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特許7053034電子レシートの管理をするための方法、プログラム、情報処理装置およびサーバ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】電子レシートの管理をするための方法、プログラム、情報処理装置およびサーバ装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20220405BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220405BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
G07G1/12 351Z
G06Q30/06
G07G1/06 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018197070
(22)【出願日】2018-10-18
(62)【分割の表示】P 2017198070の分割
【原出願日】2017-10-11
(65)【公開番号】P2019053739
(43)【公開日】2019-04-04
【審査請求日】2020-10-12
(31)【優先権主張番号】P 2017176241
(32)【優先日】2017-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】521063823
【氏名又は名称】株式会社ワンショット
(74)【代理人】
【識別番号】230116816
【弁護士】
【氏名又は名称】成川 弘樹
(74)【代理人】
【識別番号】100159248
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 修
(72)【発明者】
【氏名】安楽 繁生
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-148975(JP,A)
【文献】特開2012-216042(JP,A)
【文献】特開2016-126761(JP,A)
【文献】特開2012-185664(JP,A)
【文献】特開2002-334173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00-1/12
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリと、ストレージとを備え、取引の領収内容の情報を含む領収データを管理するためのコンピュータによって実行されるプログラムであって、
コンピュータは、前記ストレージにおいて、各取引について前記領収データを記憶しており、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
取引において領収データを顧客ユーザに対して発行する第1の通信装置から領収データを含むデータを受信し、前記顧客ユーザが使用する第2の通信装置から各取引にかかる領収データを特定するための第1の情報を含むデータを受信する第1のステップと、
前記第1の通信装置から、前記発行される領収データを受信した場合に、当該領収データの発行がなされたタイミングを示す情報を含む前記領収データを前記ストレージに記憶させる第2のステップと、
前記第2の通信装置から、前記第1の情報を受け付けたことに応答して、当該第1の情報により特定される領収データを前記ストレージから読みだして、読みだした領収データを前記第2の通信装置のディスプレイに表示させる第3のステップとを実行させる、プログラムであって、
前記第3のステップは、前記ストレージから読みだした領収データに、前記第2の通信装置の前記顧客ユーザが領収データの取得のためのアクセスをしたことを示す情報を、当該領収データに対応付けて前記ストレージに記憶させる、プログラム。
【請求項2】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記顧客ユーザが使用する前記第2の通信装置から、顧客ユーザの登録を受け付けて、受け付けた顧客ユーザに対して、前記顧客ユーザを識別するための第2の情報を生成する第4のステップを実行する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第1の通信装置は、各取引の領収内容の入力を受け付けて、当該領収内容を示す領収データを各取引について前記コンピュータへ送信し、前記領収データを特定するための情報であって前記第2の通信装置で読み取り可能な第3の情報を前記第1の通信装置のモニタに表示するように構成されており、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置のモニタに表示される前記第3の情報を読み取り可能に構成されており、
前記第3のステップは、前記第2の通信装置が前記第3の情報を読み取った読み取り結果を、前記各取引にかかる領収データを特定するための前記第1の情報として受け付ける、請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1の通信装置のモニタに表示される前記第3の情報は、一次元または二次元コードの画像情報であり、
前記第2の通信装置は、撮影機能を備え、前記撮影機能により前記一次元または二次元コードを撮影した撮影結果に基づいて、前記コードに含まれる情報を読み取るように構成されており、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置のモニタに表示される前記一次元または二次元コードを撮影した撮影結果に基づいて前記第3の情報を読み取ることを含む、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記第1の通信装置から、各取引について前記領収データを受信した場合に、取引それぞれの前記領収データを特定するための前記第1の情報と、当該領収データへのアクセスを可能とするためのアクセスコードとを前記第1の通信装置へ応答する第5のステップを実行させ、
前記第3のステップにおいて、前記第2の通信装置から、前記第1の情報と、前記第1の情報により特定される前記領収データについての前記アクセスコードとを受け付けた場合に、前記第1の情報により特定される領収データを前記第2の通信装置のディスプレイに表示させることを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記ストレージにおいて記憶する前記領収データの保存期限を管理する第6のステップを実行させ、
前記領収データの保存期限は、前記領収データの発行がなされたタイミングに基づいて設定される期限であり、
前記第3のステップは、前記保存期限が一定期間内に満了する前記領収データがあることを、前記第2の通信装置のディスプレイに表示させることを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第3のステップにおいて、
前記第2の通信装置から前記第1の情報を受け付けた場合に、前記第1の情報を受け付けたことに応答して当該第1の情報により特定される領収データを前記第2の通信装置に表示させることが可能な回数または有効期限の少なくともいずれかを管理することを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
プロセッサと、メモリと、ストレージとを備え、取引の領収内容の情報を含む領収データを管理するためのサーバ装置であって、
前記ストレージは、各取引について前記領収データを記憶するように構成されており、
前記プロセッサは、
取引において領収データを顧客ユーザに対して発行する第1の通信装置から領収データを含むデータを受信し、前記顧客ユーザが使用する第2の通信装置から各取引にかかる領収データを特定するための第1の情報を含むデータを受信し
取引において領収データを顧客ユーザに対して発行する第1の通信装置から、前記発行される領収データを受信した場合に、当該領収データの発行がなされたタイミングを示す情報を含む前記領収データを前記ストレージに記憶させ、
前記顧客ユーザが使用する第2の通信装置から、各取引を特定するための第1の情報を受け付けたことに応答して、当該第1の情報により特定される取引にかかる領収データを前記ストレージから読みだして、読みだした領収データを前記第2の通信装置のディスプレイに表示させ、
前記ストレージから読みだした領収データに、前記第2の通信装置の前記顧客ユーザが領収データの取得のためのアクセスをしたことを示す情報を、当該領収データに対応付けて前記ストレージに記憶させるように構成されている、サーバ装置。
【請求項9】
プロセッサと、メモリと、ストレージとを備え、取引の領収内容の情報を含む領収データを管理するためのコンピュータによって実行される方法であって、
前記コンピュータは、前記ストレージにおいて、各取引について前記領収データを記憶しており、
前記方法は、前記プロセッサが、
取引において領収データを顧客ユーザに対して発行する第1の通信装置から領収データを含むデータを受信し、前記顧客ユーザが使用する第2の通信装置から各取引にかかる領収データを特定するための第1の情報を含むデータを受信する第1のステップと、
取引において領収データを顧客ユーザに対して発行する第1の通信装置から、前記発行される領収データを受信した場合に、当該領収データの発行がなされたタイミングを示す情報を含む前記受信した領収データを前記ストレージに記憶させる第2のステップと、
前記顧客ユーザが使用する第2の通信装置から、各取引を特定するための第1の情報を受け付けたことに応答して、当該第1の情報により特定される取引にかかる領収データを前記ストレージから読みだして、読みだした領収データを前記第2の通信装置のディスプレイに表示させる第3のステップとを実行することを含む、方法であって、
前記第3のステップは、前記ストレージから読みだした領収データに、前記第2の通信装置の前記顧客ユーザが領収データの取得のためのアクセスをしたことを示す情報を、当該領収データに対応付けて前記ストレージに記憶させる、方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は商取引で用いられる領収書を電子的に発行し、発行された電子レシートを顧客側のユーザが受領するための方法、プログラム、情報処理装置およびサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商取引において、事業者が顧客に対し領収書を発行することが広く行われている。この領収書のやりとりを電子的に行うため、様々な技術が検討されている。
例えば、特開2004-151838号公報(特許文献1)は、領収書を電子的に発行することができるシステムについて記載されている。特許文献1のレシート発行システムによると、顧客が電子レシートの発行を望むかレシートの印刷を望むかに応じて、電子レシートを顧客に通知する処理またはレシートを印刷する処理のいずれかまたは両方を行う技術について記載されている。
【0003】
また、領収書は経費精算等に用いられるものである。紙の領収書による経費精算と、電子レシートによる経費精算とが重複しないよう、例えば、特開2014-194740号公報(特許文献2)は、電子レシート情報が生成された後に、紙の領収書の発行が指示された場合に、領収書を印字して発行するとともに、領収書を印字して発行したことを示すステータスを生成することについて記載されている。特許文献2の電子レシートシステムによると、電子レシートを表示する際に、領収書を印字して発行済みであることを示す情報を付加して表示することについて記載されている。
【0004】
また、店舗等では、顧客がリピートして来店することを促すために、ポイントカードなどの会員サービスを行っていることがある。これら会員サービスと、電子レシートによる便益とを顧客に提供するため、例えば、特開2014-194738号公報(特許文献3)は、以下の技術を開示している。具体的には、店舗等の決済レジにおいて、電子レシートサービスの会員コードの入力と、電子レシートサービスとは異なる店舗等のサービスの企業会員コードの入力とがあると、これら両コードを関連付けてサーバで記憶するようにすることで、その後、取引の決済処理時に電子レシートサービスの会員コードと企業会員コードとのいずれかが入力された場合に、当該取引について電子レシートサービスを顧客に提供することについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-151838号公報
【文献】特開2014-194740号公報
【文献】特開2014-194738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの特許文献は、いずれも、店舗などのレシートの発行側の端末の機能向上を目的としたものである。店舗等の立場では、顧客にあった様々な販売促進情報を提供したいと意図して、取引内容と顧客の情報とを紐づけて管理することを志向することがある。例えば、店舗における取引の履歴のそれぞれについて、顧客の情報と対応付けることができると、顧客がよく購買する商品の傾向を把握することができ、顧客にあった販売促進情報を提供することで、店舗の売上増が期待できる。
【0007】
しかし、これら特許文献に記載された技術は、このように店舗等におけるレシートの発行側の端末の機能向上を目的としており、発行側の端末において、顧客の情報を取得することが必要となる。例えば、特許文献1の技術において、店舗側が顧客に対して電子レシートを通知するために、店舗等において、顧客の情報を店舗等のスタッフが取得するか、または、店舗等において顧客の情報を顧客によって店舗等の端末に入力してもらう必要がある。特許文献2と特許文献3に記載された技術においても、店舗側において、顧客の情報を店舗側のスタッフが取得するためのオペレーションが煩雑となりがちとなる。このように、領収書の発行側となる事業者にとって、電子レシートサービスを顧客に提供するため、サービス導入の敷居を低くする技術が必要とされている。
また、店舗側の端末に応じたサービスを顧客に導入してもらう必要があるため、顧客がサービスを利用するためのコストが発生する。店舗側も発行済みの領収書控えなどを保管するための物理的なコストが発生している。
【0008】
一方で、領収書の受け取り手側である顧客は、領収書を様々な用途で使用する。例えば、領収書の受領者は、経費を紙の領収書により精算する際に、紙の領収書を所定の経費精算用の書類に張り付けるなどの作業が必要となる。また、企業の管理者にとっても、経費精算を行った領収書を保管することが義務付けられており、その保管のための物理的な場所を要するといった課題がある。これらの課題を解決するために、領収書の電子的な発行から保管までの一連の過程において、なるべく領収書の受領にかかわるスタッフの作業負荷が軽減される仕組みが必要とされている。
