(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】ファイル
(51)【国際特許分類】
B42F 7/00 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
B42F7/00 J
B42F7/00 G
(21)【出願番号】P 2017076210
(22)【出願日】2017-04-06
【審査請求日】2020-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 篤志
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06244627(US,B1)
【文献】実開昭62-058677(JP,U)
【文献】実開昭54-171828(JP,U)
【文献】特開2002-144779(JP,A)
【文献】登録実用新案第3198011(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0055168(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 1/00 - 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表紙を含む複数枚の台紙を開閉可能に設けてなり、少なくとも2枚の台紙にポケットがそれぞれ設けられたファイルであって、
前記2枚の台紙の大きさが互いに異ならせてあるとともに、
前記ポケットがそれぞれ
大きさが異なる台紙に向かう側に開放されており、収納物を
当該ポケットが設けられた台紙と大きさが異なる台紙に向かう側と反対側の端に対応する位置まで差し込み可能であるファイル。
【請求項2】
前記2枚の台紙の一方が表表紙であるとともに他方が裏表紙又は中間の台紙であり、前記表表紙の大きさを前記裏表紙又は中間の台紙の大きさよりも小さくしてある請求項1記載のファイル。
【請求項3】
ポケットをそれぞれ有する表表紙、裏表紙及び中間の台紙を備えたものであって、前記表表紙及び裏表紙の少なくとも一方の大きさを前記中間の台紙の大きさよりも小さくしてある請求項1記載のファイル。
【請求項4】
大きい方の台紙に設けられたポケットが透光性を有するものである請求項2又は3記載のファイル。
【請求項5】
小さい方の台紙の幅寸法がB5サイズの短辺に対応するものであり、大きい方の台紙の幅寸法がA4サイズの短辺に対応するものである請求項1、2、3又は4記載のファイル。
【請求項6】
相互に寸法が異なる前記台紙のいずれかに設けられた第1のポケットが、上端及び下端の両方が閉じられたものであり、他の台紙に設けられた第2のポケットが、上端が解放され下端が閉じられたものである請求項1、2、3、4又は5記載のファイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の台紙及びポケットを有するファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表表紙と裏表紙とを備えているとともに、これら表表紙及び裏表紙の双方にポケットが設けられたファイルが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
このようなファイルにおいては、例えば、表表紙及び裏表紙にそれぞれ設けたポケットの一方にノートを挟み、他方にプリントを挟む使用態様が考えられる。
【0004】
ところが、一般的にノートはB5サイズのものが広く用いられており、その一方でプリントはA4サイズのものが多い。そのため、表表紙及び裏表紙がともにB5サイズのファイルを用いる場合、プリントは折りたたんで収納する必要が生じる。他方、表表紙及び裏表紙がともにA4サイズのファイルを用いる場合、ノートを挟む側のポケットに無駄なスペースが生じる。
【0005】
