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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】金型の構造
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/26 20060101AFI20220404BHJP
   B29C 45/00 20060101ALI20220404BHJP
   B29C 33/38 20060101ALI20220404BHJP
   B29C 33/10 20060101ALI20220404BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220404BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20220404BHJP
【FI】
B29C45/26
B29C45/00
B29C33/38
B29C33/10
B33Y10/00
B33Y80/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021020131
(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公開番号】P2021160354
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2021-02-10
(31)【優先権主張番号】109111276
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】521064071
【氏名又は名称】瑞皇精密工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107962
【弁理士】
【氏名又は名称】入交 孝雄
(72)【発明者】
【氏名】林順福
(72)【発明者】
【氏名】蘇裕章
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-151647(JP,A)
【文献】特開2003-243435(JP,A)
【文献】特開2020-026074(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0366607(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109262993(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00-33/76
B29C 45/00-45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型は、第1の金型ベース、第2の金型ベース、および2つのコントローラーを備え、
第1の金型ベースおよび第2の金型ベースは、相対して一体化することにより金型キャビティを形成し、
上記第1の金型ベースにランナーが設けられ、ランナーの一端は成形機の材料パイプに連通接続され、他端は金型キャビティに連通接続され、
第1の金型ベースおよび第2の金型ベースにはそれぞれ第1の金型コア、および第2の金型コアが設置されると共に、各金型コア内面は金型キャビティの一部を構成し、
第1の金型ベースは 第1のベントパイプを備え、該第1のベントパイプは
金型キャビティに間隔を設けて配置されて連通する複数の第1の補助パイプライン、該第1の補助パイプラインに連通する第1の主パイプラインを備えて、該第1の主パイプラインは第1のガスチャネルに連通され
第2の金型ベースは、第2のベントパイプを備え、該第2のベントパイプは
金型キャビティに間隔を設けて配置されて連通する複数の第2の補助パイプライン、該第2の補助パイプラインに連通する第2の主パイプラインを備えて、該第2の主パイプラインは第2のガスチャネルに連通され
上記第1及び第2の金型コアは多孔質材料からなり、多孔質材料によって第1及び第2の金型コアは複数の細孔で満たされ、
上記2つのコントローラーは、それぞれ第1のガスチャネル、および第2のガスチャネルに接続して設置され、
上記2つのコントローラーにより、第1のガスチャネル及び第2のガスチャネルに連通する領域の金型キャビティに対する給気量または排気量を同期的に調整し、それに応じて金型キャビティ内の圧力値を変化させることにより、金型キャビティ内に供給される原材料の流れ方向を制御することを特徴とする、金型の構造。
