(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】端末、プログラム、およびエネルギー管理システム
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20220405BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
H02J13/00 301J
H04Q9/00 311H
H04Q9/00 301D
(21)【出願番号】P 2018080216
(22)【出願日】2018-04-18
【審査請求日】2021-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】特許業務法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 耕平
(72)【発明者】
【氏名】三浦 成弘
(72)【発明者】
【氏名】松本 隆
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-007472(JP,A)
【文献】特開2003-079990(JP,A)
【文献】特開2016-140013(JP,A)
【文献】特開2014-222396(JP,A)
【文献】国際公開第2017/142015(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統(2)および電気機器(40)のうち一方から他方へ供給される電力の瞬時値を検出するスマートメーター(10)との間で通信する端末(20)であって、
操作部(22)に対してユーザから操作されたか否かを判定する操作判定部(S110)と、
前記操作部に対して前記ユーザから操作されたと前記操作判定部が判定したとき、前記電力の瞬時値を示す瞬時電力値情報を要求するための要求信号を前記スマートメーターに対して送信する送信部(S120)と、
前記要求信号に応答して前記スマートメーターから送信される前記瞬時電力値情報に基づいて前記電力の瞬時値を表示部(22)に表示させる電力表示制御部(S140)と、
前記操作部に対して前記ユーザから操作されたと前記操作判定部が判定したときから、前記電力表示制御部が前記電力の瞬時値を前記表示部に表示させる迄の間に、前記瞬時電力値情報を前記スマートメーターから取得中である旨を前記表示部に表示させる取得中表示制御部(S141)と、
前記送信部が前記要求信号を前記スマートメーターに対して送信したときから一定期間(Ta)の間に亘って、前記スマートメーターに要求信号を送信することを停止する停止部(S147)と、
前記送信部が前記要求信号を前記スマートメーターに対して送信した後、前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することを失敗したか否かを判定する失敗判定部(S144、S143)と、
前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することを失敗し、かつ前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することが可能である旨を前記表示部に表示させる失敗表示制御部(S154)と、を備え、
前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することを失敗したと前記失敗判定部が判定した場合において、前記取得中表示制御部は、前記一定期間(Ta)が終了する迄、前記瞬時電力値情報を前記スマートメーターから取得中である旨の表示を継続させるように前記表示部を制御し、
前記失敗表示制御部は、前記一定期間の終了後、前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することを失敗し、かつ前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することが可能である旨を前記表示部に表示させる端末。
【請求項2】
前記操作判定部は、前記操作部のうち操作判定領域に対してユーザが操作したか否かを判定し、
前記操作部のうち前記操作判定領域と前記表示部のうち前記電力の瞬時値を表示する表示領域(22a)が重なるように前記表示部および前記操作部が構成されている請求項1に記載の端末。
【請求項3】
電力系統(2)および電気機器(40)のうち一方から他方へ供給される電力の瞬時値を検出するスマートメーター(10)との間で通信する端末(20)であって、
操作部(22)に対してユーザから操作されたか否かを判定する操作判定部(S110)と、
前記操作部に対して前記ユーザから操作されたと前記操作判定部が判定したとき、前記電力の瞬時値を示す瞬時電力値情報を要求するための要求信号を前記スマートメーターに対して送信する送信部(S120)と、
前記要求信号に応答して前記スマートメーターから送信される前記瞬時電力値情報に基づいて前記電力の瞬時値を表示部(22)に表示させる電力表示制御部(S140)と、
前記スマートメーターとの間で電力制御装置(50)を介して前記瞬時電力値情報および前記要求信号を伝える通信部(23)と、
端末自体が前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得するのに必要である通信以外の他の通信を前記スマートメーターおよび前記電力制御装置の間で行っているか否かを判定する通信判定部(S170)と、
前記他の通信を前記スマートメーターおよび前記電力制御装置の間で行っていると前記通信判定部が判定したとき、前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することができない旨を前記表示部に表示させる取得不能表示制御部(S171)と、を備える端末。
【請求項4】
前記電力の瞬時値を前記瞬時電力値情報を取得した時刻とともに、前記表示部に表示させる前記電力表示制御部と、
前記瞬時電力値情報を取得した日付から日付が変更になったか否かを判定する日付判定部(S160)と、
前記瞬時電力値情報を取得した日付から日付が変更になったと前記日付判定部が判定したとき、前記表示部における前記電力の瞬時値の表示と前記瞬時電力値情報を取得した時刻の表示とを消去する表示消去制御部(S161)と、
を備える請求項3に記載の端末。
【請求項5】
電力系統(2)および電気機器(40)のうち一方から他方へ供給される電力の瞬時値を検出するスマートメーター(10)との間で通信する端末(20)であって、
操作部(22)に対してユーザから操作されたか否かを判定する操作判定部(S110)と、
前記操作部に対して前記ユーザから操作されたと前記操作判定部が判定したとき、前記電力の瞬時値を示す瞬時電力値情報を要求するための要求信号を前記スマートメーターに対して送信する送信部(S120)と、
前記要求信号に応答して前記スマートメーターから送信される前記瞬時電力値情報に基づいて前記電力の瞬時値を表示部(22)に表示させる電力表示制御部(S140)と、
前記電力の瞬時値を前記瞬時電力値情報を取得した時刻とともに、前記表示部に表示させる前記電力表示制御部と、
前記瞬時電力値情報を取得した日付から日付が変更になったか否かを判定する日付判定部(S160)と、
前記瞬時電力値情報を取得した日付から日付が変更になったと前記日付判定部が判定したとき、前記表示部における前記電力の瞬時値の表示と前記瞬時電力値情報を取得した時刻の表示とを消去する表示消去制御部(S161)と、
を備える端末。
【請求項6】
前記スマートメーターとの間で電力制御装置(50)を介して前記瞬時電力値情報および前記要求信号を伝える通信部(23)と、
端末自体が前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得するのに必要である通信以外の他の通信を前記スマートメーターおよび前記電力制御装置の間で行っているか否かを判定する通信判定部(S170)と、
前記他の通信を前記スマートメーターおよび前記電力制御装置の間で行っていると前記通信判定部が判定したとき、前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することができない旨を前記表示部に表示させる取得不能表示制御部(S171)と、を備える請求項5に記載の端末。
【請求項7】
前記操作判定部は、前記操作部のうち操作判定領域に対してユーザが操作したか否かを判定し、
前記操作部のうち前記操作判定領域と前記表示部のうち前記電力の瞬時値を表示する表示領域(22a)が重なるように前記表示部および前記操作部が構成されている請求項3ないし6のいずれか1つに記載の端末。
【請求項8】
前記操作部に対して前記ユーザから操作されたと前記操作判定部が判定したときから、前記電力表示制御部が前記電力の瞬時値を前記表示部に表示させる迄の間に、前記瞬時電力値情報を前記スマートメーターから取得中である旨を前記表示部に表示させる取得中表示制御部(S141)を備える請求項3ないし7のいずれか1つに記載の端末。
【請求項9】
前記送信部が前記要求信号を前記スマートメーターに対して送信したときから一定期間(Ta)の間に亘って、前記スマートメーターに要求信号を送信することを停止する停止部(S147)を備える請求項8に記載の端末。
【請求項10】
前記送信部から前記要求信号を前記スマートメーターに対して送信することを前記停止部が停止している場合において、前記電力表示制御部が前記電力の瞬時値を前記表示部に表示させているとき、前記スマートメーターへアクセスすることが制限されて前記瞬時電力値情報を前記スマートメーターから取得することができない旨を前記表示部に表示させるアクセス制限表示制御部(S146)を備える請求項9に記載の端末。
【請求項11】
前記送信部が前記要求信号を前記スマートメーターに対して送信した後、前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することを失敗したか否かを判定する失敗判定部(S144、S143)と、
前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することを失敗し、かつ前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することが可能である旨を前記表示部に表示させる失敗表示制御部(S154)と、を備え、
前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することを失敗したと前記失敗判定部が判定した場合において、前記取得中表示制御部は、前記一定期間(Ta)が終了する迄、前記瞬時電力値情報を前記スマートメーターから取得中である旨の表示を継続させるように前記表示部を制御し、
前記失敗表示制御部は、前記一定期間の終了後、前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することを失敗し、かつ前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することが可能である旨を前記表示部に表示させる請求項9に記載の端末。
【請求項12】
