ、6自由度を有する。すなわち、以下にさらに詳細に説明するように、アーム14A、14Bはそれぞれ、肩で3自由度、肘で1自由度、および、末端エフェクターで2自由度を有する(回転されることができ-末端エフェクターのロール-および、開かれる/閉じられることができる)。したがって、各アーム14A、14Bの6自由度は、人の腕の自由度と類似する(それも肩で3自由度および肘で1を有する)。4自由度を有するアーム(2自由度を有する末端エフェクターを備える)の一つの利点は、末端エフェクターは、同一のデカルト点において多数の方向を有することができることである。この追加の巧妙さは、外科医または他のユーザーをより自由にし、および、デバイスを操作している間のコントロールをより直感的にすることを可能にする。
【0018】
本体12の内部コンポーネントを、
図2A、
図2B、
図2C、
図2D、および
図2Eに示される様々な実施態様で示す。これらの図において、本体12は、そのケーシング30を含まずに示す。より具体的には、これらの図は、右アーム14Aを制御/作動する内部コンポーネントおよび本体12の右半分を示す。左アーム14Bを操作/制御/作動する左半分の内部コンポーネント(図示せず)は、ここに示され記載されるものと実質的に同様であり、そして、以下に提供される説明は、これらのコンポーネントにも同等に当てはまることが、理解されるべきである。
【0019】
図2A、
図2B、および
図2Cは、本体12の内部構造または支持コンポーネントを含む。一実施において、本体12は、示されるように、内部の上部キャップ40、内部の支持ロッド42、および、内部の支持シャーシ44を備える。支持ロッド42は、上部キャップ40を支持シャーシ44に連結する。特定の実施態様では、支持シャーシは、アルミニウム構造を含む。別の実施態様では、射出成形ポリマーを用いてよい。これらのコンポーネントは、本体12の構造を維持し、その中に置かれるコンポーネントに構造支持を提供し、および、特定の実施態様では、ハウジングまたはシェルで覆われる。一実施態様によれば、内部の上部キャップ40は、
図2Cに最もよく示されるように、3つの部分的なルーメン46A、46B、46Cを規定する。上部キャップ40は、部分的なルーメン46A、46B、46Cのそれぞれが、キャップ40およびケーシング30の連結により規定される完全なルーメンに形成されるようにして、本体ケーシング30に連結する。以下にさらに詳細に説明するように、これらのルーメン46A、46B、46Cは、様々なワイヤ、コード、または、本体12へ挿入または本体12を通して挿入される他のコンポーネントを、受け入れるように構成することができる。
【0020】
図2A~
図2Cとは対照的に、
図2Dは、内部作動および制御コンポーネントをより良く示すために内部構造または支持コンポーネントを隠して、本体12の右半分の内部作動および制御コンポーネントを示す。これらの内部作動および制御コンポーネントは、肩関節24Aで2自由度を提供するように構成される。
【0021】
図2Eは、本体12の遠位端の拡大図である。一実施態様では、
図2Dおよび
図2Eに示される特定の内部コンポーネントは、本体12の縦軸と平行な軸A(
図2Bに最もよく示される)の周りを、肩関節24Aで、回転を作動するように構成される。軸Aの周りでのこの回転は、「ヨー」または「肩のヨー」とも呼ぶ。回転は、一態様では、以下のように生じる。アクチュエーター60(すなわち、本実施では、モーターアセンブリ60)が提供される。モーターアセンブリ60は、近位原動歯車62の回転が近位被動歯車64の回転を生じさせるように近位被動歯車64に連結された近位原動歯車62に、操作可能に連結される。近位被動歯車64は、近位伝動シャフト66(シャフト66の逆末端に遠位伝動歯車68を備える)に固定して連結される。遠位伝動歯車68は、遠位伝動シャフト72に固定して連結された遠位被動歯車70に連結される。マグネットを含むマグネットホルダー76も、遠位伝動歯車68に操作可能に連結される。ホルダー76およびマグネットは、マグネットエンコーダー(図示せず)に操作可能に連結される。
【0022】
マグネットホルダー76、マグネット、およびマグネットエンコーダー(および、他の関節(joint)に関して本明細書において他で記載されるものと同様のコンポーネント)は、2012年10月9日に出願された米国出願第13/573,849号、および、2013年3月15日に出願された13/833,605(それらの全体で参照により本明細書中に援用される)に開示される絶対位置センサーの1つまたは複数と同一または実質的に同一の絶対位置センサーのコンポーネントであることが理解される。遠位伝動シャフト72は、その遠位端において、回転可能なピッチハウジング74(
図2Bおよび
図2Eに最もよく示される)に、遠位被動歯車70の回転がシャフト72の回転を生じさせ、それにより、
