(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】包装の視覚的トリガー
(51)【国際特許分類】
B65D 25/20 20060101AFI20220405BHJP
G02C 7/04 20060101ALI20220405BHJP
G02C 11/00 20060101ALI20220405BHJP
B65D 85/38 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
B65D25/20 P
G02C7/04
G02C11/00
B65D85/38 200
(21)【出願番号】P 2017562343
(86)(22)【出願日】2016-05-30
(86)【国際出願番号】 SG2016050255
(87)【国際公開番号】W WO2016195597
(87)【国際公開日】2016-12-08
【審査請求日】2019-05-08
(31)【優先権主張番号】10201504283Q
(32)【優先日】2015-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(73)【特許権者】
【識別番号】508055973
【氏名又は名称】メニコン シンガポール ピーティーイー. リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン, ステファン ディー.
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-502891(JP,A)
【文献】特開2006-295898(JP,A)
【文献】特開2014-099176(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0193201(US,A1)
【文献】特開2009-230729(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0024684(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/20
G02C 7/04
G02C 11/00
B65D 85/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の第一の層と、
前記容器の第一の層の縁部において前記容器の第一の層と接合された容器の第二の層と、
モバイル機器なしで使用者に情報を伝えるようにされた単一のイメージまたはシンボルであって、実行可能ファイルにアクセスするために前記モバイル機器によって利用可能である第一及び第二の視覚的トリガーを有する、単一のイメージまたはシンボルと、
を含むコンタクトレンズの容器であって、
前記容器の第一の層と前記容器の第二の層が全体として空隙を画定し、コンタクトレンズが当該空隙の中に配置され、
前記第一の視覚的トリガーは、第一の実行可能ファイルを読み出して前記第一の実行可能ファイルにアクセスするために前記モバイル機器によって識別可能であり、
前記第二の視覚的トリガーは、第二の実行可能ファイルを読み出して前記第二の実行可能ファイルにアクセスするために前記モバイル機器によって識別可能である、
コンタクトレンズの容器。
【請求項2】
前記第一の実行可能ファイルまたは前記第二の実行可能ファイルが前記モバイル機器の表示部にコンタクトレンズに関するイメージを表示させるコードを含む、
請求項1に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項3】
前記第一の実行可能ファイルまたは前記第二の実行可能ファイルが前記モバイル機器の表示部にコンタクトレンズとは関係のないビデオを表示させるコードを含む、
請求項1に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項4】
前記第一の実行可能ファイルまたは前記第二の実行可能ファイルが前記モバイル機器の表示部に娯楽ビデオを表示させるコードを含む、
請求項1に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項5】
前記第一の実行可能ファイルまたは前記第二の実行可能ファイルが前記モバイル機器の表示部にコマーシャルを表示させるコードを含む、
請求項1に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項6】
前記コマーシャルがコンタクトレンズに関連した製品についての情報を表示する、
請求項5に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項7】
前記第一の実行可能ファイルまたは前記第二の実行可能ファイルが前記モバイル機器の表示部に取扱説明ビデオを表示させるコードを含む、
請求項1に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項8】
前記取扱説明ビデオがコンタクトレンズに関連した健康情報を含む、
請求項7に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項9】
前記取扱説明ビデオがコンタクトレンズに関連した保存情報を含む、
請求項7に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項10】
前記第一の実行可能ファイルまたは前記第二の実行可能ファイルが少なくとも1枚の静止画を含む、
請求項1に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項11】
前記第一の実行可能ファイルまたは前記第二の実行可能ファイルがコンタクトレンズの特徴に対するものである、
請求項1に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項12】
前記第一の実行可能ファイルまたは前記第二の実行可能ファイルがコンタクトレンズの容器の特徴に対するものである、
請求項1に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項13】
前記第一の実行可能ファイルまたは前記第二の実行可能ファイルがコンタクトレンズをコンタクトレンズの容器から取り出すことに関する情報提示を含む、
請求項1に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項14】
前記第一の実行可能ファイルまたは前記第二の実行可能ファイルがコンタクトレンズを清浄に保つことに関する情報提示を含む、
請求項1に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項15】
前記第一の実行可能ファイルまたは前記第二の実行可能ファイルがコンタクトレンズを目に装着することに関する情報提示を含む、
請求項1に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項16】
前記第一の実行可能ファイルまたは前記第二の実行可能ファイルが、コンタクトレンズが目に入っているときの維持管理に関する情報提示を含む、
請求項1に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項17】
コンタクトレンズの容器であって、
容器の第一の層と、
前記容器の第一の層の縁部において前記容器の第一の層と接合された容器の第二の層と、
モバイル機器なしで使用者に情報を伝えるようにされた単一のイメージまたはシンボルであって、実行可能ファイルにアクセスするために前記モバイル機器によって利用可能である第一及び第二の視覚的トリガーを有する、単一のイメージまたはシンボルと、
を含み、
前記容器の第一の層と前記容器の第二の層が全体として空隙を画定し、コンタクトレンズが前記空隙の中に配置されており、
前記第一の視覚的トリガーは、前記モバイル機器と関連付けられたカメラの視野に入っているときに、当該第一の視覚的トリガーによって前記モバイル機器が、ライブラリーから目の健康に関する情報提示を読み出し、前記情報提示にアクセスして、前記情報提示を前記モバイル機器の表示部に提示するようにさせるようにされ、
前記第二の視覚的トリガーは、別の実行可能ファイルを読み出して前記別の実行可能ファイルにアクセスするために前記モバイル機器によって識別可能である、
コンタクトレンズの容器。
【請求項18】
コンタクトレンズの容器であって、
容器の第一の層と、
前記容器の第一の層の縁部において前記容器の第一の層と接合された容器の第二の層と、
モバイル機器なしで使用者に情報を伝えるようにされた単一のイメージまたはシンボルであって、実行可能ファイルにアクセスするために前記モバイル機器によって利用可能である第一及び第二の視覚的トリガーを有する、単一のイメージまたはシンボルと、
を含み、
前記容器の第一の層と前記容器の第二の層が全体として空隙を画定し、コンタクトレンズが前記空隙の中に配置されており、
前記第一の視覚的トリガーは、前記モバイル機器と関連付けられたカメラの視野の中で認識されているときに、当該第一の視覚的トリガーによって前記モバイル機器が、ライブラリーから娯楽のプレゼンテーションを読み出し、前記娯楽のプレゼンテーションにアクセスして、前記モバイル機器に前記娯楽のプレゼンテーションを提示するようにさせるようにされ、
前記第二の視覚的トリガーは、別の実行可能ファイルを読み出して前記別の実行可能ファイルにアクセスするために前記モバイル機器によって識別可能である、
コンタクトレンズの容器。
【請求項19】
前記娯楽のプレゼンテーションが音声成分を含む、
請求項18に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項20】
前記娯楽のプレゼンテーションが視覚成分を含む、
請求項18に記載のコンタクトレンズの容器。
【請求項21】
本体と、
前記本体に組み込まれた表示装置と、
前記本体に組み込まれたカメラと、
