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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】有機発光表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/04 20060101AFI20220405BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220405BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20220405BHJP
   H05B 33/06 20060101ALI20220405BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220405BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
H05B33/04
H05B33/14 A
H05B33/22 Z
H05B33/06
H01L27/32
G09F9/30 336
G09F9/30 365
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2017081339
(22)【出願日】2017-04-17
(65)【公開番号】P2017191779
(43)【公開日】2017-10-19
【審査請求日】2020-04-10
(31)【優先権主張番号】10-2016-0046265
(32)【優先日】2016-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】朴 慶 ▲民▼
(72)【発明者】
【氏名】蘇 棟 潤
【審査官】酒井 康博
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0109512(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0060789(US,A1)
【文献】特開2009-205122(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0042622(KR,A)
【文献】特開2005-049808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/00-33/28
H01L 51/50-51/56
H01L 27/32
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域および非表示領域を含む第1基板と、
前記第1基板の前記非表示領域に位置し、互いに重なる第1ダミー金属層および第2ダミー金属層を含むダミー金属層と、
前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層との間に位置する絶縁層と、
前記第1基板を覆う第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、前記ダミー金属層と重なるシーラントとを含み、
前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層とは、電気的に接続されており、前記シーラントは、前記第2ダミー金属層と接触し、
前記第2ダミー金属層は、前記第1基板の周縁に隣接した第1ダミー金属層の外側の周縁部と重なっており、第1ダミー金属層の内側の周縁部とは重なっていないのであり、
前記シーラントの領域内にあって、前記第2ダミー金属層の帯状パターンの内縁よりも内側には、前記第1基板の上面を露出させて、前記シーラントと接触させるドット状の第2コンタクトホールが配列されており、
前記第1ダミー金属層の帯状パターン中には、金属層が省かれたホールパターンが、マトリクス状に配列されており、前記各ホールパターン中に、複数の前記第2コンタクトホールがマトリクス状に配列される有機発光表示装置。
【請求項2】
前記絶縁層は、前記第1ダミー金属層の少なくとも一部と重なる第1コンタクトホールを有し、
前記第2ダミー金属層は、前記絶縁層上に位置し、前記第1コンタクトホールを介して前記第1ダミー金属層に接続されている、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
表示領域および非表示領域を含む第1基板と、
前記第1基板の前記非表示領域に位置し、互いに重なる第1ダミー金属層および第2ダミー金属層を含むダミー金属層と、
前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層との間に位置する絶縁層と、
前記第1基板を覆う第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、前記ダミー金属層と重なるシーラントとを含み、
前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層とは、電気的に接続されており、前記シーラントは、前記第2ダミー金属層と接触し、
前記第2ダミー金属層は、前記第1基板の周縁に隣接した第1ダミー金属層の外側の周縁部と重なっており、第1ダミー金属層の内側の周縁部とは重なっていないのであり、
前記第2ダミー金属層の比抵抗は、前記第1ダミー金属層の比抵抗より小さく、
前記第1ダミー金属層は、モリブデンからなり、
前記第2ダミー金属層は、アルミニウムからなる有機発光表示装置。
【請求項4】
前記第1基板の前記表示領域に位置する半導体と、
前記半導体上に位置するゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に位置するゲート配線と、
前記ゲート配線上に位置する層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜上に位置するデータ配線とをさらに含む、請求項に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記第1ダミー金属層および前記第2ダミー金属層は、平面図にて、前記第1基板の周縁と並行して延びる棒の形状を有する、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
表示領域および非表示領域を含む第1基板と、
前記第1基板の前記非表示領域に位置し、互いに重なる第1ダミー金属層および第2ダミー金属層を含むダミー金属層と、
前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層との間に位置する絶縁層と、
前記第1基板を覆う第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、前記ダミー金属層と重なるシーラントとを含み、
前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層とは、電気的に接続されており、前記シーラントは、前記第2ダミー金属層と接触し、
前記第2ダミー金属層は、前記第1基板の周縁に隣接した第1ダミー金属層の外側の周縁部と重なっており、第1ダミー金属層の内側の周縁部とは重なっていないのであり、
前記第2ダミー金属層の帯状パターンの内縁及び外縁のいずれかは、平面図で見て、凹凸状をな有機発光表示装置。
【請求項7】
前記シーラントがフリットであり、前記絶縁層は有機絶縁材料からなる層を含む、請求項に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
表示領域および非表示領域を含む第1基板と、
前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第1基板の表示領域に位置する画素と、
前記第1基板の非表示領域に位置するダミー金属層とを含み、
前記画素は、
ストレージキャパシタと、
アノードおよびカソードを含む有機発光ダイオードと、
第1ゲート電極を含む駆動トランジスタと、
第2ゲート電極を含むスイッチングトランジスタとを含み、
前記ダミー金属層は、第1ダミー金属層と第2ダミー金属層とを含み、前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層とは、互いに重なり、
断面上で、絶縁層が、前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層との間にあって、前記第1基板の非表示領域に位置し、
前記第1基板と前記第2基板との間にて、前記第1基板の非表示領域に、前記ダミー金属層と重なるようにシーラントが位置し、
前記第1ダミー金属層、前記第1ゲート電極、および前記第2ゲート電極は、同一材料からなり、
前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層とは、電気的に接続されており、前記シーラントは、前記第2ダミー金属層と接触しており、
前記第2ダミー金属層は、前記第1基板の周縁に隣接した第1ダミー金属層の外側の周縁部と重なっており、第1ダミー金属層の内側の周縁部とは重なっていないのであり、
前記シーラントの領域内にあって、前記第2ダミー金属層の帯状パターンの内縁よりも内側には、前記第1基板の上面を露出させて、前記シーラントと接触させるドット状の第2コンタクトホールが配列されており、
前記第1ダミー金属層の帯状パターン中には、金属層が省かれたホールパターンが、マトリクス状に配列されており、前記各ホールパターン中に、複数の前記第2コンタクトホールがマトリクス状に配列される有機発光表示装置。
【請求項9】
前記第1ゲート電極は、前記ストレージキャパシタの第1端部に接続されており、
