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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】可搬式作業台
(51)【国際特許分類】
   E06C 1/39 20060101AFI20220405BHJP
   E04G 1/34 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
E06C1/39 A
E04G1/34 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017170600
(22)【出願日】2017-09-05
(65)【公開番号】P2019044524
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2020-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】597144484
【氏名又は名称】ジー・オー・ピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117857
【弁理士】
【氏名又は名称】南林 薫
(72)【発明者】
【氏名】千田 豊治
【審査官】齋藤 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-052265(JP,A)
【文献】特開2008-008135(JP,A)
【文献】特開2011-052495(JP,A)
【文献】実開昭51-079432(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06C 1/00 - 9/14
E04G 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板部と、
前記天板部に回動可能に連結された第1の脚体および第2の脚体と、
前記第1の脚体および前記第2の脚体それぞれの回動を規制する第1の回動規制体および第2の回動規制体と、を備えた可搬式作業台であって、
前記第1の脚体および前記第2の脚体は、それぞれ複数の横架部材を有し、
前記第1の回動規制体および前記第2の回動規制体は、異なる段の横架部材に接続されていると共に、前記天板部に対して前記天板部の長手方向における端部よりも前記天板部の長手方向における中心寄りに接続されていることを特徴とする可搬式作業台。
【請求項2】
前記第1の回動規制体は、
前記第1の脚体の複数の横架部材のうち上側から2段目以下の横架部材に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の可搬式作業台。
【請求項3】
前記第2の回動規制体は、
前記第1の回動規制体が前記第1の脚体に接続される横架部材よりも上段の横架部材に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の可搬式作業台。
【請求項4】
前記第1の脚体および前記第2の脚体は、折り畳み可能であって、
前記第1の脚体は、前記天板部と重なり合うと共に、
前記第2の脚体は、前記第1の脚体と重なり合う状態に折り畳まれることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の可搬式作業台。
【請求項5】
平面視において、前記第1の脚体および前記第2の脚体が折り畳まれた状態では、前記第1の脚体の横架部材および前記第2の脚体の横架部材が重なり合うことを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の可搬式作業台。
【請求項6】
前記回動規制体は、前記天板部に対して補強部材を介して接続されていることを特徴と
する請求項1ないし5の何れか1項に記載の可搬式作業台。
【請求項7】
前記回動規制体は、複数のステー部を有し、
前記複数のステー部は、前記天板部に対して一つの補強部材を介して接続されていることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載の可搬式作業台。
【請求項8】
前記横架部材は、上面に、長手方向に対して交差する方向に沿った、凹部および凸部の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の可搬式作業台。
【請求項9】
前記天板部の長手方向に対して直交する方向の側面視において、
前記天板部の長手方向における中心から前記第1の回動規制体が前記天板部に接続されている位置までの距離と、
前記天板部の長手方向における中心から前記第2の回動規制体が前記天板部に接続されている位置までの距離とが略同一であることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載の可搬式作業台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬式作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、高所作業を行うための可搬式作業台が知られている。特許文献1には、天板と一対の脚体とを備えた可搬式作業台が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-84944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
可搬式作業台は作業者が高所作業を安全に行うことができるように、より安定性が求められる。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、安定性を向上させることができる可搬式作業台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の可搬式作業台は、天板部と、前記天板部に回動可能に連結された第1の脚体および第2の脚体と、前記第1の脚体および前記第2の脚体それぞれの回動を規制する第1の回動規制体および第2の回動規制体と、を備えた可搬式作業台であって、前記第1の脚体および前記第2の脚体は、それぞれ複数の横架部材を有し、前記第1の回動規制体および前記第2の回動規制体は、異なる段の横架部材に接続されていると共に、前記天板部に対して前記天板部の長手方向における端部よりも前記天板部の長手方向における中心寄りに接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る作業台の構成の一例を示す正面図である。
