(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】回路構成体
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20220405BHJP
H01L 23/34 20060101ALI20220405BHJP
H05K 7/06 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
H05K7/20 C
H01L23/34 A
H05K7/06 C
(21)【出願番号】P 2018218130
(22)【出願日】2018-11-21
【審査請求日】2021-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤村 勇貴
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-174042(JP,A)
【文献】特開2006-100553(JP,A)
【文献】特開2019-169602(JP,A)
【文献】特開2020-88086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H01L 23/34
H05K 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通電により発熱する発熱部品と、
前記発熱部品に電気的に接続される電気的接続部と、前記電気的接続部と異なる位置に設けられる伝熱的接続部と、前記電気的接続部と前記伝熱的接続部とを連結する迂回部と、を有するバスバーと、
上面及び下面を有して前記上面に前記発熱部品が配設され、且つ、前記上面と前記下面とを貫通すると共に前記伝熱的接続部が収容される貫通孔を有するベース部材と、
前記伝熱的接続部の下側に重ねられる、絶縁性の材料からなる絶縁板と、
前記絶縁板の下側に重ねられる、金属製の放熱部材と、
を備えた回路構成体。
【請求項2】
前記発熱部品はリレーであり、前記リレーは電力が通電される電力端子を有し、前記電力端子に前記バスバーの前記電気的接続部が接続される、請求項1に記載の回路構成体。
【請求項3】
前記絶縁板には、前記発熱部品と対応する位置に、前記バスバーとは異なるサブバスバーが配されている、請求項2に記載の回路構成体。
【請求項4】
前記サブバスバーは、前記リレーに並列接続されるプリチャージ回路を構成するプリチャージバスバーを含む、請求項3に記載の回路構成体。
【請求項5】
前記伝熱的接続部と前記絶縁板との間、及び、前記絶縁板と前記放熱部材との間の少なくとも一方に介在される、絶縁性の伝熱シートと、を備えた請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の回路構成体。
【請求項6】
前記伝熱シートは、前記伝熱的接続部と前記絶縁板との間に介在される第1伝熱シートと、前記絶縁板と前記放熱部材との間に介在される第2伝熱シートと、を含む、請求項5に記載の回路構成体。
【請求項7】
前記伝熱シートは弾性変形可能な材料からなる請求項5または請求項6に記載の回路構成体。
【請求項8】
前記放熱部材は、前記絶縁板に対応する位置に、前記絶縁板に向かって突出する台座部を有する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の回路構成体。
【請求項9】
前記絶縁板は、絶縁性の合成樹脂材からなる請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の回路構成体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された技術は、発熱部品を有する回路構成体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特開2004-134140号公報に記載のリレーが知られている。リレーのケースの下面からは、複数のターミナルが下方に突出している。複数のターミナルは、それぞれ、バスバーに接続されている。通電時にリレーで発生した熱は、ターミナルからバスバーへと伝達されるようになっている。複数のターミナルは、リレーとバスバーとを電気的に接続するためのものと、通電時にリレーで発生した熱をバスバーへと伝達する放熱用のものとを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リレーの放熱性を向上させるためには、放熱用バスバーを大型化し、放熱用バスバーの配置スペースを大きくすることが考えられる。しかし、上記の構成によれば、リレーの直下の位置には、リレーと電気的に接続される回路が存在するため、放熱用バスバーを配置するスペースを十分に確保することができないという問題があった。
【0005】
本明細書に開示された技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、回路構成体の放熱性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示された技術は、回路構成体であって、通電により発熱する発熱部品と、発熱部品に電気的に接続される電気的接続部と、電気的接続部と異なる位置に設けられる伝熱的接続部と、電気的接続部と伝熱的接続部とを連結する迂回部と、を有するバスバーと、上面及び下面を有して上面に発熱部品が配設され、且つ、上面と下面とを貫通すると共に伝熱的接続部が収容される貫通孔を有するベース部材と、伝熱的接続部の下側に重ねられる、絶縁性の材料からなる絶縁板と、絶縁板の下側に重ねられる、金属製の放熱部材と、備える。
