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  • 特許-小破片回収装置 図1A
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  • 特許-小破片回収装置 図2
  • 特許-小破片回収装置 図3A
  • 特許-小破片回収装置 図3B
  • 特許-小破片回収装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】小破片回収装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20220405BHJP
【FI】
A61B17/22 528
A61B17/22 510
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017547536
(86)(22)【出願日】2015-11-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-03-29
(86)【国際出願番号】 US2015062439
(87)【国際公開番号】W WO2016148747
(87)【国際公開日】2016-09-22
【審査請求日】2018-08-16
【審判番号】
【審判請求日】2021-02-05
(31)【優先権主張番号】14/662,992
(32)【優先日】2015-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジュディ・エル・ワリッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス・ジェイ・セント・ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ・イー・プラッツ
【合議体】
【審判長】佐々木 一浩
【審判官】莊司 英史
【審判官】栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0045881(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0192485(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の解剖学的構造への進入のために構成された採集ワイヤであって、前記採集ワイヤが、シャフトと、複数の先端を有する遠位端と、を備え、前記複数の先端が、繊維状構造体に相互に絡み合っている複数のフィラメントであり、前記複数の先端が前記患者の解剖学的構造から石の破片を引き付けるように構成されている、採集ワイヤを含み、
前記複数の先端が、
i)磁気誘引物として機能する、磁性材料でコーティングされた磁気外面と、
ii)カルシウム誘引性面を両端で提供する、可撓性ポリマー又は粘着剤でコーティングされたナノ機能分子と、
のうち、少なくとも1つを含む、医療用装置。
【請求項2】
前記繊維状構造体が、合成的なボールを備える、請求項1に記載の医療用装置。
【請求項3】
前記複数の先端を選択的に取り巻くワイヤーメッシュを更に備える、請求項1に記載の医療用装置。
【請求項4】
前記ワイヤーメッシュが、前記複数の先端に対して遠位及び近位に移動することによって前記複数の先端を選択的に取り巻く、請求項に記載の医療用装置。
【請求項5】
前記ワイヤーメッシュが、前記複数の先端上で畳めるように構成されている、請求項に記載の医療用装置。
【請求項6】
前記採集ワイヤが、成形したシリコーンから形成されている、請求項1に記載の医療用装置。
【請求項7】
前記採集ワイヤが、成形したプラスチックから形成されている、請求項1に記載の医療用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2015年3月19日に出願された米国特許出願第14/662,992号の優先権を主張する。その全体の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、医療用装置に関連する。より具体的には、本開示は、小破片を回収するための装置に関連する。
【背景技術】
【0003】
この項における記述は、本開示に関連する背景情報を単に提供するだけであり、先行技術を構成しても構成しなくてもよい。
