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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】ケーブル管理デバイス
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/22 20060101AFI20220404BHJP
   H02G 3/30 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
F16B2/22 C
H02G3/30
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021008813
(22)【出願日】2021-01-22
(65)【公開番号】P2021116929
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2021-01-22
(31)【優先権主張番号】2000943.7
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】501472618
【氏名又は名称】ケイメッド(メディカル アンド インダストリアル イクイプメント) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KEYMED (MEDICAL & INDUSTRIAL EQUIPMENT) LTD.
【住所又は居所原語表記】Keymed House, Stock Road, SOUTHEND-ON-SEA, Essex, SS2 5QH, United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】アーノルド、アダム
(72)【発明者】
【氏名】ハインズ、ジョン
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06175079(US,B1)
【文献】米国特許第08596588(US,B1)
【文献】米国特許第05794895(US,A)
【文献】特開2017-93199(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0136519(US,A1)
【文献】米国特許第5921402(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/20- 2/26
H02G 3/00- 3/40
F16L 3/00- 3/26
H05K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル管理システムであって、
複数のケーブル管理デバイスと組み合わされた支持要素を備え、
前記ケーブル管理デバイスは、
ベース及び当該ベースから第1の方向に延びる第1及び第2のアームを備え、
前記ベース並びに前記第1及び第2のアームは1本又は複数本のケーブルを受け入れるエンクロージャを定め、
さらに前記ケーブル管理デバイスを支持要素に解放可能に取り付けるように構成された第1のアタッチメントデバイスを備え、前記第1のアタッチメントデバイスは、前記ベース部分に取り付けられ、前記第1の方向と直交する第2の方向に延びる細長いロッドを備え、
前記ベース並びに前記第1及び第2のアームは前記第2の方向に幅寸法を有し、前記ロッドが前記エンクロージャの各々の側を越えて延びるよう前記細長いロッドの長さは、幅寸法よりも大きく、
前記ケーブル管理デバイスは、
前記ケーブル管理デバイスを支持要素に解放可能に取り付けるように構成され、かつ前記第1のアタッチメントデバイスから離れた位置で前記ベースに結合された第2のアタッチメントデバイスをさらに備え、
前記支持要素は、前記複数のケーブル管理デバイスの各々の前記第1のアタッチメントデバイスを解放可能に受け入れるように構成された第1の細長いチャネルを定め、
前記支持要素は、前記複数のケーブル管理デバイスの各々の前記ベースを受け入れる第2の細長いチャネルを定め、
前記第1の細長いチャネルは、前記第2の細長いチャネルの一方の側に形成され、反対側では前記第2の細長いチャネルは前記ケーブル管理デバイスの第2のアタッチメントデバイスと解放可能に係合するリップを備える、ケーブル管理システム。
【請求項2】
前記細長いロッドは、前記エンクロージャの各々の側において、前記第2の方向に同じ距離だけ延びる、請求項1に記載のケーブル管理システム
【請求項3】
前記ベースは、U字形状部分を含む、請求項1または2に記載のケーブル管理システム
【請求項4】
前記第1及び第2のアタッチメントデバイスは、前記U字形状部分をはさんでそれぞれ反対側に位置するように前記ベースに結合される、請求項に記載のケーブル管理システム
【請求項5】
前記第1及び前記第2のアタッチメントデバイスは、接続リブにより前記ベースに結合される、請求項に記載のケーブル管理システム
【請求項6】
前記ベースから遠い前記第1及び第2のアームの遠位端は、間隔をもって互いに重なる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のケーブル管理システム
【請求項7】
前記第1及び第2のアームの幅は、前記ベースから前記遠位端に向かう前記第1の方向において減少する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のケーブル管理システム
【請求項8】
