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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】復調モジュール
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20220405BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20220405BHJP
   H04N 21/236 20110101ALI20220405BHJP
   H04N 21/434 20110101ALI20220405BHJP
【FI】
H04L27/26 410
H04B7/08 372Z
H04N21/236
H04N21/434
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022010776
(22)【出願日】2022-01-27
(62)【分割の表示】P 2021199089の分割
【原出願日】2020-09-24
【審査請求日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】62/907282
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】松村 喜修
(72)【発明者】
【氏名】上松 克洋
(72)【発明者】
【氏名】野間崎 大輔
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0242428(US,A1)
【文献】特開2006-211111(JP,A)
【文献】特開2006-186689(JP,A)
【文献】特開2007-116321(JP,A)
【文献】特開2016-123123(JP,A)
【文献】特開2005-286362(JP,A)
【文献】特開2007-288566(JP,A)
【文献】KWENTUS, Y. Alan et al.,A single-chip universal digital satellite receiver with 480-MHz IF input,IEEE Journal of Solid-State Circuits,米国,IEEE,1999年11月,VOL.34, NO.11,pp.1634-1646
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04B 7/08
H04N 21/236
H04N 21/434
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送の放送信号である衛星放送信号または地上放送信号を復調処理し、TS(Transport Stream)信号を生成する復調モジュールであって、
前記衛星放送信号に基づいて生成されたベースバンドI信号およびベースバンドQ信号のうちの一方の信号をAD(Analog Digital)変換処理し、当該AD変換処理である第1AD変換処理に基づく第1の変換信号を出力する第1AD変換部と、
前記一方の信号と異なる他方の信号および前記地上放送信号に基づいて生成されたIF(Intermediate Frequency)信号が入力され、前記他方の信号および前記IF信号のいずれかを選択して第1の選択信号を出力する第1選択部と、
前記第1の選択信号をAD変換処理し、当該AD変換処理である第2AD変換処理に基づく第2の変換信号を出力する第2AD変換部と、
前記第1の変換信号および/または前記第2の変換信号に対して復調処理を行い、前記復調処理に基づく前記TS信号を生成する復調誤り訂正部と、
を備え、
前記第1選択部および前記第2AD変換部のそれぞれには、前記衛星放送信号および前記地上放送信号のいずれの信号処理を行うかを示す設定情報が入力され、
前記第2AD変換部は、前記設定情報に基づいて前記第2AD変換処理を行う
復調モジュール。
【請求項2】
前記第1選択部は、前記衛星放送信号の信号処理を行う場合に、前記一方の信号を選択し、前記地上放送信号の信号処理を行う場合に、前記IF信号を選択し、
前記復調誤り訂正部は、前記衛星放送信号の信号処理を行う場合に、前記第1の変換信号および前記第2の変換信号に基づいて前記TS信号を生成し、前記地上放送信号の信号処理を行う場合に、前記第2の変換信号のみに基づいて前記TS信号を生成する
請求項1に記載の復調モジュール。
【請求項3】
前記復調誤り訂正部には、前記設定情報が入力され、
前記第1選択部は、前記設定情報に基づいて前記一方の信号または前記IF信号を選択し、
前記復調誤り訂正部は、前記設定情報に基づいて前記TS信号を生成する
請求項1または2に記載の復調モジュール。
【請求項4】
前記第1AD変換部には、前記設定情報が入力され、
前記第1AD変換部は、前記設定情報に基づいて前記第1AD変換処理を行う
請求項1~3のいずれか1項に記載の復調モジュール。
【請求項5】
さらに、前記一方の信号を含む複数の信号が入力される第2選択部を備え、
前記第2選択部は、少なくとも前記第1選択部が前記他方の信号を選択する場合、前記複数の信号のうちの前記一方の信号を選択して、前記第1AD変換部へ出力する
請求項1~4のいずれか1項に記載の復調モジュール。
【請求項6】
前記第2AD変換部は、前記設定情報に基づいて、受信帯域幅の設定を変更する
請求項1に記載の復調モジュール。
【請求項7】
前記第2AD変換部は、前記設定情報に基づいて、AD変換レートの設定を変更する
請求項1に記載の復調モジュール。
【請求項8】
前記第2AD変換部は、前記設定情報に基づいて、ドライブ能力の設定を変更する
請求項1に記載の復調モジュール。
【請求項9】
前記第1AD変換部は、前記設定情報に基づいて、受信帯域幅の設定を変更する
請求項4に記載の復調モジュール。
【請求項10】
前記第1AD変換部は、前記設定情報に基づいて、AD変換レートの設定を変更する
請求項4に記載の復調モジュール。
【請求項11】
前記第1AD変換部は、前記設定情報に基づいて、ドライブ能力の設定を変更する
請求項4に記載の復調モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デジタル放送の放送信号を復調する復調モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送の伝送方式として、1つの搬送波の伝送容量を超えるストリームを複数の搬送波を用いて分割して伝送し、受信装置で合成する複数搬送波伝送方式が知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1)。
【0003】
また、次世代地上放送に向け、伝送容量を拡大するため、MIMO(MultiInput-MultiOutput)を用いた伝送方式が検討されている(例えば、非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2016/117283号
【非特許文献】
【0005】
【文献】総務省:情報通信審議会・情報通信技術分科会・放送システム委員会報告(案)、「第6章:複数搬送波伝送方式(ITU-T勧告J.183)に係る技術的条件」、p.64-93
【文献】村山研一、「次世代地上放送に向けた大容量伝送方式」、NHK技研、R&D/No.136/2012.11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の伝送方式で送信されたデジタル放送の放送信号は、例えば、復調部および合成部を備えた復調モジュールによって復調処理および合成処理される。しかしながら従来の復調モジュールは、特定用途に限られており、様々な受信形態に対応することが困難であった。
【0007】
本開示は、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一形態における復調モジュールは、デジタル放送の放送信号である衛星放送信号または地上放送信号を復調処理し、TS(Transport Stream)信号を生成する復調モジュールであって、前記衛星放送信号に基づいて生成されたベースバンドI信号およびベースバンドQ信号のうちの一方の信号をAD(Analog Digital)変換処理し、当該AD変換処理である第1AD変換処理に基づく第1の変換信号を出力する第1AD変換部と、前記一方の信号と異なる他方の信号および前記地上放送信号に基づいて生成されたIF(Intermediate Frequency)信号が入力され、前記他方の信号および前記IF信号のいずれかを選択して第1の選択信号を出力する第1選択部と、前記第1の選択信号をAD変換処理し、当該AD変換処理である第2AD変換処理に基づく第2の変換信号を出力する第2AD変換部と、前記第1の変換信号および/または前記第2の変換信号に対して復調処理を行い、前記復調処理に基づく前記TS信号を生成する復調誤り訂正部と、を備え、前記第1選択部および前記第2AD変換部のそれぞれには、前記衛星放送信号および前記地上放送信号のいずれの信号処理を行うかを示す設定情報が入力され、前記第2AD変換部は、前記設定情報に基づいて前記第2AD変換処理を行う。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータで読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、比較例1の受信装置を示すブロック構成図である。
図2図2は、比較例1の復調モジュールを示すブロック構成図である。
図3図3は、実施の形態1に係る復調モジュールを示すブロック構成図である。
図4図4は、実施の形態1に係る復調モジュールの第1復調部を示す図である。
図5A図5Aは、実施の形態1に係る復調モジュールを備える受信装置を示すブロック構成図である。
図5B図5Bは、実施の形態1に係る復調モジュール内を伝送する信号の状況を示す図である。
図6A図6Aは、実施の形態1の変形例1に係る復調モジュールを備える受信装置を示すブロック構成図である。
図6B図6Bは、実施の形態1の変形例1に係る復調モジュール内を伝送する信号の状況を示す図である。
図7図7は、実施の形態1の変形例2に係る復調モジュールを示すブロック構成図である。
図8A図8Aは、実施の形態1の変形例2に係る復調モジュールを備える受信装置を示すブロック構成図である。
図8B図8Bは、実施の形態1の変形例2に係る復調モジュール内を伝送する信号の状況を示す図である。
図9A図9Aは、実施の形態1の変形例3に係る復調モジュールを備える受信装置を示すブロック構成図である。
図9B図9Bは、実施の形態1の変形例3に係る復調モジュール内を伝送する信号の状況を示す図である。
図10図10は、比較例2の復調モジュールを示すブロック構成図である。
図11A図11Aは、実施の形態2に係る復調モジュールを示すブロック構成図である。
図11B図11Bは、実施の形態2に係る復調モジュール内を伝送する信号の形態を示す図である。
図12A図12Aは、実施の形態2の変形例1に係る復調モジュールを示すブロック構成図である。
図12B図12Bは、実施の形態2の変形例1に係る復調モジュール内を伝送する信号の形態を示す図である。
図13A図13Aは、実施の形態2の変形例2に係る復調モジュールを示すブロック構成図である。
図13B図13Bは、実施の形態2の変形例2に係る復調モジュール内を伝送する信号の形態を示す図である。
図14A図14Aは、比較例3の復調モジュールを示すブロック構成図である。
図14B図14Bは、比較例3の復調モジュールの出力端子の端子割り当てを示す図である。
図15図15は、実施の形態3に係る復調モジュールを示すブロック構成図である。
図16図16は、実施の形態3の復調モジュールを備える受信装置を示すブロック構成図である。
図17図17は、実施の形態3に係る復調モジュールの出力端子の端子割り当てを示す図である。
図18図18は、他の例の復調モジュールを備える受信装置を示すブロック構成図である。
図19図19は、他の例の復調モジュールの出力端子の端子割り当てを示す図である。
図20図20は、実施の形態3の変形例1に係る復調モジュールを示すブロック構成図である。
図21図21は、実施の形態3の変形例2に係る復調モジュールを示すブロック構成図である。
図22図22は、実施の形態3の変形例2に係る復調モジュールの出力端子の端子割り当てを示す図である。
図23図23は、比較例4の復調モジュールを示すブロック構成図である。
図24図24は、実施の形態4に係る復調モジュールを示すブロック構成図である。
図25図25は、実施の形態4の変形例1に係る復調モジュールを示すブロック構成図である。
図26図26は、実施の形態4の変形例2に係る復調モジュールを示すブロック構成図である。
図27図27は、実施の形態4の変形例3に係る復調モジュールを示すブロック構成図である。
図28図28は、実施の形態4の変形例4に係る復調モジュールを示すブロック構成図である。
図29図29は、実施の形態4の変形例5に係る復調モジュールを示すブロック構成図である。
図30図30は、比較例5の復調モジュールを備える受信装置を示すブロック構成図である。
図31図31は、実施の形態5に係る復調モジュールを備える受信装置を示すブロック構成図である。
図32図32は、実施の形態5の変形例に係る復調モジュールを備える受信装置を示すブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の一形態に係る実現形態を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。本開示の実現形態は、現行の独立請求項に限定されるものではなく、他の独立請求項によっても表現され得る。
【0013】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0014】
(実施の形態1)
[1-1.本開示に至る経緯]
本開示に至る経緯について、比較例1である図1および図2を参照しながら説明する。
【0015】
通信ケーブルを用いた4K8Kデジタル放送の伝送方式として、1つの搬送波の伝送容量を超えるストリームを複数の搬送波を用いて分割して伝送し、受信装置で合成する複数搬送波伝送方式が知られている。複数搬送波伝送方式では、例えば、拡張TSMF(Transport Streams Multiplexing Frame)ヘッダー内の新規フィールドで定義されたグループIDやフレーム順序などの情報を用いて、同じ複数搬送波のグループか否かが判定され、複数搬送波におけるフレーム分割・合成処理が実行される。
【0016】
図1は、比較例1の受信装置1001を示すブロック構成図である。図1には、4つの復調部から出力された信号を、1つの合成部で合成する構成が示されている。具体的には、まず、RF部(チューナ)61、62、63および64のそれぞれにて所望のチャネルを選局し、各RF部61~64からIF(Intermediate Frequency)信号を出力する。次に、各復調部71、72、73および74にて、それぞれのチャネルのIF信号を復調処理および誤り訂正処理し、複数搬送波のTS(Transport Stream)信号を出力する。次に、合成部91にて複数搬送波のTS信号の合成を行い、その後、デコーダ(図示省略)でデコード処理する。
【0017】
図2は、比較例1の復調モジュール1000を示すブロック構成図である。比較例1の復調モジュール1000は、1つの復調部81と合成部92とを有している。この復調モジュール1000では、復調部81から出力されたTS信号と、外部から入力された3つのTS信号とが合成部92に入力され、合成部92にて合成処理された後、外部(デコーダ等)へ出力される。
【0018】
昨今では多番組視聴のTVやレコーダーなどが普及しており、図1に示すように、受信装置1001が、デジタル放送を受信する復調部を2系統以上有していることもあるが、複数搬送波伝送方式に対応する受信装置は現在のところ存在していない。例えば、受信装置1001が、図2に示す復調モジュール1000を2つ備えることで複数搬送波伝送方式に対応することも可能であるが、その場合、特定用途に限られてしまい、様々な受信形態に対応することが困難である。
【0019】
それに対し本開示の復調モジュールは、以下に示す構成を有することで、様々な受信形態に対応し、柔軟性の高い使い方をすることができる。
【0020】
[1-2.復調モジュールの構成]
実施の形態1の復調モジュール100について、図3および図4を参照しながら説明する。復調モジュール100は、2つのコンテンツの少なくとも1つが複数の搬送波に分割されて並行して送信されるデジタル放送の放送信号を復調処理して出力するモジュールである。
【0021】
図3は、実施の形態1に係る復調モジュール100を示すブロック構成図である。
【0022】
図3に示すように、復調モジュール100は、第1処理部110と、第2処理部120とを備えている。第1処理部110は、第1復調部111、第1選択部112および第1合成部113を備えている。第2処理部120は、第2復調部121、第2選択部122および第2合成部123を備えている。また、復調モジュール100は、入力端子11、12、13、14、15、16、17、18および出力端子11z、12zを備えている。
【0023】
入力端子11は、第1復調部111に接続され、入力端子12、13は、第1合成部113に接続され、入力端子14は、第1選択部112に接続されている。入力端子15は、第2復調部121に接続され、入力端子16、17は、第2合成部123に接続され、入力端子18は、第2選択部122に接続されている。第1復調部111の出力側は、第1合成部113および第2選択部122に接続され、第2復調部121の出力側は、第2合成部123および第1選択部112に接続されている。第1合成部113の出力側は、出力端子11zに接続され、第2合成部123の出力側は、出力端子12zに接続されている。
【0024】
なお、入力端子11~18については、全てが外部に接続される必要は無く、複数搬送波方式で用いられる搬送波数に応じて接続有無を変更可能である。
【0025】
ここで、図5Aを参照して、復調モジュール100に入出する信号について説明する。図5Aは、復調モジュール100を備える受信装置101の構成を示す図である。
