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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】仮想現実兼用携帯電話ケース
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/64 20060101AFI20220405BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20220405BHJP
   A45C 13/00 20060101ALI20220405BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20220405BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
H04N5/64 511A
A45C11/00 E
A45C13/00 Z
G06F1/16 312Q
G06F3/01 510
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018561705
(86)(22)【出願日】2017-05-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-04
(86)【国際出願番号】 KR2017005335
(87)【国際公開番号】W WO2017204523
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2020-05-18
(31)【優先権主張番号】10-2016-0064028
(32)【優先日】2016-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518383183
【氏名又は名称】ミン,サン キュー
【氏名又は名称原語表記】MIN,Sang Kyu
【住所又は居所原語表記】29,Nakseongdaeyeok 14Ga-gil Gwanak-gu Seoul 08797 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100133411
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 龍郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067677
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司
(72)【発明者】
【氏名】ミン,サン キュー
【審査官】大室 秀明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/145863(WO,A1)
【文献】中国実用新案第203643689(CN,U)
【文献】特開2003-319227(JP,A)
【文献】中国実用新案第203773162(CN,U)
【文献】登録実用新案第3163964(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/00-15/08
A45F 3/00
A45F 3/02
A45F 3/04
A45F 3/12
G02B27/00-30/60
G06F 1/00
G06F 1/16-1/18
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
H04M 1/02-1/23
H04N 5/64-5/655
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話胴体を固定する携帯電話ケースにおいて、
携帯電話胴体を固定するケーシングと、
前記ケーシングの後面から可変距離を維持することができる接眼プレートと、
前記ケーシング及び前記接眼プレートの間に介在され、前記ケーシングに対し、前記接眼プレートが密着した密着状態及び所定の距離を維持する離隔状態の間で前記接眼プレートを移動させるスクリーン及び距離調節部材と、
を含み、仮想現実機能を具現できることを特徴とする仮想現実兼用携帯電話ケースであって、
前面のメインディスプレイを含む携帯電話胴体に対応して、前記ケーシングは前記携帯電話胴体を直接収容する内部フレーム及び前記内部フレームを逆転可能に収容するメインフレームを含み、
前記接眼プレートが前記離隔状態にある場合、前記内部フレームと共に逆転された前記携帯電話胴体の前記メインディスプレイが後方に向かうようにして仮想現実機能を具現することができることを特徴とする、仮想現実兼用携帯電話ケース。
【請求項2】
前記スクリーン及び距離調節部材は、互いに重なりながら後方にスライド移動するとか固定される複数のスクリーンダクトを含むことを特徴とする、請求項1に記載の仮想現実兼用携帯電話ケース。
【請求項3】