前記スマートメーターに前記要求信号を定期的に送信する電力制御装置(50)を備え、前記スマートメーターが前記電力制御装置から定期的に送信される前記要求信号に応答して前記瞬時電力値情報を定期的に送信するエネルギー管理システムに適用され、
前記スマートメーターから定期的に送信される前記瞬時電力値情報に基づいて、前記表示部における前記電力の瞬時値の表示を更新する表示更新制御部(S181)を備える請求項1ないし11のいずれか1つに記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末、プログラム、およびエネルギー管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エネルギー管理システムでは、スマートメーター、エネルギー制御装置、および表示端末を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このものにおいて、エネルギー制御装置は、スマートメーターから定期的に電力情報を取得する。表示端末は、エネルギー制御装置から定期的に(或いは、ユーザの要望に応じて)電力情報を取得して表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のエネルギー管理システムでは、エネルギー制御装置は、スマートメーターから定期的に電力情報を取得する。このため、表示端末がユーザの要望に応じて電力情報をエネルギー制御装置から取得して表示しても、ユーザが望んだタイミングでリアルタイムに瞬時電力値を更新、表示することが難しいという問題があった。
【0006】
例えば、エネルギー制御装置がスマートメーターから電力情報を取得する頻度を1分に1回とすると、ユーザが現在の瞬時電力値を知りたいと思っても、ユーザは、エネルギー制御装置がスマートメーターから電力情報を取得するタイミングから数十秒前や数十秒後のタイミングの瞬時電力値しか知ることができない場合がある。
【0007】
ここで、電力情報(例えば、瞬時電力値)という特性上、数十秒ずれた値しか分からないのはユーザにとって不都合となりうる。例えば、電子レンジを使ってもブレーカが動作しないか確認したいといった場合には、その瞬間の電力値を知る必要がある。
【0008】
本発明は上記点に鑑みて、ユーザの要望に応じて瞬時電力値をスマートメーターから取得して瞬時電力値を表示することができる端末、プログラム、およびエネルギー管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、電力系統(2)および電気機器(40)のうち一方から他方へ供給される電力の瞬時値を検出するスマートメーター(10)との間で通信する端末であって、
操作部(22)に対してユーザから操作されたか否かを判定する操作判定部(S110)と、
操作部に対してユーザから操作されたと操作判定部が判定したとき、電力の瞬時値を示す瞬時電力値情報を要求するための要求信号をスマートメーターに対して送信する送信部(S120)と、
要求信号に応答してスマートメーターから送信される瞬時電力値情報に基づいて電力の瞬時値を表示部(22)に表示させる電力表示制御部(S140)と、を備え、
操作部に対して前記ユーザから操作されたと前記操作判定部が判定したときから、前記電力表示制御部が前記電力の瞬時値を前記表示部に表示させる迄の間に、前記瞬時電力値情報を前記スマートメーターから取得中である旨を前記表示部に表示させる取得中表示制御部(S141)と、
前記送信部が前記要求信号を前記スマートメーターに対して送信したときから一定期間(Ta)の間に亘って、前記スマートメーターに要求信号を送信することを停止する停止部(S147)と、 前記送信部が前記要求信号を前記スマートメーターに対して送信した後、前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することを失敗したか否かを判定する失敗判定部(S144、S143)と、
前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することを失敗し、かつ前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することが可能である旨を前記表示部に表示させる失敗表示制御部(S154)と、を備え、
前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することを失敗したと前記失敗判定部が判定した場合において、前記取得中表示制御部は、前記一定期間(Ta)が終了する迄、前記瞬時電力値情報を前記スマートメーターから取得中である旨の表示を継続させるように前記表示部を制御し、
前記失敗表示制御部は、前記一定期間の終了後、前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することを失敗し、かつ前記スマートメーターから前記瞬時電力値情報を取得することが可能である旨を前記表示部に表示させる。
【0010】
したがって、操作部に対してユーザから操作されたときに、電力の瞬時値を表示部に表示させることができる。これにより、ユーザの要望に応じて瞬時電力値をスマートメーターから取得して瞬時電力値を表示することができる端末を提供することができる。
【0015】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態におけるエネルギー管理システムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図1のスマートメーターの詳細構成を示す図である。
【
図4】
図1の電力制御装置の詳細構成を示す図である。
【
図5】(a)は、
図1の携帯端末のマイクロコンピュータによる電力値表示制御処理を示すフローチャートであり、(b)は、
図1のスマートメーターのマイクロコンピュータによる電力情報送信処理を示すフローチャートである。
【
図6】
図1の携帯端末のタッチパネルにおいて瞬時電力値を示す表示画像である。
【
図7】(a)は、
図6において、ユーザの住宅から商用電力系統へ電力が供給されている状態を示す電力識別アイコン22cを表示する電力情報取得ボタン22aを示す図である。(b)は、商用電力系統からユーザの住宅の電力が供給されている状態を示す電力識別アイコン22cを表示する電力情報取得ボタン22aを示す図である。
【
図8】(a)は、「ユーザの住宅から商用電力系統へ電力が供給されている状態を示す電力識別アイコン22c」と「瞬時電力値22bを更新した状態」とを表示する電力情報取得ボタン22aを示す図である。(b)は、
図6において「商用電力系統からユーザの住宅の電力が供給されている状態を示す電力識別アイコン22c」と「瞬時電力値22bを更新した状態」とを表示する電力情報取得ボタン22aを示す図である。
【
図9】本発明の第2実施形態におけるエネルギー管理システムの携帯端末のマイクロコンピュータによる電力値表示制御処理を示すフローチャートである。
【
図10】第2実施形態におけるスマートメーターのマイクロコンピュータによる電力情報送信処理を示すフローチャートである。
【
図11】(a)は、第2実施形態において「ユーザの住宅から商用電力系統へ電力が供給されている状態を示す電力識別アイコン22c」と「電力情報取得中アイコン22e(「取得中)」とを表示する電力情報取得ボタン22aを示す図である。(b)は、第2実施形態において「商用電力系統からユーザの住宅の電力が供給されている状態を示す電力識別アイコン22c」と「電力情報取得中アイコン22e(「取得中」)」を表示する電力情報取得ボタン22aを示す図である。
【
図12】(a)は、第2実施形態において「ユーザの住宅から商用電力系統へ電力が供給されている状態を示す電力識別アイコン22c」と「スマートメーターへのアクセスが制限されている状態」とを表示する電力情報取得ボタン22aを示す図である。(b)は、第2実施形態において「商用電力系統からユーザの住宅の電力が供給されている状態を示す電力識別アイコン22c」と「スマートメーターへのアクセスが制限されている状態」を表示する電力情報取得ボタン22aを示す図である。
【
図13】第2実施形態においてスマートメーターから携帯端末が瞬時電力値の取得を失敗したことを通知するための電力情報取得ボタン22aを示す図である。
【
図14】第3実施形態において携帯端末のマイクロコンピュータによるリセット表示処理を示すフローチャートである。
【
図15】第3実施形態において携帯端末のタッチパネルの表示画像において更新時刻がリセットされた状態を示す図である。
【
図16】第4実施形態において電力制御装置のマイクロコンピュータによる通信判定処理を示すフローチャートである。
【
図17】第4実施形態において携帯端末のマイクロコンピュータによる他の通信表示処理を示すフローチャートである。
【
図18】(a)は、第4実施形態において「ユーザの住宅から商用電力系統へ電力が供給されている状態を示す電力識別アイコン22c」と「スマートメーターが他の通信を実施していることを示す他の通信表示アイコン22h」とを表示する電力情報取得ボタン22aを示す図である。(b)は、第4実施形態において「商用電力系統からユーザの住宅の電力が供給されている状態を示す電力識別アイコン22c」と「マートメーターが他の通信を実施していることを示す他の通信表示アイコン22h」を表示する電力情報取得ボタン22aを示す図である。
【
図19】(a)は、本発明の第5実施形態において電力制御装置のマイクロコンピュータによる定期電力値転送処理を示すフローチャートである。(b)は、携帯端末のマイクロコンピュータによる電力値表示更新処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0018】
(第1実施形態)
次に、本発明の端末が適用されるエネルギー管理システム1の第1実施形態について
図1~
図3を参照して説明する。
本実施形態のエネルギー管理システム1は、ユーザの住宅内のエネルギー管理を行うシステムであって、スマートメーター10、携帯端末20、分電盤30、電気機器群40、および電力制御装置50を備える。
【0019】
スマートメーター10は、住宅に設置される電力計測装置である。具体的には、スマートメーター10は、商用電力系統2および電気機器群40のうち一方から他方へ供給される電力量、瞬時電力値を検出する。すなわち、スマートメーター10は、ユーザが電力会社に売却する電力量、瞬時電力値、或いは電力会社からユーザが購入する電力量、瞬時電力値を検出する。
【0020】
具体的には、スマートメーター10は、マイクロコンピュータ11、電力検出器12、通信部13、および電池14を備える。
【0021】
マイクロコンピュータ11は、電力検出器12の検出値に基づいて電力量、瞬時電力値を求め、この求めた電力量、瞬時電力値を通信部13から電力制御装置50を経由してユーザの携帯端末20に送信する電力情報送信処理を実行する。
【0022】
電力検出器12は、商用電力系統2および電気機器群40のうち一方から他方へ供給される瞬時電力値を検出する。商用電力系統2は、電力会社によって管理されるもので、発電所等で発電される商用交流電力をユーザ毎の施設等に供給する系統である。
【0023】
通信部13は、アンテナ13aを介して電力制御装置50との間で無線通信を行う通信回路である。電池14は、マイクロコンピュータ11、電力検出器12、および通信部13等に直流電力を供給する。
