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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】中継装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/478 20110101AFI20220405BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20220405BHJP
   H04N 21/41 20110101ALI20220405BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
H04N21/478
H04N21/436
H04N21/41
H04M1/00 V
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019521973
(86)(22)【出願日】2018-03-26
(86)【国際出願番号】 JP2018012067
(87)【国際公開番号】W WO2018220965
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2021-02-10
(31)【優先権主張番号】P 2017107794
(32)【優先日】2017-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】宮阪 修二
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/136564(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/085819(WO,A1)
【文献】特開2012-5116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末から外部表示装置に映像信号を中継する中継装置であって、
前記携帯端末を着脱可能に保持する筐体と、
前記筐体に設けられ、前記筐体に保持された前記携帯端末に接続される第1インタフェースと、
前記筐体に設けられ、前記外部表示装置に接続される第2インタフェースと、
前記筐体に収容された制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1インタフェースを介して前記携帯端末から映像信号及び第1通知情報を取得する取得部と、
前記第1通知情報に基づいて、前記第1通知情報の少なくとも一部の削除及び置換の少なくとも一方により得られる第2通知情報を前記映像信号に重畳し、前記第2インタフェースを介して前記外部表示装置に出力する重畳部と、を備える、
中継装置。
【請求項2】
前記制御部は、さらに、前記第1通知情報が個人的な情報を含むか否かを判定する判定部を備え、
前記重畳部は、前記第1通知情報が前記個人的な情報を含むと判定された場合に前記第2通知情報を前記映像信号に重畳し、前記第1通知情報が前記個人的な情報を含まないと判定された場合に前記第1通知情報を前記映像信号に重畳し、
前記第2通知情報は、前記個人的な情報を含まない、
請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記第1通知情報が予め定められたキーワードを含むか否かを判定することにより、前記第1通知情報が前記個人的な情報を含むか否かを判定する、
請求項2に記載の中継装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記第1通知情報の通知元のアプリケーションに基づいて、前記第1通知情報が前記個人的な情報を含むか否かを判定する、
請求項2に記載の中継装置。
【請求項5】
前記第2通知情報は、前記第1通知情報の通知元のアプリケーションに対応するマークを含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項6】
前記第1通知情報は、メッセージの内容及び送信者の情報を含み、
前記第2通知情報は、前記送信者の情報を含み、前記メッセージの内容を含まない、
請求項5に記載の中継装置。
【請求項7】
前記第2通知情報は、さらに、メッセージの受信件数を含む、
請求項6に記載の中継装置。
【請求項8】
前記第1通知情報は、電話の着信時刻及び電話の発信者の情報を含み、
