(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】新規ヘテロ環状抗エストロゲン剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/352 20060101AFI20220404BHJP
A61K 31/4025 20060101ALI20220404BHJP
A61K 31/453 20060101ALI20220404BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20220404BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20220404BHJP
A61K 31/541 20060101ALI20220404BHJP
A61P 5/32 20060101ALI20220404BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
A61K31/352
A61K31/4025
A61K31/453
A61K31/5377
A61K31/496
A61K31/541
A61P5/32
A61P35/00
(21)【出願番号】P 2021043019
(22)【出願日】2021-03-17
(62)【分割の表示】P 2018521529の分割
【原出願日】2016-10-26
【審査請求日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】4058/MUM/2015
(32)【優先日】2015-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】508265424
【氏名又は名称】スン プハルマ アドバンセド リサーチ カンパニー リミテド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ランジャン クマル パル
(72)【発明者】
【氏名】アミト プラビンブハイ セダニ
(72)【発明者】
【氏名】カウシックマル ドハンジブハイ プラジャパティ
(72)【発明者】
【氏名】ディジクサ ピナキン ラナ
(72)【発明者】
【氏名】サンディープ パンカジブハイ パサック
(72)【発明者】
【氏名】ジャパン ニチンクマル デサイ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイラジ ディリプブハイ アラドヒエ
(72)【発明者】
【氏名】ブハベシュ モハンブハイ パンチャル
(72)【発明者】
【氏名】インドラニール ゴーシュ
(72)【発明者】
【氏名】トリナドハ ラオ チチューリ
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-528057(JP,A)
【文献】特表2013-528223(JP,A)
【文献】特開平10-204028(JP,A)
【文献】特開2002-060384(JP,A)
【文献】特表2008-528496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、又はその塩もしくは立体異性体を含む医薬組成物:
【化1】
(式中、
R
1は、環A上の一又は二置換であり、かつ、-R
3、-OR
3、ハロゲン、-C
1-6ハロアルキル、-OC
1-6ハロアルキル、-CN、-N(R
3)
2、-NR
3SO
2R
3、-NR
3CHO、-NR
3COR
3、-OC(O)R
3、-OC(O)N(R
3)
2、-OP(O)(OH)
2、及び-OC(O)OR
3(式中、R
3は、各出現において、水素、C
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状アルキル、及びC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状ハロアルキルから選択される)を含む群から選択され;
R
2は、一又は二置換であり、かつ、-R
11、-OR
11、ハロゲン、-C
1-6ハロアルキル、-OC
1-6ハロアルキル、-CN、-N(R
11)
2、-NR
11SO
2R
11、-NR
11CHO、-NR
11COR
11、-OC(O)R
11、-OC(O)N(R
11)
2、-OP(O)(OH)
2、及び-OC(O)OR
11(式中、R
11は、各出現において、水素、C
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状アルキル、及びC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状ハロアルキルから選択される)を含む群から選択され;
R
4は、水素、-C
1-5アルキル、-C
3-4シクロアルキル、-OC
1-5アルキル、-C
1-5ハロアルキル、ハロゲンから選択され;
Lは、C
1-7直鎖又は分岐鎖アルキルから選択され;
R
7及びR
8は、存在しないか、又は独立して水素及びC
1-5アルキルから選択され;
R
9及びR
10は、独立して、水素、又は-O-、-NR
5-、-S-、-SO-、-S(O
2)-、-CR
5=CR
5-、-C≡C-、-NR
5CO-、-NR
5CO-、-NR
5CONR
5-、NR
5C(O)O-、及び-OC(O)O-(式中、R
5は、各出現において、水素又はC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルを含む群から選択される)から独立して選択される1以上の基で任意に中断されたC
1-20直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルもしくはC
1-20ハロアルキルから選択されるか;又は
R
9及びR
10は、それらが結合した窒素原子と一緒に、酸素、窒素、又は硫黄から選択される1~2個の追加のヘテロ原子を任意に含む4~7員環を形成し;かつ該環は、ハロゲン、-OR
6、-N(R
6)
2、及びR
6(式中、R
6は、各出現において、水素、又は-O-、-NR
5-、-S-、-SO-、-S(O)
2-、-CR
5=CR
5-、-C≡C-、-NR
5CO-、-CONR
5-、-NR
5CONR
5-、NR
5C(O)O-、及び-OC(O)O-から独立して選択される1以上の基で任意に中断されたC
1-20直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルを含む群から選択される)から選択される1以上の基で任意に置換され;
任意に、R
6は、さらに、ハロゲン、-OR
12、-N(R
12)
2、及び-COOR
12、-CON(R
12)
2、又は-CON(R
12)OH(式中、R
12は、各出現において、水素又はC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルから選択される)を含む群から選択される1以上の基で置換され;
【化2】
は、二重結合又は三重結合であり;
R
13は、-R
14、-OR
14、ハロゲン、-C
1-6ハロアルキル、-OC
1-6ハロアルキル、-CN、-N(R
14)
2、-NR
14SO
2R
14、-NR
14CHO、-NR
14COR
14、-OC(O)R
14、-OC(O)N(R
14)
2、-OP(O)(OH)
2、及び-OC(O)OR
14 (式中、R
14は、各出現において、水素、及びC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルから選択される)を含む群から選択され;かつ
Xは、NH、硫黄、及び酸素から選択される、
但し、R
13が水素であり、R
1及びR
2が、一置換かつヒドロキシル基であり、かつR
2が、該環Cの4位に存在する場合、R
1は、該環Aの8位ではない)。
【請求項2】
R
1が、OH、OR
3、及び-OC(O)R
3から選択され;
R
2が、ハロゲン、OR
11、及び-OC(O)R
11から選択され;
R
4が、C
1-5アルキルであり;
Lが、C
1-4アルキルから選択され;
R
9及びR
10が、独立して、水素、又は-O-、-NR
5-、-S-、及び-CR
5=CR
5-から選択される1以上の基で任意に中断されたC
1-20直鎖アルキル及びC
1-20ハロアルキルから選択されるか、又は
R
9及びR
10が、それらが結合した窒素原子と一緒に、1又は2個の追加の窒素原子を任意に含む4~7員環を形成し、かつ該環が、ハロゲン、-OR
6、-N(R
6)
2、及びR
6(式中、R
6は、各出現において、水素、及び-O-、-NR
5-、-S-、及び-CR
5=CR
5-から選択される1以上の基で任意に中断されたC
1-20直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルから選択される)から選択される1以上の基で任意に置換され;
任意に、R
6が、さらに、ハロゲン、-OR
12、及び-N(R
12)
2から選択される1以上の基で置換され;
【化3】
が、二重結合又は三重結合であり;かつ
R
7及びR
8が、水素であるか又は存在せず;
R
13が、水素、ハロゲン及び-C
1-6ハロアルキルから選択される基であり;かつ
Xが、酸素である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
R
9及びR
10が、一緒に、酸素、窒素、及び硫黄から選択される1個の追加のヘテロ原子を任意に含む4~7員環を形成し;かつ
該環が、さらに、R
6(式中、R
6は、-O-、-NR
5-、-S-、又は-CR
5=CR
5-から選択される1以上の基で任意に中断されたC
1-15直鎖又は分岐鎖アルキルである)で置換される、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
R
9が、水素又はC
1-3アルキルであり、かつR
10が、-O-、-NR
5-、-S-、及び-CR
5=CR
5-から選択される1以上の基で任意に中断されたC
1-15直鎖又は分岐鎖アルキルから選択される、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
XがOである、請求項1~4のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項6】
R
2が、環Cの3位に置換されており、かつR
1が、該環Aの7位に置換されている、請求項1~5のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項7】
【化4】
が、二重結合である、請求項1~6のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項8】
R
1が、一置換であり、かつ-OHであり;
R
2が、二重置換であり、かつ-OR
11、又はハロゲンから選択され;
R
4が、C
1-5アルキルであり;
Lが、-C
1-4直鎖アルキルであり;