【0004】
砕石術は、尿路、腎臓、及び/又は膀胱内の石又は結石を砕くための一般的な方法である。砕石術は、しかしながら、将来の石形成、例えば、腎臓の下腎杯において核形成部位として機能する石の破片を残す場合がある。これらの破片は、主に、例えば結石用バスケットなど、従来の除去装置を使用して非常に小さい塵埃の破片を捕捉することの難しさのため、処置後に患者内にとどまる。
【0005】
典型的な是正処置として、以下の、将来の石形成を監視すること、追加の尿管鏡の処置を実行すること、又は経皮的腎砕石術のうちの1つ又は2つ以上を含んでもよい。本技術に関連し得る文献として、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、及び、特許文献5が挙げられ、その全体の内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】欧州特許第2355717号
【文献】米国特許出願公開第20090136594号
【文献】特開第2006314811号
【文献】米国特許第7,883,516号
【文献】米国特許第8,753,351号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、小破片を除去する砕石術と共に使用することができる装置の必要が存在する。小さい石の破片及びくずを確実に除去するために、石の破片を引き付け、保持し、収容する機構を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、改善された小破片回収装置及び小破片回収装置を使用する方法を提供する。
【0009】
一態様では、本開示は、患者の解剖学的構造内部から小破片を回収するための医療用装置を提供する。医療用装置は、患者の解剖学的構造への進入のために構成された採集ワイヤを含む。採集ワイヤは、患者の解剖学的構造から石の破片を引き付けるように構成されている複数の先端を有する遠位端を含む。
【0010】
医療用装置は、例えば以下のような本明細書に記載される特徴のうち1つ又は任意の組み合わせを更に特徴としてもよい。複数の先端は複数のカール状先端である;複数の先端の先端は、遠位端から外側に延び、複数の先端の先端は、間隔を空けて遠位端の周りでらせん状配列に位置付けられている;複数の先端の先端は、複数のフィラメントである;複数のフィラメントのフィラメントは、繊維状構造体に相互に絡み合っている;医療用装置は、複数の先端を選択的に取り巻くワイヤーメッシュを更に備える;ワイヤーメッシュは、複数の先端に対して遠位及び近位に移動することによって複数の先端を選択的に取り巻く;ワイヤーメッシュは、複数の先端上で畳めるように構成されている;採集ワイヤは、成形したシリコーンから形成される;採集ワイヤは、成形したプラスチックから形成される;複数の先端は、磁気外面を含む;複数の先端は、カルシウム誘引性外面を含む。
【0011】
別の態様では、本開示は、以下の工程のうち1つ又は2つ以上を含む患者の解剖学的構造から石の破片を採集する方法を提供する。患者の解剖学的構造の中に採集ワイヤを挿入する工程;石の破片を含む解剖学的領域の近くに採集ワイヤの遠位端を位置付ける工程であって、遠位端は複数の先端を有する、工程;及び複数の先端で採集ワイヤに石の破片を引き付ける工程。方法は、例えば以下のような本明細書に記載される特徴のうち1つ又は任意の組み合わせを更に特徴としてもよい。方法は、石の破片及び複数の先端をワイヤーメッシュで取り巻くことを更に含む;並びに複数の先端は、石の破片を引き付ける誘引性外面を含む。
【0012】
更なる特徴、利点、及び利用分野は、本明細書に提供される説明から明らかになるであろう。説明及び具体例は、例示の目的のみを意図し、本開示の範囲を限定することを意図しないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書に記載される図面は、例示の目的のみであり、いかなるようにも本開示の範囲を限定することを意図しない。図中の構成要素は、必ずしも縮尺ではなく、むしろ本発明の原理を例示することに強調が置かれている。更には、図面における同様の参照番号は、図を通し一貫して対応する部分を指す。図面は以下の通りである。
図1A】本発明の原理に従う小破片回収装置の側面図である。
