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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】油圧装置
(51)【国際特許分類】
   B30B 15/04 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
B30B15/04 B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021047930
(22)【出願日】2021-03-22
(62)【分割の表示】P 2019569535の分割
【原出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2021102230
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2021-03-22
(31)【優先権主張番号】201810005642.9
(32)【優先日】2018-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820007399.X
(32)【優先日】2018-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810221695.4
(32)【優先日】2018-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820363924.1
(32)【優先日】2018-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810221701.6
(32)【優先日】2018-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820363934.5
(32)【優先日】2018-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810221706.9
(32)【優先日】2018-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820363937.9
(32)【優先日】2018-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519320491
【氏名又は名称】寧波徳瑪智能機械有限公司
【氏名又は名称原語表記】NINGBO DEMA INTELLIGENT MACHINERY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.66,Haichuan Road,Jiangbei District,Ningbo,Zhejiang,315032 China
(73)【特許権者】
【識別番号】519320480
【氏名又は名称】董 祥義
【氏名又は名称原語表記】DONG,Xiangyi
【住所又は居所原語表記】No.66,Haichuan Road,Jiangbei District,Ningbo,Zhejiang,315032 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】董 祥義
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-107911(JP,A)
【文献】特開2003-194014(JP,A)
【文献】特開昭64-044227(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0065137(US,A1)
【文献】特開2010-017736(JP,A)
【文献】特開平10-024400(JP,A)
【文献】特開昭50-019066(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0121411(US,A1)
【文献】米国特許第03884142(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧装置であって、前記油圧装置は、支持フレーム、複数のメインシリンダーモジュールおよび複数の金型固定部を含み、前記メインシリンダーモジュールは、シリンダーと、前記シリンダーに連結されるピストンを含み、前記支持フレームは2組の端部フレームを含み、前記シリンダーは2組の前記端部フレームの間に取り付けられ、各組の前記端部フレームは2つの第一結合フレームを含み、2つの前記第一結合フレームは前記ピストンの移動軸を対称軸として対称的に取り付けられ、前記第一結合フレームの一端は前記シリンダーに連結され、他端は前記金型固定部に連結され、前記ピストンと前記金型固定部との間には加圧構造が形成され
数の前記メインシリンダーモジュールは前記ピストンの移動方向に沿って直線に配列されかつ同軸に配置され、各前記メインシリンダーモジュールのピストンの数はいずれも2つであり、それらは前記シリンダーの両端に取り付けられ、2つの前記ピストンは反対方向に移動するように同軸に配置され、前記支持フレームは少なくとも1組の中央フレームを更に含み、各組の前記中央フレームは2つの第二結合フレームを含み、2つの前記第二結合フレームは前記ピストンの移動軸を対称軸として対称的に取り付けられ、各前記第二結合フレームの両端は隣接する2つの前記シリンダーにそれぞれ連結され、前記金型固定部の数は、前記メインシリンダーモジュールの数の2倍であり、隣接する2つの前記メインシリンダーモジュールの間には前記中央フレームに連結されかつ背中合わせに取り付けられる2つの前記金型固定部が取り付けられ、前記メインシリンダーモジュールと前記金型固定部がマッチングすることにより前記メインシリンダーモジュールの数の2倍の同軸の加圧構造が形成されることを特徴とする油圧装置。
【請求項2】
2つの前記端部フレームにおいて、同じ側に位置する2つの第一結合フレームが一体に成形されることにより組合フレームが形成され、2つの前記組合フレームがマッチングすることにより前記支持フレームが形成され、前記支持フレームは密閉型環状またはそれに類似する環状であり、前記メインシリンダーモジュールと前記金型固定部はいずれも前記支持フレームの内環内に取り付けられ、前記ピストンの移動方向と前記支持フレームの長軸の方向は同軸に配置され、2つの前記組合フレームは前記ピストンの移動方向を対称軸として対称的に配置され、前記油圧装置は束縛層を更に含み、前記束縛層は前記支持フレームの外環の壁部上に環状に取り付けられることにより前記支持フレームにプレストレスを与えることを特徴とする請求項に記載の油圧装置。
【請求項3】
前記束縛層は前記支持フレームの外環の壁部にプレストレスを与え、予圧の状態下において、
σ1f=ηF/2であり、
ここで、σ1fは前記組合フレームの断面内の平均の圧縮応力であり、Aは前記組合フレームの断面積であり、Fは油圧装置の公称圧力であり、ηは予圧の係数であることを特徴とする請求項に記載の油圧装置。
【請求項4】
前記式において0.1≦η≦0.9であることを特徴とする請求項に記載の油圧装置。
【請求項5】
前記式においてσ1fは許可圧縮応力[σ]と等しく、前記組合フレームの最小の断面面積は
=ηF/2[σ]であることを特徴とする請求項に記載の油圧装置。
【請求項6】
前記組合フレームは1つの本体領域と2つのエルボー領域を含み、2つの前記エルボー領域は前記本体領域の両端に対称的に連結され、2つの前記組合フレームのエルボー領域は連結されることを特徴とする請求項に記載の油圧装置。
【請求項7】
2つの前記組合フレームが連結される箇所には連結面が形成され、前記支持フレームの長軸と前記連結面の平均法線との間の夾角は10°~90°であることを特徴とする請求項に記載の油圧装置。
【請求項8】
前記支持フレームの長軸と前記連結面の平均法線との間の夾角は90°であることを特徴とする請求項に記載の油圧装置。
【請求項9】
