(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】プログラム、端末、ゲームシステム及びゲーム管理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/55 20140101AFI20220405BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20220405BHJP
A63F 13/54 20140101ALI20220405BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20220405BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/80 B
A63F13/54
A63F13/58
(21)【出願番号】P 2020062019
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2020-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】100079005
【氏名又は名称】宇高 克己
(74)【代理人】
【識別番号】100154405
【氏名又は名称】前島 大吾
(74)【代理人】
【識別番号】100201341
【氏名又は名称】畠山 順一
(72)【発明者】
【氏名】小谷 英斗
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 真彦
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特許第6289349(JP,B2)
【文献】特開2001-157778(JP,A)
【文献】特許第5654216(JP,B2)
【文献】特開2006-314705(JP,A)
【文献】特開2006-142097(JP,A)
【文献】バディAI,ゼノンザード図書館 [online],2019年10月25日,https://seesaawiki.jp/zenonzard/d/%A5%D0%A5%C7%A5%A3AI#,[2021年12月9日検索]
【文献】[Online]ドラゴンクエストモンスターズ2 モンスターの性格について,2019年03月09日,https://web.archive.org/web/20190309194347/https://way78.com/gb/dqm2/word01.html,[2021年4月15日検索]
【文献】AIカードダス ゼノンザード part30,5ちゃんねる [online],2019年10月10日,https://krsw.5ch.net/test/read.cgi/gamesm/1570620871/,[2021年12月9日検索]
【文献】ゼノンザード:コードマン性格変化の種類と条件(おまけでCOOLキィラン),ガリとモノリス [online],2019年10月01日,https://game.aosns.com/2019/10/blog-post.html,[2021年12月9日検索]
【文献】[Online]AI(人工知能)との連係が拓く新たなカードゲームの可能性とは?,2018年12月25日,https://www.famitsu.com/news/201812/25169491.html,[2021年4月1日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ゲーム要素を使用する対戦ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記対戦ゲームにおいて前記第1ゲーム要素を使用可能であり、前記第1ゲーム要素を使用した対戦に影響を与える複数種類の性格属性のいずれかを有する第2ゲーム要素をプレーヤと対応付けて設定する設定手段、
価値情報との交換可能な交換可能期間が定められており、前記第2ゲーム要素の性格属性を
特定の性格属性に変更する
複数種類の変更アイテムの中から、プレーヤにより選択された特定種類の変更アイテムを
、前記交換可能期間内にプレーヤが保有する価値情報と交換することによって、取得するアイテム取得手段、
取得した変更アイテムの使用を条件として、第2ゲーム要素の性格属性を
、使用された変更アイテムに対応する特定の性格属性に変更させる性格属性変更手段、
前記第2ゲーム要素の音声表現態様データを用いて、対戦ゲームの進行に伴って発生する所定場面に、前記プレーヤに対する第2ゲーム要素による音声表現態様を出力する表現出力手段、
として機能させ、
前記第2ゲーム要素の音声表現態様データは、前記第2ゲーム要素の性格属性毎に異なる音声表現態様のデータであり、
前記プレーヤに対する第2ゲーム要素による音声表現態様は、前記所定場面発生時の前記第2ゲーム要素の性格属性に対応した音声表現態様データによる音声表現態様であ
り、
前記価値情報は所定のイベントを達成したことにより提供され、
前記所定のイベントは、特定の対戦に参加又は勝利することを含む、
プログラム。
【請求項2】
前記変更アイテムの使用によって第2ゲーム要素の性格属性が変更されても、当該第2ゲーム要素の対戦でのレベルは変化しない
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記各所定場面は、対戦ゲームにおける、ログイン後の場面、対戦後の場面、の少なくとも一方を含む
請求項1又は請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2ゲーム要素はプレーヤとグループを構成し、単独で又はプレーヤと共に対戦を行う
請求項1から請求項
3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記設定手段は、前記第2ゲーム要素を、対戦ゲームにおいて対戦相手への提示対象とならないゲーム要素としてプレーヤに対応付けて設定する
請求項1から請求項
4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
変更後の前記第2ゲーム要素の性格属性を通知する通知手段、
として機能させる
請求項1から請求項
5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、
対戦ゲームにおいて、対戦相手に提示する第1ゲーム要素を設定する第1ゲーム要素設定手段として機能させる
請求項1から請求項
6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、
前記第2ゲーム要素の性格属性に対応する表現態様により、前記第2ゲーム要素の画像を出力する出力手段として機能させる
請求項1から請求項
7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
前記第2ゲーム要素の性格属性に基づき、対戦ゲームにおいて対戦相手に提示する第1ゲーム要素が決定される
請求項1から請求項
8のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
第1ゲーム要素を使用する対戦ゲームを制御するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記第1ゲーム要素を使用可能であり、前記第1ゲーム要素を使用した対戦に影響を与える複数の種類の性格属性のいずれかを有する第2ゲーム要素をプレーヤと対応付けて登録する登録手段、
価値情報との交換可能な交換可能期間が定められており、前記第2ゲーム要素の性格属性を
特定の性格属性に変更する
複数種類の変更アイテムの中から、プレーヤにより選択された特定種類の変更アイテムを
、前記交換可能期間内にプレーヤが保有する価値情報と交換することによって、提供する提供手段、
プレーヤが保有する変更アイテムの使用を条件として、第2ゲーム要素の性格属性を
、使用された変更アイテムに対応する特定の性格属性に変更する変更手段、
変更後の前記第2ゲーム要素の性格属性をプレーヤの端末に送信する送信手段、
として機能させ、
前記プレーヤの端末では、前記第2ゲーム要素の音声表現態様データを用いて、対戦ゲームの進行に伴って発生する所定場面に、前記プレーヤに対する第2ゲーム要素による音声表現態様が出力され、
前記第2ゲーム要素の音声表現態様データは、前記第2ゲーム要素の性格属性毎に異なる音声表現態様のデータであり、
