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特許7053283糸巻取機、紡糸引取装置、及び糸巻取機における糸掛方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】糸巻取機、紡糸引取装置、及び糸巻取機における糸掛方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 57/16 20060101AFI20220405BHJP
   D01H 13/04 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
B65H57/16
D01H13/04 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018008566
(22)【出願日】2018-01-23
(65)【公開番号】P2018127362
(43)【公開日】2018-08-16
【審査請求日】2020-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2017019392
(32)【優先日】2017-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502455511
【氏名又は名称】TMTマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北山 太
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-297078(JP,A)
【文献】特開2015-164875(JP,A)
【文献】特開2015-014063(JP,A)
【文献】特開平10-194593(JP,A)
【文献】特開2000-327228(JP,A)
【文献】特開2011-144019(JP,A)
【文献】特開2010-052930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 54/00
B65H 55/00
B65H 57/00
B65H 67/00
D01D 7/00
D01H 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に延び、複数の糸がそれぞれ巻き取られる複数のボビンが前記所定方向に並べて装着されるボビンホルダと、
前記ボビンホルダの上方に配置され、前記複数の糸のそれぞれを綾振りする複数のトラバースガイドと、
前記所定方向に配列され、且つ、前記複数の糸のそれぞれが綾振りされる際の支点となる複数の振支点ガイドと、前記所定方向に延び、且つ、前記複数の振支点ガイドを支持するガイド支持体とを有し、前記複数のトラバースガイドの上方に配置されたガイドユニットと、を備え、
前記複数の振支点ガイドは、前記ガイド支持体の前記所定方向における一方の端部に集合可能であり、
前記ガイドユニットは、前記複数の糸がそれぞれ前記複数のボビンに巻き取られるときの糸巻取位置と、前記糸巻取位置よりも少なくとも前記所定方向の前記一方側の位置である糸掛位置との間で移動可能であり、
前記糸掛位置は、前記糸巻取位置よりも前記所定方向の前記一方且つ上方にあり、
前記ガイドユニットに沿って前記所定方向に延び、前記ガイドユニットを前記所定方向へ相対移動可能に支持する枠体と、
前記所定方向において前記枠体の前記一方側の端部に取り付けられたヘッド部と、を備え、
前記ガイドユニットが、前記糸巻取位置及び前記糸掛位置のいずれに位置しているときも、
前記ガイドユニットの前記所定方向における前記一方側の端部が、前記ヘッド部の前記所定方向における前記一方側の端部よりも、前記所定方向における他方側に位置していることを特徴とする糸巻取機。
【請求項2】
前記ボビンホルダは、前記所定方向の前記他方側に配置された機台によって片持ち支持されていることを特徴とする請求項1に記載の糸巻取機。
【請求項3】
前記ガイドユニットは、前記振支点ガイドへの糸掛け時に前記複数の糸を保持した糸掛け補助部材を案内する、補助部材案内部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の糸巻取機。
【請求項4】
所定方向に延びた、複数の糸がそれぞれ巻き取られる複数のボビンが前記所定方向に並べて装着されるボビンホルダと、
前記ボビンホルダの上方に配置され、前記複数の糸のそれぞれを綾振りする複数のトラバースガイドと、
前記所定方向に配列され、且つ、前記複数の糸のそれぞれが綾振りされる際の支点となる複数の振支点ガイドを有し、前記複数のトラバースガイドの上方に配置されたガイドユニットと、を備え、
前記ガイドユニットは、前記複数の糸がそれぞれ前記複数のボビンに巻き取られるときの糸巻取位置と、前記糸巻取位置よりも上方にある糸掛位置との間で移動可能であり、
前記糸掛位置は、前記糸巻取位置よりも前記所定方向の一方且つ上方にあり、
前記ガイドユニットに沿って前記所定方向に延び、前記ガイドユニットを前記所定方向へ相対移動可能に支持する枠体と、
前記所定方向において前記枠体の前記一方側の端部に取り付けられたヘッド部と、を備え、
前記ガイドユニットが、前記糸巻取位置及び前記糸掛位置のいずれに位置しているときも、
前記ガイドユニットの前記所定方向における前記一方側の端部が、前記ヘッド部の前記所定方向における前記一方側の端部よりも、前記所定方向における他方側に位置していることを特徴とする糸巻取機。
【請求項5】
紡糸装置から紡出された複数の糸が並べて巻掛けられるゴデットローラと、
前記ゴデットローラの下方に配置され、前記複数の糸を巻き取る請求項1に記載の糸巻取機と、を備え、
前記複数の糸が前記ゴデットローラに並べて巻き掛けられる方向は、前記ゴデットローラの軸方向に沿っており、
前記所定方向は、前記ゴデットローラの前記軸方向と交差し、
前記ゴデットローラは、前記複数のボビンに前記複数の糸が巻き取られるときのローラの糸巻取位置と、前記ローラの糸巻取位置よりも前記糸巻取機の前記所定方向における前記一方の端部に近いローラの糸掛位置との間で移動可能であることを特徴とする紡糸引取装置。
【請求項6】
紡糸装置から紡出された複数の糸が並べて巻掛けられるゴデットローラと、
前記ゴデットローラの下方に配置され、前記複数の糸を巻き取る請求項4に記載の糸巻取機と、を備え、
前記複数の糸が前記ゴデットローラに並べて巻き掛けられる方向は、前記ゴデットローラの軸方向に沿っており、
前記所定方向は、前記ゴデットローラの前記軸方向と交差し、
前記ゴデットローラは、前記複数のボビンに前記複数の糸が巻き取られるときのローラの糸巻取位置と、前記ローラの糸巻取位置よりも上下方向において前記糸巻取機に近いローラの糸掛位置との間で移動可能であることを特徴とする紡糸引取装置。
【請求項7】
請求項1に記載の糸巻取機において、
前記複数の振支点ガイドを、前記ガイド支持体の前記所定方向における前記一方の端部に集合させるガイド集約工程と、
