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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220405BHJP
【FI】
G06Q10/08
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021543436
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(86)【国際出願番号】 JP2021014218
(87)【国際公開番号】W WO2021201246
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2021-07-27
(31)【優先権主張番号】P 2020066650
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516314228
【氏名又は名称】丸市倉庫株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】堀内 信
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-073394(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0158594(US,A1)
【文献】社会や環境における新たな価値創出に取り組むNTTサービスエボリューション研究所,BUSINESS COMMUNICATION ,日本,株式会社ビジネスコミュニケーション社,第56巻 第9号 ,50-51ページ
【文献】水谷 麻紀子,ブロックチェーン技術による分散型社会への期待と技術課題,インターネット:<URL: https://www.mizuho-ir.co.jp/publication/report/2018/pdf/mhir16_bc.pdf>,[online],2018年,[検索日: 2021.04.20]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の作業者のうち少なくとも一部が作業する工程が所定の順番で行われるフローを単位としてデータを管理する情報処理システムにおいて、
データ利用者にとって参照又は利用の対象となる、所定作業者による所定工程での作業の際に利用又は作成された第1容量の主データと、当該第1容量よりも小さい第2容量の、当該主データに対するメタデータであって、当該所定工程及び当該所定作業者を特定可能な特定情報を含むメタデータとを紐付けて、当該メタデータをブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて所定のネットワーク上に記憶させる制御を実行する第1記憶制御手段と、
前記主データを前記メタデータと異なる所定の記憶媒体に記憶させる制御を実行する第2記憶制御手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記主データと前記メタデータとを紐付ける紐付けデータを生成する紐付けデータ生成手段を更に備え、
前記第2記憶制御手段は、前記主データと共に前記紐付けデータを前記所定の記憶媒体に記憶させる制御を実行する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1記憶制御手段は、
商品の注文に関する取引の第1工程、当該商品の倉庫への入庫の指示に関する取引の第2工程、当該商品の当該倉庫からの出庫の指示に関する取引の第3工程、及び当該商品の納品先への配送の依頼に関する取引の第4工程のうち少なくとも1の工程の際に利用又は作成された、当該取引の内容を示すデータを前記主データとした場合に、
当該主データに対する前記メタデータを、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて所定のネットワーク上に記憶させる制御を実行する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第1記憶制御手段は、
前記主データとしての、所定の取引の内容を示す伝票の撮像画像のデータ又は当該伝票の内容を示す電子データのうち少なくとも一方と、前記取引が行われたことを示す風景の撮像画像のデータとの夫々を前記主データとした場合に、
当該主データに対する前記メタデータを、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて所定のネットワーク上に記憶させる制御を実行する、
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記メタデータには、
前記主データが生成された位置を示す情報と、日時を示す情報とのうち少なくとも一方を示す情報が含まれる、
請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記メタデータの前記特定情報は、
前記主データが利用又は作成された前記所定工程における前記所定作業者による作業進捗結果を示す情報である、
請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
複数の前記工程のうち少なくとも一部は、階層化されており、
前記メタデータの前記特定情報は、
前記所定工程が属する階層を特定可能な情報をさらに含む、
請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
複数の作業者のうち少なくとも一部が作業する工程が所定の順番で行われるフローを単位としてデータを管理する情報処理システムが実行する情報処理方法において、
データ利用者にとって参照又は利用の対象となる、所定作業者による所定工程での作業の際に利用又は作成された第1容量の主データと、当該第1容量よりも小さい第2容量の、当該主データに対するメタデータであって、当該所定工程及び当該所定作業者を特定可能な特定情報を含むメタデータとを紐付けて、当該メタデータをブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて所定のネットワーク上に記憶させる制御を実行する第1記憶制御ステップと、
前記主データを前記メタデータと異なる所定の記憶媒体に記憶させる制御を実行する第2記憶制御ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項9】
複数の作業者のうち少なくとも一部が作業する工程が所定の順番で行われるフローを単位としてデータを管理する情報処理装置を制御するコンピュータに、
データ利用者にとって参照又は利用の対象となる、所定作業者による所定工程での作業の際に利用又は作成された第1容量の主データと、当該第1容量よりも小さい第2容量の、当該主データに対するメタデータであって、当該所定工程及び当該所定作業者を特定可能な特定情報を含むメタデータとを紐付けて、当該メタデータをブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて所定のネットワーク上に記憶させる制御を実行する第1記憶制御ステップと、
前記主データを前記メタデータと異なる所定の記憶媒体に記憶させる制御を実行する第2記憶制御ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
効率的な物流を実現させるための技術は従来から存在する。例えば荷物の受け渡し地点までの移動手順や、荷物をトラックに積み入れるのに要する時間等が、荷主から物流業者に情報提供される技術も存在する(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】再公表特許第2002/029654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、物流業者(トラックドライバー)は、荷主側の都合で集荷地点等に待機しなければならないことが多い。このような待機時間は、「荷待ち時間」とも呼ばれ、物流業者(トラックドライバー)の過労の原因の1つに挙げられている。例えば、日本国の国土交通省の省令では、物流業者(トラックドライバー)が荷主側の都合で集荷地点等に待機する行為を「物流業者の過労運転につながる行為」の一例に掲げている(輸送安全規則第9条の4)。
