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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】タッチ制御表示パネル
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20220405BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220405BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220405BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20220405BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
G06F3/041 412
G09F9/30 330
G09F9/30 348A
G09F9/00 366A
G06F3/041 490
G06F3/041 422
G06F3/044 120
G02F1/1333
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019503527
(86)(22)【出願日】2018-03-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-08
(86)【国際出願番号】 CN2018079989
(87)【国際公開番号】W WO2019029167
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】201710675303.7
(32)【優先日】2017-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】507134301
【氏名又は名称】北京京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 8 Xihuanzhonglu, BDA, Beijing, 100176, P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100133514
【弁理士】
【氏名又は名称】寺山 啓進
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ルオ、 シンヨウ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 シジュン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、 シー
(72)【発明者】
【氏名】シャオ、 ウェンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、 ルイチェン
【審査官】三吉 翔子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0160852(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0327835(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0115784(US,A1)
【文献】国際公開第2015/059995(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G09F 9/30
G09F 9/00
G06F 3/044
G02F 1/1333
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板を含むタッチ制御表示パネルであって、
前記アレイ基板は、
基板と、
前記基板上に位置し、複数のサブピクセルユニットを含むピクセルユニットと、
前記基板上に位置するタッチ制御信号線と
を含み、
前記タッチ制御信号線の前記基板上における正投影は、前記基板上の前記複数のサブピクセルユニットのうちの一つの開口領域に位置することを特徴とするタッチ制御表示パネル。
【請求項2】
前記複数のサブピクセルユニットのうちの一つは、前記基板上に位置する第1電極と、第2電極とを含み、
前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくとも一つは、少なくとも一つの隙間を含み、前記少なくとも一つの隙間の各々は、前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくとも一方の各々の隣接する二つの部分の間に設置され、
前記タッチ制御信号線の前記基板上における正投影は、前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくとも一方の片方又は両方における少なくとも一つの隙間のうちの一つの、前記基板上における正投影内に含まれることを特徴とする請求項1に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項3】
前記第1電極は、少なくとも一つの第1隙間を含み、前記少なくとも一つの第1隙間の各々は、前記第1電極の隣接する二つの第1部分の間に設置され、
前記タッチ制御信号線の前記基板上における正投影は、前記第1電極における少なくとも一つの第1隙間のうちの一つの、前記基板上における正投影内に含まれ、且つ前記第2電極の正投影と重なることを特徴とする請求項2に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項4】
前記第2電極は、少なくとも一つの第2隙間を含み、前記少なくとも一つの第2隙間の各々は、前記第2電極の隣接する二つの第2部分間に設置され、
前記タッチ制御信号線の前記基板上における正投影は、前記第2電極における少なくとも一つの第2隙間のうちの一つの、前記基板上における正投影内に含まれ、且つ前記第1電極の正投影と重なることを特徴とする請求項2に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項5】
前記第1電極は、少なくとも一つの第1隙間を含み、前記少なくとも一つの第1隙間の各々は、前記第1電極の隣接する二つの第1部分の間に設置され、
前記第2電極は、少なくとも一つの第2隙間を含み、前記少なくとも一つの第2隙間の各々は、前記第2電極の隣接する二つの第2部分の間に設置され、
前記タッチ制御信号線の前記基板上における正投影は、前記第1電極における少なくとも一つの第1隙間のうちの一つの、前記基板上における正投影及び前記第2電極における少なくとも一つの第2隙間のうちの一つの、前記基板上における正投影の両方内に含まれることを特徴とする請求項2に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項6】