図2】作業台の構成の一例を示す側面図である。
図3】作業台の構成の一例を示す側面図である。
図4】作業台の構成の一例を示す平面図である。
図5】横架部材の構成の一例を示す図である。
図6】囲い部を変形させた状態の一例を示す正面図である。
図7】囲い部を変形させた状態の一例を示す正面図である。
図8A】開脚状態における回動部の構成の一例を示す図である。
図8B】閉脚状態における回動部の構成の一例を示す図である。
図9A】開脚状態における回動部の構成の一例を示す図である。
図9B】閉脚状態における回動部の構成の一例を示す図である。
図10】ステー部の構成の一例を示す斜視図である。
図11】天板部の周辺の構成の一例を示す底面図である。
図12】天板部の周辺の構成の一例を示す断面図である。
図13】脚部を折り畳んだ状態の一例を示す正面図である。
図14】脚部を折り畳んだ状態の一例を示す底面図である。
図15】第2の実施形態に係る作業台の構成の一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態に係る可搬式作業台について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
可搬式作業台100は、作業者が高所作業を行うための作業台である。本実施形態の可搬式作業台100(以下、作業台100という)は、床面から後述する天板部110までが例えば略1000mm~略1900mmの高さであるものを想定している。
図1は、作業台100の構成の一例を示す正面図である。図2は、作業台100の構成の一例を示す右側面図である。図3は、作業台100の構成の一例を示す左側面図である。図4は、作業台100の構成の一例を示す平面図である。なお、説明を容易にするために、各図には必要に応じて、前側をFr、後側をRr、右側をR、左側をLとして示している。
作業台100は、天板部110と、脚部130と、囲い部140と、回動部150と、回動規制部180とを有する。
【0009】
天板部110は、高所作業を行う作業者の足場としての機能を有する。天板部110は、上側から見て前後方向に長い矩形状である。前後方向が例えば略1500mmの長さであり、左右方向が例えば略500mmの長さである。
天板部110は、複数の長尺状の天板部材が連結して構成される。具体的に、天板部110は、前後方向に沿って長い複数(例えば3本)の長手部材111a~111cを左右に並べて連結し、前後から短手部材112aと短手部材112bとで挟み込みボルトやリベットを用いて固定することで構成される(図4を参照)。なお、リベットにはブラインドリベットが含まれる。長手部材111a~111cおよび短手部材112a、112bは、例えば、アルミニウム合金製であり、押し出し成形することによって形成される。また、長手部材111a~111cは例えばシルバー色等の金属色である。一方、短手部材112a、112bは例えばゴールド色等の金属色であり、長手部材111a~111cとは異なる色が付されている。したがって、作業者は短手部材112a、112bを視認しやすく、天板部110の端部の位置を容易に認識することができる。押し出し成形されたアルミニウム合金は、例えばアルマイト処理の工程において着色される。
なお、天板部110は、作業面となる上面に滑り止めとしての複数の突起113を有する。突起113は間隔を空けて天板部110の全面に亘って形成される。突起113は上側に向かって突出し、中央に孔が形成される。
【0010】
次に、脚部130について説明する。
脚部130は、天板部110の荷重を支持したり、天板部110で作業する作業者の荷重を支持したりする機能を有する。また、脚部130は、天板部110の前後方向の端部に連結され、天板部110に対して回動可能である。脚部130が回動することで、脚部130が天板部110と重なり合うようにして折り畳まれる。
具体的には、脚部130は一対の脚体131A、131Bを有する。脚体131Aは、前後方向における後部に位置し、天板部110から床面に向かって延びる。また、脚体131Bは天板部110の前後方向における前部に位置し、天板部110から床面に向かって延びる。図1に示すように、脚体131Aと脚体131Bとは、前後方向に離れた位置で対向し、下端にむかうにしたがって互いに離れるように傾斜する。脚体131Aおよび脚体131Bは、いわゆる梯子状であって作業者が天板部110と床面との間を昇降することができる。
【0011】
まず、脚体131Aについて説明する。
脚体131Aは、脚部材132a、132bと、複数の横架部材138a~138dとを有する(図2を参照)。脚部材132aと脚部材132bとは、天板部110の左右方向における両側の端部に位置する。また、脚部材132aと脚部材132bとは、左右方向に間隔を空けて対向し、下端に向かうにしたがって互いに離れるように傾斜する。
脚部材132a、132bはそれぞれ、主脚133と、伸縮脚134とを有する。
主脚133は、脚部材132a、132dの主とする部材である。主脚133は、例えば、アルミニウム合金製であり、押し出し成形することによって形成される。主脚133は例えばシルバー色等の金属色である。また、主脚133は、例えば、中空状または中実状の断面略矩形の部材である。主脚133は、上端に近接した位置に後述する回動部材155aを有する。
【0012】
伸縮脚134は、脚部材132a、132bを長手方向に沿って伸縮させる部材である。伸縮脚134は、主脚133の内部に嵌まり込み、主脚133の長手方向に沿って摺動可能である。伸縮脚134は例えばアルミニウム合金製であり、押し出し成形することによって形成される。伸縮脚134は例えばシルバー色等の金属色である。また、伸縮脚134は、例えば、主脚133の断面形状を縮小させた中空状または中実状の断面略矩形の部材である。伸縮脚134は、主脚133の下端から突出させる長さを変更することにより脚部材132a、132bの長さを伸縮させる。図1では、脚部材132aを短縮させた状態を二点鎖線で示している。また、伸縮脚134は、下端に脚座135を有する。脚座135は、脚部材132a、132bの下端を床面に安定して接地させる部材である。脚座135は例えば軟質合成樹脂製である。脚座135は例えばオレンジ色、青色、緑色等の色が付されている。また、脚座135は伸縮脚134の下端の外周に嵌め込んだ状態でボルトやリベット等を用いて固定される。