R
7及びR
8は水素であり;
R
9及びR
10が、それらが結合した窒素原子と一緒に、4又は5員環を形成し、かつ該環が、R
6(式中、R
6は、C
1-5直鎖又は分岐鎖アルキルである) で置換され、
R
6が、さらに、ハロゲン、及び-OR
12(式中、R
12は水素である)から選択される1以上の基で置換され、
【化5】
が、二重結合であり;
R
13が、水素であり;かつ
Xが、酸素である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項9】
R
4が、メチルであり、かつR
2が、ハロゲンである、請求項8記載の医薬組成物。
【請求項10】
R
2が、フルオロである、請求項9記載の医薬組成物。
【請求項11】
癌の治療に用いる、請求項1~10のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記癌が乳癌である、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
エストロゲン受容体陽性乳癌における、内因性エストロゲンの作用を阻害するために用いる、請求項1~10のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項14】
エストロゲン受容体の調節に関連する疾患の治療に用いる、請求項1~10のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項15】
乳癌細胞の増殖を阻害するために用いる、請求項1~10のいずれか一項記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2015年10月27日に出願された印国特許出願第4058/MUM/2015号の利益を主張
し、該出願は、引用により本明細書中に組み込まれている。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、抗癌剤としての、特に、エストロゲン受容体(ER)アンタゴニスト/分解剤(de
grader)としての新規ヘテロ環状化合物、及びそれらの調製のためのプロセスを提供する
。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
内因性エストロゲンである17β-エストラジオール(E2)は、生殖器系、骨代謝、及び心
血管系、並びに中枢神経系において多様な生物活性を示す。エストロゲンと乳がんの増殖
及び発生との関連が、よく確立されている。
【0004】
エストロゲン受容体(ER)陽性乳がんにおける内因性エストロゲンの作用を阻害するいく
つかの方針が実施されている。これらには、乳房においてERの選択的組織特異的アンタゴ
ニストとして作用する選択的ERモジュレーター(SERM)、例えば、タモキシフェン;ERター
ンオーバーを促進する選択的ER分解剤(SERD)、例えば、フルベストラント;及びエストロ
ゲン生合成を阻害し、主にER陽性乳がんの閉経後女性に使用されるアロマターゼ阻害剤(A
I)、例えば、エキセメスタン(ステロイド性)、アナストロゾール及びレトロゾール(非ス
テロイド性)が含まれる。残念なことに、多くの乳がんの女性は、タモキシフェン又はAI
療法に初めはよく反応するが、治療の間のある期間にわたって抵抗性を生じる。乳がんの
抵抗性形態においては、エストロゲン受容体の下流の増殖促進シグナル伝達経路(pro-gro
wth signaling pathway)が、なお重要な役割を果たしているという証拠が存在する。近ご
ろ、AIによる治療の後に、リガンドの非存在下であってもER-αを構成的に活性なものと
し抵抗性をもたらす、ER-αのリガンド結合性ドメインにおける変異が原因の抵抗性が生
じるという臨床的証拠が増加している。
【0005】
現在のところ、フルベストラントが、ファースト・イン・クラスのSERDと考えられてい
る。残念ながら、フルベストラントの重大な医薬としての不利益(大量の筋肉内注射を必
要とすること)が、それが普及して用いられるのを制限している。従って、経口的に生体
利用可能なERアンタゴニスト、特に、ER分解性を有するものの開発は、ER活性を標的とし
た現在利用可能な療法に抵抗性を発生した患者にとって有益であろう。多くの非ステロイ
ド性ERアンタゴニストが、従来技術において報告されている。例えば米国特許第5395842
号は、抗エストロゲン性化合物及び組成物を開示している。WIPO出願WO2014203132A1、WO
2011156518A1、WO2013090829A1、米国特許US5389646、US5407947、及び欧州特許EP470310
は、エストロゲン受容体を介して調節される状態の治療又は予防に有用なベンゾピラン化
合物を開示している。
【発明の概要】
【0006】
(発明の概要)
本発明は、式Iの化合物、又はその塩もしくは立体異性体を提供する:
【化1】
(式中、
R
1は、環A上の一又は二置換であり、かつ、-R
3、-OR
3、ハロゲン、-C
1-6ハロアルキル
、-OC
1-6ハロアルキル、-CN、-N(R
3)
2、-NR
3SO
2R
3、-NR
3CHO、-NR
3COR
3、-OC(O)R
3、-OC(
O)N(R
3)
2、-OP(O)(OH)
2、及び-OC(O)OR
3(式中、R
3は、各出現において、水素、及びC
1-6
直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルから選択される)を含む群から選択され;
R
2は、一又は二置換であり、かつ、-R
11、-OR
11、ハロゲン、-C
1-6ハロアルキル、-OC
1
-6ハロアルキル、-CN、-N(R
11)
2、-NR
11SO
2R
11、-NR
11CHO、-NR
11COR
11、-OC(O)R
11、-OC
(O)N(R
11)
2、-OP(O)(OH)
2、及び-OC(O)OR
11(式中、R
11は、各出現において、水素、及びC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルから選択される)を含む群から選択され;
R
4は、水素、-C
1-5アルキル、-C
3-4シクロアルキル、-OC
1-5アルキル、-C
1-5ハロアル
キル、ハロゲンから選択され;
Lは、C
1-7直鎖又は分岐鎖アルキルから選択され;
R
7及びR
8は、存在しないか、又は独立して水素及びC
1-5アルキルから選択され;
R
9及びR
10は、独立して、水素、又は-O-、-NR
5-、-S-、-SO-、-S(O
2)-、-CR
5=CR
5-、-C
≡C-、-NR
5CO-、-NR
5CO-、-NR
5CONR
5-、NR
5C(O)O-、及び-OC(O)O-(式中、R
5は、各出現に
おいて、水素又はC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルを含む群から選択される)から独
立して選択される1以上の基で任意に中断されたC
1-20直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルも
しくはC
1-20ハロアルキルから選択されるか;又は
R
9及びR
10は、それらが結合した窒素原子と一緒に、酸素、窒素、又は硫黄から選択さ
れる1~2個の追加のヘテロ原子を任意に含む4~7員環を形成し;かつ該環は、ハロゲン、-
OR
6、-N(R
6)
2、及びR
6(式中、R
6は、各出現において、水素、-O-、-NR
5-、-S-、-SO-、-S
(O)
2-、-CR
5=CR
5-、-C≡C-、-NR
5CO-、-CONR
5-、-NR
5CONR
5-、NR
5C(O)O-、及び-OC(O)O-
から独立して選択される1以上の基で任意に中断されたC
1-20直鎖、分岐鎖、又は環状アル
キルを含む群から選択される)から選択される1以上の基で任意に置換され;
任意に、R
6は、さらに、ハロゲン、-OR
12、-N(R
12)
2、及び-COOR
12、-CON(R
12)
2、又は
-CON(R
12)OH(式中、R
12は、各出現において、水素又はC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状アル
キルから選択される)を含む群から選択される1以上の基で置換され;
【化2】
は、二重結合又は三重結合であり;
R
13は、-R
14、-OR
14、ハロゲン、-C
1-6ハロアルキル、-OC
1-6ハロアルキル、-CN、-N(R
14)
2、-NR
14SO
2R
14、-NR
14CHO、-NR
14COR
14、-OC(O)R
14、-OC(O)N(R
14)
2、-OP(O)(OH)
2、
及び-OC(O)OR
14(式中、R
14は、各出現において、水素、及びC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状
アルキルから選択される)を含む群から選択され;かつ
Xは、NH、硫黄、及び酸素から選択され;
但し、R
13が水素であり、R
1及びR
2が、一置換かつヒドロキシル基であり、かつR
2が、
該環Cの4位に存在する場合、R
1は、該環Aの8位ではない)。
【0007】
本発明の化合物は、エストロゲン受容体のアンタゴニスト/分解剤であり、ERの変調に
関連している疾患の治療に使用し得る。
【0008】
(用語集)
本明細書で使用される用語「ハロゲン」は、クロロ、フルオロ、ブロモ、及びヨードを
含む。用語「ハロアルキル」は、1以上のハロゲン基で置換されたアルキル基を指す。
【0009】
用語「アルキル」は、別途定義されない限り、直鎖又は分岐鎖いずれかの、1個以上20
個以下の炭素原子を有する、骨格に炭素及び水素原子を含む飽和炭化水素鎖を指す。鎖の
長さは、変化することがあり、例えば、1~20個の炭素原子を有するアルキル鎖を意味す
るC1-20などの表現によって規定される。用語アルキルには、直鎖及び分岐鎖アルキルが
含まれる。アルキル鎖の例は、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロ
ピル)、n-ブチル、n-ペンチル、及び1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)である。反するよう
に述べられるか記載されている場合を除き、本明細書において記載されるか特許請求され
る全てのアルキル基は、置換されていても非置換であってもよい。「C1-6」のような用語
中に下付き文字として記載されている数又は範囲は、該基中の炭素原子の数を指す。従っ
て、該言及した基は、1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有し得る。
【0010】
用語「シクロアルキル」又は「環状アルキル」は、非芳香族単環式環を意味する。該環
の大きさは、例えば、該環が、3又は4個の炭素原子を有し得ることを意味する、C3-4など
の表現によって記載される。環の大きさが規定されていない場合は常に、シクロアルキル