処理装置及びメモリーと、を含むモバイル機器であって、
前記メモリーが、
コンタクトレンズの容器が前記カメラの視野に入っているときに前記コンタクトレンズの容器の画像を前記表示装置に表示するステップと、
モバイル機器なしで使用者に情報を伝えるようにされた単一のイメージまたはシンボルであって、実行可能ファイルにアクセスするために前記モバイル機器によって利用可能である第一及び第二の視覚的トリガーを有する単一のイメージまたはシンボルを認識するステップと、
前記第一の視覚的トリガーに関連するライブラリーから第一の実行可能ファイルを読み出して、前記第一の実行可能ファイルにアクセスするステップと、
前記第二の視覚的トリガーに関連するライブラリーから第二の実行可能ファイルを読み出して、前記第二の実行可能ファイルにアクセスするステップと、
前記実行可能ファイルからの少なくとも1つのイメージを前記表示装置に表示するステップと、
を前記処理装置に実行させるプログラム化された命令を含む、モバイル機器。
【請求項22】
前記プログラム化された命令が更に前記処理装置に、前記第一または第二の実行可能ファイルを読み出すオプションを提示させる、
請求項21に記載のモバイル機器。
【請求項23】
前記プログラム化された命令が更に前記処理装置に、前記第一または第二の実行可能ファイルを前記モバイル機器にダウンロードするオプションを提示させる、
請求項21に記載のモバイル機器。
【請求項24】
前記プログラム化された命令が更に前記処理装置に、前記第一または第二の実行可能ファイルのコンテンツを前記モバイル機器にストリーム配信するオプションを提示させる、
請求項21に記載のモバイル機器。
【請求項25】
前記ライブラリーから前記第一または第二の実行可能ファイルを読み出すステップが、前記第一または第二の実行可能ファイルのコンテンツを前記モバイル機器にストリーム配信するステップを含む、
請求項21に記載のモバイル機器。
【請求項26】
前記ライブラリーから前記第一または第二の実行可能ファイルを読み出すステップが、前記第一または第二の実行可能ファイルの少なくとも一部をモバイル機器にダウンロードするステップを含む、
請求項21に記載のモバイル機器。
【請求項27】
前記第一または第二の実行可能ファイルが、前記コンタクトレンズの容器の中のコンタクトレンズに関する情報を表示するイメージを含む、
請求項21に記載のモバイル機器。
【請求項28】
前記第一または第二の実行可能ファイルが、前記コンタクトレンズの容器の中のコンタクトレンズに関係のないビデオを含む、
請求項21に記載のモバイル機器。
【請求項29】
前記第一または第二の実行可能ファイルが、娯楽ビデオを含む、
請求項21に記載のモバイル機器。
【請求項30】
前記第一または第二の実行可能ファイルが、コマーシャルを含む、
請求項21に記載のモバイル機器。
【請求項31】
前記コマーシャルが、前記コンタクトレンズの容器の中のコンタクトレンズに関連する製品に関する情報を表示する、
請求項30に記載のモバイル機器。
【請求項32】
前記第一または第二の実行可能ファイルが、取扱説明ビデオを含む、
請求項21に記載のモバイル機器。
【請求項33】
前記取扱説明ビデオが、前記コンタクトレンズの容器の中のコンタクトレンズに関連する健康情報を提供する、
請求項32に記載のモバイル機器。
【請求項34】
前記取扱説明ビデオが、前記コンタクトレンズに関連する保存情報を提供する、
請求項33に記載のモバイル機器。
【請求項35】
前記画像が、ビデオの一部である、
請求項21に記載のモバイル機器。
【請求項36】
第一の視覚的トリガーを第一の情報提示と関連づけ且つ第二の視覚的トリガーを第二の情報提示と関連付けるライブラリーであって、前記第一の視覚的トリガー及び前記第二の視覚的トリガーは、コンタクトレンズの1次容器上にある単一のイメージまたはシンボルに含まれ、前記単一のイメージまたはシンボルは、モバイル機器なしで使用者に情報を伝えるとともに、実行可能ファイルにアクセスするために前記モバイル機器によって利用可能であるようにされ、前記第一の視覚的トリガーは前記モバイル機器によってアクセス可能な第一の実行可能ファイルに関連付けられ、前記第二の視覚的トリガーは前記モバイル機器によってアクセス可能な第二の実行可能ファイルに関連付けられている、ライブラリーと、
前記第一及び第二の情報提示を含むデータベースと、
処理装置及びメモリーと、を含むシステムであって、
前記メモリーが、
モバイル機器の表示装置の中に前記第一の視覚的トリガーを認識したことを表示する第一のメッセージを前記モバイル機器から電子的に受信するステップと、
前記第一のメッセージを前記モバイル機器に電子的に送信するステップと、
前記モバイル機器の前記表示装置の中に前記モバイル機器が前記第二の視覚的トリガーを認識したことを表示する第二のメッセージを前記モバイル機器から電子的に受信するステップと、
前記第二のメッセージを前記モバイル機器に電子的に送信するステップと、
を前記処理装置に実行させるプログラム化された命令を含む、システム。
【請求項37】
本体と、
前記本体に組み込まれた表示装置と、
前記本体に組み込まれたカメラと、
処理装置及びメモリーと、を含むモバイル機器であって、
前記メモリーが、
コンタクトレンズの1次容器上にあり前記モバイル機器なしで使用者に情報を伝えるようにされた単一のイメージまたはシンボルであって、実行可能ファイルにアクセスするために前記モバイル機器によって利用可能であるようにされた第一及び第二の視覚的トリガーを有するようにされた単一のイメージまたはシンボルを認識するステップと、
前記第一の視覚的トリガーの認識に基づいて、前記モバイル機器と前記第一の視覚的トリガーに関連する関係先との間に電子通信モードを成立させるステップと、
前記第二の視覚的トリガーの認識に基づいて、別の実行可能ファイルにアクセスするステップと、
を前記処理装置に実行させるプログラム化された命令を含む、モバイル機器。
【請求項38】
前記プログラム化された命令が、テキストメッセージを送信することによって前記処理装置に電子通信モードを成立させる
請求項37に記載のモバイル機器。
【請求項39】
前記プログラム化された命令が、複数の通信モードを含む通信ポータルにアクセスすることによって前記処理装置に電子通信モードを成立させる、
請求項37に記載のモバイル機器。
【請求項40】
前記プログラム化された命令が、前記関係先の連絡先情報を読み出すことによって前記処理装置に電子通信モードを成立させる、
請求項37に記載のモバイル機器。
【請求項41】
前記プログラム化された命令が、前記関係先の連絡先情報を前記モバイル機器のアドレス帳に入力することによって前記処理装置に電子通信モードを成立させる、
請求項37に記載のモバイル機器。
【請求項42】
前記第一及び第二の視覚的トリガーが、製品包装の上に表示されている、
請求項37に記載のモバイル機器。
【請求項43】
前記第一及び第二の視覚的トリガーが、コンタクトレンズの包装の上に表示されている、
請求項37に記載のモバイル機器。
【請求項44】
前記第一及び第二の視覚的トリガーが、製品包装の上の個人の顔の一部である、
請求項37に記載のモバイル機器。
【請求項45】
前記プログラム化された命令が、前記処理装置に電子通信モードを成立するためのオプションを表示させる、
請求項37に記載のモバイル機器。
【請求項46】
前記プログラム化された命令が、前記処理装置に第二の視覚的トリガーを認識することに応答してデータをダウンロードさせる、
請求項37に記載のモバイル機器。
【請求項47】
前記プログラム化された命令が、前記処理装置にダウンロードしたデータをローカルに保存させる、
請求項46に記載のモバイル機器。
【請求項48】
前記プログラム化された命令が、前記処理装置にダウンロードしたデータを条件に基づいて除去させる、
請求項46に記載のモバイル機器。
【請求項49】
前記条件が、前記
第二の視覚的トリガーを認識してから所定の時間が経過したことである、
請求項48に記載のモバイル機器。
【請求項50】
前記条件が、前記ダウンロードされたデータが前記モバイル機器を通じて所定の回数アクセスされたことである、
請求項48に記載のモバイル機器。
【請求項51】
前記プログラム化された命令が、前記処理装置に前記第二の視覚的トリガーの認識に応答してオプションをストリームデータに表示させる、
請求項37に記載のモバイル機器。
【請求項52】
前記プログラム化された命令が、前記処理装置に前記第一または第二の視覚的トリガーの認識に応答して少なくとも一つのアイコンを表示させる、
請求項37に記載のモバイル機器。
【請求項53】
前記プログラム化された命令が、前記関係先にメッセージを送信することによって電子通信モードを成立させる、
請求項37に記載のモバイル機器。
【請求項54】
前記メッセージが、製品が入っている容器を受け取るユーザーに関する情報を含む、
請求項53に記載のモバイル機器。
【請求項55】
前記プログラム化された命令が、前記処理装置に前記関係先からメッセージを受信させる、
請求項37に記載のモバイル機器。
【請求項56】
前記プログラム化された命令が、前記処理装置に関係先へのメッセージを構成するためのユーザー・オプションを生成させる、
請求項37に記載のモバイル機器。
【請求項57】
本体と、
前記本体に組み込まれた表示装置と、
前記本体に組み込まれたカメラと、
処理装置及びメモリーと、を含むモバイル機器であって、
前記メモリーが、
コンタクトレンズの1次容器上にあり前記モバイル機器なしで使用者に情報を伝えるようにされた単一のイメージまたはシンボルであって、実行可能ファイルにアクセスするために前記モバイル機器によって利用可能であるようにされた第一及び第二の視覚的トリガーを有するようにされた単一のイメージまたはシンボルを認識するステップと、
前記モバイル機器と前記第一の視覚的トリガーに関連する関係先との間の電子通信モードを成立させるステップと、
前記第二の視覚的トリガーを認識することに応答して前記実行可能ファイルをダウンロードするオプションを表示するステップと、