前記ストレージキャパシタの第2端部は、駆動電圧線に接続されており、
前記第2ゲート電極は、スキャン線に接続されており、
前記アノードは、前記駆動トランジスタのドレイン電極に接続されており、
前記カソードは共通電圧線に接続されている、請求項に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
表示領域および非表示領域を含む第1基板と、
前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第1基板の表示領域に位置する画素と、
前記第1基板の非表示領域に位置するダミー金属層とを含み、
前記画素は、
ストレージキャパシタと、
アノードおよびカソードを含む有機発光ダイオードと、
第1ゲート電極を含む駆動トランジスタと、
第2ゲート電極を含むスイッチングトランジスタとを含み、
前記ダミー金属層は、第1ダミー金属層と第2ダミー金属層とを含み、前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層とは、互いに重なり、
断面上で、絶縁層が、前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層との間にあって、前記第1基板の非表示領域に位置し、
前記第1基板と前記第2基板との間にて、前記第1基板の非表示領域に、前記ダミー金属層と重なるようにシーラントが位置し、
前記第1ダミー金属層、前記第1ゲート電極、および前記第2ゲート電極は、同一材料からなり、
前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層とは、電気的に接続されており、前記シーラントは、前記第2ダミー金属層と接触しており、
前記第2ダミー金属層は、前記第1基板の周縁に隣接した第1ダミー金属層の外側の周縁部と重なっており、第1ダミー金属層の内側の周縁部とは重なっていないのであり、
前記第2ダミー金属層の比抵抗は、前記第1ダミー金属層の比抵抗より小さく、
前記第1ダミー金属層は、モリブデンからなり、
前記第2ダミー金属層は、アルミニウムからな有機発光表示装置。
【請求項11】
前記絶縁層は、前記第1ダミー金属層の少なくとも一部と重なる第1コンタクトホールを含み、
前記第2ダミー金属層は、前記絶縁層上に位置し、前記第1コンタクトホールを介して前記第1ダミー金属層に接続されている、請求項10に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
表示領域および非表示領域を含む第1基板と、
前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第1基板の表示領域に位置する画素と、
前記第1基板の非表示領域に位置するダミー金属層とを含み、
前記画素は、
ストレージキャパシタと、
アノードおよびカソードを含む有機発光ダイオードと、
第1ゲート電極を含む駆動トランジスタと、
第2ゲート電極を含むスイッチングトランジスタとを含み、
前記ダミー金属層は、第1ダミー金属層と第2ダミー金属層とを含み、前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層とは、互いに重なり、
断面上で、絶縁層が、前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層との間にあって、前記第1基板の非表示領域に位置し、
前記第1基板と前記第2基板との間にて、前記第1基板の非表示領域に、前記ダミー金属層と重なるようにシーラントが位置し、
前記第1ダミー金属層、前記第1ゲート電極、および前記第2ゲート電極は、同一材料からなり、
前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層とは、電気的に接続されており、前記シーラントは、前記第2ダミー金属層と接触しており、
前記第2ダミー金属層は、前記第1基板の周縁に隣接した第1ダミー金属層の外側の周縁部と重なっており、第1ダミー金属層の内側の周縁部とは重なっていないのであり、
前記第2ダミー金属層の帯状パターンの内縁及び外縁のいずれかは、平面図で見て、凹凸状をな有機発光表示装置。
【請求項13】
前記シーラントがフリットであり、前記絶縁層は有機絶縁材料からなる層を含む、請求項12に記載の有機発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置に関し、より詳細には、シーラント(シール材)が基板から剥離されるのを防止することができる有機発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置(organic light emitting diode display device)は、自ら発光する特性を有する表示装置であり、液晶表示装置とは異なり別の光源を必要としないため、厚さと重量を低減することができる。また、有機発光表示装置は、低い消費電力、高い輝度および高い反応速度などの高品位特性を示すため、携帯用電子機器の次世代表示装置として注目されている。
【0003】
一般に、有機発光表示装置は、薄膜トランジスタおよび有機発光素子が形成されている第1基板と、第1基板を覆う第2基板と、第1基板と第2基板とを互いに結合させるシーラント(sealant)とを含む。ここで、シーラントは、第1基板および第2基板の周縁に沿って塗布され、第1基板と第2基板との間の空間を密封させる役割を果たす。
【0004】
基板は、画面を表示する表示領域と、表示領域を駆動する駆動部が位置する非表示領域とを含み、シーラントは、非表示領域に位置する。シーラントと基板との接着力向上のために、非表示領域にダミー金属層を形成することができる。最近、非表示領域の面積を減少させる傾向に伴って、ダミー金属層の面積も、併せて減少しており、これによってダミー金属層の抵抗が大きくなる。したがって、静電気の発生時、ダミー金属層に電荷が蓄積されて熱が発生することによって、シーラントが基板から剥離されるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-23038(韓国特許KR10-1193198B)号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、シーラントが基板から剥離されるのを防止することができる有機発光表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的による本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置は、表示領域および非表示領域を含む第1基板と、前記第1基板の前記非表示領域に位置し、互いに重なる第1ダミー金属層および第2ダミー金属層を含むダミー金属層と、前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層との間に位置する絶縁層と、前記第1基板を覆う第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、前記ダミー金属層と重なるシーラントとを含み、前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層とは、電気的に接続されており、前記シーラントは、前記第2ダミー金属層と接触する。
【0008】
前記絶縁層は、前記第1ダミー金属層の少なくとも一部と重なる第1コンタクトホールを有し、前記第2ダミー金属層は、前記絶縁層上に位置し、前記第1コンタクトホールを介して前記第1ダミー金属層に接続されるというのであってよい。
【0009】
前記第2ダミー金属層の比抵抗は、前記第1ダミー金属層の比抵抗より小さくてよい。
【0010】
前記第1ダミー金属層は、モリブデンからなり、前記第2ダミー金属層は、アルミニウムからなるのでありうる。
【0011】
本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置は、前記第1基板の前記表示領域に位置する半導体と、前記半導体上に位置するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に位置するゲート配線と、前記ゲート配線上に位置する層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に位置するデータ配線とをさらに含んでよい。
【0012】
前記第1ダミー金属層は、前記ゲート配線と同一材料からなり、同一層に位置するのであってよい。
【0013】
前記ゲート絶縁膜は、第1ゲート絶縁膜と第2ゲート絶縁膜とを含み、前記ゲート配線は、前記第1ゲート絶縁膜と前記第2ゲート絶縁膜との間に位置する第1ゲート配線と、前記第2ゲート絶縁膜上に位置する第2ゲート配線とを含んでよい。
【0014】
前記第1ダミー金属層は、前記第1ゲート配線または前記第2ゲート配線と同一材料からなり、同一層に位置してよい。
【0015】
前記第2ダミー金属層は、前記データ配線と同一材料からなり、同一層に位置するのであってよい。
【0016】
前記第1ダミー金属層および前記第2ダミー金属層は、平面図にて、前記第1基板の周縁と並行して延びる棒の形状を有してよい。
【0017】
前記第2ダミー金属層の幅は、前記第1ダミー金属層の幅より狭くてよい。
【0018】
前記第2ダミー金属層の第1周縁は、平面図にて、凹凸形状を有してよい。
【0019】
前記第2ダミー金属層の第1周縁は、前記第1基板の周縁に隣接していてよい。
【0020】
前記第1周縁の反対側に位置する第2周縁は、平面図にて、凹凸形状を有してよい。
【0021】
