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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】回路遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 73/26 20060101AFI20220405BHJP
   H01H 73/02 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
H01H73/26 A
H01H73/02 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018144250
(22)【出願日】2018-07-31
(65)【公開番号】P2020021613
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】廣▲瀬▼ 高峰
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-212233(JP,A)
【文献】特開2012-074336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 73/26
H01H 73/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内部に、固定接触子と、前記固定接触子の固定接点に可動接点が接触可能に回動する可動接触子と、前記可動接触子に連結されたリンク機構と、前記リンク機構を操作する開閉機構部と、が組み込まれており、前記開閉機構部は、ハンドルと、前記ハンドルの操作で前記リンク機構に投入力を作用する開閉機構ばねと、を備えている回路遮断器において、
前記筐体に形成した筐体側係合部と、前記開閉機構部に形成した機構部側係合部とが互いに当接することで、
前記ハンドルを操作するときに発生する操作反力と、前記操作反力に対して直交する方向に発生する前記開閉機構ばねの投入力とに対する固定力が働き、前記開閉機構部が前記筐体に固定されることを特徴とする回路遮断器。
【請求項2】
前記開閉機構部は、前記ハンドルを回動自在に支持する金属板からなる開閉機構枠体を備え、
前記開閉機構枠体の一部に、前記機構部側係合部として係合片が形成され、前記係合片を変形させることで前記筐体側係合部に当接して前記開閉機構部を前記筐体に固定することで、前記投入力に対する固定力が働くようにしたことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線用遮断器や漏電遮断器などの回路遮断器に係り、開閉機構部を筐体に固定する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
回路遮断器は、筐体内部に、主回路の各相に対応する固定接触子、固定接触子の固定接点に可動接点が接触可能に回動する可動接触子、可動接触子に連結されたリンク機構、リンク機構を操作する開閉機構部などが組み込まれている。
【0003】
開閉機構部は、開閉機構部筐体に回動自在に支持されているハンドルと、ハンドル操作によりリンク機構に投入力を作用する開閉機構ばねと、を備えている。
【0004】
筐体内部の固定位置に固定された開閉機構部には、ハンドルが可動接触子の開閉操作を行うときの操作力の反力(以下、操作反力と称する)と、この操作反力に対して直交する方向に作用する開閉機構ばねの投入力が作用する。このため、開閉機構部は、操作反力、投入力が作用しても筐体内部の固定位置から移動しないように、筐体内部に確実に固定しなければならない。
【0005】
例えば特許文献1の回路遮断器は、開閉機構部をねじ止めで筐体内部の固定位置に固定する構造としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-31983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の回路遮断器のように、ねじ止めで開閉機構部を筐体内部に固定する構造は、筐体内部にねじを回転させるためのスペースを設けなければならず、小型の回路遮断器では構造上の制約を受ける。
【0008】
