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特許7052473医療情報管理サーバー及び医療情報管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】医療情報管理サーバー及び医療情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20220405BHJP
【FI】
G16H10/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018059118
(22)【出願日】2018-03-27
(65)【公開番号】P2019174879
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中森 洋
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-217308(JP,A)
【文献】特開2010-267042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の医療施設のそれぞれにおいて生成された医療情報が、当該医療情報が生成された医療施設を示す施設情報と当該医療施設における当該医療情報に係る患者を示す施設内患者IDとの組み合わせと対応付けられて記憶されている第1記憶手段と、
前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの少なくとも一部に、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせにより特定される患者同士が同一患者であることを示す共通情報が対応付けられて記憶されている第2記憶手段と、
通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された参照端末から、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの選択を受け付ける受付手段と、
前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられている場合に、当該共通情報に基づいて、前記選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報を前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供し、
前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられていない場合に、前記選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみを前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供する制御手段と、
を備え
少なくとも二つ以上の医療施設において生成された同一患者の医療情報に対し、前記共通情報が対応付けられていない医療情報管理サーバー。
【請求項2】
複数の医療施設のそれぞれにおいて生成された医療情報が、当該医療情報が生成された医療施設を示す施設情報と当該医療施設における当該医療情報に係る患者を示す施設内患者IDとの組み合わせと対応付けられて記憶されている第1記憶手段と、
前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの少なくとも一部に、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせにより特定される患者同士が同一患者であることを示す共通情報が対応付けられて記憶されている第2記憶手段と、
通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された参照端末から、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの選択を受け付ける受付手段と、
前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられている場合に、当該共通情報に基づいて、前記選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報を前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供し、
前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられていない場合に、前記選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみを前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供する制御手段と、
を備え、
前記共通情報は、当該共通情報が対応付けられている組み合わせに含まれる前記施設内患者IDが前記複数の医療施設間で共通の共通患者IDを兼ねていることを示す兼用情報であり、
前記制御手段は、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記兼用情報が対応付けられている場合に、前記選択された組み合わせに含まれる前記施設内患者IDと同一の施設内患者IDを含む組み合わせであって、かつ、前記兼用情報が対応付けられている全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出する医療情報管理サーバー。
【請求項3】
複数の医療施設のそれぞれにおいて生成された医療情報が、当該医療情報が生成された医療施設を示す施設情報と当該医療施設における当該医療情報に係る患者を示す施設内患者IDとの組み合わせと対応付けられて記憶されている第1記憶手段と、
前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの少なくとも一部に、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせにより特定される患者同士が同一患者であることを示す共通情報が対応付けられて記憶されている第2記憶手段と、
通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された参照端末から、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの選択を受け付ける受付手段と、
前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられている場合に、当該共通情報に基づいて、前記選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報を前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供し、
前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられていない場合に、前記選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみを前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供する制御手段と、
通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続され、前記複数の医療施設のそれぞれにおいて使用される施設内端末から医療情報を受信する受信手段と、
前記受信された医療情報を送信した施設内端末に対応する医療施設を識別する識別手段と、
前記受信された医療情報に付帯された施設内患者IDを取得する施設内患者ID取得手段と、
前記受信された医療情報を、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせと対応付けて前記第1記憶手段に記憶させる第1記憶制御手段と、
前記受信された医療情報に対応する前記共通情報がある場合に、当該共通情報を、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせと対応付けて前記第2記憶手段に記憶させる第2記憶制御手段と、
を備え、
前記第1記憶制御手段は、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせが既に前記第1記憶手段に登録されているか否かを判断し、当該組み合わせが既に前記第1記憶手段に登録されている場合に、前記受信された医療情報を、当該組み合わせと対応付けて前記第1記憶手段に記憶させる医療情報管理サーバー。
【請求項4】
前記共通情報は、前記複数の医療施設間で共通の共通患者IDであり、
前記第2記憶手段には、同一患者の前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせに対して、同一の共通患者IDが対応付けられており、
前記制御手段は、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通患者IDが対応付けられている場合に、当該共通患者IDと同一の共通患者IDが対応付けられている全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出する請求項1又は3に記載の医療情報管理サーバー。
【請求項5】
前記共通情報は、当該共通情報が対応付けられている組み合わせに含まれる前記施設内患者IDが前記複数の医療施設間で共通の共通患者IDを兼ねていることを示す兼用情報であり、
前記制御手段は、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記兼用情報が対応付けられている場合に、前記選択された組み合わせに含まれる前記施設内患者IDと同一の施設内患者IDを含む組み合わせであって、かつ、前記兼用情報が対応付けられている全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出する請求項1又は3に記載の医療情報管理サーバー。
【請求項6】
通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続され、前記複数の医療施設のそれぞれにおいて使用される施設内端末から医療情報を受信する受信手段と、
前記受信された医療情報を送信した施設内端末に対応する医療施設を識別する識別手段と、
前記受信された医療情報に付帯された施設内患者IDを取得する施設内患者ID取得手段と、
前記受信された医療情報を、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせと対応付けて前記第1記憶手段に記憶させる第1記憶制御手段と、
前記受信された医療情報に対応する前記共通情報がある場合に、当該共通情報を、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせと対応付けて前記第2記憶手段に記憶させる第2記憶制御手段と、
を備える請求項1又は2に記載の医療情報管理サーバー。
【請求項7】
前記識別手段は、前記施設内端末が使用される医療施設の施設ID、前記施設内端末が使用される医療施設の施設名、前記施設内端末のAEタイトル、前記施設内端末のIPアドレスの少なくとも一つに基づいて、前記施設内端末に対応する医療施設を識別する請求項3又は6に記載の医療情報管理サーバー。
【請求項8】