前記連結面の数は2つであり、2つの前記連結面は平行に配置されかつ短軸を対称軸として対称的に配置されることを特徴とする請求項に記載の油圧装置。
【請求項10】
前記支持フレームと前記束縛層との間には過渡層が形成され、前記過渡層は前記支持フレームの外周の表面に沿って前記支持フレームの外周の表面に取り付けられるか又は配置され、前記過渡層の外周の外表面は前記支持フレームの外部に突出しかつ円滑に連結されるように形成されることを特徴とする請求項に記載の油圧装置。
【請求項11】
前記過渡層は第一過渡層と第二過渡層を含み、前記第一過渡層は密閉型環状層であり、第二過渡層は前記第一過渡層の外側に取り付けられることを特徴とする請求項10に記載の油圧装置。
【請求項12】
前記第一過渡層の厚さは均一であり、前記第二過渡層の厚さは外周の方向に沿って徐々に変化することを特徴とする請求項11に記載の油圧装置。
【請求項13】
前記第二過渡層は密閉型環状層であり、前記第二過渡層の外環の壁部の縦断面は規則的である幾何学的形状に形成されることを特徴とする請求項11に記載の油圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出願日が2018年01月03日であり、出願番号が201810005642.9であり、発明の名称が「構造支持フレーム」である中国特許出願と、出願日が2018年01月03日であり、出願番号が201820007399.Xであり、考案の名称が「構造支持フレーム」である中国実用新案出願と、出願日が2018年03月18日であり、出願番号が201810221695.4であり、発明の名称が「大型油圧装置支持構造」である中国特許出願と、出願日が2018年03月18日であり、出願番号が201820363924.1であり、考案の名称が「大型油圧装置支持構造」である中国実用新案出願と、出願日が2018年03月18日であり、出願番号が201810221701.6であり、発明の名称が「油圧装置」である中国特許出願と、出願日が2018年03月18日であり、出願番号が201820363934.5であり、考案の名称が「油圧装置」である中国実用新案出願と、出願日が2018年03月18日であり、出願番号が201810221706.9であり、発明の名称が「油圧装置」である中国特許出願と、出願日が2018年03月18日であり、出願番号が201820363937.9であり、考案の名称が「油圧装置」である中国実用新案出願との優先権を主張し、かつ参照のためそれらの全文を本願に組み込む。
【0002】
本発明は、圧力成形技術の分野に関し、特に、油圧装置に関する。
【背景技術】
【0003】
油圧装置は圧力により工業部品を成形する成形装置であり、工業の分野に広く応用されている。現在、企業の生産に使用されている油圧装置は、生産要求に柔軟に適応することができず、生産プロセスの柔軟性は依然として不足している。また、従来の油圧装置は、構造が複雑であり、材料の使用量が多いので、製造コストが高い欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、密閉された構造フレームが形成され、単一のグループ、2つのグループまたは複数のグループが並行して作業でき、部品の使用が少なく、材料の消耗と製造コストを低減することができる改良型油圧装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は油圧装置に関するものであり、前記油圧装置は、支持フレーム、少なくとも1つのメインシリンダーモジュールおよび少なくとも1つの金型固定部を含み、前記メインシリンダーモジュールは、シリンダーと、前記シリンダーに連結されるピストンを含み、前記支持フレームは2組の端部フレームを含み、前記シリンダーは2組の前記端部フレームの間に取り付けられ、各組の前記端部フレームは2つの第一結合フレームを含み、2つの前記第一結合フレームは前記ピストンの移動軸を対称軸として対称的に取り付けられ、前記第一結合フレームの一端は前記シリンダーに連結され、他端は前記金型固定部に連結され、前記ピストンと前記金型固定部との間には加圧構造が形成される。
【0006】
好ましくは、前記メインシリンダーモジュールの数は複数であり、複数の前記メインシリンダーモジュールは前記ピストンの移動方向に沿って直線に配列されかつ同軸に配置され、各前記メインシリンダーモジュールのピストンの数はいずれも2つであり、それらは前記シリンダーの両端に取り付けられ、2つの前記ピストンは反対方向に移動するように同軸に配置され、前記支持フレームは少なくとも1組の中央フレームを更に含み、各組の前記中央フレームは2つの第二結合フレームを含み、2つの前記第二結合フレームは前記ピストンの移動軸を対称軸として対称的に取り付けられ、各前記第二結合フレームの両端は隣接する2つの前記シリンダーにそれぞれ連結され、前記金型固定部の数も複数であり、隣接する2つの前記メインシリンダーモジュールの間には前記中央フレームに連結されかつ背中合わせに取り付けられる2つの前記金型固定部が取り付けられ、前記メインシリンダーモジュールと前記金型固定部がマッチングすることにより複数の同軸の加圧構造が形成される。
【0007】
好ましくは、前記メインシリンダーモジュールの数は1つであり、前記メインシリンダーモジュールは2つの前記ピストンを含み、2つの前記ピストンは前記シリンダーの両端にそれぞれ取り付けられ、2つのピストンは反対方向に移動するように同軸に配置され、前記金型固定部は2つであり、前記端部フレームは2組であり、2組の前記端部フレームは2つの前記金型固定部を前記メインシリンダーモジュールの両側に固定させることにより、2つの同軸の加圧構造を形成する。
【0008】
好ましくは、2つの前記端部フレームにおいて、同じ側に位置する2つの第一結合フレームが一体に成形されることにより組合フレームが形成され、2つの前記組合フレームがマッチングすることにより前記支持フレームが形成され、前記支持フレームは密閉型環状またはそれに類似する環状であり、前記メインシリンダーモジュールと前記金型固定部はいずれも前記支持フレームの内環内に取り付けられ、前記ピストンの移動方向と前記支持フレームの長軸の方向は同軸に配置され、2つの前記組合フレームは前記ピストンの移動方向を対称軸として対称的に配置され、前記油圧装置は束縛層を更に含み、前記束縛層は前記支持フレームの外環の壁部上に環状に取り付けられることにより前記支持フレームにプレストレスを与える。
【0009】
好ましくは、前記束縛層は前記支持フレームの外環の壁部にプレストレスを与え、予圧の状態下において、
σ1f=ηF/2であり、
ここで、σ1fは前記組合フレームの断面内の平均の圧縮応力であり、Aは前記組合フレームの断面積であり、Fは油圧装置の公称圧力であり、ηは予圧の係数である。
【0010】
好ましくは、0.1≦η≦0.9である。
【0011】
好ましくは、前記式においてσ1fは許可圧縮応力[σ]と等しく、前記組合フレームの最小の断面面積は
=ηF/2[σ]である。
【0012】
好ましくは、前記組合フレームは1つの本体領域と2つのエルボー領域を含み、2つの前記エルボー領域は前記本体領域の両端に対称的に連結され、2つの前記組合フレームのエルボー領域は連結される。
【0013】
好ましくは、2つの前記組合フレームが連結される箇所には連結面が形成され、前記支持フレームの長軸と前記連結面の平均法線との間の夾角は10°~90°である。
【0014】
好ましくは、前記支持フレームの長軸と前記連結面の平均法線との間の夾角は90°である。
【0015】
好ましくは、前記連結面の数は2つであり、2つの前記連結面は平行に配置されかつ短軸を対称軸として対称的に配置される。
【0016】
好ましくは、前記支持フレームと前記束縛層との間には過渡層が形成され、前記過渡層は前記支持フレームの外周の表面に沿って前記支持フレームの外周の表面に取り付けられるか又は配置され、前記過渡層の外周の外表面は前記支持フレームの外部に突出しかつ円滑に連結されるように形成される。
【0017】
