(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】追加情報信号の無線送信のための送信機、方法、装置、受信機およびコンピュータ製品
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
H04L27/26 300
H04L27/26 110
H04L27/26 400
(21)【出願番号】P 2019503423
(86)(22)【出願日】2018-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2018069183
(87)【国際公開番号】W WO2019016108
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-06-10
(31)【優先権主張番号】102017000082050
(32)【優先日】2017-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】511109386
【氏名又は名称】インスティテュート フューア ランドファンクテクニック ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】クーネルト、クレメンス
(72)【発明者】
【氏名】シーバー、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】リッペルト、ハーマン
(72)【発明者】
【氏名】ペターセン、スウェン
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-005932(JP,A)
【文献】特開2008-211657(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライマリ情報信号に重ねて追加情報信号
を無線送信
するための送信機であって
、前記送信機は、
第1セットのガードインターバルがシンボル間に分散された第1プライマリ情報信号及び第2セットのガードインターバルがシンボル間に分散された第2プライマリ情報信号を受信し、
制御信号に応じて
、前記第1セットのガードインターバル及び前記第2セットのガードインターバルが時間について重複する時間ウィンドウ内に前記追加情報信号を
配置して無線送信す
る
ように構成されてい
る送信機。
【請求項2】
前記送信機は、
さらに、前記追加情報信号が前記
時間ウィンドウ内で送信されるよう
に前記制御信号を導出する
ように構成される、請求項1に記載の送信機。
【請求項3】
前記送信機は、
さらに、前記
第1プライマリ情報信号
又は前記第2プライマリ情報信号及び前記追加情報信号の一部分から構成された合成情報信号を送信するように構成さ
れている、請求項1または2に記載の送信機。
【請求項4】
前記送信機は、
前記追加情報信号の送信を開始するために使用される外部制御信号を受信するためのインタフェースを有
する、請求項1から3のいずれか一項に記載の送信機。
【請求項5】
前記送信機は、前記
第1プライマリ情報信号の
1又は複数のガードインターバルにおいて少なくとも1つの補助信号を送信するように構成され、
前記補助信号は、受信機側での前記追加情報信号の導出、処理または認識を向上するように設計されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の送信機。
【請求項6】
前記追加情報信号および前記
第1プライマリ情報信号
又は前記第2プライマリ情報信号は、さらに、特に、OFDMベースシステム、DVB-T規格、LTE規格、WiFi/無線LAN規格またはDAB規格において、基本的に同じ周波数範囲である、請求項1から5のいずれか一項に記載の送信機。
【請求項7】
プライマリ情報信号に重ねて追加情報信号
を無線送信
するための方法であって
、前記方法は、
第1セットのガードインターバルがシンボル間に分散された第1プライマリ情報信号及び第2セットのガードインターバルがシンボル間に分散された第2プライマリ情報信号を受信する段階と、
制御信号に応じて
、前記第1セットのガードインターバル及び前記第2セットのガードインターバルが時間について重複する時間ウィンドウ内に前記追加情報信号を
配置して無線送信する
段階と、
を含
む方法。
【請求項8】
前記方法は、
さらに、前記
時間ウィンドウ内で前記追加情報信号を無線送信するために
、前記制御信号を導出する段
階を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、