【請求項2】
前記第1の金型ベース、又は第2の金型ベースに第1の凹部、及び第2の凹部を設置し、
前記第1の金型コア及び第2の金型コアはそれぞれ第1の凹部と第2の凹部に設置され、
前記第1のガスチャネルと第2のガスチャネルは第1の金型ベースまたは第2の金型ベースに設置されたことを特徴とする、請求項1に記載の金型の構造。
【請求項3】
前記第1の金型ベースに第1の凹部が設置され、前記第2の金型ベースに第2の凹部が設置され、
上記第1の凹部は第2の凹部とずれて配置され、
前記第1の金型コア及び第2の金型コアはそれぞれ第1の凹部と第2の凹部に設置され、
第1のガスチャネル及び第2のガチャネルがそれぞれ第1の金型ベース及び第2の金型ベースに設置されていることを特徴とする、
請求項1に記載の金型の構造。
【請求項4】
前記2つのコントローラーは、それぞれ制御する圧力値は同じまたは異なることを特徴とする、請求項1に記載の金型の構造。
【請求項5】
前記第1の金型ベースと第2の金型ベースの端面は相対して相互に嵌合し、該相対する端面にガスケット溝を設けてガスケットを設置し、ガスケットを設置したガスケット溝フレームが金型キャビティの外縁を囲んで配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の金型の構造。
【請求項6】
前記第1の主パイプライン及び第2の主パイプラインが円形または非円形のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の金型の構造。
【請求項7】
前記第1の主パイプラインと第2の主パイプラインを金型キャビティに沿って周囲に設置し、また、第1の主パイプラインと第2の主パイプラインの経路配置形状を金型キャビティの輪郭に対応させたことを特徴とする、請求項1に記載の金型の構造。
【請求項8】
前記金型キャビティの第1の金型コア領域及び第2の金型コア領域に
それぞれ感圧部品を設置して圧力値を検出するようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の金型の構造。
【請求項9】
第3の金型コアを金型キャビティの一部を構成するように設置し、
さらに、第3の金型コア及び第3のガスチャネルが金型に第3の金型コアの一側は金型キャビティの一部を構成し、
該第3の金型コアの内に第3のベントパイプ設置し、
少なくとも1つの第3の主パイプライン及び複数の第3の補助パイプラインを備え、
該第3の主パイプラインは、第3のガスチャネルに連通接続され、
該複数の第3の補助パイプラインがそれぞれが間隔を空けて設置され、第3の補助パイプラインの両端はそれぞれ第3の主パイプラインおよび金型キャビティに連通接続され、
第3の金型コアは多孔質材料からなり、多孔質材料によって第3の金型コアを複数の細孔で満たされ、さらにコントローラーは第3のガスチャネルに接続されてなることを特徴とする、請求項1に記載の金型の構造。
【請求項10】
第1の金型コア、および第2の金型コアが3D印刷法によって成形されたことを特徴とする、請求項1に記載の金型の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型構造に関し、特に、完成品の形状、厚さ、薄さに応じて金型キャビティ内の異なる領域の圧力値を制御して充填する金型構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な成形金型によると、成形不良には多くの理由があるが、安定した成形の秘訣は、原材料の大きさや流動抵抗の変化、原材料の滑らかさ、成形材料を成形金型に入れることは、原材料の流動抵抗と切り離せない関係がある。
原材料の流動抵抗に影響を与える要因としては、材料温度が低すぎ、射出速度が遅すぎ、金型温度が低すぎ、排気が悪い、流動経路が長すぎるなどがあり、成形機のデータを調整することで、材料温度が低すぎ、射出速度が遅すぎる場合に対応して調整できる。
【0003】
金型温度が低すぎると、図1に示すように問題が発生する。一般に、原材料(11)は、材料パイプ(T)内で成形機によって高温で溶融され、バレルの射出口(T)で、金型(1)に押し込まれる。
矢印(A)は原料供給方向を示し、通常、金型キャビティ(12)の壁温度は材料パイプの温度よりも低いために原材料(11)を冷却して固化し、高温原材料(11)がゲートから入り、相対して触れる金型キャビティ(12)の壁の温度が低い場合、薄い硬化層(13)が即座に現れる。