【0009】
本開示は、領収書の保管に要するコストをいっそう低減させつつ、ユーザにとってサービス導入の敷居をいっそう低下させて、電子的な領収書の授受の普及を促す技術を提供することを目的とする。
本開示の別の目的は、領収書の保管に要するコストをいっそう低減させつつ、顧客が汎用性のある端末で電子レシートを受け取りやすくすることで、ユーザにとってサービス導入の敷居をいっそう低下させることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係るプログラムは、プロセッサと、メモリと、ストレージとを備えるコンピュータによって実行されるものである。このコンピュータは、取引の領収内容の情報を含む領収データを管理するためのものである。コンピュータは、ストレージにおいて、各取引について領収データを記憶している。プログラムは、プロセッサに、外部の通信装置とデータを送受信するステップと、取引において領収データを顧客ユーザに対して発行する第1の通信装置から、発行される領収データを受信した場合に、当該領収データの発行がなされたタイミングを示す情報を含む領収データをストレージに記憶させるステップと、顧客ユーザが使用する第2の通信装置から、各取引にかかる領収データを特定するための第1の情報を受け付けた場合に、当該特定される取引にかかる領収データをストレージから読みだして、読みだした領収データを第2の通信装置へ応答するステップとを実行させる。
【0011】
本開示に係るサーバ装置は、プロセッサと、メモリと、ストレージとを備え、取引の領収内容の情報を含む領収データを管理するためのものである。ストレージは、各取引について領収データを記憶するように構成されている。プロセッサは、外部の通信装置とデータを送受信するように構成されている。プロセッサは、取引において領収データを顧客ユーザに対して発行する第1の通信装置から、発行される領収データを受信した場合に、当該領収データの発行がなされたタイミングを示す情報を含む領収データをストレージに記憶させるように構成されている。プロセッサは、顧客ユーザが使用する第2の通信装置から、各取引を特定するための第1の情報を受け付けた場合に、当該特定される取引にかかる領収データをストレージから読みだして、読みだした領収データを第2の通信装置へ応答するように構成されている。
【0012】
本開示に係るユーザ側通信装置は、プロセッサと、メモリと、ストレージとを備える。ユーザ側通信装置と、サーバ装置と、発行側通信装置とによりシステムを構成する。サーバ装置は、取引の領収内容の情報を含む領収データを管理するためのものである。電子レシートを発行する発行側通信装置は、各取引の領収内容の入力を受け付けて、当該領収内容を示す領収データを生成し、各取引について生成した領収データをサーバ装置へ送信し、領収データを特定するための情報であってユーザ側通信装置で読み取り可能な特定情報を発行側通信装置のモニタに表示するように構成されている。電子レシートを受領するユーザ側通信装置は、発行側通信装置のモニタに表示される特定情報を読み取り可能に構成されている。ユーザ側通信装置は、特定情報を読み取った読み取り結果を、各取引を特定するための情報としてサーバ装置へ送信する。ユーザ側通信装置は、サーバ装置から、当該読み取り結果により特定される取引にかかる領収データを受信する。ユーザ側通信装置は、サーバ装置から受信する領収データを、ユーザ側通信装置のモニタに表示するように構成されている。
【0013】
本開示に係る方法は、プロセッサと、メモリと、ストレージとを備え、取引の領収内容の情報を含む領収データを管理するためのコンピュータによって実行されるものである。この方法は、プロセッサが、外部の通信装置とデータを送受信するステップと、取引において領収データを顧客ユーザに対して発行する第1の通信装置から、発行される領収データを受信した場合に、当該領収データの発行がなされたタイミングを示す情報を含む領収データをストレージに記憶させるステップと、顧客ユーザが使用する第2の通信装置から、各取引を特定するための第1の情報を受け付けた場合に、当該特定される取引にかかる領収データをストレージから読みだして、読みだした領収データを第2の通信装置へ応答するステップとを実行することを含む。
【0014】
本開示に示すプログラムは、プロセッサと、メモリと、ストレージとを備えるサーバ装置において実行されるものである。サーバ装置は、ストレージにおいて、取引の領収内容の情報を含む領収データを各取引について記憶するように構成されている。プログラムは、取引において電子レシートを発行する発行側ユーザの通信装置のディスプレイに、取引にかかる領収内容の入力を発行側ユーザから受け付けるための画面を表示させるステップと、発行側ユーザが入力した領収内容を受け付けて、ストレージに、当該取引にかかる領収データとして記憶させ、当該領収データを特定するための情報を生成するステップと、当該領収データを特定するための情報を発行側ユーザの通信装置のディスプレイに表示させるステップとを実行させることを含む。
【発明の効果】
【0015】
本開示の一態様によれば、電子レシートを顧客に発行するタイミングがサーバ装置で管理されている。電子レシートを受領する顧客側のユーザの端末装置が、サーバ装置で管理される電子レシートを特定する情報をもとにサーバ装置に問い合わせることで、顧客側のユーザが電子レシートを取得することができる。店舗は、サーバ装置で管理される電子レシートを特定する情報を顧客に通知することで、領収書を顧客に発行したものとすることができ、いわば全ての顧客に対して電子レシートを発行しうることとなる。これにより店舗側での電子レシート管理サービスを導入する敷居がいっそう低くなるとともに、領収書の保管やオペレーションに要する人的な負担が軽減される。また、電子レシートを受領する顧客を、発行側通信装置のモニタに表示される特定情報を読み取った顧客に限定し得るため、第三者が電子レシートを不正に閲覧すること、電子レシートを不正に転用すること等を防ぐことができる。
【0016】
また、従来、領収書の受領者が、経費精算等のために、印字された領収書を経費精算用の書類に貼り付けて経理担当者に提出する。経理担当者側では書類の内容に基づいて経費精算をするとともに印字された領収書を倉庫等に保管する作業をしている。これに対し、領収書の受領者が電子レシートを経理部門に提出し、経理担当者が電子レシートを受け取ることで、従来、経費精算とともに紙の領収書を保管するのに要していた人的リソースが軽減されるとともに、紙の領収書を保存するための物理的な場所が不要となる。またある局面において、領収書の受領者は、経費精算を受けるため、積極的に、電子レシートを取得しようとするため、電子レシートの管理サービスの普及を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に示す電子領収書の発行および管理システムにかかる発行側の端末装置の動作の概略を示す図である。
図2】店舗側のスタッフが端末装置10を操作して取引の領収内容を入力することで顧客に電子レシートを発行する局面における画面例を示す。
図3】本実施形態に示す電子領収書の発行および管理システムにかかる受領側の端末装置の動作の概略を示す図である。
図4】電子レシートを受領する顧客が端末装置30を操作する局面の画面例を示す。
図5】本実施形態に示す管理システム1の概略的な構成を示す図である。
図6】端末装置10のブロック図である。
図7】端末装置30のブロック図である。
図8】端末装置10の機能的な構成を示す図である。
図9】端末装置30の機能的な構成を示す図である。
図10】サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図11】サーバ20が管理する領収データベース281、および、サーバ20に対して端末装置10から送信される領収データのデータ構造を示す図である。
図12】店舗側のユーザの端末装置10で領収データを発行し、顧客側のユーザの端末装置30がサーバ20を介して領収データを受領する処理を示すフローチャートである。
図13】店舗側のユーザの端末装置10において、顧客に対して発行した領収データを管理する画面の表示例を示す図である。
図14】領収データを受領する側のユーザの端末装置30における画面の表示例を示す図である。
図15】領収データを受領する側のユーザの端末装置30における画面の表示例を示す図である。
図16】領収データを受領する側のユーザの端末装置30における画面の表示例を示す図である。
図17】電子レシートを受領する顧客が端末装置30を操作する局面の、別の画面例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0019】
<1.1 概要>
図1から図4を参照して、領収書を電子的に発行し、発行された電子レシートを顧客が受領するシステムの概要を説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に示す電子領収書の発行および管理システムにかかる発行側の端末装置の動作の概略を示す図である。
【0021】
ある局面において、顧客が、店舗等で物品を購入すること、サービスの提供を受けることの対価を支払うため会計を希望する。店舗側のスタッフは、商取引を記録するためのアプリケーションを端末装置10で実行させ、決済を行うため、顧客の注文内容(購入にかかる物品、購入する数量その他の情報)を、店舗の端末である端末装置10に入力する。端末装置10は、購入される物品、その数量、取引の金額など取引内容の情報を、サーバ20へ送信することで保存する。顧客は、対価を支払って、領収書の発行を希望する。店舗側のスタッフは、領収書を電子的に発行できることを顧客に説明する。顧客は、領収書を電子的に発行することを店舗側のスタッフに希望する。店舗側のスタッフは、ブラウザにより、電子レシートを発行するためのクラウドサービスへアクセスするか、電子レシートを発行するためのアプリケーションを端末装置10で実行させ、端末装置10を操作して、領収書の発行をするための領収内容を入力する。
【0022】
図1の状態(A)は、店舗側のスタッフが、端末装置10の表示内容を確認して、顧客に対し電子的な領収書(電子レシートともいう)を発行するための操作を行う局面を示す。図1の例では、電子レシートを発行するためのアプリケーションが、アプリ配信プラットフォーム等により提供されており、これらアプリケーションが予め端末装置10にインストールされているとする。状態(A)に示すように、端末装置10は、ディスプレイ132において、あて名を表示するためのあて名表示部132Aと、事業者が領収した金額を表示するための金額表示部132Bと、領収の対象を「但し書き」として示す但し書き表示部132Cと、領収を行った事業者を表示するための事業者表示部132Dと、顧客に対し電子レシートを発行するための入力操作を受け付ける電子レシート発行ボタン132Eと、支払方法を入力するためのボックス132Jとを表示する。店舗側のスタッフは、電子レシートを発行するため、あて名、領収金額等を入力する。
【0023】
例えば、状態(A)において、端末装置10が、電子レシート発行ボタン132Eへの入力操作を指3などのタップ操作により受け付けると、状態(B)に示すように、顧客側のユーザが電子レシートを取得するための情報を提示する。このとき、電子レシートが発行されるタイミングを、端末装置10がサーバ20へ通知すること等により、サーバ20において電子レシートに発行時のタイムスタンプを関連付けることができる。サーバ20は、電子レシートが発行された時から一定期間の間は、電子レシートを保管する。店舗側は、領収書を発行する場合に、一定期間保管することが必要となるが、電子レシートを発行することで、サーバ20により保管をすることができる。また、例えば、電子レシートに基づき顧客が会社等で経費精算を行った場合に、経費精算等を担当する経理部門は、領収書を一定期間保管することが必要となるが、その保管を、クラウドにアップロードされた電子レシートにより行うことができる。
【0024】
図1の状態(B)は、店舗側のスタッフが、顧客に対し、顧客が電子レシートを取得するための情報を二次元コードとして提示する局面を示す。状態(B)に示すように、端末装置10は、ディスプレイ132において、二次元コード132Fと、印刷受付ボタン132Gと、トップページ移行ボタン132Hとを表示する。
【0025】
二次元コード132Fは、顧客の端末で読み取り可能なコードである。例えば、二次元コード132Fは、QRコード(登録商標)のようなマトリックス状の二次元コードとして表示される。端末装置10は、各取引にかかる電子レシートを特定するための情報を二次元コード132Fに含めてディスプレイ132に表示する。例えば、二次元コード132Fは、顧客が電子レシートにアクセスするためのURL(uniform resource locator )を含む。URLは、例えば、端末装置10が取引内容の情報をサーバ20へ送信し、サーバ20が当該情報を受信することに応答してサーバ20により発行される。顧客は、顧客の端末である端末装置30(後述する)を操作して二次元コード132Fにより示される情報(例えば、電子レシートにアクセスするためのURL)を取得する。
【0026】
印刷受付ボタン132Gは、二次元コードを印刷するための入力操作を受け付ける。トップページ移行ボタン132Hは、アプリケーションのトップページに移行させるための入力操作を受け付ける。
【0027】
このように、図1の例では、顧客が電子レシートにアクセスするためのURLを含む二次元コード132Fを、店舗側のスタッフが顧客に提示することで、店舗等の事業者が顧客に電子レシートを発行することができる。ここで、電子レシートにアクセスするためのURLは、十分な長さを有して複雑であることが望ましい。これにより、第三者が偶然に電子レシートにアクセスすることを困難にすることができる。
【0028】
図1の例の他に、店舗側のスタッフが電子レシートを発行するための操作を行うための画面例を説明する。
【0029】
図2は、店舗側のスタッフが端末装置10を操作して取引の領収内容を入力することで顧客に電子レシートを発行する、別の局面における画面例を示す。
【0030】
図2の状態(A)は、店舗側のスタッフが、電子レシートを発行するサービスを提供するサーバ20へブラウザ等によりアクセスする操作を行っている局面を示す。端末装置10からのアクセスを受けると、サーバ20は、電子レシートを発行するための画面の情報を生成して、端末装置10のディスプレイ132において、領収内容を入力する画面を表示させる。
【0031】
状態(A)に示すように、サーバ20は、端末装置10のディスプレイ132において、領収証のあて名を入力するためのボックス132Pと、領収する金額を入力するためのボックス132Qと、但し書きを入力するためのボックス132Rと、支払方法を入力するためのボックス132Sと、電子レシートを発行する入力操作を受け付けるための発行ボタン132Tとを表示している。支払方法、但し書きについてはプルダウンメニュー形式でユーザの選択を受け付けるように構成されている。