使用者の入力に応答して前記実行可能ファイルをモバイル機器にダウンロードして前記実行可能ファイルにアクセスするステップと、
前記ダウンロードした実行可能ファイルをローカルに保存するステップと、
前記ダウンロードした実行可能ファイルを条件に基づいて除去するステップと、
を前記処理装置に実行させるプログラム化された命令を含む、モバイル機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
コンタクトレンズは、目の上に直接置かれるレンズである。コンタクトレンズは概して視覚を補正するために装用されるが、美容または治療の理由で装用されることもある。特定の病状が有る場合に使用者の視覚を補正することにコンタクトレンズが適していることがよくある。例えば、円錐角膜または不等像視のある使用者にとって、眼鏡よりもコンタクトレンズの方がより良い結果の得られることがよくある。
【0002】
コンタクトレンズの装用者は、コンタクトレンズの損傷及び/又はコンタクトレンズの汚染を防ぐために、コンタクトレンズを適正に取り扱い、保管しなくてはならない。コンタクトレンズの取り扱いと保管の取扱説明書に対して細心の注意を払うことにより、使用期限よりも前に廃棄することが必要となるような損傷を防ぐだけでなく使用者の不快感を和らげる。
【0003】
使用者が自身のコンタクトレンズの状態を判定する助けとなるシステムの一種が、アントン・サベタ(Anton Sabeta)に交付された米国特許出願公開第2014/0085083号に開示されている。この参考文献において、眼用レンズの手入れ順守を追跡する方法は、以下のステップ即ち:前記眼用製品に、所定の事象に続く少なくとも一つの環境状態を測定し、前記少なくとも一つの環境状態に関連したパラメーターの記録を取って登録するための少なくとも一つのセンサーを含めるステップと;前記パラメーターと所定の閾値とを比較して結果を出すステップであって、前記所定の閾値は前記環境状態に対応し、前記結果に基づいて警報を発するステップと;を含む。米国特許出願公開第2014/0085083号はその内容全体を参照することによってここに組み入れる。
【発明の概要】
【0004】
発明の一つの態様において、コンタクトレンズの容器は、容器の第一の層と前記容器の第一の層の縁部において前記容器の第一の層と接合された容器の第二の層とを含む。前記容器の第一の層と前記容器の第二の層が全体として、少なくとも部分的に、空隙を画定し、コンタクトレンズが当該空隙の中に配置される。視覚的トリガーが前記容器の第一の層と前記容器の第二の層のどちらかに表示されており、当該視覚的トリガーは実行可能ファイルと関連していることがモバイル機器によって識別可能である。
【0005】
前記実行可能ファイルは前記モバイル機器の表示部にコンタクトレンズに関するイメージや、コンタクトレンズとは関係のないビデオ、少なくとも1枚の静止画、娯楽ビデオ、コマーシャル、取扱説明ビデオを表示させるコード(code)、コンタクトレンズをコンタクトレンズの容器から取り出すことに関する情報提示、コンタクトレンズを清浄に保つことに関する情報提示、コンタクトレンズを使用者の目に挿入することに関する情報提示、コンタクトレンズが使用者の目に入っているときのコンタクトレンズの維持管理に関する情報提示、及び/又はそれらの組み合わせ、を含んでもよい。上記のコマーシャルはコンタクトレンズに関連した製品についての情報を表示してもよい。上記の取扱説明ビデオはコンタクトレンズに関連した情報、コンタクトレンズに関連した保存情報、コンタクトレンズについての他の種類の情報、その他の種類の情報一般、又はそれらの組み合わせ、を含んでもよい。
【0006】
ある場合には、前記実行可能ファイルはコンタクトレンズ及び/又はコンタクトレンズの容器の特徴に対して特有である。前記の特徴は容器の開封に関する特徴、コンタクトレンズの保管に関する特徴、コンタクトレンズの適切な使用に関する特徴、コンタクトレンズの色、コンタクトレンズの処方箋、他の種類の特徴、又はそれらの組み合わせであってもよい。さらに、前記視覚的トリガーはモバイル機器によって識別可能であり複数の実行可能ファイルと関連する複数の視覚的トリガーの1つであってもよい。
【0007】
発明のもう一つの態様において、コンタクトレンズの容器は、容器の第一の層と前記容器の第一の層の縁部において前記容器の第一の層と接合された容器の第二の層とを含む。前記容器の第一の層と前記容器の第二の層が全体として空隙を画定し、コンタクトレンズが当該空隙の中に配置される。視覚的トリガーであって、電子機器に前記視覚的トリガーが前記電子機器と関連付けられたカメラの視野に入っているときに、ライブラリーから目の健康に関する情報提示を読み出し、当該説明を電子機器の表示部に表示させる視覚的トリガーが、前記コンタクトレンズの容器の外表面に表示されている。
【0008】
発明の更にもう一つの態様において、コンタクトレンズの容器は、容器の第一の層と前記容器の第一の層の縁部において前記容器の第一の層と接合された容器の第二の層とを含む。前記容器の第一の層と前記容器の第二の層が全体として空隙を画定し、コンタクトレンズが当該空隙の中に配置される。視覚的トリガーが前記コンタクトレンズの容器の外表面に表示されており、前記視覚的トリガーは、電子機器にライブラリーから目の健康に関する情報提示を読み出させて、前記視覚的トリガーが前記電子機器と関連付けられたカメラの視野の中で識別されたときに、前記目の健康に関する情報提示を表示させる。
【0009】
幾つかの例において、前記説明は音声成分を含む。例えば、前記説明は音楽、口に出した言葉、音声、及びその他の音声成分又はそれらの組み合わせが含まれてもよい。さらに、前記説明は視覚成分を含んでもよい。例えば、前記説明は少なくとも一枚の静止画、ビデオ、対話型表示、前記視覚的トリガーと共に表示部に表示されているもののオーグメンテーション、その他の視覚成分、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0010】
更に、本発明の追加的な態様において、モバイル機器は本体と、本体に組み込まれた表示装置、本体に組み込まれたカメラ、プロセッサー及びメモリーを含む。メモリーは前記プロセッサーに、コンタクトレンズの容器がカメラの視野に入っており、コンタクトレンズの容器にある視覚的トリガーを識別し、前記視覚的トリガーと関連するライブラリーから実行可能ファイルを読み出して、前記実行可能ファイルから少なくとも一枚の画像を表示装置に表示するときに、コンタクトレンズの画像を表示装置に表示させるプログラム化された命令を含む。
【0011】
本発明のもう一つの態様において、モバイル機器は本体と、本体に組み込まれた表示部、本体に組み込まれたカメラ、プロセッサー及びメモリーを含む。メモリーは前記プロセッサーに、視覚的トリガーがカメラの視野に入っているときに表示部の中の視覚的トリガーを識別し、前記モバイル機器と視覚的トリガーに関連する関係先との電子通信モードを成立させるプログラム化された命令を含む。
【0012】
前記電子通信モードは、任意の適当な種類のモードであってもよい。例えば、前記電子通信モードはテキストメッセージを送信するステップ、複数の通信モードを含む通信ポータル(portal)へ接続するステップ、前記関係先の連絡先情報を読み出すステップ、メッセージを当該関係先に送信するステップ、関係先へのメッセージを構成するためのユーザー・オプションを生成するステップ、関係先の連絡先情報をモバイル機器のアドレス帳に入力するステップ、関係先からメッセージを受信するステップ、又はそれらの組み合わせを実行することによって成立されてもよい。幾つかの例において、前記関連する関係先に送信されたメッセージは製品が入っている容器を受け取るユーザーに関する情報を含んでいてもよい。
【0013】
更に、視覚的トリガーはイメージの中、製品包装の上、コンタクトレンズの包装の上、製品包装の上の個人の顔、又はそれらの組み合わせに組み込まれていてもよい。視覚的トリガーは単一の物体の上に表示された複数の視覚的トリガーの中の一つであってもよい。
【0014】
プログラム化された命令はプロセッサーに、電子通信モードを成立するためのオプションを表示させたり、第二の視覚的トリガーの認識に応答してデータをダウンロードするためのオプションを表示させたり、第二の視覚的トリガーの認識に応答してオプションをストリームデータに表示させたり、他の種類のオプションを表示させたり、視覚的トリガーの認識に応答して少なくとも一つのアイコンを表示させたり、又はそれらの組み合わせを行わせることができる。前記データはモバイル機器にダウンロードしてローカルに保存することができる。
【0015】
前記データは条件に基づいてモバイル機器から除去されてもよい。当該条件は視覚的トリガーの認識から所定の時間が経過したこと、ダウンロードしたデータがモバイル機器を介して所定の回数接続されたこと、その他の条件、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0016】
更に本発明のもう一つの態様において、モバイル機器が本体と、当該本体に一体化された表示部と、当該本体に一体化されたカメラと、プロセッサー及びメモリーを含む。当該メモリーは、プロセッサーに視覚的トリガーがカメラの視野に入っているときに表示部の中の視覚的トリガーを識別し、前記モバイル機器と視覚的トリガーに関連する関係先との電子通信モードを成立させ、第二の視覚的トリガーの認識に応答してデータをダウンロードするためのオプションを表示させ、使用者の入力に応答して当該データをモバイル機器にダウンロードし、当該ダウンロードしたデータをローカルに保存し、条件に基づいて当該ダウンロードしたデータを除去させるプログラム化された命令を含む。
【0017】
上記で詳述した原理の何れの態様もここに詳述した他の何れの態様とも結合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