前記第2通知情報は、前記電話の着信時刻を示す情報を含み、前記電話の発信者の情報を含まない、
請求項5~7のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項9】
前記第1インタフェースは、前記携帯端末にケーブルを介さずに直接接続される、
請求項1~8のいずれか1項に記載の中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号を中継する中継装置に関し、特に、携帯端末から外部表示装置に映像信号を中継する卓上型の中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末に表示されているコンテンツ(ストリーミング映像等)を、大画面を有するテレビジョン(以下、テレビジョンを単に「テレビ」ともいう)によって高画質で見たいという要望がある。このような要望に対して、従来、様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、端末装置が外部表示装置に接続されたときに、端末装置のアプリケーションが出力する画像データを外部表示装置に表示させるための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-41026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
携帯端末に表示される動画コンテンツをテレビで表示しているときに、例えば電話を着信する、又は、SNS(Social Networking Service)のメッセージを受信する場合がある。このような場合に、従来技術では、通知情報がそのままテレビに表示されてしまい、個人的な情報(例えば電話の発信者又はSNSメッセージの内容など)が複数の視聴者に見られてしまうことがある。
【0006】
そこで、本発明は、携帯端末に表示される動画コンテンツをテレビでも表示する場合に、携帯端末の通知情報に含まれる個人的な情報が外部表示装置に表示されることを抑制することができる中継装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係る中継装置は、携帯端末から外部表示装置に映像信号を中継する中継装置であって、前記携帯端末を着脱可能に保持する筐体と、前記筐体に設けられ、前記筐体に保持された前記携帯端末に接続される第1インタフェースと、前記筐体に設けられ、前記外部表示装置に接続される第2インタフェースと、前記筐体に収容された制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1インタフェースを介して前記携帯端末から映像信号及び第1通知情報を取得する取得部と、前記第1通知情報に基づいて、前記第1通知情報の少なくとも一部の削除及び置換の少なくとも一方により得られる第2通知情報を前記映像信号に重畳し、前記第2インタフェースを介して前記外部表示装置に出力する重畳部と、を備える。
【0008】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、携帯端末に表示される動画コンテンツをテレビでも表示する場合に、携帯端末の通知情報に含まれる個人的な情報が外部表示装置に表示されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る中継装置の使用例を示す図である。
図2A図2Aは、実施の形態に係る中継装置の斜視図である。
図2B図2Bは、実施の形態に係る中継装置の斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る中継装置の機能ブロック図である。
図4図4は、実施の形態に係る中継装置の動作の一例を示す通信シーケンス図である。
図5図5は、実施の形態に係る中継装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施の形態における映像信号の一例を示す図である。
図7図7は、実施の形態における簡易通知情報の一例を示す図である。
図8図8は、実施の形態における簡易通知情報の一例を示す図である。
図9図9は、実施の形態における簡易通知情報の一例を示す図である。
図10図10は、実施の形態における簡易通知情報の一例を示す図である。
図11図11は、実施の形態における簡易通知情報の一例を示す図である。