前記ガイドユニットを、前記複数の糸がそれぞれ前記複数のボビンに巻き取られるときの糸巻取位置から、前記糸巻取位置よりも少なくとも前記所定方向の前記一方にある糸掛位置に移動させるユニット引出工程と、
前記ガイド集約工程及び前記ユニット引出工程の後に、前記複数の振支点ガイドに前記複数の糸をそれぞれ掛ける糸掛工程と、を備えることを特徴とする糸巻取機における糸掛方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸巻取機、紡糸引取装置、及び糸巻取機における糸掛方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、紡糸を巻き取る糸巻取機が開示されている。詳細には、糸巻取機は、複数のボビンが並べて装着されるボビンホルダと、ボビンホルダの上方に配置された複数のトラバースガイドと、ボビンホルダの軸方向(前後方向)に沿ってトラバースガイドの上方に配列された複数の振支点ガイドと、ガイド駆動部等を備える。複数の振支点ガイドは、前後方向に延びたガイド部材に装着されている。また、複数の振支点ガイドは、ガイド駆動部によって、ガイド部材に沿って前後方向に移動可能である。
【0003】
複数の振支点ガイドは、糸が巻き取られる際には、複数のトラバースガイドの直上の位置にそれぞれ配置され、トラバースガイドによって糸がトラバースされるときの支点となる。ただし、この糸巻取時の状態では奥側の振支点ガイドの位置は、前方(手前側)に位置するオペレータからはかなり遠くなる。そこで、複数の振支点ガイドは、それぞれに糸を掛ける際には、ガイド駆動部によって、ボビンホルダの前端部に集められるようになっている。つまり、オペレータ側から見れば手前の位置に複数の振支点ガイドが集約されるため、オペレータによる糸掛け作業が容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-164875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、生産効率向上の観点から、ボビンホルダに装着可能なボビンの数を増やし、一度に形成することのできるパッケージの数を増やす傾向にある。ボビンの数が増えると、ボビンに対応する振支点ガイドの数も増える。特許文献1に記載の糸巻取機では、複数の振支点ガイドが装着されるガイド部材の位置が固定されているため、振支点ガイドの数が増えると、奥側にある振支点ガイドは、手前側に集められた状態でも、オペレータからの距離が遠くなり、糸掛け作業が行いにくい。
【0006】
本発明の目的は、複数の振支点ガイドへの糸掛け作業性をさらに向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明の糸巻取機は、所定方向に延び、複数の糸がそれぞれ巻き取られる複数のボビンが前記所定方向に並べて装着されるボビンホルダと、前記ボビンホルダの上方に配置され、前記複数の糸のそれぞれを綾振りする複数のトラバースガイドと、前記所定方向に配列され、且つ、前記複数の糸のそれぞれが綾振りされる際の支点となる複数の振支点ガイドと、前記所定方向に延び、前記複数の振支点ガイドを支持するガイド支持体とを有し、前記複数のトラバースガイドの上方に配置されたガイドユニットと、を備え、前記複数の振支点ガイドは、前記ガイド支持体の前記所定方向における一方の端部に集合可能であり、前記ガイドユニットは、前記複数の糸がそれぞれ前記複数のボビンに巻き取られるときの糸巻取位置と、前記糸巻取位置よりも少なくとも前記所定方向の前記一方側の位置である糸掛位置との間で移動可能であることを特徴とするものである。
【0008】
まず、本発明では、複数の振支点ガイドを、ボビンホルダの所定方向における一端側に集めることができる。これにより、所定方向における一方側からの糸掛け作業が容易になる。その上で、ガイドユニット全体が、糸巻取位置よりもさらに所定方向における一方側の糸掛位置まで引き出される。これにより、所定方向における一方側からの糸掛け作業がさらに容易になる。したがって、複数の振支点ガイドへの糸掛け作業性をさらに向上させることができる。
【0009】
第2の発明の糸巻取機は、前記第1の発明において、前記糸掛位置は、前記糸巻取位置よりも前記所定方向の前記一方且つ上方にあることを特徴とするものである。
【0010】
本発明では、ガイドユニットが所定方向の一方且つ上方、すなわち所定方向の斜め上方に移動可能である。つまり、ガイドユニットが糸巻取位置から糸掛位置に移動することで、複数の振支点ガイドが複数のトラバースガイドから上下方向においても遠ざかり、複数の振支点ガイドと複数のトラバースガイドとの間隔が広がる。したがって、糸掛け作業時の作業スペースを広くして、糸掛け作業をさらに行いやすくすることができる。
【0011】
第3の発明の糸巻取機は、前記第2の発明において、前記ガイドユニットに沿って前記所定方向に延び、前記ガイドユニットを前記所定方向へ相対移動可能に支持する枠体と、 前記所定方向において前記枠体の前記一方側の端部に取り付けられたヘッド部と、を備えることを特徴とするものである。
【0012】
所定方向においてガイドユニットの一方側にヘッド部が配置されている場合、ガイドユニットがヘッド部に干渉する、あるいは、邪魔になるなどの理由からまっすぐ一方側に引き出しにくくなる。このような場合でも、本発明では、ガイドユニットが上方へも移動可能であるため、ガイドユニットがヘッド部に干渉すること等を回避することができ、ガイドユニットを一方側に引き出しやすくなる。
【0013】
第4の発明の糸巻取機は、前記第3の発明において、前記ガイドユニットが、前記糸巻取位置及び前記糸掛位置のいずれに位置しているときも、前記ガイドユニットの前記所定方向における前記一方側の端部が、前記ヘッド部の前記所定方向における前記一方側の端部よりも、前記所定方向における他方側に位置していることを特徴とするものである。
【0014】
本発明では、ガイドユニットが糸掛位置に位置しているときも、ガイドユニットがヘッド部よりも所定方向における一方側に突出していない。このため、所定方向の一方側において糸掛け作業のためのスペースが狭くなることを防止できる。
【0015】
第5の発明の糸巻取機は、前記第1~第4のいずれかの発明において、前記ボビンホルダは、前記所定方向の他方側に配置された機台によって片持ち支持されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明では、ボビンホルダの所定方向の他方側の端部が機台に片持ち支持されている。つまり、所定方向の一方側は、ボビンホルダの先端側、すなわち複数のボビンの装着や取り外しが行われる作業側である。言い換えると、ガイドユニットが糸巻取位置から糸掛位置に移動することで、複数の振支点ガイドがさらに作業側に近づく。したがって、容易に糸掛け作業を行うことができる。
【0017】