好ましくは、前記過渡層は第一過渡層と第二過渡層を含み、前記第一過渡層は密閉型環状層であり、前記第二過渡層は前記第一過渡層の外側に取り付けられる。
【0018】
好ましくは、前記第一過渡層の厚さは均一であり、前記第二過渡層の厚さは関数により変化する。
【0019】
好ましくは、前記第二過渡層は密閉型環状層であり、前記第二過渡層の外環の壁部の縦断面は規則的である幾何学的形状に形成される。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る前記油圧装置は、前記支持フレームによって前記メインシリンダーモジュールと前記金型固定部を固定させて密閉構造フレームを構成し、1組、2組または複数組を配列する場合も加圧作業を実施することができ、構造がコンパクトであり、使用する部品の個数を減少し、材料の重量と製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第一実施形態に係る油圧装置の構造を示す図である。
図2図1に示された油圧装置が作動するときの構造を示す図である。
図3】本発明の第二実施形態に係る油圧装置の構造を示す図である。
図4図3に示された油圧装置が作動するときの構造を示す図である。
図5】従来技術において、油圧装置が作動するとき、支持フレームが力を受けることを示す図である。
図6】本発明において、支持フレームが予圧状態下で力を受けることを示す図である。
図7】本発明において、油圧装置が作動するとき、支持フレームが力を受けることを示す図である。
図8】本発明の第三実施形態に係る支持フレームの構造を示す図である。
図9図8の支持フレームが結合状態になっているときの構造を示す図である。
図10図8の支持フレームの断面図である。
図11】本発明の連結平面に関する実施形態を示す図である。
図12】本発明の連結平面に関する他の実施形態を示す図である。
図13】本発明の第四実施形態に係る支持フレームの部分断面図である。
図14】本発明の第一過渡層の構造を示す図である。
図15図14の第一過渡層の部分拡大図である。
図16】本発明の第二過渡層の構造を示す図である。
図17図16の第二過渡層の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本願の実施形態に係る技術的事項を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本願の一部の実施形態だけのものであり、すべての実施形態ではない。本願の実施形態に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得ることができるすべての別の実施形態は、皆本願の範囲に属する。
【0023】
図1ないし図4を併せて参照すると、図1は本発明の第一実施形態に係る油圧装置100の構造を示す図であり、図2図1に示された油圧装置100が作動するときの構造を示す図であり、図3は本発明の第二実施形態に係る油圧装置100の構造を示す図であり、図4図3に示された油圧装置100が作動するときの構造を示す図である。
【0024】
本発明の油圧装置100は、支持フレーム10、少なくとも1つのメインシリンダーモジュール20および少なくとも1つの金型固定部30を含み、メインシリンダーモジュール20と金型固定部30はいずれも支持フレーム10に取り付けられ、かつメインシリンダーモジュール20と金型固定部30は対向するように取り付けられる。
【0025】
支持フレーム10はメインシリンダーモジュール20と金型固定部30を支持するために用いられ、メインシリンダーモジュール20は油圧装置100の駆動部として加圧成形用の圧力を提供するために用いられ、金型固定部30はその上に成形待ち部品を搭載するために用いられる。メインシリンダーモジュール20は金型固定部30に向かって移動することによりプレス動作を完了する。従って金型固定部30上に搭載された成形待ち部品は、加圧成形により成形を実施する。
【0026】
具体的に、メインシリンダーモジュール20はシリンダー21とピストン22を含み、支持フレーム10は少なくとも一組の端部フレーム11を含む。端部フレーム11は、ピストンの移動軸を対称軸として対称的に取り付けられた2つの第一結合フレーム111で構成され、第一結合フレーム111は非密閉型環状またはハーフムーン(half-moon)状に形成される。シリンダー21は第一結合フレーム111の一端に連結され、金型固定部30は第一結合フレーム111の他端に連結されるか、或いは第一結合フレーム111の他端に近接する位置に連結される。第一結合フレーム111によりシリンダー21と金型固定部30が固定されることにより、ピストン22と金型固定部30との間には加圧構造が形成される。
【0027】
具体的に、ピストン22は金型固定部30に向かって移動することによりプレス動作を完了し、2つの第一結合フレーム111はピストンの移動軸を中心軸として対称的に取り付けられるか、或いは略対称に取り付けられる。2つの第一結合フレーム111が対称的に取り付けられることにより、ピストン22でプレスするとき、圧力のバランスをとり、支持フレーム10による支持の安定性を確保することができる。第一結合フレーム111は非密閉型環状またはハーフムーン状に形成される。好ましくは、第一結合フレーム111は弧度が円滑に変化する曲面状に形成される。2つの第一結合フレーム111とシリンダー21、金型固定部30とは対称的に連結されることにより、支持構造の安定性を向上させることができる。また、2つの第一結合フレーム111は形状の類似性/対称性を有しているので、油圧装置100が作動するとき、2つの第一結合フレーム111には同じまたは非常に近い変形が形成され、連結構造の設計を簡単にし、かつ安全性を向上させることができる。第一結合フレーム111の末端はシリンダー21に連結され、他側の末端または端部は金型固定部30に連結されることにより、メインシリンダーと金型固定部30を安定に固定させ、ピストン22が金型固定部30に向かって移動するとき、支持フレーム10の構造による支持の効果を実現することができる。
【0028】
本発明において、メインシリンダーモジュール20と金型固定部30の数は必要に応じて様々に組み合わせることができる。
【0029】
例えば、メインシリンダーモジュール20と金型固定部30の数はいずれも1つであることができる。その場合、メインシリンダーモジュール20は1つのシリンダー21と1つのピストン22を含み、ピストン22と金型固定部30は2つの第一結合フレーム111により支持される。すなわちピストン22と金型固定部30が1組の第一結合フレーム111により支持されることにより、1つの加圧構造が形成される。ピストン22によりプレスするとき、反力(reaction force)が形成されるので、プレス用動力の利用性と合理性を向上させる必要がある。
【0030】
本発明の第一実施形態において、メインシリンダーモジュール20は1つのシリンダー21と2つのピストン22で構成され、2つのピストン22はシリンダー21の両端にそれぞれ取り付けられ、2個のピストン22は同軸に配置されかつ反対方向に移動する。2つの金型固定部30と2個のピストン22が協同して2つの同軸の加圧構造が形成される。その場合、メインシリンダーモジュール20と金型固定部30は2組の端部フレーム11により支持される。図1の構造を参照すると、このように設置すると2つの加圧構造の安定性を向上させ、支持構造を構成する部品の数を低減し、かつ材料の使用量を減少することができる。また、2組の端部フレーム11はメインシリンダーモジュール20と金型固定部30に連結されることにより、密閉された2つの構造フレームが形成され、支持の安定性を向上させることができる。
【0031】