そして、上記の省令の規定を含むコンプライアンス遵守の要請から、物流業者に対しては、荷待ち時間の記帳義務が課せられている。このため、荷待ち時間の正確かつ効率的な管理が求められている。これに対して、特許文献1の発明を含む従来の技術では、荷待ち時間を正確かつ効率的に管理することはできない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、物流業者(トラックドライバー)の荷待ち時間を証明するために必要となるデータの正確性を担保しつつ、効率よく管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理システムは、
主データ及び当該主データに対するメタデータを紐付けて、当該メタデータをブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて所定のネットワーク上に記憶させる制御を実行する第1記憶制御手段と、
前記主データを前記メタデータと異なる所定の記憶媒体に記憶させる制御を実行する第2記憶制御手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、物流業者(トラックドライバー)の荷待ち時間を証明するために必要となるデータの正確性を担保しつつ、効率よく管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理システムにより適用可能なサービスの概要の一例を説明する模式図である。
図2】本サービスにより管理される主データ及びメタデータの具体例を示す図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図4図3の情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図5図4のサーバの機能的構成のうち、データ管理処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る情報処理システムにより適用可能なサービスの概要の一例を説明する模式図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る情報処理システムにより適用可能なサービスの概要の一例を説明する模式図である。
図8】第2実施形態に係る情報処理システムに含まれるサーバの機能的構成のうち、評価管理処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図9】データ利用者の端末に表示される画面の一例を示す図である。
図10】本サービスの具体的な適用例について説明する図である。
図11】本サービスの具体的な適用例について説明する図であり、本サービスの流れのうち、入庫の工程の一例を説明する模式図である。
図12図11に対して更に具体的な本サービスの適用例について説明する図であり、本サービスの流れのうち、入庫の工程の一例を説明する模式図である。
図13】本サービスにより管理される主データ及びメタデータの更に具体的な例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報処理システムにより適用可能なサービス(以下「本サービス」と呼ぶ)の概要の一例を説明する模式図である。
【0011】
図1に示すように、本サービスは、サービス提供者(図示せず)により提供されて、荷主Sと、メーカMと、倉庫業者Wと、物流業者Lと、顧客Cとにより利用されるサービスである。
【0012】
サービス提供者(図示せず)は、サーバ1を利用する者である。サービス提供者(図示せず)は、荷主S、メーカM、倉庫業者W、物流業者L、及び顧客Cの相互間で授受される各種データを管理する環境を提供する。
荷主Sは、荷主端末2を操作して本サービスを利用する者である。荷主Sは、顧客Cからの商品の注文を受けて、当該商品の製造をメーカMに発注する。
メーカMは、メーカ端末3を操作して本サービスを利用する者である。メーカMは、荷主Sからの商品の発注を受けて、当該商品を製造する。
倉庫業者Wは、倉庫業者端末4を操作して本サービスを利用する者である。倉庫業者Wは、荷主Sからの入庫指示を受けて、メーカMにより製造された商品を自社の倉庫に入庫して管理する。また、倉庫業者Wは、荷主Sからの出庫指示に従って、倉庫にて保管されている商品を倉庫から出庫する。
物流業者Lは、物流業者端末5を操作して本サービスを利用する者である。物流業者Lは、倉庫業者Wからの配送依頼を受けて、倉庫から出庫された商品を顧客Cに向けて配送して納品する。
【0013】
サービス提供者(図示せず)により利用されるサーバ1は、荷主端末2、メーカ端末3、倉庫業者端末4、物流業者端末5、及び顧客端末6と協働することにより、本サービスを提供するために必要な各種処理を実行する。即ち、サービス提供者(図示せず)は、サーバ1を利用することで、荷主S、メーカM、倉庫業者W、物流業者L、及び顧客Cの相互間で授受される各種データを管理する本サービスを提供することができる。
【0014】
以下、図1のステップSS1乃至SS6に沿って、本サービスの流れの概要について説明する。
ステップSS1において、顧客Cは、荷主Sに商品を注文する。荷主Sは、顧客Cからの商品の注文を受ける。
ここで、顧客Cと荷主Sとの間でやり取りされた、商品の注文の内容を示す各種のデータは、主データとしてサーバ1に記憶される。また、主データに対するメタデータは、ブロックチェーンBに記憶される。
ここで、「メタデータ」には、例えば主データが生成された場所、日時等を示す情報が含まれる。
なお、「商品の注文の内容を示す各種のデータ」としては、例えば、顧客Cにより作成された注文書のPDFデータ、荷主Sにより作成された受注書のPDFデータ等が挙げられる。
【0015】
ステップSS2において、荷主Sは、顧客Cから受注した商品の製造をメーカMに発注する。また、荷主Sは、倉庫業者Wに対して、当該商品の入庫指示を出す。メーカMは、荷主Sからの商品の発注を受けて、当該商品を製造する。
ここで、荷主SとメーカMとの間でやり取りされた、商品の発注や受注の内容を示す各種のデータは、主データとしてサーバ1に記憶される。また、主データに対するメタデータは、ブロックチェーンBに記憶される。
なお、「商品の発注や受注の内容を示す各種のデータ」としては、例えば、荷主Sにより作成された発注書のPDFデータ、メーカMにより作成された受注書のPDFデータ等が挙げられる。
【0016】
ステップSS3において、メーカMは、製造した商品を倉庫業者Wの倉庫に入庫する。
ここで、メーカMと倉庫業者Wとの間でやり取りされた、商品の入庫の内容を示す各種のデータは、主データとしてサーバ1に記憶される。また、主データに対するメタデータは、ブロックチェーンBに記憶される。
なお、「商品の入庫の内容を示す各種のデータ」としては、例えば、メーカMにより撮像された、商品が入庫される様子を示す写真データ、発注書のPDFデータ、倉庫業者Wにより作成された入庫を証する書面のPDFデータ等が挙げられる。
【0017】
ステップSS4において、荷主Sは、倉庫業者Wに対して、倉庫に保管されている商品の出荷指示を出す。ここで、荷主Sと倉庫業者Wとの間でやり取りされた、商品の出荷指示の内容を示す各種のデータは、主データとしてサーバ1に記憶される。また、主データに対するメタデータは、ブロックチェーンBに記憶される。
なお、「商品の出荷指示の内容を示す各種のデータ」としては、例えば、荷主Sにより作成された指示書のPDFデータ等が挙げられる。
【0018】
ステップSS5において、倉庫業者Wは、物流業者Lに対して、倉庫に保管されている商品の配送を依頼するとともに、倉庫に保管されている商品を出庫する。ここで、倉庫業者Wと物流業者Lとの間でやり取りされた、商品の出庫、及び配送依頼の夫々の内容を示す各種のデータは、主データとしてサーバ1に記憶される。また、主データに対するメタデータは、ブロックチェーンBに記憶される。
