(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】基材の非印刷マージンの低減によるデジタル印刷システムの印刷出力の改善
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
B41J2/01 101
B41J2/01 305
B41J2/01 301
(21)【出願番号】P 2021526703
(86)(22)【出願日】2019-11-02
(86)【国際出願番号】 IB2019059420
(87)【国際公開番号】W WO2020099976
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-08-19
(32)【優先日】2018-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514210005
【氏名又は名称】ランダ コーポレイション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】リーン,アブシャロム
(72)【発明者】
【氏名】ウィナー,イッタイ
(72)【発明者】
【氏名】バー-オン,マタン
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-524756(JP,A)
【文献】特開2019-217664(JP,A)
【文献】特開2016-155369(JP,A)
【文献】特表2015-514606(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0160677(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)画像形成ステーションにおいて液滴付着によってインク画像が形成されるように動作可能な可撓性ベルトを備える中間転写部材(ITM)と、
(b)前記インク画像が前記ITMによってインプレッションステーションに搬送された後に、前記インク画像を基材に転写するように構成されたインプレッションステーションと
を備える印刷システムであり、前記インプレッションステーションは、
(i)実質的に埋め込まれた複数のグリッパを収容するインプレッションシリンダ間隙を有する回転可能なインプレッションシリンダと、
(ii)圧力シリンダアセンブリであって、
(A)圧力シリンダ間隙を有し、前記インプレッションシリンダと同期して、前記インプレッションシリンダと反対方向に回転するように動作可能な圧力シリンダであって、前記圧力シリンダ間隙の後縁と前記圧力シリンダの外周面とをつなぐ角部を備える圧力シリンダ、
(B)前記圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置された圧縮性ブランケット、および
(C)少なくとも前記角部における前記圧力シリンダと前記圧縮性ブランケットとの間に介装されるマージンインサートであって、前記マージンインサートの存在により前記角部における前記圧力シリンダアセンブリの外部形状が変化する、マージンインサート
を備える、圧力シリンダアセンブリとを備える、印刷システムであって、
前記マージンインサートの存在による前記圧力シリンダアセンブリの局所外部形状の変化は、前記基材の前縁における非印刷マージンの寸法を低減するのに有効である、印刷システム。
【請求項2】
前記圧力シリンダアセンブリは、
(D)前記圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置され、前記圧力シリンダと前記圧縮性ブランケットとの間に介装されたパッキンシートであって、そのことにより前記マージンインサートが前記パッキンシートと前記圧縮性ブランケットとの間に介装される、パッキンシートをさらに備える、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記圧力シリンダアセンブリは、
(D)前記圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置され、前記圧力シリンダと前記圧縮性ブランケットとの間に介装されたパッキンシートであって、そのことにより前記マージンインサートが前記圧力シリンダと前記パッキンシートとの間に介装される、パッキンシートをさらに備える、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
(i)前記インプレッションシリンダの表面は、前記グリッパから周方向に変位された偏向部分を備え、
(ii)前記インプレッションシリンダの回転の都度、前記ITMから前記基材へのインク画像の転写は、前記グリッパと前記偏向部分との間に位置する前記インプレッションシリンダの表面上の第1の転写点で開始する、請求項1~請求項3のうちのいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記角部における前記圧力シリンダアセンブリの前記局所外部形状は、少なくとも一部は前記マージンインサートの厚さおよび位置によって決定される、請求項1~請求項4のうちのいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記グリッパと前記第1の転写点との間の距離は、少なくとも一部は前記マージンインサートの厚さおよび位置によって決定される、請求項
4に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記偏向部分は、前記インプレッションシリンダの表面の撓みを含み、前記撓みは、前記表面の前記偏向部分と前記グリッパとの間の部分をグリッパアンビルの上面と実質的にぴったりと合わせるように選択された角度を有する、
請求項4または6に記載の印刷システム。
【請求項8】
中間転写部材(ITM)から基材へインク画像を転写するように構成されたインプレッションステーションを備える印刷システムであって、前記ITMは、可撓性ベルトを備え、前記インプレッションステーションは、
(a)実質的に埋め込まれた複数のグリッパを収容するインプレッションシリンダ間隙を有する回転可能なインプレッションシリンダであって、前記インプレッションシリンダの表面がグリッパから周方向に変位された偏向部分を備え、転写中に、インク画像の前縁が前記グリッパと前記偏向部分との間の前記インプレッションシリンダの表面上の第1の転写点と位置合わせされる、回転可能なインプレッションシリンダと、
(b)(A)圧力シリンダ間隙を有し、前記インプレッションシリンダと同期して、前記インプレッションシリンダと反対方向に回転するように動作可能な圧力シリンダ、(B)前記圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置された圧縮性ブランケット、および(C)前記インプレッションシリンダと前記圧縮性ブランケットとの間に介装されたマージンインサートであって、前記マージンインサートの存在は前記グリッパと前記第1の転写点との間の距離を低減するのに有効である、マージンインサートを備える圧力シリンダアセンブリと
を備える、印刷システム。
【請求項9】
前記圧力シリンダアセンブリは、(D)前記圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置され、前記圧力シリンダと前記圧縮性ブランケットとの間に介装されたパッキンシートであって、そのことにより前記マージンインサートが前記パッキンシートと前記圧縮性ブランケットとの間に介装される、パッキンシートをさらに備える、請求項8に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記圧力シリンダアセンブリは、(D)前記圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置され、前記圧力シリンダと前記圧縮性ブランケットとの間に介装されたパッキンシートであって、そのことにより前記マージンインサートが前記圧力シリンダと前記パッキンシートと前記圧縮性ブランケットとの間に介装される、パッキンシートをさらに備える、請求項8に記載の印刷システム。
