(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 3/00 20060101AFI20220405BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
B65H3/00 310C
G03G21/16 195
(21)【出願番号】P 2017253353
(22)【出願日】2017-12-28
【審査請求日】2020-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】石田 浩高
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-258307(JP,A)
【文献】特開平11-065197(JP,A)
【文献】特開2010-001087(JP,A)
【文献】特開2005-326709(JP,A)
【文献】特開2017-102169(JP,A)
【文献】特開平09-110194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00- 3/68
G03G 15/00
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成部を有する画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に向けてシートを給送する第1給送部と、
前記画像形成装置本体に向けてシートを給送する第2給送部と
を備え、
前記第1給送部は、前記第2給送部上に載置され、
前記第1給送部は、前記第2給送部と連結可能な連結部を含み、
前記連結部は、前記第1給送部上に前記画像形成装置本体が載置されることに応じて移動して、前記第2給送部と連結
し、
前記第1給送部は、前記画像形成装置本体が載置される第1天壁部を更に含み、
前記連結部は、
鉛直方向に沿って移動する第1移動部と、
前記第1移動部と連動して、鉛直方向と交差する方向に沿って移動する第2移動部と
を含み、
前記第1移動部の鉛直方向に沿った上端は、前記第1天壁部から突出し、
前記第2給送部は、
前記第1給送部が載置される第2天壁部と、
前記第2天壁部から突出し、前記第2移動部と係合する係合部と
を含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1給送部は、底部を更に含み、
前記底部は、鉛直方向に沿って上向きに凹んだ凹部を有し、
前記凹部の側面には、貫通孔が形成され、
前記凹部は、前記係合部の配置に対応して配置され、
前記第2移動部は、前記貫通孔を介して前記係合部に係合する、請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1移動部は、軸部と第1突出部とを含む柱状部材であり、
前記軸部は、鉛直方向に沿って延び、
前記第1突出部は、前記軸部と交差する方向に沿って前記軸部から突出し、
前記第2移動部は、第2突出部と基底部と孔部とを含む環状部材であり、
前記第2突出部は、前記第1突出部の突出方向と交差する方向に向けて前記基底部から突出し、
前記基底部は、基面に対して傾斜する傾斜面を含み、
前記孔部は、前記基底部を貫通しており、平面視において、前記第2突出部の突出方向に沿って長穴状に延びるように前記基底部に形成され、
前記軸部は、前記第1突出部の下方で前記孔部を挿通し、
前記第1突出部は、前記傾斜面と摺動可能に当接し、
前記係合部は、前記第2突出部の突出方向と反対方向に向けて開口する開口部を有する、請求項
1又は請求項
2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1給送部は、弾性部材を更に含み、
前記弾性部材は、前記第2突出部の突出方向と反対方向に向けて前記第2移動部を付勢し、
前記連結部は、前記第1給送部上から前記画像形成装置本体が離間することに応じて移動して、前記第2給送部との連結状態を解除する、請求項
3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1給送部は、
前記シートを収容するカセットと、
前記カセットを収容可能な給送筐体と
を更に含み、
前記給送筐体は、前記カセットの側方を覆う側壁部を有し、