なお、「商品の出庫、及び配送依頼の夫々の内容を示す各種のデータ」としては、例えば、倉庫業者Wにより撮像された、商品の出庫の様子を示す写真データや、倉庫業者Wにより作成された依頼書のPDFデータ等が挙げられる。
【0019】
ステップSS6において、物流業者Lは、顧客Cに商品を配送する。ここで、物流業者Lと顧客Cとの間でやり取りされた、商品の配送の内容を示す各種のデータは、主データとしてサーバ1に記憶される。また、主データに対するメタデータは、ブロックチェーンBに記憶される。
なお、「商品の配送の内容を示す各種のデータ」としては、例えば、顧客Cの受取りサインが付された、配送完了を証する書面のPDFデータ等が挙げられる。
【0020】
このように、本サービスは、主データをサーバ1に記憶させ、主データに対するメタデータをブロックチェーンBに記憶させて、利用者間で共有可能とするところに特徴を有する。
即ち、本サービスでは、主データとは別に、主データのメタデータが抽出され、そのメタデータが、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術によってネットワーク上に記憶される。そして、サーバ1には、主データとメタデータとを紐付けるためのデータ(以下、「紐付けデータ」と呼ぶ)が生成されて、主データに対応付けられて記憶される。これにより、サーバ1に記憶されている主データと、ブロックチェーンBに記憶されているメタデータとが相互に対応付けられた状態で管理される。
【0021】
本サービスを利用する者は、上述した本サービスの特徴により、以下のようなメリットを享受することができる。
即ち、例えば官公庁に提出する資料として主データを用いる場合、当然ながら主データの内容の正確性が求められる。主データの正確性を担保するための有効な手法の1つとして、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を利用した管理である。しかしながら、当該手法を用いて主データを記憶させようとすると、記憶させるデータの容量が大きい場合には、処理スピードの低下を招いてしまう。そこで、本サービスでは、主データをサーバ1に記憶させるとともに、容量の小さいメタデータをブロックチェーンBに記憶させる。そして、両データの紐付けを行う紐付けデータを、主データに対応付けてサーバ1に記憶させる。ブロックチェーンBに記憶されたメタデータは、改竄が防がれるので、メタデータの内容と主データの内容との間に齟齬がなければ、主データの内容の正確性がメタデータによって担保されることになる。これにより、ブロックチェーンBに主データを記憶させることなく、効率よく主データを管理することができる。
【0022】
次に、図2を参照して、主データ及びメタデータの具体例について説明する。
図2は、本サービスにより管理される主データ及びメタデータの具体例を示す図である。
【0023】
図2には、主データの具体例として、撮像場所を示す画像のデータ(写真データ)と、取引の内容を示す伝票を撮像した画像のデータ(写真データ)とが示されている。これらの2つのデータには、撮像された位置を示す情報や、撮像された日時を示す情報がメタデータとして含まれる。具体的には例えば、GPS(Global Positioning System)位置情報等により示される撮像場所の緯度経度や、撮像日時を示すタイムスタンプなどがメタデータとして含まれる。本サービスでは、主データからこれらのメタデータを抽出し、API(Application Programming Interface)を介して、ブロックチェーンBに記憶させる。また、それとともに、主データと紐付けデータとを対応させてサーバ1に記憶させる。これにより、主データとメタデータとが紐付けデータにより紐付けられるので、データ利用者はいつでも主データを参照したり利用することができる。ここで、「データ利用者」には、本サービスの利用者である図1の荷主S、メーカM、倉庫業者W、物流業者L、及び顧客C等が含まれる。
【0024】
図3は、本発明の第1実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図3に示す情報処理システムは、サーバ1と、荷主端末2と、メーカ端末3と、倉庫業者端末4と、物流業者端末5と、顧客端末6とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されて構成されている。
【0026】
荷主S、メーカM、倉庫業者W、物流業者L、及び顧客Cの夫々は、本サービスを利用する場合、自分が操作する端末に、本サービス専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)をインストールする。具体的には、荷主端末2、メーカ端末3、倉庫業者端末4、物流業者端末5、及び顧客端末6の夫々に、専用アプリがインストールされる。これにより、荷主S、メーカM、倉庫業者W、物流業者L、及び顧客Cの夫々は、荷主端末2、メーカ端末3、倉庫業者端末4、物流業者端末5の夫々を操作することで本サービスを利用することができる。
また、荷主S、メーカM、倉庫業者W、物流業者L、及び顧客Cの夫々は、自分が操作する端末で、本サービス専用のWebサイト(以下、「専用サイト」と呼ぶ)にアクセスすることでも本サービスを利用することができる。具体的には、荷主S、メーカM、倉庫業者W、物流業者L、及び顧客Cの夫々は、荷主端末2、メーカ端末3、倉庫業者端末4、物流業者端末5の夫々のブラウザ機能を用いて専用サイトにアクセスする。
なお、サーバ1、荷主端末2、メーカ端末3、倉庫業者端末4、物流業者端末5、及び顧客端末6は、説明の便宜上、図3の例ではいずれも1台とされているが、特に1台に限定されず複数台であってもよい。即ち、荷主S、メーカM、倉庫業者W、物流業者L、及び顧客Cの夫々は、いずれも複数人存在してもよい。複数人存在する場合については、図12を参照しながら後述する。
【0027】
図4は、図3の情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0028】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、表示部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0029】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0030】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、表示部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0031】
表示部16は、ディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。
入力部17は、各種ハードウェア鉛等で構成され、各種情報を入力する。
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(図3の例では、荷主端末2、メーカ端末3、倉庫業者端末4、物流業者端末5、及び顧客端末6)との間で行う通信を制御する。
【0032】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。またリムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することが出来る。
【0033】
荷主端末2、メーカ端末3、倉庫業者端末4、物流業者端末5、及び顧客端末6のハードウェア構成は、サーバ1の構成と基本的に同様である。このため、ここではそれらの説明は省略する。
【0034】
このような図3のサーバ1、荷主端末2、メーカ端末3、倉庫業者端末4、物流業者端末5、及び顧客端末6の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理を実現する。
【0035】
