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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】連動伸縮構造体及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   F16S 3/06 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
F16S3/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021165652
(22)【出願日】2021-10-07
【審査請求日】2021-10-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596100498
【氏名又は名称】株式会社不二宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】松岡 徳康
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-308940(JP,A)
【文献】特開平04-275893(JP,A)
【文献】特開平07-082796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/344
F16S 3/06
F16S 5/00
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの剛性部材が互いに回動可能に連結された複数のクロスユニットが列状に連結されることによって伸縮自在に構成された第1伸縮アームと、
2つの剛性部材が互いに回動可能に連結された複数のクロスユニットが列状に連結されることによって伸縮自在に構成された第2伸縮アームと、
前記第1伸縮アーム及び前記第2伸縮アームの間に介在して前記第1伸縮アーム及び前記第2伸縮アームを連結する連結部材と、を備え、
前記連結部材は、
第1部材と、
前記第1部材と回動可能に連結された第2部材と、を備え、
前記第1部材は、
前記第1伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の一方と回動可能に連結される第1一方側連結部と、
前記第2伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の一方と回動可能に連結される第1他方側連結部と、
前記第2部材と回動可能に連結される第1中間連結部と、を備え、
前記第2部材は、
前記第1伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の他方と回動可能に連結される第2一方側連結部と、
前記第2伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の他方と回動可能に連結される第2他方側連結部と、
前記第1中間連結部と回動可能に連結される第2中間連結部と、を備え、
前記第1部材及び前記第2部材の一方が他方に対して回動したときに、前記第2部材の回動軸の周りの周方向における前記第1一方側連結部と前記第2一方側連結部との間の距離の変動率及び変動長さの少なくとも一方は、前記周方向における前記第1他方側連結部と前記第2他方側連結部との間の距離の変動率及び変動長さの少なくとも一方と異なり、
前記第2部材の回動軸に沿った軸線方向から見て、前記第1一方側連結部は、前記第1中間連結部と前記第1他方側連結部とを結ぶ仮想線分から外れた位置にあり、
前記第2一方側連結部及び前記第2他方側連結部は、1つの連結部として兼用され、前記第1伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の他方と、前記第2伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の他方との双方と回動可能に連結される連動伸縮構造体。
【請求項2】
2つの剛性部材が互いに回動可能に連結された複数のクロスユニットが列状に連結されることによって伸縮自在に構成された第1伸縮アームと、
2つの剛性部材が互いに回動可能に連結された複数のクロスユニットが列状に連結されることによって伸縮自在に構成された第2伸縮アームと、
前記第1伸縮アーム及び前記第2伸縮アームの間に介在して前記第1伸縮アーム及び前記第2伸縮アームを連結する連結部材と、を備え、
前記連結部材は、
第1部材と、
前記第1部材と回動可能に連結された第2部材と、を備え、
前記第1部材は、
前記第1伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の一方と回動可能に連結される第1一方側連結部と、
前記第2伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の一方と回動可能に連結される第1他方側連結部と、
前記第2部材と回動可能に連結される第1中間連結部と、を備え、
前記第2部材は、
前記第1伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の他方と回動可能に連結される第2一方側連結部と、
前記第2伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の他方と回動可能に連結される第2他方側連結部と、
前記第1中間連結部と回動可能に連結される第2中間連結部と、を備え、
前記第1部材及び前記第2部材の一方が他方に対して回動したときに、前記第2部材の回動軸の周りの周方向における前記第1一方側連結部と前記第2一方側連結部との間の距離の変動率及び変動長さの少なくとも一方は、前記周方向における前記第1他方側連結部と前記第2他方側連結部との間の距離の変動率及び変動長さの少なくとも一方と異なり、
前記第2部材の回動軸に沿った軸線方向から見て、前記第1一方側連結部及び前記第1他方側連結部は、前記第1中間連結部を通る中間仮想線の一方側に位置し、前記第2一方側連結部及び前記第2他方側連結部は、前記中間仮想線の他方側に位置し、
前記軸線方向から見て、前記第1一方側連結部は、前記第1他方側連結部と前記第1中間連結部と前記第2一方側連結部とを通る第1仮想線に対して前記第2他方側連結部の反対側に位置し、
前記軸線方向から見て、前記第2一方側連結部は、前記第2他方側連結部と前記第2中間連結部と前記第1一方側連結部とを通る第2仮想線に対して前記第1他方側連結部の反対側に位置する連動伸縮構造体。
【請求項3】
少なくとも1つの前記第1伸縮アームと、
少なくとも1つの前記第2伸縮アームと、
複数の前記連結部材と、を備え、
少なくとも1つの前記第1伸縮アームと少なくとも1つの前記第2伸縮アームとが前記連結部材を介して連結されることによって環状に構成されている請求項またはに記載の連動伸縮構造体。
【請求項4】
2つの剛性部材が互いに回動可能に連結された複数のクロスユニットが列状に連結されることによって伸縮自在に構成された第1伸縮アームと、
2つの剛性部材が互いに回動可能に連結された複数のクロスユニットが列状に連結されることによって伸縮自在に構成された第2伸縮アームと、
前記第1伸縮アーム及び前記第2伸縮アームの間に介在して前記第1伸縮アーム及び前記第2伸縮アームを連結する連結部材と、を備え、
前記連結部材は、
第1部材と、
前記第1部材と回動可能に連結された第2部材と、を備え、
前記第1部材は、
前記第1伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の一方と回動可能に連結される第1一方側連結部と、
前記第2伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の一方と回動可能に連結される第1他方側連結部と、
前記第2部材と回動可能に連結される第1中間連結部と、を備え、
前記第2部材は、
前記第1伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の他方と回動可能に連結される第2一方側連結部と、
前記第2伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の他方と回動可能に連結される第2他方側連結部と、
前記第1中間連結部と回動可能に連結される第2中間連結部と、を備え、
前記第1部材及び前記第2部材の一方が他方に対して回動したときに、前記第2部材の回動軸の周りの周方向における前記第1一方側連結部と前記第2一方側連結部との間の距離の変動率及び変動長さの少なくとも一方は、前記周方向における前記第1他方側連結部と前記第2他方側連結部との間の距離の変動率及び変動長さの少なくとも一方と異なり、
前記第2部材の回動軸に沿った軸線方向から見て、前記第1中間連結部を介して前記第1一方側連結部及び前記第1他方側連結部を結ぶ第1仮想線分と、前記第2中間連結部を介して前記第2一方側連結部及び前記第2他方側連結部を結ぶ第2仮想線分とは、交差しており、
前記軸線方向から見て、前記第1仮想線分と前記第2仮想線分との少なくとも一方は、V字状である連動伸縮構造体。
【請求項5】
前記第2部材の回動軸に沿った軸線方向から見て、前記第1中間連結部を介して前記第1一方側連結部及び前記第1他方側連結部を結ぶ第1仮想線分と、前記第2中間連結部を介して前記第2一方側連結部及び前記第2他方側連結部を結ぶ第2仮想線分とは、交差しており、
前記軸線方向から見て、前記第1一方側連結部と前記第1中間連結部との距離は、前記第1他方側連結部と前記第1中間連結部との距離より長く、及び/または、前記第2一方側連結部と前記第2中間連結部との距離は、前記第2他方側連結部と前記第2中間連結部との距離より長い請求項に記載の連動伸縮構造体。
【請求項6】
前記軸線方向から見て、前記第1仮想線分と前記第2仮想線分との各々はV字状であり、前記第1仮想線分のV字と前記第2仮想線分のV字とは互いに反対を向いている請求項4または5に記載の連動伸縮構造体。
【請求項7】
前記第1部材は、
前記第1一方側連結部を有する第1一方側部材と、
前記第1他方側連結部を有する第1他方側部材と、を備え、
前記第1中間連結部は、
前記第1一方側部材に固定された第1一方側ギヤと、
前記第1他方側部材に固定された第1他方側ギヤと、
奇数個の第1中間ギヤと、を備え、
前記第2部材は、
前記第2一方側連結部を有する第2一方側部材と、
前記第2他方側連結部を有する第2他方側部材と、を備え、
前記第2中間連結部は、
前記第2一方側部材に固定された第2一方側ギヤと、
前記第2他方側部材に固定された第2他方側ギヤと、
奇数個の第2中間ギヤと、を備え、
前記第1一方側ギヤ及び前記第1他方側ギヤは、奇数個の前記第1中間ギヤを介して互いに噛合され、
前記第2一方側ギヤ及び前記第2他方側ギヤは、奇数個の前記第2中間ギヤを介して互いに噛合され、
前記第1一方側ギヤ及び前記第2一方側ギヤは、直接または偶数個のギヤを介して互いに噛合され、
前記第1他方側ギヤ及び前記第2他方側ギヤは、直接または偶数個のギヤを介して互いに噛合されている請求項からのいずれか1項に記載の連動伸縮構造体。
【請求項8】
前記第1部材は、
前記第1一方側連結部を有する第1一方側部材と、
前記第1他方側連結部を有する第1他方側部材と、を備え、
前記第1中間連結部は、
前記第1一方側部材に固定された第1一方側ギヤと、
前記第1他方側部材に固定された第1他方側ギヤと、を備え、
前記第2部材は、
前記第2一方側連結部を有する第2一方側部材と、
前記第2他方側連結部を有する第2他方側部材と、を備え、
前記第2中間連結部は、
前記第2一方側部材に固定された第2一方側ギヤと、
前記第2他方側部材に固定された第2他方側ギヤと、を備え、
前記第1一方側ギヤ及び前記第2一方側ギヤは、直接または偶数個のギヤを介して互いに噛合され、
前記第1一方側ギヤ及び前記第2他方側ギヤは、直接または偶数個のギヤを介して互いに噛合され、
前記第1他方側ギヤ及び前記第2一方側ギヤは、直接または偶数個のギヤを介して互いに噛合され、
前記第1他方側ギヤ及び前記第2他方側ギヤは、直接または偶数個のギヤを介して互いに噛合されている請求項からのいずれか1項に記載の連動伸縮構造体。
【請求項9】
請求項1からのいずれか1項に記載の連動伸縮構造体の伸縮動作をシミュレートするプログラムであって、
前記第1伸縮アームの構造に関する第1情報と、前記第2伸縮アームの構造に関する第2情報と、前記連結部材の構造に関する第3情報と、を取得し、