【0007】
上記の構成によれば、電気的接続部と伝熱的接続部とを連結する迂回部を任意の形状とすることにより、発熱部品から離間した位置に伝熱的接続部を設けることができる。これにより、発熱部品の近傍において、ベース部材に貫通孔を設けることができない場合でも、回路構成体の放熱性を向上させることができる。
【0008】
本明細書に開示された技術の実施態様としては以下の態様が好ましい。
【0009】
発熱部品はリレーであり、リレーは電力が通電される電力端子を有し、電力端子にバスバーの電気的接続部が接続される。
【0010】
リレーに通電された場合、電力が通電される電力端子からの発熱が比較的に大きい。このため、電力端子に接続されるバスバーに伝熱的接続部を設けることにより、リレーから効率よく熱を移動させることができるので、回路構成体の放熱性を向上させることができる。
【0011】
絶縁板には、発熱部品と対応する位置に、バスバーとは異なるサブバスバーが配されている。
【0012】
上記の構成によれば、絶縁板のうち、発熱部品に対応する位置に、バスバーと異なるサブバスバーを配することができるので、回路設計の自由度を向上させることができる。
【0013】
前記サブバスバーは、前記リレーに並列接続されるプリチャージ回路を構成するプリチャージバスバーを含む。
【0014】
上記の構成によれば、リレーのプリチャージ回路を、絶縁板のうちリレーに対応する位置に形成することができるので、回路構成体の配線密度を向上させることができる。
【0015】
伝熱的接続部と絶縁板との間、及び、絶縁板と放熱部材との間の少なくとも一方に介在される、絶縁性の伝熱シートと、を備える。
【0016】
上記の構成によれば、伝熱シートによって、発熱部品で発生した熱を、伝熱的接続部から放熱部材へと効率よく伝達することができる。
【0017】
伝熱シートは、伝熱的接続部と絶縁板との間に介在される第1伝熱シートと、絶縁板と放熱部材との間に介在される第2伝熱シートと、を含む。
【0018】
上記の構成によれば、バスバーと放熱部材との電気的な絶縁性を一層向上させることができる。
【0019】
伝熱シートは弾性変形可能な材料からなる。
【0020】
通電時には、発熱部品から発生した熱により、バスバーと、絶縁板と、放熱部材とが膨張する。金属の熱膨張率と、絶縁性の材料との熱膨張率が異なるので、バスバーと、絶縁板と、放熱部材との間に隙間が発生する虞がある。空気の熱伝導率は非常に低いので、隙間が発生すると回路構成体の放熱性が低下することが懸念される。上記の構成によれば、伝熱シートが弾性変形することにより、少なくとも伝熱シートが介在する部分において、バスバー、絶縁板、及び放熱部材の間に隙間が生じることを抑制することができる。これにより、回路構成体の放熱性を向上させることができる。
【0021】
放熱部材は、絶縁板に対応する位置に、絶縁板に向かって突出する台座部を有する。
【0022】
上記の構成によれば、台座部によって絶縁板を伝熱的接続部に向かって押圧することができるので、絶縁板と伝熱的接続部との間に隙間が形成されることを抑制することができる。これにより、回路構成体の放熱性を向上させることができる。
【0023】
絶縁板は、絶縁性の合成樹脂材からなる。
【0024】
上記の構成によれば、絶縁板の形状を、伝熱的接続部の形状に対応するように容易に形成することができる。これにより、伝熱的接続部から絶縁板へと効率よく熱伝達することができるので、回路構成体の放熱性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本明細書に開示された技術によれば、回路構成体の放熱性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施形態1に係る回路構成体を示す分解斜視図
【
図12】回路構成体の組み付け工程を示すものであって、ボルトをネジ孔に螺合する途中の状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0027】
<実施形態1>
本明細書に開示された技術を回路構成体10に適用した実施形態1について、
図1から
図12を参照しつつ説明する。回路構成体10は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載され、バッテリ等の電源(図示せず)からモータ等の負荷(図示せず)への電力の供給、制御を行う。回路構成体10は、任意の向きで配置することができるが、以下では、Z方向を上方、Y方向を前方、X方向を左方として説明する。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
【0028】
図1に示すように、回路構成体10は、ベース部材11と、ベース部材11に配設されたメインリレー12(発熱部品の一例)、ヒューズ13、プリチャージリレー60、プリチャージ抵抗61等の電子部品と、を備える。
【0029】
ベース部材11
ベース部材11は、絶縁性の合成樹脂を所定の形状に射出成型してなる。ベース部材11を構成する合成樹脂は、ガラスファイバー等のフィラーを含んでいてもよい。
図4に示すように、ベース部材11は、全体として上下方向に扁平な板状をなしており、上面11Aと、下面11Bとを有する。本実施形態においては、ベース部材11の外形状は、上方から見て、略長方形状をなしている。なお、ベース部材11の外形状は本実施形態の形状に限定されない。