前記スクリーンダクトは内壁及び前記内壁から離隔した外壁を含む二重壁の構造に形成されたことを特徴とする、請求項2に記載の仮想現実兼用携帯電話ケース。
【請求項4】
前記スクリーンダクトは、前記内壁に形成された第1通気口及び前記外壁に形成された第2通気口を含み、前記第1通気口及び前記第2通気口は互いにずれるように形成されることによって外部から光が流入することを遮断することを特徴とする、請求項3に記載の仮想現実兼用携帯電話ケース。
【請求項5】
前記スクリーン及び距離調節部材は、
前記ケーシング及び前記接眼プレートの間に介在され、前記密着状態及び前記離隔状態の間で前記接眼プレートを移動させる距離調節部、及び前記ケーシングと前記接眼プレートの間に介在され、前記接眼プレートの前記離隔状態で外部光の流入を遮断する遮光スクリーンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の仮想現実兼用携帯電話ケース。
【請求項6】
前記接眼プレートを介して、前記離隔状態の前記仮想現実兼用携帯電話ケースを使用者の顔面に固定させることができる固定部材をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の仮想現実兼用携帯電話ケース。
【請求項7】
携帯電話胴体を固定する携帯電話ケースにおいて、
携帯電話胴体を固定するケーシングと、
前記ケーシングの後面から可変距離を維持することができる接眼プレートと、
前記ケーシング及び前記接眼プレートの間に介在され、前記ケーシングに対し、前記接眼プレートが密着した密着状態及び所定の距離を維持する離隔状態の間で前記接眼プレートを移動させるスクリーン及び距離調節部材と、
を含み、仮想現実機能を具現できることを特徴とする仮想現実兼用携帯電話ケースであって、
前記接眼プレートの前記密着状態で前記接眼プレートの後面を開閉する後面カバーをさらに含むことを特徴とする、仮想現実兼用携帯電話ケース。
【請求項8】
前記後面カバーに匂い発生部又は風発生部が装着されたことを特徴とする、請求項7に記載の仮想現実兼用携帯電話ケース。
【請求項9】
前面のメインディスプレイ及び後面の仮想現実ディスプレイを含む携帯電話胴体に対応して、前記ケーシングは前記仮想現実ディスプレイに対応する貫通部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の仮想現実兼用携帯電話ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は仮想現実機能を具現できる携帯電話ケースに関し、より詳しくは、仮想現実を体験することができるモジュールが一体型に提供された携帯電話ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実(Virtual Reality)は任意の特定の環境又は状況を人為的に作り、それを使う人がまるで実際の周辺状況及び環境と相互作用していることのようにする人間とコンピュータ間のインターフェースを言う。仮想現実とは、人工現実(artificial reality)、サイバー空間(cyberspace)、仮想世界(virtual worlds)、仮想環境(virtual environment)、合成環境(synthetic environment)、人工環境(artificial environment)などの用語と混用することもある。
【0003】
仮想現実の使用目的は人々が日常的に経験しにくい環境を直接体験しなくてもその環境にあるように見せるとともに操作することができるようにするもので、その応用分野は、教育、遠隔操作、遠隔衛星表面探査、探査資料分析、科学的視覚化(scientific visualization)などである。
【0004】
近年、スマートフォンが広く普及されるに従って仮想現実が再び注目されている。一例として、SAMSUNGがオクルスと共同で製作したギアVR、LGの‘G3 VR’、グーグルのカードボードが代表的であり、これらの製品はスマートフォンと連動して仮想現実を体験して見ることができるようにし、既存のVR装備に比べて価格が安い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は仮想現実機能を含む携帯電話ケースを提供する。
【0006】
本発明は、別に携帯する必要がなく、VR機能を所望の時間及び場所ですぐ具現することができる携帯電話ケースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な一実施例によると、仮想現実兼用携帯電話ケースは、携帯電話胴体を固定するケーシング、ケーシングの後面から可変距離を維持することができる接眼プレート、及びケーシングと接眼プレートの間に介在され、ケーシングに対し、接眼プレートが密着した密着状態及び所定の距離を維持する離隔状態の間で接眼プレートを移動させるスクリーン及び距離調節部材を含み、仮想現実機能を具現できるものであって、前面のメインディスプレイを含む携帯電話胴体に対応して、前記ケーシングは前記携帯電話胴体を直接収容する内部フレーム及び前記内部フレームを逆転可能に収容するメインフレームを含み、前記接眼プレートが前記離隔状態にある場合、前記内部フレームと共に逆転された前記携帯電話胴体の前記メインディスプレイが後方に向かうようにして仮想現実機能を具現することができることを特徴とする。