第6の発明の糸巻取機は、前記第1~第5のいずれかの発明において、前記ガイドユニットは、前記振支点ガイドへの糸掛け時に前記複数の糸を保持した糸掛け補助部材を案内する、補助部材案内部を有することを特徴とするものである。
【0018】
糸掛け補助部材は、複数の糸を保持した状態で複数の振支点ガイドに対して移動させることで、複数の糸のそれぞれを複数の振支点ガイドにそれぞれ掛けるための部材である。この部材を、複数の振支点ガイドの配列方向に対して斜めに移動させれば、複数の振支点ガイドに対して、それぞれ糸を容易に掛けることができる。そこで、糸掛け補助部材を正しく案内するための補助部材案内部が備えられている。
【0019】
ここで、振支点ガイドだけが移動し、補助部材案内部が追随して移動しない構成になっていると、糸掛け作業時に糸掛け補助部材を案内することができない。本発明では、ガイドユニットが補助部材案内部を有するため、補助部材案内部が振支点ガイドと共に糸掛位置へ移動可能である。したがって、糸掛け作業を容易に行うことができる。
【0020】
第7の発明の糸巻取機は、所定方向に延びた、複数の糸がそれぞれ巻き取られる複数のボビンが前記所定方向に並べて装着されるボビンホルダと、前記ボビンホルダの上方に配置され、前記複数の糸のそれぞれを綾振りする複数のトラバースガイドと、前記所定方向に配列され、且つ、前記複数の糸のそれぞれが綾振りされる際の支点となる複数の振支点ガイドを有し、前記複数のトラバースガイドの上方に配置されたガイドユニットと、を備え、前記ガイドユニットは、前記複数の糸がそれぞれ前記複数のボビンに巻き取られるときの糸巻取位置と、前記糸巻取位置よりも上方にある糸掛位置との間で移動可能であることを特徴とするものである。
【0021】
ガイドユニットとトラバースガイドとの上下方向の間隔が狭いと、振支点ガイドへの糸掛け作業時に、ガイドユニットやトラバースガイド等との干渉が起こる等して、糸掛け作業が行いにくいおそれがある。本発明では、複数の振支点ガイドを有するガイドユニットが、糸巻取位置と、糸巻取位置よりも上方にあるユニットの糸掛位置との間で移動可能である。このため、ガイドユニットが糸巻取位置から糸掛位置に移動することで、複数の振支点ガイドと複数のトラバースガイドとの上下方向の間隔が広がって、糸掛け作業時の作業スペースが広くなる。したがって、糸掛け作業をさらに行いやすくすることができる。
【0022】
第8の発明の糸巻取機は、前記第7の発明において、前記糸掛位置は、前記糸巻取位置よりも前記所定方向の一方且つ上方にあることを特徴とするものである。
【0023】
本発明では、ガイドユニットが糸巻取位置から糸掛位置に移動する際、所定方向の一方にも移動可能なので、一方側からの糸掛け作業が容易になる。
【0024】
第9の発明の紡糸引取装置は、紡糸装置から紡出された複数の糸が、その軸方向に沿って並べて巻掛けられるゴデットローラと、前記ゴデットローラの下方に配置され、前記複数の糸を巻き取る糸巻取機と、を備え、前記糸巻取機は、前記ゴデットローラの軸方向と交差する所定方向に延びた、前記複数の糸がそれぞれ巻き取られる複数のボビンが前記所定方向に並べて装着されるボビンホルダと、前記ボビンホルダの上方に配置され、前記複数の糸のそれぞれを綾振りする複数のトラバースガイドと、前記所定方向に配列され、且つ、前記複数の糸のそれぞれが綾振りされる際の支点となる複数の振支点ガイドを有し、前記複数のトラバースガイドの上方に配置されたガイドユニットと、を備え、前記ゴデットローラは、前記複数のボビンに前記複数の糸が巻き取られるときのローラの糸巻取位置と、前記ローラの糸巻取位置よりも前記糸巻取機の前記所定方向における一方の端部に近いローラの糸掛位置との間で移動可能であり、前記複数の振支点ガイドは、前記ガイド支持体の前記所定方向における前記一方の端部に集合可能であり、前記ガイドユニットは、前記複数の糸がそれぞれ前記複数のボビンに巻き取られるときのユニットの糸巻取位置と、前記ユニットの糸巻取位置よりも少なくとも前記所定方向の前記一方側の位置であるユニットの糸掛位置との間で移動可能であることを特徴とするものである。
【0025】
本発明では、第1の発明と同様に、所定方向における一方側からの糸掛け作業がさらに容易になる。したがって、複数の振支点ガイドへの糸掛け作業性をさらに向上させることができる。
【0026】
第10の発明の紡糸引取装置は、紡糸装置から紡出された複数の糸が、その軸方向に沿って並べて巻掛けられるゴデットローラと、前記ゴデットローラの下方に配置され、前記複数の糸を巻き取る糸巻取機と、を備え、前記糸巻取機は、前記ゴデットローラの軸方向と交差する所定方向に延びた、前記複数の糸がそれぞれ巻き取られる複数のボビンが前記所定方向に並べて装着されるボビンホルダと、前記ボビンホルダの上方に配置され、前記複数の糸のそれぞれを綾振りする複数のトラバースガイドと、前記所定方向に配列され、且つ、前記複数の糸のそれぞれが綾振りされる際の支点となる複数の振支点ガイドを有し、前記複数のトラバースガイドの上方に配置されたガイドユニットと、を備え、前記ゴデットローラは、前記複数のボビンに前記複数の糸が巻き取られるときのローラの糸巻取位置と、前記ローラの糸巻取位置よりも上下方向において前記糸巻取機に近いローラの糸掛位置との間で移動可能であり、前記ガイドユニットは、前記複数の糸がそれぞれ前記複数のボビンに巻き取られるときのユニットの糸巻取位置と、前記糸巻取位置よりも上方にあるユニットの巻取位置との間で移動可能であることを特徴とするものである。
【0027】
本発明では、第7の発明と同様に、糸掛け作業時の作業スペースが広くなる。したがって、糸掛け作業をさらに行いやすくすることができる。
【0028】
第11の発明の糸巻取機における糸掛方法は、前記第1の発明の糸巻取装置において、 前記複数の振支点ガイドを、前記ガイド支持体の前記所定方向における一方の端部に集合させるガイド集約工程と、前記ガイドユニットを、前記複数の糸がそれぞれ前記複数のボビンに巻き取られるときの糸巻取位置から、前記糸巻取位置よりも少なくとも前記所定方向の一方にある糸掛位置に移動させるユニット引出工程と、前記ガイド集約工程及び前記ユニット引出工程の後に、前記複数の振支点ガイドに前記複数の糸をそれぞれ掛ける糸掛工程と、を備えることを特徴とするものである。
【0029】
本発明では、振支点ガイドを所定方向の一方に集めるガイド集約工程及びガイドユニットを糸巻取位置よりも少なくとも所定方向の一方に移動させるユニット引出工程の後に、糸掛け作業を行う。これにより、一方側から容易に糸掛け作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本実施形態に係る糸巻取機を有する紡糸巻取設備の概略構成図である。
図2】紡糸引取装置の側面図である。
図3】ガイドユニット及びその周辺構成を示す斜視図である。
図4】ガイドユニットの動きを示す説明図である。
図5】糸掛け補助具の溝に糸を掛ける作業を示す図である。
図6】糸掛け補助具を用いた糸掛け作業を示す図である。