前記連結部は、前記側壁部に配置される、請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置本体は、前記画像形成部に向けて前記シートを給送する第3給送部を更に有する、請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
給紙装置と、給紙装置の上方に着脱可能に載置される画像形成装置本体とのロック機構を備える画像形成装置が知られている。このような画像形成装置として、特許文献1に記載の画像形成装置は、ロック部材を有する給紙装置と、被ロック部材を有する画像形成装置本体とを備える。特許文献1に記載の画像形成装置では、給紙装置に給紙カセットを装着する動作に連動して、ロック部材が被ロック部材に係合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置では、画像形成装置本体と1つの給紙装置とを係合状態(ロック状態)にするために、給紙装置上に画像形成装置本体を載置する動作に加えて、給紙カセットの装着動作を要する。このため、特許文献1に記載の画像形成装置では、複数の給紙装置上に画像形成装置本体を載置する載置状態を管理する場合に、給紙カセットの着脱動作が不可欠であるだけでなく、複数の給紙装置同士を係合させることもできない。従って、複数の給紙装置上に画像形成装置本体を載置する場合に、画像形成装置の載置状態を管理するための工数を低減することが困難であった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の給送部上に画像形成装置本体を載置する場合に、画像形成装置の載置状態を管理するための工数を低減できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、画像形成装置本体と、第1給送部と、第2給送部とを備える。前記画像形成装置本体は、シートに画像を形成する画像形成部を有する。前記第1給送部は、前記画像形成装置本体に向けてシートを給送する。前記第2給送部は、前記画像形成装置本体に向けてシートを給送する。前記第1給送部は、前記第2給送部上に載置される。前記第1給送部は、前記第2給送部と連結可能な連結部を含む。前記連結部は、前記第1給送部上に前記画像形成装置本体が載置されることに応じて移動して、前記第2給送部と連結する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置によれば、複数の給送部上に画像形成装置本体を載置する場合に、画像形成装置の載置状態を管理するための工数を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
【
図2】(a)は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の第1移動部を示す斜視図であり、(b)は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の第2移動部を示す斜視図である。
【
図3】(a)は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の第2給送部を示す斜視図であり、(b)は、第2給送部の一部を拡大して示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の一部を示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置の一部を示す斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置の第1給送部を示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置の一部を示す斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の基本構成を説明する。
図1は、画像形成装置100を示す斜視図である。画像形成装置100は、例えば、プリンター、複写機、又は複合機である。以下では、一例として、画像形成装置100がプリンターである場合について説明する。なお、本実施形態では、X軸及びY軸は水平面に平行であり、Z軸は鉛直軸に平行である。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。
【0011】