【0024】
電気機器群40は、住宅内に配置される複数の電気機器であって、分電盤30および電力配線31を通して商用電力系統2に接続されている。
【0025】
具体的には、電気機器群40は、太陽光発電機41、蓄電池42、および家電機器43を備える。太陽光発電機41は、太陽光によって発電する発電機である。蓄電池42は、太陽光発電機41によって発電された電力や商用電力系統2から供給される電力を蓄える二次電池である。家電機器43は、洗濯機、空調機、テレビ、パソコン等で電力を消費して稼働する機器である。
【0026】
携帯端末20は、スマートメーター10、および電力制御装置50とともに、無線通信による通信ネットワークを構成する。具体的には、携帯端末20は、
図3に示すように、マイクロコンピュータ21、タッチパネル22、通信部23、アンテナ23a、および電池24を備える。
【0027】
マイクロコンピュータ21は、電力制御装置50を介するスマートメーター10との間の通信によって瞬時電力値を取得してタッチパネル22に表示させる電力値表示制御処理を実行する。
【0028】
マイクロコンピュータ21は、電力値表示制御処理の実行に伴って、通信部23およびアンテナ23aを介して電力制御装置50との間で無線通信を行う。
【0029】
タッチパネル22は、ユーザから押下(或いは、タッチ操作)を受ける透明操作部と瞬時電力値や各種のアイコンを表示する表示パネルとを備える。透明操作部は、表示パネルに対して厚み方向に重なるように配置されている。本実施形態の透明操作部は、表示パネルに対して裏面側に配置されている。
【0030】
通信部23は、アンテナ23aを介して電力制御装置50との間で無線通信を行う。電池24は、マイクロコンピュータ21、タッチパネル22、通信部23等に直流電力を供給する。
【0031】
本実施形態の携帯端末20としては、携帯電話(例えば、スマートフォン)やタブレットコンピュータを用いることができる。
【0032】
電力制御装置50は、マイクロコンピュータ51、通信部52、アンテナ52a、および電池53を備える。マイクロコンピュータ51は、電気機器群40等の管理やスマートメーター10および携帯端末20の間の通信の中継を実施するための制御処理を実行する。
【0033】
通信部52は、アンテナ52aを介してスマートメーター10との間で無線通信し、またアンテナ52aを介して携帯端末20との間で無線通信をする。電池53は、マイクロコンピュータ51および通信部52に直流電力を供給する。
【0034】
次に、本実施形態のエネルギー管理システム1の作動について
図5~
図8を参照して説明する。
【0035】
まず、太陽光発電機41は、太陽光によって発電する。太陽光発電機41によって発電された電力は、分電盤30および電力配線31を通して商用電力系統2に供給される。このことにより、太陽光発電機41によって発電された電力が電力会社に販売されることになる。
【0036】
また、太陽光発電機41によって発電された電力の一部は、蓄電池42や家電機器43に供給される。このため、太陽光発電機41によって発電された電力は、蓄電池42に蓄電される。さらに、家電機器43は、太陽光発電機41によって発電された電力によって作動する。
【0037】
さらに、太陽光発電機41による発電が停止しているときには、商用電力系統2から分電盤30および電力配線31を通して家電機器43や蓄電池42に供給される。このため、家電機器43は、商用電力系統2から分電盤30および電力配線31を通して供給される電力によって作動する。蓄電池42は、商用電力系統2から分電盤30および電力配線31を通して供給される電力を蓄電することになる。
【0038】
この際に、スマートメーター10の電力検出器12は、商用電力系統2および電気機器群40のうち一方から他方へ供給される瞬時電力値を検出する。ここで、携帯端末20は、ユーザの要望に応じて電力制御装置50を通してスマートメーター10から瞬時電力値を取得してタッチパネル22に表示させる。
【0039】
具体的には、携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、
図5(a)のフローチャートにしたがって、電力値表示制御処理を実行する。
【0040】
スマートメーター10のマイクロコンピュータ11は、
図5(b)のフローチャートにしたがって、電力情報送信処理を実行する。
【0041】
まず、携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、
図6に示すように、タッチパネル22において電力情報取得ボタン22aを表示させる(ステップS100)。
【0042】
電力情報取得ボタン22aは、ユーザが瞬時電力値を知りたいときにユーザが押下(或いは、タッチ操作)することを促進させるアイコンである。本実施形態の電力情報取得ボタン22aとしては、円形の枠状のアイコンが採用されている。
【0043】
具体的には、電力情報取得ボタン22aは、瞬時電力値22b、電力識別アイコン22c、電力値取得可能アイコン22dを備える。
【0044】
瞬時電力値22bは、先だってスマートメーター10から取得された瞬時電力値(例えば[3.4kW])である。
【0045】
電力識別アイコン22cは、瞬時電力値22bに対して上側に配置されている。電力識別アイコン22cは、現在表示されている瞬時電力値22bをユーザが電力会社に売却する電力の瞬時値であるのか、或いは電力会社からユーザが購入する電力の瞬時値であるのかを示すアイコンである。
【0046】
本実施形態の
図7(a)中の電力識別アイコン22cでは、瞬時電力値22bは「ユーザが電力会社に売却する瞬時電力値」であることを示している。つまり、
図7(a)中の電力識別アイコン22cは、瞬時電力値22bが電気機器群40から商用電力系統2に供給される電力の瞬時値である旨を示している。
【0047】
図7(b)中の電力識別アイコン22cでは、瞬時電力値22bは「電力会社からユーザが購入する瞬時電力値」であることを示している。つまり、
図7(b)中の電力識別アイコン22cは、瞬時電力値22bが商用電力系統2から電気機器群40に供給される電力の瞬時値である旨を示している。
【0048】
本実施形態では、電力識別アイコン22cに含まれる矢印の向きにより「電力会社からユーザが購入する瞬時電力値」であるのか、或いは「ユーザが電力会社に売却する瞬時電力値」であるのかを区別している。
【0049】
電力値取得可能アイコン22dは、瞬時電力値22bに対して下側に配置されている。電力値取得可能アイコン22dは、現在、スマートメーター10から瞬時電力値を取得できる状態であることを示している。
【0050】
本実施形態では、電力値取得可能アイコン22dとして「指で押下されるイラスト」が採用されている。
【0051】
これに加えて、上記ステップS100において、タッチパネル22において電力情報取得ボタン22aの下側に瞬時電力値の更新時刻(
図6中“12:24”と記す)を表示する。
【0052】
ここで、更新時刻とは、携帯端末20がスマートメータ-10から瞬時電力値情報を電力制御装置50を介して取得した取得時刻(すなわち、受信時刻)を示している。
【0053】
次に、マイクロコンピュータ21は、ユーザが電力情報取得ボタン22aを押下(或いは、タッチ操作)したか否かを判定する(ステップS110:操作判定部)。
【0054】
ここで、タッチパネル22において操作部の押下判定領域(すなわち、操作判定領域)と表示部の電力情報取得ボタン22aとが厚み方向にて重なるようにタッチパネル22が構成されている。
【0055】
つまり、タッチパネル22において押下判定領域と電力情報取得ボタン22aとが同一領域になっている。このことにより、操作部の押下判定領域と瞬時電力値の表示領域とが重なるようにタッチパネル22が構成されている。
【0056】
このとき、マイクロコンピュータ21は、ユーザが電力情報取得ボタン22aを押下したとき、押下判定領域が押下されたとして、ステップS110においてYESと判定する。
【0057】
これに伴い、マイクロコンピュータ21は、スマートメーター10に対して瞬時電力値の取得を要求するための要求信号を通信部23から送信させる(ステップS120)。このため、通信部23はアンテナ23aから要求信号を電波を介して送信する。
【0058】
この要求信号は、電力制御装置50を経由してスマートメーター10のアンテナ13aを介して通信部13で受信される。
【0059】
マイクロコンピュータ11は、ステップS200において、携帯端末20からの要求信号を受信したか否かについて通信部13の出力信号に基づいて判定する。
【0060】
このとき、マイクロコンピュータ11は、ステップS200において、携帯端末20からの要求信号を受信したとして、YESと判定する。
【0061】
このとき、マイクロコンピュータ11は、電力検出器12によって、商用電力系統2および電気機器群40のうち一方から他方へ供給される瞬時電力値を検出する(ステップS210)。
【0062】
具体的には、商用電力系統2から電気機器群40に電力が供給されているときには、マイクロコンピュータ11は、商用電力系統2から電気機器群40に供給されている電力の瞬時値が瞬時電力値として検出する。
【0063】
一方、電気機器群40から商用電力系統2に電力が供給されているときには、マイクロコンピュータ11は、電気機器群40から商用電力系統2に供給されている電力の瞬時値が瞬時電力値として検出する。
【0064】
これに加えて、マイクロコンピュータ11は、瞬時電力値を含む瞬時電力値情報を通信部13から送信させる(ステップS220)。このため、通信部13は、アンテナ13aから瞬時電力値情報を送信する。
【0065】
ここで、瞬時電力値情報は、瞬時電力値以外に、電力識別情報が含まれている。電力識別情報は、瞬時電力値がユーザから電力会社に売却される電力値であるのか、或いは瞬時電力値が電力会社からユーザが購入される電力値であるのかを示している。
【0066】
つまり、電力識別情報は、電気機器群40から商用電力系統2に電力が供給されている状態であるのか、或いは、商用電力系統2から電気機器群40に電力が供給されている状態であるのかを示す情報である。
【0067】
このような瞬時電力値情報は、電力制御装置50を経由して携帯端末20のアンテナ23aを介して通信部23で受信される。
【0068】
このとき、携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、通信部23を介して瞬時電力値情報を受信したか否かを判定する(ステップS130)。
【0069】
ここで、通信部23がアンテナ23aを介して瞬時電力値情報を受信していない場合には、マイクロコンピュータ21は、瞬時電力値情報を受信していないとして、ステップS130において、NOと判定する。
【0070】
このため、瞬時電力値情報を受信しない状態が継続されると、ステップS130のNO判定を繰り返す。
【0071】
その後、通信部23がアンテナ23aを通して瞬時電力値情報を受信すると、マイクロコンピュータ21は、瞬時電力値情報を受信したとして、ステップS130において、YESと判定する。
【0072】
これに伴い、マイクロコンピュータ21は、
図8(a)或いは