前記第1電極は、共通電極として機能するように構成され、
前記第2電極は、ピクセル電極として機能するように構成され、
前記タッチ制御信号線は、前記第1電極に電気的に接続されることを特徴とする請求項2に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項7】
前記第1電極は、タッチ制御段階においてタッチ制御電極として構成され、表示段階において共通電極として構成されることを特徴とする請求項6に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項8】
前記複数のサブピクセルユニットのうち一つは、前記タッチ制御信号線と前記第1電極の間に挟まれた絶縁層を更に含み、前記タッチ制御信号線は、前記絶縁層におけるビアを介して前記第1電極に電気的に接続されることを特徴とする請求項5に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項9】
前記絶縁層は、パッシベーション層又は有機樹脂層を含むことを特徴とする請求項8に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項10】
前記タッチ制御信号線は、前記基板に垂直な方向に沿って、前記第1電極の前記第2電極から遠い側に位置することを特徴とする請求項2に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項11】
前記基板に垂直な方向に沿って、前記第1電極と前記第2電極の間に位置するパッシベーション層を更に含むことを特徴とする請求項10に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項12】
前記タッチ制御信号線は、前記第1電極と前記第2電極の間に位置することを特徴とする請求項2に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項13】
第1パッシベーション層と、第2パッシベーション層とを更に含み、
前記基板に垂直な方向に沿って、
前記第1パッシベーション層は、前記タッチ制御信号線と前記第2電極の間に位置し、
前記第2パッシベーション層は、前記タッチ制御信号線と前記第1電極の間に位置することを特徴とする請求項12に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項14】
第2電極は、ブロック状又はストリップ状であることを特徴とする請求項1に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項15】
前記基板上に位置する複数のデータ線と複数のゲート線とを更に含み、前記複数のデータ線と前記複数のゲート線は、互い違いであり、
前記タッチ制御信号線は、前記複数のサブピクセルユニットのうちの一つを画定する隣接する二つのデータ線の各々までの距離が実質的に同じであることを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項16】
前記タッチ制御信号線と前記複数のデータ線とは、実質的に同一層に位置し、且つ実質的に同一組成を有することを特徴とする請求項15に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項17】
前記基板上に位置する複数のデータ線と複数のゲート線とを更に含み、前記複数のデータ線と複数のゲート線は互い違いであり、
前記タッチ制御信号線は、前記複数のサブピクセルユニットのうちの一つを画定する隣接する二つのゲート線の各々までの距離が実質的に同じであることを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項18】
前記タッチ制御信号線と前記複数のゲート線とは、実質的に同一層に位置し、且つ実質的に同一組成を有することを特徴とする請求項17に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項19】
前記アレイ基板の前記基板から遠い側に位置する封入基板を更に含むことを特徴とする請求項1~18のいずれか1項に記載のタッチ制御表示パネル。
【請求項20】
前記封入基板の前記基板に近い側に位置するブラックマトリクスを更に含み、
前記ブラックマトリクスは、複数の開口を有し、
前記ブラックマトリクスは、前記複数のサブピクセルユニットの各々の正投影が、前記ブラックマトリクスの各開口の前記基板上における正投影内に含まれるように構成されることを特徴とする請求項19に記載のタッチ制御表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年8月9日に中国特許庁に提出された中国特許出願201710675303.7の優先権を主張し、その全ての内容が援用により本出願に取り込まれる。
【0002】
本開示は、概して表示技術に関し、より具体的には、タッチ制御表示技術分野に関し、とりわけピクセルユニット、アレイ基板及びタッチ制御表示パネルに関する。
【背景技術】
【0003】
表示技術の急速な発展と共に、タッチパネルは徐々に人々の生活に浸透している。インセル型タッチ制御表示パネル技術は、製造プロセスが表示パネルの製造プロセスと良好な互換性を有すること、製造プロセスが比較的簡単なこと及製造コストが低いこと等の利点を有するため、現在、インセル型タッチ制御表示パネル技術は、タッチ制御表示パネル技術における主導的な地位を獲得している。
【0004】
上記の利点により、インセル型タッチ制御表示パネル技術の開発は、大きなビジネスポテンシャルを持っている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、タッチ制御表示パネルを提供する。
【0006】
前記タッチ制御表示パネルは、アレイ基板を含み、前記アレイ基板は、基板と、ピクセルユニットと、タッチ制御信号線とを含む。前記ピクセルユニット及び前記タッチ制御信号線は、両方とも前記基板上に位置する。前記ピクセルユニットは、複数のサブピクセルユニットを含む。前記タッチ制御信号線の前記基板上における正投影が、前記基板上の前記複数のサブピクセルユニットのうちの一つの開口領域に位置するように構成される。
【0007】
ここで、前記複数のサブピクセルユニットのうちの一つは、前記基板上に位置する第1電極と、第2電極とを含むことができる。前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくとも一つは、少なくとも一つの隙間を含み、各隙間は、前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくとも一方の各々の隣接する二つの部分の間に設置される。さらに、前記タッチ制御信号線の前記基板上における正投影が、前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくとも一方の片方又は両方における少なくとも一つの隙間のうちの一つの、前記基板上における正投影内に含まれるように構成される。