図7】変形例に係る紡糸引取装置の側面図である。
図8】ガイドユニットの動作を示す説明図である。
図9】別の変形例に係るガイドユニットの動作を示す説明図である。
図10】さらに別の変形例に係るガイドユニットの動作を示す説明図である。
図11】さらに別の変形例に係るガイドユニットの動作を示す説明図である。
図12】さらに別の変形例に係る引取装置及びその周辺構成の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、本発明の実施の形態について、図1図6を参照しながら説明する。
【0032】
(紡糸巻取設備の概略構成)
図1は、本実施形態に係る糸巻取機6(詳細は後述)を有する紡糸巻取設備1を正面からみた概略図である。紡糸巻取設備1は、複数の紡糸引取装置2を備える。以下、図1に示すように、複数の紡糸引取装置2が配列された方向を左右方向とする。また、図1において紙面に垂直な方向を前後方向(本発明の「所定方向」)とし、左右方向及び前後方向と直交する方向を上下方向とする。
【0033】
複数の紡糸引取装置2は、左右方向に並べられ、各々が、上方に配置された紡糸装置の紡糸部3から紡出されてくる糸Yを引き取り、複数のボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。紡糸巻取設備1全体をできるだけ小型化することを目的として、複数の紡糸引取装置2は、可能な限り間隔が小さくなるように配置されている。
【0034】
(紡糸引取装置)
次に、紡糸引取装置2の構成について、図2を用いて説明する。図2は、紡糸引取装置2の側面図である。紡糸引取装置2は、紡糸装置の紡糸部3(図1参照)から紡出されてくる糸Yを引き取るための第1ゴデットローラ11、第2ゴデットローラ12(本発明のゴデットローラ)及び糸規制ガイド16と、紡糸引取装置2の動作を制御するための制御装置18と、引き取られた糸Yを複数のボビンBに巻き取ってパッケージPを形成するための糸巻取機6とを備える。
【0035】
第1ゴデットローラ11は、軸方向が左右方向と略平行なローラであり、糸巻取機6の前端部の上方に配置されている。第1ゴデットローラ11は、不図示のモータによって回転駆動される。第2ゴデットローラ12は、軸方向が左右方向と略平行なローラであり、第1ゴデットローラ11よりも上方且つ後方に配置されている。第2ゴデットローラ12は、不図示のモータによって回転駆動される。
【0036】
第2ゴデットローラ12は、ガイドレール14に移動可能に支持されている。ガイドレール14は、上方且つ後方に向かって斜めに延びている。第2ゴデットローラ12は、例えば、モータ13とプーリ対(不図示)とベルト(不図示)等によって、ガイドレール14に沿って移動可能に構成されている。モータ13は、制御装置18と電気的に接続されている。これにより、第2ゴデットローラ12は、糸Yの巻取りを行うときの位置(以降、ローラの糸巻取位置とも称する)と、第1ゴデットローラ11に近接して配置される、糸掛け作業を行うときの位置(以降、ローラの糸掛位置とも称する)との間で移動可能となっている。図2において、糸Yの巻取りを行うときの第2ゴデットローラ12の位置(ローラの糸巻取位置)は実線で表されており、糸掛け作業を行うときの第2ゴデットローラ12の位置(ローラの糸掛け位置)は一点鎖線で表されている。ローラの糸掛位置は、ローラの糸巻取位置よりも前方且つ下方の位置である。
【0037】
糸規制ガイド16は、第1ゴデットローラ11の上方に配置されている。糸規制ガイド16は、例えば、公知の櫛歯状の糸ガイドであって、複数の糸Yが掛けられたときに、隣接する糸Y同士の間隔を所定の値に規定するためのものである。
【0038】
(電気的構成)
次に、紡糸引取装置2の電気的構成について説明する。紡糸引取装置2の動作を制御する制御装置18は、第1ゴデットローラ11を回転駆動するモータ(不図示)、第2ゴデットローラ12を回転駆動するモータ(不図示)、及び、第2ゴデットローラ12を移動させるモータ13を制御する。また、制御装置18は、後述する糸巻取機6の制御部26と電気的に接続されており、制御部26との通信を行う。
【0039】
(糸巻取機)
次に、糸巻取機6について説明する。糸巻取機6は、第1ゴデットローラ11、第2ゴデットローラ12及び糸規制ガイド16の下方に配置されている。糸巻取機6は、機台20と、ガイドユニット21と、複数のトラバースガイド22と、ターレット23と、2つのボビンホルダ24と、コンタクトローラ25と、制御部26等を有する。
【0040】
機台20は、糸巻取機6の後部に立設配置された部材である。機台20には、ターレット23、コンタクトローラ25、及び、後述する枠体27等が支持されている。
【0041】
ガイドユニット21は、第2ゴデットローラ12から送られてくる複数の糸Yをそれぞれ複数のトラバースガイド22に分配するためのものである。ガイドユニット21は、複数の糸Yがそれぞれ掛けられ、複数の糸のそれぞれが綾振りされる際の支点となる複数の振支点ガイド41等を有する。ガイドユニット21の詳細については、後述する。
【0042】
複数のトラバースガイド22は、複数の糸Yに対して個別に設けられ、前後方向に配列されている。複数のトラバースガイド22は、共通のトラバースモータ(不図示)によって駆動され、前後方向に往復移動する。これにより、トラバースガイド22に掛けられた糸Yが、振支点ガイド41を支点にして綾振りされる。
【0043】
ターレット23は、軸方向が前後方向と略平行な円板状の部材であり、機台20によって回転可能に支持されている。ターレット23は、不図示のターレットモータによって回転駆動される。
【0044】
2つのボビンホルダ24は、それぞれに複数のボビンBを装着するためのものである。
2つのボビンホルダ24は、それぞれが、機台20に支持されたターレット23の上端部及び下端部に回転自在に支持され、ターレット23から前方(本発明の「所定方向の一方」)に延びている。言い換えると、2つのボビンホルダ24は、後方(本発明の「所定方向の他方」)側に配置された機台20によって、片持ち支持されている。2つのボビンホルダ24の軸方向は、前後方向と略平行である。
【0045】
各ボビンホルダ24には、複数の糸Yに対して個別に設けられた複数のボビンBが、前後方向に並んで装着されている。1つのボビンホルダに装着されるボビンBの数は、例えば16個である。また、2つのボビンホルダ24は、それぞれ、個別の巻取モータ(不図示)によって回転駆動される。
【0046】
コンタクトローラ25は、軸方向が前後方向と略平行なローラであり、上側のボビンホルダ24のすぐ上方に配置されている。コンタクトローラ25は、上側のボビンホルダ24に支持された複数のパッケージPの表面に接触することで、巻取中のパッケージPの表面に接圧を付与して、パッケージPの形状を整える。
【0047】