図5は、図4のサーバの機能的構成のうち、データ管理処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
ここで、「データ管理処理」とは、本サービスの利用者である図1の荷主S、メーカM、倉庫業者W、物流業者L、及び顧客Cの相互間で授受される各種データ(以下、「主データ」と呼ぶ)の管理のために実行される処理をいう。
【0036】
データ管理処理が実行される場合には、サーバ1のCPU11においては、図5に示すように、主データ取得部101と、メタデータ抽出部102と、メタデータ記憶制御部103と、主データ記憶制御部104とが機能する。
【0037】
主データ取得部101は、作成された主データを取得する。具体的には、主データ取得部101は、商品の注文に関する取引、当該商品の倉庫への入庫の指示に関する取引、当該商品の当該倉庫からの出庫の指示に関する取引、及び当該商品の納品先への配送の依頼に関する取引のうち、少なくとも1の取引の際に作成された、当該取引の内容を示すデータを、主データとして取得する。
【0038】
メタデータ抽出部102は、主データ取得部101により取得された主データに対するメタデータを抽出する。具体的には、メタデータ抽出部102は、メタデータとして、主データが作成された位置や日時を示す情報を抽出する。
【0039】
メタデータ記憶制御部103は、メタデータ抽出部102により抽出されたメタデータを、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いてネットワークN上に記憶させる制御を実行する。
【0040】
主データ記憶制御部104は、ネットワークN上に記憶されたメタデータと主データとを紐付ける紐付データと、主データとを対応付けて、主データDB181に記憶させる制御を実行する。
【0041】
[第2実施形態]
図6及び図7は、本発明の第2実施形態に係る情報処理システムにより適用可能なサービス(以下「本サービス」と呼ぶ)の概要の一例を説明する模式図である。
【0042】
なお、第2実施形態に係る情報処理システムの構成の一例、及びサーバ1のハードウェア構成の夫々については、図3のシステム構成、及び図4のハードウェア構成と同様である。このため、第2実施形態に係るサーバ1が適用される情報処理システムの構成、及びサーバ1のハードウェア構成の夫々については、説明を省略する。
【0043】
図6には、本サービスにより実現される、物流業者Lによる荷主Sの評価の概要が示されている。
【0044】
図6に示すように、本サービスは、サービス提供者(図示せず)により提供されて、荷主Sと、物流業者Lと、顧客Cとにより利用されるサービスである。
【0045】
サービス提供者(図示せず)は、サーバ1を管理して、荷主S、物流業者L、及び顧客Cの相互間で授受される、荷主Sの評価に関するデータを適切かつ効率的に管理できる環境を提供する者である。
荷主Sは、荷主端末2を操作して本サービスを利用する者である。荷主Sは、顧客Cから商品の注文を受けて、当該商品の顧客Cへの配送を物流業者Lに依頼し、その対価を支払う。
物流業者Lは、物流業者端末5を操作して本サービスを利用する者である。物流業者Lは、荷主Sから商品の配送依頼を受付けて、当該商品を顧客Cに向けて配送する。物流業者Lは、本サービスを利用することで荷主Sの評価を行う。
【0046】
サービス提供者(図示せず)により利用されるサーバ1は、荷主端末2、物流業者端末5、及び顧客端末6と協働することにより、本サービスを提供するために必要な各種処理を実行する。即ち、サービス提供者(図示せず)は、サーバ1を利用することで、荷主S、物流業者L、及び顧客Cの相互間で授受される各種データを管理する本サービスを提供することができる。
【0047】
具体的には、荷主Sは、物流業者Lに顧客Cへの商品の配送を依頼する。そして、荷主Sは、物流業者LのトラックTに商品を積込む。
ここで、荷主Sは、荷主端末2を用いて、トラックTに商品を積込んで出発するまでに要した時間(物流業者Lにとっての荷待ち時間)を示すデータ(以下、「荷待ち時間データ」と呼ぶ)と、物流業者Lに対する対価の支払状況を示すデータ(以下、「支払状況データ」と呼ぶ)とを含む実績データをサーバ1に送信する。
また、荷主Sは、荷主端末2を用いて、実績データの内容を証明するためのデータ(以下、「証明データ」と呼ぶ)をサーバ1に送信する。証明データには、例えば、図7に示すような、荷積みを開始するタイミングで撮像された写真データ(到着時の写真)や、荷下ろしするタイミングで撮像された写真データ(荷下開始時の写真)が含まれる。
【0048】
サーバ1は、荷主端末2から送信されてくる実績データを取得する。
ここで、例えば荷待ち時間が長く、対価の支払いが大幅に遅れている状況にあるとする。
サーバ1は、実績データに基づいて、物流業者Lからみた荷主Sの評価を算出し、その算出結果を物流業者端末5に提示する。この場合、荷待ち時間が長く、対価の支払いが大幅に遅れている状況にあることから、荷主Sに対する評価は低いものとなる。これにより、物流業者Lは、物流業者端末5に提示された評価結果を参照することで、荷主Sとの今後の関係性について実態に即した経営判断が可能になる。
【0049】
図7には、本サービスによる荷待ち時間データの管理の概要が示されている。
【0050】
本サービスでは、証明データとして、荷積みを開始するタイミングで撮像された写真データ(到着時の写真)や、荷下ろしするタイミングで撮像された写真データ(荷下開始時の写真)などが用いられる。
これらの写真データは、主データとして、APIを介して主データDB181に記憶されて管理される。また、主データに対するメタデータは、APIを介してブロックチェーンBに記憶されて管理される。また、主データとメタデータとを紐付ける紐付けデータが、主データに対応付けられて、主データDB181に記憶されて管理される。
そして、主データ及びメタデータは、紐付けデータによって紐付けられた証明データとして、APIを介してデータ利用者に提供される。
ブロックチェーンBに記憶されたメタデータは、改竄が防がれるので、メタデータの内容と証明データ(主データ)の内容との間に齟齬がなければ、証明データ(主データ)の内容の正確性がメタデータによって担保されることになる。これにより、ブロックチェーンBに証明データ(主データ)を記憶させることなく、効率よく証明データ(主データ)を管理することができる。その結果、例えば、官公庁に提出する資料として、改竄されていない主データを用いることができる。
【0051】
図8は、第2実施形態に係る情報処理システムに含まれるサーバの機能的構成のうち、評価管理処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
サーバ1の機能的構成のうち、評価管理処理が実行される場合には、サーバ1のCPU11においては、図8に示すように、実績取得部201と、評価算出部202と、評価結果取得部203と、メタデータ抽出部204と、メタデータ記憶制御部205と、評価結果記憶制御部206と、評価結果提示部207とが機能する。
【0052】
実績取得部201は、荷主端末2から送信されてくる実績情報を取得する。そして、実績取得部201は、取得した実績情報を評価算出部202に提供する。
【0053】
評価算出部202は、実績取得部201から提供された実績情報に基づいて、物流業者Lからみた荷主Sの評価を算出する。
【0054】
評価結果取得部203は、評価算出部202により算出された荷主Sの評価結果を示すデータ(以下、「評価結果データ」と呼ぶ)を取得する。
【0055】
メタデータ抽出部204は、評価結果取得部203により取得された評価結果データに対するメタデータを抽出する。具体的には、メタデータ抽出部204は、メタデータとして、評価結果データが作成された位置や日時を示す情報を抽出する。
【0056】
メタデータ記憶制御部205は、メタデータ抽出部204により抽出されたメタデータを、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いてネットワークN上に記憶させる制御を実行する。
【0057】