添付の図面は本装置の種々の実施形態を図示するものであり、明細書の一部をなす。図示された実施形態は単なる例にすぎず、それらの範囲を制限するものではない。
【0019】
【
図1】
図1は本開示によるコンタクトレンズの容器の例の平面図を示す。
【0020】
【
図2】
図2は本開示によるコンタクトレンズの容器の一例の断面図を示す。
【0021】
【
図3】
図3は本開示による、モバイル機器に一体化されたカメラの視野内にコンタクトレンズの容器がある、モバイル機器の一例の図を示す。
【0022】
【
図4】
図4は本開示による、モバイル機器にビデオを表示している一例の図を示す。
【0023】
【
図5】
図5は本開示による、モバイル機器にオーグメンテーションを表示している一例の図を示す。
【0024】
【
図6】
図6は本開示による、モバイル機器に静止画を表示している一例の図を示す。
【0025】
【
図7】
図7は本開示による、ライブラリーの一例のブロックダイアグラムを示す。
【0026】
【
図8】
図8は本開示による、包装の上の視覚的トリガーの一例の図を示す。
【0027】
【
図9】
図9は本開示による、トリガーシステムの一例のブロックダイアグラムを示す。
【0028】
【
図10】
図10は本開示による、実行可能ファイルを読み出す方法の一例のブロックダイアグラムを示す。
【0029】
【
図11】
図11は本開示による、通信モードを成立する方法の例のブロックダイアグラムを示す。
【0030】
【
図12】
図12は本開示による、通信モードを確立する方法の一例のブロックダイアグラムを示す。
【0031】
【
図13】
図13は本開示による、データをローカルに保存する方法の一例のブロックダイアグラムを示す。
【0032】
【
図14】
図14は本開示による、オプションを表示する方法の一例のブロックダイアグラムを示す。
【0033】
【
図15】
図15は本開示による、説明を送信する方法の一例のブロックダイアグラムを示す。
【0034】
図面を通して同一の参照番号は同様の、しかし必ずしも同一ではない、要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
具体的には、図面に関連して、
図1乃至2は本開示によるコンタクトレンズのための包装100を示す。この例において包装100は第一の層200及び第二の層202を含む。第一の層200は包装の中の空隙204の底面境界を画定し、第二の層202は空隙204の上部境界を画定する。コンタクトレンズ206は空隙204の中に配置される。
【0036】
幾つかの例において、第一の層200は第二の層202に直接結合されている。しかしながら、他の例においては1又は複数のスペーサが第一の層200を第二の層202と接触することから引き離すようにすることができる。そのような例においては、スペーサが空隙204の画定に寄与することができる。
【0037】
上記のコンタクトレンズは任意の適当な種類のコンタクトレンズであってもよい。例えば、完全に網羅しているわけではないが、レンズの種類のリストにはソフトコンタクトレンズ、ガス透過性ハードコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、眼用レンズ、二重焦点レンズ、多重焦点レンズ、着色レンズ、使い捨てレンズ、連続装用レンズ、単眼視レンズ、角膜矯正治療レンズ、義眼レンズ、シリコーンヒドロゲルレンズ、特殊効果レンズ、特殊レンズ、トーリックレンズ、バイトーリックレンズ、美容用コンタクトレンズ、オーバーレイレンズ、オンレイレンズ、他の種類のレンズ、又はそれらの組み合わせを含むことができる。ソフトコンタクトレンズは任意の適当な種類の材料で作ることができる。例えば、ソフトコンタクトレンズはプラスチックヒドロゲルポリマー、水分を含むヒドロキシエチルメタクリレート、シリコーン、又は親水性ヒドロゲルで作ることができる。ガス透過性ハードコンタクトレンズは実質的な量の水分は含まない硬質プラスチック材料で作ることができる。ガス透過性ハードコンタクトレンズは酸素がその材料を通り抜けて目に達するのを許容することができる。更に、ハードコンタクトレンズはポリメチルメタクリレート又は他の硬質材料で作ることができる。一般的に言えば、ハードコンタクトレンズはレンズを通る酸素の流れを阻む。
【0038】
包装100は任意の適当な種類の文、画像、図形、その他コンタクトレンズに関する情報、それのブランド、それの製造業者、それの販売業者、又は任意の他の情報を含むことができる。幾つかの例において、コンタクトレンズの装着、保管又は取扱いの方法についての情報は包装100の上に盛り込むことができる。しかしながら、寸法の制限のため、包装100の上に盛り込むことが望ましい情報の全ては、包装の表面積に入りきらない。
【0039】
上記の状況において、更なる情報は所望の情報を使用者に伝えるための工程の一部として利用することのできる包装100の上の視覚的トリガー102を含むことによって伝達することができる。そのような視覚的トリガーは、モバイル機器に組み込まれているカメラなど、カメラを通して識別可能とすることができる。視覚的トリガーの識別に応答して、プロセッサーはどの実行可能ファイルを読み出すかを決定するためにライブラリーを調べるようにすることができる。幾つかの例において、プロセッサーはモバイル機器の一部であり、当該モバイル機器はカメラの視野の中で識別された視覚的トリガーに基づいて適当な実行可能ファイルを読み出す。
【0040】
任意の適当な種類の視覚的トリガーを使用することができる。幾つかの例において、視覚的トリガーは包装に表示されたイメージである。そのようなイメージは、特定の人の顔104、特定の物体のイメージ、他の種類のイメージ、又はそれらの組み合わせであってもよい。幾つかの例において、視覚的トリガーは広告による販売促進など販売促進のためのものである。そのような例において、有名人、俳優、スーパーモデル、販売促進に適したその他のタイプの人物、又はそれらの組み合わせを包装に表示するようにすることができる。そのような人物の顔104、そのような人物が着用している衣類、そのような人物と関連している他の種類の特長、又はそれらの組み合わせを視覚的トリガーとして使用することができる。
【0041】
実行可能ファイルはモバイル機器にダウンロードすることが可能であり、他の例においては、実行可能ファイルからの情報をモバイル機器にストリーミング配信するようにすることができる。実行可能ファイルはプロセッサーに静止画を表示するように、ビデオを再生するように、包装100がモバイル機器の表示装置を介して異なる外観を呈するように又は他の物体やイメージと共に画面に表示されるようにさせる(オーグメンテーションする)ことができる。そのようなイメージ、ビデオ、及び/又はオーグメンテーションは、モバイル機器の表示部を介してのコンタクトレンズの取り扱い及び/又は保存の仕方についての取扱説明を提示することができる。他の例において、イメージ、ビデオ、及び/又はオーグメンテーションは、コンタクトレンズに関する他の種類の、またはコンタクトレンズに関係がない情報を提示することができる。
【0042】
しばしば、多くの情報がコンタクトレンズの使用と関連する。しかしながら、そのような情報はコンタクトレンズの包装に表示することが難しいかもしれない。例えば、一般的にコンタクトレンズと関連している情報は、使用者名、眼科医名、ブランド情報、屈折力の測定値、直径の情報、ベースカーブの情報、安全使用の情報、装用計画、レンズが終日装用か連続装用かについての情報、差し替え品数、使用期限、他の種類の情報、又はそれらの組み合わせを含んでいる。上述の原理を使用することによって、包装がコンタクトレンズと関連している情報の一部を有するようにし、上記の情報の他の部分又は他の種類の情報が、視覚的トリガーを使用して、使用者のモバイル機器に送信されるようにすることができる。モバイル機器に送信される情報は、包装の中にあるコンタクトレンズの種類、コンタクトレンズの健康及び安全に関すること、一般的な目の情報、目の健康の情報、目の健康に関する注意表示、よくある質問、コンタクトレンズの処方箋、コンタクトレンズの使用期限、いつコンタクトレンズを交換するかについての情報、コンタクトレンズに関する他の種類の情報、又はそれらの組み合わせを含むことができる。更に、当該情報は、コンタクトレンズとの関係の有無を問わず、製品またはサービスのコマーシャルを含んでもよい。加えて、当該情報はコンタクトレンズと無関係の娯楽または他の種類のデータを含むことができる。
【0043】
図3は、表示装置302を備えるモバイル機器300を示す。この例において、表示装置302はモバイル機器300に組み込まれたカメラの視野の中にあるものを表示している。従って、この例においては、包装100はカメラの視野に入っていて表示装置302に表示されている。
【0044】
モバイル機器300は包装100に含まれる視覚的トリガー102を認識することができる。視覚的トリガー102の認識に応答して、モバイル機器300は視覚的トリガー102と関連する実行可能ファイルを読み出す工程を開始することができる。一つの例において、モバイル機器300は視覚的トリガー102と実行可能ファイルとを結びつけるライブラリーと情報を交換する。実行可能ファイルはライブラリーの中にあって、ライブラリーからダウンロード可能であってもよい。他の例において、実行可能ファイルは異なる場所に保存されており、ライブラリーは適当な実行可能ファイルを示す参照テーブルである。場合によっては、そのようなライブラリーはまた実行可能ファイルの在り処を含み、モバイル機器300が読み出すことができるようにする。
【0045】
実行可能ファイルがモバイル機器300にダウンロードされる例において、モバイル機器はこのファイルを実行することができる。実行することに応答して、実行可能ファイルはモバイル機器300のプロセッサーに、イメージ、ビデオ、オーグメンテーション、文書、又は実行可能ファイルのコードに応じた他の情報を表示させることができる。情報が実行可能ファイルからモバイル機器にストリーム配信される例において、ストリーム配信された情報は、イメージ、ビデオ、オーギュメンテーション、文書、又は実行可能ファイルのコードに応じた他の情報として表示装置302に表示される。