前記第1ダミー金属層にはホールパターンが形成されており、前記絶縁層には第2コンタクトホールが形成されており、前記第2コンタクトホールは、前記ホールパターン内に位置するというのであってよい。
【0022】
前記シーラントは、前記第2コンタクトホール内に位置してよい。
【0023】
前記第2コンタクトホールを介して、前記シーラントは、前記第1基板と接触してよい。
【0024】
前記ホールパターン内には複数の第2コンタクトホールが位置してよい。
【0025】
前記第1ダミー金属層には、複数のホールパターンがマトリクス状に配列されうる。
【0026】
前記第2ダミー金属層は、前記ホールパターンと重ならなくてよい。
【0027】
前記第2ダミー金属層における、前記第1基板の周縁に隣接する第1周縁、および前記第1周縁の反対側に位置する第2周縁は、凹凸形状を有してよい。
【0028】
前記絶縁層は、前記第1ダミー金属層の少なくとも一部と重なる第1コンタクトホールおよび第3コンタクトホールを有し、前記第2ダミー金属層は、前記第1コンタクトホールを介して前記第1ダミー金属層に接続されており、前記シーラントは、前記第3コンタクトホールを介して前記第1ダミー金属層と接触するというのであってよい。
【0029】
本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置は、表示領域および非表示領域を含む第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板の表示領域に位置する画素と、前記第1基板の非表示領域に位置するダミー金属層とを含み、前記画素は、ストレージキャパシタと、アノードおよびカソードを含む有機発光ダイオードと、第1ゲート電極を含む駆動トランジスタと、第2ゲート電極を含むスイッチングトランジスタとを含み、前記ダミー金属層は、第1ダミー金属層と第2ダミー金属層とを含み、前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層とは、互いに重なり、断面上で、絶縁層が、前記第1ダミー金属層と前記第2ダミー金属層との間にて、前記第1基板の非表示領域に位置し、前記第1基板と前記第2基板との間の前記第1基板の非表示領域に、前記ダミー金属層と重なるようにシーラントが位置し、前記第1ダミー金属、前記第1ゲート電極、および前記第2ゲート電極は、同一材料からなる。
【0030】
前記第1ゲート電極は、前記ストレージキャパシタの第1端部に接続されており、前記ストレージキャパシタの第2端部は、駆動電圧線に接続されており、前記第2ゲート電極は、スキャン線に接続されており、前記アノードは、前記駆動トランジスタのドレイン電極に接続されており、前記カソードは、前記共通電圧線に接続されるというのであってよい。
【0031】
前記絶縁層は、前記第1ダミー金属層の少なくとも一部と重なる第1コンタクトホールを含み、前記第2ダミー金属層は、前記絶縁層上に位置し、前記第1コンタクトホールを介して前記第1ダミー金属層に接続されるというのであってよい。
【0032】
前記第2ダミー金属層の比抵抗は、前記第1ダミー金属層の比抵抗より小さくてよい。
【0033】
前記第1ダミー金属層は、モリブデンからなり、前記第2ダミー金属層は、アルミニウムからなるのでありうる。
【発明の効果】
【0034】
上記のような本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置は次の効果がある。
【0035】
本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置は、ダミー金属層が複数の層からなり、これらが互いに電気的に接続されているので、抵抗を低下させることができ、これによって静電気によるシーラントの剥離不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施形態(1)に係る有機発光表示装置を示す平面図である。
図2図1のA部分を拡大して示す、本発明の一実施形態(1)に係る有機発光表示装置の平面図である。
図3図2のIII-III線に沿って示す、本発明の一実施形態(1)に係る有機発光表示装置の断面図である。
図4】本発明の一実施形態(1)に係る有機発光表示装置における1画素の等価回路図である。
図5】本発明の一実施形態(1)に係る有機発光表示装置における複数のトランジスタおよびキャパシタについての概略的な配置構成図である。
図6図5の配置構成をより具体的に示す配置構成図である。
図7図6の有機発光表示装置についてのVII-VII線に沿った断面図である。
図8図6の有機発光表示装置についてのVIII-VIII線に沿った断面図である。
図9】本発明の一実施形態(2)に係る有機発光表示装置の断面図である。
図10】本発明の一実施形態(3)に係る有機発光表示装置の平面図である。
図11】本発明の一実施形態(4)に係る有機発光表示装置の平面図である。
図12図11のXII-XII線に沿って示す、本発明の一実施形態(4)に係る有機発光表示装置の断面図である。
図13】本発明の一実施形態(5)に係る有機発光表示装置の断面図である。
図14】本発明の一実施形態(6)に係る有機発光表示装置の平面図である。
図15】本発明の一実施形態(7)に係る有機発光表示装置の平面図である。
図16図15のXVI-XVI線に沿って示す、本発明の一実施形態(7)に係る有機発光表示装置の断面図である。
図17】本発明の一実施形態(8)に係る有機発光表示装置の断面図である。
図18】本発明の一実施形態(9)に係る有機発光表示装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0038】
図面において、様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全体にわたって類似の部分については同一の図面符号を付した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるとする時、これは、他の部分の「直上」にある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上」にあるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0039】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置について説明する。
【0040】
図1は、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置を示す平面図である。
【0041】
図1に示されているように、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置は、第1基板110と、第2基板210と、第1基板110と第2基板210との間に位置するシーラント650とを含む。
【0042】
第1基板110と第2基板210は、ガラス、石英、セラミック、プラスチックなどといった絶縁性物質からなる。
【0043】
第1基板110は、全体が、実質上、画像を表示する領域である表示領域DAと、この表示領域DAを駆動する駆動部が位置する非表示領域NAとを含む。非表示領域NAは、表示領域DAを取り囲む形態を有する。つまり、表示領域DAは、第1基板110の中心部に位置し、非表示領域NAは、第1基板110の周縁部に位置する。表示領域DAには、薄膜トランジスタ、有機発光素子などが位置し、各画素にて有機発光素子が発光することで画像を表示することができる。非表示領域NAには、表示領域DAを駆動するための、所定の信号を伝達するゲート駆動部、データ駆動部などが位置する。
【0044】
第1基板110の非表示領域NAには、ダミー金属層500が位置する。ダミー金属層500は、第1基板110の全周の一部に沿って延びることで、表示領域DAを三方または二方から取り囲む形態を有する。第1基板110は、略長方形からなり、図示の例で、長方形をなす4つの辺のうち、3つの辺に沿ってダミー金属層500が形成される。残りの1つの辺にはファンアウト部129が形成される。ダミー金属層500は、ファンアウト部129と同一の金属材料でもって、積層構造中、同一の層に形成される。したがって、ダミー金属層500がファンアウト部129と短絡しないように、互いに異なる位置に形成される。
【0045】
第2基板210は、第1基板110と貼り合わされ、第1基板110と第2基板210との間の空間内に水分などが侵入するのを防止する封止基板の役割を果たす。第2基板210は、第1基板110と類似の形状からなり、第1基板110より小さい大きさを有してもよい。したがって、第1基板110の一部は、第2基板210によって覆われなくてもよいのであり、例えば、ファンアウト部129の一部が配置されるところの、第1基板110の一部は、第2基板210によって覆われていない部分であってもよい。
【0046】
ダミー金属層500は、ファンアウト部129の周辺から第1基板110の端部まで延びることができる。つまり、第1基板110が第2基板210によって覆われていない部分において、ダミー金属層500は、第1基板110の端部まで、延長形成されている。
【0047】
シーラント650は、第1基板110の非表示領域NAに位置し、ダミー金属層500と重なる。シーラント650は、第1基板110の全周に沿って延びることで、表示領域DAを取り囲む形態を有する。つまり、第1基板110が長方形からなる場合、長方形をなす4つの辺の全てに沿ってシーラント650が形成される。
【0048】