そこで、開閉機構部の一部に形成した開閉機構側圧入部を、筐体の一部に形成した筐体側圧入部に圧入する構造も考えられる。しかし、この構造は筐体内部にスペースを設ける必要はないが、開閉機構側圧入部及び筐体側圧入部の部品寸法を厳密に管理する必要がある。
【0009】
本発明は、開閉機構部を筐体内部に固定するためのスペースを確保する必要がなく小型の回路遮断器であっても構造上の制約を受けることがないとともに、開閉機構部を筐体内部に固定するための厳密な部品寸法管理を不要とする回路遮断器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る回路遮断器は、筐体内部に、固定接触子と、固定接触子の固定接点に可動接点が接触可能に回動する可動接触子と、可動接触子に連結されたリンク機構と、リンク機構を操作する開閉機構部と、が組み込まれている。そして、開閉機構部は、ハンドルと、ハンドルの操作でリンク機構に投入力を作用する開閉機構ばねと、を備えている。そして、筐体に形成した筐体側係合部と、開閉機構部に形成した機構部側係合部とが互いに当接することで、ハンドルを操作するときに発生する操作反力と、操作反力に対して直交する方向に発生する開閉機構ばねの投入力とに対する固定力が働き、開閉機構部が筐体に固定される。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る回路遮断器によれば、開閉機構部を筐体内部に固定するためのスペースを確保する必要がなく小型の回路遮断器であっても構造上の制約を受けることがない。また、本発明に係る回路遮断器によると、開閉機構部を筐体内部に固定するための厳密な部品寸法管理を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る回路遮断器の断面図である。
図2】本発明に係る回路遮断器の筐体と、筐体の内部に固定される開閉機構部の構造を示す斜視図である。
図3】開閉機構部の内部を示す図である。
図4図2に対して短尺方向の逆側から筐体の内部を示した図である。
図5】筐体の内部に開閉機構部を位置決めした状態を示す斜視図である。
図6】筐体の内部に開閉機構部を位置決めした状態を示す図である。
図7】筐体の内部に開閉機構部を固定した状態を示す図である。
図8】筐体の内部に開閉機構部を固定する変形例の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0014】
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0015】
なお、以下の説明で記載されている「上」、「下」、「底」、「前」、「後」、「長尺方向」、「短尺方向」等の方向を示す用語は、添付図面の方向を参照して用いられている。
[実施形態]
【0016】
図1に示す実施形態の回路遮断器1は、3相の外部電源に接続する装置であり、樹脂モールドで形成したケース2内に、先端に可動接点3aを設けた可動接触子3と、可動接触子3を回動可能に支持する可動接触子支持部4と、が収納されている。また、ケース2内には、可動接点3aに接触する固定接点5aを有し、電源側端子6に接続されている固定接触子5と、可動接触子3を開閉駆動する開閉機構部7と、可動接触子3に接続されている負荷側端子板8と、が収納されている。さらに、ケース内には、電源側端子6側に接続されている過電流引外し装置9と、可動接点3a及び固定接点5aの間で発生したアークを消弧する消弧室10、も収納されている。
【0017】
ケース2は、ケース本体11と、このケース本体11の上部に装着されるカバー12とで構成されている。
【0018】
ケース本体11は、回路遮断器1の底部を形成する下部ケース13と、下部ケース13の上部に装着される中間ケース14とで構成されている。
【0019】
開閉機構部7は、後述する開閉機構枠体15に回動自在に支持されたハンドル16と、可動接触子支持部4にトグルリンク17を介して連結するリンク機構18と、開閉機構ばね19を備えている。なお、符号23は、過電流引外し装置9により作動するトリップバーである。
【0020】
上記実施形態の回路遮断器1は、開閉機構部7のリンク機構18をハンドル16で操作すると、開閉機構ばね19の投入力によりトグルリンク17を介してリンク機構18が所定の動作を行い、可動接触子3の可動接点3aが固定接触子5の固定接点5aに接離する。
【0021】