図1B】他に取り得る形状の図1Aに示される小破片回収装置の側面図である。
図2】本発明の原理に従う別の小破片回収装置の側面図である。
図3A】本発明の原理に従う更に別の小破片回収装置の側面図である。
図3B】本発明の原理に従う更に別の小破片回収装置の側面図である。
図4】本発明の原理に従い誘引物質でコーティングされている図3A及び3Bに示される回収装置の部分の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明は、事実上単に例示のものであり、本開示、適用例、又は使用を限定することは意図しない。
【0015】
図面を参照すると、本発明の原理を具現化する小破片回収装置又は採集ワイヤは、図1Aに図示され、10で表記されている。採集ワイヤ10は、近位端20及び遠位端22を備えるシャフト12を含む。複数の先端16は、シャフト12の遠位端22に取り付けられる。図1Aに示される構成において、複数の先端16は、繊維状構造体14に相互に絡み合っている複数のフィラメントである。繊維状構造体14は、砕石術中に生成される小さな石の破片及び塵埃粒子を捕捉しながら流体を流入させる多孔質である。
【0016】
使用する際、医師は、繊維状構造体14が、例えば、砕石術によって生じ得た小さな石の破片及び塵埃を含む患者の解剖学的領域の近くに位置付けられるように採集ワイヤ10を患者の解剖学的構造の中へ挿入する。医師が解剖学的領域の周りで繊維状構造体14をさっと動かすと、小さな石の破片及び塵埃は、フィラメント16によって採集される。石の破片及び塵埃が、石の破片の集塊11の中に蓄積された後、医師は、シャフト12を引っ張って、患者の解剖学的構造から石の破片の集塊11と共に採集ワイヤ10を回収する。
【0017】
繊維状構造体は、レーヨン又はポリエステル、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、その他のポリマーなどを含む材料の合成的なボールを含み得ることが想到される。繊維状構造体の個々のフィラメントを、例えば、アミロイド繊維、天然アミロイド繊維、イガイ接着タンパク質(Mfps)、又はカーボンナノチューブの束などの可撓性ポリマー又は粘着剤でコーティングして、小さな石の破片又は塵埃を捕捉するために微小規模のファンデルワース力を使用できることが更に想到される(すなわち、「ヤモリテープ」)。
【0018】
図1Bを更に参照すると、採集ワイヤ10は、任意の収容装置23を含んでもよい。収容装置23は、シース24及びシース24の遠位端30に取り付けられた拡張可能な円錐形のバスケット26を含む。円錐形のバスケット26は、中実材料又はメッシュから作製されてもよい。
【0019】
使用する際、シース24及びバスケット26は、バスケット26がシャフト12の周りで畳み込まれるように、最初に採集ワイヤ10のシャフト12の上に定置される。石の破片の集塊11が上述のようにフィラメント16によって採集された後で、医師は、収容装置23に対してシャフト12の近位端20を引っ張る。このことが発生すると、石の破片の集塊11がバスケット26の中に引っ張られる時に、バスケットは拡張する又は開く。医師は、次に患者の解剖学的構造からバスケット26内に収容された石の破片の集塊11と共に採集ワイヤ10を取り出す。
【0020】
ここで図2に戻ると、他に取り得る小破片回収装置又は近位端120及び遠位端122を備えるシャフト112を含む採集ワイヤ100が示されている。複数の先端114は、シャフト112の遠位端122に取り付けられる。複数の先端114は、複数の一次的カール状先端116及び一次的カール状先端116に取り付けられた複数の二次的カール状先端118を含む。採集ワイヤ100は、シース124及びシース124の遠位端130に取り付けられた拡張可能なバスケット126を含む収容装置123を含んでもよい。バスケット126は、中実材料から形成されてもよいか、又はメッシュ構造を有してもよい。
【0021】
