IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社能登の特許一覧

<>
  • 特許-非常電話ボックスの扉装置 図1
  • 特許-非常電話ボックスの扉装置 図2
  • 特許-非常電話ボックスの扉装置 図3
  • 特許-非常電話ボックスの扉装置 図4
  • 特許-非常電話ボックスの扉装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】非常電話ボックスの扉装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 1/02 20060101AFI20220405BHJP
   E05D 15/06 20060101ALI20220405BHJP
   E06B 3/34 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
E05F1/02 Z
E05D15/06 125C
E06B3/34
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018131110
(22)【出願日】2018-06-22
(65)【公開番号】P2019218832
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】593080744
【氏名又は名称】株式会社能登
(74)【代理人】
【識別番号】100090712
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 忠秋
(72)【発明者】
【氏名】玄手 孝伸
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-158676(JP,U)
【文献】特開昭53-030151(JP,A)
【文献】実開昭60-178485(JP,U)
【文献】実開平02-074896(JP,U)
【文献】実開平03-115789(JP,U)
【文献】登録実用新案第3190980(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/02 - 1/06
1/16
E05D 13/00
15/06
15/36 -15/38
E06B 3/04 - 3/46
3/50 - 3/52
E04H 1/12 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非常電話ボックスの出入り口に枚型の扉を備え非常電話ボックスの天面には扉と平行な第1のガイドレールと、扉の格納される方向の第2のガイドレールを備え、非常電話ボックス面には扉と平行なガイド溝を備え、扉の上端には、第1のガイドレールに沿って移動可能な第1の動滑車と、第2のガイドレールに沿って移動可能な第2の動滑車を備え、扉の第1の動滑車側の下端には、ガイド溝に沿って動く軸を備え、第1の動滑車と第2の動滑車は、それぞれ索状体の一端を固定し、各索状体の他端は転向部材を介して共通の中空パネル内の閉扉方向の付勢手段に個別に固定することを特徴とする非常電話ボックスの扉装置
【請求項2】
前記索状体はワイヤロープであり、前記転向部材は樹脂滑車であることを特徴とする請求項1に記載の非常電話ボックスの扉装置
【請求項3】
前記付勢手段は錘であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非常電話ボックスの扉装置
【請求項4】
前記中空パネルは、前記第2のガイドレール側の前記第1のガイドレールの延長線上に配置することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の非常電話ボックスの扉装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出入り口に設けられる一枚型の扉による非常電話ボックスの扉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、扉の開放時に、扉の両脇に扉を格納する十分なスペースが確保できないような限られたスペースで扉を前面に突出させずに内部に格納しなければならない制約を受けた自動閉鎖扉がある。例えば、このような制約を受けた扉を備えた構造物として、道路のトンネル坑内の箱抜き部に設置されている非常電話ボックスがある。
【0003】
非常電話ボックスの扉は、中折れ式開閉扉で構成されている。中折れ式開閉扉は、扉を非常電話ボックスに回転可能にヒンジされる基部側扉と、基部側扉にヒンジ結合した開閉端側扉に等分したもので、開放状態では、基部側扉、開閉端側扉が折り畳まれた状態でボックス内部に格納される。さらに、基部側扉の回転可能なヒンジ部には、閉扉方向に付勢するための回転駆動機構であるオートヒンジが備えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、中折れ式開閉扉の回転駆動機構であるオートヒンジが経年による劣化で固着し、扉が開閉できなくなる状況が発生しており、オートヒンジを備えない開閉方式が要望されていた。
【0005】