前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報のうちの一部の情報の変化に応じて、変化した情報以外の前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報の変化を算出する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、2つの伸縮アームの一方の伸縮に連動して、当該2つの伸縮アームの他方が伸縮する連動伸縮構造体、及び当該連動伸縮構造体の伸縮動作をシミュレートするプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、伸縮アームは、2つの剛性部材が互いに回動可能に連結された複数のクロスユニットが列状に連結されることによって伸縮自在に構成されている。このような伸縮アームは、様々な分野で使用されている。例えば、特許文献1には、前記のような伸縮アームが用いられた折り畳み式テントが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-38562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された折り畳み式テントでは、折り畳み式テントに用いられている各伸縮アームは、折り畳み式テントの使用時に均等に伸長され、折り畳み式テントの不使用時に均等に収縮される。折り畳み式テントは、使用時に開き、不使用時に畳むものである。そのため、各伸縮アームが、均等に伸長し、均等に収縮するものであっても、折り畳み式テントは、必要十分に機能する。
【0005】
しかしながら、伸縮アームをより複雑に伸縮させることによって、伸縮アームを様々なものに用いることが可能となる。そのため、伸縮アームの構造には、未だ改良の余地がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、ある伸縮アームの伸縮に連動して、当該ある伸縮アームとは別の伸縮アームに当該ある伸縮アームとは異なる伸縮をさせることができる連動伸縮構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の一態様に係る連動伸縮構造体は、
2つの剛性部材が互いに回動可能に連結された複数のクロスユニットが列状に連結されることによって伸縮自在に構成された第1伸縮アームと、
2つの剛性部材が互いに回動可能に連結された複数のクロスユニットが列状に連結されることによって伸縮自在に構成された第2伸縮アームと、
前記第1伸縮アーム及び前記第2伸縮アームの間に介在して前記第1伸縮アーム及び前記第2伸縮アームを連結する連結部材と、を備え、
前記連結部材は、
第1部材と、
前記第1部材と回動可能に連結された第2部材と、を備え、
前記第1部材は、
前記第1伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の一方と回動可能に連結される第1一方側連結部と、
前記第2伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の一方と回動可能に連結される第1他方側連結部と、
前記第2部材と回動可能に連結される第1中間連結部と、を備え、
前記第2部材は、
前記第1伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の他方と回動可能に連結される第2一方側連結部と、
前記第2伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の他方と回動可能に連結される第2他方側連結部と、
前記第1中間連結部と回動可能に連結される第2中間連結部と、を備え、
前記第1部材及び前記第2部材の一方が他方に対して回動したときに、前記第2部材の回動軸の周りの周方向における前記第1一方側連結部と前記第2一方側連結部との間の距離の変動率及び変動長さの少なくとも一方は、前記周方向における前記第1他方側連結部と前記第2他方側連結部との間の距離の変動率及び変動長さの少なくとも一方と異なる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ある伸縮アームの伸縮に連動して、当該ある伸縮アームとは別の伸縮アームに当該ある伸縮アームとは異なる伸縮をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図。
図2】本発明の第1実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図。
図3】本発明の第1実施形態の変形例に係る連動伸縮構造体の平面図。
図4】本発明の第1実施形態の変形例に係る連動伸縮構造体の平面図。
図5】本発明の第2実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図。
図6】本発明の第2実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図。
図7】本発明の第2実施形態の変形例に係る連動伸縮構造体の平面図。
図8】本発明の第3実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図。
図9】本発明の第3実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図。
図10】本発明の第4実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図。
図11】本発明の第4実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図。
図12】本発明の第5実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図。
図13】本発明の第5実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図。
図14】本発明の第6実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図。
図15】本発明の第6実施形態に係る連動伸縮構造体の正面図。
図16】本発明の第6実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図。
図17】本発明の第7実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図。
図18】本発明の第7実施形態に係る連動伸縮構造体の正面図。
図19】本発明の第7実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図。
図20】連動伸縮構造体の伸縮動作をシミュレートするためのハードウェア構成を例示するブロック図。
図21】連動伸縮構造体の伸縮動作のシミュレーションを説明するためのフローチャート。
図22】連動伸縮構造体の適用例を示す斜視図。
図23】連動伸縮構造体の適用例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一態様に係る連動伸縮構造体は、
2つの剛性部材が互いに回動可能に連結された複数のクロスユニットが列状に連結されることによって伸縮自在に構成された第1伸縮アームと、
2つの剛性部材が互いに回動可能に連結された複数のクロスユニットが列状に連結されることによって伸縮自在に構成された第2伸縮アームと、
前記第1伸縮アーム及び前記第2伸縮アームの間に介在して前記第1伸縮アーム及び前記第2伸縮アームを連結する連結部材と、を備え、
前記連結部材は、
第1部材と、
前記第1部材と回動可能に連結された第2部材と、を備え、
前記第1部材は、
前記第1伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の一方と回動可能に連結される第1一方側連結部と、
前記第2伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の一方と回動可能に連結される第1他方側連結部と、
前記第2部材と回動可能に連結される第1中間連結部と、を備え、
前記第2部材は、
前記第1伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の他方と回動可能に連結される第2一方側連結部と、
前記第2伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の他方と回動可能に連結される第2他方側連結部と、
前記第1中間連結部と回動可能に連結される第2中間連結部と、を備え、
前記第1部材及び前記第2部材の一方が他方に対して回動したときに、前記第2部材の回動軸の周りの周方向における前記第1一方側連結部と前記第2一方側連結部との間の距離の変動率及び変動長さの少なくとも一方は、前記周方向における前記第1他方側連結部と前記第2他方側連結部との間の距離の変動率及び変動長さの少なくとも一方と異なる。
【0011】
この構成によれば、第1部材及び第2部材が相対的に回動したときに、周方向における第1一方側連結部と第2一方側連結部との間の距離の変動率及び変動長さの少なくとも一方は、周方向における第1他方側連結部と第2他方側連結部との間の距離の変動率及び変動長さの少なくとも一方と異なる。そのため、第1伸縮アームの伸縮に連動して、第2伸縮アームに第1伸縮アームとは異なる伸縮をさせることができる。
【0012】
前記連動伸縮構造体において、
前記第2部材の回動軸に沿った軸線方向から見て、前記第1一方側連結部は、前記第1中間連結部と前記第1他方側連結部とを結ぶ仮想線分から外れた位置にあってもよく、
前記第2一方側連結部及び前記第2他方側連結部は、1つの連結部として兼用され、前記第1伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の他方と、前記第2伸縮アームの端部に位置するクロスユニットの2つの剛性部材の他方との双方と回動可能に連結されていてもよい。
【0013】
この構成によれば、第2部材が周方向の一方に回動することによって、第1伸縮アームが伸長し且つ第2伸縮アームが収縮する。一方、第2部材が周方向の他方に回動することによって、第1伸縮アームが収縮し且つ第2伸縮アームが伸長する。つまり、第1伸縮アームの伸縮と第2伸縮アームの伸縮とを逆の動きとすることができる。
【0014】
前記連動伸縮構造体において、
前記第2部材の回動軸に沿った軸線方向から見て、前記第1一方側連結部及び前記第1他方側連結部は、前記第1中間連結部を通る中間仮想線の一方側に位置し、前記第2一方側連結部及び前記第2他方側連結部は、前記中間仮想線の他方側に位置していてもよく、
前記軸線方向から見て、前記第1一方側連結部は、前記第1他方側連結部と前記第1中間連結部と前記第2一方側連結部とを通る第1仮想線に対して前記第2他方側連結部の反対側に位置していてもよく、
前記軸線方向から見て、前記第2一方側連結部は、前記第2他方側連結部と前記第2中間連結部と前記第1一方側連結部とを通る第2仮想線に対して前記第1他方側連結部の反対側に位置していてもよい。
【0015】
この構成によれば、第1一方側連結部と第2一方側連結部とが近づくように、第1部材及び第2部材が相対的に回動すると、第1他方側連結部と第2他方側連結部とは互いに離れる。これにより、第1伸縮アームが伸長し且つ第2伸縮アームが収縮する。一方、第1一方側連結部と第2一方側連結部とが互いに離れるように、第1部材及び第2部材が回動すると、第1他方側連結部と第2他方側連結部とは互いに近づく。これにより、第1伸縮アームが収縮し且つ第2伸縮アームが伸長する。つまり、第1伸縮アームの伸縮と第2伸縮アームの伸縮とを逆の動きとすることができる。
【0016】
前記連動伸縮構造体は、
少なくとも1つの前記第1伸縮アームと、
少なくとも1つの前記第2伸縮アームと、
複数の前記連結部材と、を備えていてもよく、
少なくとも1つの前記第1伸縮アームと少なくとも1つの前記第2伸縮アームとが前記連結部材を介して連結されることによって環状に構成されていてもよい。
【0017】
この構成によれば、第1部材及び第2部材が回動することによって、環状に構成された連動伸縮構造体の姿勢を変えることができる。
【0018】
前記連動伸縮構造体は、
前記第2部材の回動軸に沿った軸線方向から見て、前記第1中間連結部を介して前記第1一方側連結部及び前記第1他方側連結部を結ぶ第1仮想線分と、前記第2中間連結部を介して前記第2一方側連結部及び前記第2他方側連結部を結ぶ第2仮想線分とは、交差していてもよく、
前記軸線方向から見て、前記第1一方側連結部と前記第1中間連結部との距離は、前記第1他方側連結部と前記第1中間連結部との距離より長く、及び/または、前記第2一方側連結部と前記第2中間連結部との距離は、前記第2他方側連結部と前記第2中間連結部との距離より長くてもよい。