伸縮脚134により脚部材132a、132bを伸縮させることで、天板部110の高さを調整することができる。脚部130は高さ方向に例えば、0mmから400mmまでの間を例えば略60mmの間隔で段階的に調整することができる。
また、主脚133はロック機構136を有する。ロック機構136は、伸縮脚134が脚部材132a、132bの下端から突出させる長さを段階的にロックする。ロック機構136は、脚部材132aと脚部材132bとが対向する側面に取り付けられる。
【0013】
横架部材138a~138dは、いわゆる踏み桟であって、作業者が昇降するときに足を載せる部材である。横架部材138a~138dは、脚部材132aの主脚133と脚部材132bの主脚133との間に水平方向に沿って架け渡される。また、横架部材138a~138dは、脚体131Aの剛性を向上させることもできる。
具体的に、脚部材132aの主脚133と脚部材132bの主脚133との間には、1段目の横架部材138a、2段目の横架部材138b、3段目の横架部材138c、4段目の横架部材138dの4本が配置される。横架部材138a~138dは上段ほど左右方向の長さが短く、下段ほど左右方向の長さが長い。横架部材138a~138dは、主脚133にブラケットを介してボルトやリベット等を用いて固定される。
横架部材138a~138dは、例えばアルミニウム合金製であり、押し出し成形することによって形成される。また、横架部材138a~138dは、例えば中空状または中実状の部材である。ここで、横架部材138a~138dbは、脚部材132a、132bとは異なる色が付されている。横架部材138a~138dは例えばゴールド色等の金属色である。したがって、作業者は横架部材138a~138dを視認しやすく、昇降するときに横架部材138a~138dを踏み外すことを防止することができる。なお、本実施形態では、横架部材138a~138dと、短手部材112a、112bとは同じ色が付されている。
【0014】
図5は、横架部材138aの構成の一例を示す図である。ここでは、横架部材138aについて説明するが、横架部材138b~138dとは長さが異なるだけで同一の形状である。
図5(a)は横架部材138aの平面図である。図5(b)は横架部材138aの側面図である。図5(c)は横架部材138aの正面図(断面図)であり、主脚133を二点鎖線で示している。図5(d)は横架部材138aの凹部126の拡大断面図である。
横架部材138aは、上側部121と、取付部122、123と、下側部124とを有する。上側部121は、上面が作業者の脚を載せる面である。上側部121は、前部が主脚133よりも前側にはみ出し、後部が主脚133よりも後側にはみ出している。したがって、上側部121の上面の面積を拡大させることができ、作業者が容易に足を載せることができる。また、上側部121には、横架部材138aの長手方向に沿った複数の凸条125(あるいは凹条)を有する。凸条125により、作業者の足が上側部121上で前後方向にスリップすることを防止することができる。なお、凸条125は、押し出し成形するときに形成することができる。
【0015】
更に、上側部121は、上面に横架部材138aの長手方向に対して交差する方向、具体的には略直交する方向に沿った複数の凹部126を有する。凹部126は、上側部121の前端から後端に亘って形成される。ここでは、上側部121の上面から凹部126の最も深い位置までの寸法は、上側部121の上面から凸条125の最も高い位置までの寸法よりも大きい。図5(d)に示すように、凹部126は深くなるほど徐々に幅は小さくなり、底が平坦である。凹部126により、作業者の足が上側部121上で左右方向にスリップすることを防止することができる。なお、凹部126は、押し出し成形した後に、上側部121を上側から押し潰すようにプレスすることで形成される。ただし、上側部121の上面を切削することで凹部126を形成してもよい。
【0016】
ここでは、上側部121が凹部126を有する場合について説明したが、この場合に限られず、凹部126および凸部の少なくとも何れか一方を有していてもよい。凸部は、横架部材138aの長手方向に対して交差する方向、具体的には略直交する方向に沿って複数有する。また、凸部は、平面視で略円形状とし、横架部材138aの上側部121の全面に亘って配置してもよい。凸部にする場合には、横架部材138aとは異なる部材であることが好ましい。
ここでは、脚体131Aについて説明したが、脚体131Bも同様の構成である。脚体131Bは、脚部材132c、132dと、複数の横架部材138a~138dを有する(図3を参照)。すなわち、脚体131Bは、脚部材132aが脚部材132dに置き換わり、脚部材132bが脚部材132cに置き換わった構造であり、脚体131Aと同じ段数の横架部材138a~138dを有する。なお、前後方向から見たときに、脚体131Aの横架部材138a~138dと、脚体131Bの横架部材138a~138dとは、それぞれ重なり合っており、それぞれ略同一高さに位置する。
【0017】
次に、囲い部140について説明する。
囲い部140は、天板部110の作業領域を取り囲む機能を有する。囲い部140は、支柱141a~141dと、一対の長手側桟部材142と、一対の短手側桟部材143とを有する。支柱141a~141dは、それぞれ天板部110の角に略鉛直方向に沿って配置される。支柱141a~141dは、それぞれ脚部材132a~132dの上端に回動可能に接続される。一対の長手側桟部材142は、天板部110の外周縁のうち長手側の端部の上側で、支柱141aと支柱141cとの間および支柱141bと支柱141dとの間に架け渡される。なお、長手側桟部材142は、長手方向の略中央で分割して構成され、それぞれ支柱141a~141dの上端に回動可能に接続される。一対の短手側桟部材143は、天板部110の外周縁のうち短手側の端部の上側で一対の長手側桟部材142の間に架け渡される。