時間の経過とともに硬化層(13)がどんどん厚くなり、原材料(11)が流れる空間がどんどん小さくなっていき、元のフロースペース(H1)は硬化層(13)の影響を徐々に受け、フロースペース(H2)を減らし、そのため、原材料の流動抵抗が発生し、流路の長すぎる金型も上記のような状況になり、現在の解決策は、主に金型(1)の温度条件を改善することで、この方法ではエネルギーを大量に消費し、原材料(11)の硬化時間に影響を与える。
【0004】
さらに、図2に示すように、金型キャビティ(12)の底壁がゲート(14)に隣接していて、成形プロセス中に硬化層(13)が厚くなると、ゲート(14)からの流動が妨げられて、原料が金型キャビティ(12)内の末端まで流入せず、不完全な充填の問題が発生する。
また、金型内の圧力が均等な圧力状態であっても、完成品の形状が不規則であるか、製品自体の厚さが不均一である場合、原材料(11)を金型キャビティ(12)に注入した後、肉厚の薄い所(122)の金型キャビティ(12)の圧力が原材料(11)に対する抵抗を形成して、完成品の肉厚の厚い所(121)に対応する金型キャビティ(12)が充填される。
矢印(A)は、原材料の供給方向と流れ方向を示しており、肉厚の厚い所(121)は、肉厚の薄い所(122)に流れる前に完全に満たされ、その結果、肉厚の厚い所(121)における完成品の密度が高くなり、肉厚の薄い所(122)の完成品の密度が低くなり(図2は、ハニカム状の形態で密度を示しています)、このため密度の低い部分では製品が変形する。
また、流動する長さが長い場合には、排気設計が不良であったりすると、完成品となる最後までに充填される原材料(11)の流動抵抗が大きくなり、成形が完璧ではなく、成形が容易にできない。上記の問題を解決するために金型にはオーバーフロー溝による方法もあるが、ただし、オーバーフロー溝によって発生する廃棄物も材料費の増加につながる。
このように、従来技術は完全ではなく、問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-260175号公報
【文献】特開2003-320557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、前述の従来技術の欠点を考慮して、現在の成形金型内の材料の流動抵抗によって引き起こされる成形不良の問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の金型の構造は、主に、金型が第1の金型ベース、第2の金型ベース、および2つのコントローラーを含み、
第1の金型ベースおよび第2の金型ベースは、作動可能に位置合わせされ、そして、第2の金型ベースは相互に嵌合して一体化されることにより金型キャビティは共同でフレーム化され、該金型キャビティに連通する第1のガスチャネル、第2のガスチャネル、第1の金型コア、および第2の金型コアが設置される。
【0008】
第1の金型ベースにはランナーを設置し、ランナーの一端は成形機の材料パイプに連通し、他端は金型キャビティに連通接続される。
【0009】
第1の金型コアがその一側が金型キャビティの一部を構成して設置され、第1のベントパイプが、少なくとも1つの第1の主パイプラインおよび複数の第1の補助パイプラインを含んで金型コア内に設置される。
第1の主パイプラインは第1のガスチャネルに連通接続され、複数の第1の補助パイプラインはそれぞれ間隔を空けて設置され、第1の補助パイプラインの両端はそれぞれ第1の主パイプラインと第1の金型コアの金型キャビティに連通接続され、金型コアは多孔質材料からなり、多孔質材料により第1の金型コアを複数の細孔で満たされる。
【0010】
第2の金型コアがその一側が金型キャビティの一部一部を構成して設置され、第2のベントパイプが、少なくとも1つの第2の主パイプラインおよび複数の第2の補助パイプラインが設置され、第2の主パイプラインは第2のガスチャネルに連通接続され、複数の第2の補助パイプラインはそれぞれ間隔を配置され、第2の補助パイプラインの両端は第2の主パイプラインと金型キャビティに連通接続され、第2の金型コアは多孔質材料からなり、多孔質材料により第2の金型コアは複数の細孔で満たされる。
【0011】