前記第1記憶制御手段は、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせが既に前記第1記憶手段に登録されているか否かを判断し、当該組み合わせが既に前記第1記憶手段に登録されている場合に、前記受信された医療情報を、当該組み合わせと対応付けて前記第1記憶手段に記憶させる請求項に記載の医療情報管理サーバー。
【請求項9】
医療情報管理サーバーと参照端末とが通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された医療情報管理システムであって、
前記医療情報管理サーバーは、
複数の医療施設のそれぞれにおいて生成された医療情報が、当該医療情報が生成された医療施設を示す施設情報と当該医療施設における当該医療情報に係る患者を示す施設内患者IDとの組み合わせと対応付けられて記憶されている第1記憶手段と、
前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの少なくとも一部に、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせにより特定される患者同士が同一患者であることを示す共通情報が対応付けられて記憶されている第2記憶手段と、
前記参照端末から、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの選択を受け付ける受付手段と、
前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられている場合に、当該共通情報に基づいて、前記選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報を前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供し、
前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられていない場合に、前記選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみを前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供する制御手段と、
を備え
少なくとも二つ以上の医療施設において生成された同一患者の医療情報に対し、前記共通情報が対応付けられていない医療情報管理システム。
【請求項10】
医療情報管理サーバーと参照端末とが通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された医療情報管理システムであって、
前記医療情報管理サーバーは、
複数の医療施設のそれぞれにおいて生成された医療情報が、当該医療情報が生成された医療施設を示す施設情報と当該医療施設における当該医療情報に係る患者を示す施設内患者IDとの組み合わせと対応付けられて記憶されている第1記憶手段と、
前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの少なくとも一部に、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせにより特定される患者同士が同一患者であることを示す共通情報が対応付けられて記憶されている第2記憶手段と、
前記参照端末から、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの選択を受け付ける受付手段と、
前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられている場合に、当該共通情報に基づいて、前記選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報を前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供し、
前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられていない場合に、前記選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみを前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供する制御手段と、
を備え、
前記共通情報は、当該共通情報が対応付けられている組み合わせに含まれる前記施設内患者IDが前記複数の医療施設間で共通の共通患者IDを兼ねていることを示す兼用情報であり、
前記制御手段は、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記兼用情報が対応付けられている場合に、前記選択された組み合わせに含まれる前記施設内患者IDと同一の施設内患者IDを含む組み合わせであって、かつ、前記兼用情報が対応付けられている全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出する医療情報管理システム。
【請求項11】
医療情報管理サーバーと参照端末とが通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された医療情報管理システムであって、
前記医療情報管理サーバーは、
複数の医療施設のそれぞれにおいて生成された医療情報が、当該医療情報が生成された医療施設を示す施設情報と当該医療施設における当該医療情報に係る患者を示す施設内患者IDとの組み合わせと対応付けられて記憶されている第1記憶手段と、
前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの少なくとも一部に、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせにより特定される患者同士が同一患者であることを示す共通情報が対応付けられて記憶されている第2記憶手段と、
前記参照端末から、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの選択を受け付ける受付手段と、
前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられている場合に、当該共通情報に基づいて、前記選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報を前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供し、
前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられていない場合に、前記選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみを前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供する制御手段と、
通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続され、前記複数の医療施設のそれぞれにおいて使用される施設内端末から医療情報を受信する受信手段と、
前記受信された医療情報を送信した施設内端末に対応する医療施設を識別する識別手段と、
前記受信された医療情報に付帯された施設内患者IDを取得する施設内患者ID取得手段と、
前記受信された医療情報を、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせと対応付けて前記第1記憶手段に記憶させる第1記憶制御手段と、
前記受信された医療情報に対応する前記共通情報がある場合に、当該共通情報を、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせと対応付けて前記第2記憶手段に記憶させる第2記憶制御手段と、
を備え、
前記第1記憶制御手段は、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせが既に前記第1記憶手段に登録されているか否かを判断し、当該組み合わせが既に前記第1記憶手段に登録されている場合に、前記受信された医療情報を、当該組み合わせと対応付けて前記第1記憶手段に記憶させる医療情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療情報管理サーバー及び医療情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療技術の多様化に伴い、同一グループに属する病院間等、複数の医療施設間で医療情報の共有が進んでいる。患者を識別するための患者IDは、通常、医療施設ごとに別々に管理されており、各患者に係る医療情報を参照する際には、医療施設を識別するための施設IDと施設内で使用されている患者IDを指定する必要がある。
【0003】
複数の医療施設により異なる識別体系で管理されている情報を統合する方法として、施設IDと施設内患者IDの組に対して共通患者IDを設定し、この共通患者IDで同一患者に係る情報を管理する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、グループ病院では、予めグループ内で共通の発番ルールを設けておき、医療施設間で共通の患者IDを用いるところもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-157189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、病院のグループ化が拡大するにつれて、既存の独立病院が、後からグループに加わるという状況も起こり得る。この場合、後からグループに加わった医療施設の患者に共通患者IDを再付与するには多大な労力を要するため、グループ内で常に共通の患者IDで情報を管理することは困難であった。
このため、新規にグループに加わった医療施設では、新規患者に対してのみグループ共通の患者IDを付与して情報を共有する等の方法が採られている。一方、既存の患者については、既に付与されている施設内患者IDが共通患者IDと重複する可能性があるため、患者の病歴や過去の検査画像等をグループ内の施設間で相互に参照することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、複数の医療施設において生成された複数の患者に係る医療情報について、各患者に医療施設間で共通の患者IDが設けられているか否かにかかわらず、管理可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の医療施設のそれぞれにおいて生成された医療情報が、当該医療情報が生成された医療施設を示す施設情報と当該医療施設における当該医療情報に係る患者を示す施設内患者IDとの組み合わせと対応付けられて記憶されている第1記憶手段と、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの少なくとも一部に、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせにより特定される患者同士が同一患者であることを示す共通情報が対応付けられて記憶されている第2記憶手段と、通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された参照端末から、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの選択を受け付ける受付手段と、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられている場合に、当該共通情報に基づいて、前記選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報を前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供し、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられていない場合に、前記選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみを前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供する制御手段と、を備え、少なくとも二つ以上の医療施設において生成された同一患者の医療情報に対し、前記共通情報が対応付けられていない医療情報管理サーバーである。