さらに、前記
第1プライマリ情報信号
又は前記第2プライマリ情報信号及び前記追加情報信号の一部分から新たな情報信号を準備して送信する段
階を含
む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
外部制御信号を受信する段階を含む、
請求項7または8に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
補助信号を送信する段階を含み、
前記補助信号は、受信機側での前記追加情報信号の処理または認識を向上するように設計される、
請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項7から11のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された装置であって、
リピータ、電話機、スマートフォン、ノートパソコン、タブレットPC、無線機、ルーター、WiFi/無線LANルーター、ゲートウェイ装置、または、ケーブルテレビジョンヘッドエンドである、
装置。
【請求項13】
プライマリ情報信号
に重ねて送信された追加情報信号を無線受信するための受信機であって、
第1プライマリ情報信号
又は第2プライマリ情報信号のガードインターバル
内の時間ウィンドウ内で前記追加情報信号を受信するよう構成され、
前記時間ウィンドウは、前記第1プライマリ情報信号のシンボル間に分散された第1セットのガードインターバル及び前記第2プライマリ情報信号のシンボル間に分散された第2セットのガードインターバルが時間について重複する期間である、
受信機。
【請求項14】
前記受信機は、
前記
第1プライマリ情報信号の
1又は複数のガードインターバルにおいて前記追加情報信号の補助信号を処理するように構成され、
前記補助信号は、受信機側での前記追加情報信号の導出、認識または処理を向上させるように設計されている、
請求項13に記載の受信機。
【請求項15】
前記追加情報信号および前記
第1プライマリ情報信号
又は前記第2プライマリ情報信号は、特に、OFDMベースシステム、DVB-T規格、LTE規格、WiFi/無線LAN規格またはDAB規格に従って、実質的に同じ周波数範囲に存在する、請求項13または14に記載の受信機。
【請求項16】
前記受信機は、
前記追加情報信号及び/または前記プライマリ情報信号を選択するためのスイッチを有し、
前記スイッチは、特に、バーチャルスイッチとして、少なくとも部分的にハードウェア要素及び/またはソフトウェア要素から構成され、
前記受信機は、具体的にはテレビ、スマートTV、HbbTV、電話機、携帯電話、スマートフォン、ノートパソコン、タブレットPC、スマートウォッチ、または、無線機である、
請求項13から15のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項17】
プライマリ情報信号に重ねて送信された追加情報信号
を無線
受信するための方法であって、前記方法は、
第1プライマリ情報信号
又は第2プライマリ情報信号のガードインターバル内の時間ウィンドウ内で前記追加情報信号を受
信する段
階を含み、
前記時間ウィンドウは、前記第1プライマリ情報信号のシンボル間に分散された第1セットのガードインターバル及び前記第2プライマリ情報信号のシンボル間に分散された第2セットのガードインターバルが時間について重複する期間である、
方法。
【請求項18】
前記方法は、
補助信号を受
信する段階を更に含み、
前記補助信号は、前記追加情報信号の導出、認識または処理の向上のため、前記追加情報信号に割り当てられ、前記プライマリ情報信号の前記ガードインターバル
内に配置される、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、
処理のために前記追加情報信号及び/または前記プライマリ情報信号を選択するためのスイッチを提供する段階を含む、
請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
請求項7から11のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項21】
請求
項17から
19のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
導入 本発明は、他の無線送信されたプライマリ情報信号のガードインターバルにおいて追加情報信号を無線で送信および受信するための送信機、方法、装置、受信機およびコンピュータ製品に関する。
【0002】