【0026】
図5Aに示すように、復調モジュール100の入力端子11には、RF部61から出力された第1のIF信号i11が入力される。入力端子12には、復調部72から出力された第1の入力TS信号t1aが入力される。入力端子13には、復調部73から出力された第1の入力TS信号t1bが入力される。入力端子14には、復調部74から出力された第1の入力TS信号t1cが入力される。入力端子15には、RF部65から出力された第2のIF信号i12が入力される。入力端子16には、復調部76から出力された第2の入力TS信号t2aが入力される。入力端子17には、復調部77から出力された第2の入力TS信号t2bが入力される。入力端子18には、復調部78から出力された第2の入力TS信号t2cが入力される。
【0027】
なお、第1のIF信号i11および第1の入力TS信号t1a~t1cは、複数の搬送波の1つから生成される信号であり、2つのコンテンツのうちの一方のコンテンツの放送信号に基づいて生成される。第2のIF信号i12および第2の入力TS信号t2a~t2cは、複数の搬送波の他の1つから生成される信号であり、2つのコンテンツのうちの他方のコンテンツの放送信号に基づいて生成される。本実施の形態において、2つのコンテンツは、互いに異なるコンテンツである。
【0028】
なお、本実施の形態では、映像/音声の出力形式をTSとして説明するが、それに限られず、TLV(Type Length Value)パケットの出力形式をTSとしてもよい。TLVは、高度BSであるBS4K8K放送で使用されている形式である。
【0029】
図3に示すように、第1復調部111には、入力端子11を介して第1のIF信号i11が入力される。第1復調部111は、入力された第1のIF信号i11に対して、復調処理を行い、TSを取り出し、第1の内部TS信号ts1を生成する。第1復調部111は、第1の内部TS信号ts1を第1合成部113および第2選択部122へ出力する。
【0030】
第2復調部121には、入力端子15を介して第2のIF信号i12が入力される。第2復調部121は、入力された第2のIF信号i12に対して、復調処理を行い、TSを取り出し、第2の内部TS信号ts2を生成する。第2復調部121は、第2の内部TS信号ts2を第2合成部123および第1選択部112へ出力する。
【0031】
図4は、復調モジュール100の第1復調部111を示す図である。
【0032】
図4に示すように、第1復調部111は、AD(Analog Digital)変換部111aと、復調コア部111bと、誤り訂正部111cとを有している。AD変換部111aは、アナログ信号をデジタルに変換し、復調コア部111bは、同期または波形等化を行い、誤り訂正部111cは、RS(Reed-Solomon)復号などの誤り訂正を行い、TSデータを出力する。第2復調部121も、第1復調部111と同じ構成を有している。
【0033】
図3に示すように、第1選択部112には、入力端子14を介して第1の入力TS信号t1cが入力され、また、第2復調部121から出力された第2の内部TS信号ts2が入力される。第1選択部112は、第1の入力TS信号t1cおよび第2の内部TS信号ts2のいずれかの信号を選択し、選択した信号を第3の内部TS信号ts3として、第1合成部113へ出力する。
【0034】
第2選択部122には、入力端子18を介して第2の入力TS信号t2cが入力され、また、第1復調部111から出力された第1の内部TS信号ts1が入力される。第2選択部122は、第2の入力TS信号t2cおよび第1の内部TS信号ts1のいずれかの信号を選択し、選択した信号を第4の内部TS信号ts4として、第2合成部123へ出力する。
【0035】
このように、第1選択部112および第2選択部122のそれぞれは、入力された複数の信号のうち、所定の信号を選択可能である。複数の信号のうちのいずれの信号を選択するかは、復調モジュール100の仕様または用途によって適宜設定される。
【0036】
一般的な複数搬送波伝送方式は、1つのグループのTSのデータ列を、複数の搬送波に分けて送信し、受信側にて元通りに復元する。例えば、複数搬送波伝送方式では、1つのTSデータ列を前から順番にTS0、TS1、TS2、TS3、TS4、TS5に区切り、そのうちのTS0、TS2、TS4は第1の搬送波による送信とし、TS1、TS3、TS5は第2の搬送波による送信とし、2つの搬送波を1つのグループとして送信する。
【0037】
本実施の形態の復調モジュール100は、2つのグループのTSのデータ列を、複数の搬送波に分け、搬送波が異なる2つの系統で送信し、受信側にて元の2つのグループのTSのデータ列に復元する。したがって、第1選択部112および第2選択部122のそれぞれには、異なるグループからの信号が入力される。
【0038】
第1合成部113は、第1の内部TS信号ts1および第3の内部TS信号ts3を含む複数のTS信号を合成し、第1の合成TS信号c11を出力する。具体的には、第1合成部113には、第1復調部111から出力された第1の内部TS信号ts1が入力され、また、入力端子12、13のそれぞれを介して第1の入力TS信号t1a、t1bが入力され、また、第1選択部112から出力された第3の内部TS信号ts3が入力される。第1合成部113は、これらの第1の内部TS信号ts1、第1の入力TS信号t1a、t1b、および、第3の内部TS信号ts3を合成して第1の合成TS信号c11を生成し、第1の合成TS信号c11を出力する。第1の合成TS信号c11は、出力端子11zを介して外部(デコーダ等)へ出力される。
【0039】
第2合成部123は、第2の内部TS信号ts2および第4の内部TS信号ts4を含む複数のTS信号を合成し、第2の合成TS信号c12を出力する。具体的には、第2合成部123には、第2復調部121から出力された第2の内部TS信号ts2が入力され、また、入力端子16、17のそれぞれを介して第2の入力TS信号t2a、t2bが入力され、また、第2選択部122から出力された第4の内部TS信号ts4が入力される。第2合成部123は、これらの第2の内部TS信号ts2、第2の入力TS信号t2a、t2b、および、第4の内部TS信号ts4を合成して第2の合成TS信号c12を生成し、第2の合成TS信号c12を出力する。第2の合成TS信号c12は、出力端子12zを介して外部(デコーダ等)へ出力される。
【0040】
すなわち、復調モジュール100は、第1の合成TS信号c11および第2の合成TS信号c12という2系統のTS信号を出力する。
【0041】
復調モジュール100が上記構成を有することで、復調モジュール100を用いた受信装置101の形態に汎用性を持たすことが可能となる。例えば、4つの搬送波を用いた複数搬送波方式を受信する場合に、入力端子11~14から入力された信号を合成し、第1の合成TS信号c11を出力するという形態と、入力端子11~13および15から入力された信号を合成し、第1の合成TS信号c11を出力するという形態を、復調モジュール100を設計する際に選択することが可能となる。
【0042】
[1-3.受信装置の構成]
ここで、復調モジュール100を備える受信装置101の構成について、図5Aおよび図5Bを参照しながら説明する。
【0043】
前述したように、図5Aは、復調モジュール100を備える受信装置101の構成を示す図である。図5Bは、復調モジュール100内を伝送する信号の状況を示す図である。図5Bにおいて、「○」印は、信号が有効であることを示している。
【0044】
受信装置101は、複数のRF部と、複数の復調部と、復調モジュール100と、を備えている。複数のRFは、RF部61、RF部62、RF部63、RF部64、RF部65、RF部66、RF部67およびRF部68で構成されている。複数の復調部は、復調部72、復調部73、復調部74、復調部76、復調部77および復調部78で構成されている。
【0045】
RF部61~68は、通信ケーブル等で伝送された放送波から、所望の周波数帯の信号を取り出し、所定のIF周波数に変換して出力する。RF部61は、変換後の第1のIF信号i11を復調モジュール100の入力端子11へ出力する。RF部62~64は、変換後の信号を復調部72~74へ出力する。RF部65は、変換後の第2のIF信号i12を復調モジュール100の入力端子15へ出力する。RF部66~68は、変換後の信号を復調部76~78へ出力する。
【0046】
復調部72~74は、RF部62~64から出力された信号に基づいて、復調処理を行い、第1の入力TS信号t1a、t1b、t1cを復調モジュール100の入力端子12、13、14へ出力する。復調部76~78は、RF部66~68から出力された信号に基づいて、復調処理を行い、第2の入力TS信号t2a、t2b、t2cを復調モジュール100の入力端子16、17、18へ出力する。
【0047】
入力される放送信号の2つのコンテンツが互いに異なるコンテンツである場合、復調モジュール100の第1選択部112は、入力端子14から入力される信号を選択するように設定される。すなわち、第1選択部112は、第1の入力TS信号t1cを第3の内部TS信号ts3として出力するよう設定される(図5B参照)。一方、第2選択部122は、入力端子18から入力される信号を選択するように設定される。すなわち、第2選択部122は、第2の入力TS信号t2cを第4の内部TS信号ts4として出力するよう設定される(図5B参照)。第1選択部112および第2選択部122の設定は、例えば、復調モジュール100を製造する際に予め組み込まれる設定であるが、それに限られず、復調モジュール100を利用するユーザによって後から調整可能な設定であってもよい。
【0048】
上記構成を有する受信装置101では、例えば、4つの搬送波を用いた複数搬送波のデジタル放送を2チャネル同時に受信することができる。
【0049】
また、受信装置101において、復調処理に必要な部品は、復調部72、73、74、76、77、78および復調モジュール100の合計7つとなり、例えば、比較例1の復調モジュール1000を2つ用いた受信装置に比べて、部品点数を削減することができる。
【0050】
[1-4.実施の形態1の変形例1]
実施の形態1の変形例1に係る復調モジュール100Aについて、図6Aおよび図6Bを参照しながら説明する。この変形例1では、複数搬送波の放送信号が、RF部61、62、63、65のみに入力される例について説明する。
【0051】
変形例1の復調モジュール100Aは、1つのコンテンツが複数の搬送波に分割されて並行して送信されるデジタル放送の放送信号を復調処理して出力する。
【0052】
図6Aは、変形例1に係る復調モジュール100Aを備える受信装置101を示すブロック構成図である。図6Bは、変形例1に係る復調モジュール100A内を伝送する信号の状況を示す図である。図6Bにおいて、「○」印は、信号が有効であることを示し、「N/A」は、信号が未入力または不要であることを示している。
【0053】
図6Aに示すように、受信装置101は、複数のRF部と、複数の復調部と、復調モジュール100Aと、を備えている。複数のRFは、RF部61、RF部62、RF部63およびRF部65で構成されている。複数の復調部は、復調部72および復調部73で構成されている。
【0054】
RF部61~63および65は、通信ケーブル等で伝送された放送波から、所望の周波数帯の信号を取り出し、所定のIF周波数に変換して出力する。RF部61は、変換後の第1のIF信号i11を復調モジュール100Aの入力端子11へ出力する。RF部62、63は、変換後の信号を復調部72、73へ出力する。RF部65は、変換後の第2のIF信号i12を復調モジュール100Aの入力端子15へ出力する。
【0055】
復調部72および73は、復調部72および73に対応するRF部62および63から出力された信号に基づいて、復調処理を行い、第1の入力TS信号t1a、t1bを復調モジュール100Aの入力端子12、13へ出力する。
【0056】
復調モジュール100Aの第1選択部112は、入力される放送信号の2つのコンテンツが互いに同じコンテンツである場合に、第2復調部121から出力される第2の内部TS信号ts2を選択するよう設定される。すなわち、第1選択部112は、第2の内部TS信号ts2を第3の内部TS信号ts3として出力する(図6B参照)。第1合成部113は、複数のTS信号を合成し、第1の合成TS信号c11を出力する。一方、第2選択部122は、何も選択しないように設定され、第2合成部123からは、何も出力されない(図6Bのts4、c12を参照)。
【0057】
変形例1の復調モジュール100Aを有する受信装置101では、例えば、4つの搬送波を用いた1グループの搬送波のデジタル放送を受信することができる。
【0058】
また、この場合、受信装置101において、復調処理に必要な部品は、復調部72、73および復調モジュール100Aの合計3つとなり、例えば比較例1の受信装置1001で4つの復調部と1つの合成部を要する場合と比べて、部品点数を削減することができる。
【0059】
[1-5.実施の形態1の変形例2]
実施の形態1の変形例2に係る復調モジュール100Bについて、図7を参照しながら説明する。この変形例2では、復調モジュール100Bが、さらに、第3選択部132および第4選択部142を備えている例について説明する。
【0060】
図7は、実施の形態1の変形例2に係る復調モジュール100Bを示すブロック構成図である。
【0061】
変形例2に係る復調モジュール100Bは、図3の復調モジュール100の構成に加え、第1処理部110内に第3選択部132を有し、第2処理部120内に第4選択部142を有している。
【0062】
第3選択部132は、第1合成部113と出力端子11zとを結ぶ配線経路上に配置されている。第3選択部132には、第1合成部113から出力された第1の合成TS信号c11が入力され、また、第1復調部111から出力された第1の内部TS信号ts1が入力される。第3選択部132は、第1の合成TS信号c11および第1の内部TS信号ts1のいずれかの信号を選択し、選択した信号を第1の選択信号s11として、出力端子11zを介して外部へ出力する。第1の選択信号s11は、TS信号に属する信号である。このように、第3選択部132は、入力された複数の信号のうち、所定の信号を選択可能である。複数の信号のうちのいずれの信号を選択するかは、復調モジュール100Bの仕様または用途によって適宜設定される。
【0063】
例えば、第3選択部132は、第1復調部111で復調する放送方式が複数搬送波方式でない場合、第1復調部111から出力された第1の内部TS信号ts1を選択する。一方、第3選択部132は、第1復調部111で復調する放送方式が複数搬送波方式である場合、第1合成部113から出力された第1の合成TS信号c11を選択する。
【0064】
第4選択部142は、第2合成部123と出力端子12zとを結ぶ配線経路上に配置されている。第4選択部142には、第2合成部123から出力された第2の合成TS信号c12が入力され、また、第2復調部121から出力された第2の内部TS信号ts2が入力される。第4選択部142は、第2の合成TS信号c12および第2の内部TS信号ts2のいずれかの信号を選択し、選択した信号を第2の選択信号s12として、出力端子12zを介して外部へ出力する。第2の選択信号s12は、TS信号に属する信号である。このように、第4選択部142は、入力された複数の信号のうち、所定の信号を選択可能である。複数の信号のうちのいずれの信号を選択するかは、復調モジュール100Bの仕様または用途によって適宜設定される。
【0065】
例えば、第4選択部142は、第2復調部121で復調する放送方式が複数搬送波方式でない場合、第2復調部121から出力された第2の内部TS信号ts2を選択する。一方、第4選択部142は、第2復調部121で復調する放送方式が複数搬送波方式である場合、第2合成部123から出力された第2の合成TS信号c12を選択する。
【0066】
変形例2の復調モジュール100Bによれば、出力端子11zから複数搬送波伝送方式のストリームを出力しつつ、出力端子12zから地上デジタル放送やケーブル放送(単一搬送波)のストリームを出力することができる。
【0067】
図8Aは、変形例2に係る復調モジュール100Bを備える受信装置101を示すブロック構成図である。図8Bは、変形例2に係る復調モジュール100B内を伝送する信号の状況を示す図である。図8Bにおいて、「○」印は、信号が有効であることを示し、「N/A」は、信号が未入力または不要であることを示している。
【0068】
図8Aに示すように、受信装置101は、複数のRF部と、複数の復調部と、復調モジュール100Bと、を備えている。複数のRFは、RF部61、RF部62、RF部63、RF部64およびRF部65で構成されている。複数の復調部は、復調部72、復調部73および復調部74で構成されている。
【0069】
変形例2において、RF部61~64は、複数搬送波の信号を受信し、RF部65は単一搬送波の信号を受信する。RF部61~65は、通信ケーブル等で伝送された放送波から、所望の周波数帯の信号を取り出し、所定のIF周波数に変換して出力する。RF部61は、変換後の第1のIF信号i11を復調モジュール100Bの入力端子11へ出力する。RF部62~64は、変換後の信号を復調部72~74へ出力する。RF部65は、変換後の第2のIF信号i12を復調モジュール100Bの入力端子15へ出力する。
【0070】
復調部72~74は、復調部72~74に対応するRF部62~64から出力された信号に基づいて、復調処理を行い、第1の入力TS信号t1a、t1b、t1cを復調モジュール100Bの入力端子12、13、14へ出力する。
【0071】
変形例2では、復調モジュール100Bの第1選択部112は、入力端子14の信号を選択する。すなわち、第1選択部112は、第1の入力TS信号t1cを第3の内部TS信号ts3として出力するよう設定される(図8B参照)。
【0072】
第1合成部113は、第1復調部111から入力された第1の内部TS信号ts1、および、入力端子12、13、14から入力された第1の入力TS信号t1a、t1b、t1cを合成し、第1の合成TS信号c11を第3選択部132へ出力する。
【0073】