のガスチャネルにそれぞれ接続して設置され、それによって、第1のガスチャネル、第2のガスチャネルを通って第1のベントパイプ及び第2のベントパイプから金型キャビティ内に入るガスを制御する、又は第1のガスチャネル、第2のガスチャネルから第1のベントパイプ、第2のガスチャネルを通って金型から排出されるガスを制御して、金型キャビティ内の第1の金型コアが設置された領域、及び金型キャビティ内の第2の金型コアが設置された領域で、それぞれ事前に設定された圧力値に達するように金型キャビティ内のガス制御する。
そして、原材料が金型キャビティに供給される状態において、2つのコントローラーにより第1のガスチャネル、第2のガスチャネルを介して給気量または排気量を同期的に調整し、それに応じて金型キャビティ内の圧力値を変化させることによって原材料の流れ方向を制御する。
【発明の効果】
【0012】
2つのコントローラーをさまざまな領域で制御でき、金型内のこれらの領域の圧力値に対して異なる圧力値として、金型キャビティ内の原材料の流れ方向を制御することができ、製品の密度が向上し、均一化することができ、製品の不良率と成形後の変形を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、先行技術の平面図。
図2図2は、先行技術の平面図。
図3図3は、本発明の平面図。
図4図4は、本発明の原材料の圧力および流れの図である。
図5図5は、本発明の第2の金型ベースの分解図である。
図6図6は、本発明の第2の金型ベースの上面図である。
図7図7は、本発明の第2の金型ベースの上面図である。
図8図8は、本発明の第1の実施形態の平面図である。
図9図9は、本発明の第2の実施形態の平面図である。
図10図10は、本発明の第3の実施形態の平面図である
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下は、本発明の実施を説明するための特定の実施形態で、当業者は、本明細書に開示される内容から、本発明の他の利点および効果を容易に理解することができる。
【実施例1】
【0015】
本発明の好ましい実施形態の金型構造の改良である図3~6を参照する。
金型(2)は、第1の金型ベース(3)、第2の金型ベース(4)、および2つのコントローラー(5)からなり、第1の金型ベース(3)および第2の金型ベース(4)は互いに嵌合して一体となる。
この実施形態では、第2の金型ベース(4)はモデルキャビティ(44)を設置し、第1の金型ベース(3)および第2の金型ベース(4)は互い嵌合した形態下で、キャビティ(M)が共同して一体化したフレームを構成するが、金型キャビティ(M)の構造には制限はない。
また、第1の金型ベース(3)および第2の金型ベース(4)にそれぞれモデルキャビティを設けて、お互いに嵌合して一体化した金型キャビティ(M)を形成することも可能である。
【0016】
第1の金型ベース(3)および第2の金型ベース(4))の互いに嵌合する側は第1の金型表面(32)に形成され、第1の金型ベース(3)には、ランナー(33)を設置する。
ランナー(33)は、成形機の材料パイプ(T)に連通接続し、その他端にゲート(331)形成して金型キャビティ(M)連通し、第1の金型表面(32)にガスケット溝(34)を設けて、ガスケット(35)がさらにガスケット溝(34)内に配置され、ガスケット溝(34)は金型キャビティ(M)の外周を囲んで配置される。
【0017】
第2の金型ベース(4)は、第2の金型表面(41)を有し、第1の金型表面(32)と互いに嵌合する。
この実施形態例では、モデルキャビティ(44)は、第2の金型表面(41)に対して第2の金型ベース(4)の下方に凹部を形成し、第2の金型表面(41)には、さらに第1の凹部(G1)と第2の凹部(G2)が設けられる。これらの間隔配列、間隔の距離は、完成品の形状または厚さにと薄さに応じて設定する。
この実施形態の図は、完成品の断面の両側に形成された厚いブロックと薄いブロックを例として取り上げて説明され、以下、金型キャビティ内の第1の金型コア(6)の領域範圍は厚いブロック(M1)と称し、第2の金型コア(7)のある領域範圍は薄いブロック(M2)と称す。
ここで、第1の凹部(G1)は、金型キャビティ(M)の厚いブロック(M1)の領域範囲に対応し、第2の凹部(G2)は、金型キャビティ(M)薄いブロック(M2)の領域範囲に対応する。
第1の金型コア(6)は第1の凹部(G1)内に設置され、第2の金型コア(7)は第2の凹部(G2)内に設置され、第2の金型ベース(4)はより多くの第1のガスチャネル(42 )および第2のガスチャネル(43)が設置される。
【0018】