このような問題は、B5サイズのノートとA4サイズのプリントとを挟む使用形態に限らず、大きさの異なるプリントを表表紙側及び裏表紙側に振り分けて挟む場合等、大きさの異なるものを表表紙側及び裏表紙側に振り分けて挟むことが想定されるファイルにおいて生じうる。さらに、表表紙と裏表紙との間に中間の台紙を備え、中間の台紙にもポケットが設けられているファイルにおいても同様の問題は生じうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の点に着目し、2つの台紙にそれぞれ設けたポケットに大きさの異なるものをそれぞれ過不足なく挟むことができるようなファイルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明に係るファイルは、表紙を含む複数枚の台紙を開閉可能に設けてなり、少なくとも2枚の台紙にポケットがそれぞれ設けられたファイルであって、前記2枚の台紙の大きさが互いに異ならせてあるとともに、前記ポケットがそれぞれ大きさが異なる台紙に向かう側に開放されており、収納物を当該ポケットが設けられた台紙と大きさが異なる台紙に向かう側と反対側の端に対応する位置まで差し込み可能であるものである。
【0009】
請求項2記載の発明に係るファイルは、請求項1記載の構成のものにおいて、前記2枚の台紙の一方が表表紙であるとともに他方が裏表紙又は中間の台紙であり、前記表表紙の大きさを前記裏表紙又は中間の台紙の大きさよりも小さくしてある。
【0010】
請求項3記載の発明に係るファイルは、請求項1記載の構成のものにおいて、ポケットをそれぞれ有する表表紙、裏表紙及び中間の台紙を備えたものであって、前記表表紙及び裏表紙の少なくとも一方の大きさを前記中間の台紙の大きさよりも小さくしてある。
【0011】
請求項4記載の発明に係るファイルは、請求項2又は3記載の構成のものにおいて、大きい方の台紙に設けられたポケットが透光性を有するものである。
【0012】
請求項5記載の発明に係るファイルは、請求項1、2、3又は4記載の構成のものにおいて、小さい方の台紙の幅寸法がB5サイズの短辺に対応するものであり、大きい方の台紙の幅寸法がA4サイズの短辺に対応するものである。
【0013】
請求項6記載の発明に係るファイルは、請求項1、2、3、4又は5記載の構成のものにおいて、相互に寸法が異なる前記台紙のいずれかに設けられた第1のポケットが、上端及び下端の両方が閉じられたものであり、他の台紙に設けられた第2のポケットが、上端が解放され下端が閉じられたものである。
【0014】
なお、上記各請求項に係る発明において、「透光性を有する」とは、ポケットの収納物を外部から視認することができる性質を有するもの全般を意味しており、例えば、収納物であるプリント類に記載された内容を全て外部から解読できるような透明性を有するものだけでなく、収納物の色や形状などを外部から判別できる程度のすりガラス的な半透明性を有するもの、あるいは、不透明なシート素材に網目や窓を形成したものなどが含まれる。
【0015】
また、本明細書中における「B5サイズ」とは、JIS規格において定められたB5サイズ(182mm×257mm)だけでなく、いわゆる「セミB5サイズ」と称されるサイズ(179mm×252mm)も含まれる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、2つの台紙にそれぞれ設けたポケットに大きさの異なるものをそれぞれ過不足なく挟むことができるようなファイルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るファイルを示す斜視図。
【
図14】同実施形態に係るファイルを示す分解斜視図。
【
図15】同実施形態に係るファイルの使用態様を示す図。
【
図16】同実施形態に係るファイルの使用態様を示す図。
【
図20】本発明の他の実施態様に係るファイルを示す正面図。
【
図21】本発明の他の実施態様に係るファイルを示す正面図。
【
図22】本発明の他の実施態様に係るファイルを示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ以下に述べる。
【0019】
本実施形態のファイルFLは、
図1~
図5、
図14及び
図15に示すように、表紙1、3を含む複数枚の台紙1~3を開閉可能に設けてなり、少なくとも2枚の台紙1~3にポケット4~6がそれぞれ設けられたファイルFLであって、前記2枚の台紙の大きさが互いに異ならせてある。すなわち、前記2枚の台紙の一方は表表紙1であるとともに、他方は中間の台紙2であり、前記表表紙1の大きさを前記中間の台紙2の大きさよりも小さくしてある。また、このファイルFLは、前記表表紙1、前記中間の台紙2の他に、ポケット6が設けられ前記中間の台紙2と同一の大きさを有する裏表紙3を備えている。そして、前記表表紙1の大きさを、前記中間の台紙2及び前記裏表紙3の大きさよりも小さくしてある。
【0020】
