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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】収容装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/00 20060101AFI20220405BHJP
   B60R 7/04 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
B60N3/00 Z
B60R7/04 C
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018113171
(22)【出願日】2018-06-13
(65)【公開番号】P2019214324
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2020-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】特許業務法人 共立
(72)【発明者】
【氏名】福井 直行
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-248793(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0229603(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/00
B60R 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口する物品収容部を有するケース部材と、
第1端部を先側に向け第2端部を前記先側に対向する後側に向けつつ前記物品収容部の開口を閉じる閉位置と、前記第1端部を上側に向け前記第2端部を下側に向けつつ前記物品収容部よりも前記後側に配置される開位置と、前記開位置と前記閉位置との間の半開位置と、の間で先後方向及び上下方向に状態変化するリッド部材と、
前記先後方向及び前記上下方向に交差する幅方向に沿って複数の凸状歯部が間隔をおいて配列する櫛歯部を有し、前記リッド部材の前記第2端部に枢支されるフィン部材と、
前記ケース部材に対して位置固定され、前記凸状歯部と噛合う複数の凹溝部を有し、前記リッド部材よりも前記後側に配置されるカバー部材と、
前記リッド部材に設けられ、前記フィン部材を付勢する付勢部材と、を有し、
前記リッド部材が前記半開位置と前記開位置との間を状態変化する際に、前記フィン部材の前記凸状歯部は前記付勢部材の付勢力によって前記カバー部材の前記凹溝部に摺接し、
前記付勢部材は、前記リッド部材に対する前記フィン部材の角度θが110°以下の所定角度となる中立位置に向けて前記フィン部材を付勢し、
前記フィン部材は、前記櫛歯部に加えて、前記リッド部材に枢支される軸部と、前記軸部に対して交差する方向に突起しかつ前記凸状歯部の逆側を向く入力部と、を有し、
前記軸部から前記入力部の表面までの距離は、前記軸部まわりの周方向において、前記入力部の部分毎に異なり、
前記付勢部材は、圧縮することで付勢力を蓄積し伸長することで付勢力を放出する付勢部と、前記付勢部に一体化され前記入力部を押圧する押圧面と、を有し、
前記フィン部材は、前記入力部の表面のうち前記軸部からの距離の最も短い部分である中立入力部に前記付勢部材の前記押圧面が当接する前記中立位置に向けて、前記付勢部材によって付勢される、収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のコンソールボックス等として使用され得る収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
収容装置として、上方に開口する物品収容部を有するケース部材と、当該物品収容部の開口を開閉するリッド部材と、を有するものが知られている。一般的な収容装置におけるリッド部材は、スライド、回動、揺動等することで、物品収容部の開口を閉じる閉位置と当該開口を開く開位置との間を状態変化する。近年、収容装置のコンパクト化のため、開位置においてリッド部材の一部が物品収容部の後側に配置されるものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。以下、必要に応じて、この種の収容装置を内開き式の収容装置と称する場合がある。
【0003】