図2Bに示すように、軸Aの周りでハウジング74の回転を生じさせるように、固定して連結される。
【0023】
一実施によれば、
図2Dに示される特定の他の内部コンポーネントは、本体12の縦軸に垂直な軸B(
図2Dに最もよく示される)の周りを、肩関節24Aで、回転を作動するように構成される。軸Bの周りでのこの回転は、「ピッチ」または「肩のピッチ」とも呼ばれる。一実施態様では、回転は以下のように生じる。アクチュエーター80(すなわち、本実施では、近位肩モーターアセンブリ80)が提供される。モーターアセンブリ80は、近位肩原動歯車82の回転が近位肩被動歯車84の回転を生じさせるように近位肩被動歯車84に連結された近位肩原動歯車82に、操作可能に連結される。この被動歯車84は、近位肩伝動シャフト86(シャフト86の逆末端に近位肩伝動歯車88を備える)に固定して連結される。
【0024】
近位伝動歯車88は、遠位肩シャフト92に固定して連結された遠位肩被動歯車90に連結される。マグネットを含むマグネットホルダー98も、被動歯車90に操作可能に連結される。ホルダー98およびマグネットは、マグネットエンコーダー(図示せず)に、操作可能に連結される。
図2Eに最もよく示されるように、遠位肩シャフト92の一部分は、上述のシャフト72のルーメン72A内に置かれ、ハウジング74内へ、シャフト72の遠位端の外に伸びる。
図2Eに最もよく示されるように、シャフト92の遠位端は、ベベル歯車94である回転歯車94に連結される。回転歯車94は、一実施によれば、リンク歯車96(同じくベベル歯車96である)に操作可能に連結される。リンク歯車96は、シャフト92の回転が回転歯車94の回転を生じさせ、それにより、リンク歯車96の回転を生じさせ、それから、
図2Dに最もよく示される軸Bの周りでリンク16Aの回転を生じさせるように、肩リンク16A(上述)に操作可能に連結される。
【0025】
この実施態様では、2つの回転軸が連結される。すなわち、軸Aの周りでの回転のみ(純粋なヨー)が所望の場合は、「ピッチ駆動トレイン」(モーター80、および、軸Bの周りでの回転を達成するために必要な全ての連結された歯車およびコンポーネント)は、ピッチハウジング74と回転歯車94との間に相対的角変位がないように、「ヨー駆動トレイン」(モーター60、および、軸Aの周りでの回転を達成するために必要な全ての連結された歯車およびコンポーネント)のスピードに合わせなければならない。対照的に、軸Bの周りでの回転のみ(純粋なピッチ)が所望の場合は、ピッチ駆動トレインが作動する間、ヨー駆動トレインは位置を保たなければならない。
【0026】
図2Aに示す一実施では、本体12は、本体内に置かれたリジッド-フレックスPCB100を備える。PCB100は、ヨーおよびピッチの機能を発揮するために、モーター60、80およびマグネットエンコーダー(図示せず)に操作可能に連結され、そして、それらと連通している。
【0027】
別の実施態様によれば、少なくとも1つの連結コンポーネントは、本体12と関連する。より具体的には、本実施において、電力/通信ライン102および焼灼電力ライン104は、それらの近位端で、1つまたは複数の外部電源(図示せず)に連結され、内部の上部キャップ40により部分的に規定される3つのルーメン46A、46B、46Cの1つまたは複数を通ってデバイス10へ及ぶ。ライン102、104は、本体12を通って伸び、
図2Bに示されるように出て、上腕セグメントへ伸びる。特定の実施態様では、ライン102、104は、連続ではないが直列に生じる(occur in series)。特定のこれらの実施態様では、ラインは、様々なPCBボードにおいて末端を含む。ラインのさらなる実施態様では、平行に伸びてよい。
【0028】
一実施態様では、本体12は、その近位端で、配置ロッド(「挿入ロッド」とも呼ばれる)に連結することができる(図示せず)。配置ロッドは、デバイス10の配置および/またはデバイス10の配置の保持および安定化を補助するための任意のそのような公知のコンポーネントであり得ることが理解される。一実施によれば、電力/通信ライン102および/または焼灼電力ライン104は、配置ロッド内の1つまたは複数のルーメンを通って近位に伸びることができる。
【0029】
一実施態様では、本明細書に記述および示される任意のモーターは、ブラシまたはブラシレスのモーター、例えばブラシレスDCモーターであり得る。さらに、モーターは、例えば、6mm、8mm、または10mmの直径のモーターであり得る。あるいは、医療用デバイスに組み込むことのできる任意の公知のサイズを用いることができる。さらなる代替では、アクチュエーターは、コンポーネントの動作または作用を作動するために医療用デバイスで用いられる任意の公知のアクチュエーターであり得る。本明細書に記載のモーターに用いることのできるモーターの例は、EC 10 BLDC + GP10A Planetary Gearhead、EC 8 BLDC + GP8A Planetary Gearhead、または、EC 6 BLDC + GP6A Planetary Gearheadを含み、それらは全て、マサチューセッツ州フォールリバーに位置するMaxon Motorsから市販される。