図8(b)に示すように、タッチパネル22において、瞬時電力値情報に基づいて電力情報取得ボタン22aの表示を更新させる(ステップS140:電力表示制御部)。
【0073】
ここで、電力情報取得ボタン22aは、瞬時電力値22bおよび電力識別アイコン22cを備える。
【0074】
瞬時電力値22bは、スマートメーター10から受信される瞬時電力値情報に含まれる瞬時電力値(例えば[4.0kW])である。
図8(a)、(b)では、瞬時電力値が[3.4kW]から[4.0kW])に更新された状態を示している。
【0075】
このため、マイクロコンピュータ21は、瞬時電力値情報に含まれる電力識別情報に応じて、
図8(a)の電力識別アイコン22c、および
図8(b)の電力識別アイコン22cのうち一方の電力識別アイコン22cを選択してタッチパネル22に表示させる(ステップS141:電力表示制御部)。
【0076】
このことにより、電気機器群40から商用電力系統2に電力が供給されている状態であるのか、或いは、商用電力系統2から電気機器群40に電力が供給されている状態であるのかを電力識別アイコン22cによってユーザに通知することができる。
【0077】
このことにより、タッチパネル22において電力識別アイコン22cおよび瞬時電力値の表示を更新させることができる。これに加えて、ステップS140において、タッチパネル22のうち瞬時電力値の更新時刻の表示を更新する。瞬時電力値の更新時刻としては、携帯端末20が瞬時電力値情報を取得した取得時刻が用いられる。
【0078】
図8(a)中の電力識別アイコン22cは、電力会社に売却する瞬時電力値を示すアイコンである。
図8(b)中の電力識別アイコン22cは、電力会社からユーザが購入する瞬時電力値を示すアイコンである。
【0079】
以上説明した本実施形態によれば、携帯端末20は、商用電力系統2および電気機器群40のうち一方から他方へ供給される瞬時電力値を検出するスマートメーター10との間で通信する端末である。
【0080】
携帯端末20は、タッチパネル22の電力情報取得ボタン22aに対してユーザから押下されたか否かを判定する(操作判定部)ステップS110を備える。
【0081】
携帯端末20は、タッチパネル22の電力情報取得ボタン22aに対してユーザから押下されたとステップS110でYESと判定したとき、瞬時電力値の取得を要求するための要求信号をスマートメーター10に対して送信する(送信部)ステップS120を備える。
【0082】
携帯端末20は、要求信号に応答してスマートメーター10から送信される瞬時電力値情報に基づいて瞬時電力値をタッチパネル22の電力情報取得ボタン22aに表示させる(電力表示制御部)ステップS140を備える。
【0083】
このことにより、高頻度でアクセスすることができないスマートメーター10に対しても、ユーザが瞬時電力値を知りたいと思った瞬間の瞬時電力値を取得して携帯端末20のタッチパネル22に表示させることができる。
【0084】
本実施形態では、タッチパネル22において瞬時電力値22bを含む電力情報取得ボタン22aを示す表示領域が押下判定対象となっている。ここで、押下判定対象は、ユーザが瞬時電力値の取得を要望した際にユーザから押下(或いは、タッチ操作)される領域である。
【0085】
ここで、タッチパネル22の電力情報取得ボタン22aのうち電力値取得可能アイコン22dを示す表示領域を押下判定対象とした場合には、押下判定対象となる領域が狭すぎてユーザにとって押下し難く、操作性が悪くなる。
【0086】
これに対して、本実施形態では、瞬時電力値22bを含む電力情報取得ボタン22aを示す表示領域が押下判定対象とすることで押下判定領域(すなわち、操作判定領域)を拡大して、ユーザの操作性を向上させることができる。
(第2実施形態)
本第2実施形態では、上記第1実施形態において、瞬時電力値の要求信号をスマートメーター10に対して送信してから、一定期間の間、スマートメーター10に対するアクセスを制限する例について
図9、
図10等を参照して説明する。
【0087】
本実施形態のエネルギー管理システム1のハードウェア構成と上記第1実施形態のエネルギー管理システム1のハードウェア構成とは、同一である。
【0088】
本実施形態と上記第1実施形態とは、携帯端末20における電力値表示制御処理とスマートメーター10における電力情報送信処理とが相違する。
【0089】
次に、本実施形態のエネルギー管理システム1の作動について
図5~
図8を参照して説明する。
【0090】
本実施形態の携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、
図5(a)に代わる
図9のフローチャートにしたがって、電力値表示制御処理を実行する。
【0091】
スマートメーター10のマイクロコンピュータ11は、
図5(b)に代わる
図10のフローチャートにしたがって、電力情報送信処理を実行する。
【0092】
ここで、
図9において、
図5(a)と同一の符号は同一の処理を示し、その説明を省略する。
図10において、
図5(b)と同一の符号は同一の処理を示し、その説明を省略する。
【0093】
まず、携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、タッチパネル22において電力情報取得ボタン22aを表示させる(ステップS100)。
【0094】
次に、マイクロコンピュータ21は、ユーザが電力情報取得ボタン22aを押下(或いは、タッチ操作)したか否かを判定する(ステップS110)。
【0095】
このとき、マイクロコンピュータ21は、ユーザが電力情報取得ボタン22aを押下したとき、ステップS110においてYESと判定する。
【0096】
これに伴い、マイクロコンピュータ21は、スマートメーター10に対して瞬時電力値の取得を要求するための要求信号を通信部23から送信させる(ステップS120)。このため、通信部23はアンテナ23aから要求信号を電波を介して送信する。要求信号には、後述する認証に用いられる識別番号が含まれる。
【0097】
このとき、マイクロコンピュータ21は、
図11に示すように、タッチパネル22において電力情報取得ボタン22aのうち電力値取得可能アイコン22dに代わる電力情報取得中アイコン22eを表示させる(ステップS141:取得中表示制御部)。
【0098】
電力情報取得中アイコン22eは、現在、スマートメーター10から瞬時電力値を取得中であることを示している。電力情報取得中アイコン22eは、次に瞬時電力値の表示の更新が行われるまで表示される。
【0099】
この要求信号は、電力制御装置50を経由してスマートメーター10のアンテナ13aを介して通信部13で受信される。
【0100】
スマートメーター10のマイクロコンピュータ11は、ステップS200において、携帯端末20からの要求信号を受信したか否かについて通信部13の出力信号に基づいて判定する。
【0101】
このとき、マイクロコンピュータ11は、ステップS200において、携帯端末20からの要求信号を受信したとして、YESと判定する。
【0102】
これに伴い、マイクロコンピュータ11は、ステップS230において、携帯端末20からの要求信号に含まれる識別情報が予め登録されている登録情報に一致するか否かを判定する。このとき、要求信号に含まれる識別情報と登録情報とが一致したとき、認証が成功であるとして、ステップS230において、YESと判定する。
【0103】
このとき、マイクロコンピュータ11は、電力検出器12によって、商用電力系統2および電気機器群40のうち一方から他方へ供給される瞬時電力値を検出する(ステップS210)。
【0104】
これに加えて、マイクロコンピュータ11は、瞬時電力値を含む瞬時電力値情報を通信部13から送信させる(ステップS220)。このため、スマートメーター10の通信部13は、アンテナ13aから瞬時電力値情報を送信する。
【0105】
このとき、携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、通信部23を介してスマートメーター10から電力制御装置50を介して受信したか否かを判定する(ステップS130)。
【0106】
ここで、マイクロコンピュータ21は、瞬時電力値情報を受信していないとき、ステップS130Aにおいて、NOと判定する。
【0107】
これに伴い、マイクロコンピュータ21は、要求信号を送信してから一定期間Tb経過したか否かを判定する(ステップS143:失敗判定部)。一定期間Tbは、要求信号を送信してから瞬時電力値情報の応答を待ち受けることを許容する時間である。瞬時電力値情報を取得することに失敗したか否かを判定するために用いる時間である。一定期間Tbとしては、一定期間Ta(>一定期間Tb)よりも短い時間が設定されている。一定期間Tbとしては、例えば、20secが用いられている。
【0108】
ここで、マイクロコンピュータ21は、ステップS143において、要求信号を送信してから経過した時間が一定期間Tb未満であるときには、NOと判定する。これに伴い、ステップS130に戻る。
【0109】
このため、瞬時電力値情報を受信しなく、かつ要求信号を送信してから経過した時間が一定期間Tb未満である状態が継続すると、ステップS130のNO判定、およびステップS143のNO判定を繰り返す。
【0110】
その後、マイクロコンピュータ21は、通信部23を介して瞬時電力値情報を受信すると、ステップS130AにおいてYESと判定する。
【0111】
これに加えて、マイクロコンピュータ21は、要求信号に対するスマートメーター10からの応答が正常であるとして、ステップS144(失敗判定部)でYESと判定する。
【0112】
これに伴い、マイクロコンピュータ21は、
図12(a)或いは
図12(b)に示すように、瞬時電力値情報に基づいて、タッチパネル22における電力情報取得ボタン22aの表示を更新させる(ステップS140a)。
【0113】
このとき、電力情報取得ボタン22aは、瞬時電力値22bおよび電力識別アイコン22cを含んでいる。このことにより、要求信号に対応してスマートメーター10から取得した瞬時電力値情報に基づいて瞬時電力値22bの表示および電力識別アイコン22cの表示を更新させる。
【0114】
次に、マイクロコンピュータ21は、要求信号を送信してから一定期間Ta経過したか否かを判定する(ステップS145)。一定期間Taは、スマートメーター10へのアクセスを制限する時間である。一定期間Taとしては、例えば、60secが用いられている。
【0115】
ここで、マイクロコンピュータ21は、ステップS145において、要求信号を送信してから経過した時間が一定期間Ta未満であるときには、NOと判定する。
【0116】
これに加えて、マイクロコンピュータ21は、ステップスマートメーター10への要求信号の送信を停止した状態を維持する(ステップS147:停止部)。さらに、マイクロコンピュータ21は、スマートメーター10へのアクセスが制限中であり、スマートメーター10から瞬時電力値情報を取得することができない旨を電力情報取得ボタン22aに表示させる(ステップS146:アクセス制限表示制御部)。
【0117】
具体的には、電力情報取得ボタン22aにおいて、電力値取得可能アイコン22dの表示を停止させる。つまり、電力情報取得ボタン22aのうち瞬時電力値22bの下側表示を消去する。