請求項2に記載の発明は、複数の医療施設のそれぞれにおいて生成された医療情報が、当該医療情報が生成された医療施設を示す施設情報と当該医療施設における当該医療情報に係る患者を示す施設内患者IDとの組み合わせと対応付けられて記憶されている第1記憶手段と、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの少なくとも一部に、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせにより特定される患者同士が同一患者であることを示す共通情報が対応付けられて記憶されている第2記憶手段と、通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された参照端末から、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの選択を受け付ける受付手段と、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられている場合に、当該共通情報に基づいて、前記選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報を前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供し、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられていない場合に、前記選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみを前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供する制御手段と、を備え、前記共通情報は、当該共通情報が対応付けられている組み合わせに含まれる前記施設内患者IDが前記複数の医療施設間で共通の共通患者IDを兼ねていることを示す兼用情報であり、前記制御手段は、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記兼用情報が対応付けられている場合に、前記選択された組み合わせに含まれる前記施設内患者IDと同一の施設内患者IDを含む組み合わせであって、かつ、前記兼用情報が対応付けられている全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出する医療情報管理サーバーである。
請求項3に記載の発明は、複数の医療施設のそれぞれにおいて生成された医療情報が、当該医療情報が生成された医療施設を示す施設情報と当該医療施設における当該医療情報に係る患者を示す施設内患者IDとの組み合わせと対応付けられて記憶されている第1記憶手段と、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの少なくとも一部に、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせにより特定される患者同士が同一患者であることを示す共通情報が対応付けられて記憶されている第2記憶手段と、通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された参照端末から、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの選択を受け付ける受付手段と、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられている場合に、当該共通情報に基づいて、前記選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報を前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供し、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられていない場合に、前記選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみを前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供する制御手段と、通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続され、前記複数の医療施設のそれぞれにおいて使用される施設内端末から医療情報を受信する受信手段と、前記受信された医療情報を送信した施設内端末に対応する医療施設を識別する識別手段と、前記受信された医療情報に付帯された施設内患者IDを取得する施設内患者ID取得手段と、前記受信された医療情報を、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせと対応付けて前記第1記憶手段に記憶させる第1記憶制御手段と、前記受信された医療情報に対応する前記共通情報がある場合に、当該共通情報を、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせと対応付けて前記第2記憶手段に記憶させる第2記憶制御手段と、を備え、前記第1記憶制御手段は、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせが既に前記第1記憶手段に登録されているか否かを判断し、当該組み合わせが既に前記第1記憶手段に登録されている場合に、前記受信された医療情報を、当該組み合わせと対応付けて前記第1記憶手段に記憶させる医療情報管理サーバーである。
【0009】
請求項に記載の発明は、請求項1又は3に記載の医療情報管理サーバーにおいて、前記共通情報は、前記複数の医療施設間で共通の共通患者IDであり、前記第2記憶手段には、同一患者の前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせに対して、同一の共通患者IDが対応付けられており、前記制御手段は、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通患者IDが対応付けられている場合に、当該共通患者IDと同一の共通患者IDが対応付けられている全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出する。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項1又は3に記載の医療情報管理サーバーにおいて、前記共通情報は、当該共通情報が対応付けられている組み合わせに含まれる前記施設内患者IDが前記複数の医療施設間で共通の共通患者IDを兼ねていることを示す兼用情報であり、前記制御手段は、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記兼用情報が対応付けられている場合に、前記選択された組み合わせに含まれる前記施設内患者IDと同一の施設内患者IDを含む組み合わせであって、かつ、前記兼用情報が対応付けられている全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出する。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医療情報管理サーバーにおいて、通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続され、前記複数の医療施設のそれぞれにおいて使用される施設内端末から医療情報を受信する受信手段と、前記受信された医療情報を送信した施設内端末に対応する医療施設を識別する識別手段と、前記受信された医療情報に付帯された施設内患者IDを取得する施設内患者ID取得手段と、前記受信された医療情報を、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせと対応付けて前記第1記憶手段に記憶させる第1記憶制御手段と、前記受信された医療情報に対応する前記共通情報がある場合に、当該共通情報を、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせと対応付けて前記第2記憶手段に記憶させる第2記憶制御手段と、を備える。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項3又は6に記載の医療情報管理サーバーにおいて、前記識別手段は、前記施設内端末が使用される医療施設の施設ID、前記施設内端末が使用される医療施設の施設名、前記施設内端末のAEタイトル、前記施設内端末のIPアドレスの少なくとも一つに基づいて、前記施設内端末に対応する医療施設を識別する。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の医療情報管理サーバーにおいて、前記第1記憶制御手段は、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせが既に前記第1記憶手段に登録されているか否かを判断し、当該組み合わせが既に前記第1記憶手段に登録されている場合に、前記受信された医療情報を、当該組み合わせと対応付けて前記第1記憶手段に記憶させる。
【0014】
請求項に記載の発明は、医療情報管理サーバーと参照端末とが通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された医療情報管理システムであって、前記医療情報管理サーバーは、複数の医療施設のそれぞれにおいて生成された医療情報が、当該医療情報が生成された医療施設を示す施設情報と当該医療施設における当該医療情報に係る患者を示す施設内患者IDとの組み合わせと対応付けられて記憶されている第1記憶手段と、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの少なくとも一部に、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせにより特定される患者同士が同一患者であることを示す共通情報が対応付けられて記憶されている第2記憶手段と、前記参照端末から、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの選択を受け付ける受付手段と、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられている場合に、当該共通情報に基づいて、前記選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報を前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供し、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられていない場合に、前記選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみを前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供する制御手段と、を備え、少なくとも二つ以上の医療施設において生成された同一患者の医療情報に対し、前記共通情報が対応付けられていない。