シーラント650は、フリットからなる。ガラス材料を高い温度に加熱し、温度を急激に低下させると、ガラス粉末状のフリットが生成される。粉末状のフリットに、金属酸化物または非金属無機酸化物の粉末を添加して含ませ、これに有機物(バインダー)を添加すると、ゲル状態のペーストが生成される。このペーストを第2基板210の周縁部に塗布した後、所定の温度で焼成すると、有機物は廃ガスなどとなって空気中に消滅し、ゲル状態のペーストは硬化して、固体状態のフリットからなるシーラント650が第2基板210に貼り付いた状態となる。第2基板210におけるシーラント650の貼り付いた面を第1基板110と接するように位置させた後、レーザまたは赤外線を照射すると、シーラント650が第1基板110に溶融接着されることで、第1基板110と第2基板210とが貼り合わされる。このように、シーラント650によって第1基板110と第2基板210とが貼り合わされると、酸素、水分などが、第1基板110と第2基板210との間の空間内に侵入するのを防止することができる。したがって、第1基板110の表示領域DAに位置する有機発光素子などが、酸素、水分などにさらされて損傷するのを防止することができる。
【0049】
以下、図2および図3を参照して、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置における非表示領域の構造についてさらに説明する。
【0050】
図2は、図1のA部分を拡大して示す、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置の平面図であり、図3は、図2のIII-III線に沿って示す、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。図1におけるA部分は、非表示領域NAの一部に相当する。
【0051】
図2および図3に示されているように、第1基板110上にはバッファ層120が位置し、バッファ層120上にはゲート絶縁膜140が位置してもよい。
【0052】
バッファ層120は、シリコン窒化物(SiNx)またはシリコン酸化物(SiO)などといった無機絶縁材料からなる。バッファ層120は、単一層または多重層からなるものであってよい。バッファ層120は、不純物または水分といった不必要な成分の侵入を防止するとともに、表面を平坦化する役割を果たす。バッファ層120は、第1基板110の非表示領域NAだけでなく、表示領域DAにも形成されうる。つまり、バッファ層120は、第1基板110上の全面に形成されうる。
【0053】
ゲート絶縁膜140は、シリコン窒化物(SiNx)またはシリコン酸化物(SiO)などといった無機絶縁材料からなる。ゲート絶縁膜140は、単一層または多重層からなるものであってよい。例えば、ゲート絶縁膜140は、第1ゲート絶縁膜141と、第1ゲート絶縁膜141上に位置する第2ゲート絶縁膜142とを含むものであってよい。ゲート絶縁膜140は、第1基板110の非表示領域NAだけでなく、表示領域DAにも形成されうる。つまり、ゲート絶縁膜140は、第1基板110上の全面に形成されうる。
【0054】
上記でバッファ層120およびゲート絶縁膜140が、第1基板110上の全面に形成されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されない。バッファ層120およびゲート絶縁膜140が、第1基板110の非表示領域NAには形成されなくてもよい。
【0055】
ゲート絶縁膜140上にはダミー金属層500が位置する。ダミー金属層500は、第2ゲート絶縁膜142上に位置してよい。ダミー金属層500は、第1ダミー金属層510と第2ダミー金属層520とを含んでよい。この時、第1ダミー金属層510と第2ダミー金属層520とは、互いに重なってよい。第1ダミー金属層510と、第2ダミー金属層520との間には、層間絶縁膜160が位置してよい。
【0056】
層間絶縁膜160は、無機絶縁材料または有機絶縁材料からなってよい。層間絶縁膜160は、単一層または多重層からなってよい。層間絶縁膜160は、有機絶縁材料からなる層と、無機絶縁材料からなる層とが積層された形態からなるものであってもよい。層間絶縁膜160は、第1基板110の非表示領域NAだけでなく、表示領域DAにも形成されうる。つまり、層間絶縁膜160は、第1基板110上の全面に形成されうる。
【0057】
第1ダミー金属層510が第2ゲート絶縁膜142の真上に位置してよく、第1ダミー金属層510上に層間絶縁膜160が位置してよい。層間絶縁膜160には、第1ダミー金属層510の少なくとも一部と重なる第1コンタクトホール161が形成されている。第1コンタクトホール161は、平面上で横方向および縦方向に沿ってマトリクス状に配置される。例えば、4*4のマトリクス状に配置されている第1コンタクトホール161が、16個で1つのセットをなし、このような第1コンタクトホール161のセットが列方向に沿って所定の間隔をもって配置されるのであってよい。ただし、このような第1コンタクトホール161の形態は例示に過ぎず、様々な形態に変形が可能である。
【0058】
層間絶縁膜160上には、第2ダミー金属層520が位置してよい。第2ダミー金属層520は、第1コンタクトホール161内にも位置し、第1コンタクトホール161を介して第1ダミー金属層510に接続される。したがって、第1ダミー金属層510と第2ダミー金属層520とは、電気的に接続される。第2ダミー金属層520の比抵抗は、第1ダミー金属層510の比抵抗より小さくてよい。例えば、第1ダミー金属層510は、モリブデンを含み、第2ダミー金属層520は、チタンまたはアルミニウムを含むのであってよい。第1ダミー金属層510は、モリブデンの単一層からなってよい。第2ダミー金属層520は、チタン/アルミニウム/チタンの三重層からなってよい。
【0059】
第2ダミー金属層520上にはシーラント650が位置し、第2ダミー金属層520は、シーラント650と接触している。シーラント650に静電気が印加される場合、シーラント650は、金属材料からなるダミー金属層500と接触しているため、電荷の大部分はダミー金属層500へと分散できる。ダミー金属層500は、第1ダミー金属層510と第2ダミー金属層520とからなり、これらは互いに電気的に接続されているため、ダミー金属層500が単一層からなる場合に比べて抵抗が低くなり得る。特に、ダミー金属層500が、比抵抗の相対的に大きい第1ダミー金属層510のみからなる場合に比べて、比抵抗の相対的に小さい第2ダミー金属層520をさらに含むことによって、抵抗がより低くなり得る。このように、シーラント650と接しているダミー金属層500の抵抗を低下させることによって、電荷の分散効果はさらに大きくなるので、静電気によってシーラント650が第1基板110から分離されるのを防止することができる。
【0060】
シーラント650上には第2基板210が位置している。第1基板110と第2基板210との間にて、これらの周縁に沿って、シーラント650が形成されているため、第1基板110と第2基板210との間の空間内に、水分などが侵入するのを防止することができる。
【0061】
第1ダミー金属層510および第2ダミー金属層520は、平面図にて、第1基板110の周縁と並行して延びる棒(ロッド)の形状を有しうる。ここで、第2ダミー金属層520の幅は、第1ダミー金属層510の幅より狭くなり得る。第2ダミー金属層520の全体は、第1ダミー金属層510の一部と重なる。ここで、第2ダミー金属層520は、第1ダミー金属層510の周縁部と重なってよい。特に、第2ダミー金属層520は、第1基板110の周縁に隣接した、第1ダミー金属層510の周縁部と重なってよい。シーラント650の外側の縁部を介して静電気が伝達されうるのであり、この際、第2ダミー金属層520が、第1基板110の周縁と最も隣接した位置に配置されるということが、静電気の分散に効果的である。
【0062】
上記において、第2ダミー金属層520の幅は、第1ダミー金属層510の幅より狭く、第2ダミー金属層520が第1ダミー金属層510の一部と重なる場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。第2ダミー金属層520の幅が、第1ダミー金属層510の幅と実質的に同一になり、第2ダミー金属層520が第1ダミー金属層510の全体と重なり合うのであってもよい。
【0063】
次に、図4図8を参照して、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置について説明する。
【0064】
図4は、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置における1画素の等価回路図である。
【0065】
図4に示されているように、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置は、複数の信号線151、152、153、171、172、192と、これら複数の信号線に接続されるとともに略行列(matrix)状に配列された、複数の画素PXとを含む。
【0066】
各画素PXは、複数の信号線151、152、153、171、172、192に接続されている複数のトランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6と、ストレージキャパシタ(storage capacitor)Cstと、有機発光ダイオード(organic light emitting diode)OLDとを含む。
【0067】
トランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6は、駆動トランジスタ(driving transistor)T1と、スイッチングトランジスタ(switching transistor)T2と、補償トランジスタ(compensation transistor)T3と、初期化トランジスタ(initialization transistor)T4と、動作制御トランジスタ(operation control transistor)T5と、発光制御トランジスタ(light emission control transistor)T6とを含む。信号線151、152、153、171、172、192は、スキャン信号Snを伝達するスキャン線151と、初期化トランジスタT4に前段スキャン信号Sn-1を伝達する前段スキャン線152と、動作制御トランジスタT5および発光制御トランジスタT6に発光制御信号EMを伝達する発光制御線153と、スキャン線151と交差しデータ信号Dmを伝達するデータ線171と、駆動電圧ELVDDを伝達しデータ線171とほぼ平行に形成されている駆動電圧線172と、駆動トランジスタT1を初期化する初期化電圧Vintを伝達する初期化電圧線192とを含む。
【0068】
駆動トランジスタT1のゲート電極G1は、ストレージキャパシタCstの一端Cst1に接続されており、駆動トランジスタT1のソース電極S1は、動作制御トランジスタT5を経由して駆動電圧線172に接続されており、駆動トランジスタT1のドレイン電極D1は、発光制御トランジスタT6を経由して有機発光ダイオードOLDのアノード(anode)と電気的に接続されている。駆動トランジスタT1は、スイッチングトランジスタT2のスイッチング動作に応じてデータ信号Dmが伝達され、有機発光ダイオードOLDに駆動電流Iを供給する。
【0069】
スイッチングトランジスタT2のゲート電極G2は、スキャン線151に接続されており、スイッチングトランジスタT2のソース電極S2は、データ線171に接続されており、スイッチングトランジスタT2のドレイン電極D2は、駆動トランジスタT1のソース電極S1に接続されており、かつ、動作制御トランジスタT5を経由して駆動電圧線172に接続されている。このようなスイッチングトランジスタT2は、スキャン線151を介して伝達されたスキャン信号Snに応じてターンオンされ、データ線171に伝達されたデータ信号Dmを駆動トランジスタT1のソース電極S1に伝達するスイッチング動作を行う。
【0070】
補償トランジスタT3のゲート電極G3は、スキャン線151に接続されており、補償トランジスタT3のソース電極S3は、駆動トランジスタT1のドレイン電極D1に接続されており、かつ、発光制御トランジスタT6を経由して有機発光ダイオードOLDのアノード(anode)に接続されており、補償トランジスタT3のドレイン電極D3は、初期化トランジスタT4のドレイン電極D4、ストレージキャパシタCstの一端Cst1および駆動トランジスタT1のゲート電極G1に共に接続されている。このような補償トランジスタT3は、スキャン線151を介して伝達されたスキャン信号Snに応じてターンオンされ、駆動トランジスタT1のゲート電極G1とドレイン電極D1とを互いに接続して駆動トランジスタT1をダイオード接続させる。
【0071】
初期化トランジスタT4のゲート電極G4は、前段スキャン線152に接続されており、初期化トランジスタT4のソース電極S4は、初期化電圧線192に接続されており、初期化トランジスタT4のドレイン電極D4は、補償トランジスタT3のドレイン電極D3を経てストレージキャパシタCstの一端Cst1および駆動トランジスタT1のゲート電極G1に共に接続されている。このような初期化トランジスタT4は、前段スキャン線152を介して伝達された前段スキャン信号Sn-1に応じてターンオンされ、初期化電圧Vintを駆動トランジスタT1のゲート電極G1に伝達して駆動トランジスタT1のゲート電極G1のゲート電圧Vgを初期化させる初期化動作を行う。
【0072】
動作制御トランジスタT5のゲート電極G5は、発光制御線153に接続されており、動作制御トランジスタT5のソース電極S5は、駆動電圧線172に接続されており、動作制御トランジスタT5のドレイン電極D5は、駆動トランジスタT1のソース電極S1およびスイッチングトランジスタT2のドレイン電極D2に接続されている。
【0073】
発光制御トランジスタT6のゲート電極G6は、発光制御線153に接続されており、発光制御トランジスタT6のソース電極S6は、駆動トランジスタT1のドレイン電極D1および補償トランジスタT3のソース電極S3に接続されており、発光制御トランジスタT6のドレイン電極D6は、有機発光ダイオードOLDのアノード(anode)と電気的に接続されている。このような動作制御トランジスタT5および発光制御トランジスタT6は、発光制御線153を介して伝達された発光制御信号EMに応じて同時にターンオンされ、これにより、駆動電圧ELVDDがダイオード接続された駆動トランジスタT1を介して補償されて有機発光ダイオードOLDに伝達される。
【0074】
ストレージキャパシタCstの他端Cst2は、駆動電圧線172に接続されており、有機発光ダイオードOLDのカソード(cathode)は、共通電圧ELVSSを伝達する共通電圧線741に接続されている。
【0075】
それでは、図4に示された本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置の詳細構造について、図5図6図7および図8図4と共に参照してさらに説明する。
【0076】
図5は、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置の複数のトランジスタおよびキャパシタの概略的な配置構成図であり、図6は、図5の配置構成をより具体的に示す配置構成図であり、図7は、図6の有機発光表示装置におけるVII-VII線に沿った断面図であり、図8は、図6の有機発光表示装置におけるVIII-VIII線に沿った断面図である。
【0077】
以下、図5および図6を参照して、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置の具体的な平面上の構造について先に説明し、図7および図8を参照して、具体的な断面上の構造についてさらに説明する。
【0078】
本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置は、スキャン信号Sn、前段スキャン信号Sn-1、および発光制御信号EMをそれぞれ印加し行方向に沿って形成されているスキャン線151、前段スキャン線152、および発光制御線153を含む。そして、スキャン線151、前段スキャン線152、および発光制御線153と交差しており、画素PXにデータ信号Dmおよび駆動電圧ELVDDをそれぞれ印加するデータ線171および駆動電圧線172を含む。初期化電圧Vintは、初期化電圧線192で初期化トランジスタT4を経由して補償トランジスタT3に伝達される。初期化電圧線192は、直線部と斜線部とを交互に有して形成されている。
【0079】
また、各画素PXには、駆動トランジスタT1、スイッチングトランジスタT2、補償トランジスタT3、初期化トランジスタT4、動作制御トランジスタT5、発光制御トランジスタT6、ストレージキャパシタCst、そして有機発光ダイオードOLDが形成されている。
【0080】
有機発光ダイオードOLDは、画素電極191と、有機発光層370と、共通電極270とからなる。
【0081】
駆動トランジスタT1、スイッチングトランジスタT2、補償トランジスタT3、初期化トランジスタT4、動作制御トランジスタT5、および発光制御トランジスタT6のそれぞれのチャネル(channel)は、接続されている1つの半導体130の内部に形成されており、半導体130は、多様な形状に屈曲して形成される。このような半導体130は、多結晶シリコンまたは酸化物半導体からなってもよい。
【0082】
チャネル131は、駆動トランジスタT1に形成される駆動チャネル131aと、スイッチングトランジスタT2に形成されるスイッチングチャネル131bと、補償トランジスタT3に形成される補償チャネル131cと、初期化トランジスタT4に形成される初期化チャネル131dと、動作制御トランジスタT5に形成される動作制御チャネル131eと、発光制御トランジスタT6に形成される発光制御チャネル131fとを含む。
駆動トランジスタT1は、駆動チャネル131aと、駆動ゲート電極155aと、駆動ソース電極136aと、駆動ドレイン電極137aとを含む。駆動ゲート電極155aは、駆動チャネル131aと重なっており、駆動ソース電極136aおよび駆動ドレイン電極137aは、駆動チャネル131aの両側に隣接してそれぞれ形成されている。駆動ゲート電極155aは、コンタクトホール61を介して第1データ接続部材174に接続されている。
【0083】
スイッチングトランジスタT2は、スイッチングチャネル131bと、スイッチングゲート電極155bと、スイッチングソース電極136bと、スイッチングドレイン電極137bとを含む。スキャン線151から下方に拡張された一部のスイッチングゲート電極155bは、スイッチングチャネル131bと重なっており、スイッチングソース電極136bおよびスイッチングドレイン電極137bは、スイッチングチャネル131bの両側に隣接してそれぞれ形成されている。スイッチングソース電極136bは、コンタクトホール62を介してデータ線171に接続されている。
【0084】
補償トランジスタT3は、補償チャネル131cと、補償ゲート電極155cと、補償ソース電極136cと、補償ドレイン電極137cとを含む。スキャン線151の一部である補償ゲート電極155cは、補償チャネル131cと重なっている。補償ソース電極136cおよび補償ドレイン電極137cは、補償チャネル131cの両側に隣接してそれぞれ形成されている。補償ドレイン電極137cは、コンタクトホール63を介して第1データ接続部材174に接続されている。
【0085】