1つ又は両方のアームに形成された少なくとも1つの開口を備える、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のケーブル管理システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル管理デバイス及び複数のケーブル管理デバイスを組み込んだモジュラーケーブル管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な形式のケーブル管理デバイスがある。例えば、米国特許第6,427,952号および米国特許第5,921,402号は、表面又はトラックに取り付けることができるケーブル保持ブラケットを開示している。米国特許第8,985,530号、米国特許第9,188,248号、及び米国特許第5,893,539号は、多数のケーブル保持リングを運ぶ細長いスパインを備えたシステムを開示している。値異国特許2015/0086373号は、ケーブルのグループの複数のケーブルを別々に保つための多数のレセプタクル又はコンパートメントを定義するブラケットを備えたケーブル管理システムを開示している。それにもかかわらず、モジュール式ケーブル管理システムに簡単に組み込むことができる、多数のケーブルを収容できる簡潔で安定したケーブル管理デバイスのニーズがある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、ベース及び当該ベースから第1の方向に延びる第1及び第2のアームを備えるケーブル管理デバイスであって、ベース並びに第1及び第2のアームは1本又は複数本のケーブルを受け入れるエンクロージャを定め、さらにケーブル管理デバイスを支持要素に解放可能に取り付けるように構成された第1のアタッチメントデバイスを備え、第1のアタッチメントデバイスは、ベース部分に取り付けられ、第1の方向と直交する第2の方向に延びる細長いロッドを備え、ベース並びに第1及び第2のアームは第2の方向に幅寸法を有し、ロッドがエンクロージャの各々の側を越えて延びるよう細長いロッドの長さは、幅寸法よりも大きいケーブル管理デバイスを提供する。
【0004】
したがって、第1のアタッチメントデバイスは、ケーブル管理デバイスを支持要素に取り付けることと、及び隣接するケーブル管理デバイスのエンクロージャを互いに離すことの両方に作用する。
【0005】
好ましくは、細長いロッドは、エンクロージャのいずれかの側で等距離で第2の方向に延びる。
【0006】
ケーブル管理デバイスは、ケーブル管理デバイスを支持要素に解放可能に取り付けるように構成され、第1のアタッチメントデバイスから離れた位置でベースに結合される第2のアタッチメントデバイスをさらに備え得る。これにより、ケーブル管理デバイスがサポートエレメントに取り付けられたときにしっかりと安定する。
【0007】
ベースは、強度及び柔軟性を提供するU字形の部分を含み得る。この場合、第1及び第2のアタッチメントデバイスは、好ましくは、U字形部分の反対側でベースに接合される。第1及び第2のアタッチメントデバイスはそれぞれ、接続リブによってベースに接合することができる。
【0008】
好ましくは、ベースから離れたアームの遠位端は、それらの間の間隔で互いに重なり合い、ケーブルがエンクロージャに出入りするのを容易にする。さらに、アームの幅は、基部から遠位端に向かって延びる第1の方向に減少し得る。また、少なくとも1つの開口部が片方又は両方のアームに形成され得る。これらの機能により、エンクロージャに保持されているケーブルの視認性とアクセス性が向上する。
【0009】
本発明はまた、複数のケーブル管理デバイスと組み合わせたサポート要素を含むケーブル管理システムを提供し、サポート要素は、ケーブル管理デバイスの第1のアタッチメントデバイスを解放可能に受け取るように構成された少なくとも1つの細長いチャネルを定める。
【0010】
好ましくは、支持要素は、ケーブル管理デバイスのベースを受け入れるための第2の細長いチャネルをさらに規定する。この場合、第1のチャネルは、第2のチャネルの一方の側に形成されるのがよく、反対側では、第2のチャネルは、ケーブル管理デバイスの第2のアタッチメントデバイスとの解放可能な係合のためのリップを備える。
【0011】
以下では添付の図面を参照しながら、例示の目的のみをもって本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態によるケーブル管理デバイスの斜視図である。
図2図1のケーブル管理デバイスの底面から見た平面図である。
図3】ケーブル管理デバイスが部分的に固定された支持部材の断面図である。
図4図3と似ているが、ケーブル管理デバイスが支持部材に完全に固定された図である。
図5】本発明によるケーブル管理システムが組み込まれた電気機器を運ぶためのトロリーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び2から分かるように、本発明の一実施形態によるケーブル管理デバイス10は、ベース部分16から第1の方向に延びる第1及び第2のアーム12、14を備える。デバイス10は、一体型プラスチック成形品であり、したがって、アームとベース部分との間に厳密な描写はないが、これらの用語は、本明細書では、デバイス10の構造を説明するために使用される。
【0014】
この例では、ベース部分16は、U字形部分22の一方の肢の端部から延びる横方向延長部24を有するU字形部分22を備える。第1のアーム12は、U字形部分22の他方の肢から真っ直ぐに延びる。
【0015】
第2のアーム14は、横方向延長部24から実質的に垂直であり、第1のアーム12と実質的に平行である近位部分26を含む。第2のアーム14は、第1のアーム12に実質的に垂直でそれに向かって延びる中央部分28をさらに含む。遠位部分30は、第1のアーム12に実質的に平行であり、ベース16に向かって後方に延びる。
【0016】
遠位部分30は、第1のアーム12の遠位端と重なる。重なり合う部分は、矢印Sによって示されるように間隔を置いて配置される。間隔Sは、好ましくは、ケーブル管理デバイス10によって保持されることを意図されるタイプの1つのケーブルの直径よりも大きい。
【0017】