【0019】
この構成によれば、第1伸縮アームの伸長に連動して第2伸縮アームは伸長し、第1伸縮アームの収縮に連動して第2伸縮アームは収縮する。ここで、この構成によれば、第1一方側連結部と第2一方側連結部との間の距離を、第1他方側連結部と第2他方側連結部との間の距離より大きくすることができる。これにより、第1伸縮アームの伸縮時の変動率及び変動長さの少なくとも一方を、第2伸縮アームの伸縮時の変動率及び変動長さの少なくとも一方より大きくすることができる。
【0020】
前記連動伸縮構造体において、
前記第2部材の回動軸に沿った軸線方向から見て、前記第1中間連結部を介して前記第1一方側連結部及び前記第1他方側連結部を結ぶ第1仮想線分と、前記第2中間連結部を介して前記第2一方側連結部及び前記第2他方側連結部を結ぶ第2仮想線分とは、交差していてもよく、
前記軸線方向から見て、前記第1仮想線分と前記第2仮想線分との少なくとも一方は、V字状であってもよい。
【0021】
前記連動伸縮構造体において、
前記軸線方向から見て、前記第1仮想線分と前記第2仮想線分との各々はV字状であり、前記第1仮想線分のV字と前記第2仮想線分のV字とは互いに反対を向いていてもよい。
【0022】
これらの構成によれば、第1伸縮アームの伸長に連動して第2伸縮アームは伸長し、第1伸縮アームの収縮に連動して第2伸縮アームは収縮する。ここで、この構成によれば、第1一方側連結部及び第2一方側連結部の間の距離と、第1他方側連結部及び第2他方側連結部の間の距離とを、異なる距離とすることができる。これにより、第1伸縮アームの伸縮時の変動率及び変動長さの少なくとも一方と、第2伸縮アームの伸縮時の変動率及び変動長さの少なくとも一方とを、互いに相違させることができる。
【0023】
前記連動伸縮構造体において、
前記第1部材は、
前記第1一方側連結部を有する第1一方側部材と、
前記第1他方側連結部を有する第1他方側部材と、を備えていてもよく、
前記第1中間連結部は、
前記第1一方側部材に固定された第1一方側ギヤと、
前記第1他方側部材に固定された第1他方側ギヤと、
奇数個の第1中間ギヤと、を備えていてもよく、
前記第2部材は、
前記第2一方側連結部を有する第2一方側部材と、
前記第2他方側連結部を有する第2他方側部材と、を備えていてもよく、
前記第2中間連結部は、
前記第2一方側部材に固定された第2一方側ギヤと、
前記第2他方側部材に固定された第2他方側ギヤと、
奇数個の第2中間ギヤと、を備えていてもよく、
前記第1一方側ギヤ及び前記第1他方側ギヤは、奇数個の前記第1中間ギヤを介して互いに噛合されていてもよく、
前記第2一方側ギヤ及び前記第2他方側ギヤは、奇数個の前記第2中間ギヤを介して互いに噛合されていてもよく、
前記第1一方側ギヤ及び前記第2一方側ギヤは、直接または偶数個のギヤを介して互いに噛合されていてもよく、
前記第1他方側ギヤ及び前記第2他方側ギヤは、直接または偶数個のギヤを介して互いに噛合されていてもよい。
【0024】
この構成によれば、各ギヤがある回転方向に回転したとき、第1一方側連結部及び第2一方側連結部は互いに近づき、第1他方側連結部及び第2他方側連結部は互いに離れる。また、各ギヤが当該ある回転方向と逆方向に回転したとき、第1一方側連結部及び第2一方側連結部は互いに離れ、第1他方側連結部及び第2他方側連結部は互いに近づく。これにより、第1伸縮アームの伸縮と第2伸縮アームの伸縮とを逆の動きとすることができる。
【0025】
また、この構成によれば、第1中間ギヤ及び第2中間ギヤを取り除くまたは偶数個とすることによって、第1伸縮アームの伸縮と第2伸縮アームの伸縮とが同じ種類の動きをするように、連動伸縮構造体の構成が変わる。つまり、この構成によれば、連動伸縮構造体の構成を容易に変えることができる。
【0026】
前記連動伸縮構造体において、
前記第1部材は、
前記第1一方側連結部を有する第1一方側部材と、
前記第1他方側連結部を有する第1他方側部材と、を備えていてもよく、
前記第1中間連結部は、
前記第1一方側部材に固定された第1一方側ギヤと、
前記第1他方側部材に固定された第1他方側ギヤと、を備えていてもよく、
前記第2部材は、
前記第2一方側連結部を有する第2一方側部材と、
前記第2他方側連結部を有する第2他方側部材と、を備えていてもよく、
前記第2中間連結部は、
前記第2一方側部材に固定された第2一方側ギヤと、
前記第2他方側部材に固定された第2他方側ギヤと、を備えていてもよく、
前記第1一方側ギヤ及び前記第2一方側ギヤは、直接または偶数個のギヤを介して互いに噛合されていてもよく、
前記第1一方側ギヤ及び前記第2他方側ギヤは、直接または偶数個のギヤを介して互いに噛合されていてもよく、
前記第1他方側ギヤ及び前記第2一方側ギヤは、直接または偶数個のギヤを介して互いに噛合されていてもよく、
前記第1他方側ギヤ及び前記第2他方側ギヤは、直接または偶数個のギヤを介して互いに噛合されていてもよい。
【0027】
この構成によれば、各ギヤがある回転方向に回転したとき、第1一方側連結部及び第2一方側連結部は互いに近づき、第1他方側連結部及び第2他方側連結部も互いに近づく。また、各ギヤが当該ある回転方向と逆方向に回転したとき、第1一方側連結部及び第2一方側連結部は互いに離れ、第1他方側連結部及び第2他方側連結部も互いに離れる。これにより、第1伸縮アームの伸縮と第2伸縮アームの伸縮とを同じ種類の動きとすることができる。
【0028】
また、この構成によれば、第1一方側ギヤ及び第1他方側ギヤの間と、第2一方側ギヤ及び第2他方側ギヤの間とに奇数個の中間ギヤを新たに介在させることによって、第1伸縮アームの伸縮と第2伸縮アームの伸縮とが逆の動きをするように、連動伸縮構造体の構成が変わる。つまり、この構成によれば、連動伸縮構造体の構成を容易に変えることができる。
【0029】
前記連動伸縮構造体の伸縮動作をシミュレートする本発明の一態様に係るプログラムは、
前記第1伸縮アームの構造に関する第1情報と、前記第2伸縮アームの構造に関する第2情報と、前記連結部材の構造に関する第3情報と、を取得し、
前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報のうちの一部の情報の変化に応じて、変化した情報以外の前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報の変化を算出する処理をコンピュータに実行させる。
【0030】
このプログラムによれば、連動伸縮構造体を疑似的に動作させることができる。よって、連動伸縮構造体の動作を十分に検証して、連動伸縮構造体を製造することができる。
【0031】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図である。
【0032】
図1及び図2に示すように、連動伸縮構造体1は、伸縮アーム2,3と、連結部材4とを備える。伸縮アーム2は、第1伸縮アームの一例である。伸縮アーム3は、第2伸縮アームの一例である。
【0033】
伸縮アーム2は、8つのクロスユニット20を備える。伸縮アーム2が備えるクロスユニット20の数は、8つに限らない。伸縮アーム2は、2~7つのクロスユニット20で構成されていてもよいし、9つ以上のクロスユニット20で構成されていてもよい。つまり、伸縮アーム2は複数のクロスユニット20を備えていればよい。
【0034】
複数のクロスユニット20は、互いに列状に連結されている。第1実施形態では、クロスユニット20Aが、列状に連結された8つのクロスユニット20の一端部に位置し、クロスユニット20Bが、列状に連結された8つのクロスユニット20の他端部に位置している。クロスユニット20A,20Bの間に、6つのクロスユニット20が列状に連結されている。
【0035】
各クロスユニット20は、2つの剛性部材21,22を備える。第1実施形態において、剛性部材21,22は、断面が長方形の棒状の部材、言い換えると棒状の四角柱である。剛性部材21,22は、互いに同形状である。
【0036】
なお、剛性部材21,22の形状は、棒状の四角柱に限らない。例えば、剛性部材21,22は、中空であってもよい。また、例えば、剛性部材21,22の断面は、長方形以外の形状、例えば円形であってもよい。また、剛性部材21,22は、棒状でなくてもよい。例えば、剛性部材21,22は、板状であってもよいし、直方体や球体等の立体的形状であってもよい。また、剛性部材21,22は、互いに異なる形状であってもよい。
【0037】
剛性部材21,22は、樹脂で構成されている。なお、剛性部材21,22は、樹脂に限らない。例えば、剛性部材21,22は、ガラス、磁器、木材、金属等で構成されていてもよい。
【0038】
剛性部材21は、3つの連結部21a,21b,21cを備える。剛性部材22は、3つの連結部22a,22b,22cを備える。第1実施形態では、各連結部21a,21b,21c,22a,22b,22cは、貫通孔である。2つ以上の貫通孔にピン等が貫通されることによって、各連結部21a,21b,21c,22a,22b,22cは、互いに回動可能に連結される。なお、各連結部21a,21b,21c,22a,22b,22cの連結手段は、前述したような貫通孔及びピンによるものに限らず、公知の種々の手段が採用可能である。
【0039】
連結部21a,21bは剛性部材21の両端部に設けられており、連結部22a,22bは剛性部材22の両端部に設けられている。連結部21cは剛性部材21の中央部に設けられており、連結部22cは剛性部材22の中央部に設けられている。なお、各連結部21a,21b,21c,22a,22b,22cの位置は、前記の位置に限らない。例えば、連結部21aが剛性部材21の端部より中央部寄りに設けられていてもよい。
【0040】
連結部21c,22cは、互いに連結されている。これにより、剛性部材21,22は、連結部21c、22cにおいて互いに回動可能に連結されている。連結部21a,21b,22a,22bは、他のクロスユニット20の連結部21a,21b,22a,22b、または、後述する連結部材4の連結部41a,42bに連結されている。
【0041】
第1実施形態では、クロスユニット20Aの連結部21a,22aは、連結部材4の連結部41a,42bに連結されており、クロスユニット20Aの連結部21b,22bは、隣り合うクロスユニット20の連結部21a,22aに連結されている。クロスユニット20Aを除く他のクロスユニット20では、連結部21a,22aは、隣り合う2つのクロスユニット20の一方の連結部21b,22bと連結されており、連結部21b,22bは、隣り合う2つのクロスユニット20の他方の連結部21a,22aと連結されている。なお、クロスユニット20Bの連結部21b,22bは、他のクロスユニット20と連結されていない。
【0042】
以上のように構成された伸縮アーム2は、伸縮自在に構成されている。図1には、伸縮アーム2が収縮した状態が示されている。図2には、伸縮アーム2が伸長した状態が示されている。
【0043】
伸縮アーム3は、8つのクロスユニット30を備える。伸縮アーム2と同様に、伸縮アーム3が備えるクロスユニット20の数は、8つに限らない。
【0044】
複数のクロスユニット30は、互いに列状に連結されている。第1実施形態では、クロスユニット30Aが、列状に連結された8つのクロスユニット30の一端部に位置し、クロスユニット30Bが、列状に連結された8つのクロスユニット30の他端部に位置している。クロスユニット30A,30Bの間に、6つのクロスユニット30が列状に連結されている。
【0045】
各クロスユニット30は、2つの剛性部材31,32を備える。第1実施形態において、剛性部材31,32は、断面が長方形の棒状の部材、言い換えると棒状の四角柱である。剛性部材31,32は、互いに同形状である。なお、剛性部材21,22と同様に、剛性部材31,32の形状は、棒状の四角柱に限らず、棒状でなくてもよく、互いに異なる形状であってもよい。
【0046】
第1実施形態において、剛性部材31,32は、剛性部材21,22と同形状且つ同じ大きさであるが、剛性部材21,22と異なる形状であってもよく、異なる大きさであってもよい。
【0047】
剛性部材31,32は、樹脂で構成されている。なお、剛性部材21,22と同様に、剛性部材31,32は、樹脂に限らない。
【0048】
剛性部材31は、3つの連結部31a,31b,31cを備える。剛性部材32は、3つの連結部32a,32b,32cを備える。第1実施形態では、各連結部31a,31b,31c,32a,32b,32cの他の連結部との連結手段は、各連結部21a,21b,21c,22a,22b,22cと同様に貫通孔及びピンによるものである。なお、連結部31a,31b,31c,32a,32b,32cの連結手段は、貫通孔及びピンによるものに限らず、公知の種々の手段が採用可能である。