【0008】
本発明による仮想現実兼用携帯電話ケースは携帯の可能なように携帯電話と一体に結合された形で使用することができ、携帯電話に仮想現実を具現するための物理的構造を提供し、場所と時間を問わず仮想現実機能を具現することができる。
【0009】
仮想現実機能で具現できる機能が増えることで、仮想現実有用度は増加するが、従来のように巨大なVR機器を携帯することは、このようなニーズを満たすことができない。だが、本発明では接眼プレートが異格状態にある場合、携帯電話胴体のうち、後方に向かうディスプレイを利用して仮想現実機能を具現することができる。
【0010】
したがって、スクリーン及び距離調節部材によって携帯電話から接眼プレートを可変長さで維持することができる構造を形成するとともに、前記スクリーン及び距離調節部材は互いに重なりながら後方にスライド移動及び固定される複数のスクリーンダクトを含むことによって外部光の流入を遮断する遮光スクリーン機能も同時に具現することができる。
【0011】
また、ケーシング内に携帯電話胴体が逆転可能に装着されることもできるので、普段には一般的な用途に使うが、仮想現実機能のために携帯電話胴体が逆転して後方に向かうように転換させることができる。参考として、本明細書で、ケーシングは携帯電話胴体の側面の全部を収容する必要はなく、従来の携帯電話ケースのように、一部だけ収容するようにすることもできる。 また、全面カバーを含めることもでき、前面カバーなしでも提供されることができる。
【0012】
携帯電話胴体は少なくとも一つのディスプレイを含めることかでき、ディスプレイの中の仮想現実のためのディスプレイが後方を向くようにした後、異格状態の接眼プレートを利用して様々な方式の仮想現実機能が具現できる。 たとえば、従来のカードボードのように仮想現実ディスプレイを左右分割、上下分割、180度視野角または360度視野角など一対の接眼レンズを利用して多様な効果を具現することもできるが、接眼プレートに偏光レンズを装着する偏光めがね方式又は接眼プレートにおいて、時間差を置いて左右接眼レンズを開閉するシャッターガラス方式なども本発明に適用可能である。この他にも、仮想現実の具現又は立体表示に対する多様な方式のディスプレイ及びレンズの組合せが具現可能である。
【0013】
接眼プレートは、仮想現実機能を使っていないうちに、携帯電話胴体に密着した密着状態を維持し、仮想現実機能を使っているうちには携帯電話胴体から離隔して所定の距離を維持する離隔状態を維持しなければならない。このために、接眼プレートは携帯電話胴体に対して固定されずに可変距離を形成しなければならない。このために、スクリーン及び距離調節部材は多様な方式を通じて接眼プレートを密着状態及び離撃状態の間に移動させることができる。
【0014】
例えば、スクリーン及び距離調節部材は複数のスクリーンダクトから具現されることができ、スクリーンダクトの相互間の摩擦及び固定力を用いて逆転された携帯電話胴体のディスプレイと接眼プレートの間の離隔状態を維持し、外部光を遮断することができる。他の方法として、スクリーン及び距離調節部材は、前記ケーシング及び前記接眼プレートの間に介在され、前記密着状態及び前記離隔状態の間で前記接眼プレートを移動させる距離調節部、及び前記ケーシングと前記接眼プレートの間に介在され、前記接眼プレートの前記離隔状態で外部光の流入を遮断する遮光スクリーンをさらに備えることもできる。
【0015】
スクリーン及び距離調節部材をスクリーンダクトから具現する場合、スクリーンダクトが単一壁の構造に形成されることもできるが、堅固な支持構造及び軽量化のために、二重壁構造として提供されることができる。すなわち、二重壁構造のために、スクリーンダクトは内壁及び外壁を含むことができ、内壁と外壁の間には最小の離隔空間が形成されることができる。
【0016】
また、仮想現実ディスプレイから発生する熱又は電磁波を解決するために、スクリーンダクトには通気口が形成されることができる。しかし、通気口を通じて外部から光が直接流入することができるから、二重壁構造のスクリーンダクトにおいては内壁に第1通気口を形成し、外壁には第2通気口を形成するとともに、第1通気口と第2通気口が互いに重ならないように、つまりずれるように形成することによって外部から光が直接流入しないようにすることもできる。
【0017】
スクリーン及び距離調節部材は沒入度のために外部光を効果的に遮断するだけであるから、携帯電話胴体と接眼プレートの間を完全に遮断することの他にも元の機能を毀損しない範囲内で一部開放することも可能である。
【0018】