【0118】
このことにより、スマートメーター10へのアクセスが制限中であり、電力情報取得ボタン22aを押下しても瞬時電力値を取得することができない旨をユーザに通知することになる。その後、ステップS145に戻る。
【0119】
このため、要求信号を送信してから経過した時間が一定期間Ta未満である限り、マイクロコンピュータ21は、ステップS145におけるNO判定、アクセスの制限表示処理(ステップS146)、および要求停止処理(ステップS147)を繰り返す。
【0120】
このことにより、要求信号の送信後、電力情報取得ボタン22aの瞬時電力値22bの表示の更新後、一定期間Taが終了する迄、電力情報取得ボタン22aにおいて、「スマートメーター10へのアクセスが制限中であり、電力情報取得ボタン22aを押下しても瞬時電力値を取得することができない旨」を表示する。
【0121】
その後、要求信号を送信してから経過した時間が一定期間Taよりも長くなると、マイクロコンピュータ21は、ステップS145においてYESと判定する。つまり、スマートメーター10へのアクセスを制限すべき期間が終了した判定する。
【0122】
これに伴い、マイクロコンピュータ21は、ステップS148において、スマートメーター10から瞬時電力値を取得することが可能である旨を電力情報取得ボタン22aに表示させる。
【0123】
具体的には、電力情報取得ボタン22aにおいて、電力値取得可能アイコン22dを表示させる(
図8(a)、
図8(b)参照)。
【0124】
このことにより、ユーザが瞬時電力値を知りたいときにユーザが電力情報取得ボタン22aへ押下(或いはタッチ操作)することを促進させることができる。その後、ステップS100に戻る。
【0125】
また、マイクロコンピュータ21は、上記ステップS143において、要求信号を送信してから経過した時間が一定期間Tbよりも長くなると、YESと判定する。このことにより、要求信号を送信してから瞬時電力値情報の応答を待ち受けることを許容する時間が終了したと判定することになる。
【0126】
つまり、携帯端末20にとって瞬時電力値情報を取得することに失敗したと判定されることになる。
【0127】
その後、マイクロコンピュータ21は、要求信号を送信してから一定期間Ta経過したか否かを判定する(ステップS150)。
【0128】
一定期間Taは、上述の如く、スマートメーター10へのアクセスを制限する時間である。一定期間Taとしては、例えば、60secが用いられている。
【0129】
ここで、マイクロコンピュータ21は、ステップS150において、要求信号を送信してから経過した時間が一定期間Ta未満であるときには、NOと判定する。これに加えて、マイクロコンピュータ21は、スマートメーター10への要求信号の送信を停止した状態を維持する(ステップS153)。
【0130】
このため、要求信号を送信してから経過した時間が一定期間Ta未満である限り、マイクロコンピュータ21は、ステップS150におけるNO判定、および要求停止処理(ステップS153)を繰り返す。
【0131】
このことにより、要求信号の送信後にて、瞬時電力値22bの表示を更新してから、一定期間Taが終了するまで、電力情報取得ボタン22aにおいて電力情報取得中アイコン22eの表示(
図11(a)、(b)参照)を継続する。
【0132】
電力情報取得中アイコン22eは、上述の如く、スマートメーター10から瞬時電力値を取得中であることを示している。
【0133】
このことにより、要求信号の送信後、瞬時電力値22bの表示を更新してから、一定期間Taが終了するまで、スマートメーター10への要求信号の送信を停止した状態で、「瞬時電力値を取得中であるため瞬時電力値を取得することができない旨」をユーザに通知することになる。その後、ステップS150に戻る。
【0134】
その後、要求信号を送信してから経過した時間が一定期間Taよりも長くなると、マイクロコンピュータ21は、ステップS150においてYESと判定する。つまり、スマートメーター10へのアクセスを制限すべき期間が終了した判定する。
【0135】
これに伴い、マイクロコンピュータ21は、タッチパネル22において、瞬時電力値の取得を失敗し、かつスマートメーター10から瞬時電力値を取得することが可能である旨を電力情報取得ボタン22aに表示させる(ステップS154:失敗表示制御部)。
【0136】
具体的には、
図13に示すように、電力情報取得ボタン22aにおいて、瞬時電力値22bの表示を消去した状態で、電力情報取得中アイコン22eに代えて電力値取得可能アイコン22dを表示させる。
【0137】
これに加えて、電力情報取得ボタン22aにおいて、電力識別アイコン22cに代わる瞬時電力値非表示アイコン22fを表示させる。ここで、瞬時電力値非表示アイコン22fは、電力情報取得ボタン22aにおいて、瞬時電力値の表示を消去していることを示すアイコンである。
【0138】
このことにより、スマートメーター10から瞬時電力値の取得を失敗したことを通知し、かつユーザが瞬時電力値を知りたいときにユーザが押下することをユーザに促進させることができる。
【0139】
また、
図10のスマートメーター10のマイクロコンピュータ11は、ステップS230において、携帯端末20からの要求信号に含まれる識別情報が予め登録されている登録情報に不一致であるとき、認証が失敗であるとして、ステップS230において、NOと判定する。
【0140】
これに伴い、スマートメーター10のマイクロコンピュータ11は、ステップS231において、認証が失敗である旨を示す認証失敗信号を通信部13から送信させる。このため、通信部13はアンテナ13aから認証失敗信号を電波を介して送信する。
【0141】
一方、携帯端末20の通信部23は、アンテナ23aを通して認証失敗信号を受信する。
これに伴い、携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、通信部23の出力信号に基づいて、ステップS130AでYESと判定し、かつ要求信号に対するスマートメーター10からの応答が異常であるとしてステップS144でNOと判定する。
【0142】
つまり、瞬時電力値を取得することを失敗したと判定されることになる。これに伴い、ステップS150に移行する。このため、上述と同様に、ステップS153、S154の各制御処理を実行する。
【0143】
このため、瞬時電力値を取得することを失敗したと判定した場合に、一定期間Taが終了するまで、電力情報取得ボタン22aの電力情報取得中アイコン22eの表示を継続させる。
【0144】
その後、一定期間Taが終了すると、マイクロコンピュータ21は、タッチパネル22において、瞬時電力値の取得を失敗し、かつスマートメーター10から瞬時電力値を取得することが可能である旨を電力情報取得ボタン22aに表示させる。
【0145】
具体的には、
図13に示すように、電力情報取得ボタン22aにおいて、瞬時電力値22bの表示を消去した状態で、電力情報取得中アイコン22eに代わる電力値取得可能アイコン22dと、電力識別アイコン22cに代わる瞬時電力値非表示アイコン22fとを表示させる。
【0146】
以上説明した本実施形態によれば、携帯端末20は、タッチパネル22の電力情報取得ボタン22aをユーザが押下されたとしてステップS110でYESと判定したとき、瞬時電力値の取得を要求するための要求信号をスマートメーター10に対して送信するステップS120を備える。
【0147】
携帯端末20は、要求信号に応答してスマートメーター10から送信される瞬時電力値情報に基づいて瞬時電力値をタッチパネル22に表示させるステップS140を備える。
【0148】
このことにより、上記第1実施形態と同様に、高頻度でアクセスすることができないスマートメーター10に対しても、ユーザが瞬時電力値を知りたいと思った瞬間の瞬時電力値を取得して携帯端末20のタッチパネル22に表示させることができる。
【0149】
本実施形態では、マイクロコンピュータ21は、タッチパネル22の電力情報取得ボタン22aに対してユーザから押下されたときから、電力情報取得ボタン22aに瞬時電力値を表示させる迄の間に、瞬時電力値情報をスマートメーター10から取得中である旨(例えば“取得中”の表示)を電力情報取得ボタン22aに表示させる。
【0150】
ここで、ユーザが電力情報取得ボタン22aを押すことで電力情報取得を行う場合、取得中であることが分かる表示をしないと、瞬時電力値の表示が更新されるまでの間、ユーザはタッチパネル22への操作が受け付けられているのか否かが心配になるおそれがある。
【0151】
特に、スマートメーター10からの瞬時電力値情報の取得に時間がかかる場合、より顕著になる。
【0152】
これに対して、本実施形態では、上述の如く、瞬時電力値情報をスマートメーター10から取得中である旨を電力情報取得ボタン22aに表示させることで、ユーザにとって電力情報取得中であることが分かるようになる。これにより、ユーザの心配を解消することができる。
【0153】
本実施形態では、携帯端末20は、要求信号をスマートメーター10に対して送信したときから一定期間Taの間に亘って、スマートメーター10に要求信号を送信することを停止する。
【0154】
携帯端末20は、上記一定期間Taの間に亘って、スマートメーター10へアクセスすることが制限されて瞬時電力値情報をスマートメーター10から取得することができない旨をタッチパネル22に表示させる。
【0155】
ここで、ユーザが電力情報取得ボタン22aを押下することで瞬時電力値情報の取得を行う場合、スマートメーター10へのアクセス頻度を下げるために一定期間(例えば1分間)電力制御装置50からスマートメーター10への要求信号を送信することを停止する必要がある。
【0156】
この一定期間Taの間における電力情報取得ボタン22aが、上述した電力値取得可能アイコン22dを含む通常の電力情報取得ボタン22aと同じ表示であると、ユーザは電力情報取得ボタン22aを押下しているのに瞬時電力値の表示が更新されないという不満を持つおそれがある。
【0157】
これは、ユーザにとってスマートメーター10へのアクセスが制限中であることが分かるようにタッチパネル22の表示がされていないことが原因である。
【0158】
これに対して、本実施形態では、携帯端末20のタッチパネル22において、スマートメーター10へのアクセスが制限中である旨をユーザに対して表示する。これにより、ユーザが上述の不満を持つことを未然に抑制することができる。
【0159】
本実施形態では、携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、スマートメーター10からの瞬時電力値の取得に失敗した判定がなされても、アクセス制限期間Taが終了するまでは、タッチパネル22において電力情報取得中の表示を継続する。
【0160】
さらに、携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、アクセス制限期間Taが終了した後に瞬時電力値の取得に失敗したことをタッチパネル22に表示し、かつ電力情報取得ボタン22aにおいて瞬時電力値が取得可能であることを示す電力値取得可能アイコン22dを表示する。
【0161】