図12図12は、実施の形態における簡易通知情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、使用手順、通信手順等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0012】
(実施の形態)
[中継装置の外観]
まず、中継装置の外観について、図1図2A及び図2Bを参照しながら具体的に説明する。
【0013】
図1は、実施の形態に係る中継装置10の使用例を示す図である。図2A及び図2Bは、実施の形態に係る中継装置10の斜視図である。なお、図1には、中継装置10と関連する周辺装置(リモコン(リモートコントローラ)5、携帯端末6、テレビ7)も合わせて図示されている。
【0014】
図1図2A及び図2Bにおいて、X軸は、中継装置10に保持された携帯端末6の画面6aの水平方向に延びる軸である。Z軸は、中継装置10が水平面に載置されたときに鉛直方向に延びる軸である。Y軸は、X軸及びZ軸に直交する軸である。なお、X軸の正の向き及び負の向きを、それぞれ、右及び左という。Y軸の正の向き及び負の向きを、それぞれ、後及び前という。Z軸方向の正の向き及び負の向きを、それぞれ、上及び下という。
【0015】
リモコン5は、中継装置10に対して無線でコマンドを送信する遠隔操作機器である。例えば、リモコン5は、複数のボタンを有し、押下されたボタンに応じた無線信号(例えば赤外線信号)を送信する。また例えば、リモコン5は、加速度センサを有し、上下左右に加速度を生じるようにリモコン5を振るような動作に応じた無線信号を送信してもよい。
【0016】
携帯端末6は、長方形状の画面6aを有する携帯情報端末である。例えば、携帯端末6は、インターネットや電話網に接続して通信したり、様々なアプリケーション(ソフトウェアプログラム)を実行したりするスマートフォンやタブレットコンピュータ等である。なお、以下において、アプリケーションをアプリと省略表記することもある。
【0017】
テレビ7は、中継装置10から出力される映像信号を表示する画面7aを有する外部表示装置の一例であり、例えば、4Kテレビ、8Kテレビ等である。
【0018】
中継装置10は、携帯端末6を保持する卓上型の装置(いわゆるクレードル又はドッキングステーション)である。中継装置10は、長方形状の画面6aを有する携帯端末6から出力される映像信号をテレビ7に中継する。
【0019】
図2A及び図2Bに示すように、中継装置10は、筐体11と、第1インタフェース12と、第2インタフェース13と、第3インタフェース14と、電源端子15と、を備える。
【0020】
筐体11は、略三角柱形状を有し、三角柱の一側面に相当する前面に携帯端末6を保持するための保持部11aを有する。筐体11は、例えば、成型加工された樹脂で構成され、筐体11内には、制御部(図示せず)が収納されている。
【0021】
第1インタフェース12は、筐体11に設けられており、携帯端末6とケーブルを介さずに直接接続される。ここでは、第1インタフェース12は、携帯端末6が有する充電及び通信用の専用コネクタ(例えば、ライトニングコネクタ、USB等)に直接差し込まれる接続端子を含む。中継装置10は、第1インタフェース12を介して、例えば電力を携帯端末6に供給する。また例えば、中継装置10は、第1インタフェース12を介して、携帯端末6にデータを送信したり、携帯端末6からデータを受信したりする。
【0022】
第2インタフェース13は、筐体11に設けられており、テレビ7に接続される。具体的には、第2インタフェースは、映像信号を伝送するための通信インタフェース(例えば、HDMI(登録商標);High-Definition Multimedia Interface)である。ここでは、第2インタフェース13は、ケーブル4が接続される接続端子を含む。
【0023】
第3インタフェース14は、リモコン5からコマンドを無線で受信する通信インタフェースである。例えば、第3インタフェース14は、赤外線通信インタフェースである。
【0024】
電源端子15は、AC-DCアダプタ又はAC電源ケーブル等の電源コード3が差し込まれるメス型のコネクタである。電源コード3は、商用電源に接続される。
【0025】
[中継装置の機能構成]
次に、中継装置10の機能構成について、図3及び図4を参照しながら具体的に説明する。図3は、実施の形態に係る中継装置10の機能ブロック図である。
【0026】