【0032】
端末装置10は、端末装置10のユーザ(店舗側のスタッフ)がこれらボックスに入力を行った状態で、発行ボタン132Tへの入力操作を、端末装置10のユーザの指3等により受け付けると、サーバ20に対し、ユーザがデータを入力した内容を送信する。サーバ20では、端末装置10から送信されるデータを、取引の領収内容を示す領収データとして受信する。
【0033】
サーバ20では、端末装置10から領収データを受信すると、データベースに登録し、領収データにアクセスするための情報(例えば、URL)と、領収データへのアクセス制限を解除するための情報(例えば、ワンタイムパスワード)を生成する。サーバ20は、領収データにアクセスするための情報と、領収データへのアクセス制限を解除するための情報を含む二次元コードを生成する。サーバ20は、端末装置10に対し、領収データにアクセスするための情報(例えば、URL)と、アクセス制限を解除するための情報とを含む二次元コードを送信して、端末装置10の画面を、状態(B)に遷移させる。
【0034】
このように、二次元コードに、領収データにアクセスするためのURLと、アクセス制限を解除するためのワンタイムパスワードとを含めることで、仮に第三者がランダムにURLを入力して領収データにアクセスすることそのものができたとしても、領収データへのアクセス制限を解除するための情報を入手しない限り、当該領収データを第三者が取得することが極めて困難になる。これにより、取引にかかわらない第三者が、電子レシートを不正に取得して不正に利用する事態の発生を、よりいっそう抑止することができる。
【0035】
図2の状態(B)は、領収内容の入力結果に応じて生成される電子レシート132Vと、二次元コード表示部132Yとをディスプレイ132に表示する局面を示す。端末装置10は、電子レシートに対応する領収データにアクセスするための情報と、領収データへのアクセス制限を解除するための情報とを含む二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))をサーバ20から受信して、ディスプレイ132に表示する。
【0036】
状態(B)に示すように、サーバ20は、端末装置10のディスプレイ132に、電子レシート132Vと、生成した二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))を含む二次元コード表示部132Yと、戻るボタン132Wと、二次元コード表示指示ボタン132Xとを表示させる。二次元コード表示部132Yは、二次元コードと、店舗側のスタッフに対して顧客に二次元コードを提示するよう促す説明文と、二次元コードの表示を終了させる操作を受け付ける「閉じる」ボタンと、二次元コードを印刷する操作を受け付ける「印刷」ボタンとを含む。
【0037】
店舗側のスタッフは、「印刷」ボタンを押すことで、紙に二次元コードを印字することができ、印字された二次元コードを顧客に提示すること、受け渡すこと等ができる。例えば、店舗に来店した顧客が、その時点では二次元コードを読み取れる端末を所有していない場合や、顧客の端末での二次元コードの読み取りが失敗した場合に、紙に二次元コードを印字することで、顧客に電子レシートを発行することができる。店舗側のスタッフが「閉じる」ボタンに対し入力操作を行うと、サーバ20は、端末装置10のディスプレイ132を、状態(C)に示す画面に遷移させる。
【0038】
図2の状態(C)は、電子レシート132Vの発行内容を店舗側のスタッフ等が確認できる画面の表示例を示す。状態(B)において、二次元コード表示部132Yを強調するように表示して、バックグラウンド的に電子レシート132Vを表示した状態で、二次元コードの表示を終了するための「閉じる」ボタンの操作を受け付けることで状態(C)に遷移させることで、店舗側のスタッフに対し、顧客に二次元コードを提示する段階で電子レシートが発行できていることを示唆することができる。また、店舗側のスタッフに対し、顧客に提示した領収内容を、二次元コードの提示に続けて改めて確認させることができる。
【0039】
図3は、本実施形態に示す電子領収書の発行および管理システムにかかる受領側の端末装置の動作の概略を示す図である。
【0040】
図3の状態(A)は、顧客が、店舗側の端末である端末装置10に表示される二次元コードを端末装置30により読み取る局面を示す図である。例えば、顧客は、端末装置30のカメラ機能により、端末装置10に表示される二次元コードを読み取る操作を行う。
【0041】
図3の状態(B)は、状態(A)において端末装置30が二次元コードを読み取った結果を表示する局面を示す図である。端末装置30は、ディスプレイ332において、二次元コードの読み取り結果を示す読み取り結果表示部332Aと、二次元コードの読み取り結果である電子レシートへのアクセスを受け付けるための読み取り結果表示部332Bとを表示する。例えば、状態(B)において、端末装置10が、読み取り結果表示部332Bへの入力操作を指3などのタップ操作により受け付けると、状態(C)に示すように、電子レシートにアクセスするための情報に基づき取得した電子レシートをディスプレイ332に表示する。
【0042】
図3の状態(C)は、端末装置30が二次元コードを読み取ることにより取得した電子レシートをディスプレイ332に表示する局面を示す図である。端末装置30は、取得した電子レシートを示す電子レシート332Cをディスプレイ332に表示する。端末装置30は、取得した電子レシートに対する入力操作を受け付けるため、メール送信受付部332Dと、クラウド保管指示部332Eとをディスプレイ332に表示する。メール送信受付部332Dは、端末装置30が取得した電子レシートを、他の通信装置へメールで送信するための入力操作を受け付ける。例えば、メール送信受付部332Dへの入力操作を受け付けると、端末装置30は、電子レシートを画像ファイルとして保存し、保存した画像ファイルをメールに添付する等し、メールの送信先の入力を受け付ける。
【0043】
クラウド保管指示部332Eは、端末装置30が取得した電子レシートを、電子レシートを保管するためのサービスへアップロードするための入力操作を受け付ける。例えば、状態(C)において、端末装置30が、クラウド保管指示部332Eへの入力操作を指3などのタップ操作により受け付けると、状態(D)に示すように、電子レシートを保管するためのアプリケーションを実行する。
【0044】
図3の状態(D)は、端末装置30が電子レシートをクラウドサービスにより保管するアプリケーションを実行し、端末装置30のユーザが保管している電子レシートをディスプレイ332に表示する局面を示す図である。端末装置30は、ユーザが保管している電子レシートをリストの形式で電子レシート一覧332Fに表示する。端末装置30は、電子レシート一覧332Fにおいて、ユーザが保管している電子レシートをリストとして表示するモードであることを示すマイレシートタブ332Gと、ユーザが経理部門などに経費精算等で申請している電子レシートを表示するモードであることを示す承認待ちレシートタブ332Hとを表示する。
【0045】
また、端末装置30は、電子レシートを受領する側である顧客の他の入力操作を受け付けるための操作開始ボタン332Kをディスプレイ332に表示する。
【0046】
このようにして、電子レシートを経費精算等に用いる顧客側のユーザは、端末装置30のカメラ機能で、店舗側の端末である端末装置10に表示される二次元コードを読み取ることにより、電子レシートにアクセスするための情報を取得することができる。従来、顧客が紙の領収書を受け取って、レシートで財布が一杯になっていた事態を回避しつつ、領収書を電子レシートとして容易に管理することができる。
【0047】
また、例えば、領収書の受領者が経費精算等のために電子レシートを経理部門に提出する局面等において、経理担当者は、電子レシートを受け取ることで、従来、経費精算とともに紙の領収書を保管するのに要していた物理的な場所が不要となる。
【0048】
図4は、電子レシートを受領する顧客が端末装置30を操作する局面の画面例を示す。
図4の状態(A)は、顧客が、店舗側のスタッフが提示する二次元コードを読み取るために、端末装置30のカメラの撮影機能を起動している状態を示す。状態(A)に示すように、端末装置30のディスプレイ332において、撮影画像表示部332Wに、カメラの撮影画像が表示されている。ユーザは、端末装置30を操作して、店舗側のスタッフが提示する二次元コードにカメラを向ける。
【0049】
図4の状態(B)は、端末装置30が、二次元コードの読み取り結果をディスプレイ332に表示する局面を示す。状態(B)に示すように、二次元コードは、領収データにアクセスするための情報(URL)と、アクセス制限を解除するための情報(パスワード)とを含む。端末装置30は、二次元コードの読み取り結果から、これらの情報を抽出して、ディスプレイ332に、URLを端末装置30のユーザに提示するためのURL表示部332X1と、パスワードを端末装置30のユーザに提示するためのパスワード表示部332X2とを表示する。端末装置30のユーザは、パスワード表示部332X2に表示されるパスワードの文字列をコピーする操作を行って、URL表示部332X1に表示されるURLにアクセスする操作を行う。
【0050】
図4の状態(C)は、領収データにアクセスするための情報に基づき、領収データにブラウザ等でアクセスした状態を示す。状態(C)に示すように、端末装置30は、ディスプレイ332に、アクセス画面332Y1を表示する。アクセス画面332Y1は、パスワード入力を受け付けるボックス332Y2と、パスワードをサーバ20に送信する送信ボタン332Y3とを表示する。端末装置30のユーザは、ボックス332Y2に、状態(B)の画面で表示されていたパスワードを入力して、送信ボタン332Y3を操作する。
【0051】
図4の状態(D)は、端末装置30のディスプレイ332に、電子レシートを表示させている局面を示す。状態(D)に示すように、端末装置30は、ディスプレイ332に、電子レシート332Y4と、電子レシートをサーバ20に保存する操作を受け付けるためのボタン332Y5と、電子レシートの受領を取り消す操作を受け付けるためのボタン332Y6と、を表示する。
【0052】
状態(D)に示すように端末装置30のディスプレイ332に表示されるため、電子レシートを受領する顧客にとっては、二次元コードに含まれるURLに、ワンタイムパスワードを使用してアクセスすることで取得した電子レシートの内容を電子レシート332Y4で確認してから、(i)ボタン332Y5を操作してサーバ20が提供する電子レシート管理サービスで顧客のユーザアカウントと対応付けて電子レシートを保管するか、(ii)ボタン332Y6を操作して電子レシートをユーザアカウントと対応付けしない(または、電子レシートを無視する)かを選択することができる。
【0053】
なお、状態(D)の例では、端末装置30のユーザに対し、電子レシートをサーバ20で保管するか否かを選択させることとし、端末装置30に電子レシートを保存させることができないこととしてもよい。これにより、これら端末装置30に保存された電子レシートが不正に複製される事態を抑止することができ、サーバ20が提供する電子レシート保管サービスの信頼性をいっそう向上させることができる。
【0054】
ここで、サーバ20が提供する電子レシート保管サービスにおいて、端末装置30のユーザにユーザアカウントが発行されており、ユーザがログインしている場合に、端末装置30のユーザは、当該サービスで提供される二次元コード読み取り機能を用いて二次元コードを読み取るとする。
【0055】
この場合、端末装置30は、当該アプリケーションを実行することにより、二次元コードに含まれるURLと、パスワードとを抽出して、URLへのアクセスと、アクセス制限を解除するためのパスワードの送信とを行う。したがって、端末装置30のユーザに対し、状態(B)と状態(C)とに示す画面に遷移することなく、状態(A)の画面から状態(D)の画面を提示することができる。端末装置30のユーザにとっては、電子レシート保管サービスの利用に伴って二次元コードを読み取ることで、パスワードのコピーなどの操作をせずとも電子レシートを取得することができ、ユーザの利便性が高まる。
【0056】
<1.2 本実施形態の全体の構成>
図5は、本実施形態で説明する、電子レシートを管理するための管理システム1の概略を示す図である。図5に示すように、管理システム1は、店舗等の事業者側の端末である端末装置10と、サーバ20と、顧客側の端末である端末装置30とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して通信接続する。端末装置30とサーバ20とは、ネットワーク80を介して通信接続する。
【0057】
端末装置10は、顧客の購買にかかる取引内容に基づいて、取引にかかる領収内容を示す領収データを発行する側のユーザが操作する装置である。端末装置10は、例えば据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などにより実現される。端末装置30は、顧客側となるユーザが操作する装置である。
【0058】
図3に端末装置30として示すように、端末装置30は、通信IF(Interface)32と、入出力IF33と、メモリ35と、ストレージ36と、カメラ37と、プロセッサ39とを備える。図5では図示していないが、端末装置10は、端末装置30と同等のハードウェア構成を有する。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0059】
端末装置10と端末装置30とは、LTEなどの通信規格に対応した無線基地局81、IEEE802.11などの無線LAN規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することによりネットワーク80に接続される。
【0060】
通信IF32は、端末装置30が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF33は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)とのインタフェースとして機能する。
【0061】
メモリ35は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ36は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。カメラ37は、撮影機能を有するデバイスであり、本実施形態ではカメラ37の撮影画像として二次元コードを取得する等の用途に用いられる。プロセッサ39は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0062】