前記プレーヤに対する第2ゲーム要素による音声表現態様は、前記所定場面発生時の前記第2ゲーム要素の性格属性に対応した音声表現態様データによる音声表現態様であ
り、
前記価値情報は所定のイベントを達成したことによりプレーヤに提供され、
前記所定のイベントは、特定の対戦に参加又は勝利することを含む、
プログラム。
【請求項11】
実行命令が格納されたメモリと、プロセッサとを備え、
前記プロセッサは、前記実行命令により、
第1ゲーム要素を使用する対戦ゲームにおいて前記第1ゲーム要素を使用可能であり、前記第1ゲーム要素を使用した対戦に影響を与える複数の種類の性格属性のいずれかを有する第2ゲーム要素をプレーヤと対応付けて設定する設定処理と、
価値情報との交換可能な交換可能期間が定められており、前記第2ゲーム要素の性格属性を
特定の性格属性に変更する
複数種類の変更アイテムの中から、プレーヤにより選択された特定種類の変更アイテムを
、前記交換可能期間内にプレーヤが保有する価値情報と交換することによって、取得するアイテム取得処理と、
取得した変更アイテムの使用を条件として、第2ゲーム要素の性格属性を
、使用された変更アイテムに対応する特定の性格属性に変更させる性格属性変更処理と、
前記第2ゲーム要素の音声表現態様データを用いて、対戦ゲームの進行に伴って発生する所定場面に、前記プレーヤに対する第2ゲーム要素による音声表現態様を出力する表現出力処理と、
を実行し、
前記第2ゲーム要素の音声表現態様データは、前記第2ゲーム要素の性格属性毎に異なる音声表現態様のデータであり、
前記プレーヤに対する第2ゲーム要素による音声表現態様は、前記所定場面発生時の前記第2ゲーム要素の性格属性に対応した音声表現態様データによる音声表現態様であ
り、
前記価値情報は所定のイベントを達成したことにより提供され、
前記所定のイベントは、特定の対戦に参加又は勝利することを含む、
端末。
【請求項12】
第1ゲーム要素を使用する対戦ゲームにおいて前記第1ゲーム要素を使用可能であり、前記第1ゲーム要素を使用した対戦に影響を与える複数の種類の性格属性のいずれかを有する第2ゲーム要素をプレーヤと対応付けて設定する設定手段と、
価値情報との交換可能な交換可能期間が定められており、前記第2ゲーム要素の性格属性を
特定の性格属性に変更する
複数種類の変更アイテムの中から、プレーヤにより選択された特定種類の変更アイテムを
、前記交換可能期間内にプレーヤが保有する価値情報と交換することによって、取得するアイテム取得手段と、
プレーヤが取得した変更アイテムの使用を条件として、プレーヤの第2ゲーム要素の属性を
、使用された変更アイテムに対応する特定の性格属性に変更する変更手段と、
前記第2ゲーム要素の音声表現態様データを用いて、対戦ゲームの進行に伴って発生する所定場面に、前記プレーヤに対する第2ゲーム要素による音声表現態様を出力する表現出力手段、
を備え、
前記第2ゲーム要素の音声表現態様データは、前記第2ゲーム要素の性格属性毎に異なる音声表現態様のデータであり、
前記プレーヤに対する第2ゲーム要素による音声表現態様は、前記所定場面発生時の前記第2ゲーム要素の性格属性に対応した音声表現態様データによる音声表現態様であ
り、
前記価値情報は所定のイベントを達成したことにより提供され、
前記所定のイベントは、特定の対戦に参加又は勝利することを含む、
ゲームシステム。
【請求項13】
実行命令が格納されたメモリと、プロセッサとを備え、
前記プロセッサは、前記実行命令により、
第1ゲーム要素を使用可能であり、前記第1ゲーム要素を使用した対戦に影響を与える複数の種類の性格属性のいずれかを有する第2ゲーム要素をプレーヤと対応付けて登録する登録処理、
価値情報との交換可能な交換可能期間が定められており、前記第2ゲーム要素の性格属性を
特定の性格属性に変更する
複数種類の変更アイテムの中から、プレーヤにより選択された特定種類の変更アイテムを
、前記交換可能期間内にプレーヤが保有する価値情報と交換することによって、提供する提供処理と、
プレーヤが保有する変更アイテムの使用を条件として、第2ゲーム要素の性格属性を
、使用された変更アイテムに対応する特定の性格属性に変更する変更処理と、
変更後の前記第2ゲーム要素の性格属性をプレーヤの端末に送信する送信処理、
を実行し、
前記プレーヤの端末では、前記第2ゲーム要素の音声表現態様データを用いて、対戦ゲームの進行に伴って発生する所定場面に、前記プレーヤに対する第2ゲーム要素による音声表現態様が出力され、
前記第2ゲーム要素の音声表現態様データは、前記第2ゲーム要素の性格属性毎に異なる音声表現態様のデータであり、
前記プレーヤに対する第2ゲーム要素による音声表現態様は、前記所定場面発生時の前記第2ゲーム要素の性格属性に対応した音声表現態様データによる音声表現態様であ
り、
前記価値情報は所定のイベントを達成したことによりプレーヤに提供され、
前記所定のイベントは、特定の対戦に参加又は勝利することを含む、
ゲーム管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプログラム、端末、ゲームシステム及びゲーム管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンや携帯電話機等をプラットフォームとするゲームが人気である。例えば、仮想的なカード等のゲーム要素を組み合わせたデッキを用いて、デッキを構成する各ゲーム要素のパラメータ値を用いて対戦ゲームの勝敗を決定するようにしたゲーム等である。
【0003】
また、プレイヤキャラクタの性格パラメータのうち最大となっているものと対応する相手キャラクタの性格パラメータを変化させて、互いの性格付けに変化を生じさせるようなゲームシステムもある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゲーム要素の属性の変更方法についてプレーヤの興趣性を向上させるようなゲームの実現が望まれている。
【0006】
本発明の目的は、プレーヤの興趣性を向上させたゲームを提供することができるプログラム、端末、ゲームシステム及びゲーム管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、第1ゲーム要素を使用する対戦ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記対戦ゲームにおいて前記第1ゲーム要素を使用可能な第2ゲーム要素を設定する設定手段、前記第2ゲーム要素の属性を変更するための変更アイテムを取得するアイテム取得手段、取得した変更アイテムの使用を条件として、変更された前記第2ゲーム要素の属性を取得する属性取得手段、として機能させるプログラムである。
【0008】
本発明の一態様は、第1ゲーム要素を使用する対戦ゲームを制御するためのプログラムであって、コンピュータを、前記第1ゲーム要素を使用可能な第2ゲーム要素をプレーヤと対応付けて登録する登録手段、前記第2ゲーム要素の属性を変更するための変更アイテムを提供する提供手段、プレーヤが保有する変更アイテムの使用を条件として、第2ゲーム要素の属性を変更する変更手段、変更後の前記第2ゲーム要素の属性を出力する出力手段、
として機能させるプログラムである。
【0009】
本発明の一態様は、実行命令が格納されたメモリと、プロセッサとを備え、前記プロセッサは、前記実行命令により、第1ゲーム要素を使用する対戦ゲームにおいて前記第1ゲーム要素を使用可能な第2ゲーム要素を設定する設定処理と、前記第2ゲーム要素の属性を変更するための変更アイテムを取得するアイテム取得処理と、取得した変更アイテムの使用を条件として、変更された前記第2ゲーム要素の属性を取得する属性取得処理と、を実行する端末である。
【0010】
本発明の一態様は、第1ゲーム要素を使用する対戦ゲームにおいて前記第1ゲーム要素を使用可能な第2ゲーム要素を設定する設定手段と、前記第2ゲーム要素の属性を変更するための変更アイテムを取得するアイテム取得手段と、プレーヤが取得した変更アイテムの使用を条件として、プレーヤの第2ゲーム要素の属性を変更する変更手段と、変更された前記第2ゲーム要素の属性を取得する属性取得手段と、を備えるゲームシステムである。
【0011】