図3に示すように、中継装置10は、機能的な構成要素として、第1インタフェース12と、第2インタフェース13と、第3インタフェース14と、制御部16と、を備える。
【0027】
第1インタフェース12は、筐体11に保持された携帯端末6にケーブルを介さずに直接接続される。中継装置10は、第1インタフェース12を介して、携帯端末から映像信号を受信する。つまり、第1インタフェース12から映像信号が中継装置10に入力される。
【0028】
第2インタフェース13は、テレビ7に接続される。中継装置10は、第2インタフェースを介して映像信号をテレビ7に出力する。
【0029】
第3インタフェース14は、リモコン5から無線で送信されてくるコマンドを受け付ける。例えば、第3インタフェース14は、リモコン5から受信した赤外線信号を電気信号に変換し、当該電気信号を制御部16に出力する。
【0030】
制御部16は、取得部16aと、判定部16bと、重畳部16cと、を備える。具体的には、制御部16は、取得部16a、判定部16b及び重畳部16cに対応する1以上の専用の電子回路を備える。また例えば、制御部16は、1以上の専用の電子回路の代わりに、プロセッサ(図示せず)と、ソフトウェアプログラム又はインストラクションが格納されたメモリ(図示せず)とを備えてもよい。この場合、ソフトウェアプログラム又はインストラクションが実行されたときに、プロセッサは、取得部16a、判定部16b及び重畳部16cとして機能する。
【0031】
取得部16aは、第1インタフェース12を介して携帯端末6から映像信号及び通常通知情報を取得する。通常通知情報は、第1通知情報の一例であり、携帯端末6のアプリケーションが通知する情報である。通常通知情報は、携帯端末6の使用者の個人的な情報を含む場合がある。具体的には、通常通知情報は、例えば、SNSアプリ又は電子メールアプリによるメッセージの受信通知、あるいは、通話アプリによる電話の着信通知である。
【0032】
判定部16bは、通常通知情報が個人的な情報を含むか否かを判定する。個人的な情報とは、個人に関する情報であり、複数の人への公開が好ましくない情報である。例えば、個人的な情報は、携帯端末6が受信したメッセージの内容である。また例えば、個人的な情報は、携帯端末6が受信したメッセージの送信者の情報であってもよい。また、個人的な情報は、携帯端末6に掛かってきた電話の発信者の情報であってもよい。
【0033】
例えば、判定部16bは、通常通知情報が予め定められたキーワードを含むか否かを判定することにより、通常通知情報が個人的な情報を含むか否かを判定する。具体的には、判定部16bは、例えば、通常通知情報が予め定められたキーワードを含む場合に、通常通知情報が個人的な情報を含むと判定してもよいし、逆に通常通知情報が個人的な情報を含まないと判定してもよい。
【0034】
キーワードとしては、例えば携帯端末6の使用者によって、携帯端末6又はテレビ7などを介して入力されたワードが用いられてもよい。また、キーワードとして、サーバ等から受信したワード又は中継装置10の記憶部(図示せず)に予め格納されたワードが用いられてもよい。
【0035】
また、判定部16bは、通常通知情報の通知元のアプリケーションに基づいて、通常通知情報が個人的な情報を含むか否かを判定してもよい。例えば、判定部16bは、通常通知情報の通知元のアプリケーションがSNSアプリである場合に、通常通知情報が個人的な情報を含むと判定してもよい。なお、通知元のアプリケーションに関する情報は、例えば通常通知情報に含まれてもよいし、通常通知情報とは別に携帯端末6から取得されてもよい。
【0036】
重畳部16cは、通常通知情報に基づいて、通常通知情報の少なくとも一部の削除及び/又は置換により得られる簡易通知情報を映像信号に重畳し、第2インタフェース13を介してテレビ7に出力する。簡易通知情報は、第2通知情報の一例であり、通常通知情報が簡略化された情報である。言い換えれば、簡易通知情報は、通常通知情報よりも意味を特定するための情報量が少ない情報である。例えば、通常通知情報に個人的な情報が含まれる場合に、簡易通知情報では、当該個人的な情報が削除される。簡易通知情報の具体例については、図面を用いて後述する。
【0037】
[中継装置の動作]
次に、以上のように構成された本実施の形態に係る中継装置10の動作について図4図12を参照しながら具体的に説明する。
【0038】
図4は、実施の形態に係る中継装置10の動作の一例を示す通信シーケンス図である。ここでは、リモコン5、携帯端末6、中継装置10及びテレビ7間での通信の一例が示されている。