初期化トランジスタT4は、初期化チャネル131dと、初期化ゲート電極155dと、初期化ソース電極136dと、初期化ドレイン電極137dとを含む。前段スキャン線152の一部である初期化ゲート電極155dは、リーク電流防止のために2つが形成されており、初期化チャネル131dと重なっている。初期化ソース電極136dおよび初期化ドレイン電極137dは、初期化チャネル131dの両側に隣接してそれぞれ形成されている。初期化ソース電極136dは、コンタクトホール64を介して第2データ接続部材175に接続されている。
【0086】
動作制御トランジスタT5は、動作制御チャネル131eと、動作制御ゲート電極155eと、動作制御ソース電極136eと、動作制御ドレイン電極137eとを含む。発光制御線153の一部である動作制御ゲート電極155eは、動作制御チャネル131eと重なっており、動作制御ソース電極136eおよび動作制御ドレイン電極137eは、動作制御チャネル131eの両側に隣接してそれぞれ形成されている。動作制御ソース電極136eは、コンタクトホール65を介して駆動電圧線172から拡張された一部に接続されている。
【0087】
発光制御トランジスタT6は、発光制御チャネル131fと、発光制御ゲート電極155fと、発光制御ソース電極136fと、発光制御ドレイン電極137fとを含む。発光制御線153の一部である発光制御ゲート電極155fは、発光制御チャネル131fと重なっており、発光制御ソース電極136fおよび発光制御ドレイン電極137fは、発光制御チャネル131fの両側に隣接してそれぞれ形成されている。発光制御ドレイン電極137fは、コンタクトホール66を介して第3データ接続部材179に接続されている。
【0088】
駆動トランジスタT1の駆動チャネル131aの一端は、スイッチングドレイン電極137bおよび動作制御ドレイン電極137eに接続されており、駆動チャネル131aの他端は、補償ソース電極136cおよび発光制御ソース電極136fに接続されている。
ストレージキャパシタCstは、第2ゲート絶縁膜142を挟んで配置される第1ストレージ電極155aおよび第2ストレージ電極156を含む。第1ストレージ電極155aは、駆動ゲート電極155aに相当し、第2ストレージ電極156は、ストレージ線157から拡張された部分であって、駆動ゲート電極155aより広い面積を占め、駆動ゲート電極155aを全て覆っている。
【0089】
ここで、第2ゲート絶縁膜142は、誘電体となり、ストレージキャパシタCstで蓄電された電荷と両ストレージ電極155a、156間の電圧によってストレージキャパシタンス(Storage Capacitance)が決定される。このように、駆動ゲート電極155aを第1ストレージ電極155aとして用いることによって、画素内で大きな面積を占める駆動チャネル131aによって狭くなった空間でストレージキャパシタを形成可能な空間を確保することができる。
【0090】
駆動ゲート電極155aの第1ストレージ電極155aは、コンタクトホール61およびストレージ開口部51を介して第1データ接続部材174の一端に接続されている。ストレージ開口部51は、第2ストレージ電極156に形成された開口部である。したがって、ストレージ開口部51の内部に第1データ接続部材174の一端と駆動ゲート電極155aとを接続するコンタクトホール61が形成されている。第1データ接続部材174は、データ線171とほぼ平行に同一層に形成されており、第1データ接続部材174の他端は、コンタクトホール63を介して補償トランジスタT3の補償ドレイン電極137cおよび初期化トランジスタT4の初期化ドレイン電極137dに接続されている。したがって、第1データ接続部材174は、駆動ゲート電極155aと補償トランジスタT3の補償ドレイン電極137cおよび初期化トランジスタT4の初期化ドレイン電極137dを互いに接続している。
【0091】
したがって、ストレージキャパシタCstは、駆動電圧線172を介して第2ストレージ電極156に伝達された駆動電圧ELVDDと駆動ゲート電極155aの駆動ゲート電圧Vgとの間の差に対応するストレージキャパシタンスを格納する。
第3データ接続部材179は、コンタクトホール81を介して画素電極191に接続されており、第2データ接続部材175は、コンタクトホール82を介して初期化電圧線192に接続されている。
【0092】
以下、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置の断面上の構造について積層順序に従って具体的に説明する。
【0093】
基板110上にはバッファ層120が形成されている。
【0094】
バッファ層120上には、駆動チャネル131aと、スイッチングチャネル131bと、補償チャネル131cと、初期化チャネル131dと、動作制御チャネル131eと、発光制御チャネル131fとを含むチャネル131を含む半導体130が形成されている。半導体130のうち、駆動チャネル131aの両側には駆動ソース電極136aおよび駆動ドレイン電極137aが形成されており、スイッチングチャネル131bの両側にはスイッチングソース電極136bおよびスイッチングドレイン電極137bが形成されている。そして、補償チャネル131cの両側には補償ソース電極136cおよび補償ドレイン電極137cが形成されており、初期化チャネル131dの両側には初期化ソース電極136dおよび初期化ドレイン電極137dが形成されている。そして、動作制御チャネル131eの両側には動作制御ソース電極136eおよび動作制御ドレイン電極137eが形成されており、発光制御チャネル131fの両側には発光制御ソース電極136fおよび発光制御ドレイン電極137fが形成されている。
【0095】
半導体130上には、これを覆う第1ゲート絶縁膜141が形成されている。第1ゲート絶縁膜141上には、スイッチングゲート電極155b、補償ゲート電極155cを含むスキャン線151、初期化ゲート電極155dを含む前段スキャン線152、動作制御ゲート電極155eおよび発光制御ゲート電極155fを含む発光制御線153、そして駆動ゲート電極(第1ストレージ電極)155aを含む第1ゲート配線151、152、153、155a、155b、155c、155d、155e、155fが形成されている。
【0096】
第1ゲート配線151、152、153、155a、155b、155c、155d、155e、155fおよび第1ゲート絶縁膜141の上には、これを覆う第2ゲート絶縁膜142が形成されている。
【0097】
第2ゲート絶縁膜142上には、スキャン線151と平行に配置されているストレージ線157、ストレージ線157から拡張された部分の第2ストレージ電極156を含む第2ゲート配線157、156が形成されている。非表示領域NAに位置する第1ダミー金属層510は、表示領域DAに位置する第2ゲート配線157、156と同一物質からなり、同一層に位置してもよい。第2ゲート絶縁膜142上に金属材料を蒸着し、これをパターニングすることで、第2ゲート配線157、156および第1ダミー金属層510を、同時に形成することができる。
【0098】
第2ゲート絶縁膜142および第2ゲート配線157、156の上には層間絶縁膜160が形成されている。
【0099】
層間絶縁膜160には、半導体130の上部面の少なくとも一部を露出するコンタクトホール61、62、63、64、65、66が形成されている。
【0100】
層間絶縁膜160上には、データ線171、駆動電圧線172、第1データ接続部材174、第2データ接続部材175、そして第3データ接続部材179を含むデータ配線171、172、174、175、179が形成されている。非表示領域NAに位置する第2ダミー金属層520は、表示領域DAに位置するデータ配線171、172、174、175、179と同一材料からなり、同一層に位置するというのであっててよい。層間絶縁膜160上に金属材料を蒸着し、これをパターニングすることで、データ配線171、172、174、175、179と第2ダミー金属層520を、同時に形成することができる。
【0101】
データ線171は、コンタクトホール62を介してスイッチングソース電極136bに接続されている。第1データ接続部材174の一端は、コンタクトホール61を介して第1ストレージ電極155aに接続されており、第1データ接続部材174の他端は、コンタクトホール63を介して補償ドレイン電極137cおよび初期化ドレイン電極137dに接続されている。データ線171と平行に延びている第2データ接続部材175は、コンタクトホール64を介して初期化ソース電極136dに接続されている。第3データ接続部材179は、コンタクトホール66を介して発光制御ドレイン電極137fに接続されている。
【0102】
データ配線171、172、174、175、179および層間絶縁膜160の上には、これを覆う保護膜180が形成されている。
【0103】
保護膜180上には画素電極191および初期化電圧線192が形成されている。第3データ接続部材179は、保護膜180に形成されたコンタクトホール81を介して画素電極191に接続されており、第2データ接続部材175は、保護膜180に形成されたコンタクトホール82を介して初期化電圧線192に接続されている。
【0104】
保護膜180、初期化電圧線192および画素電極191の周縁上には、これを覆う画素定義膜(Pixel Defined Layer、PDL)350が形成されており、画素定義膜350は、画素電極191を露出する画素開口部351を有する。
【0105】
画素開口部351によって露出した画素電極191上には有機発光層370が形成され、有機発光層370上には共通電極270が形成される。共通電極270は、画素定義膜350上にも形成され、複数の画素PXにわたって形成される。このように、画素電極191と、有機発光層370と、共通電極270とを含む有機発光ダイオードOLDが形成される。
【0106】
次に、図9を参照して、本発明の一実施形態(2)に係る有機発光表示装置について説明する。
