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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】ソーラー屋外灯
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/16 20200101AFI20220405BHJP
   F21S 8/08 20060101ALI20220405BHJP
   F21S 9/03 20060101ALI20220405BHJP
   F21W 131/103 20060101ALN20220405BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220405BHJP
【FI】
H05B47/16
F21S8/08 100
F21S9/03
F21W131:103
F21Y115:10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018031494
(22)【出願日】2018-02-26
(65)【公開番号】P2019149226
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】520494725
【氏名又は名称】JRS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122552
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 浩二郎
(72)【発明者】
【氏名】清水 政幸
(72)【発明者】
【氏名】吉原 幸治
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-094273(JP,A)
【文献】特開2002-168498(JP,A)
【文献】特開2012-246651(JP,A)
【文献】登録実用新案第3156577(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポールの所定位置にライトとソーラーパネルを備えるとともに蓄電手段を有する蓄電部及び制御手段を有する制御部を備えて、前記ライトの点灯と消灯を自動的に行うソーラー屋外灯において、前記制御部は計時手段と記憶手段を有しており、前記記憶手段には、日本全国を所定の地域ごとに複数のブロックに分けて該ブロックごとに日付に対応したその地域の平均日の出時刻と平均日没時刻を網羅してなるデータテーブルが記憶されており、前記ソーラー屋外灯を設置する地域に該当した前記ブロックを所定の操作手段を介して予め前記制御部に設定しておくことにより、前記制御手段が前記データテーブルにおける当日の前記両時刻を基準にして所定のタイミングで前記ライトの消灯・点灯操作を行うものであり、且つ、所定の位置に表示手段を備えているとともに前記ソーラーパネルの仰角を調整するための調整手段を備えており、前記記憶手段には、前記仰角を固定して使用する場合に前記各ブロックにおいて好適な発電効率を確保するために設定すべき前記仰角を示す仰角データが前記ブロックごとに記憶されており、前記該当するブロックを設定することでその地域における前記仰角を前記表示手段に表示することができる、ことを特徴とするソーラー屋外灯。
【請求項2】
ポールの所定位置にライトとソーラーパネルを備えるとともに蓄電手段を有する蓄電部及び制御手段を有する制御部を備えて、前記ライトの点灯と消灯を自動的に行うソーラー屋外灯において、前記制御部は計時手段と記憶手段を有しており、前記記憶手段には、日本全国を所定の地域ごとに複数のブロックに分けて該ブロックごとに日付に対応したその地域の平均日の出時刻と平均日没時刻を網羅してなるデータテーブルが記憶されており、前記ソーラー屋外灯を設置する地域に該当した前記ブロックを所定の操作手段を介して予め前記制御部に設定しておくことにより、前記制御手段が前記データテーブルにおける当日の前記両時刻を基準にして所定のタイミングで前記ライトの消灯・点灯操作を行うものであり、前記計時手段にはGPS信号受信手段が接続されており、受信したGPS信号に含まれる時刻データを用いて計時を行うものとされている、ことを特徴とするソーラー屋外灯。
【請求項3】
前記ソーラーパネルは、前記ポールの先端側に配設した回転駆動手段から上向きに延設した駆動軸に接続された支持軸に背面側を接続・固定された状態で支持されており、前記GPS信号を用いた前記計時手段で時間管理されながら前記支持軸が軸周りに1日360度回転するものとして、前記ソーラーパネルを朝に東側、昼に南側、夕方に西側、夜に北側を順次向くように回転させる設定が可能とされている、ことを特徴とする請求項2に記載したソーラー屋外灯。
【請求項4】