また、仮想現実機能をもっと本物らしく具現するため、離隔状態の携帯電話を使用者の顔面に固定させることができる固定部材をさらに含むことができる。固定部材は一般マスクの耳掛け形態、めがねの耳掛け部、ヘルメットマウント又は弾性バンドなどの多様な形態として提供されることができる。
【0019】
本発明の携帯電話ケースは、接眼プレートの密着状態で前記接眼プレート及びケーシングの後面を開閉する後面カバーをさらに含むこともできる。後面カバーは接眼プレートを保護する用途の他にも、仮想現実のコンテンツと連動して特定の匂いを発生させる匂い発生部又は風を発生させる風発生部をさらに含むこともできる。
【発明の効果】
【0020】
本発明による仮想現実兼用携帯電話ケースは、一般携帯電話と仮想現実モジュールを一体化し、携帯可能な構造に結合することにより、一般携帯電話としても劣らなく、場所及び時間に関係なく仮想現実機能を具現することができる。仮想現実機能で具現可能な機能が増えるとともに、従来のように別途の補助装置を携帯する必要がないので、使用者の便宜を改善することができる。
【0021】
また、ケーシング内に携帯電話胴体が逆転可能に装着する場合、単一ディスプレイで一般モニターとしての使用及び仮想現実モニターとしても使用可能である。
【0022】
また、スクリーン及び距離調節部材によって携帯電話から接眼プレートを可変長さで維持することができる構造を形成し、同じ構造で外部光の流入を遮断する遮光スクリーンの機能を同時に具現することができるので、全体的な構造を簡単に維持し、高級なスライド移動及び堅固性を同時に得ることができる。
【0023】
このような特徴は、スクリーンダクトを二重壁で形成することによって倍加した効果を得ることができ、互いにずれた通気口の形成及び軽量化構造によって使用者の便宜をもっと向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケースの斜視図である。
図2図1の仮想現実兼用携帯電話ケースを後面で示す分解斜視図である。
図3図1の仮想現実兼用携帯電話ケースの密着状態を示す断面図である。
図4図1の仮想現実兼用携帯電話ケースの離隔状態を示す断面図である。
図5】本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケースのうちスクリーン及び距離調節部材を説明するための断面図である。
図6】本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケースのうちスクリーン及び距離調節部材を説明するための部分拡大断面図である。
図7】本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケースのうちスクリーン及び距離調節部材を説明するための部分拡大側面図である。
図8】本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケースを説明するための側面図である。
図9】本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケース及び携帯電話の密着状態を示す断面図である。
図10図9の仮想現実兼用携帯電話ケース及び携帯電話の離隔状態を示す断面図である。
図11】本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケースの斜視図である。
図12図11の仮想現実兼用携帯電話ケースを後面で示す分解斜視図である。
図13図11の仮想現実兼用携帯電話ケースの側面図である。
図14】本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケースのうち距離調節部材を説明するための部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明するが、本発明が実施例に制限されるとか限定されるものではない。参考として、本説明において同じ符号は実質的に同一要素を示し、このような規則の下で他の図に記載された内容を引用して説明することができ、当業者に明らかであると判断されるとか繰り返される内容は省略することができる。
【0026】
図1は本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケース及びそれに装着された携帯電話の斜視図であり、図2図1の仮想現実兼用携帯電話ケース及び携帯電話を後面で示す分解斜視図であり、図3図1の仮想現実兼用携帯電話ケース及び携帯電話の密着状態を示す断面図であり、図4図1の仮想現実兼用携帯電話ケース及び携帯電話の離隔状態を示す断面図である。
【0027】
図1図4を参照すると、本実施例による仮想現実兼用携帯電話ケース200は、携帯電話胴体100と結合、すなわち携帯電話胴体100を収容している。携帯電話胴体100に対応して、携帯電話ケース200はケーシング210、接眼プレート220及びスクリーン及び距離調節部材230を含む。
【0028】