枠体27は、ガイドユニット21等を支持するための柱状の部材であり、機台20の上部に取り付けられて機台20から前方に延び、コンタクトローラ25の上方に配置されている。枠体27の上部には、ガイドユニット21が支持されている。また、枠体27の前端部には、ヘッド部31が取り付けられている。ヘッド部31は、ガイドユニット21の一部(例えば、後述する案内レール43等)の前方に配置されている。ヘッド部31には、オペレータが種々の操作を行うための不図示の操作スイッチを有する操作部32や、各種モータ(不図示)等が設けられている。操作部32は、制御部26と電気的に接続されている。ヘッド部31の外側部分は、オペレータの安全確保等を目的として、ヘッドカバー35に覆われている。
【0048】
制御部26は、ターレットモータ(不図示)、トラバースモータ(不図示)、及び、後述する電磁弁49、55等を制御する。制御部26は、操作部32と電気的に接続されており、オペレータが操作部32を操作すると、制御部26は、糸巻取機6の各構成に所定の動作を行わせる。また、制御部26は、制御装置18と電気的に接続されている。
【0049】
以上のような構成を有する糸巻取機6において、上側のボビンホルダ24が回転駆動されると、トラバースガイド22によって綾振りされた糸YがボビンBに巻き取られて、パッケージPが形成される。また、パッケージPが満巻きになった場合、ターレット23が回転させられることにより、2本のボビンホルダ24の上下の位置が入れ換わる。これにより、下側に位置していたボビンホルダ24が上側に移動し、このボビンホルダ24に装着されたボビンBに糸Yを巻き取ってパッケージPを形成することができる。また、満巻きになったパッケージPが装着されたボビンホルダ24は下側に移動し、例えば不図示のパッケージ回収装置によってパッケージPが回収される。
【0050】
なお、上側に移動したボビンBに新たに糸Yが巻き取られる前に、複数の振支点ガイド41に対して、後述する糸掛け作業が行われる。但し、複数の紡糸引取装置2は、左右方向において可能な限り間隔が小さくなるように配置されているため、例えばオペレータが2つの紡糸引取装置2の間に立ち入って作業を行うことは難しい。このため、糸掛け作業は、主に前方から行われることになる。
【0051】
ここで、近年、生産効率向上の観点から、各ボビンホルダ24に装着されるボビンBの数を増やし、一度に形成することのできるパッケージPの数を増やす傾向にある。ボビンBの数が増えると、ボビンBに対応する振支点ガイド41の数も増える。また、振支点ガイド41とトラバースガイド22との上下方向の間隔が狭い場合もある。例えば、ボビンホルダ24の前後方向の大きさを従来から変えずにボビンBの数を増やす場合、ボビンBの幅が従来よりも小さくなり、糸Yの綾振り幅が小さくなる。これに伴い、綾振りの軌道と糸Yとのなす最大角度を従来と同程度に調整するために(パッケージPの両端部における糸Yの巻取時の張力を、従来と同程度に保つため)、複数の振支点ガイド41と複数のトラバースガイド22との上下方向の距離を小さくする必要がある。また、これにより、複数の振支点ガイド41を従来よりも下方に配置する必要が生じ、ガイドユニット21とヘッド部31とが前後方向において重なりやすくなる。これらの理由によって、後述する糸掛け作業が行いにくくなるおそれがある。そこで、本実施形態では、ガイドユニット21が以下のような構成を備えている。
【0052】
(ガイドユニット)
ガイドユニット21の構成について、図2及び図3を用いて説明する。図3は、ガイドユニット21及びその周辺構成を示す斜視図である。図3(a)は、糸YがボビンBに巻き取られているときのガイドユニット21の位置を示す図である。図3(b)は、糸掛け作業が行われるときのガイドユニット21の位置を示す図である。
【0053】
ガイドユニット21は、複数の振支点ガイド41と、ガイド支持体42と、案内レール43(本発明の「補助部材案内部」)等を有する。複数の振支点ガイド41は、前述したように、複数の糸Yがそれぞれ掛けられ、複数の糸Yのそれぞれが綾振りされる際の支点となるものである。複数の振支点ガイド41は、ガイド支持体42に相対移動可能に装着され、前後方向に配列されている。隣接する2つの振支点ガイド41は、不図示のベルトによって互いに連結されている。また、最も後方の振支点ガイド41には、スライダ46が連結されている。
【0054】
ガイド支持体42は、複数の振支点ガイド41を相対移動可能に支持するためのものであり、前後方向に延びた柱状の部材である。ガイド支持体42は、後述するリンク機構44を介して、枠体27に支持されている。また、ガイド支持体42内には、エアシリンダ48が挿通されている。エアシリンダ48は、スライダ46と連結されており、エアシリンダ48が駆動することで、スライダ46が前後方向に移動する構成になっている。なお、エアの供給と排出は、例えば電磁弁49によって切り換えられる。スライダ46の移動に伴い、複数の振支点ガイド41は、ガイド支持体に沿って前後方向に移動する。
【0055】
複数の糸Yが複数のボビンBに巻き取られているときは、複数の振支点ガイド41は、図3(a)に示すように、前後方向に所定の間隔で配列されている。一方、後述する糸掛け作業の前には、エアシリンダ48が駆動することでスライダ46が前方に移動し、複数の振支点ガイド41は、図3(b)に示すように、ガイド支持体42に沿って、間隔が小さくなるように前方に移動する。このように、複数の振支点ガイド41が、前端部に集合可能になっている。
【0056】
案内レール43は、糸掛け作業時に使用される糸掛け補助具61(本発明の「糸掛け補助部材」。図3(b)、図5図6参照)を案内するための略長方形状の平板部材である。糸掛け補助具61は、糸掛け作業時に、複数の糸Yを複数の溝62に分けて保持し、複数の振支点ガイド41に対して移動させることで、複数の振支点ガイド41のそれぞれに糸を掛けるための部材である。案内レール43は、ガイド支持体42の前端部下側に取り付けられており、その長手方向が前後方向に沿うように延びている。案内レール43の前端部には、不図示の旋回支点が設けられており、案内レール43は、旋回支点を中心に旋回自在な構成になっている。案内レール43は、不図示の姿勢切換部によって、退避姿勢と案内姿勢との間で姿勢を切り換えることが可能である。すなわち、糸YがボビンBに巻き取られているときには、案内レール43は、糸Yと干渉しないように、長手方向が前後方向と略平行になり、ガイド支持体42の下方に退避する退避姿勢をとる(図3(a)参照)。また、糸掛け作業の前には、案内レール43が旋回することで前後方向に対して(すなわち、ガイド支持体42の長手方向に対して)左右方向に傾く構成になっている。これにより、糸掛け作業時には、案内レール43は斜めに傾き、糸掛け補助具61を案内する案内姿勢をとる(図3(b)及び図6参照)。
【0057】