前記支持軸は、鉛直方向に延びた前記ポールの先端側から北向きに所定角度屈曲した状態でその屈曲角度を維持したまま回転するように設けられており、その側面に背面側を接続・固定された前記ソーラーパネルの仰角が、南向きの時間帯で最も大きくなるとともに北向きの時間帯で最も小さくなり、東向きと西向きの時間帯ではその中間の大きさに変化する、ことを特徴とする請求項3に記載したソーラー屋外灯。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日中に太陽電池で発電した電気を蓄電池に貯めて夜間にライトを点灯するソーラー式の屋外灯に関し、殊に、点灯・消灯を自動的に行うソーラー屋外灯に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーの要請やエコロジー意識の高まりにより、太陽電池(ソーラーパネル)と蓄電池(二次電池)及びLEDライトを有して商用電源を使用しない方式のソーラー屋外灯が広く普及している。このソーラー屋外灯は、日没時刻付近で点灯し、日の出時刻付近で消灯するのが通常であるが、その操作はソーラー屋外灯に備えた制御部で自動的に行われるのが一般的である。
【0003】
斯かるソーラー屋外灯の場合、制御部に備えた計時手段(タイマー)に基づいて、設定した時間になったら点灯・消灯の操作を行う方法が考えられる。しかし、この方法では長期間の使用により時計に狂い(誤差)が生じた際の修正が容易ではないことに加え、電力の供給が途絶えた場合には再起動時に時刻を再設定する手間が生じてしまう。
【0004】
また、点灯時間と消灯時間を一定にして設定した場合は、季節ごとに変動する日没・日の出の時刻に対応することができない。さらに、東西南北の幅が大きな日本においては、ソーラー屋外灯を設置する地域によって日没・日の出の時刻が大きく異なるため、設置地域に応じた的確な点灯・消灯時刻の設定が困難になりやすいという問題もある。
【0005】
そこで、例えば特開平11-243650号公報に記載されているソーラー屋外灯のように、制御部でソーラーパネルの発電レベルを検知しながら、太陽光発電による電圧が所定レベル以下に低下した場合に日没を判定し、その後、電圧が所定レベル以上に上昇した場合に日の出を判定するものとして、自動的にON・OFF操作を行う方式が、現在は主流となっている。
【0006】
しかし、このようにソーラーパネルの発電量を基準として制御部がON・OFF操作を行う方式にあっては、例えば雪が降ってソーラーパネルに積もった場合など、何らかの遮蔽物で太陽電池面が覆われた状況では、周囲が明るくなっても外灯が点灯し続けることになるため、蓄電量を無駄に減少させて夜間に充分な照明を行えなくなるという難点がある。
【0007】
また、ソーラー屋外灯は、鋼管製のポールの高い位置にソーラーパネルとライトを固定して支持するのが通常であるところ、前述の方式においては、ライトがソーラーパネルの上方に位置した場合、その照明により発電量の変化に基づいた日の出の判定が困難となりやすいことから、ソーラーパネルをポールの先端に固定・支持する構造を採用しているのが一般的である。そのため、ソーラーパネルの重量を支持可能な太さ・強度を備えている比較的高価なポールを使用したり、ポールの荷重負荷を減らす目的でソーラーパネルのサイズを小さくしたりする必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平11-243650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、ソーラー屋外灯について、設定や修正作業に手間を要することなく的確な時間に点灯・消灯を自動的に行いながら、屋外灯の機能を充分に発揮できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明は、ポールの所定位置にライトとソーラーパネルを備えるとともに蓄電手段を有する蓄電部及び制御手段を有する制御部を備えて、ライトの点灯と消灯を自動的に行うソーラー屋外灯において、前記制御部は計時手段と記憶手段を有しており、その記憶手段には、日本全国を所定の地域ごとに複数のブロックに分けてそのブロックごとに各日付に対応したその地域の平均日の出時刻と平均日没時刻を網羅してなるデータテーブルが記憶されており、ソーラー屋外灯を設置する地域に該当したブロックを所定の操作手段を介して予め制御部に設定しておくことにより、制御手段が前記データテーブルにおける当日の前記両時刻を基準にして所定のタイミングでライトの消灯・点灯操作を行う、ことを特徴とするものとした。
【0011】
このように、広範な緯度と経度を有した複数の地域からなる日本を所定のエリアごとに複数のブロックに分けながら各日付に応じてその地域の平均日の出時刻と平均日没時刻を記録したデータテーブルを記憶手段に備えたことにより、屋外灯を設置する地域に該当したブロックを制御部に設定するだけで、制御手段がその地域における平均的な日の出時刻と日没時刻を把握することができるため、設置の際に設定の過剰な手間を要することなく、自動制御で的確な時刻に消灯・点灯を行えるものとなる。