請求項10に記載の発明は、医療情報管理サーバーと参照端末とが通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された医療情報管理システムであって、前記医療情報管理サーバーは、複数の医療施設のそれぞれにおいて生成された医療情報が、当該医療情報が生成された医療施設を示す施設情報と当該医療施設における当該医療情報に係る患者を示す施設内患者IDとの組み合わせと対応付けられて記憶されている第1記憶手段と、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの少なくとも一部に、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせにより特定される患者同士が同一患者であることを示す共通情報が対応付けられて記憶されている第2記憶手段と、前記参照端末から、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの選択を受け付ける受付手段と、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられている場合に、当該共通情報に基づいて、前記選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報を前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供し、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられていない場合に、前記選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみを前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供する制御手段と、を備え、前記共通情報は、当該共通情報が対応付けられている組み合わせに含まれる前記施設内患者IDが前記複数の医療施設間で共通の共通患者IDを兼ねていることを示す兼用情報であり、前記制御手段は、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記兼用情報が対応付けられている場合に、前記選択された組み合わせに含まれる前記施設内患者IDと同一の施設内患者IDを含む組み合わせであって、かつ、前記兼用情報が対応付けられている全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出する。
請求項11に記載の発明は、医療情報管理サーバーと参照端末とが通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された医療情報管理システムであって、前記医療情報管理サーバーは、複数の医療施設のそれぞれにおいて生成された医療情報が、当該医療情報が生成された医療施設を示す施設情報と当該医療施設における当該医療情報に係る患者を示す施設内患者IDとの組み合わせと対応付けられて記憶されている第1記憶手段と、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの少なくとも一部に、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせにより特定される患者同士が同一患者であることを示す共通情報が対応付けられて記憶されている第2記憶手段と、前記参照端末から、前記施設情報と前記施設内患者IDとの組み合わせの選択を受け付ける受付手段と、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられている場合に、当該共通情報に基づいて、前記選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを前記第2記憶手段から抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報を前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供し、前記第2記憶手段において、前記選択された組み合わせに前記共通情報が対応付けられていない場合に、前記選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみを前記第1記憶手段から取得し、当該取得された医療情報を前記参照端末に提供する制御手段と、通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続され、前記複数の医療施設のそれぞれにおいて使用される施設内端末から医療情報を受信する受信手段と、前記受信された医療情報を送信した施設内端末に対応する医療施設を識別する識別手段と、前記受信された医療情報に付帯された施設内患者IDを取得する施設内患者ID取得手段と、前記受信された医療情報を、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせと対応付けて前記第1記憶手段に記憶させる第1記憶制御手段と、前記受信された医療情報に対応する前記共通情報がある場合に、当該共通情報を、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせと対応付けて前記第2記憶手段に記憶させる第2記憶制御手段と、を備え、前記第1記憶制御手段は、前記識別された医療施設を示す施設情報と前記取得された施設内患者IDとの組み合わせが既に前記第1記憶手段に登録されているか否かを判断し、当該組み合わせが既に前記第1記憶手段に登録されている場合に、前記受信された医療情報を、当該組み合わせと対応付けて前記第1記憶手段に記憶させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の医療施設において生成された複数の患者に係る医療情報について、各患者に医療施設間で共通の患者IDが設けられているか否かにかかわらず、管理可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施の形態における医療情報管理システムのシステム構成図である。
図2】医療情報管理サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
図3】医療情報管理サーバーに記憶されている各テーブルの構成例である。
図4】クライアント端末の機能的構成を示すブロック図である。
図5】第1の医療情報登録処理を示すフローチャートである。
図6】患者情報修正画面の例である。
図7】第1の医療情報提供処理を示すフローチャートである。
図8】共通患者IDの使用方法の具体例について説明するための図である。
図9】第2の実施の形態の医療情報管理サーバーに記憶されている各テーブルの構成例である。
図10】第2の医療情報登録処理を示すフローチャートである。
図11】第2の医療情報提供処理を示すフローチャートである。
図12】共通フラグの使用方法の具体例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1の実施の形態]
まず、図1図8を参照して本発明に係る医療情報管理システムの第1の実施の形態について説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0018】
図1に、第1の実施の形態における医療情報管理システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、医療情報管理システム100は、医療情報管理サーバー10と、医療施設Aにおいて使用されるクライアント端末20Aと、医療施設Bにおいて使用されるクライアント端末20Bと、・・・を備えて構成されている。医療情報管理サーバー10とクライアント端末20A,20B,・・・とは、通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。医療情報管理システム100を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOMに則って行われる。
なお、医療施設の数や、各医療施設に設置されているクライアント端末20A,20B,・・・の数は、特に限定されない。
【0019】
医療情報管理サーバー10は、各医療施設において生成された医用画像等の医療情報を蓄積し、管理する装置であり、外部機器からの要求に応じて医療情報を提供する。
【0020】
医療施設Aでは、クライアント端末20A、モダリティー30A、PACS(Picture Archiving and Communication System)40A等が、LAN(Local Area Network)等の施設内ネットワーク50Aにより相互にデータ通信可能に接続されている。
【0021】
クライアント端末20Aは、医療施設Aの医師により使用されるコンピューター装置である。クライアント端末20Aは、通信ネットワークNを介して医療情報管理サーバー10にアクセスし、医療情報管理サーバー10に医療情報を登録する際、医療情報管理サーバー10に保管されている医療情報を閲覧する際等に用いられる。
【0022】
モダリティー30Aは、人体を撮影し、その撮影画像(医用画像)のデジタルデータを生成するものであり、例えば、CR(Computed Radiography)、FPD(Flat Panel Detector)、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、カセッテ専用の読取装置、フィルムディジタイザー等が適用可能である。
【0023】
PACS40Aは、制御部、RAM(Random Access Memory)、通信部、記憶部等を備えたコンピューター装置であり、医療施設A内のモダリティー30Aにより生成された医用画像を記憶部に格納して、医用画像を管理する施設内サーバーである。
【0024】
医療施設Bでは、クライアント端末20B、モダリティー30B、PACS40B等が、LAN等の施設内ネットワーク50Bにより相互にデータ通信可能に接続されている。
医療施設Bに設けられているクライアント端末20B、モダリティー30B及びPACS40B、医療施設A,B以外の医療施設に設けられている各装置についても、医療施設Aに設けられている各装置と同様であるため、説明を省略する。
以下、各医療施設を特に区別しない場合には、クライアント端末20A,20B,・・・、PACS40A,40B,・・・、施設内ネットワーク50A,50B,・・・を、単にクライアント端末20、PACS40、施設内ネットワーク50と記載する。
【0025】
図2に、医療情報管理サーバー10の機能的構成を示す。
図2に示すように、医療情報管理サーバー10は、制御部11、RAM12、通信部13、記憶部14等を備えて構成されており、各部はバス15により接続されている。
