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特許7053040LKMNOカソード材料およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】LKMNOカソード材料およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/505 20100101AFI20220405BHJP
   H01M 4/525 20100101ALI20220405BHJP
   C01G 53/00 20060101ALN20220405BHJP
【FI】
H01M4/505
H01M4/525
C01G53/00 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018560858
(86)(22)【出願日】2017-05-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 IB2017053022
(87)【国際公開番号】W WO2017203422
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2020-04-14
(31)【優先権主張番号】P.417291
(32)【優先日】2016-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PL
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514281902
【氏名又は名称】ウニヴェルスィテット ヤギエルロンスキ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】モレンダ,マーシン
(72)【発明者】
【氏名】バキエルスカ,モニカ
(72)【発明者】
【氏名】スウィートスラウスキ,ミカル
(72)【発明者】
【氏名】ビエレッカ,パウリナ
【審査官】小川 進
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-264638(JP,A)
【文献】特開2000-149942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/505
H01M 4/525
C01G 53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学量論的に秤量されたリチウム、カリウム、マンガンおよびニッケル前駆体の量を、確実に基材を完全溶解させる最小量の水に溶解すると同時に不活性ガスの保護雰囲気を使用し、その後、8.5~11の範囲のpH値が得られるまで15~28%の濃度を有するアンモニア水を前記溶液に導入し、次に、30~60分後、形成されたゾルにキセロゲルが得られるまで重縮合、熟成および乾燥プロセスを施し、続いて200~900℃の温度範囲でか焼する、高エネルギー密度を有するLKMNOカソード材料(Li1-xMn2-yNi、式中、0.01≦x≦0.15および0.01≦y≦0.2)の調製方法。
【請求項2】
リチウム前駆体として、酢酸リチウム、硝酸(V)リチウム、水酸化リチウム、または炭酸リチウム、およびそれらの水和物が使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
カリウム前駆体として、硝酸(V)カリウム、酢酸カリウム、水酸化カリウム、または炭酸カリウム、およびそれらの水和物が使用される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
マンガン前駆体として、酢酸マンガン(II)、または硝酸(V)マンガン(II)、およびそれらの水和物が使用される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ニッケル前駆体として、酢酸ニッケル(II)、または硝酸(V)ニッケル(II)、およびそれらの水和物が使用される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ゾルの形成までのステップは、アルゴン、窒素、またはヘリウムから選択される不活性ガスの雰囲気中、10~50℃の温度範囲で行われる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記重縮合、熟成および乾燥プロセスは、空気または合成空気雰囲気中、24~96時間、60~105℃の温度で行われる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記キセロゲルか焼プロセスは、空気または合成空気雰囲気中、200~900℃の温度範囲で、2ステップで行われる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カリウムおよびニッケルで相乗的に改変されたリチウム-マンガンスピネル(LiMn、LMO)系カソード材料(Li1-xMn2-yNi、LKMNO、式中、0.01≦x≦0.15および0.01≦y≦0.2)、ならびにそのような材料の調製方法に関する。