【0012】
また、このソーラー屋外灯には、所定の位置に表示手段を備えているとともにソーラーパネルの仰角を調整するための調整手段を備えており、その記憶手段には、ソーラーパネルの仰角を固定して使用する場合に各ブロックにおいて好適な発電効率を確保するために設定すべき前記仰角を示す仰角データがブロックごとに記憶されており、前記該当するブロックを設定することでその地域における前記仰角を前記表示手段に表示することができる、ことを特徴としたものとすれば、南北に幅広く地域ごとにソーラーパネルの好適な設置角度が異なる日本において、発電効率に優れた仰角を容易に確認して設定することができる。
【0013】
さらに、上述したソーラー屋外灯において、その計時手段にはGPS信号受信手段が接続されており、受信したGPS信号に含まれる時刻データを用いて計時を行う、ことを特徴としたものとすれば、起動時における時刻の設定やその後の時刻修正作業が不要なものとなる。
【0014】
この場合、そのソーラーパネルは、ポールの先端側に配設した回転駆動手段から上向きに延設した駆動軸に接続された支持軸に背面側を接続・固定された状態で支持されており、GPS信号を用いた計時手段で時間管理されながら支持軸が軸周りに1日360度回転するものとして、ソーラーパネルを朝に東側、昼に南側、夕方に西側、夜に北側を順次向くように回転させる設定が可能とされている、ことを特徴としたものとすれば、ソーラーパネルが時計回りに回転しながら朝から夕方まで太陽の動きを常に追尾して高い発電効率を発揮できるようになるため、小さく軽いソーラーパネルであってもソーラー屋外灯の機能を充分に発揮しやすいものとなる。
【0015】
またこの場合、その支持軸は、鉛直方向に延びたポールの先端側から北向きに所定角度屈曲した状態でその屈曲角度を維持したまま回転するように設けられており、その側面に背面側を接続・固定されたソーラーパネルの仰角が、南向きの時間帯で最も大きくなるとともに北向きの時間帯で最も小さくなり、東向きと西向きの時間帯ではその中間の大きさに変化する、ことを特徴としたものとすれば、仰角が朝と夕に小さく日中に大きくなる太陽の動きに合わせてソーラーパネルの仰角が変動するため発電効率に一層優れたものとなり、且つ、夜にソーラーパネルの仰角が最も小さくなることで、夜間に降る雪がパネル上に積もりにくくなるため、冬期において日中の発電効率を維持しやすいものとなる。
【発明の効果】
【0016】
日本を所定の地域ごとに複数のブロックに分けながら各日付に応じてその地域の平均日の出時刻及び平均日没時刻を網羅したデータテーブルを記憶手段に備えた本発明によると、設定や修正作業に手間を要することなく的確な時間に点灯・消灯を自動的に行うものとして、屋外灯の機能を充分に発揮できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明における実施の形態であるソーラー屋外灯の全体構成及び制御部の詳細な構成を示す機能ブロック図である。
図2】(A)及び(B)は、図1の制御部を備えたソーラー屋外灯のソーラーパネルとライトの配置例を示す部分側面図である。
図3】(A)は図2(A)のソーラー屋外灯の応用例を示す側面図、(B)は(A)のソーラー屋外灯の変形例を示す側面図である。
図4図3(B)のソーラー屋外灯におけるソーラーパネルの1日の動作状況を示す部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態であるソーラー屋外灯1Aの構成を機能ブロック図で示している。このソーラー屋外灯1Aは、ポール6Aの先端側にソーラーパネル3Aを備えるとともに、ソーラーパネル3Aの下方にLEDライト4Aを備え、ソーラーパネル3Aの背面側に接続されたボックス内に、蓄電手段としての二次電池を有した蓄電部5と制御手段10を有した制御部2Aを備えており、LEDライト4Aの点灯と消灯を自動的に行うようになっている。
【0020】
その制御部2Aは、マイコンからなる制御手段10のほかにタイマー機能を有した計時手段12及び記憶手段15を備えているとともに、充電制御手段13、点灯手段14、操作手段16を備えており、その記憶手段15には、日本全国を所定の地域ごとに複数のブロックに分けてそのブロックごとに各日付に応じたその地域の平均日の出時刻と平均日没時刻を網羅してなるデータテーブルが記憶されている。
【0021】
そして、本実施の形態のソーラー屋外灯1Aは、これを設置する地域に該当したブロックについて、例えばナンバーやアルファベットの形式で操作手段16を介して予め制御部2Aに設定しておくことにより、制御手段10が前述のデータテーブルにおけるその地域の当日の平均日の出時刻や平均日没時刻をその都度呼び出し、呼び出した時刻を基準にして所定のタイミングでLEDライト4Aの消灯・点灯操作を行うようになっており、この点が本発明における最大の特徴部分となっている。