特許文献1には、内開き式の収容装置として、ドアが収納体本体に対して回動することで開位置と閉位置との間を状態変化するものが紹介されている。また、特許文献1に紹介されている内開き式の収容装置は、収容体本体と隣り合って配置されるカバー部材を有する。収容体本体には収納部が設けられ、ドアは開位置において当該収納部の後側に配置される。より具体的には、このときドアは収納部とカバー部材との間に配置される。なお、特許文献1におけるドア、収容体本体及び収納部は、本発明におけるリッド部材、ケース部材及び物品収容部に各々相当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-290012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した特許文献1にも記載があるように、この種の内開き式の収容装置においては、リッド部材とカバー部材との間にコイン等の物品が入り込む可能性がある。
【0006】
つまり、収容装置の物品収容部には各種の物品が収容されることが想定されるが、例えば、当該収容装置が車両用のコンソールボックス等であれば、物品収容部には各種のチケットやレシート、紙幣や硬貨等の薄い板状又はシート状の物品が収容される蓋然性が高い。
【0007】
このような薄い物品(以下、必要に応じて「小物品」と称する)は、カバー部材とリッド部材との間の狭い隙間に入り込む可能性があるが、このような隙間に一旦入り込んだ小物品を取り出すことは甚だ困難である。
【0008】
特許文献1には、リッド部材におけるカバー部材側の端部に掻き出し部材を設け、当該掻き出し部材によって、上記の隙間に入り込んだ物品を掻き出すことが提案されている。しかし、例えば特許文献1の図2に示されるように、特許文献1で提案されている掻き出し部材とカバー部材との間に隙間があれば、当該隙間に小物品が入り込み、掻き出し部材によっても取り出し得なくなる可能性は否定できない。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、リッド部材とカバー部材との間に小物品が入り込むことを一層抑制し得る収容装置を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明の収容装置は、
上方に開口する物品収容部を有するケース部材と、
第1端部を先側に向け第2端部を前記先側に対向する後側に向けつつ前記物品収容部の開口を閉じる閉位置と、前記第1端部を上側に向け前記第2端部を下側に向けつつ前記物品収容部よりも前記後側に配置される開位置と、前記開位置と前記閉位置との間の半開位置と、の間で先後方向及び上下方向に状態変化するリッド部材と、
前記先後方向及び前記上下方向に交差する幅方向に沿って複数の凸状歯部が間隔をおいて配列する櫛歯部を有し、前記リッド部材の前記第2端部に枢支されるフィン部材と、
前記ケース部材に対して位置固定され、前記凸状歯部と噛合う複数の凹溝部を有し、前記リッド部材よりも前記後側に配置されるカバー部材と、
前記リッド部材に設けられ、前記フィン部材を付勢する付勢部材と、を有し、
前記リッド部材が前記半開位置と前記開位置との間を状態変化する際に、前記フィン部材の前記凸状歯部は前記付勢部材の付勢力によって前記カバー部材の前記凹溝部に摺接する、収容装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の収容装置によると、リッド部材とカバー部材との間に小物品が入り込むことを抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】車両に搭載された実施例の収容装置を模式的に表す斜視図である。
図2】実施例の収容装置を分解した様子を模式的に表す説明図である。
図3】実施例の収容装置の動作を説明する説明図である。
図4】実施例の収容装置におけるリッド部材、フィン部材、付勢部材及びカバー部材を模式的に表す説明図である。
図5】実施例の収容装置の動作を説明する説明図である。
図6】実施例の収容装置の動作を説明する説明図である。
図7】実施例の収容装置の動作を説明する説明図である。
図8】実施例の収容装置の動作を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の収容装置を説明する。
【0014】
本発明の収容装置は、既述したように車両用のコンソールボックスとして使用しても良いが、本発明の収容装置の用途はこれに限定されない。本発明の収容装置は、例えば、電車や旅客機等車両以外の交通機関や映画館等、限られたスペースで使用される収容装置として好ましく用い得る。
【0015】
本発明の収容装置は、ケース部材と、リッド部材と、フィン部材と、カバー部材と、付勢部材とを有する。
【0016】
ケース部材は、上方に開口する物品収容部を有し、当該物品収容部に物品を収容し得る。
リッド部材は、開位置と閉位置との間で先後方向及び上下方向に状態変化し、物品収容部の開口を開閉する。
【0017】
より具体的には、リッド部材は第1端部と第2端部とを有し、閉位置においては、第1端部を先側に向け第2端部を前記先側に対向する後側に向けつつ、物品収容部の開口を閉じる。ここでいう先側、後側とは、互いに対向する方向ではあるが、特定の方向を意味するものではない。
【0018】