【0030】
図2及び
図3に示すように、ベース部材11の右後隅部、左後隅部、左前隅部、及び、右前隅部からやや左方の位置には、円筒形状をなす金属製のカラー14が配設されている。カラー14は、インサート成形、圧入等の公知の手法によりベース部材11に配設される。カラー14の内部には、ボルト15が挿通されるようになっている。
【0031】
図5に示すように、ベース部材11の左右方向の中央付近であって、前後方向について前側の二分の一の領域には上方に突出する主端子台16が形成されている。主端子台16の上面には前端部寄りの位置にナット17が、インサート成形、圧入等の公知の手法により配設されている。
【0032】
図5に示すように、主端子台16の左右方向の両側面には、それぞれ、前後方向について間隔を空けて配された2つの副端子台18が、左右方向の外方に突出して形成されている。副端子台18の上下方向の高さ寸法は、主端子台16の上下方向の高さ寸法よりもやや小さく設定されている。副端子台18の、左右方向の側面には、ナット19が、インサート成形、圧入等の公知の手法により配設されている。
【0033】
ベース部材11のうち、左後端部寄りの位置には、ベース部材11を上下方向に貫通する第1貫通孔20(貫通孔の一例)が形成されている。更にベース部材11には、第1貫通孔20の前方に、ベース部材11を上下方向に貫通する第2貫通孔21(貫通孔の一例)が形成されている。
【0034】
図3に示すように、ベース部材11のうち、第1貫通孔20の右斜め前方の位置には、上方に開口する角筒状をなす第1コネクタ嵌合部62が設けられている。第1コネクタ嵌合部62の右方には、上方に開口する角筒状をなすプリチャージリレー装着部63が設けられている。
【0035】
ベース部材11のうち、第2貫通孔21の右斜め前方の位置には、上方に開口する2つのプリチャージ抵抗装着部64が、左右方向に並んで形成されている。2つのプリチャージ抵抗装着部64は同形同大に形成されている。
【0036】
ベース部材11のうち、左右方向の中央付近であって、後端部寄りの位置には、下方に陥没して形成されると共に、メインリレー12が装着されるメインリレー装着部23(装着部の一例)が形成されている。メインリレー装着部23は上方から見て長方形状をなしており、メインリレー12の外形状よりもやや大きく形成されている。メインリレー装着部23の左前隅と、右後隅は前後方向に陥没された凹部24とされている。凹部24内には、ナット25がインサート成形、圧入等の公知の手法により配設されている(
図1参照)。
【0037】
図5に示すように、ベース部材11の右後端部寄りの位置には、ナット65が、インサート成形、圧入等の公知の手法により配設されている。
【0038】
ベース部材11のうち、メインリレー装着部23及び主端子台16の右方には、上方に開口する角筒状をなす第2コネクタ嵌合部66が形成されている。
【0039】
ベース部材11には第2コネクタ嵌合部66の前方に、上下方向にベース部材11を上下方向に貫通する端子台挿通孔67が形成されている。端子台挿通孔67は、上方から見て長方形状をなしている。
【0040】
ベース部材11には、端子台挿通孔67の右方の位置に、前後方向に間隔を空けて、2つのナット68が、インサート成形、圧入等の公知の手法により配設されている。
【0041】
メインリレー12
メインリレー12は、その内部に図示しない接点部及びコイル部を有する、いわゆる機械式のものである。
図1及び
図3に示すように、メインリレー12の右側面には、後側に設けられた第1電力端子27と、前側に設けられた第2電力端子28とが前後方向に並んで設けられている。第1電力端子27と第2電力端子28に電流を流すことにより、接点部で熱が発生し、第1電力端子27及び第2電力端子28に熱伝導されるようになっている。第1電力端子27及び第2電力端子28には、それぞれ、左右方向に延びるネジ孔29が形成されている(
図1参照)。
【0042】
図3に示すように、メインリレー12の前側面の左端部と、メインリレー12の後側面の右端部には、上方から見て矩形状をなす固定凸部30が突出されている。固定凸部30には上下方向に挿通孔31が形成されている(
図1参照)。ベース部材11のメインリレー装着部23内にメインリレー12が収容された状態で、挿通孔31内にネジ32が挿通され、凹部24のナット25にネジ32が螺合されることにより、メインリレー12がベース部材11に固定されるようになっている。
【0043】
図3に示すように、第1電力端子27には第1バスバー33(バスバーの一例)が、ネジ41を第1電力端子27のネジ孔29に螺合することにより固定されている。また、第2電力端子28には、第2バスバー35(バスバーの一例)が、ネジ41を第2電力端子28のネジ孔29に螺合することにより固定されている。第1バスバー33、及び第2バスバー35は、金属板材を所定の形状にプレス加工してなる。第1バスバー33、及び第2バスバー35を構成する金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の熱伝導性が高く、電気抵抗の低い金属を適宜に選択することができる。
【0044】
プリチャージリレー60
図1から