情報信号の無線送信は関連技術分野で公知である。 また、ガードインターバルは、受信機での情報信号の受信品質への悪影響を弱めるために情報信号の無線送信において使用できることが知られている。そのような悪影響は、特に、マルチ送信機システムの無線送信におけるランタイム差に由来する干渉、反射またはエコー現象に起因するとしてよい。
【0003】
本発明は、追加情報信号の無線送受信が全体のペイロードデータレートを増大させることを可能にすることに関する。
【0004】
第1の態様によれば、本発明は、追加情報信号の無線送信のための送信機を提供し、送信機は、無線送信されたプライマリ情報信号のガードインターバルにおいて送信時間に対応する制御信号に応じて追加情報信号を送信するように構成され、プライマリ情報信号は、他の送信機から発せられ、本発明による送信機は、プライマリ情報信号のガードインターバルにおいて送信時間で追加情報信号を無線送信するように適合される。本発明によれば、追加情報信号の送信は、ガードインターバル、または、プライマリ情報信号内に配置されたガードインターバルの重ね合わせによって行われる。この件において、「プライマリ情報信号」という用語は、1または複数の送信機によって無線送信され、送信機側がガードインターバルを使用するところの全ての種類の情報信号を意味することを意図している。本発明による送信機は、他の情報信号のガードインターバルの重複時間に応じた追加情報信号を送信するように構成され、参照しやすいように、この明細書において他の情報信号は「プライマリ情報信号」と表す。ここで、追加情報信号を送信するための送信時間は、プライマリ情報信号のガードインターバルに対応する。本発明による送信機は、このため、追加情報信号を送信するために、プライマリ情報信号のガードインターバルの発生時間に対応する制御信号が処理および使用されるように、構成されている。したがって、本発明による送信機は、追加情報信号を送信するための制御信号インタフェースを有し、制御信号はプライマリ情報信号のガードインターバルの発生時間によって決まる。ガードインターバルという用語は、技術文献では定義が異なるので、わかりやすくするために、以下に規定される。本発明によるガードインターバルという用語は、情報信号またはプライマリ情報信号に含まれる時間ウィンドウに言及し、プライマリ情報信号の受信を向上させるためのプライマリ情報信号のシンボル間のスペーサとして使用される。ガードインターバルは、あらゆるシンボルまたは信号成分を全く含まなくてもよく、または、信号要素の一部を含んでもよい。
【0005】
本発明の上記の第1の態様は、追加情報信号は、リザーブを有するガードインターバルとでエリアにブロードキャストされ得るという利点を提供する。結果として、データスループットは、有利な方法で増加される。さらに、リソースとしての周波数スペクトルが影響を受けないままであるか、または、より良く使用されるように、追加の周波数範囲の使用に代えて、プライマリ情報信号と同じ周波数範囲がより十分に利用される。リザーブという用語は、プロビジョニングされた、または、今後のガードインターバルが、場所的または時間的に大き過ぎてもよいことを意味する。本発明にしたがって、既存のリザーブはより良い方法で利用できる。
【0006】
本発明の別の態様によれば、送信機は、追加情報信号がプライマリ情報信号のガードインターバルにおいて送信時間で送信されるように、プライマリ情報信号を受信して処理し、送信時間に対応する制御信号を導出する処理部を有する。この場合、プライマリ情報信号の処理は、プライマリ情報信号において組み込まれたガードインターバルを検出して、それに基づいて、時間内での追加情報信号の送信を決定する制御信号を導出するために実行される。
【0007】
また、本発明によれば、プライマリ情報信号および追加情報信号の一部分から構成された情報信号を送信するように構成された送信機が提案され、この送信機は、プライマリ情報信号のガードインターバルにおいて追加情報信号を送信するように適合されている。この場合、プライマリ情報信号のペイロード、具体的にはシンボル、好ましくは、プライマリ情報信号から導出され、合成情報信号として追加情報信号と一緒に送信される。これによって、送信機によって追加情報信号だけでなく、プライマリ情報信号のシンボルもまたブロードキャストされるので、新たな信号が生成され送信される。
【0008】