【0046】
この開示では、「オーグメンテーション」("augmentation”)は、現実の世界の環境の要素がコンピューターよって改変され、追加され、置き換えられ、及び/又は除去された現実の世界の環境を表示することを指す。場合によっては、オーグメンテッド現実表示装置はコンタクトレンズの包装100を、当該コンタクトレンズの包装100が実際の環境の中で見られるように表示し、加えて、コンタクトレンズに関係するある側面を説明するようにコンタクトレンズの包装100に隣接して文言を表示することができる。幾つかの例において、オーグメンテーション、静止画、ビデオ、アニメのキャラクター、対話型の特徴機能、アイコン、または同様のものをコンタクトレンズの包装100と一緒に表示装置302に提示することができる。
【0047】
幾つかの例において、静止画、文書、その他が表示装置302の一部だけを占めることもできるし、又は、表示装置302全体を占めることもできる。実行可能ファイルは、文書、静止画、ビデオ、アニメーション、又はそれらの組み合わせなどの視覚成分だけを含むことができる。しかしながら、幾つかの例において、実行可能ファイルはまた、音声記録または音響がモバイル機器300のスピーカーによって生ずるようにされる場合には音声成分を含むことができる。場合によっては、実行可能ファイルは音声成分だけを含むことができる。
【0048】
図4の例において、モバイル機器300は実行可能ファイルからのビデオを表示している。そのようなビデオは、コンタクトレンズとの関係の有無を問わず、例えば販売促進の一部であるビデオなどである。そのようなビデオは、コンタクトレンズの取り扱いの仕方、コンタクトレンズの装用の仕方、コンタクトレンズの手入れの仕方、コンタクトレンズの保存の仕方、コンタクトレンズの取り外しの仕方、コンタクトレンズを汚染することの回避の仕方、コンタクトレンズを使用者の目に入れる仕方、その他のコンタクトレンズに関係する情報、又はそれらの組み合わせに対する取扱説明を含むことができる。
【0049】
幾つかの例において、ビデオはコンタクトレンズと無関係の情報を含む。そのようなビデオは例えば音楽、スポーツ、ドラマ、フィクション、ノンフィクション、他のジャンル、又はそれらの組み合わせなど、多数のユーザー関心(user interests)の中の一つに基づく娯楽を含むことができる。そのようなビデオは使用者が他のブランドと比較してコンタクトレンズを購入する魅力となる可能性がある。ビデオはコンタクトレンズとは直接関係がないが、コンタクトレンズを装用する人々の層にとって興味深いことが多い、他の話題を含むことができる。例えば、ビデオは一般的な目の健康、例えば乱視、近視、ドライアイ、赤眼、緑内障、円錐角膜、複視、遠視、老眼、白内障、他の疾患、又はそれらの組み合わせなど、目の症状に関する情報を含むことができる。
【0050】
図4の例において、ビデオが表示装置302の全域を占める。また一方他の例において、ビデオが表示装置の面積の一部だけを含めることができる。例えば、モバイル機器の画面の中でコンタクトレンズの包装100に隣接してウィンドウが表示されてもよい。
【0051】
図5は言葉500が表示装置302に表示されているオーグメンテーションの例を示す。これらの言葉500は表示装置302の中で、言葉500が包装100の特定部位502に隣接し、矢印504が特定部位502を指し示すように配置される。モバイル機器300は言葉又は他の種類の拡張現実イメージを、包装100の位置との関連で適切に配置されているように配置することができる。場合によっては、言葉500、矢印504、又は他の種類のオーグメンテーションが、包装100が表示装置302の中で動くにつれて表示装置302の中で動くことができる。そのような場合の一部において、モバイル機器300は包装100にある視覚的トリガーだけでなく、包装100の他の特徴も認識する。例えば、他の特徴が包装100の境界506、包装100を開くための指定された場所、他の特徴、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
図5の例において、矢印504と言葉500の位置が、少なくともある程度は包装100の特定部位502の位置に決められている。従って、包装100の方向が変わった場合、言葉500と矢印504の位置が同様に変化する。
【0052】
図6の例において、静止画600が表示装置302に表示される。この例において、静止画600が包装の中に配置されたコンタクトレンズを表示する。従って、使用者はモバイル機器の表示装置302の中の静止画600を見ることによってコンタクトレンズに関するさまざまな特徴を判断することができる。例えば、使用者は静止画600を見ることによって、コンタクトレンズの寸法及び形状を判断することができる。使用者が違う目の色をしているように見せるためにコンタクトレンズが着色されているような状況において、使用者はコンタクトレンズの色をモバイル機器の静止画600を介して判断することができる。
【0053】
そのような、コンタクトレンズの静止画及び/又はオーグメンテーションは、使用者がコンタクトレンズの包装100に印刷されたのと同じ言語を話すことができない場合に、使用者の話す言語で提示されるならば、有益であり得る。更に、そのような静止画600は、包装100がコンタクトレンズの画像を表示していない状況において役立つであろう。
【0054】
図6の例がコンタクトレンズの静止画を表示するが、他の例において、静止画600は他の製品、光景、情報、又は他の画像を表示することができる。幾つかの例において、静止画の位置は包装の特徴部の位置又は方向に関して方向を合わせられていない。そのような例において、静止画は、当該静止画が包装のデジタル表現を覆い隠すか否かにかかわらず表示装置302の特定の位置に表示することができる。
【0055】
更に他の例において、対話型の画像が表示装置302に提示される。そのような対話型の表示装置は使用者との対話処理を用いて操作することができる。例えば表示装置がタッチスクリーンである場合には、使用者は対話型画像を、当該対話型画像を所望の場所にドラッグ(drag)することによって動かすことができる。他の例において、使用者が対話型画像の中で製品を目立たせて違う角度から見ることができるように、対話型画像の向きを変えることができる。更に、使用者が対話型画像の大きさを変えることができる。他の例において、使用者が対話型画像の中の製品を隠すか又は対話型画像を使用者からの命令に違ったふうに応答させることができる。これらの例は使用者命令を実行するためにタッチスクリーンを使用することに関連して説明してきたが、任意の適当な種類の使用者入力を使用してもよい。例えば、使用者入力はタッチパッド、ボタン、レバー、ダイヤル、スクロール、マイクロホン、カメラ、他の種類の使用者入力またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0056】
図7はここに述べる原理によるライブラリー700の例を示す。そのような例において、ライブラリーは第一の列702及び第二の列704を含む。第一の列702は実行可能ファイルを含み、第二の列704は第一の列の実行可能ファイルと関連している視覚的トリガーを含む。第二の列704の視覚的トリガーの検出に応答して、モバイル機器はライブラリー700の中の視覚的トリガーを検索し、関連した実行可能ファイルを決定することができる。幾つかの例において、ライブラリーはファイルの場所へのリンク、ファイルの場所のアドレス、他の種類の位置情報、実行可能ファイルの場所を識別するための別な仕組み、又はそれらの組み合わせを含む。幾つかの例において、実行可能ファイルのコードがライブラリー700に含まれる。
【0057】
モバイル機器はライブラリー700を調べることによって関連する実行可能ファイルを決定することができる。実行可能ファイルの決定に応答して、モバイル機器は実行可能ファイルの場所を確認することができる。幾つかの例において、モバイル機器は実行可能ファイルをダウンロードする。他の例において、モバイル機器は実行可能ファイルからデータの流れを受け取ることができる。ある状況において、モバイル機器はライブラリー700を調べることによって実行可能ファイルを決定し、次いで実行可能ファイルの少なくとも一部のダウンロードを要求し、実行可能ファイルから内容の流れを受け取るか、そうでなければ実行可能ファイルの一部にアクセスすることができる。
【0058】
任意の適当な種類の視覚的トリガーを実行可能ファイルに含むことができる。幾つかの例において、応用プログラムがモバイル機器にダウンロードされる。そのような応用プログラムは、視覚的トリガーを認識するプログラムを含むことができ、モバイル機器にライブラリー700を調べさせる。ライブラリー700はモバイル機器にローカルに保存されてもよい。他の場合、ライブラリー700は離れた場所に保存される。
【0059】
視覚的トリガーは任意の適当な物体の上に表示されてもよい。上述の例はコンタクトレンズの包装に関連づけられた視覚的トリガーを表している。しかし、他の例において、視覚的トリガーは他の製品の包装、レターヘッド、コンピューターの画面、広告板、印刷物、他の種類の記事、又はそれらの組み合わせと関連づけることができる。ある状況において、使用者が包装を小売りの場所で見て、視覚的トリガーをモバイル機器で見ることができる。そのような例において、モバイル機器は使用者が包装の中の製品を購入するかどうか決定するのに役立つであろう。例えば、そのような情報は製品の説明、製品維持のための取扱説明書、製品の使用期限、製品の保存情報、包装の中の製品に関連する関連製品、製造業者に関する情報、製品の材料、製品に関連する健康リスク、他の種類の情報、又はこれらの組み合わせを含むことができる。他の状況において、視覚的トリガーが少なくとも部分的に包装の一部によって覆い隠される可能性があり、その結果使用者は視覚的トリガーを見ることができるように、包装を開かなければならない。使用者が視覚的トリガー及び関連するコンテンツにアクセスする前に製品を購入しなければならないようなシステムが規定されている可能性がある。視覚的トリガーに関連する実行可能ファイルがフル・フィーチャービデオを含む場合、製品の販売業者は、使用者がフル・フィーチャービデオにアクセスする前に当該ビデオを購入するように望むであろう。