携帯電話胴体100は、前面に取り付けられるメインディスプレイ112及び後面に取り付けられる仮想現実ディスプレイ114を含み、前面のメインディスプレイ112又はその他のボタンの操作などによって基本的な通話、アプリケーションの駆動などを遂行することができる。そして、後面の仮想現実ディスプレイ114は接眼プレート220とともに使用者に仮想現実機能を提供することができる。仮想現実ディスプレイ114は使用者の操作又は接眼プレート220の移動の感知などによって作動することができる。
【0029】
ケーシング210は携帯電話胴体100を収容することができ、後方には仮想ディスプレイ114を開放するための貫通部を含むことができる。貫通部は一つのホールまたは2つ以上のホールで形成することができる。 図示のように、他の携帯電話ケースと同様、ケーシング210の全面一側に全面カバー211が形成されることもある。
【0030】
接眼プレート220は一対の接眼レンズ222を含み、使用者は接眼レンズ222を介して逆転したメインディスプレイ112に表示された映像を見ることができる。接眼レンズ222は微細な回転操作によって焦点を調節するようにすることができ、左右幅を調節して眉間距離に対応することができる。この他にも、接眼レンズ222の周辺に顔面の形状に対応するクッション又は光をさらに遮断することができる遮光構造などを付け加えることができる。
【0031】
スクリーン及び距離調節部材230は、ケーシング210の後面に取り付けられ、それ自体で互いに重なり、長手方向にスライド移動するとか固定される複数のスクリーンダクト240を含むことができる。スクリーンダクト240は携帯電話の形状に対応して方形に形成されるとか、その他に楕円形あるいは目の形状に合うように8字形の外形を有する形状にも形成されることができる。
【0032】
スクリーン及び距離調節部材230においてスクリーンダクト240は金属アンテナのように多少の摩擦状態でスライド移動するから、任意の位置で停止することができるとともに可変距離を維持することもできる。また、スクリーンダクト240は4面を外部から遮断することができるから、外部光を効果的に遮断することができる。
【0033】
図5は本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケースのうちスクリーン及び距離調節部材を説明するための断面図である。
【0034】
図5を参照すると、スクリーン及び距離調節部材230を構成するスクリーンダクト240は二重壁構造にも形成されることができる。二重壁を構成するスクリーンダクト240は内壁242及び外壁244を含み、内壁242及び外壁244の全部又は一部の領域で離隔した距離を維持することができる。スクリーンダクト240は二重壁構造を形成するから、単一壁構造に比べ、同じ厚さで著しく軽量化した重さを維持し、堅固な構造を形成することができる。
【0035】
図6は本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケースのうちスクリーン及び距離調節部材を説明するための部分拡大断面図である。
【0036】
図6の(a)を参照すると、スクリーンダクト240には、密着状態又は離隔状態を固定するために、内壁から突出した弾性突起247をさらに含むことができる。スクリーンダクト240が伸びた離隔状態で弾性突起247は他のスクリーンダクト240の端部を支持することにより、一定の力以下ではスクリーンダクト240が互いに重ならないように固定させることができる。
【0037】
また、図6(b)を参照すると、スクリーンダクト240が互いに重なった密着状態で、弾性突起247は他のスクリーンダクト240に形成された突起収容孔249に係合されることにより、やはり一定の力以下ではスクリーンダクト240が互いに動けないように固定させることができる。
【0038】
本実施例では弾性突起247がスクリーンダクト240の内壁242から突出した構造に形成されるが、反対に外壁又は内外壁の両壁から突出した構造に形成されることができ、相互作動を妨げないように伸縮方向に垂直な方向に互いに離隔するように設計されることもできる。また、弾性突起247がスプリングによって支持されるものの他にも、リーフスプリングのように自体弾性によって弾性的に支持されるようにすることもできる。
【0039】
図7は本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケースのうちスクリーン及び距離調節部材を説明するための部分拡大側面図である。
【0040】
図7を参照すると、図5で説明したように、スクリーン及び距離調節部材230のスクリーンダクト240は二重壁構造に形成されることができる。このように二重壁で形成される場合、単純に軽量化を具現することの外にも、他の効果をもたらすことができる。例えば、スクリーン及び距離調節部材230に通気口を形成するにあたり、第1通気口246及び第2通気口248を互いに重ならないように形成することにより、外部から光が流入することを遮断することができる。
【0041】