本発明の第二実施形態において、メインシリンダーモジュール20の数は少なくとも2つであり、2つのメインシリンダーモジュール20はピストン22の移動方向に沿って直線に配列されかつ同軸に配置される。メインシリンダーモジュール20のピストン22の数は2つであり、それらはシリンダー21の両端にそれぞれ取り付けられる。2個のピストン22は同軸に配置されかつ反対方向に移動する。金型固定部30は複数である。支持フレーム10は2組の端部フレーム11と複数組の中央フレーム12を含み、中央フレーム12はピストンの移動軸を対称軸として対称的に取り付けられた2つの第二結合フレーム121で構成され、第二結合フレーム121は曲線状または曲線状に類似する形状に形成される。第二結合フレーム121の両端は隣接する2個のメインシリンダーモジュール20のシリンダー21にそれぞれ連結される。隣接する2個のメインシリンダーモジュール20の間には中央フレーム12に連結されかつ背中合わせに取り付けられる2つの金型固定部30が取り付けられる。支持フレーム10によりメインシリンダーモジュール20と金型固定部30が固定されることにより、複数の同軸の加圧構造が形成される。中央フレーム12は、メインシリンダーモジュール20を2つずつ連結させ、隣接する2つのメインシリンダーモジュール20の間には2個の金型固定部30が取り付けられ、2つの金型固定部30と2つのメインシリンダーモジュール20のピストン22が協同して加圧構造が形成される。金型固定部30を容易に固定させるために、2つの金型固定部30は背中合わせに取り付けられかつ第二結合フレーム121に連結固定される。端部フレーム11と中央フレーム12は異なる個所の構造を支持することにより、複数の同軸の加圧構造が形成され、様々なプレス要件を満足することができる。
【0032】
第一結合フレーム111とシリンダー21を容易に連結させ、構造を簡単にするために、シリンダー21に連結される第一結合フレーム111の一端には結合溝を形成し、シリンダー21には結合溝にマッチングする突起を形成することができる。突起と結合溝の中心軸はピストンの移動軸に垂直である。ピストン22によりプレスするとき、反力(reaction force)の方向とピストン22は同軸に位置するので、突起と結合溝の中心軸はピストンの移動軸に垂直であると、シリンダー21がピストンの移動軸の方向に沿って移動しないように確保することができる。油圧装置100が作動するとき、突起と結合溝の中心軸の方向で外力が存在しないので、突起と結合溝は分離されない。このように設置すると、シリンダー21を固定させるとともに、構造を簡単にすることができる。もちろん、第一結合フレーム111と金型固定部30を連結させる場合も突起と結合溝による結合方法を用いることができる。好ましい実施形態として、金型固定部30に連結される第一結合フレーム111の一端はピストン22のプレス方向において金型固定部30の外側に位置し、金型固定部30に連結される第一結合フレーム111の末端により金型固定部30がピストンの移動方向に沿って移動することを制限する必要がある。ピストン22によりプレスするとき、その末端は金型固定部30の外側に位置する。すなわち前記末端からピストン22までの距離は金型固定部30からピストン22までの距離より大きく、前記末端は金型固定部30に当接し、金型固定部30に頼みを提供することができ、端部フレーム11によって支持構造を形成する。同様に、第二結合フレーム121にも結合溝を形成し、シリンダー21の突起を結合溝にマッチングさせることができる。第二結合フレーム121はシリンダー21のみに連結されるので、その両端に全て結合溝が形成されて、シリンダー21を安定に支持することができる。
【0033】
端部フレーム11と金型固定部30が安定に連結されると、プレスの安定性を確保することができる。好適な実施例において、シリンダー21から離れている端部フレーム11の2つの第一結合フレーム111の一端が連結され、かつ連結箇所に連結面を形成する。ピストンの移動軸と連結面の平均法線との間の夾角は10°~90°であり、2つの第一結合フレーム111の一端はシリンダー21に連結され、他端の末端または端部は金型固定部30に連結される。2つの第一結合フレーム111の前記末端は接触して連結され、連結箇所には連結面が形成される。2つの第一結合フレーム111は接触して連結され、金型固定部30と2つの第一結合フレーム111は吻合連結されるので、プレスするとき、第一結合フレーム111の構造の強度により充分な支持を獲得することができる。形成された前記連結面は、平面、分断連続式曲面または円滑な曲面であることができる。連結面には法線が存在し、その法線は平面に垂直である。平均法線は連結面の中立面(neutral surface)である。例えば、連結面が円弧型、滑らかな曲面、ステップ面である場合、平均法線は選択される中立値である。ピストンの移動軸と連結面の平均法線との間の夾角は10°~90°である。好ましくは、連結面は平面であり、ピストンの移動軸と前記平面の法線との間の夾角は90°である。2つの第一結合フレーム111が連結される箇所には連結平面が形成され、前記連結平面とピストンの移動軸は同一平面に位置するので、金型固定部30をより安定に支持し、構造を改良することができる。
【0034】
2つの第一結合フレーム111が接続される末端にはピン孔が形成され、ピン孔内にピンが挿入されることにより、2つの第一結合フレーム111がピストンの移動軸の方向に沿って移動することを制限することができる。ピンにより第一結合フレーム111がピストンの移動軸に垂直する方向に沿って移動することを制限することができるが、ピストンの移動軸に垂直する方向の受力は非常に限られているので、2つの第一結合フレーム111が固定位置から離れないようにするだけで充分である。ピンで固定することにより、構造を簡単にし、組み立てを容易にすることができので、利便性がよい。密閉状態で2つの第一結合フレーム111の連結端面には一定の摩擦力が存在するので、連結部品または設計要求(または設計の難度)を伝動の技術より充分低くする(或いは充分容易にする)ことができる。第一結合フレーム111の構造は支持構造の性能に大きな影響を与える。好ましくは、第一結合フレーム111は本体領域とエルボー領域を含み、本体領域とエルボー領域はいずれも曲線状またはそれに類似する形状に形成され、かつ本体領域の弧度はエルボー領域の弧度より小さい。本体領域の一端はシリンダー21に連結され、他端はエルボー領域の一端に連結され、2つの第一結合フレーム111のエルボー領域は互いに連結される。さらに好ましくは、本体領域とエルボー領域は一体に成形される。
【0035】
本発明において、支持フレーム10は支持の主体として、構造支持性能を満足し、材料の使用量を低減し、かつ構造を簡単にすることができる。材料の使用量を更に低減するために、支持フレーム10の少なくとも一部分を中空の構造にすることができる。連結の要求と剛性の支持を確保することを前提として、端部フレーム11と中央フレーム12はいずれも中空の構造に設置することができ、支持用材料の使用量を低減し、重量を低減し、かつ構造をより最適化することができる。
【0036】
本発明の支持フレーム10によりメインシリンダーモジュールと金型固定部を固定させることにより密閉の構造フレームを形成し、1組、2組または複数組を配列させることにより加圧構造を形成することができるので、従来の伝動構造に比べて部品の個数を低減し、材料の重量と製造コストを低減することができる。
【0037】
本発明の端部フレーム11のエルボー領域は所定の作業負荷を受けることができ、エルボー部の端面は密閉の状態において一定の摩擦力を有するので、連結部品、設計要件、又は設計の難度は伝動の技術より充分低くすることができ、構造的な生産と製造を容易に実施することができる。
【0038】
本発明の端部フレーム11と中央フレーム12はいずれも対称の構造を有している。部品本体は構造の類似性/対称性を有していることにより、作業負荷を受けるとき、各部位には同じまたは非常に近い変形が形成され、構造全体の安定性を向上させることができる。また、支持フレーム10が受ける力は主としてピストンの移動方向で存在し、端部フレーム11の結合面にはそれらを分離する傾向の外力が殆ど存在しないので、従来技術のように支持フレーム10に充分な連結の剛性を付与することを必要としなく、連結の構造を効果的に簡単にし、かつ安全性を向上させることができる。本発明は、構造を簡単にし、製造コストを低減し、原料を節約することができ、かつ実用性がよいという利点を有しているので、様々な分野に普及、応用することができる。