画像形成装置100は、画像形成装置本体30と、給送部10と、給送部20とを備える。画像形成装置本体30は、画像形成部31を有する。画像形成部31は、シートに画像を形成する。なお、画像形成部31の構成の詳細については、
図8を参照して後述する。
【0012】
給送部10と給送部20との各々は、画像形成装置本体30に向けてシートを給送する。給送部10は、給送部20上に載置される。なお、給送部10と給送部20とは、互いに同様の構成を備えることが好ましい。以下では、給送部10と給送部20とが同様の構成を備える実施形態について説明する。2つの給送部のうち、一方の給送部の上に載置される他方の給送部を「第1給送部10」と記載し、一方の給送部を「第2給送部20」と記載する。なお、実施形態の説明が煩雑になることを避けるため、同様の構成については図の記載と説明とを省略する場合がある。
【0013】
第1給送部10は、連結部1を含む。連結部1は、第2給送部20と連結可能である。以下、連結部1が第2給送部20と連結した状態を「連結状態」と記載することがある。また、連結部1が第2給送部20と連結していない状態を「連結解除状態」と記載することがある。連結部1は、第1給送部10上に画像形成装置本体30が載置されることに応じて移動して、第2給送部20と連結する。このようにして、第1給送部10は、第2給送部20と連結する。従って、ユーザーが画像形成装置本体30を第1給送部10上に載置すると、第1給送部10と第2給送部20とが離間されることを抑制できる。その結果、複数の給送部上に画像形成装置本体30を載置する場合に、画像形成装置100の載置状態を管理するための工数を低減できる。
【0014】
なお、本実施形態によれば、画像形成装置本体30は、第3給送部32を更に有していてもよい。第3給送部32は、第1給送部10及び第2給送部20と同様に、画像形成部31に向けてシートを給送する。このような実施形態において、第1給送部10と第2給送部20とは、画像形成装置本体30によるシートの収容機能を拡張する拡張給送部として機能し得る。従って、複数の給送部上に画像形成装置本体30を載置する場合に、画像形成装置100の載置状態を管理する工数を低減しつつ、シートの収容機能を拡張できる。
【0015】
引き続き、
図1を参照しつつ、
図2と
図3とを更に参照して、第1給送部10と第2給送部20とを連結する連結機構の詳細について説明する。
図1に示すように、第1給送部10は、第1カセット11と、第1給送筐体12とを更に含む。第1カセット11は、シートを収容する。第1カセット11は、「カセット」に相当する。
【0016】
第1給送筐体12は、第1カセット11を収容可能である。第1給送筐体12は、「給送筐体」に相当する。詳細には、第1給送筐体12は、第1底部12Aと、第1側壁部12Bと、第1天壁部12Cとを含む。第1底部12Aは、第1カセット11の下方から第1カセット11の下面の少なくとも一部を覆う。第1底部12Aは、「底部」に相当する。第1側壁部12Bは、第1底部12Aから立設し、第1カセット11の取出し側を除く第1給送筐体12の三方の側壁を構成する。第1側壁部12Bは、第1カセット11の側方を覆う。第1天壁部12Cは、第1側壁部12Bの上端に接続して配置される。第1天壁部12Cは、シートの収容空間を覆うと共に第1給送筐体12の天壁を構成する。第1天壁部12Cには、画像形成装置本体30が載置される。
【0017】
連結部1は、例えば、第1側壁部12Bに配置される。詳細には、連結部1は、例えば、第1側壁部12Bの外表面よりも内側に配置される。
【0018】
図2(a)及び(b)に示すように、連結部1は、第1移動部2と第2移動部5とを含む。
図2(a)は、第1移動部2を示す斜視図である。第1移動部2は、柱状部材である。詳細には、第1移動部2は、軸部3と第1突出部4とを含む。軸部3は、例えば、円柱部材である。軸部3は、鉛直方向D1に沿って延びる。第1突出部4は、軸部3の上端3Aと下端3Bとの間に固定される。第1突出部4は、例えば、角柱部材、又は円柱部材である。第1突出部4は、例えば、固定部材で軸部3に固定されていてもよいし、軸部3の一部が突出していてもよい。第1突出部4は、軸部3と交差する方向D2(以下、「第1交差方向D2」と記載することがある。)に沿って軸部3から突出する。
【0019】