【0018】
囲い部140は、短手側桟部材143を一方の長手側桟部材142に架け渡された状態から離脱させて、他方の長手側桟部材142に沿った第1の状態に移行することができる。第1の状態では、作業者は天板部110と脚体131Aとの間、あるいは、天板部110と脚体131Bとの間を行き来することができる。
また、図6に示すように、囲い部140は、第1の状態から、分割した長手側桟部材142をそれぞれ回動させて支柱141a~141dに沿った第2の状態に移行することができる。
更に、図7に示すように、囲い部140は、第2の状態から、支柱141a~141dをそれぞれ回動させて脚部材132a~132dに沿った第3の状態に移行することができる。第3の状態では、長手側桟部材142が主脚133と左右方向に重なり合う。このように、第3の状態に移行することで、脚体131Aおよび脚体131Bを天板部110に対して折り畳むために回動させるときに、囲い部140を構成する支柱141a~141dをはじめとする部材も脚体131Aおよび脚体131Bと一緒になって回動する。
【0019】
次に、回動部150について説明する。
回動部150は、脚部130を天板部110に対して回動させる機能を有する。脚部130が回動部150を介して回動することで、脚部130が天板部110を支持する開脚姿勢と、脚部130が天板部110に重なり合って折り畳まれる閉脚姿勢とに変化する。
具体的には、回動部150は回動体151a~151dを有する。回動体151a~151dは、それぞれ脚部材132a~132dと天板部110との間に配置される。すなわち、回動体151a~151dは、それぞれ天板部110の角に近接して位置する。
まず、回動体151aについて説明する。なお、回動体151aと回動体151bとは略左右対称の構成である。
【0020】
図8A(a)は、開脚状態における、前側から見た回動体151aの周辺の構成を示す断面図である。図8A(b)は、開脚状態における、左右方向から見た回動体151aの周辺の構成を示す図である。なお、図8Aは、囲い部140を省略して図示している。
回動体151aは、回動支持部材152aと、回動部材155aと、回動軸159と、ストッパ機構160aとを有する。
回動支持部材152aは脚部材132aの回動を支持する部材である。回動支持部材152aは、例えば、鉄製あるいはチタン製であり、略板状である。回動支持部材152aは、例えばシルバー色等の金属色である。回動支持部材152aは、天板部110の側面にボルトやリベット等を用いて固定される。回動支持部材152aは、下部に回動軸159が挿入される支持孔153aを有する。また、回動支持部材152aは、上部に後述するストッパ部材165が挿入されるストッパ用孔154を有する。なお、回動支持部材152aは、剛性を向上させるために適宜、板厚方向に凹凸となるようなリブを形成してもよい。
【0021】
回動部材155aは、後述するストッパ部材165と係合する部材である。回動部材155aは、例えば、鉄製あるいはチタン製であり、略板状である。回動部材155aは、例えばシルバー色等の金属色である。回動部材155aは主脚133の上端に近接した位置であって、脚部材132aの外側の側面にボルトやリベット等を用いて固定される。また、回動部材155aには、支持孔153aに連通する連通孔156aと、第1の係合孔157aと、第2の係合孔158aとを有する。第1の係合孔157aは回動部材155aの上部に位置し、第2の係合孔158aは回動部材155aの前部に位置する。連通孔156aから、第1の係合孔157aまでの距離および第2の係合孔158aまでは同一距離である。回動部材155aが脚部材132aの側面に固定された状態では、左右方向から見て第1の係合孔157aおよび第2の係合孔158aは、脚部材132aと重なり合わないように位置している。なお、第1の係合孔157aおよび第2の係合孔158aは貫通孔である場合に限られず、有底孔であってもよい。また、回動部材155aは、剛性を向上させるために適宜、板厚方向に凹凸となるようなリブを形成してもよい。
回動軸159は、脚部材132aが回動するときに回動中心となる部材である。回動軸159は、回動支持部材152aの支持孔153aおよび回動部材155aの連通孔156aを挿通する。回動軸159は例えばボルトであって、ナットを螺合することで外れないように取り付けられる。このように、回動体151aは、回動支持部材152aによって支持された回動軸159を中心にして回動部材155aを介して脚部材132aを回動させる。
【0022】
ストッパ機構160aは脚部材132aを開脚状態と閉脚状態との何れかに保持するための機構である。ストッパ機構160aは、天板部110の内部に設けられる。
ストッパ機構160aは、ストッパ部材165と、付勢部材168と、レバー部167とを有する。
ストッパ部材165は、回動部材155aの第1の係合孔157aまたは第2の係合孔158aに係合する部材である。ストッパ部材165は、例えば、鉄製であって、略バー状である。ストッパ部材165は、例えばシルバー色等の金属色である。ストッパ部材165は、天板部110の左右方向に沿って配置される。このとき、ストッパ部材165は、長手部材111aのリブ115を貫通し、リブ115を通して左右方向に沿って摺動可能である。具体的には、ストッパ部材165は、係合部166と、レバー部167とを有する。係合部166は、ストッパ部材165の先端に位置し、第1の係合孔157aまたは第2の係合孔158aの何れかに挿入されることで回動部材155aに係合する。レバー部167は、係合部166の反対側であって天板部110の左右方向の略中央に近接して位置する。レバー部167は、左右方向に対して略直交する方向に延びている。係合部166とレバー部167との間に配置された付勢部材168によって係合部166が回動部材155a側に常に付勢される。付勢部材168は例えばコイルスプリングであって、ストッパ部材165の中間位置と、長手部材111aのリブ115との間に配置される。レバー部167は、作業者が付勢部材168の付勢に抗して、ストッパ部材165を左右方向に摺動させて、係合部166による係合を解除する操作を行う部位である。ここで、レバー部167は、操作レバー170によって外周が覆われる。したがって、実際には、作業者は操作レバー170を操作することで係合部166による係合が解除される。