【0030】
一実施態様に係る、
図3A、
図3B、
図3C、
図3D、
図3E、
図4A、
図4B、
図4C、
図4D、および
図4Eは、右上腕18Aの内部コンポーネントを示し、それらの図において、そのケーシング無しで示される。より具体的には、これらの図は右アーム14Aおよびその中の内部コンポーネントを示す。左上腕18B内の内部コンポーネントは、ここに示され記載されるものと実質的に同様であり、そして、以下に提供される説明は、これらのコンポーネントにも同等に当てはまることが理解される。
【0031】
図3A~
図3Eは、内部コンポーネントをより良く示すために内部構造または支持コンポーネントを隠して、アクチュエーター、駆動コンポーネント、および電子機器を含む、右上腕18Aの内部コンポーネントを示す。
図3A~
図3Eとは対照的に、
図4A~
図4Eは、内部アクチュエーター、駆動、および電子機器コンポーネントの両方を含むが、右上腕18Aの内部構造または支持コンポーネントも含む。
【0032】
一実施態様では、
図3A~
図3Eに示される特定の内部コンポーネントは、右上腕18Aの縦軸と平行な軸C(
図3Bに最もよく示される)の周りを、肩リンク16Aで、回転を作動するように構成される。軸Cの周りでのこの回転は、「肩ロール」とも呼ばれる。回転は、一態様では、以下のように生じる:第一の肩アクチュエーター120(すなわち、本実施態様では、モーターアセンブリ120)が提供される。このモーターアセンブリ120は、第一の肩原動歯車122に操作可能に連結される。この原動歯車122は、第一の肩軸受ペア124により支持される。この原動歯車122は、第一の肩原動歯車122の回転が被動歯車126の回転を生じさせるように、肩被動歯車126に連結される。被動歯車126は、被動歯車126の回転が、
図3Bに示されるように軸Cの周りで肩リンク16Aの回転を生じさせるように、肩リンク16Aに固定して連結される。被動歯車126は、第二の軸受ペア128により支持される。さらにマグネットを含むマグネットホルダー130もまた、被動歯車126に、操作可能に連結される。ホルダー130およびマグネットは、マグネットエンコーダー132に、操作可能に連結される。
【0033】
軸Cの周りでの肩リンク16Aの回転は、右上腕18A(したがって前腕20A)を本体12に対して回転させる。一実施態様によれば、この回転は、従前の2アームの外科的デバイスでは提供されないさらなる自由度を加える。
【0034】
一実施によれば、
図3A~
図3Eに示される特定の内部コンポーネントは、右上腕18Aの縦軸に垂直な軸D(
図3Cに最もよく示される)の周りを、肘リンク22Aで、回転を作動するように構成される。軸Dの周りでのこの回転は、「肘のヨー」とも呼ばれる。回転は、一態様では、以下のように生じる。アクチュエーター140(すなわち、本実施では、第二の上腕モーターアセンブリ140)が提供される。このモーターアセンブリ140は、第二の上腕原動歯車142(本実施態様ではベベル歯車)に、操作可能に連結される。この原動歯車142は、軸受144により支持される。原動歯車142は、原動歯車142の回転が被動歯車146の回転を生じさせるように、被動歯車146に連結される。被動歯車146は、リンク歯車148に固定して連結され、それは、
図3Cに示すように、被動歯車146の回転が、軸Dの周りで肘リンク22Aの回転を生じさせるように、肘リンク22Aの歯車の歯158(
図3Bに最もよく示される)に連結される。被動歯車146およびリンク歯車148は、軸受ペア150により支持される。さらに、肘リンク22Aは軸受ペア152により支持される。マグネットを含むマグネットホルダー154もまた、肘リンク22Aに、操作可能に連結される。ホルダー154およびマグネットは、マグネットエンコーダー156に、操作可能に連結される。
【0035】
一実施態様によれば、リンク(またはメッシュ)歯車148および肘リンク22Aのさらなる連結は、さらなる外部減少(external reduction)(歯車148は、肘リンク22Aよりも少ない歯車の歯を有するため)、上腕18Aの短縮化および改善された関節の動作範囲を含む、特定の利点を提供することができる。様々な実施態様では、
図4A~
図4Eに示される実施態様のように、ロボットデバイスは、肘リンク22Aの回転中心の中心と所望の進行方向(direction of travel)との間の相対的距離を低減し、物理的障害を防止することにより、肘関節の動作範囲の改善を示す(