【0039】
まず、中継装置10の制御部16は、第2インタフェース13がケーブル4を介してテレビ7と接続されたことを検知すると、第2インタフェース13を介して、テレビ7の画面サイズを含む機器情報をテレビ7から取得する(S10)。
【0040】
その後、リモコン5は、操作者の操作に応じて(S11)、赤外線によるコマンドを中継装置10に向けて送信する(S12)。
【0041】
中継装置10の制御部16は、第3インタフェース14が受け付けたコマンドを、携帯端末6が解読できるコマンドに変換し、変換されたコマンドを、第1インタフェース12を介して携帯端末6に出力する(S13)。ここで携帯端末6に出力されるコマンドは、携帯端末6のアプリを操作するためのコマンドである。具体的には、コマンドは、映像(例えばストリーミング映像等)を操作するコマンドである。映像を操作するコマンドは、例えば、映像を選択、再生、早送り再生、逆方向再生、停止若しくは一時停止するコマンド、又は、それらの任意の組み合わせである。
【0042】
中継装置10からコマンドを受信した携帯端末6は、受信したコマンドに応じて、映像信号を中継装置10に出力する(S14)。
【0043】
中継装置10は、携帯端末6から第1インタフェース12を介して受信した映像信号をテレビ7に出力する(S15)。
【0044】
テレビ7は、入力した映像信号を再生して映像コンテンツを画面7aに表示する。これにより、携帯端末6の小さな画面6aに表示されているコンテンツ(ストリーミング映像等)が、テレビ7の大きな画面7aにも表示される。つまり、携帯端末6の画面6a及びテレビ7の画面7aの両方に同じ内容の映像コンテンツが表示される。
【0045】
ここで、中継装置10が携帯端末6からテレビ7に映像信号を中継しているときに、携帯端末6のアプリケーションが通常通知情報を画面6aに表示し、中継装置10に出力する場合の動作について説明する。
【0046】
携帯端末6のアプリケーションが通常通知情報を画面6aに表示する(S20)と、中継装置10の取得部16aは、携帯端末6から、映像信号に加えて通常通知情報を第1インタフェース12を介して取得する(S21)。中継装置10の重畳部16cは、通常通知情報に基づいて簡易通知情報を生成する(S22)。そして、重畳部16cは、簡易通知情報を映像信号に重畳する(S23)。その結果、簡易通知情報が重畳された映像信号がテレビ7に出力される(S24)。その結果、テレビ7の画面7aには、簡易通知情報が映像コンテンツとともに表示される。
【0047】
次に、このような中継装置10の動作を、フローチャートを用いて説明する。図5は、実施の形態に係る中継装置10の動作の一例を示すフローチャートである。具体的には、図5は、中継装置10が通常通知情報を携帯端末6から取得したときの制御部16の処理を示す。
【0048】
まず、取得部16aは、第1インタフェース12を介して携帯端末6から映像信号及び通常通知情報を取得する(S30)。判定部16bは、通常通知情報が個人的な情報を含むか否かを判定する(S31)。
【0049】
ここで、通常通知情報が個人的な情報を含むと判定された場合(S31のYes)、重畳部16cは、通常通知情報に基づいて、簡易通知情報を生成する(S32)。そして、重畳部16cは、生成された簡易通知情報を映像信号に重畳する(S33)。具体的には、重畳部16cは、簡易通知情報を示す画像を、映像信号に含まれるフレームの予め定められた領域に重ね合わせる。
【0050】
一方、通常通知情報が個人的な情報を含まないと判定された場合(S31のNo)、重畳部16cは、通常通知情報を映像信号に重畳する(S34)。つまり、通常通知情報がそのまま映像信号に重畳される。
【0051】
重畳部16cは、通常通知情報又は簡易通知情報が重畳された映像信号を、第2インタフェース13を介してテレビ7に出力する(S35)。
【0052】
以上により、テレビ7の画面7aには、通常通知情報が個人的な情報を含まない場合に通常通知情報が表示され、通常通知情報が個人的な情報を含む場合に通常通知情報と異なる簡易通知情報が表示される。
【0053】
[簡易通知情報の具体例]
次に、簡易通知情報の具体例について、図6図12を参照しながら説明する。
【0054】
図6は、実施の形態における映像信号の一例を示す図である。具体的には、図6は、図4のステップS11~ステップS15の処理によって表示される映像信号を示す。図6に示すように、携帯端末6の画面6a及びテレビ7の画面7aには、同じ内容の映像コンテンツが表示されている。