本発明の更なる態様において、送信機は、外部制御信号を受信するためのインタフェースを有し、追加情報信号がプライマリ情報信号のガードインターバルにおいて送信時間で送信できるように、外部制御信号はプライマリ情報信号のガードインターバルにおいて送信時間に対応する。本発明による送信機には、外部制御信号が供給され、送信機それ自身は、プライマリ情報信号を受信および処理することによってガードインターバルを検出しない。これは、制御信号の意図的な提供が実行され、また、プライマリ情報信号を送信する送信機との結合が実現され得る利点を有する(特に、単一の初期送信機の場合に関係がある)。さらに、プライマリ情報信号を送信する送信機は、指向性信号を送信することもでき、本発明による送信機が同期して追加情報信号を送信することを可能とする。
【0009】
本発明の更なる態様において、送信機はプライマリ情報信号のガードインターバルにおいて少なくとも1つの補助信号を発するように構成され、補助信号は、受信機側での追加情報信号の受信、処理または認識を向上させるように設計されている。ここで、補助信号は、追加情報信号の受信品質の向上を可能にすることが想定される。この目的で、既知の技術であり、サイクリックプレフィックス(CP)または他の種類の信号等の既知の技術が使用できる。
【0010】
本発明によれば、追加情報信号およびプライマリ情報信号は、さらに、特に、DVB-T規格、LTE規格、WiFi/無線LAN規格またはDAB規格のようなOFDMベースシステムにおいて、実質的に同じ周波数範囲である。本発明では、追加情報信号およびプライマリ情報信号が同じまたは隣接する周波数範囲に存在しないけれども、追加情報信号とプライマリ情報信号との間で所望されない相互干渉が一般的に起きるコンスタレーションに対しても、使用できるので、追加情報信号およびプライマリ情報信号は同じ周波数範囲であると仮定する。
【0011】
さらに、本発明によれば、追加情報信号の無線送信のための方法が提案され、この方法は、制御信号に応じて追加情報信号を無線送信する段階を含み、制御信号は、制御信号に応じて追加情報信号を送信するように、無線送信されたプライマリ情報信号のガードインターバルにおいて送信時間に対応する。前述の方法は、プライマリ情報信号を受信して処理し、所望の送信時間において制御信号に応じて追加情報信号を無線送信するように、プライマリ情報信号からガードインターバルに対応する制御信号を導出する段階を更に含んでもよい。さらに、前述の方法は、外部制御信号を受信する段階を含んでもよい。さらに、関連する変形例および代替例を含む前述の方法は、補助信号を送信する段階を含んでもよく、補助信号は、受信機側での追加情報信号の処理または認識を向上させるように設計されている。さらに、上記の方法の一つを実行するように構成された装置が提案され、具体的には、装置は、リピータ、電話機、スマートフォン、ノートパソコン、タブレットPC、無線機、ルーター、WiFi/無線LANルーター、ゲートウェイ装置、または、ケーブルテレビジョンヘッドエンドである。
【0012】
本発明の更なる態様において、追加情報信号およびプライマリ情報信号を無線で受信する受信機が提案され、本発明に係る追加情報信号は、プライマリ情報信号のガードインターバルにおいて配置されている。
【0013】
さらに有益な点として、受信機は、プライマリ情報信号のガードインターバルにおいて追加情報信号の補助信号を処理するように適合され、補助信号は、受信機側での追加情報信号の導出、認識または処理を向上させるように構成されている。
【0014】
さらに有益な点として、追加情報信号およびプライマリ情報信号は、さらに、特に、DVB-T規格、LTE規格、WiFi/無線LAN規格またはDAB規格のようなOFDMベースシステムにおいて、実質的に同じ周波数範囲に存在する。
【0015】
さらに有益な点として、受信機は、追加情報信号及び/またはプライマリ情報信号を選択するためのスイッチを有し、スイッチは、少なくとも部分的にハードウェア要素及び/またはソフトウェア要素から構成され、受信機は、具体的にはテレビ、スマートTV、HbbTV、電話機、携帯電話、スマートフォン、ノートパソコン、タブレットPC、スマートウォッチ、または、無線機である。スイッチは、例えば、スクリーン上に表示される、メニュー項目とすることができ、ボタンまたはタッチセンサを用いて操作可能でもよい。
【0016】
更に、本発明によれば、方法は、無線送信された追加情報信号を受信するために提案され、方法は、追加情報信号および無線送信されたプライマリ情報信号を受信して導出する段階であって、追加情報信号はプライマリ情報信号のガードインターバルにおいて配置される、段階と、追加情報信号及び/またはプライマリ情報信号を処理して検出する更なる段階と、を含む。
【0017】