【0049】
連結部31a,31bは剛性部材31の両端部に設けられており、連結部32a,32bは剛性部材32の両端部に設けられている。連結部31cは剛性部材31の中央部に設けられており、連結部32cは剛性部材32の中央部に設けられている。なお、各連結部31a,31b,31c,32a,32b,32cの位置は、前記の位置に限らない。
【0050】
連結部31c,32cは、互いに連結されている。これにより、剛性部材31,32は、連結部31c、32cにおいて互いに回動可能に連結されている。連結部31a,31b,32a,32bは、他のクロスユニット30の連結部31a,31b,32a,32b、または、後述する連結部材4の連結部41b,42bに連結されている。
【0051】
第1実施形態では、クロスユニット30Aの連結部31a,32aは、連結部材4の連結部41b,42bに連結されており、クロスユニット30Aの連結部31b,32bは、隣り合うクロスユニット20の連結部31a,32aに連結されている。クロスユニット30Aを除く他のクロスユニット30では、連結部31a,32aは、隣り合う2つのクロスユニット30の一方の連結部31b,32bと連結されており、連結部31b,32bは、隣り合う2つのクロスユニット30の他方の連結部31a,32aと連結されている。なお、クロスユニット30Bの連結部31b,32bは、他のクロスユニット30と連結されていない。
【0052】
以上のように構成された伸縮アーム3は、伸縮自在に構成されている。図1には、伸縮アーム3が伸長した状態が示されている。図2には、伸縮アーム3が収縮した状態が示されている。
【0053】
連結部材4は、伸縮アーム2,3の間に介在して、伸縮アーム2,3を連結している。連結部材4は、伸縮アーム2のクロスユニット20A及び伸縮アーム3のクロスユニット30Aと連結している。
【0054】
連結部材4は、2つの剛性部材41,42を備える。剛性部材41は、第1部材の一例である。剛性部材42は、第2部材の一例である。
【0055】
第1実施形態において、剛性部材41,42は、断面が長方形の棒状の部材、言い換えると棒状の四角柱である。剛性部材41は、屈曲している。剛性部材41は、屈曲しておらず真っすぐ延びている。
【0056】
なお、剛性部材41,42の形状は、図1及び図2に示すような形状に限らない。例えば、剛性部材41,42は、中空であってもよい。また、例えば、剛性部材41,42の断面は、長方形以外の形状、例えば円形であってもよい。また、例えば、剛性部材41は屈曲していなくてもよいし、剛性部材42は屈曲していてもよい。また、剛性部材21,22は、棒状でなくてもよい。例えば、剛性部材41,42は、板状であってもよいし、直方体や球体等の立体的形状であってもよい。また、剛性部材41,42は、互いに同じ形状であってもよい。
【0057】
剛性部材41,42は、樹脂で構成されている。なお、剛性部材41,42は、樹脂に限らない。例えば、剛性部材41,42は、ガラス、磁器、木材、金属等で構成されていてもよい。
【0058】
剛性部材41は、3つの連結部41a,41b,41cを備える。剛性部材42は、2つの連結部42a,42bを備える。第1実施形態では、各連結部41a,41b,41c,42a,42bの他の連結部との連結手段は、各連結部21a,21b,21c,22a,22b,22cと同様に貫通孔及びピンによるものである。なお、連結部41a,41b,41c,42a,42bの連結手段は、貫通孔及びピンによるものに限らず、公知の種々の手段が採用可能である。
【0059】
連結部41a,41bは剛性部材41の両端部に設けられており、連結部42a,42bは剛性部材42の両端部に設けられている。連結部41cは、剛性部材41の中央部に設けられている。具体的には、連結部41cは、剛性部材41の屈曲部に設けられている。なお、各連結部41a,41b,41c,42a,42bの位置は、前記の位置に限らない。例えば、連結部41cは、剛性部材41の屈曲部以外に設けられていてもよい。また、例えば、連結部42bは、剛性部材42の端部より中央部寄りに設けられていてもよい。
【0060】
連結部41c,42aは、互いに連結されている。これにより、剛性部材41,42は、連結部41c、42aにおいて互いに回動可能に連結されている。つまり、連結部41cは剛性部材42と回動可能に連結され、連結部42aは剛性部材41と回動可能に連結される。連結部41cは、第1中間連結部の一例である。連結部42aは、第2中間連結部の一例である。
【0061】
連結部41aは、伸縮アーム2の端部に位置するクロスユニット20Aの2つの剛性部材21,22の一方である剛性部材21の連結部21aと、回動可能に連結されている。これにより、剛性部材41,21は、連結部41a,21aにおいて互いに回動可能に連結されている。連結部41aは、第1一方側連結部の一例である。
【0062】
連結部41bは、伸縮アーム3の端部に位置するクロスユニット30Aの2つの剛性部材31,32の一方である剛性部材31の連結部31aと、回動可能に連結されている。これにより、剛性部材41,31は、連結部41b,31aにおいて互いに回動可能に連結されている。連結部41bは、第1他方側連結部の一例である。
【0063】
連結部42bは、伸縮アーム2の端部に位置するクロスユニット20Aの2つの剛性部材21,22の他方である剛性部材22の連結部22aと、回動可能に連結されている。また、連結部42bは、伸縮アーム3の端部に位置するクロスユニット30Aの2つの剛性部材の他方である剛性部材32の連結部32aと、回動可能に連結されている。これにより、剛性部材41,22,32は、連結部42b,22a,32aにおいて互いに回動可能に連結されている。言い換えると、連結部42bは、剛性部材22,32の双方と回動可能に連結されている。連結部42bは、第2一方側連結部及び第2他方側連結部の一例である。つまり、第1実施形態では、第2一方側連結部及び第2他方側連結部は、1つの連結部42bとして兼用されている。
【0064】
なお、第2一方側連結部及び第2他方側連結部は、異なる連結部であってもよい。このような構成は、第2実施形態において説明される。
【0065】
前述したように、剛性部材41は、屈曲した棒形状である。つまり、剛性部材41は、V字状である。また、前述したように、剛性部材41の連結部41a,41bは剛性部材41の両端部に設けられており、剛性部材41の連結部41cは、剛性部材41の中央部に設けられている。つまり、剛性部材41,42の回動軸に沿った軸線方向(以下、単に軸線方向と記す。)から見て、連結部41aから連結部41cを通って連結部41bに至る仮想線は、V字状である。剛性部材41,42の回動軸は、図1及び図2の紙面に垂直に延びている。つまり、軸線方向は、図1及び図2の紙面に対して垂直な方向である。なお、他図(図15図18、及び図20図23を除く)においても、回動軸の方向及び軸線方向は、図1及び図2と同様に、紙面に対して垂直な方向である。
【0066】
ここで、軸線方向から見て、連結部41aから連結部41cを通って連結部41bに至る仮想線は、V字状でなく、直線状であってもよい。この場合、図1に示すように、軸線方向から見て、連結部41aは、連結部41b,41cを結ぶ仮想線分L1から外れた位置にある。つまり、軸線方向から見て、連結部41aは、仮想線分L1から外れた任意の位置をとり得る。
【0067】
すなわち、前述したように剛性部材41は任意の形状であり得るところ、連結部41a,41b,41cは、前記の条件(軸線方向から見て連結部41aが仮想線分L1から外れた位置にある。)を満たす限りにおいて、剛性部材41における任意の位置に形成され得る。例えば、剛性部材41が板状である場合、板状の剛性部材41における前記の条件を満たす位置に連結部41a,41b,41cが形成される。
【0068】
以上のように構成された連動伸縮構造体1は、図1の状態と図2の状態との間で状態遷移可能である。
【0069】
連動伸縮構造体1が図1に示す状態であるとき、伸縮アーム2は収縮した状態であり、伸縮アーム3は伸長した状態である。図1に示す状態において伸縮アーム2が伸長されると、剛性部材41,42の回動軸の周りの周方向において連結部41a,42b間の距離が短くなり且つ連結部41b,42b間の距離が長くなるように、連結部材4の剛性部材41,42の一方が他方に対して相対的に回動する。これにより、伸縮アーム3が収縮する(図2参照)。同様に、図1に示す状態において伸縮アーム3が収縮されると、連結部材4の剛性部材41,42の一方が他方に対して前記と同様に回動して、伸縮アーム2が伸長する(図2参照)。
【0070】
連動伸縮構造体1が図2に示す状態であるとき、伸縮アーム2は伸長した状態であり、伸縮アーム3は収縮した状態である。図2に示す状態において伸縮アーム2が収縮されると、剛性部材41,42の回動軸の周りの周方向において連結部41a,42b間の距離が長くなり且つ連結部41b,42b間の距離が短くなるように、連結部材4の剛性部材41,42の一方が他方に対して相対的に回動する。これにより、伸縮アーム3が伸長する(図1参照)。同様に、図2に示す状態において伸縮アーム3が伸長されると、連結部材4の剛性部材41,42の一方が他方に対して前記と同様に回動して、伸縮アーム2が収縮する(図1参照)。
【0071】
第1実施形態の連動伸縮構造体1では、剛性部材41,42が回動したときに、剛性部材41,42の回動軸の周りの周方向における連結部41a,42bの間の距離の第1変動率は、前記周方向における連結部41b,42bの間の距離の第2変動率と異なる。伸縮アーム2の伸長に連動して伸縮アーム3が収縮するとき、第1変動率は1より小さく第2変動率は1より大きい。伸縮アーム2の収縮に連動して伸縮アーム3が伸長するとき第1変動率は1より大きく第2変動率は1より小さい。第1実施形態の連動伸縮構造体1では、伸縮アーム2の伸縮と伸縮アーム3の伸縮とは、反比例している。
【0072】
なお、第1実施形態の連動伸縮構造体1において、剛性部材41,42が回動したときに、剛性部材41,42の回動軸の周りの周方向における連結部41a,42bの間の距離の変動長さが、前記周方向における連結部41b,42bの間の距離の変動長さと異なっていてもよい。変動率及び変動長さの双方が異なっていてもよいし、変動率及び変動長さの一方のみが異なっていてもよい。
【0073】
第1実施形態によれば、剛性部材41,42が相対的に回動したときに、周方向における連結部41a,42bの間の距離の変動率は、周方向における連結部41b,42bの距離の変動率と異なる。そのため、伸縮アーム2の伸縮に連動して、伸縮アーム3に伸縮アーム2とは異なる伸縮をさせることができる。
【0074】
第1実施形態によれば、剛性部材42が周方向の一方に回動することによって、伸縮アーム2が伸長し且つ伸縮アーム3が収縮する。一方、剛性部材42が周方向の他方に回動することによって、伸縮アーム2が収縮し且つ伸縮アーム3が伸長する。つまり、伸縮アーム2の伸縮と伸縮アーム3の伸縮とを逆の動きとすることができる。
【0075】
図3は、本発明の第1実施形態の変形例に係る連動伸縮構造体の平面図である。図1に示す構成では、伸縮アーム2と伸縮アーム3とがなす角θは108度である。しかし、伸縮アーム2と伸縮アーム3とがなす角は108度に限らない。例えば、図3に示すように、伸縮アーム2と伸縮アーム3とがなす角θが60度であってもよい。
【0076】
図4は、本発明の第1実施形態の変形例に係る連動伸縮構造体の平面図である。図4に示すように、連結部材4は、クロスユニット20,30と同構成であってもよい。詳細には、剛性部材41,42は、剛性部材21,22と同構成であってもよく、剛性部材31,32と同構成であってもよい。なお、図4に示す構成では、伸縮アーム2と伸縮アーム3とがなす角θは90度である。
【0077】
第1実施形態及び後述する各実施形態において、連結部材4は、バイメタルを含んでいてもよい。バイメタルは、温度、湿度、水分量、遠赤外線、または放射線により変形するものであり、熱膨張率が異なる2種類の素材が接合されることによって構成されている。例えば、連結部材4の剛性部材41がバイメタルを含んでいてもよい。この場合、例えば温度が上昇することによって、剛性部材41が撓む。これにより、連結部41a,42b間の距離及び連結部41b,42b間の距離が変化する。その結果、伸縮アーム2,3が伸縮する。つまり、連結部材4がバイメタルを含む場合、温度等の変化によって、連動伸縮構造体1が状態遷移可能である。
【0078】