使用する際、シース124及びバスケット126は、バスケット126がシャフト112の周りで畳み込まれるように、最初にシャフト112の上に定置される。採集ワイヤ100は、複数の先端114が小さな石の破片及び塵埃を含む患者の解剖学的領域の近くに位置付けられるように、患者の解剖学的構造の中に挿入される。医師が解剖学的領域の周りで複数の先端114をさっと動かすと、小さな石の破片及び塵埃は、一次的及び二次的カール状先端116及び118によって採集される。石の破片及び塵埃が、石の破片の集塊11の中に蓄積された後、医師は、バスケット126が開口状態まで拡張するとき、石の破片の集塊がバスケット126の中に引っ張られるように、シャフト112の近位端120を引っ張る。医師は、次に患者の解剖学的構造からバスケット126内に収容された石の破片の集塊11と共に採集ワイヤ100を回収する。特定の手順において、採集ワイヤ100は、収容装置123を使用せずに使用することができる。
【0022】
上述の複数の先端14及び114は、概して可撓性があり、例えば、プラスチック、シリコーン、又は金属などの任意の好適な材料から作製される。採集ワイヤ10のフィラメント16並びに採集ワイヤ100の一次的及び二次的カール状先端116及び118は、粘着剤材料でコーティングすることができる。例えば、粘着剤は、カルシウム誘引粘着剤であってもよい。フィラメント、採集ワイヤ、及び/又はカール状先端は、シュウ酸カルシウム又は代替のカルシウム系鉱物でコーティング(例えば、焼結結合)されてもよいことが想到される。続いて、タンパク質又はポリアニオン性巨大分子であってもよく、かつカルシウム誘引性面を両端で提供し得るナノ機能分子が、シュウ酸カルシウムを含む石の塵埃又は石のくずを引き付けるためにフィラメント、採集ワイヤ、及び/又はカール状先端に適用される。ナノ機能分子は、例えば、カルボン酸に富むタンパク質、オステオポンチン、又はプロトロンビンフラグメント1などであり得、第2のナノ機能分子と架橋されてもよい。このように、ナノ機能分子は、2つの対向端部でカルシウム誘引性であってもよく、これにより、石の塵埃及びくずをフィラメント、カール状先端、及び/又は採集ワイヤに引き付けて、保持することができる。ナノ機能分子は、複数のカルシウム誘引性部位が単分子上に提供されるように十分に長くてもよいことが更に想到される。この場合、ナノ機能分子は、石の塵埃及びくずをフィラメント、カール状先端、及び/又は採集ワイヤに引き付けて、保持するのに十分である。
【0023】
あるいは、フィラメント16並びに一次的及び二次的カール状先端116及び118は、磁気誘引物として機能する磁性材料でコーティングされていてもよい。腎石のくずを結合することができる鉄の粒子又は磁性粒子を腎石と接触させること、及び腎石のくずと、腎石のくずを磁気的に引き付け可能にし得る鉄の粒子又は磁性粒子を反応させることが想到される。一態様では、鉄の粒子又は磁性粒子は、カルボン酸に富むタンパク質、オステオポンチン、プロトロンビンフラグメント1などカルシウム系バイオミネラルと相互作用するタンパク質から選択された腎石のくずの表面に特異的に結合する作用物質を更に含んでもよい。ことが想到される。磁気タンパク質フェリチンは、第2のタンパク質として使用されてもよく、上述のこの目的で使用されるナノ機能タンパク質の1つ、つまり第1のタンパク質に架橋され得る。
【0024】
ここで3A及び3Bを参照すると、更に別の小破片回収装置又は採集ワイヤ200が示されている。採集ワイヤ200は、シャフト213及び複数の先端214を含む。複数の先端214は、シャフト213の遠位部分と一体に形成されてもよいか、又は複数の先端214は、シャフト213の遠位端222に取り付けられた主要突起部216を含んでもよい。複数の先端214は、シャフト213の遠位部分から、又は主要突起部216から実質的に外側に延びる突起部218の集まりを更に含む。図3Aに図示されるように、突起部218は、間隔を空け、螺旋模様又は配列で主要突起部216の周りに配置される。複数の先端は、例えば、カルシウム誘引粘着剤などの粘着剤又は磁気誘引物でコーティングすることができる。
【0025】
採集ワイヤ200はまた、収容装置223も含む。収容装置223は、シース212及びシース212の遠位端225に取り付けられたバスケット224を含む。バスケット224は、中実材料又は複数の孔226を有するメッシュ状構造から作製されてもよい。
【0026】