第1の金型コア(6)の内側は金型キャビティ(M)の一部をなし、第1の金型コア(6)の内側に設置された第1のベントパイプ(61)は、少なくとも1つの第1の主パイプライン (611)および複数の第1の補助パイプライン(612)を含む。第1の主パイプライン(611)は、金型キャビティ(M)の周囲に沿って設置され、金型キャビティ(M)外周面の輪郭の変化に応じて、第1の主パイプライン(611)経路形状(例えば、直線形状、不規則的な形状、連続した曲線の形状、らせん状の形状...など)を設置し、
第1の主パイプライン(611)は、第1のガスチャネル(42)と連通し、それぞれ第1の補助パイプライン(612)は間隔を設けてさらに金型キャビティ(M)の輪郭に沿って配置され、また第1の補助パイプライン( 612)両端はそれぞれ第1の主パイプライン(611)と金型キャビティ(M)に連通接続される。
第1の金型コア(6)は多孔質材料からなり、該多孔質材料は第1の金型コア(6)を複数の細孔で満たす。本発明の図では、複数のドットを細孔で表す。
【0019】
第2の金型コア(7)の内側は、金型キャビティ(M)の一部を構成し、第2の金型コア(7)内には、第2のベントパイプ(71)を設置して、少なくとも第2の主パイプライン(711)および複数の第2の補助パイプライン(712)、第2の主パイプライン(711)は、金型キャビティの(M)に沿って周囲に設置する。
そして、金型キャビティ(M)の輪郭によって変化する第2の主パイプライン(711)の経路形状(例えば、直線、不規則、連続曲線、らせんなど)は、第2の主パイプライン(711)、第2のガスチャネル(43)と連通し、第2の補助パイプライン(712)は間隔をあけてさらに金型キャビティ(M)の輪郭に沿って設置され、また、第2の補助パイプライン(712)の両端は、それぞれ第2の主パイプライン(711)および金型キャビティ(M)に連通接続する。
第2の金型コア(7)は多孔質材料でできており、該多孔質材料は第2の金型コア(7)を複数の細孔で満たし、本発明の図では、複数のドットでこれらの細孔を表す。
第1のベントパイプ(61)と第2のベントパイプ(71)は、3Dプリント法により形成され、または、透ガス性鋼材料で構成される。
透ガス性鋼材料は、混合された直径が同じまたは異なる鋼球体で、内部が全ての方向面で微細孔で均一に満たされて微小孔となるように焼結され、多孔質材料または多孔質金属とも呼ばれ、加工成型が適用できる。
3D印刷添加剤製造プロセスはまた、小さな微細孔で満たした材料とすることができ、本発明の図では、複数の細孔を表示できないが、 さらに、3D印刷添加剤製造法の積層特性により、本発明の第1のベントパイプ(61)および第2のベントパイプ(71)の金型キャビティ(M)の複雑な輪郭の流路構造を成形することができる。
【0020】
さらに、本発明は、第1の主パイプライン(611)、第2の主パイプライン(711)の形状に制限はなく、これは、図5に示すように、第1のベントパイプ(61)によって提供される非円形または主要環状流路のメインパイプであり得る。
第1の主パイプライン(611)、第2の主パイプライン(711)の構造設計、数並びに第1の補助パイプライン(612)、第2の補助パイプライン(712)の数や分布配置は、金型キャビティ(M)の形状、大きさ、小ささのサイズに依存する。
本発明の図面は、例示のみを目的としており、これらの例に限定するものではない。
図5および図6は、主に第1の主パイプライン(611)、第2の主パイプライン(711)の形状を示したもので複数の細孔は図に示されていない。
【0021】
2つのコントローラー(5)は、それぞれ第1のガスチャネル(42)および第2のガスチャネル(43)に設置され、ガスが、第1のガスチャネル(42)、第2のガスチャネル(43)からそれぞれ第1のベントパイプ(61)、第2のベントパイプ(71)を通って金型キャビティ(M)に入り、又は、金型キャビティ(M)内のガスが、第1のベントパイプ(61)、第2のベントパイプ(71)通り、第1ガスチャネル(42)、第2のガスチャネル(43)から金型(2)外に排出されることを制御する。
金型キャビティ(M)内の厚いブロック(M1)と薄いブロック(M2)の領域をそれぞれ事前設定された圧力値に到達させ、2つのコントローラー(5)が給気量と排気量を制御することに加えて、さらにガスを給気と排気のシーケンス制御することができる。
そして、材料パイプ(T)の原材料(11)が金型キャビティ(M)に入ると、2つのコントローラー(5)により、給気量または排気量を調整し、金型キャビティ(M)内の圧力値はそれに応じて変化する。