図3に示すように、プリチャージリレー60は、メインリレー12よりも小さな直方体形状をなしており、内部に図示しない接点部及びコイル部を有する、いわゆる機械式のものである。プリチャージリレー60の下面からは、複数のリード端子(図示せず)が下方に突出している。
【0045】
プリチャージ抵抗61
図1から
図3に示すように、プリチャージ抵抗61は、前後方向に細長く延びた直方体形状をなしている。プリチャージ抵抗61の前端部及び後端部には、それぞれ、リード端子69が下方に突出している。
【0046】
ヒューズ13
図1から
図3に示すように、ヒューズ13は、直方体形状をなしている。ヒューズ13の前側面、及び後側面からは、それぞれ、リード端子36が、前後方向の外方に突出して形成されている。リード端子36は金属板材からなる。リード端子36には、左右方向に貫通する挿通孔37が形成されている。各リード端子36は、それぞれ、前後方向に並ぶ2つの副端子台18の、左右両側面に重なるようになっている。
【0047】
第1バスバー33
図7及び
図8に示すように、第1バスバー33は、左右方向に延びて形成されている。第1バスバー33は、ナットの上に重ねられる外部接続部38と、外部接続部38の左端部から上方に延びる第1電気的接続部39(電気的接続部の一例)と、第1電気的接続部39の後端部から左方に延びる第1迂回部70(迂回部の一例)と、第1迂回部70の下端部のうち左右方向について左端部から略二分の一の部分から前方に延びる第1伝熱的接続部40(伝熱的接続部の一例)と、を備える。
【0048】
外部接続部38は上方から見て長方形状をなしている。ナット65の上面に、外部接続部38と、図示しない外部回路端子とが重ねられた状態で、図示しないネジがナット65に螺合されることにより、外部接続部38と外部回路端子とが電気的に接続されるようになっている。
【0049】
第1電気的接続部39は左右方向から見て概ね長方形状をなしている。第1電気的接続部39は、第1電力端子27に右方から重ねられた状態で、ネジ41が第1電力端子27のネジ孔29に螺合されることにより、第1電力端子27に固定される。これにより第1電気的接続部39とメインリレー12とが電気的に接続される。
【0050】
第1迂回部70は、前後方向から見て、左右方向に延びる長方形状をなしている。
【0051】
第1伝熱的接続部40の外形状は、第1貫通孔20の内面より、やや小さく形成されている。これにより、第1伝熱的接続部40は、第1貫通孔20内に上方から収容可能になっている。
【0052】
第2バスバー35
図9及び
図10に示すように、第2電気的接続部43と、第2電気的接続部43の前端縁から左方に延びる側方迂回部71(迂回部の一例)と、側方迂回部71の上端縁から前方に延びると共に下方に開口する門形状をなすヒューズ接続部72と、側方迂回部71の下端縁から後方に屈曲すると共に左方に延びる下方迂回部73(迂回部の一例)と、下方迂回部73の後方に連なる第2伝熱的接続部44(伝熱的接続部の一例)と、を備える。
【0053】
第2バスバー35の第2電気的接続部43は、左右方向から見て上下に細長い長方形状をなしている。第2電気的接続部43は、第2電力端子28に右方から重ねられた状態で、ネジ41が第2電力端子28のネジ孔29に螺合されることにより、第2電力端子28に固定される。これにより第2電気的接続部43とメインリレー12とが電気的に接続される。
【0054】
図2及び
図3に示すように、側方迂回部71は、メインリレー12の前側面に沿うように配される。側方迂回部71は、前後方向から見て長方形状をなしている。側方迂回部71の左右方向の長さ寸法は、メインリレー12の左右方向の長さ寸法よりもやや短く形成されている。
【0055】
ヒューズ接続部72のうち、下方に延びる部分は、主端子台16の後端部寄りに設けられた副端子台18の左右両側面に、ヒューズ13から後方に突出したリード端子36と重ねられた状態で、ネジ74により固定されるようになっている。これにより、第2バスバー35とヒューズ13とが電気的に接続されるようになっている。
【0056】
下方迂回部73は、メインリレー12の下面に沿って配されている。下方迂回部73は、上方から見て左右方向に延びる長方形状をなしている。
【0057】
第2伝熱的接続部44は、上方から見て、下方迂回部73の左端縁から左方に連なって形成されている。
図3に示すように、下方迂回部73と、第2伝熱的接続部44とは、ベース部材11のうち第2貫通孔21の内部に位置する部分が第2伝熱的接続部44とされることで区別される。破線21Aは第2貫通孔21の右端縁を示しており、破線21Aよりも左方の領域が第2伝熱的接続部44とされる。第2伝熱的接続部44の外形状は、第2貫通孔21の内面より、やや小さく形成されている。これにより、第2伝熱的接続部44は、第2貫通孔21に上方から収容可能になっている。
【0058】
第3バスバー45
図1から
図3に示すように、第3バスバー45は、下方に開口する略門形状をなしている。第3バスバー45は、第2バスバー35のヒューズ接続部72と、略同様の形状をなしている。第3バスバー45のうち下方に延びる部分は、主端子台16の前端部寄りに設けられた副端子台18の左右両側面に、ヒューズ13から前方に突出したリード端子36と重ねられた状態で、ネジ74により固定されるようになっている。これにより、第3バスバー45とヒューズ13とが電気的に接続されるようになっている。
【0059】
第3バスバー45のうち、左右方向に延びて形成される部分は、主端子台16のナット17の上に重ねられるようになっている。ナット17の上面に、第3バスバー45と、図示しない外部回路端子とが重ねられた状態で、図示しないネジがナット17に螺合されることにより、第3バスバー45と外部回路端子とが電気的に接続されるようになっている。