ここで、各振支点ガイド41は前後方向において所定の幅を有するため、振支点ガイド41の数が増えると、振支点ガイド41を前方に集合させても(図3(b)の実線参照)、オペレータから最も後方の振支点ガイド41までの距離がなお遠く、糸掛け作業が行いにくい。また、糸YがボビンBに巻き取られているとき、案内レール43はヘッド部31のすぐ後方に位置する(図2参照)。このため、案内レール43が案内姿勢をとっても(図3(b)の実線参照)、ヘッド部31が邪魔になる等により、糸掛け作業が行いにくいおそれがある。
【0058】
また、振支点ガイド41とトラバースガイド22との上下方向の間隔が狭いと、振支点ガイド41の下方における作業スペースが狭くなり、オペレータの手や糸掛け用の治具等がガイドユニット21やトラバースガイド22等と干渉する等して、糸掛け作業が行いにくいおそれがある。
【0059】
そこで、ガイドユニット21は、以下に示すようなリンク機構44を介して枠体27に支持されている。リンク機構44は、ガイドユニット21と枠体27の間に介在し、枠体27に対して、ガイドユニット21を2つの位置、すなわち糸巻取位置(本発明のユニットの糸巻取位置)と糸掛位置(本発明のユニットの糸掛位置)との間で移動させるためのものである。図3に示すように、リンク機構44は、主にエアシリンダ51とリンク52、53とを有する。
【0060】
エアシリンダ51は、枠体27の後部の右側面に取り付けられている。エアシリンダ51内には、エアの供給、排出によって前後方向に移動する不図示のピストンが収容されている。エアの供給と排出は、例えば電磁弁55によって切り換えられる。また、ピストンから、ピストンロッド54が後方且つ上方に向かって延びている。エアシリンダ51の基端側は、枠体27に、ジョイント51aを介して回転可能に接続されている。
【0061】
リンク52は、略L字型の平板状の部材である。リンク52の一端部は、ジョイント52aを介してピストンロッド54の先端部に回転可能に接続されている。他端部は、ガイド支持体42の後端部に、ジョイント52bを介して回転可能に接続されている。また、リンク52の一端部と他端部との間の屈曲部分は、枠体27の後端部の上側に、ジョイント52cを介して回転可能に接続されている。リンク53は、リンク52と同様、略L字型の部材である。リンク53の一端部は、いずれの部材とも接続されていない。リンク53の他端部は、ガイド支持体42の前端部に、ジョイント53bを介して回転可能に接続されている。また、リンク53の一端部と他端部との間の屈曲部分は、枠体27の前端部の上側に、ジョイント53cを介して回転可能に接続されている。これによって、ガイド支持体42が、リンク52、53を介し、前後方向と略平行な状態で枠体27に支持されている。
【0062】
以上のような構成を有するリンク機構44において、エアシリンダ51にエアが供給されていない状態では、ガイドユニット21は、図3(a)に示すように、糸YがボビンBに巻き取られるときの糸巻取位置にある。エアシリンダ51にエアが供給されると、不図示のピストン及びピストンロッド54が後方に移動する。これにより、ピストンロッド54の先端部に接続されたリンク52が、ジョイント52cを軸に回転する。リンク52が回転すると、リンク52の他端部とジョイント52bを介して接続されたガイド支持体42が、糸巻取位置よりも前方且つ上方へ移動する(図3(b)の二点鎖線参照)。なお、ガイド支持体42の動きに追従して、リンク53もリンク52と同様に回転するので、ガイド支持体42の姿勢は、前後方向に略平行に維持される。このように、ガイドユニット21全体が、糸巻取位置と、糸巻取位置よりも前方且つ上方の糸掛位置との間で移動可能である。ここで、ガイドユニット21が糸掛位置に位置しているとき、ガイドユニット21の前端部は、ヘッド部31の前端部(すなわち、糸巻取機6の前端部)よりも後方に位置している。
【0063】
(糸掛け作業)
次に、以上のような構成を有する紡糸引取装置2における糸掛け作業について、図4図6を用いて説明する。図4は、ガイドユニット21の動きを示す説明図である。図5は、第2ゴデットローラ12に掛けられている糸Yを糸掛け補助具61に掛ける作業を示す図である。図6は、糸掛け補助具61を用いた糸掛け作業を示す図である。
【0064】
まず、図4(a)に示すように、糸YがボビンBに巻き取られてパッケージPが形成されている。この状態では、第2ゴデットローラ12がローラの糸巻取位置に位置している。また、複数の振支点ガイド41が互いに離れており、且つ、ガイドユニット21が糸巻取位置にある。
【0065】
次に、パッケージPが満巻きになった等の場合、新しい空のボビンBに糸Yを巻き取る準備をするために、複数の振支点ガイド41に対して糸掛け作業を行う。まず、糸掛け作業に先立って、オペレータが操作部32を操作すると、制御装置18及び制御部26が、糸掛け作業の準備動作を行う。すなわち、図4(b)に示すように、制御装置18(図2参照)がモータ13を制御して、第2ゴデットローラ12をローラの糸巻取位置からローラの糸掛位置に移動させて、第1ゴデットローラ11に近接させる。このとき、第2ゴデットローラ12は、上下方向において糸巻取機6に近づくとともに、前後方向において糸巻取機6の前端部に近づく。また、制御部26が電磁弁49(図3参照)を制御してエアシリンダ48(図3参照)を作動させ、複数の振支点ガイド41を、前端部に集合させる(ガイド集約工程)。
【0066】
また、その際、制御部26は、不図示の案内切換部を制御して、案内レール43を退避姿勢から案内姿勢に切り換える(図3(b)参照)。さらに、図4(c)に示すように、制御部26は、電磁弁55(図3参照)を制御してエアシリンダ51を作動させ、ガイドユニット21を糸巻取位置よりも前方且つ上方の糸掛位置に移動させる(ユニット引出工程)。これにより、ガイドユニット21は、ヘッド部31と干渉することなく斜め前上方に引き出され、複数の振支点ガイド41がオペレータ側へ近づくとともに、ローラの糸掛位置に位置している第2ゴデットローラ12側へ近づく。このとき、全ての振支点ガイド41が、上下方向において第2ゴデットローラ12側へ近づく。また、複数の振支点ガイド41のうち、後側に位置する振支点ガイド(少なくとも、最も後側に位置する振支点ガイド)は、前後方向においても、第2ゴデットローラ12側へ近づく。また、複数の振支点ガイド41と複数のトラバースガイドとの上下方向の間隔が広がり、作業スペースが広くなる。
【0067】
上記ガイド集約工程及びユニット引出工程の後、オペレータは、図4(c)に示すように、上方から降りてくる複数の糸Yをサクションガン63で吸引保持しつつ、第1ゴデットローラ11、第2ゴデットローラ12の順に、複数の糸Yを左右方向に並べて掛ける。さらに、オペレータは、複数の糸Yのそれぞれを、複数の振支点ガイド41にそれぞれ掛ける(本発明の「糸掛工程」)。具体的には、オペレータは、図5に示すように、第2ゴデットローラ12とサクションガン63との間にある複数の糸Yに対して、糸掛け補助具61を前方から後方に移動させ(矢印参照)、複数の糸Yを糸掛け補助具61の複数の溝62にそれぞれ掛ける。これにより、糸掛け補助具61によって、複数の糸Yが、複数の溝62にそれぞれ分配された状態で保持される。ここで、第2ゴデットローラ12からサクションガン63に向かって吸引される複数の糸Yの間隔は、第2ゴデットローラ12に近いほど広くなっている。対照的に、サクションガン63に近いほど複数の糸Yの間隔は、狭い、或いは、複数の糸Y同士が近接することで絡み合っている。複数の糸Yの間隔が狭い位置においては、糸掛け補助具61の複数の溝62に複数の糸Yをうまく分配できない(二点鎖線で示された糸掛け補助具61を参照)ため、糸掛け補助具61による糸Yの分配は、第2ゴデットローラ12にある程度近い位置で行われる。