サーバ20は、店舗側の端末装置10で生成される領収データを管理し、店舗側の端末装置10から、領収内容を示す領収データを受信してデータベースとして管理し、顧客側の端末装置30から、領収データのデータベースへのアクセスを受け付けて、電子レシートを応答する。
【0063】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0064】
ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0065】
<2.1 端末装置10の構成>
図6は、実施の形態1の管理システム1を構成する端末装置10のブロック図である。図6に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(タッチセンシティブデバイス131およびディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、記憶部180と、制御部190と、を含む。端末装置10は、図6では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリ、バッテリから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。図6に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0066】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0067】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0068】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部190へ与える。
【0069】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、タッチスクリーンとして構成され、タッチセンシティブデバイス131と、ディスプレイ132とを含む。タッチセンシティブデバイス131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。タッチセンシティブデバイス131は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチセンシティブデバイス131は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部190へ出力する。
【0070】
ディスプレイ132は、制御部190の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0071】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0072】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。このGPSモジュールが検出する位置は、例えば、端末装置10がセンサ装置50の検知結果に基づいて、予め定められた報知処理を行った時の端末装置10の位置情報をメモリに保存する際等に利用され得る。
【0073】
記憶部180は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部180は、取引履歴情報181と、店舗識別情報182と、商品データベース183と、販売促進情報184と、電子レシート管理アプリケーション185等を記憶する。
【0074】
取引履歴情報181は、店舗等において顧客との購買取引などを行った場合の、取引の履歴を示す。例えば、店舗等において、店舗のスタッフが、顧客が購入する物品と、その数量とを入力して支払合計金額を顧客に提示し、顧客から代金を受領したことを端末装置10に入力する際(顧客からの預かり金額を入力して確定する操作を行った場合など)に、端末装置10が取引履歴情報181を記録する。取引履歴情報181は、個々の取引を特定するための情報と、取引の内容(例えば、顧客が購入した物品を特定する情報と、顧客が物品を購入した数量の情報を含む)と、取引にかかる合計金額などの情報を含む。このように、端末装置10は、顧客との各取引の取引内容の入力を受け付けて、顧客から代金を領収した場合に、取引内容を示すデータを各取引についてサーバ20へ送信する。これにより、店舗での売り上げに係るデータをサーバ20で管理することができる。
【0075】
店舗識別情報182は、顧客との取引が行われる店舗それぞれを識別するための情報(店舗コードなど)である。
【0076】
商品データベース183は、商品のデータベースであり、各商品の識別情報、各商品の名称、各商品の販売単価の情報などを含む。例えば、店舗等において、顧客が商品を購入する際に、商品に付された識別コード(バーコードなど)を店舗のスタッフが読み取る。端末装置10は、商品の識別コードと、商品データベース183とを照合して、顧客が購入しようとする商品の名称、販売単価の情報などを読み込む。これらの情報は、例えば、端末装置10が紙の領収書を印刷する際に、紙の領収書に商品の名称、販売単価の情報を含める際などに利用される。
【0077】
販売促進情報184は、事業者等が、商品の販売促進をするための情報である。販売促進情報184は、例えば、新規に顧客へ売り出す商品の情報を含む広告、既に販売中の商品について顧客にお試しでの利用を促すためのプロモーションの情報などである。例えば、販売促進情報184は、メーカー等からの販売奨励金を原資として、商品を特定するための識別コードの情報と、顧客がその商品を購入した場合に顧客に付与する仮想通貨(店舗で発行する電子マネーのポイント還元など)の量などの情報を含む。店舗等では、端末装置10が紙の領収書を印刷する際等において、紙の領収書に、販売促進情報184の情報を印字することができる。
【0078】
電子レシート管理アプリケーション185は、店舗等が顧客に対して電子レシートを発行するためのアプリケーションである。端末装置10が電子レシート管理アプリケーション184を実行することにより、店舗等のスタッフから、電子レシートに含める各種情報(あて名、領収金額、発行者など)の入力を受け付けて領収データを生成する。サーバ20では、端末装置10から領収データを受信して、電子レシートを顧客に対し発行したタイミングを領収データに含めて記憶する。
【0079】
制御部190は、記憶部180に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、例えばアプリケーションプロセッサである。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部191と、送受信部192と、データ処理部193と、表示制御部194としての機能を発揮する。
【0080】
入力操作受付部191は、タッチセンシティブデバイス131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部191は、タッチセンシティブデバイス131に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0081】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0082】
データ処理部193は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。例えば、データ処理部193は、店舗等のスタッフによって入力される取引内容の情報に基づいて、取引履歴情報181を生成する。
【0083】
データ処理部193は、顧客側のユーザが領収データを電子的に受け取ることを可能にするため、領収データを特定するための情報をディスプレイ132に表示させるための画面を生成し、生成した画面をディスプレイ132に表示させる処理を行う。領収データを特定するための情報は、顧客側の端末である端末装置30で読み取り可能な情報であることとしてもよい。
【0084】
例えば、端末装置10は、領収データを特定するための情報として、サーバ20に保存される領収データに端末装置30がアクセスするための情報(例えば、URL)を取得し、取得した情報に基づき一次元または二次元コード(例えば、QRコード)の画像情報を生成し、生成した画像情報をディスプレイ132へ表示する。端末装置30は、カメラ機能により一次元または二次元コードを撮影してコードを読み取ることにより、領収データにアクセスするための情報を取得する。
【0085】
データ処理部193は、サーバ20と通信し、取引にかかる領収データを、顧客側の端末装置30が取得したか否かを示す情報を受け取ることとしてもよい。サーバ20は、電子的に保管している領収データについて、顧客側の端末装置30が、領収データを特定するための情報に基づきアクセスをした際に、顧客が領収データを取得したこと、取得したタイミングを保存する。
【0086】
例えば、サーバ20は、領収データが顧客側の端末装置30によりアクセスされた場合に、顧客が領収データを取得したことを、端末装置10にプッシュ通知することとしてもよい。これにより、店舗等の事業者側は、顧客側の端末装置30において領収データが取得されたか否かを把握することができ、電子レシートの利用状況、普及状況などを把握することができる。例えば、電子レシートの普及が進んでいるようであれば、各店舗における電子レシート発行の態勢を整えるよう動機づけたり、顧客に対し電子レシートの利用を促して、より高い価値を顧客に提供することなどができる。
【0087】
また、例えば、店舗等の事業者は、顧客に電子レシートを発行している(顧客に領収データにアクセスするための情報を提示している)にもかかわらず顧客が電子レシートを取得していないことを検知した場合に、顧客側の会社などにおける費用計上の月次の締め日が到来する前に、顧客に対し電子レシートの取得を促すよう通知をすることもできる。この場合、顧客は、費用計上に漏れがないよう通知を受けることができ、店舗等の事業者側にとっては、顧客との接点が増えてさらなる取引機会のきっかけも構築し得る。
【0088】
データ処理部193は、サーバ20に保存されているデータベースにアクセスすることで、過去の取引履歴、過去の領収の履歴などをディスプレイ132に表示させる処理を行う。データ処理部193は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付けて、領収データを検索する処理を行う。データ処理部193は、例えば、端末装置10のユーザから、領収データが発行された期間を指定して検索を受け付ける操作、金額の範囲を指定して検索を受け付ける操作、但し書きの内容を指定して検索を受け付ける操作その他の操作に基づいて検索を行い、検索結果をディスプレイ132に表示する。
【0089】
表示制御部194は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理を行う。
【0090】
<2.2 端末装置30の構成>
図7は、実施の形態1の管理システム1を構成する端末装置30のブロック図である。
【0091】
図7に示すように、端末装置30は、複数のアンテナ(アンテナ311、アンテナ312)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部321、第2無線通信部322)と、操作受付部330(タッチセンシティブデバイス331およびディスプレイ332を含む)と、音声処理部340と、マイク341と、スピーカ342と、位置情報センサ350と、カメラ360と、記憶部380と、制御部390と、を含む。端末装置30は、図7では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリ、バッテリから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。図7に示すように、端末装置30に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0092】
端末装置30は、図6に示す端末装置10が有する機能及び構成と同等の機能及び構成を含む。例えば、アンテナ311、312は、端末装置10のアンテナ111、112と同等である。その他、端末装置30の第1無線通信部321、第2無線通信部322、操作受付部330(タッチセンシティブデバイス331およびディスプレイ332)、音声処理部340、マイク341、スピーカ342、位置情報センサ350は、端末装置10の第1無線通信部121、第2無線通信部122、操作受付部130(タッチセンシティブデバイス131およびディスプレイ132)、音声処理部140、マイク141、スピーカ142、位置情報センサ150と同等の機能及び構成を有する。
【0093】
カメラ360は、受光素子等を含み、光学的に入力される情報を、逐次、電気的な情報に変換することで、撮影画像データを生成する。
【0094】
記憶部380は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置30が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部380は、領収データ特定情報381と、ユーザ識別情報382と、電子レシート383と、領収書撮影画像384とを記憶する。
【0095】
領収データ特定情報381は、サーバ20に記録される領収データに対し端末装置がアクセスするための、各取引を特定するための情報である。領収データ特定情報381は、例えば、サーバ20にアクセスするためのURLにより表現される。例えば、端末装置10が領収データをサーバ20に登録した際に、サーバ20が領収データにアクセスするためのURLを生成する。
【0096】
図3等に示されるように、端末装置30は、例えば、サーバ20に保存される領収データにアクセスするための二次元コードが端末装置10のディスプレイ132に表示される状態で、二次元コードを撮影した撮影画像をカメラ360により取得する。端末装置30は、撮影画像に含まれる二次元コードを解析することにより、二次元コードが示す情報(サーバ20において保持される領収データにアクセスするためのURLを含む)を取得して、領収データ特定情報381として記憶部380に記憶させる。
【0097】
ユーザ識別情報382は、端末装置30のユーザを識別するための情報である。例えば、ユーザ識別情報382は、サーバ20が顧客に対して提供する電子レシート管理サービスを、端末装置30のユーザが利用するためのアカウントの情報である。ユーザ識別情報382は、端末装置30のユーザを識別するための情報として、端末装置30の装置に固有の情報(例えば、端末装置30を構成する通信ユニットのMAC(Media Access Con trol)アドレス)を含むこととしてもよいし、端末装置30のOS(Operating System)が提供するアプリケーション配信サービスを利用するためのアカウントの情報を含むこととしてもよい。