【0008】
幾つかの実施例によれば、前記第1電極は、少なくとも一つの第1隙間を含む。各第1隙間は、前記第1電極の隣接する二つの第1部分の間に設置され、前記タッチ制御信号線の前記基板上における正投影が、前記第1電極における少なくとも一つの第1隙間のうちの一つの、前記基板上における正投影内に含まれ、且つ前記第2電極の正投影と重なるように構成される。
【0009】
別の幾つかの実施例によれば、前記第2電極は、少なくとも一つの第2隙間を含む。各第2隙間は、前記第2電極の隣接する二つの第2部分間に設置され、前記タッチ制御信号線の前記基板上における正投影が、前記第2電極における少なくとも一つの第2隙間ののうちの一つの、前記基板上における正投影内に含まれ、且つ前記第1電極の正投影と重なるように構成される。
【0010】
また他の幾つかの実施例によれば、前記第1電極は、少なくとも一つの第1隙間を含み、各第1隙間は、前記第1電極の隣接する二つの第1部分の間に設置され、前記第2電極は、少なくとも一つの第2隙間を含み、各第2隙間は、前記第2電極の隣接する二つの第2部分の間に設置される。前記タッチ制御信号線の前記基板上における正投影が、前記第1電極における少なくとも一つの第1隙間のうちの一つの、前記基板上における正投影及び前記第2電極における少なくとも一つの第2隙間のうちの一つの、前記基板上における正投影の両方内に含まれるように構成される。
【0011】
前記タッチ制御表示パネルの幾つかの実施例によれば、前記第1電極は、共通電極として機能するように構成され、前記第2電極は、ピクセル電極として機能するように構成され、前記タッチ制御信号線は、前記第1電極に電気的に接続される。ここで、前記第1電極は、タッチ制御段階においてタッチ制御電極として構成され、表示段階において共通電極として構成されることができる。
【0012】
前記タッチ制御表示パネルにおいて、前記複数のサブピクセルユニットのうち一つは、前記タッチ制御信号線と前記第1電極の間に挟まれた絶縁層を更に含むことができる。前記タッチ制御信号線は、前記絶縁層におけるビアを介して前記第1電極に電気的に接続されることができる。ここで、前記絶縁層は、パッシベーション層又は有機樹脂層を含むことができる。
【0013】
前記タッチ制御表示パネルの幾つかの実施例によれば、前記タッチ制御信号線は、前記基板に垂直な方向に沿って、前記第1電極の前記第2電極から遠い側に設置される。前記タッチ制御表示パネルは、前記基板に垂直な方向に沿って、前記第1電極と前記第2電極の間に位置するパッシベーション層を更に含むことができる。
【0014】
前記タッチ制御表示パネルの別の幾つかの実施例によれば、前記タッチ制御信号線は、前記第1電極と前記第2電極の間に設置される。前記タッチ制御表示パネルは、第1パッシベーション層と、第2パッシベーション層とを更に含むことができる。前記基板に垂直な方向に沿って、前記第1パッシベーション層は、前記タッチ制御信号線と前記第2電極の間に位置し、前記第2パッシベーション層は、前記タッチ制御信号線と前記第1電極の間に位置する。
【0015】
上記のようなタッチ制御表示パネルにおいて、前記第2電極は、ブロック状又はストリップ状であることができる。
【0016】
幾つかの実施例によれば、前記タッチ制御表示パネルは、前記基板上に位置する複数のデータ線と複数のゲート線とを更に含み、前記複数のデータ線と前記複数のゲート線は互い違いである。前記タッチ制御信号線は、前記複数のサブピクセルユニットのうちの一つを画定する隣接する二つのデータ線の各々までの距離が実質的に同じであるように構成される。
【0017】
ここで、前記タッチ制御信号線と前記複数のデータ線とは、実質的に同一層に位置し、且つ実質的に同一組成を有することができる。
【0018】
別の幾つかの実施例によれば、前記タッチ制御表示パネルは、前記基板上に位置する複数のデータ線と複数のゲート線とを更に含み、前記複数のデータ線と前記複数のゲート線は互い違いである。前記タッチ制御信号線は、前記複数のサブピクセルユニットのうちの一つを定義する隣接する二つのゲート線の各々までの距離が実質的に同じであるように構成される。
【0019】
ここで、前記タッチ制御信号線と前記複数のゲート線とは、実質的に同一層に位置し、且つ実質的に同一組成を有することができる。
【0020】
前記タッチ制御表示パネルは、前記アレイ基板の前記基板から遠い側に位置する封入基板(encasing substrate)を更に含むことができる。ここで、前記タッチ制御表示パネルは、前記封入基板の前記基板に近い側に設置されたブラックマトリクスを更に含むことができる。前記ブラックマトリクスは、複数の開口を有し、前記ブラックマトリクスは、前記複数のサブピクセルユニットの各々の正投影が、前記ブラックマトリクスの各開口の前記基板上における正投影内に含まれるように構成することができる。
【0021】
本開示において提供される様々な実施例を明確に説明するために、以下は、実施例の記述に付随する図面である。
【0022】
注意すべきことは、これらの図面は、単に例示の目的だけに使われるものとして解釈されるべきであり、これらの図面は、本開示の全部の実施例ではなく、ほんの一部の実施例を示すことができる。当業者にとって、以下に記述され且つこれらの図面に例示されるような構造に基づいた他の実施例は明白になるであろう。このように、これらの他の実施例は、本開示の範囲内に含まれると解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】既存のタッチ制御表示技術に係るインセル型タッチ制御表示パネルにおけるピクセルユニットの上面図である。
図1B図1Aに示すようなインセル型タッチ制御表示パネルのA-A’方向に沿った断面図である。
図2A】本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板におけるピクセルユニットの上面図である。
図2B】前記アレイ基板の一実施例に係る図2Aに示すようなピクセルユニットのA-A’方向に沿った断面図である。
図2C】前記アレイ基板の別の実施例に係る図2Aに示すようなピクセルユニットのA-A’方向に沿った断面図である。
図2D】前記アレイ基板のまた別の実施例に係る図2Aに示すようなピクセルユニットのA-A’方向に沿った断面図である。
図2E】前記アレイ基板のまた別の実施例に係る図2Aに示すようなピクセルユニットのA-A’方向に沿った断面図である。
図2F】本開示の幾つかの実施例に係る図2Aに示すようなピクセルユニットのB-B’方向に沿った断面図である。