【0068】
そして、オペレータは、図6に示すように、複数の糸Yを分配保持している糸掛け補助具61を、案内レール43に沿って後方から前方へ移動させる。これにより、複数の振支点ガイド41のそれぞれに複数の糸Yのそれぞれが掛けられる。このように、本実施形態では、第2ゴデットローラ12がローラの糸掛位置に位置し、複数の振支点ガイド41が前方に集合し、且つ、ガイドユニット21が第2ゴデットローラ12側へ近づいている状態で、糸掛け作業が行われる。つまり、糸掛け作業時には、第2ゴデットローラ12と複数の振支点ガイド41とが、互いにかなり近接した状態になる。このため、第2ゴデットローラ12に複数の糸Yが掛けられた後の、糸Yの分配及び複数の振支点ガイド41への糸掛けに必要な糸Yの移動距離が短くなり、糸掛け時間も短縮することができる。なお、糸掛け作業のさらなる詳細については、特許文献1(特開2015-164875号公報)等を参照されたい。
【0069】
以上のように、複数のトラバースガイド22の上方に配置された複数の振支点ガイド41を、ボビンホルダ24の前端側に集めることができる。これに加え、ガイドユニット21全体が、糸巻取位置よりもさらに前方の糸掛位置まで引き出される。これにより、前方からの糸掛け作業がさらに容易になる。したがって、複数の振支点ガイド41への糸掛け作業性をさらに向上させることができる。
【0070】
また、ガイドユニット21が前方且つ上方、すなわち斜め前上方に移動可能である。つまり、ガイドユニット21が糸巻取位置から糸掛位置に移動することで、複数の振支点ガイド41が複数のトラバースガイド22から上下方向においても遠ざかり、複数の振支点ガイド41と複数のトラバースガイド22との間隔が広がる。このため、糸巻取時において振支点ガイド41とトラバースガイド22との間隔が狭く、糸掛け作業の作業性が悪化するおそれがあるような場合でも、糸掛け作業時の作業スペースを広くして、オペレータの手や糸掛け補助具61等とガイドユニット21やトラバースガイド22等との干渉を起こりにくくすることができる。したがって、糸掛け作業をさらに行いやすくすることができる。
【0071】
なお、振支点ガイド41とトラバースガイド22との間隔が狭い場合、トラバースガイド22のメンテナンス時の作業性も悪くなるおそれがあるが、ガイドユニット21が糸巻取位置から糸掛位置に移動可能であるため、メンテナンス性の改善も併せて可能になる。すなわち、ガイドユニット21が糸掛位置にあるときは、ガイドユニット21と複数のトラバースガイド22との上下方向の間隔が広がるため、作業スペースが広くなり、トラバースガイド22のメンテナンス作業が容易になる。
【0072】
また、本実施形態では、ガイドユニット21が上方へも移動可能である。このため、ヘッド部がガイドユニット21に対して干渉し、或いは邪魔になりやすいような場合でも、ガイドユニット21がヘッド部31に干渉すること等を回避することができ、ガイドユニット21を前方へ引き出しやすくなる。
【0073】
また、ガイドユニット21が糸掛位置に位置しているときも、ガイドユニット21がヘッド部31よりも前方に突出していない。このため、前方において糸掛け作業のためのスペースが狭くなることを防止できる。また、ヘッド部31よりも前方に突出しないため、糸巻取機6を設置する上でレイアウト検討が容易になる。
【0074】
また、ボビンホルダ24の後端部が機台20に片持ち支持されている。つまり、前方は、ボビンホルダ24の先端側、すなわち複数のボビンBの装着や取り外しが行われる作業側である。言い換えると、ガイドユニット21が糸巻取位置から糸掛位置に移動することで、複数の振支点ガイド41がさらに作業側に近づく。したがって、容易に糸掛け作業を行うことができる。
【0075】
また、ガイドユニット21が、糸掛け補助具61を案内する案内レール43を有する。すなわち、案内レール43が、ガイドユニット21とともに糸掛位置へ移動可能である。したがって、糸掛け作業を容易に行うことができる。
【0076】
本実施形態のように、ガイドユニット21に案内レール43のような付属品が取り付けられていると、例えばヘッド部31等の他部材と干渉しやすくなる。このような場合に、ガイドユニット21を斜め前上方に移動させることは、特に有効である。
【0077】
また、振支点ガイド41を前方に集めるガイド集約工程及びガイドユニット21を糸巻取位置よりも少なくとも前方に移動させるユニット引出工程の後に、糸掛け作業を行う。これにより、前方から容易に糸掛け作業を行うことができる。
【0078】
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0079】
(1)前記実施形態においては、ガイドユニット21の糸掛位置が、ガイドユニット21の糸巻取位置よりも前方且つ上方であるものとしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、前方、且つ、斜め左上方又は斜め右上方でも良い。
【0080】
(2)ガイドユニット21の糸掛位置は、必ずしもガイドユニット21の糸巻取位置よりも前方且つ上方の位置でなくても良く、例えば、ガイドユニット21の糸巻取位置よりも前方且つ左方又は右方の位置でも良い。つまり、ガイドユニット21を少なくとも前方に引き出せる構成になっていれば良い。
【0081】
(3)前後方向及び上下方向におけるガイドユニット21の糸巻取位置とガイドユニット21の糸掛位置との距離は、例えばリンク機構44のリンク52、53を、大きさや屈曲角度が異なる別のリンクに取り換えること等により、自由に変更可能である。
【0082】
(4)前記までの実施形態においては、ガイドユニット21がリンク機構44によって移動するものとしたが、これには限られない。例えば、ガイドユニット21を移動させるための駆動源として、モータやシリンダ等を用いても良い。
【0083】