【0055】
ここで、携帯端末6のアプリケーションから通常通知情報が通知され、簡易通知情報がテレビ7の画面に表示される場合について説明する。図7図12は、実施の形態における簡易通知情報の一例を示す図である。
【0056】
図7では、携帯端末6の通話アプリが電話の着信を通知しており、携帯端末6の画面6aには、発信者「John Smith」の情報を含む通常通知情報20が画面6a全体に表示されている。このとき、簡易通知情報21は、通常通知情報20の通知元のアプリケーションである通話アプリに対応するマークを含み、通常通知情報20に含まれる個人的な情報である発信者の情報を含まない。つまり、簡易通知情報21では、通話アプリを示す情報が通話アプリに対応するマークに置換され、発信者の情報が削除されている。したがって、簡易通知情報21がテレビ7の画面7aに表示されても、通常通知情報20に含まれる個人的な情報がテレビ7の画面7aに表示されない。
【0057】
図8では、図7と同様に、携帯端末6の通話アプリが電話の着信を通知しており、携帯端末6の画面6aには、発信者の情報を含む通常通知情報20が画面6a全体に表示されている。このとき、簡易通知情報22は、通話アプリに対応する文字列「TEL」及び着信時刻「15:12」を示すテキスト情報を含み、発信者の情報を含まない。つまり、簡易通知情報22では、通話アプリを示す情報が文字列「TEL」に置換され、着信時刻を示す情報「15:12」がそのまま含まれ、発信者の情報が削除されている。したがって、簡易通知情報22がテレビ7の画面7aに表示されても、通常通知情報20に含まれる個人的な情報がテレビ7の画面7aに表示されない。
【0058】
図9では、携帯端末6のSNSアプリがメッセージの着信を通知しており、携帯端末6の画面6aには、メッセージの内容及び送信者の情報を含む通常通知情報30が画面6aの上部に表示されている。このとき、簡易通知情報31は、通常通知情報30の通知元のアプリケーションであるSNSアプリに対応するマークを含み、通常通知情報30に含まれるメッセージの内容を含まない。つまり、簡易通知情報31では、SNSアプリを示す情報がSNSアプリに対応するマークに置換され、送信者の情報及びメッセージの内容を示す情報等が削除されている。したがって、簡易通知情報31がテレビ7の画面7aに表示されても、通常通知情報30に含まれる個人的な情報がテレビ7の画面7aに表示されない。
【0059】
図10では、図9と同様に、携帯端末6のSNSアプリがメッセージの着信を通知しており、携帯端末6の画面6aには、メッセージの内容及び発信者の情報を含む通常通知情報30が画面6aの上部に表示されている。このとき、簡易通知情報32は、送信者の情報を含み、メッセージの内容を含まない。つまり、簡易通知情報32では、SNSアプリを示す情報がSNSアプリに対応するマークに置換され、送信者の情報がそのまま含まれ、メッセージの内容を示す情報等が削除されている。したがって、簡易通知情報32がテレビ7の画面7aに表示されても、通常通知情報30に含まれる送信者の情報以外の個人的な情報がテレビ7の画面7aに表示されない。
【0060】
図11では、携帯端末6のSNSアプリが2件のメッセージの着信を通知しており、携帯端末6の画面6aには、2件のメッセージのうちの1件のメッセージの内容及び発信者の情報を含む通常通知情報30が画面6aの上部に表示されている。このとき、簡易通知情報33は、SNSアプリに対応するマーク及びメッセージの受信件数を含み、メッセージの内容を含まない。したがって、簡易通知情報33がテレビ7の画面7aに表示されても、通常通知情報30に含まれる個人的な情報がテレビ7の画面7aに表示されない。
【0061】
図12では、携帯端末6の通話アプリが電話の着信を通知しており、かつ、携帯端末6のSNSアプリが2件のメッセージの着信を通知している。そして、携帯端末6の画面6aには、2件のメッセージのうちの1件のメッセージの内容及び発信者の情報を含む通常通知情報30が画面6aの上部に表示されている。このとき、簡易通知情報34は、通話アプリに対応するマークと、SNSアプリに対応するマーク及びメッセージの受信件数とを含む。この簡易通知情報34は、図7の簡易通知情報21と図11の簡易通知情報33との組み合わせに相当する。したがって、図7及び図11と同様に、簡易通知情報34がテレビ7の画面7aに表示されても、通常通知情報30に含まれる個人的な情報がテレビ7の画面7aに表示されない。