図3A】本開示の別の幾つかの実施例に係るアレイ基板におけるピクセルユニットの上面図である。
図3B】前記アレイ基板の一実施例に係る図3Aに示すようなピクセルユニットのA-A’方向に沿った断面図である。
図3C】前記アレイ基板の別の実施例に係る図3Aに示すようなピクセルユニットのA-A’方向に沿った断面図である。
図3D】前記アレイ基板のまた別の実施例に係る図3Aに示すようなピクセルユニットのA-A’方向に沿った断面図である。
図3E】前記アレイ基板のまた別の実施例に係る図3Aに示すようなピクセルユニットのA-A’方向に沿った断面図である。
図3F】本開示の幾つかの実施例に係る図3Aに示すようなピクセルユニットのB-B’方向に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施例と組み合わせて、添付図面を参照しながら本開示の目的の達成、機能的特徴及び利点をさらに記述する。
【0025】
以下、具体的な例を挙げて本開示の様々な実施例を記述し、当業者は本明細書に記述される内容から本開示の他の利点及び効果を容易に理解することができる。
【0026】
明らかに、記述される実施例は、本開示における実施例の全部ではなく、ほんの一部である。本開示は、異なる特定の実施例を通じて実施及び適用されても良く、本明細書の様々な詳細は、本開示の精神を逸脱することなく、異なる視点及び応用に基づいて修正又は変更されても良い。
【0027】
本開示における実施例に基づいて、創造的労働を行わないことを前提として当業者により取得される他のすべての実施例は、本開示の保護範囲内に属する。注意すべきことは、矛盾がないことを前提として、以下の実施例及び実施例における特徴は組み合わせることができる。
【0028】
前述した従来のインセル型タッチ制御表示パネル技術には利点もあるが、本開示の出願人によって、該技術の弱点が観察された。
【0029】
図1A及び図1Bは、既存技術に係るインセル型タッチ制御表示パネルのピクセルユニットを示しており、図1Aは、従来のアレイ基板のピクセルユニットの上面図であり、図1Bは、図1Aに示すようなインセル型タッチ制御表示パネルのA-A’線方向に沿った断面図である。インセル型タッチ制御表示パネルにおいて、各タッチ制御電極と各ピクセル共通電極は、通常共用電極であって、一般的に表示段階で共通電極として用いられ、タッチ制御段階でタッチ制御電極として用いられる。
【0030】
図1A及び図1Bに示すようなインセル型タッチ制御表示パネルのピクセル構造において、各タッチ制御信号線3(即ち、タッチパターン金属又はTPM)は、通常データ線5に隣接して設置され、且つデータ線5に実質的に平行になるように構成される。各タッチ制御信号線3及びそれに隣接するデータ線5は、両方ともブラックマトリクス6のパターンにより覆われる(即ち、タッチ制御信号線3及びデータ線5の、基板等の平面上における正投影は、ブラックマトリクス6のパターンの同一平面上における正投影により覆われる)。
【0031】
上記のような従来のインセル型タッチ制御表示パネルにおいて、各タッチ制御信号線3は、インセル型タッチ制御表示パネルの表示段階において、電気的に接続されているピクセル共通電極に共通電圧信号を提供するように構成され、且つ前記インセル型タッチ制御表示パネルのタッチ制御段階において、電気的に接続されているタッチ制御電極に駆動信号を提供し、応答信号を受信するように構成される。
【0032】
しかし、上記のような及び図1A及び図1Bに示すような従来のインセル型タッチ制御表示パネルにおいて、各タッチ制御信号線3及びそれに対応する各データ線5を覆うように設置されるブラックマトリクス6のパターンは、一般的に比較的大きい幅を有し、インセル型タッチ制御表示パネルの各ピクセルユニットの開口率に悪影響を与える可能性があり、インセル型タッチ制御表示パネル全体の光透過率の低下をもたらす。
【0033】
また、図1A及び図1Bに示すような従来のインセル型タッチ制御表示パネルで示されるように、各タッチ制御信号線3は、通常それに隣接するデータ線5に近いので、タッチ制御信号線3とその隣接するデータ線5間の短絡のリスクがあり、製造プロセスにおけるタッチ制御表示パネルの収率が低下する可能性がある。
【0034】
上記の従来のインセル型タッチ制御表示パネルの問題に鑑みて、本開示は、アレイ基板、前記アレイ基板を含むタッチ制御表示パネル及び前記タッチ制御表示パネルを有する表示装置を提供する。
【0035】
図2A~2Fは、本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板を示す。
【0036】
これらの図面に示すように、本開示のこれらの実施例に係るアレイ基板1は、複数のタッチ制御信号線3と、複数のゲート線4と、複数のデータ線5とを含む。複数のデータ線5と複数のゲート線4は、互いに交差するように設置されることで、複数のサブピクセルユニットを画定する。
【0037】
ここで、各サブピクセルユニットは、実質的に、互い違いになっている隣接する二つのデータ線と隣接する二つのゲート線とにより画定される領域であり、即ち、隣接する二つのデータ線と隣接する二つのゲート線とにより形成される各領域の正投影は、実質的にサブピクセルユニットを画定する。例えば、図2Bに示すようなアレイ基板1において、一サブピクセルユニットが大きい方の破線のボックス100で示されており、前記サブピクセルユニットの一側が、実質的に、隣接する二つのデータ線5の中心線間に位置する。同様に、前記サブピクセルユニットの前述の一側に垂直な前記サブピクセルユニットの別の側は、隣接する二つのゲート線4の中心線間に位置する(図示しない)。注意すべきことは、サブピクセルユニットのこのような画定は、本開示全般にわたって適用される。
【0038】
複数のタッチ制御信号線3の各々は、前記サブピクセルユニットの開口領域内に設置される。具体的には、タッチ制御信号線3の各々は、各ピクセルユニットのサブピクセルユニットのいずれか一つの開口領域内に設置され(即ち、各タッチ制御信号線3の、前記アレイ基板のような平面上における正投影は、ピクセルユニットのサブピクセルユニットのうちの一つの開口領域の、同一平面上における正投影内に有る)、さらに複数のデータ線5のうちの一つに実質的に平行になるように設置される。
【0039】
上記のようなアレイ基板1において、所定数のサブピクセルユニットが、ピクセルユニットを形成するように構成される。図2Aに示すような例示的な例となるこの特定の実施例において、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3つのサブピクセルユニットによりピクセルユニットを形成する。各タッチ制御信号線3は、各ピクセルユニットのうち一つのRサブピクセルユニットの開口領域に設置される。
【0040】