【0107】
図9に示された本発明の一実施形態(2)に係る有機発光表示装置は、図1図8に示された本発明の一実施形態(1)に係る有機発光表示装置と、下記に説明する点を除き同一であるので、同一の部分にに関する説明は省略する。本実施形態では、第1ダミー金属層の形成位置が先の実施形態と異なるのであり、以下にさらに説明する。
【0108】
図9は、本発明の一実施形態(2)に係る有機発光表示装置の断面図である。図9は、図3と同様に、図1の非表示領域NA中のA部分を示している。
【0109】
先の実施形態(1)における第1ダミー金属層510は、第2ゲート絶縁膜142上に位置するのに対し、本実施形態(2)では、第1ダミー金属層510が第2ゲート絶縁膜142の下に位置しうる。特に、第1ダミー金属層510は、第1ゲート絶縁膜141と第2ゲート絶縁膜142との間に位置しうる。
【0110】
非表示領域NAに位置する第1ダミー金属層510は、表示領域DAに位置する第1ゲート配線(図5図8の151、152、153、155a、155b、155c、155d、155e、155f)と同一材料からなり、同一層に位置するのであってよい。第1ゲート絶縁膜141上に金属材料を蒸着し、これをパターニングすることで、第1ゲート配線(図5図8の151、152、153、155a、155b、155c、155d、155e、155f)および第1ダミー金属層510を、同時に形成することができる。
【0111】
次に、図10を参照して、本発明の一実施形態(3)に係る有機発光表示装置について説明する。
【0112】
図10に示された本発明の一実施形態(3)に係る有機発光表示装置は、図1図8に示された本発明の一実施形態(1)に係る有機発光表示装置と、下記に説明する点を除き同一であるので、同一の部分に関する説明は省略する。本実施形態では、第2ダミー金属層のパターン形状、すなわち、その周縁の形状が先の実施形態と異なるのであり、以下にさらに説明する。
【0113】
図10は、本発明の一実施形態(3)に係る有機発光表示装置の平面図である。図10は、図2と同様に、図1の非表示領域NA中のA部分を示している。
【0114】
図10に示されているように、本発明の一実施形態(3)に係る有機発光表示装置は、第1基板110と、第1基板110上に位置するダミー金属層500と、第1基板110を覆う第2基板210と、第1基板110と第2基板210とを接合させるシーラント650とを含む点で、先の各実施形態と同様である。
【0115】
ダミー金属層500は、第1ダミー金属層510と第2ダミー金属層520とを含む。先の各実施形態において、第2ダミー金属層520は、平面図にて、第1基板110の周縁と並行して延びる棒の形状を有し、第2ダミー金属層520の縁(平面図におけるパターンの縁)は、直線の形態に形成されている。本実施形態において、第2ダミー金属層520は、平面図にて、全体として、第1基板110の周縁と並行して延びる棒の形状を有するものの、第2ダミー金属層520のパターンの縁は、凹凸状に形成されている。
【0116】
第2ダミー金属層520は、第1基板110の周縁に隣接する第1周縁、および第1周縁の反対側に位置する第2周縁が、いずれも、凹凸状に形成されている。つまり、第1基板110の周縁と並行する方向での、第2ダミー金属層520の両縁が、いずれも、凹凸状に形成されている。これにより、第2ダミー金属層520のパターンの縁の全長が、先の各実施形態における第2ダミー金属層のパターンの縁の全長よりも長くなる。したがって、外部から酸素、水分などの侵入経路が増加するため、この侵入をより効果的に防止することができ、静電気分散効果の面でも有利である。
【0117】
上記で第2ダミー金属層520の両縁のいずれもが凹凸状に形成される場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、第2ダミー金属層520の一方の縁が凹凸状に形成され、反対側の縁は直線の形態に形成されてもよい。
【0118】
次に、図11および図12を参照して、本発明の一実施形態(4)に係る有機発光表示装置について説明する。
【0119】
図11および図12に示された本発明の一実施形態(4)に係る有機発光表示装置は、図1図8に示された本発明の一実施形態(1)に係る有機発光表示装置と、下記に説明する点を除き同一であるので、同一の部分に関する説明は省略する。本実施形態では、第1ダミー金属層にホールパターンが形成される点で先の実施形態と異なるのであり、以下にさらに説明する。
【0120】
図11は、本発明の一実施形態(4)に係る有機発光表示装置の平面図であり、図12は、図11のXII-XII線に沿って示す、本発明の一実施形態(4)に係る有機発光表示装置の断面図である。図11および図12も、図1の非表示領域NA中のA部分を示している。
【0121】
図11および図12に示されているように、本発明の一実施形態(4)に係る有機発光表示装置は、第1基板110と、第1基板110上に位置するダミー金属層500と、第1基板110を覆う第2基板210と、第1基板110と第2基板210とを接合させるシーラント650とを含む点で、先の各実施形態と同様である。
【0122】
ダミー金属層500は、第1ダミー金属層510と第2ダミー金属層520とを含む。先の各実施形態において、第1ダミー金属層510は、平面図にて、第1基板110の周縁と並行して延びる棒の形状を有し、棒形状の内部に別のパターンは形成されていない。本実施形態において、第1ダミー金属層510は、平面図にて、全体として、第1基板110の周縁と並行して延びる棒の形状を有しており、第1ダミー金属層510の内側(第1基板110の周縁とは反対の側)にはホールパターン512が形成されている。ゲート絶縁膜140上に金属材料を蒸着し、これをパターニングして第1ダミー金属層510を形成する工程で、ホールパターン512を同時に形成することができる。ホールパターン512は、略四角形からなるものと示されているが、本発明はこれに限定されず、ホールパターン512の形状は多様に変更が可能である。
【0123】
ホールパターン512は、第1ダミー金属層510と第2ダミー金属層520とが互いに重ならない位置に形成される。したがって、ホールパターン512は、第2ダミー金属層520と重なることはない。
【0124】
互いに重なる第1ダミー金属層510と第2ダミー金属層520との間には、層間絶縁膜160が位置している。層間絶縁膜160には、第1ダミー金属層510の少なくとも一部と重なる第1コンタクトホール161が形成されている。また、層間絶縁膜160には第2コンタクトホール162がさらに形成されている。第2コンタクトホール162は、ホールパターン512内に位置する。第2コンタクトホール162は、平面上で横方向および縦方向に沿ってマトリクス状に配置されうる。例えば、4*4のマトリクス状に配置されている第2コンタクトホール162が、16個で1つのセットをなし、第2コンタクトホール162が1つのセット(16個のセット)が、対応する1つのホールパターン512内に位置するというのであってよい。複数のホールパターン512は、マトリクス状に配置されうる。したがって、第2コンタクトホール162のセットがマトリクス状に配置される。ただし、このような第2コンタクトホール162およびホールパターン512の配置形態は例示に過ぎず、様々な形態に変形が可能である。
【0125】
第2コンタクトホール162は、層間絶縁膜160の下に位置するゲート絶縁膜140およびバッファ層120にも形成されている。したがって、第2コンタクトホール162を介してシーラント650が第1基板110と接触できる。ただし、本発明はこれに限定されず、第2コンタクトホール162が層間絶縁膜160にのみ形成されてもよい。また、第2コンタクトホール162が層間絶縁膜160およびその下に位置するゲート絶縁膜140にのみ形成されてもよい。
【0126】
次に、図13を参照して、本発明の一実施形態(5)に係る有機発光表示装置について説明する。
【0127】
図13に示された本発明の一実施形態(5)に係る有機発光表示装置は、図11および図12に示された本発明の一実施形態(4)に係る有機発光表示装置と、下記に説明する点を除き同一であるので、同一の部分に関する説明は省略する。本実施形態では、第1ダミー金属層の形成位置が先の実施形態と異なるのであり、以下にさらに説明する。
【0128】
図13は、本発明の一実施形態(5)に係る有機発光表示装置の断面図である。図13は、図12と同様に、図1の非表示領域NA中のA部分を示している。
【0129】
先のいくつかの実施形態では、第1ダミー金属層510は第2ゲート絶縁膜142上に位置するのに対し、本実施形態では、第1ダミー金属層510が第2ゲート絶縁膜142の下に位置してよい。第1ダミー金属層510は、第1ゲート絶縁膜141と第2ゲート絶縁膜142との間に位置してよい。
【0130】
非表示領域NAに位置する第1ダミー金属層510は、表示領域DAに位置する第1ゲート配線(図5図8の151、152、153、155a、155b、155c、155d、155e、155f)と同一材料からなり、積層構造中、同一の層に位置してよい。第1ゲート絶縁膜141上に金属材料を蒸着し、これをパターニングすることで、第1ゲート配線(図5図8の151、152、153、155a、155b、155c、155d、155e、155f)および第1ダミー金属層510を、同時に形成することができる。
【0131】
次に、図14を参照して、本発明の一実施形態(6)に係る有機発光表示装置について説明する。
【0132】
図14に示された本発明の一実施形態(6)に係る有機発光表示装置は、図11および図12に示された本発明の一実施形態(4)に係る有機発光表示装置と、下記に説明する点を除き同一であるので、同一の部分に関する説明は省略する。本実施形態(6)では、第2ダミー金属層の縁の形状が先の実施形態と異なるのであり、以下にさらに説明する。