第3選択部132は、第1の合成TS信号c11を選択し、第1の選択信号s11として出力端子11zへ出力する。一方、第4選択部142は、第2復調部121から入力された第2の内部TS信号ts2を選択し、第2の選択信号s12として出力端子12zへ出力する。
【0074】
変形例2の復調モジュール100Bを有する受信装置101では、出力端子11zから複数搬送波伝送方式のストリームを出力しつつ、出力端子12zから地上デジタル放送やケーブル放送(単一搬送波)のストリームを出力することができる。
【0075】
なお、上記では、第3選択部132に第1の内部TS信号ts1および第1の合成TS信号c11が入力される例を示したが、それに限られない。例えば、第3選択部132には、さらに、入力端子12~14を介して第1の入力TS信号t1a~t1cが入力され、第3選択部132は、第1の入力TS信号t1a、t1bまたはt1cを選択し、選択した信号を第1の選択信号s11として出力してもよい。同様に、上記では、第4選択部142に第2の内部TS信号ts2および第2の合成TS信号c12が入力される例を示したが、それに限られない。例えば、第4選択部142には、さらに、入力端子16~18を介して第2の入力TS信号t2a~t2cが入力され、第4選択部142は、第2の入力TS信号t2a、t2bまたはt2cを選択し、選択した信号を第2の選択信号s12として出力してもよい。
【0076】
[1-6.実施の形態1の変形例3]
実施の形態1の変形例3に係る復調モジュール100Cについて、図9Aおよび図9Bを参照しながら説明する。この変形例3では、受信装置101が、復調モジュール100Bおよび復調モジュール100Cを備えている例について説明する。
【0077】
図9Aは、変形例3に係る復調モジュール100Cを備える受信装置101を示すブロック構成図である。図9Bは、変形例3に係る復調モジュール100C内を伝送する信号の状況を示す図である。図9Bにおいて、「○」印は、信号が有効であることを示し、「N/A」は、信号が未入力または不要であることを示している。
【0078】
図9Aに示すように、受信装置101は、複数のRF部と、1つの復調部74と、復調モジュール100Cと、復調モジュール100Bと、を備えている。複数のRFは、RF部61、RF部62、RF部63、RF部64およびRF部65で構成されている。変形例3では、RF部62、63と復調モジュール100Bとを結ぶ配線経路上に、復調モジュール100Cが配置されている。復調モジュール100Cは、復調モジュール100Bと同じ仕様である。
【0079】
変形例3では、復調モジュール100Cの第3選択部132は、第1復調部111から出力された第1の内部TS信号ts1を選択し(図9B参照)、復調モジュール100Bの入力端子12へ出力する。また、第4選択部142は、第2復調部121から出力された第2の内部TS信号ts2を選択し(図9B参照)、復調モジュール100Bの入力端子13へ出力する。
【0080】
図9Aに示す復調モジュール100Bおよび100Cを備える受信装置101においても、部品点数を減らすことができる。また、出力端子11zから複数搬送波伝送方式のストリームを出力しつつ、出力端子12zから地上デジタル放送やケーブル放送(単一搬送波)のストリームを出力することができ、復調モジュール100Bおよび100Cを用いた受信装置101の設計に柔軟性を持たせることができる。
【0081】
[1-7.効果等]
本実施の形態の復調モジュール100は、1以上のコンテンツの少なくとも1つが複数の搬送波に分割されて並行して送信されるデジタル放送の放送信号を復調処理してTS信号を出力する復調モジュールであって、複数の搬送波の1つから生成された第1のIF信号i11および第1の入力TS信号t1cが入力される第1処理部110と、複数の搬送波の1つから生成された第2のIF信号i12が入力される第2処理部120と、を備える。第1処理部110は、第1復調部111、第1選択部112および第1合成部113を有し、第2処理部120は、第2復調部121を有する。第1復調部111は、第1処理部110に入力された第1のIF信号i11を復調処理して、復調処理に基づく第1の内部TS信号ts1を出力し、第2復調部121は、第2処理部120に入力された第2のIF信号i12を復調処理して、復調処理に基づく第2の内部TS信号ts2を出力する。第1選択部112は、第1の入力TS信号t1cおよび第2の内部TS信号ts2が入力され、第1の入力TS信号t1cおよび第2の内部TS信号ts2のいずれかを選択し、選択した信号を第3の内部TS信号ts3として出力する。第1合成部113は、第1の内部TS信号ts1および第3の内部TS信号ts3を含む複数のTS信号を合成して、第1の合成TS信号c11を出力する。
【0082】
このように、第1の入力TS信号t1cおよび第2の内部TS信号ts2のいずれかを選択することで、復調モジュール100から出力するTS信号を変えることができる。これにより、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール100を提供することができる。
【0083】
また、放送信号は、2つのコンテンツの少なくとも1つが複数の搬送波に分割されて並行して送信され、第1のIF信号i11および第1の入力TS信号t1cは、2つのコンテンツのうちの一方のコンテンツの放送信号に基づいて生成された信号であり、第2のIF信号i12は、2つのコンテンツのうちの他方のコンテンツの放送信号に基づいて生成された信号であってもよい。
【0084】
これによれば、一方のコンテンツおよび他方のコンテンツを用いて、復調モジュール100から出力するTS信号を変えることができる。これにより、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール100を提供することができる。
【0085】
また、2つのコンテンツは、互いに異なるコンテンツであり、第1選択部112は、第1の入力TS信号t1cを選択して第3の内部TS信号ts3として出力してもよい。
【0086】
これによれば、第3の内部TS信号ts3に基づいて、復調モジュール100から出力するTS信号を決定することができる。これにより、所定の受信形態に対応した復調モジュール100を提供することができる。
【0087】
また、第2処理部120は、さらに、第2選択部122および第2合成部123を有し、第2選択部122は、他方のコンテンツの放送信号に基づく第2の入力TS信号t2cおよび第1の内部TS信号ts1が入力され、第2の入力TS信号t2cおよび第1の内部TS信号ts1のいずれかを選択し、選択した信号を第4の内部TS信号ts4として出力してもよい。第2合成部123は、第2の内部TS信号ts2および第4の内部TS信号ts4を含む複数のTS信号を合成して、第2の合成TS信号c12を出力してもよい。
【0088】
このように、第2の入力TS信号t2cおよび第1の内部TS信号ts1のいずれかを選択することで、復調モジュール100から出力するTS信号を変えることができる。これにより、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール100を提供することができる。
【0089】
また、第1処理部110は、さらに、第3選択部132を有し、第2処理部120は、さらに、第4選択部142を有し、第3選択部132は、第1の内部TS信号ts1および第1の合成TS信号c11が入力され、第1の内部TS信号ts1および第1の合成TS信号c11のいずれかを選択し、選択した信号を第1の選択信号s11として出力してもよい。第4選択部142は、第2の内部TS信号ts2および第2の合成TS信号c12が入力され、第2の内部TS信号ts2および第2の合成TS信号c12のいずれかを選択し、選択した信号を第2の選択信号s12として出力してもよい。
【0090】
これによれば、第3選択部132および第4選択部142を用いて、復調モジュール100Bから出力するTS信号を変えることができる。これにより、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール100Bを提供することができる。
【0091】
また、放送信号は、1つのコンテンツが複数の搬送波に分割されて並行して送信され、第1のIF信号i11、第1の入力TS信号t1cおよび第2のIF信号i12は、1つのコンテンツの放送信号に基づいて生成された信号であり、第1選択部112は、第2の内部TS信号ts2を第3の内部TS信号ts3として出力してもよい。
【0092】
これによれば、第3の内部TS信号ts3に基づいて、復調モジュール100Aから出力するTS信号を決定することができる。これにより、所定の受信形態に対応した復調モジュール100Aを提供することができる。
【0093】
また、第1処理部110は、さらに、第3選択部132を有し、第2処理部120は、さらに、第4選択部142を有し、第3選択部132は、第1の内部TS信号ts1および第1の合成TS信号c11が入力され、第1の内部TS信号ts1および第1の合成TS信号c11のいずれかを選択し、選択した信号を第1の選択信号s11として出力してもよい。第4選択部142は、第2の内部TS信号ts2が入力され、第2の内部TS信号ts2を第2の選択信号s12として出力してもよい。
【0094】
これによれば、第3選択部132および第4選択部142を用いて、復調モジュール100Bから出力するTS信号を変えることができる。これにより、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール100Bを提供することができる。
【0095】
なお、実施の形態1および2の復調モジュール100~100Bにおいて、入力端子11~18および出力端子11z、12zは、端子の群であり、1つ以上の端子ピンからなる。例えば、入力端子12~14、16~18は、TS信号を入力するために、少なくともクロックとデータとの2つからなり、必要に応じて、パケットの先頭を示すパケットSYNC信号やデータの有効区間を示すValid信号などを入力する端子を有していてもよい。データをパラレルで入力する場合は、データは1bitでなく複数ビット(例えば2bitや8bit)でよく、それに応じて端子の数が設けられていてもよい。出力端子においても、出力のビット数に応じて端子の数が設けられていてもよい。また、例えば入力端子11は、IF信号の差動信号として2ピンとしてもよい。
【0096】
復調モジュール100~100Bは、それぞれ複数のチップを組み合わせて構築されてもよいし、それぞれ1つのLSI(Large Scale Integration)で構成されていてもよい。
【0097】
また、実施の形態1では、複数搬送波方式を4つの搬送波を用いる構成として説明したが、これに限られず、搬送波は2波または3波でもよい。その場合、搬送波数に必要な数のRF部および復調部を用い、任意の入力端子を用いて合成すればよい。
【0098】
(実施の形態2)
[2-1.本開示に至る経緯]
本開示に至る経緯について、比較例2である図10を参照しながら説明する。
【0099】
TVの裏番組を録画するために、複数のチャネル(Channel)の放送信号を複数のRF部(チューナ)に入力し、複数のRF部から出力された信号をデジタル変換して復調した後、複数のTS信号を出力する受信装置が知られている。
【0100】
図10は、比較例2の復調モジュール2000を示すブロック構成図である。
【0101】
比較例2の復調モジュール2000は、AD変換部2210と、AD変換部2220と、復調誤り訂正部2230と、復調誤り訂正部2240とを備えている。
【0102】
比較例2の受信装置では、放送波をRF部(図示省略)で選局し、IF信号またはベースバンド信号に変換して、変換後のRF出力信号を復調モジュール2000へ出力する。この復調モジュール2000では、RF出力信号をAD変換部2210でAD変換した後、復調誤り訂正部2230で復調および誤り訂正を行い、TS信号を出力する。同様に、復調モジュール2000では、RF出力信号をAD変換部2220でAD変換した後、復調誤り訂正部2240で復調および誤り訂正を行い、TS信号を出力する。これにより、同一もしくは異なるチャネルを受信し、2つのTS信号を出力する。
【0103】
受信装置では、受信装置を新たに設置したり移動させたりした場合に、最初のチャネル設定として、チャネルサーチを行う。このチャネルサーチにより、設置された受信環境で受信可能なチャネル情報を取得する。
【0104】
チャネルサーチでは1系統のみの動作で全チャネルの受信可否を順次確認していくが、復調処理を行う際に、送信パラメータが不明なため、1つのチャネルの受信可否を確認するために、例えば、64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)設定での受信可否を確認し、次に、256QAM設定での受信可否を確認するといったように確認することとなり、1つのチャネルの受信可否の確認時間が長くなるという問題がある。
【0105】
それに対し本開示の復調モジュールは、以下に示す構成を有することで、例えば64QAMまたは256QAMなどの様々な受信形態に対応し、柔軟性の高い使い方をすることができる。
【0106】
[2-2.復調モジュールの構成]
実施の形態2に係る復調モジュール200について、図11Aおよび図11Bを参照しながら説明する。復調モジュール200は、デジタル放送の放送信号を復調処理し、2系統のTS信号を出力するモジュールである。なお、本実施の形態では、映像/音声の出力形式をTSとして説明するが、それに限られず、TLVパケットの出力形式をTSとしてもよい。
【0107】
図11Aは、実施の形態2に係る復調モジュール200を示すブロック構成図である。
【0108】
図11Aに示すように、復調モジュール200は、第1AD変換部210と、第2AD変換部220と、第1復調誤り訂正部230と、第2復調誤り訂正部240と、TS選択部250とを備えている。また、復調モジュール200は、入力端子21、22および出力端子21z、22zを備えている。
【0109】
入力端子21は、第1AD変換部210に接続され、入力端子22は、第2AD変換部220に接続されている。第1AD変換部210の出力側は、第1復調誤り訂正部230に接続され、第2AD変換部220の出力側は、第2復調誤り訂正部240に接続されている。第1復調誤り訂正部230の出力側は、TS選択部250に接続され、第2復調誤り訂正部240の出力側は、TS選択部250および出力端子22zのそれぞれに接続されている。TS選択部250の出力側は、出力端子21zに接続されている。
【0110】
入力端子21には、第1のIF信号i21が入力され、入力端子22には、第2のIF信号i22が入力される。第1のIF信号i21および第2のIF信号i22は、放送信号をRF処理等することで生成された信号である。
【0111】
第1AD変換部210には、放送信号に基づいて生成された第1のIF信号i21が入力される。第1AD変換部210は、第1のIF信号i21に対しAD変換処理を行い、AD変換処理に基づく第1の変換信号c21を生成する。第1AD変換部210は、第1の変換信号c21を第1復調誤り訂正部230へ出力する。
【0112】
第1復調誤り訂正部230は、第1の変換信号c21に対して同期処理、波形等化処理および誤り訂正処理の少なくとも1つの処理を含む第1の復調処理を行い、第1の復調処理に基づく第1のTS信号t21を生成する。第1復調誤り訂正部230は、第1のTS信号t21をTS選択部250へ出力する。
【0113】
第2AD変換部220は、放送信号に基づいて生成された第2のIF信号i22が入力される。第2AD変換部220は、第2のIF信号i22に対してAD変換処理を行い、AD変換処理に基づく第2の変換信号c22を生成する。第2AD変換部220は、第2の変換信号c22を第2復調誤り訂正部240へ出力する。
【0114】
第2復調誤り訂正部240は、第2の変換信号c22に対して同期処理、波形等化処理および誤り訂正処理の少なくとも1つの処理を含む第2の復調処理を行い、第2の復調処理に基づく第2のTS信号t22を生成する。第2復調誤り訂正部240は、第2のTS信号t22をTS選択部250および出力端子22zへ出力する。
【0115】
TS選択部250は、第1のTS信号t21および第2のTS信号t22が入力される。TS選択部250は、第1のTS信号t21および第2のTS信号t22のいずれかのTS信号を選択し、選択した信号を出力端子21zへ出力する。このように、TS選択部250は、入力された複数の信号のうち、所定の信号を選択可能である。複数の信号のうちのいずれの信号を選択するかは、復調モジュール200の仕様または用途によって適宜設定される。
【0116】
復調モジュール200は、このTS選択部250により、第1のTS信号t21および第2のTS信号t22という2系統のTS信号を出力することが可能であり、また、第2のTS信号t22という1系統のTS信号を出力することが可能である。
【0117】
復調モジュール200は、複数のチャネルの放送信号を通常受信する第1のモードM21、および、受信可能な放送信号をパラレルに受信する第2のモードM22を有している。第1のモードM21は、放送番組の視聴および録画を目的としてデジタル放送を受信する場合に利用できる。第2のモードM22は、例えばチャネルサーチなど、1系統のTS出力のみを必要とする場合に利用できる。
【0118】
TS選択部250は、第1のモードM21において、第1復調誤り訂正部230から出力された第1のTS信号t21を選択する。つまり、復調モジュール200は、2つのRF部で同一もしくは異なるチャネルが選局された状態において、第1復調誤り訂正部230および第2復調誤り訂正部240で生成された第1のTS信号t21および第2のTS信号t22を、出力端子21z、22zから出力する。
【0119】
また、TS選択部250は、第2のモードM22において、第1のTS信号t21および第2のTS信号t22のうち正しく復調できているTS信号を選択する。つまり、復調モジュール200は、2つのRF部で同じチャネルが選局された状態において、第1復調誤り訂正部230と第2復調誤り訂正部240とで異なる受信設定で復調処理をする。例えば、第1復調誤り訂正部230は、64QAM設定で復調処理をし、第2復調誤り訂正部240は、256QAM設定で復調処理をする。そして、TS選択部250では、第1復調誤り訂正部230と第2復調誤り訂正部240のうち、正しく復調できたほうの出力を選択し、出力端子21zから出力する。