さらに、図2B~2Fに示すように、タッチ制御表示パネルには、アレイ基板1に対向するように封入基板2が配置されていてもよい。ブラックマトリクス6のパターンは、封入基板2のアレイ基板1(図面で封入基板2の下に示される)に近い方の表面上に配置される。ブラックマトリクス6は、複数のゲート線4の各々及び複数のデータ線5の各々を覆うように構成される(即ち、複数のゲート線4の各々及び複数のデータ線5の各々の、前記アレイ基板のような平面上における正投影は、ブラックマトリクス6の同一平面上における正投影内にある)。
【0041】
ブラックマトリクス6のパターンは、メッシュ状をなし、且つブラックマトリクス6のメッシュ構造の交雑するワイヤにより画定される複数の開口を含む。メッシュ状のブラックマトリクス6の複数の開口の各々は、前記サブピクセルユニットの一開口領域に対応する(即ち、ブラックマトリクス6の各開口の前記基板上における正投影は、サブピクセルユニットの各開口領域の前記基板上における正投影と重なる)。
【0042】
ここで、並びに本開示全般にわたって、サブピクセルユニットの開口領域は、通常前記サブピクセルユニットのデータ線、ゲート線又は薄膜トランジスタ等のような部材を覆うブラックマトリクス6のパターンが存在する領域を除外した透明領域、又はより具体的には、光透過性領域として画定される。具体的には、図2Bに示すアレイ基板1における3つのサブピクセルユニットを有する一ピクセルユニットで示されるように、サブピクセルユニットの一開口領域が、小さい方の破線のボックス200で示されている。従って、各開口領域は、実質的にブラックマトリクス6の隣接する二つのメッシュワイヤ間に位置する。
【0043】
ここで、各タッチ制御信号線3が前記サブピクセルユニットの一開口領域に設置されているため、ブラックマトリクス6の前記基板上における正投影は、各タッチ制御信号線3の前記基板上における正投影を覆わない。
【0044】
図1Bは、従来のタッチ制御表示パネルのアレイ基板におけるブラックマトリクス6、各タッチ制御信号線3、各データ線5の位置配置及びそれらの相対距離関係を示す。
【0045】
図面に示すように、ピクセルユニットの幅はpであり(即ち、R、G、Bの3つのサブピクセルユニットの幅の和はpである)、ブラックマトリクス6の各タッチ制御信号線3を覆う各第1ワイヤの幅はmxであり、ブラックマトリクス6のいかなるタッチ制御信号線3も覆わない各第2ワイヤの幅はmであり、各タッチ制御信号線3の幅はwであり、各タッチ制御信号線3と近隣のデータ線5の間の距離はsであり、各タッチ制御信号線3の近隣のデータ線5から遠い又は遠く離れた端と、ブラックマトリクス6の対応するワイヤの対応する端との間の距離はaであり、近隣のデータ線5の近隣のタッチ制御信号線3に近い又は近くなる端とブラックマトリクス6のワイヤの他端との間の距離は、bである。
【0046】
図1Bに示すように、3つのサブピクセルユニットの開口領域の幅の和は、W1であり、ここで、W1は以下の式で表される。
W1=p-2m-mx=p-2m-(a+b+w+s) (1)
【0047】
図2Bは、本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板におけるブラックマトリクス6、各タッチ制御信号線3、各データ線5の位置配置及びそれらの相対距離関係を示す。
【0048】
図2Bに示すように、ピクセルユニットの幅はpであり、各タッチ制御信号線3の幅はwである。各タッチ制御信号線3が前記サブピクセルユニットの開口領域に設置されているため、ブラックマトリクス6のワイヤは、各タッチ制御信号線3を覆わない。ブラックマトリクス6における全てのワイヤの幅は同一であり、いずれもmである。
【0049】
各タッチ制御信号線3は、光を透過させる金属ワイヤであるため、3つのサブピクセルユニットの開口領域の幅の和は、W2であり、ここで、W2は以下の式で表される。
W2=p-3m-w (2)
【0050】
式(1)と式(2)を組み合わせると、以下の式で表される。
W1-W2=m-(a+b+s) (3)
【0051】
通常、a+b≧m、且つs>0であるため、従って、以下の式で表される。
W1<W2 (4)
【0052】
言い換えれば、本文に記載されるアレイ基板のピクセルの開口領域の幅(即ち、W2)は、従来のタッチ制御表示パネルにおけるアレイ基板のピクセルの幅(即ち、W1)より大きい。
【0053】
本開示に提供されるアレイ基板は、各タッチ制御信号線3をサブピクセルユニットの開口領域に設置することで、各タッチ制御信号線3がブラックマトリクス6のパターン(より具体的には、ブラックマトリクス6のワイヤ)により覆われず、言い換えれば、各タッチ制御信号線3のアレイ基板のような平面上における正投影は、開口領域内のブラックマトリクス6の同一平面上における正投影と重ならない。このように、ブラックマトリクス6の各ワイヤの幅を狭めることができ、従って、ピクセルユニットの開口率及び前記アレイ基板を含む前記タッチ制御表示パネル並びに前記タッチ制御表示パネルを含む表示装置の光透過率を向上させることができる。従って、表示装置の表示効果を改善することができる。
【0054】
図2Aに示すようなアレイ基板の幾つかの実施例によれば、各タッチ制御信号線3は、各サブピクセルユニットの開口領域の中央に設置される。言い換えれば、タッチ制御信号線3から、タッチ制御信号線3に直接隣接する二つのデータ線2までの距離は、実質的に等しい。
【0055】
このように、各タッチ制御信号線3をサブピクセルユニットの開口領域の中央に構成することで、各タッチ制御信号線3とデータ線5の間の距離を最大限増加できる。その結果、タッチ制御信号線3とデータ線5間の短絡のリスクを低減でき、タッチ制御表示パネル製品の収率を向上させることができる。
【0056】
また、各タッチ制御信号線3から、タッチ制御信号線3に直接隣接する二つのデータ線5までの距離が実質的に等しいため、二つのデータ線5の、近隣の2つのサブピクセルユニット内部のピクセル電極上の電圧への影響は実質的に同じである。その結果、近隣の2つのサブピクセルユニット間の表示効果の偏差を回避することができ、表示効果をさらに改善することができる。
【0057】
図2B~2Fに示すような本開示の幾つかの実施例によれば、アレイ基板1は、基板11と、複数のゲート電極12と、ゲート絶縁層13と、複数のデータ線5と、複数の第1電極7と、複数の第2電極8と、第1パッシベーション層9と、複数のタッチ制御信号線3と、第2パッシベーション層10とを含む。
【0058】
複数のゲート電極12と、ゲート絶縁層13と、複数のデータ線5及び複数の第2電極8と、第1パッシベーション層9と、複数のタッチ制御信号線3と、第2パッシベーション層10と、複数の第1電極7とは、基板11上に順に配置される。
【0059】