【請求項11】
(i)前記圧力シリンダは、前記圧力シリンダ間隙の後縁と前記圧力シリンダの外周面とをつなぐ角部を備え、
(ii)前記角部における前記圧力シリンダアセンブリの
局所外部形状は、少なくとも一部は前記マージンインサートの厚さおよび位置によって決定される、請求項8~請求項10のうちのいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項12】
前記グリッパと前記第1の転写点との間の距離は、少なくとも一部は前記マージンインサートの厚さおよび位置によって決定される、請求項8~請求項11のうちのいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項13】
前記偏向部分は、前記インプレッションシリンダの表面の撓みを含み、前記撓みは、前記表面の前記偏向部分と前記グリッパとの間の部分をグリッパアンビルの上面と実質的にぴったりと合わせるように選択された角度を有する、請求項8~請求項12のうちのいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項14】
(a)可撓性ベルトを備える回転中間転写部材(ITM)から基材にインク画像を転写するのに使用するためのインプレッションシリンダであって、実質的に埋め込まれた複数のグリッパを収容するインプレッションシリンダ間隙を有し、そのことにより、転写中に、前記インク画像の前縁が前記インプレッションシリンダの表面上の前記グリッパから周方向に変位された第1の転写点と位置合わせされ、前記第1の転写点の位置は、前記基材の前縁の非印刷マージンの寸法に対応する、インプレッションシリンダと、
(b)圧力シリンダおよび複数の圧力シリンダ被覆を備える圧力シリンダアセンブリであって、前記複数の圧力シリンダ被覆は、組み合わされて前記圧力シリンダの周囲の位置に対する厚み差を有し、前記厚み差は、前記第1の転写点の位置を変化させ、そのことにより前記非印刷マージンの寸法を低減するのに有効である、圧力シリンダアセンブリと
を備える印刷システム。
【請求項15】
前記複数の圧力シリンダ被覆は、前記圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置された第1の圧力シリンダ被覆と、前記圧力シリンダの周囲のわずか10%に配置された第2の圧力シリンダ被覆とを含む、請求項14に記載の印刷システム。
【請求項16】
前記グリッパと前記第1の転写点との間の距離は、少なくとも一部は前記第2の圧力シリンダ被覆の厚さおよび位置によって決定される、請求項
15に記載の印刷システム。
【請求項17】
(i)前記インプレッションシリンダの表面は、前記グリッパから周方向に変位された偏向部分を備え、
(ii)前記偏向部分は、前記インプレッションシリンダの表面の撓みを含み、前記撓みは、前記表面の前記偏向部分と前記グリッパとの間の部分をグリッパアンビルの上面と実質的にぴったりと合わせるように選択された角度を有する、請求項14~請求項16のうちのいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項18】
可撓性ベルトを備える回転中間転写部材(ITM)から基材にインク画像を転写するための印刷システムで使用するための圧力シリンダアセンブリであり、
(a)圧力シリンダと、
(b)前記圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置された第1のシリンダ被覆と、
(c)前記圧力シリンダと前記第1のシリンダ被覆との間に介装され、前記圧力シリンダの周囲の5%未満に配置された第2のシリンダ被覆と
を備える、圧力シリンダアセンブリであって、
前記第2のシリンダ被覆の存在による前記圧力シリンダアセンブリの局所外部形状の変化は、前記基材の前縁における非印刷マージンの寸法を低減するのに有効である、圧力シリンダアセンブリ。
【請求項19】
前記印刷システムは、実質的に埋め込まれた複数のグリッパを収容するインプレッションシリンダ間隙を有するインプレッションシリンダをさらに備える、請求項18に記載の圧力シリンダアセンブリ。
【請求項20】
前記圧力シリンダは、圧力シリンダ間隙を有し、
(i)前記圧力シリンダは、前記圧力シリンダ間隙の後縁と前記圧力シリンダの外周面とをつなぐ角部を備え、
(ii)前記第2のシリンダ被覆は、前記角部を覆う、請求項18または請求項19に記載の圧力シリンダアセンブリ。
【請求項21】
第2のシリンダ被覆は、各々のインク画像の前縁の基材への転写に役立つように動作可能な前記圧力シリンダの周囲の一部を覆う、請求項18~請求項20のうちのいずれか一項に記載の圧力シリンダアセンブリ。
【請求項22】
インク画像が、回転中間転写部材(ITM)上への液滴付着によって形成され、その後、前記ITMによってインプレッションステーションに搬送され、そこで基材に転写される印刷システムであり、前記インプレッションステーションは、(a)実質的に埋め込まれた複数のグリッパを収容するインプレッションシリンダ間隙を有する回転可能なインプレッションシリンダと、(b)前記インプレッションシリンダと反対方向に回転するように動作可能な圧力シリンダとを備える、印刷システムを動作させる方法であって、前記方法は、
前記インプレッションステーションにおいて、転写中に前記インク画像の前縁が前記インプレッションシリンダの表面上の第1の転写点と位置合わせされるように、前記インク画像を前記ITMから前記基材に転写するために、前記圧力シリンダと前記インプレッションシリンダとの間に圧力を加えるステップを含み、
前記インプレッションシリンダの回転の都度、前記第1の転写点に対向する前記圧力シリンダの周囲部分は、前記圧力シリンダとその周囲に配置された圧縮性ブランケットとの間に介装されたマージンインサートの存在を特徴とし、前記マージンインサートの存在は、前記基材の前縁における非印刷マージンの寸法を低減するのに有効である、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2018年11月18日に出願された米国仮特許出願第62768941号の利益を主張するものである。この特許の内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする。
【技術分野】
【0002】
本発明は、可撓性ベルトを備える中間転写媒体を使用するデジタル印刷システムによって生成された印刷出力を改善するためのシステムおよび方法に関する。特に、本発明は、そのような印刷システムにおいて基材に転写される画像の前縁マージンを低減するのに適している。
【背景技術】
【0003】