【0120】
なお、第1復調誤り訂正部230および第2復調誤り訂正部240にて正しく復調できたか否かの指標は、例えば、各復調誤り訂正部からの同期信号やエラーフリーフラグなどに基づいて判断される。
【0121】
図11Bは、復調モジュール200内を伝送する信号の形態を示す図である。図11Bには、第1のモードM21および第2のモードM22における入力端子22の信号、および、TS選択部250が選択する信号が示されている。
【0122】
図11Bに示すように、復調モジュール200は、第1のモードM21において、比較例2と同様に、2つのTS信号(第1のTS信号t21および第2のTS信号t22)を出力することができる。また、第2のモードM22では、異なる受信設定で同時に受信可否を確認し、受信が可能となったほうの復調誤り訂正部から出力されるTS信号を選択し、出力することができる。
【0123】
これにより、複数の受信形態に対応した柔軟性の高い使い方をすることができる復調モジュール200を提供することができる。また、第2のモードM22では、放送信号をパラレルに受信してチャネルサーチを完了する時間を短縮することができる。
【0124】
[2-3.実施の形態2の変形例1]
実施の形態2の変形例1に係る復調モジュール200Aについて、図12Aおよび図12Bを参照しながら説明する。この変形例1では、復調モジュール200Aが、TS選択部250に加え、第1選択部260を備えている例について説明する。
【0125】
図12Aは、実施の形態2の変形例1に係る復調モジュール200Aを示すブロック構成図である。
【0126】
変形例1の復調モジュール200Aは、第1AD変換部210と、第2AD変換部220と、第1復調誤り訂正部230と、第2復調誤り訂正部240と、TS選択部250と、第1選択部260と、を備えている。また、復調モジュール200Aは、入力端子21、22および出力端子21z、22zを備えている。
【0127】
入力端子21は、第1AD変換部210に接続され、入力端子22は、第2AD変換部220に接続されている。第1AD変換部210の出力側は、第1復調誤り訂正部230および第1選択部260に接続され、第2AD変換部220の出力側は、第1選択部260に接続されている。第1選択部260の出力側は、第2復調誤り訂正部240に接続されている。第1復調誤り訂正部230の出力側は、TS選択部250に接続され、第2復調誤り訂正部240の出力側は、TS選択部250および出力端子22zのそれぞれに接続されている。TS選択部250の出力側は、出力端子21zに接続されている。
【0128】
入力端子21には、第1のIF信号i21が入力され、入力端子22には、第2のIF信号i22が入力される。第1のIF信号i21および第2のIF信号i22は、放送信号をRF処理等することで生成された信号である。
【0129】
第1AD変換部210は、放送信号に基づいて生成された第1のIF信号i21が入力される。第1AD変換部210は、第1のIF信号i21に対してAD変換処理を行い、AD変換処理に基づく第1の変換信号c21を生成する。第1AD変換部210は、第1の変換信号c21を第1復調誤り訂正部230および第1選択部260へ出力する。
【0130】
第1復調誤り訂正部230は、第1の変換信号c21に対して同期処理、波形等化処理および誤り訂正処理の少なくとも1つの処理を含む第1の復調処理を行い、第1の復調処理に基づく第1のTS信号t21を生成する。第1復調誤り訂正部230は、第1のTS信号t21をTS選択部250へ出力する。
【0131】
第2AD変換部220は、放送信号に基づいて生成された第2のIF信号i22が入力される。第2AD変換部220は、第2のIF信号i22に対してAD変換処理を行い、AD変換処理に基づく第2の変換信号c22を生成する。第2AD変換部220は、第2の変換信号c22を第1選択部260へ出力する。
【0132】
第1選択部260には、第1の変換信号c21および第2の変換信号c22が入力される。第1選択部260は、第1の変換信号c21および第2の変換信号c22のいずれかの変換信号を選択し、選択した信号を第1の選択信号s26として、第2復調誤り訂正部240へ出力する。このように、第1選択部260は、入力された複数の信号のうち、所定の信号を選択可能である。複数の信号のうちのいずれの信号を選択するかは、復調モジュール200Aの仕様または用途によって適宜設定される。
【0133】
第2復調誤り訂正部240は、入力された第1の選択信号s26に対して同期処理、波形等化処理および誤り訂正処理の少なくとも1つの処理を含む第2の復調処理を行い、第2の復調処理に基づく第2のTS信号t22を生成する。第2復調誤り訂正部240は、第2のTS信号t22をTS選択部250および出力端子22zへ出力する。
【0134】
TS選択部250には、第1のTS信号t21および第2のTS信号t22が入力される。TS選択部250は、第1のTS信号t21および第2のTS信号t22のいずれかのTS信号を選択し、出力端子21zへ出力する。
【0135】
第1選択部260は、2チャネルを受信する第1のモードM21において、第2AD変換部220から出力された第2の変換信号c22を選択し、これを第1の選択信号s26として第2復調誤り訂正部240へ出力する。つまり、復調モジュール200Aは、同一もしくは異なるチャネルが選局された状態において、第1復調誤り訂正部230および第2復調誤り訂正部240で生成された第1のTS信号t21および第2のTS信号t22を、出力端子21z、22zから出力する。
【0136】
一方、第1選択部260は、パラレルにチャネルを受信する第2のモードM22において、第1の変換信号c21を選択し、これを第1の選択信号s26として出力する。
【0137】
図12Bは、復調モジュール200A内を伝送する信号の形態を示す図である。図12Bには、第1のモードM21および第2のモードM22において、第1選択部260が選択する信号、および、TS選択部250が選択する信号が示されている。
【0138】
図12Bに示すように、復調モジュール200Aは、第1のモードM21において、比較例2と同様に、2つのTS信号を出力することができる。また、第2のモードM22では、異なる受信設定で同時に受信可否を確認し、受信が可能となったほうの復調誤り訂正部から出力されるTS信号を選択し、出力することができる。
【0139】
これにより、複数の受信形態を実現することができ、柔軟性の高い使い方をすることができる復調モジュール200Aを提供することができる。
【0140】
また、第2のモードM22において、実施の形態2の復調モジュール200では、2つのRF部で同じチャネルを設定する必要があるが、変形例1の復調モジュール200Aでは、第1AD変換部210から出力された第1の変換信号c21を選択するので、入力端子22の信号は不要となり、入力端子22に接続されるRF部の選局(チューニング)が不要となる。
【0141】
また、変形例1の復調モジュール200Aでは、常に1系統のTS信号しか出力しない場合、復調モジュール200Aを第2のモードM22で使用する場合でも、常に入力端子22に対する入力が不要となる。この場合、受信装置のRF部が1つで済み、部品点数を削減することができる。
【0142】
[2-4.実施の形態2の変形例2]
実施の形態2の変形例2に係る復調モジュール200Bについて、図13Aおよび図13Bを参照しながら説明する。この変形例2では、復調モジュール200Bが、TS選択部250に加え、第2選択部270を備えている例について説明する。
【0143】
図13Aは、実施の形態2の変形例2に係る復調モジュール200Bを示すブロック構成図である。
【0144】
変形例2の復調モジュール200Bは、第1AD変換部210と、第2AD変換部220と、第1復調誤り訂正部230と、第2復調誤り訂正部240と、TS選択部250と、第2選択部270と、を備えている。また、復調モジュール200Bは、入力端子21、22および出力端子21z、22zを備えている。
【0145】
入力端子21は、第1AD変換部210および第2選択部270に接続され、入力端子22は、第2選択部270に接続されている。第2選択部270の出力側は、第2AD変換部220に接続されている。第1AD変換部210の出力側は、第1復調誤り訂正部230に接続され、第2AD変換部220の出力側は、第2復調誤り訂正部240に接続されている。第1復調誤り訂正部230の出力側は、TS選択部250に接続され、第2復調誤り訂正部240の出力側は、TS選択部250および出力端子22zのそれぞれに接続されている。TS選択部250の出力側は、出力端子21zに接続されている。
【0146】
入力端子21には、第1のIF信号i21が入力され、入力端子22には、第2のIF信号i22が入力される。第1のIF信号i21および第2のIF信号i22は、放送信号をRF処理等することで生成された信号である。
【0147】
第1AD変換部210は、放送信号に基づいて生成された第1のIF信号i21が入力される。第1AD変換部210は、第1のIF信号i21に対してAD変換処理を行い、第1の変換信号c21を出力する。
【0148】
第1復調誤り訂正部230は、第1の変換信号c21に対して第1の復調処理を行い、第1のTS信号t21を出力する。
【0149】
第2選択部270には、第1のIF信号i21および第2のIF信号i22が入力される。第2選択部270は、第1のIF信号i21および第2のIF信号i22のいずれかのIF信号を選択し、選択した信号を第2の選択信号s27として第2AD変換部220へ出力する。このように、第2選択部270は、入力された複数の信号のうち、所定の信号を選択可能である。複数の信号のうちのいずれの信号を選択するかは、復調モジュール200Bの仕様または用途によって適宜設定される。
【0150】
第2AD変換部220には、入力された第2の選択信号s27に対してAD変換処理を行い、AD変換処理に基づく第2の変換信号c22を生成する。第2AD変換部220は、第2の変換信号c22を第2復調誤り訂正部240へ出力する。
【0151】
第2復調誤り訂正部240は、第2の変換信号c22に対して第2の復調処理を行い、第2のTS信号t22をTS選択部250および出力端子22zへ出力する。
【0152】
TS選択部250は、第1のTS信号t21および第2のTS信号t22が入力され、第1のTS信号t21および第2のTS信号t22のいずれかのTS信号を選択し、出力端子21zへ出力する。
【0153】
第2選択部270は、2チャネルを受信する第1のモードM21において、入力端子22を介して入力された第2のIF信号i22を選択し、第2AD変換部220へ出力する。つまり、復調モジュール200Bは、同一もしくは異なるチャネルが選局された状態において、第1復調誤り訂正部230および第2復調誤り訂正部240で生成された第1のTS信号t21および第2のTS信号t22を、出力端子21z、22zから出力する。
【0154】
また、第2選択部270は、パラレルでチャネルを受信する第2のモードM22において、入力端子21を介して入力された第1のIF信号i21を選択する。
【0155】
図13Bは、復調モジュール200B内を伝送する信号の形態を示す図である。図13Bには、第1のモードM21および第2のモードM22において、第2選択部270が選択する信号、および、TS選択部250が選択する信号が示されている。
【0156】
図13Bに示すように、復調モジュール200Bは、第1のモードM21において、比較例2と同様に、2つのTS信号を出力することができる。また、第2のモードM22では、異なる受信設定で同時に受信可否を確認し、受信が可能となったほうの復調誤り訂正部から出力されるTS信号を選択し、出力することができる。
【0157】
これにより、複数の受信形態を実現することができ、柔軟性の高い使い方をすることができる復調モジュール200Bを提供することができる。
【0158】
また、第2のモードM22において、実施の形態2の復調モジュール200では、2つのRF部で同じチャネルを設定する必要があるが、変形例2の復調モジュール200Bでは、第1AD変換部210から出力された第1の変換信号c21を選択するので、入力端子22の信号は不要となり、入力端子22に接続されるRF部の選局が不要となる。
【0159】
また、変形例2の復調モジュール200Bでは、常に1系統のTS信号しか出力しない場合、復調モジュール200Bを第2のモードM22で使用する場合でも、常に入力端子22に対する入力が不要となる。この場合、受信装置のRF部が1つで済み、部品点数を削減することができる。
【0160】
[2-5.効果等]
本実施の形態の復調モジュール200は、デジタル放送の放送信号を復調処理し、2系統のTS信号を出力する復調モジュールであって、放送信号に基づいて生成された第1のIF信号i21が入力され、第1のIF信号i21に対してAD変換処理を行い、AD変換処理に基づく第1の変換信号c21を出力する第1AD変換部210と、第1の変換信号c21に対して同期処理、波形等化処理および誤り訂正処理の少なくとも1つの処理を含む第1の復調処理を行い、第1の復調処理に基づく第1のTS信号t21を出力する第1復調誤り訂正部230と、放送信号に基づいて生成された第2のIF信号i22が入力され、第2のIF信号i22に対してAD変換処理を行い、AD変換処理に基づく第2の変換信号c22を出力する第2AD変換部220と、第2の変換信号c22に対して同期処理、波形等化処理および誤り訂正処理の少なくとも1つの処理を含む第2の復調処理を行い、第2の復調処理に基づく第2のTS信号t22を出力する第2復調誤り訂正部240と、第1のTS信号t21および第2のTS信号t22が入力され、第1のTS信号t21および第2のTS信号t22のいずれかのTS信号を選択して出力するTS選択部250と、を備える。
【0161】
これによれば、復調モジュール200が2つのTS信号(第1のTS信号t21および第2のTS信号t22)を別々に出力すること、または、2つのTS信号のいずれか一方を出力することができる。これにより、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール200を提供することができる。
【0162】
また、復調モジュール200は、第1のモードM21および第2のモードM22を有し、TS選択部250は、第1のモードM21において第1のTS信号t21を選択し、第2のモードM22において、第1のTS信号t21および第2のTS信号t22のうち正しく復調できているTS信号を選択してもよい。
【0163】
これによれば、第1のモードM21にて2つのTS信号を別々に出力すること、または、第2のモードM22にて2つのTS信号のうちの正しく復調できているTS信号を出力することができる。これにより、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール200を提供することができる。
【0164】
また、第1のモードM21は、複数のチャネルの放送信号を通常受信するモードであり、第2のモードM22は、受信可能な放送信号をパラレルに受信するモードであってもよい。
【0165】
これによれば、放送信号を通常受信するときに、2つのTS信号を別々に出力すること、または、受信可能な放送信号をパラレルに受信するときに、2つのTS信号のうちの正しく復調できているTS信号を出力することができる。これにより、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール200を提供することができる。
【0166】
また、復調モジュール200Aは、さらに、第1の変換信号c21および第2の変換信号c22が入力され、第1の変換信号c21および第2の変換信号c22のいずれかを選択して、選択した信号を第1の選択信号s26として出力する第1選択部260を備えている。第1選択部260は、第1のモードM21において第2の変換信号c22を第1の選択信号s26として出力し、または、第2のモードM22において第1の変換信号c21を第1の選択信号s26として出力してもよい。第2復調誤り訂正部240は、第2の変換信号c22の代わりに第1の選択信号s26が入力され、当該第1の選択信号s26に対して第2の復調処理を行い、第2の復調処理に基づく第2のTS信号t22を出力してもよい。
【0167】
これによれば、第1のモードM21にて2つのTS信号を別々に出力すること、または、第2のモードM22にて2つのTS信号のうちの1つのTS信号を出力することができる。これにより、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール200Aを提供することができる。
【0168】
また、復調モジュール200Bは、さらに、第1のIF信号i21および第2のIF信号i22が入力され、第1のIF信号i21および第2のIF信号i22のいずれかを選択して第2の選択信号s27として出力する第2選択部270を備えている。第2選択部270は、第1のモードM21において第2のIF信号i22を第2の選択信号s27として出力し、または、第2のモードM22において第1のIF信号i21を第2の選択信号s27として出力する。第2AD変換部220は、第2のIF信号i22の代わりに第2の選択信号s27が入力され、当該第2の選択信号s27に対してAD変換処理を行い、AD変換処理に基づく第2の変換信号c22を出力してもよい。
【0169】
これによれば、第1のモードM21にて2つのTS信号を別々に出力すること、または、第2のモードM22にて2つのTS信号のうちの1つのTS信号を出力することができる。これにより、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール200Bを提供することができる。
【0170】
なお、実施の形態2では、第2のモードM22において、第1復調誤り訂正部230は64QAM設定とし、第2復調誤り訂正部240は256QAM設定とし、第1復調誤り訂正部230と第2復調誤り訂正部240とで異なる受信設定で復調処理をしたが、これに限られない。例えば、受信設定は、16QAMなどの設定であってもよい。