【0026】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、医療情報管理サーバー10の各部の処理動作を統括的に制御する。制御部11は、記憶部14に記憶されている各種プログラムを読み出してRAM12に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を実行する。
【0027】
RAM12は、制御部11により実行制御される各種処理において、記憶部14から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0028】
通信部13は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNを介して接続されたクライアント端末20等の外部機器との間でデータの送受信を行う通信回路である。
【0029】
記憶部14は、ハードディスクや不揮発性の半導体メモリー等により構成される記憶装置である。記憶部14は、制御部11により実行される各種プログラムを記憶しているほか、各種プログラムを実行するために必要なパラメーターやデータを記憶している。また、記憶部14には、施設情報テーブルT1、患者情報テーブルT2、検査情報テーブルT3、シリーズ情報テーブルT4、画像情報テーブルT5、送信元端末情報テーブルT6、各医療施設において生成された医用画像等の医療情報が記憶されている。
【0030】
図3に、各テーブルの構成例を示す。
施設情報テーブルT1は、医療施設に関する情報を管理するためのテーブルである。施設情報テーブルT1には、医療施設ごとに、施設LID、施設ID、施設名、施設住所、施設電話番号等が対応付けられて格納されている。
施設LIDは、施設情報テーブルT1内の各レコード(医療施設)に対して付与された内部管理番号である。各LID(施設LID、患者LID、検査LID、シリーズLID、画像LID、送信元端末LID)は、各テーブルのレコードを関連付けるための内部管理番号である。
施設IDは、医療施設を示す識別情報である。
施設名、施設住所、施設電話番号は、それぞれ、医療施設の名称、住所、電話番号である。
【0031】
患者情報テーブルT2は、患者に関する情報を管理するためのテーブルである。患者情報テーブルT2には、患者ごとに、患者LID、施設LID、施設内患者ID、共通患者ID、患者名、性別、生年月日、住所等が対応付けられて格納されている。
患者LIDは、患者情報テーブルT2内の各レコード(患者)に対して付与された内部管理番号である。
施設LIDは、患者の医療情報が生成された医療施設に対応する情報である。
施設内患者IDは、患者の医療情報が生成された医療施設における患者の識別情報である。つまり、施設LIDと施設内患者IDとの組み合わせにより、患者LID(患者)が特定される。なお、施設情報テーブルT1において、施設LIDと施設IDとは、一対一に対応付けられているため、施設IDと施設内患者IDとの組み合わせにより、患者LID(患者)が特定されることになる。
共通患者IDは、複数の医療施設間で共通の患者の識別情報であり、医療情報管理システム100内で重複しないように定められている。患者に共通患者IDが定められている場合には、「共通患者ID」フィールドは値(共通患者ID)を有し、患者に共通患者IDが定められていない場合には、「共通患者ID」フィールドは「NULL」のままとなる。
患者名、性別、生年月日、住所は、それぞれ、患者の氏名、性別、生年月日、住所である。
患者情報テーブルT2の「施設内患者ID」フィールド、「患者名」フィールド、「性別」フィールド、「生年月日」フィールド、「住所」フィールドには、医療情報に付帯されている患者情報に含まれる情報がそれぞれ格納される。
【0032】
検査情報テーブルT3は、検査に関する情報を管理するためのテーブルである。検査情報テーブルT3には、検査ごとに、検査LID、患者LID、検査インスタンスID、検査ID、受付番号、検査日時、検査コメント、依頼医師、読影医師等が対応付けられて格納されている。
検査LIDは、検査情報テーブルT3内の各レコード(検査)に対して付与された内部管理番号である。
患者LIDは、検査の対象患者に対応する情報である。
検査情報テーブルT3の「検査インスタンスID」フィールド、「検査ID」フィールド、「受付番号」フィールド、「検査日時」フィールド、「検査コメント」フィールド、「依頼医師」フィールド、「読影医師」フィールドには、医療情報に付帯されている検査情報に含まれる情報がそれぞれ格納される。
【0033】
シリーズ情報テーブルT4は、シリーズに関する情報を管理するためのテーブルである。シリーズ情報テーブルT4には、シリーズごとに、シリーズLID、検査LID、シリーズインスタンスID、シリーズ番号、モダリティー、シリーズ日時、左右、部位、シリーズコメント等が対応付けられて格納されている。
シリーズLIDは、シリーズ情報テーブルT4内の各レコード(シリーズ)に対して付与された内部管理番号である。
検査LIDは、シリーズが属する検査に対応する情報である。
シリーズ情報テーブルT4の「シリーズインスタンスID」フィールド、「シリーズ番号」フィールド、「モダリティー」フィールド、「シリーズ日時」フィールド、「左右」フィールド、「部位」フィールド、「シリーズコメント」フィールドには、医療情報に付帯されているシリーズ情報に含まれる情報がそれぞれ格納される。
【0034】
画像情報テーブルT5は、医用画像に関する情報を管理するためのテーブルである。画像情報テーブルT5には、医用画像ごとに、画像LID、シリーズLID、SOPインスタンスID、画像番号、患者方向、収集日時、画像タイプ、画像コメント等が対応付けられて格納されている。
画像LIDは、画像情報テーブルT5内の各レコード(医用画像)に対して付与された内部管理番号である。
シリーズLIDは、医用画像が属するシリーズに対応する情報である。
SOPインスタンスIDは、個々の医用画像に付与された識別情報である。SOPインスタンスIDにより、医用画像を特定できる。
画像情報テーブルT5の「SOPインスタンスID」フィールド、「画像番号」フィールド、「患者方向」フィールド、「収集日時」フィールド、「画像タイプ」フィールド、「画像コメント」フィールドには、医療情報に付帯されている画像情報に含まれる情報がそれぞれ格納される。
【0035】
送信元端末情報テーブルT6は、医療情報管理サーバー10に対して医療情報(医用画像等)を送信し得るクライアント端末20に関する情報を管理するためのテーブルである。送信元端末情報テーブルT6には、クライアント端末20ごとに、送信元端末LID、施設LID、AEタイトル、IPアドレス、ポート番号等が対応付けられて格納されている。
送信元端末LIDは、送信元端末情報テーブルT6内の各レコード(クライアント端末20)に対して付与された内部管理番号である。
施設LIDは、クライアント端末20が使用される医療施設に対応する情報である。
AEタイトル、IPアドレス、ポート番号は、クライアント端末20に対応する情報である。
【0036】
患者情報テーブルT2において、施設LID(施設情報テーブルT1で施設IDと対応付けられている)と施設内患者IDとの組み合わせにより特定される患者(患者LID)に関連付けられて、検査情報テーブルT3、シリーズ情報テーブルT4、画像情報テーブルT5により、医療情報が管理されている。すなわち、記憶部14には、複数の医療施設のそれぞれにおいて生成された医療情報が、当該医療情報が生成された医療施設を示す施設ID(施設情報)と当該医療施設における当該医療情報に係る患者を示す施設内患者IDとの組み合わせと対応付けられて記憶されている(第1記憶手段)。
【0037】
また、患者情報テーブルT2では、施設LID(施設情報テーブルT1で施設IDと対応付けられている)と施設内患者IDとの組み合わせに対し、共通患者IDが対応付けられている場合と、対応付けられていない場合(NULL)と、がある。すなわち、記憶部14には、施設ID(施設情報)と施設内患者IDとの組み合わせの少なくとも一部に、施設IDと施設内患者IDとの組み合わせにより特定される患者同士が同一患者であることを示す共通患者ID(共通情報)が対応付けられて記憶されている(第2記憶手段)。具体的には、記憶部14には、同一患者の施設IDと施設内患者IDとの組み合わせに対して、同一の共通患者IDが対応付けられている。
【0038】
制御部11は、通信部13により、各医療施設のクライアント端末20から当該医療施設において生成された医療情報が受信されると、当該医療情報を記憶部14に記憶させるとともに、当該医療情報に係る患者情報、検査情報、シリーズ情報、画像情報を各テーブルに格納する。
【0039】
制御部11は、複数の医療施設のそれぞれにおいて使用される施設内端末としてのクライアント端末20から、通信部13を介して医療情報を受信する。
【0040】
制御部11は、受信された医療情報を送信したクライアント端末20に対応する医療施設を識別する。すなわち、制御部11は、識別手段として機能する。例えば、制御部11は、クライアント端末20が使用される医療施設の施設ID、クライアント端末20が使用される医療施設の施設名、クライアント端末20のAEタイトル、クライアント端末20のIPアドレスの少なくとも一つに基づいて、クライアント端末20に対応する医療施設を識別する。
制御部11は、受信された医療情報に付帯された施設内患者IDを取得する。すなわち、制御部11は、施設内患者ID取得手段として機能する。
【0041】
制御部11は、受信された医療情報を、識別された医療施設を示す施設ID(施設情報)と取得された施設内患者IDとの組み合わせと対応付けて記憶部14(第1記憶手段)に記憶させる。すなわち、制御部11は、第1記憶制御手段として機能する。
制御部11は、識別された医療施設を示す施設IDと取得された施設内患者IDとの組み合わせが既に記憶部14に登録されているか否かを判断し、当該組み合わせが既に記憶部14に登録されている場合に、受信された医療情報を、当該組み合わせと対応付けて記憶部14に記憶させる。
【0042】
制御部11は、受信された医療情報に対応する共通患者ID(共通情報)がある場合に、当該共通患者IDを、識別された医療施設を示す施設IDと取得された施設内患者IDとの組み合わせと対応付けて記憶部14(第2記憶手段)に記憶させる。すなわち、制御部11は、第2記憶制御手段として機能する。
【0043】
制御部11は、クライアント端末20から患者の指定を含む医療情報参照要求が受信された場合に、当該患者に対応する医療情報を取得し、通信部13を介して、取得された医療情報をクライアント端末20に送信する。
【0044】
制御部11は、通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続された参照端末としてのクライアント端末20から、施設IDと施設内患者IDとの組み合わせの選択を受け付ける。すなわち、制御部11は、受付手段として機能する。
【0045】
制御部11は、記憶部14(患者情報テーブルT2)において、選択された施設ID(に対応する施設LID)と施設内患者IDとの組み合わせに共通患者IDが対応付けられている場合に、当該共通患者IDに基づいて、選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを患者情報テーブルT2から抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報を記憶部14から取得し、当該取得された医療情報をクライアント端末20に提供する。具体的には、制御部11は、記憶部14(患者情報テーブルT2)において、選択された組み合わせに共通患者IDが対応付けられている場合に、当該共通患者IDと同一の共通患者IDが対応付けられている全ての組み合わせを患者情報テーブルT2から抽出する。