【0098】
電子レシート383は、端末装置30が電子的に取得した領収書のデータである。例えば、端末装置30は、領収データにアクセスするための情報に基づきサーバ20にアクセスすることにより、テキスト形式、画像形式等の領収データを取得して、取得した領収データを電子レシート383として記憶部380に記憶させる。
【0099】
領収書撮影画像384は、端末装置30のカメラにより撮影された領収書の画像である。例えば、端末装置30のユーザが、端末装置30のカメラ機能により領収書を撮影することで領収書撮影画像384が端末装置30により生成される。端末装置30は、領収書撮影画像384をサーバ20へアップロードする機能を有する。なお、サーバ20は、紙の領収書を撮影した画像を管理対象とせず、図2等に示すように端末装置10に対して領収内容の入力を受け付けたものを管理対象とすることとしてもよい。
【0100】
制御部390は、記憶部380に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置30の動作を制御する。制御部390は、例えばアプリケーションプロセッサである。制御部390は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部391と、送受信部392と、データ処理部393と、表示制御部394としての機能を発揮する。
【0101】
入力操作受付部391は、タッチセンシティブデバイス331等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部391は、タッチセンシティブデバイス331に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0102】
送受信部392は、端末装置30が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0103】
データ処理部393は、端末装置30が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。例えば、データ処理部393は、店舗側の端末装置の画面に表示される二次元コードをカメラ360により撮影することで生成された撮影画像に基づいて、電子レシートにアクセスするための情報を取得する。データ処理部393は、電子レシートにアクセスするための情報に基づいてサーバ20へアクセスすることで、電子レシートを取得する。
表示制御部394は、表示画像をディスプレイ332に表示させる処理を行う。
【0104】
<2.3 端末装置10の機能的な構成>
ここで、端末装置10と、端末装置30と、サーバ20との機能的な構成を以下に説明する。
【0105】
図8は、端末装置10の機能的な構成を示す図である。図8に示すように、端末装置10は、通信部101Aと、記憶部102Aと、制御部103Aとしての機能を発揮する。
【0106】
通信部101Aは、端末装置10が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0107】
記憶部102Aは、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。
【0108】
制御部103Aは、端末装置10のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
【0109】
操作内容取得モジュール1041は、タッチセンシティブデバイス131に接触するユーザの指、スタイラスペンなどの接触位置を座標値として取得し、座標値の履歴(ユーザがタッチセンシティブデバイス131において指を動かした履歴)に基づいて、ユーザがタッチセンシティブデバイス131に指などを接触させるタッチ操作をしていること、ユーザがタッチセンシティブデバイス131のいずれの座標にタッチしているか、ユーザの操作がフリック操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか、タップ操作であるか、ロングタップ操作であるかなどのユーザの操作内容を判別する。
【0110】
受信制御モジュール1042は、端末装置10が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0111】
送信制御モジュール1043は、端末装置10が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0112】
タスク管理モジュール1044は、端末装置10が実行対象とする様々なタスクの実行状況を管理する。
【0113】
表示制御モジュール1045は、端末装置10がディスプレイ132に表示する内容を決定し、映像信号を生成してディスプレイ132に表示させる処理を制御する。
【0114】
領収データ生成モジュール1046は、端末装置10がタッチセンシティブデバイス131等により、領収データの各項目についての入力操作を端末装置10のユーザから受け付ける処理と、領収データを生成する処理とを制御する。
【0115】
図9は、端末装置30の機能的な構成を示す図である。図9に示すように、端末装置30は、無線通信部301Aと、記憶部302Aと、制御部303Aと、撮像部304Aとしての機能を発揮する。
【0116】
無線通信部301Aは、端末装置30が外部の装置と通信するための処理を行う。
記憶部302Aは、端末装置30が使用するデータ及びプログラムを記憶する。
【0117】
制御部303Aは、端末装置30のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。端末装置30の各機能は、端末装置10の各機能と同等の処理を行う。例えば、操作内容取得モジュール3041は、端末装置10の操作内容取得モジュール1041と同等の機能を発揮する。同様に受信制御モジュール3042、送信制御モジュール3043、タスク管理モジュール3044、表示制御モジュール3045は、端末装置10の受信制御モジュール1042、送信制御モジュール1043、タスク管理モジュール1044、表示制御モジュール1045と同等の機能を発揮する。
【0118】
コード読取モジュール3046は、一次元または二次元のコードを読み取って、コードに含まれる情報を取得する。
撮像部304Aは、端末装置30の撮影機能により撮影を行って、画像を生成する。
【0119】
<2.5 サーバ20の機能的な構成>
図10は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。図10に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0120】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0121】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、領収データベース281と、ユーザ情報データベース284と、領収書画像データベース285とを記憶する。
【0122】
領収データベース281は、店舗側のユーザの装置である端末装置10が発行した電子レシートのデータベースである。
【0123】
ユーザ情報データベース284は、端末装置10、端末装置30を操作する各ユーザの情報を保持するデータベースである。例えば、ユーザ情報データベース284は、サーバ20が顧客に提供する電子レシート管理サービスのユーザの情報を含む。
【0124】
領収書画像データベース285は、店舗の顧客側のユーザの装置である端末装置30がアップロードした領収書の画像のデータベースである。
【0125】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
【0126】
操作内容取得モジュール2041は、端末装置10のユーザの操作と、端末装置30のユーザの操作とを取得する。操作内容取得モジュール2041は、例えば、サーバ20が端末装置30に対し、領収データベース281に保持される電子レシートの情報を端末装置30のディスプレイ332に提示した状態で、端末装置30のユーザが電子レシートを閲覧し、ダウンロード等するための操作内容を取得する。操作内容取得モジュール2041は、例えば、端末装置10のディスプレイ132に、領収データを生成するための画面を表示させた状態で、端末装置10のユーザが領収書の各項目を入力した操作内容を取得する。
【0127】
受信制御モジュール2042は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0128】
送信制御モジュール2043は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0129】
タスク管理モジュール2044は、サーバ20が実行対象とする様々なタスクの実行状況を管理する。
【0130】
保管期限管理モジュール2045は、領収データベース281に保持される電子レシートの各種期限を管理する。保管期限管理モジュール2045は、例えば、端末装置10から領収データを受信した場合に、端末装置10が電子レシートを発行したタイミングを領収データに含めて記録し、電子レシートの発行のタイミングから一定の保管期間が過ぎるか否かを管理する。
【0131】
また、保管期限管理モジュール2045は、端末装置10から領収データを受信した場合に、端末装置10が電子レシートを発行したタイミングに基づいて、端末装置30が電子レシートを取得すべき期限を管理することとしてもよい。例えば、端末装置30のユーザが、領収データを経費精算等に使用する場合は、電子レシートが端末装置10により発行された当月以内に端末装置30のユーザが電子レシートを取得するよう、当月末が近づいた(例えば、当月末日の数日前)タイミングで、端末装置30のユーザに向けて通知を行う。また、保管期限は、領収書の受領者の属性に応じて定められることとしてもよい。例えば、受領者が、個人事業主であるか、法人であるかといった属性に応じて、あらかじめ定められた法定期限を少なくとも保管期限としてもよい。例えば、個人事業主であれば5年、法人であれば7年、欠損金計上企業であれば10年といったように、受領者の属性に応じて保管期限を定めることができる。
【0132】
レコメンド決定モジュール2046は、サーバ20が端末装置10に対し販売促進情報を送信する場合に、サーバ20に保持される各種販売促進情報の中から、端末装置10が設置される店舗での販売実績に応じた販売促進情報を抽出する。
【0133】
課金処理モジュール2047は、ユーザの端末から、購買のための操作を受け付けた場合に、ユーザに対し課金処理を行う。例えば、サーバ20が電子レシート管理サービスを顧客に提供する場合に、月額課金処理を受け付ける。
【0134】
<3.データ構造>
次に、管理システム1で使用する各種のデータの構造について説明する。
【0135】
図11は、サーバ20が管理する領収データベース281、および、サーバ20に対して端末装置10から送信される領収データのデータ構造を示す図である。
【0136】
図11の図示例(A)として示すように、サーバ20は、領収データベース281において、各事業者が顧客に対して発行した領収データを保持する。図示例(A)では、事業者識別情報「AAA」の事業者についての領収データベースの一部を示している。
【0137】
サーバ20は、領収データベース281において、各取引を識別する情報(図9の例では識別情報「AABBCC」等として示す)と対応付けて、店舗側の端末装置10で生成された領収データを保持する。領収データベース281のレコードは、各事業者について、(i)領収を行った各取引を識別する情報と、(ii)領収データを店舗側の端末装置10が発行したタイミングと、(iii)電子レシートの宛て名と、(iv)領収した金額と、(v)電子レシートに記載される但し書きと、(vi)支払方法の情報と、(vii)電子レシートを発行した発行者(店舗の担当者など)とを含む。
【0138】
サーバ20は、このように、電子レシートに含まれる項目として、(ii)~(vii)の各情報を管理している。図示例(A)に示すように、領収データは、(viii)領収データを受領したユーザの情報および受領したタイミングの情報と、(ix)購買内容など、取引にかかわる品目、数量、単価などの情報を含む。例えば、サーバ20は、端末装置10において、商取引を記録するためのアプリケーションが実行されている場合に、端末装置10から送信される情報に基づいて、取引識別情報と対応付けて、顧客の注文内容の情報を記録する。端末装置10は、各取引について領収データを生成する際に、取引識別情報と対応付けて、領収データを生成する。こうすることで、サーバ20は、領収データと、顧客の注文内容の情報とを関連付ける。
【0139】
図11の図示例(B)に領収データのデータ構造として示すように、サーバ20は、店舗側の端末装置10から領収データを受信する。店舗側の端末装置10は、領収データに、事業者を識別する情報と、各取引を識別する情報と、領収データを顧客側のユーザに発行したタイミングの情報と、宛て名の情報と、領収金額の情報と、但し書きの情報と、支払方法の情報と、発行者の情報等を含めてサーバ20へ送信する。
【0140】
<4.動作と画面例>
図12から図16を参照して、管理システム1を構成する各装置の動作を説明する。
【0141】
図12は、店舗側のユーザの端末装置10で領収データを発行し、顧客側のユーザの端末装置30がサーバ20を介して領収データを受領する処理を示すフローチャートである。
【0142】
ステップS1311にて、端末装置10の制御部190は、例えば店舗側のスタッフから、顧客から領収した領収内容の入力を受け付ける。
【0143】
ステップS1313にて、制御部190は、ステップS1311で入力を受け付けた領収内容を示す領収データを、サーバ20へ送信する。
【0144】
ステップS1321にて、サーバ20の制御部290は、端末装置10から領収データを受信すると、端末装置10が領収データを顧客に対して発行したタイミングを特定して、領収データベース281に保持する。端末装置10が領収データを発行したタイミングとは、端末装置10によって領収データに設定されてもよいし、サーバ20によって設定されてもよい。具体的には、領収データの発行タイミングは、端末装置10がステップS1311で領収内容の入力を受け付けたタイミングとしてもよいし、ステップS1313で端末装置10が領収データをサーバ20へ送信するタイミングとしてもよいし、サーバ20が領収データを端末装置10から受信したタイミングでもよい。これら領収データを発行したタイミングは、領収データの保存期限などにかかわるため、少なくとも日付の管理ができることが望ましい。
【0145】
ステップS1322にて、制御部290は、領収データベース281に保持される領収データにアクセスするための情報(例えば、URL)を生成し、アクセス制限を解除するためのワンタイムパスワードを生成する。