具体的に、二重壁構造のスクリーンダクト240においては、内壁242に第1通気口246を形成し、外壁244には第2通気口248を形成する。ここで、図示のように、第1通気口246と第2通気口248が互いに重ならないように、つまり互いにずれるように形成することにより、外部から光が流入しないようにすることができる。
【0042】
また図2図4を参照すると、スクリーン及び距離調節部材230はケーシング210と接眼プレート220の間に介在され、接眼プレート220が離隔状態にあるうちに外部光が流入することを遮断することができる。
【0043】
本実施例において、スクリーンダクト240のサイズが後方に次第に増加するとともに前後方向に伸縮可能であるが、反対にスクリーンダクトのサイズが次第に減少するようにすることもでき、スクリーンダクトのサイズが増加してから減少するようにするとか、その反対にすることもできる。
【0044】
また、スクリーンダクト240は沒入度のために外部光を4面で遮断することが好ましいが、一部が開放しても沒入度を深刻に妨げない範囲内で携帯電話胴体100と接眼プレート220の間を部分的に遮断することもできる。
【0045】
図8は本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケースを説明するための側面図である。
【0046】
図8を参照すると、以前の実施例と同様に、仮想現実兼用携帯電話ケースは、携帯電話胴体100を収容し、ケーシング210、接眼プレート220、及びスクリーン及び距離調節部材230を含み、以前の実施例と別に後面カバー250をさらに含むことができる。
【0047】
後面カバー250は接眼プレート220を保護する用途に使われることができ、使用者が着用しているうちにケーシング210又は接眼プレート220の底面から垂れた状態で使われることができる。
【0048】
後面カバー250を携帯電話胴体100に形成する場合、接眼プレート220を保護するとともに、仮想現実のコンテンツと連動して特定の匂いを発生させる匂い発生部又は風を発生させる風発生部270をさらに形成することができる。
【0049】
また、仮想現実機能をもっと本物らしく具現するために、離隔状態の携帯電話を使用者の顔面に固定させることができる固定部材260をさらに含むことができる。固定部材260は一般マスクの耳掛けの形態として提供されることができ、普段には接眼プレート220の両側に備えられるが、使用者の便宜によって後方に引き出されて使用者の耳にかかることができる。もちろん、この外にも、携帯電話胴体100に形成されることも可能である。
【0050】
固定部材260はめがねの耳掛けの形態として提供されることもでき、使用者の頭部に固定される弾性バンドの形態としても提供されることができる。
【0051】
図9は本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケース及び携帯電話の密着状態を示す断面図であり、図10図9の仮想現実兼用携帯電話ケース及び携帯電話の離隔状態を示す断面図である。
【0052】
図9及び図10を参照すると、ケーシング210は携帯電話胴体101を直接収容する内部フレーム216及び内部フレーム216を逆転可能に収容するメインフレーム215を含む。 以前の実施例とは異なり、携帯電話胴体101が仮想現実ディスプレイを含まなくても、前面のメインディスプレイ112を用いて仮想現実機能を具現することができ、このため携帯電話胴体101を収容する内部フレーム216がメインフレーム215内で逆転可能に装着できる。
【0053】
すなわち、接眼プレート220が密着状態にある場合、携帯電話胴体101のメインディスプレイ112は前面に向かうことができる。しかし、接眼プレート220が離格状態にある場合、内部フレーム216と共に携帯電話胴体101が逆転する可能性があり、逆転した携帯電話胴体101のメインディスプレイ112も後方に向けて仮想現実機能を具現するための用途として使用できる。
【0054】
携帯電話胴体101は、ケーシング210の内部フレーム216に収容されることで、メインフレーム215内で回転可能に装着されることができ、携帯電話胴体101および内部フレーム216の回転によってメインディスプレイ112が前方に向かう状態で固定されるとか後方に向かう状態で固定されることができる。
【0055】
ディスプレイ112の方向は携帯電話胴体101の回転状態によって感知することができ、使用者の操作、携帯電話胴体101の方向又は接眼プレート220の移動感知などによって仮想現実機能が自動で作動するようにすることもできる。
【0056】
図11は本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケース及びそれに装着された携帯電話の斜視図であり、図12図11の仮想現実兼用携帯電話ケースを後面で示す分解斜視図であり、図13図11の仮想現実兼用携帯電話ケースの側面図である。
【0057】