【0060】
第4バスバー75
図1から
図3に示すように、第4バスバー75は、前後方向に延びる長方形状をした本体と、本体の左側縁から左方に突出する接続突部76と、を備える。第4バスバー75の本体は、ベース部材11に配設された2つのナット68(
図5参照)の上面に、図示しない外部回路端子と重ねられた状態で、図示しないネジがナット68に螺合されることにより、外部回路端子と電気的に接続されるようになっている。
【0061】
また、接続突部76は、端子台挿通孔67内に挿通された下側端子台77の上面に重ねられた状態で(
図5及び
図6を併せ参照)、図示しないネジが図示しないナットに螺合されることにより、下側端子台77と電気的に接続されるようになっている。
【0062】
上側第1伝熱シート48、及び上側第2伝熱シート49
図4に示すように、第1伝熱的接続部40の下側には、上側第1伝熱シート48(伝熱シートの一例)が積層されている。上側第1伝熱シート48は上下方向に扁平なシート状をなしており、空気よりも熱伝導率の大きな合成樹脂からなる。上側第1伝熱シート48の形状は、第1伝熱的接続部40の形状と略同じに設定されている。上側第1伝熱シート48は弾性変形可能になっており、上下方向に加えられる力に応じて、厚さ寸法が変化できるようになっている。
【0063】
図4に示すように、第2伝熱的接続部44の下側には、上側第2伝熱シート49(伝熱シートの一例)が積層されている。上側第2伝熱シート49の形状は、第2伝熱的接続部44の形状と略同じに設定されている。上側第2伝熱シート49は上下方向に扁平なシート状をなしており、空気よりも熱伝導率の大きな合成樹脂からなる。第2伝熱シートは弾性変形可能になっており、上下方向に加えられる力に応じて、厚さ寸法が変化できるようになっている。上側第1伝熱シート48の厚さ寸法と、上側第2伝熱シート49の厚さ寸法は、実質的に同じに設定されている。実質的に同じとは、同じ場合を含み、且つ、同じでない場合でもほぼ同じと認められる場合も含む。
【0064】
絶縁板50
図1及び
図4に示すように、ベース部材11の下方には、絶縁性の合成樹脂製の絶縁板50が配されている。絶縁板50の外形状は、概ねベース部材11の外形状に倣っており、上方から見て長方形状をなしている。絶縁板50のうち、右後隅部、左後隅部、左前隅部、及び、右前隅部からやや左方の位置は、カラー14との干渉を避けるために切り欠かれている。
【0065】
図6に示すように、絶縁板50の上面には、複数のサブバスバー78が配設されるサブバスバー収容部79が、下方に陥没した溝状に形成されている。サブバスバー78は、プリチャージリレー60、又はプリチャージ抵抗61に接続されることによりプリチャージ回路を構成するプリチャージバスバー78Aと、メインリレー12の第1電力端子27から分岐されるバイパスバスバー78Bと、を含む。
【0066】
プリチャージバスバー78Aは、上方に突出して第1コネクタ嵌合部62内に配される雄タブ80と、上方に突出してプリチャージリレー60のリード端子(図示せず)に接続されるプリチャージリレー接続部81と、上方に突出してプリチャージ抵抗61のリード端子69に接続されるプリチャージ抵抗接続部82と、上方に突出してメインリレー12の第1電力端子27及び第2電力端子28のそれぞれに接続される電力端子接続部83と、を含む。プリチャージバスバー78Aの少なくとも一部は、メインリレー12の下方の位置に配されている。
【0067】
バイパスバスバー78Bは、上方に突出してメインリレー12の第1電力端子27に接続される電力端子接続部84と、上方に突出して第2コネクタ嵌合部66内に配される雄タブ85と、下側端子台77の上面に重ねられる外部接続部86と、を備える。外部接続部86は、第4バスバー75を介して外部回路と電気的に接続されるようになっている。
【0068】
絶縁板50の上面には、右前端部寄りの位置に、上方に突出する下側端子台77が設けられている。下側端子台77は角柱状をなしている。下側端子台77の高さ寸法は、絶縁板50とベース部材11とが組み付けられた状態で、下側端子台77の上に載置された外部接続部86の上面が、ベース部材11の上面と面一になるように設定されている。
【0069】
下側第1伝熱シート53、及び下側第2伝熱シート54
図1及び
図4に示すように、絶縁板50の下面には、上側第1伝熱シート48に対応する位置に下側第1伝熱シート53(伝熱シートの一例)が積層されており、上側第2伝熱シート49に対応する位置に下側第2伝熱シート54(伝熱シートの一例)が積層されている。下側第1伝熱シート53は、上側第1伝熱シート48と同じ材料からなると共に、同じ形状に形成されている。また、下側第2伝熱シート54は、上側第2伝熱シート49と同じ材料からなると共に、同じ形状に形成されている。下側第1伝熱シート53及び下側第2伝熱シート54につき、上側第1伝熱シート48及び上側第2伝熱シート49と重複する説明は省略する。
【0070】
放熱部材55
図1及び