【0022】
このように、極めて広範な地域から構成される日本を所定のエリアごとに複数(例えば12個)のブロックに分けながら、各日付に応じてその地域の平均日の出時刻と平均日没時刻を記録したデータテーブルを記憶手段15に備えたことにより、このソーラー屋外灯1Aを設置する地域に対応したブロックを操作手段16を介して制御部2Aに予め設定しておくだけで、制御手段10がその地域におけるそのときの日の出時刻と日没時刻を把握しながらそれに基づいて消灯・点灯の操作を自動的に行うことが可能なものとなる。
【0023】
そのため、ソーラー屋外灯1Aを設置する際に、その地域の日の出時刻・日没時刻を総て調べて消灯・点灯時間を予め設定する手順を行わなくても、的確な時刻に自動的に消灯・点灯を自動的に実行するものとなることから、設置者・管理者において過剰な手間を要することなく、屋外灯として期待される機能を充分に発揮することが可能となる。
【0024】
また、このソーラー屋外灯1Aには、液晶ディスプレイ等による表示手段17を備えているとともに、ソーラーパネル3Aの水平角を調整する水平角調整手段に加えて、その仰角を調整するための図示しない仰角調整手段を備えており、その記憶手段15には、ソーラーパネル3Aの仰角を年間を通じて固定使用する場合に、各ブロックにおいて好適な発電効率を確保するために設定すべき仰角を示す仰角データがブロックごとに記憶されている。
【0025】
そして、前述のように予め該当するブロックを設定しておくだけで、その地域における好適な仰角を表示手段17に表示することができる。即ち、南北に長く地域ごとにソーラーパネルの好適な設置角度が異なる日本において、その設置の際に、表示手段17にその地域における好適な仰角を表示させて、仰角調整手段でその角度を容易に設定できるようになっている。
【0026】
例えば、ソーラーパネル3Aの背面とポール6A先端側を接続・固定している図示しないボルトを緩める等して角度の固定状態を解除し、表示された仰角に合わせて再固定することにより、発電効率に優れた仰角を容易に設定することができる。尚、この場合、その仰角調整手段(固定部)において、仰角を連続的に示す目盛り等を表示しておけば、仰角の設定作業が一層容易なものとなる。
【0027】
さらに、この制御部2Aにおいては、その計時手段12にGPS信号受信手段11が接続されているとともに、受信したGPS信号に含まれる時刻データを用いながら計時手段12が計時を実行する方式を採用しており、この点も本実施の形態の重要な特徴部分となっている。即ち、GPS信号を計時と時刻管理に利用する方式を採用したことで、制御部2A起動時の時刻設定が不要になることに加え、何年経過しても時刻の狂いが生じないためその修正作業が不要になることから、設置者・管理者における手間を大きく軽減することができる。
【0028】
図2(A)は、このような機能を発揮する制御部2Aを備えたソーラー屋外灯1Bの構成の一例を示している。この例では、ソーラーパネル3Bがポール6Bの先端に固定されており、その下方にLEDライト4Bを配置した構成となっているが、比較的重量のあるソーラーパネル3B(本例では制御部2Aと蓄電部5が付設されている)を先端で支持するため、ポール6Bにはある程度の太さと強度を有した比較的高価なものを使用している。
【0029】
これに対し、図2(B)のソーラー屋外灯1Cは、ソーラーパネル3Bよりも大幅に軽量なLEDライト4Bがポール6Cの先端に支持されており、その下方の低い位置にソーラーパネル3Bが支持された構成となっている。これは、従来のソーラー屋外灯ではソーラーパネルの発電レベルに応じて日没・日の出を判定する方式であったことから、ライト下方にソーラーパネルが位置するとライトの照明により日の出を判定できなくなるのに対し、本発明ではソーラーパネルの発電レベルを日没・日の出の判定に用いない方式を採用しているため、このような構成が可能となっている。これにより、ポール6Cは、図2(A)のポール6Bよりも細いものでも足りることから、ソーラー屋外灯1Bよりも設置コストを低廉に抑えることができる。
【0030】
図3(A)は、図2(A)のソーラー屋外灯1Bの応用例としてのソーラー屋外灯1Dを東側から見た側面図で示している。この例では、そのソーラーパネル3Cは、ポール6Dの先端側に配設した回転駆動手段であるモータ50から上向きに延設した駆動軸に接続されている支持軸61に背面側を接続・固定された状態で支持されており、この支持軸61が計時手段12で時間管理されながら軸周りに1日360度回転するものとして、ソーラーパネル3Cを、朝に東側、昼に南側、夕方に西側、夜に北側を順次向くように回転させる設定が可能となっている点を特徴としている。