図2Bで矢印Aにより示される)。
【0036】
図4Bに示すように、上腕18Aは、その中に置かれたリジッド-フレックスPCB160を備えることができる。一実施態様では、PCB160は、アクチュエーター120、140、および、マグネットエンコーダー132、156と、操作可能に連結され、および、それらと連通している。
【0037】
別の実施態様によれば、少なくとも1つの連結コンポーネントは、上腕18Aと関連する。より具体的には、本実施では、電力/通信ライン102および焼灼電力ライン104は、上腕18Aの近位端においてポート(図示せず)を通って入り、そして、遠位端においてポート(図示せず)を通って出る。
【0038】
図5A~
図9Bは、右
前腕20Aの様々な実施態様を示す。本明細書に開示され示される様々な実施は、以下にさらに詳細に説明するように、アクチュエーター、駆動コンポーネント、および、ツールロールおよびツールドライブ(開/閉の動作)の両方を達成するために用いることのできる電気機器を含む。以下に記載のように、
前腕20Aは、2つの電気的に分離された焼灼回路も有し、双極および単極の両方の焼灼末端エフェクターを可能にする。特定の実施態様は、末端エフェクターの簡単な取り外しおよび置き換えが可能であるように構成される(「クイックチェンジ」構造)。さらなる実施態様は、流体がメカニズムに侵入するのを防ぐのを助けるシーリングエレメントを含む。
【0039】
一実施によれば、
図5A~
図5Cに示される特定の内部コンポーネントは、右
前腕20Aの縦軸と平行な軸E(
図5Bに最もよく示される)の周りを、末端エフェクター28Aで、回転を作動するように構成される。軸Eの周りでのこの回転は、「ツールロール」とも呼ばれる。回転は、一態様では、以下のように生じる。アクチュエーター180(すなわち、本実施では、モーターアセンブリ180)が提供される。モーターアセンブリ180は、原動歯車182(本実施態様では平歯車である)に、操作可能に連結される。原動歯車182は、原動歯車182の回転が被動歯車184の回転を生じさせるように、被動歯車184に連結される。被動歯車184は、ロールハブ186に固定して連結され、それは軸受188により支持される。ロールハブ186は、末端エフェクター28Aにネジで連結された外部ネジ山190Aを有する、ツールベースインターフェイス190に固定して連結される。したがって、被動歯車184の回転は、ロールハブ186の回転を生じさせ、それがツールベースインターフェイス190の回転を生じさせ、それが
図5Bに示されるように軸Eの周りで末端エフェクター28Aの回転を生じさせる。
【0040】
一実施態様では、
図5A~
図5Cに示される特定の内部コンポーネントは、末端エフェクターが開いたり閉じたりするのを作動するように構成される。末端エフェクターが開いたり閉じたりするような末端エフェクターのアームのこの回転は、「ツールドライブ」とも呼ばれる。一態様では、作動は以下のように生じる。アクチュエーター200(すなわち、本実施では、モーターアセンブリ200)が提供される。モーターアセンブリ200は、原動歯車202(本実施態様では平歯車である)に、操作可能に連結される。原動歯車202は、原動歯車202の回転が被動歯車204の回転を生じさせるように、被動歯車204に連結される。被動歯車204は、ツールドライブナット206に固定して連結され、それは軸受ペア208により支持される。ツールドライブナット206は、ネジ山がついた内部ルーメン206Aを有し、そして、このネジ山がついた内部ルーメン206Aは、主ネジ210に、ネジで連結される。より具体的には、主ネジ210の外側のネジ山は、内部ルーメン206A上のネジ山に、ネジで連結される。主ネジ210は、ツールベースインターフェイス190(上述)に、回転して連結される。より具体的には、ツールベースインターフェイス190は、四角い形状の内部ルーメン190Aを有し、そして、主ネジ210の遠位端は、内部ルーメン190A内で適合する四角い形状の突出を有し、それにより、ツールベースインターフェイス190と連結する。主ネジ210の遠位端は、ルーメン190A内で並進移動(move translationally)することができるが、ツールベースインターフェイス190に対して回転することはできず、したがって、主ネジ210は、ツールベースインターフェイス190に対して並進移動することができるが、それに対して回転することはできない。
【0041】