一例を挙げると、本発明の収容装置が車両用のコンソールボックスであれば、先側を車両進行方向の前側とみなし、後側を車両進行方向の後側とみなしても良い。逆に、先側を車両進行方向の後側とみなし、後側を車両進行方向の前側とみなしても良い。更には、先側を車幅方向の一方側、つまり運転席側と助手席側との一方とみなし、後側を車幅方向の他方側、つまり運転席側と助手席側との他方とみなしても良い。
【0019】
リッド部材の第1端部及び第2端部もまた特に限定されるものではないが、閉位置においてリッド部材が第1端部を先側に向け第2端部を後側に向ける都合上、第1端部及び第2端部は、互いに対向する側に位置する2つの端部と捉えることができる。
【0020】
開位置において、リッド部材は、第1端部を上側に向け第2端部を下側に向ける。このとき同時に、リッド部材は物品収容部よりも後側に配置される。したがって、本発明の収容装置は上記した内開き式の収容装置といえる。
開位置において、リッド部材はケース部材に収容されても良いし、リッド部材の一部、具体的にはリッド部材における第1端部側の部分がケース部材の上方に露出しても良い。リッド部材は、開位置において単にケース部材の後方に配置されるだけであっても良い。
【0021】
リッド部材は、開位置と閉位置との間で先後方向及び上下方向に状態変化する。当該状態変化の際に、リッド部材は、開位置と閉位置との間の半開位置を経る。本発明の収容装置においては、この状態変化の様式は特に限定されないが、一軸的又は二軸的な回動や、スライド、更にはスライドと回動との組み合わせ等を例示できる。
【0022】
フィン部材は、複数の凸状歯部を有する櫛歯部を有し、リッド部材の第2端部に枢支される部材である。フィン部材は、リッド部材に枢支されるため、開位置と閉位置との間を状態変化するリッド部材と一体的に状態変化するとともに、リッド部材に対して回動可能である。
【0023】
カバー部材は、リッド部材よりも後側に配置される部材であり、上記したフィン部材の凸状歯部と噛合う複数の凹溝部を有する。フィン部材及びカバー部材がこのような構造であるため、フィン部材の凸状歯部は、リッド部材が半開位置と開位置との間を状態変化する際に凹溝部内を移動するといえる。
このため、少なくともリッド部材が半開位置と開位置との間を状態変化する際には、フィン部材とカバー部材との距離はリッド部材とカバー部材との距離よりも近いといえる。又は、少なくともリッド部材が半開位置と開位置との間を状態変化する際には、リッド部材とカバー部材との間にフィン部材が介在するともいえる。つまり、本発明の収容装置においては、フィン部材とカバー部材との間に入り込もうとする小物品には、フィン部材が干渉する。
【0024】
また、本発明の収容装置においては、フィン部材に櫛歯部を設け、かつ、カバー部材に櫛歯部の凸状歯部と噛合う凹溝部を設けたことで、フィン部材とカバー部材との隙間は山谷の連続する略ジグザグ状となる。このため、カードやコイン等の平板状の小物品は、薄いものであっても、フィン部材とカバー部材との隙間に入り込み難くなる。
【0025】
フィン部材の櫛歯部において、複数の凸状歯部は幅方向に沿って間隔をおいて配列する。本発明における幅方向とは、先後方向及び上下方向に交差する方向、つまり、リッド部材が状態変化する方向に対して交差する方向である。
【0026】
凸状歯部が幅方向に配列することで、フィン部材とカバー部材との隙間、つまり、上記した略ジグザグ状の隙間は、リッド部材が状態変化する方向と交差する方向において、幅をもって設けられる。このため、カードやコイン等の平板状の小物品は、フィン部材とカバー部材との隙間に入り込み難くなるといえる。
【0027】
また、本発明の収容装置は、リッド部材に設けられフィン部材を付勢する付勢部材、を有する。そして、リッド部材が半開位置と前記開位置との間を状態変化する際に、フィン部材の凸状歯部は当該付勢部材の付勢力によって、カバー部材の凹溝部に摺接する。このため、フィン部材とカバー部材との略ジグザグ状の隙間は実質的に無くなり、フィン部材とカバー部材との隙間への小物品の侵入を更に抑制できるといえる。また、フィン部材とカバー部材との隙間が実質的に無くなることで、例えば帯状等の狭幅の小物品であっても、上記の隙間への侵入を抑制できる利点がある。
【0028】
ところで、例えばリッド部材が、二軸的な回動又はスライドと回動との組み合わせ等によって複雑に状態変化する場合には、リッド部材が単なる直線的なスライドや、一軸的な回動によって状態変化する場合とは異なり、リッド部材が状態変化する軌跡を精密にコントロールし難くなる。したがってこのような場合には、リッド部材とカバー部材の隙間の大きさ、つまりリッド部材とカバー部材との距離を一定に維持するのが困難になる。
【0029】