【0031】
このように、ソーラーパネル3Cが時計回りに回転しながら朝から夕方まで太陽の動きを常に追尾する方式を採用したことで、発電効率の低い冬期であっても高い発電効率を発揮することが可能なものとなり、比較的小さく軽量なソーラーパネル3Cであってもソーラー屋外灯の機能を充分に発揮しやすくなるため、ポール6Dには比較的細いものを使用することが可能となる。また、そのモータ50の回転動作については、常に正確に時間管理されていることが必要であるが、計時手段12がGPS信号を用いる方式を採用したことで、これを実現可能としている。
【0032】
尚、支持軸61の回転駆動手段であるモータ50としては、正確な回転角を実現しながらその角度をしっかりと固定する必要性から、ステッピングモータやサーボモータを使用することが想定されるが、その回転角を所定割合で減少させながらトルクを拡大させるためのギヤを、駆動軸と支持軸61との間に介装させることが好ましい。また、その回転動作においては、支持軸61を連続的にゆっくりと回転させることのほか、例えば1時間毎に15度のように小刻みに回転させるようにしても良い。
【0033】
さらに、この例においてもソーラーパネル3Cの仰角を、表示手段17に表示させた仰角に基づいて調整可能なものとすることが好ましい。さらにまた、表示手段17にその地域の経度に応じて標準状態から調整すべき水平角を表示可能なものとして、所定の水平角調整手段でモータ50の基端側で水平角を調整できるようにすれば、経度の違いによる太陽の方位角のズレを容易に調整できるものとなる。
【0034】
図3(B)は、図3(A)のソーラー屋外灯1Dの変形例としてのソーラー屋外灯1Eを示している。このソーラー屋外灯1Eは、その支持軸62が鉛直方向に延びたポール6Eの先端側から北向きに所定角度屈曲した状態で、その屈曲角度を維持したままモータ50で回転駆動するように配設されており、その側面に背面側を接続・固定されたソーラーパネル3Cの仰角が、南向きの時間帯で最も大きくなるとともに北向きの時間帯で最も小さくなり、東向きと西向きの時間帯ではその中間の大きさになるように変動する設定が可能とされている点を特徴としている。
【0035】
この例では、前述した支持軸62の屈曲角度が約30度であり、その支持軸62対し約20度傾斜しながら下側を持ち上げるようにしてソーラーパネル3Cが背面側を固定された状態となっており、ソーラーパネル3Cが南を向いた状態で仰角が50度(水平面からの傾斜角は40度)になることから、日本においては例えば東京付近の緯度に好適な仰角となっている。
【0036】
そして、東側から見た図4に示すように、ソーラーパネル3Cは、朝6時に東側を向き、昼12時に南側を向き、夕方18時には西側を向き、夜中の午前0時には北側を向くことに加え、その仰角は、仰角が朝と夕に小さく日中に大きくなる太陽の動きに合わせて変動しながら、太陽光線に対し直角に近づくように太陽電池面の角度を変化させるようになっている。
【0037】
そのため、前述のソーラー屋外灯1Dよりも発電効率が一層優れたものとなっているが、その特徴に加え、夜中にソーラーパネルの仰角が最も小さくなる(図では下向きに約10度)特性を有していることで、夜に降った雪がパネル上に積もりにくくなるという機能もあるため、冬期における日中の発電効率の低下を防止する効果を発揮するものである。また、落葉の季節においては、パネルに積もった落ち葉を夜間に落下させる効果も期待できる。
【0038】
尚、この例における支持軸62の屈曲角度は、10度~40度の範囲が想定されるが、日本においては20度~30度の範囲が好適である。また、この例においてもソーラーパネル3Cと支持軸62とが接続する部分の傾斜角度を調整可能とすることで、緯度の違い応じた仰角の調整を容易に実施できるようになる。さらに、支持軸の屈曲角度についても調整可能にする機構を設けても良い。
【0039】
加えて、上述した総ての例におけるブロックごとに行う調整についても、制御手段が所定のアクチュエータを介して総て自動的に行うようにしても良く、また、季節ごとに変化する太陽の仰角に合わせてソーラーパネルの仰角を制御手段が所定のアクチュエータを介して自動的に調整する方式にしても良い。
【0040】
以上、述べたように、ソーラー屋外灯について、本発明により、設定や修正作業に手間を要することなく的確な時間に点灯・消灯を自動的に行いながら、屋外灯の機能を充分に発揮できるようになった。
【符号の説明】
【0041】
1A,1B,1C,1D,1E ソーラー屋外灯、2A,2B 制御部、3A,3B,3C ソーラーパネル、4A,4B LEDライト、5 蓄電部、6A,6B,6C,6D,6E ポール、10 制御手段、11 GPS信号受信手段、12 計時手段、15 記憶手段、16 操作手段、17 表示手段、50 モータ、61,62 支持軸
図1
図2
図3
図4