本発明は、このような点を鑑みて、扉の開放時に、限られたスペースで扉を前面に突出させることなく、内部に格納される自動閉鎖扉であって、オートヒンジを備えない非常電話ボックスの扉装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、非常電話ボックスの出入り口に一枚型の扉を備え、非常電話ボックスの天井面には扉と平行な第1のガイドレールと、扉の格納される方向の第2のガイドレールを備え、非常電話ボックスの床面には扉と平行なガイド溝を備え、扉の上端には、第1のガイドレールに沿って移動可能な第1の動滑車と、第2のガイドレールに沿って移動可能な第2の動滑車を備え、扉の第1の動滑車側の下端には、ガイド溝に沿って動く軸を備え、第1の動滑車と第2の動滑車には、それぞれ索状体の一端を固定し、各索状体の他端は転向部材を介して共通の中空パネル内の閉扉方向の付勢手段に個別に固定することを特徴としている。
【0007】
また、索状体はワイヤロープであり、転向部材は樹脂滑車であってもよい。
【0008】
また、付勢手段は錘であってもよい。このように構成すれば、錘の重さを変えることにより、扉の自動閉鎖力を調整することができる。
【0009】
また、中空パネルは、第2のガイドレール側の第1のガイドレールの延長線上に配置してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、オートヒンジを備えることなく、限られたスペースで扉を前面に突出することなく内部に格納される自動閉鎖扉を構成でき、扉の長寿命化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る非常電話ボックスの扉装置を備えた一実施形態を示す正面図である。
図2】本発明に係る非常電話ボックスの扉装置を備えた一実施形態を示す平面図である。
図3図1に示すII-II矢視の拡大断面図である。
図4図1に示す扉の閉鎖状態を示す平面図である。
図5図1に示す扉の格納状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施の形態では、非常電話ボックスの出入り口の自動閉鎖扉として構成された例を説明する。
【0013】
図1図2図3に示すように、非常電話ボックス1は、出入り口に一枚型の扉20を備えている。さらに非常電話ボックス1は、内部に非常電話機10を備えている。非常電話ボックス1の天板30には、扉20と平行な第1のガイドレール31と、第1のガイドレール31の一方の先端側から扉20の格納される方向の第2のガイドレール32が固定されている。非常電話ボックス1の床板40には、扉20と平行なガイド溝41を備えている。扉20の上端には、第1のガイドレール31に沿って移動可能な第1の動滑車21と、第2のガイドレール32に沿って移動可能な第2の動滑車22が固定されており、扉20は第1、第2の動滑車21、22を介して第1、第2のガイドレール31、32に吊り下げられている。さらに扉20の第1の動滑車21側の下端には、ガイド溝41に沿って移動可能な軸23が固定されている。さらに、第1の動滑車21にはワイヤロープ51の一端が固定されており、もう一端は樹脂滑車55、56を介して中空パネル60内の錘53に固定されている。第2の動滑車22にはワイヤロープ52の一端が固定されており、もう一端は樹脂滑車57、58、59を介して中空パネル60内の錘54に固定されている。中空パネル60は、第2のガイドレール32を設ける側の第1のガイドレール31の延長線上に配置されている。
【0014】
索状体としての前記ワイヤロープ51、52はチェーンであってもよい。転向部材としての前記樹脂滑車55、56…59は金属滑車であってもよい。付勢手段としての前記錘53、54はスプリングであってもよい。
【0015】
図4に示すように、扉20は錘53、54の閉扉方向の付勢力により常時閉まった状態にある。非常電話ボックスの利用者は、扉20の取手24を押して扉20を開きボックス内に入室する。扉20は全開時においては図5に示す位置に格納される。利用者が退室する際は、取手25を引いて扉20を開き退室する。扉20は、利用者による開扉方向の付勢力がない状態では図4に示す位置まで自動閉鎖する。取手24、25は、扉20の横桟に横向きに固定されている。
【0016】
以上のように構成された一枚型の扉の非常電話ボックスの扉装置は、扉を前面に突出させることなく内部に格納できる。また、オートヒンジを備えていない構成のため、長寿命である。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、扉の開放時に、戸袋などの両脇に扉を格納する十分なスペースが確保できないような限られたスペースで扉を前面に突出させずに内部に格納しなければならない制約を受けた非常電話ボックスの一枚型の扉の自動閉鎖扉に利用可能である。
【符号の説明】
【0018】
1…非常電話ボックス
10…非常電話機
20…扉
21…第1の動滑車
22…第2の動滑車
23…軸
24…取手
25…取手
30…天板
31…第1のガイドレール
32…第2のガイドレール
40…床板
41…ガイド溝
51…ワイヤロープ
52…ワイヤロープ
53…錘
54…錘
55…樹脂滑車
56…樹脂滑車
57…樹脂滑車
58…樹脂滑車
59…樹脂滑車
60…中空パネル
図1
図2
図3
図4
図5