【0046】
制御部11は、記憶部14(患者情報テーブルT2)において、選択された施設IDと施設内患者IDとの組み合わせに共通患者IDが対応付けられていない場合に、選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみを記憶部14から取得し、当該取得された医療情報をクライアント端末20に提供する。
【0047】
図4に、クライアント端末20の機能的構成を示す。
図4に示すように、クライアント端末20は、制御部21、RAM22、通信部23、操作部24、表示部25、記憶部26等を備えて構成され、各部はバス27等により接続されている。
【0048】
制御部21は、CPU等により構成され、クライアント端末20の各部の処理動作を統括的に制御する。制御部21は、記憶部26に記憶されている各種プログラムを読み出してRAM22に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を実行する。
【0049】
RAM22は、制御部21により実行制御される各種処理において、記憶部26から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0050】
通信部23は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNや施設内ネットワーク50を介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う通信回路である。
【0051】
操作部24は、カーソルキー、文字入力キー及び各種機能キー等を有するキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成される操作機器であり、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部21に出力する。例えば、操作部24は、医療情報を表示させる患者を指定するために、施設IDと施設内患者IDとを選択する際に用いられる。
【0052】
表示部25は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成される表示装置であり、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0053】
記憶部26は、ハードディスクや不揮発性の半導体メモリー等により構成される記憶装置である。記憶部26は、制御部21により実行される各種プログラムを記憶しているほか、各種プログラムを実行するために必要なパラメーターやデータを記憶している。
【0054】
医療情報管理サーバー10に医療情報を登録する際、制御部21は、操作部24において選択された医療情報をPACS40等から取得し、通信部23を介して、医療情報を医療情報管理サーバー10に送信する。
【0055】
医療情報管理サーバー10で管理されている医療情報を参照する際、制御部21は、通信部23を介して、操作部24において選択された施設IDと施設内患者IDとの組み合わせを示す情報を、医療情報管理サーバー10に送信する。なお、施設IDと施設内患者IDとの組み合わせに代えて、共通患者IDで患者を特定することも可能である。
【0056】
次に、第1の実施の形態における動作について説明する。
図5は、医療情報管理サーバー10において行われる第1の医療情報登録処理を示すフローチャートである。第1の医療情報登録処理は、制御部11と記憶部14に記憶されているプログラムとの協働により実現される。
【0057】
まず、制御部11は、通信部13を介して、或る医療施設のクライアント端末20から医療情報を受信する(ステップS1)。
【0058】
次に、制御部11は、医療情報の送信元端末(クライアント端末20)から特定される医療施設の施設IDを取得する(ステップS2)。具体的には、制御部11は、記憶部14の送信元端末情報テーブルT6を参照して、医療情報を受信した際のDICOM通信におけるAEタイトル、IPアドレス又はポート番号に対応付けられている施設LIDを取得する。そして、制御部11は、記憶部14の施設情報テーブルT1を参照して、取得された施設LIDに対応付けられている施設IDを取得する。
【0059】
なお、クライアント端末20から、医療情報に付帯されているプライベートな情報に施設IDが含まれた状態で、医療情報を受信することで、医療情報の送信元の医療施設の施設IDを取得することとしてもよい。また、クライアント端末20から、医療情報に付帯されているプライベートな情報に施設名が含まれた状態で、医療情報を受信することで、医療情報の送信元の医療施設の施設名を取得し、施設情報テーブルT1を参照して、取得された施設名に対応付けられている施設IDを取得することとしてもよい。
【0060】
次に、制御部11は、医療情報に付帯されている患者情報から施設内患者IDを取得する(ステップS3)。
【0061】
次に、制御部11は、ステップS2で取得された施設IDとステップS3で取得された施設内患者IDとの組み合わせが登録済みであるか否かを判断する(ステップS4)。具体的には、制御部11は、施設IDに対応する施設LIDと施設内患者IDとを含むレコードが記憶部14の患者情報テーブルT2に登録されているか否かを判断する。
【0062】
施設IDと施設内患者IDとの組み合わせが登録済みでない場合には(ステップS4;NO)、制御部11は、施設IDと対応付けて患者情報を登録する(ステップS5)。具体的には、制御部11は、新たな患者LIDを採番して患者情報テーブルT2に新たなレコードを作成し、施設IDに対応する施設LID、医療情報に付帯されている患者情報(施設内患者ID、患者名、性別、生年月日、住所等)を登録する。
【0063】
ステップS4において、施設IDと施設内患者IDとの組み合わせが登録済みである場合(ステップS4;YES)、又は、ステップS5の後、制御部11は、医療情報とともに共通患者IDが受信されたか否かを判断する(ステップS6)。例えば、制御部11は、医療情報に付帯されている患者情報又はプライベートな情報に共通患者IDが含まれているか否かを判断する。
【0064】
なお、共通患者IDが定められている患者については、施設IDと施設内患者IDとの組み合わせと、共通患者IDと、を対応付けた対応テーブルを予め用意しておき、制御部11が、この対応テーブルを参照して、施設IDと施設内患者IDとの組み合わせに対応付けられた共通患者IDを取得することで、共通患者IDの存在を確認することとしてもよい。
【0065】
医療情報とともに共通患者IDが受信された場合には(ステップS6;YES)、制御部11は、共通患者IDを追加して患者情報テーブルT2を更新する(ステップS7)。具体的には、制御部11は、患者情報テーブルT2の施設IDに対応する施設LIDと施設内患者IDとを含むレコードの「共通患者ID」フィールドに、共通患者IDを格納する。
【0066】
ステップS6において、医療情報とともに共通患者IDが受信されていない場合(ステップS6;NO)、又は、ステップS7の後、制御部11は、医療情報を施設IDと施設内患者IDとの組み合わせと対応付けて登録する(ステップS8)。具体的には、制御部11は、医療情報を記憶部14に記憶させるとともに、医療情報(医用画像)に付帯されている検査情報、シリーズ情報、画像情報を、検査情報テーブルT3、シリーズ情報テーブルT4、画像情報テーブルT5に登録する。なお、各テーブル間の関連付けは、各LIDで行う。
以上で、第1の医療情報登録処理が終了する。
【0067】
なお、医療情報の受信時に限らず、共通患者IDが登録されていない患者に対し、共通患者IDを追加することができる。
例えば、医療情報管理サーバー10の制御部11は、クライアント端末20から、共通患者IDを登録する患者の選択を受け付ける。具体的には、制御部11は、クライアント端末20の操作部24から施設名と施設内患者IDの選択を受け付けることによって、患者を特定する。
【0068】
制御部11は、クライアント端末20において選択された施設名に対応する施設LIDを記憶部14の施設情報テーブルT1から取得し、この施設LIDとクライアント端末20において選択された施設内患者IDとの組み合わせを含むレコード(患者情報)を記憶部14の患者情報テーブルT2から取得する。そして、制御部11は、取得されたレコードと選択された施設名とに基づいて、クライアント端末20の表示部25に患者情報修正画面を表示させるための表示用データを生成する。
制御部11は、生成した患者情報修正画面の表示用データを、通信部13を介してクライアント端末20に送信する。
【0069】
図6に、クライアント端末20の表示部25に表示される患者情報修正画面251の例を示す。患者情報修正画面251には、変更前情報表示領域61、変更後情報表示領域62、変更ボタンB1、キャンセルボタンB2が含まれる。
【0070】
変更前情報表示領域61には、医療情報管理サーバー10に登録されている各項目(施設名、施設内患者ID、共通患者ID、患者名、性別、生年月日)の内容が表示される。共通患者IDが登録されていない場合には、変更前情報表示領域61において、共通患者IDは空欄となる。
変更後情報表示領域62には、変更前情報表示領域61と同一の内容が初期表示される。ユーザーが操作部24からの操作により、変更後情報表示領域62の該当領域に修正したい内容を入力し、変更ボタンB1を押下することで、各項目の内容を修正することができる。例えば、ユーザーが操作部24からの操作により、変更後情報表示領域62の共通患者ID入力欄63に、「0300123456」と入力し、変更ボタンB1を押下すると、クライアント端末20の制御部21は、入力された共通患者IDを、通信部23を介して医療情報管理サーバー10に送信する。
【0071】
医療情報管理サーバー10では、制御部11が、通信部13を介してクライアント端末20から受信した共通患者IDを、患者情報テーブルT2の対象レコード(施設名に対応する施設LID及び施設内患者IDを含むレコード)に追加して上書き登録する。
【0072】
図7は、医療情報管理サーバー10において行われる第1の医療情報提供処理を示すフローチャートである。第1の医療情報提供処理は、制御部11と記憶部14に記憶されているプログラムとの協働により実現される。
【0073】
まず、制御部11は、通信部13を介して、或る医療施設のクライアント端末20から患者の選択を受け付ける(ステップS11)。第1の実施の形態では、施設IDと施設内患者IDとの組み合わせ、又は、共通患者IDにより、患者を特定する。
【0074】
次に、制御部11は、クライアント端末20から受け付けた患者の選択が、施設IDと施設内患者IDとの組み合わせによるものであるか、共通患者IDによるものであるかを判断する(ステップS12)。
【0075】
患者の選択が施設IDと施設内患者IDとの組み合わせによるものである場合には(ステップS12;施設ID・施設内患者ID)、制御部11は、記憶部14の患者情報テーブルT2の施設IDに対応する施設LIDと施設内患者IDとを含むレコードの「共通患者ID」フィールドに値(共通患者ID)があるか否かを判断する(ステップS13)。すなわち、制御部11は、施設IDと施設内患者IDとの組み合わせに対して、共通患者IDが対応付けられているか否かを判断する。
【0076】