【0171】
また、受信設定は、第1復調誤り訂正部230と第2復調誤り訂正部240とで共通(例えば、どちらも64QAMなど)とし、その他の受信パラメータを第1復調誤り訂正部230と第2復調誤り訂正部240とで変えてもよい。変える場合の受信パラメータとしては、例えば、波形等化用のイコライザーのタップ数、ステップサイズ、周波数同期や位相同期のループフィルタ係数等が挙げられる。受信信号は、マルチパスや狭帯域妨害など様々な干渉の影響を受け、これらの受信パラメータ設定の差異により、マルチパス環境に強いが狭帯域妨害に弱いといったトレードオフがある。このトレードオフの関係のパラメータ群を、例えば、第1復調誤り訂正部230をマルチパス環境重視のパラメータ設定とし、第2復調誤り訂正部240を狭帯域妨害重視のパラメータ設定とすることで、いずれか受信状態の良好な設定でのTS信号を選択して出力することができる。これにより、対応可能な受信環境を広げることが可能となる。
【0172】
また、チャネルサーチによって受信可能となった受信パラメータをメモリ(図示省略)に記憶しておき、通常受信時に、メモリに記憶した受信パラメータを用いて、第1復調誤り訂正部230または第2復調誤り訂正部240の処理を実行してもよい。
【0173】
復調モジュール200~200Bは、それぞれ複数のチップを組み合わせて構成されてもよいし、それぞれ1つのLSIで構成されてもよい。また、入力端子21、22および、出力端子21z、出力端子22zは、端子の群であり、1つ以上の端子ピンで構成されていてもよい。
【0174】
(実施の形態3)
[3-1.本開示に至る経緯]
本開示に至る経緯について、比較例3である図14Aおよび図14Bを参照しながら説明する。
【0175】
TVの裏番組を録画するために、複数のチャネル(Channel)の放送信号を複数のRF部(チューナ)に入力する受信装置が知られている。受信装置には、複数のRF部から出力された信号をデジタル変換して復調した後、複数のTS信号を出力する復調モジュールが内蔵されている。なお、本実施の形態では、映像/音声の出力形式をTSとして説明するが、それに限られず、TLVパケットの出力形式をTSとしてもよい。
【0176】
図14Aは、比較例3の復調モジュール3000を示すブロック構成図である。
【0177】
比較例3の復調モジュール3000は、復調部3310と、復調部3320と、信号整形部3330と、信号整形部3340とを備えている。また、復調モジュール3000は、入力端子31、32および出力端子31a、32aを備えている。
【0178】
入力端子31、32には、2つのRF部(図示省略)から出力された、同一もしくは異なるチャネルの信号が入力される。
【0179】
入力端子31を介して入力された信号は、復調部3310にてAD変換処理、復調処理および誤り訂正処理が実行される。復調部3310から出力された信号は、信号整形部3330にて、TS信号のデータ形式が1bitのシリアル形式または8bitのパラレル形式となるように整形される。整形されたTS信号は、出力端子31aから出力される。
【0180】
入力端子32を介して入力された信号は、復調部3320にてAD変換処理、復調処理および誤り訂正処理が実行される。復調部3320から出力された信号は、信号整形部3340にて、TS信号のデータ形式が1bitのシリアル形式または8bitのパラレル形式となるように整形される。整形されたTS信号は、出力端子32aから出力される。
【0181】
出力端子31aおよび32aは、少なくとも1つ以上の端子から構成される端子群である。
【0182】
図14Bは、比較例3の復調モジュール3000の出力端子31a、32aの端子割り当てを示す図である。
【0183】
図14Bに示すクロックは、TSデータのタイミングを示すクロックであり、パケット同期信号は、パケットの先頭を示す信号であり、Valid信号は、有効データを示す信号である。データは、1bitシリアル形式においてデータ0であり、8bitパラレル形式においてデータ0~7である。汎用出力信号は、汎用的に使用できる信号であり、復調の状態(同期、エラー有無)などを示すことに使用できる。この端子割り当てにより、同一もしくは異なるチャネルを受信し、2つのTS信号を出力している。
【0184】
昨今において、復調モジュールの実装面積を小さくすることが望まれているが、このような複数チャネルを受信する復調モジュールは、端子が多くなるため、復調モジュールを小さくすることが困難である。
【0185】
それに対し本開示の復調モジュールは、以下に示す構成を有することで、様々な受信形態に対応する端子割り当てを有し、柔軟性の高い使い方をすることができる。
【0186】
[3-2.復調モジュールの構成]
実施の形態3に係る復調モジュール300の構成について、図15図19を参照しながら説明する。
【0187】
図15は、実施の形態3に係る復調モジュール300を示すブロック構成図である。
【0188】
図15に示すように、復調モジュール300は、第1復調部310、第2復調部320、第1信号整形部330、第2信号整形部340および出力選択部350を備える。また、復調モジュール300は、入力端子31、32および出力端子31z、32zを備える。
【0189】
入力端子31は、第1復調部310に接続され、入力端子32は、第2復調部320に接続されている。第1復調部310の出力側は、第1信号整形部330に接続され、第2復調部320の出力側は、第2信号整形部340に接続されている。第1信号整形部330および第2信号整形部340の出力側は、出力選択部350に接続されている。出力選択部350の出力側は、出力端子31zおよび32zに接続されている。
【0190】
入力端子31には、第1のIF信号i31が入力され、入力端子32には、第2のIF信号i32が入力される。第1のIF信号i31および第2のIF信号i32は、放送信号をRF処理等することで生成された信号である。
【0191】
第1復調部310には、放送信号に基づいて生成された第1のIF信号i31が入力される。第1復調部310は、第1のIF信号i31に対して復調処理を行って第1のTS信号t31を生成し、第1のTS信号t31を第1信号整形部330へ出力する。
【0192】
第1信号整形部330は、第1のTS信号t31を整形して所定の出力形式を有する第1の整形TS信号f31を生成する。例えば、第1信号整形部330は、第1のTS信号t31を整形して、1ビット形式、2ビット形式および8ビット形式のいずれかの形式を有する第1の整形TS信号f31を生成する。第1信号整形部330は、第1の整形TS信号f31を出力選択部350へ出力する。
【0193】
第2復調部320には、放送信号に基づいて生成された第2のIF信号i32が入力される。第2復調部320は、第2のIF信号i32に対して復調処理を行って第2のTS信号t32を生成し、第2のTS信号t32を第2信号整形部340へ出力する。
【0194】
第2信号整形部340は、第2のTS信号t32を整形して所定の出力形式を有する第2の整形TS信号f32を生成する。例えば、第2信号整形部340は、第2のTS信号t32を整形して、1ビット形式、2ビット形式および8ビット形式のいずれかの形式を有する第2の整形TS信号f32を生成する。第2信号整形部340は、第2の整形TS信号f32を出力選択部350へ出力する。
【0195】
出力選択部350には、第1の整形TS信号f31および第2の整形TS信号f32が入力される。出力選択部350は、第1の整形TS信号f31および第2の整形TS信号f32を第1出力端子群G31および第2出力端子群G32(図17参照)へ振り分けて出力する。すなわち、復調モジュール300では、第1の整形TS信号f31および第2の整形TS信号f32という2系統のTS信号を出力する。このように、出力選択部350は、入力された複数の信号のうち、所定の信号を選択可能である。複数の信号のうちのいずれの信号を選択するかは、復調モジュール300の仕様または用途によって適宜設定される。
【0196】
本実施の形態の復調モジュール300は、第1出力形態M31および第2出力形態M32のいずれかの形態を有する。
【0197】
第1出力形態M31は、第1信号整形部330が1ビット形式の第1の整形TS信号f31を出力して、出力選択部350が第1の整形TS信号f31を第1出力端子群G31へ出力し、かつ、第2信号整形部340が1ビット形式の第2の整形TS信号f32を出力して、出力選択部350が、第2の整形TS信号f32を第2出力端子群G32へ出力する形態である。
【0198】
第2出力形態M32は、第1信号整形部330が8ビット形式の第1の整形TS信号f31を出力して、出力選択部350が、第1の整形TS信号f31を第1出力端子群G31および第2出力端子群G32へ分割して出力する形態である。
【0199】
すなわち、出力選択部350では、第1の整形TS信号f31と第2の整形TS信号f32を同時出力する場合と、第1の整形TS信号f31のみを出力する場合と、第2の整形TS信号f32のみを出力する場合とで、端子の割り当てを変える。そのために、出力選択部350は、出力信号を選択する機能を有している。
【0200】
図16は、復調モジュール300を備える受信装置301を示すブロック構成図である。図17は、復調モジュール300の出力端子31z、32zの端子割り当てを示す図である。
【0201】
図17に示す出力端子31zは、複数の端子T1、T2、T3、T4、T5、T6によって構成される第1出力端子群G31である。図17に示す出力端子32zは、複数の端子T7、T8、T9、T10、T11、T12によって構成される第2出力端子群G32である。復調モジュール300は、LSIで構成されていてもよい。その場合のパッケージ上の端子ピンのピッチは、例えば0.4mm以下であり、パッケージサイズは、例えば49mm以下である。端子群の端子のピン数は64pin以下であってもよい。ダイバッドをエクスポーズパッド(Exposed Pad)として使用する場合は、端子のピン数は65pin以下であってもよい。なお、端子T1~T6は一例であり、端子数や並び順は本例に限られない。また、パラレル時のビット数は2ビットや8ビットに限られない。
【0202】
図16の(a)および図17の(a)には、第1出力形態M31を有する復調モジュール300が示されている。第1出力形態M31では、1bitシリアル形式で第1出力端子群G31(出力端子31z)から第1の整形TS信号f31のみが出力され、1bitシリアル形式で第2出力端子群G32(出力端子32z)から第2の整形TS信号f32のみが出力される。第1出力形態M31では、8bitパラレル形式ではなく、1bitシリアル形式のみの信号が出力される。
【0203】
図16の(b)および図17の(b)には、第2出力形態M32を有する復調モジュール300が示されている。第2出力形態M32では、8bitパラレル形式で第1出力端子群G31および第2出力端子群G32から第1の整形TS信号f31のみが出力されている。
【0204】
図16の(c)および図17の(c)には、1bitシリアル形式で第1出力端子群G31から第1の整形TS信号f31のみが出力される端子割り当てが示されている。
【0205】
図16の(d)および図17の(d)には、第3出力形態M33を有する復調モジュール300が示されている。第3出力形態M33は、第2信号整形部340が8ビット形式の第2の整形TS信号f32を出力して、出力選択部350が第2の整形TS信号f32を第1出力端子群G31および第2出力端子群G32へ分割して出力する形態である。第3出力形態M33では、8bitパラレル形式で第1出力端子群G31および第2出力端子群G32から第2の整形TS信号f32が分割して出力される。
【0206】
図16の(e)および図17の(e)には、1bitシリアル形式で出力端子31zから第2の整形TS信号f32のみが出力される端子割り当てが示されている。
【0207】
上記復調モジュール300では、第1の整形TS信号f31と第2の整形TS信号f32を同時に出力する時は、8bitパラレル形式を取りやめることで、全体の端子数を削減することができる。また、復調モジュール300を、1つの整形TS信号(f31もしくはf32)の出力として使用する場合に、余った端子を有効に使うことで、比較例3と同様に8bitパラレル形式の出力も可能となる。
【0208】
このように、復調モジュール300の端子を削減することで復調モジュール300の小型化をはかりつつ、2つのチャネルのTS信号を出力することが可能である。
【0209】
なお、上記では、第1信号整形部330および第2信号整形部340にて1bitシリアル形式または8bitパラレル形式の形式で整形する例を説明したが、これに限られず、例えば、2bitパラレル形式で整形してもよい。2bitパラレル形式の場合は、データ0~1としてもよい。
【0210】
図18は、他の例の復調モジュール300を備える受信装置301を示すブロック構成図である。図19は、他の例の復調モジュール300の出力端子31z、32zの端子割り当てを示す図である。
【0211】
図18の(a)および図19の(a)には、2bitパラレル形式で第1出力端子群G31から第1の整形TS信号f31のみが出力され、2bitパラレル形式で第2出力端子群G32から第2の整形TS信号f32のみが出力される端子割り当てが示されている。
【0212】
図18の(b)および図19の(b)には、第4出力形態M34を有する復調モジュール300が示されている。第4出力形態M34は、第2信号整形部340が2ビット形式を有する第2の整形TS信号f32を出力して、出力選択部350が第2の整形TS信号f32を第1出力端子群G31のみへ出力する形態である。第4出力形態M34では、2bitパラレル形式で第1出力端子群G31から第2の整形TS信号f32が出力される。
【0213】
図17および図19に示す端子割り当てにより、様々な受信形態に対応した汎用性の高い復調モジュール300を提供することができる。
【0214】
[3-3.実施の形態3の変形例1]
実施の形態3の変形例1に係る復調モジュール300Aについて、図20を参照しながら説明する。
【0215】
図20は、実施の形態3の変形例1に係る復調モジュール300Aを示すブロック構成図である。
【0216】
変形例1の復調モジュール300Aは、図15に示す復調モジュール300に対して第2復調部320および第2信号整形部340を除いた構成とし、一方で、復調モジュール300Aにおける端子数と大きさを、復調モジュール300と同一としている。
【0217】
実施の形態3の復調モジュール300は、2つの復調処理により2つのTS信号を出力するのに対し、変形例1の復調モジュール300Aは、1つの復調処理により、1つのTS信号を出力する。復調モジュール300Aにて必要となる端子数は復調モジュール300より少ないが、変形例1ではあえて、復調モジュール300Aの端子数を復調モジュール300と同じにし、形状も同じにする。さらに、復調モジュール300Aのうち復調モジュール300と共通の構成部分にまつわる端子の場所も復調モジュール300と同一とする。これは、復調モジュール300および復調モジュール300AをそれぞれLSIとして実現した場合、外観形状が同じになるということである。
【0218】
このような構成により、2つのTS信号を出力する復調モジュール300と、1つのTS信号を出力する復調モジュール300Aとの入力/出力の端子数およびモジュールの形状を同一にする。そのため、復調モジュール300と復調モジュール300Aのどちらか一方のみを用いる受信装置において、同一の基板を用いることができ、同じエリアに、復調モジュール300または復調モジュール300Aを選択して実装することができ、出力するTS信号の数に関わらず、共通の基板を使用することができる。
【0219】
つまり、対応するチャネル数の異なる受信装置のラインナップ(例えば1つのチャネルを受信可能な受信装置と2つのチャネルを受信可能な受信装置)を構築するにあたって、共通の基板を用いることができ、製造コストを削減することができる。
【0220】
また、例えば、1つのTS用の復調モジュールと2つのTS用の復調モジュールの形状が異なる場合に、両方の実装エリアを確保して、どちらか一方のみを実装することで、共通基板とすることもできるが、この場合は、異なるモジュール形状のため、両方のエリア確保が必要となり、基板サイズが大きくなってしまう。それに対し、この復調モジュール300Aを用いることで、復調モジュール300Aのエリアを1つとすることができ、基板サイズを小さくすることができる。
【0221】
なお、復調モジュール300AをLSIで構成する場合、そのパッケージ上の端子ピンのピッチは、例えば0.4mm以下であり、パッケージサイズは、例えば49mm以下である。ダイバッドをエクスポーズパッド(Exposed Pad)として使用する場合は、端子のピン数は65pin以下である。
【0222】
[3-4.実施の形態3の変形例2]
実施の形態3の変形例2に係る復調モジュール300Bについて、図21および図22を参照しながら説明する。
【0223】
図21は、実施の形態3の変形例2に係る復調モジュール300Bを示すブロック構成図である。図22は、復調モジュール300Bの出力端子の端子割り当てを示す図である。
【0224】
変形例2の復調モジュール300Bは、2つの出力系統を複数持つ復調モジュールを有している。例えば、復調モジュール300Bは、2つの復調モジュール300Aを有しているとしてもよい。
【0225】
2つの復調モジュール300Aのうちの一方の復調モジュール300Aは、出力端子31zと出力端子32zを有しており、1bitシリアル形式では、出力端子31zからTS信号を出力し、8bitパラレル形式では、出力端子31zおよび出力端子32zを介してTS信号を出力する。なお、一方の復調モジュール300Aの出力端子31zは、復調モジュール300Bの出力端子36zに接続されているが、出力端子32zは、復調モジュール300Bの出力端子に接続されていない。
【0226】