図4に示すように、絶縁板50の下方には、金属製の放熱部材55が配されている。放熱部材55を構成する金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等、必要に応じて任意の金属を選択することができる。本実施形態においては、放熱部材55はアルミニウム又はアルミニウム合金により形成されている。放熱部材55は、鋳造、切削加工、プレス加工等、公知の手法により所定の形状に形成することができる。放熱部材55の外形状は、ベース部材11の外形状と略同じに形成されており、略長方形状をなしている。放熱部材55のうち、右後隅部、左後隅部、左前隅部、及び、右前隅部からやや左方の位置には上下方向に貫通するネジ孔56が形成されており、ボルト15が螺合されるようになっている。ボルト15がネジ孔56に螺合されることにより、ベース部材11と、放熱部材55とが一体に固定されるようになっている。
【0071】
第1台座部57
図1及び
図4に示すように、放熱部材55の上面には、下側第1伝熱シート53の下方の位置に、下側第1伝熱シート53が載置される第1台座部57(台座部の一例)が、上方に突出して形成されている。上方から見て、第1台座部57の形状は、下側第1伝熱シート53の外形状と実質的に同じに形成されている。実質的に同じとは、第1台座部57の形状と下側第1伝熱シート53の形状とが同じ場合を含み、且つ、同じでない場合でも実質的に同じと認められる場合も含む。
【0072】
第2台座部58
図1に示すように、放熱部材55の上面には、下側第2伝熱シート54の下方の位置に、下側第2伝熱シート54が載置される第2台座部58が、上方に突出して形成されている。上方から見て、第2台座部58の形状は、下側第2伝熱シート54の外形状と実質的に同じに形成されている。実質的に同じとは、第2台座部58の形状と下側第2伝熱シート54の形状とが同じ場合を含み、且つ、同じでない場合でも実質的に同じと認められる場合も含む。
【0073】
プリチャージ回路
プリチャージ回路は、メインリレー12に並列接続されている。プリチャージ回路は、プリチャージリレー60と、プリチャージ抵抗61とが、プリチャージバスバー78Aを介して直列接続されている。プリチャージリレー60は、第1コネクタ嵌合部62に嵌合された図示しないコネクタを介して外部から送信される信号により、オン・オフされるようになっている。
【0074】
プリチャージリレー60がオンされた後に、メインリレー12がオンされることにより、メインリレー12に突入電流が流れることが抑制されるようになっている。プリチャージ回路はメインリレー12の近傍に配されることが望ましい。本実施形態においては、プリチャージリレー60、プリチャージ抵抗61はメインリレー12の左方に近接して配されている。また、プリチャージバスバー78Aの少なくとも一部は、メインリレー12の下方に配されている。
【0075】
バイパス回路
バイパス回路は、メインリレー12から外部へと出力される回路に並列接続されると共に、第2コネクタ嵌合部66に嵌合される図示しないコネクタを介して、メインリレー12の第1電力端子27の状態(例えば出力電圧)をモニターするようになっている。このため、バイパス回路はメインリレー12の近傍に配されることが望ましい。本実施形態においては、バイパス回路を構成するバイパスバスバー78Bは、メインリレー12の右方に近接して配されている。
【0076】
回路構成体10の組み付け工程
続いて、回路構成体10の組み付け工程の一例について説明する。回路構成体10の組み付け工程は、以下の記載に限定されない。
【0077】
合成樹脂材を射出成型することにより、ベース部材11を所定の形状に形成する。ベース部材11に、ナット17、カラー14等を組み付ける。
【0078】
ベース部材11に、上方からヒューズ13、及びメインリレー12を載置する。メインリレー12をネジ32でベース部材11に固定する。続いて、ベース部材11の所定の位置に、上方から、第1バスバー33、第2バスバー35、及び第3バスバー45を組み付ける。ネジ41,74により、ベース部材11及びメインリレー12に、ヒューズ13、第1バスバー33、第2バスバー35、及び第3バスバー45を固定する。
【0079】
上側第1伝熱シート48、上側第2伝熱シート49、下側第1伝熱シート53、及び下側第2伝熱シート54を、トムソン型等の公知の手法により所定の形状に切り出す。
【0080】
合成樹脂材を射出成型することにより、絶縁板50を所定の形状に形成する。絶縁板50に、サブバスバー78を組み付ける。
【0081】
アルミニウム又はアルミニウム合金をアルミダイキャスト等の公知の手法により所定の形状に形成することにより、放熱部材55を形成する。放熱部材55の第1台座部57の上面に下側第1伝熱シート53を載置し、第2台座部58の上面に下側第2伝熱シート54を載置する。下側第1伝熱シート53及び下側第2伝熱シート54が載置された放熱部材55の上に、絶縁板50を重ねる。
【0082】
絶縁板50の上面に、上側第1伝熱シート48及び上側第2伝熱シート49を重ねる。続いて、絶縁板50の上にベース部材11を重ねる。このとき、上側第1伝熱シート48の上に第1伝熱的接続部40が重なると共に、上側第2伝熱シート49の上に第2伝熱的接続部44が重なるようにする。
【0083】
ボルト15を放熱部材55のネジ孔29に螺合する前の状態においては、上側第1伝熱シート48、上側第2伝熱シート49、下側第1伝熱シート53、及び下側第2伝熱シート54は自然状態にある(
図11参照)。
【0084】
図11及び
図12に示すように、ボルト15を放熱部材55のネジ孔29に螺合する。これにより、ベース部材11が放熱部材55に固定される。この結果、上側第1伝熱シート48、上側第2伝熱シート49、下側第1伝熱シート53、及び下側第2伝熱シート54は上下方向について圧縮される方向の力を受ける。これにより、上側第1伝熱シート48、上側第2伝熱シート49、下側第1伝熱シート53、及び下側第2伝熱シート54は上下方向について弾性変形する。