その想定内では、本発明はエネルギー貯蔵、具体的にはリチウムイオン(Liイオン)電池に使用され得る。
【背景技術】
【0002】
今日では、主として層状リチウム-コバルト酸化物(LiCoO、LCO)およびその誘導体が、市販のリチウムイオン電池のカソード材料として使用されている。しかしながら、LCOは、その純粋な形態では、約140mAh/gの限られた実際の容量を示す。これは、高価格、コバルトの毒性および安全上の理由を伴う。したがって、リチウム-マンガンスピネル(LiMn、LMO)の適用は良い代替となるように思われる。この材料は、同様の実際の容量(約140mAh/g)を有し、熱的に安定であり、加えて、安価であり、環境負荷がより少ない[1~3]。化学量論組成LMOスピネルは、電気自動車(EV)用の電池パックで商業的に使用されているが、依然として用途は限られている。それは、とりわけ、電池の動作温度でのその不安定な結晶構造および液体電解質中のマンガンイオンの溶解性に起因し、これらは容量の低下および電池寿命の劣化につながる[4、5]。スピネルの安定性および電気化学特性を改善するための方法、とりわけ、その化学組成の改変による方法は、文献で知られている。最も一般的に適用される手法は、Mn3+イオンの他の3d遷移金属イオン、例えばNiによる部分置換で構成され、スピネル構造の安定化をもたらす。そのような材料(LMNO)は、約140mAh/g(1Cの電流負荷で)に達する容量を特徴とし、また、リチウムに関連する高い電圧およびLiMnより高い比エネルギーを提供し得る[6~10]。LMOスピネルのリチウム副格子中へのドープの効果も研究された[11~13]が、わずかな範囲のみであった。カリウムによるスピネル材料の改変(LKMO)が、より高い電流負荷での電池のサイクル性および性能を改善することが観察された。カリウム置換スピネルは約135mAh/g(1C)の容量を有する。文献に提示されたLMO系スピネルの組成の改変の第3の可能性はアニオン副格子中の置換(LMOS、LMOF)で構成される[14~19]。そのようなタイプの材料は安定であり、改善された(化学量論組成スピネルLiMnに関連する)電気化学特性を特徴とし、LMOSでは少なくとも110mAh/g(1C)の容量を有する。
【発明の概要】
【0003】
スピネル材料に対する本発明者らの研究は、LMOスピネルのリチウムおよびマンガン副格子中へのカリウムおよびニッケルによる同時ドープは、一般式Li1-xMn2-yNi(LKMNO)、式中、0.01≦x≦0.15および0.01≦y≦0.2であるスピネル材料をもたらし、所与のタイプの改変に特有の、材料の特性の直接および単純な追加をもたらさないことを意外にも証明した。実際は、本発明による材料は、完全に新規な、かつ驚くべき特徴を示す。スピネル構造へのカリウムおよびニッケルの導入の相乗効果は、(約148mAh/gとなるLiMnの理論容量に対して)70%に達する、並外れた、予想外の容量の増加をもたらし、今までのところLMOスピネル系の他の材料では得られない(現段階では、電極組成および厚さの最適化なしで、LKMNOシステムの重量容量は、1Cの電流負荷で少なくとも250mAh/gである)。加えて、本発明の主題の材料は、高い作動電位(4.0~4.7Vの範囲)、非常に高いクーロン可逆性(99%超)、ならびに高電流条件下でのセル動作効率(100C~200C程度の電流負荷を(損失なしで)伝達する可能性)を特徴とする。また、前述の改変の組み合わせを使用する他の試みはそのような効果を与えなかったことも注目すべきである[20~23]。
【0004】
本発明によれば、LKMNOスピネルシステムは、ゾル-ゲル法によって得られ[24~27]、加水分解および縮合のプロセスに基づき、低温でナノメートルの形態で高純度の均一な生成物を得ることを可能にする。さらに、提案されたLKMNO材料の調製方法は、文献に記載された大多数の調製技術と異なり、主に経済的な理由で、広範囲の使用に適している。加えて、固相での高温反応の方法によるLKMNOナノマテリアルの調製は不可能である。