他方の復調モジュール300Aも、出力端子31zと出力端子32zを有しており、1bitシリアル形式では、出力端子31zからTS信号を出力し、8bitパラレル形式では、出力端子31zおよび出力端子32zを介してTS信号を出力する。なお、他方の復調モジュール300Aの出力端子31zは、復調モジュール300Bの出力端子37zに接続されているが、出力端子32zは、復調モジュール300Bの出力端子に接続されていない。これにより、複数の復調モジュール300Aを内蔵した復調モジュール300Bは、パラレル形式の出力をしないことで、出力端子の数を削減することができ、小型化が可能となる。
【0227】
なお、2つの復調モジュール300AはそれぞれLSIとして構成されてもよく、復調モジュール300Bは、これらを内蔵したSIP(System in Package)構成であってもよい。そのSIPパッケージ上の端子ピンのピッチは、例えば0.4mm以下であり、端子の断面は、例えば49mm以下である。端子群の端子のピン数は64pin以下であってもよい。ダイバッドをエクスポーズパッドとして使用する場合は、端子のピン数は65pin以下であってもよい。
【0228】
なお、上記において、端子ピン数を64pin以下としているが、これは以下のためである。現在、TV用の復調モジュールとして1TS用(シングル用)は7×7=49mmの大きさであり、実装面積削減のため、2TS用の復調モジュールも同等以下の端子ピン数が望まれる。この大きさにおいて0.4mmピッチのピン配置では約64pinが上限となり、端子ピン数としては64pin以下が望まれる。そのため、端子ピン数は64pin以下とし、ダイバッドをエクスポーズパッドとして使用する場合は、端子ピン数は65pin以下とするのが望ましい。
【0229】
[3-5.効果等]
本実施の形態の復調モジュール300は、デジタル放送の放送信号を復調処理し、1系統または2系統のTS信号を出力する復調モジュールであって、複数の端子T1~T6を有する第1出力端子群G31および端子T1~T6と異なる複数の端子T7~T12を有する第2出力端子群G32と、放送信号に基づいて生成された第1のIF信号i31を復調処理して、復調処理に基づく第1のTS信号t31を出力する第1復調部310と、放送信号に基づいて生成された第2のIF信号i32を復調処理して、復調処理に基づく第2のTS信号t32を出力する第2復調部320と、第1のTS信号t31を整形して所定の出力形式を有する第1の整形TS信号f31を出力する第1信号整形部330と、第2のTS信号t32を整形して所定の出力形式を有する第2の整形TS信号f32を出力する第2信号整形部340と、第1の整形TS信号f31および第2の整形TS信号f32が入力され、第1の整形TS信号f31および第2の整形TS信号f32を第1出力端子群G31および第2出力端子群G32へ振り分けて出力する出力選択部350と、を備える。
【0230】
このように、復調モジュール300が、2つのTS信号を第1出力端子群G31および第2出力端子群G32へ振り分けて出力する出力選択部350を備えることで、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール300を提供することができる。
【0231】
また、復調モジュール300は、第1出力形態M31または第2出力形態M32による形態を有する。第1出力形態M31は、第1信号整形部330が1ビット形式の第1の整形TS信号f31を出力して、出力選択部350が当該第1の整形TS信号f31を第1出力端子群G31から出力し、かつ、第2信号整形部340が1ビット形式の第2の整形TS信号f32を出力して、出力選択部350が、当該第2の整形TS信号f32を第2出力端子群G32から出力する形態である。第2出力形態M32は、第1信号整形部330が8ビット形式の第1の整形TS信号f31を出力して、出力選択部350が、当該第1の整形TS信号f31を第1出力端子群G31と第2出力端子群G32とに分割して出力する形態である。
【0232】
このように、復調モジュール300が、第1出力形態M31または第2出力形態M32による形態を有することで、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール300を提供することができる。
【0233】
また、復調モジュール300は、さらに、第3出力形態M33を有する。第3出力形態M33は、第2信号整形部340が8ビット形式の第2の整形TS信号f32を出力して、出力選択部350が当該第2の整形TS信号f32を第1出力端子群G31および第2出力端子群G32へ分割して出力する形態である。
【0234】
このように、復調モジュール300が、さらに、第3出力形態M33を有することで、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール300を提供することができる。
【0235】
また、第1信号整形部330は、第1のTS信号t31を整形して、1ビット形式、2ビット形式および8ビット形式のいずれかの形式を有する第1の整形TS信号f31を生成し、第2信号整形部340は、第2のTS信号t32を整形して、1ビット形式、2ビット形式および8ビット形式のいずれかの形式を有する第2の整形TS信号f32を生成する。復調モジュール300は、さらに、第4出力形態M34を有する。第4出力形態M34は、第2信号整形部340が2ビット形式を有する第2の整形TS信号f32を出力して、出力選択部350が当該第2の整形TS信号f32を第1出力端子群G31のみへ出力する形態である。
【0236】
このように、復調モジュール300が、さらに、第4出力形態M34を有することで、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール300を提供することができる。
【0237】
(実施の形態4)
[4-1.本開示に至る経緯]
本開示に至る経緯について、比較例4である図23を参照しながら説明する。
【0238】
デジタル放送である衛星放送と地上放送を受信する受信装置において、RF部(チューナ)は、衛星放送に対してはIF周波数をベースバンド信号(I軸、Q軸)に変換し、地上放送(地上波放送およびケーブル放送を含む)に対してはRF周波数をIF信号に変換し、変換後の信号を復調モジュールへ出力する。
【0239】
図23は、比較例4の復調モジュール4000を示すブロック構成図である。
【0240】
比較例4の復調モジュール4000は、衛星放送および地上放送を選択して復調し、TS信号を出力する。比較例4の復調モジュール4000は、AD変換部4410、AD変換部4420、AD変換部4430と、復調誤り訂正部4440と、入力端子41、42、43と、出力端子41zとを備える。
【0241】
AD変換部4410およびAD変換部4420は、衛星放送用のベースバンド信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換し、復調誤り訂正部4440により衛星放送の復調処理を行い、衛星放送のTS信号を出力端子41zから出力する。
【0242】
AD変換部4430は、地上放送のIF信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換し、復調誤り訂正部4440により地上放送の復調処理を行い、地上放送のTS信号を出力端子41zから出力する。
【0243】
例えば、各AD変換部は、衛星放送用と地上放送用とでは受信帯域幅と動作クロック、要求されるbit分解能が異なり、それぞれの放送方式を考慮したAD変換部として分けるため、比較例4ではAD変換部が3つ必要である。そのため、2つのチャネルを受信する復調モジュールの場合、AD変換部が6つ必要となり、回路規模が大きくなるという問題がある。
【0244】
それに対し本開示の復調モジュールは、様々な受信形態に対応する回路を有し、柔軟性の高い使い方をすることができる。
【0245】
[4-2.復調モジュールの構成]
実施の形態4に係る復調モジュール400について、図24を参照しながら説明する。実施の形態4に係る復調モジュール400は、デジタル放送の放送信号である衛星放送信号または地上放送信号を復調処理し、TS信号を生成する復調モジュールである。
【0246】
図24は、実施の形態4に係る復調モジュール400を示すブロック構成図である。
【0247】
図24に示すように、復調モジュール400は、第1AD変換部410と、第2AD変換部420と、第1選択部430と、復調誤り訂正部450とを備えている。また、復調モジュール400は、入力端子41、42、43と、出力端子41zとを備えている。
【0248】
入力端子41は、第1AD変換部410に接続され、入力端子42および43は、第1選択部430に接続されている。第1選択部430の出力側は、第2AD変換部420に接続されている。第1AD変換部410の出力側および第2AD変換部420の出力側は、復調誤り訂正部450に接続されている。復調誤り訂正部450の出力側は、出力端子41zに接続されている。
【0249】
入力端子41には、第1のRF部から出力されたベースバンドI信号b41が入力され、入力端子42には、第1のRF部から出力されたベースバンドQ信号b42が入力される。ベースバンドI信号b41およびベースバンドQ信号b42は、衛星放送信号をRF処理等することで生成された信号である。入力端子43には、第2のRF部から出力されたIF信号i41が入力される。
【0250】
第1AD変換部410には、放送信号に基づいて生成されたベースバンドI信号b41およびベースバンドQ信号のうちの一方の信号が入力される。第1AD変換部410は、入力された上記一方の信号に対しAD変換処理を行い、AD変換処理に基づく第1の変換信号c41を生成する。本実施の形態では、第1AD変換部410は、ベースバンドI信号b41が入力され、ベースバンドI信号b41に対してAD変換処理を行って、第1の変換信号c41を生成する。第1AD変換部410は、第1の変換信号c41を復調誤り訂正部450へ出力する。
【0251】
第1選択部430には、入力端子42を介してベースバンドI信号b41およびベースバンドQ信号のうちの他方の信号が入力され、また、入力端子43を介してIF信号i41が入力される。IF信号i41は、地上放送信号をRF処理等することで生成された信号である。第1選択部430には、衛星放送信号および地上放送信号のいずれの信号処理を行うかを示す設定情報S4aが入力される。
【0252】
第1選択部430は、設定情報S4aにより設定された放送方式に基づいて上記他方の信号またはIF信号i41のいずれかを選択し、選択した信号を第1の選択信号s41として第2AD変換部420へ出力する。このように、第1選択部430は、入力された複数の信号のうち、所定の信号を選択可能である。複数の信号のうちのいずれの信号を選択するかは、復調モジュール400の仕様または用途によって適宜設定される。
【0253】
例えば、第1選択部430は、設定情報S4aにより、衛星放送信号の信号処理を行うと設定されている場合に、上記一方の信号(b41またはb42)を選択する。また、第1選択部430は、設定情報S4aにより、地上放送信号の信号処理を行うと設定されている場合に、IF信号i41を選択する。具体的には、第1選択部430は、衛星放送信号の信号処理を行う場合、入力端子42を介して入力されたベースバンドQ信号b42を選択し、これを第1の選択信号s41として第2AD変換部420へ出力する。また、第1選択部430は、地上放送信号の信号処理を行う場合、入力端子43を介して入力されたIF信号i41を選択し、これを第1の選択信号s41として第2AD変換部420へ出力する。
【0254】
第2AD変換部420には、第1の選択信号s41が入力される。第2AD変換部420は、第1の選択信号s41に対してAD変換処理を行い、AD変換処理に基づく第2の変換信号c42を生成する。第2AD変換部420は、第2の変換信号c42を復調誤り訂正部450へ出力する。
【0255】
復調誤り訂正部450には、第1選択部430と同様に、設定情報S4aが入力される。復調誤り訂正部450は、設定情報S4aにより設定された放送方式に基づいて、第1の変換信号c41および/または第2の変換信号c42に対して復調処理を行い、復調処理に基づくTS信号t41を生成する。例えば、復調誤り訂正部450は、衛星放送信号の信号処理を行う場合に、第1の変換信号c41および第2の変換信号c42に基づいてTS信号t41を生成し、地上放送信号の信号処理を行う場合に、第2の変換信号c22のみに基づいてTS信号t41を生成する。復調誤り訂正部450は、出力端子41zを介してTS信号t41を外部へ出力する。
【0256】
このように復調モジュール400では、第1選択部430を用いて、衛星放送のベースバンドQ信号b42および地上放送のIF信号i41のいずれかの信号を選択し、第2AD変換部420へ出力することができる。また、復調モジュール400では、第2AD変換部420が、ベースバンドQ信号b42およびIF信号i41の両方のAD変換処理を行うように共用されている。
【0257】
なお、第2AD変換部420では、受信帯域幅と動作クロック(サンプリングレート)、要求されるbit分解能のそれぞれが、衛星放送の場合と地上放送の場合とで同じになっていてもよい。これらの仕様および性能を同一とすることで、第2AD変換部420の回路の個数を減らすことができ、復調モジュール400の回路規模を小さくすることができる。
【0258】
なお上記では、入力端子41にベースバンドI信号b41が入力され、入力端子42にベースバンドQ信号b42が入力される例を示したが、逆に、入力端子41にベースバンドQ信号b42が入力され、入力端子42にベースバンドI信号b41が入力されてもよい。その場合、ベースバンドQ信号を一方の信号として、ベースバンドI信号b41を他方の信号として、後の処理が行われる。
【0259】
[4-3.実施の形態4の変形例1]
実施の形態4の変形例1に係る復調モジュール400Aについて、図25を参照しながら説明する。この変形例1では、第2AD変換部420にも設定情報S4aが入力される例について説明する。
【0260】
図25は、実施の形態4の変形例1に係る復調モジュール400Aを示すブロック構成図である。
【0261】
変形例1の復調モジュール400Aは、第1AD変換部410と、第2AD変換部420と、第1選択部430と、復調誤り訂正部450とを備えている。また、復調モジュール400Aは、入力端子41、42、43と、出力端子41zとを備えている。
【0262】
第2AD変換部420には、衛星放送信号および地上放送信号のいずれの信号処理を行うかを示す設定情報S4aが入力される。第2AD変換部420におけるこの設定は、第1選択部430および復調誤り訂正部450における設定と同じである。
【0263】
第2AD変換部420は、設定情報S4aにより設定された放送方式に基づいて、第1の選択信号s41に対してAD変換処理を行い、AD変換処理に基づく第2の変換信号c42を生成する。例えば、第2AD変換部420は、設定された放送方式に対応し、受信帯域幅の設定、AD変換レートの設定、ドライブ能力(ゲイン)の設定などを切り替えてAD変換処理を行う。これにより第2AD変換部420は、設定された放送方式に対する最適な動作により、受信特性のよいAD変換処理を実行することができる。
【0264】
復調モジュール400Aでも、第1選択部430を用いて、例えば、衛星放送のベースバンドQ信号b42および地上放送のIF信号i41を選択し、第2AD変換部420へ出力する。また、復調モジュール400Aでは、第2AD変換部420が、ベースバンドQ信号b42およびIF信号i41の両方のAD変換処理を行うように共用されている。
【0265】
なお、第2AD変換部420では、受信帯域幅と動作クロック(サンプリングレート)、要求されるbit分解能のそれぞれが、衛星放送の場合と地上放送の場合とで同じになっていてもよい。これらの仕様および性能を同一とすることで、第2AD変換部420の回路の個数を減らすことができ、復調モジュール400Aの回路規模を小さくすることができる。
【0266】
[4-4.実施の形態4の変形例2]
実施の形態4の変形例2に係る復調モジュール400Bについて、図26を参照しながら説明する。この変形例2では、第1AD変換部410にも設定情報S4aが入力される例について説明する。
【0267】
図26は、実施の形態4の変形例2に係る復調モジュール400Bを示すブロック構成図である。
【0268】
変形例2の復調モジュール400Bは、第1AD変換部410と、第2AD変換部420(機能、特性としては第1AD変換部410と同等)と、第1選択部430と、復調誤り訂正部450とを備えている。また、復調モジュール400Bは、入力端子41、42、43と、出力端子41zとを備えている。
【0269】
第1AD変換部410には、衛星放送信号および地上放送信号のいずれの信号処理を行うかを示す設定情報S4aが入力される。第1AD変換部410は、設定情報S4aにより設定された放送方式に基づいて、ベースバンドI信号b41に対してAD変換処理を行い、AD変換処理に基づく第1の変換信号c41を生成する。
【0270】
上記構成とすることで、1種類のAD変換部を用意するだけでよく、それにより衛星放送のベースバンドI信号とQ信号を処理する場合、I側とQ側とで同等のAD変換部を使用することになり、特性の偏りをなくすことができる。
【0271】
また、この変形例2では、第1AD変換部410の放送方式の設定が、外部から入力される設定情報S4aによって切り替えられる例を示したが、それに限られず、例えば、内部設定により衛星放送信号の信号処理を行うように設定されていてもよい。
【0272】
[4-5.実施の形態4の変形例3]
実施の形態4の変形例3に係る復調モジュール400Cについて、図27を参照しながら説明する。この変形例3では、入力端子41と第1AD変換部410との間に第2選択部440が設けられている例について説明する。
【0273】
図27は、実施の形態4の変形例3に係る復調モジュール400Cを示すブロック構成図である。
【0274】
変形例3の復調モジュール400Cは、第1AD変換部410と、第2AD変換部420と、第1選択部430と、第2選択部440と、復調誤り訂正部450とを備えている。また、復調モジュール400Cは、入力端子41、42、43と、出力端子41zとを備えている。
【0275】