本発明の収容装置においては、リッド部材とカバー部材との間にフィン部材を介在させ、更に当該フィン部材をリッド部材に枢支することで、リッド部材やカバー部材に対するフィン部材の角度を変化させることができる。リッド部材やカバー部材に対するフィン部材の角度が変化すれば、当然乍ら、フィン部材とカバー部材との距離も変化する。本発明の収容装置では、このようなフィン部材の回動によって、リッド部材とカバー部材との隙間の大きさが一定でない場合にも、隙間の大きさの変化を吸収することができ、ひいては、フィン部材とカバー部材との隙間への小物品の侵入をより信頼性高く抑制できる。つまり、本発明の収容装置による上記の隙間への小物品侵入抑制機能は、リッド部材が複雑に状態変化する場合に、より効果的である。
【0030】
本発明の収容装置は、上述した各種の構成要素だけでなく、その他の要素を備えても良い。当該その他の要素としては、リッド部材を位置規制してリッド部材の状態変化をガイドするガイド要素や、リッド部材を適宜適切な位置及び/又はタイミングでロックするロック要素、リッド部材を開駆動するための開駆動要素、リッド部材を閉駆動するための閉駆動要素、開駆動時及び/又は閉駆動時におけるリッド部材の速度や力を減衰するためのダンパ要素、等を例示できるが、この限りではない。
【0031】
以下、具体例を挙げて本発明の収容装置を説明する。
なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x~y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施形態中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
【0032】
(実施例)
実施例の収容装置は、本発明の収容装置を車両用のコンソールボックスとして具体化した例である。車両に搭載された実施例の収容装置を模式的に表す斜視図を図1に示し、実施例の収容装置を分解した様子を模式的に表す説明図を図2に示す。実施例の収容装置の動作を説明する説明図を図3及び図5図8に示す。実施例の収容装置におけるリッド部材、フィン部材、付勢部材及びカバー部材を模式的に表す説明図を図4に示す。
以下、実施例において、上、下、左、右、前、後とは各図に示す上、下、左、右、前、後を意味する。このうち特に「前」及び「後」は、既述した「先」及び「後」に各々相当する。
【0033】
実施例の収容装置1は車両用のコンソールボックスであり、図1に示すように、車両室内の運転席と助手席との間に配設される。
【0034】
図2に示すように、実施例の収容装置1は、ケース部材2、リッド部材3、フィン部材4、カバー部材5、リヤカバー81、2つのサイドカバー82、並びに、後述する付勢部材80、ロック要素及び閉駆動要素を有する。
【0035】
ケース部材2は、アウターケース20とインナーケース21とで構成される二重の箱状をなす。インナーケース21はアウターケース20の内部に装着され、インナーケース21の内部には上部に開口する物品収容部22が形成されている。ケース部材2の上面における左右側部は、各々サイドカバー82で覆われる。
【0036】
図3に示すように、ケース部材2の後部分において、インナーケース21とアウターケース20との間には隙間が設けられている。カバー部材5は、当該隙間に嵌め込まれ、アウターケース20及びインナーケース21に対して固定されている。
カバー部材5とインナーケース21との間には、リッド収容部23が形成される。
【0037】
リヤカバー81は、ケース部材2の後部分かつカバー部材5よりも上方に配置され、インナーケース21とアウターケース20との隙間及びカバー部材5を覆い隠すとともに、アウターケース20及びインナーケース21に対して固定されている。
【0038】
図2に示すように、カバー部材5は、左壁50及び右壁51とこれらを連結する後壁52とを有する、略コ字の衝立状をなす。カバー部材5の左壁50及び右壁51には、各々、長溝状の前側ガイドレール部60及び長溝状の後側ガイドレール部65が形成されている。
【0039】
カバー部材5の後壁52には、湾曲しつつ前後方向及び上下方向に延びる3つの凹溝部55が設けられている。各凹溝部55は、前方に開口し、左右方向に沿って間隔をおいて配列している。隣り合う凹溝部55は、一般壁部56によって連結されている。図4に示すように、凹溝部55の後溝壁55bは一般壁部56よりも後側に位置する。なお、前側ガイドレール部60及び後側ガイドレール部65は、後述する前側ピン33及び後側ピン34とともにガイド要素を構成する。
【0040】
図3に示すように、前側ガイドレール部60は、後側ガイドレール部65よりも略前側に配置されている。
前側ガイドレール部60は、ケース部材2の上端側に位置し前後方向に延びる前側スライドガイド部61と、前側スライドガイド部61の後端部に連続し下方に向けて略円弧状に延びる前側回動ガイド部62と、で構成される。前側回動ガイド部62と前側スライドガイド部61とは滑らかに連続している。
【0041】