【0023】
操作レバー170は例えば合成樹脂製である。また、操作レバー170は、ストッパ部材165とは異なる色が付されている。また、操作レバー170は、天板部110の天板部材とは異なる色が付されている。具体的には、操作レバー170は例えば青色である。操作レバー170は、例えば樹脂材料に着色剤を混合させて射出成形することで着色される。また、操作レバー170は外周面から径方向に向かって円環状に突出する複数の滑り止めリブ171を有する。
このように、レバー部167を操作レバー170で覆うことで把持する部位の径が大きくなることから、作業者は係合を解除する操作を容易に行うことができる。また、操作レバー170に色を付すことで、作業者は操作レバー170を容易に認識することができる。
【0024】
ここで、図8Aおよび図8Bを参照して、脚部材132aが開脚状態から閉脚状態に回動するときの動作について説明する。
図8B(a)は、閉脚状態における、前側から見た回動体151aの周辺の構成を示す断面図である。図8B(b)は、閉脚状態における、左右方向から見た回動体151aの周辺の構成を示す図である。なお、図8Bは、囲い部140を省略して図示している。
まず、作業者は、図8Aに示す状態から操作レバー170を付勢部材168の付勢に抗して操作して、ストッパ部材165を左右方向に摺動させる。ストッパ部材165が摺動すると、ストッパ部材165の係合部166が回動部材155aの第1の係合孔157aから外れ、ストッパ部材165と回動部材155aとの間の係合が解除される。この状態で、脚部材132aを天板部110に対して回動させることができる。作業者は、回動体151aの回動軸159を中心にして脚部材132aを天板部110と重なり合う方向に回動させる。脚部材132aを回動している間、脚部材132aの回動に伴って回動部材155aも回動する。脚部材132aが回動している間、作業者は操作レバー170から手を離すことにより、ストッパ部材165の係合部166は付勢部材168の付勢によって回動部材155aの表面に当接する。したがって、回動部材155aはストッパ部材165の係合部166と当接しながら回動する。
【0025】
図8Bに示すように、脚部材132aが天板部110と略平行になるまで回動することにより、回動部材155aの第2の係合孔158aがストッパ用孔154と連通する。したがって、ストッパ部材165の係合部166は付勢部材168の付勢によって第2の係合孔158aに挿入され、ストッパ部材165が回動部材155aに係合する。このようにして、脚部材132aは閉脚状態に保持される。なお、脚部材132aを閉脚状態から開脚状態に移行するには、ストッパ部材165と回動部材155aとの間の係合が解除することにより行う。
ここでは、脚部材132aについて説明したが、脚部材132aと脚部材132bとは横架部材138a~138dを介して一体的に構成されていることから、脚部材132bも同様に回動する。なお、脚部材132aに固定された回動部材155aとストッパ部材165との係合を解除する操作レバー170、および、脚部材132bに固定された回動部材155aとストッパ部材165との係合を解除する操作レバー170は、天板部110の左右方向の中央で隣り合って位置している。したがって、作業者は2つの操作レバー170を片手で握るような操作をすることで、脚部材132a側および脚部材132b側の何れの係合も解除することができる。
【0026】
次に、回動体151cについて説明する。なお、回動体151cと回動体151dとは略左右対称の構成であることから、以下では回動体151cを中心に説明する。また、回動体151cは、回動体151aの構成と異なる点を中心に説明し、同様の構成は同一符号を付して適宜、説明を省略する。
図9A(a)は、開脚状態における、左右方向から見た回動体151cの周辺の構成を示す図である。図9A(b)は、開脚状態における、後側から見た回動体151cの周辺の構成を示す断面図である。なお、図9Aは、囲い部140を省略して図示している。
回動体151cは、回動支持部材152cと、回動部材155cと、回動軸159と、ストッパ機構160cとを有する。
回動支持部材152cは脚部材132cの回動を支持する部材である。回動支持部材152cは、例えば、鉄製あるいはチタン製であり、略板状である。回動支持部材152cは、例えばシルバー色等の金属色である。回動支持部材152cは、下部に回動軸159が挿入される支持孔153cを有する。支持孔153cは、上述した回動支持部材152aの支持孔153aよりも下側に位置する。ただし、ストッパ用孔154は、上述した回動支持部材152aのストッパ用孔154と同じ高さに位置する。なお、回動支持部材152cは、剛性を向上させるために適宜、板厚方向に凹凸となるようなリブを形成してもよい。
【0027】
回動部材155cは、ストッパ部材165と係合する部材である。回動部材155cは、例えば、鉄製あるいはチタン製であり、略板状である。回動部材155cは、例えばシルバー色等の金属色である。回動部材155cは主脚133の上端に近接した位置であって、脚部材132cの外側の側面にボルトやリベット等を用いて固定される。また、回動部材155cには、支持孔153cに連通する連通孔156cと、第1の係合孔157cと、第2の係合孔158cとを有する。第1の係合孔157cは回動部材155cの上部に位置し、第2の係合孔158cは回動部材155cの後部に位置する。連通孔156cから、第1の係合孔157cまでの距離および第2の係合孔158cまでは同一距離である。回動部材155cが脚部材132cの側面に固定された状態では、左右方向から見て第1の係合孔157cおよび第2の係合孔158cは、脚部材132cと重なり合わないように位置している。なお、第1の係合孔157cおよび第2の係合孔158cは貫通孔である場合に限られず、有底孔であってもよい。また、回動部材155cは、剛性を向上させるために適宜、板厚方向に凹凸となるようなリブを形成してもよい。