第2選択部440は、入力端子41と第1AD変換部410とを結ぶ配線経路上に設けられている。第2選択部440には、複数の信号が入力され、例えば、ベースバンドI信号b41およびダミー信号(例えば0の信号)が入力される。本変形例の第2選択部440は、内部設定により、衛星放送信号の信号処理を行うように設定されている。そのため第2選択部440は、ダミー信号を選択せず、上記一方の信号(例えばベースバンドI信号b41)を選択し、この信号を第2の選択信号s42として第1AD変換部410へ出力する。なお、第2選択部440は、少なくとも第1選択部430が上記他方の信号を選択する場合、複数の信号のうちの上記一方の信号を選択して、第1AD変換部410へ出力してもよい。
【0276】
第1AD変換部410は、設定情報S4aにより設定された放送方式に基づいて、第2の選択信号s42に対してAD変換処理を行い、AD変換処理に基づく第1の変換信号c41を生成する。
【0277】
復調モジュール400Cでは、第1AD変換部410および第2AD変換部420をI軸信号とQ軸信号とで同じ特性とすることができる。また、復調モジュール400Cでは、I軸信号およびQ軸信号のそれぞれが、第1選択部430および第2選択部440のそれぞれを通過することになり、I軸信号およびQ軸信号のインピーダンスをそろえることができる。これにより、I軸およびQ軸のバランスを保つことができ、受信特性の劣化を抑制することが可能となる。
【0278】
なお、この変形例3では、第2選択部440に入力されるダミー信号を0の信号としたが、ダミー信号は、0である必要はなく任意の信号であってもよい。
【0279】
また、この変形例3では、第2選択部440の放送方式の設定として、内部設定により衛星放送信号の信号処理を行うように設定したが、それに限られず、外部から入力される設定情報S4aによって、衛星放送信号の信号処理を行うように設定されてもよい。
【0280】
[4-6.実施の形態4の変形例4]
実施の形態4の変形例4に係る復調モジュール400Dについて、図28を参照しながら説明する。
【0281】
図28は、実施の形態4の変形例4に係る復調モジュール400Dを示すブロック構成図である。
【0282】
変形例4の復調モジュール400Dでは、第2選択部440および第1AD変換部410が、内部設定により衛星放送信号の信号処理を行うように設定されている。また、第2AD変換部420に設定情報S4aが入力されている。
【0283】
復調モジュール400Dでも、第1AD変換部410および第2AD変換部420をI軸信号とQ軸信号とで同じ特性とすることができる。また、復調モジュール400Dでも、I軸信号およびQ軸信号のそれぞれが、第1選択部430および第2選択部440のそれぞれを通過することになり、I軸信号およびQ軸信号のインピーダンスをそろえることができる。これにより、I軸およびQ軸のバランスを保つことができ、受信特性の劣化を抑制することが可能となる。
【0284】
[4-7.実施の形態4の変形例5]
実施の形態4の変形例5に係る復調モジュール400Eについて、図29を参照しながら説明する。上記では、1つのチャネルを受信して復調処理する復調モジュールについて説明したが、変形例5では、2つのチャネルを受信して復調処理する復調モジュール400Eについて説明する。
【0285】
図29は、実施の形態4の変形例5に係る復調モジュール400Eを示すブロック構成図である。
【0286】
図29の復調モジュール400Eは、図28に示す復調モジュール400Dを2つ備えている。また、復調モジュール400Eは、入力端子41、42、43、44、45、46と、出力端子41z、42zとを備えている。
【0287】
入力端子41~43は、2つの復調モジュール400Dのうちの一方の復調モジュール400Dに接続されている。一方の復調モジュール400Dの出力側は、復調モジュール400Eの出力端子41zに接続されている。入力端子44~46は、他方の復調モジュール400Dに接続されている。他方の復調モジュール400Dの出力側は、復調モジュール400Eの出力端子42zに接続されている。
【0288】
入力端子41には、第1のRF部から出力されたベースバンドI信号b41が入力され、入力端子42には、第1のRF部から出力されたベースバンドQ信号b42が入力される。入力端子43には、第2のRF部から出力されたIF信号i41が入力される。
【0289】
入力端子44には、第3のRF部から出力されたベースバンドI信号b43が入力され、入力端子45には、第3のRF部から出力されたベースバンドQ信号b44が入力される。入力端子46には、第4のRF部から出力されたIF信号i42が入力される。
【0290】
一方の復調モジュール400Dには、ベースバンドI信号b41、ベースバンドQ信号b42およびIF信号i41が入力される。一方の復調モジュール400Dには、設定情報S4aが入力される。一方の復調モジュール400DからはTS信号t41が出力される。このTS信号t41は、復調モジュール400Eの出力端子41zから出力される。
【0291】
他方の復調モジュール400Dには、ベースバンドI信号b43、ベースバンドQ信号b44およびIF信号i42が入力される。他方の復調モジュール400Dには、設定情報S4bが入力される。設定情報S4bは、設定情報S4aと同じであってもよいし、異なっていてもよい。他方の復調モジュール400DからはTS信号t42が出力される。
【0292】
このTS信号t42は、復調モジュール400Eの出力端子42zから出力される。
【0293】
復調モジュール400Eは、1つのLSIで構成されてもよい。また復調モジュール400Eは、2つの復調モジュール400DをチップとしたSIP構成であってもよい。また、入力端子41~46および、出力端子41z、出力端子42zは、端子の群であり、1つ以上の端子ピンで構成されていてもよい。
【0294】
[4-8.効果等]
実施の形態4の復調モジュール400は、デジタル放送の放送信号である衛星放送信号または地上放送信号を復調処理し、TS信号を生成する復調モジュールであって、衛星放送信号に基づいて生成されたベースバンドI信号b41およびベースバンドQ信号b42のうちの一方の信号をAD変換処理し、AD変換処理に基づく第1の変換信号c41を出力する第1AD変換部410と、一方の信号と異なる他方の信号および地上放送信号に基づいて生成されたIF信号i41が入力され、他方の信号およびIF信号i41のいずれかを選択して第1の選択信号s41を出力する第1選択部430と、第1の選択信号s41をAD変換処理し、AD変換処理に基づく第2の変換信号c42を出力する第2AD変換部420と、第1の変換信号c41および/または第2の変換信号c42に対して復調処理を行い、復調処理に基づくTS信号t41を生成する復調誤り訂正部450と、を備える。
【0295】
これによれば、第1選択部430を用いて、他方の信号(例えばベースバンドQ信号b42)および地上放送のIF信号i41のいずれかの信号を選択し、AD変換処理を行うことができる。これにより、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール400を提供することができる。
【0296】
また、第1選択部430は、衛星放送信号の信号処理を行う場合に、上記一方の信号を選択し、地上放送信号の信号処理を行う場合に、IF信号i41を選択し、復調誤り訂正部450は、衛星放送信号の信号処理を行う場合に、第1の変換信号c41および第2の変換信号c42に基づいてTS信号t41を生成し、地上放送信号の信号処理を行う場合に、第2の変換信号c42のみに基づいてTS信号t41を生成してもよい。
【0297】
これによれば、衛星放送および地上放送のそれぞれの設定に合わせてTS信号を生成することができる。これにより、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール400を提供することができる。
【0298】
また、第1選択部430および復調誤り訂正部450のそれぞれには、衛星放送信号および地上放送信号のいずれの信号処理を行うかを示す設定情報S4aが入力され、第1選択部430は、設定情報S4aに基づいて上記一方の信号またはIF信号i41を選択し、復調誤り訂正部450は、設定情報S4aに基づいてTS信号t41を生成してもよい。
【0299】
これによれば、第1選択部430において受信形態に合わせた信号を選択し、また、復調誤り訂正部450において受信形態に合わせたTS信号を生成することができる。これにより、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール400を提供することができる。
【0300】
また、第2AD変換部420には、設定情報S4aが入力され、第2AD変換部420は、設定情報S4aに基づいてAD変換処理を行ってもよい。
【0301】
これによれば、第2AD変換部420において、受信形態に合わせたAD変換処理を行うことができる。これにより、様々な受信形態に対応したAD変換処理を行うことができる。
【0302】
また、第1AD変換部410には、設定情報S4aが入力され、第1AD変換部410は、設定情報S4aに基づいてAD変換処理を行ってもよい。
【0303】
これによれば、第1AD変換部410において、受信形態に合わせたAD変換処理を行うことができる。これにより、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール400Bを提供することができる。また、上記構成とすることで、1種類のAD変換部を用意するだけでよく、それにより衛星放送のベースバンドI信号とQ信号を処理する場合、I側とQ側とで同等のAD変換部を使用することになり、特性の偏りをなくすことができる。
【0304】
また、復調モジュール400Cは、さらに、上記一方の信号を含む複数の信号が入力される第2選択部440を備え、第2選択部440は、少なくとも第1選択部430が上記他方の信号を選択する場合、複数の信号のうちの上記一方の信号を選択して、第1AD変換部410へ出力してもよい。
【0305】
これによれば、第1AD変換部410および第2AD変換部420における信号特性をそろえることができる。これにより、復調モジュール400Cの受信特性の劣化を抑制することが可能となる。
【0306】
(実施の形態5)
[5-1.本開示に至る経緯]
本開示に至る経緯について、比較例5である図30を参照しながら説明する。
【0307】
次世代地上放送に向け、伝送容量の拡大のため、非特許文献2に示すようにMIMO(MultiInput-MultiOutput)を用いた伝送が検討されている。比較例5の受信装置5001は、水平および垂直の偏波を利用して、MIMOを用いた伝送を行う。
【0308】
図30は、比較例5の復調モジュール5000を備える受信装置5001を示すブロック構成図である。
【0309】
図30に示すように、比較例の受信装置5001は、水平偏波用のRF部と、垂直偏波用のRF部と、復調モジュールと、デコーダ部と、表示部とを備えている。復調モジュールは、第1復調処理部と、第2復調処理部と、MIMO等化部と、第1誤り訂正部と、第2誤り訂正部と、合成部とを備えている。第1復調処理部は、AD変換部、時間処理部、FFT(Fast Fourier Transform)部、周波数処理部、伝送路推定部を有している。第2復調処理部は、第1復調処理部と同様の構成である。
【0310】
水平偏波用および垂直偏波用のアンテナの信号が入力され、RF部でIF信号またはベースバンド信号に変換された信号は、AD変換部でアナログ信号からデジタル信号に変換され、時間処理部にて時間同期が実行され、FFT部にてFFT処理される。そして、周波数処理部にて周波数の同期やフレーム同期が実行され、伝送路推定部にて伝送路推定が実行される。第2復調処理部についても同様の処理が行われる。
【0311】
MIMO等化部では、第1復調処理部および第2復調処理部でFFT処理された信号と伝送路推定値をもとに、MIMO等化(信号分離)を行い、水平偏波で送信されたデータ信号を誤り訂正部へ出力し、垂直偏波で送信されたデータ信号を誤り訂正部へ出力し、それぞれ誤り訂正を実施し、合成部にてストリームに合成し、デコーダ部へ出力する。デコーダ部では、H.265/HEVC(High Efficiency Video Coding)やVVC(Versatile Video Coding)等のデコード処理を行い、表示部に映像を表示させる。
【0312】
このように、MIMOを受信する受信装置5001は、複数のRF部と復調処理部と誤り訂正部とを有する。一方で、放送のパラメータは、MIMOだけでなく、SISO(SingleInput-SingleOutput)も行われ、SISO時は1つの偏波面(例えば水平偏波のみ)を用いて伝送する。その場合、2つ目(ここでは垂直偏波用)のRF部、復調処理部、誤り訂正部が使用されないこととなり、受信形態に合ったリソース活用がされていないという問題がある。
【0313】
それに対し本開示の復調モジュールは、以下に示す構成を有することで、様々な受信形態に対応し、柔軟性の高い使い方をすることができる。
【0314】
[5-2.復調モジュールの構成]
実施の形態5に係る復調モジュール500の構成について、図31を参照しながら説明する。
【0315】
実施の形態5に係る復調モジュール500は、デジタル放送の放送信号を復調処理し、1系統または2系統のTS信号を生成する復調モジュールである。
【0316】
復調モジュール500は、MIMOによって放送信号を受信するMIMO受信モードM51、および、SISOによって放送信号を受信するSISO受信モードM52を有している。復調モジュール500は、MIMO受信モードM51およびSISO受信モードM52を切り替え可能である。
【0317】
図31は、復調モジュール500を備える受信装置501を示すブロック構成図である。なお、図31には、水平偏波用アンテナAt1および垂直偏波用アンテナAt2も示されている。
【0318】
図31に示すように、復調モジュール500は、第1復調処理部510と、第2復調処理部520と、MIMO等化部530と、第1選択部541と、第2選択部542と、第3選択部543と、第1誤り訂正部551と、第2誤り訂正部552と、合成部560と、を備えている。
【0319】
第1復調処理部510は、AD変換部511、時間処理部512、FFT部513、周波数処理部514、伝送路推定部515およびSISO等化部516を有している。第1復調処理部510は、RF部503にてRF処理された第1のアナログ信号a51に対して、AD変換処理、FFT処理、伝送路推定処理およびSISO等化処理の少なくとも1つの処理を行い、第1の伝送路推定信号p51および第1のSISO等化信号s51を出力する。なお、伝送路推定部515は、MIMOのチャネルに対する伝送路の推定のほかに、SISO受信モードM52において、SISO用の伝送路推定を行う。
【0320】
第2復調処理部520は、AD変換部521、時間処理部522、FFT部523、周波数処理部524、伝送路推定部525およびSISO等化部526を有している。第2復調処理部520は、RF部504にてRF処理された第2のアナログ信号a52に対して、AD変換処理、FFT処理、伝送路推定処理およびSISO等化処理の少なくとも1つの処理を行い、第2の伝送路推定信号p52および第2のSISO等化信号s52を出力する。なお、伝送路推定部525は、MIMOのチャネルに対する伝送路の推定のほかに、SISO受信モードM52において、SISO用の伝送路推定を行う。
【0321】
MIMO等化部530は、第1の伝送路推定信号p51および第2の伝送路推定信号p52のそれぞれに対してMIMO等化処理を行い、第1のMIMO処理信号m51および第2のMIMO処理信号m52を出力する。
【0322】
第1選択部541は、第1復調処理部510で処理される受信方式がMIMO受信モードM51の場合は、MIMO等化部530の出力を選択し、SISO受信モードM52の場合は、SISO等化部516の出力を選択し、第1誤り訂正部551へ出力する。
【0323】
第2選択部542は、第2復調処理部520で処理される受信方式がMIMO受信モードM51の場合は、MIMO等化部530の出力を選択し、SISO受信モードM52の場合は、SISO等化部526の出力を選択し、第2誤り訂正部552へ出力する。
【0324】
このように、第1選択部541および第2選択部542のそれぞれは、入力された複数の信号のうち、所定の信号を選択可能である。複数の信号のうちのいずれの信号を選択するかは、復調モジュール500の仕様または用途によって適宜設定される。
【0325】
第1誤り訂正部551は、第1のSISO等化信号s51または第1のMIMO処理信号m51を誤り訂正して、第1の誤り訂正信号e51を出力する。第1の誤り訂正信号e51は、TS信号に属する信号である。
【0326】
第2誤り訂正部552は、第2のSISO等化信号s52または第2のMIMO処理信号m52を誤り訂正して、第2の誤り訂正信号e52を出力する。第2の誤り訂正信号e52は、TS信号に属する信号である。
【0327】
合成部560は、第1の誤り訂正信号および第2の誤り訂正信号をMIMO合成処理して、合成信号c50を出力する。
【0328】
第3選択部543は、第1誤り訂正部551の出力および合成部560の出力が入力される。第3選択部543は、入力された複数の信号のうち、所定の信号を選択可能である。複数の信号のうちのいずれの信号を選択するかは、復調モジュール500の仕様または用途によって適宜設定される。第3選択部543は、MIMO受信モードM51の場合は、合成部560の出力を選択してデコーダ部505へ出力する。第3選択部543は、SISO受信モードM52の場合は、第1誤り訂正部551から出力された信号を選択してデコーダ部505へ出力する。
【0329】
デコーダ部505は、第3選択部543の出力または第2誤り訂正部552の出力が入力される。これにより、デコーダ部505は、MIMO受信モードM51の場合は、合成部560で合成された後の第3選択部543の出力であるストリームをデコードする。また、デコーダ部505は、SISO受信モードM52の場合は、第1誤り訂正部551から出力された後の第3選択部543の出力であるストリームをデコードし、さらに、第2誤り訂正部552の出力であるストリームをデコードする。すなわちSISO受信モードM52の場合は、2系統とも動作する。