図2(b)は、第2移動部5を示す斜視図である。第2移動部5は、環状部材である。詳細には、第2移動部5は、第2突出部6と、基底部7と、孔部8と、係止部9とを含む。第2突出部6は、第1突出部4の突出方向と交差する方向に沿って基底部7から突出する。以下、「第1突出部4の突出方向と交差する方向」を「第2交差方向D3」と記載し、第2突出部6の突出する方向を「突出方向D4」と記載することがある。本実施形態において、突出方向D4は、第2交差方向D3に沿った方向である。第2突出部6は、例えば、平板状である。
【0020】
基底部7は、基面7Aと、傾斜面7Bとを含む。傾斜面7Bは、基面7Aに対して傾斜する。詳細には、傾斜面7Bは、突出方向D4に向けて、基面7Aから鉛直方向D1の上方へ傾斜する。
【0021】
孔部8は、基底部7を貫通する。孔部8は、平面視において、突出方向D4に沿って長穴状に延びるように基底部7に形成される。軸部3は、第1突出部4の下方で孔部8を挿通する。係止部9は、基底部7に形成され、弾性部材を係止可能である。なお、弾性部材の詳細については、
図4と
図5とを参照して後述する。
【0022】
図3(a)は、第2給送部20を示す斜視図である。
図3(b)は、第2給送部20の一部を拡大して示す斜視図である。
図3(a)に示すように、第2給送部20は、第2カセット22と、第2給送筐体23と、係合部21とを含む。第2給送筐体23は、第2底部23Aと、第2側壁部23Bと、第2天壁部23Cとを含む。なお、第2カセット22と、第2底部23Aと、第2側壁部23Bと、第2天壁部23Cとの各々は、
図1を参照して説明した第1給送部10の第1カセット11と、第1底部12Aと、第1側壁部12Bと、第1天壁部12Cとの各々に対応しており、同様の構成を有する。
【0023】
第2給送筐体23は、少なくとも1つの掛止部23Dを更に含むことが好ましい。掛止部23Dは、例えば、鉤形状であり、第2天壁部23Cに配置される。第1給送部10が第2天壁部23Cに載置される際に、掛止部23Dは、
図1を参照して説明した第1給送部10の第1底部12Aに掛止する。従って、第1給送部10と第2給送部20との離間を更に抑制すると共に、第1給送部10と第2給送部20との横ズレを抑制できる。なお、掛止部23Dは、第1給送部10の第1天壁部12Cにも配置できる。これにより、画像形成装置本体30と第1給送部10との離間及び横ズレを抑制できる。
【0024】
図3(b)に示すように、係合部21は、第2天壁部23Cから突出し、第2移動部5と係合する。詳細には、係合部21と、
図1を参照して説明した連結部1とは、連結機構を構成する。係合部21は、第2天壁部23Cから鉛直方向D1に沿って上向きに突出する。係合部21は、例えば、平板状、又は角柱状である。係合部21は、開口部21Aを有する。開口部21Aは、突出方向D4の反対方向D5に向けて開口する。開口部21Aは、
図2(b)を参照して説明した第2突出部6の先端と対向する。開口部21Aの形状は、第2突出部6の長さと形状とに対応していればよく、例えば、凹形状でもよいし、係合部21を貫通する孔形状でもよい。
【0025】
次に、
図2及び
図3を参照しつつ、
図4と
図5とを更に参照して、連結機構による連結動作について説明する。
図4と
図5とは、画像形成装置100の一部を示す斜視図である。なお、
図4及び
図5には、図を理解し易くするために断面を記載している。連結動作は、連結解除状態を連結状態に変更する動作を示す。
図4は、連結解除状態を示す。
図5は、連結状態を示す。
【0026】
図4に示すように、第1移動部2は、鉛直方向D1に沿って移動可能である。詳細には、第1移動部2の鉛直方向D1に沿った上端3Aは、第1給送筐体12から上方に向けて突出する。例えば、上端3Aは、天壁部12Cの挿通口12Eから突出する。挿通口12Eは、軸部3の形状に対応して天壁部12Cに形成される。第1突出部4は、基底部7の傾斜面7Bと摺動可能に当接する。摺動可能な距離は、第2突出部6の先端6Aと、係合部21の開口部21Aとの間隔に対応する。
【0027】