【0005】
本発明は、高エネルギー密度を有するLKMNOカソード材料(Li1-xMn2-yNi、式中、0.01≦x≦0.15および0.01≦y≦0.2)の調製方法に関し、化学量論的に秤量されたリチウム、カリウム、マンガンおよびニッケル前駆体の量を、確実に基材を完全溶解させる最小量の水に溶解すると同時に不活性ガスの保護雰囲気を使用し、その後、8.5~11の範囲のpH値が得られるまで15~28%の濃度を有するアンモニア水を溶液に導入し、次に、30~60分後、形成されたゾルにキセロゲルが得られるまで重縮合、熟成および乾燥プロセスを施し、続いて200~900℃の温度範囲でか焼する。
【0006】
好ましくは、酢酸リチウム、硝酸(V)リチウム、水酸化リチウム、または炭酸リチウム、およびそれらの水和物がリチウム前駆体として使用される。
【0007】
好ましくは、硝酸(V)カリウム、酢酸カリウム、水酸化カリウム、または炭酸カリウム、およびそれらの水和物がカリウム前駆体として使用される。
【0008】
好ましくは、酢酸マンガン(II)、または硝酸(V)マンガン(II)、およびそれらの水和物がマンガン前駆体として使用される。
【0009】
好ましくは、酢酸ニッケル(II)、または硝酸(V)ニッケル(II)、およびそれらの水和物がニッケル前駆体として使用される。
【0010】
好ましくは、ゾルの形成までのステップは、アルゴン、窒素、またはヘリウムから選択される不活性ガスの雰囲気中、10~50℃の温度範囲で行われる。
【0011】
好ましくは、重縮合、熟成および乾燥プロセスは、空気または合成空気雰囲気中、24~96時間、60~105℃の温度で行われる。
【0012】
好ましくは、キセロゲルか焼プロセスは、空気または合成空気雰囲気中、200~900℃の温度範囲で、2ステップで行われる。
【0013】
本発明は、上記のプロセスによって得られるLKMNOカソード材料も含む。
【0014】
したがって、本出願の重要な新規特徴は、適用されたゾル-ゲル調製法と、適切な含有量のドーパント、すなわちカリウムおよびニッケルを使用するLMOスピネルの化学組成の相乗的な改変との組み合わせで構成され、リチウム電池の実用パラメータの著しい、かつ予想外の改善をもたらす。本発明者らによって試験されたゾル-ゲル技術によって得られたLKMOS、LMNOS、LKMNOSの組み合わせと同様に、これまでに提示されたLMOスピネル材料の改変は、そのような結果を得ることはできなかった。
【0015】
本発明の主題を以下の実施形態でより詳細に記載する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施例1(比較例):
10gのLi0.90.1Mn3.990.01(LKMOS)スピネル材料を得るために、4.9835gの酢酸リチウム二水和物、0.5510gの硝酸(V)カリウム、および26.6166gの酢酸マンガン(II)四水和物を秤量した。秤量した量の基材を反応器(雰囲気:Ar、99.999%)に定量的に移し、約50mlの蒸留水に溶解させた。基材の溶解後、188μlの20%硫化アンモニウム溶液と先に混合した28.74gの25%アンモニア水を溶液に加えた。約30分後、形成されたゾルをセラミック製るつぼに移し、90℃の温度で3~4日間乾燥した。得られたキセロゲルを、第1に300℃の温度で24時間か焼し(1℃/分の加熱速度)、その後、第1のか焼の生成物を650℃で6時間再度か焼した(5℃/分の加熱速度)。両か焼とも空気雰囲気中で行った。
【0017】
得られたスピネルは、ナノメートルサイズの結晶(DXRD=32nm)を特徴とした。カリウムおよび硫黄のLMOスピネル構造への導入は、構造の安定化および室温付近の(化学量論組成LMOスピネルに特有の)好ましくない相変態の排除に寄与することが証明され、それは示差走査熱量測定(DSC)試験によって確認された。LKMOS材料は、25℃の温度で6.26・10-4S/cmの電気伝導度、およびE=0.22eVの電気伝導度活性化エネルギーを示した。電気化学試験は、得られた材料は、1Cの電流負荷で40サイクルの動作後、132mAh/gに達するリチウムに関連する重量容量を特徴とすることを示した。
【0018】
実施例2(比較例):