本実施形態では、小さい方の台紙すなわち表表紙1がB5サイズに対応するものであり、大きい方の台紙すなわち中間の台紙2及び裏表紙3がA4サイズに対応するものである。具体的に説明すれば、この実施形態では、
図2に示すように、表表紙1は、セミB5サイズの短辺(179mm)より若干大きな幅寸法w1(例えば190mm)を有する。一方、中間の台紙2及び裏表紙3は、A4サイズの短辺(210mm)より若干大きな幅寸法w2(例えば232mm)を有する。なお、この実施形態では、各台紙、すなわち表表紙1、中間の台紙2及び裏表紙3の高さ寸法h1は共通であり、A4サイズの長辺(297mm)より若干大きな高さ寸法h1(例えば312mm)にそろえてある。前記表表紙1と前記裏表紙3とは、背表紙10を介して一体に形成されたものである。前記中間の台紙2は、その基端2c近傍
、換言すれば中間の台紙2と大きさが異なる台紙すなわち表表紙1に向かう側の端近傍を裏表紙3の基端3c近傍
、換言すれば裏表紙3と大きさが異なる台紙すなわち表表紙1に向かう側の端近傍に溶着してある。
【0021】
相互に寸法が異なる前記台紙のいずれか、具体的には表表紙1に設けられた第1のポケット4は、
図1、
図2、
図4、
図9~
図11、
図14及び
図15に示すように、上端4a及び下端4bの両方が閉じられたものである。一方、他の台紙、すなわち中間の台紙2及び裏表紙3に設けられた第2のポケット5、6は、
図1、
図2、
図5及び
図12~
図15に示すように、上端5a、6aが解放され下端5b、6bが閉じられたものである。
【0022】
前記第1のポケット4は、
図1~
図4、
図6、
図7、
図9~
図11、
図14及び
図15に示すように、前記表表紙1の内面1sに設けられ、一側に差込用の開放端4cを有し、その下端4bが、当該ポケット4の表面側を折り返して前記表表紙1に止着してなる差込前半部4b1と、前記表表紙1に対面する当該ポケット4の裏面側を前記表表紙1に止着してなる差込後半部4b2とを備えたものである。前記差込前半部4b1は、
図1、
図2、
図4及び
図10に示すように、前記第1のポケット4の端部すなわち下端4b近傍部を表表紙1側に折返した状態でその折返し部分40のみを前記表表紙1に溶着させたものである。前記差込後半部4b2は、
図1、
図2、
図4及び
図11に示すように、前記第1のポケット4の端部すなわち下端4b近傍部を表表紙1に重ね合わせた状態で溶着させたものである。
【0023】
また、前記第1のポケット4は、透光性を有するもので、
図1~
図4、
図6、
図7、
図9~
図11、
図14及び
図15に示すように、上端4aに沿って形成された上端溶着領域41を前記表表紙1の上端1aから所定距離だけ離間した位置に溶着し、反開放端4dに沿って形成された側端溶着領域42を前記表表紙1の端縁1cに沿った領域に溶着し、下端4bを表表紙1の下端1bに沿った領域に溶着することにより、前記表表紙1の内面1sに添設されている。前記第1のポケット4の反開放端4dは、表表紙1の端縁1cに合致させてある。なお、
図1~
図4、
図6、
図9~
図11、
図14及び
図15に示すように、前記第1のポケット4の上端4a、反開放端4d及び下端4bから内方に一定距離だけ変位した位置に、例えばトムソン型を用いて形成された上型押し線43、側型押し線44及び下型押し線45が連続して形成されている。前記上端溶着領域41は、上型押し線43よりも上端4a側に変位した位置に設定されており、前記側端溶着領域42は前記側型押し線44よりも反開放端側に変位した位置に設定されている。そして、前記差込前半部4b1および前記差込後半部4b2は、前記下型押し線45の下側に関連させて設けられている。すなわち、差込前半部4b1は、前記下型押し線45の外側を表表紙1側に折り返すことにより折り返し部分40を形成し、前述したようにその折り返し部分40のみを前記表表紙1に溶着したものである。差込後半部4b2は、前記下型押し線45の外側全域を、前述したように前記表表紙1に重ね合わせて溶着したものである。
【0024】
さらに、前記第1のポケット4は、セミB5サイズのノートの表紙を差し込むことができる寸法に設定されている。この実施形態においては、
図2に示すように、前記上型押し線43から前記下型押し線45までの寸法h2を、セミB5サイズの長辺(252mm)よりもわずかに大きな寸法(例えば253mm)としており、前記側型押し線44から前記開放端4cまでの寸法w3を、セミB5サイズの短辺(179mm)よりわずかに小さな寸法(例えば175mm)としている。なお、前記上型押し線43から上端溶着領域41までの領域及び前記側型押し線44から側端溶着領域42までの領域は、前記第1のポケット4が表表紙1の内面1sに密着しているが溶着はされておらず、ノートNの表紙N1を無理に進入させることが可能な状態となっている。