したがって、第1及び第2のアーム12、14、並びにベース16は一緒にケーブルエンクロージャ38を定める。U字形の部分22を有するベース16の構成は、使用中のアーム12、14のいくらかの屈曲を可能にし、これは、ケーブルがエンクロージャ38に取り付けられ、又はエンクロージャ38から取り外されるのを助ける。アーム及びベースの正確な形状及び構成は、異なってもよい。例えば、エンクロージャには、ケーブルを受け入れるための領域が定められ、ケーブルがエンクロージャに出入りすることを可能にするためにアームがある程度離れているか、又は分離可能であるという条件で、実質的にC字形若しくはG字形、又は他の変形であってもよい。
【0018】
好ましくは、第1及び第2のアーム12、14の遠位端において、角32、34は、ケーブルを損傷する可能性のある鋭いエッジを回避するために丸みを帯びている。
【0019】
図1に示されるように、第1及び第2のアーム12、14は、ベース部分16に隣接する位置で最大となり、遠位端に向かって減少する幅寸法Wを有する。アーム12、14は、1つ又は複数の開口40を含み得る。これらの特徴は、ケーブル管理デバイス10の材料の量および重量を低減し、使用中のエンクロージャ38内に保持されるケーブル束の視認性及びアクセス性を高める。
【0020】
ケーブル管理デバイス10は、以下でさらに説明するように、デバイス10を支持体50に取り付けるためのアタッチメント及びスペーサーデバイス18、並びに安定化クリップ20をさらに備える。
【0021】
アタッチメント及びスペーサーデバイス18は、好ましくは接続リブ44によってベース部分16に接合された細長いロッド42を備える。ロッド42は、アーム12、14がベース16から離れて延びる第1の方向に垂直な第2の方向に延び、一般に、アーム12、14の幅寸法Wに平行である。ロッド42の長さは、アーム12、14及びベース部分16の最大幅寸法よりも大きい。好ましくは、ロッド42はベース部分16に対して対称であり、ベース部分16の上下両方に距離Dだけ延びる。
【0022】
好ましくは、ケーブル管理デバイス10はまた、第2の接続リブ48などによってベース部分16に接続されたほぼL字形のブラケット46を含む安定化クリップ20を含む。好ましくは、アタッチメント及びスペーサーデバイス18、並びに安定化クリップ20は、ベース16のU字形部分22の反対側に接続されている。
【0023】
アタッチメント及びスペーサーデバイス18、並びにクリップ20は、ケーブル管理デバイス10を支持部材50に解放可能に取り付け、隣接するケーブル管理デバイス10のエンクロージャ38を互いに離すように構成される。一例では、支持部材50は、典型的には押し出しによって形成された細長い要素を含み、これは、いくつかの内部チャネルを定める。
【0024】
図3及び4に示すように、一実施形態では、支持要素50は、ケーブル管理デバイス10のロッド42を解放可能に受け入れるための第1のチャネル52を定める。支持部材はまた、U字形部分を受容するための第2のチャネル54を定める。支持部材50は、第1のチャネル52の位置とは反対側の第2のチャネル54の側にあるリップ56で形成されている。ケーブル管理デバイス10のL字型ブラケット46は、リップ56に対して解放可能に係合可能である。このようにして、ケーブル管理デバイス10を支持部材50に安定して取り付けることができ、第2のチャネル54の両側に対して補強される。これにより、ケーブル管理デバイス10がしっかりと保持され、ケーブルを取り付け又は取り外すのが容易になり、接続リブ44を破壊する可能性がある、ロッド42を中心に旋回するのに抵抗する。
【0025】
図5に示す、一例では、支持部材50は、車輪付きトロリー又はワークステーション60に取り付けられた垂直フレーム58の一部であり、複数のケーブルを必要とする電気機器を支持するためのいくつかの棚も運ぶ。一連のケーブル管理デバイス10を支持要素50に取り付けて、電気ケーブルを受け入れるための経路を定めてもよい。
【0026】
ロッド42の長さにより、第1のケーブル管理デバイス10が支持部材50の底部に取り付けられると、ベース部分16及びアーム12、14、したがってエンクロージャ38は、ワークステーション60のベース部分の上で距離Dだけ離れて配置される。次のケーブル管理デバイス10が取り付けられると、そのロッド42の下端は、第1のケーブル管理デバイス10のロッド42の上端に当接する。したがって、2つの管理デバイス10のケーブルのエンクロージャ38は、距離2Dだけ離れる。これは、さらなるケーブル管理デバイス10が支持要素50に取り付けられるときに繰り返される。
【0027】
このようにして、ケーブルの束を収容するために、一連のエンクロージャ38が他のエンクロージャ38の上に提供される。しかしながら、隣接するケーブル管理デバイス10のエンクロージャ38は、距離2Dだけ離れて配置されているので、ケーブルの束の視認性及びアクセス可能性が改善される。これは、アーム12、14に形成された開口40によってさらに向上する。束から1つ又は複数のケーブルを追加又は取り除く必要がある場合、関連するケーブルを識別し、他のケーブルはそのままにしたまま、関連するケーブルをエンクロージャ38から出し入れすることがより容易である。特定の棚の機器に必要なケーブルは、主たる束から迂回させて、2つの隣接するケーブル管理デバイス10の間の間隔を通過させることができるが、そうするために鋭角に曲げる必要はない。
【0028】
各ケーブル管理デバイス10は、アタッチメント及びスペーサーデバイス18、並びに安定化クリップ20によって提供される2つの対向する取り付け手段により、支持部材50内にしっかりと保持される。
【0029】
したがって、本発明は、ケーブルの束を安全に保持することができ、他のケーブル管理デバイスと組み合わせて、必要に応じて長くまたは短くすることができるモジュラーケーブル管理システムを形成することができる改善されたケーブル管理デバイスを提供できる。個々のケーブル管理デバイスは、システム全体を分解することなく支持部材50にクリップイン及びクリップアウトすることができ、ロッド42によって提供される一体型スペーサーは、使用中のケーブルバンドルへのより容易なアクセスを可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5