更に、本発明によれば、方法は、補助信号を受信して処理する更なる段階とともに提案され、補助信号は、追加情報信号の導出、認識または処理の向上のため、追加情報信号に割り当てられ、プライマリ情報信号のガードインターバルにおいて配置される。これは、上記の補助信号は、追加情報信号の導出、認識または処理に貢献し、具体的にこの目的のために生成され送信されることを意味する。
【0018】
更に、方法は、処理のために追加情報信号及び/またはプライマリ情報信号を選択するためのスイッチを提供する段階とともに提供される。本発明に係るスイッチは、具体的には、受信機において、プライマリ情報信号及び/または追加情報信号を導出、認識または処理することを選択することを可能とする。
【0019】
本発明の別の態様によれば、ここで提案された方法の一つに応じた方法を実装する機械可読媒体で具現化されるコンピュータプログラム製品が提供され、方法の一つが実行される。
【0020】
対応するシンボルがプライマリ情報信号から導出される得ることが確実である限り、レガシー装置によってもプライマリ情報信号は処理可能であるので、好ましいことに、本発明にしたがって送信された情報信号を処理するための新たな装置、および、本発明の技術を備えていないレガシー装置の両方とも、対応する信号を処理できるという利点がある。さらに、本発明に係る装置は、プライマリ情報信号および追加情報信号の両方を処理できる。以下では、図を参照してより詳細に本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】先行技術に係るプライマリ情報信号または送信された情報信号の時間的構造を示す。
【
図2】ガードインターバルを用いた先行技術によるプライマリ情報信号の更なる時間的構造を示す。
【
図3】ガードインターバルを用いた先行技術による2つのプライマリ情報信号の同期式伝送の時間的構造を示す。
【
図4】
図3と同様に、ガードインターバルを用いた先行技術による2つのプライマリ情報信号のタイムシフト送信および受信の時間的構造を示す。
【
図5】
図4に基づいて、先行技術による2つのプライマリ情報信号のタイムシフト送信および受信の時間的構造を示し、追加時間ウィンドウは、本発明に係る追加情報信号の送信のために、プライマリ情報信号のガードインターバルにおいて配置されている。
【
図6】追加情報信号を送信するための実施形態を示す。
【
図7】追加情報信号を送信するための追加の実施形態を示す。
【
図8】追加情報信号を送信するための追加の実施形態を示す。
【
図9】追加情報信号を送信するための実施形態を示す。
【
図10】追加情報信号を送信するための本発明による第1代替送信機Alt.1および第2代替送信機Alt.2を示す。
【
図11】追加情報信号を送信するための本発明による送信機の第1代替例を示し、当該送信機は建物の内部に配置されている。
【0022】
【
図12】受信されたプライマリ情報信号および追加情報信号を処理するための本発明による受信機の構造を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、先行技術によるプライマリ情報信号の時間的構造を示す。この場合、プライマリ情報信号は、時間的に連続して発生し、順々に送信されるシンボルS1、S2、S3から構成される。
図1は更に3つのタイムスロットTSを示し、シンボルS1前、シンボルS1,S2間、およびシンボルS2,S3間である。タイムスロットTSは、2つのシンボル間に配置され、シンボルS1前のタイムスロットTSは、完全性のためにだけ示され、シンボルS1の前に他のシンボルが配置されている場合、技術的な説明を提供するだけである。図示されたタイムスロットTSは信号を含まない。さらに、タイムスロットTSは、タイムスロットTSにおいて信号が送信されないけれども、技術文献において、ガードインターバルとよばれる場合があると留意すべきである。
【0024】
図2は、ガードインターバルの追加使用を伴う先行技術によるS1,S2,S3からなるプライマリ情報信号の更なる時間的構造を
図1と同様に示し、ガードインターバルは、少なくとも一部分に情報信号成分を含み、すなわち、シンボルS1の前、シンボルS1,S2間、および、シンボルS2,S3間であり、ガードインターバルGI1,GI2,GI3は、タイムスロットTS内に配置されている。
図1とは対照的に、ガードインターバルGI1,GI2,GI3は、少なくとも一部分に信号成分が含まれる。ガードインターバルGI1,GI2,GI3は、通常、シンボルS1,S2,S3の一端の一部を含み、例えば、シンボルS1,S2,S3全体を導出するための自己相関方法のために使用される。
【0025】
図3は、ガードインターバルGI1´,GI2´,GI3´およびGI1´´,GI2´´,GI3´´を用いた2つのプライマリ情報信号S1´,S2´,S3´およびS1´´,S2´´,S3´´の同期式伝送の時間的構造を