又は環状アルキル環は、3~8個の炭素原子を含み得る。シクロアルキル環の例としては、
シルコプロピル(cylcopropyl)、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが
挙げられるが、これらに限定されない。反するように述べられるか記載されている場合を
除き、本明細書において記載されるか特許請求される全てのシクロアルキル基は、置換さ
れていても非置換であってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(発明の説明)
一態様において、本発明は、式Iの化合物、又はその塩もしくは立体異性体を提供する:
【化3】
(式中、
R
1は、環A上の一又は二置換であり、かつ、-R
3、-OR
3、ハロゲン、-C
1-6ハロアルキル
、-OC
1-6ハロアルキル、-CN、-N(R
3)
2、-NR
3SO
2R
3、-NR
3CHO、-NR
3COR
3、-OC(O)R
3、-OC(
O)N(R
3)
2、-OP(O)(OH)
2、及び-OC(O)OR
3(式中、R
3は、各出現において、水素、及びC
1-6
直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルから選択される)を含む群から選択され;
R
2は、一又は二置換であり、かつ、-R
11、-OR
11、ハロゲン、-C
1-6ハロアルキル、-OC
1
-6ハロアルキル、-CN、-N(R
11)
2、-NR
11SO
2R
11、-NR
11CHO、-NR
11COR
11、-OC(O)R
11、-OC
(O)N(R
11)
2、-OP(O)(OH)
2、及び-OC(O)OR
11(式中、R
11は、各出現において、水素、及びC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルから選択される)を含む群から選択され;
R
4は、水素、-C
1-5アルキル、-C
3-4シクロアルキル、-OC
1-5アルキル、-C
1-5ハロアル
キル、ハロゲンから選択され;
Lは、C
1-7直鎖又は分岐鎖アルキルから選択され;
R
7及びR
8は、存在しないか、又は独立して、水素及びC
1-5アルキルから選択され;
R
9及びR
10は、独立して、水素、又は-O-、-NR
5-、-S-、-SO-、-S(O
2)-、-CR
5=CR
5-、-C
≡C-、-NR
5CO-、-NR
5CO-、-NR
5CONR
5-、NR
5C(O)O-、及び-OC(O)O-(式中、R
5は、各出現に
おいて、水素又はC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルを含む群から選択される)から独
立して選択される1以上の基で任意に中断されたC
1-20直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルも
しくはC
1-20ハロアルキルから選択されるか;又は
R
9及びR
10は、それらが結合した窒素原子と一緒に、酸素、窒素、又は硫黄から選択さ
れる1~2個の追加のヘテロ原子を任意に含む4~7員環を形成し;かつ該環は、ハロゲン、-
OR
6、-N(R
6)
2、及びR
6(式中、R
6は、各出現において、水素、-O-、-NR
5-、-S-、-SO-、-S
(O)
2-、-CR
5=CR
5-、-C≡C-、-NR
5CO-、-CONR
5-、-NR
5CONR
5-、NR
5C(O)O-、及び-OC(O)O-
から独立して選択される1以上の基で任意に中断されたC
1-20直鎖、分岐鎖、又は環状アル
キルを含む群から選択される)から選択される1以上の基で任意に置換され;
任意に、R
6は、さらに、ハロゲン、-OR
12、-N(R
12)
2、及び-COOR
12、-CON(R
12)
2、又は
-CON(R
12)OH;(式中、R
12は、各出現において、水素又はC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状アル
キルから選択される)を含む群から選択される1以上の基で置換され;
【化4】
は、二重結合又は三重結合であり;
R
13は、-R
14、-OR
14、ハロゲン、-C
1-6ハロアルキル、-OC
1-6ハロアルキル、-CN、-N(R
14)
2、-NR
14SO
2R
14、-NR
14CHO、-NR
14COR
14、-OC(O)R
14、-OC(O)N(R
14)
2、-OP(O)(OH)
2、
及び-OC(O)OR
14(式中、R
14は、各出現において、水素、及びC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状
アルキルから選択される)を含む群から選択され;かつ
Xは、NH、硫黄、及び酸素から選択され;
但し、R
13が水素であり、R
1及びR
2が、一置換かつヒドロキシル基であり、かつR
2が、
該環Cの4位に存在する場合、R
1は、該環Aの8位ではない)。
【0012】
R1は、環A上の一又は二置換とすることができる。R1が、二置換である場合、該2つの基
は、互いに独立して選択され、かつ同じであっても異なっていてもよい。一実施態様にお
いて、本発明は、R1が、-OR3、-OC(O)R3、-OC(O)N(R3)2、及び-OC(O)OR3から選択される
、式Iの化合物を提供する。別の実施態様において、R1は、OH、OR3、又は-OC(O)R3から選
択される。別の実施態様において、R1は、-N(R3)2、-NR3SO2R3、-NR3CHO及び-NR3COR3か
ら選択される。
【0013】
R2は、環C上に一又は二置換とすることができる。R2が、二置換である場合、該2つの基
は、互いに独立して選択され、同じであっても異なっていてもよい。別の実施態様におい
て、本発明は、R2が、-OR11、-OC(O)R11、-OC(O)N(R11)2、及び-OC(O)OR11から選択され
る、式Iの化合物を提供する。別の実施態様において、R2は、OR11及び-OC(O)R11から選択
される。
【0014】
別の実施態様において、本発明は、R2が、-N(R11)2、-NR11SO2R11、-NR11CHO、及び-NR
11COR11から選択される、式Iの化合物を提供する。
【0015】
別の実施態様において、本発明は、R11が、-C1-5アルキル又は-C1-5ハロアルキルから
選択される、式Iの化合物を提供する。
【0016】
別の実施態様において、本発明は、R1及びR2が、ヒドロキシル基である、式Iの化合物
を提供する。
【0017】
本発明は、R13が水素であり、R1及びR2が、一置換かつヒドロキシル基であり、かつR2
が、環Cの4位に存在する場合に、R1が、前記環Aの8位ではない、前記化合物を排除するこ
とを意図する。
【0018】
別の実施態様において、本発明は、Lが、C1-4直鎖又は分岐鎖アルキルから選択される
、式Iの化合物を提供する。
【0019】
別の実施態様において、本発明は、R4が、-C1-5アルキルである、式Iの化合物を提供す
る。別の実施態様において、R4は、メチルである。
【0020】
別の実施態様において、本発明は、
【化5】
が、二重結合である、式Iの化合物を提供する。
【0021】
別の実施態様において、本発明は、R7及びR8が、水素である、式Iの化合物を提供する
。
【0022】
一実施態様において、本発明は、R9及びR10が、独立して、水素、又は-O-、-NR5-、-S-
、-SO-、-S(O2)-、-CR5=CR5-、-C≡C-、-NR5CO-、-NR5CO-、-NR5CONR5-、NR5C(O)O-、及
び-OC(O)O-(式中、R5は、各出現において、水素又はC1-6直鎖、分岐鎖、又は環状アルキ
ルを含む群から選択される)から独立して選択される1以上の基で任意に中断されたC1-20
直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルもしくはC1-20ハロアルキルを含む群から選択される、
式Iの化合物を提供する。句「C1-20直鎖、分岐鎖、又は環状アルキル」は、基を含み、こ
こで、かつ直鎖又は分岐鎖アルキル基は、シクロアルキル環で置換され、アルキル鎖及び
シクロアルキル環内の炭素原子の総数は、20個以下である。例えば、該句は、これらに限
定されないが、C1-10アルキル-C3-6シクロアルキルのような基を指す。R9及びR10を、同
じ基で1回以上中断することができる。
【0023】
置換R
9及びR
10は、それらが結合した窒素と一緒になって、酸素、窒素、又は硫黄から
選択される1~2個の追加のヘテロ原子を任意に含む4~7員環を形成してもよい。そのよう
な環の例としては、これらに限定されないが、
【化6】
が挙げられる。
【0024】
別の実施態様において、R9及びR10は、それらが結合した窒素原子と一緒に、酸素、窒
素、及び硫黄から選択される1個の追加のヘテロ原子を任意に含む5~6員環を形成する。R
9及びR10が、それらが結合した窒素原子と一緒に環を形成する場合、該環は、R6(式中、R
6は、-O-、-NR5-、-S-、又は-CR5=CR5-から独立して選択される1以上の基で任意に中断さ
れたC1-15直鎖又は分岐鎖アルキルである)でさらに置換されていてもよい。別の実施態様
において、R6は、ハロゲン、-OR5、-N(R5)2、及び-COOR5、-CON(R5)2、又は-CON(R5)OHを
含む群から選択される1以上の基でさらに置換することができる。
【0025】
別の実施態様において、R9は、水素又はC1-3アルキルであり、かつR10は、-O-、-NR5-
、-S-、及び-CR5=CR5-から選択される1以上の基で任意に中断されたC1-15直鎖又は分岐鎖
アルキルから選択される。
【0026】
別の実施態様において、本発明は、R13が、-R14、-OR14、ハロゲン、-C1-6ハロアルキ
ル、-OC1-6ハロアルキル、-CN、-N(R14)2、-NR14SO2R14、-NR14CHO、-NR14COR14、-OC(O)
R14、-OC(O)N(R14)2、-OP(O)(OH)2、及び-OC(O)OR14(式中、R14は、各出現において、水
素、及びC1-6直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルから選択される)を含む群から選択される
、式Iの化合物を提供する。 別の実施態様において、該R13は、水素、ハロゲン、-C1-6
ハロアルキル、及び-C1-6アルキルから選択される基である。
【0027】
別の実施態様において、本発明は、XがNHである、式Iの化合物を提供する。
【0028】
別の実施態様において、本発明は、式Iaの化合物を提供する:
【化7】
(式中、R
1、R
2、R
4、R
9、R
10、R
13、及びLは、上で定義された基である)。
【0029】
別の実施態様において、本発明は、式Ibの化合物を提供する:
【化8】
(式中、R
1、R
2、R
4、R
9、R
10、R
13、及びLは、上で定義された基である)。
【0030】