【0039】
再び図1図2を参照すると、本発明の第一実施形態において、油圧装置100は、支持フレーム10、1つのメインシリンダーモジュール20および2つの金型固定部30を含む。メインシリンダーモジュール20のピストン22の数は2つであり、それらはシリンダー21の両端にそれぞれ取り付けられ、2つのピストン22は同軸に配置されかつ反対方向に移動する。2つの金型固定部30はメインシリンダーモジュール20の両側にそれぞれ取り付けられ、支持フレーム10は2組の端部フレーム11を含む。2組の端部フレーム11は2つの金型固定部30を別々にメインシリンダーモジュール20の両側に固定させることにより、2つの同軸の加圧構造を形成する。
【0040】
各組の端部フレーム11はいずれも2つの第一結合フレーム111で構成され、2個の第一結合フレーム111はピストンの移動軸を対称軸として対称的に分布される。第一結合フレーム111は本体領域とエルボー領域を含み、本体領域とエルボー領域はいずれも曲線状またはそれに類似する形状に形成され、かつ本体領域の弧度はエルボー領域の弧度より小さい。本体領域の一端はシリンダー21に連結され、他端はエルボー領域の一端に連結される。各組の2個の第一結合フレーム111のエルボー領域は連結されかつ連結箇所には連結平面が形成され、前記連結平面とピストンの移動軸は同一平面に位置する。シリンダー21に連結される本体領域の末端には結合溝が形成され、対応されるシリンダー21には結合溝にマッチングする突起が形成される。2組の端部フレーム11は4つの第一結合フレーム111を含み、シリンダー21には4つの突起が形成され、それらの突起はシリンダー21の両端に2つずつ形成されている。連結平面が形成されるエルボー領域にはピン孔が形成され、2個のエルボー領域における連結平面に形成されたピン孔内にピンを挿入させることにより第一結合フレーム111がピストンの移動軸の方向に沿って移動することを制限する。
【0041】
各組の端部フレーム11とシリンダー21、1つの金型固定部30により1つの密閉構造フレームが形成される。シリンダー21の両側には2つの密閉構造フレームが形成され、各密閉構造フレームは1つの加圧構造を含み、加圧構造の総数は2つである。2つの加圧構造のピストン22は同期に反対方向へ移動するので、圧力が同じである2つのプレス動作を同時に完了することができる。
【0042】
再び図3図4を参照すると、本発明の第二実施形態において、油圧装置100は、支持フレーム10、2つのメインシリンダーモジュール20および4個の金型固定部30を含む。2つのメインシリンダーモジュール20は一列に配列され、メインシリンダーモジュール20のピストン22の数は2つであり、それらはそれぞれシリンダー21の両端に取り付けられる。2つのピストン22は同軸に配置されかつ反対方向へ移動し、2つのメインシリンダーモジュール20のピストン22の移動軸は同軸に配置される。金型固定部30の数は4個であり、独立に存在する2つの金型固定部30と、背中合わせに取り付けられる2つの金型固定部30と、を含む。支持フレーム10は2組の端部フレーム11と一組の中央フレーム12を含む。
【0043】
具体的に、端部フレーム11は2つの第一結合フレーム111で構成され、2つの第一結合フレーム111はピストンの移動軸を対称軸として対称的に取り付けられる。第一結合フレーム111は本体領域とエルボー領域を含み、本体領域とエルボー領域はいずれも曲線状またはそれに類似する形状に形成され、かつ本体領域の弧度はエルボー領域の弧度より小さい。本体領域の一端はシリンダー21に連結され、他端はエルボー領域の一端に連結され、各組の2つの第一結合フレーム111のエルボー領域は互いに連結されかつ連結箇所には連結平面が形成され、前記連結平面とピストンの移動軸は同一平面に位置する。
【0044】
中央フレーム12はピストンの移動軸を対称軸として対称的に取り付けられた2つの第二結合フレーム121で構成され、第二結合フレーム121は曲線状または曲線状に類似する形状に形成される。第二結合フレーム121の両端は2つのメインシリンダーモジュール20のシリンダー21にそれぞれ連結される。2個のメインシリンダーモジュール20の間には背中合わせに取り付けられた2つの金型固定部30が取り付けられ、背中合わせに取り付けられた金型固定部30は第二結合フレーム121に連結される。
【0045】
シリンダー21に連結される第一結合フレーム111、第二結合フレーム121の末端には結合溝が形成され、対応されるシリンダー21には結合溝にマッチングする突起が形成される。2組の端部フレーム11は4つの第一結合フレーム111を含み、1組の中央フレーム12は2つの第二結合フレーム121を含む。第二結合フレーム121の両端はすべてシリンダー21に連結されるので、各メインシリンダーモジュール20には4つの突起が形成されている。第一結合フレーム111における連結平面を形成するエルボー領域にはピン孔が形成され、連結平面を形成する2個のエルボー領域に形成されたピン孔内にピンを挿入させることにより、第一結合フレーム111がピストンの移動軸方向に沿って移動することを制限する。取り付けが完了した後、両端の端部フレーム、シリンダー21および独立に存在する2つの金型固定部30により2つの加圧構造が形成され、中央フレーム12、シリンダー21および背中合わせに取り付けられた2つの金型固定部30により2つの加圧構造が形成される。4つの密閉構造フレームにより4つの加圧構造が形成され、メインシリンダーモジュール20のピストン22が同軸に配列されるので、4つの同軸の加圧構造が形成される。
【0046】
中央フレーム12を設けない場合、上方または下方に位置する2つの第一結合フレーム111は一体になることができる。すなわち2つの第一結合フレーム111はピストンの移動軸(楕円の長軸の方向)に対称的に結合することができる。
【0047】
本発明の油圧装置100は、支持フレーム10によりメインシリンダーモジュール20と金型固定部30を固定させて1つの密閉構造フレームを形成し、1組、2組または複数組を配列する場合も加圧作業を実施することができ、構造がコンパクトであり、使用する部品の個数を減少し、材料の重量と製造コストを低減することができる。
【0048】
支持フレーム10は、メインシリンダーモジュール20と金型固定部30を支持するとともに、動作中のメインシリンダーモジュール20と金型固定部30からの反力を受ける。従来の油圧装置においては、通常、支持フレーム10の外部にスチールワイヤを巻き付けることにより支持フレーム10の強度を増加させている。しかしながら、従来の設計では、スチールワイヤとスチールストリップは通常定格負荷(Rated toque)より大きい所定のプレストレス(prestress)を印加するので、支持フレーム10は常に受圧の状態になり、支持フレーム10の引張性能(tensile strength)を充分に利用することができない。それにより材料の浪費が発生しかつ装置全体の安全性と信頼性に影響を与えるおそれがある。また、摩擦力不足により巻き付けられたスチールワイヤは滑動することができ、ただ滑動制限装置を増加すると、スチールワイヤの牽引力(pulling force)が一層増加することを回避することができないので、スチールワイヤが切れるおそれが増加する。また、支持フレーム10の局部で受ける力が不均等であるので、支持フレーム10が受ける力を均等にすることができなく、支持フレーム10の全体的な機械的性能を充分に利用することができない。
【0049】
本発明に係る油圧装置100は束縛連結構造を採用し、束縛層が支持フレーム10に予め与える圧力を合理的に設計することにより、本体材料と束縛材料の受け力状態を十分に平衡させ、材料が引っ張り力と圧力を同時に受けることができる特性を発揮して、支持フレーム10を構成する部品の数を効果的に低減し、構造の機械的性能を確保し、材料の使用量とコストを最大限度削減し、装置全体の安全性を効果的に増加させることができる。受け力