【0025】
この第1のポケット4の開放端4cにおける上下両端の近傍部には、切欠4xがそれぞれ設けられている。前記開放端4cにおける両切欠4x間の部位は、該開放端4cにおける上側の切欠4xより上方の部位よりも外方側すなわち背表紙10側に突出している。また、前記折り返し部分40の端部は、
図1、
図2及び
図14~
図16に示すように、当該第1のポケット4の開放端4cよりも外方側すなわち背表紙10側に突出している。
【0026】
前記第2のポケット5、6は、大きい方の台紙、すなわち前記中間の台紙2及び前記裏表紙3にそれぞれ設けられている。より具体的には、前記第2のポケット5、6は、
図1~
図3、
図5、
図8及び
図12~
図15に示すように、前記中間の台紙2の表裏両面2s、2t及び前記裏表紙3の内面3sにそれぞれ設けられ、前述したように上端5a、6aが解放され下端5b、6bが閉じられているとともに、一側に差込用の開放端5c、6cを有している。また、前記第2のポケット5、6は、いずれも透光性を有する。
【0027】
前記中間の台紙2の表裏両面2s、2tにそれぞれ設けられた2つの第2のポケット5は、1枚の透光性を有するシートを中央部で折り曲げて前記中間の台紙2の表裏両面2s、2tにかぶせることにより形成されたものである。すなわち、これら表裏対をなす第2のポケット5は、
図1~
図3、
図5、
図8及び
図12~
図15に示すように、その下端5bに沿って形成された下端溶着領域50を前記中間の台紙2の下端2bに沿った領域に溶着することにより、前記中間の台紙2の表裏両面2s、2tにそれぞれ添接されたもので、その中間の台紙2の先端2dで折り返された前記両第2のポケット5の先端部5dは、中間の台紙2に溶着されることなく相互に連続させてある。なお、前記第2のポケット5の前記開放端5c及び下端5bから内方に一定距離だけ変位した位置に、例えばトムソン型を用いて形成された側型押し線51及び下型押し線52がそれぞれ形成されている。前記下端溶着領域50は前記下型押し線52よりも下端5b側に変位した位置に設定されている。そして、これらの第2のポケット5の前記開放端5cにおける下端近傍部には、それぞれ切欠5xが設けられている。
【0028】
また、前記中間の台紙2における上端2aと基端2cとにより形成される隅部には、
図1、
図2、
図14及び
図15に示すように、前記第2のポケット5に収納された用紙の角部を保持するための帯状の留め具9が設けられている。
【0029】
前記裏表紙3に設けられた第2のポケット6は、
図3、
図5、
図8及び
図12~
図14に示すように、その下端6bに沿って形成された下端溶着領域60を前記裏表紙3の下端3bに沿った領域に溶着するとともに、反開放端部6dの表面側を折り返して前記裏表紙3にその折り返し部分6d1を溶着することにより、前記裏表紙3に添接されている。この第2のポケットの前記開放端6c、反開放端6d及び下端6bから内方にそれぞれ一定距離だけ変位した位置にも、例えばトムソン型を用いて形成された第1の側型押し線61、第2の側型押し線62及び下型押し線63がそれぞれ形成されている。前記下溶着領域60は前記下型押し線63よりも下端6b側に変位した位置に設定されている。前記第2の側型押し線62は、前記折返し部分6d1の折り返し端縁6d2に略重なり合う位置に設定されている。さらに、この第2のポケット6の上端6a近傍における裏表紙3の先端3dに近接する部位には、この第2のポケット6と前記裏表紙3との間に挟まれた用紙を保持するための折り返し保持片64を一体に設けている。符号65は、この第2のポケットの下部に設けられ、カード類を保持させるためのスリットである。符号66は、前記スリット65の下方に、例えばトムソン型を用いて形成された型押し線である。そして、この第2のポケット6の開放端6cにおける下端近傍部には、切欠6xが設けられている。
【0030】
ここで、図面の表示内容を整理すれば、次のとおりである。すなわち、
図1は、本実施形態に係るファイルFLを開いた状態の全体斜視図であり、
図2は、同正面図である。これらの図においては、前記中間の台紙2を裏表紙3側に開いた状態を示している。
図3は、
図2におけるA-A線に沿った端面図であり、