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図である。図6は、本発明の第2実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図である。第2実施形態に係る連動伸縮構造体1Aが第1実施形態に係る連動伸縮構造体1と異なることは、連結部材4の代わりに連結部材4Aを備えることである。以下、第1実施形態との相違点が説明される。第1実施形態に係る連動伸縮構造体1との共通点については、同一の符号が付された上で、その説明は原則省略され、必要に応じて説明される。
【0079】
図5及び図6に示すように、連動伸縮構造体1Aは、連結部材4Aを備える。連結部材4Aの剛性部材41は、連結部材4の剛性部材41(図1及び図2参照)と同様に、屈曲した棒形状(V字状)である。また、連結部材4Aの剛性部材41では、連結部材4の剛性部材41と同様に、軸線方向から見て、連結部41aから連結部41cを通って連結部41bに至る仮想線は、V字状である。なお、連結部材4Aの剛性部材41における屈曲部分及び当該仮想線の角度は、連結部材4の剛性部材41の当該角度と異なっているが、当該角度は同じであってもよい。
【0080】
連結部材4Aにおいて、剛性部材42は、剛性部材41と同様に、屈曲した棒形状(V字状)である。また、剛性部材42は、剛性部材41と同様に任意の形状であり得る。もちろん、剛性部材41も、第1実施形態と同様に任意の形状であり得る。例えば、図5において、剛性部材41,42の屈曲角度は略90度であるが、剛性部材41,42の屈曲角度は90度に限らず、任意の角度であり得る。なお、剛性部材41,42の屈曲角度は、45度~100度が好ましい。また、剛性部材41の屈曲角度は、剛性部材42の屈曲角度と同一であってもよいし、異なっていてもよい。剛性部材41,42の形状、例えば前記の屈曲角度が任意であることは、第1実施形態及び第2実施形態以外の他の実施形態にも当てはまる。
【0081】
剛性部材42は、3つの連結部42a,42b,42cを備える。各連結部42a,42b,42cの他の連結部との連結手段は、第1実施形態と同様に貫通孔及びピンによるものであるが、これに限らない。例えば、図5に破線で示すように、連結部41c,42cの各々がギヤであってもよい。この場合、連結部41cを構成するギヤは、剛性部材41と一体形成または剛性部材41に固定されており、連結部42cを構成するギヤは、剛性部材42と一体形成または剛性部材42に固定されている。また、連結部41cを構成するギヤと、連結部42cを構成するギヤとは、互いに噛合されている。剛性部材41,42は、これらのギヤを介して連結されている。なお、他の実施形態において、このようなギヤを介した連結が採用されてもよい。
【0082】
連結部材4の連結部41a,41b,41cと同様に、連結部材4Aの連結部42a,42bは剛性部材42の両端部に設けられており、連結部材4Aの連結部42cは、剛性部材41の中央部に設けられている。つまり、軸線方向から見て、連結部42aから連結部42cを通って連結部42bに至る仮想線は、V字状である。なお、連結部材4の連結部41a,41b,41cと同様に、連結部材4Aの各連結部42a,42b,42cの位置は、前記の位置に限らない。
【0083】
連結部42cは、剛性部材41の連結部41cと互いに連結されている。これにより、剛性部材41,42は、連結部41c、42cにおいて互いに回動可能に連結されている。第2実施形態において、連結部42cは、第2中間連結部に相当する。
【0084】
連結部42aは、伸縮アーム2の端部に位置するクロスユニット20Aの2つの剛性部材21,22の他方である剛性部材22の連結部22aと、回動可能に連結されている。これにより、剛性部材42,22は、連結部42a,22aにおいて互いに回動可能に連結されている。第2実施形態において、連結部42aは、第2一方側連結部に相当する。
【0085】
連結部42bは、伸縮アーム3の端部に位置するクロスユニット30Aの2つの剛性部材31,32の他方である剛性部材32の連結部32aと、回動可能に連結されている。これにより、剛性部材42,32は、連結部42b,32aにおいて互いに回動可能に連結されている。第2実施形態において、連結部42bは、第2他方側連結部に相当する。
【0086】
軸線方向から見て、剛性部材41の連結部41a,41b及び剛性部材42の連結部42a,42bは、以下に説明するような位置関係である。
【0087】
図5に示すように、軸線方向から見て、連結部41a,41bは、連結部41cを通る仮想線L2の一方側に位置し、連結部42a,42bは、仮想線L2の他方側に位置する。仮想線L2は、図5に一点鎖線で示されており、中間仮想線の一例である。つまり、連結部41aから連結部41cを通って連結部41bに至る仮想線と、連結部42aから連結部42cを通って連結部42bに至る仮想線とは、連結部41c,42cで接触するのみで、互いに交差していない。
【0088】
また、連結部41aは、連結部41b,41c,42aを通る仮想線L3に対して連結部42bの反対側に位置する。また、連結部42aは、連結部42b,42c,41aを通る仮想線L4に対して連結部41bの反対側に位置する。仮想線L3は、図5に一点鎖線で示されており、第1仮想線の一例である。仮想線L4は、図5に破線で示されており、第2仮想線の一例である。
【0089】
以上のように構成された連動伸縮構造体1Aは、図5の状態と図6の状態との間で状態遷移可能である。図5の状態と図6の状態との間での状態遷移は、第1実施形態における図1の状態と図2の状態との間での状態遷移と同様である。
【0090】
つまり、連結部材4Aの剛性部材41,42が回動することによって、伸縮アーム2,3は互いに連動して伸縮する。詳細には、伸縮アーム2の伸長に連動して伸縮アーム3が収縮する。また、伸縮アーム2の収縮に連動して伸縮アーム3が伸長する。また、伸縮アーム3の伸長に連動して伸縮アーム2が収縮する。また、伸縮アーム3の収縮に連動して伸縮アーム2が伸長する。
【0091】
第1実施形態の連動伸縮構造体1と同様に、連動伸縮構造体1Aでは、剛性部材41,42が回動したときに、剛性部材41,42の回動軸の周りの周方向における連結部41a,42aの間の距離の変動率は、前記周方向における連結部41b,42bの間の距離の変動率と異なる。また、第1実施形態の連動伸縮構造体1と同様に、連動伸縮構造体1Aでは、伸縮アーム2の伸縮と伸縮アーム3の伸縮とは、反比例している。また、第2実施形態の連動伸縮構造体1Aにおいて、前記周方向における連結部41a,42aの間の距離の変動長さが、前記周方向における連結部41b,42bの間の距離の変動長さと異なっていてもよいことも、第1実施形態の連動伸縮構造体1と同様である。
【0092】
第2実施形態によれば、連結部41a,42aが近づくように、剛性部材41,42が相対的に回動すると、連結部41b,42bは互いに離れる。これにより、伸縮アーム2が伸長し且つ伸縮アーム3が収縮する。一方、連結部41a,42aが互いに離れるように、剛性部材41,42が回動すると、連結部41b,42bは互いに近づく。これにより、伸縮アーム2が収縮し且つ伸縮アーム3が伸長する。つまり、伸縮アーム2の伸縮と伸縮アーム3の伸縮とを逆の動きとすることができる。
【0093】
図7は、本発明の第2実施形態の変形例に係る連動伸縮構造体の平面図である。前述したように、伸縮アーム2のクロスユニット20の剛性部材21,22の形状、伸縮アーム3のクロスユニット30の剛性部材31,32の形状、及び連結部材4,4Aの剛性部材41,42の形状は、任意である。よって、図7に示すように、軸線方向から見て、剛性部材21,22,31,32,41,42が湾曲した形状であってもよい。なお、第2実施形態以外の実施形態においても、連動伸縮構造体が備える剛性部材が湾曲した形状であってもよいことは、言うまでもない。
【0094】
<第3実施形態>
図8は、本発明の第3実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図である。図9は、本発明の第3実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図である。第3実施形態に係る連動伸縮構造体1Bが第1実施形態に係る連動伸縮構造体1と異なることは、連動伸縮構造体1Bが環状に構成されていることである。以下、第1実施形態との相違点が説明される。第1実施形態に係る連動伸縮構造体1との共通点については、同一の符号が付された上で、その説明は原則省略され、必要に応じて説明される。
【0095】
図8に示すように、連動伸縮構造体1Bは、3つの伸縮アーム2と、3つの伸縮アーム3と、6つの連結部材4とを備える。3つの伸縮アーム2と3つの伸縮アーム3とが連結部材4を介して交互に連結されている。これにより、連動伸縮構造体1Bは、環状に構成されている。
【0096】
連動伸縮構造体1Bは、図8の状態と図9の状態との間で状態遷移可能である。
【0097】
連動伸縮構造体1Bが図8に示す状態であるとき、伸縮アーム2は伸長した状態であり、伸縮アーム3は収縮した状態である。図8に示す状態において伸縮アーム2が収縮されると、伸縮アーム3が伸長する(図9参照)。同様に、図8に示す状態において伸縮アーム3が伸長されると、伸縮アーム2が収縮する(図9参照)。
【0098】
連動伸縮構造体1Bが図9に示す状態であるとき、伸縮アーム2は収縮した状態であり、伸縮アーム3は伸長した状態である。図9に示す状態において伸縮アーム2が伸長されると、伸縮アーム3が収縮する(図8参照)。同様に、図9に示す状態において伸縮アーム3が収縮されると、伸縮アーム2が伸長する(図8参照)。
【0099】
第3実施形態によれば、剛性部材41,42が回動することによって、環状に構成された連動伸縮構造体1Bの姿勢を変えることができる。
【0100】
伸縮アーム2,3及び連結部材4Aの数は、前記の数に限らない。例えば、連動伸縮構造体1Bは、4つの伸縮アーム2と、4つの伸縮アーム3と、8つの連結部材4とを備えていてもよい。また、例えば、連動伸縮構造体1Bは、1つの伸縮アーム2と、1つの伸縮アーム3と、2つの連結部材4とを備えていてもよい。つまり、連動伸縮構造体1Bは、少なくとも1つの伸縮アーム2と、少なくとも1つの伸縮アーム3と、複数の連結部材4とを備えている。
【0101】
図8及び図9では、連動伸縮構造体1Bは、連結部材4を備えているが、連結部材4の代わりに、連結部材4Aまたは後述する連結部材4B~4Fを備えていてもよい。また、連動伸縮構造体1Bは、複数種類の連結部材を備えていてもよい。例えば、複数の連結部材の一部が連結部材4Aで、残りが連結部材4であってもよい。
【0102】
第3実施形態では、複数の伸縮アーム2,3が連結部材を介して互いに連結されることによって、環状となっている構成が説明された。しかし、連動伸縮構造体は、複数の伸縮アーム2,3が連結部材を介して互いに連結されることによって、環状以外の様々な形状となり得る。
【0103】
<第4実施形態>
図10は、本発明の第4実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図である。図11は、本発明の第4実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図である。第4実施形態に係る連動伸縮構造体1Cが第2実施形態に係る連動伸縮構造体1Aと異なることは、連結部材4Aの代わりに連結部材4Cを備えることである。以下、第2実施形態との相違点が説明される。第2実施形態に係る連動伸縮構造体1Aとの共通点については、同一の符号が付された上で、その説明は原則省略され、必要に応じて説明される。
【0104】
図10及び図11に示すように、連動伸縮構造体1Cは、連結部材4Cを備える。以下に説明するように、連結部材4Cは、クロスユニット20,30と概ね同構成である。
【0105】
連結部材4Cの剛性部材41,42は、クロスユニット20,30の剛性部材21,22,31,32と同様に、棒状の四角柱である。なお、剛性部材41,42は、剛性部材21,22,31,32と同様に、棒状の四角柱以外の形状であってもよい。
【0106】
第2実施形態の連結部材4Aと同様に、連結部材4Cにおいて、剛性部材41は連結部41a,41b,41cを備え、剛性部材42は連結部42a,42b,42cを備える。
【0107】
クロスユニット20,30の連結部21a,21b,21c,22a,22b,22cと同様に、連結部材4Cにおいて、連結部41a,41bは剛性部材41の両端部に設けられており、連結部41cは、剛性部材41の中央部に設けられている。同様に、連結部材4Cにおいて、連結部42a,42bは剛性部材42の両端部に設けられており、連結部42cは、剛性部材42の中央部に設けられている。なお、第4実施形態において、クロスユニット20は、クロスユニット30と異なる大きさであるが、クロスユニット30と同じ大きさであってもよい。また、第4実施形態において、クロスユニット20は、クロスユニット30と同形状であるが、クロスユニット30と異なる形状であってもよい。