また、電路(図示しない)に接続される電源側端子6及び負荷側端子板8を介して過電流が流れると、過電流引外し装置9が動作し、トリップバー23が動作して、開閉機構ばね19の投入力に基づいてリンク機構18が所定の動作を行い、可動接触子3が固定接触子5から開離する。
【0022】
次に、開閉機構部7と、開閉機構部7を中間ケース14に固定する構造について説明する。
【0023】
先ず、開閉機構部7の構造について説明する。
開閉機構部7は、図1及び図2に示すように、互いに平行に対向する一対のサイドプレート15a,15bを有する金属板を折曲して形成した開閉機構枠体15と、サイドプレート15a,15bの間に連結しているハンドル軸(不図示)に回動自在に支持されたハンドル16と、リンク機構18と、開閉機構ばね19を備えている。なお、図2の符号22は、OFF,ONの銘板22a、22bを付けて開口部からハンドル16が突出するように開閉機構枠体15に取り付けたハンドルシャッターである。
【0024】
開閉機構ばね19は、図3に示すように、一端がハンドル16に設けたハンドル側ピン20に係合し、他端がリンク機構18に設けたリンク側ピン21に係合しており、可動接触子支持部4の開閉作動の際に伸縮することで、ハンドル16に対して移動作用方向を反転させるようにしている。
【0025】
ここで、図3に示すように、一方のサイドプレート15aの下端縁15a1近くには、他方のサイドプレート15bに向けて突出する円筒形状の突起部24が形成されている。
【0026】
また、一方のサイドプレート15aの側縁15a2に、プレート側係合部25が形成されている。このプレート側係合部25は、サイドプレート15bに傾斜スリット25aを設けることで、側縁15a2側の外側に変形可能な係合片25bが形成されている。
【0027】
係合片25bは、図3の破線で示すように、開閉機構ばね19の軸線Pに略沿う方向まで変形可能な部位であり、変形したときには、その先端部25b1は、変形前より上方に位置する。
【0028】
また、他方のサイドプレート15bの下端縁15b1近くにも、図示しないが、他方のサイドプレート15bに向けて突出する円筒形状の突起部24が形成されている。
【0029】
また、図2に示すように、他方のサイドプレート15bの側縁15b2にも、プレート側係合部25の係合片25bが形成されている。
【0030】
次に、中間ケース14の構造について、図2及び図4を参照して説明する。
【0031】
下部ケース13の上部に装着される中間ケース14は、外観直方体形状の部材であり、下部ケース13内部に組み込んだ消弧室10、可動接触子3、可動接触子支持部4及び固定接触子5を閉塞する底部30が形成されており、底部30の長尺方向の一端には3相の過電流引外し装置9が装着されているとともに、底部30の中央部に開閉機構部7が固定される。
【0032】
中間ケース14の底部30の中央部には、相間を仕切る一対の隔壁部31、32が短尺方向に並んで形成されている。また、一対の隔壁部31,32の近くの底部30には、長尺方向に直線状に延在する2本のサイドプレート挿入スリット33,34が互いに平行に形成されている。
【0033】
図4に示すように、一方の隔壁部31の開閉機構部7を固定する側には、短尺方向に平面が延在している第1係合面31aと、この第1係合面31aに直交して長尺方向に平面が延在する第2係合面31bと、第2係合面31bの上部から突出している隔壁側係合部31cと、が形成されている。
【0034】
図2に示すように、他方の隔壁部32の開閉機構部7を固定する側にも、短尺方向に平面が延在している第1係合面32aと、この第1係合面32aに直交して長尺方向に平面が延在する第2係合面32bと、第2係合面26の上部から突出している隔壁側係合部32cと、が形成されている。
【0035】
図4に示すように、底部30に形成した一方のサイドプレート挿入スリット33の内壁の一部に、前述した一方のサイドプレート15aの下端縁15a1に形成した突起部24が入り込むことが可能な係合溝33aが形成されている。
【0036】
また、図2に示すように、底部30に形成した他方のサイドプレート挿入スリット34の内壁の一部に、他方のサイドプレート15bの下端縁15b1に形成した突起部24が入り込む係合溝34aが形成されている。
【0037】
次に、開閉機構部7を中間ケース14の底部30に固定する構造について、図5図7を参照して説明する。
【0038】