【0060】
幾つかの例において、実行可能ファイルが製品に関連する関係先との通信モードを確立する機能を含むことができる。例えば、使用者がコンタクトレンズをオンラインで購入し、当該コンタクトレンズを郵便で受け取ったとすれば、使用者が郵便物を空けたときに使用者は包装にある視覚的トリガーを彼又は彼女のモバイル機器で見ることができる。モバイル機器で視覚的トリガーを調べたことに応答して、販売業者、製造業者、医師、セールスマン、担当者、又はコンタクトレンズに関連する他の関係先などの関係先にコンタクトレンズが使用者に受け取られたと連絡するメッセージが送信されるであろう。他の例において、使用者は店舗販売の店でコンタクトレンズを購入することができ、モバイル機器で視覚的トリガーを見たことに応答して、当該モバイル機器が使用者に製造業者、販売業者、セールスマン、他の種類の関係先、又はそれらの組み合わせと連絡を取る選択権を提示することができる。ある場合には、テキスト・メッセージ・ボックスが関係先宛に自動的に開かれるであろう。更に他の例において、電子メールが関係先に送信されるかもしれない。さらなる例において、モバイル機器で視覚的トリガーを見たことに応答して、他の種類の通信モードが確立される可能性がある。幾つかの例において、モバイル機器は製品と関連する個々の関係先との複数の通信モードを含むポータルを開く。例えば、ポータルは電話番号、テキストアドレス、電子メールアドレス、インスタントメッセンジャー、他の種類のアドレス、他の種類の通信モード、又はそれらの組み合わせを含むことができる。従って、もし彼又は彼女が望むなら、使用者は少なくとも一つの製品に関連する関係先と連絡を取る選択権を有する。同様に、モバイル機器は少なくとも一つの関係先に警報を送信するか、少なくとも一つの関係先に見える投稿をするか、又は少なくとも一つの関係先に他の方法で使用者が視覚的トリガーを見たと連絡することができる。従って、関係先は警報又は他の種類のメッセージを受信すると、モバイル機器にメッセージを送るか、使用者に関連する電子メールを送信するか、モバイル機器にメッセージを送信する代わりに使用者に他の種類のメッセージを送るか、又はそれらの組み合わせを行う。関係先からのメッセージは製品に関する情報、概説、連絡先情報、製品に関連する人々の紹介、販売促進商品、クーポン、サービス、他の種類の情報、又はそれらの組み合わせを含む可能性がある。
【0061】
ライブラリー700は時々変更される可能性がある。従って、実行可能ファイルは時間と共に更新されるか変更される可能性がある。従って、視覚的トリガーの最初の認識は最初の実行可能ファイルを実行する結果になる可能性がある。しかしながら、同一の視覚的トリガーの後の2回目の認識は第二の実行可能ファイルを実行する結果になる可能性がある。一例として、モバイル機器にダウンロードされた最初のビデオとなる視覚的トリガーをモバイル機器が認識することができる。当該ビデオはそのモバイル機器からアクセスできなくなるまでに5回見ることができる。使用者はモバイル機器を、同じ視覚的トリガーを同一のモバイル機器で認識させることができる。今回は、しかし、モバイル機器が違うビデオをダウンロードするようにされる。モバイル機器が視覚的トリガーを認識した間の時間に、ライブラリーが更新され、第2のビデオが視覚的トリガーに関係付けられた。
【0062】
図8はコンタクトレンズの包装にあるイメージ800を示す。この例において、複数の視覚的トリガーが含まれている。例えば、イメージ800は数種類の衣類を身に着けた人物の一部を含む。ある例において、人物の顔804が視覚的トリガーである。イメージを認識するプログラムが人物の顔804を認識するためにモバイル機器で使用される可能性がある。他の視覚的トリガーが人物の眼鏡806又は人物の蝶ネクタイ808を含んでもよい。他のイメージの例において、他の衣類又はイメージの中の他の種類の特徴部が視覚的トリガーとして使用されてもよい。例えば、使用者の口、帽子、髪の毛、イヤリング、時計、衣類に刺繍されたシンボル、又は他の特徴部が視覚的トリガーとして使用されてもよい。図示の例において、人物の腕とベルトの接合点810が視覚的トリガーとして使用される。幾つかの例において、イメージの中の視覚的指標が視覚的トリガーの一部として認識されるために適切な場所になければならない。
【0063】
ある例において、一つの視覚的トリガーだけが使用される。他の例において、視覚的トリガーを構成するために特徴部の組み合わせが使用される。例えば、人物の眼鏡806と蝶ネクタイ808の組み合わせが一括して視覚的トリガーを構成することができる。他の例において、イメージの複数の特徴部が別々の応答を引き起こす独立の視覚的トリガーであり得る。例えば、第一の視覚的トリガーが販売促進をモバイル機器にダウンロードさせることができ、第二の視覚的トリガーはモバイル機器に関係先との通信モードを確立させることができる。
【0064】
図9は本開示に従ったトリガーシステム900の例の全体像を示す。トリガーシステム900はハードウエアとトリガーシステム900の機能を実行するためのプログラム化された命令との組み合わせを含むことができる。この例において、トリガーシステム900がメモリー資源904と通信している処理資源902を含む。処理資源902は少なくとも一つの処理装置及びプログラム化された命令を処理することに用いられる他の資源を含む。メモリー資源904は概して、トリガーシステム900によって使用されるプログラム化された命令又はデータ構造などのデータを保存することのできる任意のメモリーを表す。メモリー資源904に保存された形式で示されるプログラム化された命令及びデータ構造は、視覚的トリガー認識機能906、オプション提示機能908、情報提示送信機能910、情報提示ライブラリー912、情報提示表示機能914、データ除去機能916、及び通信モード918を含む。
【0065】
処理資源902は表示装置920、スピーカー922、カメラ924、ローカル記憶域926、又はそれらの組み合わせと通信することができる。ある例において、処理資源902は処理資源902と遠隔装置との間の通信を中継するモバイル機器を介して遠隔装置と通信する。表示装置920、スピーカー922、カメラ924、及びローカル記憶域926が一つのモバイル機器に組み込まれてもよい。ある例において、処理資源902もまたモバイル機器に組み込まれる。更に他の例において、メモリー資源の中のコードの中の少なくとも幾つかがモバイル機器の中にある。
【0066】
処理資源902、メモリー資源904、及びモバイル機器の構成要素の中の少なくとも幾つかが一つの構成要素の中に統合されていない例において、処理資源902、メモリー資源904、及び/又はモバイル機器の構成要素は、通信インターフェースを通して任意の適当なネットワーク及び/又はプロトコルを介して通信することができる。ある例において、通信インターフェースは有線及び/又は無線通信の送受信機を含む。例えば、これらの機器はジグビー(登録商標)(ZigBee)プロトコル、ゼットウエーブ(登録商標)(Z-Wave)プロトコル、ブルートゥース(登録商標)(BlueTooth(登録商標))プロトコル、ワイファイ(登録商標)(Wi-Fi)プロトコル、グローバル・システム・フォア・モバイルコミュニケーションズ(Global System for Mobile Communications)(GSM(登録商標))規格、別の規格又はそれらの組み合わせを用いて通信することが可能であろう。他の例において、使用者はデジタル入出力装置、機械的入出力装置、他の種類の装置又はそれらの組み合わせを介して幾つかの情報をトリガーシステム900に直接入力することができる。
【0067】
メモリー資源904は、処理資源902によってタスク(task)を実行させるコンピューター可読のプログラムコードが入っているコンピューター可読の記憶媒体を含む。コンピューター可読の記憶媒体は有形で、且つ/又は固定の記憶媒体であってもよい。コンピューター可読の記憶媒体は転送記憶媒体(transmission storage medium)ではない任意の適当な記憶媒体であってもよい。完全に網羅しているわけではないが、コンピューター可読記憶媒体の種類には、不揮発性メモリー、揮発性メモリー、ランダムアクセスメモリー、ライトオンリーメモリー(write only memory)、フラッシュメモリー、電気的消去可能プログラムリードオンリーメモリー(electrically erasable program read only memory)、磁性基材メモリー(magnetic based memory)、他の種類のメモリー又はそれらの組み合わせを含む。
【0068】
視覚的トリガー認識機能906は、実行されると、処理資源902に視覚的トリガーを認識させるプログラム化された命令を表す。そのような視覚的トリガーはコンタクトレンズの包装に表示されていてもよい。他の例において、視覚的トリガーが他の包装又は他の物体に表示されていてもよい。ある例において、モバイル機器のカメラ924が、視覚的トリガーがカメラの視野に入ったとき、視覚的トリガーを認識する。レンズを通して収集した情報だけに基づいて、視覚的トリガー認識機能906が視覚的トリガーを認識することができる。他の例において、視覚的トリガーは表示装置920の中で再構成され、表示装置920の中で構成されたイメージに基づいて視覚的トリガー認識機能906が視覚的トリガーを認識する。
【0069】
オプション提示機能908は、実行されると、処理資源902に視覚的トリガーの認識に応答して使用者に対してオプションを提示させるプログラム化された命令を表す。そのようなオプションはデータのダウンロード、リモートロケーションへのアクセス許可、録音の再生、接続、情報の流れの受信、もう一つのオプション、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0070】