各前側ガイドレール部60の前端部、後端部、及び前後方向の略中央部には、各々、第1ロック孔60f、第3ロック孔60t、及び第2ロック孔60sが設けられている。第1ロック孔60f、第2ロック孔60s、及び第3ロック孔60tにおいて、前側ガイドレール部60の溝深さは、他の部分よりも深い。なお、第1ロック孔60f、第3ロック孔60t、及び第2ロック孔60sは後述する操作ノブ83、前側ピン33及び図略のロックリンクとともにロック要素を構成する。
【0042】
各後側ガイドレール部65は、前側ガイドレール部60よりも後側においてケース部材2の上端側に位置し略前後方向に延びる後側スライドガイド部66と、後側スライドガイド部66の後端部に連続し下方に延びる後側回動ガイド部67と、で構成される。
【0043】
後側スライドガイド部66における前端部分は上側かつ前側から下側かつ後側に向けて傾斜する導入部66iを構成している。後側スライドガイド部66におけるその他の部分は略直線的に延びる。
【0044】
後側回動ガイド部67のうち後側スライドガイド部66との境界に位置する部分は、湾曲し、後側スライドガイド部66に滑らかに連続している。後側回動ガイド部67における下側部分の曲率は、後側回動ガイド部67における上側部分、つまり、後側回動ガイド部67のうち後側スライドガイド部66との境界に位置する部分の曲率よりも小さい。後側回動ガイド部67における下側部分は略直線的に延びるともいえる。また、後側回動ガイド部67における下側部分は、前側回動ガイド部62の下端部よりも遙かに下方にまで延びている。
【0045】
図2に示すように、リッド部材3は、略板状をなす。リッド部材3には2つの前側ピン33及び2つの後側ピン34が設けられている。各前側ピン33は、リッド部材3に対して左右方向にスライド可能であるように、リッド部材3の第1端部31側に取り付けられている。各前側ピン33は、図略のピン付勢部材によって付勢されている。当該ピン付勢部材によって、一方の前側ピン33はリッド部材3の左面から左方に突出する方向に付勢され、他方の前側ピン33はリッド部材3の右面から右方に突出する方向に付勢される。
【0046】
図3に示すように、各前側ピン33は、前側ガイドレール部60に挿入され、前側ガイドレール部60内を移動可能である。
【0047】
なお、各前側ピン33は、図略のロックリンクを介して操作ノブ83に接続されている。操作ノブ83は、リッド部材3に枢支されてリッド部材3に対して揺動可能であり、図略のロック付勢部材によって所定位置に向けて付勢されている。操作ノブ83が当該所定位置にある時には、上記したピン付勢部材の付勢力によって、一方の前側ピン33はリッド部材3の左面から左方に突出し、他方の前側ピン33はリッド部材3の右面から右方に突出する。操作ノブ83が揺動すると、図略のロックリンクを介して各前側ピン33に力が伝達され、各前側ピン33は、ピン付勢部材の付勢力に抗して、リッド部材3に向けて引っ込む方向にスライドする。
【0048】
各後側ピン34は、リッド部材3の第2端部32側において、リッド部材3に一体に固定されている。一方の後側ピン34はリッド部材3の左面から左方に突出し、他方の後側ピン34はリッド部材3の右面から右方に突出する。
各後側ピン34は、後側ガイドレール部65に挿入され、後側ガイドレール部65内を移動可能である。
【0049】
図2及び図4に示すように、リッド部材3の第2端部32には2つのフィン支持部35が設けられている。リッド部材3の第2端部32における左端部及び右端部にはタブ状のフィン支持基部36が設けられている。各フィン支持部35は、各々、左右方向に延びる孔状をなし、各フィン支持基部36に形成されている。
【0050】
リッド部材3のフィン支持部35には、フィン部材4が枢支される。
図4に示すように、フィン部材4は、全体として、左右方向に延びる略ブレード状の形状をなし、2つの軸部40と、2つの入力部41と、櫛歯部45とで構成されている。
【0051】
2つの軸部40は、フィン部材4の左右端部に各々位置し、リッド部材3のフィン支持部35に枢支されている。したがって、フィン部材4は軸部40を中心として回動する。
2つの入力部41は、左右方向に沿って間隔をおいて配列する。櫛歯部45は、先細りのスクイージー状をなす凸状歯部46を3つ有する。当該凸状歯部46は、左右方向に沿って間隔をおいて配列する。フィン部材4は、概ね、入力部41を前側に向け櫛歯部45を後側に向ける。
【0052】
図5に示すように、軸部40から入力部41の表面までの距離は、軸部40まわりの周方向において、入力部41の部分毎に異なっている。軸部40と直交する平面で入力部41を切断した断面は、軸部40を中心として異径であるともいえる。入力部41の表面のうち軸部40からの距離の最も短い部分を中立入力部41nと称する。
【0053】
各入力部41の前側には、各々、付勢部材80が配置されている。付勢部材80はリッド部材3に固定され、つる巻きバネ状の付勢部80sと、付勢部80sに一体化された押圧部80pとを有する。押圧部80pは平面状の押圧面80psを有する。
【0054】