複数のゲート電極12は、それぞれ一つのゲート線4に電気的に接続される。複数の第2電極8の各々は、ブロック状であり、複数の第1電極7の各々は、ストリップ状である。各第2電極8は、各サブピクセルユニットの開口領域に設置され(即ち、各第2電極8の前記基板上における正投影は、各サブピクセルユニットの開口領域の前記基板上における正投影内に含まれる)、且つピクセル電極として構成される。各第1電極7は、ストリップ状であり、且つ共通電極として構成される。
【0060】
さらに図2B及び図2Fに示すように、アレイ基板のこれらの実施例によれば、複数のタッチ制御信号線3の各々は、アレイ基板1(より具体的には、アレイ基板1の基板11)に垂直な方向に沿って複数の第1電極7と複数の第2電極8の間に設置される。
【0061】
さらに、図2A及び図2Fを参照すると、アレイ基板の該実施例によれば、各タッチ制御信号線3は、第2パッシベーション層10に貫設されるビア14を介して、各タッチ制御信号線3に対応する複数の第1電極7のうちの一つに電気的に接続される。
【0062】
表示段階において、各タッチ制御信号線3は、それに対応する複数の第1電極7のうちの一つに共通電圧信号を提供するように構成され、これに応じて、該複数の第1電極7の一つは共通電極として機能する。
【0063】
タッチ制御段階において、複数の第1電極7のうちの一つはタッチ制御電極として構成され、各タッチ制御信号線3は、複数の第1電極7(即ち、タッチ制御電極)のうちの一つにタッチ制御駆動信号を提供するように構成され、かつ、応答信号を受信するように構成される。
【0064】
具体的には、本文に記載されるタッチ制御表示パネルのタッチ制御段階において、ユーザの指によるタッチ制御の際、指、及びタッチ制御表示パネルのタッチ制御領域(即ち、指がタッチ制御表示パネルをタッチする位置)内のアレイ基板1における複数の第1電極7のうちの一つ又は複数は、一つ又は複数のキャパシタを形成することができ、これにより、タッチ制御領域内の一つ又は複数の第1電極7の各々上の電圧は変更されるか又は変化する。タッチ制御領域の位置は、前記タッチ制御領域内の一つ又は複数の第1電極7の各々上の電圧の変化をテストすることにより決定することができる。
【0065】
前記タッチ制御表示パネルの表示段階において、複数の第1電極7の各々と対応する第2電極8(即ち、基板上における正投影が複数の第1電極7の各々の前記基板上における正投影を覆う第2電極8)の間に電場が形成されて、アレイ基板1と封入基板2の間に設置された液晶層(図示しない)がツイストするように駆動することで、タッチ制御表示パネルの画像表示を実現する。
【0066】
図2Eに示すようなアレイ基板の幾つかの実施例によれば、各タッチ制御信号線3のアレイ基板1の基板11上における正投影は、対応する第1電極7のアレイ基板1の基板11上における正投影及び対応する第2電極8のアレイ基板1の基板11上における正投影の両方と重なるように構成することができる。
【0067】
複数のタッチ制御信号線3の各々の電気抵抗を低減させて複数のタッチ制御信号線3の各々の駆動周波数を増やすために、複数のタッチ制御信号線3の各々は、各第2電極8及び/又はそれに対応する各第1電極7との特殊な位置関係を有するように構成することができる。
【0068】
以下、図2B図2C及び図2Dを参照して、前記アレイ基板の3つの異なる実施例に係る各タッチ制御信号線3の異なる構成、並びにその対応する第1電極7及び対応する第2電極8との位置関係を詳細に記述する。
【0069】
図2Dに示すようなアレイ基板の第1実施例によれば、複数のタッチ制御信号線3、複数の第1電極7及び複数の第2電極8は、各タッチ制御信号線3が、各タッチ制御信号線3に対応する第2電極8が存在する位置には設置されていないが(即ち、各第2電極8は、タッチ制御信号線3に対応する領域で切断されている)、各タッチ制御信号線3に対応する第1電極7が存在する位置には依然として設置されるように構成される。
【0070】
具体的には、図2Dに示すようなアレイ基板の該第1実施例において、各タッチ制御信号線3の基板11上における正投影と対応する第1電極7の基板11上における正投影とは、少なくとも部分的に重なるが、各タッチ制御信号線3の基板11上における正投影は、対応する第2電極8の基板11上における正投影とは重ならない(より具体的には、図面に示すように、各タッチ制御信号線3の基板11上における正投影は、基板11上の対応する第2電極8の隣接する二つの部分の間の隙間G1内に含まれる)。
【0071】
図2Cに示すようなアレイ基板の第2実施例によれば、複数のタッチ制御信号線3、複数の第1電極7及び複数の第2電極8は、各タッチ制御信号線3が、各タッチ制御信号線3に対応する第1電極7が存在する位置には設置されないが、各タッチ制御信号線3に対応する第2電極8が存在する位置には依然として設置されるように構成される。
【0072】
具体的には、図2Cに示すようなアレイ基板の該第2実施例において、各タッチ制御信号線3の基板11上における正投影と対応する第1電極8の基板11上における正投影とは、少なくとも部分的に重なるが、各タッチ制御信号線3の基板11上における正投影は、対応する第1電極7の基板11上における正投影とは重ならない(より具体的には、図面に示すように、各タッチ制御信号線3の基板11上における正投影は、基板11上の対応する第1電極7の隣接する二つの部分の間の隙間G2内に含まれる)。
【0073】
図2Bに示すようなアレイ基板の第3実施例において、複数のタッチ制御信号線3、複数の第1電極7及び複数の第2電極8は、各タッチ制御信号線3が、各タッチ制御信号線3に対応する第1電極7が存在する位置に設置されず、さらに各タッチ制御信号線3に対応する第2電極8が存在する位置にも設置されないように構成される(即ち、各第2電極8は、タッチ制御信号線3に対応する領域で切断される)。
【0074】
具体的には、図2Bに示すようなアレイ基板の第3実施例において、各第2電極8の基板11上における正投影も、各第1電極7の基板11上における正投影も、対応するタッチ制御信号線3の基板11における正投影とは重ならない(より具体的には、図面に示すように、各タッチ制御信号線3の基板11上における正投影は、基板11上の対応する第2電極8の隣接する二つの部分の間の隙間G1及び基板11上の対応する第1電極7の隣接する二つの部分の間の隙間G2の両方内に含まれる)。
【0075】
注意すべきことは、前述のアレイ基板の3つの実施例(即ち、図2Dに示す第1実施例、図2Cに示す第2実施例及び図2Bに示す第3実施例)のうち、第3実施例において、各タッチ制御信号線3は、対応する第1電極7が存在する位置及び対応する第2電極8が存在する位置のどちらにも設置されていないため、第3実施例における複数のタッチ制御信号線3の各々は、電気抵抗が最も低い。
【0076】