情報提示送信機能910は、実行されると、処理資源902にモバイル機器に対して情報提示を送信させるプログラム化された命令を表す。ある例において、そのような情報提示は使用者が情報提示を受信するためのオプションを選択することに応答して情報提示ライブラリー912からモバイル機器に送信される。他の例において、情報提示は視覚的トリガーの認識に応答して、使用者に対するオプションがなにも提示されていないモバイル機器に送信される。情報提示送信機能910は情報提示がモバイル機器にダウンロードされるようにすることができる。他の例において、情報提示送信機能910はモバイル機器にストリーミング配信される。ある例において、情報提示は、モバイル機器で実行中の応用プログラムが既に全ての実行可能ファイルを含む例のように、流れるようにモバイル機器にダウンロードされる。
【0071】
情報提示表示機能914は、実行されると、処理資源902にモバイル機器を介して情報提示を表示させるプログラム化された命令を表す。ある例において、情報提示表示機能914は情報提示のビデオ成分がモバイル機器の表示装置920に表示されるようにすることができる。更に、情報提示表示機能914は情報提示の音声成分がモバイル機器のスピーカー922を通して提供されるようにすることができる。ある例において、情報提示は映像成分だけ、音声成分だけ、他の種類の成分だけ、又はそれらの組み合わせを含む。
【0072】
データ除去機能916は、実行されると、処理資源902にモバイル機器からデータを除去させるプログラム化された命令を表す。データが除去される幾つかの例において、ダウンロードされたデータが所定の条件に応じてモバイル機器から除去されてもよい。例えば、ダウンロードされたデータは、情報提示が所定の回数アクセスされた後に除去されてもよい。他の例において、ダウンロードされたデータがダウンロードされてから、又は視覚的トリガーがモバイル機器によって認識されてから、所定の時間の長さの後に除去されてもよい。これらの例はデータを除去する特定の条件に関連して説明してきたが、任意の適当な条件をモバイル機器からデータを除去することに用いてもよい。ダウンロードされたデータを除去する仕組みを持つことによって、使用者が視覚的トリガーを表示する製品をより多く購入するように促すか、使用者がダウンロード可能なデータのアップデートを行うことを確実にするのに十分な頻度で視覚的トリガーのある包装に戻ることを促すことができる。
【0073】
通信モード918は実行されると、モバイル機器が包装の中の製品に関連する関係先と通信することのできる仕組みを処理資源902に構築させる。例えば、包装にある視覚的トリガーの認識に応答して、テキスト、電子メール、投稿メッセージ、警報、他の種類の通信、又はそれらの組み合わせなどの任意の適当な通信モードを介してモバイル機器が関係先との通信を構築することができる。
【0074】
更に、メモリー資源904はインストレーションパッケージ(installation package)の一部であってもよい。インストレーションパッケージをインストールすることに対応して、メモリー資源904のプログラム化された命令が、携帯型媒体、サーバー、遠隔ネットワーク上の場所(remote network location)、他の場所又はそれらの組み合わせなど、インストレーションパッケージの供給源からダウンロードされる。ここに述べる原理に適合する携帯型メモリー媒体はDVD、CD、フラッシュメモリー、携帯型ディスク、磁気ディスク、光ディスク、他の形態の携帯型メモリー又はそれらの組み合わせを含む。他の例において、プログラム命令は既にインストールされている。ここで、メモリー資源904はハードドライブ、ソリッドステートハードドライブ(solid state hard drive)または同様のものなど、集積型メモリーを含むことができる。
【0075】
幾つかの例において、処理資源902及びメモリー資源904はモバイル機器、外部機器、ネットワーク装置、遠隔装置、他の種類の装置、又はそれらの組み合わせの中にある。メモリー資源904はこれらの装置のメインメモリー、キャッシュメモリー、レジスター、不揮発性メモリーのいずれかの一部であってもよく、又はこれらのメモリー階層の他の場所にあってもよい。代替方法として、メモリー資源904はネットワークを介して処理資源902と通信してもよい。更に、プログラム化された命令がローカルに置かれている一方、ライブラリー又は使用者及び/又は練習情報を含んでいるデータベースなどデータ構造は、ネットワーク接続を介して離れた場所からアクセスすることが可能である。従って、トリガーシステム900は、モバイル機器、外部機器、電話、電子タブレット、ウェアラブルコンピューティング機器(wearable computing device)、ヘッドマウント機器(head mounted device)、サーバー、サーバー群、ネットワーク機器、腕時計、又はそれらの組み合わせで実行される。そのような実行は、押しボタン、タッチスクリーンボタン、音声コマンド、ダイヤル、レバー、他の種類の入出力の仕組み、又はそれらの組み合わせなどの入出力の仕組みを介して行うことができる。
【0076】
図10は本開示に従った実行可能ファイルを読み出す方法1000の例のブロックダイアグラムを示す。この例において、方法1000はモバイル機器のカメラの視野の中にあるコンタクトレンズの包装上の視覚的トリガーを認識するステップ1002、視覚的トリガーに関連するライブラリーから実行可能ファイルを読み出すステップ1004、及びモバイル機器に実行可能ファイルから少なくとも一枚の画像を表示するステップ1006を含む。
【0077】
ブロック1002において、視覚的トリガーがモバイル機器のカメラの視野の中で認識される。ある例において、このことはカメラの視野の中にあるコンテンツをモバイル機器のデジタル表示装置に表示することを含む。他の例において、モバイル機器が視覚的トリガーを認識するために視覚的トリガーのデジタルイメージ又はカメラの視野の中にある他のコンテンツを提示する必要はない。
【0078】
ブロック1004において、視覚的トリガーに関連するライブラリーから実行可能ファイルが読み出される。ライブラリーはモバイル機器にローカルに保存されていてもよく、又はライブラリーは遠隔にあってもよい。実行可能ファイルはモバイル機器の表示装置又はスピーカーを介して使用者に提示される情報を含むことができる。
【0079】
ブロック1006において、実行可能ファイルからの少なくとも一つのイメージをモバイル機器に表示することができる。そのようなイメージは、静止画又はビデオなどの動画であってもよい。ある例において、イメージはモバイル機器の表示装置に提示された包装に対するオーグメンテーションの一部である。例えば、包装の開き方の説明を提供する文言が包装の外観に隣接して現れてもよい。他の例において、表示装置の全画面を占めるビデオが使用者に提示される。
【0080】
図11は本開示に従った通信モードを構築する方法1100の例のブロックダイアグラムを示す。この例において、方法1100はモバイル機器の表示装置の中にある視覚的トリガーを認識するステップ1102及びモバイル機器と視覚的トリガーに関連する関係先との電子通信モードを構築するステップ1104を含む。
【0081】
ブロック1104において、電子通信モードはテキストメッセージ、電子メールメッセージ、インスタントチャットメッセージ、ウェブサイトへの投稿メッセージ、他の種類の通信の電子的形式、又はそれらの組み合わせを含むことができる。電子通信モードは又、関係先からの任意の種類の形式のメッセージを受信することも含むことができる。関係先はコンタクトレンズと関連する任意の適当なグループであってもよい。例えば、関係先は担当者、製造業者、販売業者、セールスマン、医療関係者、他の種類の関係先、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0082】
図12は本開示に従った通信モードを構築する方法1200の例のブロックダイアグラムを示す。この例において、方法1200はモバイル機器の表示装置の中にある視覚的トリガーを認識するステップ1202及びモバイル機器と視覚的トリガーに関連する関係先との電子通信モードを構築するステップ1204を含む。当該方法は電子通信モードを構築するための複数の代替の仕組みを含む。電子通信モードは、複数の通信モードが入っている通信ポータルにアクセスするステップ1206、モバイル機器を使って関係先にメッセージを送信するオプションを提示するステップ、関係先の連絡先情報を読み出すステップ1210、連絡先情報をモバイル機器のアドレス帳に入力するステップ1212、関係先からメッセージを受信するステップ1214、又は関係先にテキストを送信するステップ1216、によって構築される。
【0083】
ブロック1206において、使用者が関係先との通信を構築する複数のモードを持っている通信ポータルへ、モバイル機器がその使用者を案内するようになっていてもよい。ある例において、ポータルは使用者が通信することのできる複数の関係先を提示する。例えば、使用者は製造業者、販売業者、医師、セールスマン、包装の中の製品に関連する他の種類の関係先、又はそれらの組み合わせと通信することができるであろう。更に他の例において、通信ポータルは使用者に連絡をとるただ一つの関係先を提供してもよい。同様に、通信ポータルはポータルに登録された関係先の中の一つ又は複数に対する一つ又は複数の通信オプションを提供してもよい。ポータルを通じて利用できる可能性のある種々の通信モードは、テキストメッセージの送受信、インスタントメッセージング(instant messaging)、電子メール送信、アクティビティフィード(activity feeds)、質問の投稿(posting questions)、着信の受信、電話番号、連絡先情報、他の種類の通信モード、又はそれらの組み合わせを含む。