付勢部80sは圧縮することで付勢力を蓄積し、伸長することで、当該蓄積した付勢力を放出する。付勢部80sはやや圧縮した状態でリッド部材3に取り付けられているため、付勢部材80は押圧面80psによって入力部41を押圧する。
【0055】
既述したように、軸部40から入力部41の表面までの距離は入力部41の部分毎に異なっており、入力部41の表面と軸部40との距離は中立入力部41nにおいて最短となる。
したがって、入力部41を押圧する付勢部材80は、図5中実線で示すように、最も安定した状態、つまり、付勢部80sに蓄積された付勢力の最も小さい状態において、中立入力部41nに当接する。付勢部材80に中立入力部41nが当接した状態のフィン部材4の位置を中立位置と称する。
【0056】
フィン部材4は軸部40を中心として回動する。フィン部材4が回動すると、付勢部材80に当接する入力部41の位置が変化する。入力部41のうち中立入力部41n以外の部分が付勢部材80に当接すると、付勢部80sがより圧縮して、付勢部材80に蓄積される付勢力が増大する。
付勢部材80は当該付勢力によって入力部41を押圧するため、フィン部材4は中立入力部41nが付勢部材80に当接する位置、つまり中立位置にまで回動しようとする。このため、付勢部材80は、フィン部材4を中立位置に向けて付勢するといえる。
【0057】
実施例の収容装置1では、中立位置にあるフィン部材4のリッド部材3に対する角度θは約85°である。当該角度θは、より詳しくは、リッド部材3の表面3fsとフィン部材4の背面4bsとのなす角(劣角)である。
【0058】
ここでいうリッド部材3の表面3fsとは、リッド部材3のうち、後述する閉位置においては上方を向き、半開位置から開位置においてはカバー部材5側を向く面を意味する。なお、リッド部材3の先端面3tsは、表面3fsに該当しないものとし、リッド部材3の表面3fsが湾曲している場合には、先端面3tsに隣接する表面3fsに接する平面をリッド部材3の表面3fsとみなす。
【0059】
また、ここでいうフィン部材4の背面4bsとは、フィン部材4の凸状歯部46のうち、中立位置においてリッド部材3に背向する面を意味する。なお、凸状歯部46の先端面4tsは背面4bsに該当しないものとし、フィン部材4の背面4bsが湾曲している場合には、先端面4tsに隣接する背面4bsに接する平面をフィン部材4の背面4bsとみなす。
【0060】
本明細書においては、当該リッド部材3の表面3fsとフィン部材4の背面4bsとのなす角θをリッド部材3に対するフィン部材4の角度と称する。
【0061】
図3に示すように、実施例の収容装置1は、更に、閉駆動アーム70、閉付勢部材71及びダンパ72で構成される閉駆動要素を有する。
【0062】
閉駆動アーム70はインナーケース21に枢支されるアーム軸部73を有し、当該アーム軸部73を中心として回動可能である。閉付勢部材71は、ねじりバネ状をなし、アーム軸部73に外装されている。閉付勢部材71の一端はインナーケース21に取り付けられ、他端は閉駆動アーム70に取り付けられている。閉駆動アーム70は、アーム軸部73と同軸的に設けられたギア部74を有する。ダンパ72は、インナーケース21に取り付けられ、当該ギア部74と噛合う。
閉駆動アーム70におけるアーム軸部73とは逆側の端部を駆動端部75という。駆動端部75は、後側ガイドレール部65よりも更に上側及び/又は後側に位置する。したがって駆動端部75は、後側ガイドレール部65の一部にオーバーラップする。閉付勢部材71は、閉駆動アーム70を図3中反時計回り方向に付勢する。
【0063】
以下、実施例の収容装置1の動作を説明する。
【0064】
リッド部材3は、図3図6及び図7に示すように、閉位置(図3に示す)と開位置(図7に示す)と半開位置(図6に示す)との間で、前後方向及び上下方向に状態変化する。
【0065】
具体的には、図3に示す閉位置において、リッド部材3は、第1端部31を先側つまり前側に向け、第2端部32を後側に向けつつ、物品収容部22の開口22oを閉じる。また、図7に示す開位置においては、リッド部材3は、第1端部31を上側に向け第2端部32を下側に向ける。このときリッド部材3は物品収容部22よりも後側、つまりインナーケース21とカバー部材5との間において、ケース部材2に設けられたリッド収容部23に収容される。
【0066】
図3に示すようにリッド部材3が閉位置にあるときには、前側ピン33は前側ガイドレール部60の前端部分に位置し、第1ロック孔60fに入り込んでいる。第1ロック孔60f、第2ロック孔60s及び第3ロック孔60tにおいて、前側ガイドレール部60の溝深さは他の部分よりも深くなっている。また、前側ピン33は図略のピン付勢部材によって突出する方向に付勢されている。このため、前側ピン33は第1ロック孔60fに係合し、リッド部材3は閉位置にロックされる。
【0067】
このとき後側ピン34は後側ガイドレール部65の前端部分、より具体的には、後側スライドガイド部66における導入部66iの前端部分に位置する。リッド部材3はリヤカバー81の前側に位置し、リッド部材3とリヤカバー81とは略面一に配置されている。