本発明の一態様は、実行命令が格納されたメモリと、プロセッサとを備え、前記プロセッサは、前記実行命令により、第1ゲーム要素を使用する第1ゲーム要素を使用可能な第2ゲーム要素をプレーヤと対応付けて登録する登録処理と、前記第2ゲーム要素の属性を変更するための変更アイテムを提供する提供処理と、プレーヤが保有する変更アイテムの使用を条件として、第2ゲーム要素の属性を変更する変更処理と、変更後の前記第2ゲーム要素の属性を出力する出力処理と、を実行するゲーム管理装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、プレーヤの興趣性を向上させたゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は本実施形態におけるゲームシステムの全体構成例を示す図である。
【
図2】
図2はプレーヤ端末1の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。
【
図3】
図3はパーソナリティを説明するための図である。
【
図4】
図4はプレーヤ端末1のディスプレイ11に表示されるバトル画面を例示する図である。
【
図5】
図5はプレーヤ端末1の機能構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は保有カードデータの一例を示す図である。
【
図7】
図7はカード設定データの一例を示す図である。
【
図8】
図8はユーザ情報データの一例を示す図である。
【
図9】
図9は表現態様データの一例を示す図である。
【
図11】
図11はゲームサーバ2の機能構成例を示す図である。
【
図13】
図13はプレーヤ端末1とゲームサーバ2との動作を説明するための全体のシーケンス図である。
【
図15】
図15はプレーヤ端末1とゲームサーバ2との動作を説明するための全体のシーケンス図である。
【
図16】
図16は変更アイテム使用画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<本発明の実施形態>
[全体構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの全体構成例を示す図である。
図1に示すように、ゲームシステムは、ゲームのプレーヤA,B毎に用意されるプレーヤ端末1と、ゲームサーバ2とを備えて構成される。プレーヤ端末1とゲームサーバ2とは、通信回線Nに接続可能で、相互に通信可能である。
【0015】
通信回線Nは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線Nは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含み、通信方法については有線/無線を問わない。
【0016】
プレーヤ端末1は、ゲームプログラムを実行することのできるコンピュータであり、無線通信基地局等を介して通信回線Nに接続し、ゲームサーバ2とデータ通信を行うことができる。プレーヤ端末1は、例えば、スマートフォンや、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ等である。プレーヤ端末1は、基本的には、複数存在し、各プレーヤにより操作される。
【0017】
ゲームサーバ2は、単数又は複数のサーバ装置や記憶装置等を含んで構成されたサーバシステムである。ゲームサーバ2は、本実施形態のゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲームの運営に必要なデータの管理や、プレーヤ端末1でのゲームの実行に必要なゲームプログラムやデータの配信等を行うことができる。
【0018】
図2は、プレーヤ端末1の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。
図2に示すように、プレーヤ端末1は、ディスプレイ11と、ディスプレイ11と一体構成されるタッチ操作パネル12と、スピーカ13とを備える。また、プレーヤ端末1には、図示されていない制御基板、内蔵バッテリー、電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0019】
制御基板には、CPUやGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、ASIC、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ、携帯電話基地局と無線通信するための無線通信モジュール等が搭載されている。また、制御基板には、タッチ操作パネル12のドライバ回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)等が搭載されている。これら制御基板に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0020】
本実施の形態では、上述のようなゲームシステムを、第1プレーヤAに対応付けられた第1ゲーム要素と、対戦相手となる第2プレーヤBに対応付けられた第1ゲーム要素とを使用した対戦ゲームに適用した例を説明する。
【0021】
ここで、第1ゲーム要素はキャラクタであり、画像、仮想的又は実体のある物品等に化体して表現される。画像は、静止画及び動画を含む。仮想的又は実体のある物品の一例としては、例えば、コンピュータに表示される仮想的なカードや、実体のあるカード等である。尚、物品は、物品に対応付けられたゲーム要素を特定可能に構成された物品であれば、カードに限られるものではない。物品は、例えばゲーム要素の外観を有するフィギュア等の造形物であってもよい。
【0022】
以下の説明では、実行するゲームにおいて、カードの使用により登場させることが可能となる第1ゲーム要素は、プレーヤ(コンピュータに操作されるノンプレーヤも含む)の操作に基づいて行動制御がなされるキャラクタであるものとし、カードには対応するキャラクタの図柄(該キャラクタの外観を示した画像)が付されるものとして説明する。
【0023】
デッキは、所定数の第1ゲーム要素から構成される。所定数の第1ゲーム要素がプレーヤのデッキとして設定される。例えば、第1ゲーム要素がコンピュータに表示される仮想的なカードに化体される場合、デッキは所定枚数のカードから構成されたカード群である。プレーヤは、設定したデッキのうち、希望するデッキを選択し、そのデッキを構成するカードを使用してゲームを行う。
【0024】
更に、本実施の形態が適用される対戦ゲームでは、第1ゲーム要素とは異なる第2ゲーム要素が加わる。第2ゲーム要素は、第1ゲーム要素と同様にキャラクタではあるが、必ずしも仮想的又は実体のある物品と対応付けられる必要はない。第1ゲーム要素は対戦ゲームにおいて対戦相手に提示されるゲーム要素であり、第2ゲーム要素は、第1ゲーム要素のように、対戦ゲームにおいて対戦相手に提示されるゲーム要素ではない。
【0025】
第2ゲーム要素は、プレーヤが保有する第1ゲーム要素をゲーム内において使用する。第1ゲーム要素を使用するとは、ゲーム内において第1ゲーム要素の選択又は行動を決定することを含む。第1ゲーム要素が例えばカードに化体したキャラクタであるとすると、第2ゲーム要素は、ゲーム内の対戦において、プレーヤが保有するカードの選択又は行動を自律的又は自発的(能動的)に決定する。別の言い方をするならば、コンピュータに操作されるノンプレーヤの機能のように、プレーヤによって行われる第1ゲーム要素の選択又は行動等の決定と同様な動作を行うということである。但し、従来からあるノンプレーヤは、人間のプレーヤの代わりにコンピュータに操作されるものであるが、第2ゲーム要素は人間のプレーヤと別個独立に存在し、プレーヤが保有する第1ゲーム要素を使用する点で異なる。そして、従来からあるノンプレーヤとは異なり、プレーヤと第2ゲーム要素とは一つのグループ(ペア)を構成することになる。第2ゲーム要素は、単独で又はプレーヤと共に対戦を行う。第2ゲーム要素は、必ずしも一つとは限らず、複数種類存在しても良い。プレーヤは複数種類の第2ゲーム要素から、自分とグループを構成する一つ又は複数の第2ゲーム要素を選択できる。複数の第2ゲーム要素が存在する場合は、各第2ゲーム要素は、後述するキャラクタ情報の初期値が異なり、第2ゲーム要素の自律的又は自発的(能動的)な行動等に影響を与える。
【0026】