回動体151cは、回動支持部材152cによって支持された回動軸159を中心にして回動部材155cを介して脚部材132cを回動させる。ただし、支持孔153cは、上述した支持孔153aよりも下側に位置することにより、回動体151cは上述した回動体151aよりも下側の位置で脚部材132cの回動を支持する。このように、脚部材132cを回動させる位置を下側にしているのは、脚部材132cが天板部110に対して直接、重なり合うのではなく、閉脚姿勢の脚部材132aを介して重なり合うためである。すなわち、閉脚姿勢では、天板部110、脚部材132a、脚部材132cの順に重なり合うようにして、閉脚姿勢の脚部材132cを水平な状態にするために、回動させる位置を脚部材132aの前後方向の略厚み分だけ下側にオフセットさせている。
【0028】
ストッパ機構160cは、ストッパ部材165と、付勢部材168と、レバー部167とを有する。
ここで、図9Aおよび図9Bを参照して、脚部材132cが開脚状態から閉脚状態に回動するときの動作について説明する。なお、脚部材132aが開脚状態から閉脚状態に回動するときの動作と同様の動作は、適宜説明を省略する。
図9B(a)は、閉脚状態における、左右方向から見た回動体151cの周辺の構成を示す図である。図9B(b)は、閉脚状態における、後側から見た回動体151cの周辺の構成を示す断面図である。なお、図9Bは、囲い部140を省略して図示している。
まず、作業者は、図9Aに示す状態から操作レバー170を付勢部材168の付勢に抗して操作して、左右方向にストッパ部材165を摺動させる。ストッパ部材165が摺動すると、ストッパ部材165の係合部166が回動部材155cの第1の係合孔157cから外れ、ストッパ部材165と回動部材155cとの間の係合が解除される。作業者は、回動体151cの回動軸159を中心にして脚部材132cを脚部材132aと重なり合う方向に回動させる。
【0029】
図9Bに示すように、脚部材132cが脚部材132aおよび天板部110と略平行になるまで回動することにより、回動部材155cの第2の係合孔158cがストッパ用孔154と連通する。したがって、ストッパ部材165の係合部166は付勢部材168の付勢によって第2の係合孔158cに挿入され、ストッパ部材165が回動部材155cに係合する。このようにして、脚部材132cは閉脚状態に保持される。なお、脚部材132cを閉脚状態から開脚状態に移行するには、ストッパ部材165と回動部材155cとの間の係合が解除することにより行う。
ここでは、脚部材132cについて説明したが、脚部材132cと脚部材132dとは横架部材138a~138dを介して一体的に構成されていることから、脚部材132dも同様に回動する。なお、脚部材132cに固定された回動部材155cとストッパ部材165との係合を解除する操作レバー170、および、脚部材132dに固定された回動部材155cとストッパ部材165との係合を解除する操作レバー170は、天板部110の左右方向の中央で隣り合って位置している。したがって、作業者は2つの操作レバー170を片手で握るような操作をすることで、脚部材132c側および脚部材132d側の何れの係合も解除することができる。
【0030】
次に、回動規制部180について説明する。
回動規制部180は天板部110に対する脚部130の回動を規制する機能を有する。
具体的には、回動規制部180は、回動規制体181A、181Bを有する(図1を参照)。回動規制体181Aは前後方向における後部に位置し、天板部110と脚体131Aとに接続される。したがって、回動規制体181Aは脚体131Aの回動を規制する。また、回動規制体181Bは前後方向における前部に位置し、天板部110と脚体131Bとに接続される。したがって、回動規制体181Bは脚体131Bの回動を規制する。
【0031】
回動規制体181Aは、ステー部182aとステー部182bとを有する(図2を参照)。ステー部182aとステー部182bとは略左右対称の構成であることから、ここではステー部182aについて説明する。
図1および図2に示すように、ステー部182aは、天板部110と上側から2段目の横架部材138bとの間に亘って配置される。
図10は、ステー部182aの構成の一例を斜め上側から見た斜視図である。
図10(a)はステー部182aの角度αが180度よりも小さい状態を示し、図10(b)はステー部182aの角度αが180度よりも大きい状態を示している。
ステー部182aは、第1のステー部材183と、第2のステー部材185aと、カバー部材188を有する。第1のステー部材183は、ブラケット184を介して天板部110の下面に回動可能に接続される。第2のステー部材185aは、ブラケット186を介して上側から2段目の横架部材138bの取付部122に回動可能に接続される。第1のステー部材183は、直線状の部材であって、例えば、断面コ字状である。第2のステー部材185aは、直線状の部材であって、例えば、断面コ字状あるいは断面C字状である。第1のステー部材183および第2のステー部材185aは、例えばアルミニウム合金製であり、押し出し成形することによって形成される。また、第1のステー部材183および第2のステー部材185aは例えばシルバー色等の金属色である。第1のステー部材183および第2のステー部材185aが重なり合う位置に回動軸187が挿通される。第1のステー部材183と第2のステー部材185aとは回動軸187を介して回動可能である。
【0032】
カバー部材188は、第1のステー部材183と第2のステー部材185aとの間に手が挟まれないように防止する部材である。カバー部材188は、略板状である。カバー部材188は、例えば合成樹脂製である。また、カバー部材188は、第1のステー部材183および第2のステー部材185aとは異なる色が付されている。具体的には、カバー部材188は、赤色、オレンジ色、黄色等である。カバー部材188は、例えば樹脂材料に着色剤を混合させて射出成形することで着色される。カバー部材188は、第1のステー部材183のうち長手方向における回動軸187側の端部に取り付けられる。更に、カバー部材188は端部よりも外側にはみ出すように取り付けられる。
【0033】