【0050】
図5及び図7を参照すると、図5は、従来技術において、油圧装置が作動するとき、支持フレームが力を受けることを示す図であり、図6は、本発明において、支持フレーム10が予圧状態下で力を受けることを示す図であり、図7は、本発明において、油圧装置100が作動するとき、支持フレーム10が力を受けることを示す図である。
【0051】
図5に示されたように、従来の束縛技術において、支持フレーム10は通常、束縛層14(通常、束縛されたスチールワイヤ、スチールストリップにより構成される)により一体に結合される。支持フレーム10が受ける力を示す式は次のとおりである。
σ=σ=ηF/2
【0052】
ここで、σとσはそれぞれ束縛層14と支持フレーム10の断面内に作用する平均引張応力と圧縮応力を示すものであり、AとAは束縛層14と支持フレーム10の断面積を示すものであり、Fは油圧装置の公称圧力(PN)であり、ηは予圧の係数である。束縛力は通常定格負荷より大きい。すなわち圧力係数η>1である。支持フレーム10は、油圧装置の作動状態下で依然として圧力を受ける状態になっており、その結果、強力な支持フレーム10はただスチールワイヤを巻き付ける板体として機能し、常に圧縮応力を受け、その大きな耐引張性能を充分に発揮されない。それに対応して、予圧状態では、束縛層14は定格負荷より大きい引張力を受け、作動状態では、束縛層14はプレス力によって生じる追加の張力を受ける。即ち、束縛層14を構成する材料のみがすべての作業負荷を実際に負担し、積極的な作業を行う。このような構造は、束縛層14の構造の性能に対する要求は高くなり、それとともに支持フレーム10の構造はその耐引張性能を充分に発揮されない。
【0053】
図7に示されたように、本発明の油圧装置100は予圧の状態下において、支持フレームの断面に作用する合力はゼロである。すなわち、
1w=σ1f=ηF/2 (1)
【0054】
ここで、σ1wとσ1fはそれぞれ束縛層とベース部材の断面内に作用する平均の引張応力と圧縮応力を示すものであり、AとAは束縛層14とベース部材の断面積を示すものであり、Fは油圧装置100の公称圧力であり、ηは(予圧)圧力係数である。油圧装置100が作動するとき、支持フレーム10の応力は耐引張状態になっており、束縛層14とベース部材内の全応力は次のとおりである。
σ=σ1w+σ2w
σ=σ2f-σ1f
ここで、0.1≦η≦0.9であり、それらを設計のパラメーターに変換すると、次のとおりである。
σ1f=ηF/2
σ1fは許可圧縮応力[σ]と等しく、組合フレーム13の最小の断面面積は次のとおりである。
=ηF/2[σ] (2)
【0055】
なお、従来技術において、圧力係数ηを1より大きくし、通常、η=1.2にする。本発明において、式(1)及び式(2)を比較すると、以下の内容を知ることができ、即ち本発明の支持フレーム10の断面積Afを従来技術の断面積より数倍小さくすることができる。本発明の構造により材料の使用量を効果的に削減することができる。また、加圧作業をするとき支持フレーム10を耐引張部品として使用することにより、束縛層14のプレストレスを低減し、構造が受ける力を低減し、構造を簡単にすることができる。
【0056】
図8ないし図10を併せて参照すると、図8は本発明の第三実施形態に係る支持フレーム10の構造を示す図であり、図9図8の支持フレーム10が結合状態になっているときの構造を示す図であり、図10図8の支持フレーム10の断面図である。支持フレーム10は密閉環状構造または環状に類似する構造を採用する。名称のとおり、密閉環状構造または環状に類似する構造はいずれも、外環と内環を含み、内環は中空である。メインシリンダーモジュール20と金型固定部30を内環内に取り付けることができる。
【0057】
好ましくは、支持フレーム10の外環は楕円に類似する形状に形成される。より好ましくは、支持フレーム10の縦方向の断面はオリーブ状に類似する密閉環状に形成され、オリーブ状に類似する密閉環状は所定の厚さを有し、支持フレーム10の外観はオリーブを薄く切った形状になっている。すなわち支持フレーム10はオリーブ状の外観を有するように形成され、オリーブ状の支持フレームは円弧の支持であるプレストレスを提供することにより、構造の安定性を更に向上させ、かつ内環により設備が占める空間を低減することができる。すなわち設備の性能を確保する前提下において、設備が占める空間を低減し、設備の重量を低減し、材料の使用量を効果的に削減することができる。
【0058】
本実施例において、中央フレーム12を直接省略することができる。その場合、2つの端部フレーム11の同じ側に位置する2つの第一結合フレーム111が一体に成形されることにより組合フレーム13が形成され、2つの組合フレーム13は長軸を対称軸として対称的に配置されるか或いは略対称に配置され、連結箇所に形成される連結面は、平面、分断連続式曲面または円滑な曲面であることができる。好ましくは、連結面は平面である。
【0059】
2つの組合フレーム13の間に形成される連結面と支持フレーム10の長軸との間の夾角は0°である。すなわち2つは同一平面に位置する。
【0060】
油圧装置100が長軸に沿って伸縮する作業をするとき、支持フレーム10の長軸の両端は引張力を受けるので、2つの組合フレーム13が連結される箇所のエルボー部は主な受圧部分になるが、2つの組合フレーム13は長軸に沿って結合され、2つの組合フレーム13は両者を分離させる方向の力、すなわち短軸の方向の力を受けないので、両者を長軸の方向に沿って固定すればよく、従来の構造と比較すると、この構造は圧力を受ける条件を満たす前提下において、受力を小さくし、設計を合理的にすることができる。
【0061】
本実施例において、各組合フレーム13はいずれも、1つの本体領域131と2つのエルボー領域132を含み、2つのエルボー領域132は本体領域131の両端に対称的に連結され、2つの組合フレーム13が吻合連結されるとき、2つの組合フレーム13のエルボー領域132は接触するとともに連結され、連結箇所には連結面が形成される。好ましい連結面は、平面であり、長軸と同一平面に位置する。
【0062】
油圧装置100において、成形用圧力を提供するメインシリンダーモジュール20と金型固定部30は支持フレーム10の内環内に取付けられ、油圧装置100の伸縮方向と長軸は同軸に配置され、連結面と長軸との間の夾角は0°である。2つの組合フレーム13がマッチングされて1つの密閉構造フレームが形成され、束縛層14が2つの組合フレーム13を結合させるとともに圧力を与えることにより1つの密閉構造フレームが形成される。油圧装置100が作動するとき、油圧装置100が長軸方向で伸縮し、組合フレーム13の両端のエルボー領域132はちょうど長軸の両端に位置する。組合フレーム13の両端のエルボー領域132は所定の作動の負荷を受け、支持フレーム10には主としてシリンダーの移動方向の力が与えられ、2つの組合フレーム13の結合面には両者を分離させる外力が殆ど存在しないので、エルボー領域132を連結させる要求を下げることができる。本体領域131とエルボー領域132は連結モジュールにより連結され、連結モジュールはスペーサーと装着ネジを含み、本体領域131とエルボー領域132にはいずれも取り付け穴が形成されている。組合フレーム13の強度を更に向上させるために、組合フレーム13の1つの本体領域131と2つのエルボー領域132を一体に成形することができる。好ましくは、油圧装置100の作動モジュールは左右方向に同時に伸縮し、かつ左右方向の伸縮力は同じである。油圧装置100は支持フレーム10の中心に位置し、両端のエルボー領域132は左右の加圧点に位置する。密閉構造の性質によって、組合フレーム13の左右の積載バランスをとることができ、従って2つの組合フレーム13を連結させる要求を更に下げることができる。
【0063】