印刷装置は、インク画像を形成するインク液滴を中間転写部材の表面上に付着させるためにインクジェット印刷ヘッドが使用され、次いで中間転写部材が画像を基材上に転写するために使用される、間接インクジェット印刷プロセスを使用することができる。中間転写部材(ITM)は、可撓性ベルトであり得る。ITMが画像転写ステーションまたはインプレッションステーションを横断するときのITMの損傷または過度の摩耗の可能性を低減するために、インプレッションシリンダのグリッパは埋め込まれ得る。インプレッションシリンダ間隙内に埋め込まれたグリッパを用いて作動させるには、基材の折り目またはしわを回避するためにインプレッションシリンダの表面の幾何学的形状を変化させる必要があり得、この変化は、基材に転写されたインク画像の前縁の非印刷マージンの望ましくない拡大をもたらし得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、デジタル印刷システムに関する。実施形態では、印刷システムは、画像形成ステーションにおける液滴付着によってインク画像が形成されるように動作可能な可撓性ベルトを備える中間転写部材(ITM)と、ITMによってインク画像が搬送された後にインク画像を基材に転写するように構成されたインプレッションステーションとを備え、インプレッションステーションは、(i)実質的に埋め込まれた複数のグリッパを収容するインプレッションシリンダ間隙を有する回転可能なインプレッションシリンダと、(ii)圧力シリンダアセンブリとを備え、圧力シリンダアセンブリは、(A)圧力シリンダ間隙を有し、インプレッションシリンダと同期して、インプレッションシリンダとは反対方向に回転するように動作可能な圧力シリンダであって、圧力シリンダ間隙の後縁と圧力シリンダの外周面とをつなぐ角部を備える圧力シリンダ、(B)圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置された圧縮性ブランケット、および(C)少なくとも角部における圧力シリンダと圧縮性ブランケットとの間に介装されたマージンインサートであって、マージンインサートの存在により角部における圧力シリンダアセンブリの局所外部形状が変化する、マージンインサートであって、マージンインサートによる圧力シリンダアセンブリの局所外部形状の変化は基材の前縁の非印刷マージンの寸法を低減するのに有効である、マージンインサートを備える。
【0005】
いくつかの実施形態では、圧力シリンダアセンブリは、(D)圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置され、圧力シリンダと圧縮性ブランケットとの間に介装されたパッキンシートであって、そのことによりマージンインサートがパッキンシートと圧縮性ブランケットとの間に介装される、パッキンシートをさらに備え得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、圧力シリンダアセンブリは、(D)圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置され、圧力シリンダと圧縮性ブランケットとの間に介装されたパッキンシートであって、そのことによりマージンインサートが圧力シリンダとパッキンシートとの間に介装される、パッキンシートをさらに備え得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、(i)インプレッションシリンダの表面は、グリッパから周方向に変位された偏向部分を備え、(ii)インプレッションシリンダの回転の都度、ITMから基材へのインク画像の転写は、グリッパと偏向部分との間に位置するインプレッションシリンダの表面上の第1の転写点で開始してもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、角部における圧力シリンダアセンブリの局所外部形状は、少なくとも一部はマージンインサートの厚さおよび位置によって決定され得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、グリッパと第1の転写点との間の距離は、少なくとも一部はマージンインサートの厚さおよび位置によって決定され得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、偏向部分は、インプレッションシリンダの表面の撓みを含み得、撓みは、前記表面の偏向部分とグリッパとの間の部分をグリッパアンビルの上面と実質的にぴったりと合わせるように選択された角度を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、マージンインサートは、圧力シリンダの周囲のわずか10%に配置され得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、マージンインサートは、圧力シリンダの周囲のわずか5%に配置され得る。
【0013】
実施形態では、印刷システムは、可撓性ベルトを備える中間転写部材(ITM)からインク画像を基材に転写するように構成されたインプレッションステーションを備え、インプレッションステーションは、(i)実質的に埋め込まれた複数のグリッパを収容するインプレッションシリンダ間隙を有する回転可能なインプレッションシリンダであって、インプレッションシリンダの表面はグリッパから周方向に変位された偏向部分を備え、そのことにより、転写中に、インク画像の前縁がグリッパと偏向部分との間のインプレッションシリンダの表面上の第1の転写点と位置合わせされる、インプレッションシリンダと、(ii)圧力シリンダアセンブリとを備え、圧力シリンダアセンブリは、(A)圧力シリンダ間隙を有し、インプレッションシリンダと同期して、インプレッションシリンダとは反対方向に回転するように動作可能な圧力シリンダ、(B)圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置された圧縮性ブランケット、および(C)インプレッションシリンダと圧縮性ブランケットとの間に介装されたマージンインサートであって、マージンインサートの存在はグリッパと第1の転写点との間の距離を低減するのに有効である、マージンインサートを備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、圧力シリンダアセンブリは、(D)圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置され、圧力シリンダと圧縮性ブランケットとの間に介装されたパッキンシートであって、そのことにより、マージンインサートがパッキンシートと圧縮性ブランケットとの間に介装される、パッキンシートをさらに備え得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、圧力シリンダアセンブリは、(D)圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置され、圧力シリンダと圧縮性ブランケットとの間に介装されたパッキンシートであって、そのことによりマージンインサートが圧力シリンダとパッキンシートと圧縮性ブランケットとの間に介装される、パッキンシートをさらに備え得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、(i)圧力シリンダ間隙の後縁と圧力シリンダの外周面とをつなぐ角部を備え、(ii)角部における圧力シリンダアセンブリの局所外部形状は、少なくとも一部はマージンインサートの厚さおよび位置によって決定されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、グリッパと第1の転写点との間の距離は、少なくとも一部はマージンインサートの厚さおよび位置によって決定され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、偏向部分は、インプレッションシリンダの表面の撓みを含み得、撓みは、前記表面の偏向部分とグリッパとの間の部分をグリッパアンビルの上面と実質的にぴったりと合わせるように選択された角度を有する。
【0019】
いくつかの実施形態では、マージンインサートは、圧力シリンダの周囲のわずか10%に配置され得る。いくつかの実施形態では、マージンインサートは、圧力シリンダの周囲のわずか5%に配置され得る。
【0020】