先ず、図5に示すように、開閉機構部7を中間ケース14の底部30の中央に位置を決めて配置する。
【0039】
この際には、開閉機構枠体15を構成する一対のサイドプレート15a,15bの下端縁を、中間ケース14の底部30に形成した2本のサイドプレート挿入スリット33,34に挿入する。
【0040】
このとき、一方のサイドプレート挿入スリット33の内壁の一部に形成した係合溝33aに、一方のサイドプレート15aの下端縁15a1に形成した突起部24が入り込み、他方のサイドプレート挿入スリット34の内壁の一部に形成した係合溝34aに、他方のサイドプレート15bの下端縁15b1に形成した突起部24が入り込むことで、開閉機構部7の底部30に対する位置決めが行われる(図6参照)。
【0041】
ここで、開閉機構部7の一方のサイドプレート15aは、側端面が隔壁部31の第1係合面31aに当接し、側端面側の面が隔壁部31の第2係合面31bに面接触状態となる。また、一方のサイドプレート15aに形成したプレート側係合部25の係合片25bが、第2係合面31bから突出している隔壁側係合部32cの下部に位置する。
【0042】
また、図5及び図6に示すように、開閉機構部7の他方のサイドプレート15bは、側端面が隔壁部32の第1係合面32aに当接し、側端面側の面が隔壁部32の第2係合面32bに面接触状態となる。また、他方のサイドプレート15bに形成したプレート側係合部25の係合片25bが、第2係合面32bから突出している隔壁側係合部32cの下部に位置する。
【0043】
次に、図7に示すように、一対のサイドプレート15a,15bのプレート側係合部25の係合片25bに対して、ドライバーなどの工具を使用して矢印G方向の外力を加えることで、開閉機構ばね19の軸線Pに略沿う方向に変形させる。
【0044】
これにより、一方のサイドプレート15aの係合片25bの先端部25b1が、隔壁側係合部31cの中間ケース14の底部30を向いている下面に当接し、図7に示すように、他方のサイドプレート15bの係合片25bの先端部25b1が、隔壁側係合部32cの中間ケース14の底部30を向いている下面に当接することで、開閉機構部7が中間ケース14の底部30に固定される。
【0045】
ここで、開閉機構部7には、ハンドル16が操作する際には、図7の左右方向に操作反力が作用する。
【0046】
ハンドル16の操作反力に対する固定力として、一対のサイドプレート15a,15bの係合片25bの側面が隔壁部31の第1係合面31a及び隔壁部32の第1係合面32aに当接し、一対のサイドプレート挿入スリット33,34の係合溝33a,34aに、一対のサイドプレート15a,15bの突起部24が入り込んでいることから、図7に示す互いに逆方向の矢印FH1、FH2の固定力が働く。
【0047】
また、可動接触子支持部4の開閉作動の際に伸縮する開閉機構ばね19は、ハンドル16の操作反力に直交する方向に投入力が作用する。
【0048】
この開閉機構ばね19の投入力に対する固定力として、一方のサイドプレート15aの係合片25bの先端部25b1が隔壁側係合部31cの下面に当接し、他方のサイドプレート15bの係合片25bの先端部25b1が隔壁側係合部32cの下面に当接することで、図7に示す互いに逆方向の矢印FV1,FV2の固定力が働く。
【0049】
ここで、本発明に記載されている筐体が、中間ケース14に対応している。また、本発明に記載されている操作反力に対して固定力が働く筐体に形成した筐体側係合部が、一対のサイドプレート挿入スリット33、34に形成した係合溝33a、34aと、隔壁部31,32の第1係合面31a,32aに対応している。また、本発明に記載されている操作反力に対して固定力が働く開閉機構部に形成した機構部側係合部が、一対のサイドプレート15a,15bに形成した突起部24と、一対のサイドプレート15a,15bに形成されている変形した係合片25bに対応している。また、本発明に記載されている投入力に対して固定力が働く筐体に形成した筐体側係合部が、隔壁部31,32の隔壁側係合部31c,32cと、一対のサイドプレート挿入スリット33、34に対応している。そして、本発明に記載されている投入力に対して固定力が働く開閉機構部に形成した機構側係合部が、一対のサイドプレート15a,15bに形成されている変形した係合片25bと、一対のサイドプレート15a,15bの下端縁15a1,15b1に対応している。
【0050】