使用する際、シース212及びバスケット224は、シャフト213の上に定置される。医師は、複数の先端214が小さな石の破片及び塵埃を含む患者の解剖学的領域の近くに位置付けられるように、回収装置200を患者の解剖学的構造の中に挿入する。医師が解剖学的領域の周りで複数の先端214をさっと動かすと、小さな石の破片及び塵埃は、突起部218の集まりによって採集される。石の破片が、石の破片の集塊の中に蓄積された後、医師は、石の破片及び塵埃の集塊がバスケット226の遠位端228の中に引っ張られるように、シャフト212の近位端を引っ張る。医師は、次に患者の解剖学的構造からバスケット224内に収容された石の破片及び塵埃の集塊と共に採集ワイヤ200を回収する。特定の手順において、採集ワイヤ200は、収容装置223を使用せずに使用することができる。
【0027】
本明細書に記載される様々な採集方法が開始される前に、様々な物質及び方法を使用して石の塵埃又はくずの粒子の凝集又は集合を作ることができることが想到される。例えば、凝集は、腎臓内に低pH環境を作ることによって実現することができる。ポリエチレンイミンなどの粘着剤、アルギン酸ゲル、セルロースゲル、タンパク質系ゲル、コラーゲン、多糖類、キトサンゲル、少なくとも部分的に重合するインビボゲル配合物及び/又はゲルなどの生体適合性のナノ接着剤をヒト体内の標的部位において追加、射出及び/又は挿入して、生体適合性のハイドロゲルポリマー、フェロゲル、並びに/又はポリビニールアルコール及びグルタルアルデヒド(gluteraldehyde)を含み得る生体適合性の磁性ゲルを形成することは、石の塵埃又は石のくずを凝集するのに役立ち得ることが更に想到される。そのような粘着剤は、カテーテルなどの追加の装置で、又は例えば主要突起部216の最遠位端の孔から、追加、注入、及び/又は挿入され得ることが想到される。粘着剤は、近いうちに石の塵埃又は石のくずを採集するために与えられてもよく、主要突起部216又は他の採集装置は、石の塵埃及び石のくずを含む粘着剤を引き付けるために粘着剤を含む領域の中に挿入されてもよく、収容装置223は、主要突起部216又は他の採集装置を取り巻いてもよく、装置は、続いて患者から取り出されてもよい。
【0028】
幾つかの構成では、例えば、主要突起部216及び突起部218の集まりなどの複数の先端214は、採集ワイヤ10のフィラメント16並びに採集ワイヤ100の一次的及び二次的カール状先端116及び118に関する既述のコーティングと類似のカルシウム誘引粘着剤でコーティングされてもよい。例えば、複数の先端214は、図4に示されるように、シュウ酸カルシウム又は代替のカルシウム系鉱物310でコーティング(例えば、焼結結合)されてもよい。続いて、タンパク質又はポリアニオン性巨大分子であってもよく、かつカルシウム誘引性面を両端で提供し得るナノ機能分子314が、シュウ酸カルシウムを含む石の塵埃又は石のくず312を引き付けるために複数の先端214に適用される。ナノ機能分子314は、例えば、カルボン酸に富むタンパク質、オステオポンチン、又はプロトロンビンフラグメント1などであり得、第2のナノ機能分子と架橋されてもよい。このように、ナノ機能分子314は、2つの対向端部でカルシウム誘引性であってもよく、これにより、石の塵埃及びくずを複数の先端214に引き付けて、保持することができる。ナノ機能分子314は、複数のカルシウム誘引性部位が単分子上に提供されるように十分に長くてもよいことが更に想到される。この場合、ナノ機能分子は、石の塵埃及びくず312を複数の先端214に引き付けて、保持するのに十分である。
【0029】
発明の説明は、事実上単に例示のものであり、発明の要旨から逸脱しない変更は、発明の範囲内にあることを意図する。そのような変更は、発明の趣旨及び範囲からの逸脱と見なされない。
【符号の説明】
【0030】
1 プロトロンビンフラグメント
10 採集ワイヤ
11 集塊
12 シャフト
14 繊維状構造体
16 フィラメント
20 近位端
22 遠位端
23 収容装置
24 シース
26 バスケット
30 遠位端
100 採集ワイヤ
112 シャフト
114 先端
116 一次的カール状先端
118 二次的カール状先端
120 近位端
122 遠位端
123 収容装置
124 シース
126 バスケット
130 遠位端
200 採集ワイヤ
212 シース
213 シャフト
214 先端
216 主要突起部
218 突起部
222 遠位端
223 収容装置
224 バスケット
225 遠位端
226 孔、バスケット
228 遠位端
310 カルシウム系鉱物
314 ナノ機能分子
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4