実施形態では、(a)印刷システムは、可撓性ベルトを備える回転中間転写部材(ITM)からインク画像を基材に転写するのに使用するためのインプレッションシリンダであって、インプレッションシリンダは、実質的に埋め込まれた複数のグリッパを収容するインプレッションシリンダ間隙を有し、そのことにより、転写中に、インク画像の前縁がインプレッションシリンダの表面上のグリッパから周方向に変位された第1の転写点と位置合わせされ、第1の転写点の位置は、基材の前縁の非印刷マージンの寸法に対応する、インプレッションシリンダと、(b)圧力シリンダおよび複数の圧力シリンダ被覆を備える圧力シリンダアセンブリであって、複数の圧力シリンダ被覆は、組み合わされて圧力シリンダの周囲の位置に対する厚み差を有し、厚み差は、第1の転写点の位置を変化させ、そのことにより非印刷マージンの寸法を低減するのに有効である、圧力シリンダアセンブリとを備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、複数の圧力シリンダ被覆は、圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置された第1の圧力シリンダ被覆と、圧力シリンダの周囲のわずか10%に配置された第2の圧力シリンダ被覆とを含み得る。いくつかの実施形態では、第2の圧力シリンダ被覆は、圧力シリンダの周囲のわずか5%に配置され得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、グリッパと第1の転写点との間の距離は、少なくとも一部は第2の圧力シリンダ被覆の厚さおよび位置によって決定される。
【0023】
いくつかの実施形態では、グリッパのインプレッションシリンダ間隙への埋め込みは、ITMの横断によって引き起こされるグリッパのITMへの力を低減するのに有効である。
【0024】
いくつかの実施形態では、(i)インプレッションシリンダの表面は、グリッパから周方向に変位された偏向部分を含み、(ii)偏向部分は、インプレッションシリンダの表面の撓みを含んでもよく、撓みは、前記表面の偏向部分とグリッパとの間の部分をグリッパアンビルの上面と実質的にぴったりと合わせるように選択された角度を有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、複数の圧力シリンダ被覆は、圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置され、圧力シリンダと第2のシリンダ被覆との間に介装された第3のシリンダ被覆をさらに備え得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、複数の圧力シリンダ被覆は、圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置され、第2のシリンダ被覆と第1の圧力シリンダ被覆との間に介装された第3のシリンダ被覆をさらに備え得る。
【0027】
実施形態では、可撓性ベルトを備える回転中間転写部材(ITM)から基材にインク画像を転写するために印刷システムで使用するための圧力シリンダアセンブリは、(a)圧力シリンダと、(b)圧力シリンダの少なくとも大部分に配置された第1のシリンダ被覆と、(c)圧力シリンダと第1のシリンダ被覆との間に介装され、圧力シリンダの周囲の5%未満に配置された第2のシリンダ被覆とを備え、第2のシリンダ被覆の存在による圧力シリンダアセンブリの局所外部形状の変化は、基材の前縁の非印刷マージンの寸法を低減するのに有効である。
【0028】
いくつかの実施形態では、印刷システムは、実質的に埋め込まれた複数のグリッパを収容するインプレッションシリンダ間隙を有するインプレッションシリンダをさらに備え得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、圧力シリンダは、圧力シリンダ間隙を有し得、圧力シリンダは、圧力シリンダ間隙の後縁と圧力シリンダの外周面とをつなぐ角部を備え得、第2のシリンダ被覆は、角部を覆い得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、第2のシリンダ被覆は、各々のインク画像の前縁の基材への転写に役立つように動作可能な圧力シリンダの周囲の一部を覆い得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、圧力シリンダアセンブリは、圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置され、圧力シリンダと第2のシリンダ被覆との間に介装された第3のシリンダ被覆をさらに備え得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、圧力シリンダアセンブリは、圧力シリンダの周囲の少なくとも大部分に配置され、第2のシリンダ被覆と第1の圧力シリンダ被覆との間に介装された第3のシリンダ被覆をさらに備え得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、印刷システムは、圧力シリンダアセンブリを備え得る。
【0034】
インク画像が、回転中間転写部材(ITM)上への液滴付着によって形成され、その後、ITMによってインプレッションステーションに搬送され、そこで基材に転写される印刷システムであり、インプレッションステーションは、(a)実質的に埋め込まれた複数のグリッパを収容するインプレッションシリンダ間隙を有する回転可能なインプレッションシリンダと、(b)インプレッションシリンダと反対方向に回転するように動作可能な圧力シリンダとを備える、印刷システムを動作させる方法を、実施形態に従って開示する。該方法は、インプレッションステーションにおいて、転写中にインク画像の前縁がインプレッションシリンダの表面上の第1の転写点と位置合わせされるように、インク画像をITMから基材に転写するために、圧力シリンダとインプレッションシリンダとの間に圧力を加えるステップを含み、インプレッションシリンダの回転の都度、第1の転写点に対向する圧力シリンダの周囲部分は、圧力シリンダとその周囲に配置された圧縮性ブランケットとの間に介装されたマージンインサートの存在を特徴とし、マージンインサートの存在は、基材の前縁における非印刷マージンの寸法を低減するのに有効である。
【0035】
いくつかの実施形態では、(i)マージンインサートのサイズおよび位置は、少なくとも部分的に圧力シリンダアセンブリの局所外部形状を決定し、(ii)圧力シリンダアセンブリの局所外部形状は、少なくとも部分的に第1の転写点の位置を決定してもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、(i)圧力シリンダは、圧力シリンダ間隙を有し、(ii)インプレッションシリンダの回転の都度、第1の転写点に対向する圧力シリンダアセンブリの周囲部分は、圧力シリンダ間隙の後縁と圧力シリンダの外周面とをつなぐ角部をさらに特徴としてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1の転写点は、グリッパと、グリッパから周方向に変位された偏向部分との間に位置し得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、偏向部分は、インプレッションシリンダの表面の撓みを含み得、撓みは、前記表面の偏向部分とグリッパとの間の部分をグリッパアンビルの上面と実質的にぴったりと合わせるように選択された角度を有する。
【0039】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるマージンインサートは、マージンインサートの下面とパッキンシートまたは圧力シリンダの外周面のいずれかとの間の摩擦力が、マージンインサートが周方向に滑るのを実質的に防止するのに有効であるように、高い摩擦特性を有する材料を含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるマージンインサートは、50ミクロン~1,000ミクロンの厚さを有し得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるマージンインサートは、300ミクロン~650ミクロンの厚さを有し得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるマージンインサートは、少なくとも10%圧縮可能であり得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるマージンインサートは、少なくとも20%圧縮可能であり得る。