図4は、
図2におけるB-B線に沿った端面図であり、
図5は、
図2におけるC-C線に沿った端面図である。
図6は、
図3におけるD部の拡大図であり、
図7は、
図3におけるE部の拡大図であり、
図8は、
図3におけるF部の拡大図であり、
図9は、
図4におけるG部の拡大図であり、
図10は、
図4におけるH部の拡大図である。
図11は、
図2におけるI-I線に沿った端面図である。
図12は、
図5におけるJ部の拡大図であり、
図13は、
図5におけるK部の拡大図である。なお、この実施形態における表表紙1及び裏表紙3の厚さ寸法は例えば0.75mmであり、第1及び第2のポケット4~6を形成するシートの厚さ寸法は例えば0.3mmであるが、前記
図3~
図13においては、視覚的にわかりやすくするため、厚さ及びシート間の隙間の大きさを誇張して示してある。
図14は、本実施形態に係る前記中間の台紙2を裏表紙3に溶着する前の状態を示す分解斜視図である。
図15は、完成したファイルFLにノートN及びプリントPをそれぞれ保持させる前の状態を示す斜視図である。前記ノートNは、表表紙N1と裏表紙N3との間に複数枚の中紙N2を介在させた通常のものである。
図16は、前記第1のポケット4にノートNの表表紙N1を挿入する直前の状態を示すためのもので、前記第1のポケット4の差込前半部4b1の入り口部分を拡大して示す拡大斜視図である。
図17は、差込前半部4b1にノートNの表表紙N1が挿入された状態を示す拡大端面図であり、
図10に対応している、
図18は、差込後半部4b2にノートNの表表紙N1が挿入された状態を示す拡大端面図であり、
図11に対応している。
図19は、このファイルFLを閉じた状態を示す正面図であり、表表紙1の端縁1cと中間の台紙2の先端2dとの間に中間の台紙2の第2のポケット5の一部が視認可能となっている。
【0031】
このような構成のファイルFLであれば、
図2に示すように、表表紙1の大きさをB5サイズに対応するものとし、A4サイズに対応する大きさを有するその他の台紙すなわち中間の台紙2及び裏表紙3よりも小さくしているので、それぞれ大きさの異なるもの、例えばセミB5サイズのノート及びA4サイズのプリントを、それぞれ第1のポケット4及び第2のポケット5に過不足なく挟むことができる。
【0032】
また、本実施形態では、前述したように小さい方の台紙である表表紙1の端縁1cと大きい方の台紙である中間の台紙2の先端2dとの間に、中間の台紙2の第2のポケット5の一部が視認可能となっている上に、前記中間の台紙2に設けられた第2のポケット5が透光性を有するものであるので、特に該中間の台紙2の表面2s側の第2のポケット5内に収納したプリントP等の収納物の記載内容の一部を視認することも可能である。ここで、本実施形態では、前記第2のポケット5は透明な樹脂製シートを利用して形成しているが、例えば、収納物の色や形状などを外部から判別できる程度のすりガラス的な半透明性を有するシート素材を利用して形成したものや、不透明なシート素材に網目や窓を形成したものであっても、ポケットの収納物を外部から視認することができる性質を有するものであれば同様な効果を得ることができる。
【0033】
さらに本実施形態では、前記第1のポケット4の上端4a及び下端4bの両方が閉じられたものであり、前記第2のポケット5、6が、いずれも上端5a、6aが解放され下端5b、6bが閉じられたものであるので、第1のポケット4にセミB5サイズのノート4の表表紙N1を保持させつつ第2のポケット5、6にA4サイズのプリントPを収納する態様を好適に実現することができる。
【0034】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0035】
例えば、台紙の配置及び組み合わせとして、以下に述べるようなものが考えられる。
【0036】
第1の態様として、開いた状態の正面図を
図20に示すようなファイルFL2が挙げられる。このものは、表表紙A1と、開いた状態において前記表表紙A1に隣接する裏表紙A3と、前記裏表紙A3の前記表表紙A1と反対側に隣接する中間の台紙A2とを備え、前記表表紙A1に第1のポケットA4、前記裏表紙A3及び前記中間の台紙A2に第2のポケットA6がそれぞれ設けられている。その上で、前記表表紙A1がB5サイズに対応する幅寸法w1を有し、その他の台紙すなわち裏表紙A3及び中間の台紙A2がA4サイズに対応する幅寸法w2を有する。なお、このファイルFL2は、まず中間の台紙A2を裏表紙A3に重ね合わせ、次いで表表紙A1を中間の台紙A2及び裏表紙A3に重ね合わせることにより閉じることができるようになっている。