ここで、携帯端末20とスマートメーター10との間の通信路の状態やスマートメーター10の状態によってはユーザが携帯端末20の電力情報取得ボタン22aを押下して要求信号が送信されても、携帯端末20は、スマートメーター10からの瞬時電力値の取得に失敗する場合がある。
【0162】
また、上記のようにスマートメーター10へのアクセスに制限がある場合、瞬時電力値の取得に失敗したことが判定されたタイミングでユーザに瞬時電力値の取得に失敗したことを通知すると、ユーザは再度、電力情報取得ボタン22aへの押下を試みたいが、アクセス制限中により瞬時電力値の取得が行えない(つまり、電力情報取得ボタン22aを押下できない)こととなり、ユーザが不満を持つおそれがある。
【0163】
これは、アクセス制限期間Ta(例えば1分)が情報取得失敗の判定時間Tb(例えば20秒)より長い場合に、瞬時電力値の取得が失敗したと判定されたタイミングでユーザに失敗を通知してしまっているためである。
【0164】
これに対して、本実施形態では、携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、瞬時電力値の取得に失敗したと判定してもアクセス制限期間中であれば、瞬時電力値の取得に失敗したことをユーザに通知せず、“瞬時電力値の取得中”の表示を継続する。
【0165】
その後、携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、アクセス制限期間Taが完了した後に失敗を通知する。これにより、ユーザは瞬時電力値の取得の失敗が分かったタイミングで再度、電力情報取得ボタン22aを押下することができるので、不満を持つことがなくなる。
(第3実施形態)
本第3実施形態では、上記第1、第2実施形態において、日付が変更されたとき、瞬時電力値の表示と瞬時電力値の取得時刻の表示とを消す例について
図14を参照して説明する。
【0166】
本実施形態のエネルギー管理システム1のハードウェア構成と上記第1実施形態のエネルギー管理システム1のハードウェア構成とは、同一である。
【0167】
本実施形態の携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、リセット表示処理を
図14のフローチャートにしたがって実行する。マイクロコンピュータ21は、リセット表示処理と
図5(a)(或いは
図9)の電力値表示制御処理とを時分割で交互に実行する。
【0168】
まず、マイクロコンピュータ21は、ステップS160(日付判定部)において、内蔵時計の計時に基づいて、日付が変更されたか否かを判定する。
【0169】
このとき、マイクロコンピュータ21は、ステップS160において、日付が変更されていないとしてNOと判定すると、再び、ステップS160に戻る。
【0170】
その後、内部時計の計時が進んで、瞬時電力値を取得した日にちの午前0時を超えて瞬時電力値を取得した日から次の日付に変更になったときには、マイクロコンピュータ21は、ステップS160において、YESと判定する。
【0171】
すると、マイクロコンピュータ21は、タッチパネル22において、
図15に示すように、電力情報取得ボタン22aのうち瞬時電力値の表示と瞬時電力値の取得時刻の表示とを消す(ステップS161:表示消去制御部)。
【0172】
図15の電力情報取得ボタン22aの具体例では、瞬時電力値の取得時刻として、"更新時刻”と表示されている。
図15の電力情報取得ボタン22aでは、瞬時電力値非表示アイコン22fが表示されている。
【0173】
ここで、
図13、
図15に示すように電力情報取得ボタン22aに瞬時電力値を表示しない場合と、電力情報取得ボタン22aに瞬時電力値を表示する場合(
図7、
図8、
図11、
図12参照)とは、電力情報取得ボタン22aの表示色が相違する。
【0174】
ここで、表示色とは、電力情報取得ボタン22aのうちアイコン22c、22b、22d、22e、22f等の背景の表示色のことである。なお、
図7、
図8、
図11、
図12では、背景がハッチングで表示され、
図13、
図15では、背景が白色になっている具体例を示している。
【0175】
以上説明した本実施形態によれば、携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、スマートメーター10から取得した最新の瞬時電力値とその取得時刻をタッチパネル22に表示し、日付が変わったときには、この瞬時電力値と取得時刻をクリアする。
【0176】
ここで、タッチパネル22に表示されている瞬時電力値が、いつ取得したものであるかを分かるように取得時刻を表示する必要がある。年月日まで表示してしまうと煩わしいため時刻に限定して表示した場合、ユーザが数日前の情報を今日の情報と勘違いしてしまうおそれがある。
【0177】
これに対して、本実施形態では、日付が変わったときには瞬時電力値の表示と取得時刻の表示をクリアすることで、ユーザが勘違いすることを防げる。瞬時電力値という性質上、数日前の古い情報を残しておくメリットも少ない。
(第4実施形態)
本第4実施形態では、上記第1、第2実施形態において、スマートメーター10および電力制御装置50の間で携帯端末20が瞬時電力値を取得するのに必要となる通信以外の他の通信を実施しているときには、「他の通信を実施中であり、携帯端末20が瞬時電力値を取得することができない旨」をタッチパネル22に表示させる例について
図16、
図17、
図18(a)(b)を参照して説明する。
【0178】
本実施形態のエネルギー管理システム1のハードウェア構成と上記第1実施形態のエネルギー管理システム1のハードウェア構成とは、同一である。
【0179】
本実施形態のエネルギー管理システム1と上記第1実施形態のエネルギー管理システム1とは、電力制御装置50および携帯端末20の制御処理が相違する。以下、電力制御装置50の制御処理および携帯端末20の制御処理について別々に説明する。
【0180】
(電力制御装置50)
電力制御装置50のマイクロコンピュータ51は、
図16のフローチャートにしたがって通信判定処理を実行する。通信判定処理は、一定期間毎に繰り返し実行される。
【0181】
まず、電力制御装置50のマイクロコンピュータ51は、ステップS400において、
スマートメーター10および電力制御装置50の間で他の通信を実施しているか否かを判定する。
【0182】
他の通信とは、携帯端末20がスマートメーター10から電力制御装置50を通して瞬時電力値を取得するのに必要となる通信以外の他の通信である。他の通信とは、例えば、電力制御装置50がスマートメーター10から電力積算値を取得したり、スマートメーター10および電力制御装置50との間で認証の更新を実施するための通信である。
【0183】
このとき、電力制御装置50のマイクロコンピュータ51は、ステップS400において、スマートメーター10および電力制御装置50の間で他の通信を実施しているときには、YESと判定する。
【0184】
この場合、マイクロコンピュータ51は、ステップS410において、スマートメーター10および電力制御装置50の間で他の通信を実施している旨を第1判定結果信号として通信部52から送信させる。これに伴い、通信部52は、アンテナ52aから第1判定結果信号を電波を介して送信する。
【0185】
一方、電力制御装置50のマイクロコンピュータ51は、ステップS400において、スマートメーター10および電力制御装置50の間で他の通信を実施していないときには、NOと判定する。
【0186】
この場合、マイクロコンピュータ51は、ステップS420において、スマートメーター10および電力制御装置50の間で他の通信を実施していない旨を第2判定結果信号として通信部52から送信させる。これに伴い、通信部52は、アンテナ52aから第2判定結果信号を電波を介して送信する。
【0187】
このように電力制御装置50のマイクロコンピュータ51は、スマートメーター10および電力制御装置50の間で他の通信を実施しているか否かを判定し、この判定結果を示す第1判定結果信号或いは第2判定結果信号を送信する。
【0188】
(携帯端末20)
携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、
図17のフローチャートにしたがって他の通信表示処理を実行する。マイクロコンピュータ21は、他の通信表示処理と
図5(a)(或いは、
図9)の電力値表示制御処理とを時分割で交互に実行する。
図17において、
図5(a)と同一符号は同一ステップを示し、その説明を省略する。
【0189】
まず、携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、上記第1実施形態と同様、タッチパネル22において電力情報取得ボタン22aを表示させる(ステップS100)。
【0190】
次に、マイクロコンピュータ21は、ステップS170(通信判定部)において、スマートメーター10および電力制御装置50の間で他の通信を実施しているか否かを判定する。
【0191】
このとき、マイクロコンピュータ21は、通信部23を介して第1判定結果信号を受信しているときには、スマートメーター10および電力制御装置50の間で他の通信を実施しているとしてステップS170においてYESと判定する。
【0192】
これに伴い、マイクロコンピュータ21は、他の通信の実施中である旨をタッチパネル22に表示する(ステップ171:取得不能表示制御部)。
【0193】
具体的には、マイクロコンピュータ21は、
図18(a)或いは
図18(b)に示すように、タッチパネル22において、電力情報取得ボタン22aのうち他の通信表示アイコン22hを電力値取得可能アイコン22dに代えて表示する。
【0194】
このことにより、スマートメーター10および電力制御装置50の間で他の通信を実施しているため、携帯端末20がスマートメーター10から電力制御装置50を介して瞬時電力値情報を取得することができない旨をユーザに通知することができる。
【0195】
一方、マイクロコンピュータ21は、通信部23を介して第2判定結果信号を受信しているときには、スマートメーター10および電力制御装置50の間で他の通信を実施していないとしてステップS170においてNOと判定する。
【0196】
このことにより、スマートメーター10および電力制御装置50の間で他の通信を実施していないため、携帯端末20がスマートメーター10から電力制御装置50を介して瞬時電力値情報を取得することができると判定されることになる。
【0197】
その後、マイクロコンピュータ21は、上記第1実施形態と同様、ステップS110、S120、S130、S140の各制御処理を実施する。なお、本実施形態では、ステップS110でNOと判定されるとステップS170の判定処理を実行する。
【0198】
以上説明した本実施形態によれば、携帯端末20は、スマートメーター10および電力制御装置50の間で他の通信を行っている期間は、瞬時電力値情報を取得可能である期間に対して、タッチパネル22の電力情報取得ボタン22aにおいて異なる表示とし、他の通信を行っているため電力情報取得が行えないことを示す他の通信表示アイコン22h(例えば「準備中...」)を表示する。
【0199】