【0044】
例として、添付図面を参照しながら、本発明についてさらに説明する。図面に示される構成要素および特徴の寸法は、便宜上、および明確に示すために選択されたものであり、必ずしも正確な縮尺ではない。また、いくつかの図面では、対象物の相対的サイズ、および対象物間の相対距離は、便宜上、および明確に示すために、誇張して大きい場合もあれば、小さい場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】実施形態に係る印刷システムの立面図である。
【
図2A】実施形態に係る中間転写部材(ITM)の表面上のインク画像の概略平面図である。
【
図2B】実施形態に係る基材上の印刷画像の概略平面図である。
【
図3A】従来技術のインプレッションシリンダの概略断面図である。
【
図3B】実施形態に係るインプレッションシリンダの概略断面図である。
【
図4A】実施形態に係るITMの一部に近接した
図3Aおよび
図3Bのインプレッションシリンダをそれぞれ示す図である。
【
図4B】実施形態に係るITMの一部に近接した
図3Aおよび
図3Bのインプレッションシリンダをそれぞれ示す図である。
【
図5】
図4BのインプレッションシリンダおよびITMに近接した、実施形態に係る圧力シリンダアセンブリの概略断面図である。
【
図6A】実施形態に係る、
図2Aのインク画像およびインプレッションシリンダの構成要素に対するその位置を示す、
図4BのインプレッションシリンダおよびITMの概略断面図である。
【
図6B】実施形態に係る、
図2Bの印刷画像およびインプレッションシリンダの構成要素に対するその位置を示す、
図4BのインプレッションシリンダおよびITMの概略断面図である。
【
図7】実施形態に係る、マージンインサートをさらに備える
図5の圧力シリンダアセンブリの概略断面図である。
【
図8】
図4BのインプレッションシリンダおよびITMに近接した
図7の圧力シリンダアセンブリの詳細図である。
【
図9】第1の実施形態に係るパッキンシートをさらに備える
図7の圧力シリンダアセンブリの概略断面図である。
【
図10】
図4BのインプレッションシリンダおよびITMに近接した
図9の圧力シリンダアセンブリの詳細図である。
【
図11】第2の実施形態に係るパッキンシートをさらに備える
図7の圧力シリンダアセンブリの概略断面図である。
【
図12】
図4BのインプレッションシリンダおよびITMに近接した
図11の圧力シリンダアセンブリの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明は、本明細書において、単なる例として、添付図面を参照しながら、説明されている。ここで特に図面について詳細に説明すると、図示されている詳細は、例として、本発明の好適な実施形態の例示のみを目的として示されたものであり、本発明の原理および概念的側面の最も有用であり、かつ理解しやすいと考えられる説明を提供するために提示されていることを強調する。この点に関して、本発明の基本的な理解のために必要以上に詳細に本発明の構造的詳細を示しておらず、図面と併せて説明することにより、本発明のいくつかの形態が実際にどのように具現化され得るかが当業者に明らかになる。図面全体を通して、同様の参照符号は、一般的に、同様の要素を示すために使用される。
【0047】
便宜上、本明細書の説明の文脈において、様々な用語が本明細書において示されている。本出願の本明細書または他の場所で、明示的または暗示的に定義が与えられている限り、そのような定義は、関連技術(複数を含む)の当業者による定義された用語の用法と一致するものと理解される。さらに、そのような定義は、そのような用法と一致する最も広範な可能な意味で解釈されるべきである。
【0048】
様々な実施形態において、インク画像は、最初に中間転写部材(ITM)の表面上に付着され、中間転写部材の表面から基材(すなわち、シート基材またはウェブ基材)に転写される。インクがITM上に付着される印刷システム内の場所は、「画像形成ステーション」と呼ばれる。多くの実施形態では、ITMは、可撓性または無端の「ベルト」を備え、用語「ベルト」および「ITM」は、同じ意味で使用される。
【0049】
インク画像が基材に転写される印刷機の領域または範囲は、「インプレッションステーション」である。いくつかの印刷システムでは、複数のインプレッションステーションが存在し得ることが理解される。本発明のいくつかの実施形態では、中間転写部材は、剥離層で被覆された補強層または支持層を備えるベルトとして形成される。
【0050】
図面を参照すると、
図1は、本発明のいくつかの実施形態に係る間接印刷用の印刷システム100の概略図である。
図1のシステム100は、複数のガイドローラ232、240、260、253、255、242上に取り付けられた可撓性無端ベルトを備える中間転写部材(ITM)210を備える。この図は、本発明の説明に関連する特定の構成の態様を示しており、図示されている構成は、提示されているローラの数および配置に限定されず、また形状および相対寸法にも限定されず、これらは全て、システムの構成要素を明確に示す上での便宜のために、本明細書に示されている。
図1の例では、ITM210は、図面に対して時計回り方向に回転する。
【0051】
印刷システム100は、以下をさらに備え得る。
(a)プリントバー222A~222D(それぞれC、M、Y、およびKのうち1つに指定される)を備える画像形成ステーション212。画像形成ステーション212は、インク画像50(
図2Aに示す)をITM210の表面上に(例えば、表面への液滴付着によって)形成するように構成される。
(b)インク画像を乾燥させるための乾燥ステーション214。
(c)インク画像がITM210の表面から基材231に転写されるインプレッションステーション216。基材231は、紙またはカートン製品などの枚葉基材として示されているが、代替として、連続(ウェブ)基材であり得る。
図1の特定の非限定的な例では、インプレッションステーション216は、インプレッションシリンダ220と、圧力シリンダ218および圧力シリンダの周囲の大部分に配置された圧縮性ブランケット219を含む圧力シリンダアセンブリ318とを備える。インプレッションシリンダ220は、基材231のシートを搬送するように、矢印2010で示される方向に回転可能である。圧力シリンダ218は、インプレッションシリンダ220と同期して回転し得るが、矢印2011で示されるように反対方向に回転し得る。当技術分野で周知であるように、それぞれのシリンダの回転は、対応するシリンダ上の歯車および/またはベアラを使用することによって同期され得る。
【0052】
当業者は、
図1に示されている全ての構成要素が必要とは限らないことを理解するであろう。また、そのような印刷システムは、例えば、冷却ステーションまたはクリーニングステーションなどの追加の特徴および構成要素を含み得、いくつかの実施形態では、両面印刷を実行するための構成を含み得ることが理解され得る。
【0053】
図2Aおよび
図2Bを参照すると、インク画像50は、印刷システム(例えば、
図1の印刷システム100)の下部搬送路におけるITM210の一部の上に示されている。この部分が下部搬送路にあるものとして示されているのは、ITM210およびインク画像50の進行方向を理解するのに関連しており、方向1500は番号を付した矢印で示されており、方向1500は