【0037】
第2の態様として、開いた状態の正面図を
図21に示すようなファイルFL3が挙げられる。このものは、互いに隣接する表表紙B1及び裏表紙B3と、表表紙B1に隣接する第1の中間の台紙B2Aと、裏表紙B3に隣接する第2の中間の台紙B2Bとを備え、前記第1及び第2の中間の台紙B2A、B2Bに第2のポケットB6、前記表表紙B1及び前記裏表紙B3に第1のポケットB4がそれぞれ設けられている。その上で、前記第1及び第2の中間の台紙B2A、B2BがA4サイズに対応する幅寸法w2を有し、その他の台紙すなわち表表紙B1及び裏表紙B3がB5サイズに対応する幅寸法w1を有する。なお、このファイルFL3は、まず第1の中間の台紙B2Aを表表紙B1に重ね合わせるとともに第2の中間の台紙B2Bを裏表紙B3に重ね合わせ、次いで前記第1及び第2の中間の台紙B2A、B2Bが対向する姿勢となるように、表表紙B1、前記第1及び第2の中間の台紙B2A、B2B並びに裏表紙B3を重ね合わせることにより閉じることができるようになっている。
【0038】
第3の態様として、開いた状態の正面図を
図22に示すようなファイルFL4が挙げられる。このものは、表表紙C1と、開いた状態において前記表表紙C1に隣接する中間の台紙C2と、前記中間の台紙C2の前記表表紙と反対側に隣接する裏表紙C3とを備え、前記表表紙C1及び裏表紙C3の内面C1s、C2sBに第1のポケットC4、前記中間の台紙C2の表裏両面C2s、C2tに第2のポケットC5がそれぞれ設けられている。その上で、前記表表紙C1及び前記裏表紙C3がB5サイズに対応する幅寸法w1を有し、その他の台紙すなわち中間の台紙C2がA4サイズに対応する幅寸法w2を有する。なお、このファイルFL4は、表表紙C1の内面C1sと中間の台紙C2の表面C2sとが対向するとともに、裏表紙C3の内面C3sと中間の台紙C2の裏面C2tとが対向する姿勢となるようにこれら表表紙C1、中間の台紙C2及び裏表紙C3を重ね合わせることにより閉じることができるようになっている。
【0039】
第4の態様として、図示は省略するが、裏表紙がB5サイズに対応し、その他の構成は
図1~
図19を参照しつつ前述したファイルと同様の構成を有するファイルが挙げられる。
【0040】
これらの構成によっても、本発明の最も主要な効果、すなわち、それぞれ大きさの異なるもの、例えばセミB5サイズのノート及びA4サイズのプリントを、それぞれ第1のポケットA4、B4、C4及び第2のポケットA5、B5、C5に過不足なく挟むことができるという効果を得ることができる。
【0041】
さらに、(セミ)B5サイズに対応するサイズの台紙とA4サイズに対応するサイズの台紙との組み合わせに限らず、異なる2つのサイズの台紙を開閉可能に設けてなるものであっても、本発明の最も主要な効果、すなわち、それぞれ大きさの異なるものを、大きさの異なる台紙にそれぞれ設けたポケットに過不足なく挟むことができるという効果を得ることができる。
【0042】
加えて、ポケットをそれぞれ有する表表紙、裏表紙及び中間の台紙を備えたものであれば、
図1~
図19を参照しつつ前述した実施形態のような2種類のサイズの組み合わせに限らず、例えば、表表紙をB5サイズ、中間の台紙をA3サイズ、裏表紙をA4サイズにそれぞれ対応させる等、種々のサイズを組み合わせるようにしてもよい。
【0043】
そして、
図1~
図22を参照しつつ前述した各実施形態では、第1のポケットが、上端及び下端の両方が閉じられたものであり、他の台紙に設けられた第2のポケットが、上端が解放され下端が閉じられたものであるが、上端が解放され下端が閉じられたポケットのみを各台紙に設けたものであっても、本発明の最も主要な効果、すなわち、それぞれ大きさの異なるものを、大きさの異なる台紙にそれぞれ設けたポケットに過不足なく挟むことができるという効果を得ることができる。
【0044】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0045】
FL…ファイル
1…台紙(表表紙)
2…台紙(中間の台紙)
3…台紙(裏表紙)
4…第1のポケット
4a…第1のポケットの上端
4b…第1のポケットの下端
5、6…第2のポケット
5a、6a…第2のポケットの上端
5b、6b…第2のポケットの下端
w1…表表紙の幅寸法
w2…裏表紙及び中間の台紙の幅寸法