ここで、スマートメーター10および電力制御装置50の間では瞬時電力値の取得以外にも積算電力量の取得や認証の更新といった他の通信処理が行われる。他の通信処理が行われているときに、携帯端末20がスマートメーター10に対して電力制御装置50を介して瞬時電力値を取得するための通信を行ってしまうと他の通信処理に悪影響を及ぼすことが懸念されるので、他の通信処理が行われている間は、瞬時電力の取得を行わないようにする必要がある。
【0200】
しかし、この他の通信処理が行われている期間に電力情報取得ボタン22aが通常時(すなわち、スマートメーター10から携帯端末20が瞬時電力値を取得できる状態)と同じ表示であると、ユーザは電力情報取得ボタン22aを押下しているのに瞬時電力値の表示が更新されないという不満を持つおそれがある。
【0201】
これは、スマートメーター10および電力制御装置50の間で他の通信処理が行われているので、携帯端末20が瞬時電力値を取得できない状態であることがユーザに分かるように表示がされていないことが原因である。
【0202】
これに対して、本実施形態では、携帯端末20のタッチパネル22においてスマートメーター10および電力制御装置50の間で他の通信処理が行われていることが分かるようにユーザに表示する。
【0203】
したがって、ユーザは電力情報取得ボタン22aを押下しているのに瞬時電力値の表示が更新されないという不満を持つことを未然に抑制することができる。
(第5実施形態)
上記第1~第4実施形態では、ユーザが携帯端末20への操作に応じて携帯端末20がスマートメーター10から瞬時電力値を取得してタッチパネル22に表示する例について説明した。これに加えて、携帯端末20がスマートメーター10から電力制御装置50を介して瞬時電力値を定期的に取得してタッチパネル22における瞬時電力値の表示を更新する本第5実施形態について
図19を参照して説明する。
【0204】
本実施形態のエネルギー管理システム1のハードウェア構成と上記第1実施形態のエネルギー管理システム1のハードウェア構成とは、同一である。
【0205】
本実施形態のエネルギー管理システム1と上記第1実施形態のエネルギー管理システム1とは、電力制御装置50の制御処理および携帯端末20の制御処理が相違する。以下、電力制御装置50の制御処理および携帯端末20の制御処理について別々に説明する。
【0206】
(電力制御装置50)
電力制御装置50のマイクロコンピュータ51は、
図19(a)のフローチャートにしたがって定期電力値転送処理を実行する。定期電力値転送処理は、繰り返し実行される。
【0207】
まず、電力制御装置50のマイクロコンピュータ51は、ステップS300において、定期要求信号を前回送信してから一定期間Tc以上経過したか否かを判定する。
【0208】
定期要求信号は、ユーザからの操作に応じて携帯端末20から送信される要求信号とは異なり、電力制御装置50から自発的に送信される要求信号である。
【0209】
ここで、マイクロコンピュータ51は、ステップS300において、定期要求信号を前回送信してから経過した時間が一定期間Tc未満であるときには、NOと判定する。これに伴い、ステップS300に戻る。
【0210】
このため、定期要求信号を前回送信してから経過した時間が一定期間Tc未満である限り、ステップS300においてNOと判定する。その後、定期要求信号を前回送信してから経過した時間が一定期間Tc以上になると、マイクロコンピュータ51は、ステップS300において、YESと判定する。
【0211】
これに伴い、マイクロコンピュータ51は、ステップS310(送信部)において、定期要求信号を通信部52から送信させる。このため、通信部52はアンテナ52aから定期要求信号を電波を介して送信する。
【0212】
ここで、スマートメーター10のマイクロコンピュータ11は、ステップS200において、携帯端末20からの要求信号を受信したとして、YESと判定する。
【0213】
このとき、マイクロコンピュータ11は、電力検出器12によって、商用電力系統2および電気機器群40のうち一方から他方へ供給される瞬時電力値を検出する(ステップS210)。
【0214】
これに加えて、マイクロコンピュータ11は、瞬時電力値を含む瞬時電力値情報を通信部13から送信させる(ステップS220)。このため、通信部13は、アンテナ13aから瞬時電力値情報を電波を介して送信する。
【0215】
このような瞬時電力値情報は、電力制御装置50のアンテナ52aを介して通信部52で受信される。
【0216】
このとき、電力制御装置50のマイクロコンピュータ51は、通信部52を介して瞬時電力値情報を受信したか否かを判定する(ステップS320)。
【0217】
このとき、通信部52がアンテナ52aを介して瞬時電力値情報を受信していない場合には、マイクロコンピュータ51は、瞬時電力値情報を受信していないとして、ステップS320において、NOと判定する。これに伴い、ステップS320に戻る。
【0218】
このため、マイクロコンピュータ51は、通信部52がアンテナ52aを介して瞬時電力値情報を受信する迄の間、瞬時電力値情報を受信していないとして、ステップS320のNO判定を繰り返す。
【0219】
その後、通信部52がアンテナ52aを介して瞬時電力値情報を受信すると、マイクロコンピュータ51は、瞬時電力値情報を受信したとして、ステップS320のYESと判定する。
【0220】
これに伴い、マイクロコンピュータ51は、通信部52から瞬時電力値情報を携帯端末20に転送させる(ステップS330:転送部)。このため、通信部52はアンテナ52aから瞬時電力値情報を電波を介して送信させる。
【0221】
このようにマイクロコンピュータ51は、定期要求信号を一定期間Tc毎に送信し、この定期要求信号に対応してスマートメーター10から送信される瞬時電力値情報を携帯端末20に転送させる。
【0222】
(携帯端末20)
携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、
図19(b)のフローチャートにしたがって電力値表示更新処理を実行する。マイクロコンピュータ21は、電力値表示更新処理と
図5(a)(或いは、
図9)の電力値表示制御処理とを時分割で交互に実行する。
【0223】
まず、携帯端末20のマイクロコンピュータ21は、ステップS180において、瞬時電力値情報を通信部23を介して受信したか否かを判定する。
【0224】
このとき、マイクロコンピュータ21は、ステップS180において、瞬時電力値情報を通信部23を介して受信したときにYESと判定する。
【0225】
これに伴い、マイクロコンピュータ21は、瞬時電力値情報に基づいてタッチパネル22において電力情報取得ボタン22aの瞬時電力値の表示を更新する(ステップS181:表示更新制御部)。
【0226】
以上により、携帯端末20は、スマートメーター10から電力制御装置50を介して的的に送信される瞬時電力値情報に基づいて、タッチパネル22において電力情報取得ボタン22aの瞬時電力値の表示を定期的に更新することができる。
【0227】
以上説明した本実施形態によれば、携帯端末20は、ユーザの電力情報取得ボタン22aへの押下による瞬時電力値の情報取得に加えて、電力制御装置50が定期的にスマートメーター10からの瞬時電力値を取得して瞬時電力値の表示を更新する。
【0228】
ここで、携帯端末20において瞬時電力値をリアルタイムに見たいユーザもいれば、少し前の情報でもいいので、瞬時電力値の表示が自動で更新されているほうがよいユーザもいる。
【0229】
そこで、本実施形態の携帯端末20は、上記第1~第4実施形態と同様にユーザの電力情報取得ボタン22aへの押下による瞬時電力値の取得に加えて、自動で定期的に瞬時電力値を取得する。
【0230】
これにより、携帯端末20において、情報取得ボタン22aへユーザが押下されたときに瞬時電力値の表示が更新されるだけでなく、一定期間毎に瞬時電力値の表示を更新することにより、上述の両方のタイプのユーザのニーズを満足させることができる。
【0231】
(他の実施形態)
(1)上記第1~第5実施形態では、本発明の端末として携帯端末20を用いた例について説明したが、これに限らず、設置型のコンピュータやノートパソコンを本発明の端末としてもよい。
(2)上記第1~第5実施形態では、スマートメーター10、携帯端末20、および電力制御装置50によってエネルギー管理システムを構成した例について説明したが、これに代えて、スマートメーター10および携帯端末20によってエネルギー管理システムを構成してもよい。
【0232】
この場合、電力制御装置50を除外してスマートメーター10および携帯端末20の間で無線通信を実施して携帯端末20がスマートメーター10から直接、瞬時電力値情報を取得して表示させるようにしてもよい。
(3)上記第1~第5実施形態では、スマートメーター10および電力制御装置50の間の通信を無線通信とした例について説明したが、これに代えて、スマートメーター10および電力制御装置50の間の通信を有線通信としてもよい。
【0233】
或いは、スマートメーター10および電力制御装置50の間の通信を電波以外の媒体(例えば超音波や光等)を用いる無線通信を用いてもよい。
(4)上記第1~第5実施形態では、携帯端末20および電力制御装置50の間の通信を無線通信とした例について説明したが、これに代えて、携帯端末20および電力制御装置50の間の通信を有線通信としてもよい。
【0234】
或いは、携帯端末20および電力制御装置50の間の通信として、電波以外の媒体(例えば超音波や光等)を用いる無線通信を用いてもよい。
(5)上記第1~第5実施形態では、携帯端末20において表示部および操作部を兼ねるタッチパネル22を用いた例について説明したが、これに代えて、表示部および操作部をそれぞれ独立して構成するようにしてもよい。
(6)上記第1~第5実施形態では、本発明の電力系統として、商用電力系統2を用いる例について説明したが、これに限らず、ユーザが管理している私用の電力系統を本発明の電力系統としてもよい。
(7)上記第1~第5実施形態では、エネルギー管理システムを住宅に適用した例について説明したが、これに代えて、住宅以外の商業施設等の各種の施設にエネルギー管理システムを適用してもよい。
(8)上記第1~第5実施形態では、携帯端末20においてユーザがタッチパネル22をの操作判定領域が押下したとき、タッチパネル22がユーザによって操作された判定した例について説明した。これに代えて、ユーザがタッチパネル22の操作判定領域に触れずに近づいただけでタッチパネル22がユーザによって操作されたと判定するものを用いてもよい。
(9)上記第3実施形態では、マイクロコンピュータ21は、ステップS160において、内蔵時計の計時に基づいて、日付が変更されたか否かを判定した例について説明したが、これに代えて、次の(a)(b)のように判定してもよい。
(a)瞬時電力値を取得した日付と携帯端末20のタッチパネル22に表示される日付とが不整合となる場合において、タッチパネル22に表示される日付をユーザ自らの操作によって変更したとき、マイクロコンピュータ21は、ステップS160において、YESと判定する。
(b)携帯端末20が外部から日付情報を取得して携帯端末20の内部時計の日付が変更されるときにおいても、マイクロコンピュータ21は、ステップS160において、YESと判定する。
(10)上記第1~第5実施形態では、携帯端末20がスマートメータ-10から瞬時電力値情報を取得した取得時刻を、タッチパネル22に表示される瞬時電力値の更新時刻とした例について説明したが、これに代えて、次の(c)(d)のようにしてもよい。