図1の説明において定められているのと同じ慣例に従う。したがって、インク画像50の左側は、進行方向の前縁60である。その部分が下部搬送路にあるものとして示されているのは、インク画像50の状態にも関連する。インク画像50は、画像形成ステーション212において、ITM210の表面上にインク液滴を付着させることによって形成され、インク画像50は、続いて、ITM210によってインプレッションステーションに搬送される間に、乾燥ステーション214において乾燥プロセスを受ける。インク画像50は、印刷システム100の下部搬送路に到達し、インプレッションステーション216に接近すると、着色剤などのインク成分のほとんど乾燥した膜を含み得る。ITM210の表面上のこの残留膜は、ITM210が圧力シリンダ218とインプレッションシリンダ220との間を通過するときに、ITM210の表面から基材231に実質的に転写される。圧力シリンダをインプレッションシリンダ220に向かって付勢することによって、またはインプレッションシリンダ220を圧力シリンダ218に向かって付勢することによって、2つのシリンダ218、220間に圧力が加えられる。
図2Bは、結果として基材231上に転写されたインク画像または「印刷画像」232、すなわち、ITM210から基材231へのインク画像50の転写の結果を示す。印刷画像232の前縁234は、ITM210から転写されたインク画像50の前縁60に対応する。画像転写は、典型的には、印刷画像232の前縁234と基材シート231の前縁233との間に間隙、すなわち「非印刷マージン」235を残す。非印刷マージン235の幅w(すなわち、進行方向
1200におけるマージンの寸法)は、グリッパマージン、すなわち、グリッパ食い込みのサイズによって生じる前縁マージンと、インプレッションステーション216またはその構成要素のうちの1つまたは複数の設計に関連する追加のマージン空間とを含み得る。
【0054】
図3Aは、インプレッションシリンダ間隙320および基材231(例えば、紙またはカートンなどの枚葉基材)を「把持」するように構成された複数のグリッパ350が取り付けられたグリッパバー351を有する先行技術のインプレッションシリンダ220の概略断面図である。
図3Aに示されているように、先行技術のグリッパ構成は、グリッパ350がシリンダ220の外側で基材231の前縁233を保持し、したがって、グリッパ350がシリンダ220の周囲から、大幅に、またはほぼ完全に(またはさらには完全に)外側に位置し得るような構成であり得る。「グリッパ」食い込み352は、グリッパ350と基材231との重なりに対応する。そのような場合、基材231上の非印刷マージン235はグリッパ食い込み352よりもわずかに大きい幅(
図2Bのw)を有することが予想され得る。
【0055】
図3Bは、実施形態に係るインプレッションシリンダ220を示しており、この場合、グリッパ350が実質的にインプレッションシリンダ(すなわち、円筒周囲にインプレッションシリンダ間隙320の切れ目のない仮想シリンダ)の周囲を越えないように(つまり、インプレッションシリンダの周囲をグリッパ350が全く超えない、またはグリッパ350のせいぜい10%か20%だけ越えるように)、グリッパ350がインプレッションシリンダ間隙320の内側に実質的に埋め込まれる(つまり、本開示では、完全に埋め込まれる、または少なくとも90%埋め込まれるか、または少なくとも80%埋め込まれる)。埋め込まれたグリッパを有する設計を選択する理由の1つは、ITM210がインプレッションステーションを横断するときにITM210の損傷または過度の摩耗を回避することであり得る。別の理由は、(回転の都度)ITM210との同じ衝突によるグリッパの損傷またはズレを回避することであり得る。
【0056】
次に、
図4Aおよび
図4Bを参照する。
図4Aおよび
図4Bは、グリッパ350が埋め込まれたときに、摩擦力、せん断力、および他の可能な力を引き起こす、グリッパ350とITM210との間の機械的接触がどのように低減され得るかを示す。
図4Aでは、
図3Aの先行技術のインプレッションシリンダ220がITM210に近接して示されている。グリッパ350は、(シリンダが完全な円筒であり、インプレッションシリンダ間隙320を有さない場合に)インプレッションシリンダ220の円筒周囲(円筒周囲は、破線の円弧310で表される)である部分の十分に外側に延在する。グリッパ350は、明らかに、インプレッションシリンダ220の回転の都度、回転するITM210の経路内にあり、ITM210と規則的に接触し、ITM210の寿命を短くする可能性があると予想され得る。
図4Bでは、
図3Bのインプレッションシリンダ220が同様にITM210に近接して示されている。グリッパ350は、埋め込まれ、同じく破線の円弧310で表されているインプレッションシリンダ220の円筒周囲の部分の中に完全に収まっている。グリッパ350とITM210との間の機械的接触は、
図3Aおよび
図4Aの先行技術のインプレッションシリンダ220と比較して大幅に低減される。他の例では、グリッパは、本開示の目的のためにシリンダ間隙320内に「実質的に埋め込まれる」一方で、インプレッションシリンダ間隙320からわずかに外へ延在し得る。
【0057】
ここで
図5を参照すると、
図3Bおよび
図4Bのインプレッションシリンダ220は、インプレッションステーション216の場合と同様に、圧力シリンダアセンブリ318に近接して示されている。圧力シリンダアセンブリ318は、圧力シリンダ間隙330を有する圧力シリンダ218を含む。後縁331は、圧力シリンダ218の回転方向(矢印2011で示されるように、図面では「時計回り」である)に対して間隙330の「後ろ側」にある間隙330の縁部である。圧力シリンダ218は、圧力シリンダ間隙330の後縁331が圧力シリンダ218の外周面332と接触する「角部」335を含む。実施形態では、インプレッションシリンダ220および圧力シリンダアセンブリ318は、互いに同時に、かつ反対の回転方向に(矢印2011および2010で示されているように)回転するようになる。「同時に」とは、2つのシリンダが一緒に回転するだけでなく、さらに互いに「同位相で」、すなわち、インプレッションシリンダ220の任意の所与の部分が、回転の都度、圧力シリンダ218の同じ部分に面する(対向する)ように回転することを意味する。いくつかの実施形態(図示せず)では、インプレッションシリンダ220の周囲は、圧力シリンダの周囲の1より大きい整数倍であり得る。本開示に伴う全ての説明図は、2つのシリンダが実質的に同じ周囲を有する場合について描かれているが、それは、単に便宜上のことである。いくつかの実施形態では、圧力シリンダ218の回転は、角部335が、転写中にITM210上のインク画像50の前縁60の(圧力シリンダ回転2011の方向に)反対側にあるか、または前方にあるように構成される。
【0058】
図3Aの先行技術の設計では、グリッパ350は、基材231(例えば、枚葉基材)をインプレッションシリンダ220の滑らかな円筒外面上で保持する。グリッパ350の存在は、基材231に折り目またはしわを付けて基材231の形状または品質に影響を与えるということはない。したがって、インプレッションシリンダ間隙220内にグリッパ350を埋め込むときのグリッパ・シリンダ界面の設計目標は、埋め込まれたグリッパが明らかにインプレッションシリンダ220の滑らかな円筒外周面上で基材を把持するのではなく、グリッパ350がシリンダの表面の「下」で基材を把持し、基材がそこからシリンダの外表面まで延在するにも関わらず、グリッパ350によって保持された基材にしわが付かず、基材が折り曲がらず、基材に折り目などが付かないようにすることであり得る。
【0059】