別の実施態様において、本発明は、式Icの化合物を提供する:
【化9】
(式中、R
1、R
2、R
4、R
9、R
10、R
13、及びLは、上で定義された基である)。
【0031】
好ましい実施態様において、本発明は、式Idの化合物を提供する:
【化10】
(式中、R
4、R
7、R
8、R
9、R
10、R
13、X、及びLは、上で定義された基である)。
【0032】
別の好ましい実施態様において、本発明は、式Ieの化合物を提供する:
【化11】
(式中、R
4、R
7、R
8、R
9、R
10、R
13、X、及びLは、上で定義された基である)。
【0033】
別の好ましい実施態様において、本発明は、環D上の前記置換が、4位である、式I、Ia
、Ib、Ic、Id、及びIeの化合物を提供する。
【0034】
別の実施態様において、前記式Ia又はIbの化合物は、以下のスキーム1:
【化12】
に図示される経路によって調製することができる。
【0035】
化合物(1)は、当該技術分野、例えば、米国特許出願公報第20140107095A1号において報
告されたプロセス、及びそれらの明白な変更形態によって調製することができる。置換基
R1及びR2が、該反応スキームの一般経路と干渉し得るものから選択される場合に、該基を
、教科書「Greeneの有機化学における保護基(Greene’s Protective Groups in Organic
Chemistry)」Peter G. M. Wuts及びTheodora W Greene著、第4版、Wiley Interscience刊
において提供されるもののような適当な保護基で保護し得ることは、十分に当業者の一般
的な認識範囲内である。
【0036】
化合物(3)は、Pd(PPh3)2Cl2及びCuIのような適当な触媒の存在下、薗頭反応によって、
化合物(1)(式中、Yは、ハライドである)を、アルコール(2)と反応させることによって調
製することができる。化合物(3)のアルコール基を、適当な脱離基(LG)、例えば、-OMs、-
Cl、-Br、-I、-OTs、-OTfに変換して、化合物(4)を製造することができる。LG-が、-OMs
であるいくつかの実施態様において、化合物(4)を、適当なアミンと反応させることによ
り式(5)の化合物に変換し得る。化合物(5)の脱保護により、化合物Iaが得られるであろう
。還元剤、例えば、リンドラー触媒を用いた式(5)の化合物の還元、及びそれに続く脱保
護によって、式(Ib)の化合物を提供することができる。
【0037】
いくつかの実施態様において、式Icの化合物は、以下のスキーム2:
【化13】
に記載されるように調製することができる。
【0038】
化合物(3)を、適当な溶媒中で、還元剤、例えば、リチウムアルミニウムヒドリド(LAH)
を用いて、化合物(6)へと還元することができる。化合物(6)のアルコール基を、-OMs、-C
l、-Br、-I、-OTs、-OTfのような適当な脱離基へとさらに変換すると、化合物(7)が得ら
れる。LG-が、-OMsであるいくつかの実施態様において、化合物(7)を、適当なアミンと反
応させ、それに続き脱保護することにより式(Ic)の化合物に変換することができる。
【0039】
あるいは、式Ibの化合物を以下のスキーム3:
【化14】
に概略が示されるように調製することもできる。
【0040】
化合物(1)(式中、Yは、ハライド)を、Pd(PPh3)2Cl2及びCuI(薗頭反応)のような適当な
触媒の存在下、アルキン(8)と反応させて、化合物(9)を得てもよい。その後、それを、リ
ンドラー触媒を用いて化合物(10)へと還元する。化合物(10)を、アミン(11)に変換しても
よく、それをその後、脱保護工程を含んでいてもよい適当な反応条件下、式Ibの化合物へ
と変換してもよい。
【0041】
置換基R1及びR2は、化学変換に進む前に、必要とされる場合には適当な保護基で適切に
保護される。
【0042】
あるいは、本明細書に記載される化合物を、スキーム4:
【化15】
(式中、Mは、水素、-Sn(アルキル)
3、-Cl、-Br、-I、又は-OTfである)
に示されるようなHeck反応、Stille又は鈴木カップリングによって調製することもできる
。
【0043】
表1は、少数の例示的な式Iの化合物を提供する。
表1
【表1】
*異性体A;#異性体B
【0044】
以下の実施例を参照して、本発明を、さらに詳細に説明する。該実施例が、あらゆる点
で例示的なものであるとみなされ、かつ、特許請求される発明の範囲を限定することを意
図しないことが望まれる。
【実施例】
【0045】
(実施例)
(全般的な調製方法)
本明細書に記載される化合物は、式Iの化合物を含めて、スキーム1、2、3、及び4に図
示された反応スキームによって調製することができる。更に、具体的な酸、塩基、試薬、
カップリング剤、溶媒などに言及する以下の実施例において、別の適当な酸、塩基、試薬
、カップリング剤などを用いてもよく、かつそれらが本発明の範囲内に含まれることが理
解される。反応条件の変更、例えば、反応の温度、時間、又はそれらの組合せの変更は、
本発明の一部として想定される。一般反応スキームを用いて得られる化合物は、不十分な
純度のものであることがある。これらの化合物は、当技術分野において公知の有機化合物
の精製のための方法のうちのいずれか、例えば、種々の溶媒を適当な比率で用いる結晶化
又はシリカゲルもしくはアルミナカラムクロマトグラフィーによって精製することができ
る。2-(4-ヨードフェニル)-4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テト
ラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメンは、米国特許出願公報第201401070
95A1号において記載されたプロセスに類似の方法で調製される。
【0046】
(方法A)
(3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-[4-(3-ピペリジン-1-イル-プロパ-1-イニル)フ
ェニル]-2H-クロメン-6-オール(化合物No.25)の調製)
【化16】
(工程I: 3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピ
ラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)プロパ-2-イン-1-オール)
【化17】
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.061g、0.081mmol)を、テ
トラヒドロフラン:トリエチルアミン(1:1、35mL)の混合物中の2-(4-ヨードフェニル)-4-
メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ
)フェニル]-2H-クロメン(1.1g、1.76mmol)(US20140107095A1において提供されるプロセス
のとおりに調製)、プロパルギルアルコール(0.30g、5.28mmol)、及びヨウ化銅(I)(0.027g
、0.142mmol)の撹拌溶液に加えた。周囲温度で1時間撹拌を継続した。その後、それを減
圧下濃縮し、粗残渣を得て、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、トルエン:酢酸エチ
ル85:15)によって精製したところ、3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキ
シ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)
プロパ-2-イン-1-オールが得られた。
【0047】
(工程II: 1-[3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒド
ロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)プロパ-2-イニル]ピペ
リジン
【化18】
ジクロロメタン(3mL)中のメタンスルホニルクロリド(0.18mL、2.40mmol)の溶液を、0~
5℃でジクロロメタン(8mL)中の3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3
-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)プロ
パ-2-イン-1-オール(1.1g、2.00mmol)及びトリエチルアミン(0.42mL、3.00mmol)の溶液に
加えた。反応混合物を0~5℃で30分撹拌した。水を、該反応混合物に加え、有機層を分離
した。水層を、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、減圧下濃縮して、メタンスルホン酸-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イ
ルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フ
ェニル)プロパ-2-イニルエステルを得た。
【0048】
アセトニトリル(3mL)中のメタンスルホン酸-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2
-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}
フェニル)プロパ-2-イニルエステルの溶液を、周囲温度でアセトニトリル(8mL)中のピペ
リジン(0.49mL、5.00mmol)及び炭酸カリウム(0.714g、5.2mmol)のスラリーに加え、40分
撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、減圧下濃縮して、粗生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル、ジクロロメタン:メタノール97:3)によって精製して、1-[3-(4-{4-メチル-6-(テトラ
ヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-ク
ロメン-2-イル}フェニル)プロパ-2-イニル]ピペリジンを得た。
【0049】
(工程III: 3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-[4-(3-ピペリジン-1-イルプロパ-1-イ
ニル)フェニル]-2H-クロメン-6-オール)
【化19】
硫酸(0.05mL)及びメタノール(5mL)の混合物中の1-[3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピ
ラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2
-イル}フェニル)プロパ-2-イニル]ピペリジン(0.1g、0.16mmol)の溶液を、周囲温度で10