第2ゲーム要素は、キャラクタ情報を持つ。キャラクタ情報は、第2ゲーム要素の自律的又は自発的(能動的)な行動(第1ゲーム要素の使用)に影響を与える。別の言い方をするならば、キャラクタ情報は第2ゲーム要素の能力であり、この能力の相違によって第2ゲーム要素の自律的又は自発的(能動的)な行動が異なるということである。キャラクタ情報は、ゲームの進行等に伴って変化する。キャラクタ情報は、複数のパラメータを含んでもよい。例えば、本実施の形態では、キャラクタ情報は、レベルと、カード理解度と、シンクロレベルと、パーソナリティのパラメータを含む。
【0027】
レベルは、第2ゲーム要素の基本的なレベルを表し、対戦結果により得られる経験値によって上昇する。そして、レベルがアップすると、第2ゲーム要素の思考力が上昇可能である。思考力が高いほど、ゲームの状況に応じて適切に第1ゲーム要素を使用することができる。
【0028】
カード理解度は、対戦における第1ゲーム要素の種類の使用状況や使用頻度等によって変化するパラメータであり、第1ゲーム要素に対する理解度を示す。理解度が高いほど、その第1ゲーム要素(カード)を適切なタイミングで使用することができる。
【0029】
シンクロレベルは、ゲームの進行に応じて上昇する。シンクロレベルは、ゲーム内の所定のイベントを達成することによっても上昇する。所定のイベントとは、ゲームへのログイン、ゲーム内でプレーヤと共に行動すること、カードの購入、特定のカードの取得を含む。シンクロレベルが高い程、より親密度の高い動作を示す。シンクロレベルは、プレーヤと第2ゲーム要素との関係を示すパラメータともいえる。
【0030】
パーソナリティは、第2ゲーム要素の性格に関連する属性である。本実施形態では、例えば
図3に示すように、複数の異なる性格と複数の異なる属性(色)とが対応付けられている。パーソナリティには、複数の属性(色)のいずれかが設定される。パーソナリティは、対戦で使用された第1ゲーム要素の属性(色)の使用頻度に応じて変更される。また、パーソナリティは、後述する特定のアイテムの使用によっても変更される。パーソナリティが変更されると、変更後の属性(色)に応じて、第2のゲーム要素の表現態様(台詞の内容や話し方、表情等)や、第2のゲーム要素による第1の使用内容が変化する。例えばパーソナリティが「赤」に変更されると、第2ゲーム要素の表現態様(台詞内容や話し方等)が、「赤」に対応する積極的なものに変化する。また、例えば、パーソナリティが「青」に変更されると、第2ゲーム要素の表現態様(台詞内容や話し方等)が、「青」に対応する冷静なものに変化する。なお、
図3に示した、各性格や、各性格と各色との対応付けは一例であり、これに限定されない。
【0031】
第2ゲーム要素による自律的又は自発的(能動的)な行動は、ゲームサーバ2が備えるAI機能によって与えられる情報に基づいて行われる。このAI機能は、多くの対戦ゲームのゲーム進行の内容とその結果等を教師データとし、機械学習して得られたAI機能である。機械学習の方法は、深層学習(ディープラーニング)、強化学習、又は、それらの組み合わせが代表的なものであるが、これに限られない。
【0032】
更に、第2ゲーム要素による自律的又は自発的(能動的)な行動は、ゲームサーバ2が備えるAI機能の性能によって変化するのみならず、第2ゲーム要素のキャラクタ情報によっても左右される。例えば、第2ゲーム要素のキャラクタ情報によっては、ゲームサーバ2が備えるAI機能の能力の全てを引き出すことは出来ず、そのAI機能の能力の一部しか引き出すことが出来ない場合がある。すなわち、第2ゲーム要素のキャラクタ情報の上昇にともない、ゲームサーバ2が備えるAI機能の能力が順次解放されるイメージである。例えば、最適解を求めるアルゴリズムを使用し、第2ゲーム要素のキャラクタ情報が上昇するほど、解の探索時間を増加させ、より最適な解を求められるようにしてもよい。また、精度の異なる複数のアルゴリズムを用意し、第2ゲーム要素のキャラクタ情報が上昇するほど、より高精度のアルゴリズムを用いるようにしてもよい。尚、上述した第2ゲーム要素を、以下の説明ではバディと記載する。
【0033】
上記第1ゲーム要素と第2ゲーム要素以外のゲーム要素の一つにアイテムがある。アイテムは、ゲーム運営側が主に提供する。アイテムには種々の種類があるが、本実施形態では、第2ゲーム要素の属性を変更するための変更アイテムがプレーヤに提供される。プレーヤは、この変更アイテムを使用することで、自己に対応付けられているバディ(第2ゲーム要素)の属性を変更することができる。変更アイテムは、プレーヤが保有する所定の価値情報との交換によって取得可能となる。変更アイテムの取得期間は所定期間に制限されてもよい。価値情報は、ゲーム内通貨や、所定のイベントを達成することによりプレーヤに提供されるコインやチケット等を含む。本実施形態では、変更アイテムとの交換に、所定のイベントを達成することによりプレーヤに提供される所定のコインが用いられる。このコインを以下、イベントコインと呼ぶ。
【0034】
[ゲーム内容の概略]
次に、実施の形態の説明の理解を助けるために、プレーヤ端末1のディスプレイ11の表示画面を用いて、ゲームの概要を説明する。
【0035】
本実施形態のゲームでは、プレーヤA,Bは、ゲームオブジェクトである仮想的なゲームカード(キャラクタが化体した第1ゲーム要素、以下、単に「カード」という。)をゲーム内で用いる。カードは複数種類用意され、各々に関連付けられたキャラクタの能力、属性、コスト、レアリティ等の組合せによって区別される。キャラクタの能力は、例えば、コンピュータ制御の敵キャラクタや他プレーヤ等の対戦相手との対戦プレイ(バトル)に用いるレベルや攻撃力、HPといった能力パラメータ値が定められている。
【0036】
カードは、アカウント登録時において対戦プレイ(バトル)に最低限必要な枚数が付与される他、ゲーム中に取得したり、課金アイテムとして購入によって取得したり、ガチャと呼ばれる抽選によって取得することができる。加えて、カードは、実体のあるゲームカード(以下、「リアルカード」という。)を入手し、入手したリアルカードをゲーム内で使用可能とするための登録手続きをすることによっても獲得できる。具体的には、プレーヤA,Bは、リアルカードの登録手続きを行うと、そのリアルカードと対応付けられたカード種類のカードを取得することができる。
【0037】
そして、プレーヤAは、保有しているカードのうちの所定枚数(例えば40枚)でデッキを編成し、デッキを用いた対戦プレイ(バトル)に挑む。デッキを用いた対戦プレイ(バトル)は、デッキを構成するカード(デッキカード)に定められているキャラクタの能力パラメータ値、属性、コスト、レアリティ等の設定値を用いて、対戦相手との勝敗を決めるものである。
【0038】
ゲームを開始する際に、プレーヤA,Bは、アカウント登録をする。このアカウント登録時において、プレーヤ端末1により提示された複数種類の第2ゲーム要素(以下、バディと記載する)から好みのバディを選択することにより、各プレーヤA,Bと共にグループを構成するバディがそれぞれ設定される。この選択したバディの性格により、後のゲームプレイスタイルが変化する可能性がある。そして、各プレーヤA,Bは、保有しているカードのうちの所定枚数(例えば40枚)でデッキを編成する。デッキの編成は、ホーム画面等からカードメニューをタッチ操作し、その1つとして提示されるデッキ編成メニューから行うことができる。対戦プレイ(バトル)は、ログイン後に表示されるホーム画面からバトルメニューを選択操作することで開始される。
【0039】
図4はプレーヤ端末1のディスプレイ11に表示される対戦ゲームのバトル画面の一例を示した図である。ディスプレイ11に表示されるバトル画面は、自プレーヤの領域である第1プレーヤ領域40と、対戦する相手プレーヤの領域である第2プレーヤ領域41とを備えている。また、第1プレーヤ領域40と第2プレーヤ領域41との境界には、現在実行することが可能な操作の情報を表示する操作情報42が表示される。
【0040】
第1プレーヤ領域40、第2プレーヤ領域41の各領域は、手札領域43と、フィールド領域44と、ベース領域45と、ライフ領域46とを備える。手札領域43は、自デッキより取得されたカード(手札)が配置される。フィールド領域44には、手札領域43又ベース領域45からプレーヤにより選択されたカードが配置され、対戦相手に提示される。所定のコストを消費することにより、手札領域43のカードをフィールド領域44に配置することができる。フィールド領域44に配置されたカードは、カードの行動又は効果を発動することができる。ベース領域45は、フィールド領域44にカードを配置するためのコストとして消費されるカードやマナアイテムが配置される。ライフ領域46は、ライフ(HP)を持つプレーヤの領域であるプレーヤライフ領域47と、同様にライフを持つ第1オブジェクト(フォース)の領域であるフォースライフ領域48とを備える。プレーヤライフ領域47には、プレーヤに対応する第2オブジェクトと、プレーヤが持つライフの値とが表示される。フォースライフ領域48には、第1オブジェクトと、第1オブジェクトが持つライフの値とが表示される。第1オブジェクトは、ゲームにおいて特定の効果を発揮するものである。