【0108】
連結部41c,42cは、互いに連結されている。これにより、剛性部材41,42は、連結部41c、42cにおいて互いに回動可能に連結されている。第4実施形態において、連結部41cは第1中間連結部に相当し、連結部42cは第2中間連結部に相当する。
【0109】
連結部41aは、伸縮アーム2の端部に位置するクロスユニット20Aの2つの剛性部材21,22の一方である剛性部材21の連結部21aと、回動可能に連結されている。これにより、剛性部材41,21は、連結部41a,21aにおいて互いに回動可能に連結されている。第4実施形態において、連結部41aは、第1一方側連結部に相当する。
【0110】
連結部41bは、伸縮アーム3の端部に位置するクロスユニット30Aの2つの剛性部材31,32の一方である剛性部材32の連結部32aと、回動可能に連結されている。これにより、剛性部材41,32は、連結部41b,32aにおいて互いに回動可能に連結されている。第4実施形態において、連結部41bは、第1他方側連結部に相当する。
【0111】
連結部42aは、伸縮アーム2の端部に位置するクロスユニット20Aの2つの剛性部材21,22の他方である剛性部材22の連結部22aと、回動可能に連結されている。これにより、剛性部材42,22は、連結部42a,22aにおいて互いに回動可能に連結されている。第4実施形態において、連結部42aは、第2一方側連結部に相当する。
【0112】
連結部42bは、伸縮アーム3の端部に位置するクロスユニット30Aの2つの剛性部材31,32の他方である剛性部材31の連結部31aと、回動可能に連結されている。これにより、剛性部材42,31は、連結部42b,31aにおいて互いに回動可能に連結されている。第4実施形態において、連結部42bは、第2他方側連結部に相当する。
【0113】
図10に示すように、軸線方向から見て、連結部41cを介して連結部41a,41bを結ぶ第1仮想線分L5と、連結部42cを介して連結部42a,42bを結ぶ第2仮想線分L6とは交差している。
【0114】
また、軸線方向から見て、連結部41aと連結部41cとの距離D1は、連結部41bと連結部41cとの距離D2より長く、且つ、連結部42aと連結部42cとの距離D3は、連結部42bと連結部42cとの距離D4より長い。
【0115】
伸縮アーム2,3のクロスユニット20,30の各連結部の間の距離は、連結部材4Cにおける連結部41a,42aの間の距離と、連結部41b,42bの間の距離とに応じて設定され得る。図10及び図11に示す構成では、連結部41a,42aの間の距離が、連結部41b,42bの間の距離より長いことに応じて、クロスユニット20の各連結部の間の距離が、クロスユニット30の各連結部の間の距離より長くされている。これにより、剛性部材41,42が回動したときに、剛性部材41,42の回動軸の周りの周方向における連結部41a,42aの間の距離の変動長さは、前記周方向における連結部41b,42bの間の距離の変動長さより長くなる。第4実施形態の連動伸縮構造体1Cでは、伸縮アーム2の伸縮と伸縮アーム3の伸縮とは、正比例している。
【0116】
以上のように構成された連動伸縮構造体1Cは、図10の状態と図11の状態との間で状態遷移可能である。
【0117】
連動伸縮構造体1Cが図10に示す状態であるとき、伸縮アーム2,3は伸長した状態である。図10に示す状態において伸縮アーム2,3の一方が収縮されると、剛性部材41,42の回動軸の周りの周方向において連結部41a,42a間の距離が長くなり且つ連結部41b,42b間の距離が長くなるように、剛性部材41,42の少なくとも一方が回動する。これにより、伸縮アーム2,3の他方が収縮する(図11参照)。
【0118】
連動伸縮構造体1Cが図11に示す状態であるとき、伸縮アーム2,3は収縮した状態である。図11に示す状態において伸縮アーム2,3の一方が伸長されると、剛性部材41,42の回動軸の周りの周方向において連結部41a,42a間の距離が短くなり且つ連結部41b,42b間の距離が短くなるように、剛性部材41,42の少なくとも一方が回動する。これにより、伸縮アーム2,3の他方が伸長する(図10参照)。
【0119】
前述したように、第4実施形態の連動伸縮構造体1Cでは、剛性部材41,42が回動したときに、剛性部材41,42の回動軸の周りの周方向における連結部41a,42aの間の距離の変動長さは、前記周方向における連結部41b,42bの間の距離の変動長さより長い。
【0120】
なお、図10に示す構成では、距離D1が距離D2より長く且つ距離D3が距離D4より長いが、距離D1が距離D2より長く且つ距離D3が距離D4以下であってもよいし、距離D3が距離D4より長く且つ距離D1が距離D2以下であってもよい。但し、距離D1,D2,D3,D4の相対的な長短にかかわらず、以下の条件を満たす。つまり、剛性部材41,42が回動したときに、剛性部材41,42の回動軸の周りの周方向における連結部41a,42aの間の距離の変動率及び変動長さの少なくとも一方が、前記周方向における連結部41b,42bの間の距離の変動率及び変動長さの少なくとも一方と異なっている。
【0121】
第4実施形態では、軸線方向から見て、連結部41a,41b,41cは一直線上にあり、連結部42a,42b,42cは一直線上にある。しかし、連結部41a,41b,41cは一直線上になくてもよく、連結部42a,42b,42cは一直線上になくてもよい。このような例は、第5実施形態において説明される。
【0122】
第4実施形態によれば、伸縮アーム2の伸長に連動して伸縮アーム3は伸長し、伸縮アーム2の収縮に連動して伸縮アーム3は収縮する。ここで、第4実施形態によれば、連結部41a,42aの間の距離を、連結部41b,42bの間の距離より大きくすることができる。これにより、伸縮アーム2の伸縮時の変動長さを、伸縮アーム3の伸縮時の変動長さより大きくすることができる。
【0123】
<第5実施形態>
図12は、本発明の第5実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図である。図13は、本発明の第5実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図である。第5実施形態に係る連動伸縮構造体1Dが第4実施形態に係る連動伸縮構造体1Cと異なることは、連結部材4Cの代わりに連結部材4Dを備えることである。以下、第4実施形態との相違点が説明される。第4実施形態に係る連動伸縮構造体1Cとの共通点については、同一の符号が付された上で、その説明は原則省略され、必要に応じて説明される。
【0124】
図12及び図13に示すように、連動伸縮構造体1Dは、連結部材4Dを備える。連結部材4Dは、連結部材4Cと概ね同構成であるが、以下の点において相違する。
【0125】
連結部材4Dの剛性部材41,42は、屈曲している。なお、前述した実施形態と同様に、剛性部材41,42の形状は、図12及び図13に示す形状に限らない。
【0126】
軸線方向から見て、連結部41cを介して連結部41a,41bを結ぶ第1仮想線分L7と、連結部42cを介して連結部42a,42bを結ぶ第2仮想線分L8とは交差している。この点、第1仮想線分L5と第2仮想線分L6とが交差している第4実施形態と同様である。しかし、第5実施形態では、軸線方向から見て、第1仮想線分L7及び第2仮想線分L8はV字状である点において、連動伸縮構造体1Dは連動伸縮構造体1Cと相違する。
【0127】
軸線方向から見て、第1仮想線分L7のV字と、第2仮想線分L8のV字とは、互いに反対を向いている。これにより、軸線方向から見て、連結部41a,42aが互いに近づく一方、連結部41b,42bが互いに遠ざかっている。その結果、軸線方向から見て、連結部41a,42aの間の距離が、連結部42b,42bの間の距離より短くなっている。
【0128】
以上のように構成された連動伸縮構造体1Dは、図12の状態と図13の状態との間で状態遷移可能である。図12の状態と図13の状態との間での状態遷移は、第4実施形態における図10の状態と図11の状態との間での状態遷移と同様である。
【0129】
つまり、連結部材4Dの剛性部材41,42が回動することによって、伸縮アーム2,3は互いに連動して伸縮する。詳細には、伸縮アーム2の伸長に連動して伸縮アーム3が伸長する。また、伸縮アーム2の収縮に連動して伸縮アーム3が収縮する。また、伸縮アーム3の伸長に連動して伸縮アーム2が伸長する。また、伸縮アーム3の収縮に連動して伸縮アーム2が収縮する。
【0130】
第4実施形態の連動伸縮構造体1Cと同様に、連動伸縮構造体1Dでは、剛性部材41,42が回動したときに、剛性部材41,42の回動軸の周りの周方向における連結部41a,42aの間の距離の変動長さは、前記周方向における連結部41b,42bの間の距離の変動長さと異なる。第5実施形態の連動伸縮構造体1Dにおいて、前記周方向における連結部41a,42aの間の距離の変動長さ及び変動率が、前記周方向における連結部41b,42bの間の距離の変動長さ及び変動率と異なっているが、変動長さ及び変動率の一方のみが異なっていてもよい。第4実施形態の連動伸縮構造体1Cと同様に、連動伸縮構造体1Dでは、伸縮アーム2の伸縮と伸縮アーム3の伸縮とは、正比例している。
【0131】
第5実施形態では、軸線方向から見て、第1仮想線分L7及び第2仮想線分L8の双方がV字状であったが、第1仮想線分L7及び第2仮想線分L8の一方のみがV字状であってもよい。この場合であっても、軸線方向から見て、連結部41a,42aの間の距離を、連結部42b,42bの間の距離より短くまたは長くすることができる。
【0132】
第5実施形態では、軸線方向から見て、連結部41aと連結部41cとの距離は、連結部41bと連結部41cとの距離と同じであり、連結部42aと連結部42cとの距離は、連結部42bと連結部42cとの距離と同じである。しかし、第4実施形態に係る連動伸縮構造体1Cと同様に、これらの距離が異なっていてもよい。
【0133】
第5実施形態によれば、伸縮アーム2の伸長に連動して伸縮アーム3は伸長し、伸縮アーム2の収縮に連動して伸縮アーム3は収縮する。ここで、第5実施形態によれば、連結部41a,42aの間の距離と、連結部41b,42bの間の距離とを、異なる距離とすることができる。これにより、伸縮アーム2の伸縮時の変動長さと、伸縮アーム3の伸縮時の変動長さとを、互いに相違させることができる。
【0134】
<第6実施形態>
図14は、本発明の第6実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図である。図15は、本発明の第6実施形態に係る連動伸縮構造体の正面図である。図16は、本発明の第6実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図である。
【0135】
第6実施形態に係る連動伸縮構造体1Eが第5実施形態に係る連動伸縮構造体1Dと異なることは、連結部材4Dの代わりに連結部材4Eを備えることである。以下、第5実施形態との相違点が説明される。第5実施形態に係る連動伸縮構造体1Dとの共通点については、同一の符号が付された上で、その説明は原則省略され、必要に応じて説明される。
【0136】
図14に示すように、連動伸縮構造体1Eは、連結部材4Eを備える。
【0137】
連結部材4Eの剛性部材41は、一方側部材411と、他方側部材412とを備える。一方側部材411は、第1一方側部材の一例である。他方側部材412は、第1他方側部材の一例である。一方側部材411は、連結部41aを有する。他方側部材412は、連結部41bを有する。連結部41a,41bは、第5実施形態の連動伸縮構造体1Dと同様にして、クロスユニット20A,30Aの連結部21a,32aと回動可能に連結されている。
【0138】
一方側部材411には、ギヤ411Aが固定されている。ギヤ411Aは、第1一方側ギヤの一例である。他方側部材412には、ギヤ412Aが固定されている。ギヤ412Aは、第1他方側ギヤの一例である。連結部41cは、ギヤ411A,412Aを備える。つまり、連結部41cは、一方側部材411及び他方側部材412の双方に設けられている。
【0139】