評価結果記憶制御部206は、ネットワークN上に記憶されたメタデータと評価結果データとを紐付ける紐付データと、評価結果データとを対応付けて、主データDB181に記憶させる制御を実行する。
【0058】
評価結果提示部207は、評価算出部202から提供された評価算出結果を荷主端末2や物流業者端末5に提示する制御を実行する。
【0059】
これにより、物流側から荷主への評価が実現可能となるので、物流側が荷主と取引する際のリスク回避をすることができる。そして、その評価の結果や、評価の根拠となったデータが適切に管理される。
【0060】
図9は、データ利用者の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【0061】
図9に示すように、データ利用者の端末(例えば物流業者端末5)には、本サービスによる評価の対象となった荷主Sの評価結果が示される。具体的には、案件毎に、出発時刻、到着時刻、荷待ち時間、及び納品先の夫々に関する情報とともに、荷主Sの評価結果が星印の数によって示される。
物流業者Lは、物流業者端末5に評された画面を参照することで、評価の対象となった荷主Sとの今後の関係性について実態に即した経営判断が可能になる。
【0062】
更に図10乃至図12を参照して、図1に示す本サービスの具体的な適用例について説明する。
図10は、本サービスの具体的な適用例について説明する図である。図10(A)は、本サービスにおける各工程と各プロセスを示すワークフロー図である。図10(B)は、品質判定についての説明図である。
【0063】
図10(A)に示すステップSS3、ステップSS5、及びステップSS6の夫々は、図1のステップSS1乃至ステップSS6におけるステップSS3、ステップSS5、及びステップSS6の夫々に対応する。即ち、ステップSS3は、メーカMが製造した商品を倉庫業者Wの倉庫に入庫する工程を示す。また、ステップSS5は、倉庫に保管されている商品を物流業者Lに対して倉庫業者Wが出庫する工程を示す。また、ステップSS6は、物流業者Lが顧客Cに対して商品を納品する工程を示す。例えば、工程α(αは図10ではSS3、SS5、及びSS6)に対する識別子としては、αで表すことが採用される。即ち、入庫の工程を示すステップSS3の識別子としては、SS3が採用される。また、出庫する工程を示すステップSS5の識別子としては、SS5が採用される。また、納品する工程を示すステップSS6の識別子としては、SS6が採用される。
以下、入庫の工程を示すステップSS3は、入庫SS3と便宜的に呼ぶことにする。また、出庫する工程を示すステップSS5は、出庫SS5と便宜的に呼ぶことにする。また、納品する工程を示すステップSS6は、納品SS6と便宜的に呼ぶことにする。
入庫SS3は、メーカM側の工程(入庫SS3-M)と、倉庫業者W側の工程(入庫SS3-W)とに分けられる。なお、ハイフン付きの「M」は、メーカMの側の工程であることを便宜的に示す。また、ハイフン付きの「W」は、倉庫業者Wの側の工程であることを便宜的に示す。メーカM側の工程(入庫SS3-M)の識別子としては、SS3-Mが採用される。また、倉庫業者W側の工程(入庫SS3-W)の識別子としては、SS3-Wが採用される。即ち、ここで採用される識別子としては、工程αの識別子の後に、ハイフン付きの「M」と言うメーカMを表す識別子を並べたものが採用される。また、工程αの識別子の後に、ハイフン付きの「W」と言う倉庫業者Wを表す識別子を並べたものが採用される。即ち、ここでの識別子としては、α―M、α―Wが採用される。
出庫SS5は、倉庫業者W側の工程(出庫SS5-W)と、物流業者L側の工程(出庫SS5-L)とに分けられる。なお、ハイフン付きの「W」は、倉庫業者Wの側の工程であることを便宜的に示す。また、ハイフン付きの「L」は、物流業者Lの側の工程であることを便宜的に示す。倉庫業者W側の工程(出庫SS5-W)の識別子としては、SS5-Wが採用される。また、物流業者L側の工程(出庫SS5-L)の識別子としては、SS5-Lが採用される。即ち、ここで採用される識別子としては、工程αの識別子の後に、ハイフン付きの「W」と言う倉庫業者Wを表す識別子を並べたものが採用される。また、工程αの識別子の後に、ハイフン付きの「L」と言う物流業者Lを表す識別子を並べたものが採用される。即ち、ここでの識別子としては、α―W、α―Lが採用される。
納品SS6は、物流業者L側の工程(納品SS6-L)と、顧客C側の工程(納品SS6-C)とに分けられる。なお、ハイフン付きの「L」は、物流業者Lの側の工程であることを便宜的に示す。また、ハイフン付きの「C」は、顧客Cの側の工程であることを便宜的に示す。物流業者L側の工程(納品SS6-L)の識別子としては、SS6-Lが採用される。また、顧客C側の工程(納品SS6-C)の識別子としては、SS6-Cが採用される。即ち、ここで採用される識別子としては、工程αの識別子の後に、ハイフン付きの「L」と言う物流業者Lを表す識別子を並べたものが採用される。また、工程αの識別子の後に、ハイフン付きの「C」と言う顧客Cを表す識別子を並べたものが採用される。即ち、ここでの識別子としては、α―L、α―Cが採用される。
【0064】
メーカM側の工程(入庫SS3-M)では、入庫に係るプロセスとして、プロセスK(入庫SS3-MでのKは、a乃至e)が行われる。入庫に係るプロセスKのうちプロセスaは、ピッキングのプロセスを表す。ここでピッキングに係るプロセスaを含めた識別子としては、SS3-M-aが採用される。即ち、入庫SS3-Mの識別子の後に、ハイフン付きの「a」と言うピッキングに係るプロセスaを表す識別子を並べたものが採用される。即ち、ピッキングに係るプロセスaを含めた識別子としては、α―M-aが採用される。
また、入庫に係るプロセスKのうちプロセスbは、検品のプロセスを表す。ここで検品に係るプロセスbを含めた識別子としては、SS3-M-bが採用される。即ち、入庫SS3-Mの識別子の後に、ハイフン付きの「b」と言う検品に係るプロセスbを表す識別子を並べたものが採用される。即ち、検品に係るプロセスbを含めた識別子としては、α―M-bが採用される。
また、入庫に係るプロセスKのうちプロセスcは、パッキングのプロセスを表す。ここでパッキングに係るプロセスcを含めた識別子としては、SS3-M-cが採用される。即ち、入庫SS3-Mの識別子の後に、ハイフン付きの「c」と言うパッキングに係るプロセスcを表す識別子を並べたものが採用される。即ち、パッキングに係るプロセスcを含めた識別子としては、α―M-cが採用される。
また、入庫に係るプロセスKのうちプロセスdは、出庫のプロセスを表す。ここで出庫に係るプロセスdを含めた識別子としては、SS3-M-dが採用される。即ち、入庫SS3-Mの識別子の後に、ハイフン付きの「d」と言う出庫に係るプロセスdを表す識別子を並べたものが採用される。即ち、出庫に係るプロセスdを含めた識別子としては、α―M-dが採用される。
また、入庫に係るプロセスKのうちプロセスeは、報告のプロセスを表す。ここで報告に係るプロセスeを含めた識別子としては、SS3-M-eが採用される。即ち、入庫SS3-Mの識別子の後に、ハイフン付きの「e」と言う報告に係るプロセスeを表す識別子を並べたものが採用される。即ち、報告に係るプロセスeを含めた識別子としては、α―M-eが採用される。
【0065】
倉庫業者W側の工程(入庫SS3-W)では、入庫に係るプロセスとして、プロセスK(入庫SS3-WでのKは、a乃至c)が行われる。入庫に係るプロセスKのうちプロセスaは、検品のプロセスを表す。ここで検品に係るプロセスaを含めた識別子としては、SS3-W-aが採用される。即ち、入庫SS3-Wの識別子の後に、ハイフン付きの「a」と言う検品に係るプロセスaを表す識別子を並べたものが採用される。即ち、検品に係るプロセスaを含めた識別子としては、α―W-aが採用される。
また、入庫に係るプロセスKのうちプロセスbは、保管のプロセスを表す。ここで保管に係るプロセスbを含めた識別子としては、SS3-W-bが採用される。即ち、入庫SS3-Wの識別子の後に、ハイフン付きの「b」と言う保管に係るプロセスbを表す識別子を並べたものが採用される。即ち、保管に係るプロセスbを含めた識別子としては、α―W-bが採用される。