分間撹拌した。反応混合物を、重炭酸ナトリウムの飽和溶液でアルカリ性とし、酢酸エチ
ルで抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して、粗生
成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:ジクロロメタン
12:88)によって精製して、3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-[4-(3-ピペリジン-1-
イルプロパ-1-イニル)フェニル]-2H-クロメン-6-オールを得た。
【0050】
(方法B)
(3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-[4-((Z)-3-ピペリジン-1-イルプロペニル)フェ
ニル]-2H-クロメン-6-オール(化合物No.11)の調製)
【化20】
(工程I: 1-[(Z)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒ
ドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)アリル]ピペリジン)
【化21】
リンドラー触媒(0.24g)を、エタノール(30ml)中の1-[3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロ
ピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン
-2-イル}フェニル)プロパ-2-イニル]ピペリジン(0.80g、1.29mmol)(方法A工程I、IIのと
おりに同様に調製したもの)及びキノリン(0.1g、12.5%w/w)の溶液に加えた。反応混合物
を、水素雰囲気(70psi(482.6kPa))下、周囲温度で5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、
エタノール(15mL)で洗浄した。濾液を減圧下濃縮して、粗生成物を得て、それをカラムク
ロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール97:3)によって精製したとこ
ろ、1-[(Z)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロ
ピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)アリル]ピペリジンが得
られた。
【0051】
(工程II: 3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-[4-((Z)-3-ピペリジン-1-イルプロペニ
ル)フェニル]-2H-クロメン-6-オール)
【化22】
酢酸(5.6mL)及び水(1.4mL)の混合物中の1-[(Z)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラ
ン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-
イル}フェニル)アリル]ピペリジン(0.28g、0.45mmol)の溶液を、75℃で20分間加熱した。
反応混合物を減圧下濃縮し、重炭酸ナトリウムの飽和溶液でアルカリ性とし、酢酸エチル
で抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して、残渣を
得て、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:ジクロロメタン1:9)に
よって精製して、3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-[4-((Z)-3-ピペリジン-1-イル
プロペニル)フェニル]-2H-クロメン-6-オールを得た。
【0052】
(方法C)
(3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-[4-((E)-3-ピペリジン-1-イルプロペニル)フェ
ニル]-2H-クロメン-6-オール(化合物No.12)の調製)
【化23】
(工程I: (E)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒド
ロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)プロパ-2-エン-1-オー
ル)
【化24】
リチウムアルミニウムヒドリド(0.35g、10.30mmol)を、テトラヒドロフラン(33mL)中の
3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イ
ルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)プロパ-2-イン-1-オール(1.15g、2.0
8mmol)(方法A工程Iと同様に調製したもの)の撹拌溶液に0~5℃で加え、周囲温度で30分間
撹拌を継続した。反応混合物を、0~5℃に再び冷却し、酢酸エチル及び重炭酸ナトリウム
水溶液で処理し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、減圧下濃縮して、粗生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、
酢酸エチル:トルエン17:83)によって精製したところ、(E)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒ
ドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロ
メン-2-イル}フェニル)プロパ-2-エン-1-オールが得られた。
【0053】
(工程II: 1-[(E)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラ
ヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)アリル]ピペリジ
ン)
【化25】
ジクロロメタン(1mL)中のメタンスルホニルクロリド(0.098mL、1.26mmol)の溶液を、ジ
クロロメタン(17mL)中の(E)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[
3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)プロパ
-2-エン-1-オール(0.58g、1.05mmol)及びトリエチルアミン(0.25mL、1.80mmol)の撹拌溶
液に0~5℃で滴加した。反応混合物を、0~5℃で20分間さらに撹拌した。水を該反応混合
物に加え、有機層を分離した。水層を、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して、メタンスルホン酸(E)-3-(4-{4-メチル-6
-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニ
ル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)アリルエステルを得た。
【0054】
アセトニトリル(6mL)中のメタンスルホン酸(E)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラ
ン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-
イル}フェニル)アリルエステルの溶液を、アセトニトリル(12mL)中の炭酸カリウム(0.432
g、3.10mmol)及びピペリジン(0.27mL、2.60mmol)の溶液に0~5℃で加えた。反応混合物を
、室温で1.5時間撹拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層
を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して、残渣を得て、それをカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル、メタノール:ジクロロメタン6:94)によって精製したところ、1-[
(E)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-
2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)アリル]ピペリジンが得られた。
【0055】
(工程III: 3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-[4-((E)-3-ピペリジン-1-イル-プロペ
ニル)フェニル]-2H-クロメン-6-オール)
【化26】
硫酸(0.05mL)及びメタノール(5mL)の混合物中の1-[(E)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒド
ロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメ
ン-2-イル}フェニル)アリル]ピペリジン(0.43g、0.70mmol)の溶液を、周囲温度で10分間
撹拌した。反応混合物を、重炭酸ナトリウムの飽和溶液でアルカリ性とし、酢酸エチルで
抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して、残渣を得
て、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:ジクロロメタン14:86)に
よって精製して、3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-[4-((E)-3-ピペリジン-1-イル
プロペニル)フェニル]-2H-クロメン-6-オールを得た。
【0056】
(方法D)
(3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-(4-{(Z)-3-[9-(4,4,5,5,5-ペンタフルオロペン
チルスルファニル)ノニルアミノ]プロペニル}フェニル)-2H-クロメン-6-オール(化合物No
.7)の調製)
【化27】
(工程I: 2-[3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロ
ピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)プロパ-2-イニル]イソイ
ンドール-1,3-ジオン)
【化28】
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.045g,0.064mmol)を、トリ
エチルアミン:テトラヒドロフラン(26mL、1:1)の混合物中の2-(4-ヨードフェニル)-4-メ