連結部材4Eの剛性部材42は、一方側部材421と、他方側部材422とを備える。一方側部材421は、第2一方側部材の一例である。他方側部材422は、第2他方側部材の一例である。一方側部材421は、連結部42aを有する。他方側部材422は、連結部42bを有する。連結部42a,42bは、第5実施形態の連動伸縮構造体1Dと同様にして、クロスユニット20A,30Aの連結部22a,31aと回動可能に連結されている。
【0140】
一方側部材421には、ギヤ421Aが固定されている。ギヤ421Aは、第2一方側ギヤの一例である。他方側部材422には、ギヤ422Aが固定されている。ギヤ422Aは、第2他方側ギヤの一例である。連結部42cは、ギヤ421A,422Aを備える。つまり、連結部42cは、一方側部材421及び他方側部材422の双方に設けられている。
【0141】
図15に示すように、ギヤ411A,412A,421A,422Aは、固定ピン6によって板部材5に回動可能に支持されている。なお、ギヤ411A,412A,421A,422Aを支持するための構成は、固定ピン6及び板部材5の構成に限らず、公知の種々の構成が採用可能である。
【0142】
図14に示すように、ギヤ411A,421Aは互いに噛合されており、ギヤ411A,422Aは互いに噛合されている。また、ギヤ412A,421Aは互いに噛合されており、ギヤ412A,422Aは互いに噛合されている。これにより、ギヤ411A,412A,421A,422Aが回転することによって、連結部材4Eの剛性部材41,42は、連結部材4Dの剛性部材41,42と同様に動作する。
【0143】
以上のように構成された連動伸縮構造体1Eは、図14の状態と図16の状態との間で状態遷移可能である。図14の状態と図16の状態との間での状態遷移は、第5実施形態における図13の状態と図12の状態との間での状態遷移と同様である。
【0144】
図14に示す構成では、各ギヤ411A,412A,421A,422Aは、直接噛合されている。しかし、各ギヤ411A,412A,421A,422Aの間に、偶数個のギヤが介在されていてもよい。詳細には、ギヤ411A,421Aは偶数個のギヤを介して互いに噛合されており、ギヤ411A,422Aは偶数個のギヤを介して互いに噛合されていてもよい。また、ギヤ412A,421Aは偶数個のギヤを互いに噛合されており、ギヤ412A,422Aは偶数個のギヤを互いに噛合されていてもよい。なお、前記の「直接噛合されている」とは、「0個(偶数個)のギヤを介して互いに噛合されている」との意味にも捉えられる。
【0145】
第6実施形態によれば、各ギヤ411A,412A,421A,422Aがある回転方向に回転したとき、連結部41a,42aは互いに近づき、連結部41b,42bも互いに近づく。また、各ギヤ411A,412A,421A,422Aが当該ある回転方向と逆方向に回転したとき、連結部41a,42aは互いに離れ、41b,42bも互いに離れる。これにより、伸縮アーム2の伸縮と伸縮アーム3の伸縮とを同じ種類の動きとすることができる。
【0146】
また、第6実施形態によれば、ギヤ411A,412Aの間と、ギヤ421A,422Aの間とに奇数個の中間ギヤを新たに介在させることによって、伸縮アーム2の伸縮と伸縮アーム3の伸縮とが逆の動きをするように、連動伸縮構造体1Eの構成を後述する第7実施形態の連動伸縮構造体1Fと同様の構成に変えることができる。つまり、第6実施形態によれば、連動伸縮構造体1Eの構成を容易に変えることができる。
【0147】
<第7実施形態>
図17は、本発明の第7実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図である。図18は、本発明の第7実施形態に係る連動伸縮構造体の正面図である。図19は、本発明の第7実施形態に係る連動伸縮構造体の平面図である。
【0148】
第7実施形態に係る連動伸縮構造体1Fが第2実施形態に係る連動伸縮構造体1Aと異なることは、連結部材4Aの代わりに連結部材4Fを備えることである。以下、第2実施形態との相違点が説明される。第2実施形態に係る連動伸縮構造体1Aとの共通点については、同一の符号が付された上で、その説明は原則省略され、必要に応じて説明される。
【0149】
図17に示すように、連動伸縮構造体1Fは、連結部材4Fを備える。
【0150】
連結部材4Fの剛性部材41は、一方側部材411と、他方側部材412とを備える。一方側部材411は、第1一方側部材の一例である。他方側部材412は、第1他方側部材の一例である。一方側部材411は、連結部41aを有する。他方側部材412は、連結部41bを有する。連結部41a,41bは、第2実施形態の連動伸縮構造体1Aと同様にして、クロスユニット20A,30Aの連結部21a,31aと回動可能に連結されている。
【0151】
一方側部材411には、ギヤ411Aが固定されている。ギヤ411Aは、第1一方側ギヤの一例である。他方側部材412には、ギヤ412Aが固定されている。ギヤ412Aは、第1他方側ギヤの一例である。連結部41cは、ギヤ411A,412Aを備える。つまり、連結部41cは、一方側部材411及び他方側部材412の双方に設けられている。また、連結部41cは、ギヤ41Aを更に備えている。ギヤ41Aは、第1中間ギヤの一例である。
【0152】
連結部材4Fの剛性部材42は、一方側部材421と、他方側部材422とを備える。一方側部材421は、第2一方側部材の一例である。他方側部材422は、第2他方側部材の一例である。一方側部材421は、連結部42aを有する。他方側部材422は、連結部42bを有する。連結部42a,42bは、第2実施形態の連動伸縮構造体1Aと同様にして、クロスユニット20A,30Aの連結部22a,32aと回動可能に連結されている。
【0153】
一方側部材421には、ギヤ421Aが固定されている。ギヤ421Aは、第2一方側ギヤの一例である。他方側部材422には、ギヤ422Aが固定されている。ギヤ422Aは、第2他方側ギヤの一例である。連結部42cは、ギヤ421A,422Aを備える。つまり、連結部42cは、一方側部材421及び他方側部材422の双方に設けられている。また、連結部42cは、ギヤ42Aを更に備えている。ギヤ42Aは、第2中間ギヤの一例である。
【0154】
図18に示すように、ギヤ411A,412A,41A,421A,422A,42Aは、固定ピン6によって板部材5に回動可能に支持されている。なお、ギヤ411A,412A,41A,421A,422A,42Aを支持するための構成は、固定ピン6及び板部材5の構成に限らず、公知の種々の構成が採用可能である。
【0155】
図17に示すように、ギヤ411A,412Aはギヤ41Aを介して互いに噛合されており、ギヤ421A,422Aはギヤ42Aを介して互いに噛合されている。また、ギヤ411A,421Aは互いに噛合されており、ギヤ412A,422Aは互いに噛合されている。これにより、ギヤ411A,412A,41A,421A,422A,42Aが回転することによって、連結部材4Fの剛性部材41,42は、連結部材4Aの剛性部材41,42と同様に動作する。
【0156】
以上のように構成された連動伸縮構造体1Fは、図17の状態と図19の状態との間で状態遷移可能である。図17の状態と図19の状態との間での状態遷移は、第2実施形態における図6の状態と図5の状態との間での状態遷移と同様である。
【0157】
図17に示す構成では、ギヤ411A,412Aは1個のギヤ41Aを介して噛合されており、ギヤ421A,422Aは1個のギヤ42Aを介して互いに噛合されている。しかし、ギヤ411A,412Aの間及びギヤ421A,422Aの間に介在されるギヤの数は、奇数個であればよく1個に限らない。
【0158】
また、図17に示す構成では、ギヤ411A,421Aは直接噛合されており、ギヤ412A,422Aは直接噛合されている。しかし、ギヤ411A,421Aの間及びギヤ412A,422Aの間に、偶数個のギヤが介在されていてもよい。詳細には、ギヤ411A,421Aは偶数個のギヤを介して互いに噛合されており、ギヤ412A,422Aは偶数個のギヤを介して互いに噛合されていてもよい。なお、前記の「直接噛合されている」とは、「0個(偶数個)のギヤを介して互いに噛合されている」との意味にも捉えられる。
【0159】
第7実施形態によれば、各ギヤ41A,411A,412A,42A,421A,422Aがある回転方向に回転したとき、連結部41a,42aは互いに近づき、連結部41b,42bは互いに離れる。また、各ギヤ41A,411A,412A,42A,421A,422Aが当該ある回転方向と逆方向に回転したとき、連結部41a,42aは互いに離れ、連結部41b,42bは互いに近づく。これにより、伸縮アーム2の伸縮と伸縮アーム3の伸縮とを逆の動きとすることができる。
【0160】
また、第7実施形態によれば、ギヤ41A,42Aを取り除くまたはギヤ41A,42Aをそれぞれ偶数個とすることによって、伸縮アーム2の伸縮と伸縮アーム3の伸縮とが同じ種類の動きをするように、連動伸縮構造体1Fを前述した第6実施形態の連動伸縮構造体1Eと同様に構成に変えることができる。つまり、第7実施形態によれば、連動伸縮構造体1Fの構成を容易に変えることができる。
【0161】
<プログラム>
以上説明した連動伸縮構造体は、コンピュータ上でシミュレーション可能である。
【0162】
図20は、連動伸縮構造体の伸縮動作をシミュレートするためのハードウェア構成を例示するブロック図である。当該ハードウェア構成は、シミュレーション装置100と、入力部200と、表示部300とを含んでいる。
【0163】
シミュレーション装置100は、演算装置であり、例えばデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン等である。
【0164】
入力部200は、ユーザによって入力を受け付け、入力に応じた信号をシミュレーション装置100へ送る。入力部200は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等である。
【0165】
表示部300は、シミュレーション装置100から取得した信号に応じた画像を画面に表示させるものであり、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。なお、シミュレーション装置100、入力部200、表示部300は、別体であってもよいし、一体であってもよい。例えば、シミュレーション装置100がラップトップコンピュータやスマートフォンである場合、シミュレーション装置100は、入力部200及び表示部300と一体に構成される。
【0166】
シミュレーション装置100は、制御部110と、記憶部120と、通信インタフェース(通信I/F)130と、信号入力部140と、信号出力部150とを備える。
【0167】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等の演算を実行する部分である。
【0168】
記憶部120は、連動伸縮構造体の伸縮動作のシミュレーションを実現するために必要なプログラム及びデータを含む種々の情報を記録する記録媒体である。記憶部120は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)などの半導体メモリ装置、ハードディスク等の磁気記憶装置、その他の記憶デバイス単独で又はそれらを適宜組み合わせて実現される。記憶部120は、種々の情報を一時的に記憶する高速動作可能なSRAM、DRAMなどの揮発性メモリを含んでもよい。
【0169】
制御部110が、記憶部120に記憶されたプログラムを実行することにより、後述されるシミュレーションが実行される。なお、プログラムは、記憶部120に記憶されたものに限らず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアによって構成されていてもよい。
【0170】
通信インタフェース130は、シミュレーション装置100と外部機器との通信を可能にするものであればよい。通信インタフェース130は、様々な態様で実現可能である。例えば、通信インタフェース130は、外部機器と有線で接続する態様であってもよいし、外部機器と無線で通信接続する態様であってもよい。有線接続の通信インタフェース130としては、例えば、Ethernet(イーサネット:登録商標)規格に基づく有線LAN、又は、光ファイバーケーブルを用いた有線接続などがある。無線接続の通信インタフェース130としては、例えば、IEEE802.11対応の無線LAN、第3世代移動通信システム(通称3G)、第4世代移動通信システム(通称4G)、第5世代移動通信システム(通称5G)等がある。
【0171】