また、入庫に係るプロセスKのうちプロセスcは、報告のプロセスを表す。ここで報告に係るプロセスcを含めた識別子としては、SS3-W-cが採用される。即ち、入庫SS3-Wの識別子の後に、ハイフン付きの「c」と言う報告に係るプロセスcを表す識別子を並べたものが採用される。即ち、報告に係るプロセスcを含めた識別子としては、α―W-cが採用される。
【0066】
工程αの識別子がSS5となる出庫SS5は、ここでは説明を省略するが、上述の入庫SS3と同様に表される識別子が採用される。また、工程αの識別子がSS6となる納品SS6も、上述の入庫SS3と同様に表される識別子が採用される。
【0067】
図10(B)に示す品質判定は、上述のプロセスKに対し、プロセスとして整合しているか、又はプロセスとして不整合であるかを判定するものである。整合している場合は、例えば検品のプロセスであれば、検品判定/良品と言う表示がされる(図11参照)。整合している場合の識別子は、プロセスKの識別子の後にハイフン付きの「1」が付加されたものが識別子となる(後述する)。一方、不整合の場合は、特に図示しないが、例えば検品のプロセスであれば、検品判定/不良と言う表示がされる。不整合の場合の識別子は、プロセスKの識別子の後にハイフン付きの「2」が付加されたものが識別子となる(図示省略)。
プロセスKの識別子の後にハイフン付きの「1」又は「2」が付加された識別子は、作業進捗結果(後述する)を示す識別子として利用される。例えば、図11には、ハイフン付きの「1」が付加された識別子が、作業進捗結果として示される(図11に関しては、後述する)。
【0068】
図10(A)及び(B)を参照しながら説明してきた中で、上述の識別子の夫々は、ブロックチェーンBに格納(記憶)されるメタデータとして使用可能な識別子であるものとする。
【0069】
図11は、図1に示す本サービスの具体的な適用例について説明する図である。具体的には、図11は、本サービスの流れのうち、入庫の工程となる入庫SS3の一例を説明する模式図である。
図11の説明では、工程αは、例えば倉庫業者W側の工程(入庫SS3-W)とする。また、プロセスKは、例えばプロセスa(検品のプロセス)とする。また、品質判定は、例えばプロセスとして整合(良品)とする。
【0070】
倉庫業者Wは、荷主Sから荷主端末2により、入庫指示の指示情報と物品情報とを、事前に倉庫業者端末4により入手する。なお、図1のステップSS2による指示を、図11では便宜的に入庫指示SS2と呼ぶものとする。上述の指示情報としては、例えば指示番号と各種帳票類や指示システムからのデータ等が挙げられる(一例であるものとする)。また、物品情報としては、例えば商品コード、商品名、規格、入数、外装、数量、重量、サイズ、製造年月日、賞味期限、保管温度帯、匂い、品質条件や取扱方法等が挙げられる(一例であるものとする)。
倉庫業者Wは、メーカMから届いた入庫物品を倉庫業者端末4にて、入庫指示SS2の指示情報と物品情報とが、事実と一致しているか否かを検品する。換言すれば、検品のプロセス(プロセスa)が整合しているか不整合であるかを品質判定する。なお、図1のステップSS3により入庫した物品を、図11では、便宜的に入庫物品SS3と呼ぶものとする。
検品のプロセス(プロセスa)が完了すると、倉庫業者端末4には「SS3-W-a-1」が作業進捗結果として記録される。作業進捗結果としての「SS3-W-a-1」は、倉庫業者W側の工程(入庫SS3-W)のうち、検品のプロセス(プロセスa)が完了し、プロセスとして整合していることを識別子で示す。
倉庫業者端末4に「SS3-W-a-1」が記録された後、倉庫業者Wは、倉庫業者端末4を用いて、作業進捗結果「SS3-W-a-1」と入庫物品SS3の画像データの場所と日時を関連付けた情報を、改竄できないようにIDを付けてブロックチェーンBに格納(記憶)する。ブロックチェーンBには、図11に示すように、「SS3-W-a-1、写真情報、緯度A、経度B、2021/03/13」がメタデータとして格納(記憶)される。また、この格納と同時に、ブロックチェーンBの外部となる主データDB181には、作業進捗結果「SS3-W-a-1」と入庫物品SS3の画像データの場所と日時を関連付けた情報に関わる画像情報が、主データとして格納(記憶)される。
なお、仮に異常がある場合は、アラートが発せられるものとする。即ち、仮に異常がある場合は、ブロックチェーンBに格納(記憶)された情報を見ることができる許可された人(例えば図11では荷主SとメーカM)に対して、例えば端末(例えば図11では荷主端末2とメーカ端末3)を介してアラートが発せられるものとする。アラートが発せられた人は、関係者であるものとして、画像を確認することができる。
【0071】
図11に示す本サービスの具体的な適用例において、上述の関係者は、ブロックチェーンBにより情報共有ができる。また、図11に示す本サービスの具体的な適用例において、主データの内容の正確性は、メタデータによって担保することができる。即ち、作業進捗結果「SS3-W-a-1」と入庫物品SS3の画像データの場所と日時を関連付けた情報がメタデータとしてブロックチェーンBに格納(記憶)されることから、この格納された情報の改竄を困難にし、結果、メタデータの内容と主データの内容との間に齟齬がなければ、主データの内容の正確性をメタデータによって担保することができる。従って、図11に示す本サービスの具体的な適用例では、第1実施形態と同様に、効率よく主データを管理することができる。また、図11に示す本サービスの具体的な適用例では、上述のように情報共有ができることから、上述の関係者が瞬時に情報確認をすることができる。
【0072】
図12は、図11に対して更に具体的な本サービスの適用例について説明する図である。図12は、本サービスの流れのうち、入庫の工程となるSS3の一例を説明する模式図である。
なお、特に図示しないが、以下の説明では例えば図1のメーカMがM1及びM2の2つ、倉庫業者WがW1及びW2の2つ、物流業者LがL1及びL2の2つ、顧客CがC1及びC2の2つ存在するものとする(存在数は一例であるものとする)。
以下では、荷主Sは、荷主端末2により、メーカM1、メーカM2に同じ物品(商品)を夫々製造させるものとする。また、製造された物品は、関東エリア、関西エリアの2箇所の倉庫業者W1、倉庫業者W2が物品管理をするものとする。また、倉庫から出庫された物品は、顧客C1、顧客C2に夫々届くようになるものとする。なお、図12の一例は、顧客C2からダメージのクレームがあり、これを受けて荷主Sが、メーカM1、メーカM2、倉庫業者W1、倉庫業者W2と協働して原因を究明する、と言うケースを挙げたものである。
【0073】
図12において、倉庫業者W1は、倉庫業者端末4を用いて、メーカM1から届いた入庫物品SS3-M1に対し、入庫指示SS2-M1に係る指示情報と物品情報とが、事実と一致しているか否かを検品する。換言すれば、倉庫業者W1は、検品のプロセス(プロセスa)が整合しているか不整合であるかを品質判定する(良品であるか不良であるかを判定する)。なお、この検品のプロセス(プロセスa)は、図11を参照しながら上述した流れと基本的に同じであり、詳細な説明はここでは省略するものとする。
また、倉庫業者W1は、倉庫業者端末4を用いて、メーカM2から届いた入庫物品SS3-M2に対し、入庫指示SS2-M2に係る指示情報と物品情報とが、事実と一致しているか否かを検品する。
検品のプロセス(プロセスa)が整合した状態であるとして(良品であるとして)、検品が完了すると、倉庫業者W1の倉庫業者端末4には、「SS3-M1-W1-a-1」、「SS3-M2-W1-a-1」が作業進捗結果として記録される。
倉庫業者W1は、倉庫業者端末4を用いて、作業進捗結果「SS3-M1-W1-a-1」と入庫物品SS3-M1の画像データの場所と日時を関連付けた情報を、改竄できないようにIDを付けてブロックチェーンBに格納する。また、作業進捗結果「SS3-M2-W1-a-1」と入庫物品SS3-M2の画像データの場所と日時を関連付けた情報を、改竄できないようにIDを付けてブロックチェーンBに格納する。