【0068】
リッド部材3を閉位置から状態変化させ、物品収容部22の開口22oを開くためには、先ず操作ノブ83を操作し、前側ピン33をリッド部材3に向けて引っ込ませる。そうすると、前側ピン33は、第1ロック孔60fから抜けて、前側ガイドレール部60内を移動可能となる。つまりこのときリッド部材3がロック解除される。
【0069】
この状態でリッド部材3を後方向に押すと、後側ピン34が後側スライドガイド部66の導入部66iを後側かつ下側に向けて進み、リッド部材3の第2端部32がリヤカバー81の下側に入り込む。そのままリッド部材3を更に後方に押すと、前側ピン33が前側ガイドレール部60の前側スライドガイド部61内を後方に向けて移動し、後側ピン34が後側ガイドレール部65の後側スライドガイド部66を後方に向けて移動する。したがって、リッド部材3は後方にスライドし、図6に示す半開位置に配置される。
このとき、フィン部材4の凸状歯部46は、カバー部材5の凹溝部55に入り込む。凸状歯部46は、付勢部材80の付勢力によって、当該凹溝部55に押圧される。
【0070】
リッド部材3が図6に示す半開位置に到達すると、前側ピン33が第2ロック孔60sに入り込む。したがってリッド部材3は半開位置にロックされる。半開位置にロックされたリッド部材3のロック解除は、上記した閉位置にロックされたリッド部材3のロック解除と同様に行うことができる。
【0071】
図6に示す半開位置から図7に示す開位置に向けて、リッド部材3は、前側ピン33と後側ピン34とを中心として二軸的に回動することで、前後方向及び上下方向に状態変化する。したがって半開位置と開位置との間を状態変化するリッド部材3の軌跡は、図8に示すように、コンパクトである。
【0072】
図3に示すように、閉駆動要素の駆動端部75は後側ガイドレール部65の一部にオーバーラップする。後側ガイドレール部65内には後側ピン34が入っており、当該後側ピン34は、常に駆動端部75よりも上方及び/又は前方に位置する。
このため、リッド部材3が半開位置から開位置に向けて状態変化すると、後側ピン34が駆動端部75を下方かつ後方に押圧し、閉駆動アーム70は図3中時計回りに回動し、閉付勢部材71には付勢力が蓄積される。
【0073】
リッド部材3が開位置に到達すると、前側ピン33が第3ロック孔60tに入り込む。したがってリッド部材3は開位置にロックされる。リッド部材3が開位置にロックされることで、リッド部材3に設けられている後側ピン34は駆動端部75を押圧した状態を維持し、閉駆動要素の閉付勢部材71もまた付勢力を蓄積した状態を維持する。
【0074】
開位置にロックされたリッド部材3のロック解除は、上記した閉位置にロックされたリッド部材3のロック解除と同様に行うことができる。リッド部材3をロック解除すると、リッド部材3が状態変化可能となり、閉駆動要素の閉付勢部材71が付勢力を開放する。このため、閉駆動アーム70が図3中反時計回りに回動し、閉駆動アーム70の駆動端部75が後側ピン34を上方かつ前方に押圧し、後側ピン34が上方かつ前方に位置変化する。この後側ピン34の位置変化に伴って、リッド部材3が開位置から半開位置に状態変化する。
つまり、実施例の収容装置1におけるリッド部材3は、閉駆動要素によって、開位置から半開位置にまで自動的に閉動作する。なお、リッド部材3の閉動作、すなわち、閉駆動アーム70の回動は、ダンパ72によって減速される。
【0075】
さて、リッド部材3のロックを解除し、リッド部材3を半開位置と開位置との間で状態変化させる際には、図7に示すように、リッド部材3とリヤカバー81との間に隙間が生じる。当該隙間を通じて、リッド部材3とカバー部材5との隙間が外部に露出する。したがって、場合によっては、このときリッド部材3とカバー部材5との隙間に小物品が入り込む可能性がある。
【0076】
実施例の収容装置1においては、リッド部材3とカバー部材5との間にフィン部材4が介在し、かつ、半開位置から開位置にかけては図4に示すようにフィン部材4の凸状歯部46がカバー部材5の凹溝部55に入り込む。このため、このときリッド部材3とカバー部材5との隙間は、左右方向において分断される。したがって、当該隙間に入り込むことのできる小物品は幅の狭いものに限られる。
【0077】
また、凸状歯部46は凹溝部55に押圧されるため、リッド部材3を半開位置と開位置との間で状態変化させると凸状歯部46は凹溝部55に摺接する。したがって、リッド部材3とカバー部材5との隙間は、前後方向において非常に狭くなるため、当該隙間への小物品の侵入は更に困難になる。
【0078】
つまり、実施例の収容装置1及び本発明の収容装置によると、リッド部材3とカバー部材5との隙間への小物品の侵入を抑制できる。
【0079】