「共通患者ID」フィールドに値がある場合(ステップS13;YES)、又は、ステップS12において、患者の選択が共通患者IDによるものである場合には(ステップS12;共通患者ID)、制御部11は、患者情報テーブルT2から同一の共通患者IDが対応付けられた全ての患者(施設IDと施設内患者IDとの組み合わせ)を抽出する(ステップS14)。具体的には、制御部11は、患者情報テーブルT2から、施設IDに対応する施設LIDと施設内患者IDとを含むレコードの「共通患者ID」フィールドに格納されていた共通患者ID、又は、患者の選択により指定された共通患者IDと対応付けられた全ての患者LIDを抽出する。
【0077】
次に、制御部11は、抽出した全ての患者に対応付けられた医療情報を取得する(ステップS15)。具体的には、制御部11は、抽出した全ての患者LIDと対応付けられた検査LIDを検査情報テーブルT3から取得し、この検査LIDと対応付けられたシリーズLIDをシリーズ情報テーブルT4から取得し、このシリーズLIDと対応付けられたSOPインスタンスIDを画像情報テーブルT5から取得し、各SOPインスタンスIDにより特定される医療情報(医用画像)を記憶部14から取得する。
【0078】
ステップS13において、「共通患者ID」フィールドに値がない場合(ステップS13;NO)、すなわち、「共通患者ID」フィールドが「NULL」の場合には、施設IDと施設内患者IDとの組み合わせにより特定される患者に対応付けられた医療情報を取得する(ステップS16)。具体的には、制御部11は、患者情報テーブルT2から、施設IDに対応する施設LIDと施設内患者IDとの組み合わせと対応付けられた患者LIDを抽出し、抽出した患者LIDと対応付けられた検査LIDを検査情報テーブルT3から取得し、この検査LIDと対応付けられたシリーズLIDをシリーズ情報テーブルT4から取得し、このシリーズLIDと対応付けられたSOPインスタンスIDを画像情報テーブルT5から取得し、各SOPインスタンスIDにより特定される医療情報(医用画像)を記憶部14から取得する。
【0079】
ステップS15又はステップS16の後、制御部11は、取得した医療情報を、通信部13を介して、クライアント端末20に提供する(ステップS17)。ここで、制御部11は、まず、医療情報のリストをクライアント端末20の表示部25に表示させるべく提供し、その後、クライアント端末20から選択された医療情報をクライアント端末20の表示部25に表示させるべく提供することとしてもよい。
以上で、第1の医療情報提供処理が終了する。
【0080】
次に、図8を参照して、共通患者IDの使用方法の具体例について説明する。
図8は、患者情報テーブルT2から「患者LID」、「施設LID」、「施設内患者ID」、「共通患者ID」のセットを抽出し、「施設LID」を、施設情報テーブルT1において当該「施設LID」と対応付けられている「施設ID」に置き換えたテーブルである。
「患者LID」が「1」、「2」、「4」の患者は、「共通患者ID」が「20001」で共通しているから、同一患者である。「患者LID」が「1」、「2」、「4」のいずれかの患者が選択された場合には、「患者LID」が「1」、「2」、「4」の全ての患者に対応付けられている医療情報がクライアント端末20に提供されることになる。
【0081】
一方、「患者LID」が「3」、「5」の患者は、「共通患者ID」が「NULL」であり、共通患者IDを有していないため、他の「患者LID」の患者とは別患者として扱われる。「患者LID」が「3」の患者が選択された場合には、「患者LID」が「3」の患者に対応付けられている医療情報がクライアント端末20に提供される。同様に、「患者LID」が「5」の患者が選択された場合には、「患者LID」が「5」の患者に対応付けられている医療情報がクライアント端末20に提供される。
【0082】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、参照対象として選択された施設IDと施設内患者IDとの組み合わせに共通患者IDが対応付けられている場合に、当該共通患者IDに基づいて、選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報をクライアント端末20に提供する。
一方、参照対象として選択された施設IDと施設内患者IDとの組み合わせに共通患者IDが対応付けられていない場合に、選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみをクライアント端末20に提供する。
したがって、各患者に医療施設間で共通の患者ID(共通患者ID)が設けられているか否かにかかわらず、複数の医療施設において生成された複数の患者に係る医療情報を管理することができる。よって、共通患者IDが定められている患者と、共通患者IDが定められていない患者と、が混在していても、医療情報を複数の医療施設間で共有することができ、新たな医療施設が医療情報管理システム100のグループに加わる場合にも、容易に対応することができる。
【0083】
具体的には、参照対象として選択された施設IDと施設内患者IDとの組み合わせに共通患者IDが対応付けられている場合に、当該共通患者IDと同一の共通患者IDが対応付けられている全ての組み合わせを患者情報テーブルT2から抽出するので、複数の医療施設において生成された医療情報の中から、同一患者の医療情報を取得することができる。
【0084】
また、医療情報管理サーバー10において、医療情報を受信した際に、医療情報に対応する共通患者IDがある場合に、共通患者IDを、医療情報を送信した医療施設を示す施設IDと当該医療情報に係る患者の施設内患者IDとの組み合わせと対応付けることができる。
【0085】
また、医療情報を受信した際に、医療情報を送信した医療施設を示す施設IDと当該医療情報に係る患者の施設内患者IDとの組み合わせが既に登録されている場合には、既に登録されている組み合わせ(患者)と対応付けて、医療情報を記憶させることができる。
【0086】
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態における医療情報管理システムは、第1の実施の形態に示した医療情報管理システム100と同様の構成であるため、図1図2及び図4を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0087】
第2の実施の形態では、医療情報管理サーバー10の記憶部14に、第1の実施の形態に示した患者情報テーブルT2に代えて、患者情報テーブルT12が記憶されている。
図9に、第2の実施の形態における施設情報テーブルT1、患者情報テーブルT12、検査情報テーブルT3、シリーズ情報テーブルT4、画像情報テーブルT5、送信元端末情報テーブルT6の例を示す。
【0088】
患者情報テーブルT12は、患者に関する情報を管理するためのテーブルである。患者情報テーブルT12には、患者ごとに、患者LID、施設LID、患者ID、共通フラグ、患者名、性別、生年月日、住所等が対応付けられて格納されている。
患者IDは、患者の医療情報が生成された医療施設における患者の識別情報(施設内患者ID)である。第2の実施の形態では、患者IDが、複数の医療施設間で共通の患者の識別情報(共通患者ID)を兼ねている場合がある。
共通フラグは、患者IDが共通患者IDを兼ねているか否かを示す情報である。患者IDが共通患者IDを兼ねている場合には、共通フラグは「TRUE」、患者IDが共通患者IDを兼ねていない場合には、共通フラグは「FALSE」となる。つまり、共通フラグ「TRUE」は、この共通フラグ「TRUE」が対応付けられている組み合わせ(施設LID(施設ID)と患者IDとの組み合わせ)に含まれる患者IDが複数の医療施設間で共通の共通患者IDを兼ねていることを示す兼用情報である。なお、共通フラグの初期値は「FALSE」である。
【0089】
患者情報テーブルT12において、施設LID(施設情報テーブルT1で施設IDと対応付けられている)と患者IDとの組み合わせにより特定される患者(患者LID)に関連付けられて、検査情報テーブルT3、シリーズ情報テーブルT4、画像情報テーブルT5により、医療情報が管理されている。すなわち、記憶部14には、複数の医療施設のそれぞれにおいて生成された医療情報が、当該医療情報が生成された医療施設を示す施設IDと当該医療施設における当該医療情報に係る患者を示す患者IDとの組み合わせと対応付けられて記憶されている(第1記憶手段)。
【0090】
また、患者情報テーブルT12では、施設LID(施設情報テーブルT1で施設IDと対応付けられている)と患者IDとの組み合わせに対し、共通情報が対応付けられている場合(共通フラグ「TRUE」)と、対応付けられていない場合(共通フラグ「FALSE」)と、がある。すなわち、記憶部14には、施設IDと患者IDとの組み合わせの少なくとも一部に、施設IDと患者IDとの組み合わせにより特定される患者同士が同一患者であることを示す共通情報(共通フラグ「TRUE」)が対応付けられて記憶されている(第2記憶手段)。
【0091】
制御部11は、複数の医療施設のそれぞれにおいて使用される施設内端末としてのクライアント端末20から、通信部13を介して医療情報を受信する。
【0092】
制御部11は、受信された医療情報を送信したクライアント端末20に対応する医療施設を識別する。
制御部11は、受信された医療情報に付帯された患者IDを取得する。
【0093】
制御部11は、受信された医療情報を、識別された医療施設を示す施設IDと取得された患者IDとの組み合わせと対応付けて記憶部14(第1記憶手段)に記憶させる。
制御部11は、識別された医療施設を示す施設IDと取得された患者IDとの組み合わせが既に記憶部14に登録されているか否かを判断し、当該組み合わせが既に記憶部14に登録されている場合に、受信された医療情報を、当該組み合わせと対応付けて記憶部14に記憶させる。
【0094】
制御部11は、受信された医療情報に対応する兼用情報(患者IDが共通患者IDを兼ねていることを示す情報)がある場合に、当該兼用情報(共通フラグ「TRUE」)を、識別された医療施設を示す施設IDと取得された患者IDとの組み合わせと対応付けて記憶部14(第2記憶手段)に記憶させる。
【0095】
制御部11は、通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続された参照端末としてのクライアント端末20から、施設IDと患者IDとの組み合わせの選択を受け付ける。
【0096】
制御部11は、記憶部14(患者情報テーブルT12)において、選択された施設ID(に対応する施設LID)と患者IDとの組み合わせに共通フラグ「TRUE」(兼用情報)が対応付けられている場合に、当該共通フラグ「TRUE」に基づいて、選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを患者情報テーブルT12から抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報を記憶部14から取得し、当該取得された医療情報をクライアント端末20に提供する。具体的には、制御部11は、記憶部14(患者情報テーブルT12)において、選択された組み合わせに共通フラグ「TRUE」が対応付けられている場合に、選択された組み合わせに含まれる患者IDと同一の患者IDを含む組み合わせであって、かつ、共通フラグ「TRUE」が対応付けられている全ての組み合わせを患者情報テーブルT12から抽出する。
【0097】