実際の生産では、支持フレーム10を安定に固定させる必要があるので、支持フレーム10に支持ベース15を更に設け、その支持ベース15をいずれか1つの組合フレーム13に取り付けることができる。エルボー領域132における連結面を形成する末端にはピン孔が形成され、ピンにより2つの組合フレーム13の長軸方向の移動を制限し、かつ組合フレーム13の位置を決めることができる。エルボー領域132の間はピンにより連結され、エルボー領域132の長軸方向の受力は非常に小さいので、エルボー領域132が固定位置から離れないことを確実にすることだけが必要である。ピンで固定することにより、構造を簡単にし、組み立てを容易にすることができので、利便性がよい。密閉状態でエルボー部の端面には一定の摩擦力が存在するので、連結部品または設計要求(または設計の難度)を伝動の技術より充分低くする(或いは充分容易にする)ことができる。2つの組合フレーム13の短軸方向の移動を制限する必要があるが、実際に束縛力によりそれを確保することができる。支持フレーム10の束縛層14にとって、支持フレーム10の外周表面には環状の凹溝が形成され、束縛層14は凹溝内に取り付けられかつ凹溝の辺縁部から突出しないように形成され、凹溝の底部の幅と凹溝の開口の幅は一致し、束縛層14の幅と凹溝の底部の幅は一致する。支持フレーム10の外周表面の束縛層14により束縛する。構造の形状、材料の特性等に応じて予圧の束縛力を適切な値に設定することにより、フレームが予圧状態で許容圧力値になり、かつその作動状態での引張応力が許容範囲内にあるようにすることができる。したがって、従来技術のように、束縛力を油圧装置100の定格負荷より大きくすることにより、作動状態で立柱部と上部ビームが離れないように確保することを必要としない。好ましくは、束縛層14は巻き付けられるスチールワイヤ(スチールストリップ)であり、凹溝の底面は非平滑面であるので、巻き付けられるスチールワイヤと凹溝の底面との間の摩擦力を増加させ、巻き付け構造の安定性と構造の剛性を確保し、支持フレーム10が変形する可能性を低減し、支持フレーム10の安定な性能を確保することができる。また、支持フレーム10の本体領域131とエルボー領域132は、中空構造を採用するか、或いは一部分だけ中空構造を採用することにより、連結の安定性と支持の剛性を確保するとともに材料の使用量を低減することができる。
【0064】
本発明において束縛連結手段を採用し、設計要件に応じて、束縛層14が支持フレーム10に与えるプレストレスを合理的な数値に設定することができる。構造の形状、材料の特性等に応じて予圧の束縛力を適切な値に設定することにより、フレームが予圧状態で最大の許容圧力値より小さく、かつその作動状態での引張応力が許容範囲内にあるようにすることができる。したがって、従来技術のように、束縛力を油圧装置100の定格負荷より大きくすることにより、作動状態で立柱部と上部ビームが離れないように確保することを必要としない。
【0065】
本発明において、支持フレーム10と束縛層14を同時に使用することにより、支持フレーム10の材料と束縛材料の受力状態の最良のバランスを取ることができ、材料が引張応力と圧縮応力を同時に受ける特性を充分に発揮し、支持フレームを構成する部品の数を従来技術より効果的に低減し、構造の機械的性能を確保する前提下において材料の使用量とコストを最大限度削減し、かつ構造全体の安全性を効果的に増加させることができる。
【0066】
本発明の構造において、支持フレーム10の材料と束縛層の材料はいずれも作業負荷を受け、そのうち1つが切れても他の1つにより負荷を支持することができるので、その束縛構造により支持フレームの構造の安全性を効果的に確保し、構造が合理的であり、実現が容易であり、実用性が高く、様々な分野に普及、応用することができる。
【0067】
2つの組合フレーム13が連結された箇所に形成される連結面の平均法線と支持フレーム10の長軸との間の夾角は10°~90°であり、法線は平面に垂直であり、平均法線は連結面の中立面(neutral surface)である。例えば、連結面は、円弧、滑らかな曲面、ステップ面である場合、平均法線は選択される中立値である。油圧装置100が長軸に沿って伸縮作業を行うとき、支持フレーム10の長軸の両端は主に引張力を受けるので、2つの組合フレーム13の連結箇所は主に剪断力を受ける。2つの組合フレーム13は長軸に沿って結合され、2つの組合フレーム13には2つの組合フレーム13を短軸方向に沿って分離させる力が与えられないので、両者を長軸方向に沿って固定すればよい。特に、上下の2つの組合フレーム13が対称的に形成される(或いは対称的に変形する)場合、2つの組合フレーム13の間には剪断力がないか、ほとんどないので、従来技術と比較すると、引張応力と圧縮応力を受ける条件を満たす条件下において、受力をより小さくし、設計を合理的にすることができる。
【0068】
図11図12を併せて参照すると、図11は本発明の連結平面に関する実施形態を示す図であり、図12は本発明の連結平面に関する他の実施形態を示す図である。好ましくは、組合フレーム13が連結される箇所の連結面は2つの平面で構成され、その2つの平面を第一連結平面133および第二連結平面134という。図10に示されたように、第一連結平面133と第二連結平面134は平行に配置されるか、或いは図11に示されたように、対称的に配置されることができる。いずれの配置方法を採用しても、組合フレーム13の長軸と短軸の両方で受ける力は小さい。
【0069】
支持フレーム10の長軸と連結面の平均法線との間の夾角は10°~90°である。すなわち支持フレーム10の長軸が第一連結平面133と第二連結平面134に位置する場合、2つの組合フレーム13の短軸は力を殆ど受けない。
【0070】
図13を一緒に参照すると、図13は本発明の第四実施形態に係る支持フレーム10の部分断面図である。支持フレーム10の信頼性と安定性を更に向上させるために、支持フレーム10に過渡層16を更に設ける。過渡層16は支持フレーム10の外周の表面に沿って支持フレーム10の外周の表面に取り付けられることにより支持フレーム10を覆う。過渡層16の外周の外表面は支持フレーム10の外部に突出しかつ円滑に連結されるように形成される。
【0071】
図14ないし図17を参照すると、図14は本発明の第一過渡層161の構造を示す図であり、図15図14の第一過渡層161の部分拡大図であり、図16は本発明の第二過渡層162の構造を示す図であり、図17図16の第二過渡層162の部分拡大図である。過渡層16は、支持フレーム10を覆う構造として、支持フレーム10を束縛することにより支持フレーム10に支持力を提供し、かつスチールワイヤを巻き付けるときスチールワイヤを支持するフレームになる。過渡層16は少なくとも第一過渡層161と第二過渡層162を含み、第一過渡層161は密閉型環状層であり、支持フレーム10の外周の表面に取り付けられ、第二過渡層162は第一過渡層161に取り付けられる。第一過渡層161の役割は支持フレーム10を均一に被覆し、支持フレーム10を締め付け、強い支持を提供することであり、第二過渡層162の役割は過渡層の外環の壁部を円滑に連結される形状にすることにより過渡層が支持フレーム10に与える束縛の強度を向上させることである。スチールワイヤに受力が良い幾何学的形状を提供するために、スチールワイヤが巻き付けられた後、外部に突出しかつ滑らかな遷移構造であるので、本発明は強度の高い支持を提供することができる。
【0072】
好ましくは、第一過渡層161の厚さは均一であり、第二過渡層162の厚さは関数により変化する。すなわち、第二過渡層162の厚さは外周方向に沿って徐々に変化する。第一過渡層161の厚さは均一であるので、支持フレーム10の周囲の各方向の受力が均等になることを確保し、第二過渡層162の厚さが関数により変化するので、円滑に連結される外壁を提供することができる。もちろん、関数関係は幾何学的な公式を選択することが好ましい。第二過渡層162は密閉型環状層であり、第二過渡層162の外環の壁部の縦断面は規則幾何学的形状公式を満たす。例えば、円形、楕円形、オリーブ状等の幾何学的形状公式を満たす。すなわち第二過渡層162の外環の壁部の縦断面は規則幾何学的形状である。
【0073】