チル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)
フェニル]-2H-クロメン(0.8g、1.28mmol)(US20140107095A1において与えられるように調
製したもの)、2-プロパ-2-イニルイソインドール-1,3-ジオン(0.46g、2.50mmol)、及びヨ
ウ化銅(I)(0.02g、0.103mmol)の撹拌溶液に周囲温度で加えた。1時間撹拌後、2-プロパ-2
-イニル-イソインドール-1,3-ジオン(2×0.35g)を、該反応混合物に加え、さらに1時間撹
拌を継続した。減圧下溶媒を除去したところ、粘稠な残渣が得られ、それをカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル、トルエン:酢酸エチル19:1)によって精製して、2-[3-(4-{4-メ
チル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)
フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)プロパ-2-イニル]イソインドール-1,3-ジオン
を得た。
【0057】
(工程II: 2-[(Z)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラ
ヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)アリル]イソイン
ドール-1,3-ジオン)
【化29】
リンドラー触媒(0.45g)を、酢酸エチル:エタノール(1:1、34mL)の混合物中の2-[3-(4-{
4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキ
シ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}-フェニル)プロパ-2-イニル]イソインドール-1,3-ジ
オン(0.87g、1.28mmol)及びキノリン(0.087g、10%w/w)の撹拌溶液に加えた。反応混合物
を、水素雰囲気(70psi(482.6kPa))下、周囲温度で24時間撹拌した。その後、それをセラ
イトベッドを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。合わせた濾液を減圧下濃縮して、残
渣を得て、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、トルエン:酢酸エチル24:1)に
よって精製して、2-[(Z)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(
テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)アリル]イ
ソインドール-1,3-ジオンを得た。
【0058】
(工程III: (Z)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒ
ドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)アリルアミン)
【化30】
メタノール(1mL)中のヒドラジン水和物(0.015g、0.31mmol)の溶液を、テトラヒドロフ
ラン(10mL)中の2-[(Z)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テ
トラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)アリル]イソ
インドール-1,3-ジオン(0.084g、0.123mmol)の撹拌溶液に加えた。反応混合物を、65~70
℃で1.5時間加熱した。溶媒を減圧下取り除いて粗生成物を得て、それをジエチルエーテ
ル中に懸濁させ、10分間撹拌した。その後、それを濾過し、ジエチルエーテル(25mL)で洗
浄した。合わせた濾液を減圧下濃縮して、(Z)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2
-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}
-フェニル)アリルアミンを得た。
【0059】
(工程IV: [(Z)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒ
ドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)アリル]-[9-(4,4,5,
5,5-ペンタフルオロペンチルスルファニル)ノニル]アミン
【化31】
1-ブロモ-9-(4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチルスルファニル)ノナン(0.036g、0.09mm
ol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(0.5mL)中の(Z)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラ
ン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-
イル}フェニル)アリルアミン(0.05g、0.09mmol)及び炭酸カリウム(0.033g、0.243mmol)の
撹拌溶液に加えた。反応混合物を、85~90℃で1.5時間加熱した。溶媒を減圧下取り除い
て、残渣を得て、それを酢酸エチル中に懸濁させ、30分間撹拌した。その後、それを濾過
し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を減圧下濃縮して粗生成物を得て、それをカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル、メタノール:ジクロロメタン24:1)によって精製して、[(Z)-3-
(4-{4-メチル-6-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イル
オキシ)フェニル]-2H-クロメン-2-イル}フェニル)アリル]-[9-(4,4,5,5,5-ペンタフルオ
ロペンチルスルファニル)ノニル]アミンを得た。
【0060】
(工程V: 3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-(4-{(Z)-3-[9-(4,4,5,5,5-ペンタフルオ
ロペンチルスルファニル)ノニルアミノ]プロペニル}フェニル)-2H-クロメン-6-オール)
【化32】
硫酸(0.035mL)及びメタノール(5mL)の混合物中の[(Z)-3-(4-{4-メチル-6-(テトラヒド
ロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメ
ン-2-イル}フェニル)アリル]-[9-(4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチルスルファニル)ノニ
ル]アミン(0.2g、0.23mmol)の溶液を、室温で10分間撹拌した。反応混合物を、重炭酸ナ
トリウムの飽和溶液でアルカリ性とし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して、残渣を得て、それをカラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル、メタノール:ジクロロメタン8:92)によって精製して、3-(3-ヒドロキシフ
ェニル)-4-メチル-2-(4-{(Z)-3-[9-(4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチルスルファニル)ノ
ニルアミノ]プロペニル}フェニル)-2H-クロメン-6-オールを得た。
【0061】
(方法E)
(2,2-ジメチルプロピオン酸3-[3-(2,2-ジメチルプロピオニルオキシ)フェニル]-4
-メチル-2-{4-[(Z)-3-((R)-3-メチルピロリジン-1-イル)プロペニル]フェニル}-2H-クロ
メン-6-イルエステル(化合物No.19)の調製)
【化33】
ピボロイルクロリド(pivoloyl chloride)(0.054mL、0.44mmol)を、ジクロロメタン(6mL
)中の3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-{4-[(Z)-3-((R)-3-メチルピロリジン-1-イ
ル)プロペニル]フェニル}-2H-クロメン-6-オール(0.09g、0.2mmol)(方法Bと同様に調製し
たもの)及びトリエチルアミン(0.069mL、0.50mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃で
加えた。反応混合物を、周囲温度で2.5時間撹拌した。その後、それを飽和重炭酸ナトリ
ウムで処理し、有機層を分離した。水溶液をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層
を、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して、残渣を得て、それをカラムクロマトグラ
フィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール19:1)によって精製したところ、2,2-ジ
メチルプロピオン酸-3-[3-(2,2-ジメチルプロピオニルオキシ)フェニル]-4-メチル-2-{4-
[(Z)-3-((R)-3-メチルピロリジン-1-イル)プロペニル]フェニル}-2H-クロメン-6-イルエ
ステルが得られた。
【0062】
(方法F)
((R)-1-((Z)-3-{4-[6-メトキシ-3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-2H-クロメン-2-イル]
フェニル}アリル)-3-メチルピロリジン(化合物No.20)の調製)
【化34】
(工程I: 3-(3-ヒドロキシフェニル)-2-(4-ヨードフェニル)-4-メチル-2H-クロメン-6-オ
ール)
【化35】
硫酸(0.1ml)及びメタノール(10ml)中の2-(4-ヨードフェニル)-4-メチル-6-テトラヒド
ロピラン-2-イルオキシ)-3-[3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2H-クロメ
ン(1.0g、1.60mmol)(方法Aと同様に調製したもの)の溶液を、周囲温度で20分間撹拌した
。重炭酸ナトリウムの水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、水で洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、それを減圧下濃縮し、残渣を得て、それ
をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル50:50)によって精製し
たところ、3-(3-ヒドロキシフェニル)-2-(4-ヨードフェニル)-4-メチル-2H-クロメン-6-
オールが得られた。
【0063】
(工程II: 2-(4-ヨードフェニル)-6-メトキシ-3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-2H-クロ
メン)
【化36】
ヨウ化メチル(0.82mL、13.1mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(6.0mL)中の3-(3-ヒド
ロキシフェニル)-2-(4-ヨードフェニル)-4-メチル-2H-クロメン-6-オール(0.6g、1.31mmo
l)及び炭酸カリウム(0.54g、3.94mmol)の撹拌溶液に5~10℃で加えた。反応混合物を、周
囲温度で4時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、水で洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、それを減圧下濃縮し、粗生成物を得て、
それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル8:2)によって精製
して、2-(4-ヨードフェニル)-6-メトキシ-3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-2H-クロメ
ンを得た。
【0064】
(工程III: (R)-1-(3-{4-[6-メトキシ-3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-2H-クロメン-2-
イル]フェニル}プロパ-2-イニル)-3-メチルピロリジン)
【化37】
2-(4-ヨードフェニル)-6-メトキシ-3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-2H-クロメンを
用いて、方法Aの工程I、IIのそれと同様に調製された(R)-1-(3-{4-[6-メトキシ-3-(3-メ
トキシフェニル)-4-メチル-2H-クロメン-2-イル]フェニル}プロパ-2-イニル)-3-メチルピ
ロリジン
【0065】
(工程IV: (R)-1-((Z)-2-{4-[6-メトキシ-3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-2H-クロメン
-2-イル]フェニル}ビニル)-3-メチルピロリジン)
【化38】
(R)-1-(3-{4-[6-メトキシ-3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-2H-クロメン-2-イル]フ
ェニル}プロパ-2-イニル)-3-メチルピロリジンを用いて、方法Bの工程Iのそれと同様に調
製された(R)-1-((Z)-2-{4-[6-メトキシ-3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-2H-クロメン-
2-イル]フェニル}ビニル)-3-メチルピロリジン
【0066】
(方法G)
(3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-2-{4-[(Z)-3-((R)-3-メチルピロリジン-1-イル)プロ
ペニル]フェニル}-2H-クロメン-6-オール(化合物No.28)の調製)
【化39】
(工程I: 2-ヒドロキシ-4-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)安息香酸)
【化40】
水酸化ナトリウム水(3.5mL、10%)を、メタノール(10mL)中の2-ヒドロキシ-4-(テトラ
ヒドロピラン-2-イルオキシ)-安息香酸メチルエステル(0.5g、1.98mmol)の撹拌溶液に周
囲温度で加え、50℃に4時間加熱した。溶媒を減圧下取り除いた。水をそれに加え、(酢酸
エチル:n-ヘキサン、2:8)で抽出した。水層を、0~5℃で酢酸を用いて酸性とし、酢酸エ
チルで抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して、2-
ヒドロキシ-4-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)安息香酸を得た。
【0067】
(工程II: 2-ヒドロキシ-N-メトキシ-N-メチル-4-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)ベ
ンズアミド)
【化41】
テトラヒドロフラン(2mL)中のN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.12g、1.3mmol
)のアルカリ性水溶液を、テトラヒドロフラン(3mL)中の1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
(0.17g、1.3mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.24
g、1.3mmol)、及び2-ヒドロキシ-4-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)安息香酸(0.2g、
0.8mmol)の撹拌溶液に室温で加え、2時間撹拌した。水(10mL)を該反応混合物に加え、酢
酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して
、粗生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチ
ル8:2)によって精製して、2-ヒドロキシ-N-メトキシ-N-メチル-4-(テトラヒドロピラン-2
-イルオキシ)ベンズアミドを得た。
【0068】
(工程III: 1-[2-ヒドロキシ-4-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2-(3-メト
キシフェニル)エタノン)
【化42】
ジエチルエーテル(7.5mL)中の3-メトキシベンジルクロリド(1.10g、7.12mmol)の溶液を
、ジエチルエーテル(7.5mL)中のマグネシウム(0.216g、8.90mmol)、ヨウ素(結晶)、及び1
,2-ジブロモエタン(0.1mL)の撹拌混合物に、45~50℃で滴下して加えた。反応混合物を、
1時間リフラックスした。テトラヒドロフラン(5mL)中の2-ヒドロキシ-N-メトキシ-N-メチ
ル-4-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)ベンズアミド(0.5g、1.78mmol)の溶液を、反応
混合物に0℃で滴加し、それに続き1時間室温で撹拌した。飽和塩化アンモニウムを、該反
応混合物に0~5℃で加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧下濃縮して、粗生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(シリ
カゲル、酢酸エチル:n-ヘキサン2:8)によって精製して、1-[2-ヒドロキシ-4-(テトラヒド
ロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2-(3-メトキシフェニル)エタノンを得た。
【0069】
(工程IV: 2-(4-ヨードフェニル)-3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-7-(テトラヒドロピ
ラン-2-イルオキシ)-2H-クロメン)
【化43】
1-[2-ヒドロキシ-4-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)フェニル]-2-(3-メトキシフェ
ニル)エタノンを用いて、US20140107095A1において与えられるプロセスのとおり調製され
た2-(4-ヨードフェニル)-3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-7-(テトラヒドロピラン-2-
イルオキシ)-2H-クロメン
【0070】
(工程V: 3-{4-[3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-7-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ
)-2H-クロメン-2-イル]フェニル}プロパ-2-イン-1-オール)
【化44】
2-(4-ヨードフェニル)-3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-7-(テトラヒドロピラン-2-
イルオキシ)-2H-クロメンを用いて、3-{4-[3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-7-(テトラ
ヒドロピラン-2-イルオキシ)-2H-クロメン-2-イル]フェニル}プロパ-2-イン-1-オールを
方法Aの工程Iのそれと同様に調製した。
【0071】
(工程VI: 3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-2-{4-[(Z)-3-((R)-3-メチルピロリジン-1-
イル)プロペニル]フェニル}-2H-クロメン-7-オール)
【化45】
3-{4-[3-(3-メトキシフェニル)-4-メチル-7-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-2H-
クロメン-2-イル]フェニル}プロパ-2-イン-1-オールを用いて、3-(3-メトキシフェニル)-
4-メチル-2-{4-[(Z)-3-((R)-3-メチルピロリジン-1-イル)プロペニル]フェニル}-2H-クロ
メン-7-オールを、方法Bのそれと同様に調製した。
【0072】
(方法J)
(酢酸3-(6-アセトキシ-2-{4-[(E)-3-(9-フルオロノニルアミノ)プロペニル]フェニル}-4-
メチル-2H-クロメン-3-イル)フェニルエステル(化合物No.74)の調製)
【化46】
(工程I: (9-フルオロノニル)-((E)-3-{4-[6-ヒドロキシ-3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-メ
チル-2H-クロメン-2-イル]フェニル}アリル)カルバミン酸tert-ブチルエステル)
【化47】
ジ-tert-ブチルジカーボネート(0.19g、0.85mmol)を、ジクロロメタン(15mL)中の2-{4-
[(E)-3-(9-フルオロノニルアミノ)プロペニル]フェニル}-3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-