【0062】
[効果等]
以上のように、本実施の形態に係る中継装置10は、携帯端末6からテレビ7に映像信号を中継する装置であって、携帯端末6を着脱可能に保持する筐体11と、筐体11に設けられ、筐体11に保持された携帯端末6に接続される第1インタフェース12と、筐体11に設けられ、テレビ7に接続される第2インタフェース13と、筐体11に収容された制御部16と、を備える。制御部16は、第1インタフェース12を介して携帯端末6から映像信号及び通常通知情報(第1通知情報)を取得する取得部16aと、通常通知情報に基づいて、通常通知情報の少なくとも一部の削除及び/又は置換により得られる簡易通知情報(第2通知情報)を映像信号に重畳し、第2インタフェース13を介してテレビ7に出力する重畳部16cと、を備える。
【0063】
これにより、中継装置10は、携帯端末6を保持する筐体11を備えることができるので、筐体11に携帯端末6が保持された状態でテレビ7に携帯端末6が接続される。したがって、携帯端末6を操作する場合に、使用者は、中継装置10から携帯端末6を取り外して携帯端末6を手で持つ必要がない。また、テレビ7の画面7aに動画コンテンツが表示されているときに携帯端末6の画面6aに通常通知情報が表示されたとしても、通常通知情報の少なくとも一部の削除及び/又は置換により得られる簡易通知情報が映像信号に重畳されるので、中継装置10は、通常通知情報に含まれる個人的な情報がテレビ7の画面7aに表示されることを抑制することができる。さらに、中継装置10は、テレビ7の画面7aに簡易通知情報を表示させることができるので、テレビ7に通常通知情報に関する情報が何も表示されない場合と比べて、アプリケーションからの通知の見逃しを減らすこともできる。
【0064】
また例えば、本実施の形態において、制御部16は、さらに、通常通知情報が個人的な情報を含むか否かを判定する判定部16bを備えてもよい。また、重畳部16cは、通常通知情報が個人的な情報を含むと判定された場合に簡易通知情報(第2通知情報)を映像信号に重畳し、通常通知情報が個人的な情報を含まないと判定された場合に通常通知情報(第1通知情報)を映像信号に重畳してもよい。このとき、簡易通知情報は、個人的な情報を含まなくてよい。
【0065】
これにより、通常通知情報が個人的な情報を含むか否かを判定することができ、判定結果に基づいて映像信号に重畳する通知情報を切り替えることができる。したがって、中継装置10は、より確実に、個人的な情報がテレビ7の画面7aに表示されることを防ぐことができる。
【0066】
また例えば、本実施の形態において、判定部16bは、通常通知情報が予め定められたキーワードを含むか否かを判定することにより、通常通知情報が個人的な情報を含むか否かを判定してもよい。また例えば、本実施の形態において、判定部16bは、通常通知情報の通知元のアプリケーションに基づいて、通常通知情報が個人的な情報を含むか否かを判定してもよい。
【0067】
これらにより、中継装置10は、通常通知情報が個人的な情報を含むか否かをより正確に判定することができる。
【0068】
また例えば、本実施の形態において、簡易通知情報は、通常通知情報の通知元のアプリケーションに対応するマークを含んでもよい。
【0069】
これにより、携帯端末6の使用者は、他の視聴者に通知情報の詳細を知られることなく、テレビ7の画面7aで通知元のアプリケーションを認識することができる。その後、携帯端末6の使用者は、必要に応じて通知情報の詳細を携帯端末6の画面6aで確認することもできる。つまり、中継装置10は、個人的な情報を他の視聴者に開示することなく、携帯端末6のアプリケーションによる通知をテレビ7の画面7aで携帯端末6の使用者に気付かせることができる。
【0070】
また例えば、本実施の形態において、通常通知情報は、メッセージの内容及び送信者の情報を含み、簡易通知情報は、送信者の情報を含み、メッセージの内容を含まなくてもよい。また例えば、本実施の形態において、簡易通知情報は、さらに、メッセージの受信件数を含んでもよい。また例えば、本実施の形態において、通常通知情報は、電話の着信時刻及び電話の発信者の情報を含み、簡易通知情報は、電話の着信時刻を示す情報を含み、電話の発信者の情報を含まなくてもよい。
【0071】
これらにより、個人的な情報がテレビ7の画面7aに表示されることを抑制することができる。
【0072】