ここで、作業台100を使用可能な状態にするには、図1に示すように、第1のステー部材183と第2のステー部材185aとの間の角度αが180度を超えて180度よりも大きい所定の角度(例えば185度)にする。この状態では、第1のステー部材183と第2のステー部材185aとが互いに当接するために、角度αが所定の角度よりも大きくなる方向には回動しない。また、180度を越えるときにはステー部182aに抵抗が生じ、抵抗に抗して回動させる必要がある。したがって、一度、角度αが180度を越えた後には180度よりも小さい角度になる方向に回動し難い。このように、ステー部182aの角度αが180度を超えることで回動が規制されるために、ステー部182aに接続された天板部110と脚体131Aとの間の間隔が維持され、天板部110に対する脚体131Aの回動を規制することができる。
【0034】
なお、作業者はステー部182aの抵抗に抗して180度を超えるように回動させるためには、図10(a)に示すように、第1のステー部材183と第2のステー部材185aとが重なり合っている部分に位置するカバー部材188を矢印方向に押圧する。図10(b)に示すように、ステー部182aの角度αが180度を超えて所定の角度になることで回動が規制される。このとき、作業者はカバー部材188を押圧することで第1のステー部材183と第2のステー部材185aとの間に手を挟むことを防止することができる。
一方、ステー部182aの角度αを180度よりも小さい角度にすることで、脚体131Aが天板部110側に向かって近づくことができることから、天板部110に対して脚体131Aを折り畳むように回動することができる。
【0035】
また、回動規制体181Bは、ステー部182cとステー部182dとを有する(図3を参照)。ステー部182cとステー部182dとは略左右対称の構成であることから、ここではステー部182cについて説明する。
図1および図3に示すように、ステー部182cは、天板部110と上側から1段目の横架部材138aとの間に亘って配置される。
ステー部182cは、第1のステー部材183と、第2のステー部材185cと、カバー部材188を有する。ステー部182cは、上述した第2のステー部材185aが長さの短い第2のステー部材185cに置き換わった構成である。第2のステー部材185cは、ブラケット186を介して上側から1段目の横架部材138aの取付部122に回動可能に接続される。
ステー部182cは、ステー部182aと同様に、天板部110に対する脚体131Bの回動を規制することができる。
一方、ステー部182cの角度αを180度よりも小さい角度にすることで、脚部材132cおよび脚部材132dが天板部110側に向かって近づくことができることから、天板部110に対する脚部材132cおよび脚部材132dを折り畳むように回動することができる。
【0036】
次に、回動規制部180と天板部110とが接続されている状態について説明する。
図11は、天板部110および回動規制部180を下側から見た底面図である。図12は、図11のI-I線に沿って鉛直方向に切断して、矢印方向から見た断面図である。
ステー部182a、182bおよびステー部182c、182dは、天板部110の下面に補強部材190a、190bを介して間接的に接続される。なお、補強部材190aと補強部材190bとは前後対称の構成であるため、ここでは、補強部材190aを中心にして説明する。
補強部材190aは、天板部110からの荷重を分散させてステー部182aおよびステー部182bに伝達する部材である。補強部材190aは、例えば、合成樹脂製、鉄製あるいはチタン製である。また、補強部材190aは、例えばシルバー色等の金属色である。補強部材190aは、帯状の板を折り曲げることで形成され、天板部110の左右方向に沿って配置される。補強部材190aは、天板部110にボルトやリベット等を用いて固定される。
【0037】
具体的には、補強部材190aは、左右方向における中央に位置する膨出部191と、膨出部191の両側に位置する接続部192とを有する。膨出部191は、下側に向かって膨出し、天板部110のリブ115に接した状態で固定される。接続部192は、上面に天板部110が接し、下面にステー部182aおよびステー部182bのブラケット184が接した状態に固定される。また、補強部材190aの左右方向における端部193は、接続部192よりも下側に位置し、天板部110に固定される。
ここで、補強部材190aの効果について説明する。ここでは、ステー部182aの真上で天板部110から荷重を受けた場合を想定する。まず、補強部材190aがない場合には、天板部110からの荷重の多くは一つのステー部182aが受ける。一方、補強部材190aがある場合には、天板部110からの荷重は補強部材190aを通してステー部182bにも伝達され、2つのステー部182a、182bにより受けることができる。したがって、補強部材190aを有することにより作業台100の強度を向上させることができる。なお、補強部材190aと補強部材190bとは、別体である場合について説明したが、補強部材190aと補強部材190bとの間を繋げて一体で構成してもよい。
【0038】
次に、脚部130を天板部110に対して折り畳んだ閉脚状態について説明する。
図13は、作業台100の閉脚状態を示す正面図である。図14は、作業台100の閉脚状態を示す底面図である。なお、脚部130を折り畳む場合には、予め脚部材132a~132dの長さを短縮させる。また、脚部130を折り畳む場合には、天板部110を床面に接地するようにして折り畳むことから、下側から天板部110、脚部材132a、脚部材132cの順に重なり合う。このように折り畳まれた状態では、脚体131Aの横架部材138a~138dと、脚体131Bの横架部材138a~138dとがそれぞれ鉛直方向に重なり合う。具体的には、脚体131Aの1段目の横架部材138aと脚体131Bの4段目の横架部材138dとが重なり合い、脚体131Aの2段目の横架部材138bと脚体131Bの3段目の横架部材138cとが重なり合い、脚体131Aの3段目の横架部材138cと脚体131Bの2段目の横架部材138bとが重なり合い、脚体131Aの4段目の横架部材138dと脚体131Bの1段目の横架部材138aとが重なり合う。このように、横架部材138a~138dが鉛直方向に重なり合うことで、他の作業台100等を積み重ねたときに、脚体131Bの横架部材138a~138dと、脚体131Aの横架部材138a~138dとの両方で荷重を受けることから脚部130の破損を防止することができる。なお、脚体131Aの横架部材138a~138dと、脚体131Bの横架部材138a~138dとは、少なくも一本同士が重なり合っていてもよく、前後方向に幾分ズレることにより一部が重なり合っていてもよい。