図2と同様に示し、プライマリ情報信号S1´,S2´,S3´およびS1´´,S2´´,S3´´のそれぞれの送信は、別個の送信機を用いて実行される。ガードインターバルGI1´,GI2´,GI3´およびGI1´´,GI2´´,GI3´´は、異なる時間で、2つのプライマリ情報信号S1´,S2´,S3´およびS1´´,S2´´,S3´´が受信機で受信されたときに、S1´´,S2´´,S3´´が重ねられたシンボルS1´,S2´,S3´が依然として導出され得るようにサイズ決められる。
【0026】
図4は、先行技術によるガードインターバルGI1´,GI2´,GI3´およびGI1´´,GI2´´,GI3´´を用いた2つのプライマリ情報信号S1´,S2´,S3´およびS1´´,S2´´,S3´´のタイムシフト送受信の時間的構造を
図3と同様に示す。
図4では、タイムオフセットは、プライマリ情報信号S1´,S2´,S3´におけるGI1´,GI2´,GI3´を表す、ハッチングされた矩形によって示される。
【0027】
図5は、
図4に基づき、ガードインターバルGI1´,GI2´,GI3´およびGI1´´,GI2´´,GI3´´を用いた2つのプライマリ情報信号S1´,S2´,S3´およびS1´´,S2´´,S3´´のタイムシフト送受信の時間的構造を示し、本発明に応じて追加情報信号を送信するための追加時間ウィンドウATWが図示される。本発明によれば、追加情報信号は、時間ウィンドウATWにおいて配置されて送信され得る。好ましくは、時間ウィンドウATWは、シンボルS1´,S2´,S3´およびS1´´,S2´´,S3´´を送信するために現在使用されていない時間内にある。
【0028】
図6は、本発明に係る時間ウィンドウATWにおいてDL(ダウンリンク)としての追加情報信号の送信を示す。本発明によれば、DLは、シンボルS1´,S2´,S3´およびS1´´,S2´´,S3´´とオーバーラップしないエリア内の時間ウィンドウATWにおいて送信される。本発明によれば、
図7に示すように、DL(ダウンリンク)信号の代わりに、UL(アップリンク)信号も、本発明による受信機が、本発明による送信機と同様にULを送信するために時間ウィンドウATWを使用できるように、送信されてもよい。さらに、本発明によれば、S1´,S2´,S3´およびS1´´,S2´´,S3´´の送信における一連の時間ウィンドウATWはまた、DLまたはULの送信について必要になることに応じて、または、任意に使用され得る。
【0029】
図8は本発明に係る追加の実施形態を示し、プライマリ情報信号のガードインターバルにおいて単一の時間ウィンドウATWは、DL(ダウンリンク)およびUL(アップリンク)の送信の両方のために、使用される。この場合、本発明によれば、プライマリ情報信号のガードインターバルにおいて単一ATWまたは時間範囲は、DLおよびULを組み合わせた送信について、必要になることに応じて、または、任意に使用され得る。
【0030】
図9は、本発明に係る送信機TR-ZIによる時間ウィンドウATWにおいて本発明に係る追加情報信号ZIの送信を示す。これは、第1送信機TR1によって送信された第1プライマリ情報信号PI1および第2送信機TR2によって送信された第2プライマリ情報信号PI2の推定のもとで行われる。
図9に示されるように、送信されたプライマリ情報信号PI1,PI2は、タイムオフセットがある状態で送信機TR-ZIの周囲に到達する。上記のタイムオフセットは送信機TR-ZI上に到達したプライマリ情報信号PI2において点線によって表される。本発明によれば、送信機TR-ZIは、オーバーラップの結果得られる時間ウィンドウATWに追加情報信号ZIを適切に配置して送信するように構成されている。これによって、本発明によれば、利用可能な時間ウィンドウATWを用いた追加情報信号ZIのローカル送信がある。さらに、本発明によれば、送信機TR-ZIは、室内など、送信信号PI1,PI2から実質的にと遮蔽または切断されたエリア内に配置されることもまたできる。上記のシナリオにおいて、本発明に係る送信機TR-ZIは、プライマリ情報信号を受信するように、時間ウィンドウATWの各々に追加情報信号を挿入して、プライマリ情報信号および追加情報信号の両方を、その後送信するためにするように構成されている。これは、特に、プライマリ情報信号の受信は可能ではないが、本発明により追加情報信号の追加送信が可能性となるエリアに、本発明に従った更なる使用のシナリオをもたらす。
【0031】