【0041】
バトルは、プレーヤAのターンと、対戦相手であるプレーヤBのターンとが交互に実行される。各ターンは、スタンバイフェーズ、マナフェーズ(カード使用準備フェーズ)、メインフェーズ(対戦フェーズ)等の複数のフェーズから構成される。
【0042】
スタンバイフェーズは、デッキから1枚引いたカードを手札領域43に配置する等のステップから構成される。マナフェーズでは、プレーヤが自分のベース領域45にカード又はマナアイテムを配置することができる。
【0043】
メインフェーズでは、プレーヤは、キャラクタの召喚、相手への攻撃(アタック)、カード効果の発動、カードの移動等を実行することができる。キャラクタの召喚とはコストの消費を条件としてカードをフィールド領域44に配置することである。
【0044】
相手への攻撃(アタック)は、アタック指定ステップ、フラッシュタイミングステップ、ブロック指定ステップ、バトル解決ステップ等の複数のステップから構成される。アタック指定ステップは、自プレーヤが攻撃対象を相手のプレーヤとフォースから選択するステップである。フラッシュタイミングステップは、特殊効果を有する特定のカードを自プレーヤと相手プレーヤが互いに使用できるステップである。ブロック指定ステップは、相手プレーヤが、第2プレーヤ領域41のフィールド領域44に配置されているカードを用いて、自プレーヤからの攻撃をブロックするか否かを選択することができるステップである。バトル解決ステップは、アタックの結果を判定し、判定結果に基づいて、アタック側のカードやブロック側のカードを消滅させる、相手のプレーヤ又はフォースのライフを減らす等の解決処理を行うステップである。
【0045】
カード効果の発動は、手札領域43に配置されている、特殊効果を有する特定のカード(例えば、マジックカード)について、その効果を、コストの消費を条件として発動するものである。また、カードの移動は、フィールド領域44とベース領域45との間でカードを移動させるものである。なお、プレーヤは、キャラクタの召喚、相手への攻撃(アタック)、カード効果の発動、カードの移動等のいずれも行わずに対戦フェーズを終了してもよい。
【0046】
このような一連のフェーズからなるターンを、プレーヤAのチームと対戦相手のプレーヤBのチームとが交互に繰り返し、いずれかのプレーヤのライフが0になる、又は、デッキのカードが0枚になることにより、勝敗が決定する。ゲームの対戦結果によって、プレーヤのランク、バディの経験値及びバディのキャラクタ情報等が変化する。ゲームの対戦結果により変化する情報(バディの経験値、バディのキャラクタ情報、エレメント、プレーヤのランク等)を変化能力情報と呼ぶ。
【0047】
[機能構成]
図5は、プレーヤ端末1の機能構成例を示すブロック図である。
【0048】
図5に示すように、プレーヤ端末1は、操作入力部50と、記憶部51と、処理部52と、画像表示部53と、音出力部54と、通信部55とを備える。
【0049】
操作入力部50は、プレーヤがゲームに関する各種操作を入力するためのものであり、操作入力に応じた操作入力信号を処理部52に出力する。操作入力部50の機能は、例えば、タッチ操作パッド、ホームボタン、ボタンスイッチや、ジョイスティック、トラックボールといった直接プレーヤが指で操作する素子はもちろん、加速度センサや角速度センサ、傾斜センサ、地磁気センサといった、運動や姿勢を検知する素子等によっても実現できる。
図2では、タッチ操作パネル12がこれに該当する。
【0050】
記憶部51には、プレーヤ端末1を動作させ、プレーヤ端末1が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。記憶部51は、例えばRAMやROM、フラッシュメモリ等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
【0051】
記憶部51には、システムプログラムと、ゲームプログラムとが格納される。システムプログラムは、プレーヤ端末1のコンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。ゲームプログラムは、処理部52をゲーム演算部61として機能させるためのプログラムである。このプログラムは、プレーヤがアカウント登録を済ませるとゲームサーバ2又は他のアプリ配信サーバ等から配信される。
【0052】
更に、記憶部51には、保有カードデータ、カード設定データ、デッキ設定データ、ユーザ情報データ、表現態様データ、交換アイテムデータが格納される。なお、その他にも、ゲーム要素の画像を表示するためのモデルデータやテクスチャデータ、モーションデータ、エフェクトデータ、ゲーム画面の背景画像、効果音等の音データ、等が適宜ゲームに必要なデータとして配信され、記憶部51に格納される。
【0053】
保有カードデータは、ゲームシステムが提供可能なカードのカード識別情報と、そのカードをプレーヤが保有しているかの有無を示す保有フラグとが、関連付けられたデータである。
図6は保有カードデータの一例を示した図である。
図6では、カード識別情報のフィールドには、ゲームシステムが提供可能なカードのカード識別情報が記載されている。そして、そのカード識別情報のカードを、ユーザが保有している場合には保有フラグのフィールドに“1”が付され、ユーザが保有していない場合には保有フラグのフィールドに“0”が付されている。尚、
図6は保有カードデータの一例を示したものであり、これに限定されるものではない。
【0054】
カード設定データは、カードのキャラクタの能力及びカードの属性等に関する情報であり、カード毎に用意される。
図7は、カード設定データの一例を示した図である。
図7では、カード識別情報と、キャラクタ名、カード画像、種族、能力、攻撃力、ヒットポイント、レアリティ、コスト情報、属性(色)等とが関連付けられている。なお、
図7はカード設定データの一例を示したものであり、これに限定されるものではない。
【0055】
ユーザ情報データは、ゲームの進行において使用される、プレーヤに関する各種データである。
図8は、ユーザ情報データの一例を示す図である。
図8の例では、ユーザ情報データは、プレーヤID、ランク、エレメント(現在までの累計勝利ポイント)、バディ設定データ、戦績データ(プレーヤ及びバディの対戦毎の成績)、プレーヤが保有する価値情報に関する保有価値情報、プレーヤが保有するアイテムに関する保有アイテム情報等を含んでいる。バディ設定データは、アカウント登録時に複数種類のバディの中からプレーヤにより選択されたバディに関するデータであり、バディ識別情報、キャラクタ画像、バディ名、バディ経験値、キャラクタ情報(レベル、カード理解度、パーソナリティ、シンクロレベル)等のデータを含む。このうち、パーソナリティは、その時点でバディに対応付けられている色(属性)と、色毎のポイント(累計値)とのデータを含む。ユーザ情報データは、
図8の例に限定されず、他のデータ構成を有してもよい。
【0056】
表現態様データは、ゲームにおける所定のタイミング(例えば、ログイン、対戦勝利、対戦敗北等)において出力される、バディのパーソナリティ(属性)に対応する表現態様に関するデータである。表現態様データは、例えば、バディの音声に関する音声データ、バディの画像に関する画像データ、バディの動画に関する動画データを含む。本実施形態では説明を簡単にするため、表現態様データを音声データとして説明する。本実施形態の表現態様データを
図9に例示する。例えば、対戦に勝利したとき、ユーザ情報データにおけるパーソナリティが「赤」に設定されている場合には、「赤」に対応する音声データ「V02R」が再生される。バディが複数種類ある場合には、バディの種類毎に表現態様データがある。
【0057】
デッキ設定データは、プレーヤの保有する各デッキに関するデータであり、デッキ識別情報(デッキID)と、デッキ名と、デッキを構成するカードのカード識別情報を含む。
【0058】
交換アイテムデータは、イベントコインと交換されるアイテムに関するデータである。