図12には、上下方向に圧縮された上側第1伝熱シート48と、自然状態の下側第1伝熱シート53とを示す。
【0085】
ボルト15がネジ孔56に螺合されることにより、上側第1伝熱シート48、上側第2伝熱シート49、下側第1伝熱シート53、及び下側第2伝熱シート54が上下方向について圧縮される。これにより、上側第1伝熱シート48は第1伝熱的接続部40及び絶縁板50と密着し、上側第2伝熱シート49は第2伝熱的接続部44及び絶縁板50と密着し、下側第1伝熱シート53は絶縁板50及び第1台座部57と密着し、下側第2伝熱シート54は絶縁板50及び第2台座部58と密着する。
【0086】
これにより、メインリレー12と、放熱部材55とが、第1バスバー33、第2バスバー35、上側第1伝熱シート48、上側第2伝熱シート49、絶縁板50、下側第1伝熱シート53、及び下側第2伝熱シート54を介して、伝熱的に接続される(
図4参照)。
【0087】
ベース部材11に第4バスバー75をネジ41により固定する。プリチャージリレー装着部63にプリチャージリレー60を上方から装着する。プリチャージ抵抗装着部64にプリチャージ抵抗61を上方から装着する。上記のようにして回路構成体10が完成する。
【0088】
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態によれば、通電時にメインリレー12の接点部で発生した熱は、第1電力端子27及び第2電力端子28へ伝達される。第1電力端子27に達した熱は、第1バスバー33の第1電気的接続部39へと伝達され、第1バスバー33内を第1迂回部70を介して第1伝熱的接続部40へと熱伝導する。第1伝熱的接続部40に達した熱は、上側第1伝熱シート48を介して、絶縁板50へ熱伝達され、更に下側第1伝熱シート53を介して放熱部材55へと熱伝達される。第2電力端子28に達した熱も同様に、第2バスバー35の第2電気的接続部43、側方迂回部71、下方迂回部73、第2伝熱的接続部44、上側第2伝熱シート49、絶縁板50、下側第2伝熱シート54、放熱部材55へと熱伝達される。これにより、メインリレー12で発生した熱が効率よく放熱部材55へと移動し、放熱部材55から外部へと放散される。この結果、回路構成体10の放熱性が向上する。
【0089】
また、上記の構成によれば、第1電気的接続部39と第1伝熱的接続部40とを連結する第1迂回部70を任意の形状とすると共に、第2電気的接続部43と第2伝熱的接続部44とを連結する側方迂回部71及び下方迂回部73を任意の形状とすることにより、メインリレー12から離間した位置に第1伝熱的接続部40及び第2伝熱的接続部44を設けることができる。これにより、メインリレー12の近傍において、ベース部材11に第1貫通孔20及び第2貫通孔21を設けることができない場合でも、回路構成体10の放熱性を向上させることができる。
【0090】
また、メインリレー12と電気的に接続された第1バスバー33及び第2バスバー35と、金属製の放熱部材55とは、絶縁性の上側第1伝熱シート48及び上側第2伝熱シート49と、絶縁板50と、下側第1伝熱シート53及び下側第2伝熱シート54とにより、確実に電気的に絶縁される。これにより、電気的な絶縁性を保持しつつ、回路構成体10の放熱性を向上させることができる。
【0091】
また、本実施形態によれば、上側第1伝熱シート48、上側第2伝熱シート49、下側第1伝熱シート53、及び下側第2伝熱シート54は弾性変形可能な材料からなる。
【0092】
通電時には、メインリレー12から発生した熱により、第1バスバー33及び第2バスバー35と、絶縁板50と、放熱部材55とが膨張する。金属の熱膨張率と、絶縁性の材料との熱膨張率が異なるので、第1バスバー33及び第2バスバー35と、絶縁板50と、放熱部材55との間に隙間が発生する虞がある。空気の熱伝導率は非常に低いので、隙間が発生すると回路構成体10の放熱性が低下することが懸念される。上記の構成によれば、上側第1伝熱シート48、上側第2伝熱シート49、下側第1伝熱シート53、及び下側第2伝熱シート54が弾性変形又は復帰変形することにより、少なくとも上側第1伝熱シート48、上側第2伝熱シート49、下側第1伝熱シート53、及び下側第2伝熱シート54が介在する部分において、第1バスバー33及び第2バスバー35、絶縁板50、及び放熱部材55の間に隙間が生じることを抑制することができる。これにより、回路構成体10の放熱性を向上させることができる。
【0093】
また、メインリレー12がオン又はオフされる際に、接点部で発生する切替音を、上側第1伝熱シート48、上側第2伝熱シート49、下側第1伝熱シート53、及び下側第2伝熱シート54が弾性変形することにより、吸収することができる。これにより、回路構成体10の静音性を向上させることができる。
【0094】
また、上側第1伝熱シート48、上側第2伝熱シート49、下側第1伝熱シート53、及び下側第2伝熱シート54が弾性変形することにより、車両からメインリレー12に伝達される振動を吸収することができる。車両の電源に接続される電力用のメインリレー12は比較的に大型になるので、本願明細書に記載された技術は特に効果的である。
【0095】