図5に示すように、第1移動部2は、第1給送部10上に画像形成装置本体30が載置されることに応じて、鉛直方向D1に沿った下方向に移動する。以下、「鉛直方向D1に沿った下方向」を単に「下方向D6」と記載することがある。詳細には、第1給送部10上に画像形成装置本体30が載置されると、画像形成装置本体30の本体底部30Aが第1移動部2の上端3Aに当接する。画像形成装置本体30の本体底部30Aが第1移動部2の上端3Aに当接することに応じて、第1移動部2は、下方向D6に向けて押し下げられる。第1移動部2が押し下げられると、第1突出部4は、基底部7の傾斜面7Bと当接しながら下方に摺動する。画像形成装置本体30が天壁部12Cに当接すると、第1移動部2は、下方への移動を停止する。第2移動部5は、第1移動部2と連動して、突出方向D4に移動する。第2移動部5が突出方向D4に移動すると、第2突出部6の先端6Aは、開口部21Aに挿入される。
【0028】
第1給送部10は、弾性部材13を更に含むことが好ましい。詳細には、弾性部材13は、第1側壁部12Bと、第2移動部5の係止部9とを接続する。弾性部材13は、例えば、引張バネであり、突出方向D4の反対方向D5に向けて第2移動部5を付勢する。連結部1は、第1給送部10上から画像形成装置本体30が離間することに応じて移動する。すなわち、第1給送部10上から画像形成装置本体30が離間すると、第2移動部5は、突出方向D4の反対方向D5に移動する。その結果、画像形成装置100は、連結状態から
図4を参照して説明した連結解除状態に変更される。
【0029】
以上、
図1~
図5を参照して説明したように、本実施形態によれば、連結部1は、第1カセット11の側方を覆う第1側壁部12Bに配置されることが好ましい。これにより、シートの給送動作への影響を抑制しつつ、第1給送部10と第2給送部20とを連結できる。なお、連結部1は、第1側壁部12Bのうち異なる複数の側壁部に配置することもできる。従って、複数の給送部上に画像形成装置本体30を載置する場合に、画像形成装置100の載置状態をさらに安定させることができる。
【0030】
さらに、本実施形態によれば、連結部1は、第1移動部2と第2移動部5とを含む。第2給送部20は、係合部21を含む。第1移動部2の上端3Aは、第1天壁部12Cから突出する。係合部21は、第2天壁部23Cから突出する。第1移動部2は、鉛直方向D1に沿って移動する。第2移動部5は、第1移動部2と連動して、鉛直方向D1と交差する方向D3に沿って移動する。鉛直方向D1と交差する方向D3は、第2交差方向D3を示す。これにより、第2移動部5は、係合部21に係合する。従って、第1給送部10は、画像形成装置本体30の自重に応じて第2給送部20と連結できる。その結果、複数の給送部上に画像形成装置本体30を載置する場合に、簡易な構成で画像形成装置100の載置状態を安定させることができる。
【0031】
また、本実施形態によれば、第1移動部2は、軸部3と第1突出部4とを含む。第2移動部5は、第2突出部6と基底部7と孔部8とを含む。係合部21は、開口部21Aを有する。第1給送部10上に画像形成装置本体30が載置されることに応じて、軸部3は、下方向D6に移動する。軸部3の移動に伴い、第1突出部4は、傾斜面7Bを摺動する。第1突出部4による摺動に応じて、第2突出部6は、突出方向D4に移動して、開口部21Aに挿入される。このように、第1給送部10は、第1突出部4が傾斜面7Bを摺動することに応じて第2給送部20と連結する。従って、第1給送部10と第2給送部20とが鉛直方向D1に沿って離間することを規制できる。その結果、第1給送部10と第2給送部20とを連結するための部品点数を低減できる。
【0032】
また、本実施形態によれば、第1給送部10は、弾性部材13を更に含むことが好ましい。連結部1は、第1給送部10上から画像形成装置本体30が離間することに応じて移動し、第2給送部20との連結状態を解除する。従って、連結状態で設置されている画像形成装置100を他の場所へ移送する際に、連結状態を解除する工数を低減できる。その結果、複数の給送部上に画像形成装置本体30を載置する場合に、画像形成装置100の載置状態を管理する工数を更に低減できる。
【0033】
また、
図4~
図6に示すように、第1底部12Aは、貫通孔14Aの形成された凹部14を有することが好ましい。
図6は、第1給送部10を示す斜視図である。第1底部12Aは、凹部14を有する。凹部14は、鉛直方向D1に沿って上向きに凹む。凹部14は、
図4と
図5とに示すように、係合部21の配置に対応して配置される。凹部14の形状は、係合部21の形状と対応する。凹部14の側面には、貫通孔14Aが形成される。貫通孔14Aの形状は、第2突出部6の形状と対応しており、例えば、断面視において矩形状である。
【0034】