【0084】
ブロック1208において、使用者が関係先にメッセージを送信するためのオプションが提供される。当該メッセージは標準のメッセージであってもよい。当該標準のメッセージは、使用者が製品を受け取ったこと、包装が開けられた日付、製品が開けられた場所、包装の中の製品の製造番号、他の種類の情報、又はそれらの組み合わせを表してもよい。ある例において、メッセージは使用者がそのメッセージに含ませるコンテントを生成することができるように、編集可能な形式で使用者に提示されるであろう。更に他の場合において、使用者に既定のメッセージが提示されず、使用者は彼または彼女が送信したいと思う種類のメッセージを入力することができる。
【0085】
ある例において、使用者に、彼又は彼女がメッセージを送信したいと思うかどうかを質問するポップアップボックス(pop-up box)を通してオプションが提示される。他の例において、オプションは録音を介して使用者に提示される。更に他の例において、メッセージを送信するための仕組みへのリンクと共に表示装置にリンクが表示される。
【0086】
ブロック1210において、関係先の連絡先情報がモバイル機器によって受信される。視覚的トリガーが検出されたことを示す最初のメッセージが関係先又は第三者に送信されてもよい。視覚的トリガーが検出されたというメッセージの受信に応答して、受信した関係先はモバイル機器に連絡先情報を送信することができる。当該連絡先情報は前記メッセージを受信した関係先の連絡先であり得る。しかし、他の例において、当該連絡先情報は第三者が連絡先情報を送信することを許可されていた、別の関係先に属してもよい。
【0087】
ブロック1212において、関係先から受信された連絡先情報はモバイル機器のアドレス帳に入れることができる。一例として、包装の中のコンタクトレンズに詳しい医師の連絡先情報をモバイル機器のアドレス帳に入れることができる。そうすると、モバイル機器の使用者が医師に質問のある状況で、使用者は医師の連絡先情報を彼又は彼女のアドレス帳で調べることができる。
【0088】
ブロック1214において、モバイル機器がコンタクトレンズ又は包装の中の他の製品に関連する関係先からのメッセージを受信する。当該の例において、関係先が使用者に製品に関するニュースレター、製品に関する保管情報、製品に関する使用法情報、製品に関する警告、製品と無関係の情報、他の種類の情報、又はそれらの組み合わせを送信することができる。
【0089】
ブロック1216において、テキストメッセージが関係先に送信される。この別の例において、モバイル機器が製品に関連する関係先の少なくとも一つに送信するためのテキストを生成することができる。一つの例において、テキストはテキストが生成されたことに応じて自動的に送信される。他の例において、使用者が自動的に生成されたテキストメッセージを送信するようにモバイル機器に指示しなければならないかもしれない。他の例において、モバイル機器がテキストの送信許可を要求するオプションを、モバイル機器を通じて提示してもよい。
【0090】
図13は本開示に従ったデータをローカルに保存する方法1300の例のブロックダイアグラムを示す。この例において、方法1300はモバイル機器の表示装置の中にある視覚的トリガーを認識するステップ1302、実行可能ファイルをモバイル機器にダウンロードするステップ1304、及びダウンロードされたデータをローカルに保存するステップ1306を含む。当該方法はダウンロードされたデータを除去するための複数の代替手段を含む。例えば、ダウンロードされたデータをある条件に基づいて除去するステップ1308、視覚的トリガーを認識してから所定の時間が経過したことに基づいてダウンロードされたデータを除去するステップ1310、又はダウンロードされたデータがアクセスされた回数に基づいてダウンロードされたデータを除去するステップ1312によって除去することができる。
【0091】
ブロック1306において、データがモバイル機器にローカルに保存される。データは永久メモリー、一時メモリー、他の種類のメモリー、又はそれらの組み合わせに保存することができる。ある場合には、データがローカルにではあるが、パスワードを使って保護されているか又は適正な特定の条件下でアクセス可能に保存されてもよい。
【0092】
ブロック1308において、データが条件に基づいて除去される。このような条件は使用者からのデータを除去するという要求であってもよい。他の例において、当該条件は当該データの更新に対して責任がある関係先からのメッセージであってもよい。更に他の例において、当該条件はブロック1312に示されている通り、使用者がそのデータにアクセスした回数など、使用者の行動に基づく条件であってもよい。ある場合には、ブロック1310に示されている通り、視覚的トリガーが認識された時又はデータがダウンロードされた時からの時間経過がデータの除去を始める条件であってもよい。
【0093】
図14は本開示に従ったオプションを表示する方法1400の例のブロックダイアグラムを示す。この例において、方法1400はモバイル機器の表示装置の中にある視覚的トリガーを認識するステップ1402を含む。当該方法はまた、オプションを表示する別の種類の方法も含む。オプションは、実行可能ファイルからデータをダウンロードするオプションを表示するステップ1404及びデータをダウンロードするステップ1406又は実行可能ファイルから少なくとも一部のデータをストリーミング配信するオプションを表示するステップ1408と当該データをストリーミング配信するステップ1410を含む。
【0094】
ブロック1404において、モバイル機器はモバイル機器で視覚的トリガーを認識することに応答して実行可能機器からデータをダウンロードするオプションを表示することができる。こうした例において、データは使用者の入力に基づいてダウンロードすることができる。視覚的トリガーの認識に応答して、モバイル機器が実行可能ファイルをダウンロードするオプションを提示することができる。使用者がダウンロードするオプションを選択することに応答して、ブロック1406に示されている通り実行可能ファイルのデータの少なくとも一部がダウンロードされる。
【0095】
ブロック1408において、モバイル機器は使用者にモバイル機器を介してデータをモバイル機器にストリーム配信するオプションを表示することができる。ある例において、データをストリーム配信するオプションはデータをダウンロードするオプションと共に使用者に提示される。他の例において、モバイル機器はデータを読み出すただ一つのオプションを使用者に提示する。ある場合において、モバイル機器にデータをストリーム配信するオプションが、データはストリーム配信される予定であることを明確に述べず、当該オプションが一般的にデータはオプションの選択に応じて読み出されることを表示してもよい。使用者からの命令に応答して、モバイル機器はデータのストリームを受信することができる。このようなストリームは映像及び/又は音声成分を用いた情報提示を含むことができる。このような状況において、実行可能ファイルの映像及び音声成分だけがモバイル機器にストリーム配信されてもよい。
【0096】
図15は本開示に従った情報提示を送信する方法1500の例のブロックダイアグラムを示す。この例において、方法1500はモバイル機器がモバイル機器の表示装置の中にある視覚的トリガーを認識したことを示すモバイル機器からの第一のメッセージを電子的に受信するステップ1502、第一の情報提示をモバイル機器に電子的に送信するステップ1504、第二の情報提示を視覚的トリガーと関連づけるステップ1506、モバイル機器がモバイル機器の表示装置の中にある視覚的トリガーを再び認識したことを示すモバイル機器からの第二のメッセージを電子的に受信するステップ1508、及び第二の情報提示をモバイル機器に電子的に送信するステップ1510を含む。
【0097】
ブロック1502において、モバイル機器からのメッセージは視覚的トリガーが認識されたことを示す。それに応じて、モバイル機器又は遠隔の機器はどの実行可能ファイルが認識された視覚的トリガーと関連するかを判定するためにライブラリーと情報交換する。実行可能ファイルが情報提示を含んでいる場合、当該情報提示は視覚的トリガーと関連している可能性がある。
【0098】
ブロック1504において、第一の情報提示がモバイル機器に送信される。当該情報提示はライブラリーに含まれる情報に基づいて認識された視覚的トリガーと関連付けることができる。
【0099】
ブロック1506において、第二の情報提示が視覚的トリガーと関連付けられる。結果として、第一の情報提示はもはや視覚的トリガーと関連しない。他の例において、視覚的トリガーが両方の情報提示と関連付けられている。第二の情報提示は販売促進の変更、情報提示が更新されたこと、他の要因、又はそれらの組み合わせのために、視覚的トリガーと関連づけられる可能性がある。
【0100】
ブロック1508において、モバイル機器がモバイル機器の表示装置の中にある視覚的トリガーを再び認識したことを示しているモバイル機器から第二の情報提示が受信される。例えば、第一の情報提示がモバイル機器から除去されているか、そうでなければアクセスできない場合、使用者は視覚的トリガーを再び認識するようにモバイル機器を使用する気になる可能性がある。視覚的トリガーを再び認識することに応答して、モバイル機器はライブラリーを調べることができる。ある状況において、モバイル機器はモバイル機器がライブラリーと情報交換した最初の時とは違って視覚的トリガーが第二の情報提示と関連づけられていることを発見する。
【0101】
ブロック1510において、第二の情報提示がモバイル機器に送信されてもよい。ライブラリーの中で第二の情報提示が視覚的トリガーと関連づけられているので、第二の情報提示がモバイル機器に送信される。ある場合において、第二の情報提示だけがモバイル機器に送信される。しかし、複数の情報提示がライブラリーの中で視覚的トリガーと関連づけられている場合、複数の情報提示がモバイル機器に送信されてもよい。