本発明は、ガス源を制限しない、ガス装置(図示せず)によって生成する。 3D印刷法により形成される複雑な経路と各コントローラー(5)で調整された圧力値により、厚みの異なる不規則な形状の製品を製造することができる。
【0022】
2つのコントローラー(5)が金型キャビティ(M)内の厚いブロック(M1)および薄いブロック(M2)内の圧力値をより正確に取得するために、本発明はさらに2つの感圧部品( 51)をそれぞれ2つのコントローラー(5)に電気的に接続し、2つの感圧部品(51)により、金型キャビティ(M)の厚いブロック(M1)および薄いブロック(M2)内の圧力値を観測することができる。
【0023】
さらに、第1の金型ベース(3)および第2の金型ベース(4)に、それぞれ冷却チャネル(C1)を設置して、冷却剤を冷却チャネル(C1)に、例えば、水などの冷媒を循環させて温度を下げて金型(2)、原材料(11)の硬化時間を短くし、或いは、金型(2)の設定温度を戻して次のストロークを作動させる。
第1のガスチャネル(42)、第2のガスチャネル(43)と2つのコントローラー(5)の間に逆止弁(52)を設置し、逆止弁(52)をコントローラー(5)に電気的に接続する。
これは主に、金型キャビティ(M)内のガスが第1のガスチャネル(42)、第2のガスチャネル(43)からオーバーフローすることを防止、又は、ガスが第1のガスチャネル(42)、第2のガスチャネル(43)から金型キャビティ(M)内に入って金型キャビティ(M)内の圧力値が変化し、成形不良の問題を引き起こることを防止する。
【0024】
ここで、第1の金型ベース(3)と第2の金型ベース(4)が互いに嵌合状態にあるとき、ガスケット(35)がそれぞれガスケット溝(34)及び第2の金型表面(41)に取り付けられて金型キャビティ(M)を密封状態に形成して、第1の金型表面(32)と第2の金型表面(41)を互いに嵌合させてガスが漏れるのを防ぐ。
そして、2つのコントローラー(5)は、原材料(11)の特性に応じて、ガスの出入りを制御して、金型キャビティ(M)を背圧または真空状態にする。
または、図4に示すように、完成品の形状と厚みの不均一に応じて、2つのコントローラー(5)により、金型キャビティ(M)の厚いブロック(M1)の圧力値を次のように設定する。薄いブロック(M2)の圧力値、または、厚いブロック(M1)のコントローラー(5)を給気に調整し、薄いブロック(M2)のコントローラー(5)を排気に調整して、キャビティ(M)内が給気と排気する状態を形成することにより、原材料(11)をランナー(33)からゲート(331)を通って金型キャビティ内(M)に入れるようにする。
矢印(A1)の方向に示すように、圧力が原材料(11)に対して抵抗(R)を形成し、原材料(11)がまず先に薄いブロック(M2)に充填され、薄いブロック(M2)の圧力による充填値が設定値に達すると、コントローラー(5)を調整して厚いブロック(M1)の圧力値を低下させて、原材料(11)の流れ方向を、厚いブロック(M1)の方向に変更される。
このようにコントローラーにより薄いブロック(M2)と厚いブロック(M1)内の圧力を制御して金型キャビティ(M)内に原材料(11)が均一に充填するように原材料(11)の金型キャビティ(M)内への流れ方向を制御し、完成品の密度を平均化して、完成品の良品率を向上させ、製品、完成品の変形を減らして、損耗と省エネを達成する。
【0025】
上記のように金型キャビティ(M)内の圧力の大・小を調整するほか、本発明は、金型キャビティ(M)の形状、流動経路の長さ、および原材料(11)の異なる特性により金型キャビティ(M)の圧力値を調整することもできる
図7を参照して説明する。
金型キャビティ(M)が均等しい高さであるが、流動経路の長さが比較的長い実施形態を示す。
下記で金型キャビティ(M)の第1の金型コア(6)領域を第1のブロック(M3)と称し、第2の金型コア(7)領域を第2のブロック(M4)と称する。
本発明の実施例中では、制御する2つのコントローラー(5)、金型キャビティ(M)の第1のブロック(M3)、第2のブロック(M4)の圧力値を同じに設定し、原材料(11 )は金型キャビティ(M)に入った後、金型キャビティ(M)の第1のブロック(M3)、第2のブロック(M4)内のガスにより加圧され、第1の金型コア(6)及び第2の金型コア(7)には複数の細孔が散在する。