図11図13を参照すると、本実施例による仮想現実兼用携帯電話ケース300は、携帯電話胴体100を収容するケーシング310、接眼プレート320及びスクリーン及び距離調節部材330を含む。
【0058】
携帯電話胴体100は前面に取り付けられるディスプレイ112及び後面に取り付けられる仮想現実ディスプレイ114を含み、前面のメインディスプレイ112又はその他のボタンの操作などによって基本的な通話、アプリケーションの駆動などを遂行することができる。そして、後面の仮想現実ディスプレイ114は接眼プレート220とともに使用者に仮想現実機能を提供することができる。
【0059】
本実施例に携帯電話胴体100はケーシング310内で方向転換ができないが、別には図9及び図10に示されているように、ケーシング310を内部フレームとメインフレームで具現した場合なら、逆転可能に方向を転換させることもできる。
【0060】
接眼プレート320は一対の接眼レンズ322を含み、使用者は接眼レンズ322を介して逆転されたディスプレイ112に表示された映像を見ることができる。接眼レンズ322は微細な回転操作によって焦点を調節することができ、左右幅を調節して眉間距離に対応することができる。この他にも、接眼レンズ322の周辺に顔面形状に対応するクッション又は光をさらに遮断することができる遮光構造などを付け加えることができる。
【0061】
スクリーン及び距離調節部材330は距離調節部331及び遮光スクリーン340を含み、距離調節部331は中央一側で互いに回転可能に連結される第1リンク332及び第2リンク334を含み、第1リンク332の他端はケーシング310に回転可能に連結され、第2リンク334の他端は接眼プレート320に回転可能に連結される。
【0062】
第1リンク332及び第2リンク334を含む4個の組合せがケーシング310の4角部で接眼プレート320を連結し、第1リンク332及び第2リンク334は一字形に展開するとかV字形に折り畳まれることによって接眼プレート320を離隔状態及び密着状態の間で移動させることができる。
【0063】
図14は本発明の一実施例による仮想現実兼用携帯電話ケースのうち距離調節部材を説明するための部分拡大図である。
【0064】
図14を参照すると、第1リンク332は長さ調節及び固定可能に提供されることができる。このために、第1リンク332は互いに重畳する長さを調節することができる2個以上のロッド336、337を含み、ロッド336、337の少なくとも一方には長手方向に長孔が形成され、長孔には微細調節ネジ338が装着されることによってロッド336、337間の重畳長を調節及び固定することができる。
【0065】
この他にも、長孔に一定の間隔で複数の係止突起を形成し、係止突起を移動させることによってロッド間の重畳長を調節することができる。
【0066】
このように重畳長を調節することにより、必要によって微細な距離調整が可能であり、4個のリンク組合せを独立的に調節することによって接眼ディスプレイの角度、ディスプレイ横軸に対するずれも調節することができる。
【0067】
また、図12及び図13を参照すると、遮光スクリーン340はケーシング310と接眼プレート320の間に介在され、接眼プレート320が離隔状態にあるうちに外部光が流入することを遮断することができる。
【0068】
本実施例において、遮光スクリーン340はベローズ状に形成され、両端がそれぞれケーシング310及び接眼プレート320に固定されて実質的に完璧な暗室をなしている。しかし、遮光スクリーン340はベローズではなく、伸縮性に優れた素材から形成されることができる。いずれか一方に固定されているが、離隔状態に至ってからこそ他方に固定されるように設計することもできる。
【0069】
また、遮光スクリーン340は沒入度のために外部光を4面で遮断することが好ましいが、一部開放しても沒入度を深刻に妨げない範囲内でケーシング310と接眼プレート320の間を部分的に遮断することもできる。
【0070】
また、仮想現実機能をもっと本物らしく具現するために、離隔状態の携帯電話を使用者の顔面に固定させることができる固定部材360をさらに含むことができる。固定部材360は接眼ディスプレイではなくケーシング310に一般マスクの耳掛けの形態として提供されることができ、普段にはケーシング310の後面の両側に備えられるが、使用者の便宜によって後方に引き出されて使用者の耳にかけることができる。
【0071】
固定部材360はめがねの耳掛けの形態として提供されることもでき、使用者の頭部に固定される弾性バンドの形態としても提供されることができる。
【0072】
上述したように、本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者であれば、下記の請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範疇内で本発明を多様に修正及び変更することができることが理解可能であろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14