即ち、図12に示すように、ブロックチェーンBには、「SS3-M1-W1-a-1、写真情報、緯度A、経度B、2021/03/13」、「SS3-M2-W1-a-1、写真情報、緯度A、経度B、2021/03/13」がメタデータとして夫々格納(記憶)される。また、この格納と同時に、ブロックチェーンBの外部となる主データDB181には、作業進捗結果「SS3-M1-W1-a-1」と入庫物品SS3-M1の画像データの場所と日時を関連付けた情報に関わる画像情報が、主データとして格納(記憶)される。また、主データDB181には、作業進捗結果「SS3-M2-W1-a-1」と入庫物品SS3-M2の画像データの場所と日時を関連付けた情報に関わる画像情報が、主データとして格納(記憶)される。
【0074】
一方、倉庫業者W2は、倉庫業者端末4を用いて、メーカM2から届いた入庫物品SS3-M2に対し、入庫指示SS2-M2に係る指示情報と物品情報とが、事実と一致しているか否かを検品する。検品のプロセス(プロセスa)が整合した状態であるとして(良品であるとして)検品が完了すると、倉庫業者W2の倉庫業者端末4には、「SS3-M2-W2-a-1」が作業進捗結果として記録される。
倉庫業者W2は、倉庫業者端末4を用いて、作業進捗結果「SS3-M2-W2-a-1」と入庫物品SS3-M2の画像データの場所と日時を関連付けた情報を、改竄できないようにIDを付けてブロックチェーンBに格納する。
即ち、図12に示すように、ブロックチェーンBには、「SS3-M2-W2-a-1、写真情報、緯度W、経度H、2020/12/07」がメタデータとして格納(記憶)される。また、この格納と同時に、ブロックチェーンBの外部となる主データDB181には、作業進捗結果「SS3-M2-W2-a-1」と入庫物品SS3-M2の画像データの場所と日時を関連付けた情報に関わる画像情報が、主データとして格納(記憶)される。
【0075】
図12に示す本サービスの具体的な適用例においては、作業進捗結果「SS3-M1-W1-a-1」と入庫物品SS3-M1の画像データの場所と日時を関連付けた情報が、メタデータとしてブロックチェーンBに共有情報として格納(記憶)される。また、図12に示す本サービスの具体的な適用例においては、作業進捗結果「SS3-M2-W1-a-1」と入庫物品SS3-M2の画像データの場所と日時を関連付けた情報が、メタデータとしてブロックチェーンBに共有情報として格納(記憶)される。また、図12に示す本サービスの具体的な適用例においては、作業進捗結果「SS3-M2-W2-a-1」と入庫物品SS3-M2の画像データの場所と日時を関連付けた情報が、メタデータとしてブロックチェーンBに共有情報として格納(記憶)される。このような共有情報により、荷主Sは、顧客C2からの問い合わせ(例えばダメージのクレーム)を受けて、倉庫業者W1、倉庫業者W2の物品管理に問題があったのか、それともメーカM、メーカM2の製造過程で異常があったのかを、すぐに検証することができる。
【0076】
また、本サービスの具体的な適用例においては、ブロックチェーンBによる共有情報によって、荷主Sは、顧客C2に納品された物品(商品)が、どこのメーカMで製造され、どこの倉庫業者Wの倉庫から出庫され、どこの物流業者Lが配送したのかを、瞬時に確認することができる。また、荷主Sは、物品(商品)の調査を関係者に問い合わせすることなく、ブロックチェーンBにより瞬時に確認することができる。以上のように情報共有できることで、品質の向上や業績の改善に繋げることができるのは勿論のこと、迅速な対応で顧客Cからの信頼性を確保することもできる。
【0077】
以上本発明の情報処理装置の一実施形態について説明したが、本発明は上述した本実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙に過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0078】
例えば、図2及び図7の上述の実施形態では、メタデータに含まれる情報として、位置や日時に関する情報が挙げられているが、これらに限定されない。また、図11では「SS3-W-a-1、写真情報、緯度A、経度B、2021/03/13」がメタデータの一例として挙げられ、図12では「SS3-M1-W1-a-1、写真情報、緯度A、経度B、2021/03/13」、「SS3-M2-W1-a-1、写真情報、緯度A、経度B、2021/03/13」、「SS3-M2-W2-a-1、写真情報、緯度W、経度H、2020/12/07」がメタデータの一例として挙げられるが、これらに限定されない。
なお、図10の物流業者L側の工程(出庫SS5-L)において、検品のプロセス(プロセスc)が整合した場合を一例に挙げれば、識別子及びメタデータは、SS5-L-c-1になる。
メタデータは、画像フォーマットで作成される情報が当然に含まれる他、画像データが作成された時に、画像データのフォーマットとは異なる手法によって、例えば端末を介して入力された情報も含まれる。
また、メタデータは、主データの内容の正確性を担保し得る情報のみならず、主データに関連する任意の情報も含まれる。
【0079】
また、メタデータとしては、図13に示す暗号化鍵の情報もメタデータの一例として挙げられる。
図13は、本サービスにより管理される主データ及びメタデータの更に具体的な例を示す図である。
図13に示すように、画像データは、暗号化されて、暗号化データとして主データDB181に格納(記憶)される。これに対し、画像データを暗号化する際に用いた暗号化鍵は、ブロックチェーンBに格納(記憶)される。データ利用者は、主データDB181の暗号化データを、ブロックチェーンBの暗号化鍵にて復号化することにより、画像データとして確認することができる。なお、図13中のAPIは、図2において説明したAPI(Application Programming Interface)と同じである。
【0080】
メタデータは、一般的に想起される情報のみならず、様々な情報がメタデータとして含まれる。
【0081】
また例えば、上述の一実施形態では、実績情報は、所定の荷物の積込時間と、対価の支払いの状況とを採用しているが、これに特に制限されない。物流業者Lから荷主Sへの評価に結び付くものであれば、他の実績情報が採用されてもよい。
【0082】
また、上述の評価算出処理では、荷主Sの評価に用いられる「実績情報」は、荷主Sにより荷主端末2に入力されたものが採用されたが、物流業者Lにより物流業者端末5に入力されたものが採用されてもよい。即ち、物流業者Lが物流業者端末5を用いて「実績情報」の入力に基づいて、荷主Sの評価を行うことができる。
【0083】
また、図2の例において、伝票を管理する手法として、伝票を撮像した撮像画像のデータとして管理する手法が挙げられているが、この手法に限定されず、例えば伝票の電子データを管理してもよい。「主データ」の態様は特に限定されず、メタデータを抽出できるデータであればよい。
【0084】
上述の実施形態では、紐付けデータが存在したが、特に必須ではない。即ち、主データ及び当該主データに対するメタデータが紐付けられたうえで、当該メタデータがブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて所定のネットワーク上に記憶される一方、主データがメタデータと異なる所定の記憶媒体に記憶される形態であればよい。
【0085】
また、図4に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0086】
換言すると、図5図8に示す機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図5図8の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図5図8に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロックを荷主端末2や物流業者端末5等に移譲させてもよい。また、サーバ1の機能ブロックを荷主端末2や物流業者端末5等に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0087】