メチル-2H-クロメン-6-オール(0.41g、0.77mmol)及びトリエチルアミン(0.09g、0.93mmol
)の撹拌溶液に周囲温度で加え、同温度で40分間撹拌させた。溶媒を減圧下取り除いて、
粗生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル
、6:4)によって精製して、(9-フルオロノニル)-((E)-3-{4-[6-ヒドロキシ-3-(3-ヒドロキ
シフェニル)-4-メチル-2H-クロメン-2-イル]フェニル}アリル)カルバミン酸tert-ブチル
エステルを得た。
【0073】
(工程II: 酢酸3-[6-アセトキシ-2-(4-{(E)-3-[tert-ブトキシカルボニル-(9-フルオロノ
ニル)アミノ]プロペニル}フェニル)-4-メチル-2H-クロメン-3-イル]フェニルエステル)
【化48】
塩化アセチル(0.04g、0.52mmol)を、ジクロロメタン(5mL)中の(9-フルオロノニル)-((E
)-3-{4-[6-ヒドロキシ-3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2H-クロメン-2-イル]フェニ
ル}アリル)カルバミン酸tert-ブチルエステル(0.11g、0.17mmol)及びトリエチルアミン(0
.07g、0.70mmol)の撹拌溶液に0~5℃で加え、周囲温度で1時間撹拌した。飽和重炭酸ナト
リウム溶液を、該反応混合物に加え、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して、粗生成物を得て、それをカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン:酢酸エチル8:2)によって精製したところ、酢酸3-[6-
アセトキシ-2-(4-{(E)-3-[tert-ブトキシカルボニル-(9-フルオロノニル)アミノ]プロペ
ニル}フェニル)-4-メチル-2H-クロメン-3-イル]フェニルエステルが得られた。
【0074】
(工程III: 酢酸3-(6-アセトキシ-2-{4-[(E)-3-(9-フルオロノニルアミノ)プロペニル]フ
ェニル}-4-メチル-2H-クロメン-3-イル)フェニルエステル))
【化49】
臭化亜鉛(0.15g、0.67mmol)を、ジクロロメタン(3mL)中の酢酸3-[6-アセトキシ-2-(4-{
(E)-3-[tert-ブトキシカルボニル-(9-フルオロノニル)アミノ]プロペニル}フェニル)-4-
メチル-2H-クロメン-3-イル]フェニルエステル(0.12g、0.17mmol)の撹拌溶液に周囲温度
で加え、同温度で4時間撹拌させた。水を反応混合物に加え、ジクロロメタンで抽出した
。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して、粗生成物を得て、
それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール、8:2)によっ
て精製したところ、酢酸3-(6-アセトキシ-2-{4-[(E)-3-(9-フルオロノニルアミノ)プロペ
ニル]フェニル}-4-メチル-2H-クロメン-3-イル)フェニルエステルが得られた。
【0075】
表2は、一般プロセスのとおりに調製された代表的な化合物のうちのいくつかを提示す
る。
【0076】
【0077】
(インビトロ細胞株アッセイ)
(MCF-7細胞成長阻害アッセイ)
MCF-7細胞を、エストラジオール(1nM)の存在下、96ウェルプレートにプレーティングし
、1晩インキュベートした。24時間後、試験化合物を、さまざまな濃度で加え、5日間イン
キュベートした。5日目に、細胞生存率を、Presto Blue Cell Viability Reagentを用い
て評価した。百分率での成長阻害を以下:100-[試料の(O.D.)*100/ビヒクル対照のO.D.](
式中、O.D.は、光学密度である)のように計算した。
【0078】
大部分の式Iの化合物は、3マイクロモルの濃度で、50%を超える成長阻害を示した。
【0079】
表3は、代表的な化合物のいくつかについての、MCF-7細胞成長阻害アッセイにおける1
μMでの%阻害率を提供する。
【0080】
表3:MCF-7細胞成長阻害アッセイにおける1μMでの%阻害率
【表3】
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
式Iの化合物、又はその塩もしくは立体異性体:
(化1)
(式中、
R
1は、環A上の一又は二置換であり、かつ、-R
3、-OR
3、ハロゲン、-C
1-6ハロアルキル
、-OC
1-6ハロアルキル、-CN、-N(R
3)
2、-NR
3SO
2R
3、-NR
3CHO、-NR
3COR
3、-OC(O)R
3、-OC(
O)N(R
3)
2、-OP(O)(OH)
2、及び-OC(O)OR
3(式中、R
3は、各出現において、水素、C
1-6直鎖
、分岐鎖、又は環状アルキル、及びC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状ハロアルキルから選択さ
れる)を含む群から選択され;
R
2は、一又は二置換であり、かつ、-R
11、-OR
11、ハロゲン、-C
1-6ハロアルキル、-OC
1
-6ハロアルキル、-CN、-N(R
11)
2、-NR
11SO
2R
11、-NR
11CHO、-NR
11COR
11、-OC(O)R
11、-OC
(O)N(R
11)
2、-OP(O)(OH)
2、及び-OC(O)OR
11(式中、R
11は、各出現において、水素、C
1-6
直鎖、分岐鎖、又は環状アルキル、及びC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状ハロアルキルから選
択される)を含む群から選択され;
R
4は、水素、-C
1-5アルキル、-C
3-4シクロアルキル、-OC
1-5アルキル、-C
1-5ハロアル
キル、ハロゲンから選択され;
Lは、C
1-7直鎖又は分岐鎖アルキルから選択され;
R
7及びR
8は、存在しないか、又は独立して水素及びC
1-5アルキルから選択され;
R
9及びR
10は、独立して、水素、又は-O-、-NR
5-、-S-、-SO-、-S(O
2)-、-CR
5=CR
5-、-C
≡C-、-NR
5CO-、-NR
5CO-、-NR
5CONR
5-、NR
5C(O)O-、及び-OC(O)O-(式中、R
5は、各出現に
おいて、水素又はC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルを含む群から選択される)から独
立して選択される1以上の基で任意に中断されたC
1-20直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルも
しくはC
1-20ハロアルキルから選択されるか;又は
R
9及びR
10は、それらが結合した窒素原子と一緒に、酸素、窒素、又は硫黄から選択さ
れる1~2個の追加のヘテロ原子を任意に含む4~7員環を形成し;かつ該環は、ハロゲン、-
OR
6、-N(R
6)
2、及びR
6(式中、R
6は、各出現において、水素、-O-、-NR
5-、-S-、-SO-、-S
(O)
2-、-CR
5=CR
5-、-C≡C-、-NR
5CO-、-CONR
5-、-NR
5CONR
5-、NR
5C(O)O-、及び-OC(O)O-
から独立して選択される1以上の基で任意に中断されたC
1-20直鎖、分岐鎖、又は環状アル
キルを含む群から選択される)から選択される1以上の基で任意に置換され;
任意に、R
6は、さらに、ハロゲン、-OR
12、-N(R
12)
2、及び-COOR
12、-CON(R
12)
2、又は
-CON(R
12)OH(式中、R
12は、各出現において、水素又はC
1-6直鎖、分岐鎖、又は環状アル
キルから選択される)を含む群から選択される1以上の基で置換され;
(化2)
は、二重結合又は三重結合であり;
環Dは、さらに、-R
13、-OR
13、ハロゲン、-C
1-6ハロアルキル、-OC
1-6ハロアルキル、-
CN、-N(R
13)
2、-NR
13SO
2R
13、-NR
13CHO、-NR
13COR
13、-OC(O)R
13、-OC(O)N(R
13)
2、-OP(O
)(OH)
2、及び-OC(O)OR
13(式中、R
13は、各出現において、水素、及びC
1-6直鎖、分岐鎖、
又は環状アルキルから選択される)から選択される基で任意に置換され;かつ
Xは、NH、硫黄、及び酸素から選択される、
但し、R
13が水素であり、R
1及びR
2が、一置換かつヒドロキシル基であり、かつR
2が、
該環Cの4位に存在する場合、R
1は、該環Aの8位ではない)。
(構成2)
R
1が、OH、OR
3、及び-OC(O)R
3から選択され;
R
2が、ハロゲン、OR
11、及び-OC(O)R
11から選択され;
R
4が、C
1-5アルキル又はC
1-5ハロアルキルから選択され;
Lが、C
1-4アルキルから選択され;
R
9及びR
10が、独立して、水素、-O-、-NR
5-、-S-、及び-CR
5=CR
5-から選択される1以上
の基で任意に中断されたC
1-20直鎖アルキル及びC
1-20ハロアルキルから選択されるか、又
は
R
9及びR
10が、それらが結合した窒素原子と一緒に、1又は2個の追加の窒素原子を任意
に含む5~6員環を形成し、かつ該環が、ハロゲン、-OR
6、-N(R
6)
2、及びR
6(式中、R
6は、
各出現において、水素、及び-O-、-NR
5-、-S-、及び-CR
5=CR
5-から選択される1以上の基
で任意に中断されたC
1-20直鎖、分岐鎖、又は環状アルキルから選択される)から選択され
る1以上の基で任意に置換され;
任意に、R
6が、さらに、ハロゲン、-OR
12、及び-N(R
12)
2から選択される1以上の基で置
換され;
(化3)
が、二重結合又は三重結合であり;かつ
R
7及びR
8が、水素であるか又は存在せず;
R
13が、ハロゲン及び-C
1-6ハロアルキルから選択される基であり;かつ
Xが、酸素である、構成1記載の化合物。
(構成3)
R
9及びR
10が、一緒に、酸素、窒素、及び硫黄から選択される1個の追加のヘテロ原子を
任意に含む5~6員環を形成し;かつ
該環が、さらに、R
6(式中、R
6は、-O-、-NR
5-、-S-、又は-CR
5=CR
5-から選択される1以
上の基で任意に中断されたC
1-15直鎖又は分岐鎖アルキルである)で置換される、構成1記
載の化合物。
(構成4)
R
9が、水素又はC
1-3アルキルであり、かつR
10が、-O-、-NR
5-、-S-、及び-CR
5=CR
5-か
ら選択される1以上の基で任意に中断されたC
1-15直鎖又は分岐鎖アルキルから選択される
、構成1記載の化合物。
(構成5)
XがOである、構成1~4のいずれか1項記載の化合物。
(構成6)
R
2が、環Cの3位に置換されており、かつR
1が、該環Aの7位に置換されている、構成1~5
のいずれか1項記載の化合物。