【0330】
本実施の形態では、MIMO受信モードM51において、第1誤り訂正部551および第2誤り訂正部552は、それぞれ、第1のMIMO処理信号m51および第2のMIMO処理信号m52を誤り訂正し、合成信号c50をMIMO処理TS信号mm1として出力する。
【0331】
また、SISO受信モードM52において、第1誤り訂正部551および第2誤り訂正部552は、それぞれ、第1のSISO等化信号s51あるいは第2のSISO等化信号s52を誤り訂正し、第1の誤り訂正信号e51を第1のSISO処理TS信号ss1として、かつ、第2の誤り訂正信号e52を第2のSISO処理TS信号ss2として出力する。
【0332】
この復調モジュール500を備える受信装置501は、MIMO受信モードM51において、リソースを有効活用し、SISO受信モードM52において2つのチャネルを受信して、2つのストリームを得ることが可能となる。
【0333】
なお、受信装置501のデコーダ部505は、SISO受信モードM52において、常に2つのチャネルを受信する必要はなく、ユーザの設定に応じて片方のみのデコードのみとしてもよい。
【0334】
[5-3.実施の形態5の変形例]
実施の形態5の変形例に係る受信装置501について、図32を参照しながら説明する。
【0335】
図32は、実施の形態5の変形例に係る復調モジュール500Aを備える受信装置501を示すブロック構成図である。なお、図32には、水平偏波用アンテナAt1および垂直偏波用アンテナAt2も示されている。
【0336】
復調モジュール500Aを備える受信装置501は、第4選択部544を備え、水平偏波用のアンテナ信号と、垂直偏波用のアンテナ信号とを入力し、一方を選択してRF部504へ出力する。図32に示す、第1のアナログ信号a51は、水平偏波用アンテナAt1で受信された信号に基づく信号である。第2のアナログ信号a52は、MIMO受信モードM51において、垂直偏波用アンテナAt2で受信された信号に基づく信号であり、SISO受信モードM52において、水平偏波用アンテナAt1で受信された信号に基づく信号であり、一般には第1のアナログ信号a51とは異なるRF処理を施したアナログ信号である。
【0337】
図31に示した受信装置501では、SISO受信モードM52で2つのチャネルを受信する際、同じ偏波面で送信されているため、水平偏波用アンテナAt1で受信する場合に対し、垂直偏波用アンテナAt2で受信すると、ゲインが得られず、第2復調処理部520における受信品質が悪くなるという課題がある。
【0338】
それに対しこの変形例では、第4選択部544で、MIMO受信モードM51において、垂直偏波用アンテナ信号を選択し、SISO受信モードM52において、水平偏波用のアンテナ信号を選択する。これにより、SISO受信モードM52において2つのチャネルを受信する場合でも、偏波面の不一致による受信品質の劣化を抑制することができる。
【0339】
[5-4.効果等]
実施の形態5の復調モジュール500は、デジタル放送の放送信号を復調処理し、1系統または2系統のTS信号を生成する復調モジュールである。復調モジュール500は、MIMOによって放送信号を受信するMIMO受信モードM51、および、SISOによって放送信号を受信するSISO受信モードM52を有し、MIMO受信モードM51およびSISO受信モードM52を切り替え可能である。
【0340】
これによれば、MIMOおよびSISOの受信形態に対応し、汎用性の高い復調モジュール500を提供することができる。
【0341】
また、復調モジュール500は、第1復調処理部510と、第2復調処理部520と、MIMO等化部530と、第1誤り訂正部551と、第2誤り訂正部552と、合成部560と、を備える。第1復調処理部510は、外部にてRF処理された第1のアナログ信号a51に対して、AD変換処理、FFT処理、伝送路推定処理およびSISO等化処理の少なくとも1つの処理を行い、第1の伝送路推定信号p51および第1のSISO等化信号s51を出力する。第2復調処理部520は、外部にてRF処理された第2のアナログ信号a52に対して、AD変換処理、FFT処理、伝送路推定処理およびSISO等化処理の少なくとも1つの処理を行い、第2の伝送路推定信号p52および第2のSISO等化信号s52を出力する。MIMO等化部530は、第1の伝送路推定信号p51および第2の伝送路推定信号p52のそれぞれに対してMIMO等化処理を行い、第1のMIMO処理信号m51および第2のMIMO処理信号m52を出力する。第1誤り訂正部551は、第1のSISO等化信号s51または第1のMIMO処理信号m51を誤り訂正して、第1の誤り訂正信号e51を出力する。第2誤り訂正部552は、第2のSISO等化信号s52または第2のMIMO処理信号m52を誤り訂正して、第2の誤り訂正信号e52を出力する。合成部560は、第1の誤り訂正信号e51および第2の誤り訂正信号e52を合成処理して、合成信号c50を出力してもよい。
【0342】
これによれば、SISO処理信号またはMIMO処理信号を誤り訂正処理した信号を合成して出力することができる。これにより、様々な受信形態に対応することができる汎用性の高い復調モジュール500を提供することができる。
【0343】
また、MIMO受信モードM51において、第1誤り訂正部551および第2誤り訂正部552は、それぞれ、第1のMIMO処理信号m51および第2のMIMO処理信号m52を誤り訂正し、合成部560は、合成信号c50をMIMO処理TS信号mm1として出力する。SISO受信モードM52において、第1誤り訂正部551および第2誤り訂正部552は、それぞれ、第1のSISO等化信号s51あるいは第2のSISO等化信号s52を誤り訂正し、第1の誤り訂正信号e51を第1のSISO処理TS信号ss1として、かつ、第2の誤り訂正信号e52を第2のSISO処理TS信号ss2として出力してもよい。
【0344】
これによれば、MIMOおよびSISOの受信形態に対応し、汎用性の高い復調モジュール500を提供することができる。
【0345】
また、第1のアナログ信号a51は、水平偏波用アンテナAt1で受信された信号に基づく信号であり、第2のアナログ信号a52は、MIMO受信モードM51において、垂直偏波用アンテナAt2で受信された信号に基づく信号であり、SISO受信モードM52において、水平偏波用アンテナAt1で受信された信号に基づく信号であり、第1のアナログ信号a51とは異なるRF処理を施したアナログ信号であってもよい。
【0346】
これによれば、SISO受信モードM52において2つのチャネルを受信する場合でも、偏波面の不一致による受信品質の劣化を抑制できる。
【0347】
なお、実施の形態5では、第1復調処理部510が扱う信号を水平偏波として説明したが、これに限らず、垂直偏波を主として使う地域では第1復調処理部510が垂直偏波になる。
【0348】
また、受信装置501は、表示部506を有する構成としたが、これに限られず、映像と音声信号を出力し、図示しない外部の表示部を使用する形態としてもよい。
【0349】
また、受信装置501における伝送路推定部515、伝送路推定部525では、MISO(Multiple-Input and Multiple-Output)を受信してもよく、MISO時は、MISO用の伝送路推定を行う。また、SISO等化部516、SISO等化部526は、MISOを等化するアラモーティ複号などを実施して、第1選択部541または第2選択部542へ出力することになる。
【0350】
なお、受信装置501において、第1復調処理部510もしくは第2復調処理部520の1系統でSISO受信をしている場合に、その1系統を継続したままでMIMO受信を選局しようとした場合に、MIMOの選局ができない旨の表示か、その1系統の受信を遮断させるかを選択させる旨を表示することとしてもよい。これは、1系統でSISOを受信しているときに、ユーザが、それに加えて別チャネルを追加で視聴しようとし、それがMIMOだった場合に、受信装置のリソースとして、SISOを継続したままMIMOの受信ができないため、新たなMIMOの受信をしないかSISOの受信をやめる必要がある。これにより、ユーザがMIMOを選局する際に、MIMOが選局できない旨を知らせることができ、または、これまでの継続しているSISO受信を、ユーザが意図せず遮断されることを防ぐことができる。
【0351】
また、MIMOのチャネルを選局して受信する際に、第1復調処理部510もしくは第2復調処理部520の一方だけ同期している状態の場合、通常のアラームとは異なるアラームを表示させてもよい。通常のアラームは、例えば「アンテナが接続されていません」や「アンテナに異常があります」等であるが、それとは異なるアラーム(例えば「MIMO用アンテナに異常があります」等)にする。これにより、通常のアンテナ異常とは異なり、単に片方側(特に追加される第2復調処理部520のアンテナ入力側:ここで垂直偏波用アンテナ信号)の信号接続ができていないことを通知することができ、ユーザのトラブル解決を容易にできる。
【0352】
また、MIMOのチャネルを選局して受信する際に、MIMO等化部530における行列演算の処理において第1復調処理部510および第2復調処理部520の伝送路特性で生成される行列の逆行列が算出できない(行列式が0である)場合に、通常のアラームとは異なるアラームを表示させてもよい。通常のアラームは、例えば「アンテナが接続されていません」や「アンテナに異常があります」等であるが、それとは異なるアラーム(例えば「MIMO用アンテナに同一の信号が入っています」等)にする。第1復調処理部510と第2復調処理部520の入力信号が同一の場合、伝送路特性で生成される行列は行列式が0となるため、このアラームによって、ユーザが誤って、第2復調処理部520用のアンテナ信号(ここでは垂直偏波用)に、第1復調処理部510用のアンテナ信号(ここでは水平偏波用)の信号を分配して入力した場合に、その旨を知らせることができ、ユーザのトラブル解決を容易にできる。
【0353】
なお、実施の形態5では、映像/音声の出力形式をTSとして説明をしたが、これに限られずTLV(Type Length Value)パケットとしてもよい。TLVは、高度BSであるBS4K8K放送で使用されている形式である。
【0354】
(その他の実施の形態)
以上、本開示の態様に係る復調モジュールについて、実施の形態等に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本開示の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本開示の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本開示に含まれる。
【0355】
また、以下に示す形態も、本開示の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0356】
(1)上記の復調モジュールを構成する構成要素の一部は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムであってもよい。前記RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0357】
(2)上記の復調モジュールを構成する構成要素の一部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0358】
(3)上記の復調モジュールを構成する構成要素の一部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0359】
(4)また、上記の復調モジュールを構成する構成要素の一部は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号をコンピュータで読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
【0360】
また、上記の復調モジュールを構成する構成要素の一部は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0361】
(5)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0362】
(6)また、本開示は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
【0363】
(7)また、前記プログラムまたは前記デジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、または前記プログラムまたは前記デジタル信号を、前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【0364】
(8)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0365】
本開示の復調モジュールは、デジタル放送の放送信号を受信する受信装置などに利用できる。
【符号の説明】
【0366】
11、12、13、14、15、16、17、18、21、22、31、32、41、42、43、44、45、46 入力端子
11z、12z、21z、22z、31z、32z、36z、37z、41z、42z、 出力端子
61、62、63、64、65、66、67、68 RF部
71、72、73、74、76、77、78、81 復調部
91、92 合成部
100、100A、100B、100C 復調モジュール
101 受信装置
110 第1処理部
111 第1復調部
111a AD変換部
111b 復調コア部
111c 誤り訂正部
112 第1選択部
113 第1合成部
120 第2処理部
121 第2復調部
122 第2選択部
123 第2合成部
132 第3選択部
142 第4選択部
c11 第1の合成TS信号
c12 第2の合成TS信号
i11 第1のIF信号
i12 第2のIF信号
s11 第1の選択信号
s12 第2の選択信号
t1a、t1b、t1c 第1の入力TS信号
t2a、t2b、t2c 第2の入力TS信号
ts1 第1の内部TS信号
ts2 第2の内部TS信号
ts3 第3の内部TS信号
ts4 第4の内部TS信号
200、200A、200B 復調モジュール
210 第1AD変換部
220 第2AD変換部
230 第1復調誤り訂正部
240 第2復調誤り訂正部
250 TS選択部
260 第1選択部
270 第2選択部
c21 第1の変換信号
c22 第2の変換信号
i21 第1のIF信号
i22 第2のIF信号
M21 第1のモード
M22 第2のモード
t21 第1のTS信号
t22 第2のTS信号
s26 第1の選択信号
s27 第2の選択信号
300、300A、300B 復調モジュール
301 受信装置
310 第1復調部
320 第2復調部
330 第1信号整形部
340 第2信号整形部
350 出力選択部
G31 第1出力端子群
G32 第2出力端子群
f31 第1の整形TS信号
f32 第2の整形TS信号
i31 第1のIF信号
i32 第2のIF信号
M31 第1出力形態
M32 第2出力形態
M33 第3出力形態
M34 第4出力形態
t31 第1のTS信号
t32 第2のTS信号
T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、T10、T11、T12 端子
400、400A、400B、400C、400D、400E 復調モジュール
410 第1AD変換部
420 第2AD変換部
430 第1選択部
440 第2選択部
450 復調誤り訂正部
c41 第1の変換信号
c42 第2の変換信号
i41、i42 IF信号
t41、t42 TS信号
s41 第1の選択信号
s42 第2の選択信号
S4a、S4b 設定情報
b41、b43 ベースバンドI信号
b42、b44 ベースバンドQ信号
500、500A 復調モジュール
501 受信装置
503、504 RF部
505 デコーダ部
506 表示部
510 第1復調処理部
511 AD変換部
512 時間処理部
513 FFT部
514 周波数処理部
515 伝送路推定部
516 SISO等化部
520 第2復調処理部
521 AD変換部
522 時間処理部
523 FFT部
524 周波数処理部
525 伝送路推定部
526 SISO等化部
530 MIMO等化部
541 第1選択部
542 第2選択部
543 第3選択部
544 第4選択部
551 第1誤り訂正部
552 第2誤り訂正部
560 合成部
At1 水平偏波用アンテナ
At2 垂直偏波用アンテナ
a51 第1のアナログ信号
a52 第2のアナログ信号
c50 合成信号
e51 第1の誤り訂正信号
e52 第2の誤り訂正信号
m51 第1のMIMO処理信号
m52 第2のMIMO処理信号
M51 MIMO受信モード
M52 SISO受信モード
mm1 MIMO処理TS信号
p51 第1の伝送路推定信号
p52 第2の伝送路推定信号
s51 第1のSISO等化信号
s52 第2のSISO等化信号
ss1 第1のSISO処理TS信号
ss2 第2のSISO処理TS信号
【要約】
【課題】汎用性の高い復調モジュールを提供する。
【解決手段】放送信号からTS信号を生成する復調モジュール400は、衛星放送に基づくベースバンドI信号およびベースバンドQ信号のうちの一方の信号を第1AD変換処理し、第1の変換信号を出力する第1AD変換部410と、他方の信号および地上放送に基づくIF信号が入力され、他方の信号およびIF信号のいずれかを選択して第1の選択信号を出力する第1選択部430と、第1の選択信号を第2AD変換処理し、第2の変換信号を出力する第2AD変換部420と、第1の変換信号および/または第2の変換信号に対して復調処理を行い、TS信号を生成する復調誤り訂正部450と、を備える。第1選択部430および第2AD変換部420のそれぞれには、衛星放送および地上放送のいずれの信号処理を行うかを示す設定情報が入力され、第2AD変換部420は、設定情報に基づいて第2AD変換処理を行う。
【選択図】図24
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32