また例えば、本実施の形態において、第1インタフェース12は、携帯端末6にケーブルを介さずに直接接続されてもよい。
【0073】
これにより、いわゆるクレードルあるいはドッキングステーションとして中継装置10を利用することができる。
【0074】
(他の実施の形態)
以上、本発明の1つまたは複数の態様に係る中継装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0075】
なお、上記実施の形態では、簡易通知情報は、通知情報の通知元のアプリに対応するマーク又は文字を含んでいたが、これに限定されない。例えば、簡易通知情報は、通知元のアプリケーションが必ずしも対応する必要はなく、通知元のアプリケーションに関わらず同一のマーク又は文字を含んでもよい。この場合、携帯端末6の使用者は、簡易通知情報から通知元のアプリケーションを判別することはできないが、携帯端末6で何らかの通知が発生していることを認識することができる。
【0076】
また、通知元のアプリケーションは、必ずしもマークの形状あるいは文字によって区別される必要はない。通知元のアプリケーションは、マークの色によって区別されてもよい。例えば、通話アプリの場合に赤色のマークが用いられ、SNSアプリの場合に同じ形状の青色のマークが用いられてもよい。また、通知元のアプリケーションは、表示態様によって区別されてもよい。例えば、通話アプリの場合に点滅が用いられ、SNSアプリの場合に非点滅が用いられてもよい。また例えば、アプリケーションごとに点滅周期が異なってもよい。
【0077】
なお、上記実施の形態では、通常通知情報に含まれる個人的な情報が削除されていたが、モザイク処理などの画像処理を通常通知情報に施すことにより、通常通知情報に含まれる個人的な情報が認識不可能な情報に置換されてもよい。つまり、簡易通知情報において個人的な情報が視覚的に隠蔽されてもよい。
【0078】
なお、上記実施の形態では、中継装置10の制御部16は、判定部16bを備えていたが、必ずしも判定部16bを備えなくてもよい。例えば、中継装置10は、個人的な情報の有無に関わりなく、簡易通知情報を映像信号に重畳してもよい。この場合であっても、簡易通知情報がテレビ7の画面7aに表示されるので、個人的な情報が表示されることを抑制することができる。
【0079】
また、上記実施の形態では、リモコン5は、赤外線によるコマンドを送信したが、無線によるコマンドであれば、Wi-Fi等の電波によるコマンドを送信してもよい。そのときには、第3インタフェース14は、Wi-Fi等の電波によるコマンドを受信するためのアンテナ、受信回路等を備えてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態では、第2インタフェース13は、HDMI(登録商標)等の有線によって映像信号を伝送するインタフェースであったが、Wi-Fi等の無線によって映像信号を伝送するインタフェースであってもよい。そのときには、第2インタフェース13は、Wi-Fi等の無線によって映像信号を伝送するためのアンテナ、送受信回路等を備えてもよい。
【0081】
また、上記各実施の形態では、携帯端末6からテレビ7に映像信号が中継される場合について説明したが、映像信号とともに音響信号が中継されてもよい。この場合、テレビ7は、音響信号に基づく音を出力するスピーカ(図示せず)を有してもよい。
【0082】
また、上記各実施の形態では、外部表示装置がテレビである場合について説明したが、外部表示装置はテレビに限定されない。例えば、外部表示装置は、表示ディスプレイであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、携帯端末から出力される映像信号を表示装置に中継する卓上型の中継装置として、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ用のクレードルとして、利用できる。
【符号の説明】
【0084】
3 電源コード
4 ケーブル
5 リモコン
6 携帯端末
6a、7a 画面
7 テレビ
10 中継装置
11 筐体
11a 保持部
12 第1インタフェース
13 第2インタフェース
14 第3インタフェース
15 電源端子
16 制御部
16a 取得部
16b 判定部
16c 重畳部
20、30 通常通知情報
21、22、31、32、33、34 簡易通知情報
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12