また、例えばリッド部材3が半開位置から開位置へ状態変化するときに、仮にリッド部材3とカバー部材5との隙間に小物品が入り込んだとしても、図6及び図7に示すようにフィン部材4の凸状歯部46が凹溝部55に摺接するため、当該隙間における下側の領域は凸状歯部46によって遮断され、小物品は凸状歯部46よりも下側には入り込み難い。
そして、当該隙間に入り込んだ小物品は、リッド部材3を開位置から半開位置に向けて状態変化させる際に、凸状歯部46によって上方に掻き出される。このため、実施例の収容装置1及び本発明の収容装置によると、リッド部材3とカバー部材5との隙間に入り込んだ小物品を回収することもできる。
【0080】
ところで、上記したように、リッド部材3とカバー部材5との隙間への小物品の侵入を抑制するため、及び、当該隙間に入り込んだ小物品をフィン部材4の凸状歯部46によって掻き出すためには、リッド部材3が半開位置と開位置との間を状態変化する際に、フィン部材4の凸状歯部46がカバー部材5の凹溝部55に摺接すれば良い。
但し、上記の隙間に入り込んだ小物品を効率良く又は信頼性高く掻き出すためには、フィン部材4をカバー部材5に強く摺接させる必要があると考えられる。
【0081】
フィン部材4はリッド部材3とともに状態変化する部材であるため、フィン部材4をカバー部材5に強く摺接させるためには、リッド部材3に対するフィン部材4の角度θが適正な角度となるように、付勢部材80によってフィン部材4を付勢することが肝要である。
具体的には、当該角度θは、リッド部材3に対してフィン部材4が平行となる角度すなわち180°以下であり、より好ましくは110°以下であり、更に好ましくは90°以下である。既述したように、実施例の収容装置1においては、フィン部材4は当該角度θが85°となる中立位置に付勢される。
【0082】
リッド部材3に対するフィン部材4の角度θを上記の範囲とすることで、リッド部材3とカバー部材5との隙間への小物品の侵入を効果的に抑制でき、かつ、当該隙間に入り込んだ小物品をフィン部材4の凸状歯部46によって効率良く又は信頼性高く掻き出すことが可能である。なお、角度θの好ましい下限は特にないが、例えば、10°以上とするのが実用的である。
【0083】
実施例の収容装置1におけるリッド部材3は、二軸的に回動したが、本発明の収容装置1におけるリッド部材3の動作はこれに限定されず、一軸的に回動しても良いし、スライドしても良い。何れの場合にも、リッド部材3は、開位置と閉位置との間で先後方向及び上下方向に状態変化すれば良い。
【0084】
フィン部材4を中立位置に付勢する付勢機構として、実施例の収容装置1ではフィン部材4に設けた異径の入力部41と、当該入力部41を押圧する付勢部材80と、を用いたが、付勢機構はこれに限定されず、種々の態様をとり得る。例えば、付勢部材80をターンオーバースプリングで構成し、リッド部材3に対する前記フィン部材4の角度θが所定角度となる中立位置に向けて、当該付勢部材80によってフィン部材4を付勢しても良い。
【0085】
本発明は、上記し且つ図面に示した実施形態にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。また、実施形態を含む本明細書に示した各構成要素は、それぞれ任意に抽出し組み合わせて用い得る。
【0086】
本発明の収容装置1は以下のように表現できる。
〔1〕
上方に開口する物品収容部22を有するケース部材2と、
第1端部31を先側に向け第2端部32を前記先側に対向する後側に向けつつ前記物品収容部22の開口22oを閉じる閉位置と、前記第1端部31を上側に向け前記第2端部32を下側に向けつつ前記物品収容部22よりも前記後側に配置される開位置と、前記開位置と前記閉位置との間の半開位置と、の間で先後方向及び上下方向に状態変化するリッド部材3と、
前記先後方向及び前記上下方向に交差する幅方向に沿って複数の凸状歯部46が間隔をおいて配列する櫛歯部45を有し、前記リッド部材3の前記第2端部32に枢支されるフィン部材4と、
前記ケース部材2に対して位置固定され、前記凸状歯部46と噛合う複数の凹溝部55を有し、前記リッド部材3よりも前記後側に配置されるカバー部材5と、
前記リッド部材3に設けられ、前記フィン部材4を付勢する付勢部材80と、を有し、
前記リッド部材3が前記半開位置と前記開位置との間を状態変化する際に、前記フィン部材4の前記凸状歯部46は前記付勢部材80の付勢力によって前記カバー部材5の前記凹溝部55に摺接する、収容装置1。
〔2〕
前記付勢部材80は、前記リッド部材3に対する前記フィン部材4の角度θが110°以下の所定角度となる中立位置に向けて前記フィン部材4を付勢する、〔1〕に記載の収容装置1。
【符号の説明】
【0087】
1:収容装置 2:ケース部材
22:物品収容部 22o:開口
3:リッド部材 31:第1端部
32:第2端部 4:フィン部材
45:櫛歯部 46:凸状歯部
5:カバー部材 55:凹溝部
80:付勢部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8