【0146】
ステップS1323にて、制御部290は、顧客側の端末装置30が、端末装置10がサーバ20に送信した領収データにアクセスするための情報を、領収データを特定する情報として、ステップS1322で生成したワンタイムパスワードとともに端末装置10へ送信する。例えば、サーバ20は、領収データにアクセスするためのURLを生成し、生成したURLとワンタイムパスワードとを端末装置10へ送信することとしてもよい。
【0147】
ステップS1315にて、端末装置10の制御部190は、サーバ20から、取引を特定する情報(URL)とワンタイムパスワードとを受信する。制御部190は、端末装置10のユーザから二次元コードを生成するための入力操作を受け付けて、サーバ20から受信したURLとワンタイムパスワードとを含む二次元コードを生成し、生成した二次元コードをディスプレイ132に表示する。
【0148】
一方、顧客側のユーザは、領収書の発行を希望する。店舗側のスタッフは、領収書を電子的に発行できることを顧客に説明する。顧客は、店舗のスタッフに対し、電子レシートの発行を要請し、電子レシートを取得するための操作を行うとする。
【0149】
ステップS1331にて、端末装置30の制御部390は、領収データにアクセスするための情報を読み取る手段を実行する。ここでは制御部390は二次元コードを読み取ることで、領収データにアクセスするための情報を読み取ることとし、具体的にはカメラ360を起動する。
【0150】
ステップS1333にて、制御部390は、端末装置30のユーザの操作により、店舗側のユーザの端末装置10のディスプレイ132に表示される二次元コードを撮影する。制御部390は、撮影結果に基づいて二次元コードを読み取ることにより、領収データにアクセスするための情報であるURLと、アクセス制限を解除するためのワンタイムパスワードとを取得する。
【0151】
ステップS1335にて、制御部390は、領収データを特定する情報として、ステップS1333で取得した情報(URL)に基づいてサーバ20へアクセスし、アクセス制限を解除するためのパスワードをサーバ20へ送信する。
【0152】
ステップS1325にて、サーバ20の制御部290は、端末装置30からのアクセスを受け付けて、アクセスのタイミングを特定する。端末装置30のユーザがサーバ20のサービスにログインしている状態で端末装置30からのアクセスをサーバ20が受け付けた場合、制御部290は、特定したタイミングを、顧客が領収データを取得したタイミングとして端末装置30のユーザアカウントと対応付けて領収データベース281を更新する。
【0153】
なお、端末装置30のユーザがサーバ20のサービスにログインしていない状態で端末装置30からのアクセスを受け付けると、サーバ20は、端末装置30が領収データにアクセスを行ったタイミングは記録することができる。一方で、サーバ20は、どのユーザが領収データにアクセスしたかは取得することができないため、領収データとユーザアカウントとの対応付けは行わない。このとき、サーバ20は、端末装置30のユーザに対し、サーバ20が提供するサービスへのユーザアカウントの登録を促すための画面を生成して、端末装置30のディスプレイ332に表示させてもよい。
【0154】
制御部290は、領収データを特定する情報により指定される領収データの情報を電子レシートとして端末装置30へ応答する。本実施形態では、制御部290は、店舗側で発行した電子レシートを顧客が取得したことを示す情報を、店舗側の端末装置10へ送信するが、サーバ20から端末装置10へ通知をすることの他に、端末装置10からサーバ20にアクセスがあった場合に、電子レシートを顧客が取得したことを端末装置10のディスプレイ132に表示する等で通知することとしてもよい。
【0155】
ステップS1337にて、端末装置30の制御部390は、サーバ20から電子レシートを受信して、受信した電子レシートをディスプレイ332に表示する。
ここで、端末装置10の制御部190は、顧客に対して発行した電子レシートが、顧客によって取得されたことを示す情報を、サーバ20からプッシュ通知等で受信したとする。
【0156】
ステップS1317において、制御部190は、顧客に対して発行した電子レシートが、顧客によって取得されたことを示す情報を、ディスプレイ132に表示する。このとき、制御部190は、ディスプレイ132に二次元コードを表示することにより、顧客に対して二次元コードを提示してから一定期間内にサーバ20から電子レシートが顧客によって取得されたことの通知を受信した場合に、顧客に対し報酬を付与することとしてもよい。ここで、顧客に対して報酬を付与するとは、商品を割り引いて購入可能な割引クーポンを提供すること、電子マネーなどの仮想通貨を付与すること、イベントに参加可能な権利または抽選権を付与することなど様々なものを含み得る。例えば、店舗側のスタッフが顧客に対し端末装置10のディスプレイ132に表示される二次元コードを提示してから一定時間内に顧客側が電子レシートを取得した場合に、その場で、顧客に対し報酬を付与したとする。このようにすると、顧客側に対し、よりいっそう電子レシートの管理サービスの利用を開始し、利用を継続しようと動機づけることができ、サービスの普及をいっそう促すことができる。
【0157】
<4.1 店舗側のユーザの端末での画面例>
図13は、店舗側のユーザの端末装置10において、顧客に対して発行した領収データを管理する画面の表示例を示す図である。
【0158】
表示例(A)は、端末装置10のディスプレイ132において、端末装置10が発行した領収データと、領収データの検索条件の設定を受け付けるアイコンとを表示する例を示す。表示例(A)に示すように、端末装置10のユーザは、ディスプレイ132に表示される領収データのいずれかを指定する操作を行うことができる。例えば、端末装置10のユーザは、ユーザの指3により、領収データにタップする。
【0159】
表示例(B)は、端末装置10のユーザが領収データの詳細を閲覧するための入力操作を行った場合の画面の表示例を示す。表示例(B)に示すように、制御部190は、ディスプレイ132に、端末装置10のユーザが選択した領収データにかかる電子レシート132Vを表示する。電子レシート132Vは、領収データの発行先、領収した金額、但し書き、宛て名、電子レシートの発行者等を含む。制御部190は、ディスプレイ132に、領収データを検索するための検索画面である表示例(A)に戻るためのボタン132Wを表示する。
【0160】
<4.2 顧客側のユーザの端末での画面例>
図14は、領収データを受領する側のユーザの端末装置30における画面の表示例を示す図である。
【0161】
表示例(A)は、端末装置30のユーザが、サーバ20から取得した領収データを管理する画面を操作する局面を示す。表示例(A)では、端末装置30のユーザは、サーバ20が提供する電子レシート管理サービスを利用しており、ユーザがログイン中であることを端末装置30のユーザが認識できる態様で画面が表示される。表示例(A)では、ユーザがログイン中であることを、表示項目「受領者向け:ログイン中」としてディスプレイ332に表示させる例を示しているが、これに限らず、画面の背景色をログイン中かログイン中でないかでユーザが識別可能に表示してもよいし、ユーザアカウントに対応するアイコンをディスプレイ332に表示する等してもよい。
【0162】
表示例(A)に示すように、制御部390は、ディスプレイ332において、電子レシートの管理画面332Fを表示する。制御部390は、ディスプレイ332に、ユーザが表示対象とする電子レシートの種別を切り替えるためのタブを表示する。例えば、制御部390は、ディスプレイ332に、端末装置30が取得した電子レシートを表示するためのタブであるマイレシートタブ332Gを表示する。この他に、制御部390は、ディスプレイ332に、端末装置30のユーザが電子レシートを経理部門等に提出し、当該部門等から経費精算の承認待ちをしている電子レシートを表示するためのタブである承認待ちレシート表示タブ332Hを表示する。表示例(A)では、マイレシートタブ332Gがユーザによって選択されている状態を示しており、管理画面332Fにおいて、電子レシートがリスト状に表示されている。制御部390は、電子レシートの登録を受け付ける等の入力操作をするためのボタン332Kをディスプレイ332に表示する。
【0163】
表示例(A)において、端末装置30のユーザが、管理画面332Fにリストとして表示される電子レシートのいずれかを、ユーザの指3でタップする等により選択したとする。これにより制御部390は表示例(A)から表示例(B)に画面を遷移させる。
【0164】
表示例(B)は、電子レシートの詳細な情報をディスプレイ332に表示させている局面を示す。表示例(B)に示すように、制御部390は、端末装置30のユーザが選択した電子レシートの詳細を表示するための詳細表示部332Cにおいて、電子レシートを表示する。
【0165】
表示例(A)において、端末装置30のユーザが、店舗側のユーザに対し、電子レシートを取得したい旨を申し出て、店舗側の端末装置10のディスプレイ132に表示される二次元コードを読み取るため、ボタン332Kをタップしたとする。これにより制御部390は表示例(A)から表示例(C)に画面を遷移させる。
【0166】
端末装置30のユーザは、電子レシートを、サーバ20に登録するために、(i)店舗側のスタッフに電子レシートを取得したい旨を申し出て、店舗側の端末装置10のディスプレイ132に表示される二次元コードを読み取って電子レシートにアクセスするための情報を取得する。
【0167】
この他に、(ii)端末装置30のユーザは、様々な形式で取得した電子的な領収書のファイルを、サーバ20にアップロートすることでサーバ20に登録する。例えば、端末装置30のユーザは、紙で印字された領収書を端末装置30のカメラで撮影し、撮影画像をサーバ20へ登録することで、領収書を電子的に保管することができることとしてもよい。例えば、端末装置30のユーザが経費精算のため経理部門にレシートを提出することが必要となる際に、サーバ20に、レシートの撮影画像が登録されていると、この撮影画像を経理部門に提示することで経費精算を行いうる。この他にも、端末装置30のユーザは、EC(Electric Commerce)サイト等で物品を購入することにより、領収書のファイルを取得した場合に、取得したファイルをサーバ20へアップロードすることで、領収書を電子的に保管することができる。サーバ20は、これら電子的な領収書のファイルの登録を受け付けてタイムスタンプを付加することにより、領収書のファイルを一定期間保管するサービスを端末装置30のユーザに提供することができる。
【0168】
端末装置30のユーザは、電子レシートをサーバ20から取得するために、(iii)店舗側がサーバ20のサービスに対応して過去に発行した領収データを、端末装置30のユーザが管理する電子レシートとして追加することもできる。
【0169】
例えば、店舗側の端末装置10において、ステップS1311で領収内容の入力を受け付けて、ステップS1313で領収データをサーバ20へ送信してサーバ20に領収データを登録することに応答して、サーバ20から、領収データにアクセスするための情報(URLなど)を受信した場合に、領収データにアクセスするための情報を含む二次元コードを生成する。端末装置10は、電子レシートを顧客に提供するため、二次元コードを印字する。
【0170】
これにより、店舗側にとっては、顧客側のユーザが、サーバ20が提供する電子レシートの保管サービスを利用しているか否かにかかわらず、電子レシートを発行したものとすることができ、領収データのクラウドでの管理を行うことができる。また二次元コードを印字した紙を店舗側から顧客側のユーザに発行しているため、顧客側のユーザが、電子レシートの保管サービスを利用しようとした段階で、既に店舗側が発行した電子レシートを顧客側のユーザに利用可能とすることができる。
【0171】
表示例(C)は、端末装置30のユーザから、サーバ20においてユーザが管理している電子レシートをユーザが追加するための入力操作を受け付けるための画面をディスプレイ332に表示させている局面を示す。
【0172】
表示例(C)に示すように、(i)制御部390は、ディスプレイ332に、サーバ20で管理する電子レシートを追加するための操作として、店舗側の端末装置10のディスプレイ132に表示される二次元コードを読み取るためのカメラを起動させるボタン332Lを表示させる。(ii)制御部390は、ディスプレイ332に、サーバ20に電子的な領収書のファイルをアップロードする操作を受け付けるためのボタン332Mを表示させる。(iii)制御部390は、過去にサーバ20が提供する電子レシート管理サービスに対応して発行された二次元コードにより、サーバ20でユーザが管理する電子レシートを追加するためのボタン332Nを表示させる。
【0173】
表示例(C)において、端末装置30のユーザが、店舗側の端末装置10のディスプレイ132に表示される二次元コードを読み取るため、ユーザの指3によりボタン332Lにタップ操作等をしたとする。これにより、制御部390は、カメラ360を起動して、ディスプレイ332に、二次元コードを読み取るための画面を表示させる。図14の例において、制御部390は、表示例(C)から表示例(D)に画面を遷移させる。
【0174】
表示例(D)は、端末装置30が、店舗側の端末装置10のディスプレイ132に表示される二次元コードを撮影するためにカメラ360を起動している局面を示す。表示例(D)は、図3の状態(A)と、図12のステップS1331の処理とに対応している。端末装置30は、図3の状態(A)に示すディスプレイ332に、表示例(D)に示す画面を表示する。端末装置30は、図12のステップS1333の処理を行うことにより、二次元コードを読み取り、二次元コードに含まれるURLにアクセスするための入力操作をユーザから受け付ける。この処理は図3の状態(B)に対応する。図3の状態(C)の例で説明したように、端末装置30のユーザが、二次元コードに含まれるURLに基づいてサーバ20へアクセスすることで電子レシートを取得すると、サーバ20において、端末装置30のユーザが管理する対象として電子レシートを一定期間保管することとしてもよい。
【0175】
図15は、領収データを受領する側のユーザの端末装置30における画面の表示例を示す図である。
【0176】
図15の表示例(A)は、端末装置30のユーザの入力操作に応じて、サーバ20においてユーザが管理する電子レシートを追加したことを端末装置30のユーザに通知する局面を示す。表示例(A)に示すように、端末装置30の制御部390は、ディスプレイ332において、電子レシート332Cを表示する。制御部390は、サーバ20において電子レシートを一定期間保管している旨をディスプレイ332に表示する。
【0177】