次に、上記実施形態の回路遮断器1の効果について説明する。
上記実施形態の回路遮断器1によると、一対のサイドプレート15a,15bの係合片25bの側面が隔壁部31の第1係合面31a及び隔壁部32の第1係合面32aに当接し、一対のサイドプレート挿入スリット33,34の係合溝33a,34aに、一対のサイドプレート15a,15bの突起部24が入り込んだ構造とすることで、ハンドル16の操作反力に対して確実に固定力を発揮することができる。
【0051】
また、一方のサイドプレート15aの係合片25bの先端部25b1が隔壁側係合部31cの下面に当接し、他方のサイドプレート15bの係合片25bの先端部25b1が隔壁側係合部32cの下面に当接した状態で、一対のサイドプレート15a,15bの下端縁が底部30のサイドプレート挿入スリット33,34に挿入されている構造とすることで、開閉機構ばね19の投入力に対して確実に固定力を発揮することができる。
【0052】
また、従来装置のようなねじ止めで開閉機構部7を中間ケース14に固定する構造ではないので、ケース2の内部にねじを回転させるためのスペースなどを設ける必要がなく、小型の回路遮断器1であっても構造上の制約を受けることがない。
【0053】
しかも、本実施形態の回路遮断器1は、一対のサイドプレート挿入スリット33,34の係合溝33a,34aに一対のサイドプレート15a,15bの突起部24が入り込み、一方のサイドプレート15aの係合片25bを、先端部25b1が隔壁側係合部31cの下面に当接するように変形させ、他方のサイドプレート15bの係合片25bを、先端部25b1が隔壁側係合部32cの下面に当接するように変形させているだけの構造なので、従来装置のような圧入により開閉機構部7を中間ケース14に固定する構造と比較して、厳密な部品寸法管理を不要とすることができる。
【0054】
さらにまた、一対のサイドプレート15a,15bの係合片25を変形させるだけで開閉機構部7を中間ケース14の底部30に簡単に固定することができるので、回路遮断器1の製造コストの低減化も図ることができる。
【0055】
[変形例]
ここで、一対のサイドプレート15a,15bに形成するプレート側係合部の形状は、上述した先端部25b1が隔壁側係合部32cの下面に当接する係合片25bに限るものではなく、例えば図8に示す構造であってもよい。
【0056】
図8に示す構造は、サイドプレート15b(サイドプレート15aも同様の構造)の側縁に、第1係合面32aに直交する方向のスリット35を形成することで、先端部36aが第1係合面32aに対向する係合片36が形成されている。
【0057】
そして、ドライバーなどの工具を使用して係合片36に矢印G1方向の外力を加えて変形することで、隔壁側係合部32cの中間ケース14の底部30を向いている下面に当接させる。
【0058】
このような係合片36を一対のサイドプレート15a,15bに形成することで、上記実施形態と同様に、開閉機構ばね19の投入力に対して確実に固定力を発揮することができるとともに、係合片36を変形させるだけで開閉機構部7を中間ケース14の底部30に簡単に固定することができるので、回路遮断器1の製造コストの低減化も図ることができる。
【符号の説明】
【0059】
1 回路遮断器
2 ケース
3 可動接触子
3a 可動接点
4 可動接触子支持部
5 固定接触子
5a 固定接点
6 電源側端子
7 開閉機構部
8 負荷側端子板
9 過電流引外し装置
10 消弧室
11 ケース本体
12 カバー
13 下部ケース
14 中間ケース
15 開閉機構枠体
15a,15b サイドプレート
15a1,15b1 下端縁
15a2,15b2 側縁
16 ハンドル
17 トグルリンク
18 リンク機構
19 開閉機構ばね
20 ハンドル側ピン
21 リンク側ピン
22 ハンドルシャッター
22a、22b 銘板
23 トリップバー
24 突起部
25 プレート側係合部
25a 傾斜スリット
25b 係合片
25b1 係合片の先端部
30 中間ケースの底部
31,32 隔壁部
31a,32a 第1係合面
31b、32b 第2係合面
31c,32c 隔壁側係合部
33,34 サイドプレート挿入スリット
33a,34a 係合溝
35 スリット
36 係合片
36a 係合片の先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8