2つのコントローラー(5)の制御により、金型キャビティ(M)の第1のブロック(M3)のガスは、第1の補助パイプライン(612)、第1の主パイプライン(611)を通り、第1のガスチャネル(42)から金型キャビティ(M)外に排出され、また、同時に第2のブロック(M4)のガスはそれぞれ第2の補助パイプライン(712)、第2の主パイプライン(711)を通り、(上記の排気手順は、主に、金型キャビティ(M)内の圧力を解放する。)第2のガスチャネル(43)から金型キャビティ(M)外に排出される。
上記の排気手順は主に金型キャビティ(M)内の圧力を解放することであり、ガスが排出されるときに発生する吸引力によって、原材料(11)を金型キャビティ(M)の末端に引き付けられ、金型キャビティ(M)を完全に満たすことができ、製品の末端に、一般的ラッピング状態と呼ばれて知られる不完全な充填という現象が発生しない。
従って、粘度の高い原材料(11)についても同様の方法で使用することができ、原材料(11)を完全に充填することができる。
【0026】
さらに、原材料(11)を金型キャビティ(M)に圧送後に、異なる圧力によって原材料(11)が変化(例えば、発泡)することなく、金型は制御する第2のコントローラー(5)によって、金型キャビティ(M)の圧力値が、成形機の材料パイプ(T)の圧力値と同じになるように調整されるため、空気を含有する原材料(11)が金型キャビティ(M)に送給後、硬化して軽量の完成品に成形される。
本発明は、一般的なプラスチック、発泡材料、バイオマス材料(環境に優しい材料)、TPR、TPU、液体シリコーンなどの様々な原材料の成形に適用することができる。
さまざまな原材料の特性に応じてガスの吸、排気量を調整し、金型キャビティ(M)の圧力値を成形条件に合わせ、圧力値を迅速に調整して、原材料(11)の流れ方向と流量を変更する。
【0027】
本発明の第1の実施形態を示す図8を引き続き参照されたい。この実施形態は上記実施形態の変形形態であることが図から明らかであるから、同じ構造については詳細に説明しないが、相違するのは、本発明の実施例中では、第1の凹部(G1)、第2の凹部(G2)、及び第1のガスチャネル(42)、第2のガスチャネル(43)は、第1の金型ベース(3)設置し、第1の凹部( G1)は厚いブロック(M1)の領域範囲に対応し、第2の凹部(G2)は薄いブロック(M2)の領域範囲に対応し、第1の金型コア(6)は、第1の凹部(G1)に設置される。
第2の金型コア(7)は第2の凹部(G2)内に設置され、第1の金型コア(6)は、第1のベントパイプ(61)、第1のガスチャネル(42)、に設置し、第2の金型コア(7)、第2のベントパイプ(71)を第2のガスチャネル(43)連通設置し、2つのコントローラー(5)は、それぞれ、第1のガスチャネル(42)および第2のガスチャネル(43)を設置する。
もちろん、2つのコントローラー(5)は、金型キャビティ(M)内のガスの給気および排気作動モードを制御し、上記から導出できるため、繰り返し説明しない。
【0028】
図9を参照して本発明の第2の実施例を説明する。この実施例は、図から明らかなように上記実施例の変形形態であるから、同じ構造については説明せず、違いのみを以下に詳細に説明する。
この実施形態では、第1の凹部(G1)および第1のガスチャネル(42)が第1の金型ベース(3)に設置され、第2の凹部(G2)および第2のガスチャネル(43)が第2の金型ベース(4)に設置され、第1の凹部(G1)は厚いブロック(M1)の領域に対応する。
第2の凹部(G2)は、薄いブロック(M2)の領域範囲に対応し、ずれて形成され、第1の金型コア(6)は、第1の凹部(G1)内に設置され、第2の金型コア(7)は、第2の凹部(G2)内に設置され、第1の金型コア(6)には、第1のベントパイプ(61)が第1のガスチャネル(42)に設置され、第2の金型コア(7)には第2のベントパイプ(71)を第2のガスチャネル(43)に連通設置し、2つのコントローラー(5)は、それぞれ、第1のガスチャネル(42)および第2のガスチャネル(43)に連通して接続設置される。
もちろん、2つのコントローラー(5)によって金型キャビティ(M)内のガスの給気、排気作動を制御することによる作用効果は上記から導出できるため、説明を繰り返さない。
【0029】
引き続き図10を参照して本発明の第3の実施例を説明する。
この実施例は、図から明らかなように上記実施例の変形例であるから、同じ構造については説明を繰り返さず、主として相違のみ説明する。
この実施形態では、第1の凹部(G1)、第2の凹部(G2)、および第1のガスチャネル(42)および第2のガスチャネル(43)は、第2の金型ベース(4)に設置し、第1の金型コア(6)、第1の凹部(G1)に設置し、第2の金型コア(7)は第2の凹部(G2)に設置される。