図10は、追加情報信号を送信するための、本発明による第1代替例Alt.1および第2代替例Alt.2に係る送信機TR-ZIを示す。本発明による送信機TR-ZIの第1代替Alt.1は、対応するガードインターバルGI1´,GI2´,GI3´と共にシンボルS1´,S2´,S3´を含むプライマリ情報信号PI1を受信するための受信アンテナEA、および追加時間ウィンドウATWにおいて追加情報信号ZIを送信するための送信アンテナSAを含み、これによって、検出した追加時間ウィンドウATWに応じて、追加情報信号ZIを送信する。送信機TR-ZIは、追加情報信号ZIを受信して処理するための入力ZIを有し、入力ZIは、送信機TR-ZI内で実現された入力として把握され、具体的には、所望の記憶、または、供給された送信機TR-ZIへの追加情報信号をメモリからの追加情報信号に供給するように構成された内部入力として把握される。さらに、送信機TR-ZIは、検出部Detect-ATWを有し、検出部Detect-ATWは、プライマリ情報信号において追加時間ウィンドウATWを検出してZI(Det)として表されている、検出後の追加情報信号ZIのその後の送信を保証するように構成され、適切な時間において無限に送信されるプライマリ情報信号PI1に加えて、プライマリ情報信号PI1のガードインターバルGI1´,GI2´,GI3´において追加情報信号ZIを受信可能とする。本発明に係る第2代替例Altによる送信機TR-ZIは、追加時間ウィンドウATWを検出するためだけでなく、受信されたプライマリ情報信号PI1を使用するように構成され、PI1,ZI,/ZI(Det)からなる完全に新たな情報信号を生成して送信するために、追加情報信号ZIを追加した後、少なくとも個々のシンボルS1´,S2´,S3´を、プライマリ情報信号PI1から導出するために、そしてプライマリ情報信号PI1が使用される。この場合、第2代替例Altによる送信機TR-ZIは、PI1+ZIとして表されている、プライマリ情報信号PI1および追加情報信号ZIの一部分からなる情報信号を、出力として、供給する生成部GENを含む。それゆえ、追加情報信号ZIを送信するための本発明による2つの代替例Alt.1,Alt.2があり、第1代替例Alt.1は、追加情報信号ZIまたはガードインターバルを送信するための適切な時間を検出するのみであり、第2代替例は、少なくともシンボルS1´,S2´,S3´が導出され、追加情報信号ZIの対応するシンボルまたはデータが追加され、新たな情報信号が、これによって形成されて送信されるように更にプライマリ情報信号PIを処理する。追加情報信号ZIはこの後GI1´,GI2´,GI3´において配置された特定のエリア内に配置される。
【0032】
図11は、
図10に示される、本発明に係る第1代替例Alt.1による送信機TR-ZIを示し、送信機TR-ZIは建物G内に配置される。外側からのプライマリ情報信号PIは建物Gの内部で減衰されて受信されるか、または、全く受信されない。しかしながら、この場合、
図10に示されるように、プライマリ情報信号PIは、受信アンテナEAを用いてTR-ZIによって受信され、送信機TR-ZIに供給される。送信された情報信号PI1+ZIは、その後、検出部DetectATWを用いて時間内に追加情報信号ZIを無線で送信することによって提供される。説明を完全なものにするべく、また、本発明による第2代替例Alt.2による送信機も、
図10に示されるように、使用され得ることを指摘しておく。
【0033】
図12は、受信されたプライマリ情報信号Σ(PI1,PI2)および追加情報信号ZIを処理するための本発明による受信機REの構造を概略的に示す。この場合、
図12に示されるように、プライマリ情報信号PI1,PI2は、複数の送信機によって送信され、本発明によると、追加情報信号ZIは、少なくとも1または複数のプライマリ情報信号PI1,PI2で送信され、上記の信号は、同時に受信機REに到達せず、時間オフセットがある状態で、重畳信号Σ(PI1+ZI,PI2+ZI)として到達すると仮定される。本発明による受信機REは、重畳されたプライマリ情報信号Σ(PI1,PI2)および追加情報信号ZIの両方が、検出され、導出され、処理され得るように、信号について別個の処理を実行するように構成されている。上記の処理段階は、概して各ブロックにおいて、DetectΣ(PI1,PI2),ProcessΣ(PI1,PI2),DetectZIおよびProcessZIと表されている。さらに、本発明による受信機REは、Σ(PI1,PI2)及び/またはZIから選択させるためのスイッチ(不図示)を有する。これによって、更なる処理及び/または提供のために、受信された信号Σ(PI1,PI2)及び/またはZIから自動または手動で選択することが実現できる。