なお、各タッチ制御信号線3が、依然として(図2Dに示す第1実施例のように)対応する第1電極7が存在する位置又は(図2Cに示す第2実施例のように)対応する第2電極8が存在する位置に設置されているため、該2つの実施例のいずれか一つにおける複数のタッチ制御信号線3の各々の電気抵抗の低減効果は、第3実施例ほど良くない。
【0077】
図3A~3Fは、本開示の別の幾つかの実施例に係るアレイ基板を示す。
【0078】
上記の図2A~2Fに示すようなアレイ基板の実施例とは異なり、図3A~3Fに示すような実施例に係るアレイ基板は、有機樹脂層(ORG)を含み、複数のタッチ制御信号線3と複数のデータ線5とは、実質的に同一層にあり且つ実質的に同一組成を有するように構成される。上記のようなこの後者の特徴により、図3A~3Fに示すようなアレイ基板の実施例において、複数のタッチ制御信号線3と複数のデータ線5とは、アレイ基板1の製造過程において、一回のパターニングプロセスにより形成することができる。
【0079】
また、図3A~3Fに示すようなアレイ基板の実施例において、アレイ基板1(より具体的には、アレイ基板1の基板11)に垂直な方向に沿って、複数のタッチ制御信号線3は、図2A~2Fに示すアレイ基板の実施例のように複数の第1電極7と複数の第2電極8の間に設置されるのではなく、有機樹脂層の複数の第1電極7から遠い(即ち、遠く離れる)側に設置される。
【0080】
図3A~3Fに示すようなアレイ基板の実施例において、複数のタッチ制御信号線3と複数のデータ線5とは、実質的に同一層に構成され且つ実質的に同一組成を有し、且つ、有機樹脂層15がアレイ基板1に更に設置される。より具体的には、有機樹脂層15は、複数のタッチ制御信号線3及び複数のデータ線5の層の、封入基板2に近い(即ち、アレイ基板1の基板11から遠い)側に設置される。
【0081】
具体的には、図3A~3Fに示すような実施例において、アレイ基板は、アレイ基板1の基板11上に順に又は逐次的に配置される複数のゲート電極12と、ゲート絶縁層13、上記の複数のタッチ制御信号線3及び複数のデータ線5の層と、上記の有機樹脂層15と、複数の第1電極7と、第2パッシベーション層10と、複数の第2電極8とを含む。
【0082】
ここで、複数のゲート電極12の各々は、複数のゲート線4のうちの一つに電気的に接続される。複数の第2電極8の各々は、ストリップ状であり、且つサブピクセルユニットの各々の開口領域に設置される(即ち、各第2電極8の基板11上における正投影は、サブピクセルユニットの各々の開口領域の基板11上における正投影内に含まれる)。各第2電極8は、本文に記載されるようなアレイ基板のこれら実施例におけるピクセル電極として構成することができる。複数の第1電極7の各々は、ブロック状であり、且つ本文に記載されるようなアレイ基板のこれら実施例における共通電極として機能するように構成することができる。
【0083】
複数の第1電極7及び複数の第2電極8は、有機樹脂層15の上記複数のタッチ制御信号線3及び複数のデータ線5の層から遠い側に設置される。言い換えれば、有機樹脂層15は、複数のタッチ制御信号線3及び複数のデータ線5の層と複数の第1電極7及び複数の第2電極8との間に挟まれる。
【0084】
図3Fに示すように、複数のタッチ制御信号線3の各々は、有機樹脂層15に貫設されるビアを介して、対応する複数の第1電極7のうちの一つに電気的に接続される。
【0085】
表示段階において、各タッチ制御信号線3は、対応する複数の第1電極7のうちの一つに共通電圧信号を提供するように構成され、これに応じて、複数の第1電極7のうちの一つは、共通電極として機能する。
【0086】
タッチ制御段階において、複数の第1電極7のうちの一つは、タッチ制御電極として構成され、各タッチ制御信号線3は、複数の第1電極7(即ち、タッチ制御電極)のうちの一つにタッチ制御駆動信号を提供するように構成され、かつ、応答信号を受信するように構成される。
【0087】
注意すべきことは、図3A~3Fに示され且つ本文に記載されるようなアレイ基板の実施例おける有機樹脂層15は、図2A~2Fに示すようなアレイ基板の実施例における一つのパッシベーション層(即ち、第1パッシベーション層9)を置き換える。このような置き換えにより、図3A~3Fに示すようなアレイ基板の実施例は、図2A~2Fに示すようなアレイ基板の実施例に対して、技術的利点を有するようになる。
【0088】
一つ目として、有機樹脂層15(即ち、有機樹脂)における該組成は、通常該一つのパッシベーション層に比べて比較的低い誘電率を有し、有機樹脂層を採用する図3A~3Fに示され且つ本文に記載されるようなアレイ基板の実施例において、複数のタッチ制御信号線3と複数の第1電極7の間及び/又は複数のタッチ制御信号線3と複数の第2電極8の間で実質的に形成されるキャパシタは、第2パッシベーション層10を採用する図2A~2Fに示す及び上記のようなアレイ基板の実施例に比べ、キャパシタンスが低減される。
【0089】
二つ目として、有機樹脂層15は、該一つのパッシベーション層に比べて比較的大きい厚さを有するように構成することができる。その結果、図3A~3Fに示され且つ本文に記載されるアレイ基板の実施例において、図2A~2Fに示され且つ上述したようなアレイ基板の実施例に比べ、複数のタッチ制御信号線3と複数の第1電極7の間の距離及び/又は複数のタッチ制御信号線3と複数の第2電極8間の距離を大きくすることができる。逆に言えば、この特徴により、さらに、図3A~3Fに示され且つ本文に記載されるようなアレイ基板の実施例において、複数のタッチ制御信号線3の各々の電気抵抗が有る程度まで低減される。
【0090】
上記の有利な特徴により、有機樹脂層15による一パッシベーション層の置き換えにより複数のタッチ制御信号線3の各々の電気抵抗を低減することができるため、各第1電極7及び/又はそれに対応する各第2電極8とのその位置関係の観点からは、図2A~2Fに示され且つ上述したようなアレイ基板の実施例のように、(例えば、各タッチ制御信号線3を、対応する第1電極7及び/又は対応する第2電極8が存在する位置に設置しないことにより)各タッチ制御信号線3を特殊な構成とする必要がない。このように、本文に記載される実施例における複数のタッチ制御信号線3の各々の駆動周波数を向上させることができる。
【0091】
従って、図3Eに示すようなアレイ基板の実施例において、複数のタッチ制御信号線3の各々のアレイ基板1の基板11上における正投影は、対応する第1電極7の基板11上における正投影及び対応する第2電極8の基板11上における正投影の両方と重なることができる。
【0092】
注意すべきことは、本文に記載されるような実施例において、複数のタッチ制御信号線3の各々の電気抵抗をさらに低減するために、図2A~2Fに示され且つ上述したようなアレイ基板の実施例と同様に、複数のタッチ制御信号線3の各々は、各第2電極8及び/又はそれに対応する各第1電極7と特殊な位置関係を有するように構成することができる。
【0093】