制御部11は、記憶部14(患者情報テーブルT12)において、選択された施設IDと患者IDとの組み合わせに兼用情報が対応付けられていない場合(共通フラグ「FALSE」)に、選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみを記憶部14から取得し、当該取得された医療情報をクライアント端末20に提供する。
【0098】
次に、第2の実施の形態における動作について説明する。
図10は、医療情報管理サーバー10において行われる第2の医療情報登録処理を示すフローチャートである。第2の医療情報登録処理は、制御部11と記憶部14に記憶されているプログラムとの協働により実現される。
【0099】
ステップS21及びステップS22の処理は、第1の医療情報登録処理(図5参照)のステップS1及びステップS2の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0100】
次に、制御部11は、医療情報に付帯されている患者情報から患者IDを取得する(ステップS23)。
【0101】
次に、制御部11は、ステップS22で取得された施設IDとステップS23で取得された患者IDとの組み合わせが登録済みであるか否かを判断する(ステップS24)。具体的には、制御部11は、施設IDに対応する施設LIDと患者IDとを含むレコードが記憶部14の患者情報テーブルT12に登録されているか否かを判断する。
【0102】
施設IDと患者IDとの組み合わせが登録済みでない場合には(ステップS24;NO)、制御部11は、施設IDと対応付けて患者情報を登録する(ステップS25)。具体的には、制御部11は、新たな患者LIDを採番して患者情報テーブルT12に新たなレコードを作成し、施設IDに対応する施設LID、医療情報に付帯されている患者情報(患者ID、患者名、性別、生年月日、住所等)を登録する。
【0103】
ステップS24において、施設IDと患者IDとの組み合わせが登録済みである場合(ステップS24;YES)、又は、ステップS25の後、制御部11は、患者IDが共通患者IDを兼ねているか否かを判断する(ステップS26)。例えば、制御部11は、医療情報に付帯されているプライベートな情報に含まれている、患者IDが共通患者IDを兼ねているか否かを示す情報を参照する。
【0104】
なお、医療施設単位で、全ての患者に対して共通患者IDを導入している場合には、共通患者IDを導入している医療施設を予め登録しておき、当該登録されている医療施設から送信された医療情報については、患者IDが共通患者IDを兼ねていると判断することとしてもよい。
【0105】
患者IDが共通患者IDを兼ねている場合には(ステップS26;YES)、制御部11は、患者情報テーブルT12の該当レコードの「共通フラグ」を「TRUE」にする(ステップS27)。具体的には、制御部11は、患者情報テーブルT12の施設IDに対応する施設LIDと患者IDとを含むレコードの「共通フラグ」フィールドに、「TRUE」を格納する。
【0106】
ステップS26において、患者IDが共通患者IDを兼ねていない場合(ステップS26;NO)、又は、ステップS27の後、制御部11は、医療情報を施設IDと患者IDとの組み合わせと対応付けて登録する(ステップS28)。具体的には、制御部11は、医療情報を記憶部14に記憶させるとともに、医療情報(医用画像)に付帯されている検査情報、シリーズ情報、画像情報を、検査情報テーブルT3、シリーズ情報テーブルT4、画像情報テーブルT5に登録する。なお、各テーブル間の関連付けは、各LIDで行う。
以上で、第2の医療情報登録処理が終了する。
【0107】
図11は、医療情報管理サーバー10において行われる第2の医療情報提供処理を示すフローチャートである。第2の医療情報提供処理は、制御部11と記憶部14に記憶されているプログラムとの協働により実現される。
【0108】
まず、制御部11は、通信部13を介して、或る医療施設のクライアント端末20から施設IDと患者IDとの組み合わせの選択を受け付ける(ステップS31)。
【0109】
次に、制御部11は、記憶部14の患者情報テーブルT12の施設IDに対応する施設LIDと患者IDとを含むレコードの「共通フラグ」が「TRUE」であるか、「FALSE」であるかを判断する(ステップS32)。
【0110】
「共通フラグ」が「TRUE」である場合には(ステップS32;TRUE)、制御部11は、患者情報テーブルT12から、「患者ID」が選択された患者IDと同一であって、かつ、「共通フラグ」が「TRUE」の全ての患者を抽出する(ステップS33)。具体的には、制御部11は、患者情報テーブルT12から、ステップS31で選択を受け付けた組み合わせに含まれる「患者ID」を含み、「共通フラグ」が「TRUE」であるレコードの患者LIDを抽出する。
【0111】
次に、制御部11は、抽出した全ての患者に対応付けられた医療情報を取得する(ステップS34)。具体的には、制御部11は、抽出した全ての患者LIDと対応付けられた検査LIDを検査情報テーブルT3から取得し、この検査LIDと対応付けられたシリーズLIDをシリーズ情報テーブルT4から取得し、このシリーズLIDと対応付けられたSOPインスタンスIDを画像情報テーブルT5から取得し、各SOPインスタンスIDにより特定される医療情報(医用画像)を記憶部14から取得する。
【0112】
ステップS32において、「共通フラグ」が「FALSE」である場合には(ステップS32;FALSE)、施設IDと患者IDとの組み合わせにより特定される患者に対応付けられた医療情報を取得する(ステップS35)。具体的には、制御部11は、患者情報テーブルT12から、施設IDに対応する施設LIDと患者IDとの組み合わせと対応付けられた患者LIDを抽出し、抽出した患者LIDと対応付けられた検査LIDを検査情報テーブルT3から取得し、この検査LIDと対応付けられたシリーズLIDをシリーズ情報テーブルT4から取得し、このシリーズLIDと対応付けられたSOPインスタンスIDを画像情報テーブルT5から取得し、各SOPインスタンスIDにより特定される医療情報(医用画像)を記憶部14から取得する。
【0113】
ステップS34又はステップS35の後、制御部11は、取得した医療情報を、通信部13を介して、クライアント端末20に提供する(ステップS36)。
以上で、第2の医療情報提供処理が終了する。
【0114】
次に、図12を参照して、共通フラグの使用方法の具体例について説明する。
図12は、患者情報テーブルT12から「患者LID」、「施設LID」、「患者ID」、「共通フラグ」のセットを抽出し、「施設LID」を、施設情報テーブルT1において当該「施設LID」と対応付けられている「施設ID」に置き換えたテーブルである。
「患者LID」が「3」、「4」の患者は、「患者ID」が「10003」で共通しており、かつ、「共通フラグ」が「TRUE」であるから、同一患者である。「患者LID」が「3」、「4」のいずれかの患者が選択された場合には、「患者LID」が「3」、「4」の全ての患者に対応付けられている医療情報がクライアント端末20に提供されることになる。
【0115】
一方、「患者LID」が「1」、「2」、「5」の患者は、「共通フラグ」が「FALSE」であるため、他の「患者LID」の患者とは別患者として扱われる。例えば、「患者LID」が「1」、「2」の患者は、「患者ID」が「10001」で共通しているが、「共通フラグ」が「FALSE」であるから、同一患者として扱われない。また、「患者LID」が「5」の患者は、「患者ID」が「10003」であり、「患者LID」が「3」、「4」の患者と共通しているが、「共通フラグ」が「FALSE」であるから、「患者LID」が「5」の患者の「患者ID」は単に施設内患者IDを表しているにすぎない。
【0116】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、参照対象として選択された施設IDと患者IDとの組み合わせに共通フラグ「TRUE」(兼用情報)が対応付けられている場合に、当該共通フラグ「TRUE」に基づいて、選択された組み合わせにより特定される患者と同一患者である全ての組み合わせを抽出し、当該抽出された全ての組み合わせに対応付けられた医療情報をクライアント端末20に提供する。
一方、参照対象として選択された施設IDと患者IDとの組み合わせに共通フラグ「TRUE」が対応付けられていない場合に、選択された組み合わせに対応付けられた医療情報のみをクライアント端末20に提供する。
したがって、各患者に医療施設間で共通の患者IDが設けられているか否かにかかわらず、複数の医療施設において生成された複数の患者に係る医療情報を管理することができる。よって、共通患者IDで特定される患者と、医療施設内での患者IDで特定される患者と、が混在していても、医療情報を複数の医療施設間で共有することができる。
【0117】
具体的には、参照対象として選択された施設IDと患者IDとの組み合わせに共通フラグ「TRUE」(兼用情報)が対応付けられている場合に、選択された組み合わせに含まれる患者IDと同一の患者IDを含む組み合わせであって、かつ、共通フラグ「TRUE」(兼用情報)が対応付けられている全ての組み合わせを患者情報テーブルT12から抽出するので、複数の医療施設において生成された医療情報の中から、同一患者の医療情報を取得することができる。
【0118】
また、医療情報管理サーバー10において、医療情報を受信した際に、医療情報に対応する兼用情報(患者IDが共通患者IDを兼ねていることを示す情報)がある場合に、当該兼用情報(共通フラグ「TRUE」)を、医療情報を送信した医療施設を示す施設IDと当該医療情報に係る患者の患者IDとの組み合わせと対応付けることができる。
【0119】
また、医療情報を受信した際に、医療情報を送信した医療施設を示す施設IDと当該医療情報に係る患者の患者IDとの組み合わせが既に登録されている場合には、既に登録されている組み合わせ(患者)と対応付けて、医療情報を記憶させることができる。
【0120】
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る医療情報管理システムの例であり、これに限定されるものではない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0121】
例えば、上記各実施の形態では、医療情報管理サーバー10において管理される医療情報として医用画像を中心に説明したが、検査結果、診療記録等、他の医療情報についても同様である。
【0122】
また、図1では、医療情報管理サーバー10が医療施設の外に置かれている場合を図示したが、医療情報管理サーバー10が医療施設A、医療施設B又はその他の医療施設の中に置かれていてもよい。
【0123】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体としてハードディスクや不揮発性の半導体メモリーを使用した例を公開したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0124】
10 医療情報管理サーバー
11 制御部
13 通信部
14 記憶部
20A,20B クライアント端末
20 クライアント端末
21 制御部
23 通信部
24 操作部
25 表示部
26 記憶部
100 医療情報管理システム
N 通信ネットワーク
T1 施設情報テーブル
T2 患者情報テーブル
T3 検査情報テーブル
T4 シリーズ情報テーブル
T5 画像情報テーブル
T6 送信元端末情報テーブル
T12 患者情報テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12