また、主ネジ210は、主ネジ210の外側部分に置かれた絶縁スリーブ212も備え、それにより、以下に記載のように、分離した電気焼灼チャネルを維持する役割を果たす。さらに、主ネジ210は、ネジ山をつけた内部ルーメン210Aを有し、ツールピン214にネジで連結される。ツールピン214は、ツールピン214の移動が、把持アームまたはブレードの開閉を生じさせるように、末端エフェクター28A内の公知のリンケージ機構に、操作的に連結される。したがって、歯車202の作動は、被動歯車204の回転を生じさせ、ツールドライブナット206を回転させる。ツールドライブナット206の回転は、ナット206およびネジ210のネジ止め可能な連結の結果として主ネジ210を移動させる。ネジ210の移動は、ツールピン214を移動させて、それにより、末端エフェクター28Aのアームまたはブレードの開閉を生じさせる。
【0042】
本実施態様では、これらの2つの回転軸は連結される。すなわち、純粋なロールが所望であれば、ツールの開/閉駆動トレインは、ツールドライブナット206とツールベースインターフェイス190との間に相対的角変位が存在しないように、ロールトレインのスピードに合わせなければならない。
【0043】
一実施によれば、末端エフェクター28Aは、以下の方法で、迅速およびかつ簡単に、前腕20Aに連結することができ、および、連結を外すことができる。適所に固定または維持されたロールおよびドライブ軸の両方により、末端エフェクター28Aは回転することができ、それにより、ネジ山190Aおよび210Aを連結し、または連結を外すことができる。すなわち、末端エフェクター28Aが一方向で回転する場合、末端エフェクター28Aは前腕20Aに連結され、他の方向で回転する場合は、末端エフェクター28Aは前腕20Aから連結が外される。
【0044】
一実施態様によれば、前腕20Aは、2つの非依存的な焼灼チャネル(本明細書において、「チャネルA」および「チャネルB」と呼ぶ)を有し、この前腕20Aにより、双極または単極のいずれかの焼灼末端エフェクターの使用を可能にする。
【0045】
図6Aを参照して、示されるように、特定の例示的な実施態様のチャネルAコンポーネントが、
前腕20Aにおいて示されている。PCB220は、焼灼発電機のような外部電源に連結された焼灼電力ライン(例えば上述の焼灼ライン104)のリードAに、電気的に連結される。PCB220は、さらに、ピン222に電気的に連結され、ソケット224(上述の主ネジ210の近位端において規定され、または、それに-電気的および機械的-に連結される)に、電気的に連結され、そして、ソケット224内に、スライド可能に配置される。主ネジ210は、
図5Cに最もよく示されるように、末端エフェクターピン214に、電気的および機械的に連結される。したがって、焼灼ライン104中のリードAに電圧を加えることは、双極の焼灼末端エフェクター28A中のチャネルAに電圧を加える。
前腕の特定の実施態様は、少なくとも1つの絶縁体225をさらに含む。
【0046】
図6Bおよび
図7に示すように、チャネルBコンポーネントが、示されるように、
前腕20Aに示される。上述のPCB220もまた、外部電源に連結された焼灼電力ライン(例えば上述の焼灼ライン104)のリードBに、電気的に連結される。PCB220は、さらに導電ロッド240に電気的に連結され、それはワイパー242に電気的に連結される。ワイパー242は、機械的支柱244により片方の末端上に支持された、張力のかかったコンポーネントである。絶縁挿入246は、ワイパー242と機械的支柱244との間に配置される。その自由な末端において、ワイパー242は、プリローダ248により支持される。この構造に基づき、ワイパー242は、ツールベースインターフェイス190に対して-リーフスプリングのように-組み込まれ(loaded)、または、促され(urged)(上述)、したがって、ツールベースインターフェイス190に電気的に連結されるようになる。ツールベースインターフェイス190は、末端エフェクター28Aに機械的に連結され、その末端エフェクター28AのチャネルBに電気的に連結される。したがって、焼灼ライン104中のリードBに電圧を加えることは、双極の焼灼末端エフェクター28A中のチャネルBに電圧を加える。例示的な実施態様では、チャネルAコンポーネントは、チャネルBコンポーネントから電気的に分離され、両方のチャネルは、患者の安全を高めるために、シャーシから電気的に分離される。
【0047】
一実施では、
前腕20Aは、流体が
前腕20Aへ侵入するのを防ぐのを助ける少なくとも1つの流体シールインターフェイスを備える。そのようなメカニズムの1つは、一実施態様によれば、
図9Aおよび
図9Bに示されるモノリシックのシングル-ピースのハウジング260である。ハウジング260のワン-ピースの特質は、密封されなければならないインターフェイスの数を大幅に減らし、したがって、流体の漏れがより生じやすいインターフェイスの数を減らす。ハウジング260は、
前腕20Aの内部コンポーネント上を滑るように構成される。すなわち、ハウジング260の近位端は、ハウジング260が