図10は交換アイテムデータの一例を示す図である。交換アイテムデータは、変更アイテムの識別情報である変更アイテムコード、変更アイテム名、交換可能期間、交換に必要なイベントコインの枚数等を含む。交換アイテムデータは、所定のタイミング(例えば、ログイン時、ゲームプログラムやデータの更新時等)でゲームサーバ2より提供され、更新される。
【0059】
処理部52は、記憶部51に格納されるプログラムやデータ、操作入力部50からの操作入力信号等に基づいてプレーヤ端末1の動作を統括的に制御する。処理部52の機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現できる。この処理部52は、主な機能部として、ゲーム演算部61と、画像生成部62と、音生成部63と、通信制御部64とを備える。
【0060】
ゲーム演算部61は、本実施形態のゲームを実現するための種々のゲーム処理を実行し、処理結果を画像生成部62や音生成部63に出力する。ゲーム演算部61は、カード管理部70と、カード取得部71と、デッキ設定部72と、バディ設定部73と、行動決定部74と、操作補助情報提供部75、アイテム取得部76と、を含む。
【0061】
カード管理部70は、ゲームサーバ2と通信を介して、新しく提供可能なカードがある場合、そのカードのカード識別情報とそのカード識別情報のカードキャラクタデータとを取得する。そして、カード管理部71は、取得したカード識別情報を保有カードデータに追記し、そのカード識別情報の保有フラグを“0”に設定する。また、取得したカード設定データを記憶部51に格納する。また、カード取得部71と連携し、カードの取得条件が満たされた場合、そのカードのカード識別情報の保有フラグを“1”に設定する。
【0062】
カード取得部71は、プレーヤがカードを取得するための処理を行う。カードは、カードの提供を受けるための所定の条件を満たすことにより取得可能となる。前記所定の条件には、代価(金銭やゲーム内貨幣、インターネット上で実施されるくじ引きイベントに参加することによりプレーヤが取得したポイント等)の支払い、ゲーム内又はゲーム外でプレーヤの行動に対して得た対価との交換、ユーザアカウントの登録、ゲームへのログイン等がある。カード取得部71は、カードの取得条件が満たされた場合、その旨をカード管理部70に通知する。
【0063】
デッキ設定部72は、保有カードデータとカード設定データとを用いて、現在、デッキを構成するカードに使用可能なカードを提示し、ユーザの操作により、提示されたカードからデッキを構成するカードを選択し、デッキを設定する。デッキ設定部72は、設定されたデッキの名称と、そのデッキを構成する各カードのカード識別情報とを関連付けたデッキ設定データを生成し、記憶部51に格納する。
【0064】
バディ設定部73は、複数のバディ(第2ゲーム要素)の中から、プレーヤにより選択されたバディに関する情報を、バディ設定データを用いて管理する。
【0065】
行動決定部74は、プレーヤのタッチ操作等により、カードの選択や、カードの行動を決定し、カードの選択又は行動の情報である行動選択情報を生成し、通信部55を介して、ゲームサーバ2に送信する。
【0066】
ゲーム管理部75は、ゲーム全体の進行を管理する。例えば、ゲーム管理部76は、メニュー画面等を表示し、プレーヤにより選択された処理を実行する。また、ゲーム管理部76は、ゲームの勝敗が決定すると、対戦結果や、対戦により変化した各種情報(変化能力情報)をゲームサーバ2から受信して、記憶部51に記憶(更新)する。変化能力情報には、ランク、エレメント、バディ経験値、レベル、カード理解度、パーソナリティ、シンクロレベル等がある。ゲーム管理部75は、更新された各種情報を表示してもよい。例えば、プレーヤのランク、バディ経験値、バディのレベル、カード理解度、パーソナリティ、シンクロレベルの少なくとも一部を画面に表示してもよいまた、ゲーム管理部75は、所定のイベントを達成したことを条件として提供される所定の通貨(イベントコイン)をゲームサーバ2と連携して取得し、記憶部51のユーザ情報データの保有価値情報に記憶する。所定のイベントは、特定の対戦に参加又は勝利すること、ログインすること、カード等を購入すること、を含む。
【0067】
アイテム取得管理部76は、バディのパーソナリティを変更するための変更アイテムを取得する。変更アイテムの取得は、プレーヤが保有するイベントコインとの交換により行う。アイテム取得管理部76は、変更アイテムの取得するための所定操作に応じて、記憶部51の交換アイテムデータの交換可能期間を参照し、現在提供可能な変更アイテムのデータを抽出して表示する。そして、プレーヤにより選択された変更アイテムの交換要求をゲームサーバ2に送信し、変更アイテムを取得する。
【0068】
また、アイテム取得管理部76は、取得した変更アイテムを使用するための所定操作に応じて、記憶部51のユーザ情報データの保有アイテム情報から、プレーヤが保有する変更アイテムの情報を取得して表示する。そして、プレーヤにより選択された変更アイテムの使用要求をゲームサーバ2に送信する。ゲームサーバ2より変更されたバディのパーソナリティを受信すると、記憶部51のユーザ情報データのパーソナリティを更新する。アイテム取得管理部76は、更新後のパーソナリティを表示してもよい。
【0069】
画像生成部62は、ゲーム演算部61の処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部53に出力する。画像生成部62の機能は、例えば、GPUやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ、テクスチャデータの展開用に使用されるICメモリ等によって実現できる。
【0070】
音生成部63は、ゲーム演算部61の処理結果に基づいてゲームに関する効果音やBGM、操作補助情報の音声情報、各種操作音等の音信号を生成し、音出力部54に出力する。音生成部63の機能は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生可能なオーディオコーデック等によって実現できる。
【0071】
通信制御部64は、ゲームサーバ2とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行う。
【0072】
画像表示部53は、画像生成部62から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画面を表示する。画像表示部53の機能は、例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった表示装置によって実現できる。
図2では、画像表示部53は、ディスプレイ11に該当する。
【0073】
音出力部54は、音生成部63から入力される音信号に基づいてゲームに関する音声や効果音等を音出力するためのものである。
図2では、音出力部54は、スピーカ13に該当する。
【0074】
通信部55は、通信回線Nと接続して通信を実現する。通信部55の機能は、例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
【0075】
次に、ゲームサーバ2の構成を説明する。
図11は、ゲームサーバ2の機能構成例を示すブロック図である。
【0076】
ゲームサーバ2は、記憶部91と、処理部92と、通信部93とを備える。
【0077】
記憶部91には、システムプログラムと、ゲームプログラムとが格納される。システムプログラムは、ゲームサーバ2のコンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。ゲームプログラムは、処理部92を、プレーヤ管理部101と、ゲーム管理部102と、AI処理部103と、情報更新部104と、カード提供管理部105と、変更アイテム管理部106として機能させるためのプログラムである。
【0078】
更に、記録部91には、ユーザ情報データ、保有カードデータ、デッキ設定データ、カード設定データ、対戦データ、交換アイテムデータ等が格納されている。
【0079】
ユーザ情報データは、ゲームに参加しているプレーヤの基本データであり、プレーヤ毎のユーザ情報データが記憶される。記憶部91に記憶されるユーザ情報データと交換アイテムデータは、プレーヤ端末1で管理されているユーザ情報データ(
図8参照)、交換アイテムデータ(