また、上側第1伝熱シート48、上側第2伝熱シート49、下側第1伝熱シート53、及び下側第2伝熱シート54が弾性変形又は復帰変形することにより、ベース部材11、絶縁板50、放熱部材55の公差に対応することができる。
【0096】
また、本実施形態によれば、放熱部材55は、絶縁板50に対応する位置に、絶縁板50に向かって突出する第1台座部57、及び第2台座部58を有する。
【0097】
上記の構成によれば、絶縁板50を、第1台座部57によって第1伝熱的接続部40に向かって押圧することができると共に、第2台座部58によって第2伝熱的接続部44に向かって押圧することができる。これにより、絶縁板50と、第1伝熱的接続部40及び第2伝熱的接続部44との間に隙間が形成されることを抑制することができる。これにより、回路構成体10の放熱性を向上させることができる。
【0098】
本実施形態によれば、絶縁板50は、絶縁性の合成樹脂材からなる。
【0099】
上記の構成によれば、絶縁板50の形状を、第1伝熱的接続部40及び第2伝熱的接続部44の形状に対応するように容易に形成することができる。これにより、第1伝熱的接続部40、及び第2伝熱的接続部44から絶縁板50へと効率よく熱伝達することができるので、回路構成体10の放熱性を向上させることができる。
【0100】
また、本実施形態によれば、絶縁板50には、メインリレー12と対応する位置に、第1バスバー33及び第2バスバー35とは異なるサブバスバー78が配されている。
【0101】
上記の構成によれば、絶縁板50のうち、メインリレー12に対応する位置に、サブバスバー78によって、第1バスバー33及び第2バスバー35とは異なる回路を形成することができるので、回路設計の自由度を向上させることができる。
【0102】
また、サブバスバー78は、メインリレー12に並列接続されるプリチャージ回路を構成するプリチャージバスバー78Aを含む。
【0103】
上記の構成によれば、メインリレー12のプリチャージ回路を、絶縁板50のうちメインリレー12に対応する位置に形成することができるので、回路構成体10の配線密度を向上させることができる。
【0104】
<他の実施形態>
本明細書に記載された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に記載された技術の技術的範囲に含まれる。
【0105】
(1)伝熱シートは、伝熱的接続部と絶縁板との間のみに介在される構成としてもよく、また、絶縁板と放熱部材との間にのみ介在される構成としてもよい。
【0106】
(2)本実施形態においては、放熱部材には台座部が形成される構成としたが、これに限られず、台座部は省略してもよい。また、放熱部材のうち伝熱シートが載置される部分を陥没させる構成としてもよい。
【0107】
(3)本実施形態においては、メインリレーの電力端子にバスバーが接続される構成としたが、これに限られず、メインリレーのコイル端子にバスバーが接続される構成としてもよい。
【0108】
(4)伝熱シートは、粘着性を有していてもよいし、また、粘着性を有していなくてもよい。伝熱シートが粘着性を有している場合には、バスバーと絶縁板との密着性、又は、絶縁板と放熱部材との密着性を更に向上させることができる。
【0109】
(5)放熱部材の形状は板状に限られず、例えば、上方に開口してベース部材を収容可能な箱状であってもよい。また、放熱部材は、回路構成体を他の部材に取り付けるためのブラケットであってもよい。
【0110】
(6)発熱部品は機械式のリレーに限られず、半導体リレー、コンデンサ、ダイオード等、任意の電子部品としてもよい。
【0111】
(7)バスバーに設けられた伝熱的接続部の形状は必要に応じて任意の形状とすることができる。伝熱シートの形状は任意であって、伝熱的接続部の形状と同じでもよいし、また、異なっていてもよい。放熱部材に設けられた台座部の形状は任意であって、伝熱シートの形状と同じでもよいし、また、異なっていてもよい。
【0112】
(8)サブバスバー78は、プリチャージ回路、及びバイパス回路と異なる回路を含む構成としてもよい。
【0113】
(9)本実施形態においては、絶縁板50にはサブバスバー78が配される構成としたが、これに限られず、絶縁板50にサブバスバー78が設けられない構成としてもよい。また、絶縁板50には、プリント配線技術によって導電路が形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0114】
10:回路構成体
11:ベース部材
11A:上面
11B:下面
12:メインリレー(発熱部品の一例)
20:第1貫通孔(貫通孔の一例)
21:第2貫通孔(貫通孔の一例)
27:第1電力端子(電力端子の一例)
28:第2電力端子(電力端子の一例)
33:第1バスバー(バスバーの一例)
35:第2バスバー(バスバーの一例)
39:第1電気的接続部(電気的接続部の一例)
40:第1伝熱的接続部(伝熱的接続部の一例)
43:第2電気的接続部(電気的接続部の一例)
44:第2伝熱的接続部(伝熱的接続部の一例)
48:上側第1伝熱シート(伝熱シートの一例)
49:上側第2伝熱シート(伝熱シートの一例)
50:絶縁板
53:下側第1伝熱シート(伝熱シートの一例
54:下側第2伝熱シート(伝熱シートの一例)
55:放熱部材
57:第1台座部(台座部の一例)
58:第2台座部(台座部の一例)
70:第1迂回部(迂回部の一例)
71:側方迂回部(迂回部の一例)
73:下方迂回部(迂回部の一例)
78:サブバスバー
78A:プリチャージバスバー