第1給送部10が第2天壁部23C上に載置されると、凹部14は、係合部21を覆う。従って、第1給送部10と第2給送部20との間の横ズレを更に抑制できる。さらに、第2移動部5は、貫通孔14Aを介して係合部21に係合する。すなわち、画像形成装置本体30が第1給送部10上に載置された状態において、第2移動部5は、貫通孔14Aを挿通して係合部21に係合する。従って、第1給送部10と第2給送部20とが鉛直方向D1に沿って離間することを更に強固に抑制できる。その結果、複数の給送部上に画像形成装置本体30を載置する場合に、画像形成装置100の載置状態を更に安定させることができる。
【0035】
次に、
図6と
図7とを参照して、複数の給送部の各々の連結機構が連動する構成について説明する。
図7は、画像形成装置100の一部を示す斜視図である。
図7は、連結状態を示す。なお、
図7は、図を理解し易くするために、断面を記載すると共に、画像形成装置本体30の記載を省略している。既に
図1を参照して説明したように、複数の給送部の各々は、同様の構成を備えることが好ましい。例えば、第2給送部20は、不図示の第4給送部上に載置され得る。
図7に示すように、第1給送部10が連結部1を備えることと同様に、第2給送部20は、連結部1を備え得る。さらに、第2給送部20が係合部21を備えることと同様に、第1給送部10は、係合部21を備え得る。
【0036】
第1給送部10の第1底部12Aと第2給送部20の第2底部23Aとの各々には、挿通孔15が形成される。軸部3は、挿通孔15を挿通可能である。第1給送部10の軸部3の下端3Bは、第2給送部20の軸部3の上端3Aと対向するように配置される。画像形成装置本体30が第1給送部10上に載置されることに応じて、第1給送部10の軸部3の下端3Bが第2給送部20の軸部3の上端3Aを押し下げる。これにより、第1給送部10と第2給送部20とが連結すると共に、第2給送部20と第4給送部とが連結できる。従って、画像形成装置本体30の下側に3以上の給送部が積み重ねられて構成される実施形態においても、画像形成装置100の載置状態を管理するための工数を低減できる。さらに、各給送部相互間の載置順序を懸念することなく、画像形成装置100を自在に設置できる。
【0037】
次に、
図8を参照して、画像形成部31の構成と動作との詳細について説明する。
図8は、画像形成装置100を示す図である。画像形成装置本体30は、
図1を参照して説明した画像形成部31と第3給送部32とに加えて、搬送部33と、排出部34とを更に含む。なお、画像形成装置100において、第3給送部32は省略し得る。
【0038】
第3給送部32と第1給送部10と第2給送部20との各々は、搬送部33へシートSを給送する。シートSは、例えば、紙製又は合成樹脂製のシートである。搬送部33は、複数の搬送ローラー対を含み、画像形成部31にシートSを搬送する。画像形成部31は、シートSに画像を形成する。詳しくは、画像形成部31は、電子写真方式によってシートSに画像を形成し、画像を加熱及び加圧してシートSに画像を定着させる。具体的には、画像形成部31は、感光体ドラムと、帯電装置と、露光装置と、現像装置と、転写装置と、クリーニング装置と、除電装置と、定着装置とを含む。搬送部33は、画像の定着されたシートSを排出部34に搬送する。排出部34は、画像形成装置100の外側にシートSを排出する。
【0039】
以上、図面(
図1~
図8)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0040】
(1)
図1~
図8を参照して説明した画像形成装置100は、電子写真方式のプリンターであったが、本発明はこれに限られない。画像形成装置100は、少なくとも画像形成装置本体30と第1給送部10と第2給送部20とを重ねて載置する構成でありさえすればよい。画像形成装置100は、例えば、インクジェット記録方式の複合機であってもよい。例えば、インクジェット記録方式の複合機の場合、画像形成装置100は、原稿の画像を読み取る原稿読取部を更に備える。画像形成部31は、記録ヘッドを含む。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、画像形成装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 連結部
10 第1給送部
100 画像形成装置
20 第2給送部
30 画像形成装置本体
31 画像形成部
S シート