図10参照)と同様のデータ構成を有する。保有カードデータ、デッキ設定データ、は、プレーヤ端末1で管理されている保有カードデータ(
図6参照)、デッキ設定データと同様のデータ構成を有するが、それぞれプレーヤのユーザ識別情報と関連付けられている。カード設定データは、本ゲームで使用されるカード全てのデータである。基本的に、上述した
図7のカード設定データと同様なデータを、ゲームで使用される全てのカードについて格納している。
【0080】
対戦データは、各プレーヤの各対戦の内容及び結果に関するデータであり、プレーヤ毎に記憶される。プレーヤの対戦には、そのプレーヤによる対戦と、そのプレーヤのバディによる対戦とが含まれる。
図12は、対戦データの一例を示す図である。
図12の例では、対戦データは、プレーヤのユーザ識別情報に関連付けられており、対戦ID、対戦結果(勝敗)、対戦日時、対戦者(プレーヤかバディか)、対戦詳細情報等の情報を含む。対戦詳細情報は、対戦内容の詳細に関する情報であり、例えば、対戦においてプレーヤ又バディが使用したデッキに含まれる全カードのカード識別情報、各ターンで使用されたカードのカード識別情報、各ターンの対戦の結果等の情報を含む。ここで、各ターンで使用されたカードとは、例えば、各ターンにおいて、そのプレーヤがカードに設定されたコストを支払ってフィールドに召喚したカードを含む。なお、対戦詳細情報の内容はこれに限定されず、対戦に関する種々の情報を含んでもよい。
【0081】
処理部92は、プレーヤ管理部101と、ゲーム管理部102と、AI処理部103と、推奨デッキ処理部104と、情報更新部105と、変更アイテム取得部106とを備える。
【0082】
プレーヤ管理部101は、登録されたユーザ情報データを用いて、アカウントやゲームの進行状況等を、接続されるプレーヤ端末1毎に管理する。
【0083】
ゲーム管理部102は、各プレーヤ端末1からのカード配置状況を示すカード設定情報や行動選択情報等を受信し、カード設定情報や行動選択情報、カードデータを用いて対戦処理を行い、その処理結果を出力する。また、ゲーム管理部102は、いずれかのプレーヤのライフ又はデッキが0となり、対戦が終了すると、対戦結果をプレーヤ端末1に送信する。また、対戦データを生成し、そのプレーヤのユーザ識別情報に関連付けて記憶部51に記憶する。
【0084】
AI処理部103は、多くの対戦ゲームのゲーム進行の内容とその結果等の教師データを機械学習して得られた学習モデルを有する。機械学習の方法は、深層学習(ディープラーニング)が代表的なものであるが、これに限られない。
【0085】
AI処理部103は、バディがノンプレーヤとして対戦する場合、対戦相手のプレーヤ端末1から送信されるカード設定情報又は行動選択情報と、バディのキャラクタ情報(バディの能力)とを入力し、そのカード設定情報又は行動選択情報の状況におけるカードの選択又は動作を出力する。AI処理部103の学習モデルは、バディのキャラクタ情報に応じて、出力内容が異なる。例えば、バディのキャラクタ情報におけるレベルやカード理解度等が高い程、より最適な解が得られるような処理(例えば、最適解の探索時間を長くする、又は、より最適な解が得られる学習モデルが使用される等)が実行される。また、例えば、バディのキャラクタ情報のパーソナリティ(属性)が「赤(積極的)」であれば、対戦相手に提示するカードの決定及び決定したカードの使用において、攻撃性の高い一手が実行される。上記のようにキャラクタ情報のパーソナリティ(属性)の変化はバディのプレイングに影響を与えるが、バディの強さが必ずしも上昇するとはいえない点において、パーソナリティ(属性)は、レベルやカード理解度等とは異なる点に留意する。
【0086】
情報更新部104は、記憶部91に記憶された対戦データ等を用いて、プレーヤのユーザ情報データにおける、バディの経験値、レベル、カード理解度、パーソナリティ、シンクロレベル、エレメント、ランク等の変化能力情報を更新して、更新した情報をプレーヤ端末1に送信する。エレメントの更新処理では、情報更新部104は、対戦データにおける勝敗結果に応じて、エレメントに所定値を加算又は減算する。また、ランクの更新処理では、ランクはエレメントに連動して決定されるため、変更後のエレメントに応じて、ランクを上昇又は下降又は維持する。また、バディ経験値の更新処理では、情報更新部104は、対戦データにおける勝敗結果に応じて所定値を加算する。また、レベルの更新処理では、レベルはバディ経験値に連動して決定されるため、変更後のバディ経験値に応じてレベルを上昇又は下降又は維持する。また、パーソナリティの更新処理では、情報更新部104は、対戦データを用いて、対戦で使用されたカードの属性毎の使用頻度に応じて更新する。また、シンクロレベルの更新では、勝敗結果や使用されたカードの情報に関わらず、所定の条件(例えば、対戦の終了等)により、その値を所定率だけ上昇させる。また、情報更新部104は、プレーヤ端末1からの変更アイテムの使用要求に応じて、そのプレーヤのユーザ情報データにおけるバディのパーソナリティを変更する。例えば、「青」の属性に変更するための変更アイテムが使用された場合、ユーザ情報データにおけるパーソナリティの「青」の累計値に所定値を加算して最大値にし、パーソナリティを「青」に設定してもよい。そして変更後のパーソナリティをプレーヤ端末1に送信する。
【0087】
カード提供管理部105は、新たなに提供可能となったカードについて、カード識別情報とカード設定データをプレーヤ端末1に送信する。また、プレーヤがカードの提供を受けるための所定の条件を満たした場合、カード提供管理部105は、プレーヤに提供するカードのカード識別情報を、カード提供許可とともにプレーヤ端末1に送信する。例えば、所定の条件が、代価の支払いの場合には、例えば、記憶部91に記憶されているユーザ情報データにおける残高(ゲーム内通貨やポイントの残高)から代価を減額する処理を行う。
【0088】
変更アイテム管理部106は、バディのキャラクタ情報を変更するための変更アイテムをプレーヤに提供する処理を行う。変更アイテムはイベントコイン(価値情報)との交換により提供される。変更アイテム管理部106は、プレーヤ端末1からの変更アイテムの提供要求に応じて、要求元のプレーヤのユーザ情報データにおける保有価値情報のイベントコインを、交換に必要な値だけ減算して更新し、変更アイテムの提供許可をプレーヤ端末1に送信する。
【0089】
通信部93は、通信回線Nと接続して通信を実現する。
【0090】
[各装置の動作]
次に、プレーヤ端末1と、ゲームサーバ2との動作を説明する。
まず、プレーヤが、価値情報であるイベントコインと、変更アイテムとを交換することにより、変アイテムを取得する処理について
図13を参照して説明する。
【0091】
対戦ゲームへのログインを済ませたプレーヤが、ホーム画面等からショップメニューをタッチ操作し、表示されたショップメニューから「アイテム交換」を選択すると、プレーヤ端末1のアイテム取得管理部76は、交換アイテムデータの交換可能期間を参照し、現在提供可能な変更アイテムが選択可能に提示されるアイテム交換画面を表示する(Step11)。アイテム交換画面を
図14に例示する。アイテム交換画面は、例えば、各変更アイテムについて、アイテム名、交換可能期間、交換に必要なイベントコインの数等を示す。
図14の例では、バディのパーソナリティ(属性)を「赤」に変更することができる変更アイテム、バディのパーソナリティ(属性)を「青」に変更することができる変更アイテム、バディのパーソナリティ(属性)を「黄」に変更することができる変更アイテムが提示されている。
【0092】
プレーヤが、変更アイテム「青」の選択ボタンを押下すると(Step12:アイテム選択)、プレーヤ端末1のアイテム取得管理部76は、選択された変更アイテム「青」の変更アイテムコード「I0002」と、ユーザ識別情報とを含むアイテム交換要求をゲームサーバ2に送信する(Step13)。このとき、アイテム取得管理部76は、選択された変更アイテムに対応する、交換に必要なイベントコイン数を、交換アイテムデータから取得し、プレーヤのユーザ情報データの保有価値情報を参照して、プレーヤが変更アイテムの交換に必要なイベントコインを有するかを判定し、不足している場合には、エラーメッセージを表示するようにしてもよい。
【0093】