図5の非限定的な例では、インプレッションシリンダ220は、インプレッションシリンダ220の表面の撓みを含む「偏向部分」325を有する。この撓みの効果は、表面の一部を円筒周囲310の内側に、接触しないように偏向させることである。「内側にあり、接触しない」表面の一部は、偏向部分325とグリッパ350との間の部分を含む。「偏向部分」という用語は、本明細書では、「偏向部分」が表面の傾斜が変化する単一の点である実施形態を含むために、また、「偏向部分」が単一の点よりも多くの点を含む実施形態をさらに含むために使用されている。例えば、偏向部分325は、偏向部分325に沿って傾斜または向きがより緩やかに変化するように、比較的大きな半径で機械加工されたシリンダ220の一部を含み得る。より大きい半径は、埋め込まれたグリッパ350を有するインプレッションシリンダ220によって基材が搬送されるときに、基材にしわまたは折り目が生じ得る傾向を低減するのに有用であり得る。基材を把持するときに基材にしわまたは折り目を付けないという設計目標を達成するために、
図5の例におけるシリンダ表面は、偏向部分325からグリッパ350の方向に、グリッパアンビル302の上面の傾斜と一致するかまたは同様の傾斜で偏向される。さらに、偏向部分325とグリッパ350との間のシリンダの表面は、グリッパアンビル302の上面と同じ傾斜を有するだけでなく、段差なく「接触する」ように設計され得る。このように、埋め込まれたグリッパ350が基材231をグリッパアンビル302の上部に「把持」したときに、基材231のしわまたは折り目は生じない。明らかに、グリッパアンビル302は、図示されているように別個の要素である必要はなく、代替的には(図示されていない例では)、偏向部分325からグリッパ350の方向へのシリンダ表面の一体延長部を含み、グリッパ350が基材231を一体延長部に把持するようにすることができる。したがって、一体延長部は、グリッパアンビル302と同じ機能を果たすことになる、すなわち、グリッパ350が把持する点における基材231の下の表面となる。他の例(図示せず)では、偏向部分325とグリッパ350との間のシリンダの表面、ならびにグリッパアンビル302(存在する場合)の上面は、直線的形状ではなく、湾曲形状を有し得る。
【0060】
偏向部分325の角度によって、グリッパと偏向部分325との間のインプレッションシリンダの表面がさらに内側に変位して外側円筒周囲(破線310)から離れると、インク画像50の前縁60が、望ましいグリッパに最も近い点で基材に転写されることがより困難になることが当業者には明らかであろう。
【0061】
ここで
図6Aを参照すると、インプレッションシリンダ間隙320内に埋め込まれたグリッパ350を有するインプレッションシリンダ220の一部が、ITM210によって搬送されるインク画像50と共に示されている。基材231のシートは、グリッパ350によってシリンダ220上に保持される。インク画像50の前縁60は、インプレッションシリンダ220上の第1の転写点340に対向して(または図示されている構成では、上に)ぴったりと合わされる。概念的には、
図6Aは、ITMから基材へのインク画像の転写が実際に始まる前の瞬間を概略的に表している。第1の転写点340は、インク画像50の前縁60が基材に転写される点に対応する(例えば、転写される点の下にある)インプレッションシリンダ220上の点である。いくつかの実施形態では、第1の転写点340は、インク画像50の時系列的に最初の転写点にも対応する。
図6Bは、前記転写の結果の概略図である。インプレッションシリンダ220は、
図6Bでは、転写中および転写後の回転していない場合と同じ位置に示されているが、それは、この説明に関連する転写の態様を示すための単に便宜上のことである。実際には、シリンダ220は、図面に対して反時計回りに回転されており、基材231は、転写直後に、印刷システム100の別の構成要素に(例えば、積み重ねるために)既に「渡されている」可能性がある。本明細書に開示されている方法およびシステムは、1時間当たり数千のページまたは画像を印刷することが可能な印刷システムにおける実装に適しており、したがって、インク画像を転写し、インプレッションシリンダから別の構成要素へのハンドオフを行うサイクルは、非常に迅速であり得、例えば、その所要時間は、1サイクル当たり1秒未満、または1/2秒未満、または100ミリ秒未満というわずかな時間であり得る。
図6Bでは、基材231上の印刷画像232の前縁234が、偏向部分325とグリッパ350との間にある第1の転写点340に対応しており、基材の前縁233と印刷画像の前縁234との間に非印刷マージン235が残ることが分かる。
【0062】
基材の使用率を高めるために、またはより大きな画像を印刷することができるように、第1の転写点340をグリッパ350により近づけることによって、非印刷マージン235の幅wを低減することが望ましい場合がある。これは、例えば、回転の都度、第1の転写点340に対向するシリンダ表面の領域(すなわち、角部335)における圧力シリンダアセンブリ318の外部形状を修正することによって達成され得る。
【0063】
ここで
図7を参照する。実施形態では、マージンインサート375が圧力シリンダアセンブリ318に設けられる。マージンインサートは、角部335における圧力シリンダ218と圧縮性ブランケット219との間に介装されて、その位置および厚さによって圧力シリンダアセンブリ318の外部形状を変化させる。マージンインサート375の厚さは、圧力シリンダアセンブリ318の他の構成要素の厚さよりも大きいものとして様々な図に示されているが、これは単に特徴を明確に示すことに過ぎず、相対的な厚さに関して結論を示すべきではない。組み合わせて、圧縮性ブランケット219およびマージンインサート375は一緒になって、圧力シリンダ218の周囲上の位置に対する厚み差を有する。具体的には、ブランケット219とマージンインサート375との組み合わせは、圧力シリンダ218の角部335の領域では、マージンインサートが存在しない圧力シリンダ218の周囲上の点よりも厚みがある。
図8に示されているように、圧力シリンダ218は、回転の都度、角部335(マージンインサート375の存在によって「厚くなった」)が第1の転写点340に対向するように配置され得る。マージンインサート375を使用することによって組み合わされたシリンダ被覆を厚くする効果は、インク画像の転写中に、厚くなった角部335が、インプレッションシリンダ表面の偏向部分325とグリッパ350との間の部分に対向するときに、圧力シリンダアセンブリが圧力を加えることができるということである。角部335における極厚部分は、圧力シリンダアセンブリ318の規則的な円筒周囲を越え、ひいては、円筒周囲の仮想ボリュームの「内側」にあるインプレッションシリンダ表面のこの部分に衝突し得る。インプレッションシリンダ表面の偏向部分325とグリッパ350との間にある部分に対してこの圧力を加えることは、第1の転写点340を偏向部分325からさらに離し、グリッパ350により近づけるように「移動」させる効果を有する。すなわち、マージンインサート375の存在(その位置およびサイズまたは厚さを含めて)により、印刷画像232の前縁234が基材231の前縁233のより近くで印刷され、そのことにより、非印刷マージン235の幅wが低減される。
【0064】
マージンインサート375の長さ、あるいは、マージンインサート375が配置される圧力シリンダ218の周囲の割合は、非印刷マージン235の幅w(
図6Bに示す)の低減を最大にするように選択され得る。マージンインサート375は、添付図面では、少数ではあるが、周囲のかなりの割合に延在するものとして示されているが、いくつかの実装形態では、それより小さく、圧力シリンダ間隙330の後縁331(例えば、
図5)上の取付点から、角部335と圧力シリンダ間隙330から角部335の「遠い側」にある(圧力シリンダ218の)外周面332のごくわずかの部分とを覆うのに十分なだけ、延在する。マージンインサート375によって覆われるシリンダの周囲の割合は、10%未満、または5%未満であり得る。第1の転写点340および印刷画像232の前縁234の位置に影響を及ぼすのは、主に、またいくつかの実施形態では排他的に、インサートマージン375による角部335の被覆である。いくつかの実施形態では、マージンインサート375は、回転の都度、インプレッションシリンダ220の偏向部分325に対向する、圧力シリンダ218上の点を越えて延在ないことが好ましい。