前腕20Aの上に正しく配置されるまで
前腕20Aの上に配置されることのできる(または、
前腕20Aがルーメンの中へ挿入される)、開口部を規定する。
図9Bに最もよく示されるように、ハウジング260は、ハウジング260においてハウジング260の遠位端に規定される穴264の周りに規定される溝に配置された、O-リング262を備えることができる。穴264は、末端エフェクター28A(特定の実施態様では、ロールハブ186の遠位端である)を受け入れるように構成される。一実施態様では、ロールハブ186(上述)は、O-リング262がそのロールハブ186に対して予め組み込まれる(preloaded)ように構成されるようにして穴264を通して配置され、それにより、ハウジング260とハブ186の外面との間に流体シールを形成し、それは特定の実施態様では、密封を高めるために、ステンレススチールリングをさらに含んでよい。
【0048】
図8Aに示すさらなる実施態様では、
前腕20Aは、
前腕ハウジング260(上述)の外側部分に規定される2つの溝270、272を有する。溝270、272は、内側バリア300のスリーブの開口部に規定される弾性バンドが溝270、272に配置され得るようにして、外側バリア(以下にさらに詳しく説明される第一のバリア300など)に関する取り付けポイントを提供するように構成することができ、それにより、ハウジング260に対するバリア300の連結を高め、したがって、流体シールを高める。一実施態様では、溝270、272は、
前腕ハウジング260全体を取り囲む。あるいは、第一のバリア300は、接着または溶接を介してハウジング260に接合することができる。さらなる代替では、ハウジング260および第一のバリア300は、単一のピースとして組み立てることができる。
【0049】
別の実施によれば、
図8Aに示すように、
前腕20Aハウジング260は、ハウジング260における穴282(それを通して末端エフェクター28Aが配置される)の周りに、ハウジング260に規定される溝280を有することができる。溝280は、第二のバリア310のスリーブの開口部に規定される弾性バンドが溝270、272に配置され得るようにして、外側バリア(以下にさらに詳しく説明される外側バリア310など)に関する取り付けポイントを提供するように構成することができ、それにより、ハウジング260に対する第二のバリア310の連結を高め、したがって、流体シールを高める。
【0050】
図8Bに示すように、別の流体シールは、別の実施態様によれば、一方の末端で主ネジ210(上述)に取り付けられ、もう片方の末端でツールベースインターフェイス190(上述)に取り付けられた、柔軟なメンブレン290の形状で、提供することができる。より具体的には、メンブレン290は、O-リング292において主ネジ210に連結され、溝292においてツールベースインターフェイス190に連結される。一実施態様では、メンブレン290は、取り付け機構、例えばシンチ(図示せず)により、溝292において保持される。このメンブレン290は、任意の外部流体に対して、
前腕20Aの内部コンポーネントのための液体シールを提供するのに役立つ。一実施では、末端エフェクター28Aが
前腕20Aに連結されていてもいなくても、シールは維持される。あるいは、メンブレン290は、金属ベローズで置き換えることができる。
【0051】
特定の実施態様によれば、
図10Aおよび
図10Bに示すように、さらなる流体シールを提供することができる。
図10Aおよび
図10Bに示すように、デバイス10は、デバイスアーム14A、14Bのそれぞれを保護する2つの流体的に密封されたバリアを備えることができる。第一のバリア(本明細書において、「内側バリア」とも呼ぶ)300は
図10Aに示され、それは、それぞれのアームの周りに配置され、そして、スリーブ末端FA、302Bで、デバイス本体12に、スリーブ末端302A、302Bでの開口部を促す(urge)弾性のコンポーネント304A、304Bを介して連結され、それにより流体シールを高める。示されるように本実施態様では、弾性のコンポーネント304A、304Bは、
前腕の遠位端で、アーム14Aの
前腕の周りに配置される。あるいは、
図8Aに関して上記で詳述されるように、弾性のコンポーネント304A、304Bは、
前腕内に規定される溝(上述の溝270、272など)に配置することができる。
【0052】
一実施態様では、内側バリア300は、デバイス10に永久的に結合されて、デバイス10の操作寿命全体のあいだ、取り外されないメンブレンである。バリア300は、デバイス10とともに滅菌される。
【0053】
第二のバリア(本明細書において、「外側バリア」とも呼ぶ)310は