(5)前記までの実施形態においては、糸掛け作業前に、振支点ガイド41が前方に集まるように移動するものとしたが、これには限られない。すなわち、図7及び図8に示すように、ガイドユニット21aがエアシリンダ48等を有しておらず、振支点ガイド41を前方に集めない状態で、ガイドユニット21が糸巻取位置(図8(a)参照)と、糸巻取位置よりも前方且つ上方の糸掛位置(図8(b)参照)との間で移動可能であっても良い。この場合でも、ガイドユニット21aが糸巻取位置から糸掛位置に移動することで、複数の振支点ガイド41が前方に移動し、前方からの糸掛け作業が容易になる。さらに、複数の振支点ガイド41と複数のトラバースガイド22との上下方向の間隔が広がって、糸掛け作業時の作業スペースが広くなり、オペレータの手等とガイドユニット21aやトラバースガイド22等とが干渉しにくくなる。また、ガイドユニット21aが糸巻取位置から糸掛位置に移動することで、全ての振支点ガイド41が、上下方向において第2ゴデットローラ12側へ近づく。これにより、第2ゴデットローラ12と複数の振支点ガイド41とが互いに近接するため、糸Yの分配及び複数の振支点ガイド41への糸掛けに必要な糸Yの移動距離が短くなる。したがって、糸掛け作業をより行いやすくすることができる。なお、この変形例においても、糸掛位置は、糸巻取位置よりも前方、且つ、斜め左上方又は斜め右上方でも良い。
【0084】
(6)上記(5)の変形例において、ガイドユニット21aが前方且つ上方に移動可能であるものとしたが、これには限られない。すなわち、糸掛位置が糸巻取位置よりも上方にあっても良い。例えば、図9に示すように、ガイドユニット64の前後方向の両端部の下側が、それぞれエアシリンダ65、66によって支持されている。エアシリンダ65のピストンロッド67及びエアシリンダ66のピストンロッド68は、それぞれ上方に延びている。糸掛け作業時には、ピストンロッド67及びピストンロッド68が上方へ移動することで、ガイドユニット64が上方に移動する。これにより、ガイドユニット64は糸巻取位置(図9(a)参照)と、糸巻取位置よりも上方の糸掛位置(図9(b)参照)との間で移動可能になる。この場合でも、複数の振支点ガイド41と複数のトラバースガイド22との上下方向の間隔が広がって、糸掛け作業時の作業スペースが広くなり、オペレータの手等とガイドユニット64やトラバースガイド22等とが干渉しにくくなる。したがって、糸掛け作業をより行いやすくすることができる。なお、この変形例においても、「上方」は、「直上」に限定されるものではない。
【0085】
(7)上記(6)で示したガイドユニット64において、振支点ガイド41が前方に集合可能であっても良い。すなわち、図10に示すように、ガイドユニット64aがエアシリンダ48及びスライダ46を有しており(図10(a)参照)、糸掛け作業前にエアシリンダ48が作動して、振支点ガイド41が前方に集合するような構成になっていても良い(図10(b)参照)。これにより、糸掛け作業がさらに容易になる。
【0086】
(8)前記までの実施形態においては、糸巻取機6がヘッド部31を有するものとしたが、これには限られない。すなわち、ガイドユニット21の前方にヘッド部31がない場合でも、ガイドユニット21が糸巻取位置よりも前方且つ上方へ移動することで、複数の振支点ガイド41と複数のトラバースガイド22との上下方向の間隔を広げ、糸巻取時の作業スペースを広くして、糸掛け作業をさらに行いやすくすることができる。
【0087】
(9)振支点ガイド41が前方に集合可能な構成において、ガイドユニットは、前方にのみ移動可能であっても良い。すなわち、例えば図11に示すように、枠体27の前端部にヘッド部が取り付けられておらず、且つ、ガイドユニット70が前方にのみ移動可能であっても良い。ガイドユニット70を前方に移動させるための構成は何でも良いが、具体的には、例えばリンク機構の代わりに、ガイドユニット70の後方にエアシリンダ71が設けられており、ガイドユニット70は、前後方向に延びた不図示のガイドレールに移動可能に支持されている。エアシリンダ71に設けられたピストンロッド72の先端部は、ガイドユニット70の後端部に取り付けられており、エアの供給、排出により前後方向に移動する。以上の構成により、ガイドユニット70は、糸巻取位置(図11(a)参照)と、糸巻取位置よりも前方の糸掛位置(図11(b)参照)との間で移動可能である。
【0088】
(10)前記までの実施形態においては、ガイド集約工程の後にユニット引出工程を行うものとしたが、これには限られない。ユニット引出工程の後にガイド集約工程を行っても良く、或いはガイド集約工程を行いつつユニット引出工程を行っても良い。
【0089】
(11)前記までの実施形態においては、制御部26がガイド集約工程及びユニット引出工程を行うものとしたが、オペレータが手動で複数の振支点ガイド41やガイドユニット21を移動させるような構成になっていても良い。
【0090】
(12)前記までの実施形態においては、第2ゴデットローラ12が、モータ13等によってローラの糸巻取位置とローラの糸掛位置との間で移動可能であるものとしたが、これには限られない。第2ゴデットローラ12を移動させるローラ移動機構として、例えば、エアシリンダ(不図示)等を駆動源に用いても良い。或いは、ローラ移動機構としてボールねじ機構(不図示)等を用いても良い。或いは、オペレータが手動で第2ゴデットローラ12を移動させるような構成であっても良い。
【0091】
(13)前記までの実施形態においては、オペレータが糸掛け作業を行うものとしたが、これには限られない。例えば、図12に示すように、紡糸引取装置2の前方且つ上方に配置された糸掛けロボット80により、糸掛け作業を行っても良い。この糸掛けロボット80は、左右方向に延びた不図示のレールに吊り下げられており、左右方向に移動可能に構成されている。糸掛けロボット80は、複数のアーム82及び関節83により三次元的に移動可能に構成されたアーム部81と、アーム部81の先端部に設けられた糸掛けユニット84とを有する。糸掛けユニット84は、糸を吸引するサクション85と、糸掛け補助具61(図3(b)、図5図6参照)と同様の形状の糸分けガイド86とを有する。この場合、糸分けガイド86が、本発明の「糸掛け補助部材」に相当する。このような構成を備えた糸掛けロボット80により、前方から複数の振支点ガイド41に複数の糸Yをそれぞれ掛けても良い。
【0092】
(14)ガイドユニット21は、糸掛け補助具61等を案内する案内レール43を必ずしも有していなくても良い。この場合でも、ガイドユニット21が移動可能であることで糸掛け作業を行いやすくなっているため、複数の糸Yを保持した糸掛け補助具61を複数の振支点ガイド41に対して斜めに移動させることで、糸掛けをすることも可能である。或いは、糸掛け補助具61を用いずに糸Yを1本ずつ振支点ガイド41にかけても良い。
【0093】
(15)ボビンホルダ24は、必ずしも片持ち支持されていなくても良い。
【0094】
(16)糸巻取機6は、紡糸以外の糸を巻き取っても良い。
【符号の説明】
【0095】
2 紡糸引取装置
6 糸巻取機
12 第2ゴデットローラ(ゴデットローラ)
20 機台
21 ガイドユニット
22 トラバースガイド
24 ボビンホルダ
27 枠体
31 ヘッド部
41 振支点ガイド
42 ガイド支持体
43 案内レール(補助部材案内部)
61 糸掛け補助具(糸掛け補助部材)
B ボビン
Y 糸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12