【0065】
図8に示されているように、圧縮性ブランケット219およびマージンインサート375は、2つの被覆のそれぞれの端部を圧力シリンダ間隙330の後縁331に取り付ける取り付け装置217を共有し得る。
【0066】
ここで
図9および
図10を参照する。圧力シリンダアセンブリ318内にパッキンまたはアンダーパッキンシート315(一般に圧縮性ブランケット219と圧力シリンダ218との間に介装される)を設けることは、当該技術分野において周知である。パッキンシート315は、様々な基材材料に対する転写圧力を調整するために、圧力シリンダ218の周囲を調整するのに最も多く使用される。第1の実施形態によれば、マージンインサート375が設けられる場合、
図9に示されているように、マージンインサート375は、好ましくは、パッキンシート315と圧縮性ブランケット219との間に介装される。
図10は、パッキンシート315が圧力シリンダ218の周囲に配置され、マージンインサート375がパッキンシート315と圧縮性ブランケット218との間に介装されている点を除けば、
図8と同様である。追加的にまたは代替的に、マージンインサート375と圧縮性ブランケット219との間にパッキンが設けられ得る。
【0067】
ここで
図11および
図12を参照する。第2の実施形態によれば、マージンインサート375が設けられる場合、
図11に示されているように、マージンインサート375は、好ましくは、圧力シリンダ218とパッキンシート315との間に介装される。
図12は、パッキンシート315が圧力シリンダ218の周囲に配置され、マージンインサート375が圧力シリンダ218とパッキンシート315と圧縮性ブランケット218との間に介装されている点を除けば、
図8および
図10と同様である。
【0068】
代替的な実施形態(図示せず)によれば、パッキンシートは、マージンインサートを一体的に含み得(例えば、一緒になってシリンダ被覆の単一ユニットを形成する)、結果として得られるパッキンシートは、角部335の周囲の方が圧力シリンダ218の残りの周囲より厚くなる。このようなパッキンシートは、例えば、3-D印刷法または任意の他の適切な方法を使用して製造され得る。この実施形態によれば、組み合わされた圧力シリンダ被覆、すなわち、特異的に厚くなったパッキングシートおよび圧縮性ブランケット219は、「規則的な」パッキングシート315の有無にかかわらず、マージンインサート375と組み合わされた圧縮性ブランケット219と同様に、組み合わされて、圧力シリンダ218の周囲上の位置に対する厚み差を有することになる。
【0069】
本開示全体にわたって使用される「厚み差」は、意図的な厚み差を指し、すなわち、わずかな厚み差でも偶発的な厚み差でもなく、または結果として生じた(例えば、製造プロセスの変化から生じた)厚み差でもない、厚み差を指す。例えば、「厚み差」は、より厚い部分とより薄い部分との比が、少なくとも1.5:1、または少なくとも3:1、または少なくとも3:1の比であることを意味し得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、マージンインサート375が特定の物理的特性を有することが有利であり得る。例えば、マージンインサート375が、その下面に(すなわち、圧力シリンダアセンブリ318内に設置されている場合)、マージンインサート375の下面とパッキンシート315または圧力シリンダ218の外周面332のいずれかとの間の摩擦力が、マージンインサート375が周方向に滑るのを実質的に防止するのに有効であるように、高い摩擦特性を有する材料を含むことが望ましい場合がある。別の例として、マージンインサート375が50ミクロン~1000ミクロンまたは300ミクロン~650ミクロンの厚さを有することが望ましい場合がある。さらに別の例として、マージンインサートは、垂直方向(すなわち、圧力シリンダアセンブリ318内に設置された場合に半径方向内側)に少なくとも10%または少なくとも20%圧縮可能であることが望ましい場合がある。
実施例
【0071】
一実施例では、印刷システムは、本明細書に記載されているような回転ITMおよびインプレッションステーションを備える。インプレッションステーションは、圧力シリンダ間隙を有する圧力シリンダと、パッキンシートと、圧縮性ブランケットとを含む圧力シリンダアセンブリを備える。インプレッションステーションは、グリッパを収容するインプレッションシリンダ間隙を備えるインプレッションシリンダに備え、グリッパは、インプレッションシリンダの回転の都度、グリッパとの頻繁かつ集中的な機械的接触によるITMの損傷を回避するために埋め込まれる。インプレッションシリンダの表面は、偏向部分を含み、そのことにより、シリンダの表面の偏向部分とグリッパとの間の部分が、インプレッションシリンダの円筒周囲の「内側」にあり、インプレッションシリンダの円筒周囲から内側に変位される。角部は、回転の都度、インプレッションシリンダの第1の転写点、すなわち、インク画像の前縁が転写される基材上の点に対応する(位置合わせされる)、偏向部分とグリッパとの間のシリンダ上の点に対向するように位置合わせされる。通常の印刷部数の代表的なサンプルの後に、印刷された基材のシートの前縁で、約20mmの平均非印刷マージンが測定される。
【0072】
30mmの長さ、150ミクロンの厚さ、および1,000mmの幅の寸法を有する第1のマージンインサート(シリンダの長さにわたる圧縮性ブランケットの幅に実質的に等しい)が、圧力シリンダ間隙の後縁(すなわち、回転方向の後ろ側)に取り付けられ、シリンダの角部、すなわち、圧力シリンダ間隙の後縁と圧力シリンダの外周面とをつなぐ角部の周囲に巻き付けられる。角部は、回転の都度、インプレッションシリンダの第1の転写点に対向するように位置合わせされる。通常の印刷部数の後に、印刷された基材の各シートの前縁で、14mmの非印刷マージンが測定される。
【0073】
第1のマージンインサートは、30mmの長さ、550ミクロンの厚さ、および1000mmの幅の寸法を有する第2のマージンインサートによって置き換えられ、その同じ幅は、シリンダの長さにわたる圧縮性ブランケットの幅に実質的に等しい。通常の印刷部数の後に、印刷された基材の各シートの前縁で、10mmの非印刷マージンが測定される。
【0074】
例として挙げたものであり、本発明の範囲を限定するものではない本発明の実施形態の詳細な説明を使用して、本発明について説明してきた。記載されている実施形態は、異なる特徴を含み、その全てが本発明の全ての実施形態において必要であるとは限らない。本発明のいくつかの実施形態は、特徴のいくつかのみ、または特徴の可能な組み合わせを利用する。記載されている本発明の実施形態の変形形態、および記載されている実施形態の中で指摘されている特徴の異なる組み合わせを含む本発明の実施形態は、本発明が関係する当業者に想起されるであろう。
【0075】
本開示の説明および請求項において、動詞「備える(comprise)」、「含む(include)」、および「有する(have)」、ならびにそれらの活用形の各々は、その動詞の1つまたは複数の目的語が、必ずしもその動詞の1つまたは複数の主語のメンバー、構成要素、要素、または部分を完全に列挙したものであるとは限らないことを示すために使用されている。本明細書内で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに別段の意味を示す場合を除いて、複数の指示対象を含むものとする。例えば、「マーキング」または「少なくとも1つのマーキング」という用語は、複数のマーキングを含み得る。