図10Bに示され、それは、それぞれのアーム14A、14Bの周りに、上述の内側バリア300の上に配置され、そして、スリーブ末端312A、312Bで、デバイス本体12に、アーム14A、14Bに対するスリーブ末端312A、312Bでの開口部を促す弾性のコンポーネント314A、314Bを介して連結され、それにより流体シールを高める。
【0054】
図11Aおよび
図11Bは、上述のデバイスの実施態様においてPCBコンポーネントとして用いることのできる、リジッド-フレックスPCBコンポーネント320の一実施態様を示す。リジッド-フレックスの組み立ては公知の製造方法であることが理解される。一実施態様では、PCBコンポーネント320は、公知の製造方法を用いて組み立てられているが、カスタムで設計および製造される。
【0055】
図12A~
図17Dに示す使用では、本明細書に開示および検討されるデバイスの実施態様は、整合性のある横断面および最小の輪郭を有するように構成され、それにより、切り込みを通した患者の空洞への、デバイスの挿入の簡易性を高める。さらに、一実施態様では、デバイス10は、最適な方法で、最小の輪郭および整合性のある横断面を維持する、特定のセットのステップを介して挿入することができる。
図12に示すように、デバイス10は、切り込み330を通って空洞340へ挿入されるように整えられる。デバイス10のアーム14A、14Bが真っ直ぐであることに注意する。
図13では、デバイス10は、
前腕20A、20Bが空洞340内に配置されるように挿入される。
図14に示すように、それから、
前腕20A、20Bは、示されるように、挿入されることのできるデバイス10の量を最大限にするように回転することができる。
図15に示すように挿入が続くと、上腕18A、18Bも回転して外科的空間を最適化する。この時点で、アーム14A、14Bは、最初に
図16に示すように反対の方向に動くようにそれらを促すことにより、それらの操作位置へ動くことができる。
【0056】
最終的に、アーム14A、14Bは、
図17において肘が外側に突き出るように回転し、それにより、アーム14A、14Bをそれらの好ましい操作位置へ動かす。例示的な実施態様では、デバイスは、単一の挿入により全四象限に対するアクセスをユーザーに提供するように、最初の挿入位置に対して患者の内側で回転および/または傾いてよい。さらに、
図12A~
図17Dに示されるデバイスの挿入から明らかなように、従前の外科的ロボットデバイスでの場合のように、デバイスのアームは、連続ではなく平行に挿入される。
【0057】
一実施では、デバイス10は、デバイス10とともに用いられる少なくとも1つのカメラを備える。例えば、デジタルズームを備える2自由度を備えたカメラ(ファンおよびチルトカメラ)などのカメラ(図示せず)を用いることができる。一実施態様では、
図1Cに最もよく示されるように、それは、デバイス本体12の近位端において規定されるカメラルーメン32を通して挿入される。一実施によれば、カメラは、ユーザーまたは外科医によりフットコントローラーを用いてコントロールすることができ、手順の間、簡単に取り外し、洗浄、および再挿入される。別の実施態様では、カメラは、同じ切り込みを通して、ルーメン32を通して、または異なる切り込みを通して、挿入される標準的な腹腔鏡であってよい。
【0058】
多数の実施態様が開示されるが、本発明の例示的な実施態様を示し説明する以下の詳細な説明から、本発明のさらに他の実施態様が、当業者に明らかになる。理解されるように、本発明は、様々の明らかな態様での修正が、全て本発明の意図および範囲を逸脱せずに、可能である。したがって、図面および詳細な説明は、事実上例示として見なされ、制限ではない。
【0059】
本発明は、好ましい実施態様に関して説明されているが、当業者は本発明の意図および範囲を逸脱せずに、変更が形式および詳細においてなされ得ることを理解するであろう。
【0060】
以下、上記実施形態から把握できる技術思想を付記として記載する。
[付記]
[付記1]
患者において外科的処置を実施するための外科的ロボットシステムであって:
a.前記患者の切り込みに配置されるポートを経由して患者の腔内に配置されるサイズのロボットデバイス、
前記デバイスは、以下を含む:
i.遠位および近位端の領域を含む、単一のデバイス本体;
ii.前記デバイス本体の前記遠位端と可動に連結する、第一の肩関節;
iii.前記デバイス本体の前記遠位端と可動に連結する、第二の肩関節;
iv.前記の第一の肩関節に操作的に連結され、以下を含む、第一の可動のセグメント化されたロボットアーム:
A.複数の第一の上腕アクチュエーターを包含するハウジングを含む、第一の上腕セグメント、ここで、前記の複数の第一の上腕アクチュエーターの1つは、前記の第一の肩関節に連結されること;
B.少なくとも1つの前腕アクチュエーターを包含するハウジングを含む、第一の前腕セグメント;および
C.第一の操作コンポーネント;および、