以下、図3B図3C及び図3Dを参照して、前記アレイ基板の3つの異なる実施例に係る各タッチ制御信号線3の異なる構成、並びにその対応する第1電極7及び対応する第2電極8との位置関係を詳細に記述する。
【0094】
図3Bに示すようなアレイ基板の第4実施例によれば、複数のタッチ制御信号線3、複数の第1電極7及び複数の第2電極8は、各タッチ制御信号線3が、各タッチ制御信号線3に対応する第1電極7が存在する位置には設置されないが(即ち、各第1電極7は、タッチ制御信号線3に対応する領域で切断される)、各タッチ制御信号線3に対応する第2電極8が存在する位置には依然として設置されるように構成される。
【0095】
具体的には、図3Bに示すようなアレイ基板の第4実施例において、各タッチ制御信号線3の基板11上における正投影と、対応する第2電極8の基板11上における正投影は少なくとも部分的に重なるが、各タッチ制御信号線3の基板11上における正投影は、対応する第1電極7の基板11上における正投影とは重ならない(より具体的には、図面に示すように、各タッチ制御信号線3の基板11上における正投影は、基板11上の対応する第1電極7の隣接する二つの部分の間の隙間G3内に含まれる)。
【0096】
図3Dに示すようなアレイ基板の第5実施例によれば、複数のタッチ制御信号線3、複数の第1電極7及び複数の第2電極8は、各タッチ制御信号線3が、各タッチ制御信号線3に対応する第2電極8が存在する位置に設置されないが、各タッチ制御信号線3に対応する第1電極7が存在する位置には依然として設置されるように構成される
【0097】
具体的には、図3Dに示すようなアレイ基板の該第5実施例において、各タッチ制御信号線3の基板11上における正投影と、対応する第1電極7の基板11上における正投影は少なくとも部分的に重なるが、各タッチ制御信号線3の基板11上における正投影は、対応する第2電極8の基板11上における正投影とは重ならない(より具体的には、図面に示すように、各タッチ制御信号線3の基板11上における正投影は、基板11上の対応する第2電極8の隣接する二つの部分の間の隙間G4内に含まれる)。
【0098】
図3Cに示すようなアレイ基板の第6実施例によれば、複数のタッチ制御信号線3、複数の第1電極7及び複数の第2電極8は、各タッチ制御信号線3が、各タッチ制御信号線3に対応する第1電極7が存在する位置に設置されず、さらに各タッチ制御信号線3に対応する第2電極8が存在する位置にも設置されないように構成される。
【0099】
具体的には、図3Cに示すようなアレイ基板の該第6実施例において、各第2電極8の基板11上における正投影も、各第1電極7の基板11上における正投影も、対応するタッチ制御信号線3の基板11上における正投影とは重ならない(より具体的には、図面に示すように、各タッチ制御信号線3の基板11上における正投影は、基板11上の対応する第1電極7の隣接する二つの部分の間の隙間G3及び基板11上の対応する第2電極8の隣接する二つの部分の間の隙間G4の両方内に含まれる)。
【0100】
注意すべきことは、前述のアレイ基板の3つの実施例(即ち、図3Bに示す第4実施例、図3Dに示す第5実施例及び図3Cに示す第6実施例)のうち、第6実施例において、各タッチ制御信号線3は、対応する第1電極7が存在する位置及び対応する第2電極8が存在する位置のどちらにも設置されていないため、第3実施例における複数のタッチ制御信号線3の各々は、電気抵抗が最も低い。
【0101】
なお、各タッチ制御信号線3が依然として(図3Dに示す第5実施例のように)対応する第1電極7が存在する位置又は(図3Bに示す第4実施例の如く)対応する第2電極8が存在する位置に設置されているため、該2つの実施例のいずれか一つにおける複数のタッチ制御信号線3の各々の電気抵抗の低減効果は、第6実施例ほど良くない。
【0102】
さらに注意すべきことは、本文に記載されるようなアレイ基板の実施例における他の構造及び部材は、図2A~2Fに示すような実施例と実質的に同一であり、ここではその詳細説明を省略する。
【0103】
第2側面において、本開示は、タッチ制御表示パネルを更に提供する。
【0104】
図2B図3Fに示され且つ上述したようなアレイ基板の実施例のいずれか一つにおいて、タッチ制御表示パネルは、互いに対向するアレイ基板1と、封入基板2とを含む。
【0105】
ブラックマトリクス6が、封入基板2のアレイ基板1に対向する側に設置され、且つ複数のタッチ制御信号線3の各々がブラックマトリクス6の開口領域に設置されるように構成される。より具体的には、複数のタッチ制御信号線3の各々の基板1(又は封入基板2)上における正投影は、ブラックマトリクス6の各開口領域の基板1(又は封入基板2)上における正投影内に含まれる。
【0106】
本文に記載されるタッチ制御表示パネルにおいて、必要に応じて、ブラックマトリクス6は、複数のゲート線4の各々を完全に覆うように構成され、ブラックマトリクス6の各ワイヤの幅は、複数のゲート線4の各々の幅より大きくなるように構成される。より具体的には、ブラックマトリクス6の基板1(又は封入基板2)上における正投影は、複数のゲート線4の各々の基板1(又は封入基板2)上における正投影を完全に覆う。
【0107】
複数のタッチ制御信号線3の各々をサブピクセルユニットの開口領域に構成することにより、複数のタッチ制御信号線3の各々は、ブラックマトリクス6により覆われない。これにより、ブラックマトリクス6の対応する幅を狭めることができるため、ピクセル開口率及びタッチ制御表示パネルの光透過率が向上し、最終的に表示効果の改善につながる。
【0108】
第3側面において、本開示は、表示装置を更に提供する。
【0109】
前記表示装置は、上記のような実施例のいずれか一つに係るタッチ制御表示パネルを含む。本文における表示装置は、実質的にタッチ制御表示装置である。
【0110】
タッチ制御信号線3をサブピクセルユニットの開口領域に構成することにより、タッチ制御信号線3は、ブラックマトリクス6により覆われず、従って、ブラックマトリクス6の対応する幅を狭めることができるため、ピクセル開口率を向上させ、タッチ制御表示パネルの光透過率を向上させ、これに応じて、表示効果が改善される。
【0111】
以上、特定の実施例を詳細に記述したが、該記述は、単に例示の目的に用いられるものである。従って、理解すべきことは、明記されていない限り、上記の多様な側面は、必須又は不可欠な要素として意図されるものではない。
【0112】
上記に加えて、本開示の利点を有する例示的な実施例の開示された側面の様々な変更及びそれに対応する同等の行為は、本分野における通常の知識を有する者であれば、以下の請求項により定義される本開示の精神及び範囲を逸脱することなく実施することができ、前記請求項の範囲は、このような変更及び同等の構造を含むように、最も広い解釈が与えられるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F