好ましくは、第二過渡層162の外環の壁部の縦断面は楕円形またはオリーブ状に形成され、かつ長軸と短軸を含むので、支持フレーム10内に構造を有している部品を取り付けることができ、かつ楕円形またはオリーブ状に形成されることにより安定性を向上させ、機械的性能を増加させることができる。
【0074】
過渡層16は支持フレーム10を強化させるベース部材であり、過渡層16の構造が簡単であると、本発明の生産と加工を容易に実施することができる。過渡層16は複数の支持構造層163が重畳されかつ支持構造層の間の継ぎ目がずれるように形成される。すなわち第一過渡層161と第二過渡層162は複数の支持構造層163が重畳されかつ支持構造層の間の継ぎ目がずれるように形成される。支持構造層163の厚さは多重比率関係を有するように形成され、支持構造層163は厚さが一致している複数の鋼板の前後を環状に接続させることにより形成され、長さが異なっている複数の鋼板を「重畳」させることにより支持構造層163を所定の形状にすることができる。支持構造層の間の継ぎ目がずれるように複数の支持構造層163を重畳させて過渡層16を形成する。支持構造層163の材料として、好ましくは厚さが一致している板材を採用し、支持構造層の間の継ぎ目がずれるように支持構造層163を重畳させることにより、所定の位置または小さい領域内に集中されて耐圧性能が低下し、構造の強度が低下することを防止することができる。また、各層の支持構造層163は、複数の鋼板の前後を接続させることにより形成され、製造中の剰余の材料または廃棄の材料を利用することができる。支持構造層163は支持構造層の間の継ぎ目がずれるように形成されるので、構造的支持の強度を確保し、材料を節約することができる。また、支持構造層163の鋼板は、形状が異なっている様々な鋼板の前後を接続させることができるので、強度を満たすとともに鋼板に対する限定要件を軽減することができ、例えば、サイズ及び形状が異なる様々な孔または切欠口の鋼板を採用してその前後を接続させることによりが形成されることもできる。
【0075】
支持フレーム10にはその外周に沿う環状の凹溝17が形成され、過渡層16は凹溝17内に設置され、過渡層16は凹溝17の辺縁部から突出しないように設置され、凹溝17の底部の幅は凹溝17の開口の幅と一致するか或いは凹溝17の底部の幅は凹溝17の開口の幅より小さい。過渡層16の幅は変化しないか或いは過渡層16の幅と凹溝17の横断面は一緒に変化することができる。凹溝17は支持フレーム10の環状の外周に沿って形成され、凹溝17は密閉の形状に形成される。凹溝17は支持フレーム10の外周面から環状に突出している凸部であることができる。凹溝17により過渡層16とスチールワイヤの位置を決めることができるので、支持フレーム10に過渡層16を束縛し、スチールワイヤを容易に巻き付けることができる。過渡層16は凹溝17の底面に付着されており、過渡層16も密閉の環状であり、過渡層16が凹溝17の底面に緊密に取り付けられることを確保することができる。スチールワイヤを過渡層16に巻き付けるとき、プレストレスを形成することにより、過渡層16と支持フレーム10を連結させ、支持フレームを形成することができる。スチールワイヤを巻き付けるとき、スチールワイヤの厚さが凹溝17の表面から突出しないように留意する必要がある。それにより支持フレームの安定な機械的性能を確保し、かつ装置の外観の美観を確保することができ、巻き付けられるスチールワイヤが凹溝17の表面から突出することにより放置と装着の安定性に影響を与えることを防止することができる。好ましくは、凹溝17の底面の幅は凹溝17の開口の幅と一致し、過渡層16の幅は凹溝17の底面の幅と一致するか、或いは過渡層16の幅は凹溝17の底面の幅より小さい。それにより過渡層16を容易に取り付け、過渡層16を取り付けるときその過渡層16により凹溝17をその底面からよく覆い、過渡層16と凹溝17の側壁に隙間を形成することを防止し、かつスチールワイヤを巻き付けるときスチールワイヤが凹溝17の底面に直接当接することを回避することができる。なお、過渡層16の厚さは変化しないか、或いは凹溝17の横断面の変化により変化することにより、過渡層16と凹溝17の底面及び側面を緊密に付着させることができる。支持フレーム10に凹溝17を形成しなくてもよい。その場合、支持フレーム10に過渡層16とスチールワイヤを取り付けた後、その両側に側板を連結させることにより、支持フレーム10、過渡層16およびスチールワイヤを覆うとともに固定させることができるので、美観を確保するとともに過渡層16およびスチールワイヤの移動を制限することができる。
【0076】
本発明において、過渡層16にスチールワイヤを巻き付け、過渡層16と支持フレーム10を安定に固定させてスチールワイヤを巻き付けるために支持枠を提供することができ、支持フレーム10が支持枠になることを回避することができる。支持フレーム10は一体に成形される構造ではなく、複数の鉄製の鋳造部品を接続させることにより支持フレーム10を形成することもできる。すなわち複数の鉄製の鋳造部品を接続させ、過渡層16を取り付けた後、スチールワイヤを巻き付けることにより、支持フレーム10による安定な支持を獲得することができる。支持フレーム10は主に内環内の装置に支持を提供し且つ圧力を受けるために用いられるので、過渡層16とスチールワイヤにより支持フレーム10の構造を簡単にし、支持フレーム10の製造を簡単にし、製造コストと材料の使用量を低減し、資源を節約することができる。
【0077】
過渡層16が凹溝17の底面に取り付けられることにより、スチールワイヤを巻き付けるための支持枠を提供するだけではなく、且つ摩擦力を有するので、後の使用中に鋼板が移動することを防止し、かつ巻き付けられるスチールワイヤの安定性を確保することができる。過渡層16の上表面は非平滑面であり、鋼板の上表面の摩擦力により巻き付けられるスチールワイヤに大きい摩擦力を提供し、スチールワイヤが巻き付けられる支持フレームの安定性を向上させることができる。好ましくは、凹溝17の底面と接触する過渡層16の下表面に菱形突出部を形成し、凹溝17の底面に菱形突出部にマッチングする菱形凹部を形成することができる。鋼板と凹溝17の底面をマッチングさせるとき、過渡層16が外周に沿って移動しないように菱形突出部は抵抗を提供することができる。過渡層16の上表面にも摩擦力を増加させるか或いはスチールワイヤを固定させる構造を形成することにより、巻き付け構造の安定性と構造の強度を確保し、支持フレームが変形するリスクを低減することができる。
【0078】
本発明に係る油圧装置100は、支持フレーム10によりメインシリンダーモジュール20と金型固定部30を固定させて1つの密閉構造フレームを形成し、1組、2組または複数組を配列する場合も加圧作業を実施することができ、構造がコンパクトであり、使用する部品の個数を減少し、材料の重量と製造コストを低減することができる。
【0079】
当業者であれば、矛盾が発生しないかぎり、上記の様々な好ましい実施例を自由に組み合わせるか、重ね合わせることができると容易に理解されるべきである。
【0080】
なお、前記実施例はただ例示であり、本発明を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、当業者は上記の詳細説明に対して様々な明らかな又は同等の変更又は交換等をすることができ、そのような変更、交換等があっても本発明に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0081】
100 油圧装置
10 支持フレーム
11 端部フレーム
111 第一結合フレーム
12 中央フレーム
121 第二結合フレーム
13 組合フレーム
131 本体領域
132 エルボー領域
133 第一連結平面
134 第二連結平面
14 束縛層
15 支持ベース
16 過渡層
161 第一過渡層
162 第二過渡層
163 支持構造層
17 凹溝
20 メインシリンダーモジュール
21 シリンダー
22 ピストン
30 金型固定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17