v.前記の第二の肩関節に操作的に連結され、以下を含む、第二の可動のセグメント化されたロボットアーム:
A.複数の第二の上腕アクチュエーターを包含するハウジングを含む、第二の上腕セグメント、ここで、前記の複数の第二の上腕アクチュエーターの1つは、前記の第二の肩関節に連結されること;
B.少なくとも1つの前腕アクチュエーターを包含するハウジングを含む、第二の前腕セグメント;および
C.第二の操作コンポーネント;および、
b.前記ロボットデバイスと電気通信するコンソール、ここで、前記コンソールは前記ロボットデバイスを前記患者の外部からコントロールするために構成される;
ここで、
a.前記単一のデバイス本体は、前記遠位端が前記腔内にあり、前記デバイス本体の少なくとも一部が前記腔外にあるように、前記ポートに挿入されるように構成され、
b.前記の第一および第二の可動のセグメント化されたアームは、前記ポートを経由した挿入のために、前記デバイス本体の縦軸と実質的に並行して配置されることが可能であり;
c.前記第一および第二の前腕アクチュエーターは、前記第一および第二の操作コンポーネントをツールロールおよびツールドライブさせるように構成および設計される;
を含む、
外科的ロボットシステム。
[付記2]
付記1の外科的ロボットシステムであって、
前記の少なくとも1つのアクチュエーターは、ブラシレスDCモーターである、
外科的ロボットシステム。
[付記3]
付記1の外科的ロボットシステムであって、
前記デバイス本体内に配置され、前記少なくとも1つのアクチュエーターと操作的に連通しているリジッド-フレックスPCBをさらに含む、外科的ロボットシステム。
[付記4]
付記3の外科的ロボットシステムであって、
前記の第一の可動のセグメント化されたロボットアームは、第一の肘関節をさらに含み、ここで、前記第一の上腕セグメントは、前記第一の肩関節に対して、ロール、ピッチ、および、ヨー(yaw)が可能なように構成され、および、前記第一の前腕セグメントは、前記第一の肘関節を経由して前記第一の上腕セグメントに対してヨーが可能なように構成される、外科的ロボットシステム。
[付記5]
付記1の外科的ロボットシステムであって、
前記の第一の操作コンポーネントは、把持コンポーネント、焼灼コンポーネント、縫合コンポーネント、イメージングコンポーネント、灌漑コンポーネント、吸引コンポーネント、操作アームコンポーネント、センサーコンポーネント、および、照明コンポーネントからなる群から選択される、外科的ロボットシステム。
[付記6]
付記5の外科的ロボットシステムであって、
前記の第二の操作コンポーネントは、把持コンポーネント、焼灼コンポーネント、縫合コンポーネント、イメージングコンポーネント、灌漑コンポーネント、吸引コンポーネント、操作アームコンポーネント、センサーコンポーネント、および、照明コンポーネントからなる群から選択される、外科的ロボットシステム。
[付記7]
付記1の外科的ロボットシステムであって、
前記の第一および第二の前腕セグメントは、前記第一および第二の操作コンポーネントのクイックチェンジを可能とするように構成および設計される、外科的ロボットシステム。
[付記8]
付記1の外科的ロボットシステムであって、
前記第一および第二のセグメント化されたロボットアームは、並行して挿入されるように構成および設計される、外科的ロボットシステム。
[付記9]
付記8の外科的ロボットシステムであって、
前記単一のデバイス本体は、前記患者内で、最初の挿入位置に対し、回転される、および/または、傾けられることができるように構成および設計される、外科的ロボットシステム。
[付記10]
付記1の外科的ロボットシステムであって、
前記第一および第二の可動のセグメント化されたロボットアームは、挿入時に、前記第一および第二の前腕セグメントおよび第一および第二の上腕セグメントが、前記デバイス本体に対して実質的に垂直に方向づけられるように構成および設計される、外科的ロボットシステム。
[付記11]
付記1の外科的ロボットシステムであって、
a.前記第一のロボット上腕(upper robotic arm)セグメントは、前記本体に対して、ロール、ピッチ、および、ヨーが可能なように、前記の第一の肩関節を経由して前記の本体のコンポーネントに操作的に連結し;および
b.前記第二のロボット上腕セグメントは、前記本体に対して、ロール、ピッチ、および、ヨーが可能なように、前記の第二の肩関節を経由して前記の本体のコンポーネントに操作的に連結する、外科的ロボットシステム。
[付記12]
付記1の外科的ロボットシステムであって、
前記ロボットデバイスは、
a.第一のロボット前腕肘関節;および、
b.第二のロボット前腕肘関節、をさらに含み、
前記第一の前腕および第二の前腕は、前記第一および第二の肘関節を経由して前記上腕に対してヨーが可能なように構成される、外科的ロボットシステム。