10gのLiMn1.9Ni0.13.990.01(LMNOS)スピネル材料を得るために、5.6254gの酢酸リチウム二水和物、25.6776gの酢酸マンガン(II)四水和物、および1.3722gの酢酸ニッケル(II)四水和物を秤量した。秤量した量の基材を反応器(雰囲気:Ar、99.999%)に定量的に移し、約50mlの蒸留水に溶解させた。基材の溶解後、188μlの20%硫化アンモニウム溶液と先に混合した29.37gの25%アンモニア水を溶液に加えた。約30分後、形成されたゾルをセラミック製るつぼに移し、90℃の温度で3~4日間乾燥した。得られたキセロゲルを、第1に300℃の温度で24時間か焼し(1℃/分の加熱速度)、その後、第1のか焼の生成物を650℃で6時間再度か焼した(5℃/分の加熱速度)。両か焼とも空気雰囲気中で行った。
【0019】
得られたスピネルは、ナノメートルサイズの結晶(DXRD=48nm)を特徴とした。ニッケルおよび硫黄のLMOスピネル構造への導入は、構造の安定化および室温付近の(化学量論組成LMOスピネルに特有の)好ましくない相変態の排除に寄与することが証明され、それは示差走査熱量測定(DSC)試験によって確認された。LMNOS材料は、25℃の温度で5.97・10-5S/cmの電気伝導度、およびE=0.32eVの電気伝導度活性化エネルギーを示した。電気化学試験は、得られた材料は、1Cの電流負荷で40サイクルの動作後、129mAh/gに達するリチウムに関連する重量容量を特徴とすることを示した。
【0020】
実施例3(比較例):
10gのLi0.990.01Mn1.9Ni0.13.990.01(LKMNOS)スピネル材料を得るために、5.5598gの酢酸リチウム二水和物、0.0557gの硝酸(V)カリウム、25.6352gの酢酸マンガン(II)四水和物、および1.3699gの酢酸ニッケル(II)四水和物を秤量した。秤量した量の基材を反応器(雰囲気:Ar、99.999%)に定量的に移し、約50mlの蒸留水に溶解させた。基材の溶解後、188μlの20%硫化アンモニウム溶液と先に混合した29.33gの25%アンモニア水を溶液に加えた。約30分後、形成されたゾルをセラミック製るつぼに移し、90℃の温度で3~4日間乾燥した。得られたキセロゲルを、第1に300℃の温度で24時間か焼し(1℃/分の加熱速度)、その後、第1のか焼の生成物を650℃で6時間再度か焼した(5℃/分の加熱速度)。両か焼とも空気雰囲気中で行った。
【0021】
得られたスピネルは、ナノメートルサイズの結晶(DXRD=49nm)を特徴とした。カリウム、ニッケルおよび硫黄のLMOスピネル構造への導入は、構造の安定化および室温付近の(化学量論組成LMOスピネルに特有の)好ましくない相変態の排除に寄与することが証明され、それは示差走査熱量測定(DSC)試験によって確認された。LKMNOS材料は、25℃の温度で4.26・10-5S/cmの電気伝導度、およびE=0.32eVの電気伝導度活性化エネルギーを示した。電気化学試験は、得られた材料は、1Cの電流負荷で30サイクルの動作後、108mAh/gに達するリチウムに関連する重量容量を特徴とすることを示した。
【0022】
実施例4
10gのLi0.990.01Mn1.9Ni0.1(LKMNO)スピネル材料を得るために、5.5635gの酢酸リチウム二水和物、0.0557gの硝酸(V)カリウム、25.6533gの酢酸マンガン(II)四水和物、および1.3709gの酢酸ニッケル(II)四水和物を秤量した。秤量した量の基材を反応器(雰囲気:Ar、99.999%)に定量的に移し、約50mlの蒸留水に溶解させた。基材の溶解後、29.33gの25%アンモニア水を溶液に加えた。約30分後、形成されたゾルをセラミック製るつぼに移し、90℃の温度で3~4日間乾燥した。得られたキセロゲルを、第1に300℃の温度で24時間か焼し(1℃/分の加熱速度)、その後、第1のか焼の生成物を650℃で6時間再度か焼した(5℃/分の加熱速度)。両か焼とも空気雰囲気中で行った。
【0023】
得られたスピネルは、ナノメートルサイズの結晶(DXRD=52nm)を特徴とした。カリウムおよびニッケルのLMOスピネル構造への導入は、構造の安定化および室温付近の(化学量論組成LMOスピネルに特有の)好ましくない相変態の排除に寄与することが証明され、それは示差走査熱量測定(DSC)試験によって確認された。LKMNO材料は、25℃の温度で1.22・10-4S/cmの電気伝導度、およびE=0.35eVの電気伝導度活性化エネルギーを示した。電気化学試験は、得られた材料は、1Cの電流負荷で80動作サイクルの後、少なくとも250mAh/gの、リチウムに関連する重量容量を特徴とすることを示した。
【0024】
参考文献
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