ここで、第1の金型ベース(3)はさらに第3の凹部(G3)および第3のガスチャネル(36)を設置し、さらに第3の金型コア(8)は第3の凹部(G3)内に配置され、第3の金型コア(8)の内側は金型キャビティ(M)の一部を構成し、第3のベントパイプ(81)は第3の金型コア(8)の内部に設置される。
これは、少なくとも1つの第3の主パイプライン(811)および複数の第3の補助パイプライン(812)を含み、第3の主パイプライン(811)は第3のガスチャネル(36)に接続され、各第3の補助パイプライン(812)は間隔をあけて設置され、そして、各第3の補助パイプライン(812)の両端はそれぞれ第3の主パイプライン(811)および金型キャビティ(M)に連通される。
第3の金型コア(8)は多孔質材料でできており、第2の金型コア(7)の多孔質材料は複数の細孔で満たされる。本発明の図は、複数のドットで細孔を表す。
これはさらに、コントローラー(5)を備え、第3のガスチャネル(36)に接続して設置され、金型キャビティ(M)内のガスが第3のベントパイプ(81)を通り、第3のガスチャネル(36)から排出され、または、制御するガスは、第3のガスチャネル(36)から第3のベントパイプ(81)を通って金型キャビティ(M)に入り、第3の金型コア(8)領域範圍の圧力値を調整する。
本発明は、モールドコアおよびコントローラーの数に制約はなく、成品の形状および不均一な厚さの程度に応じて設定し、金型キャビティ(M)の最良の制御によって価値のある高収率の完成品を形成することができる。
【0030】
本発明の第1のベントパイプ(61)、第2のベントパイプ(71)も金型キャビティ(M)の圧力値を制御することに加えて、金型キャビティ(M)を形成する第1の金型ベース(3)および第2の金型ベース(4)を分離して完成品を取り出すことに利用できる。
2つのコントローラー(5)を用いて第1のガスチャネル(42)、第2のガスチャネル(43)から第1のベントパイプ(61)、第2のベントパイプ(71)を通してガスを噴出させて完成品を金型キャビティ(M)から分離させることにより、他の除去装置に替えて完成品を簡単に自動的に金型から外して取り出すことができる。
【0031】
本発明は、金型キャビティ(M)内の異なる領域の圧力値を設定することができ、2つのコントローラー(5)が異なる領域の圧力値を同じ、または異なる値に調整することが可能で、金型キャビティ(M)内の圧力値は、成形機の材料パイプ(T)内の圧力と同じになるように調整され、原材料(11)の特性に従って調整されるので、本発明は、従来技術とは異なり、高い収率の成品となる。
【0032】
以上の実施形態は、本発明の効果を説明する例示に過ぎず、当該技術分野の技術者にとって本発明を実施するうえでこれらに限定されるものではなく、さらに、上記の実施形態における数量例などは、例示に過ぎず、本発明を限定することを意図するものではない。 したがって、本発明の保護範囲は、以下の特許範囲の記載に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0033】
(1)金型
(11)原材料
(12)金型キャビティ
(121)肉厚の厚い所
(122)肉厚の薄い所
(13)硬化層
(14)ゲート
(H1)(H2)フロースペース
(2)金型
(3)第1の金型ベース
(32)第1の金型表面
(33)ランナー
(331)ゲート
(34)ガスケット溝
(35)ガスケット
(36)第3のガスチャネル
(4)第2の金型ベース
(41)第2の金型表面
(42)第1のガスチャネル
(43)第2のガスチャネル
(44)モデルキャビティ
(5)コントローラー
(51)感圧部品
(52)逆止弁
(6)第1の金型コア
(61)第1のベントパイプ
(611)第1の主パイプライン
(612)第1の補助パイプライン
(7)第2の金型コア
(71)第2のベントパイプ
(711)第2の主パイプライン
(712)第2の補助パイプライン
(8)第3の金型コア
(81)第3のベントパイプ
(811)第3の主パイプライン
(812)第3の補助パイプライン
(A1)矢印
(C1)冷却チャネル
(G1)第1の凹部
(G2)第2の凹部
(G3)第3の凹部
(M)金型キャビティ
(M1)厚いブロック
(M2)薄いブロック
(M3)第1のブロック
(M4)第2のブロック
(T)材料パイプ
(R)抵抗
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10