【0133】
図14は、本発明の一実施形態(6)に係る有機発光表示装置の平面図である。図14も、図1の非表示領域NA中のA部分を示している。
【0134】
図14に示されているように、本発明の一実施形態(6)に係る有機発光表示装置は、第1基板110と、第1基板110上に位置するダミー金属層500と、第1基板110を覆う第2基板210と、第1基板110と第2基板210とを接合させるシーラント650とを含む点で、先の各実施形態と同様である。また、第1ダミー金属層510と第2ダミー金属層520との間に位置する層間絶縁膜160に第1コンタクトホール161および第2コンタクトホール162が形成され、第2コンタクトホール162は、第1ダミー金属層510のホールパターン512に位置する点で、先の実施形態(4)~(5)と同様である。
【0135】
先の実施形態(4)~(5)において、第2ダミー金属層520は、平面図にて、第1基板110の周縁と並行して延びる棒の形状を有し、第2ダミー金属層520の縁(平面図におけるパターンの縁)は、直線の形態に形成されている。本実施形態において、第2ダミー金属層520は、平面図にて、全体として、第1基板110の周縁と並行して延びる棒の形状を有するものの、第2ダミー金属層520のパターンの縁は、凹凸状に形成されている。
【0136】
第2ダミー金属層520は、第1基板110の周縁に隣接する第1周縁、および第1周縁の反対側に位置する第2周縁が、いずれも、凹凸状に形成されている。つまり、第1基板110の周縁と並行する方向での、第2ダミー金属層520の両縁が、いずれも、凹凸状に形成されている。これにより、第2ダミー金属層520のパターンの縁の全長が、先のいくつかの実施形態における第2ダミー金属層のパターンの縁の長さよりも長くなる。したがって、外部から酸素、水分などの侵入経路が増加するため、この侵入をより効果的に防止することができ、静電気分散効果の面でも有利である。
【0137】
上記で第2ダミー金属層520の両縁のいずれもが凹凸状に形成される場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、第2ダミー金属層520の一方の縁が凹凸状に形成され、反対側の縁は直線の形態に形成されてもよい。
【0138】
次に、図15および図16を参照して、本発明の一実施形態(7)に係る有機発光表示装置について説明する。
【0139】
図15および図16に示された本発明の一実施形態(7)に係る有機発光表示装置は、図1図8に示された本発明の一実施形態(1)に係る有機発光表示装置と、下記に説明する点を除き同一であるので、同一の部分に関する説明は省略する。本実施形態では、層間絶縁膜に第3コンタクトホールがさらに形成されている点で、先の実施形態と異なるのであり、以下にさらに説明する。
【0140】
図15は、本発明の一実施形態(7)に係る有機発光表示装置の平面図であり、図16は、図15のXVI-XVI線に沿って示す本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。図15および図16は、図1の非表示領域NA中のA部分を示している。
【0141】
図15および図16に示されているように、本発明の一実施形態(7)に係る有機発光表示装置は、第1基板110と、第1基板110上に位置するダミー金属層500と、第1基板110を覆う第2基板210と、第1基板110と第2基板210とを接合させるシーラント650とを含む点で、先の各実施形態と同様である。
【0142】
ダミー金属層500は、第1ダミー金属層510と第2ダミー金属層520とを含む。第1ダミー金属層510上には層間絶縁膜160が位置する。層間絶縁膜160には、第1ダミー金属層510の少なくとも一部と重なる第1コンタクトホール161および第3コンタクトホール163が形成されている。第1コンタクトホール161は、第1ダミー金属層510と第2ダミー金属層520とが互いに重なる部分に位置する。第1コンタクトホール161を介して第1ダミー金属層510と第2ダミー金属層520とが互いに接続されている。第3コンタクトホール163は、第1ダミー金属層510と第2ダミー金属層520とが重ならない部分に位置する。第3コンタクトホール163を介して第1ダミー金属層510とシーラント650とが接触している。
【0143】
第3コンタクトホール163は、第1コンタクトホール161と同様に、平面上で横方向および縦方向に沿ってマトリクス状に配置される。例えば、4*4のマトリクス状に配置されている第3コンタクトホール163が、16個で1つのセットをなすのであってよい。第3コンタクトホール163による、これら複数のセットは、マトリクス状に配置される。
【0144】
次に、図17を参照して、本発明の一実施形態(8)に係る有機発光表示装置について説明する。
【0145】
図17に示された本発明の一実施形態(8)に係る有機発光表示装置は、図15および図16に示された本発明の一実施形態(7)に係る有機発光表示装置と、下記に説明する点を除き同一であるので、同一の部分に関する説明は省略する。本実施形態では、第1ダミー金属層の形成位置が先の実施形態と異なるのであり、以下にさらに説明する。
【0146】
図17は、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。図17は、図16と同様に、図1の非表示領域NA中のA部分を示している。
【0147】
先のいくつかの実施形態では、第1ダミー金属層510は第2ゲート絶縁膜142上に位置するのに対し、本実施形態では、第1ダミー金属層510が第2ゲート絶縁膜142の下に位置してよい。第1ダミー金属層510は、第1ゲート絶縁膜141と第2ゲート絶縁膜142との間に位置してよい。
【0148】
非表示領域NAに位置する第1ダミー金属層510は、表示領域DAに位置する第1ゲート配線(図5図8の151、152、153、155a、155b、155c、155d、155e、155f)と同一材料からなり、積層構造中、同一の層に位置してもよい。第1ゲート絶縁膜141上に金属材料を蒸着し、これをパターニングすることで、第1ゲート配線(図5図8の151、152、153、155a、155b、155c、155d、155e、155f)および第1ダミー金属層510を、同時に形成することができる。
【0149】
次に、図18を参照して、本発明の一実施形態(9)に係る有機発光表示装置について説明する。
【0150】
図18に示された本発明の一実施形態(9)に係る有機発光表示装置は、図15および図16に示された本発明の一実施形態(7)に係る有機発光表示装置と、下記に説明する点を除き同一であるので、同一の部分に関する説明は省略する。本実施形態では、第2ダミー金属層の周縁の形状が先の実施形態と異なるのであり、以下にさらに説明する。
【0151】
図18は、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置の平面図である。図18は、図15と同様に、図1の非表示領域NA中のA部分を示している。
【0152】
図18に示されているように、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置は、第1基板110と、第1基板110上に位置するダミー金属層500と、第1基板110を覆う第2基板210と、第1基板110と第2基板210とを接合させるシーラント650とを含む点で、先の各実施形態と同様である。
【0153】
ダミー金属層500は、第1ダミー金属層510と第2ダミー金属層520とを含む。先のいくつかの実施形態において、第2ダミー金属層520は、平面図にて、第1基板110の周縁と並行して延びる棒の形状を有し、第2ダミー金属層520の縁は、直線の形態に形成されている。本実施形態において、第2ダミー金属層520は、平面図にて、全体として、第1基板110の周縁と並行して延びる棒の形状を有するものの、第2ダミー金属層520のパターンの縁は、凹凸状に形成されている。
【0154】
第2ダミー金属層520は、第1基板110の周縁に隣接する第1周縁、および第1周縁の反対側に位置する第2周縁が、いずれも、凹凸状に形成されている。つまり、第1基板110の周縁と並行する方向での、第2ダミー金属層520の両縁が、いずれも、凹凸状に形成されている。これにより、第2ダミー金属層520のパターンの縁の全長が、先のいくつかの実施形態における第2ダミー金属層のパターンの縁の全長よりも長くなる。したがって、外部から酸素、水分などの侵入経路が増加するため、この侵入をより効果的に防止することができ、静電気分散効果の面でも有利である。
【0155】
上記で第2ダミー金属層520の両縁のいずれもが凹凸状に形成される場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、第2ダミー金属層520の一方の縁が凹凸状に形成され、反対側の縁は直線の形態に形成されてもよい。
【0156】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0157】
110:第1基板
136a:駆動ソース電極
136b:スイッチングソース電極
137a:駆動ドレイン電極
137b:スイッチングドレイン電極
155a:駆動ゲート電極
155b:スイッチングゲート電極
160:層間絶縁膜
161:第1コンタクトホール
162:第2コンタクトホール
370:有機発光層
500:ダミー金属層
510:第1ダミー金属層
512:ホールパターン
520:第2ダミー金属層
650:シーラント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18