(c)スマートメータ-10から電力制御装置50を経由して瞬時電力値情報を携帯端末20が受信する場合に、スマートメータ-10からの瞬時電力値情報を電力制御装置50が受信した受信時刻をタッチパネル22に表示される瞬時電力値の更新時刻とする。
【0235】
この場合、電力制御装置50が受信した受信時刻を瞬時電力値情報に付加して携帯端末20に送信する。このことにより、電力制御装置50が携帯端末20に受信時刻に通知することになる。
(d)スマートメータ-10の電力検出器12が瞬時電力値を検出した検出時刻をタッチパネル22に表示される瞬時電力値の更新時刻とする。
【0236】
この場合、スマートメータ-10が検出時刻を瞬時電力値情報に付加して、この検出時刻が付加された瞬時電力値情報を電力制御装置50を経由して携帯端末20に送信する。このことにより、スマートメータ-10が携帯端末20に検出時刻を通知することができる。
(11)なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記第1~第5実施形態、および他の実施形態の一部または全部に記載された第1の観点によれば、端末は、電力系統および電気機器のうち一方から他方へ供給される電力の瞬時値を検出するスマートメーターとの間で通信する端末であって、
操作部に対してユーザから操作されたか否かを判定する操作判定部と、
操作部に対してユーザから操作されたと操作判定部が判定したとき、電力の瞬時値を示す瞬時電力値情報を要求するための要求信号をスマートメーターに対して送信する送信部と、要求信号に応答してスマートメーターから送信される瞬時電力値情報に基づいて電力の瞬時値を表示部に表示させる電力表示制御部と、を備える。
【0237】
第2の観点によれば、操作判定部は、操作部のうち操作判定領域に対してユーザが操作したか否かを判定し、操作部のうち操作判定領域と表示部のうち電力の瞬時値を表示する表示領域が重なるように表示部および操作部が構成されている。
【0238】
したがって、操作部のうち操作判定領域と表示部のうち電力の瞬時値を表示する表示領域とを重ねることにより、操作判定領域を拡大して、ユーザの端末への操作性を向上させることができる。
【0239】
第3の観点によれば、操作部に対してユーザから操作されたと操作判定部が判定したときから、電力表示制御部が電力の瞬時値を表示部に表示させる迄の間に、瞬時電力値情報をスマートメーターから取得中である旨を表示部に表示させる取得中表示制御部を備える。
【0240】
ここで、ユーザが操作部への操作することにより端末が瞬時電力値情報を取得する場合において、端末が「瞬時電力値情報を取得中であることが分かる表示」をしないと、瞬時電力値が更新されるまでの間、端末において操作が受け付けられているのか否かがユーザにとって心配になるおそれがある。特に、スマートメーターからの瞬時電力値情報の取得に長い時間がかかる場合、ユーザの心配はより顕著になる。
【0241】
そこで、上述の如く、スマートメーターから取得中である旨を表示部に表示させることにより、ユーザの心配を抑制することができる。
【0242】
第4の観点によれば、送信部が要求信号をスマートメーターに対して送信したときから一定期間の間に亘って、スマートメーターに要求信号を送信することを停止する停止部を備える。
【0243】
第5の観点によれば、送信部から要求信号をスマートメーターに対して送信することを停止部が停止している場合において、電力表示制御部が電力の瞬時値を表示部に表示させているとき、スマートメーターへアクセスすることが制限されて瞬時電力値情報をスマートメーターから取得することができない旨を表示部に表示させるアクセス制限表示制御部を備える。
【0244】
ここで、ユーザが端末の操作部への操作することにより端末が瞬時電力値情報を取得する場合において、スマートメーターへアクセスの頻度を下げるために一定期間の間にスマートメーターへ要求信号を送信することを停止する必要がある。
【0245】
この一定期間の間において、ユーザにとって、操作部へ操作しているのに瞬時電力値の表示が更新されないという不満を持つおそれがある。これは、ユーザにアクセス制限中であることが分かるように表示がされていないことが原因である。
【0246】
そこで、上述の如く、スマートメーターへアクセスすることが制限されて瞬時電力値情報をスマートメーターから取得することができない旨を表示部に表示させることにより、ユーザの不満を解消することができる。
【0247】
第6の観点によれば、端末は、送信部が要求信号をスマートメーターに対して送信した後、スマートメーターから瞬時電力値情報を取得することを失敗したか否かを判定する失敗判定部と、端末は、スマートメーターから瞬時電力値情報を取得することを失敗し、かつスマートメーターから瞬時電力値情報を取得することが可能である旨を表示部に表示させる失敗表示制御部を備える。
【0248】
スマートメーターから瞬時電力値情報を取得することを失敗したと失敗判定部が判定した場合において、取得中表示制御部は、一定期間(Ta)が終了する迄、瞬時電力値情報をスマートメーターから取得中である旨の表示を継続させるように表示部を制御する。
【0249】
失敗表示制御部は、一定期間の終了後、スマートメーターから瞬時電力値情報を取得することを失敗し、かつスマートメーターから瞬時電力値情報を取得することが可能である旨を表示部に表示させる。
【0250】
ここで、通信路の状態やスマートメーターの状態によってはユーザが端末の操作部への操作しても、スマートメーターから瞬時電力値の取得に失敗する場合がある。
【0251】
また、上記のようにスマートメーターへのアクセスに制限がある場合、瞬時電力値の取得失敗が分かったタイミングでユーザに瞬時電力値の取得失敗を通知すると、ユーザは再度、ユーザが端末の操作部への操作を試みたいが、スマートメーターへアクセス制限中により瞬時電力値の取得が行えないこととなり、ユーザが不満を持つおそれがある。
【0252】
そこで、瞬時電力値の取得の失敗が判定されてもアクセス制限期間中であれば、瞬時電力値の取得の失敗をユーザに通知せず、瞬時電力値情報をスマートメーターから取得中である旨を端末の表示部に表示し続ける。その後、アクセス制限期間が完了した後に瞬時電力値の取得の失敗をユーザに通知する。
【0253】
これにより、ユーザは瞬時電力値の取得の失敗が分かったタイミングで再度瞬時電力値の取得を行うことができるので、不満を持つことがなくなる。
【0254】
第7の観点によれば、端末は、スマートメーターとの間で電力制御装置を介して瞬時電力値情報および要求信号を伝える通信部と、
端末自体がスマートメーターから瞬時電力値情報を取得するのに必要である通信以外の他の通信をスマートメーターおよび電力制御装置の間で行っているか否かを判定する通信判定部と、
他の通信をスマートメーターおよび電力制御装置の間で行っていると通信判定部が判定したとき、スマートメーターから瞬時電力値情報を取得することができない旨を表示部に表示させる取得不能表示制御部とを備える。
【0255】
ここで、スマートメーターと電力制御装置の間では、上述の他の通信として、例えば、積算電力量の取得や認証の更新といった通信処理が行われる。
【0256】
ここで、スマートメーターと電力制御装置の間で他の通信が行われているときに端末が瞬時電力の取得を行ってしまうと他の通信に悪影響を及ぼすことが懸念されるので、他の処理が行われている期間は、端末が瞬時電力の取得を行わないようにする必要がある。このため、他の通信が行われている期間に、ユーザは端末の操作部を操作しているので、瞬時電力値の表示が更新されないという不満を持つおそれがある。
【0257】
そこで、他の処理が行われている期間は、スマートメーターと電力制御装置の間で他の通信が行われていることが分かるようにユーザに対して端末の表示部に表示する。このことにより、ユーザの不満を解消することができる。
【0258】
第8の観点によれば、端末は、電力の瞬時値を瞬時電力値情報を取得した時刻とともに、表示部に表示させる電力表示制御部と、
瞬時電力値情報を取得した日付から日付が変更になったか否かを判定する日付判定部と、
瞬時電力値情報を取得した日付から日付が変更になったと日付判定部が判定したとき、表示部における電力の瞬時値の表示と瞬時電力値情報を取得した時刻の表示とを消去する表示消去制御部とを備える。
【0259】
ここで、表示されている瞬時電力値が、いつ取得したものであるかを分かるように取得時刻を表示する必要がある。年月日まで表示してしまうと煩わしいため時刻に限定して表示した場合、ユーザが数日前の情報を今日の情報と勘違いしてしまうおそれがある。
【0260】
そこで、日付が変わったときには瞬時電力値と取得時刻をクリアすることで、ユーザが勘違いすることを防げる。瞬時電力値という性質上、数日前の古い情報を残しておくメリットも少ない。
【0261】
第9の観点によれば、スマートメーターに要求信号を定期的に送信する電力制御装置を備え、スマートメーターが電力制御装置から定期的に送信される要求信号に応答して瞬時電力値情報を定期的に送信するエネルギー管理システムに適用され、スマートメーターから定期的に送信される瞬時電力値情報に基づいて、表示部における電力の瞬時値の表示を更新する表示更新制御部を備える。
【0262】
ここで、瞬時電力値をリアルタイムに見たいユーザもいれば、少し前の情報でもいいので、自動で瞬時電力値の表示が更新されているほうがよいユーザもいる。
【0263】
そこで、ユーザの要望に応じたボタン押下による瞬時電力値の取得・表示に加えて、定期的な瞬時電力値の取得・更新も自動で行うことで、両方のタイプのユーザのニーズを満足させることができる。
【0264】
第10の観点によれば、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の端末および電力制御装置を備えるエネルギー管理システムであって、
電力制御装置は、
瞬時電力値情報を要求するための要求信号を定期的にスマートメーターに送信する送信部と、
要求信号に応答してスマートメーターから送信される瞬時電力値情報を端末に転送する転送部と、を備え、
端末は、電力制御装置から転送される瞬時電力値情報に基づいて、表示部における電力の瞬時値の表示を更新する表示更新制御部を備える。
【0265】
第11の観点によれば、電力系統および電気機器のうち一方から他方へ供給される電力の瞬時値を検出するスマートメーターとの間で通信する端末に適用されるプログラムであって、
操作部に対してユーザから操作されたか否かを判定する操作判定部と、
操作部に対してユーザから操作されたと操作判定部が判定したとき、電力の瞬時値を示す瞬時電力値情報を要求するための要求信号をスマートメーターに対して送信する送信部と、
要求信号に応答してスマートメーターから送信される瞬時電力値情報に基づいて電力の瞬時値を表示部に表示させる電力表示制御部として、コンピュータを機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0266】
1 エネルギー管理システム
10 スマートメーター
20 携帯端末
21 マイクロコンピュータ
22 タッチパネル
23 通信部
40 電気機器群
50 電力制御装置