ゲームサーバ2の変更アイテム管理部106は、アイテム交換要求に応じて、受信した変更アイテムコードに対応する、交換に必要なイベントコイン数を記憶部91の交換アイテムデータから取得する。そして、受信したユーザ識別情報に対応するユーザ情報データの保有価値情報におけるイベントコインの保有数から、交換に必要な値を減算して更新する(Step14)。この例では、変更アイテム「青」の変更アイテムコード「I0002」に対応する、交換に必要なイベントコイン数は「100」であるため、変更アイテム管理部106は、要求元のプレーヤのユーザ情報データの保有価値情報におけるイベントコインの保有数から100を減算して更新する。また、変更アイテム管理部106は、受信したユーザ識別情報に対応するユーザ情報データの保有アイテム情報に、受信した変更アイテムコード「I0002」を登録する(Step15)。そして、アイテム提供許可とともに、保有価値情報と保有アイテム情報とをプレーヤ端末1に送信する(Step16)。
【0094】
プレーヤ端末1の更新アイテム取得部76は、変更アイテムコードと、保有価値情報と保有アイテム情報とをアイテム提供許可とともに受信すると、受信した保有価値情報と保有アイテム情報とで、ユーザ情報データの保有価値情報と保有アイテム情報を更新する(Step17)。これにより、イベントコインと、変更アイテム「青」と、の交換が完了する。
【0095】
次に、プレーヤが、取得した変更アイテムを使用して、バディのパーソナリティ(属性)を変える場面におけるプレーヤ端末1とゲームサーバ2の動作を
図15を参照して説明する。
【0096】
対戦ゲームへのログインを済ませたプレーヤが、ホーム画面等からバディに関する処理を行うためのバディメニューをタッチ操作し、表示されたバディメニューから「変更アイテムの使用」を選択すると、プレーヤ端末1のアイテム取得管理部76は、ユーザ情報データの保有アイテム情報を参照して、プレーヤが保有する変更アイテムが選択可能に提示される変更アイテム使用画面を表示する(Step21)。変更アイテム使用画面を
図16に例示する。変更アイテム使用画面は、例えば、プレーヤが保有する各変更アイテムについてアイテム名等を示す。
図16の例では、バディのパーソナリティ(属性)を「青」に変更することができる変更アイテム、バディのパーソナリティ(属性)を「黄」に変更することができる変更アイテムが提示されている。
【0097】
プレーヤが、変更アイテム「青」に対応する使用ボタンを押下すると(Step22:アイテム使用選択)、プレーヤ端末1のアイテム取得管理部76は、使用対象として選択された変更アイテム「青」の変更アイテムコードと、ユーザ識別情報とを含むアイテム使用要求をゲームサーバ2に送信する(Step23)。
【0098】
ゲームサーバ2の変更アイテム管理部106は、受信したユーザ識別情報に対応するユーザ情報データのパーソナリティを、変更アイテムコードが示す変更アイテムに対応するパーソナリティ「青」に変更する処理を行う(Step24)。例えば、青の累積値に、所定値を追加して各色の中で最大となるようにしてもよく(例えば、各色の中で最大値になるまで、1000点単位で加算する等)、また、そのときの累積値の最大値と値を交換してもよく(例えば、「白」の累計値「5000」が最大の場合、青を最大にするために青の累計値「1000」と白の累計値「5000」を交換する)、また、他の計算方法により値を更新してもよい。また、ユーザ情報データの保有アイテム情報から、受信した変更アイテムコードを削除して更新する(Step25)。そして、更新後のパーソナリティと保有アイテム情報をプレーヤ端末1に送信する(Step26)。
【0099】
プレーヤ端末1のアイテム取得管理部76は、更新されたパーソナリティと保有アイテム情報を受信すると、ユーザ情報データのパーソナリティと保有アイテム情報を更新する(Step27)。これにより、プレーヤのバディのパーソナリティは「青」に変更される。パーソナリティが変化すると、バディの表現態様も変化する。例えば、パーソナリティが「赤」から「青」に更新されると、バディのパーソナリティが「赤(積極的)」から「青(冷静)」に変化する。これにより、例えば、対戦の勝利場面において出力されるバディの台詞が、「次もこの調子でいきましょう!」という積極的な台詞から、「この程度で喜んではいけません。」という冷静な台詞に変化する(
図9参照)。
【0100】
以上説明したように、本実施形態によれば、プレーヤが保有する変更アイテムの使用を条件としてバディの属性が変更される。このような構成によれば、プレーヤは、自己に対応付けられたバディのパーソナリティ(属性)を自主的に変更させることができるため、ゲームにおけるプレーヤの興趣性が向上する。また、変更アイテムの取得には、例えばイベントコインのようなゲーム内イベントに参加することにより得られる価値情報が必要となるため、プレーヤのゲームへの参加意欲を高めることができる。
【0101】
<本発明の実施形態の変形例1>
プレーヤが保有するイベントコインとの交換は、バディの属性を変更するための変更アイテムだけでなく、他の種々のアイテムとの交換もできるようにしてもよい。この場合、交換アイテムデータには、変更アイテムだけでなく、イベントコインと交換可能な種々のアイテムに関するデータが登録される。種々のアイテムには、例えば、カード(第1ゲーム要素)、バディのスキン(衣装等)、カードのスリーブ等がある。種々のアイテムについて、アイテムの識別情報であるアイテムコード、アイテム名、交換可能期間、交換に必要なイベントコインの枚数等が交換アイテムデータに記憶される。アイテム取得管理部76は、アイテムの取得するための所定操作に応じて、記憶部51の交換アイテムデータの交換可能期間を参照し、現在提供可能なアイテムのデータを抽出して表示する。そして、プレーヤにより選択されたアイテムの交換要求をゲームサーバ2に送信し、ゲームサーバ2がユーザ情報データの保有価値情報、保有アイテム情報を更新し、更新後の保有価値情報、保有アイテム情報をプレーヤ端末1に送信する。プレーヤ端末1のアイテム取得管理部76は、更新後の保有価値情報、保有アイテム情報を受信して、記憶部51に記憶する。
【0102】
また、上記実施形態では、ゲームで使用される全てのカード(プレーヤに未提供のカードも含む)のカード設定データをプレーヤ端末1がゲームサーバ2から受信して記憶部51に記憶するようにしているが、これに限定されない。プレーヤに提供されるカードのカード設定データ及をカード提供時にプレーヤ端末1が受信するようにしてもよい。
【0103】
また、上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下には限られない。
【0104】
[付記1]
第1ゲーム要素を使用する対戦ゲームにおいて前記第1ゲーム要素を使用可能な第2ゲーム要素を設定する設定手段と、
前記第2ゲーム要素の属性を変更するための変更アイテムを取得するアイテム取得手段と、
取得した変更アイテムの使用を条件として、変更された前記第2ゲーム要素の属性を取得する属性取得手段と、
を備える端末。
【0105】
[付記2]
第1ゲーム要素を使用する第1ゲーム要素を使用可能な第2ゲーム要素をプレーヤと対応付けて登録する登録手段と、
前記第2ゲーム要素の属性を変更するための変更アイテムを提供する提供手段と、
プレーヤが保有する変更アイテムの使用を条件として、第2ゲーム要素の属性を変更する変更手段と、
変更後の前記第2ゲーム要素の属性を出力する出力手段と、
を備えるゲーム管理装置。
【0106】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することができる。
【符号の説明】
【0107】
1 プレーヤ端末
2 ゲームサーバ
11 ディスプレイ
12 タッチ操作パネル
13 スピーカ
31 保有カード領域
32 デッキ領域
40 第1プレーヤ領域
41 第2プレーヤ領域
42 操作情報
43 手札領域
44 フィールド領域
45 ベース領域
46 ライフ領域
47 プレーヤライフ領域
48 フォースライフ領域
50 操作入力部
51 記憶部
52 処理部
53 画像表示部
54 音出力部
55 通信部
61 ゲーム演算部
62 画像生成部
63 音生成部
64 通信制御部
70 カード提供部
71 カード取得部
72 デッキ設定部
73 バディ設定部
74 行動決定部
75 ゲーム管理部
76 アイテム取得管理部
91 記憶部
92 処理部
93 通信部
101 プレーヤ管理部
102 ゲーム管理部
103 AI処理部
104 情報更新部
105 カード提供管理部
106 変更アイテム管理部