表示例(A)では、端末装置30のユーザが、店舗側の端末装置10のディスプレイ132に二次元コードが提示されてから一定時間内に二次元コードを読み込んで電子レシートにアクセスしたことに応答して、顧客側のユーザに対し報酬が付与されていることを表示してもよい。このように、店舗側の端末装置10において電子レシートを発行したタイミングがサーバ20に記録されているため、電子レシートを発行してから一定時間内に(例えば、数分以内に)顧客側の端末装置30により電子レシートが取得されたことを端末装置10等において判別し得る。このことに応答して、店舗等が、顧客側のユーザに対し、クーポンを配布する等の報酬を付与し、これら報酬が付与されたことを、顧客側の端末装置30のディスプレイ332等により顧客に通知すると、顧客側のユーザに対し、購買活動を促すとともに、サーバ20が提供する電子レシート管理サービスの利用をいっそう促すことができる。
【0178】
表示例(B)は、ユーザがサーバ20で管理する電子レシートを追加する局面を示す。表示例(B)に示すように、端末装置30のユーザが、ボタン332Mに対しユーザの指3でタップ操作を行うこと等により、制御部390は、表示例(B)から表示例(C)へ画面を遷移させる。
【0179】
表示例(C)は、端末装置30が、ユーザから、サーバ20へアップロードを希望する電子的な領収書のファイルの選択を受け付けること、および、サーバ20へのアップロードを開始すること等の入力操作を受け付ける局面を示す。アップロードの対象となるファイルは、例えば、ユーザがECサイトでの取引等により取引先から電子的な手段で受信した領収書ファイル、ユーザが紙で受領したレシートを撮影した撮影画像ファイルなどである。表示例(C)に示すように、端末装置30は、ユーザがアップロードを希望するファイルを特定する情報をディスプレイ332に表示する。
【0180】
端末装置30は、ユーザが選択したファイルのアップロードを開始するためのボタン332Pをディスプレイ332に表示する。端末装置30は、ボタン332Pに対する入力操作をユーザから受け付けると、表示例(C)から表示例(D)へと画面を遷移させる。
【0181】
表示例(D)は、サーバ20が、電子的な領収書のファイルのアップロードを端末装置30から受け付けたことをユーザに通知する局面を示す。
【0182】
端末装置30は、アップロードを行ったファイルについて、宛て名、領収金額、但し書き、領収の日付、発行者など領収書に含まれる情報の入力をユーザから受け付けるための入力ボックス332Qをディスプレイ332に表示させる。例えば、端末装置30のユーザが、紙で印字されたレシートを撮影した撮影画像をサーバ20にアップロードした際に、レシートに印字されている日付、取引にかかる金額、但し書き、レシートの発行元の情報などを332Qにおいて入力する。これら領収書に含まれる情報は、このようにユーザが入力することとしてもよいし、端末装置30またはサーバ20において、領収書の電子的なデータに基づき判別することとしてもよい。
【0183】
例えば、サーバ20は、端末装置30から、レシートを撮影した画像のアップロードを受け付けた場合に、画像に含まれる文字を画像認識等により特定することで、日付、金額など領収書に含まれる情報を判別し得る。
【0184】
例えば、アップロードされたファイルが、ユーザがECサイトでの取引等により取引先から電子的な手段で受信した領収書ファイルであれば、領収書ファイルに含まれるテキストデータを抽出することで、領収書が発行された日付、金額等を特定し得る。また、アップロードされたファイルが、ユーザが紙で受領したレシートを撮影した撮影画像ファイルであれば、撮影画像を画像認識することで、領収書が発行された日付などを特定し得る。
【0185】
端末装置30は、領収書に含まれる情報について、入力ボックス332Qによりユーザから受け付けた入力内容をサーバ20へ送信するための操作を受け付ける登録ボタン332Rをディスプレイ332に表示させる。端末装置30のユーザは、入力ボックス332Qに示される入力内容を確認して、登録ボタン332Rを操作することで、サーバ20において電子レシートを保管することができる。
【0186】
このように、表示例(C)でアップロードしたファイルをサーバ20で保管する場合に、表示例(D)に入力ボックス332Q、登録ボタン332Rとして示すように、領収書に含まれる情報の入力をユーザから受け付けることを必須であることとしてもよい。これにより、端末装置30のユーザは、領収書に含まれる情報を端末装置30のユーザ自身が十分に確認したうえで、サーバ20においてタイムスタンプを付与して電子レシートを管理することができる。
【0187】
表示例(D)に示すように、サーバ20は、端末装置30から、領収書の電子的なデータを受信すると、ユーザが入力した領収書発行のタイミング、または、アップロードがなされたタイミングなどに基づきタイムスタンプを付与してデータベースを更新する。サーバ20は、端末装置30からファイルがアップロードされたことに応答して、端末装置30に対し、アップロードが成功したことを通知する。端末装置30は、サーバ20へのファイルのアップロードが完了したことを示す通知をサーバ20から受信すると、ディスプレイ332に、領収書の電子的なファイルにタイムスタンプが付与されて、一定期間サーバ20において保管されることを表示する。
【0188】
なお、サーバ20は、領収書の電子的なデータのアップロードを受け付けた場合に、当該データの内容を解析して、日付、金額などの情報を抽出し得る。サーバ20は、このようにして領収書ファイルから特定した日付等の情報と、端末装置30においてユーザが入力ボックス332Qに入力した内容とが一致する度合いを判定してもよい。例えば、日付、金額などの各項目について、サーバ20が領収書ファイルから特定した情報と、ユーザが入力した内容とが一致するか否かを判定し得る。
【0189】
ここで、サーバ20は、一致の程度に応じて、端末装置30のユーザがアップロードしたファイルを保管するか否かを判断してもよい。例えば、一致の程度が比較的低い場合、サーバ20は、端末装置30に対し、ユーザが入力ボックス332Qに入力した内容を再確認させる表示を行わせることとしてもよい。これにより、入力ボックス332Qにおいて領収書の内容を端末装置30のユーザが誤って入力した場合に、当該ユーザに注意喚起することができ、利便性が高まるとともにサーバ20が提供するサービスの信頼性をいっそう向上させることができる。
【0190】
図16は、領収データを受領する側のユーザの端末装置30における画面の表示例を示す図である。
【0191】
表示例(A)は、端末装置30のユーザが、電子レシートを管理するサービスにより過去の時点で発行された二次元コードを読み込むことで、ユーザが管理する電子レシートを追加する操作を行う局面を示す。例えば、(i)店舗側が、サーバ20が提供する電子レシート管理サービスに対応しており、領収データにアクセスするための二次元コードを紙等に印字している場合があり得る。この他に、(ii)サーバ20が提供するサービスとは別の領収書データ管理サービスをユーザが利用していた場合に、当該別のサービスに蓄積される領収書のデータを、サーバ20が提供するサービスにアップロードする場合があり得る。
【0192】
まず、サーバ20が提供する電子レシート管理サービスに対応して発行された電子レシートを、ユーザが管理する電子レシートとして追加するための入力操作をユーザから受け付ける局面について説明する。表示例(A)に示すように、端末装置30のユーザが、ボタン332Nに対しユーザの指3でタップ操作を行うこと等により、制御部390は、表示例(A)から表示例(B)へ画面を遷移させる。
【0193】
表示例(B)は、端末装置30が、過去にサーバ20が提供する電子レシート管理サービスに対応して発行された電子レシートを端末装置30のユーザと対応づけるために、カメラ360を起動して二次元コードを読み取り可能な状態となっている局面を示す。例えば、店舗側が、領収データにアクセスするためのURLと、アクセス制限を解除するためのパスワードとを含む二次元コードを紙に印字しておく。この二次元コードにより示される領収データには、既にサーバ20によりタイムスタンプが付与されている。端末装置30のユーザは、過去に店舗等から紙等で取得した二次元コードをカメラ360で読み取ることで、電子レシートをユーザの管理対象として追加することができる。
【0194】
<変形例1>
図15の例では、サーバ20へのアップロードの対象となるファイルは、例えば、ユーザがECサイトでの取引等により取引先から電子的な手段で受信した領収書ファイル、ユーザが紙で受領したレシートを撮影した撮影画像ファイルなどであるとして説明した。この他に、サーバ20へアップロード可能なファイルとして、サーバ20以外の他のクラウドサービスで管理されている電子レシートのデータを端末装置30で取り込んでサーバ20にアップロードし得る。例えば、紙で印字された領収書の撮影画像を保管するクラウドサービスがある場合に、端末装置30が撮影画像を取り込んで、サーバ20にアップロードすることとしてもよい。
【0195】
図16の表示例(C)は、端末装置30が、過去にサーバ20以外の他のクラウドサービスにより発行された領収書のデータを読み込んで、サーバ20が提供する電子レシート管理サービスにアップロードするための入力操作をユーザから受け付ける局面を示す。制御部390は、ボタン332Pへの入力操作を受け付けると、図15で説明したように、アップロードを行ったファイルについて、宛て名、領収金額、但し書き、領収の日付、発行者など領収書に含まれる情報の入力をユーザから受け付ける。制御部390は、表示例(C)から表示例(D)へ画面を遷移させる。
【0196】
このようにして、端末装置30のユーザは、領収書の電子的なデータ、サーバ20以外の他のクラウドサービスで管理されている電子レシートのデータなどをサーバ20へアップロードすることができる。端末装置30のユーザは、アップロードを行ったファイルについて、宛て名などの領収書に含まれる情報を確認したうえで、これらデータにタイムスタンプを付与することができ、一定期間、サーバ20で保管するサービスを享受することができる。
【0197】
表示例(D)は、領収書に含まれる情報の入力をユーザから受け付けて、サーバ20への領収書のデータのアップロードが完了し、一定期間、領収書のデータをサーバ20が保管することをディスプレイ332に表示することでユーザに通知することとしてもよい。
【0198】
<変形例2>
サーバ20が提供する電子レシート管理サービスにおいて、電子レシートの発行のタイミングに応じて一定期間保存することとしているが、保存期限が尽きる電子レシートがある場合に、サーバ20から端末装置30へ通知を行うこととしてもよい。表示例(D)において、サーバ20は、領収データベース281に記録される電子レシートの発行タイミングの情報に基づき、一定期間内に保存期限が満了する電子レシートがあることと、当該電子レシートを特定する情報とを、端末装置30のディスプレイ332の通知領域332T、または通知を知らせるアイコン等によりに表示させることとしてもよい。これにより、端末装置30のユーザは、電子レシートの保存期限が満了することを認識することができ、電子レシートのこれ以上の期間の保管が不要であるか否かを判断することができる。
【0199】
<変形例3>
図4の例では、電子レシートにアクセスするためのURLにアクセス制限を施すために、サーバ20がワンタイムパスワードを生成することと、URLとパスワードとを含む二次元コードを端末装置10に表示させる例について説明した。また、端末装置30が二次元コードを読み取ると、URLとパスワードとを表示する例を図4等で説明した。この例では、端末装置30のユーザが、二次元コードに含まれるパスワードをコピーアンドペーストしつつ、URLにアクセスしてパスワードを入力することで電子レシートを取得することができる。
【0200】
電子レシート取得可能回数の制限: この他にも、電子レシートへのアクセス制限を施すため、サーバ20が、電子レシートへアクセスするためのURLの指定を受け付けた場合に、当該URLへアクセスして電子レシートを端末装置30で取得できる回数を制限してもよい。例えば、サーバ20が当該URLの指定を受け付けた場合に、電子レシートの情報を応答する回数を1回に限定してもよい。これにより、電子レシートへアクセスするためのURLが発行されたとしてもアクセスできる回数が制限されることとなり、顧客とは無関係な第三者が偶然に電子レシートを取得できるおそれを小さくすることができる。サーバ20は、図11に示すように、領収データベース281において、電子レシートを受領したユーザの情報および受領したタイミングの情報を管理しているため、電子レシートが取得された回数が閾値を超えている電子レシートがある場合は、当該電子レシートへアクセスするためのURLの指定を端末装置30等から受け付けたとしても、電子レシートの情報を応答しないよう制御する。
【0201】
電子レシート取得可能な期間の制限: また、サーバ20が、当該URLへアクセス可能な期間を限定してもよい。例えば、サーバ20が電子レシートへアクセスするためのURLを発行してから2週間程度の期間に限り、当該URLへアクセスして端末装置30のユーザが電子レシートを取得できることとしてもよい。このように、URLへアクセス可能な期間を限定することにより、顧客が電子レシートを取得するよう促すことができるとともに、顧客とは無関係な第三者が偶然に電子レシートを取得できるおそれを小さくすることができる。サーバ20は、図11に示すように、領収データベース281において、電子レシートを発行したタイミングの情報を管理しているため、電子レシートが発行されてから一定期間が経過した電子レシートがある場合は、当該電子レシートへアクセスするためのURLの指定を端末装置30等から受け付けたとしても、電子レシートの情報を応答しないよう制御する。
【0202】
また、端末装置30で二次元コードを読み取った場合に、パスワードの指定を含むURLを端末装置30のディスプレイ332に表示させることとしてもよい。例えば、サーバ20が、パスワードの指定を含むURLを生成して、端末装置10に、当該URLを含む二次元コードを表示させることとしてもよい。
【0203】
図17は、電子レシートを受領する顧客が端末装置30を操作する局面の、別の画面例を示す。図17の状態(A)は、図4の状態(A)と同様に、顧客が、店舗側のスタッフが提示する二次元コードを読み取るために、端末装置30のカメラの撮影機能を起動している状態を示す。
【0204】