信号入力部140は、入力部200からの信号を取得し、制御部110や記憶部120に出力する。シミュレーション装置100が、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムやデータを読み取る機能を有する場合、信号入力部140は、当該読み取り機能を実現するための媒体リーダを含む。
【0172】
信号出力部150は、制御部110から命令に応じて、信号を表示部300へ出力する。
【0173】
図21は、連動伸縮構造体の伸縮動作のシミュレーションを説明するためのフローチャートである。以下、図21が参照されつつ、連動伸縮構造体の伸縮動作のシミュレーションが説明される。
【0174】
最初に、シミュレーション装置100の信号入力部140は、外部機器、媒体リーダに装着された記録媒体、及び入力部200等から、連動伸縮構造体に関する情報を取得する(S10)。外部機器からの情報は、通信インタフェース130を介して取得される。
【0175】
連動伸縮構造体に関する情報は、少なくとも第1情報、第2情報、及び第3情報を含む。
【0176】
第1情報は、伸縮アーム2の構造に関する情報である。伸縮アーム2の構造に関する情報は、例えば、伸縮アーム2を構成する各クロスユニット20における各剛性部材21,22の各連結部21a,21b,21c,22a,22b,22cの座標を示すデータである。伸縮アーム2の構造に関する情報として、前記の座標に加えて、各剛性部材21,22の形状に関する情報(例えば、前記座標の座標系において各剛性部材21,22が占有する部分の座標)を更に含んでいてもよい。
【0177】
第2情報は、伸縮アーム3の構造に関する情報である。伸縮アーム3の構造に関する情報は、例えば、伸縮アーム3を構成する各クロスユニット30における各剛性部材31,32の各連結部31a,31b,31c,32a,32b,32cの座標を示すデータである。伸縮アーム3の構造に関する情報として、前記の座標に加えて、各剛性部材31,32の形状に関する情報(例えば、前記座標の座標系において各剛性部材31,32が占有する部分の座標)を更に含んでいてもよい。
【0178】
第3情報は、連結部材4の構造に関する情報である。連結部材4の構造に関する情報は、例えば、連結部材4を構成する各剛性部材41,42の各連結部41a,41b,41c,42a,42b,42cの座標を示すデータである。連結部材4の構造に関する情報として、前記の座標に加えて、各剛性部材41,42の形状に関する情報(例えば、前記座標の座標系において各剛性部材41,42が占有する部分の座標)を更に含んでいてもよい。
【0179】
伸縮アーム2、伸縮アーム3、及び連結部材4の構造に関する情報は、前述したような座標に限らず、公知の種々の情報が採用可能である。例えば、これらの情報は、行列データ、ベクトルデータ等によって形成されていてもよい。
【0180】
信号入力部140は、取得した情報を制御部110へ出力する。制御部110は、信号入力部140から受け取った情報(以下、新情報と記す。)を、既に記憶部120に記憶されている情報(以下、旧情報と記す。)と比較する。
【0181】
旧情報が記憶部120に記憶されていない場合(S20:no)、制御部110は、新情報を信号出力部150へ出力すると共に、新情報を表示部300に表示する旨の命令を信号出力部150へ出力する(S40)。また、制御部110は、新情報を記憶部120へ出力して記憶部120に記憶する。この新情報は、次回のステップS20の実行時に旧情報となる。なお、制御部110が新情報を記憶部120へ出力する代わりに、信号入力部140が取得した情報を記憶部120へ直接送ってもよい。
【0182】
旧情報が記憶部120に記憶されている場合(S20:yes)、制御部110は、新情報及び旧情報に基づいて、以下に詳述するように、変更後情報を算出する(S30)。
【0183】
制御部110は、新情報と旧情報とを比較する。新情報の旧情報からの変化に応じて、新情報のうち、旧情報から変化した情報以外の情報の変化を算出する。当該算出は、予め設定された算出式に基づいて実行される。算出式は、例えば、前述したような連動伸縮構造体の各連結部の回動動作を実現するような行列式等である。
【0184】
制御部110は、算出した変更後情報を信号出力部150へ出力すると共に、変更後情報に応じた信号を表示部300に表示する旨の命令を信号出力部150へ出力する(S4
0)。
【0185】
信号出力部150は、制御部110から命令に応じて、新情報または変更後情報に応じた信号を表示部300へ出力する。これにより、当該信号に応じた連動伸縮構造体が、例えば図1に示すような態様で、表示部300に表示される(S50)。なお、連動伸縮構造体の表示部300の表示態様は、図1に示す平面表示に限らず、斜視表示等の三次元表示も可能である。つまり、任意の方向から見た連動伸縮構造体が、表示部300に表示可能である。
【0186】
例えば、連動伸縮構造体1が図1に示す状態から図2に示す状態へ状態遷移する場合、シミュレーション装置100は、以下のように情報を処理する。
【0187】
最初に、信号入力部140は、図1に示す連動伸縮構造体1の各連結部の座標を示す情報を外部から取得して、制御部110へ出力する(S10)。
【0188】
記憶部120に情報が記憶されていないため(S20:no)、制御部110は、信号入力部140から受け取った情報を表示命令と共に信号出力部150へ出力する(S40)。なお、制御部110は、信号入力部140から受け取った情報を記憶部120に記憶する。信号出力部150は、制御部110から命令に応じて、当該情報に応じた信号を表示部300へ出力する。これにより、当該信号に応じた連動伸縮構造体が、図1に示すような態様で、表示部300に表示される(S50)。ここで、図21に示すフローチャートの処理は終了する。
【0189】
次に、信号入力部140は、新たな情報を外部から取得して、制御部110へ出力する(S10)。このとき、図21に示すフローチャートの処理が再び実行開始される。新たな情報は、図1に示す連動伸縮構造体1において、連結部42b,22a,32aの座標が図1に示す位置から時計回りに所定量変化したときの、変化後の連結部42b,22a,32aの座標を含む。例えば、表示部300に表示された連動伸縮構造体の連結部42b,22a,32aがドラッグ処理等によって移動されたとき、その移動による連結部42b,22a,32aの座標の変化が、前記の新たな情報に相当する。
【0190】
前回のフローチャートの処理において、記憶部120に情報が記憶されているため(S20:yes)、制御部110は、連結部42b,22a,32aの座標の変化に基づいて、連動伸縮構造体1を構成する連結部のうち、連結部42b,22a,32aを除く他の連結部の座標(変更後情報)を算出する(S40)。
【0191】
その後、制御部110は、算出した変更後情報を表示命令と共に信号出力部150へ出力する(S30)。なお、制御部110は、変更後情報を記憶部120に記憶する。信号出力部150は、制御部110から命令に応じて、変更後情報に応じた信号を表示部300へ出力する。これにより、当該信号に応じた連動伸縮構造体が、図1に示すような態様から図2に示すような態様に変化されて、表示部300に表示される(S50)。ここで、図21に示すフローチャートの処理は終了する。
【0192】
以下、信号入力部140が新たな情報を外部から取得する度に、前述した処理が繰り返される。
【0193】
このプログラムによれば、連動伸縮構造体を疑似的に動作させることができる。よって、連動伸縮構造体の動作を十分に検証して、連動伸縮構造体を製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0194】
本発明に係る連動伸縮構造体は、単に伸縮自在であるだけでなく、伸縮アーム2の伸縮に連動して、伸縮アーム3に伸縮アーム2とは異なる伸縮をさせることができる。また、連動伸縮構造体の伸縮アーム2,3及び連結部材4が備える剛性部材21,22,31,32,41,42として、様々な材料を採用することができる。また、様々な形状の剛性部材21,22,31,32,41,42を用いることができる。連動伸縮構造体は、このような特徴に鑑みて、例えば、縦型ブラインド、横型ブラインド、縦型ルーバー、横型ルーバー、カーテン、緞帳、サンシェード等の日よけ、自動車や船舶等の移動体のアッパーボディ、建築物のドアや窓、移動するパーティション等に適用することができる。なお、ブラインド、ルーバー、及びカーテンは、日よけとして利用可能であるが、ここでは日よけとは別に規定している。また、本発明に係る連動伸縮構造体は、知育玩具等の子供用玩具、子供だけでなく大人も利用するような模型等の玩具、インテリア、オブジェ、アート、アクセサリー等のファッション関連の物、デコレーション、イルミネーション、ツリー(例えばツリーをモチーフとした構造物)等に適用することができる。
【0195】
図22及び図23は、連動伸縮構造体の適用例を示す斜視図である。
【0196】
図22では、連動伸縮構造体はブラインド400に適用されている。図22に示す適用例では、2つの連動伸縮構造体1Aの間に、複数のシート部材7が挟まれている。なお、連動伸縮構造体1Aの剛性部材21,22,31,32がシート部材7を含む形状であるという見方もできる。ブラインド400は、連動伸縮構造体1A以外の連動伸縮構造体を備えていてもよい。各シート部材7は、1つのクロスユニット20または1つのクロスユニット30に対応して設けられている。このブラインド400は、一部(例えば伸縮アーム2に設けられたシート部材7)を畳んだ状態としたときに、残り(例えば伸縮アーム3に設けられたシート部材7)を拡げた状態(覆いとして機能する状態)とすることができる。もちろん、逆の状態(一部が広がり且つ残りが畳んだ状態)とすることも可能である。このブラインド400が、縦型のブラインドとして、窓の日よけとして用いられた場合、例えば、窓の下部において外光を遮りつつ、窓の上部から外光を取り入れることができる。
【0197】
図23では、連動伸縮構造体はパーティション500に適用されている。図23に示す適用例では、1枚の板部材8における長方形の主面の4つの頂点部が、連動伸縮構造体1Dの連結部材4Dに取り付けられている。なお、連結部材4Dの剛性部材41,42が板部材8を含む形状であるという見方もできる。パーティション500は、連動伸縮構造体1D以外の連動伸縮構造体を備えていてもよい。4つの連動伸縮構造体1Dの両端部は、伸縮アーム3及びポール9によって連結されている。板部材8は、2つの空間8A,8Bを仕切っている。連動伸縮構造体1Dの伸縮アーム2,3が伸縮することで、2つの空間8A,8Bの大きさが変化する。このとき、伸縮アーム2の変動長さと伸縮アーム3の変動長さとが異なることによって、2つの空間8A,8Bの大きさの変化に違いを持たせることができる。
【0198】
なお、前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0199】
本発明は、適宜図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0200】
1 連動伸縮構造体
2 伸縮アーム
20 クロスユニット
21 剛性部材
22 剛性部材
3 伸縮アーム
30 クロスユニット
31 剛性部材
32 剛性部材
4 連結部材
41 剛性部材
41A ギヤ
41a 連結部
41b 連結部
41c 連結部
411 一方側部材
411A ギヤ
412 他方側部材
412A ギヤ
42 剛性部材
42A ギヤ
42a 連結部
42b 連結部
42c 連結部
421 一方側部材
421A ギヤ
422 他方側部材
422A ギヤ
L1 仮想線分
L2 仮想線
L3 仮想線
L4 仮想線
L5 第1仮想線分
L6 第2仮想線分
L7 第1仮想線分
L8 第2仮想線分
【要約】
【課題】ある伸縮アームの伸縮に連動して別の伸縮アームにある伸縮アームとは異なる伸縮をさせる連動伸縮構造体を提供する。
【解決手段】連動伸縮構造体は、剛性部材21,22が回動可能に連結された複数のクロスユニット20を有する伸縮アーム2と、剛性部材31,32が回動可能に連結された複数のクロスユニット30を有する伸縮アーム3と、伸縮アーム2,3を連結する連結部材4とを備える。連結部材4は、連結部41a,41b,41cを有する剛性部材41と、連結部42a,42bを有する剛性部材42とを備える。連結部41cは連結部42aと、連結部41aは剛性部材21と、連結部41bは剛性部材31と、連結部42bは剛性部材22,32と、それぞれ回動可能に連結されている。剛性部材41,42が回動したとき、連結部41a,42b間の距離の変動率は、連結部41b,42b間の距離の変動率と異なる。
【選択図】図1
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