また例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0088】
また例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、利用者にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成される。
【0089】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0090】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図2のリムーバブルメディア30により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア30は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM12や、図3の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0091】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0092】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば図1等のサーバ1)は、
主データ(例えば図2の写真データ)に対するメタデータを、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて所定のネットワーク(例えば図3のネットワークN)上に記憶させる制御を実行する第1記憶制御手段(例えば図5のメタデータ記憶制御部103)と、
前記所定のネットワーク上に記憶された前記メタデータと前記主データとを紐付ける紐付データ(例えば図1の紐付けデータ)と、前記主データとを対応付けて、前記所定の記憶媒体(例えば図5の主データDB181)に記憶させる制御を実行する第2記憶制御手段(例えば図5の主データ記憶制御部104)と、
を備える。
【0093】
これにより、主データに対するメタデータが所定のネットワーク上に記憶されて、主データが所定の記憶媒体に記憶されて、メタデータと主データとを紐付ける紐付けデータが、主データに対応付けられて管理される。
その結果、所定のネットワーク上に記憶されたメタデータは、改竄が防がれるので、メタデータの内容と主データの内容との間に齟齬がなければ、主データの内容の正確性がメタデータによって担保されることになる。これにより、所定のネットワーク上に主データを記憶させることなく、効率よく主データを管理することができる。
【0094】
また、本発明が適用される情報処理装置(例えば図1等のサーバ1)は、
主データ(例えば図11の写真データ)及び当該主データに対するメタデータ(例えば図11の「SS3-W-a-1、写真情報、緯度A、経度B、2021/03/13」)を紐づけて、当該メタデータをブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて所定のネットワーク上に記憶させる制御を実行する第1記憶制御手段(例えば図5のメタデータ記憶制御部103)と、
前記主データを前記メタデータと異なる所定の記憶媒体(例えば図11の主データDB181)に記憶させる制御を実行する第2記憶制御手段(例えば図5の主データ記憶制御部104)と、
を備える。
【0095】
これにより、主データ及び当該主データに対するメタデータが紐付けられて、当該メタデータが所定のネットワーク上に記憶されるとともに、主データが所定の記憶媒体に記憶されて管理される。
その結果、所定のネットワーク上に記憶されたメタデータは、改竄が防がれるので、メタデータの内容と主データの内容との間に齟齬がなければ、主データの内容の正確性がメタデータによって担保されることになる。これにより、所定のネットワーク上に主データを記憶させることなく、効率よく主データを管理することができる。また、所定のネットワーク上に記憶されたメタデータは、情報共有ができることから、情報を見ることができる許可された人(関係者)が瞬時に情報の確認をすることができ、例えば品質の向上や業績の改善に繋げることができる。
【0096】
また、前記第1記憶制御手段は、
商品の注文に関する取引、当該商品の倉庫への入庫の指示に関する取引、当該商品の当該倉庫からの出庫の指示に関する取引、及び当該商品の納品先への配送の依頼に関する取引のうち少なくとも1の取引の際に作成された、当該取引の内容を示すデータを前記主データとした場合に、
当該主データに対する前記メタデータを、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて所定のネットワーク上に記憶させる制御を実行することができる。
【0097】
これにより、商品の注文に関する取引、当該商品の倉庫への入庫の指示に関する取引、当該商品の当該倉庫からの出庫の指示に関する取引、及び当該商品の納品先への配送の依頼に関する取引の内容を示すデータに対する前記メタデータが、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて所定のネットワーク上に記憶される。
その結果、顧客による荷主への商品の注文から、実際に商品が納品されるまでの間におけるあらゆる取引においてやり取りされるデータを的確に管理する鵜ことができる。
【0098】
また、前記第1記憶制御手段は、
前記主データとしての、所定の取引の内容を示す伝票の撮像画像のデータ又は当該伝票の内容を示す電子データのうち少なくとも一方と、前記取引が行われたことを示す風景の撮像画像のデータとの夫々に対する前記メタデータを、ブロックチェーン技術又は分散型台帳技術を用いて所定のネットワーク上に記憶させる制御を実行することができる。
【0099】
これにより、写真データを含む電子データを主データとするメタデータがネットワーク上で的確に管理される。
【0100】
また、前記メタデータには、
前記主データが生成された位置示す情報(例えば緯度経度)と、日時(例えばタイムスタンプ)示す情報とのうち少なくとも一方を示す情報が含まれるようにすることができる。
【0101】
これにより、メタデータに含まれる、位置を示す情報と日時を示す情報とに基づいて主データを的確に管理することができる。
【0102】
また、
前記メタデータには、
前記主データが生成された工程におけるプロセスの作業進捗結果を示す情報が更に含まれるようにすることができる。
【0103】
これにより、メタデータに含まれる、作業進捗結果を示す情報に基づいて主データを的確に管理することができる。
【0104】
また、
前記メタデータには、
前記プロセスが整合しているか不整合であるかを品質判定する情報が更に含まれるようにすることができる。
【0105】
これにより、メタデータに含まれる、品質判定する情報に基づいて主データを的確に管理することができる。
【符号の説明】
【0106】
1・・・サーバ、2・・・荷主端末、3・・・メーカ端末、4・・・倉庫業者端末、5・・・物流業者端末、6・・・顧客端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・表示部、17・・・入力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、30・・・リムーバブルメディア、101・・・主データ取得部、102・・・メタデータ抽出部、103・・・メタデータ記憶制御部、104・・・主データ記憶制御部、181・・・主データDB、201・・・実績取得部、202・・・評価算出部、203・・・評価結果取得部、204・・・メタデータ抽出部、205・・・メタデータ記憶制御部、206・・・評価結果記憶制御部、207・・・評価結果提示部、B・・・ブロックチェーン、S・・・荷主、M・・・メーカ、W・・・倉庫業者、L・・・物流業者、C・・・顧客、SS・・・各ステップ、N・・・ネットワーク
図1
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