【0039】
また、閉脚状態では、脚体131Aに接続されるステー部182a、182bは天板部110と左右方向に重なり合うように位置する。ここで、脚体131Aと天板部110との間には介在するものがないために、ステー部182a、182bの第2のステー部材185aは、脚体131Aの2段目の横架部材138bに接続することができる。
一方、脚体131Bに接続されるステー部182c、182dは、第1のステー部材183が天板部110と左右方向に重なり合うように位置し、第2のステー部材185cが天板部110と脚体131Bとの間に位置する。ここで、脚体131Bと天板部110との間には脚体131Aが介在しているために、第2のステー部材185cと干渉する虞がある。したがって、ステー部182c、182dの第2のステー部材185cは、脚体131Bの1段目の横架部材138aに接続することで、脚体131Aへの干渉を防止することができる。
したがって、回動規制部180と脚部130とが干渉しないように、脚部130を天板部110に対して回動して折り畳めることができる。
【0040】
本実施形態の作業台100は、回動規制体181Aは脚体131Aの2段目の横架部材138bに接続されている。横架部材138a~138dは下段であるほど床面に近いために揺れが少なく安定している。したがって、回動規制体181Aを1段目ではなく2段目の横架部材138bに接続することで、天板部110の安定性を向上させることができる。なお、回動規制体181Aは、2段目の横架部材138bに接続する場合に限られず、2段目以下、すなわち3段目の横架部材138cまたは4段目の横架部材138dに接続してもよい。
一方、回動規制体181Bは脚体131Bの1段目の横架部材138aに接続されている。このように、回動規制体181Bを1段目の横架部材138aに接続することで脚体131Aと干渉することなく脚体131Bを回動して折り畳むことができる。なお、回動規制体181Bは、1段目の横架部材138aに接続する場合に限られず、回動規制体181Aが接続されている横架部材よりも上段の横架部材に接続することができる。例えば、回動規制体181Aが脚体131Aの3段目の横架部材138cに接続されている場合には、回動規制体181Bは脚体131Bの1段目の横架部材138aまたは2段目の横架部材138bに接続することができる。
したがって、回動規制体181Aおよび回動規制体181Bが異なる段の横架部材138a~138dに接続されることで、下段の横架部材に接続されている回動規制体によって、天板部110の安定性をより向上させることができる。
【0041】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、脚体131Aおよび脚体131Bが4段の横架部材138a~138dを有する作業台100について説明したが、4段以外の横架部材を有する作業台を用意してもよい。この場合、作業者が高所作業を行う高さに応じた作業台を選択することができる。
図15(a)は、脚体131Aが2段の横架部材138a、138bである作業台200の構成を示す図である。ここで、作業台200の1段目の横架部材138aと、第1の実施形態の作業台100の1段目の横架部材138aとは同一の構成である。換言すると、作業台200の1段目の横架部材138aと、作業台100の1段目の横架部材138aとは、入れ替えても互いに取り付けることができる共通の部材である。同様に、作業台200の2段目の横架部材138bと、作業台100の2段目の横架部材138bとは、入れ替えても互いに取り付けることができる共通の部材である。このように、入れ替えることができるのは、脚部材132aの主脚133と脚部材132bの主脚133とを、作業台100と作業台200とで長さが異なるだけの同一の部材にしたためである。更に、脚部材132aの主脚133と脚部材132bの主脚133の間隔および傾斜を作業台100と作業台200とで同一の構成にしたためである。このように、異なる作業台100、200との間で共通した横架部材138a、横架部材138bを用いることで管理コストおよび製造コストを削減することができる。
【0042】
図15(b)は、脚体131Aが3段の横架部材138a、138b、138cである作業台210の構成を示す図である。ここでも、図15(c)と同様に、作業台210の横架部材138a~138cと、作業台100の横架部材138a~138cとは、入れ替えても互いに取り付けることができる共通の部材である。このように、異なる作業台100、210との間で共通した横架部材138a~138cを用いることで管理コストおよび製造コストを削減することができる。
このような、作業台100、作業台200、作業台210等を有する構成を作業台システムというものとする。
【0043】
以上、本発明を上述した実施形態により説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
上述した実施形態では、脚部材132a~132dは伸縮脚134を有する場合について説明したが、この場合に限られず、伸縮脚134を有していなくてもよい。
【0044】
上述した実施形態では、脚部130は4つの脚部材132a~132dを有する場合について説明したが、この場合に限られず、5つ以上の脚部材を有していてもよい。
なお、本実施形態では、回動規制体181Aおよび回動規制体181Bが異なる段の横架部材138a~138dに接続されている場合について説明したが、この場合に限られず、課題等に応じて適宜、変更することが可能である。
【符号の説明】
【0045】
100:可搬式作業台 110:天板部 130:脚部 131A:脚体 131B:脚体 132a~132d:脚部材 138a~138d:横架部材 150:回動部 180:回動規制部 181A:回動規制体 181B:回動規制体 200:可搬式作業台 210:可搬式作業台
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