図17の状態(B)は、端末装置30が、二次元コードの読み取り結果をディスプレイ332に表示する局面を示す。状態(B)に示すように、端末装置30が二次元コードを読み取ることで、パスワードが指定された状態で、領収データにアクセスするための情報(URL)が表示される。端末装置30は、端末装置30のユーザが当該URLへアクセスするための操作(ディスプレイ332に表示されるURLをタップする等)を受け付けることにより、当該URLへアクセスする。状態(B)の例では、URLにアクセスして電子レシートを取得することが可能な有効期限を設定することでアクセス制限を実施する例を示している。例えば、サーバ20が、URLと、URLにアクセスすることで電子レシートを取得することができる有効期限の情報とを含む二次元コードを端末装置10に表示させることとしてもよい。端末装置30は、二次元コードを読み込むことで、URLと、URLにアクセスして電子レシートを取得することができる有効期限とを表示する。図17の状態(C)は、端末装置30のディスプレイ332に、電子レシートを表示させている局面を示す。この例では、端末装置30のユーザは、パスワードを入力するための操作を行うことなく、URLに示される電子レシートを取得することができる。
【0205】
<その他の変形例>
上述の各実施形態の説明では、端末装置10と、端末装置30と、サーバ20とが互いに通信することで処理を実行する例について説明したが、これら各装置の処理は、上記の実施例に限らず、端末装置10、端末装置30、サーバ20のいずれかで実行することとしてもよい。
【0206】
以上、本開示の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではない。本実施形態は一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0207】
<付記事項>
以上の実施の形態で説明した事項を以下に付記する。
【0208】
(付記1)
実施形態の一態様に示すプログラムは、プロセッサ(29)と、メモリ(25)と、ストレージ(26)とを備え、取引の領収内容の情報を含む領収データを管理するためのコンピュータ(20)によって実行される。コンピュータは、ストレージにおいて、各取引について領収データ(281)を記憶している。プログラムは、プロセッサに、外部の通信装置とデータを送受信する第1のステップ(2042、2043)と、取引において領収データを顧客ユーザに対して発行する第1の通信装置(10)から、発行される領収データを受信した場合に、当該領収データの発行がなされたタイミングを示す情報を含む領収データをストレージに記憶させる第2のステップ(ステップS1321)と、顧客ユーザが使用する第2の通信装置(30)から、各取引にかかる領収データを特定するための第1の情報(381)を受け付けたこと(ステップS1335)に応答して、当該第1の情報により特定される領収データをストレージから読みだして、読みだした領収データを第2の通信装置のディスプレイ(332)に表示させる第3のステップとを実行させる(ステップS1325、ステップS1337)。これにより、顧客側のユーザは、電子レシートをクラウドサービス等により電子的に容易に管理することができ、紙の領収書を管理するわずらわしさを低減させることができる。
【0209】
(付記2)
(付記1)のプログラムであって、第1のステップにおいて、コンピュータ(20)が第2の通信装置(30)から受信するデータは、顧客ユーザを識別するための第2の情報(382)を含む。第2のステップは、コンピュータが第2の通信装置から顧客ユーザを識別するための第2の情報と、各取引にかかる領収データを特定するための第1の情報(381)とを受信した場合に、第1の情報により特定される領収データと、第2の情報に示される顧客ユーザの識別情報とを対応付けてストレージに記憶させる(281)ことを含む。これにより、電子レシートのクラウドでの管理サービスを提供するサーバに顧客側のユーザがアクセスした場合に、ユーザ自身が過去に受領した領収書のデータを、ユーザの識別情報に基づき特定することができ、領収書のデータの検索をすること等が容易になる。また、店舗側等の領収書の発行主体にとっては、過去に発行してサーバ20に登録している領収データの発行先がいずれのユーザであるかを特定し得る。これにより、店舗側では領収書の発行の際にユーザの情報の登録等のオペレーションを行わずとも、顧客の購買行動を把握し得る。
【0210】
(付記3)
(付記2)のプログラムであって、プログラムは、プロセッサ(29)に、さらに、顧客ユーザが使用する第2の通信装置(30)から、顧客ユーザの登録を受け付けて(284)、受け付けた顧客ユーザに対して、顧客ユーザを識別するための第2の情報(382)を生成する第4のステップを実行する。これにより、電子レシートの管理サービスを提供するサーバ側でユーザの識別情報を管理することが容易となり、顧客側のユーザのサービス利用動向を、サービス提供側が把握することが容易となる。例えば、特定の顧客が電子レシートの管理サービスの利用状況が減少傾向にある場合に、当該ユーザに対し、スマートフォンのプッシュ通知等により情報発信することで再ログインを促し得る。
【0211】
(付記4)
(付記1)から(付記3)のいずれかに記載のプログラムであって、第3のステップは、ストレージから読みだした領収データに、第2の通信装置(30)の顧客ユーザがアクセスしたことを示す情報を、当該領収データに対応付けてストレージに記憶させる(281、ステップS1325)。これにより、顧客側のユーザが電子レシートを受領したことが店舗側で把握することができ、電子レシートの管理サービスの普及状況を把握すること等ができる。
【0212】
(付記5)
(付記1)から(付記4)のいずれかに記載のプログラムであって、第1の通信装置(10)は、各取引の領収内容の入力を受け付けて(ステップS1311)、当該領収内容を示す領収データを各取引についてコンピュータ(20)へ送信し、領収データを特定するための情報であって第2の通信装置(30)で読み取り可能な第3の情報(132F、132Y)を第1の通信装置のモニタ(132)に表示するように構成されている。第2の通信装置は、第1の通信装置のモニタに表示される第3の情報を読み取り可能に構成されている(360)。第3のステップは、第2の通信装置が第3の情報を読み取った読み取り結果を、各取引にかかる領収データを特定するための第1の情報(381)として受け付ける。これにより、店舗側の端末のディスプレイの表示内容に基づいて、顧客側のユーザが電子レシートにアクセスすることができるため、紙の領収書を印字せずとも電子レシートを顧客に提供する可能性が高まる。例えば、店舗側においては、紙の領収書を作成するオペレーションを省き得る。
【0213】
(付記6)
(付記5)に記載のプログラムであって、第1の通信装置(10)のモニタ(132)に表示される第3の情報(132F、132Y)は、一次元または二次元コードの画像情報である。第2の通信装置(30)は、撮影機能を備え(360)、撮影機能により一次元または二次元コードを撮影した撮影結果に基づいて、コードに含まれる情報を読み取るように構成されている(3046)。第2の通信装置は、第1の通信装置のモニタに表示される一次元または二次元コード(132F、132Y)を撮影した撮影結果に基づいて第3の情報を読み取ることを含む。これにより、顧客側のユーザは、コードを撮影するというユーザ自身が習熟している操作に基づいて、電子レシートにアクセスするための情報を取得できるため、顧客側のユーザがサービス利用を開始するための心理的なハードルを低下させ得る。
【0214】
(付記7)
(付記1)に記載のプログラムであって、プロセッサに、さらに、第1の通信装置から、各取引について領収データを受信した場合に、取引それぞれの領収データを特定するための第1の情報と、当該領収データへのアクセスを可能とするためのアクセスコードとを第1の通信装置へ応答する第5のステップを実行させ、第3のステップにおいて、第2の通信装置から、第1の情報と、第1の情報により特定される領収データについてのアクセスコードとを受け付けた場合に、第1の情報により特定される領収データを第2の通信装置のディスプレイに表示させることを含む。これにより、領収データを受領するには、領収データを特定するための第1の情報と、アクセスコードとが必要となる。そのため、第三者が、偶然、第1の情報と同等の情報を得て領収データにアクセスしようとしても、アクセスコードが不明であるため領収データを取得することができない。例えば、第三者が、領収データにアクセスするためのURLを、総当たり方式等の不正な手段で特定したとしても、アクセスコードがないため領収データを取得することが困難になる。したがって、第三者が、偶然に、または不正に領収データを取得することを防止し得る。
【0215】
(付記8)
(付記1)から(付記7)のいずれかに記載のプログラムであって、プログラムは、プロセッサ(29)に、さらに、ストレージ(26)において記憶する領収データ(281)の保存期限を管理する第6のステップを実行させる。領収データの保存期限は、領収データの発行がなされたタイミングに基づいて設定される期限である。第3のステップは、保存期限が一定期間内に満了する領収データがあることを、第2の通信装置(30)のディスプレイ(332)に表示させる(332T)ことを含む。これにより、顧客側のユーザは、電子レシートの保存期限が満了することを認識することができ、電子レシートのこれ以上の期間の保管が不要であるか否かを判断することができる。
【0216】
(付記9)
(付記1)から(付記8)のいずれかに記載のプログラムであって、第3のステップにおいて、第2の通信装置から第1の情報を受け付けた場合に、第1の情報を受け付けたことに応答して当該第1の情報により特定される領収データを第2の通信装置に表示させることが可能な回数または有効期限の少なくともいずれかを管理することを含む。
【0217】
(付記10)
実施形態の一態様によると、プロセッサ(29)と、メモリ(25)と、ストレージ(26)とを備え、取引の領収内容の情報を含む領収データを管理するためのサーバ装置(20)が示される。ストレージは、各取引について領収データを記憶するように構成されている(281)。プロセッサは、外部の通信装置とデータを送受信し(2042、2043)、取引において領収データを顧客ユーザに対して発行する第1の通信装置(10)から、発行される領収データを受信した場合に、当該領収データの発行がなされたタイミングを示す情報を含む領収データをストレージに記憶させ(ステップS1321)、顧客ユーザが使用する第2の通信装置(30)から、各取引を特定するための第1の情報(381)を受け付けたこと(ステップS1335)に応答して、当該第1の情報により特定される取引にかかる領収データをストレージから読みだして、読みだした領収データを第2の通信装置のディスプレイ(332)に表示させるように構成されている(ステップS1325、ステップS1337)。
【0218】
(付記11)
実施形態の一態様によると、プロセッサ(29)と、メモリ(25)と、ストレージ(26)とを備え、取引の領収内容の情報を含む領収データを管理するためのサーバ装置(20)と、電子レシートを発行する発行側通信装置(10)と、電子レシートを受領するユーザ側通信装置とにより構成されるシステム(1)におけるユーザ側通信装置(30)が示される。発行側通信装置は、各取引の領収内容の入力を受け付けて(ステップS1311)、当該領収内容を示す領収データを生成し、各取引について生成した領収データをサーバ装置へ送信し(ステップS1313)、領収データを特定するための情報であってユーザ側通信装置で読み取り可能な特定情報(132F、132Y)を発行側通信装置のモニタ(132)に表示するように構成されている(ステップS1315)。ユーザ側通信装置は、発行側通信装置のモニタに表示される特定情報を読み取り可能に構成されており(360、3046)、特定情報を読み取った読み取り結果を、各取引を特定するための情報としてサーバ装置へ送信し(ステップS1335)、サーバ装置から、当該読み取り結果により特定される取引にかかる領収データを受信し(ステップS1337)、サーバ装置から受信する領収データを、ユーザ側通信装置のディスプレイに表示するように構成されている(ステップS1337)。
【0219】
(付記12)
(付記11)におけるユーザ側通信装置であって、サーバ装置は、ユーザ側通信装置のユーザの登録を受け付けて、ユーザを識別するための識別コードを生成するように構成されている。発行側通信装置が生成する特定情報は、領収データを特定するための情報と、当該領収データへのアクセスを可能とするためのアクセスコードとを含む。ユーザ側通信装置は、特定情報を読み取った読み取り結果から、領収データを特定するための情報と、アクセスコードとを抽出し、抽出した領収データを特定するための情報と、アクセスコードとに基づいてサーバ装置の領収データにアクセスするように構成されている。これにより、ユーザ側通信装置のユーザは、発行側通信装置のモニタに表示される特定情報を、ユーザ側通信装置で読み取ることにより、アクセスコードを入力する等の、アクセス制限を解除するための入力操作をすることなく領収データにアクセスすることができる。
【0220】
(付記13)
実施形態の一態様に示す方法は、プロセッサ(29)と、メモリ(25)と、ストレージ(26)とを備え、取引の領収内容の情報を含む領収データを管理するためのコンピュータ(20)によって実行される。コンピュータは、ストレージにおいて、各取引について領収データ(281)を記憶している。この方法は、プロセッサが、外部の通信装置とデータを送受信する第1のステップ(2042、2043)と、取引において領収データを顧客ユーザに対して発行する第1の通信装置(10)から、発行される領収データを受信した場合に、当該領収データの発行がなされたタイミングを示す情報を含む領収データをストレージに記憶させる第2のステップ(ステップS1321)と、顧客ユーザが使用する第2の通信装置(30)から、各取引を特定するための第1の情報(381)を受け付けたこと(ステップS1335)に応答して、当該第1の情報により特定される取引にかかる領収データをストレージから読みだして、読みだした領収データを第2の通信装置のディスプレイ(332)に表示させる第3のステップとを実行する(ステップS1325、ステップS1337)ことを含む。
【0221】
(付記14)
実施形態の一態様に示すプログラムは、プロセッサと、メモリと、ストレージとを備えるサーバ装置によって実行される。サーバ装置は、ストレージにおいて、取引の領収内容の情報を含む領収データを各取引について記憶するように構成されている。プログラムは、取引において電子レシートを発行する発行側ユーザの第1の通信装置のディスプレイに、取引にかかる領収内容の入力を発行側ユーザから受け付けるための画面を表示させるステップと、発行側ユーザが入力した領収内容を受け付けて、ストレージに、当該取引にかかる領収データとして記憶させ、当該領収データを特定するための情報を生成するステップと、当該領収データを特定するための情報を第1の通信装置のディスプレイに表示させるステップとを実行させることを含む。
【符号の説明】
【0222】
10 端末装置、20 サーバ、30 端末装置。



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17